特許第5791268号(P5791268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5791268パラメータ選定装置、落雷模擬システム、パラメータ選定方法、及び落雷模擬方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791268
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】パラメータ選定装置、落雷模擬システム、パラメータ選定方法、及び落雷模擬方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20150917BHJP
   B64F 5/00 20060101ALI20150917BHJP
   G01R 29/12 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G01R29/08 E
   B64F5/00 C
   G01R29/08 Z
   G01R29/12 Z
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-273770(P2010-273770)
(22)【出願日】2010年12月8日
(65)【公開番号】特開2012-122839(P2012-122839A)
(43)【公開日】2012年6月28日
【審査請求日】2013年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】青井 辰史
(72)【発明者】
【氏名】山越 英男
(72)【発明者】
【氏名】津村 陽一郎
【審査官】 越川 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−139799(JP,A)
【文献】 特開昭62−267673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/08
G01R 29/12
B64F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体の周囲に略同軸状に配置された複数の外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と前記内側導体との間に電流が流れることによって、前記構造物への落雷を模擬すると共に、落雷したときに発生する磁場を前記内側導体内で打ち消すための前記内側導体及び前記外周導体を含む負荷回路のパラメータ選定装置であって、
前記負荷回路のインダクタンスが予め定められた第1の目標値以下となるためのパラメータとして、前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第1の導出手段と、
前記第1の導出手段によって導出されたパラメータを基準として、前記外周導体への通電により発生する磁場の大きさを導出し、該磁場の大きさが予め定められた第2の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第2の導出手段と、
を備え、
前記第1の導出手段は、前記内側導体を模擬した平板モデルを用い、前記負荷回路のインダクタンスが前記第1の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出するパラメータ選定装置。
【請求項2】
前記第2の導出手段は、前記内側導体の周囲に前記外周導体が配置されない場合における前記内側導体に発生する電流の大きさと、前記内側導体の周囲に複数の前記外周導体が配置されている場合における前記内側導体に発生する電流の大きさの比が所定の目標値となった場合に、磁場の大きさが第2の目標値以下となったと判定する請求項1記載のパラメータ選定装置。
【請求項3】
前記第1の導出手段及び前記第2の導出手段によって導出されるパラメータとして、前記外周導体に流れる電流の大きさを前記外周導体毎に異ならせるパラメータが含まれ
前記外周導体に流れる電流の大きさを前記外周導体毎に異ならせるパラメータは、前記内側導体との間で電流が流れる前記外周導体を基準とした、隣り合う前記外周導体の間隔である請求項1又は請求項2記載のパラメータ選定装置。
【請求項4】
前記第1の導出手段及び前記第2の導出手段によって導出されるパラメータとして、前記外周導体に流れる電流の大きさを前記外周導体毎に異ならせるパラメータが含まれ
前記外周導体に流れる電流の大きさを前記外周導体毎に異ならせるパラメータは、前記外周導体の材質及びインダクタンスの少なくとも一方である請求項1又は請求項2記載のパラメータ選定装置。
【請求項5】
請求項1から請求項の何れか1項記載のパラメータ選定装置と、
落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体と、
前記パラメータ選定装置によって選定されたパラメータに基づいて、前記内側導体の周囲に配置される複数の外周導体と、
