(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記後仕切り体が前記前仕切り体に向かって移動を開始した後に、前記補助支持体が前記退避位置から前記延出位置に移動するように前記支持体駆動部を制御する請求項2に記載の段ボールシートのバッチ分割装置。
前記補助支持体が前記延出位置に位置するときに、前記所定の搬送方向における前記主支持体と前記補助支持体との合計の支持面の長さは、前記バッチ形成装置により形成されるバッチの前記所定の搬送方向における最大シート長さの半分より長い請求項4に記載の段ボールシートのバッチ分割装置。
前記所定の搬送方向における前記主支持体の支持面の長さは、前記バッチ形成装置により形成されるバッチの前記所定の搬送方向における最小シート長さの半分より長く、前記最大シート長さの半分より短い請求項5に記載の段ボールシートのバッチ分割装置。
前記搬送コンベアは、バッチが搬入される位置に配置される上流側搬送回転体と、そのバッチが搬出される位置に配置される下流側搬送回転体と、両搬送回転体に張設される搬送ベルトと、を有し、
前記所定の搬送方向における前記主支持体の長さは、前記上流側搬送回転体の配置位置と前記基準位置との間の距離より短い請求項7に記載の段ボールシートのバッチ分割装置。
前記制御部は、前記第2の小バッチと分離された前記第1の小バッチを支持する前記主支持体および補助支持体が前記搬送コンベアより下方に下降した後から、前記後仕切り体が前記基準位置に位置決めされるまでの間に、前記補助支持体が前記延出位置から前記退避位置に移動するように前記支持体駆動部を制御する請求項7または請求項8に記載の段ボールシートのバッチ分割装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2により提案されたバッチ分割装置は、シート枚数の少ない小ロットのバッチの各段ボールシートを高品質に維持するとともに、小ロットのバッチに高速で分割することができる点で、特許文献1などに開示された従来装置に比べ、有効である。しかし、上記提案されたバッチ分割装置にも、以下に説明する改良点が残されている。
【0008】
上記提案されたバッチ分割装置では、所定の搬送方向に後仕切り体が前仕切り体に向かって移動する間、支持体が、第1の小バッチの後端部付近で第1の小バッチの段ボールシートの下面を支持する。後仕切り体が第2の小バッチの押し出しのために前方に移動するに連れて、後仕切り体と支持体との間隔が大きくなり、第1の小バッチの段ボールシートは自重により下方に向かって湾曲することがある。特に、所定の搬送方向に段ボールシートが長い場合、下方への湾曲の程度が大きくなる。段ボールシートが湾曲した場合、第1の小バッチの端部が不揃いとなることから、第1の小バッチは、その積載状態が乱れた状態で、搬送コンベアにより搬送される。このため、上記提案されたバッチ分割装置は、後仕切り体が前仕切り体に向かって移動する間、第1の小バッチを安定して支持することができるように改良される必要がある。
【0009】
第1の小バッチを安定して支持するために、上記提案されたバッチ分割装置の支持体に代えて、後仕切り体の上方部分にバッチを支持するための延出部分を新たに固定して設けることにより、改良された後仕切り支持体を設ける構成が考えられる。その延出部分は、所定の搬送方向と平行に後仕切り支持体の上方部分から後方に延び、第1の小バッチを下方から支持する。所定の搬送方向における延出部分の長さは、種々の長さの段ボールシートに対応するために、製造可能な段ボールシートの最大長さに応じた長さに設定される。
【0010】
しかし、搬送コンベア上のバッチを分割するために、後仕切り支持体が上昇して搬送経路に進入するときに、延出部分が、次に分割されるために上流側で待機するバッチ、または上流側から搬入されるバッチに衝突しないように、連続する2つのバッチの間隔を、延出部分の長さより大きくする必要がある。バッチの間隔が大きくなると、その間隔だけバッチを搬送する時間が長くなる。この結果、搬送コンベア上のバッチを小バッチに分割する時間が長くなり、小バッチを支持する延出部分を設ける構成はバッチの分割を高速化する上で支障となる。
【0011】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、搬送コンベア上のバッチを小バッチに分割する際に上方に位置する小バッチを安定して支持するとともに、連続する2つのバッチの間隔を小さくしてバッチの分割を高速化することができるバッチ分割装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(第1の発明態様およびその具体的態様)
上記目的を達成するために、請求項1に記載の第1の発明態様は、積載される段ボールシートを分離して所定のシート枚数のバッチを形成するバッチ形成装置の下流側に配置され、そのバッチを所定の搬送方向に搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベア上のバッチの先端部および後端部とそれぞれ当接する前仕切り体および後仕切り体と、その後仕切り体に設けられる支持部材とを含み、前記所定の搬送方向と平行な方向に前記後仕切り体が前記前仕切り体に接近するように移動させることにより、前記バッチを上下2つの小バッチに分割するバッチ分割手段と、を備え、前記支持部材が、分割される2つの小バッチのうち、上方に位置する小バッチを支持する支持面の長さが前記所定の搬送方向において変更し得るように構成され、前記バッチ分割手段が、前記後仕切り体が前記バッチの後端部と当接するために前記搬送コンベアから上方に移動するときに、前記支持部材の支持面の長さを短くした状態とし、前記バッチを2つの小バッチに分割するために前記後仕切り体が前記前仕切り体に接近するように移動するときに、前記支持部材の支持面の長さを伸長させる構成である。
【0013】
第1の発明態様では、支持部材の支持面の長さは、連続的に変化する構成でも、複数段階に変化する構成でもよい。たとえば、連続的に変化する構成として、支持部材が所定の搬送方向に摺動可能に後仕切り体に設けられる構成が考えられる。複数段階に変化する構成として、支持部材が、所定の搬送方向に延出する固定の主支持部材と、その主支持部材に対して延出位置と退避位置とに移動可能な少なくとも1つの補助支持部材とを含む構成が考えられる。
【0014】
第1の発明態様では、2つの小バッチに分割するために後仕切り体が移動する間に、支持部材の支持面の長さは、分割されるバッチの所定の搬送方向における長さに応じて変更される構成でも、バッチの所定の搬送方向における長さに関係なく一定の長さに固定される構成でもよい。
【0015】
第1の発明態様では、支持部材が、次の分割のために上流側で待機するバッチ、または上流側から搬入されるバッチに衝突することがなく、また上方に位置する小バッチの積載状態が乱れることがなければ、後仕切り体が移動している間のいずれの時点から、支持部材の支持面の長さを伸長させてもよい。たとえば、支持部材の支持面の長さを伸長させる時点は、後仕切り体の移動の開始から僅か後の時点でも、後仕切り体の移動の終了より僅か前の時点でもよい。
【0016】
請求項2に記載の具体的態様では、前記前仕切り体が、前記搬送コンベア上のバッチの先端部と当接し、そのバッチの上面から下面に向う突出量が調整されるように配置され、前記後仕切り体が、前記搬送コンベア上のバッチの後端部と当接し、そのバッチの下面から上面に向う突出量が調整されるように配置され、前記支持部材が、前記前仕切り体と先端部が当接している段ボールシートの第1の小バッチと、前記後仕切り体と後端部が当接している段ボールシートの第2の小バッチとのうちで、上方に位置する第1の小バッチの段ボールシートの下面を支持するために、前記後仕切り体から後方に延出する主支持体と、前記第1の小バッチの段ボールシートの下面を前記主支持体と協働して支持するために前記主支持体から後方に延びる延出位置と、前記所定の搬送方向において前記主支持体が配置される領域内に退避する退避位置との間で移動可能に前記後仕切り体または前記主支持体に配置される補助支持体と、を有し、前記バッチ分割手段が、前記後仕切り体の突出量を調整するために前記後仕切り体を上下方向に移動させる後調整部と、前記所定の搬送方向と平行な方向において少なくとも前記後仕切り体を前記前仕切り体に向かって移動させる仕切り体駆動部と、前記延出位置および退避位置のいずれかの位置に前記補助支持体を移動させる支持体駆動部と、前記搬送コンベア上のバッチが前記第1および第2の小バッチに分割されるように、少なくとも第2の小バッチを前記所定の搬送方向と平行な方向に押し出すために前記後調整部、前記仕切り体駆動部および前記支持体駆動部をそれぞれ制御する制御部と、を更に含み、前記制御部が、前記後仕切り体が前記搬送コンベア上のバッチの下面から上面に向かって移動するときに、前記補助支持体が前記退避位置に留まる状態となるように前記支持体駆動部を制御し、前記後仕切り体が前記前仕切り体に向かって移動する間に、前記補助支持体が前記退避位置から前記延出位置に移動するように前記支持体駆動部を制御する。
