(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1(a)、(b)および
図2(a)〜(c)に示されているように、本発明の第1の実施形態における撮像装置は、撮像素子搭載用部材1(以下、搭載用部材1という)と、搭載用部材1に搭載された撮像素子2とを含んでいる。
図1(a)において、撮像装置は、仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。
図1(a)において、上方向とは仮想のz軸の正方向のことをいう。
【0012】
搭載用部材1は、基体11と、基体11に設けられた熱伝送部材12とを含んでいる。熱伝導部材12は、基体11に嵌め込まれている。“嵌め込まれた”とは、熱伝導部材12が部分的に基体11から露出されている構造と、熱伝導部材12が基体11に完全に埋設されている構造とを含むものである。放熱の観点においては、熱伝導部材12が部分的に基体11から露出されている構造が好ましい。基体11の強度の観点においては、熱伝導部材12が基体11に完全に埋設されている構造が好ましい。
【0013】
基体11は、上面11aおよび下面11bを有しており、上面11aは、画素領域2aおよび出力回路領域2bを有する撮像素子2の実装領域11cを有している。
図3に示されているように、実装領域11cは、撮像素子2の画素領域2aに対応する第1の領域11c
1と、撮像素子2の出力回路領域2bに対応する第2の領域11c
2とを有している。再び
図1(b)、
図2(b)および(c)を参照して、基体11の下面11bは、穴11dを有しており、穴11dは、下面11bから基体11の厚み方向(すなわち仮想のz軸方向)において上面11aまでの途中まで設けられている。基体11の厚み方向において基体11の一部分を残すように穴11dが設けられていることによって基体11の強度が向上されている。
図4に示されているように、穴11dは、第2の領域11c2に対応するように設けられている。穴11dは、実装領域11の第2の領域11c
2の直下に設けられている。すなわち、撮像装置において、穴11dは、撮像素子2の出力回路領域2bの直下に設けられている。基体11は、例えばセラミック等の絶縁材料から成る。
【0014】
熱伝導部材12は、基体11の穴11d内に設けられており、基体11に接合されている。熱伝導部材12は、例えば銅等の金属材料から成る。熱伝導部材12は、例えば予め成形された金属構造体である。熱伝導部材12は、例えばヒートパイプである。
【0015】
撮像素子2は、基体11の上面11aに実装されている。撮像素子2は、画素領域2aおよび出力回路領域2bを有しており、画素領域2aは、光電変換素子を有する画素を含む領域であり、出力回路領域2bは、例えば画素の信号を出力する出力アンプまたは画素領域から得られた信号におけるノイズ除去等を行うロジック回路等を有する領域である。
【0016】
本実施形態の搭載用部材1において、基体11の下面11bが、撮像素子2の出力回路領域2bに対応する第2の領域11c
2の直下に設けられた穴11dを有していることによって、例えば穴11dに熱伝導部材12が設けられる場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらが低減された撮像装置を実現することができる。
図4において、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱の伝導経路が破線矢印によって模式的に示されている。
【0017】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、例えば穴11dに熱伝導部材12が設けられている場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関して低減されている。
【0018】
(第2の実施形態)
図5を参照して、本発明の第2の実施形態における撮像装置について説明する。第2の実施形態の撮像装置において第1の実施形態における撮像装置と異なる構成は、放熱部材12に関する構造である。その他の構成については第1の実施形態における撮像装置と同様である。
【0019】
熱伝導部材12は、基体11の穴11dの内側面のうち第1の領域11aに最も近い部分11d
1において穴11dの内側面から離間されており、基体11および熱伝導部材12の間に間隙12aが設けられている。
【0020】
本実施形態の搭載用部材1において、熱伝導部材12が、基体11の穴11dの内側面のうち第1の領域11aに最も近い部分11
1において穴11dの内側面から離間されていることによって、基体11および熱伝導部材12の間に設けられた間隙12aが断熱構造となって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱が撮像素子2の画素領域2aに伝導され難くなり、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
【0021】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱をさらに効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関してさらに低減されている。
【0022】
(第3の実施形態)
図6を参照して、本発明の第3の実施形態における撮像装置について説明する。第3の実施形態の撮像装置において第2の実施形態における撮像装置と異なる構成は、基体11に関する構造である。その他の構成については第2の実施形態における撮像装置と同様である。
【0023】
基体11は、第1の領域11aおよび第2の領域11bの間に設けられた間隙11eを有している。
【0024】
本実施形態の搭載用部材1において、基体11が、第1の領域11aおよび第2の領域11bの間に設けられた間隙11eを有していることによって、間隙11eが断熱構造となって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱が撮像素子2の画素領域2aに伝導され難くなり、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
【0025】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱をさらに効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関してさらに低減されている。
