【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「生活支援ロボット実用化プロジェクト 安全技術を導入した移動作業型(自律が中心)生活支援ロボットの開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグ、搬送対象の物品が存在する計測対象領域が設定された地上側において前記計測対象領域に存在する前記無線タグから前記位置計測用の無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置、及び、前記複数の受信装置の受信情報に基づいて前記無線タグの位置を算出する位置算出部を備えて前記無線タグを備えた位置計測対象物の前記計測対象領域における位置を計測する無線式位置計測手段が設けられた物品搬送設備における位置計測システムであって、
前記位置計測対象物の夫々に前記無線タグが複数設けられ、
前記位置算出部にて算出された前記複数の無線タグの少なくとも一つ以上の無線タグの位置に基づいて前記位置計測対象物の位置を算出する対象物位置算出部が設けられ、
前記位置計測対象物に設けられた前記複数の無線タグの設置間隔を記憶する記憶部と、
前記複数の無線タグについての前記位置算出部の位置情報に基づき当該複数の無線タグの設置間隔を算出するタグ間隔算出部と、
前記記憶部が記憶している前記複数の無線タグについての設置間隔及び前記タグ間隔算出部が算出した当該複数の無線タグについての設置間隔に基づいて、前記無線式位置計測手段による当該複数の無線タグについての計測精度を評価する計測精度評価部と、を備えている物品搬送設備における位置計測システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような物品搬送設備における位置計測システムであると、複数の受信装置に対して位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグが、位置計測対象物に一つだけ設けられているため、この無線タグの無線信号が複数の受信装置に受信されなくなって無線タグの位置が計測できなくなると、たちまち位置計測対象物の位置を計測できなくなってしまう。そのため、無線タグの無線信号を受信できなくなると、その無線タグの受信信号を受信できる状態に復帰するまでの間は、位置計測対象物の位置を計測することができない。このように、従来の物品搬送設備における位置計測システムでは、計測位置計測対象物の位置を安定して計測することができないという問題があった。
【0005】
受信装置が無線タグの無線信号を受信できなくなる場合の例として、例えば、電波障害が発生した場合や、無線タグのバッテリーがなくなった場合のほか、計測対象領域が複数の通信エリアで構成される位置計測システムにおいて、位置計測対象物が隣り合う通信エリアを移動することで通信エリアが移行する場合が挙げられる。
このような通信エリアの移行においては、移行前の通信エリアを担当する受信装置が無線信号を受信している状態から、移行先の通信エリアを担当する受信装置が無線信号を受信する状態に遷移するときに、移行前後の受信装置の双方が無線タグの無線信号を一時的に受信できない状態が発生する場合がある。この場合、位置計測対象物が隣り合う通信エリアを移動するときに、無線タグの位置を計測できず位置計測対象物の位置を計測できない事態が発生する。位置計測対象物の位置を計測できない間は移動体を適切に制御できないおそれがあり、移動体が高速で移動しているときに位置計測ができない事態が発生すると移動体の衝突事故に至るおそれもある。
【0006】
本発明は上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、位置計測対象物の位置を安定して計測することができる物品搬送設備における位置計測システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの第
1特徴構成は、
位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグ、搬送対象の物品が存在する計測対象領域が設定された地上側において前記計測対象領域に存在する前記無線タグから前記位置計測用の無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置、及び、前記複数の受信装置の受信情報に基づいて前記無線タグの位置を算出する位置算出部を備えて前記無線タグを備えた位置計測対象物の前記計測対象領域における位置を計測する無線式位置計測手段が設けられた物品搬送設備における位置計測システムであって、
前記位置計測対象物の夫々に前記無線タグが複数設けられ、
前記位置算出部にて算出された前記複数の無線タグの少なくとも一つ以上の無線タグの位置に基づいて前記位置計測対象物の位置を算出する対象物位置算出部が設けられ、
前記位置計測対象物に設けられた前記複数の無線タグの設置間隔を記憶する記憶部と、
前記複数の無線タグについての前記位置算出部の位置情報に基づき当該複数の無線タグの設置間隔を算出するタグ間隔算出部と、
前記記憶部が記憶している前記複数の無線タグについての設置間隔及び前記タグ間隔算出部が算出した当該複数の無線タグについての設置間隔に基づいて、前記無線式位置計測手段による当該複数の無線タグについての計測精度を評価する計測精度評価部と、を備えている点にある。
【0014】
本特徴構成によれば、複数の受信装置が受信している無線信号を出力している複数の無線タグのうち一つの無線タグの無線信号が受信できなくなっても、複数の受信装置は、位置計測対象物が備える残りの無線タグの無線信号を受信して、当該位置計測対象物の位置を引き続き計測できる。
したがって、位置計測対象物の位置を安定して計測することができる物品搬送設備における位置計測システムを得るに至った。
また、本特徴構成によれば、計測精度評価部は、複数の無線タグについての実際の設置間隔及びタグ間隔算出部が算出した当該複数の無線タグについての設置間隔に基づいて、無線式位置計測手段による当該複数の無線タグについての計測精度を評価するので、無線式位置計測手段が無線タグの位置をどの程度精度良く計測できているか把握することができる。
したがって、位置計測対象物の計測位置を利用する場合に、計測精度に応じた適切な措置をとることができる。
【0015】
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの第
2特徴構成は、
位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグ、搬送対象の物品が存在する計測対象領域が設定された地上側において前記計測対象領域に存在する前記無線タグから前記位置計測用の無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置、及び、前記複数の受信装置の受信情報に基づいて前記無線タグの位置を算出する位置算出部を備えて前記無線タグを備えた位置計測対象物の前記計測対象領域における位置を計測する無線式位置計測手段が設けられた物品搬送設備における位置計測システムであって、
前記位置計測対象物の夫々に前記無線タグが複数設けられ、
前記位置算出部にて算出された前記複数の無線タグの少なくとも一つ以上の無線タグの位置に基づいて前記位置計測対象物の位置を算出する対象物位置算出部が設けられ、
前記位置計測対象物に設けられた前記複数の無線タグの設置間隔を記憶する記憶部と、
前記複数の無線タグについての前記位置算出部の位置情報に基づき当該複数の無線タグの設置間隔を算出するタグ間隔算出部と、
前記記憶部が記憶している前記複数の無線タグについての設置間隔及び前記タグ間隔算出部が算出した当該複数の無線タグについての設置間隔に基づいて、当該複数の無線タグが異常判定用設定距離以上離間したタグ距離異常状態であるか否かを判別するタグ間隔監視部と、を備えている点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、複数の受信装置が受信している無線信号を出力している複数の無線タグのうち一つの無線タグの無線信号が受信できなくなっても、複数の受信装置は、位置計測対象物が備える残りの無線タグの無線信号を受信して、当該位置計測対象物の位置を引き続き計測できる。
したがって、位置計測対象物の位置を安定して計測することができる物品搬送設備における位置計測システムを得るに至った。
