(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、添付の図面を参照して説明が行われ、図面も詳細な説明の一部を構成する。図面には、一例として、太陽電池アセンブリ及び方法を実施可能な特定の実施形態が示されている。これらの実施形態は、"実施例"とも称され、当業者が、本発明の太陽電池アセンブリ及び方法を実施可能な程度に十分詳細に説明されている。複数の実施形態が組み合わせられてもよく、その他の実施形態を使用してもよく、また、本発明の太陽電池アセンブリ及び方法の範囲内において、構造的又は論理的変更を行うことが可能である。したがって、以下の詳細な説明は、本発明を限定する目的で解釈されるべきではなく、本発明の太陽電池アセンブリ及び方法は、添付の特許請求の範囲及びその法律的な均等物によって規定されるべきである。
【0011】
本明細書において、使用されている"1つの(a又はan)"という言葉は、1つ又は1以上のものを含むことを指し、"又は(or)"という言葉は、そうであると明示されている場合を除いて、非排他的な"又は"として使用されている。更に、本明細書で使用されている表現又は用語は、規定されていない限り、本発明を説明することのみを目的としており、本発明を制限することを意図していない。
【0012】
アセンブリは、相互に接続された太陽電池(PV)モジュールのアレイ(単に、"アレイ"とも称される)は、少なくとも1つの風向偏向部材及び1以上の非貫通型台座脚部を備える。相互接続されるアレイ、風向偏向部材及び台座脚部は必要に応じて軽量化されていてもよく、例えば、屋根上でのこれら全体の平均荷重が、略10ポンド/平方フィートを超えないように構成されている。例えば、軽量化された構造の平均荷重は、略2ポンド/平方フィートから略5ポンド/平方フィートの間である。別の例では、軽量構造の平均荷重は、略2.5ポンド/平方フィートである。本明細書で使用されている"略(about)"という言葉は、所与の設計又はアプリケーションにおける許容範囲内において、規定の寸法又はパラメータが変動してもよいことを意味している。ある実施形態では、例えば、パラメータに対する許容誤差は、±10%である。
図1には、複数の個別のPVモジュール110のアレイ100の一例が示されている。PVモジュール110の各々は、一部、上縁部分114、側縁部分115及び下縁部分116を含むモジュール外周部分112によって規定されている。アレイ100は一部、外周部102、上縁部104、側縁部105及び下縁部106によって規定されている。
【0013】
PVモジュール110のアレイ100は、
図3に示すような連結構造130によって、互いに相互接続される。連結構造130は、必要に応じて、揚力を隣接するPVモジュール110へと分配するモジュール外周部分に沿って設けられる。必要に応じて、連結構造130は、隣接するモジュールの縁部分が平らになるように、隣接するPVモジュール110の間に配置される。また、連結構造130により、隣接するPVモジュール110を取り外す、1つのPVモジュール110を取り外すことを可能にする。アレイ100は、例えば、
図2に示すように、傾斜した屋根120上に搭載される又は固定される。屋根の勾配は、例えば、1/12以上であってもよい。一例では、相互接続されるアレイ100は、アレイ100の縁部104、105、106全てよりも少ない部分のみに沿って、傾斜した屋根120と接続されている。必要に応じて、相互接続されるアレイ100は、上縁部104及び下縁部106の両方又は少なくとも一方に沿ってのみ、傾斜した屋根120と接続されている。別の選択肢では、相互接続されるアレイ100は、上縁部104に沿ってのみ、傾斜した屋根120と接続されている。一例では、アレイ100は、傾斜した屋根120を貫通しアレイ100と機械的に接続される貫通部材を使用して傾斜した屋根120と接続されている。
【0014】
PVモジュール110のアレイ100は、風による揚力に晒される場合がある。アレイ100に対する揚力に抗するべく、1以上の異なる方法を採用することができる。例えば、アレイ100内の力の分配、アレイ100の圧力均等化処理、及び/又は、アレイ100の空気力学的処理により、風による揚力に対処してもよい。
【0015】
アレイ100内の力の分配としては、これに限定されないが、複数の個別のPVモジュール110間の機械的及び構造的相互接続が含まれる。圧力均等化処理には、アレイ100と傾斜した屋根120との間の圧力、及び、アレイ100の上方の圧力を均等化する方法及び/又は構造が含まれる。例えば、アレイ100は、様々な構成要素の間の空隙を有してもよく、それにより空気を流すことができる。このような空隙の例には、個々のPVモジュール110の間に位置する空隙、1以上のモジュール110と外側の偏向部材との間に位置する外周空隙、及び、偏向部材とアレイ100の下縁部との間に位置する空隙が含まれる。別の選択肢として、PVモジュール110の下の空気の流れを促進すると同時に、この領域に存在可能な空気の量を制限することにより、圧力均等化を改善させることが挙げられる。更なる別の選択肢として、偏向部材は風向偏向部材であり、この風向偏向部材には、アレイ100と傾斜した屋根120との間を流れる対流する空気を通過させる多数の孔が設けられてもよく、また、アレイ100上の突風を偏向する。
