特許第5791247号(P5791247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5791247眼内レンズ用保持装置、眼内レンズ用梱包および運搬用手段、眼内レンズ用インジェクタ装置、ならびに眼内レンズの梱包方法および眼内レンズをインジェクタ装置に装着するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791247
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】眼内レンズ用保持装置、眼内レンズ用梱包および運搬用手段、眼内レンズ用インジェクタ装置、ならびに眼内レンズの梱包方法および眼内レンズをインジェクタ装置に装着するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   A61F2/16
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2010-182582(P2010-182582)
(22)【出願日】2010年8月17日
(65)【公開番号】特開2011-78746(P2011-78746A)
(43)【公開日】2011年4月21日
【審査請求日】2013年6月13日
(31)【優先権主張番号】0915098.8
(32)【優先日】2009年8月18日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510223427
【氏名又は名称】カール ツァイス メディテック エスエーエス
【氏名又は名称原語表記】Carl Zeiss Meditec SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100165939
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 孝博
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ラサート
【審査官】 胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−526091(JP,A)
【文献】 特表2009−521262(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/029472(WO,A1)
【文献】 特開2001−104363(JP,A)
【文献】 特表2008−525155(JP,A)
【文献】 特許第3569509(JP,B2)
【文献】 特開2003−325569(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0058830(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01042999(EP,A1)
【文献】 国際公開第2010/028873(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズ(2)用の保持装置であって、前記保持装置(1,1′)は、その底部が開放するよう形成し、また底部を開放した細長い支持部材(6,6′)を設け、前記支持部材に、前記レンズ(2)を保持する細長い保持レール(7,7′)を配置し、
前記支持部材(6)は、底部が開放した基体(8)を有し、該基体(8)には、前記支持部材(6,6′)の長手方向軸線(A)に平行な細長い支持アーム(9,10)を、前記支持部材(6)の前記長手方向軸線の両側にそれぞれ配置し、
前記支持アーム(9,10)の互いに対向する内側面(11,13)に、少なくとも1個の案内部材(12,14)をそれぞれ配置し、前記案内部材のそれぞれは、装填空間(37)をカバーするインジェクタ装置(33)のカバーフラップ(38,39)に係合するよう形成した、ことを特徴とする、保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の保持装置において、前記支持部材(6,6′)および前記保持レール(7,7′)を、互いに対向させて配置し、
前記保持レール(7,7′)は、前記支持部材(6,6′)の長手方向軸線(A)に沿ってまたは平行に、および/または前記長手方向軸線に対して直交する方向に上下に相対移動可能とした、ことを特徴とする保持装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保持装置において、前記保持レール(7,7′)に装填状態にある前記レンズ(2)を、前記保持レール(7,7′)の底部側に配置し、また、前記底部が開放した前記支持部材(6,6′)を経て自由にアクセス可能な前記保持装置に配置した、ことを特徴とする保持装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の保持装置において、前記支持部材(6,6′)は、頂部(15)にグリップ部材(16)を有する構成とした、ことを特徴とする保持装置。
【請求項5】
請求項4に記載の保持装置において、前記基体(8)の下側端縁(19,20)および/または前記少なくとも1個の支持アーム(9,10)の下側端縁(19,20)に、位置決め部材(21〜26)を配置して、該位置決め部材(21〜26)によって、前記保持装置(1)を、運搬容器に固定的に取り付けることができる構成とした、ことを特徴とする保持装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の保持装置において、前記保持装置(1,1′)は、一体ピースで形成した、ことを特徴とする保持装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の保持装置において、前記支持部材(6,6′)および前記保持レール(7,7′)は、個別部分として形成した、ことを特徴とする保持装置。
【請求項8】
眼内レンズ(2)用の保持装置であって、前記保持装置(1′)は、その底部が開放するよう形成し、また底部を開放した細長い支持部材(6′)を設け、前記支持部材に、前記レンズ(2)を保持する細長い保持レール(7′)を配置し、
前記支持部材(6′)は、細長く、クランプ状に形成し、また、前記底部に向かって拡開させ
前記支持部材(6′)は、幅が狭い上側部分(64)および幅が広い下側部分(66)を有し、拡開する遷移部(65)を、前記上側部分と前記下側部分との間に形成し、
前記上側部分(64)および前記遷移部(65)は、垂直方向に指向するスリット(67,68,96,97)を有し、該スリットは、前記保持レール(7′)を収容し、また前記支持部材(6′)に対して前記保持レール(7′)を垂直移動する際に該保持レール(7′)を案内するよう形成した、ことを特徴とする保持装置。
【請求項9】
請求項に記載の保持装置において、案内部材(12′,14′)は、前記上側部分(64)の互いに対向する側面から下方に、互いに平行に突出し、収納空間(71,73)が、前記案内部材(12′,14′)と前記下側部分(66)の壁との間に形成される構成とした、ことを特徴とする保持装置。
【請求項10】
請求項に記載の保持装置において、少なくとも1個の膨隆部(78,79)を、前記上側部分(64)および/または前記遷移部(65)の案内部材(12′,14′)の互いに対向する内側面(77)にそれぞれ形成し、
前記保持レール(7′)は、前記支持部材(6′)に対して垂直方向に移動可能とし、また前記保持レール(7′)は、前記膨隆部(78,79)の下側の開始位置に配置し、また前記膨隆部(78,79)の上方の終了位置に配置し、かつ前記保持レール(7′)は保持レール上方の前記膨隆部(78,79)によって保持する構成とした、ことを特徴とする保持装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載の保持装置において、前記保持レール(7′)は、前記底部の前方端部(56)および後方端部(57)のそれぞれに受容部を有し、該受容部で、インジェクタ装置の装填チャンバの領域に形成する係合部材のそれぞれが係合して組立状態になる構成とした、ことを特徴とする保持装置。
【請求項12】
眼内レンズ(2)用梱包および運搬用手段において、前記手段(27)は運搬容器を有し、該運搬容器内に、請求項1〜11のいずれか一項に記載の保持装置(1,1′)を配置し、また眼内レンズ(2)を前記保持装置(1,1′)に配置する構成とした、ことを特徴とする梱包および運搬用手段。
【請求項13】
眼内レンズ(2)用のインジェクタ装置であって、該インジェクタ装置は、インジェクタチューブ(34,34′,83)を有し、前記インジェクタチューブにプランジャを変位可能に配置し、また前記インジェクタ装置は装填チャンバを有し、前記装填チャンバ内に前記眼内レンズ(2)を装填することができ構成とし、翼状のカバーフラップ(38,39;38′,39′)を前記インジェクタチューブ(34,34′,83)に配置し、前記カバーフラップは前記装填チャンバを開閉するよう移動可能にした、該インジェクタ装置において、前記眼内レンズ(2)を前記装填チャンバ(37,37′)内に装填するために、請求項1〜4、6〜9、11のいずれか一項に記載の保持装置(1,1′)を、前記装填チャンバ(37,37′)の領域における前記インジェクタチューブ(34,34′,83)に配置した、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項14】
眼内レンズ(2)用のインジェクタ装置であって、該インジェクタ装置は、インジェクタチューブ(34,34′,83)を有し、前記インジェクタチューブにプランジャを変位可能に配置し、また前記インジェクタ装置は装填チャンバを有し、前記装填チャンバ内に前記眼内レンズ(2)を装填することができ構成とし、翼状のカバーフラップ(38,39;38′,39′)を前記インジェクタチューブ(34,34′,83)に配置し、前記カバーフラップは前記装填チャンバを開閉するよう移動可能にした、該インジェクタ装置において、前記眼内レンズ(2)を前記装填チャンバ(37,37′)内に装填するために、請求項5に記載の保持装置(1,1′)を、前記装填チャンバ(37,37′)の領域における前記インジェクタチューブ(34,34′,83)に配置した、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項15】
眼内レンズ(2)用のインジェクタ装置であって、該インジェクタ装置は、インジェクタチューブ(34,34′,83)を有し、前記インジェクタチューブにプランジャを変位可能に配置し、また前記インジェクタ装置は装填チャンバを有し、前記装填チャンバ内に前記眼内レンズ(2)を装填することができ構成とし、翼状のカバーフラップ(38,39;38′,39′)を前記インジェクタチューブ(34,34′,83)に配置し、前記カバーフラップは前記装填チャンバを開閉するよう移動可能にした、該インジェクタ装置において、前記眼内レンズ(2)を前記装填チャンバ(37,37′)内に装填するために、請求項10に記載の保持装置(1,1′)を、前記装填チャンバ(37,37′)の領域における前記インジェクタチューブ(34,34′,83)に配置した、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項16】
請求項13に記載のインジェクタ装置において、前記眼内レンズ(2)を前記装填チャンバ(37)内に装填するため、前記保持装置(1)を、前記インジェクタチューブ(34)の外側に形成した案内部材(40,41)に係合するよう配置し、前記案内部材(40,41)に沿って、前記保持装置(1)を変位可能とした、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項17】