また、本特徴構成によれば、位置計測対象物が備える複数の無線タグの間隔が異常判定用設定距離以上離間したタグ距離異常状態である場合に、そのことを把握することができるので、例えば、複数の無線タグの何れかが位置計測対象物から脱落した場合には、そのことを検出することができ、複数の無線タグの配設状態に異常が生じたことを検出できる。
【0019】
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの第
3特徴構成は、
位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグ、搬送対象の物品が存在する計測対象領域が設定された地上側において前記計測対象領域に存在する前記無線タグから前記位置計測用の無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置、及び、前記複数の受信装置の受信情報に基づいて前記無線タグの位置を算出する位置算出部を備えて前記無線タグを備えた位置計測対象物の前記計測対象領域における位置を計測する無線式位置計測手段が設けられた物品搬送設備における位置計測システムであって、
前記位置計測対象物の夫々に前記無線タグが複数設けられ、
前記位置算出部にて算出された前記複数の無線タグの少なくとも一つ以上の無線タグの位置に基づいて前記位置計測対象物の位置を算出する対象物位置算出部が設けられ、
前記無線式位置計測手段が、前記複数の無線タグを装着した状態で作業をする作業者を計測対象物として、前記計測対象領域における前記作業者の位置を計測するように構成され、
前記計測対象領域と外部とを区分けし、かつ、前記作業者が前記計測対象領域に進入及び退出するための出入口を備えた区画体が設けられ、
前記作業者が装着する識別子を読み取って前記出入口から進入する前記作業者を識別する作業者識別部と、
前記作業者識別部が識別した作業者の数を計数し、前記計測対象領域への入場者数として管理する入場者数管理部と、
前記無線式位置計測手段にて位置が計測されている前記複数の無線タグのうち前記作業者が装着している前記無線タグの個数が、前記入場者数管理部が管理している入場者数に対応した個数と一致しているかを判別し、一致していない場合は警報手段を作動させるタグ数監視部と、を備えている点にある。
【0020】
本特徴構成によれば、複数の受信装置が受信している無線信号を出力している複数の無線タグのうち一つの無線タグの無線信号が受信できなくなっても、複数の受信装置は、位置計測対象物が備える残りの無線タグの無線信号を受信して、当該位置計測対象物の位置を引き続き計測できる。
したがって、位置計測対象物の位置を安定して計測することができる物品搬送設備における位置計測システムを得るに至った。
また、本特徴構成によれば、計測対象領域は、出入口を備えた区画体により外部と区画されているため、外部から作業者等が勝手に進入することを防止できる。区画体の出入口から入場した作業者は、作業者識別部と入場者数管理部とにより、各人が識別された状態で入場者として管理され、入場者の数も管理できる。そして、入場者数管理部が管理している入場者数に対応した数の無線タグの位置が無線式位置計測手段にて計測されているかの確認を行うことができる。
入場した作業者が備える複数の無線タグの何れかが位置計測されていない欠落状態である場合には、入場者数管理部か管理する入場者数とそれに対応する無線タグの個数の不一致が発生するため、欠落状態を検出できる。
そして、欠落状態としてある作業者が備える複数の無線タグの一部の無線タグの位置が計測できていない場合は、計測対象領域における作業者の位置を適確に計測ができていないおそれがあり、また、欠落状態としてある作業者が備える複数の無線タグの全部の無線タグの位置が計測できていない場合は、その作業者の位置を全く計測できない。このような欠落状態が発生した場合は、警報手段が作動するので、異常が発生したことを計測対象領域に入場している作業者や計測対象領域の外部に位置する作業者に知らせることができ、もって、計測対象領域に存在する作業者の位置を適確に計測できていないことによって発生する不都合の発生を未然に防止できる。
【0021】
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの第
4特徴構成は、
位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグ、搬送対象の物品が存在する計測対象領域が設定された地上側において前記計測対象領域に存在する前記無線タグから前記位置計測用の無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置、及び、前記複数の受信装置の受信情報に基づいて前記無線タグの位置を算出する位置算出部を備えて前記無線タグを備えた位置計測対象物の前記計測対象領域における位置を計測する無線式位置計測手段が設けられた物品搬送設備における位置計測システムであって、
前記位置計測対象物の夫々に前記無線タグが複数設けられ、
前記位置算出部にて算出された前記複数の無線タグの少なくとも一つ以上の無線タグの位置に基づいて前記位置計測対象物の位置を算出する対象物位置算出部が設けられ、
前記無線式位置計測手段が、前記複数の無線タグを装着した状態で作業をする作業者を計測対象物として、前記計測対象領域における前記作業者の位置を計測するように構成され、
前記計測対象領域と外部とを区分けし、かつ、前記作業者が前記計測対象領域に進入及び退出するための出入口を備えた区画体が設けられ、
前記作業者が装着する識別子を読み取って前記出入口から進入する前記作業者を識別する作業者識別部と、
前記作業者識別部が識別した作業者の数を計数し、前記計測対象領域への入場者数として管理する入場者数管理部と、
前記無線式位置計測手段にて位置が計測されている前記複数の無線タグのうち前記作業者が装着している前記無線タグの受信信号に基づいて前記計測対象領域に存在する作業者の人数を算出し、その人数が、前記入場者数管理部が管理している入場者数と一致しているかを判別し、一致していない場合は警報手段を作動させる作業者数監視部と、を備えている点にある。
【0022】
本特徴構成によれば、複数の受信装置が受信している無線信号を出力している複数の無線タグのうち一つの無線タグの無線信号が受信できなくなっても、複数の受信装置は、位置計測対象物が備える残りの無線タグの無線信号を受信して、当該位置計測対象物の位置を引き続き計測できる。
したがって、位置計測対象物の位置を安定して計測することができる物品搬送設備における位置計測システムを得るに至った。
また、本特徴構成によれば、計測対象領域は、出入口を備えた区画体により外部と区画されているため、外部から作業者等が勝手に進入することを防止できる。区画体の出入口から入場した作業者は、作業者識別部と入場者数管理部とにより、各人が識別された状態で入場者として管理され、入場者の数も管理できる。そして、入場者数管理部が管理している入場者数の作業者が夫々について、装着している複数の無線タグの少なくとも1個の無線信号が複数の受信装置にて受信できていれば、その無線タグを装着している作業者の位置も無線式位置計測手段にて計測できる。そこで、無線タグの無線信号に基づいて位置計測できている作業者の数を算出して、入場者数管理部が管理している入場者数と一致しているかを判別することで、入場者数管理部が管理している入場者数の確認と、入場済みの作業者の全てについて位置が計測できているかの確認とを行うことができる。
入場者数管理部が管理している入場者数が誤っている入場者数管理異常状態である場合や、入場した作業者が備える複数の無線タグの何れもが位置計測されていない作業者位置計測不能状態である場合には、入場者数管理部か管理する入場者数と位置計測できている作業者の数の不一致が発生するため、これらの状態を検出できる。
そして、このような状態が検出された場合は警報手段が作動するので、異常が発生したことを計測対象領域に入場している作業者や計測対象領域の外部に位置する作業者に知らせることができ、もって、計測対象領域に存在する作業者の位置を適確に計測できていないことによって発生する不都合の発生を未然に防止できる。
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの第5特徴構成は、
走行駆動手段の作動により前記計測対象領域を走行して前記搬送対象の物品を搬送自在な物品搬送台車が前記無線式位置計測手段の前記位置計測対象物として設けられ、
前記物品搬送台車に走行指令を指令する地上側走行制御手段とが設けられ、
