(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の処理過程(P1)における熱分解反応の熱エネルギーが、前記第2の処理過程(P2)由来の熱い合成ガスの一部(M24b)を前記第1の処理過程(P1)に戻すことによって、ならびに/または前記炭素質出発物質(M11)および結果として得られる熱分解コークス(M21)の部分酸化によって部分的にまたは完全に提供されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
前記第2の処理過程(P2)におけるガス化反応について、酸素(M31)および/または蒸気(M50)および/または二酸化炭素(M33)がガス化剤として用いられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
前記第2の処理過程(P2)において、ガス化反応に必要とされる熱エネルギーが、外部から、例えば、加熱装置および/もしくは熱交換機によって部分的にまたは完全に供給され、かつ/または前記熱分解コークス(M21)の一部を酸化剤、特に酸素(M31)で酸化することによって生成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
前記第2の処理過程(P2)が600〜1600℃の間、好ましくは、700〜1400℃の間、特に好ましくは、850〜1000℃の間の温度で実行される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
前記第1の処理過程(P1)および/または前記第2の処理過程(P2)が、1〜60バール、好ましくは、5〜25バール、特に好ましくは、10〜15バールの間の圧力で実行される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
電気的および/または機械的エネルギー(E2)が、前記第3の処理過程(P3)の炭化水素ならびに他の固体、液体、および/もしくはガス状の生成物(M61)の、基本的に二酸化炭素および水からなる酸化ガス(M27)への酸化によって生成される(C11、C31)ことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
前記酸化ガス(M27)の少なくとも一部が、前記利用工程の第1の処理過程(P1)および/または第2の処理過程(P2)および/または第3の処理過程(P3)にフィードバックされることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
電気的および/または機械的エネルギー(E1)が、熱交換器(A44、A46)の中で前記合成ガス(M24)を冷却することによって生成され、その際、過熱蒸気(M50、M50、M51、M52)および/または別の熱いガスが生じ、それから電気的および/または機械的エネルギー(E1)が熱機関(A62)、好ましくは、蒸気タービンを用いて生成されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
前記利用ユニット(AB)の前記第3のサブユニット(P3、AE)がフィッシャー・トロプシュ合成過程、および/または液相メタノール合成過程を含むことを特徴とする、請求項20〜23のいずれか1項に記載の設備。
燃料(M61)として利用装置(A)由来の炭化水素および/または他の生成物を用いることによって、電気的および/もしくは機械的エネルギー(E2)ならびに/または熱エネルギーを生成するために配置されるエネルギー装置(C)によって特徴づけられる、請求項20〜24のいずれか1項に記載の設備。
前記エネルギー装置(C)に、燃料(M61)から電気的および/もしくは機械的エネルギー(E2)を生成する(C31)ための駆動装置(C11)が提供されることを特徴とし、前記駆動装置(C11)が、動作に必要なエネルギーを前記燃料(M61)の、基本的に二酸化炭素および水からなる酸化ガス(M27)への酸化から得、前記酸化ガス(M27)の圧縮(C13)および/または凝縮(C12)のための装置を含む、請求項25に記載の設備。
前記エネルギー装置(C)の駆動装置(C11)が、前記酸化ガス(M27)の圧縮ならびに/または凝縮のための装置(C13)の上流および/もしくは下流に、前記酸化ガス流(M27)を冷却するための熱交換器(C12)を含むことを特徴とする、請求項26または27に記載の設備。
前記エネルギー装置(C)の駆動装置(C11)に、前記酸化ガス(M27)の圧縮および/もしくは凝縮後に、前記酸化ガス(M27)、または残留ガス(M26)をそれぞれ収集するための貯蔵庫(BB)が提供されることを特徴とする、請求項26〜29のいずれか1項に記載の設備。
前記エネルギー装置(C)の駆動装置(C11)が、酸素(M31)による液体またはガス状の燃料(M61)の燃焼のための少なくとも1つの燃焼チャンバー(C21)を備え、結果として得られるガスの圧力またはガス量を機械的仕事に変換する手段(C21、C30)を有し、前記燃焼チャンバー(C21)に酸素(M31)を導入するための供給装置(C27)を備え、前記燃焼チャンバー(C21)から前記酸化ガス(M27)を除去するための通気装置(C24)を備える燃焼機関であることを特徴とする、請求項26〜30のいずれか1項に記載の設備。
前記エネルギー装置(C)の駆動装置(C11)に、前記燃焼チャンバー(C21)に、ならびに/または前記燃焼チャンバー(C21)から出た後の前記酸化ガス流(M27)に、水(M40)および/もしくは蒸気(M50)を導入するための供給装置(C28)が提供されることを特徴とする、請求項31に記載の設備。
前記利用装置(A)が、前記利用ユニット(AB)で生成されたか、または過熱された蒸気(M50、M50、M51、M52)および/もしくは他の熱いガスから電気的および/もしくは機械的エネルギー(E1)を生成する(A64)ための少なくとも1つの駆動装置(A61)を備える、電気的および/もしくは機械的エネルギー(E1)を生成するためのエネルギーユニット(AF)を含むことを特徴とする、請求項20〜32のいずれか1項に記載の設備。
前記利用装置(A)のエネルギーユニット(AF)が、前記利用ユニット(AB)で生成されたか、または過熱された蒸気(M50、M50、M51、M52)または他の熱いガスから電気的および/もしくは機械的エネルギー(E1)を生成する(A64)ための駆動装置(A61)を含み、その中の前記利用ユニット(AB)のサイクルにおいて、少なくとも1つの熱交換器(A44、A45、A32)に、加熱蒸気(M51、M52)および/もしくは他のガス、ならびに/または生成蒸気(M50)が提供されることを特徴とする、請求項33に記載の設備。
【背景技術】
【0002】
しばらくの間、排出、特に、二酸化炭素の排出は、地球の気候平衡に非常に有害な影響を及ぼし、人為的な気候温暖化に大いに寄与することが知られている。したがって、二酸化炭素の排出を避けることは、特に、廃棄物、バイオマス、および化石燃料などの炭素質物質からのエネルギー生成において非常に望ましい。
【0003】
炭素質物質を従来の発電所の装置における燃料として使用する場合、二酸化炭素がエネルギー生成の不可避の副産物である。結果として得られる燃焼排ガスから二酸化炭素を分離することは、一般に、合理的なエネルギー支出および/または経済的支出により可能ではない。
【0004】
工業規模で、二酸化炭素を、例えば、アミン系溶剤に閉じ込め、圧縮形態で保存するシステムが試験されている。しかし、このようなシステムは高価で複雑である。
【0005】
例えば、太陽エネルギー、風力、水力、および核エネルギーなどの二酸化炭素排出を伴わないエネルギーの源は、他の問題を抱えている。風力、太陽エネルギーおよびバイオマスなどの代替エネルギー源を用いる最近の装置は、着実に増加するエネルギー需要を満たすために十分な能力を持っていない。さらに、天候に依存するエネルギー源は、必要な出力能力を無条件に確実にすることができないことが多い。したがって、特に、電気エネルギーの低排出で、効率的であり、柔軟かつ容易に拡張可能なエネルギー生成のための装置は、集中的な研究活動の対象である。
【0006】
先行技術から、ガス混合物を、固体、液体およびガス状の炭素質物質から生産することができる様々な種類の工程および装置が知られており、その後、このガス混合物は、化学合成のためのいわゆる合成ガスとして使用される。一酸化炭素および水素を含有する合成ガスは、例えば、工業用液相メタノール合成または炭化水素および他の有機物質を生産するためのフィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)合成に用いられる。あるいは、このような合成ガスは、エネルギーを生成するために、例えば、熱機関を動作させるための燃料としても用いられる。
【0007】
固体炭素から一酸化炭素−水素の合成ガスを生産するには、この固体炭素を、酸素、二酸化炭素または水を用いて気化させ、合成ガスを生じさせる。
【0008】
【化1】
【0009】
一酸化炭素および水素の間の比は、いわゆる水性ガスシフト反応IVによって与えられる。
【0010】
【化2】
【0011】
吸熱反応IおよびIIの過程で必要とされる熱エネルギーは、例えば、反応IIIの固体炭素の部分燃焼に由来し得るか、または外部から供給され得る。
【0012】
合成ガスまたは対応するガス燃料を生産するための既知の工程の種類において、ガス化反応の固体炭素はコークスの形態で存在する。これは、順に、石炭または他の炭素質物質の熱分解による前の処理過程で生成される。熱分解中に生じた熱分解ガスは燃焼され、その際、熱い二酸化炭素含有燃焼ガスは、まず初めにコークスのガス化剤として、および外部熱エネルギー供給物としても役目を果たす。
【0013】
コークスを空気/酸素の付加により気化させる別の処理の種類において、熱エネルギーは、主に、コークスの炭素の部分燃焼によって生成される。その後、前述の熱分解過程の熱分解ガスは熱い合成ガスと混合され、そこで分解され、タールを含まない可燃性ガス混合物が生じる。
【0014】
合成ガスを生産するための既知の工程は、安価な化石石炭から化学工業用の合成ガスを生産する方向、例えば、液体推進剤および他の高価な最終製品を生産する方向に向けられ、最適化される。これらの工程において、一部の出発物質がエネルギー生成のために燃焼され、そこで高価な最終製品の生産において、もはや利用可能ではない大量の二酸化炭素が生産される。人工の気候温暖化により、このような非効率的な工程は、今や次第に受け入れられなくなっている。
【0015】
他の工程は、主に、例えば、化石石炭、バイオマスなどの固体の炭素質物質、または、例えば、可燃性廃棄物などの不均一混合物からより簡単に管理できるガス燃料を生産する方向に向けられる。この燃料を用いて、例えば、ガスタービンを稼働させることができる。このような工程は、例えば、DE102007041624 A1およびDE2325204 A1に開示されている。しかし、これらの工程において、固体の出発物質中に蓄えられる一部の化学エネルギーは、コークスの生産またはガスの生産のいずれかにおける変換で消費され、それに応じて、二酸化炭素が排出される。
【0016】
既知の工程の欠点は、特に、コークスが流体流または噴流の中で気化される装置の大量の排出、低効率、ならびに複雑な構造および操作である。
【0017】
同様に、液体推進剤がバイオマスから生産され得る様々な工程が知られている。G.W.Huber et al.,“Synthesis of Transportation Fuels from Biomass:Chemistry,Catalysts,and Engineering”,Chem.Rev.106(2006),p.4044の論文において、様々な方法について概説されている。これらの工程の特定の基本型において、バイオマスは気化され、その後、得られたガス混合物から、推進剤または燃料として働くガス状炭化水素および/もしくは液化炭化水素ならびに/または他の炭素質化合物が合成される。
【0018】
バイオマスから合成推進剤を生産するこのような工程は、“Process for Producing the Synthetic Biofuel SunDiesel” (ドイツ語のタイトル“Verfahren zur Herstellung des synthetischen Biokraftstoffs SunDiesel”の英訳),B.Hoffmann,Aufbereitungstechnik,49(1−2)(2008),p.6に記載されている。「Carbo−V」と呼ばれるこの工程において、塊の多いバイオマス(粉砕植物物質)は、低圧(4バール)、400〜500℃の最初のステップで空気を用いて熱分解され、その際、このステップは予備熱処理ステップと考えられている。これは熱分解ガスおよび熱分解コークスを生産する。対応する装置は、例えば、DE 19807988 A1に開示されている。その後、熱分解ガスは、長鎖炭化水素を分解するために、高温(1400〜1500℃)で予熱した空気または酸素を用いてポスト酸化される。別々に、そこから、熱分解コークスは分解され、粉コークスが噴流中の合成ガスに吸熱気化される第2の処理過程のガス流に粉塵型で飛ばされる。対応する工程は、EP1749872 A2に開示されている。処理後、ディーゼルと類似している推進剤は、多段フィッシャー・トロプシュ合成において、得られた合成ガスから生産される。熱分解およびガス化過程で生産された二酸化炭素を含む得られた排ガスは大気中に放出される。
