(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、発明の実施の形態を説明する。
本発明にかかるビタミンC類の反応抑制方法は、
ビタミンC類をカルシウム類にて被覆することにより、
ビタミンC類と他の物質との接触を抑制する、こととするものである。
【0020】
これによれば、ビタミンC類がカルシウム類によって被覆されるため、ビタミンC類が他の物質に直接的(物理的、或いは、機械的)に接触することを抑制することができ、他の物質との接触に起因してビタミンC類が褐変するなどの不具合を抑制することができる。
【0021】
そして、
図1は、ビタミンC類1がカルシウム類2によって被覆されることを模式的に示すものであり、他の物質3と、ビタミンC類1の間にカルシウム類2が介在することによって、ビタミンC類1と他の物質3の間での反応が抑制されることを説明するものである。なお、他の物質3は、例えば、後述するようなアミノ酸類であることが想定される。
【0022】
また、ビタミンC類の種類としては、
アスコルビン酸を造粒し得られた顆粒、アスコルビン酸、及び、その誘導体が考えられ、誘導体としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸パルミテート、などが考えられる。
これらは、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0023】
また、被覆されるビタミンC類の状態としては、
顆粒状のもの、粉末状のもの、固形状のもの、半固形状のもの、などが考えられ、加工工程や、最終製品の形態などに応じて適宜選定され得るものである。
【0024】
また、カルシウム類の種類としては、
炭酸カルシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、リン酸カルシウム、酸化カルシウム、などがある。また、これらに順ずる食品用原料としては、例えば以下のものが考えられる。
炭酸カルシウムに順ずるものとして、貝殻未焼成カルシウム、珊瑚カルシウム、卵殻カルシウム、などが考えられる。
炭酸カルシウムマグネシウムに順ずるものとして、ドロマイト、などが考えられる。
リン酸カルシウムに順ずるものとして、フィッシュカルシウム、などが考えられる。
酸化カルシウムに順ずるものとして、貝殻焼成カルシウム、などが考えられる。
これらは、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0025】
また、被覆する際のカルシウム類の状態としては、
粉末状のもの、顆粒状のもの、などが考えられる。
【0026】
また、
図1に示すごとく、ビタミンC類1をカルシウム類2にて被覆する際には、ビタミンC類1とカルシウム類2の結合性を高めるために、結合剤4(バインダー)を用いることが好ましい。この結合剤4としては、デキストリン、澱粉、増粘多糖類(グァーガム・キサンタンガム・タラガム、アラビアガム、カラギナン、ローカストビーンガム、など)、寒天、ペクチン、アルギン酸、及び、その塩、水溶性セルロース誘導体、などが考えられる。
【0027】
また、以上のようにビタミンC類をカルシウム類で被覆してなる生成物そのもの、或いは、それを含む製品の形態としては、例えば、錠剤状のもの、顆粒状のもの、散剤状のもの、カプセル剤状のもの、などが考えられる。また、製品の用途は、食品用として限られるものではなく、医薬品用、医薬部外品用であってもよく、特に限定されるものではない。また、これらの各用途の製品を、本明細書では「食品等製品」と総称する。また、「製品」の用語の意味には、消費者に直接消費される、いわゆる最終製品のほか、原料として用いられる、いわゆる中間製品も含まれるものである。
【0028】
そして、以上に述べた製品においては、ビタミンC類が褐変するなどの反応が抑制されるため、製品の外観が褐変によって損なわれることなく、また、香りの低下や、栄養価値の低下なども抑制することが可能となる。
【0029】
以下では実施例を用いて説明する。
以下の実施例では、ビタミンC類をカルシウム類で被覆した顆粒を製造し、その顆粒を用いた錠剤を生成することとした。そして、錠剤における褐変の状況を指標として評価を行うこととした。
【0030】
<実施例1>
まず、錠剤を作製する原料として、表1に掲げるものを使用した。
表1に示される各原料について、レーザー回折散乱法(日機装株式会社製「マイクロトラックMT3000II」)を用いて、各原料の粒度分布を測定した。測定数値は、粒度分布の50%粒子径(メディアン径)である。なお、表1では、実施例1以外で用いられる原料についても示すものである。
【0032】
(1)顆粒の調製
