(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エレベータの昇降路をガイドレールに案内されて昇降可能であるレールガイド枠と、前記エレベータに用いられる巻上機を、水平方向に沿って移動可能に載置する移動機構と、前記レールガイド枠の上部に固定され、前記移動機構と共に前記巻上機を、鉛直方向に沿った回転軸線を回転中心として揚重位置と据付位置とに回転可能に支持する回転機構とを備え、前記回転機構は、転動体としての複数のボールローラを含んで構成され、前記揚重位置は、前記巻上機を前記昇降路内の上部に設置されている巻上機固定部材に向けて揚重する際の位置であり、前記据付位置は、前記巻上機を前記巻上機固定部材上に据え付ける際の位置であることを特徴とする、巻上機揚重治具ユニット。
前記揚重位置は、前記巻上機を前記巻上機固定部材に向けて揚重する行程中に当該巻上機が前記昇降路内の物品と干渉しない位置であり、前記据付位置は、前記巻上機を前記巻上機固定部材に向けて揚重した場合に当該巻上機が前記昇降路内の物品と干渉しうる位置である、請求項1に記載の巻上機揚重治具ユニット。
前記巻上機固定部材に固定され、前記移動機構から水平方向に沿って移動された前記巻上機を受け取り、受け取った当該巻上機を、当該巻上機固定部材の上部まで水平方向に沿って移動可能に載置するスライド機構を備える、請求項1又は請求項2に記載の巻上機揚重治具ユニット。
エレベータの昇降路をガイドレールに案内されて昇降可能であるレールガイド枠と、前記エレベータに用いられる巻上機を、水平方向に沿って移動可能に載置する移動機構と、前記レールガイド枠の上部に固定され、前記移動機構と共に前記巻上機を、鉛直方向に沿った回転軸線を回転中心として揚重位置と据付位置とに回転可能に支持する回転機構とを備え、前記回転機構は、転動体としての複数のボールローラを含んで構成され、前記揚重位置は、前記巻上機を前記昇降路内の上部に設置されている巻上機固定部材に向けて揚重する際の位置であり、前記据付位置は、前記巻上機を前記巻上機固定部材に据え付ける際の位置である巻上機揚重治具ユニットを用いて、前記巻上機を前記巻上機固定部材の高さまで揚重する巻上機揚重方法であって、前記レールガイド枠、前記回転機構、及び、前記移動機構を組み付ける治具組付工程と、前記治具組付工程の後に、前記移動機構の上部に前記巻上機を載置する載置工程と、前記載置工程の後に、前記移動機構と共に前記巻上機を前記揚重位置に位置決めする第1位置決め工程と、前記第1位置決め工程の後に、前記レールガイド枠と共に前記巻上機を前記巻上機固定部材に向けて揚重する揚重工程と、前記揚重工程の後に、前記移動機構と共に前記巻上機を前記据付位置に位置決めする第2位置決め工程と、前記第2位置決め工程の後に、前記巻上機を前記移動機構から前記巻上機固定部材の上部まで水平方向に沿って移動させる水平移動工程とを含んで構成されることを特徴とする、巻上機揚重方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニット、及び、巻上機揚重方法が適用されるエレベータの概略構成例を示すブロック図である。
図2、
図3は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニットの概略構成を表す斜視図であり、
図2は、レールガイド枠がマシンビーム近傍にある状態、
図3は、レールガイド枠が
図2の状態よりも下方にある状態を表している。
図4は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニットの正面図である。
図5は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニットを含む昇降路の平面図である。
図6は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニットの回転機構、移動機構を含む模式的な断面図である。
図7、
図8は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニットの移動台の斜視図であり、
図7は、移動台を鉛直方向下側から視た図、
図8は、鉛直方向上側から視た図である。
図9、
図10は、実施形態1に係る巻上機が揚重位置にある状態の斜視図である。
図11、
図12は、実施形態1に係る巻上機が据付位置にある状態の斜視図である。
【0008】
本実施形態に係る巻上機揚重治具ユニット、及び、巻上機揚重方法は、
図1に示すようなエレベータ1に適用される。エレベータ1は、昇降路2と、乗りかご3と、カウンタウェイト4と、メインロープ5と、巻上機6と、ガイドレール7及びガイドレール8とを備える。以下で説明する乗りかご3、カウンタウェイト4の昇降方向とは、典型的には鉛直方向である。昇降路2は、建物の鉛直方向に沿って設けられる。乗りかご3は、メインロープ5が接続され昇降路2内に配置され、この昇降路2を昇降可能である。乗りかご3は、例えば、鉛直方向上部に配置される上梁9にシーブ10を有し、このシーブ10にメインロープ5が掛けられて支持される。メインロープ5は、昇降路2の上部に設けられた巻上機6のメインシーブやそらせシーブに掛けられて、両端が昇降路2の上部に固定される。メインロープ5は、巻上機6を挟んで一端側に乗りかご3が、他端側にカウンタウェイト4が掛けられている。