請求項14に記載のインジェクタ装置において、前記保持装置(1)は、基本位置で前記インジェクタ装置(33)に取り付け、前記基本位置で、前記支持部材(6)の前記支持アーム(9,10)における前記案内部材(12,14)が、開放状態で前記端縁側に配置する前記カバーフラップ(38,39)の周囲を把持する構成とし、
前記カバーフラップ(38,39)は、その外側に案内トラックを有し、該案内トラックと前記支持アーム(9,10)の前記案内部材(12,14)とが係合する構成とし、また前記カバーフラップ(38,39)は、前記保持装置(1)が前記基本位置から変位位置に移動する際、第1中間閉鎖位置に自動的に移動可能とした、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項18】
請求項17に記載のインジェクタ装置において、前記保持レール(7)に配置する前記レンズ(2)に対して、前記カバーフラップ(38,39)の前記第1中間閉鎖位置への移動によって、前記カバーフラップ(38,39)の少なくとも1個の内側面(46,47)が側方から接触する構成とし、
前記カバーフラップ(38,39)の前記第1中間閉鎖位置からスタートする前記保持装置(1)のさらなる移動であって、前記支持部材(6)のさらなる移動の際に、前記保持レール(7)が持ち上げられ、また前記レンズ(2)は前記保持レール(7)から自動的に取り外し可能に構成し、
前記保持装置(1)のさらなる移動の際に、前記カバーフラップ(38,39)が、少なくとも1個の支持部材アーム(9,10)における少なくとも1個の案内部材(12,14)によって、最終閉鎖位置に並進移動する構成とした、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項19】
請求項13に記載のインジェクタ装置において、前記カバーフラップ(38′,39′)は、それぞれその端縁に複数のグリップ突起(90〜95)を有し、一方の前記カバーフラップ(38′,39′)における前記グリップ突起(90〜95)は、他方の前記カバーフラップ(38′,39′)におけるグリップ突起(90〜95)と互い違いに配置した、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項20】
請求項15に記載のインジェクタ装置において、前記支持部材(6′)は、前記眼内レンズ(11)を前記装填チャンバ(37′)内に装填するため、前記インジェクタ装置(33′)の長手方向軸線(B)に対して直交する方向にのみ移動可能とし、前記眼内レンズ(11)を前記装填チャンバ(37′)に装填するため、前記保持装置(1′)は、前記装填チャンバ(37′)上方の前記インジェクタチューブ(34′,83)に装着し、また前記保持レール(7′)を、前記インジェクタチューブ(34′,83)における係合部材(86,87)に連結し、また前記インジェクタチューブ(34′,83)に対して位置的に固定し、さらに、前記支持部材(6′)は、前記インジェクタチューブに対して相対移動可能とし、
前記支持部材(6′)を下方に移動することによって、前記カバーフラップ(38′,39′)のグリップ突起(90〜95)および/または内側は、前記遷移部(65)の前記内側面(77)に接触する構成とし、
前記支持部材(6′)をさらに下方に移動することによって、前記グリップ突起(90〜95)は、前記遷移部(65)の上方に傾斜する内側面(77)に沿って案内され、該案内によって、前記カバーフラップは、第1中間閉鎖位置に案内されて、該第1中間閉鎖位置で、前記眼内レンズの端縁が、前記グリップ突起(90〜95)に接触する構成とし、
前記支持部材(6′)がさらなる下方に移動することによって、前記眼内レンズ(11)が前記保持レール(7′)から自動的に取り外され、また自動的に折り畳まれて、前記装填チャンバ(37′)内に装填され、前記カバーフラップ(38′,39′)が、自動的に閉鎖位置をとるよう構成した、ことを特徴とするインジェクタ装置。
【請求項21】
眼内レンズ(2)を請求項13〜20のいずれか一項に記載のインジェクタ装置(33,33′)内に装填する方法において、前記眼内レンズ(2)を、前記保持装置(1,1′)から前記インジェクタ装置(33,33′)の装填チャンバ(37,37′)内に、前記保持装置(1,1′)とカバーフラップ(38,39;38′,39′)を有する前記インジェクタチューブ(34,34′,83)と間の機械的協働によって自動的に装填するようにした、ことを特徴とする装填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼内レンズ用保持装置、ならびに眼内レンズの梱包および運搬用手段、に関する。さらに、本発明は、眼内レンズ用インジェクタ装置に関する。加えて、本発明は、眼内レンズを梱包する方法、および眼内レンズをインジェクタ装置に装着する方法と、を含む。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、眼内レンズ用保持装置、インジェクタ装置、ならびに眼内レンズの梱包および運搬方法が知られている。例えば、水晶体(natural lens)が損傷する、または目の視力が損なわれる場合、眼球における水晶体の代用として、眼内レンズを眼球内に挿入する。例えば、水晶体は、断片化および吸引によって摘出することができる。眼内レンズは、眼球の小切開部からインジェクタ装置によって挿入することができる。一般に、眼内レンズは、視覚的部分、ならびにこの視覚的部分上に配置する触覚的部分を有し、この眼内レンズは、眼球における所望位置に配置することができる。小切開部から眼球内に眼内レンズを挿入するために、レンズを折り畳む、または巻いた状態にするのが好ましく、特に、インジェクタ装置内で予めこのような状態にしておく。眼球内では、挿入後、レンズは元の形状に戻り、配置される。
【0003】
一般に、眼球レンズは梱包および運搬用手段内に設け、医師または他の医療従事者に届けられる。眼内レンズは、取扱いおよび運搬用中、梱包および運搬用手段によって保護される。このような梱包および運搬用手段は既知の手段であり、この手段では、レンズは運搬容器に挿入されているだけであり、この運搬容器内には、単純な方法で滅菌液が注入されている。これらの手段では、医療従事者は、外科処置前に運搬容器からレンズを取り出し、例えば、鉗子等のさらなる補助手段または補助器具のそれぞれによってレンズをインジェクタ装置に装着する必要がある。この方法では、したがって、運搬容器からインジェクタ装置における装填チャンバ内への移し替えを、補助器具によって実施する。緻密であり、誤操作し易い状態で、装填チャンバ内への挿入は鉗子を操作して行わなければならず、その操作は、ユーザーの技能によって千差万別である。このような操作は、比較的高度な技巧および経験が要求されるものであり、眼内レンズを誤ってインジェクタ内に装填してしまうことも起こり得る。さらに、このような手作業が増えることによって、眼内レンズおよび/またはインジェクタ装置が損傷するか、または汚染される危険性が増大する。
【0004】
特許文献1(欧州特許第1173115号)には、眼内レンズ用保持装置、ならびにインジェクション装置および眼内レンズ用梱包システムが記載されている。この保持装置は比較的精巧に設計され、この装置には密閉カセットを設け、このカセット内には支持レールを配置し、このレール上に眼内レンズを配置し、導入することができる。このようにして、眼内レンズをボックス内に配置する。インジェクタ装置に挿入するためには、まずカセットを開き、支持レールを取り出し、また支持レールをインジェクタ内に挿入しなければならない。この場合も、眼球内に眼内レンズを確実に挿入するために、鉗子の形状を有する補助器具を使用して、眼内レンズを保持部または支持レールから取り出さなければならないことが条件となる。他の実施例では、インジェククタ装置の翼状のカバーフラップは、ユーザーがしっかりと把持することによって結合され、これによりレンズを保持部から取り外すことができるようになる。この方法は誤操作を生じやすく、ユーザーによるこれら翼の動きの直接制御が可能であるがために、レンズの不所望な位置への配置や、不所望な折れ曲がりが結果的に生じる可能性が有る。したがって、ここでも、ユーザー個人の技能によって左右される操作となり、このことは不利である。
【0005】
さらに、特許文献2(米国特許第6468282号)には、眼内レンズ用インジェクタ装置が記載されている。操作性がよく、また取扱いが簡単という点に関しては、特許文献2に記載のインジェクタ装置はやはり不利である。
【0006】
その上、眼内レンズのようなインプラント眼内インプラント、ならびにインジェクタ装置は滅菌しなければならないことが知られている。
【0007】
眼内インプラントおよびインジェクタは、これらを構成する材料に適切な手段によって滅菌しなければならない。現在、ある親水性のアクリル眼内インプラントは、オートクレーブ内蒸気滅菌によって、水溶液内で滅菌される。現在、他の眼内インプラント、および特にPMMAレンズ、疎水性アクリルレンズ、シリコーンレンズ、および二材料(PMMAおよび疎水性アクリル)レンズは、酸化エチレン(ethylene oxide: ETO)で滅菌される。他のインプラント、特に二材料(PMMAおよび親水性アクリル)インプラントは、γ線照射によって滅菌しなければならない。
【0008】
オートクレーブによる蒸気滅菌に先立って、眼内インプラントを生理食塩水含有フラスコ内に配置し、その後、オートクレーブ内に配置する前にフラスコをシールして密封する。このフラスコは、インプラント用容器またはパッケージとして機能する。
【0009】
同様の方法をガンマ線による滅菌にも適用する、すなわち、眼内インプラントを生理食塩水含有フラスコ内に配置して、照射前にこのフラスコをシールして密封する。
【0010】
最後に、疎水性アクリルインプラントおよび二材料(PMMAおよび疎水性アクリル)インプラント、またはシリコーンインプラントは、酸化エチレン透過性容器内で滅菌乾燥し、適切な形状の容器内に乾熱状態で梱包する。眼内インプラントがシリコーン製または疎水性アクリル製の場合、眼内インプラント、インジェクタ本体および該インジェクタに取り付けるカニューレの組み合わせを、ETOで滅菌することができる。しかし、この種の組み合わせは、保存期間に限界がある。このことは、カニューレ内壁の下側に、ステアリン酸グリセロール、ポリアミド誘導体、脂肪アルコールポリエトキシエーテル、ポリオールエステル、またはエトキシル化アミン等の潤滑剤が、カニューレを構成する材料と共に成形されて含まれているカニューレ構造に基因する。有効期限を過ぎると、当初、カニューレ材料に含浸されていた潤滑剤が内壁表面に大量に移動してくるので、眼内インプラントは、カニューレから沁み出る潤滑剤によって被覆されて、その透明性に影響を受けると共に、眼内に潤滑剤残留物を導入することになる。
【0011】
親水性アクリル眼内インプラントまたは二材料眼内インプラントの場合、眼内インプラント、インジェクタ本体およびカニューレの組み合わせ、またはカニューレ単体は、ポリプロピレンで形成するのが一般的なパッケージとともに滅菌することができず、このことは、カニューレは、オートクレーブで高温滅菌することができず、さらにこの種の眼内インプラントは、ETOで滅菌できないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第1,173,115号明細書