複数の前記外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と前記内側導体との間に模擬雷電流としての電流を流す電流印加装置と、
を備えた落雷模擬システム。
【請求項6】
落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体の周囲に略同軸状に配置された複数の外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と前記内側導体との間に電流が流れることによって、前記構造物への落雷を模擬すると共に、落雷したときに発生する磁場を前記内側導体内で打ち消すための前記内側導体及び前記外周導体を含む負荷回路のパラメータ選定方法であって、
前記負荷回路のインダクタンスが第1の目標値以下となるためのパラメータとして、前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第1工程と、
前記第1工程によって導出されたパラメータを基準として、前記外周導体への通電により、発生する磁場の大きさを導出し、該磁場の大きさが第2の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第2工程と、
を含み、
前記第1工程は、前記内側導体を模擬した平板モデルを用い、前記負荷回路のインダクタンスが前記第1の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出するパラメータ選定方法。
【請求項7】
請求項項記載のパラメータ選定方法によって選定されたパラメータに基づいて配置された複数の外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体との間に模擬落雷電流としての電流を流す落雷模擬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラメータ選定装置、落雷模擬システム、パラメータ選定方法、及び落雷模擬方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、航空機の燃料タンク等の構造物の雷撃時の防爆対策の確認等のために、模擬雷電流を内側導体(評価対象となる構造物又は該構造物を模擬した導体(供試体))へ通電し、構造物を流れる電流や電圧分布を計測評価する事が行われている。
非特許文献1には、模擬雷電流を通電する負荷回路として、外周導体(リターン導体)に電流を流すことによって模擬雷電流を供試体へ通電させるが、複数の外周導体を供試体の周囲に同軸配置する事により、外周導体を流れる電流によって発生する供試体の周囲の磁場の影響を打ち消す負荷回路が記載されている。
【0003】
また、非特許文献1には、雷サージ試験負荷回路において、被試験物のインピーダンスによらず、適正な雷波形が得られるよう、通電するケーブル及び負荷回路を接続する技術が記載されている。
これは、被試験物に印加する雷サージが伝搬してくる伝送路と同じ線路定数を有し、エネルギーが最大になる(電力反射がない)条件で、ケーブル又はそのケーブルの伝搬特性を近似する集中定数負荷回路を接続することにより、被試験物のインピーダンスに依存せず雷サージが印加できる技術である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】フランクリン フィッシャー(Franklin A.Fisher)、外2名、「ライトニング プロテクション オブ エアクラフト(LIGHTNING PROTECTION of AIRCRAFT)」、米国、第2版、ライトニング テクノロジーズ インク.(Lightning Technologies Inc.)、2004年、p.433−440
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−190781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載されているように、模擬雷電流を供試体へ通電する負荷回路として外周導体を同軸状に配置した場合、外周導体と供試体との距離が遠い方が外周導体を流れる電流によって発生する供試体の周囲の磁場の影響を小さくできるが、供試体と外周導体を含む負荷回路で構成される負荷回路のインダクタンスは、外周導体と供試体との距離に応じて大きくなる。負荷回路のインダクタンスが大きくなると模擬雷電源から供給される電流パルスの立ち上がりが緩やかになり、模擬雷電流の規格とされているμsecレベルの立ち上りを有する急峻な電流パルスを発生できなくなる場合があった。