前記物品搬送台車が、当該物品搬送台車の走行位置を検出する走行位置検出手段と、前記走行駆動手段の作動を制御する台車側走行制御手段とを備えて構成され、
前記台車側走行制御手段が、前記走行位置検出手段にて検出された走行位置情報と前記地上側走行制御手段からの走行指令情報とに基づいて、前記物品搬送台車を複数の物品移載箇所に亘る走行経路に沿って目標走行速度で走行させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、地上側走行制御手段が走行指令を指令することで、台車側走行制御手段により、台車側に備えられた走行位置検出手段にて検出された走行位置情報制御に基づいて物品搬送台車の走行駆動手段の作動が制御され、物品搬送台車は複数の物品移載箇所に亘る走行経路に沿って目標走行速度で自立走行する。
そして、このように自立走行する物品搬送台車が無線式位置計測手段の位置計測対象物であるので、物品搬送台車には複数の無線タグが設けられることになり、物品搬送台車の計測対象領域における位置を安定して計測することができる。これにより、自立走行する物品搬送台車の走行位置を安定して計測して、物品搬送台車の位置情報を、例えば、障害物との干渉回避などの物品搬送台車の制御のために、必要に応じて利用できる。
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの第6特徴構成は、
前記物品搬送台車に設けられている前記複数の無線タグが、前記物品搬送台車の走行方向に沿って分散配置されている点にある。
計測対象領域が複数の通信エリアで構成される位置計測システムにおいては、位置計測対象物が隣り合う通信エリアを移動するときに通信エリアが移行する。通信エリアの移行においては、移行前の通信エリアを担当する受信装置が無線信号を受信している状態から、移行先の通信エリアを担当する受信装置が無線信号を受信する状態に遷移するときに、移行前後の受信装置の双方が無線タグの無線信号を一時的に受信できない状態が発生する場合がある。
本特徴構成によれば、複数の無線タグが物品搬送台車の走行方向に沿って分散配置されているため、物品搬送台車が備える複数の無線タグの何れかについて通信エリアの移行が発生してその無線タグの無線信号を一時的に受信できない状態が発生しても、分散配置されている他の無線タグは物品搬送台車の走行方向で離れた位置に位置しているので、複数の無線タグのうち一部は通信エリアの移行が未だ発生していない位置に位置する可能性が高い。そのため、当該残りの無線タグの無線信号は、移行元の通信エリアにおける受信装置に受信されて、その無線タグの位置は計測できる可能性が高い。したがって、物品搬送台車に設けられている複数の無線タグの全てが一時的に受信できない状態となることを極力回避でき、もって物品搬送台車の位置が計測できない事態の発生を防止できる。
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの第7特徴構成は、
前記位置算出部により算出される前記位置計測対象物における前記複数の無線タグの位置についての平面視での分布状態に基づいて、当該位置計測対象物の平面視における姿勢を検出する姿勢検出部が設けられている点にある。
本特徴構成によれば、複数の無線タグの位置についての平面視での分布状態から、複数の無線タグを備えた位置計測対象物の平面視の姿勢を把握することができる。そのため、位置計測対象物の計測対象領域における平面視の姿勢を把握した上で、例えば、位置計測対象物の作動をその平面視姿勢に応じて適切に制御したり、位置計測対象物の周辺の構成との位置関係を適切に把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る物品搬送設備における位置計測システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の物品搬送設備における位置計測システムは、位置計測システムの計測対象領域Eを自立走行して搬送対象の物品Bを搬送する無人の物品搬送台車1と、計測対象領域Eで作業をする作業者2と、有人のフォークリフト3とが混在する物品搬送設備において、無人の物品搬送台車1と、作業者2と、有人のフォークリフト3とを位置計測対象物A(以下、ターゲットAという。)として、計測対象領域Eに位置するこれらのターゲットAの位置を計測することで、無人の物品搬送台車1の自立走行制御における衝突回避機能と協働して、物品搬送台車1が作業者2や有人のフォークリフト3に衝突することがないようにしている。
【0025】
図1に示すように、物品搬送設備には、走行経路Lの側脇に設けられた物品移載箇所としての複数のステーションST、複数のステーションSTに亘る走行経路Lに沿って床面上を走行自在な無人の物品搬送台車1とが設けられている。そして、物品搬送台車1が走行経路Lに沿って自立走行して複数のステーションST間で物品B(パレット及びこれに載置支持された荷)を搬送するようになっている。なお、
図1では、走行経路Lを実線で図示しているが、これは仮想的な走行経路を示しているのであって物品搬送台車1を案内するレールは設置されていない。
【0026】
また、本実施形態の物品搬送設備では、外部から進入した作業者2が床面上を歩行しているとともに、搭乗した運転者の操縦により有人のフォークリフト3が床面上を自由に走行している。
図1では図示を省略しているが、走行経路Lに挟まれた領域には、例えば、物品Bを保管する物品保管棚が設けられたり、物品Bが積層状態で床に直接載置されたり、作業者2が操作する装置が設置されていたり等、物品搬送設備によって種々の構成が配置されることになる。
【0027】
図2に示すように、物品搬送台車1には、駆動用走行車輪(図示せず)を回転駆動させる走行用モータ5と、従動用走行車輪(図示せず)を縦軸心周りに回転させて従動用走行車輪の向きを変更させる操向用モータ6とが設けられている。物品搬送台車1は、走行用モータ5にて駆動用走行車輪を回転駆動させて走行し、操向用モータ6にて従動用走行車輪の向きを変更させて走行方向を変更するように構成されている。すなわち、走行用モータ5と操向用モータ6とで走行駆動手段7が構成されており、物品搬送台車1は、走行駆動手段7の作動により走行経路Lに沿って走行自在に構成されている。
【0028】
図1に示すように、物品搬送設備には、計測対象領域Eと外部とを区分けし、かつ、作業者2が計測対象領域Eに進入及び退出するための出入口Gを備えた区画体としてのフェンス4が設けられている。フェンス4や建築物の柱材などを利用して走行経路Lに対応するように複数の反射板9が配設されており、
図4に示すように、物品搬送台車1の上部には、レーザ光を水平面内に走査して、反射板9にて反射される反射光を受光する投受光部10が設けられている。
【0029】
図2に示すように、物品搬送台車1には、駆動用走行車輪の回転に伴ってパルス信号を出力するロータリーエンコーダ等の走行距離検出用の距離検出部11、及び、物品搬送台車1の向きを検出するレートジャイロ等の方位検出部12が備えられている。投受光部10と距離検出部11と方位検出部12とで、物品搬送台車1の走行位置を検出する走行位置検出手段13が構成されており、この走行位置検出手段13は、物品搬送台車1に備えられている。
【0030】
物品搬送台車1には、走行駆動手段7の作動を制御する台車側走行制御手段としての台車側コントローラH1が設けられている。台車側コントローラH1は、走行位置検出手段13にて検出された走行位置情報と地上側走行制御手段としての地上側コントローラH2からの走行指令情報とに基づいて、物品搬送台車1を走行経路Lに沿って目標走行位置に向けて目標走行速度で走行させるべく、走行駆動手段7の作動を制御するように構成されている。
【0031】
つまり、台車側コントローラH1は、投受光部10にて受光する反射光の走査角情報及び複数の反射板9の位置情報に基づいて物品搬送台車1の現在位置を確認しながら、その現在位置情報、距離検出部11の検出情報、及び、方位検出部12の検出情報に基づいて、地上側コントローラH2から指令される走行指令にて指定されたステーションSTに対応する目標走行位置に物品搬送台車1を走行経路Lに沿って目標走行速度で走行させるべく、走行用モータ5及び操向用モータ6の作動を制御するように構成されている。
走行経路Lは、上述の通り物品搬送台車1が走行すべき仮想の経路である。走行経路Lの経路情報がマップデータ8として台車側コントローラH1に記憶されており、台車側コントローラH1は、走行指令が指令されると走行経路Lに沿ったルートの設定を行う。