【0019】
フィッシャー・トロプシュ反応の効率を高めるために、未反応の水素および一酸化炭素、ならびにC1〜C4炭化水素化合物も含むフィッシャー・トロプシュ合成の残留ガスおよびガス状生成物は、それらをガス化過程に再循環させることにより、再びフィッシャー・トロプシュ過程を通過させることができる(H.Boerrigter,R.Zwart,“High efficiency co−production of Fischer−Tropsch(FT) transportation fuels and substitute natural gas(SNG) from biomass”,Energy research centre of the Netherlands ECN Report,ECN−C−04−001,Feb.2004参照)。したがって、例えば、米国特許公開第2005/0250862号は、バイオマスから液体推進剤を生産するための工程を示しており、その中で、低分子量のガスおよびより高分子量の不要な分画は、フィッシャー・トロプシュ合成の下流の元のガス化過程を通過する。
【0020】
しかし、全てのこれらの工程において、主に、二酸化炭素および、該当する場合、大気窒素などの不活性ガスからなる排ガスは大気に放出される。
【0021】
DE2807326および米国特許第4092825号は、合成ガスが石炭から生産される発電所の装置について記載しており、その後、その合成ガスは蒸気発生のための燃料ガスとして用いられる。蒸気タービンにより、電気エネルギーは蒸気から生産される。一部の合成ガスは分岐され、メタノールまたは液化炭化水素を生産するために用いられる。これらの液体燃料は一時的に蓄えられ、必要に応じて、電気エネルギーを生成するために用いられる。得られた燃焼排ガスは、大気中に排出される。
【0022】
本出願中に引用される先行技術の資料の開示は、本発明の以下の説明の不可欠な要素を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
廃棄物、バイオマス、石炭、および他の不均一物質の固体、液体およびガス状の炭素質物質ならびにそれらの固体、液体およびガス状の炭素質混合物の熱化学的処理および熱化学的利用による排出のないエネルギー生成のための工程および設備を提供することが本発明の目的であり、その工程および装置は、上記の欠点および他の欠点をもたない。本発明に係る特定の工程および設備は、できるだけ排出がないようにすべきである。
【0024】
本発明の別の目的は、廃棄物、バイオマスまたは石炭を、できるだけ少ないエネルギー供給で、排出の無い、エネルギー豊富な他の生成物、例えば、合成炭化水素含有生成物に変換することができる工程および設備を提供することである。
【0025】
本発明のもう一つの目的は、例えば、オイルシェール、オイルサンドまたはオイルスラッジなどの利用することが難しい物質を、それぞれ、排出のない方法で、よりエネルギーが豊富で、より有用な生成物に変換することができるか、または排出のないエネルギー生成に用いることができる工程および設備を提供することである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、固体、液体またはガス状物質を、ガス状または液体のエネルギー源に効率的に変換することができる工程および設備を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、固体、液体およびガス状の燃料および推進剤を排出なく生成することができる工程および設備を提供することである。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、排出による化学的損失および/またはエネルギー損失を避けること、かつ収集した非放出物質を、例えば、燃料および推進剤などのさらに高品位なエネルギー源に変換することによって、前記工程および設備のエネルギー効率を最適化することである。
【0029】
本発明に係るエネルギー生成のための設備は、高率的、かつ広範な出力帯の需要にしたがって、特に、電気エネルギー、機械的エネルギーおよび/または熱エネルギーの供給を可能にすべきである。
【0030】
有利に、本発明に係る排出のないエネルギー生成のためのこのような設備は、生成したエネルギーの一部を蓄えることができ、かつ出力需要が増大した場合に、化学エネルギー、電気エネルギー、機械的エネルギーおよび/または熱エネルギーとして、この蓄えたエネルギーを再び放出することができなければならない。
【0031】
排出の無いエネルギー生成のための設備は、有利に、エネルギー生成のための広範囲な固体、液体および/またはガス状の炭素質物質ならびに固体、液体および/またはガス状の炭素質混合物、特に、廃棄物、バイオマス、石炭および他の不均一物質を利用することができなければならない。
【0032】
本発明のさらなる目的は、圧力、温度、水分または他の外部パラメータなどの外部条件と無関係である排出のないエネルギー生成のための設備を提供することである。例えば、比較的高い位置において、より低い周囲圧力は、従来の電力装置の出力に悪影響を及ぼす。
【0033】
これらのおよび他の目的は、独立クレームに記載の本発明に係る工程および設備によって達成される。さらに有利な実施形態は従属クレームで与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0034】
炭素質物質を利用して、排出のないエネルギーならびに/または炭化水素および他の生成物を生成するための本発明に係る工程中の第1の処理過程において、炭素質物質が供給され、熱分解され、その際、熱分解コークスおよび熱分解ガスが生じる。第2の処理過程において、第1の処理過程由来の熱分解コークスは気化され、その際、合成ガスが生じ、スラグおよび他の残留物は取り除かれる。第3の処理過程において、第2の処理過程由来の合成ガスは、排出される炭化水素ならびに/または他の固体、液体および/もしくはガス状の生成物に変換される。第3の処理過程は閉サイクルを形成する。第3の処理過程由来の過剰ガスは、リサイクルガスとして第1の処理過程および/または第2の処理過程に入り、第1の処理過程の熱分解ガスは、第2の処理過程および/または第3の処理過程に入る。
【0035】
この工程の有利な変形において、好ましくは、第3の処理過程において水素が供給され、かつ/または好ましくは、第1の処理過程もしくは第2の処理過程において、二酸化炭素が供給される。
【0036】
この工程は、全ての3つの処理過程において、圧力下で実行され得る。第1の処理過程由来の熱分解ガスは、第2の処理過程および/または第3の処理過程に入ることができる。第2の処理過程由来の合成ガスは、順に、第3の処理過程および/または第1の処理過程の中に入ることができる。
【0037】
有利に、このサイクル内のガス流は規定の方向に進む。このガス流は、例えば、このサイクル内で、第1の処理過程から第2の処理過程を経由して第3の処理過程に流れ、第1の処理過程に戻るか、または第1の処理過程から第3の処理過程を経由して第2の処理過程に流れ、第1の処理過程に再び戻ることができる。
【0038】
特に有利に、このサイクルの間に圧力降下がある。これは、圧力降下を起こすためのコンプレッサーを例外として、さらなる輸送系なしで、ガス流をこのサイクルに沿って運ぶことを可能にする。
【0039】
利用工程の第1の処理過程は、1つまたは複数の圧力反応器の中で行うことができる。
【0040】
第1の処理過程の熱分解反応の熱エネルギーは、熱い合成ガスの一部を第2の処理過程から第1の処理過程に戻すことによって、かつ/または炭素質出発物質の部分酸化および結果として得られる熱分解コークスによって、部分的に、または完全に供給され得る。
【0041】
有利に、第1の処理過程は、300〜800℃、好ましくは、450〜700℃、特に好ましくは、500〜600℃の間の温度にて行われる。
【0042】
利用工程の第2過程は、同様に、1つまたは複数の第2の圧力反応器の中で行うことができる。第2の処理過程におけるガス化反応のために、酸素、蒸気および/または二酸化炭素は、ガス化剤として用いることができる。
【0043】
熱分解コークスは、完全にまたは単に部分的に気化させることができる。後者の場合、未処理のコークスは、結果として得られるスラグと共に排出され得る。
【0044】
第2の処理過程におけるガス化反応に必要な熱エネルギーは、部分的に、または完全に、外部から、例えば、加熱装置および/または熱交換器によって供給することができ、かつ/または酸化剤、特に、酸素で熱分解コークスの一部を酸化することによって生成させることができる。
【0045】
有利に、本発明に係る利用工程の第2の処理過程は、600〜1600℃、好ましくは、700〜1400℃、特に好ましくは、850〜1000℃の間の温度にて行われる。
【0046】
好ましい変形において、第2の処理過程における温度は850℃以上であり、熱分解コークスおよび熱分解ガスは、少なくとも2秒間、第2の処理過程に残る。このように、多くの国において、汚染物質および廃棄物の処理に適用される規定が満たされている。
【0047】
有利に、本発明に係る利用工程の第1の処理過程および/または第2の処理過程は、1〜60バール、好ましくは、5〜25バール、特に好ましくは、10〜15バールの間の圧力で行われる。
【0048】
本発明に係る利用工程の別の有利な変形において、第1の処理過程および第2の処理過程は同じ圧力反応器の中で行われる。
【0049】
利用工程の第3の処理過程は、有利に、1つまたは複数の圧力反応器の中で行われる。第3の処理過程の変換は、好ましくは、フィッシャー・トロプシュ合成または液相メタノール合成を用いて進む。
【発明の効果】
【0050】
本発明に係る工程の特に有利な変形において、電気的および/または機械的エネルギーは、第3の処理過程の炭化水素ならびに他の固体、液体、および/もしくはガス状の生成物の、基本的に二酸化炭素および水からなる酸化ガスへの酸化によって生成される。有利に、純酸素は酸化剤として用いられる。酸化ガスから、水は濃縮して出すか、かつ/または分離することができる。
【0051】
本発明に係るこのような工程の有利な変形において、駆動装置の酸化ガスの少なくとも一部は、この工程の第1の処理過程、第2の処理過程および/または第3の処理過程に再びフィードバックされる。
【0052】
本発明に係る工程の特に有利な変形において、合成ガスは熱交換器で冷却され、その際、過熱蒸気および/または別の熱いガスが生じ、そこから電気エネルギーおよび/または機械的エネルギーが、熱機関、好ましくは、蒸気タービンを用いて生成される。
【0053】
炭素質物質を利用して、排出のないエネルギーならびに/または炭化水素および他の生成物の生成のための本発明に係る設備は、炭素質物質の熱分解を行って、熱分解コークスおよび熱分解ガスを生じさせる第1のサブユニット;熱分解コークスの気化を行って、合成ガスおよび残留物を生じさせる第2のサブユニット;合成ガスの、炭化水素ならびに/または他の固体、液体および/もしくはガス状の生成物への変換を行う第3のサブユニットを備える利用ユニットを含む利用装置を含む。この利用ユニットの全3つのサブユニットは圧力をかけて密閉され、基本的に閉じられたサイクルを形成する。熱分解ガスの輸送管は、第1のサブユニットを第2のサブユニットおよび/または第3のサブユニットにしっかり圧力をかけて接続する。合成ガスの輸送管は、第2のサブユニットを第3のサブユニットおよび/または第1のサブユニットにしっかり圧力をかけて接続する。リサイクルガスの輸送管は、第3のサブユニットを第1のサブユニットおよび/または第2のサブユニットにしっかり圧力をかけて接続する。
【0054】
有利に、少なくとも1つのコンプレッサーは、前記輸送管のうちの少なくとも1つと平衡して配置される。
【0055】
ガス流を、輸送管と平衡して唯一の規定の方向に、好ましくは、第1のサブユニットから第2のサブユニットを経て第3のサブユニットに流して、第1のサブユニットに戻すか、または第1のサブユニットから第3のサブユニットを経て第2のサブユニットに流して、第1のサブユニットに戻すようにさせる手段を提供することができる。
【0056】
これらのサブユニットは、それぞれ、1つまたは複数の圧力反応器を有し得る。有利な変形において、第1および/または第2のサブユニットは、加熱装置および/または熱交換器を含む。
【0057】
合成ガスの輸送管の分岐を提供することができ、それによって第2のサブユニット由来の合成ガスの一部を第1の圧力反応器に戻すことができる。
【0058】
本発明に係る設備の別の有利な変形において、この利用ユニットの第1のサブユニットおよび第2のサブユニットは共有の圧力反応器を含む。
【0059】
この利用ユニットの第3のサブユニットは、好ましくは、フィッシャー・トロプシュ合成装置、液相メタノール合成装置、または液体生成物の生産に適する別の装置を含む。
【0060】
