(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791309
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】建物一体型太陽光発電システム用接続モジュール
(51)【国際特許分類】
H02S 40/34 20140101AFI20150917BHJP
【FI】
H02S40/34
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-41189(P2011-41189)
(22)【出願日】2011年2月28日
(65)【公開番号】特開2011-192986(P2011-192986A)
(43)【公開日】2011年9月29日
【審査請求日】2014年2月25日
(31)【優先権主張番号】201010127185.4
(32)【優先日】2010年3月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャオチュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン フェン
(72)【発明者】
【氏名】シャン シェンフア
(72)【発明者】
【氏名】ショウ チュンフー
【審査官】
森江 健蔵
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−303988(JP,A)
【文献】
特開2009−283483(JP,A)
【文献】
特開2010−041008(JP,A)
【文献】
実公昭51−006694(JP,Y1)
【文献】
特開2010−028114(JP,A)
【文献】
特開平09−116277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側壁(201)により囲まれた少なくとも1個の収容室(203)が形成されたハウジング(1)と、前記少なくとも1個の収容室の開口を覆うカバー(2)とを具備する、建物一体型太陽電池システム用の接続モジュール(100)であって、
前記カバーは、前記少なくとも1個の収容室の前記第1側壁の外面を囲むと共に前記接続モジュールの外壁の一部を構成する第2側壁(218)を有し、
前記収容室の前記第1側壁の外面に環状溝(210)が形成され、
前記環状溝は、前記収容室の前記第1側壁の周囲を取り囲み、
前記環状溝には環状シール部材(202)が嵌まり、
前記環状シール部材は、前記収容室の前記第1側壁及び前記カバーの前記第2側壁の間に挟まれることを特徴とする接続モジュール。
【請求項2】
前記カバーの前端に、前記ハウジングの基部の首部(205)に固定されるスナップ係合部(204)が形成されることを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項3】
前記カバーの前端に、前記ハウジングの基部の突出ポスト(206)に嵌まる凹部(207)が形成されることを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項4】
前記カバーの後端に、前記ハウジングの前記基部の突出リブ(209)に嵌まるスロット(208)が形成されることを特徴とする請求項2又は3記載の接続モジュール。
【請求項5】
前記ハウジングの後部に少なくとも1個の収容室(203)が形成され、
前記ハウジングの前部には挿入孔(101)が形成され、
前記挿入孔を通って、外部コネクタ(300)の挿入端子(301)が挿入されることを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1個の収容室に内部コネクタが収容され、
前記内部コネクタは、ダイオード(230)と、一端が前記ダイオードの一端(231)に電気接続され、他端が外部コネクタ(300)の挿入端子(301)及び太陽電池パネルの一方の電極に電気接続された第1導電板(211)と、一端が前記ダイオードの他端(232)に電気接続され、他端が前記太陽電池パネルの他方の電極に電気接続された第2導電板(221)とを具備することを特徴とする請求項5記載の接続モジュール。
【請求項7】
前記第1導電板の前記一端に、第1弾性コンタクト(212)が形成され、
前記ダイオードの前記一端は、前記第1弾性コンタクト間に弾性的に保持され、前記ダイオード及び前記第1導電板を電気接続し、
前記第2導電板の前記一端に、第2弾性コンタクト(222)が形成され、
前記ダイオードの前記他端は、前記第2弾性コンタクト間に弾性的に保持され、前記ダイオード及び前記第2導電板を電気接続することを特徴とする請求項6記載の接続モジュール。
【請求項8】
