特許第5791202号(P5791202)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5791202電子機械ドライバおよびコンピュータ制御能力を有する遠隔外科器具アタッチメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791202
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】電子機械ドライバおよびコンピュータ制御能力を有する遠隔外科器具アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   A61B17/11 310
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-162086(P2013-162086)
(22)【出願日】2013年8月5日
(62)【分割の表示】特願2009-281052(P2009-281052)の分割
【原出願日】2001年2月21日
(65)【公開番号】特開2014-12178(P2014-12178A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2013年8月5日
(31)【優先権主張番号】09/510,927
(32)【優先日】2000年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501289751
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ピー. ホイットマン
【審査官】 川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−108347(JP,A)
【文献】 特開平05−337119(JP,A)
【文献】 特開平06−007357(JP,A)
【文献】 特開平10−305042(JP,A)
【文献】 特開2000−014634(JP,A)
【文献】 米国特許第05772597(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科システムであって、前記外科システムは、
トルク生成要素と、
前記トルク生成要素を制御するプロセッサ要素と、
第1の端部において、前記トルク生成要素に結合されたトルク伝達部材と、
少なくとも1つの選択的に移動可能な要素と、少なくとも1つの回転可能な駆動シャフト(206)とを含む外科アタッチメントであって、前記少なくとも1つの回転可能な駆動シャフト(206)は、前記トルク伝達部材の第2の端部に解放可能に結合されるように構成されており、前記外科アタッチメントは、前記トルク伝達部材および前記少なくとも1つの回転可能な駆動シャフト(206)を介して前記トルク生成要素によって選択的に移動可能である、外科アタッチメントと
を含み、
前記外科アタッチメントは、センサ機構を含み、前記センサ機構は、前記外科アタッチメントを包囲する環境の少なくとも1つの特徴に対応するデータを感知し、前記データを前記プロセッサ要素に提供するように構成されており、前記プロセッサ要素は、前記データに応じて、前記トルク生成要素によって生成されたトルクの量を制御する、外科システム。
【請求項2】
前記外科アタッチメントは、ステープル器具(200)である、請求項1に記載の外科システム。
【請求項3】
前記ステープル器具(200)は、
アンビル部(202)と、
前記アンビル部(202)に結合されたハウジング(204)と
を含み、
前記少なくとも1つの選択的に移動可能な要素は、前記アンビル部(202)および前記ハウジング(204)のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の外科システム。
【請求項4】
前記アンビル部(202)および前記ハウジング(204)は、前記アンビル部(202)と前記ハウジング(204)との間に配置された組織のセクションをステープル留めするように、互いに対して移動可能である、請求項3に記載の外科システム。
【請求項5】
前記センサ機構は、前記組織のセクションが前記アンビル部(202)と前記ハウジング(204)との間に配置されたときに、前記組織のセクションの状態に対応するデータを感知し、提供するように構成されている、請求項4に記載の外科システム。
【請求項6】
前記センサ機構は、パルス酸素濃度計(150)を含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項7】
前記センサ機構は、組織近位検出器(150)を含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項8】
前記外科アタッチメントを包囲する環境の少なくとも1つの特徴に対応する前記データを表示するように構成されたディスプレイ装置(142)をさらに含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項9】
前記センサ機構は、選択的に起動可能である、請求項1に記載の外科システム。
【請求項10】
前記トルク伝達部材は、可撓性シャフト(134)内に収容された回転可能な駆動シャフト(136)を含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項11】
前記可撓性シャフト(134)は、前記トルク生成要素に結合されている、請求項10に記載の外科システム。
【請求項12】
前記可撓性シャフト(134)は、第2の端部において、前記外科アタッチメントの端子に結合されている、請求項11に記載の外科システム。
