特許第5790963号(P5790963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5790963情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5790963
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0485 20130101AFI20150917BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20150917BHJP
【FI】
   G06F3/048 656D
   G06F3/048 620
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-178599(P2014-178599)
(22)【出願日】2014年9月2日
【審査請求日】2014年9月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】713008441
【氏名又は名称】藤川 求
(72)【発明者】
【氏名】藤川 求
【審査官】 若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−182029(JP,A)
【文献】 特開2014−106853(JP,A)
【文献】 特開2014−132414(JP,A)
【文献】 特開2005−018357(JP,A)
【文献】 特開2010−170479(JP,A)
【文献】 特開2013−092942(JP,A)
【文献】 特開2005−044036(JP,A)
【文献】 特開2013−54467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033
G06F 3/038
G06F 3/041
G06F 3/0485
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
入力座標を取得する入力座標取得手段と、
前記入力座標取得手段により取得された入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得手段と、
前記ベクトル取得手段により最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値以上となる第1の操作が行われた場合に、前記入力座標取得手段により最初に入力座標が取得されたときに前記表示手段に表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向へ移動させる表示制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記方向への画像の移動開始から第1の所定時間内に、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最初に取得された入力座標である初期位置に対応する画像が、前記最初に取得されたベクトルの延長線を含む第1所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を増加させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値未満である場合に、前記表示手段に表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルが示す方向へ移動させる請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す方向への画像の移動開始から第2の所定時間内において、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最初に取得された入力座標である初期位置に対応する画像が、前記最後に取得されたベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち小さい成分の軸の初期位置を含む第2の所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を減少させる請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記画像を、慣性スクロールにより移動させる請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記入力座標取得手段は、ユーザの操作に対応する入力座標を取得する請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザの操作は、フリック操作である請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画像を表示する表示手段と、
フリック操作に対応する入力座標を取得する入力座標取得手段と、
前記入力座標取得手段により取得された前記入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得手段と、
最後に取得された前記ベクトルが所定値以上の速度であった場合、前記フリック操作の開始時点に表示されていた前記画像を該ベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向に慣性スクロールさせる表示制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記慣性スクロールの開始から第1の所定時間以内に、前記慣性スクロールさせた画像を、最後に取得された前記ベクトルの延長線から所定の範囲以内に移動させるスクロール操作がされた場合、前記所定値を増加させる請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、最後に算出された前記ベクトルが前記所定値未満の速度であって、かつ、該ベクトル方向への慣性スクロールの開始から第2の所定時間以内に、前記フリック操作の開始時点から前記慣性スクロールの終了時点までの前記画像の移動を示す移動ベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち小さい成分の移動量を0に近づける画像スクロール操作がされた場合、前記所定値を減少させる請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
画像を表示する表示ステップと、
入力座標を取得する入力座標取得ステップと、
前記入力座標取得ステップにおいて取得された入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得ステップと、
前記ベクトル取得ステップにおいて最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値以上である場合に、表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向へ移動させる表示制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項12】
画像を表示する表示ステップと、
フリック操作に対応する入力座標を取得する入力座標取得ステップと、
前記入力座標取得ステップにより取得された前記入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得ステップと、