前記第1導電板の前記他端に、第1ウエブ(213)が形成され、
前記太陽電池パネルの前記一方の電極のバスバー(217)は、第1弾性クランプ(214)により前記第1導電板の前記第1ウエブ上で挟まれ、前記第1導電板及び前記太陽電池パネルの前記一方の電極を電気接続し、
前記第2導電板の前記他端に、第2ウエブ(223)が形成され、
前記太陽電池パネルの前記他方の電極のバスバー(217)は、第2弾性クランプ(224)により前記第2導電板の前記第2ウエブ上で挟まれ、前記第2導電板及び前記太陽電池パネルの前記他方の電極を電気接続することを特徴とする請求項7記載の接続モジュール。
【請求項9】
前記第1ウエブ及び前記第2ウエブの少なくとも一方の表面に、少なくとも一方の前記ウエブの表面及び前記バスバー間の摩擦接触力を増大させる溝(219)の格子が形成されることを特徴とする請求項8記載の接続モジュール。
【請求項10】
前記第1導電板の前記他端に、接続端子(215)がさらに形成され、
前記第1導電板の前記接続端子は、前記挿入孔を通って挿入される前記外部コネクタの前記挿入端子に電気接続されるよう、前記ハウジングの前記挿入孔内に延びることを特徴とする請求項9記載の接続モジュール。
【請求項11】
前記ハウジングには、第1導電板、第2導電板及びダイオードがそれぞれ配置される3個の分離した前記収容室が形成されることを特徴とする請求項1記載の接続モジュール。
【請求項12】
前記外部コネクタは、該外部コネクタ及び前記接続モジュールの前記ハウジング間のスナップ形成部により、前記ハウジング内にスナップ係合されることを特徴とする請求項5記載の接続モジュール。
【請求項13】
前記スナップ形成部は、前記外部コネクタに形成された突出部(302)と、前記外部コネクタの前記突出部に嵌まるよう前記接続モジュールの前記ハウジングに形成された窓(102)とを具備することを特徴とする請求項12記載の接続モジュール。
【請求項14】
前記スナップ形成部は、前記外部コネクタに形成された細長の突出バー(303)と、前記外部コネクタの前記細長突出バーに嵌まるよう前記接続モジュールの前記ハウジングに形成された細長のスロット(103)とをさらに具備することを特徴とする請求項13記載の接続モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物一体型太陽光発電(building integrated photovoltaic、以下BIPVと記す)の分野に関し、特にBIPVシステム用接続モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光エネルギーは一種の再生可能なエネルギーであるので、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することは、エネルギー源を節約し、増大する電源需要を緩和し、環境汚染を減少させる。このため、この変換技術は、多くの人の興味や関心を集めている。例えば、太陽光エネルギーを利用する一般的な従来の方法では、太陽電池パネルはブラケットにより建物の屋根で組み立てられ、この組立体と協働する接続モジュールは組立体の背面に配置されるのが一般的である。
【0003】
「BIPV」と称される技術を使用する新たな太陽光エネルギーが、最近、前面に押し出されてきた。ここで、日光が当たる屋根、窓及びカーテンウォールガラス等の建物の一部に、太陽電池製品が一体化される。このため、この一体化された部分は、日光を供給しつつ風や雨から保護しながら、電気を供給することができる。
【0004】
図8は、建物一体型太陽電池システム用の従来の接続モジュールを示す断面図である。
図8に示されるように、従来の接続モジュールの沿面距離d’は実線で示され、従来の接続モジュールの空間距離g’は破線で示される。
図8を参照すると、接続モジュールの底面は絶縁されるので、沿面距離d’は、内部導体から、手が外部から接触し得る接続モジュールの一部までの接続モジュールの内部絶縁面に沿った最小距離として定義される。そして、空間距離g’は、手が外部から接触し得る接続モジュールの一部と、内部導体との間の空気間隙の最小距離として一般に定義される。太陽電池接続モジュールの分野において、沿面距離及び空間距離に関して厳しい安全規格がある。すなわち、沿面距離は20mmより大きくなければならず、空間距離は14mmより大きくなければならない。
【0005】