ビタミンC類としてアスコルビン酸(BASFジャパン株式会社製「VC顆粒−97」)を使用し、カルシウム類としてカルシウム原料(株式会社エヌシーコーポレーション社製「貝殻未焼成カルシウム」)を使用した。アスコルビン酸とカルシウム原料を質量比1:3で混合し、また、造粒用結合剤としてデキストリン(松谷化学株式会社製「パインデックス(登録商標)#100」)をカルシウム原料に対して10〜20%(重量%濃度)の間で添加して造粒用末とした。
また、造粒用噴霧液としてデキストリン(松谷化学株式会社製「パインデックス(登録商標)#100」)を準備し、その10%水溶液(重量%濃度)を調製して噴霧液を得た。
【0033】
なお、デキストリンやその他結合剤を用いることにより、圧縮成形性に乏しいカルシウム類(カルシウム原料)を圧縮成形性の高い顆粒に変化させることができる。このため、後の打錠加工の際に必要となる結合剤(結晶セルロースなど)の添加量を抑えることができ、錠剤の小粒化を測ることができる。
【0034】
そして、流動層造粒装置(株式会社パウレック社製「流動層造粒機MP−01」)を用いて、造粒用機能性物質(アスコルビン酸とカルシウム原料とデキストリンの混合物からなる造粒用末)に、上述の噴霧液を均一に散布しながら、常法に従い造粒加工した。その際、給気温度は70℃とし、噴霧液の噴霧速度は4〜6ml/minとした。ここでの造粒加工では、
図1に示すアスコルビン酸(ビタミンC類1)が、カルシウム原料(カルシウム類2)によって被覆されることになる。この造粒加工は、本明細書においては、「ビタミンC類のカルシウム類による被覆処理」、或いは、「打錠前の前処理」、として定義することができる。
【0035】
得られた造粒物を水分が2%以下(重量%濃度)になるまで温度90℃にて乾燥し、乾燥後、16もしくは20メッシュ篩を用いて整粒を行い、篩の透過物からアスコルビン酸/カルシウム含有顆粒を得た。
【0036】
(2)錠剤の調製
得られたアスコルビン酸/カルシウム含有顆粒に、アミノ酸ミックス末(協和発酵社製)、ビタミンミックス末(富田製薬株式会社製)、ミネラルミックス末(富田製薬株式会社製)、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製)、及び、滑沢剤としてステアリン酸カルシウム(堺化学工業株式会社製)を混合して打錠末を得た。
打錠機(株式会社畑鉄工所製「HT−AP12SS−U」)を用いて打錠末を打錠加工し、9mm丸径330mgの錠剤を得た。
【0037】
(3)錠剤外観変化の評価
得られた錠剤を温度40℃、湿度75%の恒温恒湿機の中にオープンシャーレにて3時間静置し、その時の錠剤表面に明らかな斑点が発生しているかを目視にて判定した。実施例1の評価結果を表2に示す。
また、以下で説明する実施例2〜11、比較例1〜4についても、表2に示すこととする。
また、評価においては、「○」は斑点発生が無い、「△」は僅かに斑点が見られる、「×」は明らかに斑点が見られる、として評価した。
なお、
図2は、この斑点5のイメージを説明するためのものであり、打錠直後の錠剤6・6の外観は、乳白色に似た一色の均一な色彩を呈するものであるところ、反応によって赤褐色の斑点5・5が現れることをあらわしている。
【0038】
<実施例2〜5>
ビタミンC類に対するカルシウム原料の比率を、表2の「造粒部のVC:Ca比率」の欄に示したように変更すること以外は、実施例1と同様にして錠剤を調製し、外観変化を評価した。
【0039】
<実施例6〜8>
カルシウム原料を、それぞれ、
実施例6:炭酸カルシウムマグネシウム(株式会社エヌシーコーポレーション社製「ドロマイト」)、
実施例7:酸化マグネシウム(株式会社エヌシーコーポレーション社製「貝殻焼成カルシウム」)、
実施例8:リン酸カルシウム(株式会社エヌシーコーポレーション社製「フィッシュカルシウム」)、
に変更すること以外は、実施例1と同様にして錠剤を調製し、外観変化を評価した。
【0040】
<実施例9>
得られたアスコルビン酸/カルシウム含有顆粒に、コラーゲン原料(株式会社ニッピ社製)、及び、滑沢剤としてステアリン酸カルシウム(堺化学工業株式会社製)を混合して打錠末を得た。
【0041】
<実施例10〜11>
アスコルビン酸の種類を、それぞれ、
実施例10:アスコルビン酸Na(BASFジャパン株式会社製)、
実施例11:アスコルビン酸100メッシュ(BASFジャパン株式会社製)、
に変更すること以外は、実施例1と同様にして錠剤を調製し、外観変化を評価した。
【0042】
<比較例1>
この比較例では、上記の実施例における「カルシウム類による被覆処理」、「打錠前の前処理」、は実施しないものである。
即ち、比較例1では、流動層造粒装置(株式会社パウレック社製「流動層造粒機MP−01」)を用いて、カルシウム原料と、造粒用結合剤として、デキストリン(松谷化学株式会社製「パインデックス(登録商標)#100」)をカルシウム原料に対して10〜20%の間で添加した造粒用末に、噴霧液(上述のデキストリン10%水溶液)を均一に散布し、常法に従って造粒加工した。
