(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ジョブを実行すると共に、前記ジョブのプロセス情報として前記ジョブの開始時からの課金情報とチェックポイント時の課金情報とを管理する処理部を対象として、当該処理部の使用に応じて課金を行う情報処理装置であって、
前記処理部が実行中の前記ジョブの前記チェックポイントを採取し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を含むようにリスタートファイルを作成するチェックポイント採取手段と、
前記リスタートファイルに基づいて、前記ジョブの再開を行うリスタート手段と、
前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報に基づいて、前記ジョブの実行区間の課金情報を算出し、算出した前記実行区間の課金情報を、課金を行うための課金ファイルに書き出す課金情報復旧手段と
を備え、
前記リスタート手段は、
前記ジョブの再開時に、前記開始時からの課金情報を前記チェックポイント時の課金情報に複製し、
前記課金情報復旧手段は、
前記チェックポイントを採取した後に障害により前記ジョブの実行が中断され、前記チェックポイントから前記リスタート手段を用いてリスタートされた場合、前記リスタートファイルから前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を読み出し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報の差分を演算することにより、前記実行区間の課金情報を算出する
ことを特徴とする情報処理装置。
ジョブを実行すると共に、前記ジョブのプロセス情報として前記ジョブの開始時からの課金情報とチェックポイント時の課金情報とを管理する処理部を対象として、当該処理部の使用に応じて課金を行う情報処理装置の制御方法であって、
チェックポイント採取手段が、前記処理部が実行中の前記ジョブの前記チェックポイントを採取し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を含むようにリスタートファイルを作成する第1のステップと、
リスタート手段が、前記リスタートファイルに基づいて、前記ジョブの再開を行う第2のステップと、
課金情報復旧手段が、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報に基づいて、前記ジョブの実行区間の課金情報を算出し、算出した前記実行区間の課金情報を、課金を行うための課金ファイルに書き出す第3のステップと、
を備え、
前記第2のステップでは、
前記ジョブの再開時に、前記開始時からの課金情報を前記チェックポイント時の課金情報に複製し、
前記第3のステップでは、
前記チェックポイントを採取した後に障害により前記ジョブの実行が中断され、前記チェックポイントから前記リスタート手段を用いてリスタートされた場合、前記リスタートファイルから前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を読み出し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報の差分を演算することにより、前記実行区間の課金情報を算出する
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置では、オペレーティングシステムによって、ジョブが実行される。ジョブは、実行制御の単位である複数のプロセスから構成され、また、プロセスには、プロセスの実行に必要なプロセス情報を有している。そして、プロセス情報には、プロセスの実行時間などの課金に用いられる課金情報が含まれている。
【0003】
この課金情報は、オペレーティングシステムによって、プロセス終了時に処理され課金ファイルに書き出される。
【0004】
また、一般に、オペレーティングシステムでは、障害や、緊急ジョブの実行などの理由で、ある時点のジョブの実行に必要な情報をファイルに格納しておき、理由が解除された後に、その時点からジョブを再開する機能を提供している。この機能は、チェックポイントリスタート機能という。
【0005】
そして、チェックポイントリスタート機能の実行情報をファイルに格納することをチェックポイントといい、実行情報を格納するファイルをリスタートファイルという。また、ジョブの実行を再開することをリスタートという。
【0006】
このチェックポイントには、終了型チェックポイントと、継続型チェックポイントと呼ばれる2つの種類がある。終了型チェックポイントは、チェックポイントの採取後にジョブは実行を終了させるものである。継続型チェックポイントは、チェックポイントの採取後にジョブの実行を再開するものである。
【0007】
緊急ジョブを実行するために実行中のジョブを停止させたり、保守時にジョブを停止させるためには終了型チェックポイントが有効である。一方、ジョブ実行中のシステム障害に備えてチェックポイントを採取する場合、リスタート処理の必要ない継続型チェックポイントが有効である。
【0008】
また、ジョブの課金については、チェックポイントリスタート機能により、通常、ジョブの実行を複数回に分けて実行する。このため、ジョブ停止時に複数回に分けて実行されたジョブ全ての課金情報を書き出す場合と、複数回に分けて実行する度にそれぞれの実行分の課金情報を書き出す場合との2通りの方法が一般的である。
【0009】