図8を参照すると、建物一体型太陽電池システム用の従来の接続モジュールにおいて、接続モジュールのハウジングには、電気部品を受容する収容室が形成される。カバーの側壁が収容室に挿入され、収容室の側壁により囲まれる。このようにして、収容室の側壁は、外部に露出すると共に、接続モジュールのハウジングの外壁の一部を構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願公開第2008/095670号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図8を続けて参照すると、カバーの側壁が収容室に挿入される場合、安全規格を満足するよう沿面距離及び空間距離を維持しつつ、接続モジュールの寸法を縮小することは困難である。従って、
図8の場合、安全規格に従うために、沿面距離及び空間距離が増大するよう接続モジュールの寸法を増大させる必要がある。しかし、建物一体型太陽電池システムの分野では、ユーザ及び製造業者は皆、接続モジュールを最小化することを期待している。
【0008】
さらに、
図8に示される従来の接続モジュールにおいて、太陽電池パネルのバスバーは、接続モジュールの内部導電部品に半田付けされるのが一般的であり、ジェルをポッティングすることにより封止される。この場合、太陽電池パネルのバスバーが接続モジュールの内部導電部品に一旦半田固定されると、バスバー及び内部導電部品を再度分離させることができない。このため、接続モジュールを交換する上で不便である。また、半田固定は、コストを増大させると共に組立を困難にする。
【0009】
従って、安全規格を満足する沿面距離及び空間距離を維持しながら、寸法が最小である接続モジュールを提供すると有利である。
【0010】
容易に実装でき置換できる接続モジュールを提供すると有利である。
【0011】
また、容易に製造できる信頼性の高い接続モジュールを提供すると有利である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の欠点の少なくとも一側面を解決又は緩和するためになされたものである。
【0013】
本発明の一側面によれば、第1側壁により囲まれた少なくとも1個の収容室が形成されたハウジングと、少なくとも1個の収容室の開口を覆うカバーとを具備する、建物一体型太陽電池システム用の接続モジュールが提供される。カバーは、少なくとも1個の収容室の第1側壁の外面を囲むと共に接続モジュールの外壁の一部を構成する第2側壁を有する。
【0014】
本発明の一実施形態において、収容室の第1側壁の外面に環状溝が形成され、環状溝は収容室の第1側壁の周囲を取り囲む。環状溝には環状シール部材が嵌まり、環状シール部材は収容室の第1側壁及びカバーの第2側壁の間に挟まれる。
【0015】
本発明の別の実施形態において、カバーの前端に、ハウジングの基部の首部に固定されるスナップ係合部が形成される。
【0016】
本発明の別の実施形態において、カバーの前端に、ハウジングの基部の突出ポストに嵌まる凹部が形成される。
【0017】
本発明の別の実施形態において、カバーの後端に、ハウジングの基部の突出リブに嵌まるスロットが形成される。
【0018】
本発明の別の実施形態において、ハウジングの後部に少なくとも1個の収容室が形成される。ハウジングの前部には挿入孔が形成される。この挿入孔を通って、外部コネクタの挿入端子が挿入される。
【0019】
本発明の別の実施形態において、少なくとも1個の収容室に内部コネクタが収容される。内部コネクタは、ダイオードと、一端がダイオードの一端に電気接続され、他端が外部コネクタの挿入端子及び太陽電池パネルの一方の電極に電気接続された第1導電板と、一端がダイオードの他端に電気接続され、他端が太陽電池パネルの他方の電極に電気接続された第2導電板とを具備する。
【0020】
本発明の別の実施形態において、第1導電板の一端には第1弾性コンタクトが形成される。ダイオードの一端は、第1弾性コンタクト間に弾性的に保持され、ダイオード及び第1導電板を電気接続する。第2導電板の一端には第2弾性コンタクトが形成される。ダイオードの他端は、第2弾性コンタクト間に弾性的に保持され、ダイオード及び第2導電板を電気接続する。
【0021】
本発明の別の実施形態において、第1導電板の他端には第1ウエブが形成される。太陽電池パネルの一方の電極のバスバーは、第1弾性クランプにより第1導電板の第1ウエブ上で挟まれ、第1導電板及び太陽電池パネルの一方の電極を電気接続する。第2導電板の他端には第2ウエブが形成される。太陽電池パネルの他方の電極のバスバーは、第2弾性クランプにより第2導電板の第2ウエブ上で挟まれ、第2導電板及び太陽電池パネルの他方の電極を電気接続する。
【0022】
本発明の別の実施形態において、第1ウエブ及び第2ウエブの少なくとも一方の表面に、少なくとも一方のウエブの表面及びバスバー間の摩擦接触力を増大させる溝の格子が形成される。
【0023】
