特許第5791348号(P5791348)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791348
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ボルテージレギュレータ
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   G05F1/56 310L
   G05F1/56 310B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-94591(P2011-94591)
(22)【出願日】2011年4月21日
(65)【公開番号】特開2011-248869(P2011-248869A)
(43)【公開日】2011年12月8日
【審査請求日】2014年2月18日
(31)【優先権主張番号】12/790,019
(32)【優先日】2010年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154863
【弁理士】
【氏名又は名称】久原 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100123685
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信行
(72)【発明者】
【氏名】須藤 稔
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−152433(JP,A)
【文献】 特開平11−015540(JP,A)
【文献】 特開2007−034405(JP,A)
【文献】 特開2004−021871(JP,A)
【文献】 特開2003−330550(JP,A)
【文献】 特開平07−129262(JP,A)
【文献】 特開2001−216036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/445
G05F 1/56
G05F 1/613
G05F 1/618
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の電源端子と、第二の電源端子と、出力端子と、基準電圧回路と、
前記出力端子と前記第二の電源端子間に直列に接続された第一の抵抗及び第二の抵抗と、
反転入力端子を前記基準電圧回路の出力端子に接続し、非反転入力端子を前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点に接続し、比較結果の電圧を出力する第一の誤差増幅回路と、
前記第一の電源端子と前記出力端子の間に設けられた、前記出力端子の電圧が一定の値になるように前記第一の誤差増幅回路の出力によってゲート電圧が制御される出力トランジスタと、
前記出力端子に一端が接続された位相補償用の容量と、を備えたボルテージレギュレータであって、
前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点を非反転入力端子に接続し、出力端子と反転入力端子を接続した第二の誤差増幅回路と、
電源投入後、または前記ボルテージレギュレータをONした後、前記位相補償容量の他端を、所定時間内は前記第二の誤差増幅回路の出力に接続し、所定時間後は前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点に接続する切り替え回路と、を備えることを特徴とするボルテージレギュレータ。
【請求項2】
第一の電源端子と、第二の電源端子と、出力端子と、基準電圧回路と、
前記出力端子と前記第二の電源端子間に直列に接続された第一の抵抗及び第二の抵抗と、
反転入力端子を前記基準電圧回路の出力端子に接続し、非反転入力端子を前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点に接続し、比較結果の電圧を出力する第一の誤差増幅回路と、
前記第一の電源端子と前記出力端子の間に設けられた、前記出力端子の電圧が一定の値になるように前記第一の誤差増幅回路の出力によってゲート電圧が制御される出力トランジスタと、
前記出力端子に一端が接続された位相補償用の容量と、を備えたボルテージレギュレータであって、
前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点を非反転入力端子に接続し、出力端子と反転入力端子を接続した第二の誤差増幅回路と、
電源投入後、または前記ボルテージレギュレータをONした後、前記位相補償容量の他端を、前記ボルテージレギュレータの出力電圧が所定の電圧未満の時は前記第二の誤差増幅回路の出力に接続し、所定の電圧以上の時は前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点に接続する切り替え回路を備えることを特徴とするボルテージレギュレータ。
【請求項3】
前記第二の誤差増幅回路は、前記非反転入力端子に前記基準電圧回路の出力端子を接続した、ことを特徴とする請求項1または2に記載のボルテージレギュレータ。
【請求項4】
前記第一の抵抗と前記位相補償容量による時定数が、1mSEC以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のボルテージレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い負荷容量範囲において、軽負荷時でも安定に動作するボルテージレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のボルテージレギュレータ100としては、図7に示されるような回路が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