最後に取得された前記ベクトルが所定値以上の速度であった場合、前記フリック操作の開始時点に表示されていた前記画像を該ベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向に慣性スクロールさせる表示制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1〜10の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する表示部にタッチパネルを内蔵し、表示部に対するユーザの接触操作に応じて画像を移動させることが可能なタブレット端末等が普及している(例えば、特許文献1参照)。このようなタブレット端末等においては、操作方法として、指を弾くように操作するフリック操作と称されるものがある。フリック操作がなされた場合、タブレット端末等は、表示部に表示している画像を、そのフリック操作の方向へ慣性スクロールにより移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−161628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図12及び図14は従来の慣性スクロールのイメージである。例えば実線で図示するタブレット端末で、電子書籍の先頭を読んでいて、ページ下部を表示させようとY軸方向にフリックをしたかったとする。しかし、現実的にはY軸方向のみにフリックすることは難しく、通常は若干X軸成分を有するフリック操作になってしまう。その結果、点線で図示するタブレット端末のように慣性スクロールしてしまい、移動後の画面から各行の先頭部分の文字がはみ出してしまう。そのため慣性スクロール後に、はみ出してしまった各行の先頭部分の文字が画面に入るように調整しなければならなかった。
また例えば、図11のように、画像AをY軸方向のみに移動させようとして、当該Y軸方向のみにフリック操作をしたつもりであっても、X軸方向にもフリック操作してしまい、その結果、画像Aが画像Nのように表示され画像の一部が欠けてしまうことがあった。
【0005】
上述したようにフリック操作は、指で弾く操作であるために、垂直又は水平方向にフリック操作したつもりであっても、ぶれが生じて斜め方向へのフリック操作となってしまい、その結果、ユーザが意図しない斜め方向へ画像が移動してしまい、移動後に画像の位置を微調整する必要があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの意図を考慮した画像を表示することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
画像を表示する表示手段と、
入力座標を取得する入力座標取得手段と、
前記入力座標取得手段により取得された入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得手段と、
前記ベクトル取得手段により最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値以上となる第1の操作が行われた場合に、前記入力座標取得手段により最初に入力座標が取得されたときに前記表示手段に表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルの複数のベクトル成分のうち最小のベクトル成分以外のベクトル成分が示す第1の方向へ移動させる表示制御手段と、
を備える。
【0008】
前記表示制御手段は、前記第1の方向への画像の移動開始から第1の所定時間内に、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最後に取得された入力座標に対応する初期位置の画像が、前記最後に取得されたベクトルの延長線を含む第1所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を増加させる。
【0009】
前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値未満である場合に、前記表示手段に表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルが示す方向へ移動させる。
【0010】
前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す方向への画像の移動開始から第2の所定時間内において、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最後に取得された入力座標に対応する初期位置の画像が、前記最後に取得されたベクトルの複数のベクトル成分のうち最大のベクトル成分以外のベクトル成分の軸方向における初期位置を含む第2の所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を減少させる。
【0011】
前記表示制御手段は、前記画像を、慣性スクロールにより移動させる。
【0012】
前記入力座標取得手段は、ユーザの操作に対応する入力座標を取得する。
【0013】
前記ユーザの操作は、フリック操作である。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
画像を表示する表示手段と、
フリック操作に対応する入力座標を取得する入力座標取得手段と、
前記入力座標取得手段により取得された前記入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得手段と、
最後に取得された前記ベクトルが所定値以上の速度であった場合、前記フリック操作の開始時点に表示されていた前記画像を該ベクトルの大きい成分の方向に慣性スクロールさせる表示制御手段と、
を備える。
【0015】
前記表示制御手段は、前記第1の方向への画像の移動開始から第1の所定時間内に、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最初に取得された入力座標である初期位置に対応する画像が、前記最初に取得されたベクトルの延長線を含む第1所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を増加させる。
【0016】
前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値未満である場合に、前記表示手段に表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルが示す方向へ移動させる。
【0017】
前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す方向への画像の移動開始から第2の所定時間内において、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最初に取得された入力座標である初期位置に対応する画像が、前記最後に取得されたベクトルの複数のベクトル成分のうち最大のベクトル成分以外のベクトル成分の軸方向における初期位置を含む第2の所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を減少させる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
画像を表示する表示ステップと、
入力座標を取得する入力座標取得ステップと、
前記入力座標取得ステップにおいて取得された入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得ステップと、