本発明の別の実施形態において、第1導電板の他端に、接続端子がさらに形成される。第1導電板の接続端子は、挿入孔を通って挿入される外部コネクタの挿入端子に電気接続されるよう、ハウジングの挿入孔内に延びる。
【0024】
本発明の別の実施形態において、ハウジングには、第1導電板、第2導電板及びダイオードがそれぞれ配置される3個の分離した収容室が形成される。
【0025】
本発明の別の実施形態において、外部コネクタは、外部コネクタ及び接続モジュールのハウジング間のスナップ形成部により、ハウジング内にスナップ係合される。
【0026】
本発明の別の実施形態において、スナップ形成部は、外部コネクタに形成された突出部と、外部コネクタの突出部に嵌まるよう接続モジュールのハウジングに形成された窓とを具備する。
【0027】
本発明の別の実施形態において、スナップ形成部は、外部コネクタに形成された細長の突出バーと、外部コネクタの細長突出バーに嵌まるよう接続モジュールのハウジングに形成された細長のスロットとをさらに具備する。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、カバーの側壁が収容室の側壁の外面を取り囲み、収容室内に挿入されるのではなく、代わりに接続モジュールの外壁の一部を構成する。従って、カバーは、収容室の空間を占有しないので、収容室内の電気部品が十分に大きな空間距離及び沿面距離を有することが確保される。これにより、接続モジュールの寸法を増大することなく、接続モジュールの電気的安全性を改善する。
【0029】
さらに、本発明では、太陽電池パネルのバスバーが、半田付けの代わりに弾性クランプにより接続モジュールの内部導体で取外し可能に挟まれる。従って、接続モジュールの交換が容易になる。
【0030】
また、本発明では、ダイオード、弾性クランプ及び接続端子等の、接続モジュールの複数の内部電気部品が取外し可能な方法で互いに接続される。従って、これら電気部品の交換又は保守に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】カバーを閉じた状態の、本発明の一実施形態に係るBIPV用接続モジュールの斜視図である。
【
図2】カバーを開いた状態の、本発明の一実施形態に係るBIPV用接続モジュールの斜視図である。
【
図3】カバーを開き、内部電気部品が全て外部に露出した状態の、本発明の一実施形態に係るBIPV用接続モジュールの斜視図である。
【
図4】カバーの側壁が収容室の側壁の外側に配置され、太陽電池パネルのバスバーが弾性クランプによりウエブ上で弾性的に挟まれてバスバー及びウエブを電気接続する状態を示す、
図3の接続モジュールの断面図である。
【
図5】太陽電池パネルのバスバーが
図4に示される弾性クランプによりウエブ上で弾性的に挟まれた状態を示す部分拡大図である。
【
図6】本発明に係る接続モジュールが外部コネクタに接続された状態を示す斜視図である。
【
図7】空間距離及び沿面距離を示す、本発明に係る接続モジュールの断面図である。
【
図8】建物一体型太陽光発電システム用の従来の接続モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ここで、同じ要素には同じ参照番号が付与される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、以下に説明する実施形態に限定するものとして解釈してはならない。むしろ、本発明が徹底的且つ完全であり、本開示のコンセプトを当業者に十分に伝えるようにこれらの実施形態が提供される。
【0033】
図1は、カバーを閉じた状態の、本発明の一実施形態に係るBIPV用接続モジュールを示す斜視図である。
図2は、カバーが開いた状態の、本発明の一実施形態に係るBIPV用接続モジュールを示す斜視図である。
【0034】
図1及び
図2に示されるように、本発明の一実施形態において、BIPV用接続モジュール100は、カバー2を有するハウジング1を主に具備する。
【0035】
図2を参照すると、本発明の一実施形態において、ハウジング1には、互いに分離していると共に内部に電気部品をそれぞれ受容するために使用される3個の収容室203が形成される。しかし、本発明は本実施形態に限定されず、必要に応じて収容室203の数を変更することができる。例えば、ハウジング1には、1個の収容室203が形成されてもよいし、2個以上の収容室203が形成されてもよい。
【0036】
図1及び
図2を参照すると、カバー2は、収容室203の開口を覆う、すなわち閉じるために使用される。
【0037】
図4は、接続モジュールの断面図である。
図1、
図2及び