巻上機6は、制御盤によりその駆動が制御され、例えば、乗りかご3を移動させる動力を発生させる電動機(モータ)等が駆動することで、この電動機に連結されたメインシーブが回転駆動し、メインシーブとメインロープ5との間に生じる摩擦力を利用してメインロープ5を電動で巻き上げる。本実施形態のエレベータ1は、いわゆるマシンルームレスエレベータであり、昇降路2の上部に機械室を備えておらず、昇降路2内の頂部に巻上機6が設けられている。ガイドレール7、ガイドレール8は、昇降路2内に乗りかご3、カウンタウェイト4の昇降方向(鉛直方向)に沿って延在して設けられる。上記のように構成されるエレベータ1は、利用者により操作盤等を介して呼び操作が行われた場合に、この呼び登録や乗りかご3の現在の移動方向(昇降方向)に基づいて、巻上機6が駆動する。これにより、エレベータ1は、巻上機6がメインロープ5を巻き上げることで、乗りかご3が昇降路2内を鉛直方向上下に昇降移動し、任意の目的階の乗り場に移動する。このとき、エレベータ1は、ガイドレール7、ガイドレール8が乗りかご3、カウンタウェイト4の昇降移動を昇降方向に沿って案内する。
【0009】
そして、
図2〜
図5に示す本実施形態に係る巻上機揚重治具ユニット100は、上記のように構成されるエレベータ1を建物に据え付け際に、昇降路2内の上部に設置されている巻上機固定部材としてのマシンビーム(巻上機やぐら)11の高さまで巻上機6を揚重するための治具ユニットである。
【0010】
なお、エレベータ1は、建物への据え付けの際、巻上機6の揚重前の段階では、典型的には、ガイドレール7、ガイドレール8等の建込みは完了しているが、乗りかご3、カウンタウェイト4がまだ据え付けられていない状態となっている。また、エレベータ1は、この状態では、
図5に示すように、昇降路2内において、乗りかご3が昇降する空間に足場12等の種々の物品が仮設的に設置されている。
【0011】
具体的には、巻上機揚重治具ユニット100は、巻上機揚重治具として、レールガイド枠110と、固定用ブランケット120と、回転機構130と、移動機構140と、落下防止ガイド150と、スライド機構160とを備える。
【0012】
レールガイド枠110は、昇降路2をガイドレール8に案内されて昇降可能なものである。ここで、ガイドレール8は、上述したように、カウンタウェイト4の昇降移動を昇降方向に沿って案内するものであり、水平方向に間隔をあけて一対で設けられる。レールガイド枠110は、複数の柱状部材、及び、複数の梁状部材によって矩形枠状に構成され、当該一対のガイドレール8の間に配置される。レールガイド枠110は、水平方向の両端部がそれぞれガイドレール8によって案内される。レールガイド枠110は、鉛直方向上端部に設けられた連結部111を介して揚重機170が連結される。揚重機170は、レールガイド枠110と共に巻上機6を揚重するための動力を発生させるためのものであり、昇降路2の天井2aに設けられたフック(吊元)2bに係合し吊り下げられる。揚重機170は、例えば、手動で揚重を行うための手動式揚重機170a、電動で揚重を行うための電動式揚重機170b(
図3等参照)等を含んで構成されてもよく、これらが作業状況に応じて適宜使い分けられてもよい。レールガイド枠110は、揚重機170によって揚重されることで、ガイドレール8に案内されながら昇降路2を昇降することができる。なおここでは、レールガイド枠110は、上下分割構造とされているがこれに限らない。
【0013】
固定用ブランケット120は、所定の条件下でレールガイド枠110を一時的にガイドレール8の所定の位置に固定するためのものである。固定用ブランケット120は、レールガイド枠110の水平方向両端部に、一対のガイドレール8に対応してそれぞれ1つずつ、合計2つが設けられる。上述した揚重機170は、上述したようにレールガイド枠110に連結され当該レールガイド枠110を揚重する際に用いられるが、例えば、後述するように、巻上機6を移動機構140上に載置する際等にも用いられる。この場合、揚重機170は、レールガイド枠110との連結が解除された状態となる。このとき、固定用ブランケット120は、揚重機170とレールガイド枠110との連結が解除される前に、レールガイド枠110を一時的にガイドレール8の所定の位置に固定する。固定用ブランケット120は、レールガイド枠110に一体的に連結されると共に、各ガイドレール8に設けられたストッパによって所定の位置で鉛直方向下側への移動が規制されることで、レールガイド枠110を一時的にガイドレール8の所定の位置に固定する。これにより、レールガイド枠110は、揚重機170との連結が解除された状態でもガイドレール8の所定の位置に固定された状態で保持される。
【0014】
回転機構130は、レールガイド枠110の上部に固定される。回転機構130は、レールガイド枠110に対して、移動機構140と共に巻上機6を、相対回転可能に支持するものである。回転機構130は、移動機構140と共に巻上機6を、鉛直方向に沿った回転軸線X(
図6参照)を回転中心として、回転可能に支持する。本実施形態の回転機構130は、回転台131(
図2等参照)、転動体としての複数のボールローラ132(
図2、
図4等参照)、回転軸133(
図5等参照)等を含んで構成される。以下の回転機構130の説明では、
図2〜
図5に加えて、適宜
図6〜
図8も参照する。
【0015】
回転台131は、
図6等にも示すように、レールガイド枠110の鉛直方向上部に固定される。回転台131は、矩形板状に形成される。回転台131は、支持部材134等を介してレールガイド枠110の鉛直方向上部に連結される。回転台131は、レールガイド枠110の鉛直方向上部に連結された状態で、矩形板状の平坦な表面がほぼ水平になるように固定される。
