(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一目的は、輝度分布及び透過率を向上させることのできる表示装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は輝度分布及び透過率を向上させることのできる表示装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、上述の課題によって限定されるのではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で多様に拡張されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の本発明の一目的を達成するための表示装置は、下部基板、有機膜パターン、第1画素電極、誘電膜、及び第2画素電極を含む。前記下部基板は、スイッチング素子を具備する。前記有機膜パターンは前記下部基板上に配置され、画素領域に段差部を含む。前記第1画素電極は、前記画素領域の有機膜パターン上に配置される。前記誘電膜は前記第1画素電極上に配置される。第2画素電極は前記誘電膜上で前記第1画素電極と部分的に重畳する。
【0012】
例示的な実施形態によると、前記画素領域の有機膜パターンは、波形状または鋸刃状の構造を有することができる。
【0013】
例示的な実施形態によると、前記画素領域の有機膜パターンは、リセスまたはデントを含むことができる。
【0014】
例示的な実施形態によると、前記リセス(recess)またはデント(dent)はそれぞれラウンド状または傾斜した側壁を含むことができる。
【0015】
例示的な実施形態によると、前記第1画素電極及び前記誘電膜は、それぞれリセスまたはデントを含むことができる。
【0016】
例示的な実施形態によると、前記第2画素電極は、それぞれ前記誘電膜のリセスまたはデントに配置されることができる。
【0017】
例示的な実施形態によると、前記第2画素電極の上面は、それぞれ前記第1画素電極の最上部の上面より低い位置に配置されることができる。
【0018】
例示的な実施形態によると、前記第2画素電極は第1サブ電極及び第2サブ電極を含むことができる。前記第1サブ電極は、前記スイッチング素子に電気的に接続され、前記第2サブ電極は前記第1画素電極と部分的に重畳されることができる。
【0019】
例示的な実施形態によると、前記第1サブ電極は、前記誘電膜及び前記有機膜パターンを貫通するコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に接触することができる。
【0020】
例示的な実施形態によると、前記第1画素電極は、前記スイッチング素子と電気的に接続されることができる。
【0021】
例示的な実施形態によると、前記スイッチング素子は、前記下部基板上に形成されたゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極、及びドレイン電極を含むことができる。
【0022】
例示的な実施形態によると、前記表示装置は、前記第2画素電極上に配置される液晶層、前記液晶層上に前記下部基板に対向して配置される上部基板をさらに含むことができる。
【0023】
例示的な実施形態によると、前記下部基板は、データラインを含み、前記第1画素電極は前記データラインと重畳されることができる。
【0024】
例示的な実施形態によると、前記第1画素電極と該第1画素電極に隣接する前記第2画素電極との間には前記下部基板に対して水平する電界が生成されることができる。
【0025】
上述の本発明の他の目的を達成するための表示装置の製造方法において、下部基板上にスイッチング素子を形成する。前記下部基板上に、素子領域で前記スイッチング素子を覆って画素領域で段差部を有する有機膜パターンを形成する。前記画素領域の前記有機膜パターン上に第1画素電極を形成する。前記有機膜パターン上に前記第1画素電極を覆う誘電膜を形成する。前記誘電膜上に、前記第1画素電極と部分的に重畳される第2画素電極を含む第2画素電極を形成する。
【0026】
例示的な実施形態によると、前記画素領域の有機膜パターンは波形状または鋸刃状の構造で形成されることができる。
【0027】
例示的な実施形態によると、前記画素領域の有機膜パターンにはラウンド状のリセス、ラウンド状のデント、傾斜した側壁を有するリセス、または傾斜した側壁を有するデントが形成されることができる。
【0028】
例示的な実施形態によると、前記第2画素電極はラウンド状のリセス、ラウンド状のデント、傾斜した側壁を有するリセス、または傾斜した側壁を有するデントに形成されることができる。
【0029】
例示的な実施形態によると、前記有機膜パターンを形成することにおいて、前記下部基板上に前記スイッチング素子を覆う有機膜を形成する。前記有機膜を透過領域及び半透過領域を有するマスクを使って露光する。前記有機膜の露光された部分を部分的に除去する。
【0030】
例示的な実施形態によると、前記有機膜パターンを形成することにおいて、前記下部基板上に前記スイッチング素子を覆う有機膜を形成する。乾式エッチング工程を通じて前記画素領域の有機膜を部分的にエッチングする。
【発明の効果】
【0031】
上述のように、本発明に係る表示装置は、波形或いは鋸刃状の断面プロファイル(profile)を有する画素電極を含む。前記画素電極のモルフォロジー或いは幾何的な形態に起因して電極間の不均一な垂直電界が相殺され、水平電界を強化することができる。これによって、表示基板全体に渡って輝度分布が改善され、透過率を向上させることができる。付加的に前記画素電極のモルフォロジーを調節してデータラインとの寄生キャパシタンス(parasitic capacitance)を最小化し広視野角を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置を示す平面図である。
【
図3】
図2のA−A’線に沿って切断した断面図である。
【
図4】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
【
図5】本発明のまた他の例示的な実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
【
図6】本発明のさらに他の例示的な実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
【
