【実施例1】
【0055】
本発明の電子制御式踏切しゃ断機の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、電子制御式踏切しゃ断機40のブロック図であり、
図2は、リレー監視プログラム44のフローチャートである。
【0056】
この電子制御式踏切しゃ断機40が既述した従来の電子制御式踏切しゃ断機10と相違するのは(
図1参照)、リレー制御回路28にて電子制御回路25を監視するだけだった制御駆動部21が相互監視形の制御駆動部41になった点であり、制御駆動部41では、電子制御回路25が一部改造されて電子制御回路42になっており、リレー制御回路28がやはり一部改造されてリレー制御回路47になっている。機械部分12,13やモータ14及びモータ駆動回路22には変更がなく既述した従来のままであり、モータ駆動回路22に回生抵抗23が付設されていること等も変更がなく既述した従来のままである。
【0057】
リレー制御回路47の改造は小さく、リレー制御回路47がリレー制御回路28と相違するのは、降下時間監視リレーBRの駆動ラインに開閉部材48が介挿接続されている点である。開閉部材48の介挿部位は、ディレイ回路の接続部位よりも降下時間監視リレーBRの駆動部(コイル又はコイル相当部分)に近いところであり、図示した緩放リレーの場合はコンデンサCa及び抵抗Raのなす充放電回路の並列接続部分の内側になっている。開閉部材48は、例えばスイッチやリレー接点などからなり、電子制御回路42の出力するリレー照査信号Scを制御信号として電路開閉を行うようになっている。
そのため、降下時間監視リレーBRは、リレー照査信号Scがオフで開閉部材48が導通していれば従来通り緩放リレーとして機能するが、リレー照査信号Scがオンして開閉部材48が遮断状態になると直ちに復旧するものとなっている。
【0058】
電子制御回路42が電子制御回路25と相違するのは、昇降制御プログラム26が一部改造されて昇降制御プログラム43になった点と、リレー監視プログラム44が追加インストールされた点と、降下時間監視リレーBRの作動状態と自重降下リレーDRとについて動作状態なのか復旧状態なのかという作動状態を入力するようになった点と、リレー照査信号Scを出力して開閉部材48に送出するようになった点と、踏切制御装置に送信される故障通知にリレー故障通知Erと回生抵抗断線通知Ecが加わった点である。
【0059】
昇降制御プログラム43の改造は、小さく、リレー監視プログラム44からリレー故障通知Erを受け取るようになったことと、リレー故障通知Erがオフであれば従来通り降下指令信号TERに従って遮断桿11の昇降制御を行うが、リレー故障通知Erがオンになると、リレー監視プログラム44に代わって、降下指令信号TERの指示にかかわりなく強制的に遮断桿11を下降停止位置まで下降させる強制下降制御を行うようになったことである。
【0060】
リレー監視プログラム44は(
図1参照)、モータ回転指令Smと下降停止位置情報Slと降下時間監視リレーBRの作動状態と自重降下リレーDRの作動状態とに基づいてリレー制御回路47の動作状態を監視するためにリレー照査信号Scを生成するとともに、監視結果としてリレー故障通知Erと回生抵抗断線通知Ecを生成するものであり、常態ではオフのリレー照査信号Scを短時間だけオンにして降下時間監視リレーBRひいては自重降下リレーDRも一時的に復旧させる試行を間欠的に行うようになっている。
【0061】
このリレー監視プログラム44の処理内容は、常時動作のリレーBR,DRが正しく復旧するか否かを調べるために遮断桿11が上昇停止位置に来ているときにリレー照査信号Scを一時オンさせてリレー復旧を試行する上昇停止中照査と、常時非接続の回生抵抗23が正しく接続されるかそれとも断線しているかを調べるために遮断桿11が下降している途中でリレー照査信号Scを一時オンさせてリレー復旧を試行する下降途中照査とに大別される。
【0062】
先ず上昇停止中照査を詳述すると(