前記ベクトル取得ステップにおいて最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値以上である場合に、表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルの互いに垂直をなす第1のベクトル成分及び第2のベクトル成分のうち、大きい方のベクトル成分が示す第1の方向へ移動させる表示制御ステップと、
を含む。
【0019】

上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
画像を表示する表示手段と、
入力座標を取得する入力座標取得手段と、
前記入力座標取得手段により取得された入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得手段と、
前記ベクトル取得手段により最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値以上となる第1の操作が行われた場合に、前記入力座標取得手段により最初に入力座標が取得されたときに前記表示手段に表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向へ移動させる表示制御手段と、
を備える。

前記表示制御手段は、前記方向への画像の移動開始から第1の所定時間内に、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最初に取得された入力座標である初期位置に対応する画像が、前記最初に取得されたベクトルの延長線を含む第1所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を増加させる

前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値未満である場合に、前記表示手段に表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルが示す方向へ移動させる。

前記表示制御手段は、前記最後に取得されたベクトルが示す方向への画像の移動開始から第2の所定時間内において、前記第1の操作において前記入力座標取得手段により最初に取得された入力座標である初期位置に対応する画像が、前記最後に取得されたベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち小さい成分の軸の初期位置を含む第2の所定範囲へ移動した場合に、前記第1の所定値を減少させる。

前記表示制御手段は、前記画像を、慣性スクロールにより移動させる。

前記入力座標取得手段は、ユーザの操作に対応する入力座標を取得する。

前記ユーザの操作は、フリック操作である。

上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
画像を表示する表示手段と、
フリック操作に対応する入力座標を取得する入力座標取得手段と、
前記入力座標取得手段により取得された前記入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得手段と、
最後に取得された前記ベクトルが所定値以上の速度であった場合、前記フリック操作の開始時点に表示されていた前記画像を該ベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向に慣性スクロールさせる表示制御手段と、
を備える。

前記表示制御手段は、前記慣性スクロールの開始から第1の所定時間以内に、前記慣性スクロールさせた画像を、最後に取得された前記ベクトルの延長線から所定の範囲以内に移動させるスクロール操作がされた場合、前記所定値を増加させる。

前記表示制御手段は、最後に算出された前記ベクトルが前記所定値未満の速度であって、かつ、該ベクトル方向への慣性スクロールの開始から第2の所定時間以内に、前記フリック操作の開始時点から前記慣性スクロールの終了時点までの前記画像の移動を示す移動ベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち小さい成分の移動量を0に近づける画像スクロール操作がされた場合、前記所定値を減少させる。

上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
画像を表示する表示ステップと、
入力座標を取得する入力座標取得ステップと、
前記入力座標取得ステップにおいて取得された入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得ステップと、
前記ベクトル取得ステップにおいて最後に取得されたベクトルが示す速度が第1の所定値以上である場合に、表示されている画像を、前記最後に取得されたベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向へ移動させる表示制御ステップと、
を含む。

上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
画像を表示する表示ステップと、
フリック操作に対応する入力座標を取得する入力座標取得ステップと、
前記入力座標取得ステップにより取得された前記入力座標の軌跡に対応するベクトルを取得するベクトル取得ステップと、
最後に取得された前記ベクトルが所定値以上の速度であった場合、前記フリック操作の開始時点に表示されていた前記画像を該ベクトルのX軸成分とY軸成分とのうち大きい成分の方向に慣性スクロールさせる表示制御ステップと、
を含む。

上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記の情報処理装置として機能させる。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記の情報処理装置として機能させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザの意図を考慮した画像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】情報処理装置としてのタブレット端末の外観図である。
図2】タブレット端末の構成図である。
図3】タブレット端末の動作を示す第1のフローチャートである。
図4】タブレット端末の動作を示す第2のフローチャートである。
図5】タブレット端末の動作を示す第3のフローチャートである。
図6】操作に伴う画像表示の第1の例を示す図である。
図7】軌跡ベクトルの一例を示す図である。
図8】操作に伴う画像表示の第2の例を示す図である。
図9】操作に伴う画像表示の第3の例を示す図である。
図10】操作に伴う画像表示の第4の例を示す図である。
図11】操作に伴う画像表示の第5の例を示す図である。
図12】高速フリックをした場合の従来の慣性スクロールのイメージ図である。
図13】高速フリックをした場合の本願発明の慣性スクロールのイメージ図である。
図14高速フリックをした場合の従来の慣性スクロールの第2のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを説明する。
図12図13図14に記載の150は、フリック操作による指の軌跡である。フリック操作では150の終点で指が速度を持ったまま画面から離れる。
152は、フリック操作による指が画面から離れるまでの画像の処理方法である追従スクロールの軌跡である。分かりやすい図にするために電子書籍の画像が動いている矢印ではなく電子書籍の方を固定して相対的に端末機が動いた矢印にしている。通常152は、150と距離が同じで向きが反対のベクトルになる。
