特許第5790941号(P5790941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5790941電子写真現像剤用磁性キャリア、並びに二成分系現像剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5790941
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】電子写真現像剤用磁性キャリア、並びに二成分系現像剤
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/107 20060101AFI20150917BHJP
   G03G 9/113 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G03G9/10 331
   G03G9/10 351
   G03G9/10 352
   G03G9/10 354
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-82367(P2012-82367)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-210584(P2013-210584A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166443
【氏名又は名称】戸田工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原田 茂典
(72)【発明者】
【氏名】植本 真次
(72)【発明者】
【氏名】三澤 浩光
(72)【発明者】
【氏名】栗田 栄一
(72)【発明者】
【氏名】青木 功荘
【審査官】 野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−9034(JP,A)
【文献】 特開2000−351631(JP,A)
【文献】 特開2003−192351(JP,A)
【文献】 特開2011−13676(JP,A)
【文献】 特開2009−230090(JP,A)
【文献】 特開2000−39742(JP,A)
【文献】 特許第5760599(JP,B2)
【文献】 国際公開第2012/133645(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性酸化鉄粒子をバインダー樹脂に分散してなる球状磁性複合体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キャリアであって、磁性酸化鉄粒子として少なくとも複数の粒状体が結着した平均粒子径が0.5〜30μmの磁性酸化鉄粒子粉末を使用することを特徴とする電子写真現像剤用磁性キャリア。
【請求項2】
前記複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末の比表面積Sv(m2/g)がSv≧2/X[X(μm);平均粒子径]を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
【請求項3】
前記複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末の展色L*値が60以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
【請求項4】
前記複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子を磁性酸化鉄粒子a、複数の粒状体が結着していない磁性酸化鉄粒子を磁性酸化鉄粒子bとした際、電子写真現像剤用磁性キャリアに含まれる前記磁性酸化鉄粒子aと前記磁性酸化鉄粒子bとの混合比率が、磁性キャリアに含まれる磁性酸化鉄粒子の総量を100重量%とした場合、5〜95重量%の範囲内で磁性酸化鉄粒子aが含まれている請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
【請求項5】
前記バインダー樹脂がフェノール系樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
【請求項6】
前記球状磁性複合体粒子の粒子表面にメラミン樹脂が含まれる被覆層を形成させた請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
【請求項7】
前記球状磁性複合体粒子の粒子表面に樹脂被覆してなり、かつ、該被覆樹脂が、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアとトナーからなる二成分系現像剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真現像剤用磁性キャリアに関するものであり、粒子表面に複数の粒状体が結着した粒子に起因する凹凸を有することにより、樹脂被覆時の接着性に優れるため、樹脂被覆キャリアが機械的なストレスに対して電気抵抗値を維持できるため、電子写真現像剤に用いられる高画質な画像を長く維持することが可能である耐久性に優れた電子写真現像剤用磁性キャリアを提供する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、電子写真方式においては、セレン、OPC(有機感光体)、a−Si等の光導電性物質を感光体として用い、種々の手段により静電気的潜像を形成し、この潜像に磁気ブラシ現像法等を用いて、潜像の極性と逆に帯電させたトナーを静電気力により付着させ、顕像化する方式が一般に採用されている。
【0003】
この現像工程においては、トナーとキャリアとからなる二成分系の現像剤が使用され、キャリアと呼ばれる担体粒子が摩擦帯電により適量の正又は負の電気量をトナーに付与し、且つ、磁気力を利用し磁石を内蔵する現像スリーブを介して、潜像を形成した感光体表面付近の現像領域にトナーを搬送している。
【0004】
前記電子写真法は複写機又はプリンターに広く多用化されており、近年、デジタル化や複合化など高機能化が進み、同時に高画質化及び高速化に伴い使用される現像剤としての諸特性の向上が要求されている。
【0005】
特に、カラー用現像剤に用いられるキャリアには、高画質化及び高速化に伴って更に高信頼性が必要であり、キャリアの電気抵抗等の諸特性が長期に亘って維持できる長寿命化が必要とされている。
【0006】
現像機中において、キャリアにはトナーとの摩擦やキャリア同士の接触、現像機内部との接触といったシェアが常にかかっており、樹脂被覆キャリアの電気抵抗値の変化やトナーのスペント等の原因となっている。
【0007】
鉄粉キャリア及びフェライトキャリアは、通常、粒子表面を樹脂で被覆して使用されるが、前記鉄粉キャリアは真比重が7〜8g/cm、フェライトキャリアは真比重が4.5〜5.5g/cmと大きいために、現像機中で攪拌する為には大きな駆動力を必要とし、機械的な損耗が多く、トナーのスペント化、キャリア自体の電気抵抗変化感光体の損傷を招きやすい。
【0008】
もっとも、特開平2−220068号公報記載の磁性微粒子とフェノール樹脂とからなる球状複合体粒子からなる磁性体分散型キャリアは、真比重が3〜4g/cmと前記鉄粉キャリア及びフェライトキャリアに比べて真比重が小さいために、トナーとキャリアの衝突時のエネルギーが小さくなり、樹脂被覆キャリアの電気抵抗値の耐久維持性やトナーのスペント抑制化に対して有利である。