図2の左半分を参照)、モータ回転指令Smと下降停止位置情報Slと上昇停止位置情報Suに基づいて遮断桿11が上昇停止位置に停止しているか否かを調べ(ステップS11)、上昇停止位置に停止中であれば(Yes)、試行時期が到来しているか否かも調べ(ステップS12)、時期到来時にだけ(Yes)、上昇停止中照査を実行し(ステップS13〜S18)、それ以外のときは(No)、上昇停止中の時期到来を待つ(ステップS11〜S12)。試行時期は、しゃ断機の耐用寿命と使用するリレーの保障動作回数などに基づいて予め決定されており、例えば30分から60分程度の一定間隔にされて、パラメータ等としてデータ設定されている。試行時期が到来したか否かは例えば内蔵のタイマ等を利用して判定されるようになっている。
【0063】
試行時期が到来して上昇停止中照査を実行するときは、リレー照査信号Scをオフからオンにし(ステップS13)、降下時間監視リレーBR及び自重降下リレーDRの応答時間より長いが遮断桿11の応動時間よりは短い例えば数十ミリ秒程度の短時間だけ時間が経過するのを待って(ステップS14)、降下時間監視リレーBRの作動状態と自重降下リレーDRの作動状態を入力し(ステップS15)、それからリレー照査信号Scをオンからオフに戻して上昇停止中照査のうち最初のリレー照査の部分を終了するようになっている(ステップS16)。
【0064】
リレー照査後はその際に入力した降下時間監視リレーBR及び自重降下リレーDRの作動状態に基づいてリレー制御回路47が正常であるか否かを判別する(ステップS17)。具体的には、降下時間監視リレーBRも自重降下リレーDRも共にリレー照査に応じて復旧していたときには、降下時間監視リレーBRも自重降下リレーDRも更にはリレー制御回路47も正常であると判定する。これに対し、降下時間監視リレーBRも自重降下リレーDRも復旧せず動作したままであったときや、降下時間監視リレーBRはリレー照査に応じて復旧していたが自重降下リレーDRが復旧せず動作したままであったときに、降下時間監視リレーBR及び自重降下リレーDRを含んでいるリレー制御回路47が故障したと判定するようになっている。
【0065】
その判定でリレー制御回路47が正常であったと判定したときにはそれ以上は特に何もしないで上昇停止中照査を完了して次の試行時期を待つが(ステップS17,No)、リレー制御回路47が故障したと判定したときには(ステップS17,Yes)、リレー故障通知Erの値をオフからオンに変更するようになっている(ステップS18)。リレー故障通知Erをオンにすることで、リレー制御回路47が故障したことが外部の踏切制御装置にも内部の昇降制御プログラム43にも通知され、それを受け取った昇降制御プログラム43によって強制下降制御が代行されるので、リレー制御回路47が降下指令信号TERの指示にかかわりなく強制的に遮断桿11を下降停止位置へ下降させることと等価になる。
【0066】
次に下降途中照査を詳述すると(
図2の右半分を参照)、モータ回転指令Smと下降停止位置情報Slと上昇停止位置情報Suに基づいて遮断桿11が下降している途中であるか否かを調べ(ステップS21)、下降途中であれば(Yes)、さらに遮断桿斜度θが閾値Th1になったか否かを調べ(ステップS22)、遮断桿斜度θが閾値Th1になったら(Yes)、下降途中照査を実行し(ステップS23〜S27)、それ以外のときは(No)、下降途中に傾斜が閾値Th1になるのを待つようになっている(ステップS11,S21,S22)。閾値Th1は、遮断桿11の自重降下時の速度や加速度が昇降制御プログラム43による昇降制御下の速度や加速度から明確に異なるような遮断桿斜度θから選定され、例えば水平から40゜程度の遮断桿斜度θに対応した値が採用される。
【0067】
遮断桿斜度θが閾値Th1になって試行時期が到来すると(ステップS22,Yes)、リレー照査にて遮断桿11に自重降下を強制するためにリレー照査信号Scをオフからオンにし(ステップS23)、遮断桿斜度θが閾値Th2になるのを待って(ステップS24)、リレー照査信号Scをオンからオフに戻して上昇停止中照査のうち最初の部分であるリレー照査による自重降下を解除するようになっている(ステップS25)。閾値Th2は、遮断桿11が急加速したとしても下降停止位置より十分手前で制動されるように且つ遮断桿11の速度が自重降下のものであると目視では確認できない程度に収まるように、例えば水平から30゜程度の遮断桿斜度θに対応した値が採用される。