【0017】
本具体的態様では、前仕切り体の突出量は、使用者の操作により調整される構成でも、サーボモータなどの駆動手段を含む調整部により調整される構成でもよい。
【0018】
本具体的態様では、前仕切り体は、搬送されて来るバッチの全ての段ボールシートの先端部と当接するように大きく下降した後に、第1の小バッチの高さに応じた突出量まで上昇する構成でもよい。または、前仕切り体は、第1の小バッチの高さに応じた突出量まで最初に下降する構成でもよい。
【0019】
本具体的態様では、主支持体は、第1の小バッチの段ボールシートの下面を支持するために後仕切り体から後方に延出するのであれば、後仕切り体に固定される構成でも、後仕切り体に移動可能に配置される構成でもよい。主支持体が移動可能に配置される構成である場合、主支持体が配置される領域は、主支持体が後仕切り体に最も接近した位置まで移動したときに主支持体が所定の搬送方向において占める領域でも、主支持体が後仕切り体から延出する位置に移動したときに主支持体が所定の搬送方向において占める領域でもよい。また、主支持体が配置される領域は、補助支持体の全部が退避し得る大きさの領域でも、延出位置において主支持体から所定の搬送方向に延びる補助支持体の一部が退避し得る大きさの領域でもよい。
【0020】
本具体的態様では、補助支持体が、次の分割のために上流側で待機するバッチ、または上流側から搬入されるバッチに衝突しないのであれば、後仕切り体が前仕切り体に向かって移動を開始すると同時に、補助支持体は、退避位置から延出位置に向かう移動を開始する構成でもよい。
【0021】
本具体的態様では、制御部が、搬送されて来るバッチを第1および第2の小バッチに分割するように後調整部、仕切り体駆動部および支持体駆動部を所定の順序で動作させる構成であれば、いかなる構成であってもよい。たとえば、制御部は、カウンタエジェクタの全体の動作を制御する制御手段の一部として構成されてもよく、または、カウンタエジェクタによるバッチの形成および送出を制御する制御手段とは別個に構成されてもよい。後者の構成である場合、制御部は、カウンタエジェクタによるバッチの形成および送出と一定の時間的関係をもって、第1および第2の小バッチへの分割を制御する必要がある。
【0022】
請求項3に記載の具体的態様では、前記制御部が、前記後仕切り体が前記前仕切り体に向かって移動を開始した後に、前記補助支持体が前記退避位置から前記延出位置に移動するように前記支持体駆動部を制御する。
【0023】
請求項4に記載の具体的態様では、前記搬送コンベア上のバッチの前記所定の搬送方向における長さが所定値より長いか否かを判断する判断部を備え、前記制御部が、前記搬送コンベア上のバッチの前記所定の搬送方向における長さが所定値より長いと前記判断部が判断するときに、前記後仕切り体が前記前仕切り体に向かって移動する間に、前記補助支持体が前記退避位置から前記延出位置に移動するように前記支持体駆動部を制御し、前記搬送コンベア上のバッチの前記所定の搬送方向における長さが所定値以下であると前記判断部が判断するときに、前記後仕切り体が前記前仕切り体に向かって移動する間に、前記補助支持体が前記退避位置に位置するように前記支持体駆動部を制御する。
【0024】
請求項5に記載の具体的態様では、前記補助支持体が前記延出位置に位置するときに、前記所定の搬送方向における前記主支持体と前記補助支持体との合計の支持面の長さが、前記バッチ形成装置により形成されるバッチの前記所定の搬送方向における最大シート長さの半分より長い。
【0025】
請求項6に記載の具体的態様では、前記所定の搬送方向における前記主支持体の長さが、前記バッチ形成装置により形成されるバッチの前記所定の搬送方向における最小シート長さの半分より長く、前記最大シート長さの半分より短い。
【0026】
請求項7に記載の具体的態様では、前記前仕切り体の突出量を調整するために前記前仕切り体を上下方向に移動させる前調整部を備え、前記仕切り体駆動部が、前記所定の搬送方向に前記前仕切り体を移動させる前仕切り体駆動部と、前記所定の搬送方向に前記後仕切り体を移動させる後仕切り体駆動部と、を有し、前記制御部が、前記所定の搬送方向において予め定められた基準位置に前記後仕切り体を位置決めするために前記後仕切り体駆動部を制御し、前記搬送コンベア上のバッチの前記所定の搬送方向における長さに応じた距離だけ、前記基準位置から離れた設定位置に前記前仕切り体を位置決めするために前記前仕切り体駆動部を制御し、前記第2の小バッチのシート枚数に応じた突出量となるように前記基準位置にて前記後仕切り体を上下方向に移動させるために前記後調整部を制御し、前記第1の小バッチのシート枚数に応じた突出量となるように前記設定位置にて前記前仕切り体を上下方向に移動させるために前記前調整部を制御する。
【0027】
本具体的態様では、補助支持体が退避位置にある状態で主支持体が上下方向に移動するのに支障がないように、基準位置は、主支持体の所定の搬送方向における長さ、搬送コンベアの構造、主支持体の上昇時における次に分割されるバッチの位置などに基づいて、搬送コンベアに関して予め定められる位置である。たとえば、基準位置は、搬送コンベアの搬入側ローラの配置位置から、主支持体の所定の搬送方向における長さより長い距離だけ離れた位置に定められる。
【0028】
請求項8に記載の具体的態様では、前記搬送コンベアが、バッチが搬入される位置に配置される上流側搬送回転体と、そのバッチが搬出される位置に配置される下流側搬送回転体と、両搬送回転体に張設される搬送ベルトと、を有し、前記所定の搬送方向における前記主支持体の長さが、前記上流側搬送回転体の配置位置と前記基準位置との間の距離より短い。
【0029】
本具体的態様では、上流側搬送回転体は、搬送ベルトが巻装されるローラと、そのローラを支持する支持軸とを含む。上流側搬送回転体の配置位置は、上流側搬送回転体を構成する部材のうち、主支持体が延出する領域に近接してその領域を横切る方向に延びる部材の配置位置を意味する。
【0030】
請求項9に記載の具体的態様では、前記制御部が、前記第2の小バッチと分離された前記第1の小バッチを支持する前記主支持体および補助支持体が前記搬送コンベアより下方に下降した後から、前記後仕切り体が前記基準位置に位置決めされるまでの間に、前記補助支持体が前記延出位置から前記退避位置に移動するように前記支持体駆動部を制御する。
【0031】
請求項10に記載の具体的態様では、前記主支持体が、前記後仕切り体に一体的に形成され、前記補助支持体が、前記主支持体の後端部に回動可能に支持される。
【0032】
請求項11に記載の具体的態様では、前記後仕切り体が、前記主支持体の延出する方向と直交する水平方向の軸線の回りに回転自在のローラを有し、そのローラが、前記第1の小バッチを支持する前記主支持体の支持面から外周面が突出した状態で、前記後仕切り体の上部に配置される。
【0033】
(第2の発明態様)
上記目的を達成するために、請求項12に記載の第2の発明態様は、所定の収容領域に積載される段ボールシートを分離して所定のシート枚数のバッチを形成するために水平方向に進退可能なレッジと、前記所定の収容領域の下方に配置され、前記バッチを所定の送出方向に送出するための送出コンベアと、前記バッチが載置され、前記所定の収容領域から前記送出コンベアまでバッチを運搬するために昇降運動を行うエレベータと、上記第1の発明態様、またはその具体的態様のバッチ分割装置と、を備えるカウンタエジェクタ。
【0034】
第2の発明態様でも、第1の発明態様と同様に、バッチ分割装置の構成として、種々の構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0035】
(第1および第2の発明態様の効果)
各発明態様では、後仕切り体がバッチの後端部と当接するために搬送コンベアから上方に移動するときに、支持部材の支持面の長さが短い状態とする。バッチを2つの小バッチに分割するために後仕切り体が移動するときに、支持部材の支持面の長さが伸長する。この結果、搬送コンベア上のバッチを小バッチに分割する際に上方に位置する小バッチを安定して支持するとともに、連続する2つのバッチの間隔を小さくしてバッチの分割を高速化することができる。
【0036】
(具体的態様の効果)
請求項2に記載の具体的態様では、後仕切り体が搬送コンベア上のバッチの下面から上面に向かって移動するときに、補助支持体が退避位置に位置する。後仕切り体が前仕切り体に向かって移動する間に、補助支持体が退避位置から延出位置に移動する。この結果、補助支持体が退避位置にある支持部材は、次の分割のために上流側で待機するバッチ、または上流側から搬入されるバッチに、或いは搬送コンベアに衝突することなく、後仕切り体とともに搬送コンベアから上方に円滑に移動することができる。また、補助支持体が延出位置にある支持部材は、主支持体および補助支持体の両者の支持面により、上方に位置する第1の小バッチを安定して支持することができる。