【0009】
しかしながら、近年の複写機及びプリンターの高機能化、高画質化及び高速化に伴い、現像機中でシェアがかかった時に樹脂被覆層が剥離した場合等に、電気抵抗値が変化し画像の乱れやキャリア付着等を引き起こしてしまう問題がある。
【0010】
特に最近では、メンテナンスフリー化のためマシン寿命まで現像剤の耐久性が必要な場合もあり、耐久性に優れたキャリアが強く要求されている。
【0011】
従来、磁性体分散型の電子写真現像剤用磁性キャリアについて、粒子の表面状態に着目し、球状複合体粒子の粒子表面が板状金属酸化物粒子に起因する微小な凹凸を有しており、磁性キャリアの流動率と平均粒子径によって制御した技術(特許文献1)、強磁性酸化鉄粒子をフェノール樹脂に分散してなる粒子表面が微小な凹凸を有しており、十点平均粗さによって制御した技術(特許文献2)などが知られている。また、粉体の凝集状態に着目し、凝集粒子径を制御した磁性酸化鉄粒子に関する技術(特許文献3)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−323007号公報
【特許文献2】特開2011−13676号公報
【特許文献3】特開平8−259238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記特許文献1及び2記載の技術では、磁性キャリア粒子表面に微小な凹凸を形成することにより、被覆樹脂との接着性を高めてはいるが、現像機中でかかるシェアに対しての被覆樹脂層の耐久性が十分であるとは言い難く、長寿命化という課題に対して満足するものであるとは言い難い。
【0014】
また、前記特許文献3記載の技術では、凝集粒子を球状磁性複合体粒子用の磁性酸化鉄粒子として用いた場合、得られた球状磁性複合体粒子の粒子表面が平滑であり、耐久性がある磁性キャリアを得るという課題を満足するものでない。
【0015】
そこで、本発明は、磁性キャリア芯材と被覆樹脂との接着性を高めることで耐久性が向上した電子写真現像剤用磁性キャリアを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0017】
磁性酸化鉄粒子をバインダー樹脂に分散してなる球状磁性複合体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キャリアであって、磁性酸化鉄粒子として少なくとも複数の粒状体が結着した平均粒子径が0.5〜30μmの磁性酸化鉄粒子粉末を使用することを特徴とする電子写真現像剤用磁性キャリアである(本発明1)。
【0018】
前記複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末の比表面積Sv(m2/g)がSv≧2/X[X(μm);平均粒子径]を満足することを特徴とする本発明1に記載の電子写真現像剤用磁性キャリアである(本発明2)。
【0019】
前記複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末の展色L*値が60以上であることを特徴とする本発明1又は2のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアである(本発明3)。
【0020】
前記複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子を磁性酸化鉄粒子a、複数の粒状体が結着していない磁性酸化鉄粒子を磁性酸化鉄粒子bとした際、電子写真現像剤用磁性キャリアに含まれる前記磁性酸化鉄粒子aと前記磁性酸化鉄粒子bとの混合比率が、磁性キャリアに含まれる磁性酸化鉄粒子の総量を100重量%とした場合、5〜95重量%の範囲内で磁性酸化鉄粒子aが含まれている本発明1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアである(本発明4)。
【0021】
前記バインダー樹脂がフェノール系樹脂である本発明1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアである(本発明5)。
【0022】
前記球状磁性複合体粒子の粒子表面にメラミン樹脂が含まれる被覆層を形成させた本発明1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアである(本発明6)。
【0023】
前記球状磁性複合体粒子の粒子表面に樹脂被覆してなり、かつ、該被覆樹脂が、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上である本発明1〜6のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアである(本発明7)。
【0024】
本発明1〜7のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアとトナーからなる二成分系現像剤である(本発明8)。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリアは、磁性酸化鉄粒子をバインダー樹脂に分散してなる球状磁性複合体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キャリアであって、少なくとも複数の粒状体が結着した平均粒径が0.5〜30μmの磁性酸化鉄粒子粉末を用いることで磁性キャリア粒子表面に凹凸を形成するため、被覆樹脂との接着性に非常に優れており、長期に亘ってキャリアの電気抵抗値を維持できるので耐久性に優れているおり、電子写真現像剤用磁性キャリアとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】磁性酸化鉄粒子Aの粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。(倍率10000倍)
図2】実施例1で得られた磁性キャリアの電子顕微鏡写真である。(倍率10000倍)
図3】実施例1で得られた磁性キャリアの電子顕微鏡写真である。(倍率10000倍)
図4】実施例1で得られた磁性キャリアの電子顕微鏡写真である。(倍率10000倍)
図5】比較例1で得られた磁性キャリアの電子顕微鏡写真である。(倍率10000倍)
図6】比較例1で得られた磁性キャリアの電子顕微鏡写真である。(倍率10000倍)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】
本発明は、磁性酸化鉄粒子をバインダー樹脂に分散してなる球状磁性複合体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キャリアであって、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末を少なくとも用いることを特徴とする電子写真現像剤用磁性キャリアである。
【0029】
まず、本発明における複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末について述べる。
【0030】