【0032】
また、物品搬送台車1には、当該物品搬送台車1の走行方向前方側における干渉物の存在を検出する存否検出手段としての干渉物センサ15と、干渉物センサ15の検出情報に基づいて走行駆動手段7の作動を制御する補助走行制御手段としてのセンサ制御部16と、物品搬送台車1のバンパに干渉物が接触したことを検出するバンパセンサ26と、走行駆動手段7(走行用モータ5及び操向用モータ6)に対して電力を供給する電源17(バッテリー)と、その電源17から走行駆動手段7への電力の供給を遮断自在な電力遮断手段18とが設けられている。
ちなみに、干渉物センサ15及びバンパセンサ26が検出する干渉物とは、物品保管棚、作業者2、フォークリフト3及び床面上に載置された物品B等の物品搬送台車1と干渉する虞のあるものである。
【0033】
センサ制御部16は、干渉物センサ15に内装されており、干渉物センサ15にて干渉物の存在が検出されると、その干渉物センサ15の検出情報に基づいて物品搬送台車1と干渉物との距離を判別するように構成されている。
また、走行経路Lの横側方に、壁が設置されている場合や、走行経路Lを走行する物品搬送台車1と干渉しないように床面上に物品保管棚が設置されたり、物品が床面上に直接置かれたりする場合があるが、このような壁や棚等の床面上に設置されている干渉物又は床に直接載置される物品のように床面上に存在が予定される干渉物の位置は、レイアウトマップとしてセンサ制御部16に予め記憶されている。そして、センサ制御部16は、予め位置が記憶されている干渉物を干渉物センサ15にて検出されたとしてもその検出情報はキャンセルして干渉物が存在していると判別しないようになっている。
【0034】
そして、センサ制御部16は、干渉物センサ15にて干渉物の存在が検出されると、その検出情報に基づく物品搬送台車1と干渉物との距離により、台車側コントローラH1にて設定される目標走行速度の上限速度を制限して減速させる、又は、走行駆動手段7に対する電力の供給を電力遮断手段18により遮断して物品搬送台車1を非常停止させるようになっている。
【0035】
バンパセンサ26は、物品搬送台車1のバンパに内装されており、テープスイッチにて構成されている。そして、電力遮断手段18は、バンパセンサ26にてバンパに干渉物が接触したことが検出されるに伴って、走行駆動手段7に対する電力を遮断するように構成されている。
【0036】
物品搬送設備の地上側には、物品搬送台車1に走行指令を指令する地上側コントローラH2が設けられており、台車側コントローラH1及び地上側コントローラH2には、互いに各種情報を送受信するための送受信装置14が設けられている。
そして、地上側コントローラH2は、物品Bを搬送する搬送元のステーションSTや搬送先のステーションSTを指定する走行指令を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。台車側コントローラH1は、走行位置情報と走行指令情報とに基づいて走行駆動手段7の作動を制御し、外部管理サーバH3からの要求に基づき物品搬送台車1の走行位置情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されている。
【0037】
走行経路Lが設定された領域を全て含むように設定された計測対象領域Eに存在する物品搬送台車1、作業者2、フォークリフト3をターゲットAとして、これらのターゲットAの計測対象領域Eにおける位置を計測する無線式位置計測システム21が設けられている。無線式位置計測システム21は、位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグ22を装備した作業者2やフォークリフト3といった干渉物の計測対象領域Eにおける位置を計測する無線式位置計測システムであり、本願の無線式位置計測手段の一例である。
【0038】
無線タグ22から送信される無線信号には、無線タグ22が装備されたターゲットAの属性情報としてターゲット識別情報が含まれており、無線式位置計測システム21は、無線タグ22の無線信号から無線タグ22が装備されているターゲットAの種別を判別できるように構成されている。これにより、無線式位置計測システム21は、ターゲットA別に計測対象領域Eにおける位置を計測でき、外部管理サーバH3からの要求に基づき計測した各ターゲットAの位置情報を地上側に設けられた外部管理サーバH3に送信するように構成されている。
【0039】
そして、外部管理サーバH3は、無線式位置計測システム21から取得したターゲットA別の位置情報に基づいて、作業者2、フォークリフト3といった干渉物の位置情報と走行位置検出手段13からの物品搬送台車1の走行位置情報とに基づいて、物品搬送台車1と干渉物との距離が速度警告用の設定距離以下になると、物品搬送台車1に減速指令を指令する。これにより、無人の物品搬送台車1の自立走行制御における干渉物センサ15による衝突回避機能と協働して、物品搬送台車1が作業者2やフォークリフト3に衝突することがないようにしている。
【0040】
無線式位置計測システム21は、位置計測用の無線信号を出力自在な無線タグ22、搬送対象の物品Bが存在する計測対象領域Eが設定された地上側において計測対象領域Eに存在する無線タグ22から位置計測用の無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置としての親機23、及び、複数の親機23の受信情報に基づいて無線タグ22の位置を算出する位置算出部としてのタグ位置計測装置24を備えている。本実施形態の無線式位置計測システム21は、位置計測用の無線信号としてUWB方式の7.25GHz〜10.25GHzの無線信号を用いており、無線タグ22が、数ナノ秒という短いパルス信号を出力したときの複数の親機23に到達する時間のずれをタグ位置計測装置24が計測することで、平均誤差30cm程度の高い精度でターゲットAの3次元での位置計測ができるようになっている。
【0041】
無線タグ22は、ターゲットAの夫々に2個ずつ備えられている。タグ位置計測装置24は、ターゲットAが備える2個の無線タグ22のうち少なくとも一つ以上の無線タグ22の位置に基づいてターゲットAの位置を算出するターゲット位置算出部25を備えている。ターゲット位置算出部25は、各ターゲットAについて
図8に示すターゲット位置管理情報を生成するターゲット位置管理情報生成処理を定期的(本実施形態では、150ms毎)に実行する。ターゲット位置管理情報におけるターゲットA位置は、計測対象領域Eに設定された原点位置(
図1の紙面左下の角部)を中心とした直交3軸座標系における座標(X,Y,Z)により管理される。ターゲット位置算出部25は、本願の対象物位置算出部として機能する。
【0042】
図1に示すように、親機23は、計測対象領域Eに8個設けられている。本実施形態では、計測対象領域Eは、領域の一部が重複する状態で隣り合う複数のエリアにて構成されている。具体的には、親機231〜234で囲まれた領域である第1エリアE1と、親機235〜238で囲まれた領域である第2エリアE2とが領域の一部が重複する状態で設定されている。
【0043】
タグ位置計測装置24は、各エリアE1・E2を形成する4台の親機23のうち少なくとも2台の親機23が受信する無線信号に基づいて、無線タグ22の位置を算出する。すなわち、親機231〜234のうち無線タグと通信接続状態である親機23が受信した無線信号に基づいて第1エリアE1における無線タグ22の位置を計測し、同様に、親機235〜238のうち無線タグ22と通信接続状態である親機23が受信した無線信号に基づいて第2エリアE2における無線タグ22の位置を計測する。
【0044】
第1エリアE1と第2エリアE2とを領域の一部が重複する状態で設定することで、物品搬送台車1が第1エリアE1から第2エリアE2に向かって移動する場合に、例えば、無線タグ22の無線信号が、第1エリアE1の親機231及びその他の親機23に受信されている状態から第2エリアE2の親機237及びその他の親機23に受信されている状態に移行することになるが、このとき、
図5に示すように、親機231の受信レベルが通信可能レベルよりも高く設定されたエリア切換レベルを下回った時点ですでに親機237の受信レベルが通信可能下限レベルを超えているので、親機231が受信しなくなってから親機237が受信するまでの切換ロスト時間TLを極力短くできる。
【0045】