【0037】
請求項3に記載の具体的態様では、後仕切り体が前仕切り体に向かって移動を開始した後に、補助支持体が退避位置から延出位置に移動する。この結果、バッチの分割を高速化するとともに、補助支持体が、次の分割のために上流側で待機するバッチ、または上流側から搬入されるバッチに、或いは搬送コンベアに衝突することを確実に防止することができる。
【0038】
請求項4に記載の具体的態様では、搬送コンベア上のバッチの所定の搬送方向における長さが所定値より長いときに、後仕切り体が前仕切り体に向かって移動する間に、補助支持体が退避位置から延出位置に移動する。搬送コンベア上のバッチの所定の搬送方向における長さが所定値以下であるときに、後仕切り体が前仕切り体に向かって移動する間に、補助支持体は退避位置に留まる。この結果、所定値より長いバッチを分割する場合に、その長いバッチから分割された第1の小バッチを、主支持体および補助支持体の両者の支持面により安定して支持することができる。また、所定値以下の短いバッチを分割する場合に、補助支持体を延出位置へ移動させないことから、支持体駆動部の動作遅れに影響されずにバッチの分割を一層高速化することができる。
【0039】
請求項5に記載の具体的態様では、所定の搬送方向における主支持体と補助支持体との合計の長さが、バッチの所定の搬送方向における最大シート長さの半分より長い。この結果、最大シート長さのバッチを分割する場合に、そのバッチから分割された第1の小バッチの重心位置を含む領域を、主支持体および補助支持体の両者の支持面により支持することから、最大シート長さの小バッチでも安定して支持することができる。
【0040】
請求項6に記載の具体的態様では、所定の搬送方向における主支持体の長さが、バッチの所定の搬送方向における最小シート長さの半分より長く、最大シート長さの半分より短い。この結果、最小シート長さのバッチを分割する場合に、そのバッチから分割された第1の小バッチの重心位置を含む領域を、主支持体の支持面により支持することから、最小シート長さの小バッチでも安定して支持することができる。
【0041】
請求項7に記載の具体的態様では、後仕切り体が、所定の搬送方向において予め定められた基準位置に位置決めされ、第2の小バッチのシート枚数に応じた突出量となるように基準位置にて上下方向に移動する。前仕切り体が、搬送コンベア上のバッチの所定の搬送方向における長さに応じた距離だけ、基準位置から離れた設定位置に位置決めされ、第1の小バッチのシート枚数に応じた突出量となるように設定位置にて上下方向に移動する。この結果、搬送コンベア上において、分割されるバッチの後端部を基準位置に位置決めすることから、そのバッチの所定の搬送方向における長さに関係なく、搬送コンベア上のバッチと次の分割のために上流側で待機するバッチ、または上流側から搬入されるバッチとの間隔を一定に保つことができ、比較的短いバッチの分割を一層高速化することができる。
【0042】
請求項8に記載の具体的態様では、所定の搬送方向における主支持体の長さが、上流側搬送回転体の配置位置と基準位置との間の距離より短い。この結果、搬送コンベアの上流側搬送回転体に対して主支持体を一時的に退避位置に移動させる構成に比べ、簡単な構成で上流側搬送回転体との衝突を防止して、主支持体を搬送コンベアから上方に円滑に移動させることができる。
【0043】
請求項9に記載の具体的態様では、第2の小バッチと分離された第1の小バッチを支持する主支持体および補助支持体が搬送コンベアより下方に下降した後から、後仕切り体が基準位置に位置決めされるまでの間に、補助支持体が延出位置から退避位置に移動する。この結果、第1の小バッチを主支持体および補助支持体の両者の支持面により安定して支持するとともに、次のバッチの分割に備えて補助支持体を退避位置に確実に移動させることができる。
【0044】
請求項10に記載の具体的態様では、主支持体が後仕切り体に固定して配置され、補助支持体が主支持体の後端部に回動可能に支持される。この結果、補助支持体が主支持体により摺動可能に支持される構成に比べ、補助支持体が延出位置に移動する際に第1の小バッチの最下方の段ボールシートを摩擦抵抗などにより損傷させることを低減することができる。
【0045】
請求項11に記載の具体的態様では、回転自在の支持回転体が、第1の小バッチを支持する主支持体の支持面から外周面が突出した状態で、後仕切り体の上部に配置される。この結果、後仕切り体が搬送コンベア上のバッチの後端部に当接して第2の小バッチを押し出す際に、支持回転体が、第1の小バッチの最下方の段ボールシートの後端部からその下面に進入し、回転しながら第1の小バッチを支持することから、その最下方の段ボールシートの後端部および下面を損傷させることがない。
【発明を実施するための形態】
【0047】
[実施形態]
段ボールシートに印刷および溝切りなどの加工を行う段ボールシート製函機に本発明を適用した一実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。なお、図面において矢印で示す方向に従って、上下方向、左右方向および前後方向が定められる。
【0048】
《全体的構成》
図1は、本実施形態の段ボールシート製函機1の全体的構成を示す正面図である。段ボールシート製函機1は、段ボールシートSHを1枚ずつ供給するシート供給装置2と、段ボールシートSHに印刷を施す印刷装置3と、段ボールシートSHに罫線を入れ、溝を切り、継ぎ代を形成するスロッタクリーザ4と、継ぎ代に接着剤を塗布し、段ボールシートSHを罫線に沿って折り曲げ、箱状に接合するフォルダグルア5とを備える。段ボールシート製函機1は、フォルダグルア5の下流側に、箱状に接合された段ボールシートBSを計数し、所定のシート枚数のバッチを形成して送り出すカウンタエジェクタ6と、バッチを束ねる結束機8とを更に備える。
【0049】
シート供給装置2において、多数の段ボールシートSHがテーブル20上に積載される。クランクレバー機構21により往復運動するキッカー22が、多数の段ボールシートSHのうち最も下側にある段ボールシートSHを蹴り出すことで、段ボールシートSHを1枚ずつ印刷装置3に供給する。印刷装置3は、異なる色のインキングロールを有する複数の印刷ユニット30、31により、段ボールシートSHに2色の印刷を施して、この印刷された段ボールシートSHをスロッタクリーザ4に供給する。スロッタクリーザ4は、罫線ロール40およびスロッタ41により、段ボールシートSHに罫線および溝切り加工を施し、継ぎ代を形成し、これらの加工が施された段ボールシートSHをフォルダグルア5に供給する。
【0050】
フォルダグルア5は、ガイドレール50と、環状の搬送ベルト51とを備える。接着剤供給装置52、折り畳みバー53、および折り畳みベルト54が、ガイドレール50および搬送ベルト51に沿って配設される。フォルダグルア5は、ガイドレール50および搬送ベルト51により段ボールシートSHが支持されて移動される間に、接着剤供給装置52により継ぎ代に接着剤を塗布し、折り畳みバー53により段ボールシートSHを折り畳む。さらに、フォルダグルア5は、折り曲げられた段ボールシートSHを、折り畳みベルト54により折り畳み、継ぎ代を接着することで、折り畳まれた状態の箱状の段ボールシートBSを製作する。フォルダグルア5は、一対の出口ロール55A、55Bから、箱状の段ボールシートBSを、カウンタエジェクタ6に供給する。
【0051】
カウンタエジェクタ6は、供給された箱状の段ボールシートBSを計数し、所定のシート枚数のバッチBTを形成し、そのバッチBTを排出コンベア7を介して結束機8に向けて送出する。カウンタエジェクタ6は、バッチBTを形成するバッチ形成装置60と、そのバッチBTを小バッチSBT1、SBT2に分割するバッチ分割装置61とを備える。バッチ形成装置60およびバッチ分割装置61の詳細な構成は後述する。
【0052】
排出コンベア7は、多数のローラを回転させるローラ駆動モータを備える。排出コンベア7は、バッチ分割装置61から搬出された小バッチSBT1、SBT2を受け取り、ローラ駆動モータにより結束機8に向けて排出する。結束機8は、排出コンベア7から排出されたバッチBTを、輸送のために束ねる。
【0053】
〈バッチ形成装置の詳細な構成〉
バッチ形成装置60の詳細な構成について、
図2を参照して説明する。バッチ形成装置60は、前当板100と、矯正板101と、主レッジ102と、一対の補助レッジ103A、103Bと、エレベータ104と、送出コンベア105とを備える。また、バッチ形成装置60は、フォルダグルア5から供給される段ボールシートBSの枚数を計数するために公知の光学センサを備える。