【特許文献2】米国特許第6,468,282号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、眼内レンズ用保持装置、眼内レンズ用インジェクタ装置、ならびに眼内レンズ用梱包および運搬用手段、を提供することにある。さらに、眼内レンズを梱包するための方法、および眼内レンズをインジェクタ装置内に装填する方法を提供する。これら装置、手段および方法は共に、滅菌に対する高い必要条件を満たすことができ、さらに、構成部材に対する好ましくない損傷を避けることができるよう構成する。さらに、パッケージング、運搬、パッケージからの取り出し、および外科処置の施術における眼内レンズの扱い易さを改善し、操作性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの目的は、特許請求の範囲の請求項1に記載の特徴を有する保持装置、請求項19に記載の特徴を有する梱包および運搬用手段と、請求項23に記載の特徴を有するインジェクタ装置、ならびに請求項39および請求項40に記載の特徴を有する方法、によって解決する。
【0015】
本発明による眼内レンズ用保持装置は、底部が開放しかつ細長い形状で延びて存在する(延在する)支持部材を有する。さらに、この保持装置は、眼内レンズを保持する保持レールを有し、この保持レールを細長い支持部材上に配置する。細長い形状に関しては、特に、支持部材は、幅よりも長手方向の寸法が長くなるよう形成する。このことに関して、支持部材もレール状に設計し、細長い保持レールも、底部が開放する形状に形成する。特に、少なくとも所定領域における支持部材の断面は、底部が開放した反転したU字状に形成する。したがって、眼内レンズの保持力を改善することができ、また、このことによって、眼内レンズに対するアクセスが容易になり、より操作し易くなる。この構造によって、眼内レンズをインジェクタ装置の装填チャンバ内に装填するため、眼内レンズとともに、眼内レンズ用保持部を配置するケースを、注意深く開封する必要がなくなる。このようにして、保持装置は、インジェクタ装置に直接連結して眼内レンズをインジェクタ装置の装填チャンバ内に装填することができるよう構成することができる。
【0016】
好ましくは、支持部材および保持レールを、互いに相対移動可能にする。したがって、眼内レンズのインジェクタ装置への装填操作は、より機能的かつより簡単にすることができ、さらに、一方で装填チャンバ内でより正確に位置決めすることができ、他方で眼内レンズを保持レールから簡単に取り外すことができる。
【0017】
好ましくは、保持レールは、支持部材の長手方向軸線に沿ってもしくは平行に、および/または長手方向軸線に直交する方向に上下移動可能とする。支持部材に対する保持レールの可動性における種々の自由度により、インジェクタ装置に使用する際の保持装置の操作性が大幅に改善される。したがって、インジェクタ装置の装填チャンバ内への挿入操作中、眼内レンズの望ましくない位置決め、または保持レールからの眼内レンズの望ましくない離脱を回避することができる。
【0018】
好適には、保持レールが装填位置にあるとき、レンズを保持レールの底部側に配置し、この底部が開放した支持部材を介して自由にアクセスできるよう位置決めされるようにするのが好ましい。この構成によって、一方では保持装置における眼内レンズの確実な保持、および他方では所要に応じて保持レールからの眼内レンズの簡単な取り外しも可能となる。好適には、保持レールが装填位置にあるとき、レンズに対して横方向および底部の双方からアクセスすることができる。好適には、支持部材の長手方向に見て、眼内レンズの前面側および後面側のみ保持レールで固定し、それ以外の側面は自由にアクセスできるようにする。この場合も、インジェクタ装置の装填チャンバ内への眼内レンズの自動導入に関する特に有利な機能的原理を促進することができる。保持装置の他には、鉗子等の他の補助器具をもはや必要としなくなる。したがって、一方では望ましくない汚染を回避し、他方では挿入操作の際にユーザーによる望ましくない手動操作を減らすこともできる。したがって、インジェクタ装置の装填チャンバ内の望ましくない誤った位置に眼内レンズを挿入してしまうことを避けることができる。
【0019】
好適には、支持部材は、支持部材の頂部または外側に少なくとも1個のグリップ部材を有する構成とする。この構成によれば、ユーザーに掴むための簡単な操作性を与え、このことによって、保持装置全体を迅速かつ的確に保持、および移動することができる。
【0020】
好適には、支持部材は、底部が開放した基体を有し、この基体に、長手方向軸線と平行に延在する支持アームを配置し、これら支持アームは、支持部材の長手方向軸線の両側にそれぞれ配置する。支持部材のこの構造的形態によって、一方では極めて多くの側面からのアクセス可能性を有する極めて開放的な構造にすることができ、他方では高機能部分を提供し、この機能部分は重量を減らすこともできる。
【0021】
好適には、少なくとも1個の案内部材を、支持アームの互いに対向する内側面で、各支持アームに配置する。各案内部材は、収納空間をカバーするインジェクタ装置のカバーフラップに係合するように形成する。案内部材とカバーフラップと間の結合におけるこの自動的な機械化可能性によって、保持装置をインジェクタ装置に機械的に結合させる場合、カバーフラップの自動操作を達成することができる。このようにして、インジェクタ装置の装填チャンバ内に眼内レンズを導入する際に、ユーザーが、これらカバーフラップを直接かつ明確に保持し、これらカバーフラップを直接動かして閉鎖する必要がなくなる。したがって、保持装置のこの構造によって、一方ではユーザー側にとって、装填チャンバ内への眼内レンズ挿入がほぼ無接触とり、他方ではユーザーは、これらカバーフラップを明確に保持する必要がなく、インジェクタ装置のカバーフラップの自動閉鎖を自動的に達成することができる。このように、極めて機能的で協調動作シーケンスが自動的に行われ、このシーケンスは、幾つかの操作を管理する。したがって、この保持装置によって、インジェクタ装置のカバーフラップのほぼ自己閉鎖する構造を達成することができ、保持レールからの眼内レンズの自律的な自動取り外しが可能となる。
【0022】
好適には、支持部材の基体の下側端縁および/または少なくとも1個の支持アームの下側端縁に、位置決め部材を配置し、この位置決め部材によって、保持装置を運搬容器に固定して取り付けることができる。この構成によって、無防備で、ほぼ自由に移動できる状態で眼内レンズが運搬容器に挿入されることはもはやないことが保証される。したがって、眼内レンズを梱包して運搬するため、レンズのさらなる保護が本発明の保持装置によって保証される。レンズを保持装置に装着して、この保持装置を、位置が安定する方法で運搬容器に配置する。運搬においてでさえ、このように、運搬容器内で位置的に固定された取り付けを確実にすることができる。したがって、保持装置も、安定的に運搬容器内に位置決めすることができ、運搬容器内での保持装置の望ましくない前進後退を避けることができる。したがって、運搬容器内での運搬による保持装置の損傷も避けることができる。
【0023】
保持装置を一体ピースで形成して提供することができる。この構成では、支持部材および保持レールを単一部分として設計するが、この単一部分は、支持部材および保持レールのそれぞれに対するこれら構成要素の相対的可動性を確保する。したがって、とりわけ構成要素を削減した構造等の簡単かつ安価な製造が保証される。プラスチック材料製の保持装置の構成では、したがって、製造、例えば射出成形プロセスによって、迅速かつ経済的に形成できる。
【0024】
支持部材および保持レールは、個別の部分として提供することもできる。この構成では、個別の部分を取り出して、個別に交換することができる。このことによっても、使用効率を改善することができる。
【0025】
好適な実施形態では、支持部材を、細長いクランプ状に形成する。特に、支持部材は、底部に向けて拡開するよう形成する。したがって、断面図では、支持部材は、特に、底部が開放した中空体として形成し、この支持部材は、逆Y字状となる。長手方向軸線の方向では、支持部材は直線的形状であり、さらに、保持レール用のフード状の容器として形成する。支持部材をこのような特有形態にすることによって、特に機械的に安定した構成を実現することが可能となり、この構成では、垂直方向の押圧によって望ましくない変形が生じることなく、力作用を吸収および伝達する。さらに、このことによって、支持レールおよびこの支持レールに配置する眼内レンズをフード状に包囲して保護する。特に、取扱い易さおよび正確な管理の容易性が保証されるため、ユーザーは、極めて正確に導入動作を行うことができ、このことによって、インジェクタまたはレンズに対する損傷を回避することができる。
【0026】
好適には、支持部材は、幅が狭い上側部分、および幅が広い下側部分を有し、拡開する遷移部を上記上側部分と下側部分との間に形成し、この拡開する遷移部は、特に、底部および外部に向かって傾斜するよう延在させる。この形態によって、一方では、上側部分において支持部材に非常に優れたグリップ性能を付与することができる。さらに、この実施例は、保持装置の特定の操作状態で、上側部分に対する保持レールの安定した収容および装着を生ずる。さらに、レンズの装填チャンバへの装填における種々の操作段階で、インジェクタの構成要素、特に装填チャンバのカバーフラップの噛み付きまたは引っ掛かりが、遷移部の形状によって回避できる。遷移部の内側面に沿う構成要素の特別に滑らかな案内および摺動を得ることができ、さらにインジェクタの構成要素の極めて連続的でスムースな案内動作を得ることができる。
【0027】
好適には、上側部分および遷移部は、スリットであって、特に垂直方向に指向するスリットを有し、これらスリットは、保持レールを収容し、案内するよう形成する。このことによって、ほぼ狭い案内トラックがスリットによって存在することによって、支持部材と保持レールとの間の極めて正確な相対移動可能性を調整することができる。したがって、案内における望ましくない寸法公差に基因する望ましくない移動を避けることができる。さらに、空間的な一方向、特に垂直方向にのみ所望移動が、極めて正確に調整可能となる。さらに、別の実施形態では、スリットの代りに、溝を設ける。
【0028】
好適には、案内部材は、上側部分の互いに対向する側面で、底部に向けて、特に平行に延在させ、収容空間、特に、インジェクタ装置の装填チャンバにおけるカバーフラップの収容空間は、案内部材と下側部分の壁との間に形成する。
【0029】
好適には、上側部分および/または遷移部における案内部材の互いに対向する内側面のそれぞれに、少なくとも1個の膨隆部を形成する。このことによって、保持レールのための障壁または停止部を極めて簡単に設けることができ、しかもインジェクタの装填チャンバ内にレンズを装填する種々の操作段階における、極めて効果的な形状で設けることができる。
【0030】
好適には、保持レールは、支持部材に対して垂直方向に移動可能とし、この保持レールを、装填チャンバ内にレンズを装填する際に、膨隆部の下側における開始位置に配置し、さらに、垂直方向に見て膨隆部の上方の停止位置に配置し、また保持レール上方の膨隆部によって保持レールを保持する。
【0031】
好適には、保持レールは、底部の前端部および後端部のそれぞれに受容部を有し、インジェクタ装置の装填チャンバ領域に形成した係合部材が、組み立てた状態で受容部に係合するよう構成する。したがって、インジェクタ装置と保持レールとの間の位置的固定を、装填チャンバ内にレンズを装填する際に、確実かつ簡単に行うことができるとともに、インジェクタチューブに対する保持レールの装着を自動的に行うことができる。
【0032】