第1の処理過程から第2の処理過程を過ぎ第3の処理過程までに圧力降下がある方法で稼働させることができる利用装置が特に有利である。このように、循環ガス流に沿った大量輸送は、様々な圧力反応器間の圧力の差によって促進される。これは、できるだけ少ない移動成分を必要とする装置をもたらすので、十分に有利である。
【0061】
本発明の特定の利点は、この設備が、圧力、温度、水分、または全ての他の外部パラメータなどの外部状況と無関係であることである。本発明に係る設備において、物質の流れは閉じた方法で進むので、この工程は周囲圧力と実質的に無関係である。
【0062】
本発明に係る設備のさらなる実質的な利点は、この閉鎖系がガス処理を必要としないことである。第3の処理過程の合成ガスからの液体生成物の形成および分離が、必然的に分離されている粒子をもたらすことはさらなる利点である。
【0063】
本発明に係る設備の特定の有利な実施形態は、この利用装置由来の炭化水素および/または他の生成物を燃料として用いて、電気エネルギー、機械的エネルギーおよび/または熱エネルギーを生成するように配置されるエネルギー装置を含む。有利に、これらの燃料から電気エネルギーおよび/または機械的エネルギーを生成するための駆動装置をこのエネルギー装置の中に提供し、その際、前記駆動装置は、これらの燃料の、基本的に二酸化炭素および水からなる酸化ガスへの酸化から操作に必要なエネルギーを得、かつこの酸化ガスの圧縮および/または凝縮のための装置を含む。
【0064】
この駆動装置は、燃料セルまたは熱機関として設計することができる。特定の有利な変形において、この駆動装置は、酸化剤として純酸素を用いて操作することができる。
【0065】
本発明に係る設備のさらなる実施形態において、酸化ガスの圧縮および/もしくは凝縮のための装置の上流ならびに/または下流で、酸化ガス流を冷却するための熱交換器を提供する。
【0066】
さらに、本発明に係る設備のさらなる実施形態において、酸化ガスからの水の凝縮および/または分離のための装置を提供する。これは、とりわけ、残っている残留ガスの量を低下させる。
【0067】
本発明に係るこのような設備の別の変形は、この酸化ガス、またはこの酸化ガスの圧縮および/もしくは凝縮の後の残留ガスをそれぞれ収集するための貯蔵庫を含む。
【0068】
本発明に係る設備の利用装置の3つの処理過程の1つの中で、この酸化ガスまたは残留ガスを再循環させるために、輸送管を提供することができる。
【0069】
本発明に係る上記の設備のうちの1つの別の有利な実施形態において、エネルギー装置の駆動装置は、液体またはガス状の燃料の酸素での燃焼用の少なくとも1つの燃焼室、結果として生じるガスの圧力またはガス量を機械的仕事に変換するための手段、酸素を燃焼室に導入するための供給装置、およびこの燃焼室からこれらの酸化ガスを除去するための通気装置を備える燃焼機関として設計される。
【0070】
本発明に係るエネルギー生成のためのこのような設備の特定の有利な変形において、このエネルギー装置の駆動装置は、燃焼室に、ならびに/または燃焼室から出た後の酸化ガス流に水および/もしくは水蒸気を導入するための供給装置が設けられている。この駆動装置は、例えば、この酸化ガス流で動作するタービン装置を含むことができる。
【0071】
本発明に係る設備のさらなる有利な変形において、利用装置は、この利用装置の利用ユニットの中で生成されたか、または加熱された蒸気および/もしくは他の熱いガスから、電気エネルギーおよび/もしくは機械的エネルギーを生成するための少なくとも1つの駆動装置を備える電気エネルギーおよび/もしくは機械的エネルギーを生成するためのエネルギーユニットを含む。
【0072】
特定の有利な変形において、この利用装置のエネルギー単位は、利用ユニットの中で生成されたか、または加熱された蒸気もしくは他の熱いガスから、電気エネルギーおよび/もしくは機械的エネルギーを生成するための駆動装置を含む。この利用ユニットのサイクルの中に、蒸気および/もしくは他のガスを加熱するための、かつ/または蒸気を生成するための少なくとも1つの熱交換器を提供する。
【0073】
さらに特定の有利な設備は、水素の生産のための装置、およびこの利用ユニットの中に水素を供給するための手段を含む。
【0074】
本発明に係る工程を用いて、または本発明に係る設備を用いて生産された炭化水素および他の固体、液体、および/もしくはガス状の生成物は、それぞれ、例えば、典型的な硫黄およびリンの不純物がないことによって類似の石油製品と区別することができる。出発物質の分画がバイオマスである生産の場合には、このような生成物は、石油化学製品と比べて増加したC14−同位体分画を有する。
【0075】
下記に、本発明に係る設備について図を参照して記載する。これらの図は、単に本発明の主題の例示的な実施形態を示すにすぎない。
【発明を実施するための形態】
【0077】
下記で論じる実施例は本発明の改良された説明を提供するが、本明細書で開示される特徴に本発明を制限することには適さない。
【0078】
図1は、炭化水素および他の生成物M60ならびに/または液体燃料および/もしくはガス燃料M61(化学エネルギー)を与えるために、炭素質物質M10の熱化学的利用のための利用装置Aを有し、炭素質物質を利用して、排出のないエネルギーならびに/または炭化水素および他の生成物を生成するための、ならびに電気エネルギーおよび/もしくは機械的エネルギーE1の生成のための本発明に係る設備Zの可能な実施形態を模式的に示す。
【0079】
利用装置Aは供給装置AHを含み、その中で、利用されるべき未処理の炭素質出発物質M10は炭素質出発物質M11に進む。出発物質M10の種類によって、残留物M17、例えば、金属は、さらに利用され得るということを被り得る。
【0080】
処理した炭素質出発物質M11に加えて、他の化学エネルギー源は、例えば、特に合理的に利用できない化学工業または石油産業由来のメタンもしくは他の副産物を利用することができる。
【0081】
利用装置Aの最も重要なものは利用ユニットABであり、その中の第1の処理過程P1の第1のサブユニットACにおいて、処理した炭素質物質M11を供給し、熱分解すると、熱分解コークスM21および熱分解ガスM22が生じる。第2の処理過程P2の第2のサブユニットADにおいて、第1の処理過程由来の熱分解コークスM21を気化させると、合成ガスM24が生じ、スラグおよび他の残留物M90が残る。第3の処理過程P3の第3のサブユニットAEにおいて、第2の処理過程由来の合成ガスM24を、炭化水素ベースの固体、液体、および/またはガス状の生成物M60、M61に変換する。全3つの処理過程を、圧力をかけて密閉し、実質的に閉じられたサイクルを形成させる。
【0082】
本発明に係る利用工程で生じる熱エネルギーは、蒸気M52の形態で、第1の利用ユニットABから集めることができ、適切な駆動装置、例えば、蒸気タービン(図示せず)によって電気的および/または機械的エネルギーE1を生成するために、エネルギーユニットAFで使用することができる。駆動装置を動作させるために、例えば、窒素などの圧縮可能な媒体の加熱も可能であり、都合がよい。利用ユニットABの一定の動作中に、このように、特定のベース出力を発生させることができる。エネルギーユニットAFは本発明に係る設備の任意の構成要素である。
【0083】
放出ユニットAGは、蓄積灰および他の固体残留物M90を放出し、処理するために用いられる。
【0084】
本発明に係る設備は、燃料として利用装置Aの炭素生成物M61を利用して、電気および/もしくは機械的エネルギーE2、または熱エネルギーE4の排出のない生成のためのエネルギー装置Cをさらに含むことができる。得られる酸化ガスM27は利用装置Aに戻されるので、排出が起こらない。
【0085】
エネルギー装置Cは、建物を加熱する熱エネルギーE4の生成のための加熱装置として設計することができる。あるいは、このエネルギー装置は、電気エネルギーE2の生成のための発電所装置として設計することができる。
【0086】
利用装置Aおよびエネルギー装置Cの間に、有利に、燃料および酸化ガスの輸送および一時的な貯蔵のための装置Bを挿入することができる。このような装置Bは、エネルギー装置Cで使用される燃料M61を処理するための手段も含み得る。
【0087】
合成処理過程P3で生成される炭化水素含有燃料M61は、装置Bのタンクまたは圧力貯蔵容器(図示せず)で一時的に貯蔵される。これらの貯蔵容器から燃料M61を必要に応じて集め、適切な駆動装置を用いて、エネルギー装置C内で電気的および/または機械的エネルギーE2に変換する。これは、例えば、熱機関または燃料電池装置によって起こり得る。エネルギー装置Cの二酸化炭素含有残留ガスM26を、利用ユニットABに戻して再循環させる。必要なら、一時保管容器を設けることができる。
【0088】
エネルギー装置Cは、本発明に係る設備Zによって生産されるエネルギー出力を、現在必要な需要に非常に短時間で適応させることができるという利点を提供する。この場合、化学燃料M61は、一時的なエネルギー貯蔵として機能を果たす。その後、消費電力のピークの間、例えば、適切に設計された駆動装置、例えば、燃料M61で動作するガスタービンおよび/または蒸気タービンを、非常に迅速に動作させ、電気的および/または機械的エネルギーを生成することができる。設備Zの最大出力は、化学燃料M61のエネルギー貯蔵容量により、短時間で設備Zの熱ベース出力を上回り得る。
【0089】
エネルギー装置C内で、利用装置Aによって供給される燃料に加えて、さらなる追加燃料M14を使用することができる。
【0090】
エネルギー装置Cは、同時に利用装置Aと共に設置することができる。あるいは、
図2に示すとおり、本発明に係る設備Z内で、エネルギー装置Cを利用装置Aと空間的に分離して配置することも可能である。燃料M61および酸化ガスM27は、例えば、鉄道、船、またはパイプラインによって輸送することでき、この場合、輸送装置(タンク車、船の貯蔵タンク、パイプライン)は、同時に一時貯蔵BA、BBとしても機能する。この場合、装置AとCの間の物質輸送のシステム全体は、燃料および酸化ガスの輸送および一時貯蔵のための装置Bの一部と見られるべきである。
【0091】
長距離にわたる燃料M61の形態の化学エネルギーの輸送は、電気エネルギーの伝送よりも実質的に効率的であるので、本発明に係る設備Zの最大負荷エネルギー装置Cの場所は、対応する需要が起こる場所であるように選択することができる一方で、利用装置Aを、炭素質出発物質M10が存在する場所に有利に構築する。
【0092】
本発明に係る設備は、外部化学エネルギーの生成および供給のための装置Dをさらに含むことができる。例えば、水素M32を生産し、外部化学エネルギーの供給源として供給することができる。本発明に係る設備Zのこのような可能な実施形態を、
図6の説明の中で詳細に扱う。
【0093】
本発明に係る設備Zの利用装置Aの可能な実施形態を、
図3に模式的に示す。示した装置Aは、炭素質出発物質M11を利用する利用ユニットAB、および電気的および/または機械的エネルギーの基本的に一定の基準量E1を生み出すためのエネルギーユニットAFを含む。
【0094】
利用ユニットABの構造は、基本的に、
図9を参照して後に説明する例示的な利用ユニットに相当する。ベース負荷のエネルギーユニットAFはブロックとしてのみ描かれる。可能な実施形態を
図3Aで説明する。
【0095】
熱交換器/加熱器A44の中で、同時に、第2の処理過程P2由来の熱い合成ガスM24を、第3の合成処理過程P3の温度まで冷却し、加熱蒸気M52をより冷たい蒸気M51から生成する(約550〜600℃/50バール)。必要に応じて、それに続くさらなる熱交換器が合成ガス蒸気をさらに冷却することができる。加熱蒸気M52をエネルギーユニットAFに入れ、そこで電気的および/または機械的エネルギーE1の生成に利用する。残留蒸気凝縮物M41を利用ユニットABに戻るように導き、第3処理過程P3において蒸気M51に変換し、その後、この蒸気M51を、熱交換器/加熱器A44において、再び加熱蒸気M52に変換する。
【0096】
図3AのエネルギーユニットAFの例示的な実施形態は、蒸気タービンA62の形態で、駆動装置A61、または加熱蒸気M52で動作することができる機械エネルギーの生成のための別の熱機関、および電気エネルギーE1を生成する与えられた例の中の発電装置A64を含む。蒸気タービンA62の拡大後、排気M53をコンデンサー/エコノマイザーA63で凝縮し、廃熱を、適切に設計した冷却サイクルA65を経由して放出する。
【0097】
得られた凝縮物M41は、好ましくは、60〜70℃の温度であるので、利用装置ABの次のボイラー過程A32の水は、あまり加熱する必要はない。同時に、この水は、ポンプA66のキャビテーションを避けるために、高温であるべきではない。凝縮物M41を、ポンプA66によって、一時貯蔵庫(図示せず)から処理過程P3の熱交換器/ボイラーA32に輸送し、合成過程P3の同時冷却と共に、今度は、蒸気M51へと蒸発させる(約250〜300℃/20バール)。まず第1に、加熱器A44に入る前に残りの水を分離し、第2に、利用ユニットABにおいて、工程蒸気M50を様々な目的で得ることができる貯蔵庫を形成するために、蒸気M51を蒸気ドーム(図示せず)で貯蔵する。工程蒸気M50のサイクルおよび消費の損失を、凝縮物貯蔵庫(図示せず)に新たに水を供給することによって代償する。