【0054】
前当板100は、一対の出口ロール55A、55Bにより所定の供給方向FDに供給される段ボールシートBSの先端部に当接するように配置される。ネジ軸106が、バッチ形成装置60のフレームにより回転可能に支持され、前当板駆動モータ107の出力軸に連結される。前当板100は、ネジ軸106に螺合し、前当板駆動モータ107の回転に応じて、左右方向に変位する。前当板100は、矯正板101との間隔が、段ボールシートBSの供給方向FDの寸法に応じた間隔となるように位置決めされる。
【0055】
矯正板101は、供給される段ボールシートBSの後端部に当接するように配置される。供給された段ボールシートBSは、前当板100および矯正板101などにより画定される収容空間内に積載される。矯正板101は、左右方向に往復動する公知の矯正運動を行う。
【0056】
主レッジ102は、水平延出部分102Aと、垂直起立部分102Bとを備える。駆動プーリ108および従動プーリ109が、バッチ形成装置60のフレームにより回転可能に支持される。レッジ駆動ベルト110が、駆動プーリ108および従動プーリ109の間に架設される。駆動プーリ108は、ベルト駆動モータ111の出力軸に連結される。ガイドレール112が、バッチ形成装置60のフレームにより水平に支持される。レッジ支持体113が、左右方向に移動可能にガイドレール112により支持される。レッジ支持体113は、レッジ駆動ベルト110に固定される。レッジ昇降モータ114が、レッジ支持体113上に固定される。ピニオン115が、レッジ昇降モータ114の出力軸に固定される。ラック116が、主レッジ102の垂直起立部分102Bに固定され、ピニオン115と噛み合う。主レッジ102の垂直起立部分102Bは、レッジ支持体113に設けられた支持機構により上下動可能に支持される。主レッジ102は、ベルト駆動モータ111の回転に応じて、左右方向に位置決めされ、レッジ昇降モータ114の回転に応じて、上下方向に位置決めされる。
【0057】
補助レッジ103Aは、前当板100に対して左右方向に進退可能に配置される。補助レッジ103Bは、矯正板101に対して左右方向に進退可能に配置される。両補助レッジ103A、103Bは、互いに接近する方向に移動して段ボールシートBSの下面を支持し、互いに離れる方向に移動して段ボールシートBSをエレベータ104に引き渡す。両補助レッジ103A、103Bは、図示しない駆動モータに公知の連結機構を介して連結される。
【0058】
エレベータ104は、テーブル104Aと、支持棒104Bとを備える。エレベータ昇降モータ117が、バッチ形成装置60のフレームに固定される。ピニオン118が、エレベータ昇降モータ117の出力軸に固定される。ラック119が、エレベータ104の支持棒104Bに固定され、ピニオン118と噛み合う。エレベータ104の支持棒104Bは、バッチ形成装置60のフレームに設けられた支持機構により上下動可能に支持される。エレベータ104は、エレベータ昇降モータ117の回転に応じて、上下方向に位置決めされる。換言すれば、エレベータ104のテーブル104Aは、前当板100および矯正板101の下端部の配置高さと、送出コンベア105の配置高さとの間で上下方向に変位する。
【0059】
送出コンベア105は、駆動プ−リ120と、従動プーリ121と、コンベア駆動ベルト122と、ベルト駆動モータ123とを備える。駆動プーリ120および従動プーリ121が、バッチ形成装置60のフレームにより回転可能に支持される。コンベア駆動ベルト122が、駆動プーリ120および従動プーリ121の間に架設される。駆動プーリ120は、ベルト駆動モータ123の出力軸に連結される。
【0060】
上部コンベア124が、送出コンベア105と所定の間隔を置いて配置される。上部コンベア124と送出コンベア105との間隔が、バッチBTの高さとほぼ等しくなるように、上部コンベア124が、図示しないサーボモータにより上下方向に移動されて送出コンベア105に対して位置決めされる。上部コンベア124は、公知の連結機構を介してベルト駆動モータ123の出力軸に連結される。送出コンベア105は、ベルト駆動モータ123の回転により、上部コンベア124と協働して、搬入コンベア125に向かってバッチBTを所定の送出方向TDに送り出す。
【0061】
〈バッチ分割装置の詳細な構成〉
バッチ分割装置61の詳細な構成について、
図1、
図3および
図4を参照して説明する。バッチ分割装置61は、搬入コンベア125と、分割処理装置200とを備える。
【0062】
(搬入コンベアの構成)
搬入コンベア125は、送出コンベア105および上部コンベア124により送出されたバッチBTを受け取り、そのバッチBTを後段の分割処理装置200に順次搬送する。
図1において、搬入コンベア125は、駆動プ−リと従動プーリとの間に張設されるコンベア駆動ベルト126を備え、後述のコンベア駆動モータ127により駆動される。コンベア駆動モータ127の出力軸は、伝達ベルトを介して駆動プーリに連結される。
【0063】
上部コンベア128が、搬入コンベア125と所定の間隔を置いて配置される。上部コンベア128と搬入コンベア125との間隔が、バッチBTの厚みとほぼ等しくなるように、上部コンベア128が、図示しないサーボモータにより上下方向に移動されて搬入コンベア125に対して位置決めされる。上部コンベア128は、公知の連結機構を介してコンベア駆動モータ127の出力軸に連結される。搬入コンベア125は、上部コンベア128と協働して、分割処理装置200に向かって所定の搬送方向PDにバッチBTを搬送する。
【0064】
(分割処理装置の構成)
分割処理装置200は、搬入コンベア125および上部コンベア128から送り出されたバッチBTを受け取り、そのバッチBTを上下2つの小バッチSBT1、SBT2に分割する。また、分割処理装置200は、分割された小バッチSBT1、SBT2を、排出コンベア7を介して結束機8に向けて搬出する。分割処理装置200の詳細な構成について、
図3を参照して以下に説明する。
図3は、分割処理装置200の全体を前方から見た正面図である。
【0065】
図3において、分割処理装置200は、搬送コンベア機構210と、前仕切り機構220と、後仕切り機構240と、押さえ機構280とを備える。分割処理装置200は、4つ機構を支持するためのフレームを備える。そのフレームは、上下方向に延びる一対の前方支柱201R、201Lと、上下方向に延びる一対の後方支柱202R、202Lとを有する。前方梁203Fが、両前方支柱201R、201Lの上部に架設され、
図6に示す後方梁203Bが、両後方支柱202R、202Lの上部に架設される。
図6に示す右方梁204Rが、前方梁203Fの右側部と後方梁203Bの右側部との間に架設され、
図6に示す左方梁204Lが、前方梁203Fの左側部と後方梁203Bの左側部との間に架設される。
図6に示す一対の上方補助梁205F、205Bが、前仕切り機構230を支持するために、右方梁204Rと左方梁204Lとの間に、前後に並んで架設される。一対の下方補助梁206F、206Bが、後仕切り機構250を支持するために、両前方支柱201R、201Lの間、および両後方支柱202R、202Lの間に、それぞれ架設される。固定梁207が、押さえ機構280を支持するために、前方梁203Fと後方梁203Bとの間に架設される。
【0066】
(搬送コンベア機構の構成)
搬送コンベア機構210の構成について、
図3および
図4を参照して説明する。
図4は、搬送コンベア機構210のみを上方から見た平面図である。
図4において、右方コンベア軸211Rが、前方支柱201Rと後方支柱202Rとの間に、回転可能に支持され、左方コンベア軸211Lが、前方支柱201Lと後方支柱202Lとの間に、回転可能に支持される。ベルト駆動モータ212は、後方支柱202Lに支持され、その出力軸が左方コンベア軸211Lに連結される。
【0067】
搬送コンベア機構210は、5つの搬送ベルト213A〜213Eを備える。各搬送ベルトは、公知の張力調整ローラにより張力が調整された状態で、両コンベア軸211R、211Lに固定された一対のプ−リの間に張設される。搬送ベルト213A〜213Eは、所定の等間隔をあけて並行して配置される。
【0068】
(前仕切り機構の構成)
前仕切り機構220の構成について、
図5および
図6を参照して説明する。
図5は、前仕切り機構220のみを上方から見た平面図であり、
図6は、前仕切り機構220のみを左方から見た側面図である。前仕切り機構220は、前仕切り水平移動機構221と、前仕切り垂直移動機構222とを備える。
【0069】
(前仕切り水平移動機構の構成)