図7】従来のPLSモードを有する液晶表示装置で形成されるフリンジフィールドを示すための断面図である。
【
図10】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図11】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図12】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図13】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図14】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図15】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図16】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図17】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図18】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図19】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図20】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図21】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図22】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図23】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図24】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図25】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図26】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図27】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図28】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図29】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図30】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図31】本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図32】従来のPLSモードで駆動する表示装置で画素電極及び共通電極の間に発生する電界を説明するためのグラフである。
【
図33】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の第1画素電極と第2画素電極との間で発生する電界を説明するためのグラフである。
【
図34】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の第1画素電極と第2画素電極との間で発生する電界を説明するためのグラフである。
【
図35】本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の第1画素電極と第2画素電極との間で発生する電界を説明するためのグラフである。
【
図36】
図32〜
図35を参照して説明した表示装置の各々に対する透過率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書に開示されている本発明の実施形態に対して、特定の構造的または機能的説明は、単に本発明の実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本発明の実施形態は多様な形態で実施することができ、本明細書に説明された実施形態に限定されるものではない。本発明は多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示して本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むと理解するべきである。
【0034】
本明細書において、第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、これらの構成要素がこのような用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、類似に第2構成要素も第1構成要素と命名することができる。ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、または「接続されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結されていたり、接続されていることも意味するが、中間に他の構成要素が存在する場合も含むと理解するべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、または「直接接続されて」いると言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないと理解すべきである。構成要素の間の関係を説明する他の表現、すなわち「〜間に」と「すぐに〜間に」または「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」等も同じように解釈すべきである。本明細書で使用した用語は単に特定の実施形態を説明するために使用したもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたのが存在するということを示すものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたものなどの存在または、付加の可能性を、予め排除するわけではない。