図4に示されるように、カバー2の側壁218は、収容室203の側壁201の外側に配置され、接続モジュール100のハウジング1の後部の外壁の一部を構成する。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係るBIPV用接続モジュールの分解斜視図である。
【0039】
図2及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態において、収容室203の第1側壁201の外面に環状溝210が形成され、環状溝210は、収容室203の第1側壁201の周囲を取り囲む。環状溝210には環状シール部材202が嵌まる。
図4に示されるように、カバー2が組み立てられた後、環状シール部材202は、収容室203の第1側壁201及びカバー2の第2側壁218間に挟まれる。
【0040】
本発明の本実施形態において、環状シール部材202は、収容室203の第1側壁201及びカバー2の第2側壁218間の封止性能を改善することができる。
【0041】
図2に示されるように、本発明の一実施形態において、ハウジング1の基部の首部205内に固定されるためのスナップ係合部204が、カバー2の前端に形成されている。
【0042】
続けて
図2を参照すると、本発明の一実施形態において、ハウジング1の基部の突出ポスト206に嵌まるための凹部207が、カバー2の前端に形成されている。このようにして、ハウジングの基部に対するカバーの係合力を効果的に増大させることができる。
【0043】
再度
図2を参照すると、本発明の一実施形態において、ハウジング1の基部の突出リブ209に嵌まるためのスロット208が、カバー2の後端に形成されている。
【0044】
図2に示される実施形態において、カバー2は取外し可能な方法でハウジング1の基部に組み立てられるので、ハウジング1及びカバー2を共に組み立て、又は互いに分離することは簡単である。
【0045】
図6は、本発明に係る接続モジュールが外部コネクタに接続された状態を示す斜視図である。
【0046】
図1ないし
図3及び
図6に示されるように、本発明の一実施形態において、ハウジング1の後部に収容室203が形成されている。ハウジング1の前部には挿入孔101が形成され、この挿入孔101を通って、外部コネクタ300の挿入端子301が挿入される。
【0047】
図1ないし
図3及び
図6に示された実施形態において、接続モジュール100は、取外し可能な方法で外部コネクタ300に係合する。このため、接続モジュール100及び外部コネクタ300を共に組み立て、又は互いに分離することは容易である。
【0048】
図3は、収容室203に受容された内部電気部品を示す。
図3及び
図6に示されるように、内部コネクタは収容室203に収容される。この内部コネクタは、ダイオード230、第1導電板211及び第2導電板221を主に具備する。第1導電板211の一端はダイオード230の一端231に電気接続され、第1導電板211の他端は外部コネクタ300の挿入端子301及び太陽電池パネル(図示せず)の一方の電極(例えばアノード)に電気接続される。第2導電板221の一端はダイオード230の他端232に電気接続され、第2導電板221の他端は太陽電池パネルの他方の電極(例えばカソード)に電気接続される。
【0049】
図3を参照すると、本発明の一実施形態において、第1導電板211の一端には第1弾性コンタクト212が形成される。ダイオード230の一端231は、第1弾性コンタクト212間に弾性的に保持され、ダイオード230及び第1導電板211を電気接続する。第2導電板221の一端には第2弾性コンタクト222が形成される。ダイオード230の他端232は、第2弾性コンタクト222間に弾性的に保持され、ダイオード230及び第2導電板221を電気接続する。
【0050】
図3に示される実施形態において、ダイオード230は、取外し可能な方法で導電板211,221に電気接続される。このため、これら部品を共に組み立て、又は互いに分離することは容易である。
【0051】
図3及び
図4に示されるように、本発明の一実施形態において、第1導電板211の他端には第1ウエブ213が形成される。太陽電池パネルの一方の電極のバスバー217が第1弾性クランプ214により第1導電板211の第1ウエブ213上で挟まれ、太陽電池パネルの一方の電極及び第1導電板211を電気接続する。第2導電板221の他端には第2ウエブ223が形成される。太陽電池パネルの他方の電極のバスバー217が第2弾性クランプ224により第2導電板221の第2ウエブ223上で挟まれ、太陽電池パネルの他方の電極及び第2導電板221を電気接続する。
【0052】
図3及び
図4に示される実施形態において、太陽電池パネルの2電極のバスバー217は、取外し可能な方法で第1及び第2導電板211,221のウエブ213,223に電気接続される。このため、これら部品を共に組み立て、又は互いに分離することは容易である。
