特許第5791409号(P5791409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791409
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】無線通信接続方法及びアクセスポイント
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/06 20090101AFI20150917BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20150917BHJP
【FI】
   H04W12/06
   H04W84/12
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-156954(P2011-156954)
(22)【出願日】2011年7月15日
(65)【公開番号】特開2012-23733(P2012-23733A)
(43)【公開日】2012年2月2日
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】61/364,959
(32)【優先日】2010年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2011-0041699
(32)【優先日】2011年5月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】尹 現 珍
(72)【発明者】
【氏名】尹 應 植
(72)【発明者】
【氏名】李 天 成
(72)【発明者】
【氏名】黄 泰 敦
【審査官】 三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−184314(JP,A)
【文献】 特開2008−252787(JP,A)
【文献】 特開2009−231971(JP,A)
【文献】 特開2009−089230(JP,A)
【文献】 特開2009−253380(JP,A)
【文献】 特開2009−260557(JP,A)
【文献】 特開2007−053703(JP,A)
【文献】 特開2008−193597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントの無線通信接続方法において、
接続機器が前記アクセスポイントに接続されると、前記アクセスポイントが前記接続機器の情報を登録するステップと、
前記接続機器が前記アクセスポイントから分離されて外部のホストデバイスに接続された後、前記アクセスポイントのビーコンメッセージに対する第1信号が前記接続機器により送信された場合に、前記アクセスポイントが前記第1信号を受信するステップであって、前記第1信号は、前記接続機器のメーカ情報と、前記接続機器のMACアドレス情報と、前記ビーコンメッセージに応じて前記接続機器により生成されたPIN情報とを含む、ステップと、
前記第1信号に含まれる前記メーカ情報及びMACアドレス情報を用いて前記接続機器が予め登録された接続機器であるか否かを判断するステップと、
前記予め登録された接続機器であると判断されると、前記PIN情報を用いて、前記アクセスポイントおよび前記ホストデバイス間の無線通信接続を行なうステップと
を含む無線通信接続方法。
【請求項2】
前記登録するステップは、
前記接続機器が前記アクセスポイントに接続されると、前記接続機器のメーカ情報を確認し、特定メーカの接続機器であるか否かを判断するステップと、
前記接続機器が前記特定メーカの接続機器であると判断されると、前記接続機器のMACアドレス情報を登録するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信接続方法。
【請求項3】
前記登録するステップは、
前記接続機器のMACアドレス情報が正常に登録されると、接続機器登録完了表示を出力するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の無線通信接続方法。
【請求項4】
前記第1信号に含まれるPIN情報は、前記ビーコンメッセージに特定のメーカ情報が含まれると前記接続機器により判断された場合に、前記接続機器により生成されることを特徴とする請求項に記載の無線通信接続方法。
【請求項5】
前記判断するステップは、
前記第1信号に含まれた接続機器のメーカ情報が前記特定メーカ情報を含むか否か、前記第1信号にPIN情報が含まれているか否かおよび前記第1信号に含まれたMACアドレス情報が前記登録されたMACアドレス情報と一致するか否かを判断し、前記接続機器が予め登録された接続機器であるか否かを判断することを特徴とする請求項4に記載の無線通信接続方法。
【請求項6】
前記無線通信接続を行なうステップは、