このようなジョブの課金について、例えば、チェックポイントリスタート機能によりシステム障害発生時にチェックポイントから再実行されるジョブの課金を行うチェックポイントリスタートジョブ課金方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1のようにジョブの終了時にジョブ全体の課金情報を出力する方法では、ジョブが終了する前に必要データを出力してチェックポイントを採取し、リスタートを行わなかった場合、すなわち、ジョブが正しく終了しなかった場合(例えば、ハードウェア障害で、停止後にリスタートしなかった場合)、課金情報が採取できないという問題がある。この問題は解決が難しいため、課金情報をジョブ停止時に複数回に分けて実行する度にそれぞれの実行分の課金情報を書き出す方法の方が優れているといえる。
【0012】
しかしながら、課金情報をジョブ停止時に複数回に分けて実行する度にそれぞれの実行分の課金情報を書き出す方法でも、継続型チェックポイントでは、チェックポイントによるジョブ停止がないので、ジョブ終了前にハードウェア障害が発生すると、チェックポイントからリスタートした場合に、その実行区間におけるチェックポイントの採取時点までの課金情報が採取できないという問題がある。
【0013】
一方、特許文献1のように終了型チェックポイントだけを採取して、ジョブの停止の度に課金情報を採取していれば採取漏れは起きないが、終了型チェックポイントは、継続型チェックポイントに比べてオーバーヘッドが大きく、ジョブ実行時間が長くなり、情報処理装置の負荷が高くなるという問題がある。
【0014】
本発明は以上の点を考慮してなされたものであり、正確な課金情報を採取し得る情報処理装置及びその制御方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる課題を解決するために本発明は、ジョブを実行すると共に、前記ジョブのプロセス情報として前記ジョブの開始時からの課金情報とチェックポイント時の課金情報とを管理する処理部を対象として、当該処理部の使用に応じて課金を行う情報処理装置であって、前記処理部が実行中の前記ジョブの前記チェックポイントを採取し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を含むようにリスタートファイルを作成するチェックポイント採取手段と、前記リスタートファイルに基づいて、前記ジョブの再開を行うリスタート手段と、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報に基づいて、前記ジョブの実行区間の課金情報を算出し、算出した前記実行区間の課金情報を、課金を行うための課金ファイルに書き出す課金情報復旧手段とを備え、前記リスタート手段は、前記ジョブの再開時に、前記開始時からの課金情報を前記チェックポイント時の課金情報に複製し、前記課金情報復旧手段は、前記チェックポイントを採取した後に障害により前記ジョブの実行が中断され、前記チェックポイントから前記リスタート手段を用いてリスタートされた場合、前記リスタートファイルから前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を読み出し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報の差分を演算することにより、前記実行区間の課金情報を算出することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、ジョブを実行すると共に、前記ジョブのプロセス情報として前記ジョブの開始時からの課金情報とチェックポイント時の課金情報とを管理する処理部を対象として、当該処理部の使用に応じて課金を行う情報処理装置の制御方法であって、チェックポイント採取手段が、前記処理部が実行中の前記ジョブの前記チェックポイントを採取し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を含むようにリスタートファイルを作成する第1のステップと、リスタート手段が、前記リスタートファイルに基づいて、前記ジョブの再開を行う第2のステップと、課金情報復旧手段が、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報に基づいて、前記ジョブの実行区間の課金情報を算出し、算出した前記実行区間の課金情報を、課金を行うための課金ファイルに書き出す
第3のステップとを備え、前記第2のステップでは、前記ジョブの再開時に、前記開始時からの課金情報を前記チェックポイント時の課金情報に複製し、前記第3のステップでは、前記チェックポイントを採取した後に障害により前記ジョブの実行が中断され、前記チェックポイントから前記リスタート手段を用いてリスタートされた場合、前記リスタートファイルから前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を読み出し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報の差分を演算することにより、前記実行区間の課金情報を算出することを特徴とする。
【0017】
従って、障害により課金ファイルに書き出されなかった実行区間の課金情報を算出して書き出すことが可能であるため、ジョブ全体の漏れのない実行区間の課金情報を採取して課金ファイルに書き出すことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、正確な課金情報を採取し得る情報処理装置及びその制御方法を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0021】