さらに、本発明は、眼内レンズ用の梱包および運搬用手段に関する。この手段は、本発明による運搬容器および本発明による保持装置、またはそれらの有里な変更形態を有する。保持装置は、運搬容器内に装填することができ、特に、梱包および運搬手段の仕上げ状態では、保持装置を、位置的に安定した状態で運搬容器内に配置する。この梱包および運搬用手段の仕上げ状態では、眼内レンズは、保持装置に配置する。この眼内レンズ用の梱包および運搬用手段では、上述した利点を、明確に発揮できる。管理容易性の向上に加えて、眼内レンズの損傷を減ずることができる。さらに、外科処置で必要な使用の際に眼内レンズを運搬容器から取り外すために、例えば鉗子等の他の補助器具を必要としない。
【0033】
好適には、眼内レンズは、機械的応力が加わらない状態で保持装置に配置する。このことによっても、眼内レンズの望ましくない装填および早期摩耗が回避される。
【0034】
特に、保持装置は、位置的に安定した方法で運搬容器に配置し、保持装置の位置決め部材は、運搬容器の位置決め領域であって、特にその内側底部に、破壊せずに着脱できるよう配置する。したがって、保持装置は、運搬容器の内側底部に固定的に位置決めする。このようにして、運搬時に、運搬容器内での保持装置の望ましくない移動を回避することができるので、運搬容器内での眼内レンズの望ましくない移動も回避することができる。例えば、ロック機構を形成することで、非破壊的な着脱可能アタッチメントを設けることができる。このように、位置決め部材はロック部材とすることができ、このロック部材が、位置決め領域に設ける凹部に係合する。
【0035】
したがって、一方では、保持装置を運搬容器内に簡単かつ確実に配置および装填できるとともに、迅速かつ簡単に運搬容器から取り外すこともできる。
【0036】
保持装置には、容器が密着係合するのが好ましい。
【0037】
好適には、滅菌水を運搬容器内に収容して、眼内レンズをこの滅菌水内に浸漬させて配置する。梱包後また運搬時も、レンズはこの滅菌水によって包囲されるので、ここでも望ましくない汚染物混入が回避される。特に、運搬容器は、その上面をカバーによって閉じられているので、やはり、汚染物は運搬容器の収納空間に入り込むことができない。さらに、この側面では、液体を損なうことなく運搬することができる。運搬容器の滅菌および無菌的閉鎖は、カバーによって確実なものとなる。この場合、カバーの付着および熱的な溶着結合を行うことができる。したがって、運搬容器は、保管用および運搬用に完全に閉鎖される。カバーは、少なくとも特定の領域が透明となるように形成することができるので、運搬容器内の保持装置および眼内レンズを見ることができる。眼内レンズを特徴付けるパラメータに関する情報を、カバーに表記することができる。
【0038】
さらに、本発明は、眼内レンズ用のインジェクタ装置に関し、このインジェクタ装置はインジェクタチューブを有し、このインジェクタチューブに、プランジャを変位可能に配置する。さらに、インジェクタ装置は装填チャンバを有し、この装填チャンバ内に眼内レンズを装填することができる。特に、装填チャンバは、インジェクタチューブに形成する。翼状のカバーフラップをインジェクタチューブに配置し、装填チャンバの開閉のために移動可能とする。インジェクタ装置は、本発明による眼内レンズ用の保持装置、またはその有利な変更形態を有する。保持装置は、装填チャンバ内にレンズを装填するために、装填チャンバの領域でインジェクタチューブに配置する。インジェクタ装置をこのように構成することによって、極めて機能的な構成を提供することができ、この構成によって、装填チャンバへの眼内レンズのより簡単でより正確な導入が保証される。このインジェクタ装置では、保持装置をインジェクタ装置に配置すると、装填チャンバ内の所望する位置に眼内レンズを装填するために、鉗子等の他の補助器具を必要としない点で、特に有利となる。保持装置およびインジェクタ装置が協調動作すると、眼内レンズを装填チャンバに自動的に装填することができる。
【0039】
インジェクタチューブは一体ピースとすることができる。好適な実施形態では、インジェクタチューブは2個の個別の部分により構成し、これらの各部分を組み付け、さらに、破壊せずに再び取り外すことができるようにする。好適には、インジェクタチューブの前方部または前方部分は、装填チャンバ、翼状のカバーフラップ、および挿入部材または射出カニューレを備える構成とする。この部分は、インジェクタチューブのもう一方の部分に組み付けることができる。
【0040】
さらに、ユーザーが直接掴んでカバーフラップを明確に手動で閉鎖する必要性はもはやない。カバーフラップの閉鎖は、保持装置によって自動的に保証される。
【0041】
眼内レンズの装填チャンバ内への導入に関する機能的原理の大幅な改善に加えて、インジェクタ装置によって、レンズのより位置的に安定した状態で汚染物混入なしに実行することもできる。
【0042】
好適には、眼内レンズを保持レールから装填チャンバ内に装填するため、保持装置の開放した底部側をインジェクタチューブに配置し、保持レールの少なくとも一部が装填チャンバ内に位置するよう配置する。このことによって、保持レールからの眼内レンズの望ましくない早期脱落を回避することができ、さらに、このようにすることで、装填チャンバ外への眼内レンズの落下を回避することもできる。
【0043】
眼内レンズを装填チャンバ内に装填するために、保持装置をインジェクタチューブの外部に形成する案内トラックと係合するよう配置し、さらに、この保持装置は、この案内トラックに沿って変位可能とするのが好ましい。保持装置は、インジェクタ装置に取り付けた状態で安定的に位置決めされるので、保持装置の望ましくない落下またはインジェクタ装置からの望ましくない離脱を回避することができる。機械的に安定した位置決めに加えて、強固な構成を提供することができ、このことによって、高品質に形成することもできる。したがって、望ましくない移動公差またはインジェクタ装置の保持装置からの望ましくない離脱を回避することができる。
【0044】
好適には、案内トラックは、インジェクタチューブの長手方向軸線に平行に、両側に形成する。このことによって、やはり、案内を精密かつ安全なものに改善することができる。案内トラックは、装填チャンバの端部に隣接するよう配置して、特に、装填チャンバの端部に形成し、インジェクタ装置のテーパーを付けた挿入部材から遠ざかるようにするのが好ましい。このように、インジェクタ装置の長手方向に見て、保持装置をほぼ挿入部材の前方でインジェクタチューブに装着し、これにより安定した位置決めを実現することができる。インジェクタチューブは、通常、挿入部材よりも厚みを持たせて形成するので、機械的により安定したアタッチメントを得ることもできる。
【0045】
好適には、インジェクタ装置に取り付けた保持装置を、インジェクタ装置の基本位置に取り付け可能とし、保持装置の支持部材における支持アームの案内部材がカバーフラップ上側端縁の周りをグリップして、カバーフラップを開放した状態にするようにインジェクタ装置を形成する。したがって、案内部材は、フラップ外面上のカム状形状部に係合する。この構成によって、保持装置をインジェクタチューブに装着する際に、案内部材のカバーフラップに対する係合が、ほぼ自動的に確実に行われるので、この場合も構成部品の簡潔かつ確実な結合が保証される。ユーザーによる不都合なさらなる介入は必要ない。
【0046】
好適には、カバーフラップは外側に案内トラックを有し、この案内トラックは支持アームの案内部材と係合し、保持装置が基本位置から取り外し位置に移動する際に、カバーフラップは自動的に第1中間閉鎖位置に移動可能となるように、インジェクタ装置を形成する。特に、このように、保持装置とインジェクタ装置との間の機械的結合に応じて、カバーフラップの案内動作も自動化され、このカバーフラップの移動の案内は、インジェクタ装置に対する保持装置の移動にリンクさせる。特に、インジェクタ装置のインジェクタチューブに対して保持装置を移動させる。少なくとも特定の領域において、インジェクタチューブに対する保持装置の移動方向を、インジェクタチューブの長手方向軸線の方向に方向付けるのが好ましい。したがって、保持装置はインジェクタ装置に対して後退可能とするのが好ましく、このことによって、カバーフラップの中間閉鎖位置を、案内部材とカバーフラップとの機械的結合によって調整可能にする。特に、案内部材はカバーフラップの外側に形成する案内トラックに係合する構成とする。このことによって、カバーフラップの移動を機械的に安定した状態で案内し、案内部材が、カバーフラップを包囲する位置から不慮に離脱するのを回避することができる。
【0047】
特に、カバーフラップの第1中間閉鎖位置は、保持装置の支持アームによって維持する。したがって、ここでも、この中間閉鎖位置をさらに維持することができるように、またはほぼ第1中間閉鎖位置に調整することができるようにするために、ユーザーが直接カバーフラップを保持する必要はない。保持装置とインジェクタ装置との機械的結合によって、この点において自動化が生じ、この自動化によって、一時的または部分的に他の構成要素に対する、ある構成要素の正確な移動および調整のそれぞれを保証する。これら異なる自動(自己)調整操作手順に対して、ユーザーは、保持装置を初期的に平行移動させるだけでよい。この初期移動を行うことによって、したがって、他の手順の大部分が自動的に行われる。
【0048】
好適には、カバーフラップの第1中間閉鎖位置への移動によって、保持レールに配置したレンズは、少なくともカバーフラップの1つの内側面と側方で接触するようにする。第1閉鎖位置では、カバーフラップは、これらのフラップがレンズの幅の狭い側面に直接隣接するほど完全に開放した位置からスタートして閉鎖される。このように、カバーフラップによるレンズの機械的保持が得られるとともに、レンズの位置が、このようにして、望ましくないシフトを生ずることは事実上もはや起こらない。
【0049】
好適には、カバーフラップがこの第1中間閉鎖位置からスタートして保持装置のさらなる移動を生ずる際に、保持レールは自動的に持ち上げることができ、さらに、この保持装置のさらなる移動によって、レンズを保持レールから自動的に取り外すことができるようにする。したがって、支持部材が初期移動から連続してさらに移動すると、このことによって、ここでも保持レールは自動的に影響を受けるので、特定の領域で保持レールは装填チャンバから上方へ持ち上げられ、このことによって、続いて、レンズが保持装置から自動的に取り外されるという結果を自動的に生ずる。このことは、特に、予め調整した第1中間閉鎖位置での、保持状態でカバーフラップはレンズに対して側方から衝合する。この場合も、保持装置のさらなる移動は、インジェクタチューブの長手方向の少なくとも特定の領域でやはり生じ、この初期移動は、インジェクタチューブの案内トラックによって案内され、これら案内トラックに対して、保持装置の係合部材、特に支持部材の係合部材が係合する。
【0050】
特に、案内トラックは非直線的に形成し、湾曲して上方に至る。このように、一方でインジェクタチューブの長手方向軸線方向の移動または長手方向軸線の方向に平行な移動が案内されるとともに、保持装置の持ち上げと、さらにこのことによる保持レールのインジェクタチューブの長手方向軸線に対して直交する方向の持ち上げも案内される。インジェクタ装置の基本位置からスタートする保持装置の移動であって、保持装置から眼内レンズを取り外すための操作のシーケンス全体は、インジェクタチューブにおける長手方向軸線の方向への移動に関して一方向に常に生ずる。
【0051】