【請求項13】
前記可撓性シャフト(134)が、前記第2の端部において、前記外科アタッチメントの前記端子に結合されたときに、前記トルク伝達部材は、前記少なくとも1つの選択的に移動可能な要素に結合させられる、請求項12に記載の外科システム。
【請求項14】
前記外科アタッチメントの識別情報を格納するように構成されたメモリユニット(154)をさらに含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項15】
前記識別情報は、前記外科アタッチメントの寸法、直径、形状、長さ、ステープル装置のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の外科システム。
【請求項16】
前記外科アタッチメントの状態情報を格納するように構成されたメモリユニット(154)をさらに含む、請求項1に記載の外科システム。
【請求項17】
前記状態情報は、前記外科アタッチメントの機能性および使用履歴のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の外科システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
関連出願に関する引照
本願は「吻合、ステープルおよび切除器具に使用するための電子機械ドライバ装置」の名称に係る同時係属の米国特許出願第09/324452号の一部係属出願である(代理人整理番号第P101)。
【0002】
発明の分野
本発明は、概ね、情報を送信しかつ情報を受信する電子機械ドライバを含み、それにより外科器具アタッチメントを制御する医療器具に関し、かつより具体的には電子機械ドライバと外科器具アタッチメント間を中継する遠隔管理および情報を提供するために採用される機構に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術の説明
まず最初に、本発明は外科分野において多くの使途を有することが理解されるべきである。この開示は、従って、ここに記載の特定医療または外科用途により本発明の範囲を限定するものとして読むべきでない。かかる特定医療または外科用途はその結果かつ/または外科効率を向上させるために本発明を使用できる使途例を解説するために説明されているにすぎないからである。特に、本開示は大腸外科に使用される形態に関し、かつ特に吻合、切除およびステープル器具に関する。しかし本発明は婦人外科、心臓血管外科、および全体的外科の分野において他の外科用途に適用できる。
【0004】
胃腸管における癌または他の異常組織の確認の上で外科的介入がしばしば処方される。癌外科の分野、更に具体的には、癌または他の異常組織を含む胃腸管の部位を切除する外科処置は複数の独自設計の器具を含む。現存器具およびその機能の説明と共に、この外科処置における技術状況について説明する。
【0005】
胃腸癌を如何に処置するかを決定するときに回答されなければならない第一の質問は癌組織の特定場所に関する。これは現在の技術で提供される器具が胃腸管へどの程度まで挿入できるかに関して限界がある限り非常に重要である。癌組織が、例えば、大腸上まで拡がっている場合、提供されている標準器具は使用不可能であり、そのために特別の収容能力(順応性)が求められる。この収容能力は概ね腸管内容物による周囲組織の汚染の危険を増大し、手術時間を長引かせかつ対応する麻酔時間を必要とし、かつ機械化された装置の使用から生じる精確な吻合およびステープルの利益を消去する。
【0006】
更に具体的には、癌組織が現在の器具によりアクセスできる大腸内の位置にある場合、患者の腹部が最初に切開されて腸管を露出させる。外科医は、そこで、直線カッタおよびステープル装置を使用して癌組織側の大腸の管を切断し、それにより腸管による二つのステープル端(肛門へ向かう遠位端と小さい腸に接近した近位端)を形成する。これは、汚染を一時的に最小限にするために行なわれる。
【0007】
外科医はそこで近位端を開きかつ吻合およびステープル器具の除去可能アンビル部202を露出された近位端へ挿入する。この工程は、外科手術の残部と同様に、この外科器具の機能に関係する。更に詳細には、図1に関し、外科医は最初に器具30を取り、かつハンドル34のベースでダイアル32を手により回転させ、反対端のアンビル頭部36部を前進させる。続いて外科医はアンビル頭部36が最遠位置へ前進するまでダイアル32を回転させる。この手動回転は略30回の全回転を必要とする。完全に伸張したときに、その器具のアンビル頭部はそこから分離して連結ポストがそこから外方へ延びるように近位端の部分的開口部へ挿入される。この近位端の部分的開口部は次いで縫合閉鎖される。次に吻合およびステープル器具30の延長シャフト38は、連結ステム40がステープルにより吻合された遠位端へ侵入するまで、肛門を横切って下大腸へ前進挿入される。そこで、外科医はアンビルの連結端とシャフトを共に結合させ、再度ハンドル内のダイアルを手で回転させる。このとき、アンビル頭部はシャフトの端42に接近する。
【0008】
アンビル頭部とシャフトが接近したならば、外科医はダイアルを手により30回回転させてからハンドル内のグリップ形トリガ44を手動操作する。この操作により円形ブレード46がシャフトの先端から軸方向へ前進して、アンビル36の反対面48と接触する。ブレードは大腸の近位端および遠位端のステープルにより閉鎖された端部を切断し、それにより大腸の近位部および遠位部に新たに一対の端部を切断する。切断された組織はシャフトの端で内部内に保持される。
【0009】