【0026】
(第4の実施形態)
図7を参照して、本発明の第4の実施形態における撮像装置について説明する。第4の実施形態の撮像装置において第1の実施形態における撮像装置と異なる構成は、基体11の穴11dの形状、熱伝導部材12の形状、および、複数のサーマルビア13を有していることである。その他の構成については第1の実施形態における撮像装置と同様である。
【0027】
基体11の穴11dは、下方へ向かうに伴って広がる形状を有しており、熱伝導部材12を位置決めしつつ穴11dに嵌め込みやすい形状となっている。
【0028】
熱伝導部材12は、基体11の穴11dの内側面のうち第1の領域11aに最も近い部分11d
1において穴11dの内側面から離間されており、基体11および熱伝導部材12の間に間隙12bが設けられている。熱伝導部材12は、第1の領域11aから最も遠い部分12cにおいて下方に向かうに伴って広がる形状を有している。
【0029】
複数のサーマルビア13は、基体11の上面11aから穴11dの底面にかけて設けられており、撮像素子2および熱伝導部材12に接している。複数のサーマルビア13は、実装領域11cの第2の領域11c
2の直下に設けられている。
【0030】
本実施形態の搭載用部材1において、熱伝導部材12は、基体11の穴11dの内側面のうち第1の領域11aに最も近い部分11d
1において穴11dの内側面から離間されていることによって、基体11および熱伝導部材12の間に設けられた間隙12bが断熱構造となって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱が撮像素子2の画素領域2aに伝導され難くなり、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
【0031】
本実施形態の搭載用部材1において、熱伝導部材12が、第1の領域11aから最も遠い部分12cにおいて下方に向かうに伴って広がる形状を有していることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱が撮像素子2の画素領域2aから遠い方向へ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
図7において、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱の伝導経路が破線矢印によって模式的に示されている。
【0032】
本実施形態の搭載用部材1は、複数のサーマルビア13をさらに含んでいることによって、撮像素子2から熱伝導部材12への熱伝導に関して向上されており、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
【0033】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱をさらに効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関してさらに低減
されている。
【0034】
(第5の実施形態)
図8を参照して、本発明の第5の実施形態における撮像装置について説明する。第5の実施形態の撮像装置において第2の実施形態における撮像装置と異なる構成は、基体11の穴11dの構造、および、熱伝導部材12の形状である。その他の構成については第2の実施形態における撮像装置と同様である。
【0035】
基体11の穴11dは、基体11の上面11aから下面11bにかけて設けられている。
【0036】
熱伝導部材12は、基体11の穴11dに設けられており、撮像素子2に接している。熱伝導部材12は、上面および下面を有しており下面が上面よりも広く形成されているとともに、第1の領域11aから最も遠い部分12cにおいて第1の領域11aから遠ざかる方向へ突出した形状を有している。
【0037】
本実施形態の搭載用部材1において、基体11の穴11dが、基体11の上面11aから下面11bにかけて設けられていることによって、例えば穴11dに熱伝導部材12が設けられる場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を直接的に基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらが低減された撮像装置を実現することができる。
【0038】
本実施形態の搭載用部材1において、熱伝導部材12が、第1の領域11aから最も遠い部分12cにおいて第1の領域11aから遠ざかる方向へ突出した形状を有していることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を撮像素子2の画素領域2aから遠い方向へ伝導されることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
【0039】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱をさらに効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関してさらに低減されている。
【0040】
(第6の実施形態)
図9(a)および(b)を参照して、本発明の第6の実施形態における撮像装置について説明する。第6の実施形態の撮像装置において第2の実施形態における撮像装置と異なる構成は、基体11の穴11dの構造、および、熱伝導部材12の形状である。その他の構成については第2の実施形態における撮像装置と同様である。
【0041】
基体11の穴11dは、基体11の上面11aから下面11bにかけて設けられている。
【0042】
熱伝導部材12は、基体11の穴11dに設けられており、撮像素子2に接している。熱伝導部材12は、上面および下面を有しており、上面から下面にかけて広がる形状を有しているとともに、第1の領域11aから最も遠い部分12cにおいて第1の領域11aから遠ざかる方向へ広がる形状を有している。
【0043】
熱伝導部材12は、基体11の穴11dの内側面のうち第1の領域11c
1に最も近い部分11d
1において基体11から離間されており、基体11および熱伝導部材12の間に間隙12dが設けられている。