図5において、前仕切り水平移動機構221は、左右方向に延びる一対のねじ軸223F、223Bを備える。両ねじ軸223F、223Bは、上方補助梁205F、205Bに支持され、並行して配置される。前仕切り駆動モータ224は、上方補助梁205Bに支持され、公知の減速歯車機構を介してねじ軸223Bに連結される。動力伝達ベルト225が、公知の張力調整ローラにより張力が調整された状態で、両ねじ軸223F、223Bに固定された一対のプーリの間に張設される。
【0070】
一対の水平移動体226F、226Bが、上方補助梁205F、205Bにそれぞれ固定された一対のガイドレール227F、227Bに沿って左右方向に移動可能に配置される。両水平移動体226F、226Bは、両ねじ軸223F、223Bとそれぞれ螺合するナット部を有する。
【0071】
(前仕切り垂直移動機構の構成)
図6において、前仕切り垂直移動機構222は、両水平移動体226F、226Bの間に架設された固定梁226Cに、連結板228を介して支持される。前仕切り垂直移動機構222は、上下方向に延びるねじ軸229を備える。ねじ軸229は、連結板228に固定された支持基板230に支持される。支持基板230は、上下方向に延びる一対のガイドレール231、232を有する。前調整モータ233は、支持基板230の上部に固定され、その出力軸が、ねじ軸229に連結される。
【0072】
垂直移動体234は、両ガイドレール231、232に沿って上下動可能に配置される。垂直移動体234は、ねじ軸229に螺合するナット部を有する。また、垂直移動体234は、前後方向に延びる前仕切り保持板235を有する。4つの前仕切り片236A〜236Dが、前仕切り保持板235に固定され、下方に延出して形成される。前仕切り片236A〜236Dは、所定の等間隔あけて並行して配置される。
【0073】
(後仕切り機構の構成)
後仕切り機構240の構成について、
図3、
図7および
図8を参照して説明する。
図7は、後仕切り機構240のみを上方から見た平面図である。後仕切り機構240は、後仕切り水平移動機構241と、後仕切り垂直移動機構242と、支持作動機構243とを備える。
【0074】
(後仕切り水平移動機構の構成)
図7において、後仕切り水平移動機構241は、両下方補助梁206F、206Bの間に回転可能に支持された駆動軸244を備える。後仕切り駆動モータ245は、下方補助梁206Bに支持され、その出力軸が駆動軸244に連結される。一対の駆動プーリ246F、246Bが、駆動軸244に固定され、一対の従動プーリ247F、247Bが、両下方補助梁206F、206Bにそれぞれ回転可能に支持される。一対の動力伝達ベルト248F、248Bが、駆動プーリ246F、246Bと従動プーリ247F、247Bとの間に、それぞれ張設される。
【0075】
一対の水平移動体249F、249Bが、両下方補助梁206F、206Bに支持された一対のガイドレール250F、250Bに沿って左右方向に移動可能に配置される。両水平移動体249F、249Bは、両動力伝達ベルト248F、248Bにそれぞれ連結される。
【0076】
(後仕切り垂直移動機構の構成)
図7において、後仕切り垂直移動機構242は、両水平移動体249F、249Bの間に架設された固定梁251に、連結板252を介して支持される。後仕切り垂直移動機構242は、前仕切り垂直移動機構222と同様な構成を有し、
図3に示すように、上下方向に延びるねじ軸253を備える。ねじ軸253は、連結板252に固定された支持基板254に支持される。支持基板254は、上下方向に延びる一対のガイドレール255、256を有する。後調整モータ257は、支持基板254の下部に固定され、その出力軸が、ねじ軸253に連結される。
【0077】
垂直移動体258は、両ガイドレール255、256に沿って上下動可能に配置される。垂直移動体258は、ねじ軸253に螺合するナット部を有する。また、垂直移動体258は、前後方向に延びる後仕切り保持板259を有する。
【0078】
(支持作動機構の構成)
支持作動機構243の構成について、
図7および
図8を参照して説明する。
図8は、支持作動機構243のみを前方から見た拡大図である。支持作動機構243は、後仕切り保持板259に支持される。支持作動機構243は、4つの後仕切り基体260A〜260Dと、4つの補助支持体261A〜261Dと、作動連結機構262と、エアシリンダ263とを備える。
【0079】
後仕切り基体260A〜260D、および補助支持体261A〜261Dは、同一の構成を有するので、後仕切り基体260A、および補助支持体261Aの構成を一例として説明する。
図8は、後仕切り基体260A、および補助支持体261Aの構成を示す。後仕切り基体260Aは、後仕切り保持板259に固定され、上方に延出して形成される。後仕切り基体260Aは、上下方向に延びる後仕切り部264Aと、後仕切り部264Aから右方に水平に延びる主支持部265Aと備える。補助支持体261Aは、主支持部265Aの右端部に、前後方向に延びる軸線の回りに回動可能に支持される。後仕切り部264Aは、その左側部に当接板266Aを有する。主支持部265Aは、その上部に支持板267Aを有し、補助支持体261Aも、支持板267Aと同一面を形成し得る支持板268Aを有する。
図8において、主支持長L1は、当接板266Aから支持板267Aの右端部までの左右方向の長さであり、補助支持長L2は、支持板268Aの左右方向の長さである。本実施形態では、主支持長L1と補助支持長L2との合計は、段ボールシート製函機1が生産し得る最大段ボールシートの長さの半分より長い値に設定される。また、主支持長L1は、段ボールシート製函機1が生産し得る最小段ボールシートの長さより長く、その最大段ボールシートの長さの半分より短い値に設定される。
【0080】
ローラ269Aが、後仕切り部264Aと主支持部265Aとの連結部分に配置される。
図9は、ローラ269A、および、その周辺の部材を拡大して示す拡大図である。
図9において、ローラ269Aは、主支持部265Aが延びる左右方向と直交する前後方向に延びる支持軸270Aにより、回転自在に支持される。ローラ269Aの外周面が、当接板266Aの上方端部より上方に突出すると共に、支持板267Aの上面より上方に突出するように、ローラ269Aは後仕切り部264Aに配置される。ローラ269Aの外周面の最上方部が当接板266Aの上方端部から突出する突出量H1、および、その外周面の最上方部が支持板267Aの上面から突出する突出量H2は、本実施形態の段ボールシート製函機1が生産可能な段ボールシートのうちで、最も薄い段ボールシートの厚さより小さい値に設定される。通常、比較的薄い段ボールシートの厚さは、6mm程度であるので、本実施形態では、突出量H1、H2は、3〜4mmに設定される。
【0081】
支持延出部271が、後仕切り保持板259に固定され、下方に延出する。シリンダ保持体272は、前後方向に延びる軸線の回りに回動可能に支持延出部271の下端部に支持される。エアシリンダ263は、シリンダ保持体272に固定される。
【0082】
作動連結機構262は、4つの補助支持体261A〜261Dにそれぞれ連結する4つの連結棹を有する。各連結棹の上端部は、各補助支持体の自由端、たとえば
図8に示す補助支持体261Aの右端部の近傍に、前後方向に延びる軸線の回りに回動可能に連結される。また、各連結棹の下端部は、エアシリンダ263の作動棹273の先端部に共通に連結される。エアシリンダ263の作動棹273が突出したときに、補助支持体261A〜261Dは、
図8に実線で示すように、左右方向に延出する延出位置に移動する。一方、エアシリンダ263の作動棹273が引っ込んだときに、補助支持体261A〜261Dは、
図8に二点鎖線で示すように、主支持部265Aの右端部から下方に垂れ下がった退避位置に移動する。この退避位置は、主支持部265Aが延びる左右方向において、主支持部265Aが配置される領域内に、各補助支持体の大部分が移動して配置される位置である。本実施形態では、主支持部265Aが配置される領域は、
図8において、主支持長L1の長さの領域である。退避位置において、支持板268Aは主支持長L1の長さの領域から右方に食み出すものの、補助支持体261の大部分が主支持長L1の長さの領域内に移動して配置される。
【0083】
後仕切り基体260A〜260D、および補助支持体261A〜261Dは、
図4に示すように、搬送ベルト213A〜213Eのうちで、隣り合う2つの搬送ベルトの間の間隙を通して、上下方向に移動するように配置される。具体的には、後仕切り基体260A、および補助支持体261Aは、搬送ベルト213Aと搬送ベルト213Bとの間の間隙を通過し得るように配置され、他の後仕切り基体、および補助支持体も、同様に配置される。
【0084】
(押さえ機構の構成)
押さえ機構280の構成について、