切断に伴う係止工程において、新鮮開口端は一連のステープル50により共に結合される。このとき、ステープル50はシャフトの先端の周辺の孔へ前進する(アンビルの反対面により付勢されかつ閉鎖される)。連結されたシャフトとアンビルはそこで患者から取り除かれる。
【0010】
従来技術のこのような多くの装置と同様に、これらの装置の全てが完全に廃棄可能であり、かつ実際に一回使用後に廃棄されている。これらの装置は複雑であり、手動可動部を有し、実質的構造的一体性を必要とし、かつそのために製造コストが高い。かかる装置が一回使用でありかつ再使用部が無いと言うことはかかる装置の使用を高価にしかつ資源消費である。
【0011】
かかる欠点に加えて、上述の説明から理解されるように、従来技術による装置は克服すべきことが望まれる他の多くの限界を有する。限界は吻合およびステープル器具の剛性かつ長いシャフト(装置により処置できる胃腸管の部を制限する)にあり、同様に外科医に多くの異なる機能の手動操作(吻合およびステープル器具のダイアルおよびトリガ、切断およびステープル器具の多数のトリガに関する操作)を要求することにある。
【0012】
従って、本発明の課題は、器具の再使用を可能にして資源消費を節減し、大腸へ更に深く挿入でき、かつ操作がより簡単である、大腸外科に使用できる切断、吻合、およびステープル用の器具を提供することにある。
【0013】
大腸外科の分野における実質的進歩は、本願と同一発明者により発明され、本願と同一の出願人に譲渡された、発明の名称「An electromechanical driver device for use with anastomosing, stapling, and resecting instruments」に係る米国特許出願第09/324452号に開示されている。この出願の明細書はここに全部が参考として組み込まれる。
【0014】
特に、本願と同一の発明者によるこの先行発明はハンドル形ベースユニットに取り付けられる電子機械ドライバ組立体を含み、この組立体は、ハンドル内で首尾よく制御される一連の操縦ワイヤによって遠隔操作できる可撓性シャフトへ連結されかつ遠隔外科アタッチメントを意図している。
【0015】
第一に、ハンドル構成要素および可撓性シャフトに関して説明する。ハンドルはピストルグリップ形設計であり、一つまたはそれ以上、好ましくは二つのフィンガを有し、それぞれが独立に少なくとも一つに連結され、かつ好ましくは二つの、各々が分離した可撓性駆動シャフトを回転する独立に回転する分離モータを有する(更に詳細に後述する)。モータは各々が二方向モータであり、かつハンドルの先端に取り付けられた手動駆動スイッチに連結され、それにより使用者は各モータの回転方向を選択的に変えることができる。モータ構成要素に加えて、ハンドルは更に幾つかの他の特徴を含む。即ち、(1)遠隔状態表示器、(2)シャフト操縦手段、および(3)少なくとも一つの付加的電気供給源を含む。
【0016】
可撓性シャフトは管状シース、好ましくては組織適合性および殺菌性のある(即ち、オートクレーブに耐えるように充分に被覆されている)単純な弾性材により形成される。弾性シースで、各々がその管内で回転できる可撓性駆動シャフトを含む一対の相対的に小さい固定管が設けられている。可撓性駆動シャフトは、それ自体、簡単にトルクをハンドル内のモータからシャフトの遠位端へ伝達でき、かつ外科医が患者の大腸へ「蛇行させる」必要があると考えるときに曲折、傾斜、湾曲等のできる可撓性を有する。上述したように、ハンドルに取り付けられた手動作動可能操縦手段に関連して、シースは更に少なくとも二セットの可撓性操縦ワイヤを含むが、遠位端近くでシースの内面に連結されている。操縦ワイヤは、操縦手段の操作により相互に対して軸方向に移動でき、その運動によってシースは曲折かつ湾曲する。
【0017】
上述した同時係属出願中の発明の名称「An electromechanical driver device for use with anastomosing,
stapling, and resecting instruments」に開示の一つの外科器具アタッチメントを参照すると、吻合およびステープルアタッチメントはアンビル部、およびステープル、ブレードおよび容器部を含み、上記シャフト要素の駆動構成要素に連結可能な一対の回転駆動シャフト、およびその回転駆動シャフトに取り付けられた対応する対の前進かつ後退ナットを含むが、回転が阻止されかつ従って回転時に駆動シャフトに沿って直線状に前進かつ抗体する。
【0018】
アンビル部はは弾丸形態であり、鈍い鼻先部、底部にフラットな切断支持面、およびその底面から軸方向に延びた自由に回転する連結ポストを有する。この連結ポストは選択的に連結可能でありかつ回転駆動シャフトの一つに取り付けられた対応するナットから取り外し自在である。
【0019】
ステープル、ブレードおよび容器(SBR部)は円筒状であり、中空内部を有するハウジングを形成している。この中空内部は容器を形成する。ハウジングの円筒壁の軸方向外方に対面する面上には、一連のステープルポートがあり、このステープルポートから装置のステープルが放出される。一連のステープルドライバが、ステープルをそこから駆動するために、ステープルポート下の円筒壁内に取り付けられている。ブレードは同様に円筒状であり、ハウジング内でその壁の内面に対して固定されている。ブレードおよびステープルドライバは共に第二ナットへ取り付けられ、ナットは他の回転駆動シャフトへ取り付けられている。回転駆動シャフトが回転するときに、ナット(これは回転に対して拘束されている)は駆動シャフトに沿って前進し、そのようにしてブレードおよびステープルドライバを直線状に前進させる。従って、ブレードおよびステープルドライバは、ハンドル上適宜トリガの作動により、ハウジングから軸方向外方へ選択的に前進可能である。