すなわち、模擬雷電流を供試体へ通電する場合、供試体の周囲の磁場の影響を抑制し、かつ負荷回路のインダクタンスを低くする必要がある。しかし、磁場の影響の抑制と負荷回路のインダクタンスの低下は、上記のように、トレードオフの関係にあり、これらを両立させた負荷回路を構成することは容易ではなかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、内側導体の周囲に配置された複数の外周導体による磁場の影響を抑制し、かつインダクタンスが低い負荷回路の構成を容易に求めることができるパラメータ選定装置、落雷模擬システム、パラメータ選定方法、及び落雷模擬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のパラメータ選定装置、落雷模擬システム、パラメータ選定方法、及び落雷模擬方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るパラメータ選定装置は、落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体の周囲に略同軸状に配置された複数の外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と前記内側導体との間に電流が流れることによって、前記構造物への落雷を模擬すると共に、落雷したときに発生する磁場を前記内側導体内で打ち消すための前記内側導体及び前記外周導体を含む負荷回路のパラメータ選定装置であって、前記負荷回路のインダクタンスが予め定められた第1の目標値以下となるためのパラメータとして、前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第1の導出手段と、前記第1の導出手段によって導出されたパラメータを基準として、前記外周導体への通電により発生する磁場の大きさを導出し、該磁場の大きさが予め定められた第2の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第2の導出手段と、を備える。
【0009】
本発明によれば、パラメータ選定装置は、落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体の周囲に略同軸状に配置された複数の外周導体に電流を印加し、予め定められた外周導体と内側導体との間に電流が流れることによって、構造物への落雷を模擬すると共に、落雷したときに発生する磁場を内側導体内で打ち消すための内側導体及び外周導体を含む負荷回路のパラメータを選定するためのものである。
そして、第1の導出手段によって、負荷回路のインダクタンスが第1の目標値以下となるためのパラメータとして、外周導体の幅、外周導体と内側導体との距離、及び外周導体の数の少なくとも一つが導出される。
これによって、負荷回路のインダクタンスが、落雷を模擬するために適した大きさとなる。
【0010】
さらに、第2の導出手段によって、第1の導出手段で導出されたパラメータを基準として、外周導体への通電により発生する磁場の大きさを導出し、該磁場の大きさが第2の目標値以下となる外周導体の幅、外周導体と内側導体との距離、及び外周導体の数の少なくとも一つが導出される。
これによって、負荷回路に発生する磁場が、落雷を模擬するために適した大きさとなる。
【0011】
このように、本発明は、負荷回路のインダクタンス及び磁場を適した大きさとするために、外周導体の幅、外周導体と内側導体との距離、及び外周導体の数の少なくとも一つを導出するので、内側導体の周囲に配置された複数の外周導体による磁場の影響を抑制し、かつインダクタンスが低い負荷回路の構成を容易に求めることができる。
【0012】
また、本発明のパラメータ選定装置は、前記第1の導出手段が、前記内側導体を模擬した平板モデルを用い、前記負荷回路のインダクタンスが前記第1の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出してもよい。
【0013】
本発明によれば、より簡易かつ効率的に、負荷回路のインダクタンスを第1の目標値以下とするパラメータを導出できる。
【0014】
また、本発明のパラメータ選定装置は、前記第2の導出手段が、前記内側導体の周囲に前記外周導体が配置されない場合における前記内側導体に発生する電流の大きさと、前記内側導体の周囲に複数の前記外周導体が配置されている場合における前記内側導体に発生する電流の大きさの比が所定の目標値となった場合に、磁場の大きさが第2の目標値以下となったと判定してもよい。
【0015】
本発明によれば、より簡易かつ効率的に、負荷回路の磁場の大きさを第2の目標値以下とするパラメータを導出できる。
【0016】
また、本発明のパラメータ選定装置は、前記第1の導出手段及び前記第2の導出手段によって導出されるパラメータとして、前記外周導体に流れる電流の大きさを前記外周導体毎に異ならせるパラメータが含まれてもよい。
【0017】
本発明によれば、外周導体を流れる電流が一カ所に集中することを抑制するので、負荷回路の磁場を小さくすることができる。
【0018】
また、本発明のパラメータ選定装置は、前記外周導体に流れる電流の大きさを前記外周導体毎に異ならせるパラメータを、前記内側導体との間で電流が流れる前記外周導体を基準とした、隣り合う前記外周導体の間隔としてもよい。
【0019】
本発明によれば、外周導体を流れる電流が一カ所に集中することを簡易に抑制できるので、負荷回路の磁場を小さくすることができる。
【0020】
また、本発明のパラメータ選定装置は、前記外周導体に流れる電流の大きさを前記外周導体毎に異ならせるパラメータを、前記外周導体の材質及びインダクタンスの少なくとも一方としてもよい。