前記接続機器が予め登録された接続機器であると判断されると、前記第1信号に対する応答信号である第2信号に無線通信接続に成功したという情報を含めて前記接続機器に送信するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の無線通信接続方法。
【請求項7】
前記アクセスポイントに未登録の他接続機器が前記外部のホストデバイスに接続されて前記アクセスポイントのビーコンメッセージに対する応答信号を伝送すると、無線通信接続失敗信号を前記他接続機器に伝送するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信接続方法。
【請求項8】
前記接続機器は、
USBドングル形態の接続機器であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信接続方法。
【請求項9】
アクセスポイントにおいて、
接続機器と接続される接続部と、
前記接続部に前記接続機器が接続されると、前記接続機器の情報を登録する保存部と、
ビーコンメッセージをブロードキャスする通信部と、
前記接続機器が前記アクセスポイントから分離されて外部のホストデバイスに接続された後、前記接続機器から前記ビーコンメッセージに対する応答信号として第1信号が受信されたか否かを判断し、前記第1信号に含まれる前記接続機器のメーカ情報及びMAC情報に応じて前記接続機器が前記保存部に登録された接続機器であるか否かを判断し、前記ビーコンメッセージに応じて前記接続機器により生成され前記第1信号に含められたPIN情報を用いて、前記ホストデバイスとの無線通信接続を行なうように前記通信部を制御する制御部と
を含むアクセスポイント。
【請求項10】
前記制御部は、
前記接続機器が前記アクセスポイントに接続されると、前記接続機器のメーカ情報を確認し、特定メーカの接続機器であるか否かを判断し、前記接続機器が前記特定メーカの接続機器であると判断されると、前記接続機器のMACアドレス情報を前記保存部に保存することを特徴とする請求項9に記載のアクセスポイント。
【請求項11】
前記接続機器のMACアドレス情報が正常に登録されると、接続機器登録完了表示を出力する出力部を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のアクセスポイント。
【請求項12】
前記第1信号に含まれるPIN情報は、前記ビーコンメッセージに特定のメーカ情報が含まれると前記接続機器により判断された場合に、前記接続機器により生成されることを特徴とする請求項10に記載のアクセスポイント。
【請求項13】
前記制御部は、
前記第1信号に含まれた接続機器のメーカ情報が前記特定メーカ情報を含むか否か、前記第1信号にPIN情報が含まれているか否かおよび前記第1信号に含まれたMACアドレス情報が前記登録されたMACアドレス情報と一致するか否かを判断し、前記接続機器が予め登録された接続機器であるか否かを判断することを特徴とする請求項12に記載のアクセスポイント。
【請求項14】
前記制御部は、
前記接続機器が予め登録された接続機器であると判断されると、前記第1信号に対する応答信号である第2信号に無線通信接続に成功したという情報を含めて前記接続機器に送信するように前記通信部を制御することを特徴とする請求項13に記載のアクセスポイント。
【請求項15】
前記制御部は、
前記アクセスポイントに未登録の他接続機器が前記外部のホストデバイスに接続されて前記アクセスポイントのビーコンメッセージに対する応答信号を伝送すると、無線通信接続失敗信号を前記他接続機器に伝送するように前記通信部を制御することを特徴とする請求項9に記載のアクセスポイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイントおよびその無線通信接続方法に関し、より詳細には、外部ホストデバイスに無線通信接続を提供するアクセスポイントおよびその無線通信接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のWi−Fi無線通信接続方式の場合には、端末機器の無線LAN機能が開始されると、端末機器の周辺のアクセスポイント(以下、“AP”という)を探索する。探索の結果、複数のAPが探索されると、端末機器が接続対象のAPを選択する。そして、端末機器は無線通信の暗号化設定を行なう。そして、端末機器は無線通信接続の確認などの手続きを経て設定を完了するようになる。
【0003】
このような従来の方式の場合、ユーザが一々無線通信接続のための暗証番号を入力しなければならないという不都合が存在していた。従って、より簡単かつ便利に無線通信接続が行なわれるように、Wi−Fi allianceでは多様な方式のWi−Fi Protected Setup(以下、“WPS”という)を定めた。例えば、PBC(Push Button Configurations)方式、PIN(Personal Identification Number)方式、USBメモリを用いた方式で、端末機器とAPとの間の無線通信を接続した。