【0020】
上記引照出願に記載の好適形態において、アンビル部およびSBR部は更に、ハンドルのLCD表示器に連結された電磁センサ機構を含み、このセンサは二つの部が安全ステープル発射に必要な程度まで相互に接近したときに作動し、それにより外科医は大腸内に設置されたアタッチメントの状態について遠隔認識することができる。
【0021】
上述した吻合、ステープルおよび切除外科処置に使用される従来技術装置について認識されている問題は、外科医が患者の大腸内の状態を遠隔受信することのできる最良表示に関する。例えば、大腸の再結合された端が身体控へ腸管内容部が漏れ出す孔を含まないように、外科医は連結された組織が連続的封鎖リングを形成しているかを知ることが重要である。かかる失敗による術後感染率は合併症の第一原因でありかつしばしば深刻でありかつ死亡率の第一原因である。
【0022】
処置を行なう外科医が認識しなければならない関連事項は再封鎖された組織の進行中の生存能力に関する。頻繁に起きる術後問題は、ステープルリングがあまりにきつく組織を圧迫して必要な血液の流れを阻止する場合に発生しやすい組織壊死に関する。光りベースで機械的に測定された距離を表示する単純な手段がこれらの問題を解消するには不十分である。従来技術装置は操作されている組織の状態に関する情報を外科医が測定しかつ使用できる手段、およびより一層積極的な結果を確実にする器具を提供していない。
【0023】
この問題、即ち、装置の作動と同時に外科処置の成功に重要な情報の収集、表示、および自動的動作の影響操を提供する遠隔制御外科器具の欠如は、上述の特定事例に限らない。むしろ、この欠如は外科器具全般にわたることである。
【0024】
従って、本発明の基本的課題は、遠隔制御され、かつ情報収集センサ、通信およびプロセス能力、情報記憶能力、および使用者かつ/または遠隔決定実行システムが器具を制御しかつ収集かつ中継された情報に従ってアタッチメントの特徴を作動させるために選択できる表示手段を含む外科アタッチメントを提供することにある。
【0025】
本発明の他の課題は、以下に記載、および図面に関する好適実施形態の詳細説明に従って認識されるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
発明の概要
本発明の上記課題は、電子機械ドライバ、可撓性シャフト、および遠隔アタッチメント内のセンサおよびメモリユニットに可撓性シャフト内のケーブルを介して連結されるハンドル内に取り付けられたコントローラプロセッサユニットを含む遠隔外科アタッチメントにより提供される。更に詳細には、従来技術の説明で上述した腸管外科吻合、切除、およびステープルアタッチメントに関し、本発明はその出願に関連して説明される。特に、吻合、切除およびステープルアタッチメントに取り付けられたセンサおよびメモリユニットに関して、使用されるセンサはパルス酸素濃度計である。
【0027】
第一に、上述のごとく、本発明は好適には三つの構成要素を含む装置のサブシテスムとして具体化される。三つの構成要素は、(1)電子機械ドライバ、(2)可撓性シャフト、および(3)吻合、切除およびステープルアタッチメントである。
【0028】
第一に、電子機械ドライバに関し、ハンドルはピストルグリップ形設計であり、可撓性シャフト内に取り付けられた駆動シャフトを回転させるモータを独立に起動させる少なくとも二つのフィンガ操作可能トリガを有する。ハンドルは更にハンドル内でプロセッサユニットに連結された遠隔状態表示器を含む。この表示器は視覚、聴覚、または電気出力(分離ディスプレイ装置に出力する)を提供する。ハンドルおよび可撓性シャフトは、本願と同一の譲受人に譲渡された発明の名称「A carriage assembly for controlling a steering wire steering mechanism within a flexible shaft」に係る同時係属米国特許出願第・・・・号に更に詳細に記載されたジョイステック、またはトラックボール等操縦手段を管理するための手動操作可能操縦手段を含むハンドルを取り付けたモータ駆動シテスムにより制御される操縦ワイヤで構成されるシャフト操縦手段を含む。この米国特許出願の記載は参考として本明細書に組み込まれる。
【0029】
電子機械ドライバのこの形態において、ドライバ構成要素はコントローラ構成要素に一体化される。電子機械ドライバ他の形態はコントローラユニットから物理的に分離したドライバユニットを含んでよい。即ち、ドライバユニットは前記モータおよび前記操縦手段を含み、かつコントローラユニットは前記トリガ、前記遠隔状態表示器、および前記手動操作可能操縦手段を含んでよい。コントローラユニット構成要素は、例えば赤外線、無線波、他の電磁波、または超音波等のワイヤレストランスミッションによりドライバユニット構成要素と通信する。かかる形態において、例えば、ドライバユニットは外科医の腕が達しないところに設置されてよく、かつコントローラユニットは患者および外科医に近い可撓性シャフトの部に選択的に連結可能であってよい。更に、電子機械ドライバ組立体の付加的実施形態は、二つ以上の分離ユニットを含んでよく、かつかかるユニットは各々が前記分離構成要素の一つまたはそれ以上を収容し、全てが上述したようにワイヤレス手段により連絡すると理解されるべきである。例えば、前記遠隔状態表示器は外科医が着用するマスク(visor)に取り付ける第三ユニットの一部であってよい。更に、前記構成要素間の全連絡はかかる他の実施形態においてワイヤレス手段により行なわれてよい。
【0030】