【0068】
また、自重降下試行時には遮断桿斜度θが閾値Th1から閾値Th2まで変化するのに費やした経過時間Δtをタイマ計測等で求めておき、その経過時間Δtと閾値Th3とを自重降下解除後に比較する(ステップS26)。そして、経過時間Δtが閾値Th3より小さければ回生抵抗23が断線していると判定するが(Yes)、そうでなければ回生抵抗23が断線していないと判定する(No)。閾値Th3は、設計値からの算出や実機での測定にて求められて予めメモリ等に記憶保持されているデータ値であり、正常時の下降状態に許容範囲を加味したものである。一方、経過時間Δtは、上述したように、そのときどきの遮断桿11の下降状態を調べて得たデータ値である。そのため、ここでの判定は、下降途中照査時の下降状態と正常時の下降状態との相違が許容範囲に収まっているときには回生抵抗23が断線していないと判定するが、そうでないときには回生抵抗23が断線していると判定するものとなっている。
【0069】
その判定で回生抵抗23が断線していないと判定したときにはそれ以上は特に何もしないで下降途中照査を完了して次の試行時期を待つが(ステップS26,No)、回生抵抗23が断線していると判定したときには(ステップS26,Yes)、回生抵抗断線通知Ecの値をオフからオンに変更するようになっている(ステップS27)。回生抵抗断線通知Ecをオンにすることで、回生抵抗23が断線したことが外部の踏切制御装置に通知され、それを受け取った踏切制御装置やその上位装置によって回生抵抗23の修理が促されるようになっている。
【0070】
この実施例1の電子制御式踏切しゃ断機40について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。
図3は、上昇停止中照査時の信号等の波形例であり、
図4は、下降途中照査時の信号等の波形例である。
【0071】
電子制御回路42やモータ駆動回路22の故障が故障診断プログラム27によって検知されたときの動作は既述した従来動作と同様であり、電子制御式踏切しゃ断機40に何の異常もない正常時の動作も、リレー監視プログラム44によって追加された上昇停止中照査や下降途中照査を除けば、既述した従来動作と同様なので、以下、リレー監視プログラム44による上昇停止中照査時の動作と下降途中照査時の動作を説明する。
【0072】
上昇停止中照査は(
図3参照)、列車が踏切から離れていて遮断桿11が上昇停止位置にとどまっているときに所定周期で実行される。遮断桿11が上昇停止位置にとどまっているときには(時刻t30)、降下指令信号TERが上昇指示のオンで、モータ回転指令Smの指示が上昇で、遮断桿斜度θひいてはモータ回転情報Pmが垂直位置(鉛直位置)で、下降停止位置情報Slがオフで、上昇停止位置情報Suがオンで、リレー照査信号Scがオフ(“1”)で、降下時間監視リレーBRが動作状態(“1”)で、自重降下リレーDRも動作状態(“1”)で、リレー故障通知Erがオフ(“0”)になっている。
【0073】
この状態で、リレー照査の試行時期が到来すると(時刻t31)、リレー監視プログラム44によってリレー照査信号Scが数十ミリ秒の短時間だけ一時的にオン(“0”)にされ、それに応じてその期間だけ、リレー制御回路47が正常であれば、降下時間監視リレーBRが復旧状態(“0”)になり、さらに自重降下リレーDRも復旧状態(“0”)になる。そして、そのように降下時間監視リレーBRも自重降下リレーDRも復旧すれば、リレー監視プログラム44によって、リレー制御回路47が正常であると判定され、リレー故障通知Erがオフ(“0”)の状態を維持する。また、上昇停止中照査の時間は極めて短いので、その間に遮断桿11が目視で判るほど明瞭に動くことはないため、見掛けの動作は従来と変わらないが、常時動作のリレーBR,DRが一時復旧にて負荷を軽減されるばかりか、リレー制御回路47が正常なのか故障しているのかまでも調べられる。