【0004】
ところが、PBC方式は、APと端末機器との両端のボタンを押さなければ無線通信接続が不可能であるため、ボタンを探すのに手間がかかり、最長で120秒の接続待機時間がかかるという問題がある。なお、PIN方式はAPで生成された8桁の暗証番号を手動で入力する複雑で面倒な過程が必要となる。なお、USB方式は、標準方式が明確に規定されておらず、APと端末機器以外の別途のUSBメモリを必要とするという短所がある。
【0005】
従って、ユーザがより便利かつ直観的に無線接続を行なえるようにするための方策への模索が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本特開第2007−128394号広報
【特許文献2】日本特開第2006−005398号広報
【特許文献3】米国特開第2006−236376号広報
【特許文献4】日本特開第2006−004046号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、接続機器の情報をアクセスポイントに登録し、接続機器が外部のホストデバイスに接続された後、アクセスポイントのビーコン(Beacon)メッセージに対する応答信号を伝送すると、伝送された応答信号を用いて接続機器が予め登録された接続機器であるか否かを判断し、予め登録された接続機器と判断されると、アクセスポイントおよびホストデバイス間の無線通信接続を行なうアクセスポイントおよびその無線通信接続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るアクセスポイントの無線通信接続方法は、接続機器が前記アクセスポイントに接続されると、前記アクセスポイントが前記接続機器の情報を登録するステップと、前記接続機器が前記アクセスポイントから分離されて外部のホストデバイスに接続された後、前記アクセスポイントのビーコンメッセージに対する第1信号を伝送すると、前記アクセスポイントが前記第1信号を受信するステップと、前記第1信号を用いて前記接続機器が予め登録された接続機器であるか否かを判断するステップと、前記予め登録された接続機器と判断されると、前記アクセスポイントおよび前記ホストデバイス間の無線通信接続を行なうステップとを含む。
【0009】
そして、前記登録するステップは、前記接続機器が前記アクセスポイントに接続されると、前記接続機器のメーカ情報を確認し、特定メーカの接続機器であるか否かを判断するステップと、前記接続機器が前記特定メーカの接続機器であると判断されると、前記接続機器のMACアドレス情報を登録するステップとを含んでよい。
【0010】
なお、前記登録するステップは、前記接続機器のMACアドレス情報が正常に登録されると、接続機器登録完了表示を出力するステップを更に含んでよい。
【0011】
そして、前記第1信号は、前記接続機器のメーカ情報、PIN情報およびMACアドレス情報を含んでよい。
【0012】
なお、前記判断するステップは、前記第1信号に含まれた接続機器のメーカ情報が前記特定メーカ情報を含むか否か、前記第1信号にPIN情報が含まれているか否かおよび前記第1信号に含まれたMACアドレス情報が前記登録されたMACアドレス情報と一致するか否かを判断し、前記接続機器が予め登録された接続機器であるか否かを判断してよい。
【0013】
そして、前記行なうステップは、前記接続機器が予め登録された接続機器であると判断されると、前記第1信号に対する応答信号である第2信号に無線通信接続に成功したという情報を含めて前記接続機器に送信し、前記第1信号に含まれたPIN情報を用いて無線通信接続を行なうステップを含んでよい。
【0014】
なお、前記アクセスポイントに未登録の他接続機器が前記外部のホストデバイスに接続されて前記アクセスポイントのビーコンメッセージに対する応答信号を伝送すると、無線通信接続失敗信号を前記他接続機器に伝送するステップを更に含んでよい。
【0015】
そして、前記接続機器は、USBドングル(Dongle)形態の接続機器であってよい。
【0016】
一方、前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るアクセスポイントは、接続機器と接続される接続部と、前記接続部に前記接続機器が接続されると、前記接続機器の情報を登録する保存部と、ビーコンメッセージをブロードキャスティングする通信部と、前記接続機器が前記アクセスポイントから分離されて外部のホストデバイスに接続された後、前記接続機器から前記ビーコンメッセージに対する応答信号として第1信号が受信されると、前記第1信号に応じて前記接続機器が前記保存部に登録された接続機器であるか否かを判断し、前記ホストデバイスとの無線通信接続を行なう制御部とを含む。