【0035】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含み、本明細書中において使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、一般的に理解するのと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書において定義する用語と同じ用語は関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと理解するべきで、本明細書において明白に定義しない限り、理想的或いは形式的な意味として解釈してはならない。
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。図面上の同一構成要素に対しては同一参照符号を使用し、同一構成要素に対しての重複した説明は省略する。
【0037】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る表示装置を示す平面図である。
【0038】
図1を参照すると、表示装置100は、下部基板110を含む。例示的な実施形態において、下部基板110は、表示領域DA、第1周辺領域PA1、第2周辺領域PA2、第3周辺領域PA3、及び第4周辺領域PA4を含むことができる。この場合、表示領域DAは、下部基板110の中央部に位置することができ、第1周辺領域〜第4周辺領域PA1、PA2、PA3、PA4は、それぞれ表示領域DAを取り囲む下部基板110の周辺部に配置されることができる。
【0039】
本発明の例示的な実施形態によると、表示装置100の表示領域DAには複数のゲートライン112及び複数のデータライン113が配置されることができる。ゲートライン112は、下部基板110上から第1方向に延びることができ、データライン113は下部基板110の上部から第2方向に沿って延びることができる。この時、前記第1方向は前記第2方向に対して実質的に直交することができる。即ち、データライン113はそれぞれのゲートライン112に対し実質的に直交する方向に沿って配列されることができる。
【0040】
表示装置100の第1周辺領域PA1にはゲートライン112の一側端部と連結されてゲート信号を提供する複数のゲートパッド114が配置されることができる。また、表示装置100の第2周辺領域PA2にはデータライン113の一側端部に連結されてデータライン113に提供される画像信号を伝達する複数のデータパッド115が位置することができる。
【0041】
上述のように、ゲートライン112及びデータライン113の交差により表示装置100の画素(pixel)が定義されることができる。表示装置100の画素のうち、いずれかの画素(A)を拡大して
図2に図示する。
【0042】
図2は
図1の「A」部分を拡大した平面図である。
【0043】
図2に図示したように、各ゲートライン112及びデータライン113の交差領域にはスイッチング素子125が配置される。表示装置100の各画素にはフリンジフィールド(fringe field)を発生させるための第1画素電極145及び第2画素電極170が配置される。第2画素電極170は第2サブ電極160bを含み、第2サブ電極160bはスリット(slit)構造またはグリッド(grid)構造を有することができる。例えば、表示装置100は、所定の間隔で離隔されるライン(line)状またはバー(bar)状で配列される複数の第2サブ電極160bを含むことができる。
【0044】
以下、スイッチング素子125が配置される領域を「素子領域」と称し、このような素子領域を除いた前記画素内の残り領域を「画素領域」と称する。
【0045】
図3は
図2のA−A’ラインに沿って切断した断面図である。具体的に
図3に図示した表示装置は、第1画素電極145が共通電極に提供されるMiddle−Com PLS構造に該当することができる。
【0046】
図1及び
図3を参照すると、表示装置100は下部基板110、下部基板110上に配置されたスイッチング素子125、第1画素電極145、及び第2画素電極170を含む。また、表示装置100は実質的に互いに交差して画素領域を定義するゲートライン112及びデータライン113を含む。ゲートライン112は下部基板110上から第1方向に延びることができ、データライン113は下部基板110の上部から前記第1方向に対して実質的に直交する第2方向に沿って延びることができる。
【0047】
スイッチング素子125は下部基板110上に順次に配置されたゲート電極121、ゲート絶縁膜120、活性層(active layer)122、ソース電極123、及びドレイン電極124を含む。
【0048】
ゲート電極121はゲートライン112と連結される。例示的な実施形態において、ゲート電極121は、ライン状またはバー状を有するゲートライン112から突出することができる。例えば、ゲート電極121は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)、銀(Ag)、これらの合金などを含むことができる。これらは単独または互いに組み合わせて使うことができる。
【0049】
ゲート絶縁膜120はゲートライン112及びゲート電極121を覆いながら下部基板110上に備わる。例えば、ゲート絶縁膜120は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)等のシリコン化合物を含むことができる。例示的な実施形態において、ゲート絶縁膜120は、単層構造または多層構造を有することができる。
【0050】
活性層122はゲート絶縁膜120上に備わる。例示的な実施形態によると、活性層122はアモルファスシリコンを含有する半導体層122a及びn+タイプでドーピングされたアモルファスシリコンを含む抵抗性接触層122bを含む多層構造を有することができる。他の例示的な実施形態によると、活性層122は不純物がドーピングされたシリコンからなる単層構造を有することもできる。
【0051】
これとは異なり、活性層122は低温ポリシリコン(low temperature poly silicon;LTPS)薄膜構造を有することもできる。前記LTPS薄膜は、電子移動度が速くて高集積化が可能であるため、画素の大きさが小さい場合、特に有効である。前記LTPS薄膜はアモルファスシリコン層を蒸着した後、それをレーザーアニーリング(laser annealing)工程等を通じて結晶化することによって形成することができる。
【0052】
以下においては、活性層122がアモルファスシリコンを含有する半導体層122a及びn+タイプでドーピングされたアモルファスシリコンを含む抵抗性接触層122bを具備する場合を例として説明する。