【0016】
ボールローラ132は、
図6、
図7、
図8等にも示すように、回転台131の鉛直方向上側に載置される後述する移動機構140の移動台141を、回転軸線Xを回転中心として回転自在に支持するものである。ボールローラ132は、移動台141を、回転台131の鉛直方向上面に回転自在に支持する。本実施形態のボールローラ132は、球体状の転動体である。ボールローラ132は、鉛直方向に対して、回転台131と、当該回転台131と対向する移動台141との間に設けられる。ボールローラ132は、回転台131、又は、移動台141の一方、ここでは、移動台141側に転動回転可能に設けられる。ボールローラ132は、移動台141の鉛直方向下側の面(回転台131と対向する面)に複数個、ここでは、3個設けられ、回転台131の鉛直方向上側の面(移動台141と対向する面)上を転動可能である。なお、回転機構130は、ボールローラ132にかえて、円形に並べたベアリング等を含んで構成されてもよい。また、ボールローラ132は、回転台131側の鉛直方向上側の面(移動台141と対向する面)に設けられてもよい。
【0017】
回転軸133は、
図6等にも示すように、回転機構130の回転中心、すなわち、移動機構140と共に巻上機6を回転する際の回転中心である回転軸線Xを形成するものである。回転軸133は、回転台131に固定的に連結されたボルト等によって構成される。回転軸133は、回転台131の鉛直方向上側の面から鉛直方向に沿って上側に突出するように立設される。回転軸133は、基端側が回転台131に固定される。一方、回転軸133は、先端側が移動台141のほぼ中央に形成された貫通孔141aを貫通する。回転軸133は、回転台131と移動台141とが相対回転可能なように貫通孔141aに挿入されると共に先端側にナットが螺合される。回転機構130は、当該回転軸133の中心軸線が回転軸線Xとなる。
【0018】
したがって、上記のように構成される回転機構130は、回転台131上に後述の移動機構140、及び、巻上機6が載置された状態で、ボールローラ132が回転台131上を転動することで、回転軸133の回転軸線Xを回転中心として、移動機構140、及び、巻上機6を回転台131に対して所定の回転角度で相対回転させることができる。
【0019】
移動機構140は、巻上機6を水平方向に沿って移動可能に載置するものである。移動機構140は、回転機構130の上部に設けられる。本実施形態の移動機構140は、上述の移動台141(
図2、
図4等参照)、ベアリング142(
図6、
図8等参照)等を含んで構成される。以下の移動機構140の説明でも、
図2〜
図5に加えて、適宜
図6〜
図8も参照する。
【0020】
移動台141は、
図6、
図7、
図8等にも示すように、矩形板状に形成されると共に、対向する2辺に段付部141bを介してフランジ部141cが形成される。各フランジ部141cは、移動台141の底部141dとほぼ平行となっている。移動台141は、底部141dのほぼ中央に上述の貫通孔141aが形成されている。また、移動台141は、一方のフランジ部141cの鉛直方向下側の面にボールローラ132が2つ設けられ、他方のフランジ部141cの鉛直方向下側の面にボールローラ132が1つ設けられている。
【0021】
ベアリング142は、円盤ローラ状の転動体であり、各フランジ部141cにそれぞれ複数個ずつ設けられる。ここでは、ベアリング142は、一方のフランジ部141cに5つが1列で設けられ、他方のフランジ部141cに5つが1列で設けられる。一方のフランジ部141cに設けられたベアリング142の列と、他方のフランジ部141cに設けられたベアリング142の列とは、ほぼ平行となっており、当該ベアリングが並ぶ方向、すなわち、ベアリング142の列に沿った方向が巻上機6を水平方向に沿って移動させる際の移動方向となる。移動機構140は、各ベアリング142の列の一方の端側にそれぞれ板状のストッパ141e(
図7、
図8等参照)が設けられている。
【0022】
上記のように構成される移動機構140は、回転機構130の回転台131に移動台141が回転自在に支持された状態で、移動台141のフランジ部141cに設けられた各ベアリング142上に、矩形板状のマシンベッド13等を介して巻上機6が載置される(
図2、
図4、
図6等参照)。巻上機6は、マシンベッド13の鉛直方向上側の面に固定されている。移動機構140は、マシンベッド13、及び、巻上機6を載置した状態で、ストッパ141eがマシンベッド13の端面に当接することで、巻上機6等の脱落を規制することができる。そして、移動機構140は、作業員等によって巻上機6が水平方向に押されると、各ベアリング142がマシンベッド13に接触した状態で転動することで、当該マシンベッド13と共に巻上機6をベアリング142の列に沿った方向に滑らかに移動させることができる。
【0023】
そして、本実施形態の回転機構130は、移動機構140と共に巻上機6を、回転軸線X(
図6参照)を回転中心として、揚重位置と据付位置とに回転可能に支持するものである。回転機構130は、移動機構140と共に巻上機6を、揚重位置と据付位置との間で水平方向に沿って回転させることができる。揚重位置と据付位置とは、回転軸線Xを基準として所定の回転角度をあけて位置する。
図9、
図10は、移動機構140と共に巻上機6が揚重位置にある状態を図示しており、
図11、