【0074】
そのような状態でリレー制御回路47が故障すると、例えば降下時間監視リレーBRが復旧不能になったとすると、次のリレー照査の試行時期に(時刻t32)、リレー照査信号Scが一時的にオン(“0”)になっても、、降下時間監視リレーBRも自重降下リレーDRも動作状態(“1”)を維持し復旧状態(“0”)にならない。そうすると、リレー監視プログラム44によって、リレー制御回路47が故障したと判定され、リレー故障通知Erがオン(“1”)にされ、それが昇降制御プログラム43に通知されるとともに踏切制御装置にも通知される。
【0075】
リレー故障通知Erがオンになると、それを受けた昇降制御プログラム43によって強制下降制御が行われる。具体的には、降下指令信号TERがオンであろうとオフであろうとそれにはかまわず、モータ回転指令Smの指示が上昇停止位置から下降停止位置まで一定傾斜で下げられ、それに従って遮断桿11の遮断桿斜度θが垂直位置から水平位置へ定速で変化し、遮断桿11が下降停止位置まで下降して下降停止位置情報Slがオフ(“0”)からオン(“1”)になると、遮断桿11の下降が止められて遮断桿11が下降停止位置に保持される。
こうして、電子制御式踏切しゃ断機40では、リレー制御回路47の故障時にも、遮断桿11が下ろされて、フェールセーフ性が確保される。また、オンのリレー故障通知Erを受けた踏切制御装置や上位装置によってリレー制御回路47の修理が促される。
【0076】
下降途中照査は(
図4参照)、列車が踏切に接近して遮断桿11が上昇停止位置から下降停止位置へ向けて下降したとき下降の途中で実行される。遮断桿11が上昇停止位置にあるときには、上述の如く、降下指令信号TERが上昇指示のオンで、モータ回転指令Smの指示が上昇で、遮断桿斜度θひいてはモータ回転情報Pmが垂直位置(鉛直位置)で、下降停止位置情報Slがオフで、上昇停止位置情報Suがオンで、リレー照査信号Scがオフ(“1”)で、降下時間監視リレーBRが動作状態(“1”)で、自重降下リレーDRも動作状態(“1”)で、回生抵抗断線通知Ecがオフ(“0”)になっている。
【0077】
この状態で、降下指令信号TERが上昇指示のオン(“1”)から下降指示のオフ(“0”)に転じると(時刻t40)、昇降制御プログラム43の通常の昇降制御であるフィードバック制御によって、モータ回転指令Smの指示が上昇停止位置から下降停止位置に向けて一定傾斜で下げられ、それに従って遮断桿11の遮断桿斜度θが垂直位置から水平位置に向けて定速で変化する。それと並行してコンデンサCaの電圧も下がり始めるが、ここでは電子制御回路42が正常なときの動作を説明しているので、コンデンサCaの電圧低下が降下時間監視リレーBRの復旧を引き起こすことにはならず、その前に遮断桿斜度θが閾値Th1になってリレー照査の試行時期が到来する(時刻t41)。
【0078】
リレー照査の試行時期が到来すると(時刻t41)、リレー監視プログラム44によってリレー照査信号Scが一時的にオン(“0”)にされ、それに応じてその期間だけ、リレー制御回路47が正常であれば、降下時間監視リレーBRが復旧状態(“0”)になり、さらに自重降下リレーDRも復旧状態(“0”)になるため、その期間は、遮断桿11の下降状態がフィードバック制御から外れて自重降下になる。そして、遮断桿斜度θが閾値Th2になると(時刻t42)、リレー照査信号Scが速やかにオフ(“1”)に戻され、それに応じて降下時間監視リレーBRも自重降下リレーDRも動作状態(“1”)に戻るため、遮断桿11の下降状態も自重降下からフィードバック制御に戻る。
【0079】
このように下降途中照査のリレー照査期間には、遮断桿11の下降制御がフィードバック制御から一時的に自重降下制御に切り替えられるが、回生抵抗23が断線しておらず回生抵抗23の制動が効く状態であれば、遮断桿11の下降速度は自重降下であってもフィードバック制御時の下降速度と大差ない(
図4の実線の波形を参照)。そのように予め閾値Th1,Th2が選定されているためである。これに対し、回生抵抗23が断線していると、回生抵抗23の制動が効かないため、自重降下時の遮断桿11の下降速度がフィードバック制御時の下降速度より大きくなる(