【0053】
活性層122上にはソース電極123及びドレイン電極124が配置される。ソース電極123はデータライン113と接続される。例えば、ソース電極123は、ライン状またはバー状を有するデータライン113から突出することができる。ドレイン電極124はソース電極123から前記第1方向に沿って離隔されることができる。例示的な実施形態によると、ドレイン電極124は第1サブ電極160aと電気的に接続される。ソース電極123及びドレイン電極124はそれぞれクロム、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン、銅、銀、これらの合金を含むことができる。これらは単独または互いに組み合わせて使うことができる。
【0054】
下部基板110の上部にはゲート絶縁膜120、スイッチング素子125の一部、及びデータライン113をカバーし、前記画素領域に段差部を含む有機膜パターン140が配置される。例示的な実施形態において、有機膜パターン140のうち、表示装置100の画素領域に位置する段差部を含む部分は、
図3に図示されたように、実質的に波形(wave)状を有することができる。即ち、前記画素領域に位置する有機膜パターン140には実質的にラウンド状(曲面状)のリセス(recess)またはデント(dent)が形成されることができる。このような有機膜パターン140は、エンボス(embossing)工程を通じて形成されることができる。有機膜パターン140は、アクリル系(acryl based)樹脂、ポリイミド系(polyimide based)樹脂、ベンゾシクロブテン(benzocyclobutene;BCB)等の透明絶縁物質を含むことができる。一方、有機膜パターン140は、素子領域でドレイン電極の一部を露出させるコンタクトホール140aを定義する。例示的な実施形態によると、コンタクトホール140aは、下部基板110に対して実質的に垂直する側壁を有することもでき、下部基板110に対して所定の角度に傾斜した側壁を有することもできる。
【0055】
再び、
図1及び
図3を参照すると、第1画素電極145は表示装置100の画素領域に位置する部分の有機膜パターン140上に備わる。例示的な実施形態において、第1画素電極145は有機膜パターン140の表面プロファイル(profile)に沿って配置されるために、有機膜パターン140の形状と実質的に同一であるか、または、実質的に類似する波形状を有することができる。即ち、第1画素電極145も複数の実質的にラウンド状のリセスまたはデントを含む構造を有することができる。例えば、第1画素電極145は、インジウム錫酸化物(indium tin oxide;ITO)、亜鉛錫酸化物(zinc tin oxide;ZTO)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide;IZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)等の透明導電性物質を含むことができる。例示的な実施形態によると、第1画素電極145は、上述の透明導電性物質で構成された単層構造または多層構造を有することができる。
【0056】
第1画素電極145を覆う誘電膜150が画素領域に位置する有機膜パターン140上に備わる。誘電膜150は前記画素領域で第1画素電極145の表面プロファイルに沿って配置されることができるため、誘電膜150も有機膜パターン140の段差構造から由来する実質的に波形状を有することができる。即ち、誘電膜150も複数のラウンド状のリセスまたはデントを含むことができる。誘電膜150は透明絶縁性物質で構成されることができる。例えば、誘電膜150は透明樹脂、透明プラスチックなどを含むことができる。
【0057】
第2画素電極170はコンタクトホール140aの内壁及び誘電膜150上に配置される。第2画素電極170はコンタクトホール140aの内壁上に位置してドレイン電極124に接触する第1サブ電極160a及び前記画素領域で第1画素電極145の一部と重畳するように配置される第2サブ電極160bを含む。
【0058】
本発明の例示的な実施形態によると、第2画素電極170は複数の第2サブ電極160bを含むことができる。この場合、第2サブ電極160bは、波形状を有する誘電膜150の溝部分(即ち、凹んだ部分、リセス、またはデント)に各々配置されることができる。第2サブ電極160bは誘電膜150上から前記第2方向に沿って延びることができ、例えば、スリット構造またはグリッド構造を有することができる。第2画素電極170は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛錫酸化物(ZTO)、亜鉛酸化物などのような透明導電性物質を含むことができる。また、第2画素電極170は、このような透明導電性物質からなる単層構造または多層構造を有することができる。
【0059】
一実施形態において、
図3に図示したように、第2画素電極170の第2サブ電極160bの上面は第1画素電極145の最上部の上面より実質的に低く位置することができる。
【0060】
図示はしていないが、例示的な実施形態に係る表示装置100は第2画素電極170と有機膜パターン140上に配置される液晶分子、第1画素電極145及び第2画素電極170の上部に配置される上部基板を具備することができる。この場合、前記上部基板の底面または上面上に特定の色光を具現するためのカラーフィルタが追加的に配置されることができる。
【0061】
図4は本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
【0062】
図1及び
図4を参照すると、下部基板110の上部に配置される有機膜パターン141のうち、表示装置100の画素領域に位置する部分は実質的に鋸刃状構造のような段差部を含むことができる。例えば、前記画素領域に位置する有機膜パターン141は、実質的に傾斜した側壁を有する複数のリセスまたはデントを含む構造を有することができる。これによって、第1画素電極146及び誘電膜151もそれぞれ有機膜パターン141の表面プロファイルに沿って実質的に傾斜した側壁を有するリセスまたはデントを含む鋸刃構造を有することができる。
【0063】
一実施形態において、
図4に図示したように、第2画素電極170の第2サブ電極160bの上面は第1画素電極146の最上部の上面より実質的に低く位置することができる。
