(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
燃料ガス及び酸化剤の酸化及び還元によって発電を行うための燃料電池スタックと、該燃料電池スタックからの排ガスと水とで熱交換するための熱交換器と、熱交換後の温水を貯えるための貯湯槽と、前記熱交換器と前記貯湯槽との間で水を循環させるための貯湯水循環流路と、を備える固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記熱交換器は、熱交換器本体と、該熱交換器本体内に間隔を置いて配設された複数の仕切りプレートと、を備え、該複数の仕切りプレートは、前記燃料電池スタックからの排ガスが流れる複数の第1の流路と、前記貯湯水循環流路からの水が流れる複数の第2の流路と、を規定し、
前記熱交換器本体の上端部には、前記複数の第1の流路の各上流側に連通された排ガス流入部と、前記複数の第2の流路の各下流側に連通された流出マニホールドとが設けられており、前記熱交換器本体の下端部には、前記複数の第1の流路の各下流側に連通された排ガス流出部と、前記複数の第2の流路の各上流側に連通された流入マニホールドとが設けられており、
前記流入マニホールド及び前記流出マニホールドは、前記複数の第1及び第2の流路を前記複数の仕切りプレートの配列方向に貫通して設けられ、前記流出マニホールドの内部には、エア溜まりを防止するための溜まり防止部材が配設されており、
前記溜まり防止部材は、前記流出マニホールドの内周上部の断面形状に対応した形状を有し、前記流出マニホールドの内周上部に配設されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
【背景技術】
【0002】
従来より、固体酸化物形燃料電池を用いた固体酸化物形燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。固体酸化物形燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤の酸化及び還元によって発電を行うための燃料電池スタックと、燃料電池スタックからの排ガスと水とで熱交換するための熱交換器と、熱交換後の温水を貯えるための貯湯槽と、熱交換器と貯湯槽との間で水を循環させるための貯湯水循環流路と、を備えている。
【0003】
この熱交換器は、熱交換器本体と、熱交換器本体内に間隔を置いて配設された複数の仕切りプレートと、を備えている。これら複数の仕切りプレートによって、燃料電池スタックからの排ガスが流れる複数の第1の流路と、貯湯水循環流路からの水が流れる複数の第2の流路とが交互に規定されている。熱交換器本体の上端部には、複数の第1の流路の各上流側に連通された排ガス流入部と、複数の第2の流路の各下流側に連通された流出マニホールドとが設けられており、熱交換器本体の下端部には、複数の第1の流路の各下流側に連通された排ガス流出部と、複数の第2の流路の各上流側に連通された流入マニホールドとが設けられている。流入マニホールド及び流出マニホールドは、複数の第1及び第2の流路を複数の仕切りプレートの配列方向に貫通して設けられている。
【0004】
燃料電池スタックからの排ガスは、排ガス流入部より複数の第1の流路に流入され、複数の第1の流路を下方に流れた後に排ガス流出部より大気に排出される。また、貯湯水循環流路からの水は、流入マニホールドより複数の第2の流路に流入され、複数の第2の流路を上方に流れた後に流出マニホールドより流出されて、貯湯槽に貯められる。これにより、複数の第1の流路を流れる排ガスと複数の第2の流路を流れる水との間で熱交換が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の固体酸化物形燃料電池システムでは、次のような問題がある。流出マニホールドの内周上部には、流出マニホールド内の空気が溜まる、所謂エア溜まりが発生する傾向にある。熱交換器本体の排ガス流入部には、燃料電池スタックからの高温(例えば250℃以上)の排ガスが流入されるので、この排ガスの熱によって流出マニホールドの内周上部に溜まった空気が加熱される。この加熱された空気の熱によって、流出マニホールドを流れる水の一部が蒸発するようになり、これにより水に溶解しているスケール成分(例えば、カルシウム、シリカ、マグネシウムなど)が缶石となって析出する場合がある。ここで析出した缶石が流出マニホールド内に付着すると、流出マニホールドに腐食割れが発生するおそれがある。