【0021】
本発明によれば、外周導体を流れる電流が一カ所に集中することを簡易に抑制できるので、負荷回路の磁場を小さくすることができる。
【0022】
一方、本発明に係る落雷模擬システムは、上記記載のパラメータ選定装置と、落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体と、前記パラメータ選定装置によって選定されたパラメータに基づいて、前記内側導体の周囲に配置される複数の外周導体と、複数の前記外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と前記内側導体との間に模擬雷電流としての電流を流す電流印加装置と、を備える。
【0023】
本発明によれば、内側導体の周囲に配置された複数の外周導体による磁場の影響を抑制し、かつインダクタンスが低い構成を有する負荷回路を用いて、評価対象となる構造物に対する落雷を模擬するので、構造物に対する評価をより精度高く行える。
【0024】
また、本発明に係るパラメータ選定方法は、落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体の周囲に略同軸状に配置された複数の外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と前記内側導体との間に電流が流れることによって、前記構造物への落雷を模擬すると共に、落雷したときに発生する磁場を前記内側導体内で打ち消すための前記内側導体及び前記外周導体を含む負荷回路のパラメータ選定方法であって、前記負荷回路のインダクタンスが第1の目標値以下となるためのパラメータとして、前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第1工程と、前記第1工程によって導出されたパラメータを基準として、前記外周導体への通電により、発生する磁場の大きさを導出し、該磁場の大きさが第2の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する第2工程と、を含み、前記第1工程は、前記内側導体を模擬した平板モデルを用い、前記負荷回路のインダクタンスが前記第1の目標値以下となる前記外周導体の幅、前記外周導体と前記内側導体との距離、及び前記外周導体の数の少なくとも一つを導出する
【0025】
本発明によれば、負荷回路のインダクタンス及び磁場を適した大きさとするために、外周導体の幅、外周導体と内側導体との距離、及び外周導体の数の少なくとも一つを導出するので、内側導体の周囲に配置された複数の外周導体による磁場の影響を抑制し、かつインダクタンスが低い負荷回路の構成を容易に求めることができる。
【0026】
さらに、本発明に係る落雷模擬方法は、上記記載のパラメータ選定方法によって選定されたパラメータに基づいて配置された複数の外周導体に電流を印加し、予め定められた前記外周導体と落雷に対する評価対象となる構造物としての内側導体との間に模擬落雷電流としての電流を流す。
【0027】
本発明によれば、内側導体の周囲に配置された複数の外周導体による磁場の影響を抑制し、かつインダクタンスが低い構成を有する負荷回路を用いて、評価対象となる構造物に対する落雷を模擬するので、構造物に対する落雷の評価をより精度高く行える。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、内側導体の周囲に配置された複数の外周導体による磁場の影響を抑制し、かつインダクタンスが低い負荷回路の構成を容易に求めることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態に係る落雷模擬システムの構成を示す模式図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る落雷模擬装置の構成を示す模式図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るパラメータ選定装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るパラメータ選定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の第1実施形態に係る電磁界解析処理の説明に要する模式図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る外周導体の配置を示す模式図であり、(A)は疎密配置された外周導体によって内側導体に生じる誘導電流の分布を示し、(B)は均等配置された外周導体によって内側導体に生じる誘導電流の分布を示す。
図7】本発明の第2実施形態に係る外周導体の配置によって、内側導体に生じる誘導電流の最大値を示すグラフである。