【0098】
別の変形において、高圧過程の下流の蒸気タービンA62の中で、一部の蒸気は、
図3Aにて破線矢印で示す工程蒸気M50として抽出することができる。このように、大量の蒸気M52をエネルギー生成に利用することができ、その後に、必要な工程蒸気のみを提供する。
【0099】
例えば、熱交換器A45、A17などの工程蒸気を消費するものからの排気は、同様に凝縮されたM41であり、給水M40に再循環させることができ、可能な限り閉じているエネルギーサイクルをもたらす。
【0100】
熱い蒸気でエネルギーユニットAFを動作させる代わりに、エネルギーユニットAFの熱機関を動作させるためにこの熱いガスを続いて用いることにとって、例えば、窒素などの、この利用ユニットの熱交換器A32、A44中の圧縮媒体中で加熱することも可能である。より活動的な熱い蒸気の代わりに不活性ガスを使用することは、とりわけ、設備構成要素の腐食損傷を低下させる利点を有する。
【0101】
それに応じて、利用装置Aにおいて、この蒸気サイクルは、装置Aのできるだけ高い効率を達成するために、様々な熱交換器を介して異なる方法で行うこともできる。
【0102】
例えば、
図3で開示するベース負荷エネルギーユニットAFのみを有する本発明に係る設備において、合成過程P3で生じる生成物は、化石燃料を用いて動作させることができる従来のエネルギー装置C、例えば、最大負荷をカバーするために使用することができるディーゼル発電機またはガスタービン発電機のための燃料M61として使用することができる。この場合の化学燃料M61は、平衡状態で実行される基本システムAB、AFとは独立して、短時間で非常に高い生産力を達成するのに役立つ。したがって、非常に短期間に、例えば、100%一定のベース負荷生産Pc
2の本発明に係る設備Zの総出力電力を、例えば、600%の最大負荷生産Pe
2まで増加させることができる。
【0103】
あるいは、生成物M60を、例えば、燃料を生産するための他の方法で、または化学工業の反応物として使用することもできる。
【0104】
本発明に係るこのような設備は、従来の装置に比べて、とりわけ、3過程の工程内の閉じた物質の流れにより、燃焼排ガスを浄化する排ガスフィルターおよび触媒装置を利用ユニットABの中で省くことができる。これは、このような装置の構成要素の数の低下をもたらし、それによってより低い投資コストおよび運用コストをもたらす。
【0105】
さらに、フィルターシステム、スタックなどは必要ないので、このような利用ユニットのスペース要件も低く、物質の流れの体積は高圧のおかげでより低い。
【0106】
本発明に係る設備Zの特定の有利な実施形態において、
図4に模式的に開示されるとおり、利用装置Aの燃料M61で動作させることができる最大負荷E2をカバーするエネルギー装置Cを提供する。エネルギー装置Cを、エネルギー生成の間に蓄積する二酸化炭素を利用装置Aのサイクルの中に戻し導くことにより、排出の起こらない方法で設計する。
【0107】
燃料M61を、需要ピークを埋めるために、輸送/貯蔵装置Bの一時貯蔵庫BA、例えば、タンクシステムまたは圧力貯蔵容器から有利に得る。エネルギー装置Bから生じる二酸化炭素含有残留ガスM26を、一時貯蔵庫BBの中に収集し、貯蔵することもできる。
【0108】
エネルギー装置Cの可能な実施形態を
図4Aに示す。駆動装置C11は、利用ユニットABの合成過程P3由来の化学エネルギー源M61によって電気的および/または機械的エネルギーE2を生成する。前記駆動装置C11は、例えば、燃料M61の二酸化炭素への酸化の間に生じる熱を、例えば、発電機設備(図示せず)を動作させるための機械的な仕事に変換する熱機関であり得るか、または酸化反応を発電E2に直接使用する燃料電池装置であり得る。
【0109】
このような駆動装置C11は閉サイクルを含み、すなわち、この装置は、大気中に排出しない。機械的な仕事の実行中に生じる酸化ガスM27は、基本的に二酸化炭素のみを、該当する場合は水も含み、後処理し(C12)、圧縮され(C13)、残っている残留ガスM26は、利用装置ABのサイクルにフィードバックされる。
【0110】
利用装置Aおよび最大負荷エネルギー設備Cを同時に位置付ける場合、残留ガスM26は直接フィードバックされ得る。有利な変形において、一時貯蔵BBを
図4に示すとおりに提供する。すでに上記に記載したように、本発明に係る設備Zのエネルギー装置Cを利用装置Aから分離して配置することができる。
【0111】
熱エネルギーまたは電気的エネルギーを生成する酸化反応は、空気の代わりに純酸素M31を用いて駆動装置C11で起こる。空気の代わりに酸素M31を使用することは、まず第1に、高温の熱化学的反応中の大気窒素の不在により、窒素酸化物の形成を避ける;しかし、特に、基本的に、二酸化炭素および水蒸気のみが、生じる酸化ガスM27に残る。反応の化学量論に応じて、生じるガスは一酸化炭素および未反応の燃料の特定分画も含み得る。同様に、これらは、利用装置Aのサイクルに問題なく供給することができる。
【0112】
エネルギーを生成する酸化反応の反応生成物M27は、基本的にはガス状である。次に、対応する酸化ガス混合物を、その体積を減らすために圧縮する(C13)。熱交換器C12を用いて、酸化ガス混合物M27を圧縮の上流および/または下流で冷却することができる。水M41を凝縮して、分離することによって、二酸化炭素のみが、該当する場合は、一酸化炭素および未処理の燃料の分画を有する残留ガスM26に残る。次に、残留ガスM26を装置Aの利用ユニットABの第1の処理過程P1に供給し、物質の閉サイクルが生じる。もう1つの方法として、残留ガスM26を、
図4の破線矢印で示す第2の処理過程P2、または第3の処理過程P3にも供給することができる。
【0113】
したがって、本発明に係る設備Zにおいて、液体またはガス状の炭化水素および炭化水素誘導体を炭素質物質M11から生成し、その後、結果として得られる高級な燃料混合物M61を電気エネルギーE2に変換する。生産された二酸化炭素をフィードバックし、利用装置A内で部分的にまたは完全に元の燃料61に変換する。このように、最大負荷の発電機装置Cの効果的な二酸化炭素排出を非常に大幅に低下させるか、または完全に避けることができる。
【0114】
駆動装置は、さらなる燃料として水素M32と組み合わせた操作で、問題なく動作させることもできる。このような場合には、水のみが水素の酸素での酸化において生じるので、水素分画を、熱交換器/コンデンサーおよびコンプレッサーの下流で生じる残留ガスM26の量の低下をもたらす。
【0115】
エネルギー装置の適切な駆動装置のさらなる可能な実施形態を、
図13〜15で後に説明する。
【0116】
本発明に係る設備Zの別の有利な実施形態を
図5に示す。これは、利用ユニットABに加えて、ベース負荷エネルギーユニットAFと最大負荷エネルギー装置Cの両方を含む。
【0117】
本発明に係る利用工程のさらなる有利な変形において、化学エネルギーを分子水素の形態で、比較的多量にこの工程に導入する。本発明に係る設備Zのこのような実施形態を、例えば、
図6(a)に模式的に示す。利用装置Aは、すでに上記に記載したとおり、炭素質出発物質M10の形態の物質を受け取る。二酸化炭素M33は、同様に、炭素源として適切である。示した実施形態で用いられる主要なエネルギー源は、主に、分子水素M32の化学エネルギーである。一方では、水素は、出発物質の削減に役立ち、第2に、酸素での酸化は熱エネルギーの供給をもたらす。
【0118】
分子水素M32は電気分解によって水から生産することができ、酸素分子M31も蓄積する。この方法で、電気エネルギーE1を化学エネルギーに変換することができる。しかし、このガス状の分子水素は、液体燃料やガス状の炭化水素に比べて、かなり低いエネルギー密度を有し、その結果として、それ自体を乗り物の推進剤として使用することは、未だ確立することができていない。
【0119】
本発明に係る利用工程において、水素の化学エネルギーを、高価な炭化水素および他の生成物の形態で化学エネルギーに効率的に変換することができる。有利に、生じる化学エネルギーの全てをこの工程に導入するために、それぞれ、電気分解の間に生じる酸素M31も用いるか、または最大の電気エネルギーを電気分解に加える。
【0120】
示した例において、装置Dは、分子水素M32および分子酸素M31を提供する。電気分解反応の電気エネルギーE3は、好ましくは、再生エネルギー源(風力、太陽エネルギー、水力など)に由来する。これは、風力装置DAおよび太陽エネルギー装置DBの特有の欠点が、すなわち、必ずしも保証されない外的要因への依存による、循環型エネルギー生成を克服することができるという大きな利点を有する。これは、生成された電気エネルギーの、相応して低い達成可能な市場価格につながる。対照的に、化学エネルギー(分子水素M32および分子酸素M31)への変換によって、生成したエネルギー出力を一時的に蓄えることができる。次に、例えば、より高いエネルギー密度、または他の高価な生成物を有する、より容易に管理できる液体燃料を生成するために、水素、および可能であれば酸素も、本発明に係る工程で利用する。
【0121】
装置Dのエネルギー生成ユニットDA、DBのエネルギーを、電流の形態で、利用装置Aの場所に位置する電気分解ユニットDCに輸送し、次に、その中で水素M32および酸素M31を局所的に生成する。例えば、本発明に係る設備Zのエネルギー装置Cにおいて、酸素の一部は必要なく、他の方法で利用することができる。例えば、圧力タンクの形態の一時貯蔵DE、DFは、エネルギー生成ユニットDA、DBの変動するエネルギー生成を補償するために緩衝液として働く。
【0122】
すでに上記で説明したとおり、利用装置Aは、高価な炭化水素および他の合成生成物M60、場合によっては、エネルギーE1を生産する。残留物M90を、このシステムから連続的に除去する。同様に、水を、例えば、凝縮M41によりこのシステムから容易に除去することができる。示した例示的な実施形態において、酸素が利用できない場合、水が主に酸化剤およびガス化剤として働く。水M41をこのシステムから除去するが、酸素のシンクとしても働く。これは、主に、このシステムが炭素源として大量の二酸化炭素M33を利用する時に関連する。
【0123】
図6(a)に示す組み合わせにおいて、本発明に係る利用工程は、比較的低エネルギーの炭素源から高価な、高エネルギー炭化水素生成物M60を生産することもできる。極端な場合には、この工程を、原則的に、炭素源として独占的に純粋な二酸化炭素を用いて実行することができる。供給された電気エネルギーは、直接的にまたは間接的に(風力、水力)太陽に由来するので、主な観点から見て、人工光合成、すなわち二酸化炭素、水および太陽光から炭素化合物の生成が生じる。
【0124】
エネルギー装置Cとの利用装置Aの組み合わせは許容できる。
【0125】
再生エネルギーの位置が遠く離れている場合、電流の代わりに、局所的に生産された水素M32を利用装置に輸送することはより効率的であり得る。このような変形を、例えば、
図6(b)に示す。エネルギーE3を、遠く離れているエネルギー生成ユニットDA、DBで生成し、次に、そこから、分子水素M32を電気分解ユニットDCで生産する。この分子水素を一時貯蔵庫DEで貯蔵し、適切な輸送手段DGで利用装置Aに導入する。化学工業の副産物として生産された水素は、さらなる分子水素M32の供給源として役立ち得る。
【0126】
炭素質燃料で動作する従来の発電所と比べて、本発明に係る設備Zのパワースペクトルの違いを、
図7(a)〜(d)でより詳細に説明する。
【0127】
図7(a)は、従来の火力発電所の電力プロファイルを模式的に示す。縦軸は電力Pを、横軸は時間tを示す。この発電所は、追加された熱容量P
a、すなわち、化学エネルギーとして燃料中に含まれる熱エネルギーまたは熱力、および効果的な熱電力P
b、すなわち、時間単位あたりの電気的もしくは機械的エネルギーに効果的に変換できる熱エネルギーを有する。従来の電力網内の電力P
eの需要は、1日の間だけでなく、1週間の間に変化する。最大負荷も発電所でカバーできるようにするために、ベース負荷P
cに加えて、このような発電所装置の全体的な公称出力は、最大負荷に向けなければならない。これは、必要とされる最高性能により、この装置の寸法は、平均総電力に基づいて、実際必要な寸法よりも大きいことを意味する。
【0128】
エネルギー生成のための本発明に係る設備において、対照的に、これは必ずしも必要ではない。例えば、
図1に示すとおり、このような設備Zは、利用装置Aにおいて、炭素質物質M10、M11の形態で供給される化学エネルギーの一定部分を、蒸気の形態の熱エネルギーに変換し、次に、例えば、ベース負荷エネルギーユニットAFの蒸気タービンを用いて電気エネルギーに変換される。炭素質物質M10、M11の形態で供給される化学エネルギーのさらなる分画を、利用ユニットABの合成過程P3において、高価な炭素質燃料M61、例えば、ディーゼル様製品またはプロパンなどのガス状生成物の形態で、一定の生産力P
gで化学エネルギーに変換する。これらの燃料を、任意の望ましい量でBAにて貯蔵することができ、かつ/または
図2に示すとおり、短いかまたはより長い距離にわたって輸送することができる。