【0016】
空気力学的処理は、アレイ100上の風による揚力の大部分に抵抗するのを補助する。空気力学的処理には、これに限定されないが、上側風向偏向部材、側方風向偏向部材、又は、下側風向偏向部材のような風向偏向部材109が含まれる。風向偏向部材は、アレイ100の下側に向かう風が流入する相対的に大きな入り口に設けられて、風が流入するのを防いでもよい。必要に応じて、風向偏向部材が、アレイ100内の最も背の高い隣接する構成要素と同じ高さを有するようにして、アレイ100に作用するけん引力を最小限にしてもよい。また、必要に応じて、風向偏向部材に作用するけん引力を低減させるべく、風向偏向部材を、一定の角度で傾斜させる。更に、縁の部分を利用して、空気力学的性能を改善することができ、また見た目の美しさを考えて、PVモジュール110は、例えば、回転動作又はスライディング動作により、直接縁部分に取り付けられてもよい。更に、必要に応じて、アレイ100に対する空気力学的なけん引力及び揚力を最小限にするべく、少なくとも1つの風向偏向部材をアレイ100の下縁部に沿って位置させる。
【0017】
図2に示すように、1以上の非貫通台座脚部160が設けられ、上部及び下部より部分的に規定される。台座脚部160は、発泡体の硬質ゴム、又は、その他の準可撓性を有する素材から形成することができ、必要に応じて、PVモジュール110を台座脚部160上で又は外でスライドさせることを可能とする構造を含む。台座脚部160はその下の部分に、エラストマー材料で形成された、広い基礎部分を備えてもよい。金属のベースにエラストマー材料が被覆されたものであってもよい。また、必要に応じて、台座脚部160は手動で又は自動的に高さを調整可能な脚部であってもよい。例えば、台座脚部160は、必要に応じて、寸切ボルトのような高さ調整手段を備えてもよく、PVモジュール110がアレイ100に搭載された後であっても、台座脚部160を回転させて高さを調整することができる。これに替えて、ウォーム駆動メカニズムを設けてもよく、この場合、脚部へのアクセスは側面からとなる。また、台座脚部160は、台座脚部160ではなくPVモジュールのフレームに取り付けられた棒にはめられたナットを回転させることにより高さが調整可能となるが、この調整時の回転によって脚部が回転してしまうのを防ぐべく、ガイドロッドに固定されたベアリングを備えてもよい。別の選択肢では、1以上の台座脚部160は、バネの脚部である。バネの脚部は、屋根表面の凹凸に対して自動的に適応可能であると同時に、PVモジュール110を効率的に支持可能である。ばねの脚部の例としては、これに限定されないが、コイルばね、蛇腹ばね又は板バネが含まれ、金属又はポリマーといったように様々な材料から形成される。
【0018】
1以上の台座脚部160が、例えば、非貫通及び/又はノンバラストの態様で傾斜した屋根120上に設けられ、1以上の台座脚部160は、PVモジュール110の相互接続されるアレイ100の少なくとも一部分を支持する。必要に応じて、台座脚部160は、アレイ100の支持構造の大部分を構成しており、台座脚部160は、傾斜した屋根120を含まない、アレイ100の支持構造の50%以上を占める。接着剤167は、台座脚部160と傾斜した屋根120の表面との間に必要に応じて設けられる。仮止め接着剤のような接着剤167を使用することにより、台座脚部160が傾斜した屋根120から滑り落ちることなく台座脚部160をレイアウトすることができる、又は、PVモジュール110をスライドさせて台座脚部160上に配置する際に台座脚部160が移動してしまうのを防ぐことができる。一旦設置が完了すれば、PVモジュール110自体の重さで隣接するPVモジュール110に固定される、又は、その他の固定機構により台座脚部160を所定の位置に固定されることから、接着剤167は必要なくなると考えられる。
【0019】
アレイ100を含むアセンブリは、
図3に示されているように、隣接するPVモジュール110の間にモジュールの外周部112に沿って設けられる連結構造130を備え、それにより、隣接するモジュールの境界部分114、115、116が平坦化される。必要に応じて、連結構造130は、隣接するPVモジュール110を取り外すことなく、1つのPVモジュール110を取り除くことを可能にする。
【0020】
一例では、
図1及び