第二、可撓性シャフトに関し、この可撓性シャフトは管状シース、好適には組織適合性および殺菌性(オートクレーブに耐えるように被覆された)のある簡単な弾性材料により形成される。弾性シース内には一対の固定管が設けられ、その各々がその管内で回転できる可撓性駆動シャフトを含む。上述したように、ハンドル内に取り付けられる操縦手段に関連して、管状シースは更に少なくとも二つの可撓性操縦ワイヤを含むが、遠位端近くでシースの内面に連結されている。更に、可撓性シャフトは、ハンドル内のプロセッサおよびコントローラ手段に遠位に取り付けられる外科アタッチメントを接続するために、少なくとも一つの電線、および対応する接続端子を各端に含む。
【0031】
第三に、吻合、切除およびステープルアタッチメントに関し、本発明の特徴を含む他の多くの外科アタッチメントの一例を次に説明する。このアタッチメントは選択的に前進可能かつ後退可能をアンビル部、およびステープル、ブレード、センサおよび容器部を含む。後者のステープル、ブレード、センサおよび容器部はアンビル部を前進および後退運動をさせるために必要な駆動ユニット、およびステープルおよびブレードを組織へ駆動する起動要素を含む。これらの駆動要素は前記シャフト要素の駆動構成要素に連結自在である。ステープル、ブレード、センサおよび容器部には、同様に、パルス酸素濃度計センサおよび組織近位センサ、同様に可撓性シャフトに連結後にハンドル内のプロセッサユニットにより検索されてよい重要な確認情報を含むメモリユニットが含まれている。
【0032】
上述したように、可撓性シャフトに最初に連結されるときに(ハンドルユニットに永久的に連結されるものとして以下に説明する)、そしてハンドルが印加されたときに、最初に内部で行なわれる動作として、ハンドル内のプロセッサユニットはアタッチメント内のメモリユニットにその同一性と状態を照会する。更に詳細には、吻合、切除およびステープルアタッチメントが異なる直径、形状、長さ、およびステープル装置になるときに(多くの他の潜在的変形と同様に)、これらはハンドル取り付けられたプロセッサユニットにより容易に読み取り可能であり、かつハンドルに連結された遠隔ディスプレイパネル上またはハンドルそれ自体内に一体的に含まれたディスプレイスクリーン上に使用者のために表示される。
【0033】
アタッチメントの状態は、例えば、アタッチメントの機能について、かつ既に使用されたか否か、従って第二回目の発射は不可能であるかが照会される。
【0034】
この情報が収集されかつアタッチメントが適正なものであることが決定されたときに、アタッチメントを利用する外科工程が続けられる。特に、アンビル先端は駆動モータおよびハンドルの駆動要素、シャフト、およびアタッチメントの作動により前進する。この場合、アタッチメントはアタッチメントの残部から手動で分離されてよい。適宜開口部が予備カットにより形成され、かつ腸管のステープルによる閉鎖近位端およびアタッチメントのアンビル先端がそこに設置される。アタッチメントの残部および可撓性シャフトの適宜長が直腸から腸管へ挿入され、アタッチメント連結シャフトは先にカットされた小さい開口部および腸管部のステープルにより閉鎖された遠位端へ前進する。
【0035】
再結合後に、アンビル部は、二つの部がステープル発射に適当な範囲内にあることを機械的に決定するまで、ステープルにより吻合する部へ向かって工程する。この時に、医師である使用者はステープルを簡単には遠隔発射できない。のロックアウト特徴は、外科医がハンドル内のプロセッサユニットにより組織近位切除およびアタッチメント内のパルス酸素濃度計に照会して、ステープルにより共に吻合される組織が完全に連続したリングを形成していることかを決定するときまで、プロセッサユニットにより維持される。そのようにして腸管の管状部が適正に機械的に結合される。この測定は光学的、または他の適宜手段によって行なわれてよく、それにより介入組織によって閉塞される信号の送信は対峙センサにより受信される。この照会の結果はハンドル内のプロセッサユニットへ送信され適宜分析が行なわれる。その照会がネガティブな分析結果である場合には、その状態を外科医に警告する表示器の光照射、音による警報、または他の適宜警報手段が設けられる。プロセッサは、また、外科医による意図的オーバライド(override)を防止するためにステープル機構を外す(例えば、駆動機構の電源を外すことにより)。
【0036】
前記照会がポジテブ応答である場合には、外科医が腸管の部位を安全に結合するかを決定するための連続試験が続いて行なわれる。特に、ハンドル内のプロセッサはパルス酸素濃度計を起動して結合されるべき組織部位内の血液量が適正レベルであるかを照会する。上述したように、ステープルによる処置が結合された組織の部位へ必要な血液供給を遮断する効果を伴う場合には、壊死領域が腸管に拡がり、かつ合併症が発生する(これは致命的である)。この照会の結果はハンドル内のプロセッサへ中継される。再度、この情報の処理結果が否定的である場合には、プロセッサがモータ組立体を停止させるので外科医はステープルを機械的に発射できない。
(項目1) イ)第一端部および第二端部を有する可撓性シースを含み、かつ少なくとも1つの可撓性トルク伝達部材および少なくとも1つの電子接続ワイヤが配置された可撓性シャフト、
ロ)前記少なくとも1つの可撓性トルク伝達部材は前記シースの第一端部で外科アタッチメントに、そして前記第二端部でドライバ要素に連結可能である、
ハ)前記外科アタッチメントは
i)少なくとも1つの選択的可動要素を含み、前記可動要素は前記可動要素が前記トルク移動部材に沿ったトルクの提供に応答して選択的に移動するように前記トルク移動部材に連結される、
ii) 起動信号によって選択的に起動するときに前記アタッチメントを周囲の環境の少なくとも1つの特徴に関するデータを感知しかつ提供するための少なくとも1つの選択的に起動するセンサ機構を含み、