眼内レンズが保持レールから取り外される動作位置からスタートする保持装置のさらなる移動を生ずる際に、カバーフラップは最終閉鎖位置に移動し、この移動も、保持装置のさらなる移動の際に、案内部材によって自動的に生ずる。この場合も、この最終位置を調整するためにユーザーが直接カバーフラップを掴む必要なく、自動的に達成される。ここでも、自動的に最終閉鎖位置に調整することができるように、ユーザーは、保持装置の初期移動を継続させるだけでよい。
【0052】
好適には、眼内レンズは、カバーフラップの閉鎖操作によって、装填チャンバ内で自動的に折り畳まれるようにする。したがって、この眼内レンズの折り畳みはインジェクタチューブで達成するので、さらに、折り畳まれた眼内レンズは、プランジャによってインジェクタチューブからインジェクタ装置のテーパーを付けた案内部材に内に押し込むことができる。
【0053】
カバーフラップを閉鎖する場合、さらに、その結果、保持装置がインジェクタチューブに対して移動して最終位置に達する場合、このことによって、保持装置は、破壊せずにインジェクタチューブから着脱可能に取り外すことができる。さらに、保持装置は、ユーザーが保持装置をさらに保持することを必要としないで、この最終位置に、保持装置をインジェクタチューブに位置的に安定した状態で配置する。例えば、ロック位置をこの位置に設けることができる。
【0054】
保持装置の基本位置に関する上述の位置、ならびにカバーフラップの中間閉鎖位置は、保持装置の初期移動経路に沿う触覚で知覚可能なロック位置を、ユーザーが感じ取ることができるようにすることもできる。
【0055】
特に有利な実施形態では、カバーフラップは、それぞれ、自由端縁に複数のグリップ突起を有する構成とする。特に、カバーフラップにおけるグリップ突起は、他のカバーフラップにおけるグリップ突起に対してオフセットして配置する。この構成によって、状況に特定のカバーフラップおよび保持装置の正確な位置は、それぞれ極めて正確に互いに整合する。さらに、移動の案内、ならびにカバーフラップ、とくにグリップ突起の保持装置およびレンズに対する機械的接触が、位置的に極めて正確に保証され、さらに機械的に十分な接触量が保証される。このことによって、望ましくない領域の接触を回避することができる。さらに、カバーフラップによる保持装置および/またはレンズの特定の領域への望ましくない力の影響を意図的に回避することもできる。
【0056】
好適には、保持装置、特に支持部材は、眼内レンズを装填チャンバ内に装填するため、インジェクタ装置の長手方向軸線に直交する一方向、特にインジェクタチューブの長手方向軸線に直交する一方向のみに移動可能とする。このことによって、組立体の扱いが簡単な動作となり、ユーザーにとって簡潔なものとなる。構成要素のそれぞれに対する正確な移動は、僅かな距離に亘るものであっても、このことによって、確実なものとすることもできて、位置的な正確に行われることを可能にする。
【0057】
好適には、眼内レンズを装填チャンバに装填するために、保持装置を、装填チャンバ上方でインジェクタチューブ上に装着する構成とする。特に、保持レールをインジェクタチューブにおける係合部材と係合させてインジェクタチューブに位置的に固定し、支持部材がそれに対して移動可能となるようにする。
【0058】
特に、保持装置をインジェクタチューブ状に装着した後に、開始位置からスタートして支持部材を下方に移動させることによって、カバーフラップのグリップ突起は、第1中間位置で遷移部の内側面に接触する。カバーフラップは、保持装置における案内部材によって、軸線方向を保持される。
【0059】
好適には、支持部材を下方にさらに移動させることによって、グリップ突起は、斜め上方に指向する遷移部の内側面に沿って案内され、このことによって、カバーフラップは第1中間閉鎖位置内に案内されて、眼内レンズの端縁がグリップ突起に接触する。
【0060】
この状態からスタートして、特に支持部材を繰り返しさらに下方に移動させることによって、眼内レンズを保持レールから自動的に取り外し、自動的に折り畳まれて装填チャンバ内に装着され、カバーフラップが閉鎖位置に自動的に導かれる。
【0061】
他の実施形態では、カバーフラップにグリップ突起を設けず、レンズの自動係合が可能となるとともに、フラップの開始位置から完全な閉鎖位置への各行程は、これらグリップ突起を有する実施形態によって行われる行程と類似するようにカバーフラップの内側面を形成する。グリップ突起を有する実施形態との相違点は、レンズが特別に形成されるフラップの内側面にのみ接触する点である。
【0062】
さらに、本発明は眼内レンズの梱包(パッケージング)方法に関し、この方法では、レンズを、本発明による保持装置に取り付ける、または本発明の有利な変更形態による保持装置に取り付ける。レンズが運搬容器内に、容器内の滅菌水に浸漬配置されるよう、保持装置を運搬容器内に位置を固定して装着する。レンズは、蒸気滅菌によって滅菌することができる。さらに、好適には、インジェクタ装置は、ETO法によって少なくとも特定の領域を滅菌し、特に、インジェクタチューブの内側、および挿入部材の特定の領域を滅菌するよう構成する。
【0063】
本発明による保持装置の有利な実施形態と同様に、梱包および運搬用手段の有利な実施形態および保持装置の有利な実施形態を、運搬容器内に眼内レンズを梱包することに関するこの方法の有利な実施形態として考慮する。
【0064】
さらに、本発明は、眼内レンズのインジェクタ装置内への装填方法に関し、このインジェクタ装置は、本発明によるインジェクタ装置にしたがって形成するか、または本発明の有利な変更形態によるインジェクタ装置にしたがって形成する。眼内レンズは、保持装置と、装填チャンバを閉鎖するカバーフラップを有するインジェクタチューブとの協働によって、保持装置からインジェクタ装置の装填チャンバ内に自動的に装填される。保持装置とインジェクタ装置との間の機械的結合、および保持装置とインジェクタチューブとの相対的移動によって、眼内レンズが装填チャンバ内に自動的に導入されると同時に、カバーフラップが開放位置から完全な閉鎖位置まで自動的に移動することが可能となる。これら方法は、他の補助手段および鉗子等の他の補助器具を使用してレンズを掴むことなく実施することができ、さらに、ユーザーは、それらを動作させることができるようにするために、直接カバーフラップを掴む必要はもはやない。インジェクタ装置上に固定した保持装置を用いて眼内レンズをインジェクタ装置の装填チャンバ内に挿入する方法では、ユーザーは、支持部材のグリップ部材で保持装置を掴み、この保持装置を初期移動経路にそってインジェクタチューブに対して動作させるだけでよい。保持装置のインジェクタ装置に対する機械的結合によって、保持装置からのレンズの取り外し、装填チャンバ内へのレンズの装填およびカバーフラップの閉鎖に関する全てのさらなる操作が自動的に実施される。保持装置とインジェクタ装置との間の機械的結合、特に、各装置の特定構成要素間の機械的結合によって、眼内レンズを装填するためのこれら手順は、正確かつ自己始動するよう保持装置の初期移動に依存した調和した順序で一時的および局所的に実施される。したがって、装着操作中のいかなる時でも、眼内レンズおよびカバーフラップが望ましくない位置にあることを回避することができる。
【0065】
保持装置の有利な変更実施形態およびインジェクタ装置の有利な変更実施形態は、眼内レンズをインジェクタ装置内に装填するための方法の有利な変更実施形態が考えられる。
【0066】
概して、保持装置、梱包および運搬用手段、およびインジェクタ装置によって総合システムを提供し、このことによって、レンズの製造および梱包から眼内へのレンズの挿入に至る極めて機能的な処置が保証される。特に、このことは、レンズの滅菌操作および無菌処置の達成、および使い勝手の良い管理容易性と、レンズの使用に応じる調和した手順に関して改善される。実際にこのようなレンズが外科処置で使用する場合、さらに本発明またはその有利な変更実施形態による梱包および運搬用手段がすでに医療従事者によって実施される場合、運搬容器からカバーを除去して梱包を開封するだけでよい。医療従事者は、保持部材を掴んで運搬容器から保持装置を取り出して、保持装置をインジェクタ装置上に固定して、上述の初期移動を実施することで、レンズを有するインジェクタチューブのさらなる自動装填が達成されるのを可能にする。
【0067】
本発明のさらなる特徴は、請求項、図面および図面の説明から明らかである。上述の特徴および特徴の組み合わせ、ならびに図面の説明および/または図面に示す説明で以下に説明する特徴および特徴の組み合わせとは、本明細書でそれぞれ示す組み合わせで用いることができるだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組み合わせで用いる、または単独で用いることもできる。特に、このことによって、1実施形態の単一の特徴または特徴の組み合わせを、他の実施形態の特徴および特徴の組み合わせと組み合わせて、新規の実施形態を生じさせることができる。
【0068】
本発明の実施形態を、概略図につき、以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本発明による保持装置の実施形態の分解斜視図である。
図2図1の保持装置であって、組み立てた状態を示す斜視図である。
図3】本発明による梱包および運搬用手段の実施形態の斜視図である。
図4図3の梱包および運搬用手段の頂面図である。
図5図3のおよび図4の梱包および運搬用手段であって、すでに保持装置を取り出した状態を示す他の斜視図である。
図6】本発明によるインジェクタ装置の実施形態の一部を示す斜視図である。
図7図6のインジェクタ装置を、インジェクタ装置から分離した図1および図2の保持装置とともに示す斜視図である。
図8】保持装置を装着した状態のインジェクタ装置の斜視図である。
図9】眼内レンズをインジェクタ装置の装填チャンバ内に挿入する際の、特定の操作状態にある保持装置を有するインジェクタ装置の斜視図である。
図10】眼内レンズを挿入する際の第2操作状態にある保持装置を有するインジェクタ装置の他の斜視図である。
図11】眼内レンズを挿入する際の第3操作状態にある保持装置を有するインジェクタ装置のさらに他の斜視図である。
図12】装填チャンバに挿入した眼内レンズ、および取り出した保持装置とともにインジェクタ装置を示す斜視図である。
図13】保持装置の保持レールに関する他の実施形態の斜視図である。
図14】保持装置に関する他の実施形態の斜視図である。
図15】装填チャンバの挿入部材およびカバーフラップを有するインジェクタチューブの一部のさらなる実施形態の斜視図である。
図16図13および図14の保持装置であって、図15に示すインジェクタチューブの一部に装着した保持装置の斜視図である。
図17】インジェクタ装置に関する他の実施形態の斜視図である。
図18】第1操作段階にある、図17に示すインジェクタ装置の断面図である。
図19】第2操作段階にある、図17に示すインジェクタ装置の断面図である。
図20】第3操作段階にある、図17に示すインジェクタ装置の断面図である。
図21】第4操作段階にある、図17に示すインジェクタ装置の断面図である。
図22】第5操作段階にある、図17に示すインジェクタ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図面において、機能的に類似する要素には、同一の参照符号を付して示す。
【0071】
本発明は、眼に対する外科処置に適用可能であり、この外科処置では、眼内レンズを挿入するための極めて小さな切開部を切開し、この切開は、例えば、いわゆるMICS(Micro Incision Cataract Surgery: 極小切開白内障手術)と呼ばれる方法で実施する。しかし、本発明は、眼球へのこれらの極小切開を行わず、眼球レンズを挿入するためにより大きな切開を行う場合にも適用できる。
【0072】