図3に示すように、第1PVモジュール118'の第1面118は凹型取り付け構造132を有し、第2PVモジュール119'の第2面119は凸型取り付け構造134を有し、凸型取り付け構造134が凹型取り付け構造132に受容される。連結構造130により、例えば、第1PVモジュール118'を第2PVモジュール119'に対して回転させることにより、又は、第2PVモジュール119'を第1PVモジュール118'に対して回転させることにより、第1PVモジュール118'を第2PVモジュール119'に係止させることができる。第1PVモジュール118'を第2PVモジュール119'から取り外すには、第1PVモジュール118'を、第2PVモジュール119'に対してスライドさせる。
【0021】
図3から
図6に示した例では、PVモジュール110の一方の側には、丸みを帯びた形状のノブ136が複数連なって設けられている。PVモジュール120の反対の側には、丸みを帯びた形状のチャネル138が設けられており、ノブ136と相補関係となっている。チャネル138には刻み139が設けられており、それにより隣接するPVモジュール110からのノブ136を、丸みを帯びた形状のチャネル138に挿入可能となっている。一実施形態において、PVモジュール110を横方向(チャネル138の軸方向に沿って)にスライドさせることにより、ノブ136を刻み139から外すことができる。このように軸に沿って横方向に移動させることにより、ノブ136が、隣接するPVモジュール120のチャネル138から外れてしまうのを防ぐことができる。チャネル138及びノブ136は、中心を同じくし、ほぼ等しい直径を有することから、PVモジュール110を、傾斜した屋根120の輪郭にあわせて、上下にヒンジで可動となっている。
図6に示すように、ノブ136を含むPVモジュール110の一方の側は、ほぼ平坦又は平面形状であるフレームを備える。必要に応じて、チャネル138を含むPVモジュール110の他方の側は、面取りされた面140を有するフレームを備える。これにより、2つの隣接するPVモジュール110のヒンジによる可動域を制限している。回転極限点では、平坦なフレームの端と面取りされたフレームの端とが、互いにぶつかる。このような構造により、PVモジュール110が回転可能な量を制限し、PVモジュール110が回転極限点にある場合にノブ136とフレームとの間の部材に掛かる曲げ応力を大幅に低減させることができる。ノブ136の長さ及び設けられる間隔は、変更可能である。ノブ136の長さが短くなればなるほど、設置の時にPVモジュール110が必要とするスライド距離が短くなる。PVモジュール110をアレイ100の真ん中から取り除く場合に、必要なスライド距離を短くすることは、左右のモジュール列間の距離を小さくすることを意味する。必要に応じて、ノブ136及びチャネル138は、ロック機構、又は、設置者にPVモジュール110が適切な距離だけスライドされ、正しく設置されたことを知らせるべく、接触時に"カチッ"という音がする機構を有してもよい。
【0022】
図7及び
図8には、連結構造を有する相互接続されるアレイ100の別の例が示されている。この例では、凸型取り付け構造134及び凹型取り付け構造132が設けられている。凸型取り付け構造134は、凹型取り付け構造132内に配置され、PVモジュール110は、回転及び/又はスライドされて所定の位置に配置される。PVモジュール110を取り外すには、PVモジュール110のうちの1つをスライドさせて、凹型取り付け構造132と凸型取り付け構造134の間の開口部により、凸型取り付け構造134を凹型取り付け構造132から取り外し可能となっている。別の選択肢では、クリップを使用して、当該クリップを所定の位置にスライドさせることにより、隣接するPVモジュール110を相互に接続してもよい。
【0023】
一選択肢として、PVモジュール110が回転して所定の位置から外れるのを防ぐために、固定タブ135を、モールド成型されたバネのようなバイアス部材137と共に設けて、隣接するPVモジュール110の間の結合部に、正方向の係合を提供してもよい。このような構造により、凸型取り付け構造134の適切な係合の正のフィードバックを提供することもできる。傾斜した屋根120の上で、横方向に腰をかがめてPVモジュール110を取り付ける動作は難しいことから、この種の構造は有用であると考えられる。実施形態では、設置者が立った姿勢から取り付けを行うことができるより自然な動きを利用し、僅かな位置ずれを修正することを助ける構造を利用する。
【0024】
図9及び
図10には、PVモジュール110の相互接続されるアレイ100の別の例が示されている。連結構造130は、2つの隣接するPVモジュール110の間に配置されたフランジ146を有する。フランジ146は、2つの隣接するPVモジュール110を相互に接続するピン144を受容する。PVモジュール110は更に、隣接するPVモジュール110を取り除くことなく、1つのPVモジュール110を取り外す能力を更に補助する切り込み142を有する。