【0007】
また、第1の流路を流れる排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して回収するタイプの固体酸化物形燃料電池システムでは、上述のように腐食割れが発生すると、流出マニホールド内を流れる水が第1の流路に漏出するおそれがある。このように第1の流路に漏出した場合、流出マニホールド内に付着した缶石が凝縮水に混入するようになり、この凝縮水を回収して再利用すると固体酸化物形燃料電池システムに不具合が発生するおそれがある。
【0008】
それゆえ本発明の目的は、流出マニホールド内に缶石が生じることを抑制することができる熱交換器を備えた固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、燃料ガス及び酸化剤の酸化及び還元によって発電を行うための燃料電池スタックと、該燃料電池スタックからの排ガスと水とで熱交換するための熱交換器と、熱交換後の温水を貯えるための貯湯槽と、前記熱交換器と前記貯湯槽との間で水を循環させるための貯湯水循環流路と、を備える固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記熱交換器は、熱交換器本体と、該熱交換器本体内に間隔を置いて配設された複数の仕切りプレートと、を備え、該複数の仕切りプレートは、前記燃料電池スタックからの排ガスが流れる複数の第1の流路と、前記貯湯水循環流路からの水が流れる複数の第2の流路と、を規定し、
前記熱交換器本体の上端部には、前記複数の第1の流路の各上流側に連通された排ガス流入部と、前記複数の第2の流路の各下流側に連通された流出マニホールドとが設けられており、前記熱交換器本体の下端部には、前記複数の第1の流路の各下流側に連通された排ガス流出部と、前記複数の第2の流路の各上流側に連通された流入マニホールドとが設けられてお
り、
前記流入マニホールド及び前記流出マニホールドは、前記複数の第1及び第2の流路を前記複数の仕切りプレートの配列方向に貫通して
設けられ、前記流出マニホールドの内部には、エア溜まりを防止するための溜まり防止部材が配設され
ており、
前記溜まり防止部材は、前記流出マニホールドの内周上部の断面形状に対応した形状を有し、前記流出マニホールドの内周上部に配設されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記溜まり防止部材は
円弧状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、流出マニホールドの内部には、エア溜まりを防止するための溜まり防止部材が配設されているので、熱交換器本体の排ガス流入部に高温(例えば250℃以上)の排ガスが流入された際に、この排ガスの熱によって流出マニホールドの内部に高温の空気が溜まるのを防止することができる。これにより、流出マニホールド内に缶石が発生するのを抑制することができ、流出マニホールドに腐食割れが発生するのを抑制することができる。
また、溜まり防止部材は、流出マニホールドの内周上部の断面形状に対応した形状を有し、流出マニホールドの内周上部に配設されるので、流出マニホールドの内周上部は、この溜まり防止部材によって埋められるようになり、これにより、流出マニホールド内におけるエア溜まりをより確実に防止することができる。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、溜まり防止部材は円弧状に
構成されているので、流出マニホールドの内周上部はこの溜まり防止部材によって埋められるよう
になる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの
実施形態について説明する。
[本発明の一実施形態]
まず、
図1〜
図9を参照して、
一実施形態による固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池システムの構成を簡略的に示すブロック図であり、
図2は、
図1の熱交換器を示す斜視図であり、
図3は、
図2中のA−A線による熱交換器の断面図であり、