154は、フリック操作終了後に処理される画像の慣性スクロールの軌跡である。分かりやすい図にするために電子書籍の画像が動いている矢印ではなく電子書籍の方を固定して相対的に端末機が動いた矢印にしている。
この場合のフリック操作は150の矢印の始点で画面に指を接触させることによって操作が始まり、画面に指を接触させたまま150の矢印の終点で速度を持ったまま画面から指を離す操作方法である。スワイプ操作の場合は、指を離したときに画像の追従スクロールが終了し、154のような慣性スクロールには移行しない。一方フリックの場合は、終点での速度や角度に基づいて154の慣性スクロールが開始される。
一般に150のようにフリックをすると、指が離れるまでは152のように指の動きに忠実に画像が追従スクロールされ、その後は図12の154や図14の154ような慣性スクロールをする。しかし本願発明では図13の154のような慣性スクロールをすることにより、慣性スクロール後に電子書籍の行頭が画面からはみ出ること等を防止できる。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置としてのタブレット端末の外観図である。図1に示すように、タブレット端末100は、筐体の主面に、タッチパネル式表示面132と、操作ボタン140とが配置されている。
【0025】
図2は、タブレット端末100の構成図である。図2に示すように、タブレット端末100は、制御部110、メモリ120、表示部130及び操作ボタン140を含んで構成される。
【0026】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。制御部110は、メモリ120に記憶されたプログラム(例えば、後述する図3〜5に示すタブレット端末100の動作を実現するためのプログラム)に従ってソフトウェア処理を実行することにより、タブレット端末100が具備する各種機能(座標取得部112、ベクトル取得部114、表示制御部116等)を制御する。
【0027】
メモリ120は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)である。メモリ120は、タブレット端末100における制御等に用いられる各種情報(プログラム等)を記憶する。
【0028】
表示部130は、タッチパネル式表示面132を含む。タッチパネル式表示面132は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイ等によって構成される。タッチパネル式表示面132は、制御部110から出力された画像信号に従って画像を表示する。
【0029】
また、タッチパネル式表示面132は、ユーザの指等が接触したときに、その接触位置を検出する。例えば、タッチパネル式表示面132は、静電容量方式が採用され、ユーザの指等が接触したときの静電容量の変化により接触位置を検出することができる。
【0030】
タッチパネル式表示面132には、図6に示すように、全体の画像200の一部が表示される。また、タッチパネル式表示面132には、X−Y座標系が設定されている。タッチパネル式表示面132は、そのX−Y座標系におけるX座標及びY座標からなる接触位置座標を検出する。更に、タッチパネル式表示面132は、接触位置座標の情報を制御部110へ出力する。
【0031】
操作ボタン140は、ユーザによって操作される。
【0032】
なお、タブレット端末100は、その他にハードディスクドライブ(HDD)やカメラ等を含んで構成されていてもよい。
【0033】
次に、タブレット端末100の動作を説明する。以下の動作は、タッチパネル式表示面132に画像が表示されているときに行われる。図3図5は、タブレット端末100の動作を示すフローチャートである。
【0034】
タッチパネル式表示面132は、ユーザの指等の接触を検出し、検出した場合には、当該タッチパネル式表示面132のX−Y座標系における接触位置座標の情報を制御部110へ出力する。制御部110内の座標取得部112は、第1所定時間(t1)毎にタッチパネル式表示面132からの当該タッチパネル式表示面132のX−Y座標系における最初の接触位置座標である接触位置座標A(図7の接触位置座標A)を取得したか否かを判定する(ステップS101)。接触位置座標Aが取得された場合、当該接触位置座標Aは、メモリ120に記憶される。
【0035】
接触位置座標Aが取得されていない場合には(ステップS101;NO)、ステップS101が繰り返される。一方、接触位置座標Aが取得された場合(ステップS101;YES)、座標取得部112は、接触位置座標Aの取得から第1所定時間経過後に、接触位置座標Aとは異なる接触位置座標を取得したか否かを判定する(ステップS102)。接触位置座標Aの取得から第1所定時間経過後に、接触位置座標Aとは異なる接触位置座標を取得した場合、当該接触位置座標が、メモリ120に記憶される。
【0036】
接触位置座標Aの取得から第1所定時間経過後に、接触位置座標Aとは異なる接触位置座標を取得していない場合には(ステップS102;NO)、一連の動作が終了する。一方、接触位置座標Aの取得から第1所定時間経過後に、接触位置座標Aとは異なる接触位置座標を取得した場合には(ステップS102;YES)、制御部110内のベクトル取得部114は、接触位置座標の軌跡に対応するベクトル(軌跡ベクトル)を取得する(ステップS103)。
【0037】
具体的には、ベクトル取得部114は、タッチパネル式表示面132から直近に出力され、メモリ120に記憶された接触位置座標(第1座標)と、その1つ前にタッチパネル式表示面132から出力され、メモリ120に記憶された接触位置座標(第2座標)とをメモリ120から読み出し、第2座標を始点とし、第1座標を終点とする軌跡ベクトルを取得する。取得された軌跡ベクトルの情報(軌跡ベクトルの方向と長さ)は、例えばメモリ120に記憶される。
【0038】
例えば、図7に示すように、接触位置座標がA、B、C、Dの順で変化した場合を考える。この場合、ベクトル取得部114は、接触位置座標Bがタッチパネル式表示面132から出力され、メモリ120に記憶された段階で、接触位置座標Aを始点とし、接触位置座標Bを終点とする軌跡ベクトルαを取得する。同様に、ベクトル取得部114は、接触位置座標Cがタッチパネル式表示面132から出力され、メモリ120に記憶された段階で、接触位置座標Bを始点とし、接触位置座標Cを終点とする軌跡ベクトルβを取得し、接触位置座標Dがタッチパネル式表示面132から出力され、メモリ120に記憶された段階で、接触位置座標Cを始点とし、接触位置座標Dを終点とする軌跡ベクトルγを取得する。なお、座標Eは、指等が離れた地点の座標であり、接触位置座標Dが取得されてから0.5t1後であるため、タッチパネル式表示面132によって検出されない。軌跡ベクトルδは、軌跡ベクトルγに基づいて決定される。具体的には、軌跡ベクトルδは、軌跡ベクトルγに比例する長さを有し、軌跡ベクトルγと同一方向である。
【0039】
再び、図3に戻って説明する。ステップS103において、接触位置座標の軌跡に対応するベクトルが取得された後、制御部110内の表示制御部116は、ベクトル取得部114が取得した軌跡ベクトルの方向へ画像を追従スクロールさせる表示制御を行う(ステップS104)。なお、追従スクロールとは、指等の動きに追従して画像をスクロールさせる方法であり、例えば、図7の軌跡ベクトルα、β、γに基づいた画像のスクロール方法である。
【0040】