【0017】
そして、前記制御部は、前記接続機器が前記アクセスポイントに接続されると、前記接続機器のメーカ情報を確認し、特定メーカの接続機器であるか否かを判断し、前記接続機器が前記特定メーカの接続機器であると判断されると、前記接続機器のMACアドレス情報を前記保存部に保存してよい。
【0018】
なお、前記接続機器のMACアドレス情報が正常に登録されると、接続機器登録完了表示を出力する出力部を更に含んでよい。
【0019】
そして、前記第1信号は、前記接続機器のメーカ情報、PIN情報およびMACアドレス情報を含んでよい。
【0020】
なお、前記制御部は、前記第1信号に含まれた接続機器のメーカ情報が前記特定メーカ情報を含むか否か、前記第1信号にPIN情報が含まれているか否かおよび前記第1信号に含まれたMACアドレス情報が前記登録されたMACアドレス情報と一致するか否かを判断し、前記接続機器が予め登録された接続機器であるか否かを判断してよい。
【0021】
そして、前記制御部は、前記接続機器が予め登録された接続機器であると判断されると、前記第1信号に対する応答信号である第2信号に無線通信接続に成功したという情報を含めて前記接続機器に送信し、前記第1信号に含まれたPIN情報を用いて無線通信接続を行なうように前記通信部を制御してよい。
【0022】
なお、前記制御部は、前記アクセスポイントに未登録の他接続機器が前記外部のホストデバイスに接続されて前記アクセスポイントのビーコンメッセージに対する応答信号を伝送すると、無線通信接続失敗信号を前記他接続機器に伝送するように前記通信部を制御してよい。
【0023】
そして、前記接続機器は、USBドングル形態の接続機器であってよい。
【0024】
一方、前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るアクセスポイントおよびホストデバイス間の無線通信接続のための接続機器の無線通信接続方法は、前記アクセスポイントに接続されると、前記接続機器に対する情報を前記アクセスポイントに提供して登録するステップと、前記アクセスポイントから分離されて前記ホストデバイスに接続された状態で、前記アクセスポイントからビーコンメッセージが受信されると、前記ビーコンメッセージに対する応答信号として第1信号を前記アクセスポイントに伝送するステップと、前記アクセスポイントが前記接続機器の登録状況を確認して無線通信接続成功信号を伝送すると、前記無線通信接続成功信号を受信して前記アクセスポイントおよび前記ホストデバイス間の無線通信接続作業を開始するステップとを含む。
【発明の効果】
【0025】
上述のように、本発明の多様な実施形態によると、ユーザはより直観的に無線通信接続を行なうことができるようになる。なお、PIN情報を用いるため、無線通信接続過程でセキュリティ維持が可能であり、別途のUSBメモリなしに接続機器への接続のみで無線通信接続が可能となり、メーカ情報を用いて特定メーカの製品同士の無線通信接続に優先権を与えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係るアクセスポイントと接続機器間の無線通信接続のための無線通信接続システムを示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアクセスポイントのブロック図を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る無線通信接続システムにおける無線通信接続方法を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る接続機器がAPに登録される過程を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係るAPの無線通信接続方法を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る接続機器の無線通信接続方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係るアクセスポイント(Access point:以下、“AP”という)100とホストデバイス300間の無線通信接続のための無線通信接続システム10を示す図である。同図に示すように、無線通信接続システム10は、AP100と、接続機器200およびホストデバイス300を含む。このとき、ホストデバイス300はスマートテレビ、スマートフォン、PC、タブレットPCなどで実現できる。
【0029】
AP100は、接続機器200を介してホストデバイス300に無線通信を提供する。このとき、接続機器200はMACアドレス情報を含むUSBドングル形態の接続機器である。