図1は、本実施形態の情報処理装置1のハードウェア構成を例示する図である。情報処理装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)2(処理部)、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、記憶部5、入力部6、表示部7及び入出力インタフェース8など、通常のコンピュータ装置と同様のハードウェアを備えて構成されている。ここで、例えば、記憶部5は、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置である。
【0022】
情報処理装置1は、物理的には、専用化したシステム、あるいは汎用のコンピュータ装置のいずれであっても良い。例えば、一般的な構成のコンピュータ装置において、本発明の情報処理装置1における各処理は、規定した処理を行うアプリケーションプログラムを呼び出すことによって実現することもできる。
【0023】
図2は、本実施形態の情報処理装置1の機能的構成を例示する図である。情報処理装置1は、主にCPU2が、ROM3やRAM4に格納されるオペレーティングシステム200やその他のプログラムを呼び出して、各ハードウェアを制御することによって、次の各手段を実現する。すなわち、情報処理装置1は、機能的には、少なくとも、チェックポイント採取手段201、リスタート手段202、課金情報算出手段203及び課金情報復旧手段204を備えて構成されている。また、情報処理装置1は、RAM4や記憶部5を用いて、課金ファイル301及びリスタートファイル302を格納する。
【0024】
情報処理装置1は、オペレーティングシステム200により、複数のジョブ401を実行管理する。ジョブ401は、実行の単位である複数のプロセス402から構成される。プロセス402は、実行に必要なプロセス情報403を有している。プロセス情報403は、課金ファイルに書き出すための情報である課金情報404及びチェックポイント時課金情報405を有している。
【0025】
チェックポイント手段201は、実行中のジョブ401のチェックポイントを採取し、ジョブ401をチェックポイントからリスタートするために必要な情報をリスタートファイル302に書き出す処理を行う手段である。
【0026】
リスタート手段202は、リスタートファイル302からジョブ401の実行に必要な情報を取り出し、ジョブ401の再開を行う手段である。
【0027】
課金情報算出手段203は、情報処理装置1のCPU2の使用区間などに応じて課金情報404を上昇させて課金する。また、課金情報算出手段203は、プロセス402の実行が終了すると、実行区間の課金情報を算出し、課金ファイル301に書き出す。
【0028】
課金情報復旧手段204は、リスタートファイル302におけるプロセス情報403のうち、ジョブ401の開始からの課金に関する情報である課金情報404及びチェックポイント時の課金情報404が複製されるチェックポイント時課金情報405に基づいて、課金ファイル301に書き出されていない実行区間の課金情報(以下、未採取課金情報と呼ぶ)を算出し、課金ファイル301に書き出す手段である。
【0029】
次に、
図3を用いて、本実施形態の情報処理装置1の動作について詳細に説明する。
【0030】
図3は、あるジョブ401(以下、第1のジョブ401と呼ぶ)の実行経緯を例示する図である。オペレーティングシステム200は、所定のタイミングで第1のジョブ401の実行を開始する(1)。また、課金情報算出手段203は、課金情報404の課金を開始する。チェックポイント手段201は、第1のジョブ401を一定時間実行した後に、継続型チェックポイントを採取する(2)。
【0031】
このとき、チェックポイント手段201は、リスタートファイル302を作成する。この時点の課金情報404はプロセス情報403に含まれるため、チェックポイント手段201は、これらの情報もリスタートファイル302に格納する。チェックポイント手段201は、チェックポイント時課金情報405も同様に格納するが、1回目のチェックポイントの採取であるため、この時点のチェックポイント時課金情報405の値は、「0」である。
【0032】
オペレーティングシステム200は、チェックポイント手段201が継続型チェックポイントを採取したため、第1のジョブ401の実行を中断せず処理を継続しているが、ハードウェア障害により第1のジョブ401の実行が中断される(3)。この場合、CPU2を使用した区間は実行区間1であるが、実行区間1の課金情報は、ハードウェア障害により課金ファイル301に書き出されていないため、採取することができない。
【0033】
ここで、チェックポイント手段201が第1のジョブ401のリスタートファイル302を作成していたため、オペレーティングシステム200は、(2)の時点から第1のジョブ401の再開が可能である。しかしながら、(2)の時点から再開した場合、第1のジョブ401の実行としては、実行区間3においてCPU2を使用したことになるが、実行区間3の課金情報は、課金ファイル301に書き出されていないため採取することができず、未採取課金情報となる。
【0034】
このため、課金情報復旧手段204は、リスタートファイル302から課金情報404及びチェックポイント時課金情報405を読み出し、その差分を演算することにより未採取課金情報を算出し、課金ファイル301に書き出す。この場合、チェックポイント時課金情報405の値が「0」であるため、実質的に課金情報404の値が課金ファイル301に書き出される。