バッテリー120の電源電圧は、VDD端子121とVSS端子123端子間に印加される。VOUT端子124には、負荷125と負荷容量126が接続されている。
【0004】
基準電圧回路101は、一定の電圧を出力し、誤差増幅器102の反転入力端子に印加される。VOUT端子124の電圧は、抵抗104と105によって分圧され、分圧された電圧は、誤差増幅器102の非反転入力端子に印加される。出力トランジスタ103のソースは、VDD端子121に接続され、ドレインはVOUT端子124に接続され、誤差増幅器102の出力がゲートに接続され、誤差増幅器102の出力によって、出力トランジスタ103の抵抗値が制御される。即ち、抵抗104、105によって出力電圧を分圧した電圧が、基準電圧回路101の出力電圧より小さければ、誤差増幅器102の出力は低くなり、出力トランジスタ103を強くバイアスし抵抗値を下げることで、VOUT端子124の電圧が上昇し、逆に、抵抗104、105によって分圧された電圧が基準電圧より高ければ、出力トランジスタ103を弱くバイアスして抵抗値を上げ、VOUT端子124の電圧が低下し、VOUT端子124に一定の電圧が出力するように制御される。
【0005】
CE回路110は、CE端子122に印加される電圧によって、ボルテージレギュレータのON/OFFを制御する。
抵抗104に並列に接続されている容量106は、ボルテージレギュレータの位相補償を行う。
【0006】
図8(a)は、ボルテージレギュレータの抵抗104、105と、容量106を抜き出した回路である。
VOUT端子の電圧をVout、抵抗104と105の接続点の電圧をVfbとすると、VOUT端子から、抵抗104と105の接続点への伝達関数は、式(1)から(3)で与えられる。
【0007】
【数1】
【0008】
【数2】
【0009】
【数3】
【0010】
ここで、R1、R2は、それぞれ抵抗104、105の抵抗値であり、Czは、容量106の容量値である。即ち、式(2)で与えられるZero点と、式(3)で与えられるPoleが存在する。
【0011】
図8(b)と(c)は、式(1)で与えられる伝達関数のボード線図((b)は、ゲイン、(c)は位相)を示している。(c)に示すように、位相は、周波数が高くなると、0度からZero点の周波数fzで45度進み、最大90度まで進む。その後、Poleの周波数fpで45度になり、再び0に戻る。即ち、周波数fz付近からfp付近の間では、位相を進ませる効果がある。
【0012】
図9に2極のボルテージレギュレータのボード線図を示す。
ボルテージレギュレータの出力端子124には負荷125と負荷容量126が接続されPoleが発生する。負荷が軽く負荷容量が大きいときには、Poleが低い周波数に発生しボルテージレギュレータの帯域が狭くなる。さらに、誤差増幅器102にもPoleが存在するため、位相は低い周波数で180度遅れることになり、位相余裕がなくなる(0に近くなる)。この時のボルテージレギュレータの帯域幅fbwは、例えば100Hz程度まで低下する。
【0013】
図10に抵抗104、105および容量106によって適当な位相補償を施した時の2極のボルテージレギュレータのボード線図を示す。Poleの周波数fp2付近にZero点(周波数fz)を発生させることによって、ゲイン0dB以上において位相余裕を、例えば30度以上確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第2706720号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来のボルテージレギュレータでは、広い負荷容量の範囲で、軽負荷時に安定に動作しないという課題があった。
【0016】
Zero点の周波数を100Hz程度まで下げるには、式(2)よりCz×R1の時定数としてmSECオーダーが必要となる。しかし、図7に示す従来のボルテージレギュレータにおいては、Cz×R1の時定数をmSECオーダーとするとCE端子電圧を“L”から“H”に変化させた時、図11(b)に示すように立ち上がるのにmSECオーダーの時間がかかり、直ぐに立ち上がる必要のあるアプリケーションでは使用することができないという課題があった。
【0017】
そこで、本発明の目的は従来のこのような課題を解決して、広い負荷容量の範囲で、軽負荷時でも安定に動作するボルテージレギュレータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従来の課題を解決するために、本発明のボルテージレギュレータは以下のような構成とした。
【0019】
第一の電源端子と、第二の電源端子と、出力端子と、基準電圧回路と、前記出力端子と前記第二の電源端子間に直列に接続された第一の抵抗及び第二の抵抗と、反転入力端子を前記基準電圧回路の出力端子に接続し、非反転入力端子を前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点に接続し、比較結果の電圧を出力する第一の誤差増幅回路と、前記第一の電源端子と前記出力端子の間に設けられた、前記出力端子の電圧が一定の値になるように前記第一の誤差増幅回路の出力によってゲート電圧が制御される出力トランジスタと、前記出力端子に一端が接続された位相補償用の容量と、を備えたボルテージレギュレータであって、前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点を非反転入力端子に接続し、出力端子と反転入力端子を接続した第二の誤差増幅回路と、電源投入後、または前記ボルテージレギュレータをONした後、前記位相補償容量を、所定時間内は前記第二の誤差増幅回路の出力に接続し、所定時間後は前記第一の抵抗及び第二の抵抗の接続点に接続する切り替え回路と、を備えることを特徴とするボルテージレギュレータ。