【0030】
具体的に、接続機器200がAP100に接続されると、AP100は接続機器200の情報を確認し、接続機器200のMACアドレス情報を登録する。
【0031】
MACアドレス情報がAP100に登録された後、接続機器200がAP100から取り外されると、AP100は一定の周期でビーコンメッセージをブロードキャスティングする。このとき、ビーコンメッセージにはAP100のメーカ情報が含まれる。
【0032】
接続機器200が外部ホストデバイス300に接続されると、接続機器200はビーコンメッセージに含まれたメーカ情報を確認し、ビーコンメッセージに対する応答としてプローブ要請信号を伝送する。このとき、プローブ要請信号は接続機器200のメーカ情報、PIN情報およびMACアドレス情報のうち少なくとも一つを含む。
【0033】
AP100が接続機器200からプローブ要請信号を受信すると、AP100は受信されたプローブ要請信号に含まれたメーカ情報、PIN情報およびMACアドレス情報を用いて接続機器200の無線通信接続を行なうか否かを判断する。具体的に、AP100はプローブ要請信号に特定メーカ情報が含まれているか否か、PIN情報が含まれているか否かおよびMACアドレス情報が予め登録されたMACアドレス情報であるか否かを判断し、接続機器200の無線通信接続を行なうか否かを判断する。
【0034】
接続機器200が特定メーカ情報を含んで、更にPIN情報を含み、接続機器200のMACアドレス情報が予め登録されたMACアドレス情報なら、AP100は無線通信接続成功メッセージを含むプローブ応答信号を接続機器200に送信する。そして、AP100は受信されたPIN情報を用いて接続機器200と無線通信接続を行ない、外部のホストデバイス300に無線通信接続を提供する。
【0035】
しかし、接続機器200に特定メーカー情報が含まれていなかったり、PIN情報が含まれていなかったり、接続機器200のMACアドレス情報が予め登録されたMACアドレス情報でなければ、AP100は無線通信接続失敗メッセージを含むプローブ応答信号を接続機器200に送信する。
【0036】
上述のように、接続機器200を用いてAP100とホストデバイス300間の無線通信接続を行なうと、ユーザはより直観的に無線通信接続を行なうことができる。なお、PIN情報を用いるため、無線通信接続の過程でセキュリティ維持が可能で、別途のUSBメモリなしに接続機器の接続のみで無線通信接続が可能となり、メーカ情報を用いて特定メーカの製品同士の無線通信接続に優先権を与えることができるようになる。
【0037】
以下でも、図2を参考にして、AP100について詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るAP100のブロック図を示す図である。同図に示すように、AP100は、接続部110と、保存部120と、通信部130と、出力部140および制御部150を含む。
【0038】
接続部110は、接続機器200と接続されて接続機器200の情報を受信する。具体的に、接続部110に接続機器200が装着されると、接続部110は接続機器200のドライバ情報およびMACアドレス情報を受信する。
【0039】
このとき、接続部110はUSBインターフェース接続部として実現できる。
【0040】
保存部120は、AP100の無線通信動作のための多様な情報およびデータを保存する。特に、接続機器200がAP100に装着されると、保存部120は制御部150の制御により、接続機器200のMACアドレス情報を保存する。
【0041】
このとき、保存部120は、フラッシュメモリまたはハードディスクとして実現できる。
【0042】
通信部130は、接続機器200と無線通信を行なう。具体的に、通信部130はビーコン(Beacon)メッセージをブロードキャスティング方式で送出する。このとき、ビーコンメッセージには、AP100のメーカ情報が含まれる。ビーコンメッセージに対する応答として、接続機器200からプローブ要請信号が受信されると、通信部130は無線通信接続を行なうか否かに対する情報を含むプローブ応答信号を伝送する。
【0043】
AP100と接続機器200の無線通信接続成功メッセージがプローブ応答信号に含まれると、通信部130はその後、PIN情報を用いて接続機器200と無線通信接続を行なう。具体的に、通信部130は接続機器200から認証(Authentication)要請信号および接続(Association)要請信号を受信すると、それに対する認証応答信号および接続応答信号を送信する。そして、AP100が接続機器200と無線通信接続が可能であることが確認されると、通信部130は無線通信接続データの含まれたEAP(Extensible Authentication Protocol) Identify信号を接続機器200に送信する。ここで、無線通信接続データには、AP100と接続機器200とを接続するためのSSID、PIN情報などを含む。そして、通信部130は接続機器200からEAP Identify応答信号を受信すると、WPSの開始を要請するEAP START信号を接続機器200に送信する。