具体的には、表示制御部116は、図示しないVRAM(Video Random Access Memory)に、1つの画像を展開し、表示させるべき画像を切り出してタッチパネル式表示面132に出力することで、画像を表示させている。そして、スクロールの際には、表示制御部116は、ベクトル取得部114が取得した軌跡ベクトルとは長さが同一で方向が逆方向であるベクトルの長さ及び方向に応じて、VRAM内の画像の切り出し位置を逐次移動させる。更に、表示制御部116は、逐次移動する切り出し位置毎に、その切り出し位置で切り出した画像をタッチパネル式表示面132に順次出力することで、ベクトル取得部114が取得した軌跡ベクトルの方向へ画像をスクロールさせる。
【0041】
次に、座標取得部112は、タッチパネル式表示面132からの接触位置座標の取得から第1所定時間(t1)の経過後に次の接触位置座標が取得できなかったか否か、換言すれば、ユーザの指等の接触が終了したか否かを判定する(ステップS105)。例えば、座標取得部112は、タッチパネル式表示面132から接触位置座標を取得する毎にリセットされて計時を開始するタイマ(図示せず)が示す時間が、第1所定時間を経過したか否かを判定する。
【0042】
上述したように、第1所定時間(t1)は、座標取得部112がタッチパネル式表示面132からの接触位置座標を取得する周期である。従って、ユーザの指等の接触が継続している場合には、座標取得部112は、第1所定時間毎にタッチパネル式表示面132からの接触位置座標を取得することになる。一方、ユーザの指等の接触が終了した場合(図7の座標E)には、座標取得部112は、接触位置座標を取得してから第1所定時間(t1)の経過後に、次の接触位置座標を取得することができない。このため、座標取得部112がタッチパネル式表示面132からの接触位置座標を取得してから第1所定時間(t1)の経過後に次の接触位置座標を取得できなかった場合には、ユーザの指等による接触が終了したとみなすことができる。
【0043】
ユーザの指等による接触が終了していない場合(ステップS105;NO)、換言すれば、座標取得部112がタッチパネル式表示面132からの接触位置座標を取得してから第1所定時間(t1)経過後に次の接触位置座標(新たな接触位置座標)を取得した場合には、座標取得部112は、新たな接触位置座標が1つ前に取得した接触位置座標と同一であるか否かを判定する(ステップS106)。
【0044】
新たな接触位置座標が1つ前に取得した接触位置座標と同一である場合には(ステップS106;YES)、スワイプ操作が行われたとみなされ、一連の動作を終了する。一方、新たな接触位置座標が1つ前に取得した接触位置座標と同一でない場合には(ステップS106 ;NO)、ステップS103以降の動作が繰り返される。
【0045】
一方、ユーザの指等による接触が終了した場合(ステップS105;YES)、換言すれば、座標取得部112がタッチパネル式表示面132からの接触位置座標を取得してから第1所定時間(t1)経過後に次の接触位置座標を取得できなかった場合(図7の座標E)には、フリック操作が行われたとみなされ、制御部110内の表示制御部116は、最後に取得した軌跡ベクトル(図7の軌跡ベクトルγ)が示す速度が速度閾値以上であるか否かを判定する(ステップS107)。速度閾値の情報は、例えばメモリ120に記憶されており、表示制御部116は、最後に取得した軌跡ベクトルが示す速度とメモリ120から読み出した速度閾値とを比較する。
【0046】
最後に取得した軌跡ベクトルが示す速度が速度閾値以上である場合(ステップS107;YES)、図4に示す動作に移行し、表示制御部116は、最後に取得した軌跡ベクトルにおけるY成分(タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるY軸方向の成分)がX成分(タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるX軸方向の成分)より大きいか否かを判定する(ステップS111)。例えば、図7に示す例では、軌跡ベクトルγのX成分であるγxとY成分であるγyとを比較すると、γyの方が大きい。
【0047】
最後に取得した軌跡ベクトルにおけるY成分がX成分より大きい場合(ステップS111;YES)、ユーザはY成分方向のみへの慣性スクロールを意図しているとみなされる。この場合、表示制御部116は、X成分方向への移動はなかったものとして、接触位置座標Aに対応する画像のX座標を接触位置座標AのX座標に戻した上で、当該接触位置座標Aに対応する画像をY軸方向へ慣性スクロールさせる表示制御を行う(ステップS112)。ここで、接触位置座標Aに対応する画像とは、ユーザによる最初の接触に応じて接触位置座標Aが取得されたときに当該接触位置座標Aの位置に表示されていた画像を意味し、例えば、図8に示す例では、キャラクタの画像201である。図8に示す例では、画像200がY軸方向に慣性スクロールされて、当該画像200の一部であるキャラクタの画像201がY軸方向である位置A(図7の接触位置座標Aに対応)から位置Lに移動する。なお、最後に取得した軌跡ベクトルのY軸に対する角度が所定の角度以下(例えば30°以下)である場合にのみ、ステップS112の表示制御が行われるようにしてもよい。
【0048】
具体的には、表示制御部116は、ステップS104における画像の追従スクロールにおいてVRAM内に展開されている1つの画像を逐次切り出した際の最後の切り出し位置を横方向、具体的には、タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるX軸方向に対応する方向であって、最後に取得した軌跡ベクトルのX成分とは反対の方向に移動させ、最初の切り出し位置と横方向の位置が同一となるようにする。次に、表示制御部116は、移動後の切り出し位置を、更に縦方向、具体的には、タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるY軸方向に対応する方向であって、最後に取得した軌跡ベクトルのY成分とは反対の方向に逐次移動させる。この際、表示制御部116は、画像の慣性スクロールのために、切り出し位置の移動量を徐々に小さくする。更に、表示制御部116は、逐次移動する切り出し位置毎に、その切り出し位置で切り出した画像をタッチパネル式表示面132に順次出力することで、画像を慣性スクロールさせる。
【0049】
これにより、例えば、従来、タッチパネル式表示面132において画像がフリックした方向にスクロールされていたものが、図8に示すように画像200がY軸方向に慣性スクロールされ、画像200の一部である画像201は位置Aから位置Lに移動する。
【0050】
一方、最後に取得した軌跡ベクトルにおけるY成分がX成分より大きくない場合(ステップS111;NO)、ユーザはX成分方向のみへの慣性スクロールを意図しているとみなされる。この場合、表示制御部116は、Y成分方向への移動はなかったものとして、接触位置座標Aに対応する画像のY座標を接触位置座標AのY座標に戻した上で、当該接触位置座標Aに対応する画像をX軸方向へ慣性スクロールさせる表示制御を行う(ステップS113)。なお、最後に取得した軌跡ベクトルのX軸に対する角度が所定の角度以下(例えば30°以下)である場合にのみ、ステップS113の表示制御が行われるようにしてもよい。
【0051】