図4は、
図2中のB−B線による熱交換器の断面図であり、
図5は、
図4中のC−C線による熱交換器の断面図であり、
図6は、
図5における流出マニホールドを拡大して示す断面図であり、
図7は、
図6の溜まり防止部材を示す斜視図であり、
図8は、
図3の第1の仕切りプレートと第2の仕切りプレートとを分解した状態を示す分解斜視図であり、
図9は、
図3の第1の仕切りプレートと流出マニホールドとを分解した状態を示す分解斜視図である。
【0021】
図1を参照して、本実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池2、改質器4及び空気予熱器6を備えている。固体酸化物形燃料電池2は、略直方体状の燃料電池本体8と、電気化学反応によって発電を行うための燃料電池スタック10とから構成されている。燃料電池本体8は遮熱壁12を備え、遮熱壁12の内部には高温空間14が規定されており、この高温空間14内に燃料電池スタック10が配設されている。燃料電池スタック10は、酸素イオンを伝導する固体電解質16を備え、この固体電解質16として、例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。燃料電池スタック10の固体電解質16の片側には燃料極(図示せず)が設けられ、またその他側には酸素極(図示せず)が設けられている。
【0022】
燃料電池スタック10の燃料極側18の導入側は、燃料ガス送給ライン20を介して改質器4に接続され、この改質器4は、原燃料ガス供給ライン22を介して原燃料ガスを供給するための原燃料ガス供給源24(例えば、埋設管や貯蔵タンクなど)に接続されている。原燃料ガス供給ライン22には、原燃料ガスの供給量を制御するための流量制御弁26が配設されている。また、燃料電池スタック10の酸素極側28の導入側は、空気送給ライン30を介して空気を予熱するための空気予熱器6に接続され、この空気予熱器6は、空気供給ライン34を介して送風装置36に接続されている。
【0023】
燃料電池スタック10の燃料極側18及び酸素極側28の各排出側には燃焼室38が設けられ、燃料極側18から排出された反応燃料ガス(残余燃料ガスを含む)と酸素極側28から排出された空気(酸素を含む)とがそれぞれこの燃焼室38に送給されて燃焼される。この燃焼室38は排ガス送給ライン40を介して空気予熱器6に接続され、この空気予熱器6には排ガス排出ライン42が接続されている。また、排ガス排出ライン42には熱交換器44が配設され、この熱交換器44を通して大気に開放されている。
【0024】
熱交換器44には貯湯タンク46(貯湯槽を構成する)からの貯湯水循環ライン48(貯湯水循環流路を構成する)が接続されており、この貯湯水循環ライン48には、貯湯タンク46に貯められた水を貯湯水循環ライン48を通して循環させるための循環ポンプ50が配設されている。貯湯タンク46は、固体酸化物形燃料電池2の稼動により発生した熱を温水として蓄熱するためのものである。貯湯タンク46には水供給ライン52が接続され、この水供給ライン52には水(水道水)の供給を制御するための開閉弁54が配設されている。貯湯タンク46に貯められた温水は、温水給湯ライン56を通して出湯される。
【0025】
また、排ガスに含まれる水蒸気を凝縮して得られる凝縮水を回収して貯めるための凝縮水回収タンク58が設けられている。凝縮水回収タンク58は、凝縮水回収ライン60を介して熱交換器44に接続されている。また、凝縮水回収タンク58には、凝縮水を改質器4に送給するための凝縮水送給ライン62が接続され、この凝縮水送給ライン62には不純物除去手段64及び送給ポンプ66が配設されている。不純物除去手段64は例えばイオン交換膜などから構成され、凝縮水に含まれる不純物を除去する。
【0026】
この固体酸化物形燃料電池システムの稼動運転は、次のようにして行われる。原燃料ガス供給源24からの原燃料ガスは、原燃料ガス供給ライン22を通して後述する凝縮水とともに改質器4に供給される。改質器4においては、原燃料ガスの一部と水(凝縮水)とが改質反応して原燃料ガスの一部が改質され、このように改質されて生成された燃料ガスが燃料ガス送給ライン20を通して燃料電池スタック10の燃料極側18に送給される。また、送風装置36からの空気は、空気供給ライン34を通して空気予熱器6に供給され、この空気予熱器6において排ガスとの間で熱交換されて加温された後に、空気送給ライン30を通して燃料電池スタック10の酸素極側28に送給される。