iii) 前記センサ機構に連結された前記アタッチメントは少なくとも1つの送受信機構を更に含み、かつ前記少なくとも1つの電気接続ワイヤは前記起動した信号を受信し、かつ前記接続ワイヤに沿って前記センサデータを送信する、かつ
ニ) 前記ドライバ要素は
i) 前記トルク移動部材に連結されたトルク発生機構、および
ii) 起動された信号を送信し、前記センサデータを受信し、それを分析し、かつその分析に従って前記トルク発生機構によりトルクの適用を制御するために前記少なくとも1つの電気接続ワイヤに接続されたプロセッサ要素を含む、
電子機械ドライバ、可撓性シャフト、および外科アタッチメント組立体。
(項目2) 前記外科アタッチメントは吻合、切除、およびステープル器具を含む、項目1に記載の電子機械ドライバ組立体。
(項目3) 前記起動自在センサはパルス酸素濃度計を含む、項目1に記載の電子機械ドライバ組立体。
(項目4) 前記起動自在センサは組織近位検出器を含む、項目1に記載の電子機械ドライバ組立体。
(項目5) 前記ドライバ要素のプロセッサ素子はディスプレイ手段に接続されている、項目1に記載の電子機械ドライバ組立体。
(項目6) イ)電子機械ドライバ、
ロ)医療器具の少なくとも一部を取り囲む環境の特徴の少なくとも一つの特徴および医療器具の少なくとも一つの特徴に関するデータを感知かつ送信できるセンサ組立体、
ハ)前記データを受信しかつ前記データに対応して前記電子機械ドライバを制御できるプロセッサ
ニ) 前記電子機械ドライバにより駆動されるアプリケーション要素を含む医療器具。(項目7) 前記センサ組立体は前記プロセッサ素子により送信された起動信号を受信できかつそれにより起動する、項目6に記載の医療器具。
(項目8) 前記電子機械ドライバはトルク発生機構を含み、かつ前記アプリケーション要素は前記トルク発生機構と機械的に連絡する選択的可動要素である、項目6に記載の医療器具。
(項目9) 前記電子機械ドライバ、前記センサ組立体、前記プロセッサ素子、および前記アプリケーション要素の少なくとも一つはアタッチメント部に収容され、かつ前記電子機械ドライバ、前記センサ組立体、前記プロセッサ素子、および前記アプリケーション要素の残部は前記アタッチメント部が取り付けられかつ取り外されることのできる主部に収容され、前記アタッチメント部が前記主部に取り付けられるときに、前記データの送信、前記データの受信、前記制御、および前記駆動が可能である、項目6に記載の医療器具。(項目10) 前記電子機械ドライバおよび前記プロセッサ素子は前記主部内に収容され、かつ前記センサ組立体および前記アプリケーション要素は前記アタッチメント部に収容されている、項目9に記載の医療器具。
(項目11) 前記プロセッサ素子に接続され、かつ前記プロセッサ素子により受信されたデータの特徴の少なくとも一つおよび前記電子機械ドライバの前記プロセッサ素子の制御の特徴の少なくとも一つを通報できる警報素子を更に含む、項目6に記載の医療器具。(項目12) 前記センサ組立体はパルス酸素濃度計を含む、項目6に記載の医療器具。(項目13) 前記センサ組立体は組織近位検出器を含む、項目6に記載の医療器具。
(項目14) 前記プロセッサ素子は前記電子機械ドライバの起動を素子できる、項目6に記載の医療器具。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来技術の吻合、切除およびステープル器具の側斜視図である。
図2】本発明のハンドルおよび可撓性シャフトの側断面図である。
図3】本発明の特徴である吻合、切除、感知およびステープル吻合アタッチメントの側断面図である。
図4】本発明の特徴を示すプロセッサのロジックシーケンス、センサ、および機械的運動を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の他の特徴および特色は続く好適形態の詳細説明に更に詳細に説明されている。
【0039】
好適実施形態の詳細説明
以下に、特定実施形態を示す添付図面を参照して本発明を外科使用方法に関して更に詳細に説明するが、当業者がここに記載の発明を変更できかつこの発明の機能および効果を達成できることは最初に理解されるべきである。従って、次の説明は特定構造の図解例であり、本発明の広義の範囲における特徴および特色と理解されるべきであり、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。説明を通して同様参照番号は同様要素の類似の特徴を示す。
【0040】
ここで図2を参照すると、電子機械ドライバ100に関して、このドライバはハンドル部102、および可撓性駆動シャフト部104を有する。ハンドル102はは外科作業員による把持を容易にするように形成された部を含む。例えば、図示形態において、ハンドル102はピストルグリップ形部106を含む。ピストルグリップ形部106は少なくとも二つ、この実施形態において、二つの独立のフィンガ操作可能トリガ108a,108bを含む。フィンガ操作可能トリガ108a,108bはハンドル102の内部に収容された分離モータ110,112に独立に連結されている。各モータ110,112は分離の可撓性駆動シャフトを回転させる(更に詳細に後述する)。
【0041】