そして、この造粒加工されたカルシウム含有顆粒と、アスコルビン酸(BASFジャパン株式会社製「VC顆粒−97」)と、アミノ酸ミックス末(協和発酵社製)、ビタミンミックス末(富田製薬株式会社製)、ミネラルミックス末(富田製薬株式会社製)、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製)、及び、滑沢剤としてステアリン酸カルシウム(堺化学工業株式会社製)を混合して打錠末を得た。
打錠機(株式会社畑鉄工所製「HT−AP12SS−U」)を用いて打錠末を打錠加工し、9mm丸径330mgの錠剤を得た。
【0043】
<比較例2>
表2に示すように、その他の配合原料を、それぞれ、
比較例2:コラーゲン(株式会社ニッピ社製)、
に変更すること以外は、比較例1と同様にして錠剤を調製し、外観変化を評価した。
【0044】
<比較例3>
造粒部に添加するカルシウム原料の代わりにデキストリン(松谷化学工業株式会社製「パインデックス(登録商標)#100」)を添加して造粒すること以外は、実施例1と同様にして錠剤を調製し、外観変化を測定した。結果を表2に示す。
【0045】
<比較例4>
造粒部に添加するカルシウム原料の代わりに酸化マグネシウム重質(富田製薬株式会社製)を添加して造粒すること以外は、実施例1と同様にして錠剤を調製し、外観変化を測定した。結果を表2に示す。
【0047】
<評価まとめ>
表2から明らかなように、実施例4において「△」の評価となった以外は、各実施例において「○」の評価となった。
これに対し、比較例においては、「ビタミンC類のカルシウム類による被覆処理」、或いは、「打錠前の前処理」、を実施していないために、いずれも「×」の評価となった。
このことから、ビタミンC類をカルシウム類によって被覆することにより、褐変を抑えることができることが確認された。
【0048】
さらに、実施例9を除く各実施例においては、錠剤の原料としてアミノ酸類が使用されている。ここで、比較例1を参照して明らかなように、アミノ酸類にビタミンC類が接触してしまうとメイラード反応による褐変の促進がなされることになる。しかしながら、ビタミンC類がカルシウム類によって被覆されているため、ビタミンC類がアミノ酸類に接触することが抑制され、これに伴って、褐変が抑制されているということが確認された。つまり、褐変が発生しやすい状況であっても、ビタミンC類をカルシウム類によって被覆することで、褐変を抑えられることが確認できた。
【0049】
さらに、実施例9においては、錠剤の原料としてタンパク質であるコラーゲンが使用されている。ここで、比較例2からも明らかなように、タンパク質(コラーゲン)にビタミンC類が接触してしまうとメイラード反応による褐変の促進がなされることになる。しかしながら、実施例9においては、ビタミンC類がカルシウム類によって被覆されているため、ビタミンC類がタンパク質(コラーゲン)に接触することが抑制され、これに伴って、褐変が抑制されているということが確認された。つまり、褐変が発生しやすい状況であっても、ビタミンC類をカルシウム類によって被覆することで、褐変を抑えられることが確認できた。
【0050】
なお、実施例9においては、タンパク質の代表例となり得る原料としてコラーゲンを用いることとしたが、コラーゲンのほか、牛乳から作られるホエイ蛋白(乳清)やカゼイン、大豆を原料として作られる粉末、鶏卵の卵白から作られる粉末、などを使用することも考えられる。
【0051】
また、試験条件は、温度40℃、湿度75%の環境下とするものであり、一般的な食品の保存状況における環境下よりも厳しい環境下、つまりは、褐変が発生しやすい環境ではあったが、この場合であっても、「○」の評価を得られる実施例を確認できた。これにより、長期間、高温多湿の環境下に置かれるような厳しい状況においても、褐変の抑制を期待できることが確認された。特に、消費者が直接口にする食品については、見た目(外観)の印象も重要なものとなるため、本発明の実施により褐変の発生確率を抑えることは好ましいものといえる。
【0052】
そして、以上の実施例の検討から、以下の実施形態が考えられる。
即ち、
ビタミンC類をカルシウム類によって被覆することによる、ビタミンC類の反応抑制方法とする。
【0053】
また、ビタミンC類とカルシウム類を結合するために結合剤を用いることとする。
【0054】
また、この場合、ビタミンC類の50%粒子径(メディアン径)は、50μm以上500μm以下であり、好ましくは、100μm以上400μm以下とされることが考えられる。
【0055】
また、カルシウム類の50%粒子径(メディアン径)は、0.1μm以上80μm以下であり、好ましくは、5μm以上30μm以下とされることが考えられる。ここで、使用されるカルシウム類の50%粒子径(メディアン径)を、ビタミンC類の50%粒子径(メディアン径)と比較して小さく設定する意図は、ビタミンC類の周囲に満遍なくカルシウム類を接触させ、カルシウム類によるビタミンC類の被覆を行いやすくするためのである。