図10に示すように、ピン144が取り除かれた後に第2PVモジュール119'上のフランジ146を受容するべく、切り込み142が第1PVモジュール118'に位置している。このような構成により、PVモジュール110を取り外す時にPVモジュール110を横方向にシフトさせる能力を向上させることができ、アレイ100において真ん中に位置する1つのPVモジュール110を取り外す場合に特に有用である。
【0025】
別の選択肢として、
図11から
図13に示すように、複数の台座脚部160のうちの1以上を使用して、PVモジュール110を総合接続する。例えば、
図11に描かれている台座脚部160は、台座脚部160の上部から延在する台座カプラ166のような連結構造を含む。台座カプラ166は、第1及び第2PVモジュールが、台座脚部160の台座カプラ166を介して相互接続されるような態様で、第1PVモジュールと第2PVモジュール(図示せず)とを相互接続する。一例では、台座カプラ166は、台座脚部160の上部の上に延在する縁部を含む。
図12及び
図13に示すように、縁部は、隣接するPVモジュール110の下方で、フランジ170と係合する。
【0026】
図11に戻り、取り外し部材168が、台座脚部160の上部に沿って設けられ、取り外し部材168は、隣接するPVモジュール110の間に配置される。一例として、取り外し部材168は、台座脚部160から上方に延びるフック構造又は輪構造である。PVモジュール110が台座脚部160上に設置された後であっても、取り外し部材168にアクセス可能である。これにより、故障したPVモジュール110を、隣接するPVモジュール110を取り外すことなく、アレイ100の中心から取り外すことが可能となる。修理者は、フックの付いた棒のような装置を使用して、取り外し部材168を引き寄せることにより、縁部がフランジに係合しない位置にまで台座脚部160を移動させ、
図14に示すように台座脚部160に載っているPVモジュール110を取り外すことができる。取り外しに使用される装置としては、長い棒が含まれ、このような装置を使用することにより、PVモジュール110の重さ及び支持構造に乗っている修理者の体重、並びに、台座脚部160と傾斜した屋根120との間の摩擦力及び接着力のような、台座脚部160を所定位置に保持させている力を上回って、取り外しを行うことができるようになる。PVモジュール110を取り替えた後は、棒及びフックを使用して、台座脚部160をスライドさせて元の固定位置に戻すことができる。
【0027】
図12及び
図13には、PVモジュール110がどのように設置されるかの一例が示されている。台座脚部160が、傾斜した屋根120上に、正確に測られた間隔で配置される。PVモジュール110は、台座脚部160の上に配置される。PVモジュール110は、
図12に示すように、PVモジュール110を台座脚部160に配置可能とする切り込み124を有し、
図13に示すように、縁部を隣接するPVモジュール110のフランジ170上をスライドさせて所定位置に固定する。設置位置(
図13参照)では、PVモジュールの動きは、上方向及び横方向のみに制限される。PVモジュール110が動くことを妨げるPV110自体の重さ、又は、台座脚部160が所定の位置に移動する時に係合するロック機構により、又は、これらの組み合わせにより、台座脚部160の前後の動きが制限される。アスファルトシングル及びその他の屋根の材料は、通常、平坦ではなく非常に高い摩擦力を有し、傾斜した屋根の表面に直接配置されるPVモジュール110をスライドさせてその位置を調整するのを難しくしている。これは、隣接するPVモジュール110と、一のPVモジュールを並べる又は係合させて設置する時に、問題となる。傾斜した屋根120とPVモジュール110との間に台座脚部160を配置することにより、PVモジュール110の金属同士の又は金属とプラスチックの接触面(PVモジュール110の下面及び台座脚部160の上面との間の接触)が容易にスライドし、隣接するモジュールの取り付け機構に合わせる又はアライメントするのが容易になる。
【0028】
設置を容易にするために、台座脚部160の下面は、糊又は接着剤167で被覆されていてもよい。接着剤167により、台座脚部160が傾斜した屋根120から滑り落ちることなく、又は、PVモジュール110が台座脚部160上でスライドされて所定位置に配置される時に台座脚部160が動くことなく、台座脚部160を並べることを容易にすることができる。一旦設置されると、PVモジュール110の重さ、隣接するPVモジュール110への固定力、又は、ロック機構により、台座脚部160が所定位置に保持される。アレイ100を構造的に一体化した状態に保持するのに、接着剤167はもはや必要なくなることから、接着剤は耐候性を有する必要はない。
【0029】
図15〜