本発明は、眼内レンズ(IOL)用保存装置およびインジェクタの双方を有する包括的なシステムにより構成し、インジェクタには最小限の手動操作でIOLを移し替えてからIOLをインジェクタから送り出す。とりわけ、本発明による解決法は、MICS技術の成功を妨げる上述した要因を使用が簡単なシステムで解決する。
【0073】
本発明システムは、IOL(好ましくは蒸気滅菌する)を、ルーメン(好ましくはETO滅菌する)とは別個に梱包する。このルーメンをIOLから分離することによって、ルーメンを蒸気滅菌処理に曝す必要性が回避される。蒸気滅菌は、最適材料/コーティング技術さえも損なう。したがって、この分離は、最終使用時のルーメンの最適潤滑性にとって重要である。
【0074】
本発明システムは、IOLを折り畳んで圧縮する。したがって、切開標的にMICSを達成するためのシステムの安定性は、少なくとも従来のカートリッジ・ハンドピースシステムのそれに匹敵する。実際、本明細書に提案する発明は、主として、IOLを本発明システム内に装填する手段の点で、従来のカートリッジ・ハンドピースシステムと異なる。したがって、本発明では、従来では純然たる手作業であったものを、ほぼ機械化する。
【0075】
このようなシステムは、非MICS装置にも採用可能であり、これらを使用することが、既存システム以上の利益となり得ることにも注目されたい。このことは、IOLを収納する保存装置をインジェクタ上に予め設置する親水バージョンにすることもでき、この親水バージョンでは、送り出しのためにレンズをインジェクタ内に装填するために、この保存装置を移動させるだけでよい。
【0076】
図1では、眼内レンズ2の保持装置1を、分解斜視図として示す。この実施形態では、眼内レンズ2は、1個の視覚的部分3、およびこの視覚的部分3の両側に配置した2個の触覚的部分4および5を有するように形成する。保持装置1は、眼内レンズ2を保持するように形成し、図示の実施形態では眼内レンズ2の構成は単なる例示的なものである。眼内レンズの他の構成も保持装置1によって保持することができる。保持装置1は、一体ピースとして形成した支持部材6を有する。さらに、保持装置1は、細長い保持レーン7を有し、この保持レーン7は、細長い支持部材6上で移動可能に配置する。支持部材6および支持レーン7は、個別の構成要素として形成することも、互いに一体となるよう形成することもできる。
【0077】
底面側から、したがって図示する正のy軸方向に見ると、支持部材6は、下側から開放するよう形成する。これと同様に、このことを保持レール7に適用する。保持レール7は、さらに、図示する正負のz軸方向に見て側方が開放するよう形成する。
【0078】
支持部材6は基体8を有する。基体8において、第1支持アーム9および第2支持アーム10を基体8の前面側に取り付ける。支持アーム9および10は、支持部材6の方向軸線Aの両側に、特に、長手方向の軸線Aに対して対称的に配置して形成する。したがって、支持アーム9および10も軸線Aと平行に延在する。
【0079】
支持アーム9の内側面11に案内部材12を配置する。同様に、支持アーム10の内側面13にも案内部材14を配置する。内側面11と案内部材12との間には係合空間を設け、同様に、内側面13と案内部材14との間にも係合空間を設ける。案内部材12および14は、x軸方向に見て、互いに同一レベルに配置する。
【0080】
基体8の上面15にグリップ部材16を形成する。このグリップ部材16で、ユーザーは保持装置1を掴むことができ、また保持装置を持ち上げる、または操作することができる。
【0081】
細長い保持レール7は、支持部材6に対して移動可能に配置する。この場合、保持レール7の可動性は、長手方向の軸線A方向および長手方向の軸線A直交するy方向に可能である。
【0082】
保持レール7は、このレール7の両側の端部で底面に配置したグリップ部材17および18を配置し、これらグリップ部材によって、眼内レンズ2をグリップするようにし、したがって、眼内レンズ2を保持する。グリップ部材17および18は、眼内レンズ2の触覚的部分4および5を保持する。
【0083】
眼内レンズ2を保持装置1に配置する場合、眼内レンズ2には底面から自由にアクセスできる。
【0084】
さらに、位置決め部材21、22および23を、好ましくは基体8および支持アーム9および10の下縁19および20で支持部材6に形成する。これら位置決め部材は、例えば、可撓的に移動可能な固定タブとして設けることができる。したがって、保持装置1は、例えば、梱包および運搬用手段内に位置的に固定して配置することができる。
【0085】
保持装置1は、その底部にカバーがないため、保持された眼内レンズ2は、支持部材6に底部から完全かつ自由にアクセスすることができる。しかし、さらに、支持部材6は、実質的に、保持レール7および眼内レンズ2を収容する空洞を形成しているので、眼内レンズ2は頂部および側方を保護される。簡略化した図で見て、支持部材6は断面が逆U字形状に形成する。特に、このことは、基体8の領域で適用する。
【0086】
図2では、組み立てた状態の保持装置1であって、保持された眼内レンズを有する保持装置1の概略的な頂部側から見た斜視図を示す。眼内レンズ2は、案内部材12および14の下側に配置し、保持レール7は、支持部材6に保持される。さらに、図示のように、軸線Aに対して対称となるよう他の位置決め装置24、25および26を配置し、これら位置決め装置は、基体8の下縁19に形成する。
【0087】
図3は、眼内レンズ2用の梱包および運搬用手段27の斜視図で示す。この手段27は、図1および図2に示す保持装置1を有する。この保持装置1は、運搬容器28に配置する。さらに、運搬容器28は、収納空間29を有し、保持装置1は、位置を固定してこの収納空間29内に配置する。さらに、位置決め部材21〜26を、運搬容器28内の底部30の対応する位置決め領域と嵌合させて配置して提供する。したがって、保持装置1は、運搬用容器28の移動または反転の際にも、図示した位置から勝手に滑動または変位できない。
【0088】
位置決めに関して、この内部の底部30上に隆起部31を形成し、この隆起部31が位置決め領域を形成する。眼内レンズ2は、機械的な応力が加わらずに保持装置1に取り付ける。
【0089】
収納空間29は滅菌水で満たし、眼内レンズ2をこの滅菌水内に浸漬する。さらに、手段27は、図3には示さないが、カバーを有しており、このカバーを、運搬容器28の頂部32に取り付け、滅菌水が漏れないよう収納空間を保護する。このように梱包した眼内レンズ2を運搬し、必要とされる場所、例えばこの点においては眼科医に届けられる。
【0090】
図4は、手段27および運搬容器28の頂面図を示す。保持装置1は収納空間29に配置されるので、カバーが除去された後、保持装置1は、簡単に保持部材16を保持されて、固定位置から引き出されることができる。
【0091】
図5では、図4に対して、保持装置1を運搬容器28から取り出した状態を示す。
【0092】
図6は、本発明によるインジェクタ装置33の実施形態の部分的斜視図を示す。インジェクタ装置33はインジェクタチューブ34を有し、このインジェクタチューブの前面に、テーパーを付けた中空挿入部材35を結合する。この挿入部材35は、眼内レンズ2を眼球に挿入するために、切開部から眼球内に導入するために設ける。
【0093】
インジェクタチューブ34も中空となるよう形成し、プランジャ36を、インジェクタチューブ34の長手方向軸線Bに沿ってインジェクタチューブ34内で移動可能にする。眼内レンズ2は、プランジャ36によって挿入部材35を通ってインジェクタ装置33から押し出される。インジェクタ装置33は、インジェクタチューブ34内に装填チャンバ37を有する。この装填チャンバ37は、翼状に形成したカバーフラップ38および39によって閉鎖可能とする。図6に示す状態では、これらカバーフラップ38および39は、完全に開放位置にある状態として示す。これらカバーフラップは、双頭矢印で示す対応する方向に回動できる。カバーフラップ38および39は、ヒンジによりインジェクタチューブ34に配置するので、カバーフラップは対応する方向に回動することができる。
【0094】
外側では、湾曲した案内トラック40および41を、軸線Bの両側でインジェクタチューブ34に形成する。さらに、他の係合領域42,43,44,45を設ける。これら案内トラック40,41、および係合領域42〜45により、保持装置1をインジェクタ装置33に取り付けることができ、特にインジェクタチューブ34に取り付けることができ、インジェクタチューブ34に対して移動させることができる。案内トラック40,41との係合、および随意的に係合領域42〜45との係合によって、保持装置1は、インジェクタチューブ34から脱落することなく、インジェクタチューブ34に対して移動することもできる。
【0095】
特に、支持部材6はこれら案内トラック40,41と係合し、さらに、変位位置に応じて、1個またはそれ以上の係合領域42〜45にも係合する。
【0096】
内側面46をカバーフラップ38上に形成し、軸線B周りの回転方向に不規則に形成する。これに対応して、内側面47をカバーフラップ39に形成する。
【0097】
さらに、案内トラック49をカバーフラップ38の外側面48に形成する。同様に、対応する案内トラック51をカバーフラップ39の外側面50に形成する。カバーフラップ38は、自由端縁または境界面52を有し、カバーフラップ39は自由端縁または境界面53を有する。カバーフラップ38および39の閉鎖状態では、好ましくはこれら2個の端縁52,53は互いに衝合する。
【0098】
図7は、図6に示すインジェクタ装置33の他の斜視図を示し、保持装置1は、インジェクタ装置33から分離し、眼内レンズを有する状態で示す。
【0099】
保持装置1を図5に示す手段27から取り出した後、インジェクタ装置33に保持装置1を装着する。図7に示す状態に基づいて、このために、支持部材6を、適切に対応する係合部材を有するインジェクタチューブ34の案内トラック40,41内に挿入するのが好ましい。随意的に、上述の挿入に加えて、1個またはそれ以上の係合領域42〜45を有する支持部材6の部材で係合を生ずることもできる。
【0100】
図8の斜視図では、装着した保持装置1を有するインジェクタ装置33の全体を示す。このとき、保持装置1は、インジェクタチューブ34の頂部に位置決めされ、保持レール7は、装填チャンバ内の少なくとも特定領域に配置される。このことによって、眼内レンズ2は、不慮に保持レール7から脱落することができず、例えば、装填チャンバ37のフロア外部に脱落することはできない。
【0101】
軸線B方向に見て、案内トラック40,41および係合領域42〜45を、インジェクタチューブ34の外側で装填チャンバ37に隣接して形成する。保持装置1の装着状態では、保持装置1の長手方向軸線Aは、軸線Bと平行に延在する。
【0102】
インジェクタ装置33に対して機械的に結合した後、保持装置1は、案内トラック40,41に沿って移動可能であり、長手方向軸線Bに沿う移動ならびに長手方向軸線Bに対する上下方向に移動することができる。
【0103】
図8では、保持装置1の基本位置を示し、この位置で、保持装置1はインジェクタ装置33上に配置される。インジェクタ装置33上に保持装置1を装着する際、支持アーム9,10上の案内部材12,14が、カバーフラップ38,39の周囲で自由端縁52、53を自動的にグリップする。さらに、この基本位置では、保持装置1の部材であって、特に支持アーム9,10に形成した部材が、カバーフラップ38,39の案内トラック49,51に係合する。このような係合は、インジェクタチューブ34に対して保持装置1がさらに移動する際にのみ生ずるようにすることができる。
【0104】