図3を参照して説明する。押さえ機構280は、前仕切り垂直移動機構222と同様な構成を有し、前方梁203Fと後方梁203Bとの間に架設された固定梁207に、連結板281を介して支持される。押さえ機構280は、上下方向に延びるねじ軸282を備える。ねじ軸282は、連結板281に固定された支持基板283に支持される。支持基板283は、上下方向に延びる一対のガイドレールを有する。押さえ調整モータ284は、支持基板283の上部に固定され、その出力軸が、ねじ軸282に連結される。
【0085】
垂直移動体285は、支持基板283に設けられた両ガイドレールに沿って上下動可能に配置される。垂直移動体285は、ねじ軸282に螺合するナット部を有する。また、垂直移動体285は、前後方向に延びる押さえ保持板286を有する。5つの押さえ片287A〜287Eが、押さえ保持板286の下端部に固定され、左方に向かって延出して形成される。
図3は、押さえ片287Aのみを示す。5つの押さえ片287A〜287Eは、
図6に示すように、隣り合う2つの押さえ片が前仕切り片236A〜236Dの各々の両側に位置するように配置される。たとえば、隣り合う押さえ片287Aと押さえ片287Bとが、前仕切り片236Aの両側に配置される。
【0086】
(各種のセンサの構成)
本実施形態において使用される各種のセンサについて、説明する。
図3において、バッチ搬入センサSB1は、バッチBTの先端部が前仕切り片236A〜236Dに当接して位置決めされるときに、そのバッチBTの後端部が通過したことを検出するために、予め定められた基準位置RPの近傍に配置される。基準位置RPは、補助支持体261A〜261Dが退避位置に位置する状態で、後仕切り基体260A〜260Dが、バッチBTの後端部に当接するために搬送ベルト213A〜213Eの上面から上昇する位置である。バッチ搬出センサSB2は、バッチBTから分割された小バッチSBT1の後端部が通過したことを検出するために、前仕切り垂直移動機構222の支持基板230の下方部分に配置される。本実施形態では、バッチ搬入センサSB1、およびバッチ搬出センサSB2は、レーザ光源と受光部とを備える光学センサから構成される。
【0087】
バッチBTの先端部が、搬入コンベア125および上部コンベア128の搬出口を通過してから、バッチBTの後端部が基準位置RPに到達するまで時間は、可能な限り短い方がバッチの分割処理時間を短くすることができる。このため、基準位置RPは、搬送コンベア機構210の右方コンベア軸211Rと、その軸に固定されたプーリとを含む上流側搬送回転体に可能な限り近い方がよい。しかし、基準位置RPと上流側搬送回転体の配置位置との間の距離は、当接板266Aから支持板267Aの右端部までの
図8に示す主支持長L1より長い必要がある。最小シート長の小バッチSBT1を安定して支持することのみを考えれば、主支持長L1は最小シート長の半分より長い値に設定することもできる。しかし、最大シ−ト長の小バッチSBT1を安定して支持するためには、主支持長L1を短くした分だけ、
図8に示す補助支持長L2が長くなり、小型のエアシリンダでは補助支持体261Aを延出位置へ移動させる際の作動遅れ時間が長くなる。そこで、本実施形態では、主支持長L1が最小シート長より僅かに長く設定され、基準位置RPと上流側搬送回転体の配置位置との間の距離は、この主支持長L1より僅かに長く設定される。
【0088】
図3において、上流側のバッチ厚みセンサSD1は、バッチBTの先端部が前仕切り片236A〜236Dに当接して位置決めされるときに、そのバッチBTの後端部付近において、バッチBTの厚みを検出するために、押さえ機構280の支持基板283の下方部分に配置される。下流側のバッチ厚みセンサSD2は、バッチBTの先端部が前仕切り片236A〜236Dに当接して位置決めされるときに、そのバッチBTの先端部付近において、バッチBTの厚みを検出するために、前仕切り垂直移動機構222の支持基板230の下方部分に配置される。本実施形態では、両バッチ厚みセンサSD1、SD2は、レーザ変位計などの光学センサから構成される。
【0089】
本実施形態では、モータ224、233、245、257、284は、その出力軸の回転量および回転方向を検出する検出器を内蔵するサーボモータから構成される。前仕切り駆動モータ224の検出器、および前調整モータ233の検出器は、前仕切り片236A〜236Dの左右方向の位置、および上下方向の位置をそれぞれ検出する。後仕切り駆動モータ245の検出器、および後調整モータ257の検出器は、後仕切り基体260A〜260Dの左右方向の位置、および上下方向の位置をそれぞれ検出する。押さえ調整モータ284の検出器は、押さえ片287A〜287Eの上下方向の位置を検出する。
【0090】
トルクセンサSTが、押さえ片287A〜287EがバッチBTを上方から押す押圧力を検出するために、押さえ調整モータ254に接続されて設けられる。
【0091】
《電気的構成》
本実施形態の段ボールシート製函機1の基本的な電気的構成は、特開2009−291992号公報などにより、公知であるので、その説明を省略し、カウンタエジェクタ6の電気的構成についてのみ、
図10を参照して以下に説明する。
図10は、カウンタエジェクタ6の電気的構成を示すブロック図である。
【0092】
図10において、カウンタエジェクタ制御装置300は、カウンタエジェクタ6の全体の動作を制御する。管理装置400は、連続する複数のオーダを実行するために段ボールシート製函機1の生産管理を行い、各オーダに関する生産速度、段ボールシートの寸法、バッチのシート枚数などの制御情報を制御装置300に供給する。制御装置300は、段ボールシートBSの通過を検出する光学センサと接続され、光学センサからの検出信号に基づいて、一対の出口ロール55A、55Bにより供給される段ボールシートBSの枚数を計数する。カウンタエジェクタ制御装置300は、管理装置400からの制御情報、および計数した段ボールシートBSの枚数に従って、バッチ形成のための制御動作を行い、バッチ形成装置60の各構成部分を駆動するバッチ形成駆動部310に駆動信号を供給する。また、カウンタエジェクタ制御装置300は、管理装置400からの制御情報に従って、バッチ分割装置61の各構成部分を制御するバッチ分割制御装置320に制御指令および制御情報を供給する。
【0093】
バッチ形成駆動部310は、前当板駆動モータ107、ベルト駆動モータ111、レッジ昇降モータ114、エレベータ昇降モータ117、ベルト駆動モータ123など、バッチ形成装置60の各構成部分を駆動する多数の駆動モータからなる。
【0094】
バッチ分割制御装置320は、コンベア駆動モータ127、ベルト駆動モータ212、調整モータ233、257、284、および駆動モータ224、245にそれぞれ接続され、これらのモータの回転および停止、回転量、回転方向を制御する。バッチ分割制御装置320は、エアシリンダ263に接続され、その作動棹273の突出、および引っ込みを制御する。バッチ分割制御装置320は、バッチ搬入センサSB1、バッチ搬出センサSB2、上流側のバッチ厚みセンサSD1、下流側のバッチ厚みセンサSD2、およびトルクセンサSTにそれぞれ接続される。バッチ分割制御装置320は、
図10に示されないが、モータ224、233、245、257、284の内蔵する検出器にもそれぞれ接続される。
【0095】
バッチ分割制御装置320は、CPU、ROM、RAMなどを含むコンピュータから構成される。ROMは、バッチ分割装置61のバッチ分割動作を制御する種々の制御プログラム、および所定の設定値を記憶する。RAMは、バッチBTのシート枚数、搬送方向PDの寸法などの管理装置400からの制御情報、CPUの処理結果を一時記憶する。
図11に示す分割処理を制御する制御プログラムは、バッチ分割制御装置320により実行され、ROMに記憶される。
【0096】
《実施形態の動作および作用》
本実施形態のカウンタエジェクタ6のバッチ形成装置60およびバッチ分割装置61の動作および作用について、以下に説明する。なお、以下の説明において、搬送ベルト213A〜213E、前仕切り片236A〜236D、後仕切り基体260A〜260D、補助支持体261A〜261D、押さえ片287A〜287Eなど、同じ構成を有する複数の部材について、アルファベット「A」が引用番号に付された部材を代表例として記載して説明する。
【0097】
〈シート枚数の多いバッチの形成、および搬送〉
バッチのシート枚数が比較的多いオーダについては、カウンタエジェクタ制御装置300は、管理装置400からの各オーダのバッチのシート枚数に関する制御情報に従ってバッチ分割装置61を動作させるか否かを判断する判断手段を有し、その判断結果に従ってバッチ分割制御部320に分割動作指令または分割停止指令を供給する。バッチのシート枚数が所定シート枚数より多いオーダを実行する場合には、カウンタエジェクタ制御装置300は、バッチ分割制御装置320に分割停止指令を供給する。
【0098】