更に具体的には、モータ110,112に関して、その各々は二方向モータである。フィンガ操作可能スイッチ即ちフィンガ操作可能トリガに連結されることに加えて、モータ110,112は各々独立に動力源114(本実施形態においては共通動力源である)および手動駆動スイッチ116に接続されている。手動駆動スイッチ116は、外科医作業員が選択的に各モータの回転方向を変更できるように、ハンドル102の先端上に設けられている。好適形態において、モータ110,112に供給する動力源114は単一直流電流を供給する除去可能かつ再充電可能バッテリパックである。二方向直流電流源または単一遠隔交流電流源(米国標準交流電流120ボルト,60ヘルツの壁アウトレット等)を含む他の動力源が他の実施形態に関して使用できることが理解されるべきである。ドライバ装置が交流電流で使用できる場合、変圧器はモータ110,112と電源間に含まれるか、または更に高度な中間ギア組立体がモータ110,112と延長回転駆動シャフトとの間に設けられてよい。
【0042】
モータ110,112および連結ささた動力および駆動スイッチ要素に加えて、ハンドル102は更にモータ駆動シャフト操縦キャリッジ組立体を含み、このキャリッジ組立体は手動入力手段に接続され、手動入力手段は可撓性駆動シャフト122の遠位端を選択的に操縦するために可撓性シャフト内で操縦ワイヤに連結されている。
【0043】
ハンドル102は、また、プロセッサ素子140および出力ディスプレイ装置142(ハンドルの外部に取り付けられた)を含む。プロセッサ素子140およびディスプレイ装置142は各々が電気的に動力源に接続されて電力を提供してそれらの運動を実行させる。そのプロセッサユニットおよびディスプレイ素子は同様に相互に接続されていて、ディスプレイ素子は発生した信号出力のプロセッサによる表示を可能にする。プロセッサユニットは、更に、電気ケーブル144を介して可撓性シャフト122の遠位端で入力端子146に接続されている。
【0044】
更に詳細には、可撓性シャフト122に関し、このシャフトは単純な組織適合性を有する弾性材料により形成される管状シース128を含む。この装置が再使用されることが想定されているときには、その材料は殺菌性(即ち、オートクレーブに耐えるように充分に被覆されている)を有することが重要である。図示形態は連続的ハンドル102とシャフト122を有するが、当業者は分離ハンドルおよびシャフトを有する他の形態を提供できかつ他の目的から異なるシャフト長が可能であることを理解するであろう。かかる事例において、可撓性シャフト122およびハンドル102の両部はシャフトの近位端とハンドルの遠位端間に、その駆動構成要素の連結手段を含むインターフェースを含むべきである。
【0045】
特にシャフト122の駆動要素130a,130bに関し、弾性シース128内で各々が可撓性駆動シャフト136a,136bを含む対応する一対の相対的に小さい固定管134a,134bを有し、可撓性駆動シャフト136a,136bは対応する固定管134a,134b内で回転可能である。可撓性駆動シャフト122はそれ自体簡単にトルクをハンドル内のモータからシャフト122の遠位端138a,138bへ伝達でき、かつ外科医が患者の大腸へ「蛇行させる」必要があると考えるときに曲折、傾斜、湾曲等のできる可撓性を有する。例えば、駆動シャフトは織成スチール繊維ケーブル、高引っ張り強度を有するポリマー材料、または充分な可撓性を有する単一金属シャフトを含んでよい。
【0046】
駆動シャフト136a,136bの遠位端138a,138bを吻合、切除、ステープルアタッチメント等のアタッチメントに連結するために、駆動シャフトの遠位端138a,138bはトルクの連続的伝達を可能にする適性を有するものでなければならない。図示実施形態において、この連結は幾何学的取り付け、そして更に詳細には、駆動シャフトの遠位端が六角形であり、それによりアタッチメントの連結インターフェース内の六角形凹部に適合する。好適形態において、アタッチメントおよび駆動シャフトの遠位端はカラー、または駆動シャフトの遠位端へのアタッチメントの取り付けを促進するために、他の整合手段を含む。
【0047】
更に、駆動シャフトはハンドル102に連結された端から外科アタッチメントに連結される端まで延びた電気ワイヤ144を含む。駆動シャフトの第一端はプロセッサユニットに接続される入力端子を含む。第二端は外科アタッチメントの対応する電気入力/出力に接続するための端子を含む(更に詳細に後述する)。
【0048】
次に図3を参照して、吻合およびステープルアタッチメント200の好適形態を説明する。このアタッチメントはアンビル部202、およびステープル、ブレード、センサおよび容器(SBSR)部204を含み、ステープル、ブレードセンサおよび容器(SBSR)部204は図2を参照して上述したドライバ構成要素の駆動構成要素136a,136bに連結可能の一対の回転駆動シャフト206a,206b、およびトラック内で回転駆動シャフトに取り付けられた対応する一対の前進・後退部材208a,208bを含み、それにより回転を阻止し、かつ従って回転するときに駆動シャフト206a,206bに沿った直線的前進および後退する。アンビル部202は一連の光り検出器を含む。SBSR部はパルス酸素濃度計および組織近位センサ150,152およびメモリおよび信号送信および受信部材154を含み、信号送受信部材は図示された電気カプラ158により対応する端子で可撓性シャフトに接続されている。
【0049】
アンビル部202は弾丸形態であり、鈍い鼻先部210、底部にフラットな切断支持面2212、およびその底面から軸方向に延びた連結ポスト214を有する。この連結ポスト214は直線トラック内に取り付けられた第一前進後退部材208aに取り付けられ、それにより駆動シャフト206aの回転によって前進後退部材208aおよびそれに接続されたアンビル部202を軸方向へ移動させるが、回転させない。SBSRに対向するアンビル部202の面の外面は一連の発光ダイオード154を含む。
【0050】