本発明における磁性酸化鉄粒子の組成的にはマグネタイト((FeO)・Fe、0<x≦1)からなり、鉄以外の金属元素で、Mn、Zn、Ni、Cu、Ti、Si、Al、Mg、Caから選ばれる一種又は二種以上の金属元素を総量として磁性酸化鉄粒子に対して0〜20重量%含んでいても良い。
【0031】
本発明における磁性酸化鉄粒子は、鉄以外の金属元素で、Mn、Zn、Ni、Cu、Ti、Si、Al、Mg、Caから選ばれる一種又は二種以上の金属元素からなる化合物で表面処理しても良く、前記元素の存在量は0〜20.0重量%である。
【0032】
本発明における磁性酸化鉄粒子粉末は、複数の粒状体が結着(結合)した粒子形状であるものを少なくとも含んでいる。粒状体とは、八面体、六面体、多面体、球状などである。前記複数の粒状体が結着した粒子では、粒状体の粒子形状の形骸に起因する表面状態となっている。
【0033】
本発明における、複数の粒状体が結着した前記磁性酸化鉄粒子粉末の平均粒子径(一次粒子径)は0.5〜30μmである。平均粒子径が0.5μmより小さい粒子である場合には、耐久性の良い磁性キャリアとはならない。平均粒子径が30μmより大きい粒子の場合、電子写真現像剤用磁性キャリア用の磁性酸化鉄粒子粉末として使用が困難である。好ましい平均粒子径は1.0〜10μmである。
【0034】
本発明における、複数の粒状体が結着した前記磁性酸化鉄粒子粉末は、複数の粒状体が結着したものであり、粒状体が容易には分離できないものである。本発明では、粒状体は分離できないので粒状体の大きさを測定することは難しいが0.02〜2.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜1.5μmである。
【0035】
本発明における、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末のBET比表面積Svは、Sv≧2/X [X(μm);平均粒子径]であることが好ましい。この関係を満足することは、磁性酸化鉄粒子が、複数の粒状体が結着した構造を有する特徴の1つである。Sv<2/Xの場合には、耐久性の良い磁性キャリアとはならない。また、BET比表面積は0.1m/g以上であることが好ましい。0.1m/gより小さい場合には、磁性キャリア用の磁性酸化鉄粒子粉末としての使用が困難である。上限は、生産性を考慮すると100m/g程度である。
【0036】
本発明における、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末の展色L*値は60以上であることが好ましい。60より小さい場合には、磁性複合体粒子を作製しても、耐久性の良い磁性キャリアとはならない。上限は特に制限されるものではないが、生産効率等の理由から80程度である。
【0037】
本発明における、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末の飽和磁化値は60〜92Am/kg(60〜92emu/g)が好ましく、より好ましくは65〜91Am/kg(65〜91emu/g)である。92Am/kgの値はマグネタイトの理論値であり、これを越える場合はない。
【0038】
次に、本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリア(以下、「磁性キャリア」という)について述べる。
【0039】
本発明に係る磁性キャリアの電気抵抗値は、印加電圧100Vにおいて1.0×10Ω・cm〜1.0×1016Ω・cmであることがこのましく、より好ましくは5.0×10Ω・cm〜1.0×1015Ω・cmであり、さらに好ましくは1.0×10Ω・cm〜1.0×1014Ω・cmである。印加電圧100Vにおける電気抵抗値が1×10Ω・cm未満の場合、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げたりして、潜像の乱れや画像の欠損等を生じるため好ましくない。1.0×1016Ω・cmを超えると、ベタ画像でのエッジ効果が表れベタ部の再現が乏しい。
【0040】
本発明に係る磁性キャリアの平均粒子径は10〜100μmが好ましい。平均粒子径が10μm未満の場合には二次凝集しやすく、100μmを越える場合には機械的強度が弱く、また、鮮明な画像を得ることができなくなる。より好ましい平均粒子径は20〜70μmである。
【0041】
本発明に係る磁性キャリアの嵩密度は2.5g/cm以下が好ましく、より好ましくは1.0〜2.0g/cmである。比重は2.5〜4.5が好ましく、より好ましくは3.0〜4.0である。
【0042】
本発明に係る磁性キャリアの飽和磁化値は20〜100Am/kg(20〜100emu/g)が好ましく、より好ましくは40〜90Am/kg(40〜90emu/g)である。
【0043】
次に、本発明に係る球状磁性複合体粒子からなる電子写真現像剤用磁性キャリアの製造方法について述べる。
【0044】
本発明に係る球状磁性複合体粒子は、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下、磁性酸化鉄粒子粉末を共存させて前記フェノール類とアルデヒド類とを反応させて得ることができ、得られた磁性キャリア中の磁性酸化鉄粒子粉末の含有量は、磁性キャリアに対して80〜99重量%が好ましい。磁性酸化鉄粒子粉末の含有量が80重量%未満の場合には樹脂分が多くなり、大粒子が出来やすくなる。99重量%を越える場合には樹脂分が不足して十分な強度が得られない。より好ましくは85〜99重量%である。
【0045】
また、本発明に係る球状磁性複合体粒子は、磁性キャリアとしての磁気特性や電気抵抗値などの調整のために、前記磁性酸化鉄粒子粉末以外にもマグヘマイト粒子粉末、マグネトプランバイト型酸化鉄粒子粉末(ストロンチウムフェライト粒子粉末、バリウムフェライト粒子粉末)等の磁性酸化鉄粒子や非磁性金属酸化物粒子を併用することが可能である。非磁性金属酸化物粒子としては例えば、Al、SiO、CaO、TiO、V、CrO、MnO、α−Fe、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y、ZrO等が挙げられる。
【0046】
本発明に係る複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末の製造方法について述べる。
【0047】
本発明に係る複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末は、Fe2+水溶液とアルカリ水溶液とを反応器に加え、所定の温度を維持し、反応溶液に機械的に撹拌を行うとともに、酸化反応を行い、反応終了後、濾過、水洗、乾燥、粉砕を行って得ることができる。
【0048】
本発明の反応に用いるFe2+水溶液としては、例えば、硫酸第一鉄や塩化第一鉄などの一般的な鉄化合物を用いることができる。またアルカリ溶液には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液を用いることができる。各々の原料は、経済性や反応効率などを考慮して選択すればよい。
【0049】
本発明の反応において、反応鉄濃度は1.2〜2.0mol/Lである。1.2mol/L未満の場合には、目的の形状と粒子径のものを作製できない。2.0mol/Lより大きい場合には高粘性となり工業的に製造が困難になる。
【0050】