これにより、第1エリアE1で無線タグ22の位置を計測する状態から第2エリアE2で無線タグ22の位置を計測する状態に移行する場合に、無線タグ22の無線信号を受信可能な状態にある親機23の数が減少する期間を極力短くでき、物品搬送台車1に設けられた無線タグ22の位置を第1エリアE1で計測する状態から、第2エリアE2で計測する状態に円滑に移行させることができる。物品搬送台車1が第2エリアE2から第1エリアE1に向かって移動する場合も同様である。
【0046】
さらに、本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、物品搬送台車1に設けられている2個の無線タグ22(前タグ22F及び後タグ22B)が、物品搬送台車1の走行方向に沿って分散配置されるように、車体の前端部と後端部とに設けられている。
【0047】
これにより、
図6に示すように、物品搬送台車1が第1エリアE1を第2エリアE2に向かって走行している場合に、前タグ22Fの位置計測を担当するエリアが第1エリアE1から第2エリアE2に切り換わってから、最大で前タグ22F及び後タグ22Bの設置間隔だけ物品搬送台車1が走行した後に、前タグ22Fの位置計測を担当するエリアが第1エリアE1から第2エリアE2に切り換わる。したがって、前タグ22Fの位置計測を担当するエリアの切り換えが行われる時刻T1〜時刻T2の期間と、後タグ22Bの位置計測を担当するエリアの切り換えが行われる時刻T3〜時刻T4の期間とが極力離れて発生するようになり、前タグ22Fについての切換ロスト時間TLfと、後タグ22Bについての切換ロスト時間TLbができるだけ重複しないようになっている。
【0048】
このように、物品搬送台車1が計測対象領域Eにおける第1エリアE1と第2エリアE2との境界箇所を通過する場合に、無線タグ22の位置が計測できないロスト状態が極力発生しないように、かつ、エリアが切り換わる時にロスト状態が発生しても、一つのターゲットAについての2個の無線タグ22が同時にロスト状態にならないようにしている。フォークリフト3が第1エリアE1と第2エリアE2との境界箇所を通過する場合についても同様である。ちなみに、作業者2については対の無線タグ22の設置間隔が極力長くなるように、一対の無線タグ22は作業者2の両肩に配置されるようにしている。
【0049】
ちなみに、
図6の最下部に示すように、各ターゲットAの2個の無線タグ22の通信状態は、外部管理サーバH3がソフトウェア形式で備えるタグ状態管理部27により、C0〜C3の4つの状態に分類して管理されている。すなわち、双方の無線タグ22が親機23と接続中である双方通信状態C0と、第1タグだけが親機23と接続中である第1切断状態C1と、第2タグだけが親機23と接続中である第2切断状態C2と、双方の無線タグ22が親機23と通信できていない双方切断状態C3との4つの接続状態の何れかに分類される。ターゲットAにおける第1タグは、物品搬送台車1及びフォークリフト3では前タグ22F、作業者2では右タグ22Rであり、第2タグは、物品搬送台車1及びフォークリフト3では後タグ22B、作業者2では左タグ22Lである(
図2参照)。そして、これらの無線タグ22が送信する無線信号には何れも自身のターゲット識別コードIDが含まれており、タグ位置計測装置24が受信した無線信号に含まれるターゲット識別コードIDに基づいてターゲットAのどこに設けられたどの無線タグ22からの無線信号であるかを識別することができる。
【0050】
外部管理サーバH3は、地上側コントローラH2、タグ位置計測装置24、及び、入退場管理装置H4と有線ネットワークにて通信自在に構成されている。また、上述したターゲット位置算出部25及びタグ状態管理部27をプログラム形式で備えているとともに、RAM等で構成された記憶部28を備えている。そして、
図7のフローチャートに示すように、外部管理サーバH3に実装されたマイクロコンピュータが設定処理タイミング毎(本実施形態では、150ms毎)に、タグ状態管理処理、ターゲット位置管理情報生成処理、及び、速度警告処理を順次実行する。
【0051】
タグ状態管理処理及びターゲット位置管理情報生成処理を実行することで、ターゲットAが備える一対の無線タグ22の間隔、ターゲットAの平面視姿勢を算出するとともに、無線タグ22の位置を計測についての計測精度を評価し、さらに、無線タグ22の間隔を監視してタグ距離異常状態であるか否かを判別する。つまり、
図3に示すように、外部管理サーバH3は、姿勢検出部32、タグ間隔算出部33、計測精度評価部34及びタグ間隔監視部35をプログラム形式で備えている。そして、タグ状態管理処理にてターゲットAが備える一対の無線タグ22の状態情報(タグ接続状態やタグ計測状態についての情報)が生成され、ターゲット位置管理情報生成処理にてターゲットAの最新の位置情報が生成されることで、記憶部28に記憶されているターゲット位置管理情報(
図8参照)が更新される。
【0052】
図1、
図2及び
図13に示すように、作業者2が装着する識別子としてのバーコードタグ29を読み取って出入口Gから進入する作業者2を識別する作業者識別部としてのバーコードリーダ30がフェンス4における出入口Gの外側に設置され、このバーコードリーダ30が識別した作業者2の数を計測対象領域Eへの入場者数Ninとして管理する入退場管理装置H4が出入口Gの外側に設けられている。
【0053】
そして、入退場管理装置H4は、入場管理処理及び入場者数管理処理を実行することで記憶部28に記憶されている作業者入退場管理情報(
図9参照)を更新して計測対象領域Eへの入場者数を管理するとともに、無線式位置計測システム21にて位置が計測されている複数の無線タグ22のうち作業者2が装着している無線タグ22の個数Ntagが、入退場管理装置H4が管理している入場済みの作業者数Ninに対応した個数(本実施形態の場合は、作業者数Nin×2)と一致しているかを判別し、一致していない場合は警報手段としての表示灯31を作動させる。つまり、
図2に示すように、入退場管理装置H4は、入場者数管理部36及びタグ数監視部37をプログラム形式で備えている。
【0054】
また、入退場管理装置H4は、入場者数管理処理を実行することで、無線式位置計測システム21にて位置が計測されている複数の無線タグ22のターゲット識別コードIDのうち作業者2のターゲット識別コードIDの種類の数を計数(同じターゲット識別コードIDは1個と計数する。)し、計数したターゲット識別コードIDの種類の数と、入退場管理装置H4が管理している入場済みの作業者数Ninとが一致しているか否かを判別し、一致していない場合は警報手段としての表示灯31を作動させる。
すなわち、作業者2が装着している一対の無線タグ22のうち少なくとも1個について位置が計測できていれば計測対象領域Eに当該無線タグ1を備えた作業者2が存在しているとして作業者2の数を計数する形態で計測対象領域Eに存在する作業者2の数を算出し、算出した作業者2の人数が入退場管理装置H4が管理している入場済みの作業者数Ninと異なる場合は、作業者2の人数を正確に管理できていないとして異常と判断する。
つまり、
図2に示すように、入退場管理装置H4は、作業者数監視部38をプログラム形式で備えている。
【0055】
以下に、外部管理サーバH3が実行するタグ状態管理処理(
図7の#A)、ターゲット位置管理情報生成処理(
図7の#B)、及び、速度警告処理(
図7の#C)、並びに、入退場管理装置H4が実行する入場管理処理及び入場者数管理処理について説明する。
【0056】
まず、タグ状態管理処理について、ターゲットAである作業者2が備える一対の無線タグ22についてのタグ状態管理処理を例に、
図10に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、
図7に示すように、外部管理サーバH3はステップ#A(以下、「ステップ」の記載は省略する。)でタグ状態管理処理を実行する前に入退場管理装置H4に入場している作業者2のターゲット識別コードを要求することで、現在計測対象領域Eに入場している作業者2の全員のターゲット識別コードを取得しており、入場している全ての作業者2について、それらの作業者2が備える一対の無線タグ22を処理対象としてタグ状態管理処理が順次繰り返し実行される。
【0057】
また、タグ状態管理処理では、作業者2が備える一対の無線タグ22についてのみならず、その他の全てのターゲットAが備える一対の無線タグ22、つまり、物品搬送台車1が備える一対の無線タグ22及びフォークリフト3が備える一対の無線タグ22についてもタグ状態管理処理が実行されるが、いずれの処理も作業者2が備える一対の無線タグ22についてのタグ状態管理処理と同様であるので説明は省略する。