バッチ分割制御装置320は、分割停止指令に従って、前調整モータ233を駆動して、前仕切り片236Aを所定の前仕切り待機位置まで上昇させて位置決めする。また、バッチ分割制御装置320は、分割停止指令に従って、押さえ調整モータ284を駆動して、押さえ片287Aを所定の押さえ待機位置まで上昇させて位置決めする。更に、バッチ分割制御装置320は、分割停止指令に従って、後調整モータ257を駆動して、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aを、搬送ベルト213Aの上面から下方の所定の後仕切り待機位置まで下降させて位置決めする。その後に、バッチ分割制御装置320は、分割停止指令に従って、エアシリンダ263を不作動にし、補助支持体261Aを退避位置に位置決めすると共に、後仕切り駆動モータ245を駆動して、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aを基準位置まで左右方向に移動して位置決めする。各待機位置および基準位置RPへの位置決めのために、バッチ分割制御装置320は、各モータの内蔵する検出器からの検出信号に基づいて、その検出信号が各待機位置に相当する値に達するまで、各モータの回転量および回転方向を制御する。
【0099】
各待機位置および基準位置RPへの位置決め後に、バッチ分割制御装置320は、分割停止指令に従って、コンベア駆動モータ127およびベルト駆動モータ212を駆動して、搬入コンベア125、上部コンベア128、および搬送コンベア213Aを連続して駆動する。図示しない排出用制御装置は、バッチの分割動作が行われるか否かに関係なく、排出コンベア7を連続して駆動する。
【0100】
カウンタエジェクタ制御装置300は、バッチのシート枚数を表す制御情報に従って、バッチ形成装置60の上部コンベア124と送出コンベア105との間隔がバッチの厚みにほぼ等しい間隔となるように上部コンベア124を位置決めする。また、バッチ分割制御装置320は、バッチのシート枚数を表す制御情報に従って、バッチ分割装置60の上部コンベア128と搬送コンベア125との間隔がバッチの厚みにほぼ等しい間隔となるように上部コンベア128を位置決めする。
【0101】
カウンタエジェクタ6の前当板100などの各構成部分の位置決めが完了した後に、段ボールシート製函機1の運転が開始され、箱状の段ボールシートBSが出口ロール55A、55Bから前当て板100および矯正板101の間で、補助レッジ104A、104Bの上に積載される。このとき、主レッジ102は、出口ロール55A、55Bの配置高さより僅か上方の位置で待機する。
【0102】
カウンタエジェクタ制御装置300は、積載される段ボールシートBSの枚数を計数し、その計数値が制御情報により表された所定のシート枚数に達したときに、主レッジ102は、次のバッチBTを構成する段ボールシートBSを受け取ることができるように下降する。補助レッジ103A、103Bが互いに離れる方向に移動し、所定のシート枚数のバッチBTをエレベータ104のテーブル104Aに受け渡す。その後、主レッジ102は、テーブル104A上のバッチBTを上方から押圧しながら、エレベータ104とともに下降する。この下降の間、主レッジ102は、出口ロール55A、55Bから供給される段ボールシートBSを受け取る。
【0103】
主レッジ102が、補助レッジ103A、103Bの配置高さまで降下したとき、補助レッジ103A、103Bは互いに近接する方向に移動して、主レッジ102上に積載された段ボールシートBSを受け取る。その後に供給される段ボールシートBSは、補助レッジ103A、103B上に積載される。
【0104】
主レッジ102およびエレベータ104は下降を続け、テーブル104Aが送出コンベア105のコンベア駆動ベルト122の上面に達したときに、バッチBTはテーブル104Aから送出コンベア105に受け渡される。カウンタエジェクタ制御装置300は、ベルト駆動モータ123を駆動して送出コンベア105および上部コンベア124を駆動する。バッチBTは、両コンベア105、124に挟持されて所定の送出方向TDに送り出される。
【0105】
主レッジ102は、所定の待機位置まで上昇して待機する。エレベータも、次のバッチBTを受け取ることができるように上昇して待機する。バッチ形成装置60において、バッチBTは、主レッジ102および補助レッジ103A、103Bの水平移動および垂直移動により、積載される段ボールシートBSから分離されて形成される。このバッチBTは、送出コンベア105および上部コンベア124により、搬入コンベア125および上部コンベア128の間に送り出される。
【0106】
バッチBTは、コンベア駆動モータ127により連続駆動されている搬入コンベア125および上部コンベア128の間に挟持され、両コンベアによりバッチBTの上下両面に搬送力が付与されて搬送方向PDに搬送される。両コンベアから送り出されたバッチBTは、ベルト駆動モータ212により連続駆動されている搬送ベルト213Aに受け渡される。バッチBTは、搬送ベルト213Aにより、排出コンベア7に向けて搬送される。バッチBTは、連続駆動されている排出コンベア7により結束機8に排出される。
【0107】
〈シート枚数の少ないバッチの形成、分割および搬送〉
バッチのシート枚数の多いオーダから、バッチのシート枚数の少ないオーダに変更される場合について、以下に説明する。
【0108】
バッチのシート枚数が比較的少ないオーダについては、カウンタエジェクタ制御装置300は、管理装置400からの各オーダのバッチのシート枚数に関する制御情報に従ってバッチ分割装置61を動作させるか否かを判断し、その判断結果に従ってバッチ分割制御部320に分割動作指令を供給する。バッチのシート枚数が所定シート枚数以下のオーダを実行する場合には、カウンタエジェクタ制御装置300は、バッチ分割制御装置320に分割動作指令を供給する。この場合、制御情報により指令されるバッチのシート枚数は、バッチ分割装置61により形成された小バッチSBT1、SBT2のシート枚数である。このため、バッチ形成装置60により形成されるバッチBTのシート枚数は、制御情報により表されるシート枚数の2倍のシート枚数となる。カウンタエジェクタ制御装置300は、バッチBTのシート枚数として、オーダ実行のための制御情報により表されるシート枚数の2倍のシート枚数を表す分割動作のための分割制御情報と、バッチを構成する段ボールシートのシート長情報と、各オーダの運転速度を表す搬送速度情報と、分割動作指令とをバッチ分割制御装置320に供給する。たとえば、オーダ実行のための制御情報により表されるシート枚数が、10枚である場合、分割動作のための分割制御情報により表されるシート枚数は、20枚となる。
【0109】
カウンタエジェクタ制御装置300は、バッチのシート枚数を表す分割制御情報に従って、バッチ形成装置60の上部コンベア124と送出コンベア105との間隔が分割制御情報により表されたバッチのシート枚数に応じた間隔、すなわちバッチBTの厚みにほぼ等しい間隔となるように上部コンベア124を位置決めする。排出用制御装置は、バッチ分割の要否に関係なく排出コンベア7を連続して駆動する。
【0110】
バッチ分割制御装置320は、カウンタエジェクタ制御装置300から分割動作指令を受け取ると、ROMに記憶された制御プログラムを読み出して、
図11に示す分割処理を開始する。
図11に示す各ステップの処理は、バッチ分割制御装置320のCPUが実行する処理である。
【0111】
(分割処理動作)
バッチのシート枚数を表す分割制御情報に従って、バッチ分割装置60の上部コンベア128と搬入コンベア125との間隔がバッチの厚みにほぼ等しい間隔となるように、上部コンベア128が位置決めされる(S1)。また、各オーダの運転速度を表す搬送速度情報に従って、コンベア駆動モータ127が駆動されて上部コンベア128および搬入コンベア125が各オーダの所定の搬送速度になるように駆動される(S1)。そして、各オーダの運転速度を表す搬送速度情報に従って、ベルト駆動モータ212が駆動されて搬送ベルト213Aが各オーダの所定の搬送速度になるように駆動される(S2)。
【0112】
バッチBTの搬送方向PDの寸法を表すシート長情報に従って、前仕切り駆動モータ224の回転量および回転方向が制御され、前仕切り片236Aが、基準位置RPに位置する後仕切り基体260Aからバッチのシート長だけ離れた位置まで左右方向に移動されて位置決めされる(S3)。前仕切り片236Aの位置決めの際に、押さえ片287Aが押さえ待機位置に保持されるように押さえ調整モータ284の停止状態が維持される。
図12Aに示す状態は、前仕切り片236Aが位置決めされた状態を示す。
【0113】