具体的には、表示制御部116は、ステップS104における画像の追従スクロールにおいてVRAM内に展開されている1つの画像を逐次切り出した際の最後の切り出し位置を縦方向、具体的には、タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるY軸方向に対応する方向であって、最後に取得した軌跡ベクトルのY成分とは反対の方向に移動させ、最初の切り出し位置と縦方向の位置が同一となるようにする。次に、表示制御部116は、移動後の切り出し位置を、更に横方向、具体的には、タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるX軸方向に対応する方向であって、最後に取得した軌跡ベクトルのX成分とは反対の方向に逐次移動させる。この際、表示制御部116は、画像の慣性スクロールのために、切り出し位置の移動量を徐々に小さくする。更に、表示制御部116は、逐次移動する切り出し位置毎に、その切り出し位置で切り出した画像をタッチパネル式表示面132に順次出力することで、画像を慣性スクロールさせる。
【0052】
ステップS112又はステップS113において画像の慣性スクロールが開始された後、表示制御部116は、慣性スクロールの開始から、予め定められている慣性スクロールの時間(慣性スクロールが開始されてから自動的に終了するまでの時間)Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、最後に取得した軌跡ベクトルに対応する延長線領域内に入ったか否かを判定する(ステップS114)。
【0053】
ステップS114において、表示制御部116は、ステップS112又はステップS113における画像の慣性スクロールが開始されたタイミングでリセットされて計時を開始するタイマ(図示せず)が示す時間が、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内であるか否かを判定する。
【0054】
タイマが示す時間が慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内である場合、更に、表示制御部116は、接触位置座標Aに対応する画像が、最後に取得した軌跡ベクトルに対応する延長線領域内に入ったか否かを判定する。例えば、図9に示すように、タッチパネル式表示面132において、フリック操作の最初の接触位置Aを始点とする最後に取得した軌跡ベクトル210の延長線を中心とする所定範囲の帯状の領域が延長線領域212となる。
【0055】
具体的には、表示制御部116は、慣性スクロールによる画像の移動量を示す画像移動ベクトルSを取得する。表示制御部116は、自身による慣性スクロールの表示制御に基づいて、画像移動ベクトルSを取得することができる。
【0056】
更に、表示制御部116は、慣性スクロール終了後に、座標取得部112によって取得される接触位置座標に基づいて、慣性スクロール終了後の接触位置の変化を示す接触位置移動ベクトルTを取得する。ここで、慣性スクロールの終了とは、慣性スクロールが自動的に終了する場合と、慣性スクロール中にユーザがタッチパネル式表示面132に指等の接触させることによって慣性スクロールが強制的に終了する場合とがある。
【0057】
そして、表示制御部116は、タッチパネル式表示面132におけるフリック操作の最初の接触位置(初期位置)を始点として画像移動ベクトルSと接触位置移動ベクトルTとを加算し、その加算結果のベクトルの終点が延長領域内であるか否かを判定する。加算結果のベクトルの終点が延長線領域内であれば、接触位置座標Aに対応する画像が、最後に取得した軌跡ベクトルに対応する延長線領域内であることになる。
【0058】
例えば、図9に示すように、フリック操作の最初の接触位置(初期位置)である位置Aの画像201が画像200の慣性スクロールによって位置Lに移動し、更に、慣性スクロール終了後のユーザによる接触操作によって位置Mに移動する場合を考える。この場合、表示制御部116は、フリック操作の最初の接触位置(初期位置)である位置Aを始点として画像移動ベクトルSと接触位置移動ベクトルT1とを加算することで、位置Mを終点とする加算結果のベクトルを取得する。加算結果のベクトルの終点である位置Mは、延長線領域212内であるので、接触位置座標Aに対応する画像が、最後に取得した軌跡ベクトルに対応する延長線領域内であると判定される。
【0059】
なお、接触位置移動ベクトルの取得においてユーザによる実際の接触位置は考慮する必要はない。例えば、図9における接触位置移動ベクトルT1とT2とは接触位置は異なるが、長さ及び方向が等しく、同一のベクトルである。従って、フリック操作の最初の接触位置(初期位置)である位置Aを始点として画像移動ベクトルSと接触位置移動ベクトルT2とを加算する場合も、位置Mを終点とする加算結果のベクトルが取得され、接触位置座標Aに対応する画像が、最後に取得した軌跡ベクトルに対応する延長線領域内であると判定される。
【0060】
慣性スクロールの開始から、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、最後に取得した軌跡ベクトルに対応する延長線領域内に入った場合(ステップS114;YES)には、本来、ユーザはフリックしたベクトルの方向へ画像を慣性スクロールさせたかった、例えば、図9において画像200内の画像201を位置Aから位置Mへ移動させたかったにも関わらず、表示制御部116が、ステップS112においてY軸方向へ慣性スクロールさせた、あるいは、ステップS113においてX軸方向へ慣性スクロールさせたために、ユーザの意図しない方向に画像が移動してしまった、例えば、図9において、画像200がY軸方向へ慣性スクロールして、画像201が位置Aから位置Lへ移動してしまったとみなすことができる。
【0061】
この場合には、速度閾値が低いためにステップS112やステップS113の処理が実行されてしまったことになるので、表示制御部116は、現在の速度閾値を増加させる(ステップS115)。増加後の新たな速度閾値はメモリ120に記憶される。なお、例えば、フリック操作の際の軌跡ベクトルが示す速度の履歴をメモリ120に記憶させておき、表示制御部116は、そのフリック操作の際の軌跡ベクトルが示す速度の履歴の平均値を速度閾値としてもよい。
【0062】
一方、慣性スクロールの開始から、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、最後に取得した軌跡ベクトルに対応する延長線領域内に入っていない場合(ステップS114;NO)には、一連の動作が終了する。
【0063】
また、最後に取得したベクトルが示す速度が速度閾値以上でない場合(図3のステップS107;NO)、画像の位置の微修正等であるとみなされ、図5に示す動作に移行し、表示制御部116は、最後に取得した軌跡ベクトルの方向へ慣性スクロールさせる表示制御を行う(ステップS121)。
【0064】
具体的には、表示制御部116は、ベクトル取得部114が取得した軌跡ベクトルとは長さが同一で方向が逆方向であるベクトルの長さ及び方向に応じて、VRAM内の画像の切り出し位置を逐次移動させる。この際、表示制御部116は、画像の慣性スクロールのために、切り出し位置の移動量を徐々に小さくする。更に、表示制御部116は、逐次移動する切り出し位置毎に、その切り出し位置で切り出した画像をタッチパネル式表示面132に順次出力することで、画像を慣性スクロールさせる。
【0065】
これにより、例えば、図10に示すようにタッチパネル式表示面132において画像が最後に取得した軌跡ベクトルの方向へ画像200が慣性スクロールされ、画像200の一部である画像201が位置Aから位置N移動する。
【0066】
次に、表示制御部116は、最後に取得した軌跡ベクトルにおけるY成分(タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるY軸方向の成分)がX成分(タッチパネル式表示面132のX−Y座標系におけるX軸方向の成分)より大きいか否かを判定する(ステップS122)。