アルカリ水溶液の使用量は、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対して1.0〜3.0当量が好ましく、より好ましくは1.0〜2.5当量の範囲である。1.0当量未満の場合には、未反応の第一鉄塩が存在し、目的のマグネタイト粒子を単一相として得ることができない。3.0当量を越える場合には、反応溶液が高粘性となり工業的に製造が困難になる。
【0051】
本発明の反応において、反応温度は85〜100℃である。85℃未満である場合には、ゲータイト粒子が多く混入する。100℃を超える場合も目的の磁性酸化鉄粒子を得ることができるが、オートクレーブ等の装置を必要とするため工業的ではない。
【0052】
本発明において、反応溶液の攪拌は機械的に行うことが好ましい。攪拌速度は、7rpm以下が好ましい。7rpmを超える場合には、目的の形状の粒子を得ることが出来ない。下限は特にないが、反応溶液を混合することが出来ればよく1rpm程度である。
【0053】
本発明において、酸化手段は酸素が好ましい。酸素を用いることで、少ない通気量で酸化を行うことができ、反応溶液の過剰な攪拌を抑制することが出来る。酸素は、反応溶液の半分以上の高さの位置に通気することが好ましい。半分未満の高さでは、反応溶液が必要以上に攪拌され目的の粒子を得ることが出来ない。
【0054】
磁性酸化鉄粒子粉末が、複数の粒状体が結着した構造を有するためには、特に上記の反応溶液の攪拌速度を7rpm以下と通常よりかなり遅くさせ、酸化手段として酸素を用いて反応溶液の半分以上の高さの位置に通気することが重要で、これにより、複数の粒状体が結着した構造を促進する。
【0055】
反応時に一般に知られているようにMn、Zn、Ni、Cu、Ti、Si、Al、Mg、Caから選ばれる1種又は2種以上の元素の塩を添加してもよい。添加量としては磁性酸化鉄粒子粉末に対して0〜20.0重量%が好ましい。
【0056】
磁性酸化鉄粒子にMn、Zn、Ni、Cu、Ti、Si、Al、Mg、Caから選ばれる1種又は2種以上の元素を含む化合物で表面処理してもよい。添加量としては磁性酸化鉄粒子粉末に対して0〜20.0重量%が好ましい。
【0057】
反応後は、常法に従って、水洗、乾燥、粉砕を行えばよい。
【0058】
本発明に係る磁性キャリアに含まれる磁性酸化鉄粒子粉末は、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子に加えて、1種又は2種以上の結着していない磁性酸化鉄粒子を組み合わせて用いることができる。また、組み合わせる磁性酸化鉄粒子粉末の形状は、八面体、六面体、多面体、球状、板状、針状、不定形状、から選ばれるいずれかであり、その組み合わせは、同じ形状同士でも、又は形状が異なるものを組み合わせても構わない。また、前記組み合わせる磁性酸化鉄粒子粉末の平均粒子径(一次粒子径)は0.02〜5μmが好ましい。平均粒子径が0.02μm未満の場合は、磁性酸化鉄粒子の凝集力が大きく、磁性複合体粒子の作製が困難なものとなる。
【0059】
本発明に係る磁性キャリアに含まれる磁性酸化鉄粒子粉末は、1種又は2種以上の磁性酸化鉄粒子を組み合わせて用いることができ、粒子径の異なる2種以上の複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
本発明に係る磁性キャリアに含まれる磁性酸化鉄粒子粉末は、1種又は2種以上の磁性酸化鉄粒子を組み合わせて用いることができ、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子を磁性酸化鉄粒子aとし、磁性酸化鉄粒子aと組み合わせる磁性酸化鉄粒子(複数の粒状体が結着していない)を磁性酸化鉄粒子bとすると、それぞれの平均粒子径raとrbの平均粒子径の比ra/rbは1.0よりも大きい。好ましい平均粒子径の比ra/rbは1.1〜150であり、より好ましくは1.1〜125であり、更に好ましくは1.1〜100である。
【0061】
本発明に係る磁性キャリアに含まれる前記磁性酸化鉄粒子aと前記磁性酸化鉄粒子bとの混合比率は、磁性キャリアに含まれる磁性酸化鉄粒子の総量を100重量%とした場合、以下のようになることが好ましい。即ち、5〜95重量%の範囲内で磁性酸化鉄粒子aが含まれていることが好ましい。磁性酸化鉄粒子aの含有量が5重量%未満であると、球状磁性複合体粒子の粒子表面に磁性酸化鉄粒子aが現れ難くなるため、粒子表面に複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子に起因する凹凸の形成が不十分となる。また、磁性酸化鉄粒子aの含有量が95重量%を超える場合、球形度の高い球状磁性複合体粒子を得ることが困難になる。より好ましくは10〜70重量%である。
【0062】
本発明に用いる磁性酸化鉄粒子は、あらかじめ粒子表面を親油化処理しておくことが望ましい。親油化処理することによって、より容易に球形を呈した磁性キャリアを得ることが可能となる。
【0063】
親油化処理は、磁性酸化鉄粒子をシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤で処理する方法や界面活性剤を含む水性溶媒中に磁性酸化鉄粒子を分散させて、粒子表面に界面活性剤を吸着させる方法が好適である。
【0064】
シランカップリング剤としては、疎水性基、アミノ基、エポキシ基を有するものが挙げられ、疎水性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシ)シラン等がある。アミノ基を有するシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキノプラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキソシラン等がある。エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、γ−グリシドオキシプロビルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシンラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン等がある。
【0065】
チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等を用いればよい。
【0066】
界面活性剤としては、市販の界面活性剤を使用することができ、磁性酸化鉄粒子や該粒子表面に有する水酸基と結合が可能な官能基を有するものが望ましく、イオン性はカチオン性又はアニオン性のものが好ましい。
【0067】
前記いずれの処理方法によっても本発明の目的を達成することができるが、フェノール樹脂との接着性を考慮するとアミノ基あるいはエポキシ基を有するシランカップリング剤による処理が好ましい。
【0068】
前記カップリング剤又は界面活性剤の処理量は磁性酸化鉄粒子に対して0.1〜10重量%が好ましい。
【0069】
本発明に用いるフェノール類としては、フェノールのほか、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールA等のアルキルフェノール類や、アルキル基の一部又は全部が塩素原子、臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類等のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられるが、フェノールが最も好ましい。