図12は、移動機構140と共に巻上機6が据付位置にある状態を図示している。なお、
図9、
図11は、回転機構130等を下から見上げた図である。
【0024】
図9、
図10等で示す揚重位置は、典型的には、巻上機6を昇降路2内の上部に設置されているマシンビーム11に向けて揚重する際の位置である。より具体的には、揚重位置は、
図5中に実線で図示した巻上機6で表わすように、巻上機6をマシンビーム11に向けて揚重する行程中に当該巻上機6が昇降路2内の足場12等の物品と干渉しない位置であり、言い換えれば、昇降路2内において、当該巻上機6を、乗りかご3が昇降する空間側から退避させた退避位置である。
【0025】
図11、
図12等で示す据付位置は、典型的には、巻上機6をマシンビーム11上に据え付ける際の位置(据え付けた状態とほぼ同じ向きとなる位置)である。より具体的には、据付位置は、
図5中に二点鎖線で図示した巻上機6で表わすように、巻上機6をマシンビーム11に向けて揚重した場合に巻上機6が昇降路2内の足場12等の物品と干渉しうる位置であり、言い換えれば、昇降路2内において、当該巻上機6を、乗りかご3が昇降する空間側に突出させた突出位置である。
【0026】
そして、回転機構130は、
図10等に示すように、揚重位置にて、回転台131に形成された板状のストッパ131aが移動機構140の移動台141に当接することで、移動台141の、据付位置側とは反対側への回転が規制される。また、回転機構130は、
図9等に示すように、揚重位置にて、回転台131に形成された固定孔131b、及び、固定孔131cにボルトが挿入されると共にこのボルトが移動台141と締結されることで、移動台141、マシンベッド13、及び、巻上機6を当該揚重位置で位置決めすることができる。一方、回転機構130は、
図11等に示すように、据付位置にて、回転台131に形成された、固定孔131b、131cとは異なる固定孔131d、及び、固定孔131eにボルトが挿入されると共にこのボルトが移動台141と締結されることで、移動台141、マシンベッド13、及び、巻上機6を当該据付位置で位置決めすることができる。本実施形態の回転機構130では、揚重位置における巻上機6の水平中心軸線と据付位置における巻上機6の水平中心軸線とがなす角度、言い換えれば、揚重位置と据付位置との間の回転角度は、例えば、70°から90°程度、ここでは80°程度に設定されている。
【0027】
落下防止ガイド150は、
図2等に示すように、移動機構140に載置されたマシンベッド13、及び、巻上機6の水平移動をガイドするものである。落下防止ガイド150は、例えば、回転台131等に設けられ、移動機構140と共に巻上機6が据付位置にある状態で、移動台141のフランジ部141cの両脇側に当該フランジ部141cに沿って設けられる。落下防止ガイド150は、移動機構140に載置されたマシンベッド13、及び、巻上機6が水平移動される際に、マシンベッド13の端面に当接しながら当該水平移動を案内する。
【0028】
スライド機構160は、
図2に示すように、マシンビーム11に固定され、移動機構140から水平方向に沿って移動された巻上機6を受け取り、受け取った当該巻上機6を、当該マシンビーム11の上部まで水平方向に沿って移動可能に載置するものである。スライド機構160は、スライド台、ベアリング等を含んで構成され、ここでは、移動機構140とほぼ同様の構成をなしている(図示省略)。ただし、スライド機構160は、スライド台がマシンビーム11に固定されている。スライド機構160は、レールガイド枠110が最上方位置にある状態で、水平方向に対して移動機構140と対向すると共に、据付位置にある移動機構140のベアリング142の列と、当該スライド機構160のベアリングの列とが連続するような位置関係となるように設けられる。移動機構140は、据付位置にある状態では、ストッパ141eとは反対側の端部がスライド機構160側に向くような位置関係となり、スライド機構160は、当該移動機構140のストッパ141eとは反対側の端部からマシンベッド13、及び、巻上機6を受け取ることができる。
【0029】
次に、
図13のフローチャート、及び、
図14〜
図19の斜視図を参照して、巻上機据付方法を説明する。
図13は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニットを用いた巻上機据付方法を説明するフローチャートである。
図14、
図15、
図16、
図17、
図18、
図19は、実施形態1に係る巻上機揚重治具ユニットを用いた巻上機据付方法を説明する模式的な斜視図である。この巻上機据付方法は、上記で説明した巻上機揚重治具ユニット100を用いて巻上機6をマシンビーム11の高さまで揚重する巻上機揚重方法を含むものである。なお、以下で説明する巻上機据付方法は、基本的には、ガイドレール7、ガイドレール8、マシンビーム11等の建込みは完了しているが、乗りかご3、カウンタウェイト4がまだ据え付けられていない状態で行われる。この状態では、エレベータ1は、上述したように、昇降路2内において、乗りかご3が昇降する空間に足場12等の種々の物品が仮設的に設置されている。また、巻上機揚重治具ユニット100の各構成については、適宜
図2〜
図12を参照する場合がある。
【0030】
まず、作業員は、治具組付工程として、レールガイド枠110、回転機構130、及び、移動機構140等を組み付ける(ステップST1)。この場合、作業員は、例えば、昇降路2内の鉛直方向最下部近傍において、一対のガイドレール8の間にレールガイド枠110を組み付ける。このとき、作業員は、例えば、固定用ブランケット120を用いてレールガイド枠110を一時的にガイドレール8に固定して作業を行ってもよい。また、作業員は、レールガイド枠110の鉛直方向下側を支持する単管パイプ14(