【0053】
図5は、太陽電池パネルのバスバーが
図4に示される弾性クランプによりウエブ上で弾性的に挟まれた状態を示す部分拡大図である。
【0054】
図5に示されるように、本発明の一実施形態において、第1及び第2のウエブ213,223の少なくとも一方の表面に、少なくとも一方のウエブ213,223の表面及びバスバー217間の摩擦接触力を増大させる複数の細長の溝219が形成される。
図3を参照すると、複数の細長溝219は、第1及び第2のウエブ213,223の表面上の格子パターンを形成してもよい。このようにして、バスバー217及びウエブ213,223間の摺動を効果的に防止し、バスバー217及びウエブ213,223間の電気接触信頼性を改善することができる。
【0055】
図3及び
図6を参照すると、本発明の一実施形態において、第1導電板211の他端には、接続端子215がさらに形成される。第1導電板211の接続端子215は、挿入孔101を通って挿入される外部コネクタ300の挿入端子301に電気接続され導電板211及び外部コネクタ300を電気接続するように、ハウジング1の挿入孔101内に延びる。
【0056】
図3に示されるように、第1導電板211、第2導電板221及びダイオード230は、分離した3個の収容室203にそれぞれ配置される。
【0057】
図6を参照すると、本発明の一実施形態において、外部コネクタ300上に突出部302が形成される。接続モジュール100のハウジング1には、外部コネクタ300の突出部302に嵌まる窓102が形成される。このようにして、外部コネクタ300は、接続モジュール100のハウジング1に機械的に係合することができる。
【0058】
図6を再度参照すると、本発明の一実施形態において、外部コネクタ300上に細長の突出バー303が形成されている。接続モジュール100のハウジング1には、外部コネクタ300の細長突出バー303に嵌まる細長のスロット103が形成される。このようにして、外部コネクタ300は、接続モジュール100のハウジング1にさらに安定的に係合することができる。
【0059】
図7及び
図8を参照して、本発明の沿面距離d及び空間距離gと、従来の接続モジュールの沿面距離d’及び空間距離g’とを説明し比較する。
【0060】
図7は、空間距離g及び沿面距離dを示す、本発明に係る接続モジュールの断面図である。
図8は、空間距離g’及び沿面距離d’を示す、建物一体型太陽光発電システム用の従来の接続モジュールの断面図である。
【0061】
図7に示されるように、本発明においては、カバー2の側壁218は収容室203の側壁201の外面を取り囲むので、接続モジュールの外壁の一部を構成する。従って、本発明の沿面距離d及び空間距離gは、収容室203の側壁201の頂上を超えて環状シール部材202まで延長する。
【0062】
図8に示される従来の接続モジュールにおいては、カバーの側壁は収容室内に挿入されている。従って、沿面距離d’及び空間距離g’は、収容室の側壁の頂上の下の封止位置で終了するので、収容室の側壁の頂上を超えることができない。
【0063】
本発明の接続モジュール及び従来の接続モジュールが同じ寸法を有する場合、本発明の接続モジュールが、従来の接続モジュールより大きな沿面距離d及び大きな空間距離gを有することは明白である。
【0064】
いくつかの実施形態を図示し上述したが、当業者であれば、本発明の原理及び真髄から逸脱することなく、実施形態に変更を加えること、及び本発明の範囲は特許請求の範囲及びその等価物で定義されることが理解されよう。「具備する」という用語は他の要素が含まれることを排除せず、「1個の」又は「一つの」という用語は複数を排除しないことに留意されたい。また、特許請求の範囲における参照符合は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈すべきでないことにも留意されたい。
【符号の説明】
【0065】
1 ハウジング
2 カバー
100 接続モジュール
101 挿入孔
102 窓
103 スロット
201 第1側壁
202 環状シール部材
203 収容室
204 スナップ係合部
205 首部
206 突出ポスト
207 凹部
208 スロット
209 突出リブ
210 環状溝
211 第1導電板
212 第1弾性コンタクト
213 第1ウエブ
214 第1弾性クランプ
215 接続端子
217 バスバー
218 第2側壁
219 溝
221 第2導電板
222 第2弾性コンタクト
223 第2ウエブ
224 第2弾性クランプ
230 ダイオード
231 一端
232 他端
300 外部コネクタ
301 挿入端子
302 突出部
303 突出バー