図8】本発明の第3実施形態に係る材質及び幅の異なる外周導体及び幅の異なる外周導体の配置を示す模式図であり、(A)は材質の異なる外周導体によって内側導体に生じる誘導電流の分布を示し、(B)は材質及び幅が同じ外周導体によって内側導体に生じる誘導電流の分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明に係るパラメータ選定装置、落雷模擬システム、パラメータ選定方法、及び落雷模擬方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0031】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本第1実施形態に係る落雷模擬システム10の構成を示す模式図である。
落雷模擬システム10は、落雷模擬装置12及びパラメータ選定装置14を備える。
【0032】
図1及び図2の例に示すように、本第1実施形態に係る落雷模擬装置12は、落雷に対する評価対象となる構造物(例えば、航空機等)である内側導体(以下、「供試体20」という。)と、供試体20の周囲に略同軸状に配置される複数の外周導体22と、外周導体22へ電流を印加する電流印加装置としての模擬雷電源24とを備える。
図2に示すように、供試体20及び複数の外周導体22は、模擬雷電源24に電気的に接続される。模擬雷電源24と供試体20との間には、スイッチ26が設けられており、スイッチ26が閉じられると、予め定められた外周導体22(外周導体22S)と供試体20との間に電流(模擬雷電流)がパルス状に流れる。これによって、雷が構造物としての供試体へ落ちる(着雷する)ことを模擬する。
なお、供試体20へ着雷させる外周導体22Sは、例えば、電流が流れる細い導体構造(例えば棒状又はワイヤー状)を有しており、火花放電によって外周導体22Sから供試体20へ模擬雷電流を流す。しかし、これに限らず、供試体20へ着雷させる外周導体22Sは、供試体20と直接電気的に接続され、電流が印加されることによって外周導体22Sから供試体20へ模擬雷電流を流してもよい。
【0033】
ここで、供試体20へ模擬雷電流を流した場合、電流源となる外周導体22に磁場が発生する。そして、外周導体22は、供試体20に近接しているため、該磁場が試験結果に影響を与える可能性がある。一方、自然界における構造物(例えば航空機等)への着雷の場合、電流源となるものは、構造物に対して無限遠にあると仮定できるため、電流源で発生した磁場が構造物に影響を与えることはない。
このように、磁場の発生の有無が、自然界における着雷と落雷模擬装置12による着雷とで異なる。
そこで、複数の外周導体22を供試体20の周囲に対して略同軸上に配置し、供試体20へ模擬落雷電流を流す場合に、供試体20の周囲に配置された外周導体22に電流が流れるようにすることで、模擬雷を供試体20へ落としたときに発生する磁場が、供試体20内で打ち消されるようにする。
【0034】
なお、以下の説明において、供試体20及び複数の外周導体22で構成される回路を負荷回路という。
【0035】
図3は、パラメータ選定装置14の電気的構成を示す模式図である。
本第1実施形態に係るパラメータ選定装置14は、供試体20の周囲に配置される複数の外周導体22に関するパラメータである、外周導体22の幅(以下、「外周導体幅W」という。)、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体22の数(以下、「外周導体数N」という。)を選定するための情報処理装置である。
【0036】
本実施形態に係るパラメータ選定装置14は、パラメータ選定装置14全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)30、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)32、CPU30による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)34、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)36を備えている。
【0037】
さらに、パラメータ選定装置14は、キーボード及びマウス等から構成され、各種操作の入力を受け付ける操作入力部38、各種画像を表示する、例えば液晶ディスプレイ装置等の画像表示部40、通信回線42を介して他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種情報の送受信を行う外部インタフェース46を備えている。
なお、通信回線42は、電気事業者によって提供される広域通信回線又はLAN(Local Area Network)等の構内通信網等であり、有線回線又は無線回線の何れであってもよい。
【0038】
これらCPU30、ROM32、RAM34、HDD36、操作入力部38、画像表示部40、及び外部インタフェース46は、システムバス46を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU30は、ROM32、RAM34、及びHDD36へのアクセス、操作入力部38に対する操作状態の把握、画像表示部40に対する画像の表示、及び外部インタフェース46を介した他の情報処理装置等との各種情報の送受信等を各々行なうことができる。