【0129】
図7(d)は、1週間にわたる、本発明に係る設備の総出力P
eのプロファイルを模式的に示す。仕事日の最大負荷需要の期間中に、最大負荷エネルギー装置Cは化学燃料M61から電気エネルギーを生成し、次に、相応に高い価格で、エネルギー網に供給され得る。この場合、化学燃料M61の需要は、利用装置Aの生産力P
gを実質的に上回り、(−)で示される。この平均を上回る消費は、燃料貯蔵庫BAから取りだされる。夜および週末の間、需要は大幅に低下し、生産力P
gは需要P
eを上回り、(+)で示される。結果として、燃料貯蔵庫BAは再び満たされる。
【0130】
ベース負荷期間中に、
図7(d)に示すとおり、エネルギー装置Cを最小電力レベルに落として実行させることができるか、またはエネルギー装置Cを完全にシャットダウンすることにより、ベース負荷P
cはベース負荷エネルギーユニットAFによって完全にカバーされる。
【0131】
従って、本発明に係る設備は、従来の発電所において、電気的および/または機械的エネルギーにすぐに変換されなければならないので、一定の有効電力P
dの一部P
fのみが熱電力の形態で生じるという実質的利点を有する。この一部P
fを、ベース負荷最低値P
c用の電力を送るために用いることができる。他方で、有効電力P
dの別の一部P
gを、燃料M61の形態で貯蔵庫BAにて一時的に貯蔵する。次に、ベース負荷エネルギーユニットAFの熱電力を上回る需要(P
e−P
f)は、最大負荷エネルギー装置Cによって燃料貯蔵庫BAからカバーされ得る。これは、ベース負荷エネルギーユニットAFの熱電力P
fで構成される有効電力P
dおよび利用ユニットABの合成過程P3の生産力が、
図7(b)に示すような平均重要の平均値に対応する方法で、本発明に係る設備を設計することを可能にする。結果として、従来の発電所装置の熱電力P
bと同じくらい効果的な熱電力P
dを有する本発明に係る設備において、比較的高いベース負荷電力P
c1およびより高い最大負荷電力が達成され、最大電力は、短時間、効果的な熱電力P
dをかなり上回り得る。
【0132】
他の方法のラウンドを考慮して、所定の需要プロファイルをカバーすることができるようにするために、本発明に係る設備Zを、例えば、匹敵する従来の発電所の熱電力の75%または50%でかなり小さく設定された熱電力を有するように設計することができる。これは、かかり低い資本コストをもたらす。
【0133】
本発明に係る設備Zを、熱エネルギーから直接生成される電力P
fが、燃料M61から生成される電力P
gのために低下する方法で設計し、最適化することができる。このような変形を
図7(c)に示す。本発明に係るこのような設備は、低下したベース負荷の最小値P
C2をカバーするが、かなり高いエネルギー量を貯蔵することができる。対応する貯蔵エネルギーは、最終的に、最大負荷電力P
e2を生成するために用いることができ、次に、より高い価格で売ることができる。
【0134】
状況に応じで、エネルギーAFのベース負荷電力が最小であり、任意に、この設備の内部エネルギー需要のみをカバーするのに十分であり得る程度まで、最大負荷エネルギーの柔軟な生成に関して、本発明に係る設備を最適化することが可能である。
【0135】
利用工程および利用装置
本発明に係る工程および本発明に係る設備をそれぞれ用いる、炭素質固体の熱化学的利用のための装置Aの構造の第1の可能な変形を、
図8に模式的に示す。本発明に係る設備Zの利用装置Aは、本発明に係る工程の3つの処理過程P1、P2、P3を実行するための3つのサブユニットAC、AD、AEを備える利用ユニットABを含み、それらが閉じた循環ガス流を可能にする方法で、閉サイクルを形成するために接続される。処理ユニットAHの中に、この工程のために処理された炭素質物質M11を提供するためのサイロA91のみを示す。他方で、放出ユニットAGの中に、スラグ貯蔵所A92のみを示す。利用装置Aは、エネルギーユニット(図示せず)を含むことができ、または含まなくてもよい。これは、利用工程の機能性と関連しない。
【0136】
利用ユニットABの3つのサブユニットAC、AD、AEを、それらが閉じた循環ガス流を可能にする方法で閉サイクルに接続する。第1の処理過程P1(熱分解過程)、および第1のサブユニットACそれぞれにおいて、炭素質出発物質M11を圧力下で熱分解し、それによって、熱分解コークスM21および熱分解ガスM22を形成させる。第2の処理過程P2において(ガス化過程)、および第2のサブユニットADそれぞれにおいて、熱分解コークスM21を気化して、合成ガスM24を形成させ、最終的に、第3の処理過程P3(合成過程)および第3のサブユニットAEそれぞれにおいて反応させ、炭化水素および/または固体、液体もしくはガス状の生成物M60を形成させる。
【0137】
処理される炭素質出発物質M11を、第1処理過程P1により供給装置AH、P6から連続してこのサイクルに供給する。同時に、合成ガスM24から生成される生成物M60、M61を、第3の処理過程P3から連続して取り除く。様々な残留物M91、M92、M93をこのサイクルから継続的に除去する。
【0138】
非常に多数の炭素質物質、特に、廃棄物、バイオマス、石炭、または例えば、汚染土壌などの他の不均一物質、例えば、埋立地からの以前に堆積した廃棄物も、本発明に係る利用工程の出発物質M11として使用することができる。これは、環境に優しく、費用効率の高い開放型埋立地の除去を可能にする。オイルシェール、オイルサンドまたはオイルスラッジなどの、利用することが難しい固体−液化石油含有物質も、本発明に係る工程に利用することができる。特に利用できず、燃やさなければならないかもしれない化学工業または石油産業のガス状の炭素質副産物も、添加物M12として使用することができる。
【0139】
出発物質の発熱量、炭素含有量、水分含有量、ならびに、金属、ガラスおよびセラミックなどの不燃性残留物の含有量は非常に変化し得る。この目的のために、出発物質を特定の利用装置に適するピースサイズに粉砕することができ、好ましいピースサイズは、物質の一貫性および第1の圧力反応器の特定の設計から、ならびに反応器の内部輸送システムそれぞれに起因する。移動火格子を用いる処理では、例えば、約5〜10cmのピースサイズが非常に適する。
【0140】
第1の処理過程P1は、示した例において第1の圧力反応器A13を含み、その中で、炭素質出発物質M11の熱分解が圧力下で起こる。出発物質M11を、適切な圧力ロックA11により加圧された熱分解反応器A13の中に運ぶ。示した実施形態において、熱分解反応器A13は水平圧力体A14からなり、その中で、熱分解中に、塊の多い物質の水平輸送が模式的に示される移動火格子A15により反応器にそって進み、火格子板は行き来する。処理されるべき出発物質の連続的な前進に適する任意の他の輸送装置、例えば、ローラー火格子、チェーンコンベヤ、コンベヤスクリューなどは、同様に使用することができる。ロータリーキルン炉も使用することができる。
【0141】
熱分解反応器A13において、この物質を、約300〜800℃の温度、1〜60バールの圧力で、圧力反応器A13を通して連続的に輸送し、この過程中、酸素非存在下で熱分解する。とりわけ、熱分解反応の維持に加えて、第1に、温度によるガスの膨張、および第2に、熱分解ガスの新生産のおかげで、所望の作動圧力が維持される方法で温度を選択する。熱分解の間、450℃の最低温度が遊離酸素化合物の連続的で完全な反応を確実にする。500〜600℃の動作温度および5〜25バールの間の動作圧が特に良く適する。
【0142】
熱分解反応に必要な熱エネルギーを、初めに、第2の反応器A21からの熱いフィードバックガス流M24bに由来し、これは、本明細書の下記でさらに考慮される。さらに、工程蒸気M50は、第1の反応器の動作温度を維持するのに役立つ。例えば、熱交換器または外部熱などの外部熱供給が同様に存在し得る。後者は、低温状態からの利用装置Aの始動の間にも都合がよい。
【0143】
第3の処理過程(合成過程)P3からのリサイクルガスM25を、コンプレッサーA42通過後に、第1の圧力反応器A13に供給する。リサイクルガスM25は、主に、二酸化炭素および水蒸気、合成過程で反応しなかった一酸化炭素および水素、ならびに低分子量炭化水素の残留物も含む。この工程を制御可能にするために、高発熱量を有するさらなる炭素を、例えば、石炭または重油の形態で反応器A13に導入することができる。これらの添加物M12を、すでに前もって出発物質M11に加えるか、または反応器A13に別々に導入することができる。粘性添加物M12の固体出発物質M11との混合は、反応器内の粘着性物質の輸送を促進する。さらに、液体添加物M12は、熱分解ガスの量を増加させ、それによって動作圧を高める。
【0144】
第1の処理過程P1の熱分解において、基本的に固体炭素および無機残留物からなる熱分解コークスM21が形成する。熱分解コークスM21を、圧力反応器A13の端から排出する。熱分解中に形成する熱分解ガスM22は、ガス状物質だけでなく、室温で固体および液体である物質も含む。熱分解ガスM22の組成は、出発物質に大きく依存し、汚染物質も含み得る。
【0145】
熱分解コークスM21を、圧力下で、第2の処理過程P2の圧力反応器A21に輸送する。例えば、閉じた搬送スクリューも適する。圧力ロックも提供することができる。同様に、熱分解ガスM22を、別々の輸送管により第2の圧力反応器A21に輸送する。この輸送管に配置したコンプレッサーA41は、熱分解ガスを、より高い動作圧にある第2の圧力反応器A21に運ぶ。
【0146】
第2の処理過程P2において、動作温度は600〜1600℃である。この第2の処理過程において、次に、反応I、IIおよびIIIに従って、熱分解コークスM21中の固体炭素を、ガス化剤として二酸化炭素、必要なら、酸素および/または蒸気を用いて気化させ、一酸化炭素および水素を形成させる。
【0147】
二酸化炭素は主にリサイクルガスM25に由来する。さらなる二酸化炭素M33もこのサイクルに供給することができる。水蒸気は、主に、出発物質M11の残留水分からなる。工程蒸気M50も供給することができる。
【0148】
これらの吸熱分解反応の過程の間に必要な熱エネルギーは、例えば、第2の圧力反応器A21を通過した酸素M31での固体炭素(反応III)の部分酸化に由来する。発熱水性ガスシフト反応IVもそれに寄与し得る。
【0149】
利用装置Aを始動するため、およびこの工程を制御するために、例えば、コークス、油または石油ガスなどの追加燃料M13を第2の反応器A21へ供給すること、かつ/または一時的に発熱を増加させるために酸素供給を増加させることは必要であり得る。
【0150】
第3の処理過程P3における後の合成に重要である一酸化炭素および水素の間の比は、水性ガスシフト反応IVによって与えられ、工程蒸気M50を加えることによって右側に向かう方向に影響を与えることができる。しかし、このシステムにおける水の総量をできるだけ低く保つこと、および、代わりに、第3の処理過程に追加水素M32を直接導入することは都合がよい。
【0151】
利用ユニットABの示した例において、同様に、第2の処理過程は圧力体A22を含み、その中で、熱分解コークスは移動火格子A23により反応器A21内に輸送される。再び、他の輸送システムも、第1の圧力反応器A13についてすでに説明したとおり可能である。これは、熱分解コークスを第2の処理過程でさらなる調製なしに処理することができるという利点を有する。
【0152】
原則として、もう一つの方法として、第2の反応器を別に設計することができる。例えば、熱分解コークスを前もって粉砕するか、または製粉することができ、次に、流体流もしくは噴流の中でコークスのガス化を可能にする。しかし、この変形は、反応器内での粒子の保持時間がより短いという欠点を有し、より均質な物質の供給および調製を必要とする。さらに、このような装置は、ガス流速度および他の工程パラメータのより正確で、より迅速な制御を必要とする。
【0153】
塊の多い熱分解コークスの反応表面は、流体流における同様の可能な反応と比べて比較的小さいが、圧力反応器の高い質量容量のおかげで、反応器A21内の比較的長い滞留時間により補償される。さらなる利点は、より簡単なスケールアップ可能性である。圧力反応器の簡単な伸長または断面図の拡大により、容量および変換率を、圧力または温度などの関連する工程パラメータを変化させる必要なく増加させることができる。噴流または流体流を有する反応器は、対照的に、単純で問題のない方法でスケールアップすることはできない。
【0154】
部分酸化に必要な酸素M31、および必要なら、工程蒸気M50を熱分解コークスによって生じる火床に吹き込み、それによって、必要な熱エネルギーを生成し、反応器A21を動作温度で保つ。純酸素のかわりに、空気も用いることができるが、不活性大気窒素は利用装置内を循環しているガス物質の流れを拡大し、再び除去することは難しい。これは装置の効率をかなり低下させるので、どんな場合でも純酸素が好ましい。さらに、このシステム内に窒素が存在しないことが、窒素酸化物の形成も防ぐ。
【0155】