図8に示すように、保持グリップ54、55を、インジェクタチューブ34に取り付け、プランジャが変位する際に生ずる対向圧力を確実なものとすることができるようグリップすることができる。
【0105】
図9は、保持装置1を有するインジェクタ装置33の一部分の他の斜視図を示す。図8に示すインジェクタチューブ34上の保持装置1の基本位置からスタートして、図9では、基本位置から変位した状態を示す。眼内レンズを装填チャンバ37に導入するため、保持装置1を、軸線B方向の矢印P1方向に沿って上方に引き上げる。この移動は、案内トラック40、41によって案内される。特に、ユーザーは、保持装置1におけるグリップ部材16をつまんで、このグリップ部材16を軸線B方向の矢印P1に沿って後方または上方に引っ張る。基本位置からのこの移動によって、カバーフラップ38,39は、完全に開放した位置から一方で第1中間閉鎖位置に自動的に折り畳まれる。その後、保持装置1によって自動的に保持され、特に、支持アーム9,10および支持アームに配置した案内部材12,14によって自動的に保持される。図9に示す保持装置1の基本位置からスタートする第1変位位置への移動経路は、例えば、数mm、特に約2mmとする。カバーフラップ38,39のこの第1中間閉鎖位置への移動によって、さらに、カバーフラップ38,39の内側面46,47は、眼内レンズ2の外側における自由にアクセス可能な端縁側に衝合し、また直接眼内レンズ2に接触することが自動的に行われる。したがって、眼内レンズ2は、カバーフラップ38,39によって保持される。
【0106】
図9に示す保持装置1の第1変位位置からスタートして、その後、さらに後退させることにより第1保持装置のさらなる移動を生ずる。さらに、このことを、図10に示す。保持装置1の到達した第1変位位置からスタートするさらなる移動によって、保持レール7は、装填チャンバ37から上方に自動的に押し上げられて、眼内レンズは、保持レール7から自動的に取り外される。
【0107】
図10は、この取り外し状態を示し、この状態では、保持レール7は装填チャンバ37から完全に取り外されており、さらに支持部材6から取り外されている。このことは、単なる1個の例示的な構成であって、保持レール7は支持部材6上に配置されたままとする構成にすることもできる。図10に示す保持装置1のこの第2変位位置では、さらに、カバーフラップ38,39の第2中間閉鎖位置にも到達していることになる。図9に示した状態に基づいて、すなわち、移動案内における保持装置1のさらなる後退の際に、支持部材9,10および案内部材12,14によるカバーフラップ38,39のさらなる閉鎖が達成される。したがって、眼内レンズ2の巻き上げまたは折り畳みのいずれもすでに可能となる。
【0108】
保持装置のこの到達した第2変位位置およびカバーフラップ38,39の第2中間閉鎖位置からスタートし、続いて、保持装置1のさらなる初期経路上で、保持装置1をさらに後退させることができる。この後退は、矢印P2にしたがって行われる。このさらなる移動によって、カバーフラップ38,39の自動的な完全閉鎖が、支持アーム9,10および案内部材12,14によって達成されることができ、このことを図11に示す。これにより、装填チャンバ37に収容される眼内レンズ2も、自動的にさらに巻き上げられることになる。
【0109】
カバーフラップ38,39のこの到達した完全閉鎖位置およびインジェクタチューブ34における保持装置の1の到達したさらなる変位位置からスタートし、続いて、保持装置1を、その後、インジェクタチューブ34上に残存させることができる。このことによって、さらなる変位が達成され、さらに、支持部材6が係合領域42〜45に係合する、または、すでに行われたこれら係合領域42〜45との係合の際にさらなる他の位置をとることができる。保持装置1は、その後、インジェクタチューブ34上で位置的に安定した状態で保持される。
【0110】
ユーザーが操作することによる、保持装置1の、図11に示す状態からのさらなる移動を行い、このことによって、保持装置1は、保持装置1自体を、案内トラック40,41および随意的な係合領域42〜45によってインジェクタチューブ34から自動的に取り外される。
【0111】
例えば、このことを、図12の斜視図に示し、この図では、インジェクタ装置33には、装填チャンバ37内に眼内レンズ2が装填されており、カバーフラップ38,39は完全に閉鎖され、保持装置1は、インジェクタ装置33から分離されている。
【0112】
保持装置1が、図11に示すようにインジェクタチューブ34上に残存する場合、カバーフラップ38,39を支持アーム9,10および/または案内部材12,14に接触させ、このことによって、カバーフラップ38,39の閉鎖状態を維持することにも使用することができる。
【0113】
したがって、眼内レンズ2は、装填チャンバ37内で既に完全に巻き上げられる、または折り畳まれるので、この状態は、挿入部材7内に導入される前に既に形成される。
【0114】
眼内レンズ2を保持レール7に取り付けた状態から始まる全プロセス中、さらに梱包処理、保持装置1のインジェクタ装置33への取り付け処理、およびインジェクタ装置33によって眼内レンズ2の眼球への挿入に至る眼内レンズ2の装填チャンバ37内への挿入処理において、眼内レンズ2はユーザーによって直接触れられることがない、または例えば、鉗子等のさらなる補助器具によって触れられることがない。さらに、保持装置1を手段27から取り出す処理から、カバーフラップ38,39が閉鎖した状態で眼内レンズ2を装填チャンバ37内に完全に挿入する処理に至るまでの全処理中、保持装置1のグリップ部材16との接触、およびインジェクタチューブ34の保持を除いて、さらなる構成要素、特にカバーフラップ38,39に、直接触れて操作する必要がなくなる。
【0115】
保持装置1の操作の初期経路上で、基本位置および他の変位位置と共に、それらに関与するカバーフラップ38,39の中間閉鎖位置および最終位置を、ユーザーは、触覚で知覚することができる。例えば、この触覚的知覚は、平滑な固定位置への滑らかな滑動によって形成することができる。案内部材40,41および随意的な係合領域42〜45、さらに保持装置1における対応部材による保持装置1のインジェクタチューブ34に対する機械的結合によって、インジェクタチューブ34に対する保持装置1の望ましくない移動を回避することもできる。さらに、これら構成要素の所望する相対運動を、同時に確実にかつ正確に可能とする。
【0116】
好適には、カバーフラップ38,39は、これらが図11および図12に示す完全閉鎖位置に自動的に保持されるように形成する。
【0117】
図8図12につき説明した保持装置1の初期経路または移動経路のそれぞれは、説明した初期経路を逆方向に生じて、動作を挿入部材7の方向に行うこともできる。
【0118】
さらに、異なる構成のプランジャを使用することができるようにシステムを形成することもできる。さらに、複数の異なる眼内レンズを保持装置1で保持して、装填チャンバ37に装填することもできる。眼内レンズは、それら構成および触覚的部分の数が異なるように形成することもできる。これら眼内レンズは、一体ピースで形成する、または複数ピースのレンズとして形成することができる。
【0119】
さらなる図13〜22では、好適な実施形態を示す。この実施形態では、保持装置1′(図14)は、図13の斜視図で示す保持レール7′を有する。この実施形態では、図1図12の構成と異なり、保持レール7′は、グリップ部材17′、18′を有するが、これらは、長手方向軸線C方向に見て両側の端部56,57に配置しないが、これら端部からオフセットして配置する。グリップ部材17′は、2個のグリップフック171′、172′を有する。同様に、グリップ部材18′は、グリップフック181′,182′を有する。図1図12による構成との相違点は、グリップ部材17′,18′は、レンズ2の長手方向軸線D方向に見て触覚的部分4,5の前面端縁58,59を把持せず、これらの触覚的部分4,5の側方端縁60,61を把持する点である。
【0120】
さらに、保持レール7′の端部56,57の領域に、受容部62,63をそれぞれ形成する。この実施形態では、これら受容部62,63は、端部56,57の前面側に開口するよう形成する。この点に関しては、閉鎖した構成の受容部を設けることもできる。装填チャンバに隣接してインジェクタチューブに配置する係合部材は、保持装置1′を組み付けた状態でこれら受容部62,63に係合する。このことによって、保持レール7′のインジェクタチューブに対する位置的に固定した構成が得られる。
【0121】
明らかなように、この保持レール7′も底部が開放するよう形成し、下側または側方から眼内レンズ2に自由にアクセスできるようにする。
【0122】
図14では、保持装置1′の好適な実施形態を斜視図で示す。この保持装置1′は、図13に示す保持レール7′の他に支持部材6′を有する。支持部材6′は、細長い形状に形成し、クランプ状に設計とする。第1類似形態として、支持部材6′を、断面が逆Y字状とすることができる。支持部材6′は、長手方向軸線Eを有し、また底部が開放するよう形成する。底部が開放するように形成するクランプ状構造は、支持部材6′に上側部分64を設け、この上側部分64に遷移部65を結合することにより生ずる。この遷移部65に、第2底部66を隣接させて形成し、この第2底部66は、狭い上側部分64よりも幅が広い。遷移部65は、外方に傾斜するよう指向させる。
【0123】
このようにして、支持部材6′に、底部が開放する中空レールを存在させる。
【0124】
上側部分64には、長手方向軸線Eに対して直交する垂直方向に指向するスリット67,68を形成し、これらスリットは、互いに対向する両側に対にして形成する。スリット67,68および反対側における対応のスリットは、連続的に延在させ、支持部材6′に対してy軸方向に垂直移動する際に保持レール7′を案内するために設ける。図14に示す保持レール7′の基本位置または開始位置であって、支持部材6′の空洞内の基本位置または開始位置のそれぞれでは、グリップ部材17′,18′がこれらスリット67,68内に存在していることは明らかである。
【0125】
この構成によって、支持部材6′に対して保持レール7′のこのような垂直移動が可能となる。
【0126】
上側部分64に隣接し、支持部材6′の前面側の端部69で、案内部材12′,14′は下方に突出する。z方向に見て、下側部分66の壁をそれぞれさらに下方に配置して、収納空間77が案内部材12′と下側部分66の隣接する壁70との間に形成されるよう、案内部材12′,14′を配置する。装填チャンバを閉鎖するカバーフラップは、保持装置1′をインジェクタチューブに装着した状態で、装填チャンバ内に突入することができる。同様に、自由空間または収納空間73のそれぞれが、互いに対向する案内部材14′と下側部分66の互いに対向する壁72との間にも生ずる設計とし、互いに対向する壁72にカバーフラップが係合できるようにする。これと同様に、支持部材6′の後面側の端部74で、図示していない対応する他の案内部材を形成する。案内部材12′,14′は、それぞれフック状の保持部材75または76を有し、これら保持部材は、保持部材間に配置したインジェクタチューブの一部を保持し、また係合するよう形成する。
【0127】
さらに、上側部分64の内側面77における端部69の領域で、互いに対向して遷移部65に向かう位置に、膨隆部78,79を形成する。それに応じて、このような互いに対向する2個の膨隆部を、後面側の端部74における同様の位置に形成する。これら膨隆部78,79によって、保持レール7′は保持され、またレンズの装填チャンバへの装填中における種々の操作段階に案内される。
【0128】