【0039】
そして、パラメータ選定装置14は、上述したパラメータを選定するための処理(以下、「パラメータ選定処理」という。)の開始の指示の入力を、操作入力部38を介して受け付ける。
【0040】
次に、本第1実施形態に係るパラメータ選定装置14の作用を説明する。
【0041】
図4は、パラメータ選定装置14へパラメータ選定処理の開始の指示が入力された場合に、CPU30によって実行されるパラメータ選定プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該パラメータ選定プログラムはHDD36の所定領域に予め記憶されている。
【0042】
まず、ステップ100では、負荷回路のインダクタンス及びインピーダンスが予め定められた目標値(インダクタンス目標値及びインピーダンス目標値)以下となるためのパラメータとして、外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、外周導体数Nを導出する。
なお、ステップ100で導出される外周導体幅W、距離D、及び外周導体数Nは、負荷回路のインダクタンス及びインピーダンスがインダクタンス目標値及びインピーダンス目標値以下となるための幅(例えば、外周導体幅W=5〜30mm、距離D=0.1〜1mm、外周導体数=10〜20本)を有する値であればよい。
【0043】
本第1実施形態では、図5に示すように、供試体20を模擬した平板モデル(平板負荷50)を用い、負荷回路のインダクタンス及びインピーダンスがインダクタンス目標値及びインピーダンス目標値以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出する。
具体的には、平板として模擬できる領域毎に供試体20を複数に分割したモデルの各々が平板負荷50である。さらに、平板負荷50に対して外周導体幅Wの外周導体22を距離Dで対向させた電磁界解析モデルを作成し、外周導体22に電流を印加したときに平板負荷50に発生する誘導電流を解析的に算出する。なお、電磁界解析モデルで一つの平板負荷に対抗させる外周導体22の数は一つである必要はなく、複数であってもよい。
そして、複数の平板モデルによって得られた結果を結合させる。この場合、平板負荷50で模擬したモデルと供試体20との誤差を補正するために、所定の平板モデルの結果に補正係数を乗算してもよい。これにより、平板モデルによって得られた結果をより精度の高いものとすることができる。
この平板モデルによって得られた平板負荷50を流れる誘導電流に基づいて、負荷回路のインダクタンス及びインピーダンスを算出し、負荷回路のインダクタンス及びインピーダンスがインダクタンス目標値及びインピーダンス目標値以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出する。このように、平板モデルを用いることにより、より簡易かつ効率的に負荷回路のインダクタンス及びインピーダンスがインダクタンス目標値及びインピーダンス目標値以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出することができる。
【0044】
なお、ステップ100において、上述した平板モデルを用いずに、供試体20を模擬した3次元モデル、及び該3次元モデルの周囲に外周導体22を配置した電磁界解析モデルを作成することによって、負荷回路のインダクタンス及びインピーダンスがインダクタンス目標値及びインピーダンス目標値以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出してもよい。
【0045】
次のステップ102では、ステップ100によって導出されたパラメータを基準として、外周導体22への通電により、発生する磁場の大きさを導出し、該磁場の大きさが目標値(磁場目標値)以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出する。
上記「パラメータを基準として」とは、ステップ100によって導出された外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nの幅の範囲内で、磁場の大きさ磁場目標値以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出することをいう。
【0046】
本第1実施形態では、外周導体22に流れる電流によって発生する磁場の影響を、供試体20を流れる誘導電流への影響として定量的に評価するために、供試体20の周囲に外周導体22が配置されない場合における供試体20を流れる誘導電流の大きさと、供試体20の周囲に複数の外周導体22が配置されている場合における供試体20を流れる誘導電流の大きさを算出する。そして、算出した誘導電流の比が所定の目標値(誘導電流比目標値)となった場合に、外周導体22に流れる電流によって発生する磁場の大きさが磁場目標値以下となったと判定してもよい。このように誘導電流の比を算出することによって、より簡易かつ効率的に外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出することができる。