【0035】
そして、リスタート手段202は、第1のジョブ401の実行を再開する(4)。再開時に、リスタート手段202は、課金情報404(実行区間3の課金情報)をチェックポイント時課金情報405に複製する。課金情報算出手段203は、再開後の第1のジョブ401の実行において、課金情報404のみに課金する。
【0036】
課金算出手段203は、第1のジョブ401の実行終了時点で(5)、課金情報404から、チェックポイント時課金情報405を減算することにより、実行区間2の課金情報を算出し、課金ファイル301に書き出す。
【0037】
このようにして、情報処理装置1では、ハードウェア障害で課金ファイル301に書き出されなかった未採取課金情報(実行区間3の課金情報)を算出して書き出すことが可能であるため、第1のジョブ401全体の漏れのない実行区間の課金情報を採取して課金ファイル301に書き出すことができる。
【0038】
すなわち、情報処理装置1では、リスタートファイル302から、未採取課金情報を取り出し、課金ファイル301に書き出すことにより、ハードウェア障害により一部の課金情報が書き出されなかった場合でも、第1のジョブ401が実行した区間全ての課金情報を採取して課金ファイル301に書き出すことができる。
【0039】
また、情報処理装置1では、継続型チェックポイント採取時に、ハードウェア障害時に備えて常に課金情報404を採取して課金ファイル301に書き出す方式に比して、CPU2のリソースの無駄を未然かつ有効に防止して、効率的にCPU2のリソースを使用することができる。
【0040】
(他実施形態)
図4は、終了型チェックポイントを含むジョブ401の実行経緯を例示する図である。
オペレーティングシステム200は、所定のタイミングであるジョブ401(以下、第2のジョブ401と呼ぶ)の実行を開始する(1)。また、課金情報算出手段203は、課金情報404の課金を開始する。チェックポイント手段201は、第2のジョブ401を一定時間実行した後に、終了型チェックポイントを採取する(2)。
【0041】
このとき、チェックポイント手段201は、リスタートファイル302を作成する。この時点の課金情報404はプロセス情報403に含まれるため、チェックポイント手段201は、これらの情報もリスタートファイル302に格納する。チェックポイント手段201は、チェックポイント時課金情報405も同様に格納するが、この時点のチェックポイント時課金情報405の値は「0」である。
【0042】
また、課金情報算出手段203は、終了型チェックポイントなので、この時点で第2のジョブ401の実行を中断し、課金情報404(実行区間1の課金情報)を課金ファイル301に書き出す。
【0043】
続いて、リスタート手段202は、第2のジョブ401の実行を再開する(3)。再開時に、リスタート手段202は、課金情報404をチェックポイント時課金情報405に複製する。課金情報算出手段203は、再開後の第1のジョブ401の実行では課金情報404のみに課金する。
【0044】
続いて、チェックポイント手段201は、第2のジョブ401を一定時間実行した後に、今度は継続型チェックポイントを採取する(4)。
【0045】
このとき、チェックポイント手段201は、リスタートファイル302を作成する。この時点の課金情報404はプロセス情報403に含まれるため、チェックポイント手段201は、これらの情報もリスタートファイル302に格納する。チェックポイント手段201は、チェックポイント時課金情報405も同様に格納するが、2回目のチェックポイントの採取であるため、この時点のチェックポイント時課金情報405の値は、「実行区間1の課金情報の値」である。
【0046】
オペレーティングシステム200は、チェックポイント手段201が継続型チェックポイントを採取したため、第1のジョブ401の実行を中断せず継続しているが、この後、ハードウェア障害により第1のジョブ401の実行が中断される(5)。この場合、CPU2を使用した区間は実行区間1及び実行区間2である。実行区間1の課金情報は終了型チェックポイント採取時に課金ファイル301を書き出されているが、実行区間2の課金情報は、ハードウェア障害により課金ファイル301に書き出されていないため、ハードウェア障害により採取することができない。
【0047】
ここで、チェックポイント手段201が第2のジョブ401のリスタートファイル302を作成していたため、オペレーティングシステム200は、(4)の時点から第2のジョブ401の再開が可能である。しかしながら、(4)の時点から再開した場合、第2のジョブ401の実行としては、実行区間4においてCPU2を使用したことになるが、実行区間4の課金情報は、課金ファイル301に書き出されていないため採取することができず、未採取課金情報となる。
【0048】
このため、課金情報復旧手段204は、リスタートファイル302から課金情報404及びチェックポイント時課金情報405を読み出し、その差分を演算することにより未採取課金情報を算出し、課金ファイル301に書き出す。この場合、チェックポイント時課金情報405の値が「実行区間1の課金情報の値」であるため、リスタートファイル302に格納されている実行区間1及び実行区間4の課金情報からチェックポイント時課金情報405(実行区間1の課金情報)を減算した未採取課金情報(実行区間4の課金情報)の値が課金ファイル301に書き出される。