【0070】
本発明に用いるアルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、グリオキサール、アクロレイン、クロトンアルデヒド、サリチルアルデヒド及びグルタールアルデヒド等が挙げられるが、ホルムアルデヒドが最も好ましい。
【0071】
アルデヒド類はフェノール類に対してモル比で1.0〜4.0が好ましく、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1.0未満の場合には、粒子の生成が困難であったり、樹脂の硬化が進行し難いために、得られる粒子の強度が弱くなる傾向がある。4.0を超える場合には、反応後に水性媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。より好ましくは1.2〜3.0である。
【0072】
本発明に用いる塩基性触媒としては、通常のレゾール樹脂の製造に使用されている塩基性触媒が使用できる。例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミン等のアルキルアミンが挙げられ、特にアンモニア水が好ましい。塩基性触媒はフェノール類に対してモル比で0.05〜1.50が好ましい。0.05未満の場合には、硬化が十分に進行せず造粒が困難となる。1.50を越える場合には、フェノール樹脂の構造に影響するため造粒性が悪くなり、粒子径の大きな粒子を得ることが困難となる。
【0073】
本発明における反応は水性媒体中で行われるが、水性媒体中の固形分濃度が30〜95重量%になるようにすることが好ましく、特に、60〜90重量%となるようにすることが好ましい。
【0074】
塩基性触媒を添加した反応溶液は60〜95℃の温度範囲まで昇温し、この温度で30〜300分間、好ましくは60〜240分間反応させ、フェノール樹脂の重縮合反応を行って硬化させる。
【0075】
このとき、球形度の高い球状磁性複合体粒子を得るために、ゆるやかに昇温させることが望ましい。昇温速度は0.5〜1.5℃/minが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2℃/minである。
【0076】
このとき、粒径を制御するために、攪拌速度を制御することが望ましい。攪拌速度は100〜1000rpmが好ましい。
【0077】
硬化させた後、反応物を40℃以下に冷却すると、バインダー樹脂中に磁性酸化鉄粒子が分散し、且つ、粒子表面に磁性酸化鉄粒子が露出した球状磁性複合体粒子の水分散液が得られる。
【0078】
前記球状磁性複合体粒子を含む水分散液を濾過、遠心分離等の常法に従って、固液分離した後、洗浄・乾燥して球状磁性複合体粒子を得る。
【0079】
本発明において、球状磁性複合体粒子の粒子表面にメラミン樹脂とフェノール樹脂との硬化した共重合体樹脂からなる被覆層を形成する反応は、前記球状磁性複合体粒子を含む水分散液を固液分離せず、該水分散液中に新たにメラミン類、アルデヒド類、酸性触媒及び水を添加して、昇温し、反応温度を70〜95℃、好ましくは80〜90℃に調整し、水分散液中に残存する未反応のフェノール類とを反応させて、球状磁性複合体粒子の粒子表面に硬化・吸着させて行う。
【0080】
前記球状磁性複合体粒子を含む水分散液を濾過、遠心分離等の常法に従って、固液分離した後、洗浄、乾燥して、フェノール樹脂マトリックス中に磁性酸化鉄粒子粉末が均一に分散した球状磁性複合体粒子の粒子表面に、メラミン樹脂とフェノール樹脂との硬化した共重合体樹脂からなる被覆層を有する球状磁性複合体粒子粉末が得られる。
【0081】
本発明の前記被覆層の形成において用いるメラミン類としては、メラミン及びメラミンのホルムアルデヒド付加物、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、更にはメラミン・ホルムアルデヒドの初期縮合物等が挙げられる。
【0082】
球状磁性複合体粒子に対するメラミンの添加量は、0.1〜5.0重量%が好ましい。0.1重量%より少ないと十分に被覆させることが困難となる。一方、5.0重量%を超える場合には電気抵抗値が高くなり過ぎ好ましくない。
【0083】
本発明の前記被覆層の形成において用いるアルデヒド類としては、前記球状磁性複合体粒子の生成反応において用いることができるものから選択して用いることができる。
【0084】
本発明の前記被覆層の形成において用いる酸性触媒としては、反応系が弱酸になるようなものが好ましく、例えば、蟻酸、シュウ酸、塩化アンモニウム、酢酸等が挙げられる。
【0085】
メラミン樹脂は、磁性複合体粒子の表面を均一且つ薄く被覆させることができるので、磁性キャリアの電気抵抗を効果的に高めることができる。
【0086】
また、メラミン樹脂は正帯電性であることから、磁性キャリアの正帯電性を高めることができる。
【0087】
また、メラミン樹脂は硬質な膜を形成することから、磁性キャリアの耐久性を高めることができる。
【0088】
本発明に係る磁性キャリアは、前記球状複合体粒子の粒子表面を樹脂によって被覆されていても良い。
【0089】
本発明に用いる被覆樹脂は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン;アクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル系又はポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン系樹脂又はその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素−ポリアミド樹脂、フッ素−ポリイミド樹脂、フッ素−ポリアミドイミド樹脂、などを挙げることができる。
【0090】
本発明に係る磁性キャリアは、前記球状複合体粒子の粒子表面をシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂で被覆することが好ましい。アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂ともに、コア粒子との接着性及び帯電性向上の効果を有する。また、粒子表面を低い表面エネルギーを有するシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂で被覆することによってトナーのスペント化を抑制することができる。
【0091】
アクリル系樹脂としては、メチルメタクリレート、メチルエタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等のアルキルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のシクロアルキルアクリレート、フェニルメタクリレート等の芳香族アクリレート、これらとアクリル酸の共重合体、グリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物との共重合体、グリセリンモノメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアルコール系化合物との共重合体等が挙げられ、キャリアとしたときの環境依存性等の点からメチルメタクリレート、エチルエタクリレート等の短鎖アルキルアクリレートが好ましい。