【0058】
図10で、#A1で、タグ状態管理処理が対象とする作業者2のターゲット識別コードに基づき、当該作業者2が備える一対の右タグ22R及び左タグ22Lの位置情報をタグ位置計測装置24から取得する。タグ位置計測装置24から取得した位置情報は、第1エリアE1の基準位置に対する無線タグ22の位置座標、又は、第2エリアE2の基準座標に対する無線タグ22の位置座標であるので、無線タグ22の位置を計測したエリアの基準位置と計測対象領域Eにおける直交3軸座標系の原点位置の差に基づいて、タグ位置計測装置24から取得した位置情報の原点をオフセットさせることで、タグ位置計測装置24から取得した位置情報を計測対象領域Eにおける直交3軸座標系の位置情報に変換する。なお、この座標変換はタグ位置計測装置24側で予め行っておき、外部管理サーバH3が無線タグ22の計測対象領域Eにおける位置を直接取得できるようにしてもよい。
【0059】
#A3で、タグ識別コードに基づいて、第1タグつまり右タグ22Rの位置情報が存在するか確認し、存在すれば#A4で第2タグつまり左タグ22Lの位置情報が存在するかを確認し、こちらも存在すれば、#A6でターゲット位置管理情報(
図8)におけるタグ接続状態変数Cが「双方通信状態C0」にセットされる。#A4において左タグ22Lの位置情報が存在しない場合は、#A7でタグ接続状態変数Cが「第1切断状態C1」にセットされる。右タグ22Rの位置情報が存在しない場合は、#A3から#A5に移行し、第2タグつまり左タグ22Lの位置情報が存在するか確認され、存在する場合は#A8でタグ接続状態変数Cが「第2切断状態C2」にセットされ、存在しない場合は#A9でタグ接続状態変数Cが「双方切断状態C3」にセットされる。
【0060】
タグ接続状態変数Cが「双方切断状態C3」にセットされた場合は、双方切断状態C3の継続時間の計測を開始し、双方切断状態C3が設定時間以上継続した場合は、タグ異常対策処理が実行され、外部管理サーバH3から物品搬送台車1の地上側コントローラH2に対して停止指令が指令され、外部管理サーバH3が備えるモニタにエラーログが表示される。
【0061】
こうして無線タグ22の接続状態が一旦記憶されると、タグ接続状態が双方通信状態C0の場合のみ、#A10〜#A15の処理が実行される。#A10では、タグ位置計測装置24が算出した無線タグ22についての位置情報に基づき当該一対の無線タグ22の設置間隔Dを算出する。具体的には、
図13にしめすように、作業者2が備える第1タグ221としての右タグ22Rの計測位置である座標(XR、YR、ZR)及び第2タグ222としての左タグ22Lの計測位置である座標(XL、YL、ZL)から、これらの2点間の距離を計算し、これを一対の無線タグ22の設置間隔Dとする。この処理によりタグ間隔算出部33(
図3参照)の機能を実現している。#A11では、#A10で算出した無線タグ22の設置間隔Dと記憶部28に記憶された異常判定用設定距離Dthとの大小を比較して、当該一対の無線タグ22が異常判定用設定距離Dth以上離間したタグ距離異常状態であるか否かを判別する。この処理によりタグ間隔監視部35(
図3参照)の機能を実現している。
【0062】
一対の無線タグ22の設置間隔Dが異常判定用設定距離Dth以上であるときは、例えば、ターゲットAから一方の無線タグ22が脱落した等、一対の無線タグ22が正常ならありえない程度に離間しているとして、#A15へ移行してターゲット位置管理情報(
図8)におけるタグ計測状態変数Sが「タグ距離異常状態S2」にセットされる。
【0063】
タグ計測状態変数Sが「タグ距離異常状態S2」にセットされた場合は、タグ距離異常状態S2の継続時間の計測を開始し、タグ距離異常状態S2が設定時間以上継続した場合は、タグ異常対策処理が実行され、外部管理サーバH3から物品搬送台車1の地上側コントローラH2に対して停止指令が指令され、外部管理サーバH3が備えるモニタにエラーログが表示される。
【0064】
一対の無線タグ22の設置間隔Dが異常判定用設定距離Dth未満であるときは、無線式位置計測システム21により計測された一対の無線タグ22の位置に基づいてタグ間隔算出部33により算出された設置間隔は、無線式位置計測システム21の計測誤差に起因するものであるとして、#A12に移行する。
【0065】
#A12では、記憶部28が記憶している一対の無線タグ22についての実際の設置間隔Ds及びタグ間隔算出部33が算出した当該一対の無線タグ22についての設置間隔Dに基づいて、無線式位置計測システム21による当該一対の無線タグ22についての計測精度を評価する。具体的には、実際の設置間隔Dsとタグ間隔算出部33が算出した設置間隔Dとの比率が、設定比率範囲R1〜R2(例えば、R1=0.95,R2=1.05)の間に収まっているかどうかで無線式位置計測システム21による当該一対の無線タグ22についての計測精度を評価する。設定比率Rは、無線式位置計測システム21の計測誤差の発生分布に基づいて適切な値を設定することが好ましい。
【0066】
そして、実際の設置間隔Dsとタグ間隔算出部33が算出した設置間隔Dとの比率が、設定比率範囲R1〜R2より小さい場合は、無線タグ22の位置情報は比較的精度の高い位置情報であるとして、#A13でターゲット位置管理情報(
図8)におけるタグ計測状態変数Sが標準計測状態S0にセットされる。一方当該比率が設定比率R以上の場合は、無線タグ22の位置情報は比較的精度の低い位置情報であるとして、#A14でタグ計測状態変数Sが低精度計測状態S1にセットされる。#A12〜#A14の処理により計測精度評価部34(
図3参照)の機能を実現している。
【0067】
次に、外部管理サーバH3が実行するターゲット位置管理情報生成処理について、ターゲットAとして物品搬送台車1についての位置管理情報を生成する処理を例に、
図11に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ターゲット位置管理情報生成処理についても、上述のタグ状態管理処理と同様に、物品搬送台車1のみならず、その他の全てのターゲットA、つまり、フォークリフト3及び入退場管理装置H4に入場済みとして管理されている全ての作業者2についてもターゲット位置管理情報生成処理が実行されるが、いずれの処理も物品搬送台車1についてのターゲット位置管理情報生成処理と同様であるので説明は省略する。
【0068】
図11の#B1で、物品搬送台車1に割り当てられたIDであるID=0のターゲット識別コードIDを持つ無線タグ22の計測位置データ等をタグ位置計測装置24に要求して、物品搬送台車1が備える一対の無線タグ22についての計測位置データ等のタグ位置情報を取得する。#B2で、上述のタグ状態管理処理でセットした物品搬送台車1(ID=0)のターゲット位置管理情報におけるタグ接続状態変数Cの値をチェックして、物品搬送台車1のタグ接続状態が双方通信状態C0であれば#B3で、一対の無線タグ22の計測位置の中点の座標を物品搬送台車1のターゲット位置管理情報におけるX座標、Y座標、Z座標として記録する。
【0069】
具体的には、
図14に示すように、物品搬送台車1が備える一対の無線タグ22のうち第1タグ221(前タグ22F)の計測位置である座標(XF,YF、ZF)及び第2タグ222(後タグ22B)の計測位置である座標(XB,YB、ZB)の中点を計算し、それを物品搬送台車1の計測位置として座標(XV、YV、ZV)が記録される。
【0070】
物品搬送台車1のタグ接続状態が第1切断状態C1又は第2切断状態C2であれば#B7で、一対の無線タグ22のうち親機23と接続できている無線タグ22の計測位置の座標をそのまま、物品搬送台車1のターゲット位置管理情報におけるX座標、Y座標、Z座標として記録する。
【0071】
物品搬送台車1のタグ接続状態が双方通信状態C0である場合は、ターゲット位置管理情報におけるX座標、Y座標、Z座標を記録した後、#B4〜#B6の処理で物品搬送台車1の姿勢が算出され物品搬送台車1のターゲット位置管理情報におけるターゲット姿勢として記録される。
【0072】
すなわち、#B4で、第1タグ221である前タグ22Fの計測位置を始点とし、第2タグ222である後タグ22Bの計測位置を終点とするベクトルを算出する。#B5で、#B4にて算出したベクトルのXY平面上の正射影ベクトルを求め、この正射影ベクトルがX軸に対してなす角度θを算出する。#B6で、#B5にて算出した角度θを物品搬送台車1のターゲット位置管理情報におけるターゲット姿勢データとして記録する。このように、#B4及び#B5の処理により、一対の無線タグ22の位置についての平面視での分布状態に基づいて、ターゲットAとしての物品搬送台車1の平面視における姿勢を検出しており、姿勢検出部32(