ステープル、ブレード、センサおよび容器(SBSR)部204は円筒状であり、中空内部216を有するハウジングを形成している。この中空内部は容器を形成する。ハウジングの円筒壁220の軸方向外方に対面する面218上には、一連のステープルポートがあり、このステープルポートを通って装置のステープル224が放出される。単一ブレード・円筒ステープルドライバ構成要素226はハウジング内に固定されている。周辺パルス酸素濃度計150がステープルポートに半径方向で隣接して、ハウジング内でハウジングの外側リム上に取り付けられている。パルス酸素濃度計は特定周波数の光りを組織の一部に照射して光りの吸収量を測定する単純な装置である。酸素処理(添加)した血液が酸素処理されていない血液と異なる色であることから、組織へ新鮮血液の量がこの装置により決定される。従って、パルス酸素濃度計はハウジング部材の周辺リムまわりに取り付けられ、アンビルそして光りセンサ152上に一連の発光素子154を含む。図示されたように、パルス酸素濃度計の構成要素はアンビル部202の連結ポートへワイヤにより電気的に接続される。
【0051】
更に、アタッチメントは組織近位センサ152を含み、その一部はパルス酸素濃度計150およびステープルポートに半径方向で隣接して、ハウジングの外リムに同様に取り付けられる。更に、組織近位検出器152はアンビル部202上に一連の単純な発光素子154(例えば、パルス酸素濃度計の発光素子と同様の発光素子)、およびハウジング部材の周辺リムまわりに取り付けられた対応する一連の光り検出器を含む。近位センサにおいて、アンビル部202とハウジング間に設置するために支持される組織が存在する場合、近位センサの光り検出器は信号(または少なくともセットされたスレッショルド未満の信号)を受信しないか、または組織がない場合には、光り検出器は相対的により強力な信号を受信し、その光りの伝達を閉塞する組織が存在しないことを示す。
【0052】
更に詳細には、ブレードおよびステープルドライバ構成要素は二つの同心円筒部を有する単一要素を含む。ブレード部228は中空内部216内でその内壁230に対して固定されている。ステープルドライバ部232はSBSR部の壁239内に固定され、かつステープルポート内に取り付けられたステープルを付勢する一連の外方へ突出した突起を含む。
【0053】
ブレード部228およびステープルドライバ部232はその内部端で回転シャフト206bのまわりに固定されたねじ切り(threaded)部材208bへ連結されている。ねじ切り部材208bはブレード・ステープルドライバ構成要素が回転シャフト206bの回転によって直線状に前進するように直線トラック内に拘束されている。
【0054】
図4のフローチャートを参照すると、本発明によるアタッチメントおよび連結されるコントローラの特徴は大腸の除去されるべき部位が切除されかつ隣接する腸管の両端がステープルにより閉鎖されたときに使用されることである。外科医は吻合、切除、感知およびステープルアタッチメント200を可撓性シャフトの遠位端に接続することから開始する。ハンドルユニット内のプロセッサはアタッチメント内のメモリ素子に照会しかつ確認情報を要求する。アタッチメントは寸法、状態、および機能情報を含む要求された情報を送信する。ハンドル内のプロセッサは外科医使用者による視覚検査のためにこの情報をディスプレイパネルに出力する。プロセッサは更に外科医がアタッチメントから受信した情報が受容できるか否か(即ち、未使用であり機能するか否か)に対応してドライバ手段を起動させるか否かを設定する。
【0055】
受信した確認情報が受容できる場合には、外科医は電子機械ドライバを掃引してアンビル部202を最も遠くへ前進させる。そこでアンビル部202は第一前進後退部材208から分離しかつ腸管のステープルにより吻合された近位端へ挿入される(腸管のステープルにより吻合された近位端はそこでアンビル頭部を部分的に受けるために開放する)。腸管の近位端(基端)はそこで縫合閉鎖される。外科医はそこで大腸上にアタッチメントのシャフト206aおよびSBSR部204を前進させて、大腸のステープルにより吻合された遠位端へ侵入させる。(選択的に、外科医は大腸上に可撓性シャフトのみを前進させ、かつ腸管の遠位端からSBSR部を遠位端へ移動させてよい。)次に、外科医は対応する駆動シャフト136aの回転によりアンビル部202を前進・後退部材208aに連結する。ハンドル102内の同一モータの続く反対側への付勢および掃引によりアンビル部202はSBSR部204へ向かって後退する。
【0056】
安全ステープル発射(fire)範囲へ後退したならば、プロセッサはステープル発射モータを使用できず、かつ再度アタッチメントに照会する。実際に、ハンドル内のプロセッサはアンビル部202とSBSR部204との間に圧縮された組織を流れる血液量を感知するために起動信号をパルス酸素濃度計へ送信する。センサから受信した応答がその組織を流れる血液流が危険状態であると言うものである場合には、アンビル部202を移動させてプロセッサを新規に開始する。センサから受信した応答が血液流が受容できるというものである場合には、プロセッサは組織近位センサを起動する。応答が組織が適正位置にあるというもである場合には、ステープルドライバが着装されかつ外科医はハンドル上のトリガを操作することにより自己の判断でステープルを発射できる。近位検出器の応答が否定である場合にはアンビル部202が除去される。
【0057】
外科アタッチメントに使用するために、アタッチメントプロセッサコントローラを有する新規電子機械ドライバ機構を図示かつ説明したが、当業者に明らかなように種々の変更および改良が特許請求の範囲にのみ制限される本発明の広義の精神および原理から逸脱することなく可能である。
図1
図2
図3
図4