【0092】
スチレン−アクリル系樹脂としては、前記アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体等が挙げられ、高温高湿環境下と低温低湿環境下での帯電の差が小さい等の点からスチレンと短鎖アルキルメタクリレートとの共重合体が好ましい。
【0093】
シリコーン系樹脂としては縮合反応型シリコーン樹脂が好ましく、フッ素系樹脂としてはポリフッ素化アクリレート樹脂、ポリフッ素化メタクリレート樹脂、ポリフッ素化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂及び前記樹脂の組み合わせによる共重合体が好ましい。
【0094】
本発明に係る磁性キャリアの樹脂による被覆量は、球状磁性複合体粒子に対して0.1〜5.0重量%が好ましい。被覆量が0.1重量%未満の場合には、十分に被覆することが困難となり、コートむらが生じることがある。また、5.0重量%を越える場合には、樹脂の被覆を複合体粒子表面に密着させることはできるが、生成した複合体粒子同士の凝集が生じ、複合体粒子の粒子サイズの制御が困難になる。好ましくは0.15〜3.0重量%である。
【0095】
本発明における樹脂被覆は、樹脂被覆層中に微粒子を含有させても良い。前記微粒子としては、例えばトナーに負帯電性を付与させるものとして、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ニグロシン系染料、ポリアミン樹脂などによる微粒子が好ましい。一方、トナーに正帯電性を付与させるものとして、Cr、Co等金属を含む染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物などによる微粒子が好ましい。なお、これらの粒子は1種単独で使用して良いし、2種以上を併用しても良い。
【0096】
また、本発明における樹脂被覆は、樹脂被覆層中に導電性微粒子を含有させても良い。樹脂中に導電性微粒子を含有させることが、磁性キャリアの抵抗を容易に制御することができる点で好ましい。前記導電性微粒子としては公知のものが使用可能であり、例えばアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、Si、Ti等の金属炭化物、B、Ti等の金属窒化物、Mo、Cr等の金属ホウ化物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してよいし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
【0097】
球状磁性複合体粒子の粒子表面に樹脂を被覆する場合には、周知のスプレードライヤーを用いて球状磁性複合体粒子に樹脂を吹き付ける方法、ヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー等を用いて球状磁性複合体粒子と樹脂とを乾式混合する方法、樹脂を含む溶剤中に球状磁性複合体粒子を含浸する方法等によって行えばよい。
【0098】
次に、本発明における二成分系現像剤について述べる。
【0099】
本発明のキャリアと組み合わせて使用するトナーとしては、公知のトナーを使用することができる。具体的には、結着樹脂、着色剤を主構成物とし、必要に応じて離型剤、磁性体、流動化剤などを添加したものを使用できる。また、トナーの製造方法は公知の方法を使用できる。
【0100】
<作用>
本発明において重要な点は、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末をバインダー樹脂に分散してなる球状複合体粒子であって、粒子表面に複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末に起因した凹凸を形成させることである。
【0101】
その結果、粒子表面に複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子粉末に起因した凹凸により被覆樹脂との接着性が大幅に向上し、長期に亘りキャリアの電気抵抗値を維持することができる。
【0102】
従って、本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリア及びこれを用いた電子写真現像剤は、耐久性の要求される複写機又はプリンター等の現像機に使用されるのに好ましい。
【実施例】
【0103】
本発明の代表的な実施例は次の通りである。
【0104】
磁性酸化鉄粒子粉末の粒子形状は、走査型電子顕微鏡S−4800(株式会社日立ハイテクノロジー製)により観察した写真から判断した。粒状体の大きさは同様に測定した。結着した粒状体について、粒状体を構成する平面から、八面体、六面体、多面体又は球状などの形状を推定し、粒子径を測定した。
【0105】
磁性酸化鉄粒子の平均粒子径(一次粒子径)はレーザー回折式粒度分布計 LA750(株式会社堀場製作所製)により計測して個数基準による値で示した。
【0106】
磁性酸化鉄粒子BET比表面積値は、Mono Sorb MS−II(湯浅アイオニックス株式会社製)を用いてBET法により求めた値で示した。
【0107】
磁性酸化鉄粒子粉末中に含まれる金属元素量は蛍光X線分析装置RIX−2100(理学電気工業株式会社製)にて測定し、磁性酸化鉄粒子粉末に対して元素換算で求めた値で示した。
【0108】
飽和磁化は、振動試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業株式会社製)を用いて外部磁場795.8kA/m(10kOe)のもとで測定した値で示した。
【0109】
磁性酸化鉄粒子粉末の展色L*値は、試料0.5g、ヒマシ油0.5mL及び二酸化チタン1.5gをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について、分光色彩計カラーガイド(BYK−Gardner GmbH製)を用いて測色し、JIS Z 8929に定めるところに従って表色指数(L*値)で示した。
【0110】
球状磁性複合体粒子の平均粒子径はレーザー回折式粒度分布計 LA750(株式会社堀場製作所製)により計測して体積基準による値で示した。
【0111】
球状磁性複合体粒子の粒子形状は走査型電子顕微鏡S−4800(株式会社日立ハイテクノロジー製)により観察した写真から判断した。
【0112】
真比重はマルチボリウム密度計1305型(マイクロメリティクス/島津製作所製)で測定した値で示した。
【0113】
球状磁性複合体粒子の電気抵抗値(体積固有抵抗値)は、ハイレジスタンスメーター4339B(横河ヒューレットパッカード製)により試料1.0gで測定した値で示した。
【0114】
<被覆樹脂キャリアの強制劣化テスト>
被覆樹脂キャリアの強制劣化テストは、以下のように行った。樹脂被覆キャリア10gをサンプルミルSK−M10型(協立理工株式会社製)に投入し、ふたをベルトで固定した後、16000rpmで60秒間攪拌した。
【0115】
強制劣化テスト前後の電気抵抗値は、攪拌前後の各々のサンプルについて常温常湿下(24℃,60%RH)で測定し、下記式より電気抵抗値の変化幅を求め、その絶対値をとることで以下の評価基準に基づいて評価した。B以上が実用上可能なレベルである。