【0064】
図5は本発明のまた他の例示的な実施形態に係る表示装置を示す断面図である。具体的に、
図5に図示した表示装置は第2画素電極171が共通電極に提供されるTop−Com PLS構造に該当することができる。
【0065】
図1及び
図5を参照すると、有機膜パターン142は表示装置100の画素領域で実質的にラウンド状のリセスまたはデントを含む波形状を有し、素子領域ではドレイン電極124の一部を露出させるコンタクトホール142aを定義する。
【0066】
第1画素電極147は、画素領域の有機膜パターン142及び素子領域のコンタクトホール142aの底面上に形成されてドレイン電極124と接触する。第1画素電極147を覆う誘電膜152が有機膜パターン142上に備わる。前記画素領域位置で第1画素電極147及び誘電膜152は、有機膜パターン142の表面プロファイルに沿って形成されるので、有機膜パターン142の段差構造から由来する実質的に波動構造を有することができる。
【0067】
第2画素電極171は、画素領域位置で実質的に波形状を有する誘電膜152の溝部分(即ち、リセスまたはデント)に配置されることができる。一実施形態において、第2画素電極171の上面は第1画素電極147の最上部の上面より実質的に低く位置することができる。
【0068】
図6は本発明のさらに他の例示的な実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
【0069】
図1及び
図6を参照すると、有機膜パターン143は、表示装置100の画素領域で実質的に傾斜した側壁を有するリセスまたはデントを含む鋸刃状の形状を有し、素子領域ではドレイン電極124の一部を露出させるコンタクトホール143aを定義する。
【0070】
第1画素電極148は、画素領域の有機膜パターン143及び素子領域のコンタクトホール143aの底面上に形成されてドレイン電極124と接触する。前記画素領域位置で第1画素電極148及び誘電膜153は、有機膜パターン143の表面プロファイルに沿って形成されるので有機膜パターン143の段差構造から由来する実質的に鋸刃状構造を有することができる。一実施形態において、第2画素電極171の上面は第1画素電極148の最上部の上面より実質的に低く位置することができる。
【0071】
図7は従来のPLSモードを有する表示装置に発生するフリンジフィールドを説明するための断面図である。
図8及び
図9は、本発明の例示的な実施形態によってそれぞれ
図3の「C」部分及び
図4の「D」部分から発生するフリンジフィールドを説明するための拡大断面図である。
【0072】
図7に図示したように、従来のPLSモードの表示装置では、平坦な表面を有する有機膜240上に第1画素電極245及び誘電膜250が次々と配置され、誘電膜250上にスリットパターン形態の第2画素電極270が備わる。
図7を参照すると、第1画素電極245と第2画素電極270との間でフリンジフィールドが形成され、点線で示したように隣接する第2画素電極270の間で垂直電界が不均一に集中することができる。このような不均一な垂直電界集中現象によって第2画素電極270上に配置される液晶分子(図示せず)の配向の制御が難しくなり、結局、従来の表示装置によって表示される画像全体にかけて輝度分布の分散が大きくなるという問題が発生する。
【0073】
図8及び
図9を参照すると、本発明の例示的な実施形態に係る表示装置は有機膜パターン140、141、第1画素電極145、146及び誘電膜150、151が、リセスまたはデントを含む実質的に波形状または実質的に鋸刃形状などのような構造を有することができる。ここで、前記表示装置の第2画素電極170の第2サブ電極160bは、それぞれ誘電膜150、151の溝部分(リセスまたはデント)に配置されることができる。第2サブ電極160bと部分的に重畳される第1画素電極145、146のモルフォロジー(morphology)或いは幾何学的形態に起因し、点線で図示したように隣接する第2サブ電極160b間に、下部基板に対して部分的な水平電界が発生し、これによって、不均一な垂直電界が相殺される効果を得ることができる。
【0074】
図8及び
図9に図示したように、本発明の一実施形態によると、第2画素電極の170の第2サブ電極160bの上面がそれぞれ第1画素電極145、146の最上部の上面より実質的に低く位置することができる。この場合、PLSモード、及び、画素電極と共通電極が下部基板に対して並んで配置されるIPS(In Plane Switch)モードの効果を同時に有することができる。
【0075】
具体的に、点線で図示したように、第2サブ電極160bの両側部に第1画素電極145、146が部分的に重畳されるということにより、第2サブ電極160bと第1画素電極145、146との間に発生する水平電界がより一層強化されることができる。従って、第1画素電極145、146と第2画素電極170との間に不均一に発生する垂直電界に対する相殺効果がより大きくなることができる。これによって、液晶テクスチャの制御を、より容易にすることができるので、前記表示装置が表示する画像の残像問題を防止することができる。
【0076】
さらに、有機膜パターン140、141の段差と、リセスまたはデントの傾斜角度とを調整することによって有機膜パターン140、141が実質的にレンズの機能を遂行することができるので、このような有機膜パターン140、141を通じて液晶分子の光学的屈折及び回折を調節して前記表示装置の視野角特性を改善することができ、画像の色感を望む水準に制御することができる。
【0077】
一方、本発明の例示的な実施形態によると、有機膜パターン140、141の段差を調節することによって、データライン113と第1画素電極145、146、及び/または、データライン113と第2サブ電極160bとの間の距離を調整することができる。これによって、データライン113と第1画素電極145、146、及び/または、データライン113と第2画素電極170との間の寄生キャパシタンスを最小化することによって第2画素電極170上に印加される電圧を最小化することができ、前記表示装置の消費電力を減少させることができる。
【0078】
また、
図8及び
図9を参照すると、第1画素電極145、146はデータライン113の上部にも位置することができる。即ち、第1画素電極145、146が、前記表示装置の画素領域の最外郭部まで拡張されることによって、前記表示装置の開口率及び透過率をより向上させることができる。
【0079】
図10〜