図3参照)の機能を実現している。
【0073】
こうして物品搬送台車1のターゲット位置管理情報を構成する各データ項目についてのデータの記録が完了した時点で、#B8にて現在時刻を取得してそれをターゲット位置管理情報の算出時間データとして記録する。
【0074】
次に、外部管理サーバH3が実行する速度警告処理について、
図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
図12の#C1で、物品搬送台車1のタグ計測状態をチェックする。タグ計測状態変数Sが標準計測状態S0にセットされていれば、物品搬送台車1の位置を比較的精度良く計測できていることから、#C2で警告対象範囲Zを標準範囲Z0に設定する。タグ計測状態変数Sが低精度計測状態S1にセットされていれば、物品搬送台車1の位置の計測制度には誤差が大きく含まれていることが想定できることから、#C3で警告対象範囲Zを拡大範囲Z1に設定する。
【0075】
警告対象範囲Zとしての標準範囲Z0及び拡大範囲Z1は、
図14に示すように、いずれも物品搬送台車1の走行方向で前方側に広がる平面視半円形状の領域となっている。
図14に示すように、物品搬送台車1(ターゲット識別コードIDが「0」)のタグ計測状態変数Sが「標準計測状態S0」である場合は警告対象範囲Zとして標準範囲Z0が設定され、物品搬送台車1(ターゲット識別コードIDが「0」)のタグ計測状態変数Sが「低精度計測状態S1」である場合は警告対象範囲Zとして拡大範囲Z1が設定される。このように、外部管理サーバH3は、物品搬送台車1が備える一対の無線タグ22の計測状態に基づいて、警告対象範囲Zを標準範囲Z0及び拡大範囲Z1の何れかに選択的に設定するように構成されている。
【0076】
警告対象範囲Zが設定されると、#C4で、入場済みの作業者2及びフォークリフト3のうち警告対象範囲Zに位置しているものが存在するかどうかを判別する。具体的には、まず物品搬送台車1の座標(XV、YV、ZV)と作業者2やフォークリフト3の座標(X、Y、Z)との距離を算出して、この距離が警告対象範囲Zの半径よりも大きければ、当該作業者2やフォークリフト3は警告対象範囲Zに属し得ないとして、判断対象から外す。残った物品搬送台車1との距離が警告対象範囲Zの半径よりも小さいターゲットAの座標について、物品搬送台車1の座標(XV、YV、ZV)を原点に移動させるための平行移動量だけ、平行移動させてから物品搬送台車1の姿勢データが示す角度θに基づき(−θ)だけ原点周りに回転変換する。回転変換後の座標がX>0であるターゲットAについては、警告対象範囲Zに属していることになる。
【0077】
#C4で警告対象範囲Zに属しているターゲットA(作業者2又はフォークリフト3)が検出されなければそのまま速度警告処理を終了し、検出された場合は、#C5で外部管理サーバH3が地上側コントローラH2に速度警告指令を出力する。これにより、作業者2等が物品収納棚の物陰等の影になっているために物品搬送台車1の干渉物センサ15では検出し難い位置にいたとしても無線式位置計測システム21が作業者2を確実に検出して、物品や作業者2等のターゲットAとの干渉を回避するべく、自立走行する物品搬送台車1の作動を外部から強制的に制御することができる。
【0078】
次に、入退場管理装置H4が実行する入場管理処理及び入場者数管理処理について、
図15及び
図16に示すフローチャートに基づいて説明する。入退場管理装置H4は、計測対象領域Eにおいて作業する作業者2がフェンス4に設けられた出入口Gから入場する場合に、入場した作業者2をターゲット識別コードIDに基づき管理する。作業者2が計測対象領域Eに入場する際にはジャケットの着用が義務付けられている。このジャケットの両肩には一対の無線タグ22(右タグ22R及び左タグ22L)が装着され、ジャケットの胸ポケット周辺にはバーコードタグ29が貼付されている。バーコードタグ29のバーコード情報は作業者識別コードとして、同じジャケットに装着された右タグ22R及び左タグ22Lのタグ識別コードと関連付けて作業者用無線タグ一覧テーブルとして入退場管理装置H4の記憶部に記憶されおり、
図9に示す作業者入退場管理情報の一部を構成している。
【0079】
入場管理処理では、
図15の#D1で待機状態においてバーコードリーダ30の読み込みに処理が行われると、#D2で読み込んだバーコードタグ29の識別情報(作業者2のターゲット識別コード)に対応する無線タグ22を作業者用無線タグ一覧テーブルから2個見つけ出し、夫々のタグ識別コードを抽出する。そして、タグ位置計測装置24が通信している無線タグ22の中に、入場する作業者2が身に付けたジャケットに設けられた一対の無線タグ22が存在するか確認する。
【0080】
該当する無線タグ22が2個存在すれば、#D3で作業者入退場管理情報における入退場区分データを「1」に切り換えて、入場を許可する旨を入退場管理装置H4が備えるモニタ等に表示する。そして、#D4で入退場区分データが「1」である人の入場者数データを1だけインクリメントする。なお、作業者2が計測対象領域Eから退場する場合は、入退場区分データが「0」に切り換えるとともに、入場者数データを1だけディンクリメントする。位置計測されている無線タグ22のうち、入場予定のターゲット識別コードに対応するタグ識別コードの無線タグ22が1個しか存在しない又は全く存在しない場合は、作業者2の位置計測ができないため、#D5で入場を禁止する旨を入退場管理装置H4が備えるモニタ等に表示する。
【0081】
入場者数管理処理では、
図16の#E1で、記憶部に記憶されている複数の作業者入退場管理データ(
図9参照)のうち、入退場区分データが「1」となっている作業者入退場管理データ、つまり、入場済みの作業者2についての作業者入退場管理データを抽出する。#E2で、抽出した作業者入退場管理データにおける第1タグ及び第2タグの夫々のタグ識別コードを抽出する。これにより、計測対象領域Eに入場済みの全ての作業者2が備える無線タグ22の全てのタグ識別コードが抽出される。
【0082】
#E3で、親機23と通信中で位置が計測されている無線タグ22のうち、無線タグ22が送信する無線信号に含まれるタグ識別コードが、#E2で抽出したタグ識別コードと一致するものについての位置情報を、タグ位置計測装置24から取得する。#E4で、#E3にて取得した位置情報の数を計数する。そして、一人当たり2個の無線タグ22を備えているので、#E5では、入場管理処理にて管理している入場者数Ninに2を掛けた値と、#E4で計数した位置計測できている作業者2の無線タグ22の個数Ntagとが、一致するか否かを判断する。一致した場合は、入場管理処理にて管理している入場者数Ninの数に間違いがなく、また、入場済みの作業者2の無線タグ22のすべてが位置計測できている正常な状態であるとして、入場者数管理処理を終了する。一致しない場合は、#E6でタグ数異常処理が実行され、表示灯31が作動し且つ外部管理サーバH3に異常情報を出力するとともに、入退場管理装置H4が備えるモニタにエラーログが表示される。
【0083】
#E7で、#E3にて取得した位置情報に含まれるタグ識別コードの種類数Nzを計数する。すなわち、各位置情報に含まれるタグ識別コードのうち、重複している複数の識別コードは1個として計数することでタグ識別コードの種類の数を計数する。そして、#E8では、入場管理処理にて管理している入場者数Ninと、#E7で計数したタグ識別コードの種類数Nzとが、一致するか否かを判断する。一致した場合は、入場管理処理にて入場済みとして管理されている作業者の全てについて、作業者2の少なくとも1個の無線タグ22の位置が計測できている状態であるとして、入場者数管理処理を終了する。一致しない場合は、#E9で作業者数異常処理が実行され、表示灯31が作動し且つ外部管理サーバH3に異常情報を出力するとともに、入退場管理装置H4が備えるモニタにエラーログが表示される。
【0084】
そして、外部管理サーバH3は、入退場管理装置H4から異常情報を受信すると地上側コントローラH2に速度警告指令を出力する。これにより、地上側コントローラH2から物品搬送台車1の台車側コントローラH1に減速指令が指令されて、目標走行速度の上限速度を制限する、又は、走行駆動手段7に対する電力の供給を電力遮断手段18により遮断することで、物品搬送台車1を減速させるようになっている。