図9(b)に示されているように、間隙12dが、平面視において実装領域11cからはみ出さないように実装領域11c内に設けられていることによって、撮像装置は、基体11における撮像素子2の気密封止性に関して向上されている。
【0044】
本実施形態の搭載用部材1において、基体11の穴11dが、基体11の上面11aから下面11bにかけて設けられていることによって、例えば穴11dに熱伝導部材12が設けられる場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を直接的に基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらが低減された撮像装置を実現することができる。
【0045】
本実施形態の搭載用部材1において、熱伝導部材12が、第1の領域11aから最も遠い部分12cにおいて第1の領域11aから遠ざかる方向へ広がる形状を有していることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱が撮像素子2の画素領域2aから遠い方向へ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
【0046】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱をさらに効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関してさらに低減されている。
【0047】
(第7の実施形態)
図10を参照して、本発明の第7の実施形態における撮像装置について説明する。第7の実施形態の撮像装置において第1の実施形態における撮像装置と異なる構成は、熱伝導部材12および金属層14である。その他の構成については第1の実施形態における撮像装置と同様である。
【0048】
熱伝導部材12は、例えば半田等の金属製接合材である。熱伝導部材12は、基体11の穴11dの内面に設けられた金属層14に付着しているとともに、撮像装置が実装される基板にも付着されている。
【0049】
金属層14は、基体11の穴11dの内面のうち底面および第1の領域11c
1から最も遠い部分に設けられている。
【0050】
本実施形態の搭載用部材1において、金属層14が、基体11の穴11dの内面のうち底面および第1の領域11c
1から最も遠い部分に設けられていることによって、例えば穴11dに熱伝導部材12が設けられる場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらが低減された撮像装置を実現することができる。
【0051】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、例えば穴11dに熱伝導部材12が設けられている場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関して低減されている。
【0052】
本実施形態の撮像装置において、熱伝導部材12が金属製接合材であることによって、撮像装置は、実装信頼性に関して向上されている。
【0053】
(第8の実施形態)
図11を参照して、本発明の第8の実施形態における撮像装置について説明する。第8の実施形態の撮像装置において第7の実施形態における撮像装置と異なる構成は、複数のサーマルビア13をさらに含んでいることである。その他の構成については第7の実施形態における撮像装置と同様である。
【0054】
複数のサーマルビア13は、基体11の上面11aから穴11dの底面にかけて設けられており、撮像素子2および穴11dの底面に設けられた金属層14に接している。複数のサーマルビア13は、第2の領域11c
2の直下に設けられている。
【0055】
本実施形態の搭載用部材1は、複数のサーマルビア13をさらに含んでいることによって、例えば金属層14に接するように穴11dに熱伝導部材12が設けられる場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらが低減された撮像装置を実現することができる。
【0056】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、例えば金属層14に接するように穴11dに熱伝導部材12が設けられる場合、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を効率よく基体11の下面11bへ伝導させることができ、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関して低減されている。
【0057】
(第9の実施形態)
図12を参照して、本発明の第9の実施形態における撮像装置について説明する。第9の実施形態の撮像装置において第1の実施形態における撮像装置と異なる構成は、複数のサーマルビア13と、複数のサーマルビア13に熱的に結合された内部金属層15とをさらに含んでおり、穴11dが第2の領域11c
2を基準に第1の領域11c
1から遠ざかる方向において設けられていることである。その他の構成については第1の実施形態における撮像装置と同様である。
【0058】
複数のサーマルビア13は、第2の領域11c
2の直下に設けられている。内部金属層15は、第2の領域11c
2の直下から第1の領域11c
1から遠ざかる方向へ向けて設けられている。
【0059】
本実施形態の搭載用部材1は、複数のサーマルビア13および内部金属層15をさらに含んでおり、本実施形態の搭載用部材1において、穴11dが第2の領域11c
2を基準に第1の領域11c
1から遠ざかる方向において設けられていることによって、本実施形態の搭載用部材1は、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱を撮像素子2の画素領域2aから遠ざかる方向へ伝導させせて、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱が撮像素子2の画素領域2aに伝導され難くなり、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらがさらに低減された撮像装置を実現することができる。
【0060】
本実施形態の撮像装置は、上述の搭載用部材1を含んでいることによって、撮像素子2の出力回路領域2bにおいて発生された熱をさらに効率よく基体11の下面11bへ伝導させて、撮像素子2の画素領域2aにおける熱による画素むらに関してさらに低減されている。