図17には、上記及び下記の様々な実施形態を含む相互接続されるアレイ100の別の例が示されており、実施形態において、隣接するPVモジュール110"を取り外すことなく、どのように1つのPVモジュール110'を相互接続されるアレイ100から取り外すことを可能にするかが示されている。この例では、PVモジュール110'は、例えば、PVモジュール110'が損傷を受けた場合などに、アレイ100から取り外される。
図15に示すように、PVモジュール110'及び隣接するPVモジュール110"の台座脚部160を、125で示された方向にスライドさせて、PVモジュール110及び110'の移動の制約を外すべく、PVモジュール110、110'の固定状態を解除する。
【0030】
PVモジュール110'は、127で示されている方向にシフトされて、隣接するPVモジュール110"の切り込みにより、PVモジュール110'を取り外しのために更に移動させることが可能となる。PVモジュール110'がスライドされると、凸型取り付け構造及び凹型取り付け構造のような連結構造が、互いに係合状態から解放される。
図16に示すように、隣接するPVモジュール110"を僅かにシフトさせる、又は、傾斜した屋根120から離れる上方向に回転させることにより、
図17に示すように、アレイ100からPVモジュール110'を取り外すことができる。PVモジュール110'が取り外されて、新しいモジュール110と取り替えられる。新しいPVモジュール110を設置するには、上記したPVモジュール110を取り外す段階を、遡る順番で実行する。
【0031】
図18及び
図19には、PVモジュール110の相互接続されるアレイ100を備えるアセンブリが示されており、PVモジュール110の各々は、モジュールの外周部112によって一部規定されている。相互接続されるアレイ100は、上記したように互いに接続されている。相互接続されるアレイ100は、傾斜した屋根120に接続される。1以上の台座脚部160が、例えば、非貫通及び/又はノンバラストの態様でルーフデッキに設けられ、1以上の台座脚部160は、PVモジュール110の相互接続されるアレイ100の少なくとも一部分を支持する。必要に応じて、アレイ100の上縁部に沿って、1以上の台座脚部160が配置される。一実施形態では、相互接続されるアレイ100はまた、例えば、台座脚部160が、相互接続される複数のPVモジュール110を支持するように(又は、抵抗力を提供するように)、連結構造を備えている。
【0032】
アセンブリは更に、傾斜した屋根120と接続される1以上の貫通部材180を備える。貫通部材180は、押さえ部分を大きくするべく屋根表面の下の垂木122に沿って設けられてもよいし、垂木の位置とは関係なくルーフデッキに取り付けられてもよい。これにより、PVモジュール110の配置に関係なく、貫通部材180を配置できる。一選択肢として、1以上の貫通部材180は、モジュールの外周部分から、ずれた位置に設けられてもよい。別の選択肢として、貫通部材180は、アレイ100の設置面積内に設けられる、アレイ100の外周部分に添って設けられる、又は、これらの組み合わせに従って設けられてもよい。更なる別の選択肢として、貫通部材180は、例えば、少なくとも1つの繋縛により、傾斜した屋根120及びアレイ100に接続される。
【0033】
可撓性を有する締結のような繋縛により、1以上の貫通部材180と、PVモジュール110のようなアレイ100の一部分が、取り付け点において接続される。繋縛は、PVモジュール110のフレームに設けられた孔を通過可能であり、これにより、PVモジュール110の取り付け又は取り外しを行うことが可能となっている。繋縛は、ケーブル、ワイヤ、導電性又は非導電性要素を使用して行うことができる。必要に応じて設けられる繋縛締め付け部材186も含まれる。例えば、繋縛部分は、孔を通過してネジに引き込まれてもよく、ネジが回されると、残りの緩みが緊縛されるように構成されてもよい。貫通部材180の位置は、PVモジュール110の位置とは関係ないことから、繋縛182は必ずしも、傾斜した屋根120に対して垂直方向に設けられなくてもよい。例えば、一選択肢として、繋縛182と傾斜した屋根120との間の角度184は、鈍角である。
【0034】
貫通部材180は、例えば、PV搭載システムで使用されている典型的な許容される設置間隔よりも、大きな間隔で配置されてもよく、そのような配置であっても、アレイ100を不動の状態に保つのに必要な揚力に対する抵抗力を提供可能である。実施形態は、例えば、PVモジュール110が傾斜した屋根120から、風の力で持ち上げられてしまうのを防ぐ、又は、モジュール間接続に過度の応力がかかるのを防ぐべく、アレイ100内の任意の位置を傾斜した屋根120に取り付ける低コストの方法を提供することが考えられる。ケーブル又はワイヤのような可撓性を有する繋縛を使用することにより、締結部分にかかる力を、風の揚力よりも僅かに高くすることができると同時に、厳密でないアライメント固定に対する低コストの利点を維持できる。
【0035】