図14等参照)等の支保工を用いてもよい。その後、作業員は、レールガイド枠110の上部に回転機構130をボルト締結等によって固定し、さらに、当該回転機構130の回転台131の上部に移動機構140を設置する。
【0031】
次に、作業員は、載置工程として、治具組付工程(ステップST1)の後に、移動機構140の上部に巻上機6を載置する(ステップST2)。この場合、作業員は、レールガイド枠110が固定用ブランケット120によって一時的に支えられているので、現時点ではレールガイド枠110に連結されていない電動式揚重機170b等を用いて巻上機6を揚重し移動機構140の移動台141上に移動させる。このとき、巻上機6は、下部にはマシンベッド13が締結された状態となっており、作業員は、当該マシンベッド13と共に巻上機6を移動台141上に載置する。その後、作業員は、
図14に示すように、電動式揚重機170b等をレールガイド枠110の連結部111に連結する。なお、
図14の例では、作業のしやすさから移動機構140が据付位置にある状態で巻上機6を当該移動機構140上に載置するものとして図示しているが、これに限らず、移動機構140が揚重位置にある状態で、巻上機6を移動機構140上に載置するようにしてもよい。
【0032】
次に、作業員は、第1位置決め工程として、載置工程(ステップST2)の後に、移動機構140と共に巻上機6を揚重位置に位置決めする(ステップST3)。この場合、作業員は、据付位置にある移動機構140、マシンベッド13、及び、巻上機6を一体で揚重位置側に押すことで、これらを水平方向に揚重位置側に回転させる。そして、作業員は、移動機構140、マシンベッド13、及び、巻上機6を揚重位置まで回転させたら、回転台131に形成された固定孔131b、131cにボルトを挿入し移動台141と締結することで、移動台141、マシンベッド13、及び、巻上機6を当該揚重位置で位置決めする。
【0033】
次に、作業員は、揚重工程として、
図15に示すように、第1位置決め工程(ステップST3)の後に、レールガイド枠110と共に巻上機6をマシンビーム11に向けて揚重する(ステップST4)。この場合、作業員は、移動台141、マシンベッド13、及び、巻上機6が揚重位置で位置決めされた状態で、例えば、電動式揚重機170bによって、マシンビーム11の近傍までこれらを揚重する。
【0034】
次に、作業員は、第2位置決め工程として、
図16に示すように、揚重工程(ステップST4)の後に、移動機構140と共に巻上機6を据付位置に位置決めする(ステップST5)。この場合、作業員は、固定孔131b、131cに挿入、締結されているボルトを外した後、揚重位置にある移動機構140、マシンベッド13、及び、巻上機6を一体で据付位置側に押すことで、これらを水平方向に据付位置側に回転させる。そして、作業員は、移動機構140、マシンベッド13、及び、巻上機6を据付位置まで回転させたら、回転台131に形成された固定孔131d、131eにボルトを挿入し移動台141と締結することで、移動台141、マシンベッド13、及び、巻上機6を当該据付位置で位置決めする。
【0035】
次に、作業員は、揚重工程として、
図17に示すように、第2位置決め工程(ステップST5)の後に、レールガイド枠110と共に巻上機6をマシンビーム11の高さまで揚重する(ステップST6)。この場合、作業員は、移動台141、マシンベッド13、及び、巻上機6が据付位置で位置決めされた状態で、例えば、手動式揚重機170aによって、マシンビーム11の高さまでこれらを揚重する。作業員は、レールガイド枠110と共に巻上機6を、移動機構140とスライド機構160とが水平方向に対向する位置関係となる高さまで揚重する。
【0036】
次に、作業員は、
図18に示すように、水平移動工程として、揚重工程(ステップST6)の後に、巻上機6を移動機構140からマシンビーム11の上部まで水平方向に沿って移動させる(ステップST7)。この場合、作業員は、マシンベッド13、及び、巻上機6を一体でスライド機構160側に押すことで、マシンベッド13、及び、巻上機6を、移動機構140上から落下防止ガイド150に案内されながらスライド機構160上に水平移動させる。そして、作業員は、マシンベッド13、及び、巻上機6をさらに押すことでスライド機構160上を水平移動させ、これらをマシンビーム11の上部まで移動させる。
【0037】
次に、作業員は、取外工程として、水平移動工程(ステップST7)の後に、マシンベッド13とマシンビーム11との間に介在しているスライド機構160を取り外す(ステップST8)。この場合、作業員は、例えば、マシンベッド13、及び、巻上機6を一旦ジャッキアップし、スライド機構160を取り外した後に、再度マシンベッド13、及び、巻上機6をマシンビーム11上におろす。
【0038】
次に、作業員は、据付工程として、取外工程(ステップST8)の後に、マシンベッド13、及び、巻上機6を、マシンビーム11上にボルト等によって締結し据え付けて(ステップST9)、本実施形態の巻上機据付方法を終了する。
図19は、本実施形態の巻上機揚重治具ユニット100を用いて揚重された巻上機6がマシンビーム11上に据え付けられた状態を表す斜視図である。
【0039】