上記誘導電流の比を算出するためのモデルとして、上述した平板モデルを用いてもよいし、供試体20を模擬した3次元モデルを用いてもよい。
【0047】
また、ステップ102において、上述したように誘導電流の比を算出するのではなく、電磁界解析によって、外周導体22に流れる電流によって発生する磁場を算出し、磁場の大きさが磁場目標値以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出してもよい。
【0048】
次のステップ104では、ステップ102で導出した外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを用いて、負荷回路のインダクタンスを算出し、算出した値がインダクタンス目標値以内となっているか否かを判定し、肯定判定の場合は、本プログラムを終了する。一方、否定判定の場合は、ステップ106へ移行する。
【0049】
ステップ106では、負荷回路のインダクタンスがインダクタンス目標値以内、インピーダンスがインピーダンス目標値以内となるようにパラメータである外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを変更し、本プログラムを終了する。
ステップ106へ移行する場合は、一例として、負荷回路のインピーダンスがインピーダンス目標値を超過している場合が考えられる。そのため、外周導体22と供試体20との距離Dを短くすること、外周導体数Nを増加させることの少なくとも一方を行うことで、負荷回路のインダクタンスがインダクタンス目標値以内、インピーダンスがインピーダンス目標値以内とすることが考えられる。
【0050】
なお、上述したインダクタンス目標値、インピーダンス目標値、及び磁場目標値は、経験的又は実験的に予め決定されているものとする。また、誘導電流比目標値は、磁場目標値に基づいて決定されるものとする。
【0051】
また、パラメータ選定処理では、各ステップにおいて、導出する外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを適正化させるためにタグチメソッドが用いられてもよい。
【0052】
そして、上述したパラメータ選定処理によって選定されたパラメータである外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nに基づいて複数の外周導体22が供試体20の周囲に配置される。そして、落雷模擬試験は、複数の外周導体22に電流を印加し、予め定められた外周導体22Sと供試体20との間に模擬落雷電流を流すことによって行われる。
この落雷模擬試験によって、例えば、航空機の燃料タンク構造の対雷(防爆)性能の向上試験や性能評価試験等のために構造物を流れる電流や電圧分布が計測されたり、落雷模擬試験による実験結果と解析結果との比較を行うことによる解析精度の検証が行われる。
【0053】
以上説明したように、本第1実施形態に係るパラメータ選定装置14は、供試体20及び複数の外周導体22を含む負荷回路のインダクタンスが予め定められたインダクタンス目標値以下となるためのパラメータとして、外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出し、導出したパラメータを基準として、外周導体22への通電により発生する磁場の大きさを導出し、該磁場の大きさが磁場目標値以下となる外周導体幅W、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体数Nを導出する。
従って、本第1実施形態に係るパラメータ選定装置14は、供試体20の周囲に配置された複数の外周導体22による磁場の影響を抑制し、かつインダクタンスが低い負荷回路の構成を容易に求めることができる。
【0054】
なお、本第1実施形態では、パラメータ選定装置14が、パラメータとして外周導体22の幅、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体22の数を選定する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、パラメータ選定装置14が、外周導体22の幅、外周導体22と供試体20との距離D、及び外周導体22の数の何れか一つ又は何れか二つを選定する形態としてもよい。この形態の場合、パラメータ選定装置14によって選択されないパラメータは、予め定められた固定値とする。
【0055】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本第2実施形態に係る落雷模擬システム10、落雷模擬装置12、及びパラメータ選定装置14の構成は、図1から図3に示される第1実施形態に係る落雷模擬システム10、落雷模擬装置12、及びパラメータ選定装置14の構成と同様であるので説明を省略する。
【0056】