【0049】
そして、リスタート手段202は、第2のジョブ401の実行を再開する(6)。再開時に、リスタート手段202は、課金情報404(実行区間1及び実行区間4の課金情報)をチェックポイント時課金情報405に複製する。課金情報算出手段203は、再開後の第1のジョブ401の実行では課金情報404のみに課金する。
【0050】
課金算出手段203は、第2のジョブ401の実行終了時点で(7)、課金情報404から、チェックポイント時課金情報405を減算することにより、実行区間3の課金情報を算出し、課金ファイル301に書き出す。
【0051】
このようにして、情報処理装置1では、終了型チェックポイント及び継続型チェックポイントをあわせて実行した場合においても、ハードウェア障害で課金ファイル301に書き出されなかった未採取課金情報(実行区間4の課金情報)を算出することが可能なうえ、第2のジョブ401全体の漏れのない実行区間の課金情報を採取して課金ファイル301に書き出すことができる。
【0052】
以上のように、本発明は、ジョブ401の実行がチェックポイントによって中断される毎にチェックポイント時課金情報405を採取し、継続型チェックポイントを採取した後でハードウェア障害が発生した場合に、課金漏れのない課金情報を採取する。
【0053】
この場合、ジョブ401は複数のプロセス402から構成されるが、このプロセス403のプロセス情報403の中にチェックポイント時点課金情報405を格納する。このチェックポイント時課金情報405は、プロセス情報403の一部であるため、リスタートファイル302にも格納される。
【0054】
そして、継続型チェックポイントを採取した後のジョブ実行でハードウェア障害になったジョブ401をリスタートする場合は、リスタートファイル302から課金情報404及びチェックポイント時課金情報405を読み出し、その差分を演算することにより未採取課金情報を算出し、課金ファイル301に書き出す。
【0055】
従って、継続型チェックポイントを採取した後でハードウェア障害が発生した場合に、課金漏れのない課金情報を採取して課金することができる。
【0056】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0057】
(付記1)ジョブを実行すると共に、前記ジョブのプロセス情報として前記ジョブの開始時からの課金情報とチェックポイント時の課金情報とを管理する処理部を対象として、当該処理部の使用に応じて課金を行う情報処理装置であって、前記処理部が実行中の前記ジョブの前記チェックポイントを採取し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を含むようにリスタートファイルを作成するチェックポイント採取手段と、前記リスタートファイルに基づいて、前記ジョブの再開を行うリスタート手段と、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報に基づいて、前記ジョブの実行区間の課金情報を算出し、算出した前記実行区間の課金情報を、課金を行うための課金ファイルに書き出す課金情報復旧手段とを備え、前記リスタート手段は、前記ジョブの再開時に、前記開始時からの課金情報を前記チェックポイント時の課金情報に複製し、前記課金情報復旧手段は、前記チェックポイントを採取した後に障害により前記ジョブの実行が中断され、前記チェックポイントから前記リスタート手段を用いてリスタートされた場合、前記リスタートファイルから前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を読み出し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報の差分を演算することにより、前記実行区間の課金情報を算出することを特徴とする情報処理装置である。
【0058】
(付記2)ジョブを実行すると共に、前記ジョブのプロセス情報として前記ジョブの開始時からの課金情報とチェックポイント時の課金情報とを管理する処理部を対象として、当該処理部の使用に応じて課金を行う情報処理装置の制御方法であって、チェックポイント採取手段が、前記処理部が実行中の前記ジョブの前記チェックポイントを採取し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を含むようにリスタートファイルを作成する第1のステップと、リスタート手段が、前記リスタートファイルに基づいて、前記ジョブの再開を行う第2のステップと、課金情報復旧手段が、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報に基づいて、前記ジョブの実行区間の課金情報を算出し、算出した前記実行区間の課金情報を、課金を行うための課金ファイルに書き出す課金情報復旧手段とを備え、前記第2のステップでは、前記ジョブの再開時に、前記開始時からの課金情報を前記チェックポイント時の課金情報に複製し、前記第3のステップでは、前記チェックポイントを採取した後に障害により前記ジョブの実行が中断され、前記チェックポイントから前記リスタート手段を用いてリスタートされた場合、前記リスタートファイルから前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報を読み出し、前記開始時からの課金情報及び前記チェックポイント時の課金情報の差分を演算することにより、前記実行区間の課金情報を算出することを特徴とする情報処理装置の制御方法である。