以上で説明した巻上機揚重治具ユニット100によれば、エレベータ1の昇降路2をガイドレール8に案内されて昇降可能であるレールガイド枠110と、エレベータ1に用いられる巻上機6を、水平方向に沿って移動可能に載置する移動機構140と、レールガイド枠110の上部に固定され、移動機構140と共に巻上機6を、鉛直方向に沿った回転軸線Xを回転中心として揚重位置と据付位置とに回転可能に支持する回転機構130とを備え、揚重位置は、巻上機6を昇降路2内の上部に設置されているマシンビーム11に向けて揚重する際の位置であり、据付位置は、巻上機6をマシンビーム11上に据え付ける際の位置である。
【0040】
以上で説明した巻上機揚重方法によれば、巻上機揚重治具ユニット100を用いて、巻上機6をマシンビーム11の高さまで揚重する巻上機揚重方法であって、レールガイド枠110、回転機構130、及び、移動機構140を組み付ける治具組付工程(ステップST1)と、治具組付工程(ステップST1)の後に、移動機構140の上部に巻上機6を載置する載置工程(ステップST2)と、載置工程(ステップST2)の後に、移動機構140と共に巻上機6を揚重位置に位置決めする第1位置決め工程(ステップST3)と、第1位置決め工程(ステップST3)の後に、レールガイド枠110と共に巻上機6をマシンビーム11に向けて揚重する揚重工程(ステップST4)と、揚重工程(ステップST4)の後に、移動機構140と共に巻上機6を据付位置に位置決めする第2位置決め工程(ステップST5)と、第2位置決め工程(ステップST5)の後に、巻上機6を移動機構140からマシンビーム11の上部まで水平方向に沿って移動させる水平移動工程(ステップST7)とを含んで構成される。
【0041】
したがって、以上で説明した巻上機揚重治具ユニット100、巻上機揚重方法によれば、作業員は、移動機構140と共に巻上機6を、揚重位置に位置決めした状態でこれらをマシンビーム11に向けて揚重した上で、マシンビーム11近傍で、回転機構130によって移動機構140と共に巻上機6を、揚重位置から据付位置に回転させることができる。そして、作業員は、移動機構140上の巻上機6を水平方向に移動させてマシンビーム11上に据え付けることができる。これにより、作業員は、例えば、昇降路2内に仮設の足場12等の物品が配置された状態であっても、巻上機6を揚重位置に位置決めして揚重することで、巻上機6が当該物品と干渉することを回避してマシンビーム11近傍まで揚重することができ、その後、据付位置に回転させることで、マシンビーム11に移動、据え付けやすい状態とすることができる。この結果、以上で説明した巻上機揚重治具ユニット100、巻上機揚重方法によれば、昇降路2内に配設された物品に干渉することなく円滑に巻上機6を揚重することができ、適正に巻上機6を揚重することができる。
【0042】
[実施形態2]
図20は、実施形態2に係る巻上機揚重治具ユニットの概略構成を表す模式的な側面図である。
図21は、実施形態2に係る巻上機揚重治具ユニットの概略構成を表す模式的な平面図である。
図22は、実施形態2に係る巻上機揚重治具ユニットの概略構成を表す模式的な分解斜視図である。
図23は、実施形態2に係る巻上機揚重治具ユニットの動作を説明する模式図である。
図24は、実施形態2に係る巻上機揚重治具ユニットを用いた巻上機据付方法を説明するフローチャートである。
図25、
図26、
図27は、変形例に係る巻上機揚重治具ユニットの概略構成を表す模式的な側面図である。実施形態2に係る巻上機揚重治具ユニットは、レールガイド枠、移動機構、回転機構等にかえて、治具用ガイドレール、載置台等を備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する(以下で説明する変形例でも同様である。)。
【0043】
本実施形態に係る巻上機揚重治具ユニット、及び、巻上機揚重方法は、
図1に示すようなエレベータ1に適用される。
図20〜
図23に示す本実施形態に係る巻上機揚重治具ユニット200は、上記のように構成されるエレベータ1を建物に据え付ける際に、昇降路2内の上部に設置されている巻上機固定部材としてのマシンビーム11の高さまで巻上機6を揚重するための治具ユニットである。
【0044】
具体的には、巻上機揚重治具ユニット200は、巻上機揚重治具として、治具用ガイドレール210と、載置台220とを備える。
【0045】
治具用ガイドレール210は、エレベータ1の昇降路2を昇降可能であるゴンドラ15が鉛直方向最上方位置にある状態で、少なくとも当該ゴンドラ15の鉛直方向上部から、昇降路2内の上部に設置されているマシンビーム11の高さまで鉛直方向に沿って延在する。ここで、ゴンドラ15は、典型的には、エレベータ1の据付工事の際に、昇降路2内に仮設される工事用の昇降体であるが、工程の順序によっては、例えば、すでに組み上げられている乗りかご3自体であってもよい。
【0046】
治具用ガイドレール210は、鉛直方向に沿って設けられる。治具用ガイドレール210は、
図20に示すように、マシンビーム11とカウンタウェイト4用のガイドレール8とにブラケット等を介して固定的に支持されている。治具用ガイドレール210は、一対のガイドレール8に対してそれぞれ1つずつ、合計2つが設けられる。各治具用ガイドレール210は、
図21、
図22に示すように水平方向に沿った断面形状が略コの字型をなしている。一対の治具用ガイドレール210は、略コの字型断面の開口側が互いに背面を向くような位置関係でマシンビーム11、ガイドレール8に固定される。
【0047】