【0116】
電気抵抗値の変化幅=Log(RINI/R)
INI:強制劣化テスト前の印加電圧100Vにおける電気抵抗値
R:強制劣化テスト後の印加電圧100Vにおける電気抵抗値
【0117】
A:強制劣化テスト前後の変化幅の絶対値が0以上0.5未満
B:強制劣化テスト前後の変化幅の絶対値が0.5以上1.0未満
C:強制劣化テスト前後の変化幅の絶対値が1.0以上1.5未満
D:強制劣化テスト前後の変化幅の絶対値が1.5以上
【0118】
<酸化鉄粒子の製造>
(酸化鉄粒子A)
Fe2+ 1.9mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液を10Lと12Nの水酸化ナトリウム水溶液4Lとを反応器に加え、95℃において攪拌機回転数5rpm、毎分1.5Lの酸素を通気させ反応を行った。このとき、反応鉄濃度は1.36mol/Lであった。反応終了後、濾過、水洗、乾燥、粉砕を行い磁性酸化鉄粒子粉末Aを得た。
【0119】
得られた前記磁性酸化鉄粒子は、図1から明らかなように複数の粒状体が結着した形状を有していた。また、平均粒子径3.1μm、BET比表面積は1.5m/g、展色L*値は72.1、飽和磁化値は89.1Am/kgであった。
【0120】
(酸化鉄粒子B〜I及びK)
磁性酸化鉄粒子粉末の製造条件を種々変化させた以外は、前記酸化鉄粒子Aと同様にして磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
【0121】
(酸化鉄粒子J)
Fe2+ 1.6mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液25.0Lを、あらかじめ反応器中に準備された3.1Nの水酸化ナトリウム水溶液24.5Lに加え(Fe2+ に対し0.95当量に該当する。)、pH6.7、温度90℃において水酸化第一鉄塩コロイドを含む第一鉄懸濁液の生成を行った後、毎分80Lの空気を通気して第一段反応を開始し、同時にケイ素成分として3号水ガラス(SiO 28.8wt%)123.4g(Feに対しSi換算で1.7原子%に該当する。)を水で希釈して0.3Lとしたものを添加した。上記水ガラス溶液の添加後、攪拌しながら酸化反応を続け、第一段反応を終了させ磁性酸化鉄核晶粒子を含む第一鉄懸濁液を得た。このとき、酸化反応開始後、Fe2+ の酸化度が10%を越えて以降のpHは7.0〜8.5の範囲内であった。
【0122】
第一段反応終了後の上記マグネタイト核晶粒子を含む第一鉄塩懸濁液に9Nの水酸化ナトリウム水溶液1.6L、Fe2+ 1.6mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液3.4Lを添加して懸濁液のpHを9.5に調整した後、温度90℃において毎分100Lの空気を30分間通気して第二段反応を行って磁性酸化鉄粒子を生成させた。生成粒子は、常法により、水洗、濾別、乾燥、粉砕を行い磁性酸化鉄粒子粉末Jを得た。
【0123】
得られた磁性酸化鉄粒子の粒子形状は、球状を基本とし角張った突起を有していた。また、平均粒子径が0.2μm、BET比表面積の値が9.2m/g、展色L*値は40.5、飽和磁化値は87.5Am/kgであった。
【0124】
(酸化鉄粒子L)
球状マグネタイト粒子を含むケーキを成形・乾燥して得られた平均径5mmの乾燥成形物で凝集粒子径30μmの粉末(個数平均粒子径0.23μm、飽和磁化値83.5emu/g、保磁力55Oeである.)を株式会社日本製鋼所製の二軸混練機(型名:TEX−54KC)でL/D(二軸混練機のシリンダーの長さLとシリンダー径Dとの比)が10.7、ESP(粉末1kg当たりの電力量)が0.21kWh/kgで処理した。
【0125】
得られた磁性酸化鉄粒子は、凝集粒子径が7.6μmであり、一次粒子の個数平均粒子径は0.23μm、BET比表面積の値が7.0m/g、展色L*値は38.0、飽和磁化値は84.4Am/kgであった。
【0126】
磁性酸化鉄粒子粉末の凝集粒子径は、JIS−K−5101の顔料分散試験法に準じて測定して求めた。具体的な測定手順としては、磁性酸化鉄粒子粉末0.5gとひまし油0.5mLとをJIS−K−5101に記載のフーバー式マーラーの下部練り板上の上に載せて、へらで練りあわせて練り板上に広げる。上部練り板を下部練り板に合わせ、68.04kgの分銅をつるし、50回転に設定して回転させる。回転が止まった後に、上部練り板を上げ、上部と下部の練り板上に広がったペースト状態の試料をへらで集め、下部練り板上に再度広げて、再び上部練り板と下部練り板を合わせ、68.04kgの分銅をつるし、50回転に設定して回転させ、分散ペーストを調整する。調整した分散ペーストをへらで集めてガラス板上に置き、3mLのジブチル酸フタレートで希釈して、JIS−K−5101に記載のグライドメーターを用いて、粒度(ツブ)を測定する。
粒度は、グライドメーター上で同じ粒径の粒が3つあるところを試料の凝集粒子径として判定した。尚、この操作を5回繰り返して、その平均値を磁性酸化鉄粒子粉末の凝集粒子径として求めた。
【0127】
(酸化鉄粒子M)
Fe2+ 1.6mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液を23.75Lと2.75mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液26.25L(Fe2+に対して0.95当量に相当する)とを反応器に加え、90℃において毎分90Lの空気を通気して酸化反応(第一段反応)を行い、第一段反応後にpHが11になるように水酸化ナトリウム水溶液を加えて引き続き酸化反応(第二段反応)を行った。第二段反応終了後、濾過、水洗、乾燥、粉砕を行い磁性酸化鉄粒子粉末Mを得た。
【0128】
得られた磁性酸化鉄粒子の粒子形状は、球状であった。また、平均粒子径が0.2μm、BET比表面積の値が7.2m/g、展色L*値は37.8、飽和磁化値は84.3Am/kgであった。
【0129】
<磁性酸化鉄粒子の親油化処理>
(親油化処理1:磁性酸化鉄粒子A)
フラスコに粒状磁性酸化鉄粒子粉末Aを1000g仕込み十分に良く攪拌した後、エポキシ基を有するシラン系カップリング剤(商品名:KBM−403 信越化学社製)5.0gを添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりカップリング剤で被覆されている磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
【0130】
(親油化処理2:磁性酸化鉄粒子B〜M)
磁性酸化鉄粒子粉末の親油化処理条件を種々変化させた以外は、前記酸化鉄粒子Aと同様にしてカップリング剤で被覆されている磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
【0131】
(親油化処理3:ストロンチウムフェライト)
親油化処理する粉末を磁性酸化鉄粒子粉末から板状ストロンチウムフェライト(個数平均粒子径0.7μm)に変え、親油化処理条件を種々変化させた以外は、前記酸化鉄粒子と同様にしてカップリング剤で被覆されている板状ストロンチウムフェライト粒子粉末を得た。
【0132】
実施例1
<親油化処理後の磁性酸化鉄粒子粉末の混合>