様々なアレイ100を設置及び/又は取り外す方法、PVモジュール110、及び、上記した様々な実施形態の選択肢について更に以下に説明する。方法は、最小限の貫通及び軽量の屋根搭載構造を使用して、傾斜した屋根120の上に、2つ以上のPVモジュール110を搭載する段階を備える。最小限の貫通量とは、貫通構造が、アレイ100を傾斜した屋根120に固定するのに使用される主要な構造ではないことを意味している。応力対策又は風揚力対策のようなその他の機構を使用して、アレイ100を傾斜した屋根120に保持する。上記したように、アセンブリも軽量化されていてもよい。一選択肢として、PVモジュール110を搭載する段階は、PVモジュール110をPVモジュール110の水平方向の行に配置し、隣接するPVモジュール110の間に連結させる段階を有する。PVモジュール110を取り外すには、連結を外し、第1PVモジュールを、隣接するPVモジュールに対してスライドさせる。方法は、アレイ100の上縁部の少なくとも一部を、傾斜した屋根120に固定する段階を備える。
【0036】
方法は更に、2つ以上のPVモジュール110を、隣接するモジュールの縁部分が平らになるように、PVモジュール110のアレイ100内に相互接続させる段階を備える。一選択肢として、PVモジュール110を相互接続させる段階は、第1PVモジュールの凸型取り付け構造を、第2PVモジュールの凹型取り付け構造に挿入する段階、及び、第1PVモジュールを第2PVモジュールに対して回転させる段階を有する。方法は更に、必要に応じて、少なくとも1つの個別のPVモジュール110を、それを取り囲むPVモジュール110を取り外すことなく、相互接続されるPVモジュール110のアレイ100から取り外す段階を備える。一選択肢として、少なくとも1つの個別のPVモジュール110を取り外す段階は、第1PVモジュールを第2PVモジュールに対してスライドさせる段階を有する。
【0037】
上記の方法における幾つかの選択肢について、以下に記載する。方法は、例えば、第1PVモジュールを第2PVモジュールに対して回転させることにより、第1PVモジュールを第2PVモジュールに対して固定する段階を備える。更に、一選択肢として、方法は、屋根搭載構造と傾斜した屋根120の表面との間に、又は、屋根搭載構造の高さに、接着剤167を設ける段階を備える。別の選択肢として、方法は、繋縛ケーブルのような繋縛を使用して、アレイ100を傾斜した屋根120に固定する段階を備え、繋縛ケーブルをアレイ100、及び、傾斜した屋根120と接続された貫通部材に固定する段階を含む。
【0038】
開示された実施形態は、PVモジュール110を相互接続し、傾斜した屋根120に固定する様々な方法について説明した。これらの方法は、例えば、風による負荷を低減させるという負荷均等化効果を組み込んでいる。実施形態はまた、傾斜した屋根120への貫通量及び貫通する数を減らすことが可能であり、隣接するPVモジュール110を邪魔することなく1つの個別のPVモジュール110を取り外す能力を提供する。実施形態は更に、モジュール配置を、縦方向及び横方向の両方で可能としている。上記の実施形態は、傾斜した屋根に適用することを想定して説明されたが、本発明の原理は、平坦な又は傾斜の緩い屋根に対しても同様に適用可能である。
【0039】
"一実施形態"、"ある実施形態"、"例示的実施形態"等の言葉は、少なくとも本発明の実施形態が、特定の特徴、構造又は特性を含むことを示唆するが、必ずしも全ての実施形態が、これら特定の特徴、構造及び特性を含むことを意味しない。また、このような言葉は、必ずしも同一の実施形態を指していない。また、特定の特徴、構造又は特性が一実施形態に関連して説明されたが、特に明記されていなくとも、当業者であればこのような特徴、構造又は特性をその他の実施形態と関連付けることができることは理解できる。
【0040】
上記の説明は例示を意図しており、限定することを意図していない。例えば、上記した実施形態は、個別に、又は、別の例と組み合わせて使用されてもよい。上記の説明を読むことにより、数多くのその他の実施形態が当業者に明らかとなる。したがって、本発明のPVアセンブリ及び方法の範囲は、添付の特許請求の範囲、及び、当該特許請求の範囲に与えられる均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、"含む(including)"及び"〜における(in which)"という言葉はそれぞれ、"備える(comprising)"及び"〜において(wherein)"という言葉と等価に使用されている。また、添付の特許請求の範囲において、"含む(including)"及び"備える(comprising)"という言葉は、非制限的に使用されている。すなわち、特許請求の範囲に列挙されている構成要素に加えて、システム、アセンブリ、物品又はプロセスは、特許請求の範囲に含まれると考えられるその他の構成要素を備える可能性がある。
【0041】