【0027】
燃料電池スタック10の燃料極側18は改質された燃料ガスを酸化し、またその酸素極側28は空気中の酸素を還元し、燃料極側18の酸化及び酸素極側28の還元による電気化学反応により発電が行われる。なお、固体酸化物形燃料電池2における電気化学反応は、約700〜1000℃の高温状態で行われる。
【0028】
燃料極側18からの反応燃料ガス及び酸素極側28からの空気はそれぞれ燃焼室38に送給され、空気中の酸素を利用して余剰の燃料ガスが燃焼される。燃焼室38からの排ガスは排ガス送給ライン40を通して空気予熱器6に送給され、この空気予熱器6において送風装置36からの空気との熱交換に利用されて排ガス排出ライン42を通して熱交換器44に送給される。熱交換器44においては、貯湯タンク46から貯湯水循環ライン48を通して送給される水と排ガス排出ライン42を流れる排ガスとの間で熱交換が行われる。熱交換により加温された水(温水)は、循環ポンプ50の作用によって貯湯水循環ライン48を通して貯湯タンク46に貯められる。
【0029】
また、熱交換により排ガスの温度が露点まで低下されることによって、排ガスに含まれる水蒸気が凝縮回収されて凝縮水回収ライン60を通して凝縮水回収タンク58に貯められ、凝縮回収後の排ガスは排ガス排出ライン68を通して大気に排出される。凝縮水回収タンク58に貯められた凝縮水は、凝縮水送給ライン62を通して不純物除去手段64に送給され、この不純物除去手段64によって凝縮水に含まれる不純物が除去される。不純物が除去された後の凝縮水は、送給ポンプ66の作用によって凝縮水送給ライン62を通して改質器4に送給される。
【0030】
次に、
図2〜
図9をも参照して、本実施形態の固体酸化物形燃料電池システムにおける熱交換器44の構成について説明する。この熱交換器44は、横長のベース70と、ベース70の上方に立設された略直方体状の熱交換器本体72と、を備えている。ベース70の一端部は熱交換器本体72の下端部より外側(横方向)に延びており、この一端部には排ガス流出管74が上方に延びて設けられている。ベース70の内部には排ガス流路(図示せず)が形成されており、この排ガス流路は排ガス流出管74に連通されている。
【0031】
熱交換器本体72の上端部及び下端部にはそれぞれ、矩形状に開口された排ガス流入部76及び排ガス流出部(図示せず)が設けられている。熱交換器本体72の上端部には、排ガス流入部76を外側より覆うための枠状のガス受け部78が設けられ、この熱交換器本体72の排ガス流入部76は排ガス排出ライン42に連通される。また、排ガス流出部は、ベース70内の排ガス流路に連通されている。熱交換器本体72の一側面において、一側端部側における下端部には水流入管80が外部に延びて設けられ、また他側端部側における上端部には水流出管82が外部に延びて設けられている。水流入管80及び水流出管82にはそれぞれ、貯湯水循環ライン48を介して貯湯タンク46の流出側及び流入側が接続されている。
【0032】
熱交換器本体72の内部には熱交換空間84が形成されており、この熱交換空間84には複数の第1の仕切りプレート86及び第2の仕切りプレート88が間隔を置いて交互に配設されている。第1の仕切りプレート86及び第2の仕切りプレート88はそれぞれ、薄板状の一対のステンレス鋼板の間にニッケルろう材を介在させ、一対のステンレス鋼板をろう付け固定することにより構成されている。これら複数の第1の仕切りプレート86及び第2の仕切りプレート88によって、排ガス排出ライン42からの排ガスが流れる複数の第1の流路90と、貯湯水循環ライン48からの水が流れる複数の第2の流路92とが交互に規定される。
【0033】
第1の仕切りプレート86の一側端部側における下端部には、円形状の流入開口部94が設けられ、またその他側端部側における上端部には、円形状の流出開口部96が設けられている(
図5参照)。
【0034】
第2の仕切りプレート88の上端部は、これに隣接する第1の仕切りプレート86にろう付け固定されている(
図4及び