図8に示す利用装置Aの例示的な実施形態において、熱分解ガスM22を圧力反応器A21内の火床上の気相に吹き込み、一般的な高温で、熱分解ガスM22に含まれる多原子分子を非常に急速に割り、分解する。それゆえに、第2の処理過程で生じる合成ガスM24は基本的に有機分子を含まず、第3の処理過程のフィッシャー・トロプシュ合成に用いることができる。例えば、ダイオキシンなどの汚染物質も分解される。
【0156】
火床への酸素供給M31および圧力反応器への熱分解ガスM22の進入地点を、ダイオキシンを形成できない方法で都合よく選択し、これは適切な空間的隔離によって達成することができる。同様に、存在する合成ガスの中に、酸素は存在すべきではない。
【0157】
例えば、木くずもしくはわら、または他の汚染されていないバイオマスなどの問題のない出発物質については、前もって、別々の燃焼器の中の酸素で熱分解ガスM22を燃焼させること、および熱エネルギーを供給する目的で、熱い排ガスを同様に火床に通過させるか、または未燃の排ガスを直接火床に吹き込み、それらも酸化させることも可能である。
【0158】
圧力反応器A21の終わりに、残留物は、灰および不活性残留物の形態で残り、場合によっては、未処理の炭素であり得る。スラッギングが必要な場合、灰融点を下げる添加物を加えることができる。この目的で、例えば、チョークの粉を出発物質M11に加えることができる。スラッグを、第2の圧力反応器A21から、利用装置ABの圧力領域の適切な圧力ロックA28を経て排出する。
【0159】
もう一つの方法として、第2の処理過程を、圧力反応器の端の未反応の熱分解コークスを再びスタートに輸送し、この反応器を2回通過させることができる方法で設計することができる。これは、圧力反応器のより簡潔な設計を可能にする。
【0160】
合成ガス流M24を第2の圧力反応器A21から排出し、主要部M24aを適切な熱交換機A44に通過させ、このガス流を、第3の処理過程P3におけるフィッシャー・トロプシュ合成に適する温度まで冷却すると同時に、例えば、内部工程の目的で工程蒸気M50および/またはエネルギーユニットAF(図示せず)におけるエネルギー生成のための蒸気M52を発生させる。より低い温度により、圧力が低下し、反応I、IIおよびIVの平衡がシフトし、その結果、この合成ガス中の二酸化炭素の割合が再び増加する。同様に、固体炭素M94は、グラファイトの形態でガス流から分離することができる。炭素M94を、出発物質M11、M12としてこのサイクルに戻して通過させるか、他の方法で貴重な物質として使用するか、または残留物質としてこのシステムから除去することができる。
【0161】
その後、合成ガス流M24aをサイクロン分離器A47に通過させ、主に残留コークスおよび灰からなるダストM92を分離する。残留ダストM92を、第1圧力反応器A13もしくは第2の圧力反応器A21に戻して通過させることができるか、または処理し、かつ/または排出する。サイクロン分離器のかわりに、他の適切なガス流精製装置も使用することができる。
【0162】
炭素M94を分離しない場合、この炭素はフィッシャー・トロプシュ反応器A31内の合成ガス流と共に到達し、そこで、それをフィッシャー・トロプシュ反応の副産物として生じる炭素と共に分離するか、または濾過することができる。
【0163】
出発物質に応じて、合成ガス中の干渉物質を除去するために、さらなるガス流処理を提供することができる。特に、その後の合成過程に不都合な残留物を有利に除去する。例えば、硫黄化合物は、フィッシャー・トロプシュ合成の触媒毒として機能することができる。
【0164】
次に、合成ガスM24を、圧力調整器A48を経て、第3の処理過程P3の第3の圧力反応器A31へ供給し、その中で、フィッシャー・トロプシュ合成を行う。圧力調整器A48は、第3の処理過程に望まれる値まで圧力を低下させる。一酸化炭素/水素の所望の比を設定するために、追加水素M32をフィッシャー・トロプシュ反応器A31に通過させることができる。同様に、必要な固体触媒M37を供給する。
【0165】
第3の処理過程のフィッシャー・トロプシュ合成において、不均一系触媒(例えば、鉄、コバルト、ルテニウム、ニッケルの触媒)の存在下、一酸化炭素と水素は極めて発熱的に反応し(250℃で炭化水素鎖メンバーにつき約158KJ/モル)、アルカン、オレフィン、アルコール、アルデヒドならびに他の炭化水素の化合物および誘導体を形成する。副産物はメタンおよび固体炭素であり、同様に、高い発熱反応で生じる。特定の圧力および温度におけるフィッシャー・トロプシュ合成の正確なパラメータは、主として、生産される生成物によって決まり、本発明に係る整備または本発明に係る工程の基本的な機能原理に直接関係しない。より高い処理温度は、より短い鎖長および炭素析出の増加をもたらす傾向にあるが、より高い圧力はより長い鎖長をもたらす。さらに、一酸化炭素、水素および水の現在の分圧は合成生成物に大きな影響力をもつ。
【0166】
例えば、210〜250℃で動作する低温のフィッシャー・トロプシュ工程はこの合成処理過程に適し、主に、ディーゼル様生成物およびワックスの形態の長鎖分画を生み出す。その後、後者は、例えば、水素添加分解によってさらに利用することができる。320〜350℃の間の温度を有する高温の工程は、順に、メタン、短鎖アルカンおよびアルケンの多量の分画、ならびに軽ガソリンの比較的高い分画も生み出す。低温工程については、例えば、管束反応器(tube−bundle reactor)が適し、その中で、合成ガスは、触媒を詰めた冷却管を上から下まで流れる。リサイクルガスおよび生成物は管の底を離れる。
【0167】
特に適切な反応器は(
図8に模式的に示す)現代の懸濁反応器であり、その中で、固体触媒は、液体生成物中に細かく分布して浮く(いわゆるサソール(Sasol)社のスラリー相フィッシャー・トロプシュ工程)。反応生成物は液相から分離されるが、ガス状生成物はリサイクルガスM25の一部として反応器から離れる。熱を、懸濁される冷却管A32を通って除去し、それによって蒸気M51、M50が発生する。
【0168】
懸濁反応器は、管束反応器よりも単純な建築の形態を有し、それゆえに、低コストである。触媒をより効果的に用いることができ、操作を行っている間に交換可能であり、本発明に係る循環工程で都合がよい。さらに、このような工程は、循環中、触媒粒子の新しい未使用の表面の機械的暴露により、不均一系触媒は連続的に再生され得るという利点を有する。このように、触媒の硫黄被毒は連続して代償され得る。その結果として、必要なら、合成ガス流からの硫黄の除去は省くことができる。
【0169】
冷却機A32によって得られる蒸気M51、M50は、かなりの熱エネルギーを含むが、例えば、エネルギーユニットAFの蒸気タービンにおいて、効率的な利用に十分なほどまだ熱くはない。それゆえに、この蒸気は、例えば、熱交換器A44において、装置の一般的なエネルギー効率を増加させるために、熱い蒸気M52の生産に有利に用いられる。利用装置Aの利用ユニットABとさらなるエネルギー生成サブユニットAFの間の相互作用は、
図3〜5ですでに考慮した。
【0170】
未反応の一酸化炭素および水素ガスに加えて、フィッシャー・トロプシュ反応器A31を離れるガス流M25は、水蒸気、二酸化炭素およびガス状の反応生成物M60をさらに含む。揮発性の高い炭化水素M60の分画を、例えば、冷却カラム(図示せず)を用いて、そこから凝縮して出すことができる。同様に、水M41を凝縮して出し、それ故に、リサイクルガスから取り除き、それによって物質の流れから取り除くことができる。残っているリサイクルガス流から、一部M25bを工程生成物として分離することができる。残っているリサイクルガス流M25aをコンプレッサーA42の中で圧縮し、第1の反応器A13に再循環させる。
【0171】
利用装置A内のガス流の循環搬送は、主に、一般的な圧力差によりこのサイクルにそって進む。これらは、主として、2つのコンプレッサーA41、A42によって生成される。装置の設計に応じて、2つのコンプレッサーの一方は省くことができ、この装置の総額を下げる。この装置が(例えば、本明細書の以下に記載の
図9の利用装置の第2の例示的な実施形態などにおいて)たった一つのコンプレッサーを含む場合、第1の反応器A13の上流の配置は、対応するコンプレッサーA42が、第1および第2の処理過程の間のコンプレッサーA41よりも少ないガス量を圧縮する必要があるという利点を有し、そこで、さらに熱分解ガスが発生し、全体積はより高い温度によってより高いか、または第2および第3の処理過程の間で等しい。
【0172】
コンプレッサーA41を省く場合、第1および第2の処理過程が基本的に同じ圧力で進むように、2つの反応器A13、A21の間でわずかな圧力降下がある。次に、ガス流は、コンプレッサーA42から移動し、第1の反応器A13、第2の反応器A21および第3の反応器A31を経て、コンプレッサーA42に戻る。対照的に、コンプレッサーA42を省く場合、基本的に第3の反応器A31および第1の反応器A13の中の圧力は同一である。コンプレッサーを、第2および第3の処理過程の間に配置することもできる。エントロピーの理由により、ガス流を搬送し、この工程を実行し続けるために、少なくとも1つのコンプレッサーまたは別の輸送手段が存在しなければならない。
【0173】
不均一な出発物質によりガス生産における一時的な変動を代償するために、圧力貯蔵庫(図示せず)を、ガスサイクルM22、M24、M25の間に提供することができる。同様に、熱分解コークスM21の一時貯蔵庫も提供することが可能である。
【0174】
図8の利用ユニットAが比較的小さい寸法であり、それに応じて、第1の圧力反応器A13および第2の圧力反応器A21の間の体積流量M22が比較的小さい場合、コンプレッサーA41は、合理的なエネルギー消費で数バールの圧力差を生じさせることができる。次に、第1の処理過程を、第2の処理過程よりも実質的に低い圧力で実施することができる。さらに、第1の処理過程を、大気圧またはさらに低下した圧力で実行することができる。
【0175】
利用装置の動作の開始
本明細書の以下に、
図8に示す利用装置Aの動作を開始する可能な方法についてこれから記載する。利用装置Aを開始するために、このサイクルおよび3つの処理過程を洗い流し、酸素を含まないガス、有利に二酸化炭素、一酸化炭素および/もしくは水素ガスまたはその混合物、すなわち合成ガスで満たす。その後、コークスであらかじめ満たした第2の反応器A21を、例えば、ガスバーナーを用いて加熱する。この目的のために、第2の反応器をこのサイクルから分離し、対応する接続を閉じる。所望の動作温度まで加熱する間、圧力反応器A21内のコークスの輸送A23はまだ活性化されない。必要なら、このシステム内に加熱ガスを循環させ、全体の装置部分を等しく加熱することができるようにするために、熱交換器A44および圧力反応器A21の間に一時的なバイパス(図示せず)をこのサイクルに提供することができる。同様に、圧力を予定した値まで高める。
【0176】
これと並行して、前もってコークスでも充填した第1の圧力反応器A13をこのサイクルから分離し、第1の処理過程の意図した動作温度まで加熱した。同様に、圧力を第1の処理過程の所望の値にする。第1の反応器内の物質輸送A15は、なおスイッチオフのままである。しかし、最低限の安全な動作温度450℃以下での出発物質の熱分解は、爆発性混合物の形成をもたらし得るので、好ましくは、加熱は出発物質を含めないで起こるべきである。対照的に、コークスはすでに熱分解され、後にサイクルを起動する時、唯一、第2の処理過程にコークスを供給するのに役立つ。
【0177】
フィッシャー・トロプシュ反応器A31は、同様に動作条件に達するが、サイクルから分離される。これらの動作条件が利用装置の様々な処理過程に達した後に、様々な輸送システムA15、A23はゆっくりと進み、このサイクルは開かれ、コンプレッサーA41、A42は活性化され、その結果、最終的に、利用装置ABの平衡状態が、所望の動作パラメータで生じる。
【0178】
本発明に係る設備Zの利用ユニットABのさらなる実施形態を
図9に示す。明らかにするために、利用ユニットABの境界は示さない。
【0179】
図8の利用ユニットABと対照的に、第1の圧力反応器A13と第2の圧力反応器A21の間にコンプレッサーを配置せず、逆止弁A53のみ配置するが、しかし、これは省くこともできる。ガス流を、コンプレッサーA42によって生じる圧力降下によって装置をとって運ぶ。この有利な変形は、さらに、低いスループット体積を有し得る単一コンプレッサーA42のみを必要とするので、装置ABの全費用は低下する。
【0180】
示した変形において、分岐した合成ガス流M24bは、第1の反応器A13に直接戻らないが、かわりに圧力反応器A13の加熱装置A16を通って導かれ、その後再び、合成ガスM24aと組み合わされる。あるいはまたはさらに、工程蒸気M50で動作するさらなる加熱装置A17を提供することができる。
【0181】
熱交換器A45をリサイクルガス流M25aに配置し、工程蒸気M50によってリサイクルガス流M25aを加熱するのに役立つ。したがって、この実施形態におけるこのリサイクルガス流は、第1の圧力反応器A13への熱供給としても働く。
【0182】
示した例において、第3の圧力反応器A31の上流で減圧はない。第3の処理過程における圧力は、この場合、第2の処理過程における圧力制御によって、その後、熱交換器A44の中で合成ガス流M24を冷却することによる圧力降下によって、かつコンプレッサーA42によって直接制御される。