本第2実施形態では、パラメータ選定処理で導出されるパラメータとして、外周導体22に流れる電流の大きさを外周導体22毎に異ならせるパラメータも含む。
上記パラメータは、例えば、図6に示すように、供試体20との間で模擬雷電流が流れる外周導体22Sを基準とした、隣り合う外周導体22の間隔H(ピッチ)が含まれる。なお、隣り合う外周導体22の間隔とは、外周導体22に対して印加電流が流れる方向(図6の紙面垂直方向)に交差(直交)する方向である。
【0057】
図6(A)は、隣り合う外周導体22の間隔Hを異ならせた場合の一例である。図6(A)の例では、着雷点となる外周導体22Sに近い側の外周導体22の間隔Hを疎にする一方、外周導体22Sよりも遠い側の外周導体22の間隔Hを密にする。なお、疎密の間隔Hは、外周導体22Sに近い側から遠い側へと徐々に疎から密にされてもよいし、段階的に疎から密にされてもよい。
本来、外周導体22に流れる電流は着雷点に近い側の外周導体22に流れやすいが、上記のような外周導体22の疎密配置を行うことによって、着雷点により近い側の外周導体22へ電流が集中することを抑制し、着雷点よりも遠い側の外周導体22に分散して電流を通電することができる。
この結果、外周導体22を流れる電流が一カ所に集中することを抑制できるので、外周導体22を流れる電流により発生する磁場によって供試体20に流れる誘導電流の最大値を、図6(B)に示すように外周導体22を均等配置した場合に比較して小さくできる。すなわち、外周導体22を均等配置する場合よりも、外周導体22を流れる電流によって発生する磁場の影響を抑制することができる。
【0058】
これにより、図7に示すように、外周導体22を疎密配置することによって、外周導体22を均等配置した場合に比較して、供試体20に流れる誘導電流量の最大電流値を抑制することが可能となった。
【0059】
さらに、本第2実施形態では、外周導体22に流れる電流の大きさを外周導体22毎に異ならせるパラメータとして、図8に示すように、外周導体22の材質及びインダクタンスの少なくとも一方を含んでもよい。パラメータとしての外周導体22の材質とは、すなわち、外周導体22が配置される領域に応じて電気抵抗の異なる材質を用いることをいう。また、パラメータとしての外周導体22のインダクタンスとは、すなわち、外周導体22が配置される領域に応じて外周導体22の寸法(幅及び厚みの少なくとも一方)が異なることをいう。なお、電気抵抗の異なる材質及び外周導体22の異なる寸法として、2種類以上が用いられてもよい。
【0060】
本第3実施形態では、一例として、図8(A)に示すように、着雷点に近い側の外周導体22の材質を電気抵抗の大きい材質とする。一方、着雷点に遠い側の外周導体22の材質を電気抵抗の小さい材質とする。また、着雷点に遠い側の外周導体22の幅及び厚みを着雷点に近い側の外周導体22の幅及び厚みよりも大きくする。
このように、外周導体22の材質及び寸法を異ならせることで、着雷点により近い側の外周導体22へ電流が集中することを抑制し、着雷点よりも遠い側の外周導体22に分散して電流を通電することができる。
【0061】
この結果、外周導体22を流れる電流が一カ所に集中することを抑制できるので、外周導体22を流れる電流により発生する磁場によって供試体20に流れる誘導電流の最大値を、図8(B)に示すように外周導体22を均等配置した場合に比較して小さくできる。すなわち、外周導体22を均等配置する場合よりも、外周導体22を流れる電流によって発生する磁場の影響を抑制することができる。
【0062】
また、その他のパラメータとして、供試体20と外周導体22との距離を外周導体22毎に変更してもよい。例えば、着雷点に近い側の距離を長くし、着雷点に遠い側の距離を短くする。これによっても、外周導体22を流れる電流が一カ所に集中することを抑制でき、誘導電流の最大値を小さくできるので、外周導体22を均等配置する場合よりも、外周導体22を流れる電流によって発生する磁場の影響を抑制することができる。
【0063】
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0064】
例えば、上記各実施形態では、供試体20を、落雷に対する評価対象となる構造物とする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、供試体20を、落雷に対する評価対象となる構造物を模擬したもの(構造物のスケールを変更したもの、構造物の構成を簡素化したもの等)とする形態としてもよい。
【0065】
また、上記各実施形態では、外周導体22から供試体20へ電流(模擬落雷電流)が流れる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、供試体20から外周導体22へ電流が流れる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 落雷模擬システム
12 落雷模擬装置
14 パラメータ選定装置
20 供試体
22 外周導体
24 模擬雷電源
50 平板負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8