【0056】
また、造粒部に添加する造粒用結合剤は、カルシウム類に対する重量比で8%以上25%以下、より好ましくは、10%以上20%以下において使用されることが考えられる。
また、添加とは別に、流動層造粒装置において使用する噴霧液として、造粒用結合剤をカルシウム類に対する重量比で1%以上10%以下、より好ましくは、3%以上8%以下とする噴霧液(水溶液)を用いることが考えられる。
なお、造粒用結合剤としては、デキストリンのほか、澱粉、増粘多糖類(グァーガム・キサンタンガム・タラガム、アラビアガム、カラギナン、ローカストビーンガム、など)、寒天、ペクチン、アルギン酸、及び、その塩、水溶性セルロース誘導体、なども考えられる。
【0057】
また、上述の噴霧液の噴霧終了時の造粒顆粒の水分値は、4%以上10%以下、より好ましくは、6%以上8%以下に設定されることが考えられる。
【0058】
また、以上の実施形態により造粒された生成物は、アミノ酸類などの他の物質(原料)とともに打錠加工され、錠剤とすることができる。なお、原料として用いられるアミノ酸の種別については特に限定されるものではないが、食品用としては、主に必須アミノ酸のうちから適宜選定されることが考えられる。また、「アミノ酸類」の候補として、具体的に記載するのであれば、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等や、これらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、またはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体、等が考えられる。
【0059】
そして、このような錠剤などの製品の製造方法において、以下の実施形態とすることが考えられる。
即ち、
ビタミンC類とカルシウム類とを含む食品等製品の製造方法であって、
ビタミンC類をカルシウム類で被覆する工程を含む、こととするものである。
【0060】
また、ビタミンC類を含む食品等製品の製造方法であって、
ビタミンC類とアミノ酸類、及び/又は、タンパク質が混合されるよりも前の工程において、
ビタミンC類をカルシウム類で被覆する工程が実施される、こととするものである。
【0061】
また、
図3は本発明にかかる方法の理解を助けるために、本願製法について示すものである。
図3の上段本願製法1は、ビタミンC類とアミノ酸類を原料として含む場合における本願製法の一例を示すものであり、ビタミンC類をカルシウム類で被覆する処理を含む造粒の工程を、アミノ酸類の造粒の工程とは独立して行うこととするものである。これにより、アミノ酸類とビタミンC類が接触する前に、ビタミンC類がカルシウム類によって被覆されるため、アミノ酸類とビタミンC類との接触を抑制することが可能となるものである。
【0062】
同様に、
図3の中段に示す本願製法2は、ビタミンC類とタンパク質を原料として含む場合における本願製法の一例を示すものであり、ビタミンC類をカルシウム類で被覆する処理を含む造粒の工程を、タンパク質の造粒の工程とは独立して行うこととするものである。これにより、タンパク質とビタミンC類が接触する前に、ビタミンC類がカルシウム類によって被覆されるため、タンパク質とビタミンC類との接触を抑制することが可能となるものである。
【0063】
さらに、
図3の下段に示す本願製法3は、ビタミンC類、アミノ酸類、及び、タンパク質を原料として含む場合における本願製法の一例を示すものであり、ビタミンC類をカルシウム類で被覆する処理を含む造粒の工程を、アミノ酸類やタンパク質の造粒の工程とは独立して行うこととするものである。これにより、アミノ酸類やタンパク質が、ビタミンC類が接触する前に、ビタミンC類がカルシウム類によって被覆されるため、アミノ酸類やタンパク質が、ビタミンC類と接触することを抑制することが可能となるものである。なお、この
図3の下段の例では、アミノ酸類とタンパク質の造粒を個別に行っているが、アミノ酸類とタンパク質を混合したものを造粒することとも考えられる。
【0064】
以上の本願製法に対し、
図4の上段に示す従来製法その1では、カルシウム類の造粒と、アミノ酸類の造粒を、それぞれ個別に行い、その後、ビタミンC類とその他の原料と、これらを混合させることとするものである。この場合には、アミノ酸類とビタミンC類が接触してしまうこととなるため、ビタミンC類の褐変が懸念されることとなる。
図4の中断の従来製法その2では、同様に、タンパク質の造粒を個別に行う例について示している。
また、
図4の下段に示す従来製法その3では、カルシウム類、アミノ酸類、タンパク質、ビタミンC類といった全ての原料をまとめて造粒しているため、この場合でも、アミノ酸類やタンパク質とビタミンC類が接触してしまうこととなるため、ビタミンC類の褐変が懸念されることとなる。