【0183】
本発明に係る工程のさらに可能な変形において、第3の処理過程の低温のフィッシャー・トロプシュ反応器を高温のフィッシャー・トロプシュ反応器に置き換え、その中で触媒は回転しながら飛んでいる粉塵として存在する。優先的に、高温のフィッシャー・トロプシュ合成で生じ、かつ第1の凝縮過程の後にリサイクルガス中に残っているガス状の短鎖炭水化物を、ガスフィルターに通すことによって、二酸化炭素、一酸化炭素、水素などのリサイクルガスのより小さい分子から分離する。例えば、このようなシステムを、石油ガスを精製するための石油化学工業で周知である。この場合、このようなシステムは、第1の炭化水素豊富なガス相および第2の低級炭化水素ガス相を生成するのに役立つ。この炭化水素豊富なガス相を、さらに、電気エネルギーを生成するための第2の発電過程の燃料として利用するか、または液体ガスおよび石油ガスへ処理する。低級炭化水素と二酸化炭素が豊富な第2のガス相を、リサイクルガスとしてこのサイクルに戻し入れる。
【0184】
本発明に係る設備の利用装置のさらに別な変形において、フィッシャー・トロプシュ反応器のかわりに、第3の処理過程P3は液相のメタノール合成反応器を含む。先行技術から知られる液相メタノール合成は、特に、比較的高い割合の二酸化炭素を有する合成ガスから高収率でメタノールを生成するのに適する。この合成は、合成ガスを不活性鉱油中の粉触媒のスラリーに吹き込む「スラリー−気泡塔型反応器」で起こる。この反応は、極めて発熱的であるので、冷却装置が必要である。生成されるガス状のメタノールは、未反応の合成ガスと共に圧力反応器を出る。付随する鉱油および触媒を分離した後に、メタノールを凝縮する。
【0185】
メタノールは化学工業の有益な基本製品であり、推進剤としても用いられ得る。さらに、メタノールはガソリンへの添加剤として機能することができ、例えば、ドイツでは、乗り物のガソリン中に最高で3%のメタノールの割合が許可されている。特に、メタノールは、第2の発電過程の燃料M60としても用いることができる。
【0186】
利用装置の動作パラメータの制御および最適化
図8および9で示す本発明に係る工程は、利用ユニットABの3つの処理過程P1、P2、P3を通る環状の物質の流れに基づき、炭素質出発物質M11を炭素源およびエネルギー源としてこのサイクルに供給し、合成過程の生成物を、本発明に係る設備Zのエネルギー装置Cの高級な生成物M60または燃料M61として分岐する。スラグM91および他の残留物質M92、M93、M94、ならびにリサイクルガスM25b中の水蒸気をこのサイクルから連続的に除去する。熱交換器中で生成した蒸気を、一方で、装置を動作させるための工程蒸気M50として用い、それによって装置の効率および有効性が増す。他方で、過熱蒸気M51、M52を、エネルギーユニットAF内のエネルギー生成のために用いることができる。
【0187】
基本的に、本発明に係る利用工程において、エネルギー豊富であるが利用することが難しい不均一の固体出発物質M11から、エネルギー豊富な生成物M60、M61、すなわち、フィッシャー・トロプシュ過程の異なる分画を生成する。その後、これらを、さらに、例えば、液体推進剤または化学工業の反応物として利用することができる。利用装置ABを動作させるのに必要なエネルギーは、第2の処理過程の部分酸化反応に由来し、(合成ガスの形態で)生成される過剰な化学エネルギーは、後に、第3の処理過程の発熱フィッシャー・トロプシュ反応において、蒸気M50、M51の形態の熱エネルギーに再び変換される。
【0188】
本発明に係るエネルギー生成工程、または本発明に係る設備Zの特に有利な変形それぞれにおいて、過熱蒸気M52を、ベース負荷エネルギーユニットAFの長期操業のために出発物質M11から生成し、かつ最大負荷エネルギーユニットCの弾力的運用のために燃料M61も生成する。
【0189】
この工程の閉じた、循環している物質の流れのおかげで、利用装置Aの動作中に、動的平衡が存在する。装置の個々の部分における様々なパラメータ(圧力、温度、化学組成物、輸送速度など)の必要な値を、とりわけ、用いる出発物質の性質によって決定する。一定の動作状態を保つために、不均一出発物質にもかかわらず、様々な動作パラメータを制御することができる。
【0190】
第3のフィッシャー・トロプシュ過程P3における炭化水素および他の生成物を生産することにとって、第3の反応器A31の圧力および温度は決定的なパラメータである。圧力は、短期的には、性能を向上させるか、または低下させることによって、コンプレッサーA42を用いて制御することができる。順に、熱交換器A32の冷却性能により、温度を制御することができる。長期的には、一方で、第2の処理過程の作動圧力および温度を変化させ、他方で、熱交換機A44の冷却性能を制御することによって、合成ガス流M24の圧力により圧力を制御することができ、それによって、合成ガス流M24内の温度および圧力が下がる。
【0191】
装置がフィードバックにより平衡状態で実行するので、利用装置Aの制御は比較的単純であり、いくつかの関連性のあるパラメータの制御のために、非常に多数のパラメータ、すなわち様々な装置の構成成分の個々の運転パラメータを修正することができ、これにより、ゆっくりもしくは急速に平衡に影響を与えることができる。
【0192】
好ましくは、本発明に係る利用工程を、二酸化炭素の割合を高めることによって実行する。とりわけ、これは、反応平衡IVを左手側(より多くの一酸化炭素)にシフトする。利用装置の作動圧力を10〜60バールの間に高めることにより、二酸化炭素含有量を増加させることができ、それにもかかわらず、同時に、一酸化炭素の絶対量は可能な限り高くなり、それゆえに、処理の出力も高い。同様に、より高いまたはより低い圧力が可能であるが、効率は低い。
【0193】
利用装置を、様々な態様に関して最適化することができる。例えば、主に、ディーセル様およびガソリン様の炭化水素およびワックスなどの有益な物質を、第3の処理過程において、例えば、木くずなどの二酸化炭素−中立的なバイオマスから生産する場合、この工程を、バイオマスおよび操作の実行のコストと生成される高価な物質の値の間の比ができるだけ有利になる方向に向かわせる。対照的に、どんな場合でも、二酸化炭素−中立的なバイオマス(carbon dioxide−neutral biomass)であるので、二酸化炭素の排出に注意を払う必要はない。さらに生態学的バランスを改善するために、外部エネルギー供給(電力など)を低下させることができ、同時に、バイオマス消費が高まる。
【0194】
対照的に、最低限の二酸化炭素生産で、汚染物質の環境に優しい廃棄に焦点を置く場合、このサイクルから除去し、環境に放出する必要のある二酸化炭素をできるだけ少なくする方法で、装置を作動させる。その後、場合によっては、これは外部エネルギーに対する需要の増加もたらし得る。
【0195】
同様に、この利用装置を、出発物質の最大処理能力に関して最適化することができ、場合によっては、未処理の熱分解コークスは、スラグと共に第3の処理過程を離れることができる。次に、環境的に問題のない熱分解コークスを、スラグと共に埋め立てることができる。このような変形は、例えば、大量の汚染物質を二酸化炭素−中立的な方法で無害にする必要がある時に有利である。
【0196】
第2の処理過程P2の動作温度を同様に最適化することができる。したがって、第2の反応器A21における定量的な処理能力を高めるために、例えば、利用ユニットABの第2の処理過程P1の動作温度を下げることができる。その後、これは、熱分解ガスM22の中に、もはや分解されず、フィッシャー・トロプシュ反応器A31に合成ガスM24と共に通過しない特定の揮発性物質をもたらす可能性がある。したがって、例えば、ベンゼンは、出発物質から、例えば、比較的少量の重油からフィッシャー・トロプシュ合成の生成物に通過することができる。そこで、これらの物質は、液体燃料M61の一部として残るが、必要であれば、分離することもできる。
【0197】
図10は、利用ユニットABのもう一つの都合のよい実施形態を模式的に示す。第2の圧力反応器A21に進入する前に、第1の処理過程P1と第2の処理過程P2の間に、工程蒸気で第2の処理過程の動作温度まで熱分解ガスM22を加熱するのに役立つ熱交換器A46を配置する。熱い合成ガスM24を熱交換器A46に供給することも可能である。
【0198】
コンプレッサーA43を、熱交換器A44の下流の合成ガスM24の輸送管に配置する。熱交換器A44の下流の温度が非常に低いために、この装置のこの地点における質量流量は最高であるが、コンプレッサーA43によって処理されなければならないガス量はより少なく、動作温度は、それがより低いので、コンプレッサーにとって好ましい。
【0199】
示した利用ユニットABにおいて、合成ガス流中の固体成分M92を分離するためのサイクロン分離器を提供しない。残留粉塵M92、M94は、第3の処理過程P3に妨げられずに入り、そこで、合成反応器A31の液相に拘束される。残留粉塵は炭化水素に不溶性であるので、苦労せず濾過することができる。サイクロン分離器を省くと、利用装置ABのコストは低下する。
【0200】
本発明に係る設備Zの利用ユニットABのさらなる有利な実施形態を
図11に示し、これは、例えば、木くずなどの汚染されてないバイオマスから液体燃料M61を生産するのに特に適する。この変形において、熱分解ガスM22は、第2の処理過程P2を通過しないが、第3の処理過程P3を通過し、合成ガスM24は第3の処理過程P3を通過しないが、第1の処理過程P1を通過し、リサイクルガスM25は第1の処理過程P1を通過しないが、第2の処理過程P2を通過する。
【0201】
第1の処理過程P1において、熱い合成ガス流M24は熱分解物質を加熱し、動作温度を維持する。その結果、実際の熱分解ガスに加えて、第1の処理過程から出る熱分解ガス流M22は、第2の処理過程の合成ガス分画も含み、したがって、ここに第1の処理過程を経るループを作る。
【0202】
第2の処理過程P2において、熱分解ガスM22における合成ガス分画が反応する一方で、熱交換器A45で凝縮されていない熱分解ガス分画M23を、合成反応器A31の液相に溶解させる。第2の駆動装置C11の推進剤または燃料として第3の処理過程の生成物M60を直接使用する場合において、純度要求は特に高くないので、熱分解ガスの分解は省くことができる。その後、例えば、有機酸などの不適切な残留物を除去するために、推進剤または燃料M61を後精製する。融点および沸点が低く、かなりの量のタール分画を含む熱分解ガスの凝縮分画M23を、有利に、固体または液体添加剤M23として第2の処理過程に供給することができる。
【0203】
その後、リサイクルガス流M25を圧縮し(A42)、加熱し(A46)、かつ第2の処理過程P2を通過させることにより、再びサイクルを形成させる。圧力反応器A21に導入するガスを分解することは必要ではないので、第2の処理過程をより低い動作温度で実行することができる。
【0204】
図12は利用ユニットBの実施形態を示し、その中で、第1の処理過程および第2の処理過程P1、P2を、共有の圧力反応器A24で行う。熱分解は、反応器A24の第1のチャンバーA25で起こり、第2のチャンバーA26で気化が起こる。共有の輸送システムが熱分解コークスM21を運び、かつ熱分解ガスM22を流す貫通孔を有し、圧力反応器A24に配置される隔壁A27によって、2つのチャンバーA25、A26を形成させる。隔壁A27は、主に、2つのチャンバーA27、A26を熱的に分離するのに役立ち、その結果、異なる動作温度をこれらの2つの処理過程で実行することができる。2つ以上のチャンバーを有するこのような共有の圧力反応器を備え付けることも可能である。
【0205】
最大負荷エネルギーの生成のためのエネルギー装置
本発明に係る設備のエネルギー装置Cの駆動装置C11を燃焼機関として構成する場合、このような駆動装置の有利な変形において、水M40をさらなる拡大手段として用いることができる。この目的のために、燃焼工程の点火後、例えば、ディーゼルエンジンの圧縮燃料−空気混合物の自己発火後、特定量の水をシリンダー注入する。その後、好ましくは、微細分布したこの水を、発熱酸化反応の熱エネルギーによって蒸発させる。水蒸気によりガスの圧力およびガス量が結果的に増加することは、運動エネルギーの生成を増大させるが、同時に、燃焼ガスおよび水蒸気の混合物全体の温度は低下する。しかし、これは、純酸素との反応のより高いエネルギー密度により、かなり高い反応温度が生じるので問題ないか、またはさらに望ましく、熱力学的効率を増加させるだけでなく、駆動装置C11の構成成分に圧力を加える。
【0206】
もう一つの方法として、水を水蒸気M50として提供することもできる。特定量の液体水を液体燃料と混合して提供することもできる。酸素に加えて、高い反応温度で、過熱蒸気はさらに追加的酸化剤としての機能を果たす。
【0207】
本明細書の以下の