【0067】
最後に取得した軌跡ベクトルにおけるY成分がX成分より大きい場合(ステップS122;YES)、表示制御部116は、慣性スクロールの開始から、予め定められている慣性スクロールの時間(慣性スクロールが開始されてから自動的に終了するまでの時間)Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻ったか否かを判定する(ステップS123)。
【0068】
ステップS123において、表示制御部116は、ステップS121における画像の慣性スクロールが開始されたタイミングでリセットされて計時を開始するタイマ(図示せず)が示す時間が、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内であるか否かを判定する。
【0069】
タイマが示す時間が慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内である場合、更に、表示制御部116は、フリック操作の最初の接触位置に対応する初期位置の画像が、当該初期位置のX座標上の位置に戻ったか否かを判定する。例えば、図11に示すように、タッチパネル式表示面132において、フリック操作の最初の接触位置AのX座標(Xa)を中心としてY軸方向に延在する所定範囲の帯状の領域(初期領域)214が設定される。
【0070】
具体的には、表示制御部116は、慣性スクロールによる画像の移動量を示す画像移動ベクトルUを取得する。表示制御部116は、自身による慣性スクロールの表示制御に基づいて、画像移動ベクトルUを取得することができる。
【0071】
更に、表示制御部116は、慣性スクロール終了後に、座標取得部112によって取得される接触位置座標に基づいて、慣性スクロール終了後の接触位置の変化を示す接触位置移動ベクトルVを取得する。ここで、慣性スクロールの終了とは、慣性スクロールが自動的に終了する場合と、慣性スクロール中にユーザがタッチパネル式表示面132に指等の接触させることによって慣性スクロールが強制的に終了する場合とがある。
【0072】
そして、表示制御部116は、タッチパネル式表示面132におけるフリック操作の最初の接触位置(初期位置)を始点として画像移動ベクトルUと接触位置移動ベクトルVとを加算し、その加算結果のベクトルの終点が初期領域内であるか否かを判定する。加算結果のベクトルの終点が初期領域内であれば、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻ったことになる。
【0073】
例えば、図11に示すように、フリック操作の最初の接触位置(初期位置)である位置Aの画像201が画像200の慣性スクロールによって位置Nに移動し、更に、慣性スクロール終了後のユーザによる接触操作によって位置Pに移動する場合を考える。この場合、表示制御部116は、フリック操作の最初の接触位置(初期位置)である位置Aを始点として画像移動ベクトルUと接触位置移動ベクトルV1とを加算することで、位置Pを終点とする加算結果のベクトルを取得する。加算結果のベクトルの終点である位置Pは、初期領域214内であるので、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻ったと判定される。
【0074】
なお、接触位置移動ベクトルの取得においてユーザによる実際の接触位置は考慮する必要はない。例えば、図11における接触位置移動ベクトルV1とV2とは接触位置は異なるが、長さ及び方向が等しく、同一のベクトルである。従って、フリック操作の最初の接触位置(初期位置)である位置Aを始点として画像移動ベクトルUと接触位置移動ベクトルV2とを加算する場合も、位置Pを終点とする加算結果のベクトルが取得され、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻ったと判定される。
【0075】
慣性スクロールの開始から、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻った場合(ステップS123;YES)には、本来、ユーザはタッチパネル式表示面132のY軸方向に沿って画像を慣性スクロールさせたかったにも関わらず、表示制御部116が、ステップS121において軌跡ベクトルの方向へ画像を慣性スクロールさせたために、ユーザのフリックした方向に画像が忠実に移動してしまった、例えば、図11において、画像200が軌跡ベクトルの方向へ慣性スクロールして、画像201が位置Aから位置Nへ移動してしまったとみなすことができる。この場合には、速度閾値が高いためにステップS107において、ステップS111ではなく、ステップS121の処理が選択されてしまったことになるので、表示制御部116は、現在の速度閾値を減少させる(ステップS124)。減少後の新たな速度閾値はメモリ120に記憶される。なお、例えば、フリック操作の際の軌跡ベクトルが示す速度の履歴をメモリ120に記憶させておき、表示制御部116は、そのフリック操作の際の軌跡ベクトルが示す速度の履歴の平均値を速度閾値としてもよい。
【0076】
一方、慣性スクロールの開始から、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻っていない場合(ステップS123;NO)には、一連の動作が終了する。
【0077】
一方、最後に取得した軌跡ベクトルにおけるY成分がX成分より大きくない場合(ステップS122;NO)、表示制御部116は、慣性スクロールの開始から、予め定められている慣性スクロールの時間(慣性スクロールが開始されてから自動的に終了するまでの時間)Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのY座標上に戻ったか否かを判定する(ステップS125)。
【0078】
具体的な処理は、ステップS123と同様である。すなわち、ステップS125において、表示制御部116は、ステップS121における画像の慣性スクロールが開始されたタイミングでリセットされて計時を開始するタイマ(図示せず)が示す時間が、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内であるか否かを判定する。
【0079】
タイマが示す時間が慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内である場合、更に、表示制御部116は、フリック操作の最初の接触位置に対応する初期位置の画像が、当該初期位置のY座標上の位置に戻ったか否かを判定する。
【0080】
具体的には、表示制御部116は、慣性スクロールによる画像の移動量を示す画像移動ベクトルUを取得する。表示制御部116は、自身による慣性スクロールの表示制御に基づいて、画像移動ベクトルUを取得することができる。
【0081】
更に、表示制御部116は、慣性スクロール終了後に、座標取得部112によって取得される接触位置座標に基づいて、慣性スクロール終了後の接触位置の変化を示す接触位置移動ベクトルVを取得する。ここで、慣性スクロールの終了とは、慣性スクロールが自動的に終了する場合と、慣性スクロール中にユーザがタッチパネル式表示面132に指等の接触させることによって慣性スクロールが強制的に終了する場合とがある。
【0082】