このように、入退場管理装置H4がタグ数異常処理又は作業者数異常処理を実行することで、表示灯31を作動させると同時又は作動した後に物品搬送台車1が減速するようになっている。
【0085】
〔別の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。以下、本発明の別実施形態を例示する。
【0086】
(1)上記実施形態では、無線式位置計測手段が、位置計測用の無線信号としてUWB無線信号を送信自在なUWB無線タグ及びこれと通信自在なUWB受信装置を備えたものを例示したが、これに代えて、例えば位置計測用の無線信号としてIEEE802.11n等の通信規格に従うもの無線LANにおける無線信号を送信自在な無線タグ及びこれと通信自在な受信装置を備えたもの等、各種の無線通信方式を採用してもよい。この他にもGPSを利用したものや、PHS基地局を利用したものなど、各種の構成が適用可能である。また、上記実施形態では、無線タグとしてアクティブタグであるものを例示したが、パッシブRFIDタグと組み合わせたハイブリッドタグ等、無線タグとしては各種の無線タグが採用できる。また、上記実施形態では、無線タグの無線信号が複数の受信装置に到達する時間のずれに基づいて位置算出部が無線タグの位置を算出するものを例示したが、無線タグの位置算出方法は他の方法でもよい。例えば、受信装置が受信する無線タグの無線信号の到達角度に基づき、受信装置に対する無線タグの方位を算出し、複数の受信装置についての方位情報に基づいて無線タグの位置を計測してもよい。また、複数の受信装置についての到達時間のずれと方位情報を組み合わせて無線タグの位置を計測してもよい。
【0087】
(2)上記実施形態では、台車側コントローラH1が、外部管理サーバH3からの要求に基づき物品搬送台車1の走行位置情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されたものを例示したが、台車側コントローラH1が、設定周期毎に物品搬送台車1の走行位置情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されたものでもよい。
【0088】
(3)上記実施形態では、無線式位置計測システム21が、外部管理サーバH3からの要求に基づき各ターゲットAの位置情報を地上側に設けられた外部管理サーバH3に送信するように構成されたものを例示したが、無線式位置計測システム21が、設定周期毎に各ターゲットAの位置情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されたものでもよい。
【0089】
(4)上記実施形態では、物品搬送台車が計測対象領域に1台だけ設けられたものを例示したが、物品搬送台車が計測対象領域に複数台設けられたものであってもよい。フォークリフトについても同様である。
【0090】
(5)上記実施形態では、走行経路Lの全部が計測対象領域Eに含まれる構成を例示したが、走行経路Lの一部が計測対象領域Eに含まれるように構成してもよい。
【0091】
(6)上記実施形態では、計測対象領域において物品搬送台車やフォークリフトが走行して物品を搬送するものを例示したが、これに限らず、作業者が手押し移動させるハンドリフト等で物品を搬送するものであってもよい。
【0092】
(7)上記実施形態では、物品搬送台車に人間が搭乗しないものを例示したが、物品搬送台車が自律走行するものであれば作業者等の人間が搭乗するものでもよい。また、搬送対象の物品としては、パレット及びこれに載置支持された荷以外に、カートンケース、コンテナ、又は、人間を含む動物等の生物であってもよい。
【0093】
(8)上記実施形態では、位置計測対象物が複数の無線タグとして一対の無線タグを備えたものを例示したが、3個以上の多数の無線タグを備えてもよい。
【0094】
(9)上記実施形態では、無線式位置計測手段による複数の無線タグについての計測精度を一対の無線タグについての実際の設置間隔及びタグ間隔算出部が算出した当該一対の無線タグについての設置間隔との比率に基づいて評価するものを例示したが、これに限らず、一対の無線タグについての実際の設置間隔及びタグ間隔算出部が算出した当該一対の無線タグについての設置間隔との差に基づいて評価するものであってもよい。
【0095】
(10)上記実施形態では、無線式位置計測手段による複数の無線タグについての計測精度を一対の無線タグについての実際の設置間隔及びタグ間隔算出部が算出した当該一対の無線タグについての設置間隔に基づいて評価するものを例示したが、これに限らず、計測対象物に3個以上の無線タグを設ける場合は、それら複数の無線タグにより包囲される平面又は空間の実際の大きさ及び位置算出部が算出した当該複数の無線タグの位置から算出されるそれら複数の無線タグにより包囲される平面又は空間の大きさの差又は比率に基づいて評価するものであってもよい。
【0096】
(11)上記実施形態では、位置計測対象物の位置をその計測対象物が備える一対の無線タグの中点とするものを例示したが、複数の無線タグの位置に基づいてそれらの無線タグを備える位置計測対象物の位置は、位置計測対象物に備えられる複数の無線タグの分布形態や当該位置計測対象物における位置によって適宜の算出方法を採用することができる。例えば、複数の無線タグの設置位置が位置計測対象物の一端部に偏在しているような場合には、複数の無線タグの中点から直交3軸の方向成分毎に設定距離だけオフセットした位置を位置計測対象物の位置としてもよい。
【0097】
(12)上記実施形態では、位置算出部としてのタグ位置計測装置24が1回の処理タイミングで計測した無線タグの位置データを、複数回の処理タイミングに亘って複数個蓄積して、それらの位置データの単純平均値や移動平均値を無線タグの位置として算出してもよい。
【0098】
(13)上記実施形態では、台車側走行制御手段としての台車側コントローラH1と地上側走行制御手段としての地上側コントローラH2とを別体とし、夫々物品搬送台車1側と地上側とに備える構成を説明したが、台車側走行制御手段と地上側走行制御手段とを一体の走行制御手段として構成してもよい。このとき、一体とした走行制御手段は、地上側に設置してもよいし、物品搬送台車1に備えるように構成してもよい。
【0099】
(14)上記実施形態では、台車側コントローラH1、地上側コントローラH2、又は外部管理サーバH3の3つの装置に各機能を分担させて構成したが、これらの3つの装置の各機能を一つの装置又は2つの装置にて担う構成としてもよい。
【0100】
(15)上記実施形態では、計測対象領域が、領域の一部が重複する状態で隣り合う2つのエリアにて構成されたものを例示したが、計測対象流域の構成は適宜変更可能である。例えば、単一のエリアにて計測対象領域を構成してもよいし、3個以上のエリアにて構成してもよい。また、計測対象領域の形状及び計測対象領域に対する受信装置の設置箇所は適宜変更可能である。例えば、計測対象領域の形状については上記実施形態のように矩形状ではなく円形に形成してもよい。また、例えば、受信装置の設置箇所については、上記実施形態のように計測対象領域の周縁部に受信装置を設けるのではなく、計測対象領域の内方側に受信装置を設けてもよく、単一のエリアに対して受信装置を3個又は5個以上設けてもよい。
また、上記実施形態では、複数の受信装置が受信する受信レベルにより計測対象領域を複数のエリアに切り分けたが、受信装置にて測位されるエリアにより計測対象領域を複数のエリアに切り分けてもよく、計測対象領域を複数のエリアを切り分ける構成は適宜変更してもよい。
【0101】
(16)上記実施形態では、入場者数管理処理により、計測対象領域に存在するタグ数を監視するタグ数監視部の機能と、計測対象領域に存在する作業者の人数を監視する作業者数監視部の機能との双方を実現するものを例示したが、入場者数管理処理によりタグ数監視部又は作業者数監視部の一方の機能を実現するものであってもよい。また、入退場管理装置H4を備えずに物品搬送設備を構成してもよい。
【0102】
(17)上記実施形態では、警報手段が表示灯31であるものを例示したが、入退場管理装置H4が備えるモニタを警報手段としてもよいし、また、計測対象領域Eに入場している作業者2が携帯する情報端末を警報手段としてもよく、さらには、作業者2が装着している無線タグ22にアラーム機能を付加してこのアラーム機能付き無線タグ22を警報手段としてもよく、警報手段の構成は各種のものが考えられる。