図5参照)。また、第2の仕切りプレート88の両側端部及び下端部はそれぞれ、これに隣接する第1の仕切りプレート86にろう付け固定されている。第2の仕切りプレート88の上端部及び下端部はそれぞれ、第2の流路92の上端部及び下端部を規定し、また第2の仕切りプレート88の両側端部はそれぞれ、第2の流路92の両側端部を規定するようになる。また、第2の仕切りプレート88の上端部は、実質上水平方向に延びるとともに(
図5参照)、その他側端部側は流出マニホールド98(後述する)の上側部にろう付け固定されている(
図8及び
図9参照)。
【0035】
上述のように構成されることにより、複数の第1の仕切りプレート86及び第2の仕切りプレート88の間には、第1の流路90及び第2の流路92が交互に規定される。また、複数の第1の流路90の各上流側は排ガス流入部76に連通され、それらの各下流側は排ガス流出部に連通されている。
【0036】
第1の仕切りプレート86の流入開口部94の外周部には流入マニホールド102が設けられ、また流出開口部96の外周部には流出マニホールド98が設けられている。流出マニホールド98の上側部は、隣接する一対の第1の仕切りプレート86の間にろう付け固定され、またその下側部は、隣接する第1の仕切りプレート86及び第2の仕切りプレート88の間にろう付け固定されている(
図3、
図8及び
図9参照)。この流出マニホールド98は、複数の第2の流路92の各下流側に連通されるとともに、複数の第1の流路90及び第2の流路92を複数の仕切りプレート86,88の配列方向に貫通して延びて熱交換器本体72の水流出管82に連通されている。
【0037】
隣接する一対の第1の仕切りプレート86の間において、流出マニホールド98は所定方向(流出マニホールド98における水の流れ方向)に向かって拡径されている。このことに関連して、流出マニホールド98の内周上部104には、円弧状(半リング状)に構成された溜まり防止部材106がろう付け固定されている(
図3、
図6及び
図7参照)。溜まり防止部材106の断面は、流出マニホールド98の内周上部104の断面形状に対応した形状を有しているので、流出マニホールド98の内周上部104は、溜まり防止部材106によってほぼ隙間無く埋められるようになる。
【0038】
また、流入マニホールド102は、流出マニホールド98と同様に、複数の第2の流路92の各上流側に連通されるとともに、複数の第1の流路90及び第2の流路92を複数の仕切りプレート86,88の配列方向に貫通して延びて熱交換器本体72の水流入管80に連通されている。
【0039】
上述した熱交換器44における排ガスと水との熱交換について説明すると、次の通りである。排ガス排出ライン42からの排ガスは、熱交換器本体72の排ガス流入部76より複数の第1の流路90に流入され、
図3及び
図4中の白色の矢印で示すように、複数の第1の流路90を下方に流れる。その後に、排ガス流出部より流出されて排ガス流路を通して流れ、排ガス流出管74より大気に排出される。また、貯湯水循環ライン48からの水は、熱交換器本体72の水流入管80より流入マニホールド102に流入され、
図3及び
図4中の黒色の矢印で示すように、複数の第2の流路92を上方に流れる。その後に、流出マニホールド98を流れて水流出管82より流出され、貯湯水循環ライン48を通して貯湯タンク46に貯められる。このように排ガスが複数の第1の流路90を下方に流れるとともに、水が複数の第2の流路92を上方に流れることによって、排ガスと水との間で熱交換が行われる。
【0040】
本実施形態の熱交換器44では、流出マニホールド98の内周上部104に溜まり防止部材106が配設されているので、次の通りの特徴を有する。従来のように溜まり防止部材106が無い場合には、流出マニホールド98の内周上部104には流出マニホールド98内の空気が溜まる、所謂エア溜まりが発生する。これに対して、溜まり防止部材106を設けた本実施形態の熱交換器44では、流出マニホールド98の内周上部104に空気が溜まる空間が実質上存在せず、この流出マニホールド98の内周上部104に空気が溜まるのが防止される。従って、熱交換器本体72の排ガス流入部76に高温(例えば250℃以上)の排ガスが流入された際に、この排ガスの熱によって流出マニホールド98の内周上部104に高温の空気が溜まるのを防止することができる。これにより、流出マニホールド98内に缶石が発生するのを抑制することができ、流出マニホールド98に腐食割れが発生するのを抑制することができる。