フラスコに親油化処理を行った磁性酸化鉄粒子粉末Aと親油化処理を行った磁性酸化鉄粒子粉末Mを混合比率30対70(重量比)で1000g仕込み、250rpmの攪拌速度で30分間良く混合攪拌した。
【0133】
<球状磁性複合体粒子の製造>
フェノール 10重量部
37%ホルマリン 15重量部
磁性酸化鉄粒子粉末A及びMを親油化処理後に混合した粉末 100重量部
25%アンモニア水 3.5重量部
水 15重量部
上記材料を1Lの四つ口フラスコに入れ、250rpmの攪拌速度で攪拌しながら60分間で85℃に昇温させた後、同温度で120分間反応・硬化させることにより、磁性酸化鉄粒子とバインダー樹脂からなる球状磁性複合体粒子の生成を行った。
【0134】
次に、フラスコ内の内容物を30℃まで冷却後、上澄み液を除去し、さらに下層の沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して磁性芯材粒子用の球状磁性複合体粒子1を得た。
【0135】
得られた球状磁性複合体粒子1は、平均粒子径が32μmであり、比重3.76g/cm、飽和磁化値76.5Am/kgであった。
【0136】
ここに得られた球状磁性複合体粒子1の粒子表面の顕微鏡写真を図2図4に示す。球状磁性複合体粒子1は、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子に起因する凸部(図4)と、その他の部分からなる凹部によって、粒子表面に凹凸を有していた。
【0137】
実施例2〜3及び5〜8、比較例1〜5及び8
磁性酸化鉄粒子の種類及び親油化処理した粒子粉末の混合比率、球状磁性複合体粒子の製造条件を種々変化させた以外は、実施例1と同一の条件で操作を行って球状磁性複合体粒子を得た。
【0138】
実施例4
フラスコに親油化処理を行った磁性酸化鉄粒子粉末Cと親油化処理を行った磁性酸化鉄粒子粉末Mを混合比率20対80(重量比)で仕込み、250rpmの攪拌速度で30分間良く混合攪拌した。
【0139】
1Lの四つ口フラスコに、フェノール11重量部、37%ホルマリン16.5重量部、磁性酸化鉄粒子粉末C及びMを親油化処理後に混合した粉末100重量部、25%アンモニア水4重量部、水15重量部を入れ、250rpmの攪拌速度で攪拌しながら60分間で85℃に昇温させた後、同温度で120分間反応・硬化させることにより、磁性酸化鉄粒子とバインダー樹脂からなる球状磁性複合体粒子の生成を行った。
【0140】
別途、水0.3重量部と99%氷酢酸水溶液0.5重量部とからなる酸性触媒を調整した。
【0141】
別途、水1.5重量部、メラミン粉末0.5重量部、37%ホルマリン1.3重量部とからなる水溶液を250rpmの攪拌速度で攪拌しながら60分間で約60℃まで上昇した後、約40分間攪拌することにより透明なメチロールメラミン溶液を調整した。
【0142】
次に、前記球状磁性複合体粒子を生成した反応溶液を250rpmの攪拌速度で攪拌しながら、反応温度を85℃に維持したフラスコ内に、前記酸性触媒及び前記透明なメチロールメラミン溶液を添加した後、120分間反応させ、球状磁性複合体粒子の粒子表面に、メラミン樹脂からなる被覆層が形成された球状磁性複合体粒子を得た。
【0143】
次に、フラスコ内の内容物を30℃まで冷却後、上澄み液を除去し、さらに下層の沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して球状磁性複合体粒子4を得た。
【0144】
得られた球状磁性複合体粒子4の粒子表面には、メラミン樹脂からなる薄く均一な被覆層が形成されており、さらに、複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子に起因する凹凸を有していた。
【0145】
比較例6
磁性酸化鉄粒子を一種類に変え、球状磁性複合体粒子の製造条件を種々変化させた以外は、実施例1と同一の条件で操作を行って球状磁性複合体粒子を得た。
【0146】
比較例7
磁性酸化鉄粒子に板状ストロンチウムフェライト(個数平均粒子径0.7μm)を用いることと、球状磁性複合体粒子の製造条件を種々変化させた以外は、実施例1と同一の条件で操作を行って球状磁性複合体粒子を得た。
【0147】
<樹脂被覆キャリアの製造>
実施例9
窒素気流下、ヘンシェルミキサー内に球状磁性複合体粒子1を1000g、シリコーン系樹脂(商品名:KR251 信越化学社製)を固形分として10g及びカーボンブラック(商品名:トーカブラック#4400 東海カーボン社製)を1.5g添加し、100℃の温度で60分間攪拌してカーボンブラックを含有したシリコーン系樹脂からなる樹脂被覆層の形成を行った。
【0148】
得られた樹脂被覆キャリアは、平均粒子径が34μmであり、比重3.72g/cm、飽和磁化値77.2Am/kg、印加電圧100Vでの電気抵抗値は8.1×10Ω・cmであった。また、強制劣化テストを行ったところ、電気抵抗値の変化幅の絶対値は小さかった。
【0149】
得られた樹脂被覆キャリアのシリコーン系樹脂による被覆は、走査型電子顕微鏡S−4800 (株式会社日立ハイテクノロジー製)で観察したところ、均一かつ十分なものであった。
【0150】
得られた磁性酸化鉄粒子の製造条件を表1に、諸特性を表2に示す。
【0151】
得られた球状磁性複合体粒子の製造条件を表3に、諸特性を表4に示す。
【0152】
得られた樹脂被覆キャリアの諸特性及び強制劣化テストの結果を表5に示す。
【0153】
実施例10〜16、比較例9〜16
球状磁性複合体粒子の種類及び樹脂被覆キャリアの製造方法を種々変化させた以外は、実施例9と同一の条件で操作を行って樹脂被覆キャリアを得た。
【0154】
得られた樹脂被覆キャリアのシリコーン系樹脂による被覆は、走査型電子顕微鏡S−4800 (株式会社日立ハイテクノロジー製)で観察したところ、均一かつ十分なものであった。
【0155】
実施例10〜16で得られた樹脂被覆キャリアにおいて、強制劣化テストを行ったところ、電気抵抗値の変化幅の絶対値は小さかった。一方、比較例9〜16で得られた樹脂被覆キャリアにおいて、強制劣化テストを行ったところ、電気抵抗値の変化幅の絶対値は大きかった。
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
【0158】
【表3】
【0159】
【表4】
【0160】
【表5】
【0161】
表5に示す強制劣化テストの評価により、本発明に係る磁性キャリア及び現像剤は、磁性複合体粒子と被覆樹脂との接着性が優れているため、被覆樹脂層の耐久性を向上させることができた。即ち、長期に亘りキャリアの電気抵抗値を維持することができるため、耐久性があり、高画質な画像を長期的に維持することができる磁性キャリアであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明に係る磁性キャリアは、粒子表面に複数の粒状体が結着した磁性酸化鉄粒子に起因する凹凸を有しているため、磁性複合体粒子と被覆樹脂との接着性に優れ、長期に亘り電気抵抗値を維持することができる。従って、高画質化及び高速化に伴い要求されている高信頼性という課題を満足しており、電子写真現像剤用磁性キャリア及び該電子写真現像剤用磁性キャリアとトナーとを有する二成分系現像剤として好適である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6