【発明の効果】
【0020】
本発明のボルテージレギュレータによれば、ボルテージレギュレータの立ち上がり時間を速くすることができ、かつ広い負荷容量の範囲で軽負荷時でも安定に動作させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第一の実施例のボルテージレギュレータの回路図である。
図2】第一の実施例のボルテージレギュレータのタイミング・チャートである。
図3】第二の実施例のボルテージレギュレータの回路図である。
図4】第二の実施例のボルテージレギュレータのタイミング・チャートである。
図5】第三の実施例のボルテージレギュレータの回路図である。
図6】第四の実施例のボルテージレギュレータの回路図である。
図7】従来のボルテージレギュレータを示す回路図である。
図8】分圧回路のゲイン・位相特性である。
図9】2極のボルテージレギュレータのボード線図である。
図10】3極1Zeroのボルテージレギュレータのボード線図である。
図11】電源起動時のボルテージレギュレータの立ち上がり特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、第一の実施例のボルテージレギュレータを示す回路図である。第一の実施例のボルテージレギュレータは、基準電圧回路101と、誤差増幅器102と、抵抗104と、抵抗105と、容量106と、出力トランジスタ103と、スイッチ112と、スイッチ113と、誤差増幅器107と、CE回路110と、タイマー回路111、VDD端子121と、CE端子122、VSS端子123と、出力端子124で構成されている。
【0024】
第一の実施例のボルテージレギュレータの接続について説明する。基準電圧回路101の出力は誤差増幅器102の反転入力端子に接続される。誤差増幅器102の非反転入力端子は、抵抗104と抵抗105の接続点に接続され、出力はPchトランジスタ103のゲートに接続する。抵抗104の他端はVOUT端子124に接続され、抵抗105の他端はVSS端子123に接続される。Pchトランジスタ103のソースはVDD端子121に接続され、ドレインは出力端子124に接続される。
【0025】
容量106の一端は、VOUT端子124に接続され、他端は、スイッチ112と113に接続されている。スイッチ112の他端は、抵抗104と105の接続点に接続され、スイッチ113の他端は、誤差増幅器107の出力に接続されている。誤差増幅器107の非反転入力端子は、抵抗104と105の接続点に接続され、反転入力端子は、誤差増幅器107の出力に接続されている。
【0026】
CE回路110の出力は、タイマー回路111、基準電圧回路101、誤差増幅器102、誤差増幅器107に入力され、入力はCE端子122に接続される。タイマー回路111は、出力がスイッチ112と113に接続されON/OFFを制御する。
【0027】
CE回路110は、CE端子122に印加される電圧によって、ボルテージレギュレータのON/OFFを制御する。抵抗104及び容量106は、ボルテージレギュレータの位相補償を行う。抵抗104及び容量106の値は大きく設定され、Zero点の周波数fzを下げている。
【0028】
次に、第一の実施例のボルテージレギュレータの動作について、図2のタイミング・チャートを用いて説明する。最初、CE端子122の電圧が“L”の時は、ボルテージレギュレータはOFF状態(停止状態)にある。そして、スイッチ112はOFF状態(オープン)であり、スイッチ113はON状態(ショート)である。次に、CE端子122の電圧が“H”になると、ボルテージレギュレータは起動してON状態(動作状態)になる。そして、タイマー回路111は任意のTd時間内ではスイッチ112をOFF状態(オープン)、スイッチ113をON状態(ショート)に保つ。Td時間後にはスイッチ112をON状態(ショート)、スイッチ113をOFF状態(オープン)に保つ信号を発生する。即ちTd時間内では、誤差増幅器107の出力が、容量106を抵抗104と抵抗105の接続点の電圧と同じ電圧になるように充電する。Td時間後、スイッチ113がOFFし、スイッチ112がONすることによって、抵抗104と容量106によるZero点が発生し、ボルテージレギュレータの位相補償に容量106が寄与するようになる。
【0029】
つまり、電源投入後またはCE端子電圧を“L”から“H”に変化させた後、Td時間では、スイッチ113がONするため、誤差増幅器107の出力が容量106を抵抗104と105の接続点の電圧と等しくなるように充電する。そして、ボルテージレギュレータの立ち上がり時間を図11(c)に示すように速くすることができる。Td時間後には、スイッチ113がOFFしてスイッチ112がONするので、図8に示した位相補償の効果が得られる。
【0030】
以上により、第一の実施例のボルテージレギュレータにおいては、Td時間内ではボルテージレギュレータの立ち上がり時間を速くすることができ、Td時間後では、抵抗104と容量106によるZero点の生成により、広い負荷容量の範囲で軽負荷時でも安定に動作させることが可能となる。
なお、抵抗104と容量106による時定数は1mSEC以上にしてもよい。
【実施例2】
【0031】