図13に、本発明に係る設備Zの最大負荷エネルギー装置Cのこのような可能な駆動装置C11の動作モードについて、シリンダーを備えるピストンエンジンの形態の燃焼機関の例を参照して、さらに詳細に記載し、説明する。同様に、燃焼機関として設計する駆動装置C11は、タービンまたはワンケルエンジン(Wankel engines)などとして設計することもできる。機械的仕事の性能のための、例えば、発電機装置を動作させるためのそれぞれの種類の燃焼エンジンの機能的な原理にしたがって、熱い燃焼ガスを用い、その過程で部分的に拡大する。その後、酸化ガスM27は燃焼チャンバーを離れる。したがって、例えば、4ストロークピストンエンジンとして設計する燃焼機関において、3ストロークで燃焼ガス混合物M27をシリンダーから出し、その後、圧縮して、冷却する。同様に、外燃式の熱機関として、例えば、蒸気エンジンまたは蒸気タービンとして駆動装置C11を実装することが可能である。
【0208】
図13に示す燃焼機関C11はシリンダーC22を含み、その中にピストンC23を移動可能に配置し、これらは共に、閉じた燃焼チャンバーC21を形成する。唯一模式的に示す供給装置C27を用いて、第1のストロークで酸素M31を拡大する燃焼チャンバーC21に導入する。その後、第2のストロークで、酸素M31を圧縮し、第2のストロークの終わりに、燃料M61を供給装置C29によって燃焼チャンバーC21に導入し、燃焼させる。次の第3のストロークで、拡大する燃焼ガスM27が機械的仕事を行い、第4のストロークの間に、部分的に拡大した燃焼ガスM27を、さらに詳細に示さない通気装置C24によって燃焼チャンバーC21から排出する。
【0209】
その後、基本的に、二酸化炭素および水蒸気のみからなる熱い酸化ガスM27を、下流の熱交換器C12で冷却する。これらの酸化ガスM27の量をそれによって減少させる。冷却の結果として、水M41の大部分を凝縮し、分離する。基本的に、二酸化炭素ならびに場合により一酸化炭素および未反応の燃料の残留分画からなる残りの残留ガスM26を、直列に配置したコンプレッサーC13内で圧縮し、圧力貯蔵庫BBの中に収集する。この工程において、圧縮の上流の凝縮過程C12は、コンプレッサーC13における凝縮水滴の望まない形成を減少させる。
【0210】
描いた燃焼エンジンC11は任意の排出を含まない。この装置は、酸化剤として空気または類似のガス混合物で動作しないので、例えば、窒素酸化物などの空気特異的な汚染物質はいずれも形成することができない。この燃焼で生じる水は問題なく、分離することができる。二酸化炭素を、残留ガスM26として利用装置ABのサイクル内に導く。燃料の未燃焼分画を水と共に凝縮して分離するか、または二酸化炭素と共に圧縮する。駆動装置C11からの酸化ガスM27を、冷却することなく直接第1または第2の処理過程に通過させることもできる。
【0211】
最大負荷エネルギー装置Cを利用装置Aから空間的に分離する場合、残留ガスM26の直接的な戻り管路は使用できず、これらは非常に圧縮され、エネルギー装置Cから利用装置Aに、高圧下で、圧力貯蔵庫BBに運び戻すことができる。
【0212】
燃焼機関として設計される駆動装置C11のさらなる可能な実施形態を、
図14に模式的に示す。この変形において、水M40を、唯一模式的に示す供給装置C28によって燃焼チャンバーC21に導入する。好ましくは、これは、燃焼反応の間または後で、規定量の水を燃焼チャンバーC21に液体またはガスの状態で注入し、微細分布させる方法で進む。この水を燃焼熱によって加熱し、ガスの全体積が燃焼チャンバーC21内で増加し、それによって、機械的仕事を行うのに利用可能であるガスの圧力またはガス量も増加する。それに応じで、その後、出力を変化させることなく、燃料の量を減少させることができる。
【0213】
もう一つの方法としてまたはさらに、水M40は、それが燃焼チャンバーC21を離れる時に、酸化ガス流M27に導入することもできる。このような変形は、燃焼チャンバー中の燃焼反応ができるだけ高い温度で効率的に進むことでき、同時に、酸化ガス流の結果として得られる温度は低いので、次の電気器具C12、C13は圧力があまり加えられないという利点を有する。
【0214】
水の量および注入時間を、燃焼反応が効率的に起こることができる方法で、燃料M61および酸素M31の供給に適合させる。有利に、酸化反応中の結果として得られる温度は、基本的に、できるだけ高い熱機関の熱力学的効率を達成するようなものである。使用する水の量が高ければ高いほど、さらに、反応ガス中の二酸化炭素の相対的割合は低く、このことは、水M41の凝縮の後に残っている残留ガスM26の量を低下させる。
【0215】
図14に示す実施形態において、酸化ガスM27をコンプレッサーC13で最初に圧縮し、その後、これらのガスを熱変換器C12内で冷却する。この変形は、
図13の水の注入なしに、燃焼機関C11とも合体でき、逆もまた同様であり、一般に、駆動装置C11のために用いることができる。
【0216】
駆動装置C11のコンプレッサーを動作させるのに必要なエネルギーは、有利に、駆動装置それ自体によって生成される。その結果として、駆動装置の達成可能な効率は減少するが、同時に、それによって、前記駆動装置は排出が無いことを達成する。さらに、同じエンジン寸法の達成可能な出力はより高く、再び、出力の喪失を代償する。例えば、コンプレッサーを、ピストン燃焼機関のクランクシャフトにより適切なギアを用いて直接動作させることができる。
【0217】
駆動装置C11がタービンを含む場合、コンプレッサーは、同じシャフト上に直接位置することができる。拡張工程の後に直接、酸化ガスを凝縮し、残っている残留物の流れを圧縮することができる。
【0218】
ピストンエンジンとして設計される駆動装置の別の変形において、燃焼後、酸化ガスを第3のストロークで、燃焼チャンバー内で事前に圧縮し、その後に、通気装置C24により排出する。必要なら、下流のコンプレッサーC13も除くことができる。
【0219】
駆動装置内で、燃焼チャンバーへの反応混合物(燃料M61、酸素M31、水M40)の新たな添加は迅速に進み得るので、このような実施形態は、2ストローク変形としても可能である。第2の上向きストロークにおいて、燃焼ガスを事前に圧縮し、このストロークの終わりに向けて、燃焼チャンバーから放出する。完全燃焼反応には比較的少ない酸素が必要とされ、水はさらなる膨張剤として存在するので、気体酸素を、上向きストロークの終わりに、高圧で燃焼チャンバーに吹き込むことができる。どんな場合にも、液体燃料M61および膨張剤として水M40を、非常に迅速に、高圧で、燃焼チャンバーC21に注入することができる。
【0220】
コンプレッサーC13のエネルギー消費を、1つまたは複数の熱交換器または冷却要素との適切な組み合わせにより最適化することができ、その中で、ガス量を、内部または外部のヒートシンクに反応ガスの熱エネルギーを処理することによって減少させることができる。
【0221】
熱交換器/コンデンサーC12によって、蒸気を生成することができ、これは、利用装置のエネルギーユニットAFの効率を上げるのに役立つか、または利用装置の利用ユニットABを動作させるための工程蒸気M50を得るのに役立ち得る。
【0222】
図15は、複合ガス/蒸気タービンとして構成される駆動装置C11を有する最大負荷エネルギー装置Cの特定の有利な実施形態の変形を示す。上流の燃焼チャンバーC21において、燃料M61をバーナーC25において酸素M31で燃焼し、非常に熱い燃焼ガスを生じさせる。水を、好ましくは、例えば、温度が250℃で、圧力が50バールである過熱液体水として燃焼チャンバーC21に導入する。燃焼チャンバーC21から出て、下流のタービン装置C30内で機械的仕事に変換され、これにより、順に、発電装置C31を駆動させる過熱蒸気の高い分画を有する熱い(例えば、600℃)酸化ガスM27aが形成する方法で、得られた蒸気を燃焼排ガスと混合する。設計に応じて、燃焼チャンバー内のガス混合物は、ガスの圧力が上昇する方法で等溶的(isochorically)に振る舞うか、それに応じてガス量が増加する方法で等圧的に振る舞うか、または量および圧力の両方が増加する方法で振る舞う。したがって、以下のタービン装置C30も、相応して設計しなければならない。適切なタービンC30は先行技術から周知であり、一般に、複数の処理過程を有する。別の変形において、部分的に膨張した工程蒸気M50は、高圧過程のタービン装置C30の下流で引き出すことができ、他の方法で使用することができる。
【0223】
膨張した酸化ガスM27bをコンデンサー/エコノマイザーC12に通過させ、水M41を凝縮し、分離する。基本的に二酸化炭素を含む残りの残留ガスM26をコンプレッサーC13で圧縮し、利用装置ABの第1の処理過程P1に輸送する。コンプレッサーC13を、タービンC30により直接有利に駆動させる。
【0224】
燃焼チャンバーC21のかわりに、水M40を、例えば、ベンチュリノズルによって、燃焼チャンバーC21の下流で酸化ガス蒸気M27aと混合することもできる。
【0225】
駆動装置C11において、水M40の量および燃焼混合物M61、M31の量、ならびにさらに選択可能なパラメータを、下流のタービンができるだけ高いエネルギー利用に達する方法で互いに適合させる。同時に、酸化ガス混合物M27bにおける水の分画はできるだけ高くなければならない。一方で、このように、コンデンサーC12aを越えて、ガス混合物のできるだけ高い圧力降下が達成され、これがタービンC30上の全圧の差を増加させ、それによって、その効率が増す。他方で、圧縮(C13)されなければならない少ない残留ガスM26が残る。
【0226】
燃焼チャンバーに蒸気を導入するさらなる利点は、蒸気M50の冷却効果である。燃料混合物M60、M31の発熱酸化は、最高で1000℃、あるいは2000℃の非常に高い温度をもたらし得る。このような温度は、燃焼チャンバーC21および下流のタービン装置C30の構造に非常に圧力を加える。好ましくは、比較的冷たい水蒸気を、非常に熱い炎C26から燃焼チャンバーC21の壁を保護する方法でこのチャンバーに導入する。この蒸気は、最終的に、全ガス混合物を600℃〜800℃まで冷却し、タービン翼の熱負荷を低下させ、それに応じて、耐用年数を増加させる。
【0227】
上述の態様に加えて、例えば、示した駆動装置は、コンプレッサーが燃焼チャンバーの上流に接続していないという点でも従来のガスタービンと異なる。これは、ガスタービン内よりも、燃焼チャンバーC21の大幅に簡素化した設計を可能にする。燃料M61を純酸素M31で燃焼させるので、達成可能なエネルギー密度は、酸素分画が減少した空気の使用よりも高い。単位時間あたり燃焼チャンバーC21に導入することができる酸素の量を増加させるために、酸素を事前に加圧することができる。タービン装置C30は、酸化ガスM27aの温度および圧力範囲が基本的に同じであるので、蒸気タービンのように設計することができる。
【0228】
通常の操作において、エネルギー装置Cの駆動装置C11は無負荷動作を保つ。少量の蒸気はタービンC30を動かし続けるが、発電装置は電力を生産しない。電力需要が短期間に増加する場合、燃料混合物M31、M60を燃焼チャンバーC21に注入し、点火装置(図示せず)で点火する。同時に、注入水M40、M50の量を増加させる。タービンC30の回転数を直ちに上げ、発電機C31の動作を開始する。
【0229】
駆動装置C11を、例えば、ベース負荷発電装置AFの電力の10%〜50%にて、恒久的に動作させることもできる。電力需要が増加した時、その後、非常に短い時間で、装置Cを最大出力、例えば、ベース負荷発電装置AFの電力の500%までもたらすことができる。したがって、本発明に係る設備Zは、広範囲にわたって、非常に動的に全出力を適応させることができる。最大負荷エネルギー装置Cを、複数の燃焼チャンバーC21および/またはタービン装置C30も有し得る。
【0230】
装置のモジュール構造
本発明に係る設備の特定の有利な実施形態において、個々の装置の構成要素を、個々のモジュールに効率的に分解することができ、トラックで輸送することができ、その後、組み立て直すことができる方法で寸法を測って、構築する。特殊輸送手段を行うことなく輸送できるモジュールの最大寸法測定が特に有利である。
【0231】
本発明に係るこのようなモジュール設備は、一時だけ、例えば、数年だけ、あるいは数カ月だけの運転時間で設立することもできるという利点を有する。需要が存在しなくなるとすぐに、設備を分解して、新しい場所に再構築することができる。このような設備は、例えば、短時間で、遠く離れた鉱区で、比較的大きなエネルギーインフラが構築されなければならず、採掘活動の終わりにはもはや必要とされない鉱業で特に有用である。例えば、本発明に係る設備の利用装置を、例えば、地元産のバイオマスおよび炭素質廃棄物から、遠く離れた露天掘り鉱山の乗り物および電力発電機のためのディーゼル燃料、ならびに/またはインフラを動作させるための電気エネルギーを生産するのに用いることができる。
【0232】
本発明に係る設備は、モジュール構造に特に適する。特に、第1および第2の処理過程の反応器を、処理能力を低下させることなく比較的小さい横断面を有する水平方向の反応器として構築することができる。それに応じて、反応器を単に縦方向に伸ばす。この反応器を、共にフランジを付けた複数のモジュールの縦方向に組み立てることができる。合成反応器を、複数の並列反応器を用いてスケールアップしてもよい。
【0233】
様々な実施形態を上記に示し、説明してきた。しかし、本発明の原理を逸脱することなく、様々な変更および改良を行うことができることは、当該技術者には明らかである。