図23は、本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0080】
図10を参照すると、下部基板110上にゲート電極121及びゲートライン(図示せず)を形成する。下部基板110は透明絶縁基板を含むことができる。例えば、下部基板110はガラス基板、透明プラスチック基板、透明セラミック基板などから構成されることができる。例示的な実施形態において、下部基板110上に第1導電膜(図示せず)を形成した後、エッチング工程を通じて前記第1導電膜をパターニングし下部基板110上にゲート電極121と前記ゲートラインを形成することができる。前記第1導電膜はクロム、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン、銅、銀、これらの合金などを使うスパッタ法(sputtering)、化学気相蒸着工程(CVD)、プリンティング(printing)工程等を通じて形成されることができる。この場合、前記第1導電膜は二種類以上の導電性物質を含む多層構造から形成されることもできる。
【0081】
図11を参照すると、ゲート電極121及び前記ゲートラインをカバーしながら、下部基板110上にゲート絶縁膜120を形成する。例えば、ゲート絶縁膜120は、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)等を使用する化学気相蒸着法(CVD)工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程(PECVD)等を通じて形成されることができる。また、ゲート絶縁膜120は互いに異なる物質を含む多層構造で形成されることもできる。
【0082】
図12を参照すると、ゲート絶縁膜120上にアモルファス(amorphous)シリコン膜131、n+タイプでドーピングされたアモルファスシリコン膜133及び第2導電膜136を順次に形成する。例示的な実施形態において、アモルファス(amorphous)シリコン膜131とn+タイプのアモルファスシリコン膜133は、それぞれ化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程等を通じて形成されることができる。第2導電膜136はクロム、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン、銅、銀、これらの合金などを使用するスパッタ法(sputtering)、化学気相蒸着工程、プリンティング工程等を通じて形成されることができる。また、第2導電膜136は、二種類以上の導電性物質からなる多層構造で形成されることもできる。
【0083】
図13を参照すると、アモルファスシリコン膜131、n+タイプのアモルファスシリコン膜133、及び第2導電膜136をエッチングして、ゲート絶縁膜120上に、活性層122、ソース電極123、ドレイン電極124、及びデータライン113を形成する。例示的な実施形態において、第2導電膜136をエッチングしてソース電極123、ドレイン電極124、及びデータライン113を形成した後、アモルファス(amorphous)シリコン膜131及びn+タイプのアモルファスシリコン膜133を部分的にエッチングすることによって、前記表示装置の素子領域に活性層122を形成し、前記表示装置の画素領域に第1パターン134及び第2パターン135を形成することができる。前記素子領域の活性層122は、アモルファスシリコンを含む半導体層122a及びn+タイプのアモルファスシリコンを含む抵抗性接触層122bで構成される。前記画素領域の第1パターン134及び第2パターン135は、データライン113と下部基板110との間に形成される。
【0084】
本発明の例示的な実施形態によると、第2導電膜136、n+タイプのアモルファスシリコン膜133及びアモルファスシリコン膜131は2回以上のエッチング工程を遂行して順次にエッチングすることができる。これとは異なり、第2導電膜136、n+アモルファスシリコン膜133、及びアモルファスシリコン膜131は、ハーフトーン(halftone)マスクを使用して同時にエッチングされることもできる。
【0085】
下部基板110上でデータライン113及び前記ゲートラインが交差する領域中、前記素子領域にゲート電極121、ゲート絶縁膜120、活性層122、ソース電極123、及びドレイン電極124を含むスイッチング素子125が形成される。
【0086】
一方、図示はしていないが、活性層122は、アモルファスシリコン層を蒸着した後、それをレーザーアニーリング(laser annealing)工程等を通じて結晶化することによってLTPS薄膜構造を有するように形成することもできる。
【0087】
図14を参照すると、ゲート絶縁膜120上にスイッチング素子125の一部とデータライン113をカバーする有機膜パターン140を形成する。例示的な実施形態によると、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB)等の透明絶縁性物質をスピンコーティング(spin coating)工程、スリットコーティング(slit coating)工程等を通じて下部基板110の全面上に結果物をカバーする有機膜(図示せず)を形成する。データライン113と前記ゲートラインが交差する領域中、前記画素領域に位置する前記有機膜の一部に対してエンボス工程を実施して有機膜パターン140を形成する。例えば、前記有機膜上部に遮光領域、半透過領域、透過領域などを含むハーフトーンマスク(図示せず)または、ハーフトーンスリットマスク(図示せず)を位置させた後、前記ハーフトーンマスクまたはハーフトーンスリットマスクを利用して前記有機膜を露光させる。前記有機膜の露光された部分を現像液で除去することによって下部基板110の上部に有機膜パターン140を形成する。有機膜パターン140が形成されながら、素子領域位置ではドレイン電極124の一部を露出させるコンタクトホール140aが同時に形成される。コンタクトホール140aはそれぞれ下部基板110に対して実質的に垂直する側壁を有することもできるが、下部基板110に対して所定の角度に傾斜するように形成されることもできる。
【0088】
この場合、
図14に図示したように、有機膜パターン140は前記画素領域で実質的に波形状構造で形成されることができる。即ち、有機膜パターン140のうち、前記画素領域に位置する部分にラウンド状のリセス、ラウンド状のデントが形成されることができる。