載置台220は、巻上機6を載置し揚重機270によって治具用ガイドレール210に沿って鉛直方向に揚重されるものである。本実施形態の載置台220は、水平部材221と、鉛直部材222と、退避空間部223とを含んで構成される。水平部材221は、水平方向に沿って設けられ巻上機6を載置する部分である。鉛直部材222は、水平部材221の治具用ガイドレール210側の端部から鉛直方向下側に鉛直方向に沿って設けられる部分である。鉛直部材222は、治具用ガイドレール210に支持され、鉛直方向に案内される。鉛直部材222は、一対の治具用ガイドレール210に対応してそれぞれ1つずつ、合計2つが設けられる。各鉛直部材222は、
図21、
図22に示すように水平方向に沿った断面形状が略コの字型をなしている。一対の鉛直部材222は、略コの字型断面の開口側が互いに背面を向くような位置関係で水平部材221に固定されている。載置台220は、一対の鉛直部材222が対向する方向に沿って視た側面視(
図20参照)にて、水平部材221と各鉛直部材222とが一体となって略L字型に形成される。各鉛直部材222は、略コの字型断面の開口と対向する面に転動体としてのローラ224が設けられる。ローラ224は、各鉛直部材222に対してそれぞれ2つずつ鉛直方向に間隔をあけて設けられる。ローラ224は、鉛直方向に沿った回転軸線を回転中心として回転自在に各鉛直部材222に支持されている。載置台220は、一対の鉛直部材222の間に治具用ガイドレール210が位置するような位置関係で、治具用ガイドレール210内に各ローラ224が挿入される。載置台220は、各ローラ224が治具用ガイドレール210内に挿入された状態で、鉛直部材222の鉛直方向下端部付近に揚重機270からのワイヤ225がボルト等を介して締結される。ワイヤ225は、マシンビーム11の鉛直方向下側に設けられたシーブ(滑車)226に巻き掛けられており、一端側に載置台220が吊り下げられており、他端側に揚重機270が連結されている。揚重機270は、載置台220と共に巻上機6を揚重するための動力を発生させるためのものであり、チェーンブロック、ウィンチ等種々の形式のものを用いることができるが、ここでは、ワイヤ225を巻き取って送り出す形式のものが適用されている。揚重機270は、ガイドレール8に仮設的に組み付けられており、下方に設けられる治具271(
図20参照)によって移動が規制されている。載置台220は、揚重機270によって揚重されると、各治具用ガイドレール210内で各ローラ224が転動しながら鉛直方向に沿って案内される。
【0048】
そして、本実施形態の退避空間部223は、上述のように、水平部材221と各鉛直部材222とが一体となって略L字型に形成される載置台220にあって、水平部材221と鉛直部材222とによって形成される空間部である。すなわち、退避空間部223は、水平部材221の鉛直方向下側で、かつ、鉛直部材222の側方に位置する空間部である。退避空間部223は、ゴンドラ15の角部が侵入可能な逃げ空間部として形成される。
【0049】
したがって、巻上機揚重治具ユニット200は、巻上機6を載置する載置台220が上記のように構成されることで、
図23に示すように、ゴンドラ15が載置台220と干渉しにくい構成とすることができ、ゴンドラ15が載置台220により接近しやすい構成とすることができる。これにより、巻上機揚重治具ユニット200は、例えば、作業員の手が載置台220上の載置台220に届きやすくすることができる。
【0050】
次に、
図24のフローチャートを参照して、巻上機据付方法を説明する。この巻上機据付方法は、上記で説明した巻上機揚重治具ユニット200を用いて巻上機6をマシンビーム11の高さまで揚重する巻上機揚重方法を含むものである。なお、以下で説明する巻上機据付方法は、基本的には、ガイドレール7、ガイドレール8、マシンビーム11等の建込みは完了している状態で行われる。また、巻上機揚重治具ユニット100の各構成については、適宜
図20〜
図23を参照する場合がある。
【0051】
まず、作業員は、治具組付工程として、ゴンドラ15、治具用ガイドレール210、及び、載置台220等を組み付ける(ステップST21)。この場合、作業員は、例えば、昇降路2内にゴンドラ15を昇降可能に仮設すると共に、治具用ガイドレール210をマシンビーム11、ガイドレール8に固定する。そして、作業員は、治具用ガイドレール210に載置台220を設置し、揚重機270からのワイヤ225を鉛直部材222の鉛直方向下端部付近に締結する。
【0052】
次に、作業員は、載置工程として、治具組付工程(ステップST21)の後に、載置台220の上部、すなわち、水平部材221上に巻上機6を載置する(ステップST22)。この場合、作業員は、
図20に二点鎖線で例示するように、例えば、一旦、ゴンドラ15によって鉛直方向最上方位置まで巻上機6を揚重し、天井2aに設けられたフック2bに吊り下げられた揚重機(例えば、チェーンブロック)272によって巻上機6を吊り上げて載置台220の水平部材221上に載置する。
【0053】
次に、作業員は、揚重工程として、載置工程(ステップST22)の後に、載置台220と共に巻上機6をマシンビーム11の高さまで揚重する(ステップST23)。この場合、作業員は、揚重機270を操作することで、当該巻上機6と共に載置台220を各治具用ガイドレール210に沿って鉛直方向に上昇させる。このとき、載置台220は、鉛直部材222の鉛直方向下端部付近に、揚重機270からのワイヤ225が締結されていることで、