図3に、第二の実施例のボルテージレギュレータの回路図を示す。図1との違いは、スイッチ112、113が電圧検出回路114の出力によって制御されている点である。電圧検出回路114は、VOUT端子124の電圧をモニタしある電圧値に達したことを検出してスイッチの制御信号を出力する。
【0032】
次に、第二の実施例のボルテージレギュレータの動作について、図4のタイミング・チャートを用いて説明する。最初、CE端子122の電圧が“L”の時は、ボルテージレギュレータはOFF状態(停止状態)にある。そして、スイッチ112はOFF状態(オープン)であり、スイッチ113はON状態(ショート)である。次にCE端子122の電圧が“H”になると、ボルテージレギュレータは起動してON状態(動作状態)になる。そして、誤差増幅器102が出力トランジスタ103のゲート電圧を制御し、基準電圧回路101の出力電圧と抵抗104、105の接続点の電圧が等しくする。こうして、ボルテージレギュレータは、式(4)で与えられる電圧(Vout)になる。
【0033】
【数4】
【0034】
ここでVrefは基準電圧回路101の出力電圧値である。電圧検出回路114はVOUT端子124の電圧が式(4)で与えられる電圧の例えば98%以下の電圧を検出する。そして、VOUT端子124の電圧が98%以下の時は、スイッチ112はOFF状態(オープン)、スイッチ113はON状態(ショート)に保つ信号を発生する。VOUT端子124の電圧が98%と越えると、スイッチ112はON状態(ショート)、スイッチ113はOFF状態(オープン)に保つ信号を発生する。つまり、VOUT端子124の電圧値がVoutの98%以下の時は、誤差増幅器107の出力が容量106を抵抗104と105の接続点と同じ電圧になるように充電する。VOUT端子124の電圧値がVoutの98%を超えると、スイッチ113がOFFしスイッチ112がONすることによって、抵抗104と容量106によるZero点が発生しボルテージレギュレータの位相補償に容量106が寄与する。こうして、電源投入後またはCE端子電圧を“L”から“H”に変化させた後、VOUT端子124の電圧値がVoutの98%以下の時は、ボルテージレギュレータの立ち上がり時間を速くすることができる。そして、VOUT端子124の電圧値がVoutの98%を超えると図8に示した位相補償の効果が得られるようになる。
【0035】
以上により、第二の実施例のボルテージレギュレータにおいては、VOUT端子124の電圧値が、例えばVoutの98%を超えるまではボルテージレギュレータの立ち上がり時間を速くすることができ、例えばVoutの98%を超えると、抵抗104と容量106によるZero点の生成により、広い負荷容量の範囲で軽負荷時でも安定に動作させることが可能となる。
なお、電圧検出回路114の検出電圧は任意の検出電圧に設定しても良い。また、抵抗104と容量106による時定数は1mSEC以上にしてもよい。
【実施例3】
【0036】
図5に、第三の実施例のボルテージレギュレータの回路図を示す。図1との違いは、誤差増幅器107の非反転入力端子が基準電圧回路101の出力に接続されている点である。動作においては、Td時間後、容量106の他端の電圧は基準電圧回路101の出力電圧値と等しい値となっているので、Td時間後の動作は図1のボルテージレギュレータと同じ動作となり同様な効果がある。
【0037】
以上により、第三の実施例のボルテージレギュレータにおいては、Td時間内ではボルテージレギュレータの立ち上がり時間を速くすることができ、Td時間後では、抵抗104と容量106によるZero点の生成により、広い負荷容量の範囲で軽負荷時でも安定に動作させることが可能となる。
なお、抵抗104と容量106による時定数は1mSEC以上にしてもよい。
【実施例4】
【0038】
図6に、第四の実施例のボルテージレギュレータの回路図を示す。図3との違いは、誤差増幅器107の非反転入力端子が、基準電圧回路101の出力に接続されている点である。動作においては、Td時間後、容量106の他端の電圧は基準電圧回路101の出力電圧値と等しい値となっているので、Td時間後の動作は、図3のボルテージレギュレータと同じ動作となり同様な効果がある。
【0039】
以上により、第四の実施例のボルテージレギュレータにおいては、VOUT端子124の電圧値が、例えばVoutの98%を超えるまではボルテージレギュレータの立ち上がり時間を速くすることができ、Voutの98%を超えると、抵抗104と容量106によるZero点の生成により、広い負荷容量の範囲で軽負荷時でも安定に動作させることが可能となる。
なお、電圧検出回路114の検出電圧は任意の検出電圧に設定しても良い。また、抵抗104と容量106による時定数は1mSEC以上にしてもよい。
【0040】
以上説明したように、本発明のボルテージレギュレータによれば、ボルテージレギュレータの立ち上がり時間を速くすることができ、かつ広い負荷容量の範囲で軽負荷時でも安定に動作させることが出来る。
なお、全ての実施例において、CE端子122に接続されたCE回路110を備えた構成として説明した。しかし、CE回路110の代わりに、電源電圧を検出する回路(例えばパワーオンクリア回路)を備えた構成であっても、同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0041】
101 基準電圧回路
102 誤差増幅器
103 出力トランジスタ
107 誤差増幅器
110 CE回路
111 タイマー回路
114 電圧検出回路
122 CE端子
124 VOUT端子
125 負荷
126 負荷容量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11