【0089】
本発明の他の例示的な実施形態によると、前記有機膜工程の工程条件を調節して
図15に図示したように有機膜パターン141が実質的に鋸刃状構造で形成されることもできる。この時、前記画素領域に位置する有機膜パターン141の一部に傾斜した側壁を有するリセス、傾斜した側壁を有するデントなどが形成されることができる。例えば、乾式エッチング工程を利用して前記画素領域の有機膜を部分的にエッチングすることによって、傾斜した側壁を有するリセス、傾斜した側壁をデントなどを含む有機膜パターン141を形成することができる。一方、素子領域の有機膜を部分的にエッチングすることによって、ドレイン電極124の一部を露出させるコンタクトホール141aを同時に形成することができる。コンタクトホール141aは、それぞれ下部基板110に対し実質的に垂直する側壁を有することもできるが、下部基板110に対して所定の角度に傾斜するように形成されることもできる。
【0090】
図16を参照すると、有機膜パターン140上に第1透明電極層(図示せず)を形成した後、前記第1透明電極層のうち、前記素子領域に位置する部分をエッチングして有機膜パターン140上に第1画素電極145を形成する。前記第1透明電極層はインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物、亜鉛錫酸化物などのような透明導電性物質を使用するスパッタ法(sputtering)、化学気相蒸着工程、プリンティング工程等を通じて形成することができる。
【0091】
第1画素電極145は有機膜パターン140の構造と実質的に同一、または、実質的に類似する構造で形成されることができる。例えば、第1画素電極145はラウンド状のリセス、ラウンド状のデントを含む実質的に波形状構造で形成されることができる。
【0092】
本発明の他の例示的な実施形態によると、
図17に図示したように、有機膜パターン141が実質的に鋸刃状構造を有する場合、第1画素電極146も実質的に鋸刃状構造で形成されることができる。例えば、第1画素電極146は、傾斜した側壁を有するリセス、傾斜した側壁を有するデントなどを含むことができる。
【0093】
本発明の例示的な実施形態によると、第1画素電極145、146は、データライン113の上部、即ち、データライン113と重畳するように形成されることができ、これによって、前記表示装置の開口率及び透過率をより向上させることができる。
【0094】
図18を参照すると、第1画素電極145上に誘電膜150を形成する。誘電膜150は光を透過させることのできる絶縁物質を使用して形成されることができ、化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程等を通じて第1画素電極145上に形成されることができる。ここで、誘電膜150は第1画素電極145のプロファイルに沿って形成されるので、有機膜パターン140の構造に起因する実質的に波形状構造で形成されることができる。
【0095】
本発明の他の例示的な実施形態において、
図19に図示したように、有機膜パターン141が実質的に鋸刃状構造を有する場合には、前記画素領域に位置する第1画素電極146上で誘電膜151も実質的に鋸刃状構造で形成されることができる。
【0096】
以下、実質的に波形状構造を有する誘電膜150と、実質的に鋸刃状構造を有する誘電膜151上に後続部材を形成する工程とに対して説明する。
【0097】
図20及び
図21を参照すると、誘電膜150、151及びコンタクトホール140a、141aの内壁上に形成され、素子領域をカバーする第2透明電極層160、161を形成した後、第2透明電極層160、161上にフォトレジストパターン165を形成する。
【0098】
本発明の例示的な実施形態において、第2透明電極層160、161は、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物、亜鉛錫酸化物などの透明導電性物質を使用してスパッタ法(sputtering)、化学気相蒸着工程、プリンティング工程等を通じて形成されることができる。第2透明電極層160、161上にそれぞれフォトレジスト膜を形成した後、前記フォトレジスト膜をそれぞれ透過領域10と遮光領域12とを有するマスク167を利用して露光させる。このように露光されたフォトレジスト膜に対して現象工程を遂行して誘電膜150、151上にそれぞれフォトレジストパターン165を形成する。例えば、マスク167は、複数の遮光部12を含み、遮光部12の下に位置する前記フォトレジスト膜の部分は現象工程後、除去されず、第2透明電極160、161上にフォトレジストパターン165を形成することになる。
【0099】
図22及び
図23を参照すると、フォトレジストパターン165をエッチングマスクで使って、第2透明電極層160、161を部分的にエッチングすることによって、誘電膜150、151上にそれぞれ第2画素電極170を形成する。第2画素電極170の形成後、フォトレジストパターン165はアッシング(ashing)工程、及び/または、ストリップ(strip)工程を通じて除去されることができる。
【0100】
本発明の例示的な実施形態において、第2画素電極170はそれぞれコンタクトホール155の内壁上に形成されてドレイン電極124と接触する第1サブ電極160aと前記画素領域で第1画素電極145、146と対向する第2サブ電極160bとを含むことができる。例えば、
図22及び
図23に図示したように、第2サブ電極160bは実質的に波形状構造及び実質的に鋸刃状構造で形成された誘電膜150、151の溝部分(リセスまたはデント)に形成されることができる。これによって、上述のように、互いに対向する第2画素電極170の第2サブ電極160bと第1画素電極145、146との間で下部基板110に対して実質的に平行した方向にフリンジフィールドが生成されることができ、隣接する第2画素電極170間に生成される不均一な垂直電界を最小化することができる。
【0101】
一実施形態において、
図8及び
図9を参照して説明したように、第2画素電極170の第2サブ電極160bの上面が、それぞれ第1画素電極145、146の最上部の上面より低く位置するように形成されることもできる。
【0102】