そして、表示制御部116は、タッチパネル式表示面132におけるフリック操作の最初の接触位置(初期位置)を始点として画像移動ベクトルUと接触位置移動ベクトルVとを加算し、その加算結果のベクトルの終点が初期領域内であるか否かを判定する。加算結果のベクトルの終点が初期領域内であれば、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのY座標上に戻ったことになる。
【0083】
慣性スクロールの開始から、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻った場合(ステップS125;YES)には、本来、ユーザはタッチパネル式表示面132のX軸方向に沿って画像を慣性スクロールさせたかったにも関わらず、表示制御部116が、ステップS121において軌跡ベクトルの方向へ画像を慣性スクロールさせたために、ユーザのフリックした方向に画像が忠実に移動してしまったとみなすことができる。この場合には、速度閾値が高いためにステップS107において、ステップS111ではなく、ステップS121の処理が選択されてしまったことになるので、表示制御部116は、現在の速度閾値を減少させる(ステップS126)。減少後の新たな速度閾値はメモリ120に記憶される。なお、例えば、フリック操作の際の軌跡ベクトルが示す速度の履歴をメモリ120に記憶させておき、表示制御部116は、そのフリック操作の際の軌跡ベクトルが示す速度の履歴の平均値を速度閾値としてもよい。
【0084】
一方、慣性スクロールの開始から、慣性スクロールの時間Taと猶予時間Tbとを加算した時間内において、接触位置座標Aに対応する画像が、接触位置座標AのX座標上に戻っていない場合(ステップS125;NO)には、一連の動作が終了する。
【0085】
このように、タブレット端末100では、制御部110内の座標取得部112は、タッチパネル式表示面132からの当該タッチパネル式表示面132のX−Y座標系における接触位置座標を取得し、ベクトル取得部114は、接触位置座標の軌跡に対応する軌跡ベクトルを取得する。更に、表示制御部116は、ユーザがフリック操作をした場合には、最後に取得した軌跡ベクトルの速度が速度閾値以上であれば、最後に取得した軌跡ベクトルにおけるX成分及びY成分のうち、大きい方の成分の方向へ画像を慣性スクロールさせる表示制御を行う。
【0086】
フリック操作は、指で弾く操作であるために、ぶれが生じやすく、必ずしもユーザが意図した方向への操作とはならず、その結果、ユーザが意図しない方向へ画像が移動してしまうことがあるが、フリック操作における最後に取得した軌跡ベクトルの速度が大きい場合には、ユーザが意図した垂直又は水平方向へのフリック操作を行っていないと見なして、最後に取得したベクトルにおけるX成分及びY成分のうち、大きい方の成分の方向へ画像を慣性スクロールさせる表示制御が行われることで、ユーザが意図した垂直又は垂直方向へ画像を移動させることができる。例えば、図8に示すように、画像200がY軸方向に慣性スクロールされて、画像201が位置Aから位置Lへ移動する。
また、図13に示すように、フリック操作をしたとしても、それが高速のフリック操作であった場合、X軸方向の移動を元に戻した上でY軸方向のみに慣性スクロールする。
【0087】
一方、本来、ユーザが最後に取得した軌跡ベクトルの方向へ画像を慣性スクロールさせたかった(例えば、ユーザが画像の位置を微修正等している)にも関わらず、上述した最後に取得した軌跡ベクトルにおけるX成分及びY成分のうち、大きい方の成分の方向へ画像を慣性スクロールさせる表示制御が行われてしまう場合、例えば、図9に示すように、画像200がY軸方向に慣性スクロールされて、画像201が位置Aから位置Lへ移動してしまう可能性がある。この場合には、延長線領域に戻す操作を検出することで(図4のステップS114;YES)、ユーザの画像の位置を微修正等したかった意図を把握し、速度閾値を増加させることで、その後の操作ではユーザが意図した方向へ画像を移動させる(微修正等)ことができる。
【0088】
また、表示制御部116は、ユーザがフリック操作をした場合であって、最後に取得した軌跡ベクトルの速度が速度閾値未満であれば、最後に取得した軌跡ベクトルの方向へ画像を慣性スクロールさせる表示制御を行う。フリック操作における最後に取得した軌跡ベクトルの速度が小さい場合には、ユーザが意図した方向へのフリック操作(微修正のための操作等)を行っていると見なして、最後に取得した軌跡ベクトルの方向へ画像を慣性スクロールさせる表示制御が行われることで、ユーザが意図した方向へ画像を移動(微修正等)させることができる(図10)。
【0089】
一方、本来、ユーザがタッチパネル式表示面132のX軸方向又はY軸方向に沿って画像を慣性スクロールさせたかったにも関わらず、上述した最後に取得した軌跡ベクトルの方向へ画像を慣性スクロールさせる表示制御が行われてしまう可能性がある。この場合には、初期領域に戻す操作を検出する(図5のステップS123;YES、ステップS125;YES)ことで、ユーザの意図を把握し、速度閾値を減少させることで、その後の操作ではユーザが意図した方向へ画像を移動させることができる。
【0090】
なお、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【0091】
上述した実施形態では、タッチパネル式表示面132がユーザによる画像移動の操作を検出したが、ユーザによる画像移動の操作は接触操作に限定されず、その画像移動の操作に応じた検出手段が備えられていればよい。
【0092】
また、上述した実施形態では、情報処理装置としてタブレット端末100が用いられる場合について説明したが、携帯電話機、タブレット型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等のユーザによる画像移動の操作が可能な情報処理装置であれば、本発明を適用することができる。
【0093】
また、例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、タブレット端末100の機能を実現してもよい。また、タブレット端末100の機能を実現するためのプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記憶媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【0094】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0095】
100…タブレット端末、110…制御部、112…座標取得部、114…ベクトル取得部、116…表示制御部、120…メモリ、130…表示部、132…タッチパネル式表示面、140…操作ボタン、150…フリック操作による指の軌跡、152…フリック操作中の追従スクロールの軌跡、154…フリック操作後の慣性スクロールの軌跡
【要約】
【課題】ユーザの意図を考慮した画像を表示することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】タブレット端末100では、制御部110内の座標取得部112は、タッチパネル式表示面132からの当該タッチパネル式表示面132のX−Y座標系における接触位置座標を取得し、ベクトル取得部114は、接触位置座標の軌跡に対応する軌跡ベクトルを取得する。更に、表示制御部116は、ユーザがフリック操作をした場合には、最後に取得した軌跡ベクトルの速度が速度閾値以上であれば、最後に取得した軌跡ベクトルにおけるX成分及びY成分のうち、大きい方の成分の方向へ画像を慣性スクロールさせる表示制御を行う。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14