図14に示す基本位置では、保持レール7′は、垂直方向、したがってy方向に見て、これら膨隆部78,79の下側に配置され、頂部80がこれら膨隆部78,79に接触する。
【0129】
以下に詳細に説明するように、レンズ2を装填チャンバ内に装填する際に、支持部材6′と保持レール7′との間の相対運動を行う。この場合、支持部材6′の垂直方向に下降移動のみを行い、この移動において、ユーザーは上側部分64をグリップ部材として特に使用し、支持部材6′を下方に押す。このとき、保持レール7′は、押されて膨隆部78,79を通り過ぎ、その後、膨隆部78,79の垂直方向に見た端部位置で停止する。この位置では、保持レール7′は、事実上滑動を妨げられ、また支持部材6′は、上方への望ましくない脱離が防止される。特に、脚部81,82が膨隆部78,79ならびに対応する膨隆部の互いに対向する側面上に着座する。
【0130】
図15には、インジェクタ装置33′(図17参照)における部分83の実施形態の斜視図を示す。この部分83は挿入部材35および先端部を有し、これらを介して、レンズ2を眼球内に導入する。さらに、部分83は装填チャンバ37′を有し、レンズ2が保持レール7を取り外された後に、装填チャンバ37′内にレンズ2が装填される。この構成では、インジェクタチューブ34′(図17参照)は、したがって、2個の個別部分で構成し、これら部分は着脱可能に組み付けることができ、さらに破壊せずに再び分離することができる。このことに関して、連結領域84を部分83に形成する。この連結領域において、プラグ連結、ロック連結、バヨネット連結等を設けることができる。
【0131】
ピストン36は、開口85を介して装填チャンバ37′に進入し、装填チャンバ37′に装填したレンズ2を、挿入部材35を経て外部に押し出す。
【0132】
上方に突出する係合部材86,87を、図示のように装填チャンバ37′に隣接させ、これら係合部材は、組み付け状態にした保持装置1′に受容部62,63に係合する。
【0133】
さらに、図15には、カバーフラップ38′,39′を示し、これらカバーフラップが完全に開放した状態を示す。自由端縁88,89には、複数のグリップ突起90,91,92,93,94,95を互いに離して形成する。長手方向軸線Bの方向に、グリップ突起90〜92をグリップ突起93〜95に対してオフセットさせて形成する。
【0134】
図16には、斜視図として、部分83と組み合わせた状態の保持装置1′を、基本位置または開始位置で示す。
【0135】
図14に示す保持装置1′であって、保持レール7′に取り付けたレンズ2を有する保持装置1′を、図3〜5の図面による運搬容器28に位置的に固定して提供することができる。図15に示す分離可能な部分83を有するインジェクタ装置33’の構成で、図16に示す組立体全体も運搬容器28に配置し、これにより、部分83も運搬容器28内に装填し、同様に、執刀医に運搬される。運搬容器28を開封することによって、図16に示す組立体全体を取り出し、インジェクタチューブ34′の他の部分に取り付けることができる。
【0136】
図16には、図14に示すスリット67,68に対向するよう形成したスリット96,97も示す。保持装置1′は、長手方向軸線Bに沿って部分83に位置的に固定配置し、この固定配置は、係合部材86,87が受容部62,63に係合することによって特に達成され、さらに、案内部材12′,14′が部分83の周囲グリップすることによって達成され、図16においては、他の後方案内部材98も認識できる。
【0137】
図17には、インジェクタ装置33′の側方から見た斜視図を示す。ここでは、部分83は、インジェクタチューブの残りの部分に対して位置99で連結し、これによりインジェクタチューブ34′全体が得られる。レンズ2を装填チャンバ37′内に装填するため、図に示す実施形態では、矢印Pの方向(y方向)の垂直方向移動のみ行い、軸線Bの方向の移動は行わない。
【0138】
以下、図18図22に基づいて、どのように部分83に装着した保持装置1′の基本状態からスタートして、レンズ2を装填チャンバ37′に装填するかを説明する。
【0139】
このために、図18では、図17のy−z平面における断面図を示す。カバーフラップ38′,39′が完全に開放し、レンズ2を保持レール7′に取り付けた状態を示す。図18のこの状態からスタートして、続いて、支持部材6′を、矢印P方向に向けて下方に押す。保持レール7′は、部分83に位置的に固定して取り付けられているので、保持レール7′および部分83に対する支持部材6′の相対移動のみ生ずる。
【0140】
ここで、図19のさらなる断面図に示すように、中間位置に到達し、この位置で、グリップ突起90〜95は、遷移部65の内側面77に対して機械的に接触する。
【0141】
グリップ突起90〜95の形状、ならびに遷移部65における段差のない連続的に上方に傾斜して延在する内側面77によって、矢印Pに沿って支持部材6′がさらに下方移動する際に、図2に示すさらなる中間状態またはさらなる中間位置に達する。このようにして、カバーフラップ38′,39′は、完全に開放した位置から中間閉鎖位置に移動し、レンズ2の端縁60および61は、その後、図20に示すように、機械的に接触する。この状態を、同図20に示す。図20に示す状態からスタートして、続いて、さらなる操作段階、および、したがって、図21の断面図に示すさらなる状態において、支持部材6′をさらに垂直方向に押し下げ、カバーフラップ38′,39′は、さらに互いに向かう方向に移動してさらに閉鎖し、このことによって、レンズ2が自動的に折り畳まれる。図21に示すレンズ2の位置および折り畳み状態は、概略的に示しただけであって、実際には、この位置および状態もまた変更することができる。この図面では、自動的な折り畳みを概略的に示したに過ぎない。
【0142】
矢印P方向に支持部材6′がさらに下方に移動したとき、図22の断面図に終了状態を示し、この終了状態では、図22に示していなレンズ2が装填チャンバ37′内に装填され、カバーフラップ38′,39′が完全に閉鎖される。
【0143】
この位置では、保持レール7も、膨隆部78,79の上方に配置され、その上方位置に保持され、このことによって、支持部材6′は、容易かつ簡単に落下できない。
【0144】
図20および図21に示す位置、または中間状態からスタートして、カバーフラップ38′,39′が互いに向かう方向にさらに移動することによって、レンズ2は、保持レール7′から自動的に取り外される。
【0145】
以下、本発明および実施形態の利点の概要を説明する。
【0146】
プランジャによってIOLをルーメン内で前進移動させる前に、IOLを折り畳んで圧縮する。このことは、極小切開手術(micro-incision surgery: MICS)にとって必要である。プランジャによるレンズとの係合時にレンズの折り畳みおよび圧縮がされていないと、プランジャはレンズを確実に捕捉しなくてはならず、レンズのルーメン内における前進運動を制御しなければならない。このことは、レンズ端縁を捕捉するフォーク(またはクリップ)を有する硬い先端付きのプランジャで行うのが最良である。しかし、実際のインジェクタの先端は、MICS外科的技術用に極めて小さいものとしなければならない。MICS技術に要求される極めて小さいルーメンを通過する小さい十分な「面」を有する硬い先端付きのプランジャでは、レンズを圧縮しないと、レンズ端縁を確実に保持することができない。さらに、このようなプランジャは、レンズの単位面積あたりにより大きな圧力を与えてしまい、結果的にレンズに損傷を与えてしまうおそれが有る。代案としては、先端の柔らかいプランジャを使用する。しかし、ここでも、レンズを折り畳み圧縮しないと、このようなプランジャではレンズを容易に保持し、確実に制御することができない問題がある。一方で、レンズを折り畳んで圧縮すると、レンズの大部分に対して容易かつ優しく押すことができるであろう。レンズをルーメンに詰め込むとき、ピストンはレンズをバイパスすることができない。したがって、レンズを捕捉して確実に案内する必要もない。
【0147】
ルーメンの全ての部分を、IOLの無菌容器から分離する。このことは、多数の極めて重要な理由から有益である。
【0148】
理由1
IOLは、液体を満たした容器内で、蒸気滅菌しなくてはならない。インジェクタは、一般に、ETOガス滅菌する。蒸気滅菌処理は、レンズが極めて小さいルーメンを確実に通過することを可能にするために必要な潤滑コーティングに対して大きなダメージを与えてしまう。その結果、ルーメンのいかなる部分もIOLの容器内に存在する場合、その部分は、理想的な潤滑コーティングを持たないことになるであろう。
【0149】
理由2
一般的に、極めて単純で基本的な材料内にIOLを梱包(パッケージ)するのが好ましい。このことによって、レンズおよび液体を包含して、レンズを保持して保護するという単純作業に不可欠な材料以外の他の材料に対してレンズを長時間の曝露させるのを排除する。好ましい実施形態では、このことは、レンズおよび水溶液を、添加物を含まない純粋なポリプロピレンおよびポリイミドにのみ曝すことを意味する。
【0150】
理由3
アクリル製レンズに認められる現象であるが、アクリル製レンズは、他の表面(およびアクリル製レンズの表面自体)に張り付く傾向がある。ルーメンの一部内にレンズを詰め込むとき、レンズはルーメンの表面に張り付く傾向があるために、レンズの動作が予測不可能になるおそれが有る。このことは、レンズを含むルーメンの一部にコーティングを施すか、または添加物を塗布することで対処することができる。システム1またはシステム1′であるSLC(Shuttle Retainer Concept)では、レンズを個別の構成要素(シャトルリテーナ)内に保管し、その後、インジェクタの装填チャンバに機械的に移し替える。この機械的移し替えプロセスによって、レンズ供給プロセスから張り付き問題が排除される。レンズは、ルーメンに張り付いてしまうほど長時間の間、インジェクタのルーメン内の静止位置に存在しない。さらに、ルーメンの潤滑コーティングは、上述したように最適条件となるであろう。このことによって、ルーメン内でIOLが張り付くおそれを排除される。
【0151】
IOL用の収納容器からインジェクタへのIOLの機械的移し替えは、従来技術とは別に区別される要素であって、実際に達成される方法の観点から、この機械的移し替えは、SLC設計のより独特な態様の一つとなるであろう。この機械的移し替えは、以下の利益を有する。
【0152】
上述のレンズの張り付き問題を改善する手段である。
【0153】
使用するシステムを準備するために、全体的に、システムの手動操作を大幅に減少させる必要がある。エンドユーザーが実施する操作ステップの観点からだけでなく、個々の操作の複雑さ、ならびに操作のばらつきおよび誤動作の可能性の観点からも減少させる必要がある。
【0154】
(例えば、鉗子でIOLを直接把持するなどの)レンズに対する直接的な操作の必要性を排除することによって、レンズの損傷および/または汚染の可能性が減少する。このことは、処置の成功の可能性を改善し、光学面または支持構造の損傷によりレンズ性能が低下する危険性が減少し、操作中のレンズの汚染による患者の感染、炎症または損傷の危険性が減少する。
【0155】
同様に、インジェクタの装填チャンバの機械的閉鎖は、これらの作業を手動で実施する既存の手段よりも優れている。この機械的閉鎖により、操作のばらつきおよび誤動作の可能性を除去し、操作ステップ数およびこれらステップの複雑性が減少する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図19
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図22