図示はしていないが、下部基板110の周辺部にシーラント(sealant)を配置した後、下部基板110と、第1及び第2画素電極145、146、170に対向する上部基板とを結合して表示装置を製造することができる。この場合、液晶分子は下部基板110と前記上部基板の結合前後に下部基板110と前記上部基板との間の空間に注入することができる。また、前記上部基板及び/または、下部基板110に、スイッチング素子125に対応するブラックマトリックス、カラー画像を具現するためのカラーフィルタなどが配置されることができる。
【0103】
本発明の例示的な実施形態に係る表示基板の製造方法において、上述した工程と異なる順序の工程を含むこともできる。また、上述のように、有機膜パターン、第1画素電極、誘電膜などが実質的に波形状構造、実質的に鋸刃状構造を有するものと説明したが、これらの部材がこのような構造に限定されるのではない。例えば、隣接する画素電極の間で水平電界を強化し、垂直電界を相殺させるために適切な構造で形成されることができる。
【0104】
図24〜
図31は、本発明の他の例示的な実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図10及び
図23を参照しながら説明した工程と重複する部分に対する詳しい説明は省略する。
【0105】
図24を参照すると、
図10〜
図14を参照しながら説明した工程と実質的に同一または類似の工程を遂行して、下部基板110上にゲート絶縁膜、スイッチング素子125、及びデータライン113を形成する。以後、ゲート絶縁膜120上にデータライン113をカバーする有機膜パターン142を形成する。
【0106】
有機膜パターン142は、
図24に図示したように、画素領域位置においては、ラウンド状のリセスまたはデントを含む実質的に波形状構造で形成されることができ、素子領域ではドレイン電極124の一部を露出させるコンタクトホール142aが形成されることができる。
【0107】
他の実施形態において、
図25に図示したように、有機膜パターン143は画素領域で実質的に鋸刃状構造を有するように形成されることもできる。一方、素子領域ではドレイン電極124の一部を露出させるコンタクトホール143aが有機膜パターン143と共に形成されることができる。
【0108】
図26を参照すると、画素領域位置で有機膜パターン142上に形成され、コンタクトホール142aの底面上でドレイン電極124の一部と接触する第1画素電極147を形成する。例示的な実施形態によると、有機膜パターン142及びコンタクトホール142aの内壁上に第1透明電極層を形成する。前記第1透明電極層をフォトレジストパターンなどを使用した写真エッチング工程を通じて部分的にエッチングして、前記画素領域位置の有機膜パターン142上に備わり、ドレイン電極124の一部と接触する第1画素電極147を形成する。第1画素電極147は有機膜パターン142の形状により、ラウンド状のリセス或いはデントを含む実質的に波形状構造で形成されることができる。
【0109】
他の例示的な実施形態において、
図27に図示したように、有機膜パターン143が実質的に鋸刃状構造を有する場合、第1画素電極148も実質的に鋸刃状構造で形成されることができる。第1画素電極148はコンタクトホール143aの底面上でドレイン電極124の一部と接触するように形成されることができる。
【0110】
図28を参照すると、有機膜パターン142及び第1画素電極147上に誘電膜152を形成する。誘電膜152は画素領域では第1画素電極147のプロファイルに沿って形成されるので、有機膜パターン142の構造により実質的に波形状構造で形成されることができる。
【0111】
他の例示的な実施形態において、
図29に図示したように、有機膜パターン143が実質的に鋸刃状構造を有する場合、誘電膜153もやはり画素領域に位置する第1画素電極148上に実質的に鋸刃状構造で形成されることができる。
【0112】
図30及び
図31を参照すると、
図20〜
図23を参照しながら説明した工程と実質的に類似する工程を遂行して、誘電膜152、153上に第2画素電極171を形成する。本発明の例示的な実施形態において、
図30及び
図31に図示したように第2画素電極171は実質的に波形状構造及び鋸刃状構造で形成された誘電膜152、153の溝部分(リセスまたはデント)上に形成されることができる。
【0113】
これに従って、第1画素電極147、148と、第2画素電極171との間で、下部基板110に対して実質的に平行したフリンジフィールドが生成されることができ、隣接する第2画素電極171の間に生成される不均一な垂直電界を最小化することができる。
【0114】
一実施形態において、有機膜パターン142、143の段差を調節して、第2画素電極171の上面が第1画素電極147、148の最上部の上面より低く位置するように形成されることもできる。
【0115】
図示はしていないが、下部基板110の周辺部にシーラント(sealant)を配置した後、下部基板110と、第1及び第2画素電極147、148、171に対向する上部基板とを結合して表示装置を製造することができる。この場合、液晶分子は下部基板110と前記上部基板との間の空間に注入されることができる。前記上部基板、及び/または、下部基板110にスイッチング素子125に対応するブラックマトリックス、カラー画像を具現するためのカラーフィルタなどが配置されることができる。
【0116】
図32は従来のPLSモードの液晶表示装置で、画素電極と共通電極との間に発生する電界を説明するためのグラフである。
図33〜
図35は本発明の例示的な実施形態に係る表示装置の第1画素電極と第2画素電極との間で発生する電界を説明するためのグラフである。
【0117】
図32に図示したように、従来の液晶表示装置において、互いに水平するように配置された画素電極と共通電極との間では相対的に強い垂直電界が観察される。反面、
図33〜
図35に図示したように、本発明の例示的な実施形態に係る表示装置においては、隣接する画素電極の間で発生する垂直電界が顕著に弱まる反面、水平電界が相対的に強化されることが分かる。特に、前記表示装置の第1画素電極と第2画素電極との間の距離が減少するほど水平電界が増大する傾向を観察することができる。
【0118】
図36は、
図32〜
図35を参照して説明した表示装置の各々に対する透過率を示すグラフである。
【0119】
図36に図示したように、本発明の例示的な実施形態に係る
図33〜
図35の表示装置の場合、電圧が約4Vを越えると、従来のPLSモードの液晶表示装置(
図32)より透過率が向上されることが分かる。
【0120】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。