【0044】
出力部140は、接続機器200が成功裏にMACアドレス情報をAP100に登録した場合、接続機器登録完了表示を出力する。例えば、出力部140は外部に備えられたLEDを点滅させたり、特定の信号音を出力することができる。
【0045】
なお、出力部140は、AP100と接続機器200間の無線通信が正常に行なわれた場合、特定信号を出力することができる。
【0046】
制御部150は、アクセスポイント100の動作全般を制御する。特に、制御部130は接続機器200の情報を確認して、接続機器200のMACアドレス情報を登録する。具体的に、接続機器200が接続部110に接続されると、制御部150は接続機器200のメーカ情報を確認する。接続機器200のメーカ情報に特定メーカ情報が含まれていると、制御部150は接続機器200のMACアドレス情報を保存部120に保存する。
【0047】
そして、接続機器200が接続部110から分離されて外部のホストデバイス300に接続された後、接続機器200からビーコンメッセージに対する応答信号としてプローブ要請信号が受信されると、制御部150はプローブ要請信号を用いて、接続機器200が保存部120に保存された接続機器であるか否かを判断し、ホストデバイス300との無線通信接続を行なう。
【0048】
具体的に、制御部150はプローブ要請信号に含まれた接続機器200のメーカ情報が特定メーカ情報を含むか否か、プローブ要請信号にPIN情報が含まれているか否かおよびプローブ要請信号に含まれたMACアドレス情報が前記登録されたMACアドレス情報と一致するか否かを判断し、接続機器200が予め登録された接続機器であるか否かを判断する。
【0049】
接続機器200が予め登録された接続機器であると判断されると、制御部150はプローブ要請信号に対する応答信号であるプローブ応答信号に無線通信接続に成功したという情報を含めて接続機器200に送信し、プローブ要請信号に含まれたPIN情報を用いて無線通信接続を行なう。
【0050】
しかし、接続機器200が予め登録された接続機器でないと判断されると、制御部150は無線通信接続失敗信号を接続機器に伝送するように通信部130を制御する。
【0051】
以下では、図3ないし図6を参考にして、AP100と接続機器20間の無線通信接続方法を説明する。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態に係る無線通信接続システム10における無線通信接続方法を説明するためのフローチャートである。
【0053】
まず、接続機器200をAPに接続する(S301)。具体的に、接続機器200はUSBドングル形態で、AP100のUSBインターフェース接続部に接続される。
【0054】
接続機器200がAP100に接続されると、AP100は接続機器200の情報を確認し、接続機器200を登録する。接続機器200の登録過程については、図4を参照して詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る接続機器がAPに登録される過程について接続するためのフローチャートである。
【0055】
図4に示すように、接続機器200がAP100に装着されると(S410)、AP100は接続機器200のドライバ情報を確認する(S420)。
【0056】
そして、AP100はドライバ情報を用いて接続機器200が特定メーカの製品か否かを判断する(S430)。接続機器200が特定メーカの製品なら(S430−Y)、AP100は接続された接続機器200のMACアドレス情報を登録する(S440)。そして、AP100はMACアドレス情報が正常に登録されたというMACアドレス情報登録完了表示を出力する(S450)。そして、接続機器200がAP100から取り外される(S460)。
【0057】
一つの接続機器200に対する登録手続きを終えると、AP100は他接続機器200がAP100に装着されたか否かを判断する(S470)。AP100に他接続機器200が装着された場合には、AP100はS420ステップから動作をやり直す。
【0058】
このとき、AP100に接続しようとする接続機器200が多数である場合、AP100は複数のMACアドレス情報の保存されたMACリストを生成することができる。
【0059】
図3に戻り、接続機器200がAP100に登録されると、接続機器200はAP100から取り外される(S305)。そして、接続機器200はホストデバイス300に接続される(S307)。接続機器200がホストデバイス300に接続されると、ホストデバイス300は接続機器200が動作できるようにファームウェアを提供する(S309)。