本開示の要約は、37CFR§1.72(b)に従って提供されており、読者が本開示の技術の本質を手短に理解できるように記載されている。また、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するのに使用されないものとして、提供されている。上記の詳細な説明において、様々な特徴をグループ化して、開示の説明が長くならないようにしている。本開示の方法が、特許請求される実施形態が、各請求項に明示的に記載される以上の構成を必要とすることを反映していると解釈されるべきでない。添付の特許請求の範囲は、発明の特徴が、1つの開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない数であることを意図している。従って、特許請求の範囲も、詳細な説明に組み込まれ、請求項はそれぞれ、別個の実施形態として独立している。
[項目1]
それぞれがモジュー
ル外周部分によって一部規定される
複数の太陽電池(PV)モジュール
の相互接
続アレイであって、上縁部、
複数の側縁部
、及び下縁部を含む外周部によって一部規定され、前記相互接
続アレイの前記上縁部
または前記下縁部の少なくとも一方に沿って傾斜した屋根に固定される
、相互接
続アレイと、
揚力を隣接するPVモジュールに分配し、前
記モジュール
外周部
分に沿って設けられる連結構造と、
前記相互接
続アレイの前記下縁部に沿って設けられる少なくとも1つの風向偏向部材と、
前記傾斜した屋根に設けられ、PVモジュールの前記相互接
続アレイの少なくとも一部分を支持する1以上の非貫通型台座脚部と
、
を備えるアセンブリ。
[項目2]
前記相互接
続アレイに掛かる風の揚力
は、前記相互接
続アレイ内の力の分配、前記相互接
続アレイの圧力均等化処理及び前記相互接
続アレイの空気力学的処理のうちの少なくとも1つを
通じて抵抗される項目1に記載のアセンブリ。
[項目3]
前記連結構造は、隣接するPVモジュール間に配置されて隣接するモジュールの縁部分を平らにし、隣接するPVモジュールを取り外すことなく1つのPVモジュールを取り外すことを可能にする項目1に記載のアセンブリ。
[項目4]
前記風向偏向部材は、前記相互に接続されたアレイと前記屋根との間に空気を流すことを可能にするための空隙を、前記風向偏向部材と前記下縁部との間に有する項目1に記載のアセンブリ。
[項目5]
前記風向偏向部材は、前記相互接
続アレイと前記屋根との間の空気の対流を可能にする
多孔の風向偏向部材であると共に、前記相互接
続アレイの上方を通過する突風を偏向する項目1に記載のアセンブリ。
[項目6]
前記相互接
続アレイ、風向偏向部材及び前記台座脚部は全体として、前記屋根上での平均荷重が、略10ポンド/平方フィートを超えないように軽量化されている項目1に記載のアセンブリ。
[項目7]
前記相互接
続アレイは、貫通部材を使用して、前記傾斜した屋根に固定されている項目1に記載のアセンブリ。
[項目8]
前記相互接
続アレイは、隣接するPVモジュールの間に間隙を有する少なくとも
前記複数
のPVモジュールを含む項目1に記載のアセンブリ。
[項目9]
前記台座脚部は、ノンバラスト化された台座脚部である項目1に記載のアセンブリ。
[項目10]
前記傾斜した屋根及び前記相互接
続アレイに接続された貫通部材を更に備え、
前記貫通部材は、前記相互接
続アレイの設置面積内に設けられる、前記相互接
続アレイの前記外周部に沿って設けられる、又は、その両方である項目1に記載のアセンブリ。
[項目11]
前記傾斜した屋根は、1/12よりも大きな傾斜を有する項目1に記載のアセンブリ。
[項目12]
前記上縁部又は前記側縁部の少なくとも一方に沿って位置する少なくとも1つの風向偏向部材を更に備える項目1に記載のアセンブリ。
[項目13]
前記1以上の台座脚部は、高さを調整可能な脚部である項目1に記載のアセンブリ。
[項目14]
前記1以上の台座脚部は、エラストマー材料を含む項目13に記載のアセンブリ。
[項目15]
前記1以上の台座脚部は、バネの脚部である項目13に記載のアセンブリ。
[項目16]
第1PVモジュールの第1の側は凹型取り付け構造を有し、第2PVモジュールの第2の側は凸型取り付け構造を有し、
前記凸型取り付け構造は、前記凹型取り付け構造に受容される項目1に記載のアセンブリ。
[項目17]
前記台座脚部と前記屋根の表面との間に配置される接着剤を更に備える項目1に記載のアセンブリ。
[項目18]
前記1以上の台座脚部は、上部及び下部によって一部規定され、カプラが前記上部から延在する項目1に記載のアセンブリ。
[項目19]
第1PVモジュールは、回転することにより第2PVモジュールに固定可能である項目1に記載のアセンブリ。
[項目20]
第1PVモジュールは、スライドすることにより第2PVモジュールから取り外し可能である項目1に記載のアセンブリ。
[項目21]
前記屋根に取り付けられ、屋根取り付け位置を形成する1以上の貫通部材、及び、
アレイ取り付け位置において前記相互接