図20に一点鎖線で例示するように、水平部材221がマシンビーム11と同等の高さになる位置まで上昇可能な構成となっている。なお、作業員は、当該揚重工程(ステップST23)の後に、治具用ガイドレール210と載置台220とをボルト等で締結するなどして、載置台220を確実に位置決めしておいてもよい。
【0054】
次に、作業員は、水平移動工程として、
図20に一点鎖線で例示するように、揚重工程(ステップST23)の後に、巻上機6を載置台220からマシンビーム11の上部まで水平方向に沿って移動させる(ステップST24)。この場合、作業員は、巻上機6を人力でマシンビーム11側に押すことで、巻上機6を水平移動させ、マシンビーム11の上部まで移動させる。
【0055】
次に、作業員は、据付工程として、水平移動工程(ステップST24)の後に、巻上機6を、マシンビーム11上にボルト等によって締結し据え付けて(ステップST25)、本実施形態の巻上機据付方法を終了する。
【0056】
以上で説明した巻上機揚重治具ユニット200によれば、エレベータ1の昇降路2を昇降可能であるゴンドラ15が鉛直方向最上方位置にある状態で、少なくとも当該ゴンドラ15の鉛直方向上部から、昇降路2内の上部に設置されているマシンビーム11の高さまで鉛直方向に沿って延在する治具用ガイドレール210と、エレベータ1に用いられる巻上機6を載置し揚重機270によって治具用ガイドレール210に沿って鉛直方向に揚重される載置台220とを備える。載置台220は、水平方向に沿って設けられ巻上機6を載置する水平部材221と、水平部材221の治具用ガイドレール210側の端部から鉛直方向下側に鉛直方向に沿って設けられ、治具用ガイドレール210に支持される鉛直部材222と、水平部材221と鉛直部材222とによって形成されゴンドラ15の角部が侵入可能である退避空間部223とを含んで構成される。
【0057】
以上で説明した巻上機揚重方法によれば、巻上機揚重治具ユニット200を用いて、巻上機6をマシンビーム11の高さまで揚重する巻上機揚重方法であって、治具用ガイドレール210、及び、載置台220を組み付ける治具組付工程(ステップST21)と、治具組付工程(ステップST21)の後に、載置台220の上部に巻上機6を載置する載置工程(ステップST22)と、載置工程(ステップST22)の後に、載置台220と共に巻上機6をマシンビーム11の高さまで揚重する揚重工程(ステップST23)と、揚重工程(ステップST23)の後に、巻上機6を載置台220からマシンビーム11の上部まで水平方向に沿って移動させる水平移動工程(ステップST24)とを含んで構成される。
【0058】
したがって、以上で説明した巻上機揚重治具ユニット200、巻上機揚重方法によれば、ゴンドラ15によって巻上機6を途中まで揚重した後、当該ゴンドラ15から載置台220の上部に巻上機6を移す際に、ゴンドラ15の角部が載置台220の退避空間部223内に侵入することができるので、当該ゴンドラ15を載置台220に対してより接近させることができる。この結果、巻上機揚重治具ユニット200、巻上機揚重方法によれば、巻上機6を揚重する際に、作業員がゴンドラ15側から載置台220に対して作業しやすくすることができ、適正に巻上機6を揚重することができる。
【0059】
なお、上述した実施形態に係る巻上機揚重治具ユニット、及び、巻上機揚重方法は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る巻上機揚重治具ユニット、及び、巻上機揚重方法は、以上で説明した各実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【0060】
例えば、
図25、
図26、
図27の変形例に示すように、実施形態2に係る巻上機揚重治具ユニット200は、揚重機270から載置台220に連結されるワイヤ225が複数のシーブ(滑車)226a、226b、226cに巻き掛けられる構成であってもよい。本変形例のワイヤ225は、治具用ガイドレール210の鉛直方向上側の端部に設けられた第1のシーブ226a、マシンビーム11の鉛直方向上側に設けられた第2のシーブ226b、マシンビーム11の鉛直方向下側に設けられた第3のシーブ226cに巻き掛けられており、一端側に載置台220が吊り下げられており、他端側に揚重機270が連結されている。ここでは、載置台220は、
図25に示すように、水平部材221の中央部付近に揚重機270からのワイヤ225がボルト等を介して締結される。
【0061】
この場合、作業員は、上述の揚重工程(ステップST23)の後に、
図26に示すように、ワイヤ225の載置台220側の端部を巻上機6に付け替える。このとき、作業員は、第1のシーブ226aからワイヤ225を外しておく。そして、作業員は、水平移動工程(ステップST24)では、
図26、
図27に示すように、揚重機270を操作し、ワイヤ225を引っ張ることで巻上機6を載置台220からマシンビーム11の上部まで水平方向に沿って移動させる。
【0062】
以上で説明した変形例に係る巻上機揚重治具ユニット200、巻上機揚重方法によれば、適正に巻上機6を揚重することができると共に、巻上機6を水平移動させる際の作業員の負荷を低減し作業性、安全性を向上することもできる。
【0063】
以上で説明した実施形態、変形例に係る巻上機揚重治具ユニット、巻上機揚重方法によれば、適正に巻上機を揚重することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。