【0060】
そして、AP100は外部にビーコンメッセージをブロードキャスティングする(S311)。このとき、ビーコンメッセージにはAP100のメーカ情報(Vendor ID)を含む。
【0061】
接続機器200がビーコンメッセージを受信すると、接続機器200はビーコンメッセージに含まれたビーコンメッセージのメーカ情報を確認した後、ビーコンメッセージに対する応答としてプローブ要請信号を伝送する(S313)。このとき、プローブ要請信号には接続機器200のメーカ情報、PIN情報およびMACアドレス情報を含む。
【0062】
AP100がプローブ要請信号を受信すると、AP100はプローブ要請信号に含まれたメーカ情報、PIN情報およびMACアドレス情報を用いて、接続機器200を確認する(S315)。具体的に、AP100はプローブ要請信号に特定メーカ情報が含まれているか否か、PIN情報が含まれているか否か、受信されたMACアドレス情報が予め登録されたMACアドレス情報であるか否かを判断し、接続機器200が予め登録された接続機器であるか否かを確認する。
【0063】
接続機器200が予め登録された接続機器であるか否かを確認した後、AP100はプローブ応答信号を接続機器200に伝送する(S317)。このとき、プローブ応答信号には、接続機器200との無線通信接続に成功したか否かに対する情報を含む。具体的に、接続機器200が予め登録された接続機器である判断されると、AP100は無線通信接続成功情報の含まれたプローブ応答信号を接続機器200に送信する。しかし、接続機器200が未登録の接続機器と判断されると、AP100は無線通信接続失敗情報の含まれたプローブ応答信号を接続機器200に送信する。
【0064】
接続機器200が無線通信接続成功メッセージの含まれたプローブ応答信号を受信すると、接続機器200は以前に送信したPIN情報を用いて無線通信接続を行なう(S319)。PIN情報を用いて無線通信接続を行なう方法については、図2で説明した内容と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0065】
接続機器200とAP100との間に無線通信接続が行なわれると、接続機器200はホストデバイス300に無線通信接続を提供する(S321)。
【0066】
上述のように、無線通信接続方法によると、ユーザはより直観的に無線通信接続を行なうことができる。なお、PIN情報を用いるため、無線通信接続の過程でセキュリティ維持が可能で、別途のUSBメモリなしに接続機器200の装着のみで無線通信接続が可能となり、メーカ情報を用いて特定メーカの製品同士の無線通信接続に優先権を与えることができるようになる。
【0067】
図5は、本発明の一実施形態に係るAPの無線通信接続方法を説明するためのフローチャートである。
【0068】
まず、AP100に接続機器200が装着されると、AP100は図4で説明したように、接続機器200の情報を登録する(S510)。このとき、接続機器200の情報とは、接続機器200のMACアドレス情報のことを指す。
【0069】
そして、AP100はビーコンメッセージを送信する(S520)。このとき、ビーコンメッセージはAP100のメーカ情報を含んでおり、ブロードキャスティング方式で一定の周期で送信される。
【0070】
接続機器200がビーコンメッセージを受信すると、AP100は接続機器200からそれに対する応答としてプローブ要請信号を受信する(S530)。このとき、受信されたプローブ要請信号は接続機器200のメーカ情報、PIN情報およびMACアドレス情報を含む。
【0071】
プローブ要請信号が受信されると(S530−Y)、AP100は受信されたプローブ要請信号に特定メーカ情報が含まれているか否かを判断する(S540)。例えば、AP100のメーカが“サムスン電子”である場合、受信されたプローブ要請信号に“サムスン電子”というメーカ情報が含まれているか否かを判断する。
【0072】
受信されたプローブ要請信号に特定メーカ情報が含まれている場合(S540−Y)、AP100は受信されたプローブ要請信号にPIN情報が含まれているか否かを判断する(S550)。
【0073】
受信されたプローブ要請信号にPIN情報は含まれていると場合(S550−Y)、AP100は受信されたプローブ要請信号に含まれたMACアドレス情報が予め登録されたアドレスか否かを判断する(S560)。
【0074】
受信されたプローブ要請信号に含まれたMACアドレス情報が予め登録されたアドレスなら、AP100は無線通信接続成功情報の含まれたプローブ応答信号を接続機器200に伝送する(S580)。
【0075】