続アレイと前記1以上の貫通部材とを接続する少なくとも1つの可撓性を有する繋縛を更に備え、
前記屋根取り付け位置は、前記アレイ取り付け位置からずれていてもよい項目1に記載のアセンブリ。
[項目22]
それぞれがモジュール外周部分によって一部規定される複数の太陽電池(PV)モジュール
の相互接
続アレイであって、上縁部
および下縁部を含む外周部、並びに、前記モジュール外周
部分に沿って設けられる連結構造によって一部規定され、傾斜した屋根に
結合される
、相互接
続アレイと、
前記傾斜した屋根と接続され、屋根取り付け位置を形成する1以上の貫通部材と、
アレイ取り付け位置において前記相互接
続アレイと前記1以上の貫通部材とを接続する少なくとも1つの可撓性を有する繋縛と、
前記傾斜した屋根上に設けられ、PVモジュールの前記相互接
続アレイの少なくとも一部を支持する1以上の台座脚部と
、
を備え、
前記屋根取り付け位置は、前記アレイ取り付け位置からずれていてもよいアセンブリ。
[項目23]
前記1以上の貫通部材は、前記傾斜した屋根の表面下の垂木と接続される項目22に記載のアセンブリ。
[項目24]
前記1以上の貫通部材は、前記モジュール外周
部分とは、ずらして設けられている項目22に記載のアセンブリ。
[項目25]
繋縛締め付け部材を更に備える項目22に記載のアセンブリ。
[項目26]
前記相互接
続アレイの第1PVモジュールは回転させることにより、前記相互接
続アレイの第2PVモジュールに固定可能である項目22に記載のアセンブリ。
[項目27]
前記相互接
続アレイの第1PVモジュールはスライドさせることにより、前記相互接
続アレイの第2PVモジュールに取り外し可能である項目22に記載のアセンブリ。
[項目28]
前記連結構造により、隣接するPVモジュールを取り外すことなく1つのPVモジュールを取り外すことが可能となる項目22に記載のアセンブリ。
[項目29]
最小限の貫通を行う屋根搭載構造を使用して、傾斜した屋根上に、2つ以上の太陽電池(PV)モジュールを搭載する段階と、
PVモジュールのアレイを構成するべく、前記2つ以上のPVモジュールを相互接続する段階と、
前記アレイの上縁部の少なくとも一部を、前記傾斜した屋根に固定する段階と、
少なくとも1つの風向偏向部材を、前記アレイの下縁部の少なくとも一部と接続する段階と、
前記アレイ内の力の分配、前記アレイの圧力均等化処理及び前記アレイの空気力学的処理を通じて、前記アレイに掛かる風の揚力に
抵抗する段階と
、
を備える方法。
[項目30]
相互接続されたPVモジュールのアレイから、周りを取り囲むPVモジュールを取り外すことなく、少なくとも1つのPVモジュールを取り外す段階を更に備える項目29に記載の方法。
[項目31]
前記少なくとも1つのPVモジュールを取り外す段階は、第1PVモジュールを第2PVモジュールに対してスライドさせる段階を有する項目30に記載の方法。
[項目32]
前記2つ以上のPVモジュールを相互接続する段階は、
第1PVモジュールの凸型取り付け構造を、第2PVモジュールの凹型取り付け構造に挿入する段階と、
前記第1PVモジュールを前記第2PVモジュールに対して回転させる段階とを有する項目29に記載の方法。
[項目33]
前記アレイの第1PVモジュールと、前記アレイの第2PVモジュールとを連結させる段階を更に備える項目29に記載の方法。
[項目34]
前記屋根搭載構造と前記傾斜した屋根の表面との間に、接着剤を配置する段階を更に備える項目29に記載の方法。
[項目35]
可撓性を有する繋縛ケーブルを使用して、前記アレイの一部分を前記傾斜した屋根に固定する段階を更に備え、
前記固定する段階は、前記繋縛ケーブルを、前記アレイ及び前記屋根の上部デッキに接続された貫通部材に固定する段階を有する項目29に記載の方法。
[項目36]
前記2つ以上のPVモジュールを搭載する段階は、
前記2つ以上のPVモジュールを、PVモジュールの水平方向の行に配置する段階と、
隣接するPVモジュール間に、連結を配置する段階と
、
を有する項目29に記載の方法。
[項目37]
前記連結を取り除き、第1PVモジュールを隣接するPVモジュールに対してスライドさせる段階を更に備える項目36に記載の方法。
[項目38]
それぞれがモジュール外周部分によって一部規定され
、隣接するPVモジュールの間に間隙を有する複数の太陽電池(PV)モジュール
の相互接
続アレイであって
、上縁部及び下縁部を含む外周部によって一部規定され、
前記相互接続アレイの前記上縁部の少なくとも一部に沿って傾斜した屋根に固定される
、相互接
続アレイと、
前記モジュール外周
部分に沿って、隣接するPVモジュールの間に設けられる連結構造と、
前記相互接
続アレイの前記下縁部に沿って設けられる少なくとも1つの風向偏向部材と、
前記傾斜した屋根に設けられ、PVモジュールの前記相互接
続アレイの少なくとも一部分を支持する1以上の非貫通型台座脚部と
、
を備えるアセンブリ。