[
第1の参考実施形態]
次に、
図10及び
図11を参照して、
第1の参考実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。
上述した実施形態では、流出マニホールド98の内周上部104に空気が溜まらないように構成されているのに対し、
第1の参考実施形態では、流出マニホールド98内の空気が排ガスの熱の影響を受け難く構成することにより、流出マニホールド98内における缶石の発生を抑えている。
図10は、
第1の参考実施形態による固体酸化物形燃料電池システムにおける熱交換器の断面図であり、
図11は、
図10中のD−D線による流出マニホールドの断面図である。なお、
本参考実施形態において、
上述した実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
本参考実施形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、第1の流路90には、包囲手段としての円弧状(半リング状)の第1及び第2の包囲部108,110が配設されている。第1の包囲部108は、流出マニホールド98の外周面の上側を包囲するようにして第1の流路90に配設されている。また、第2の包囲部110は、流出マニホールド98の外周面の下側を包囲するようにして第1の流路90に配設されている。これら第1及び第2の包囲部108,110はそれぞれ、プレス加工によって第1の仕切りプレート86Aの一部を第1の流路90側に向けて突出形成されているとともに、第1の仕切りプレート86Aと一体的に構成されている。
【0042】
このように流出マニホールド98の外周面の上側及び下側がそれぞれ、第1及び第2の包囲部108,110によって包囲されているので、排ガス流入部76より流入された排ガスは、第1及び第2の包囲部108,110によって流出マニホールド98側に流れるのが抑えられ、高温の排ガスが流出マニホールド98の外周面に接触するのが抑制される。これにより、流出マニホールド98の内周上部104に溜まった空気が加熱されるのを抑制することができ、それ故に、流出マニホールド98内に缶石が発生するのを抑制することができ、流出マニホールド98に腐食割れが発生するのを抑制することができる。
【0043】
なお、包囲部108(110)をリング状に構成して、この包囲部108(110)により流出マニホールド98の全周を包囲するようにしてもよい。
[
第2の参考実施形態]
次に、
図12を参照して、
第2の参考実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。
図12は、
第2の参考実施形態による固体酸化物形燃料電池システムにおける熱交換器の断面図である。
【0044】
本参考実施形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、第1の流路90には、包囲手段としてのプレート状の包囲部材112が配設されている。この包囲部材112は、流出マニホールド98の外周面の下側を包囲するようにして第1の流路90に配設され、第1及び第2の仕切りプレート86,88の間にろう付け固定されている。
【0045】
このように流出マニホールド98の外周面の下側が包囲部材112によって覆われているので、上述した第2の実施形態と同様に、排ガス流入部76より流入された排ガスは、包囲部材112によって流出マニホールド98側に流れるのが抑えられ、高温の排ガスが流出マニホールド98の外周面に接触するのが抑制される。これにより、流出マニホールド98の内周上部104に溜まった空気が加熱されるのを抑制することができ、それ故に、流出マニホールド98内に缶石が発生するのを抑制することができ、流出マニホールド98に腐食割れが発生するのを抑制することができる。
【0046】
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの
一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0047】
なお、本発明の
一実施形態の技術(溜まり防止部材106)と
第1又は第2の参考実施形態の技術(包囲手段108,110,112)とを組み合わせて適用するようにしてもよい。