そして、AP100はPIN方式の無線通信接続を行なう(S580)。具体的に、AP100が接続機器200にプローブ応答信号を伝送すると、AP100は接続機器200から認証(Authentication)要請信号および接続(Association)要請信号を受信する。そして、AP100はそれに対する認証応答信号および接続応答信号を送信する。
【0076】
AP100が接続機器200と無線通信接続が可能であることが確認されると、AP100は無線通信接続データの含まれたEAP Identify信号を接続機器200に送信する。ここで、無線通信接続データには、AP100と接続機器200とを接続するためのSSID、PIN情報などを含む。そして、通信部130は接続機器200からEAP Identify応答信号を受信すると、WPSの開始を要請するEAP START信号を接続機器200に送信する。上述の過程を経て、AP100は接続機器200との無線通信接続を開始する。
【0077】
しかし、受信されたプローブ要請信号に特定メーカ情報が含まれていなかったり(S540−N)、受信されたプローブ要請信号にPIN情報が含まれていなかったり(S550−N)、受信されたプローブ要請信号に含まれたMACアドレス情報が予め登録されたMACアドレス情報でなければ(S560−N)、AP100は無線通信接続失敗情報の含まれたプローブ応答信号を接続機器200に伝送する(S570)。
【0078】
一方、接続機器200がAP100と成功裏に無線通信接続が行なわれると、AP100は接続機器200の関連情報を自動で保存して、その後に接続機器200と再接続を試みる場合、予め保存された接続機器200の関連情報を用いて自動で接続を行なうことができる。
【0079】
図6は、本発明の一実施形態に係る接続機器200の無線通信接続方法を説明するためのフローチャートである。
【0080】
まず、接続機器200がAP100に装着されると、接続機器200は図4と同様の過程を経て、自分のMACアドレス情報をAP100に登録する(S610)。そして、接続機器200はAP100から取り外され、ホストデバイス300に装着される(S620)。
【0081】
そして、接続機器200はAP100からビーコンメッセージを受信する(S630)。このとき、ビーコンメッセージにはAP100のメーカ情報が含まれる。
【0082】
ビーコンメッセージが受信されると、接続機器200はビーコンメッセージに特定メーカ情報が含まれているか否かを判断する(S640)。
【0083】
ビーコンメッセージに特定メーカ情報が含まれている場合(S640−Y)、接続機器200はPIN情報を生成する(S650)。このとき、PIN情報をランダムに生成された8桁の暗証番号であってよい。
【0084】
そして、接続機器200はPIN情報とMACアドレス情報とを含むプローブ要請信号をAP100に伝送する(S660)。
【0085】
しかし、ビーコンメッセージに特定メーカ情報が含まれていない場合には(S640−N)、接続機器200は従来の無線通信接続方法を用いて無線通信接続を行なう(S690)。
【0086】
AP100からプローブ応答信号が受信されると、接続機器200はAP100から受信されたプローブ応答信号に無線通信接続成功情報が含まれているか否かを判断する(S670)。プローブ応答信号に無線通信接続成功情報が含まれていると(S670−Y)、接続機器200のPIN方式のWPSを進める(S680)。
【0087】
しかし、プローブ応答信号に無線通信接続成功情報でない、失敗情報が含まれていると(S670−N)、接続機器200は従来の無線通信接続方法を用いて無線通信接続を行なう(S690)。
【0088】
図5および図6で説明したように、AP100と接続機器200の動作によりユーザはより直観的に無線通信接続を行なうことができる。なお、PIN情報を用いるため、無線通信接続の過程でセキュリティ維持が可能で、別途のUSBメモリなしに接続機器の接続のみで無線通信接続が可能となり、メーカ情報を用いて特定メーカの製品同士の無線通信接続に優先権を与えることができるようになる。
【0089】
一方、上述の接続機器200の動作は接続機器200がホストデバイス300に装着されると、常に動作することはできるが、これに一実施形態に過ぎず、ホストデバイス300が特定モード(例えば、EASY無線接続モード)の際にのみ、上述の接続機器200の動作を行ない、特定モードでない場合は、従来の方法で無線通信接続を行なうことができる。
【0090】
以上では、AP100が別途の装置であるものとして想定したが、これは一実施形態に過ぎず、本発明のAP100はAP機能のある装置なら本発明の技術的思想の適用が可能である。例えば、AP100は、TVやPCなどのような装置でも実現可能である。
【0091】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6