図4の二点鎖線の波形を参照)。そのため、遮断桿斜度θが閾値Th1から閾値Th2になるまでの経過時間Δtが、回生抵抗23の断線時には断線していないときより短くなる。
【0080】
閾値Th3には断線時の経過時間Δtと非断線時の経過時間Δtとの中間値が採用されているので、回生抵抗23が断線していると経過時間Δtが閾値Th3より小さくなり、その場合はリレー監視プログラム44によって回生抵抗23が断線していると正しく判定される。これに対し、回生抵抗23が断線していないときには、経過時間Δtが閾値Th3より大きくなるので、リレー監視プログラム44によって回生抵抗23が断線していないと正しく判定される。こうして、回生抵抗23に異常がないときには遮断桿11の下降状態についても従来とほとんど変わらないので踏切横断者等に気づかれることなく、遮断桿11の下降中に回生抵抗23の断線の有無まで調べられる。
【0081】
そして、回生抵抗23が断線して、リレー監視プログラム44によって、断線の判定が出されたときには、さらにリレー監視プログラム44によって、回生抵抗断線通知Ecがオン(“1”)にされ、それが踏切制御装置に通知される。
それから、それを受けた踏切制御装置やその上位装置によってリレー制御回路47の修理が促される。
【0082】
[その他]
上記実施例では、リレー監視プログラム44の上昇停止中照査によるリレー復旧不能検査が、降下時間監視リレーBRと自重降下リレーDRとの双方について作動状態を調べることで行われていたが、リレー制御回路47が正常であれば降下時間監視リレーBRの一時復旧に随伴して自重降下リレーDRも一時復旧することから、自重降下リレーDRの作動状態を調べるだけでもリレー制御回路47の故障を検知することができるので、降下時間監視リレーBRの作動状態を調べるのは省いても良い。
【0083】
上記実施例では、リレー監視プログラム44が、上昇停止中照査にてリレー復旧不能を検知したときにはリレー故障通知Erを踏切制御装置に送出し、下降途中照査にて回生抵抗23の断線を検知したときには回生抵抗断線通知Ecを踏切制御装置に送出するようになっていたが、それに代えて又はそれに加えて、リレー故障の警報や回生抵抗断線の警報を外部に発するようにしても良い。警報の具体例としては、アラーム音や、合成音声、警報灯の点滅、赤色ステータスランプの点灯、ディスプレイ表示などが挙げられる。
【0084】
上記実施例では、遮断桿斜度θの把握にモータ回転指令Smを用いていたが、それに代えて又はそれに加えてモータ回転情報Pmを用るようにしても良く、他に適当な位置センサ等があればそれを利用するようにしても良い。
上記実施例では、回生抵抗23がモータ駆動回路22に外付けされている態様を説明したが、回生抵抗23はモータ駆動回路22に内蔵されていても良い。
【0085】
上記実施例では、リレー監視プログラム44による上昇停止中照査の時間が比較的短いこともあって上昇停止中照査が開始後は中断することなく実行されるようになっていたが、上昇停止中照査の実行中に降下指令信号TERの指示が降下になったような場合には、リレー監視プログラム44による上昇停止中照査を打ち切って、昇降制御プログラム43による遮断桿11の昇降制御を優先実行させるようにしても良い。さらに、そのようにした場合、上昇停止中照査を打ち切って遮断桿昇降を実行した後では、一定周期での次の試行時期の到来を待たずに、打ち切り分の上昇停止中照査を再試行するのが好ましい。
【0086】
上記実施例では、リレー監視プログラム44の下降途中照査による回生抵抗23の断線検査が、遮断桿11の所定斜度降下時間Δtの大小に基づいて行われていたが、所定時間における遮断桿11の降下量(ΔθやΔPm)の大小に基づいて行うようにしても良い。例えば、上記実施例では遮断桿斜度θが閾値Th1から閾値Th2へ変化する期間が下降途中照査において自重降下を強制する期間になっていたが(
図2ステップS22〜S25)、下降途中照査において自重降下を強制する期間を、数秒程度たとえば2〜3秒程度の一定時間にしても良い。