S3における位置決め後に、前調整モータ233が駆動されて、前仕切り片236Aが、前仕切り待機位置から搬送ベルト213Aの上面に近接した所定の最下位置まで下降されて位置決めされる(S4)。所定の最下位置は、前仕切り片236Aの下端部と搬送ベルト213Aの上面との間隔が、段ボールシート製函機1が生産し得る最も薄い段ボールシートの厚みより小さくなるように予め設定される。バッチ分割制御装置320は、前仕切り片236Aの下端部が所定の最下位置に到達したことを、前調整モータ233の内蔵する検出器からの検出信号に基づいて判断する。
【0114】
バッチBTが、搬入コンベア125および上部コンベア128により、搬送ベルト213Aに向けて送り出される。送り出されたバッチBTの先端部が、バッチ搬入センサSB1を通過したか否かが判断される(S5)。その判断処理は、バッチBTの先端部の通過が検出されるまで繰り返される。
【0115】
バッチBTの先端部の通過が検出されると(S5:YES)、搬送ベルト213Aの搬送速度の減速を開始する位置が算出される(S6)。減速を開始する位置は、バッチBTの先端部が基準位置RPから搬送される時間として、各オーダのシート長および搬送速度に基づいて算出される。搬送速度の減速は、バッチBTの先端部が前仕切り片236Aに当接するときの衝撃を和らげて、バッチBTの損傷を防ぐために行われる。
【0116】
バッチBTの先端部がS6の処理において算出された位置に達したときに、ベルト駆動モータ212の回転速度が定速制御から可変速制御に変更され、搬送ベルト213Aの搬送速度の減速が開始される。そして、所定の減速パターンに従って搬送ベルト213Aの搬送速度が徐々に減速される(S7)。
図12Bに示す状態は、減速が開始された搬送ベルト213Aにより、バッチBTが、所定の最下位置に位置決められた前仕切り片236Aに向かって搬送されている状態を示す。
【0117】
バッチBTの先端部が前仕切り片236Aに当接したときに、ベルト駆動モータ212の駆動が停止され、搬送ベルト213Aが一時停止する(S8)。バッチ分割制御装置320は、ベルト駆動モータ212の駆動を停止する時期を、各オーダの所定の搬送速度、各オーダのシート長、および減速パターンに基づいて決定する。
図12Cに示す状態は、バッチBTの先端部が前仕切り片236Aに当接し、搬送ベルト213Aが一時停止した状態を示す。
【0118】
図12Cに示す状態にあるバッチBTの先端部の厚みが、下流側のバッチ厚みセンサSD1からの検出信号に基づいて検出され、そのバッチBTの後端部の厚みが、上流側のバッチ厚みセンサSD2からの検出信号に基づいて検出される(S9)。
【0119】
S9において検出されたバッチBTの先端部の厚みの半分の値に基づいて、前調整モータ233の回転方向および回転量が制御され、前仕切り片236Aの下端部が搬送ベルト213Aの上面からバッチBTの厚みの半分に相当する高さになるように、前仕切り片236Aの上下方向の位置が仮に位置決めされる(S10)。また、S9において検出されたバッチBTの後端部の厚みの半分の値に基づいて、後調整モータ257の回転方向および回転量が制御され、後仕切り基体260Aの上端部が搬送ベルト213Aの上面からバッチBTの厚みの半分に相当する高さになるように、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aの上下方向の位置が仮に位置決めされる(S10)。更に、S9において検出されたバッチBTの後端部の厚みに基づいて、押さえ調整モータ284の回転方向および回転量が制御され、押さえ片287Aの下面が搬送ベルト213Aの上面からバッチBTの厚みに相当する高さになるように、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aの上下方向の位置と、押さえ片287Aの上下方向の位置とが仮に位置決めされる(S10)。仮の位置決めにおいて、補助支持体261Aは退避位置に保持された状態にある。退避位置にある補助支持体261Aは、搬送コンベア機構210の上流側に位置する右方コンベア軸211Rなどの搬送回転体と衝突することなく上昇することができる。
図12Dに示す状態が、前仕切り片236Aと、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aと、押さえ片287Aとが、上下方向において仮に位置決めされた状態を示す。
【0120】
押さえ調整モータ284の回転トルクが所定のトルクとなるように、トルクセンサSTからの検出信号に基づいて、押さえ調整モータ284の駆動電流が所定の駆動電流値に制御される。この電流制御により、押さえ片287AがバッチBTを所定の押圧力で押す(S11)。所定のトルクに相当する所定の駆動電流値は、バッチ分割制御装置320のROMに予め記憶されている。
【0121】
S11において所定の押圧力で押されたバッチBTの先端部の厚みが、下流側のバッチ厚みセンサSD1からの検出信号に基づいて検出され、そのバッチBTの後端部の厚みが、上流側のバッチ厚みセンサSD2からの検出信号に基づいて検出される(S12)。
【0122】
S12において検出されたバッチBTの先端部の厚みの半分の値に所定の補正値を加えた値に基づいて、前調整モータ233の回転方向および回転量が制御され、前仕切り片236Aの下端部が搬送ベルト213Aの上面からバッチBTの厚みの半分に所定の補正値を加えた値に相当する高さになるように、前仕切り片236Aの上下方向の位置が最終的に位置決めされる(S13)。また、S12において検出されたバッチBTの後端部の厚みの半分の値から所定の補正値を差し引いた値に基づいて、後調整モータ257の回転方向および回転量が制御され、後仕切り基体260Aの上端部が搬送ベルト213Aの上面からバッチBTの厚みの半分から所定の補正値を差し引いた値に相当する高さになるように、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aの上下方向の位置が最終的に位置決めされる(S13)。所定の補正値は、段ボールシート製函機1が生産し得る最も薄い段ボールシートの厚みの半分に相当する値に設定され、バッチ分割制御装置320のROMに予め記憶されている。所定の補正値だけ、前仕切り片236Aの下端部が上昇して位置決めされ、後仕切り基体260Aの上端部が下降して位置決めされることから、前仕切り片236Aの下端部が、小バッチSBT2が後仕切り基体260Aにより押し出される際に、小バッチSBT2の最上方の段ボールシートに引っ掛かることを防止すると共に、後仕切り基体260Aの上端部と衝突することを確実に防止することができる。
【0123】
各オーダの運転速度を表す搬送速度情報に従って、ベルト駆動モータ212が駆動されて搬送ベルト213Aが各オーダの所定の搬送速度になるように駆動される(S14)。また、後仕切り基体260Aの移動速度が搬送ベルト213Aの搬送速度と同じ速度となるように、後仕切り駆動モータ245の回転速度が制御され、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが前仕切り片236Aに向かって移動する(S14)。
【0124】
バッチBTの搬送方向PDの寸法を表すシート長情報に従って、バッチBTのシート長が所定シート長より長いか否かが判断される(S15)。本実施形態では、所定シート長は、
図8に示す主支持長L1の2倍の値より所定の値だけ短い値に設定され、バッチ分割制御装置320のROMに予め記憶されている。所定シート長は、主支持部265Aの支持板267Aのみで安定して支持される小バッチSBT1の最大シート長に相当する長さである。
【0125】
バッチBTのシート長が所定シート長より長いとき(S15:YES)、エアシリンダ263が作動して、補助支持体261Aは退避位置から延出位置へ移動する(S16)。一方、バッチBTのシート長が所定シート長以下であるとき(S15:NO)、エアシリンダ263が作動せず、補助支持体261Aは退避位置に維持される。
図12Eに示す状態は、後仕切り基体260Aが小バッチSBT2を左方に向かって押し出し、所定シート長より長い小バッチSBT1が、主支持部265Aの支持板267Aと、延出位置に移動された補助支持体261Aの支持板268Aとにより、支持されている状態を示す。
【0126】
後仕切り基体260Aが前仕切り片236Aの手前の所定の位置に達したときに、後仕切り駆動モータ245の駆動が停止され、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが停止する(S17)。バッチ分割制御装置320は、後仕切り基体260Aが前仕切り片236Aの手前の所定の位置に達したことを、後仕切り駆動モータ245の内蔵する検出器からの検出信号に基づいて判断する。
図12Fに示す状態は、後仕切り基体260Aが前仕切り片236Aの手前の所定の位置に達した状態を示す。
【0127】
前仕切り片236Aおよび押さえ片287Aが、所定の前仕切り待機位置および所定の押さえ待機位置に上昇するように、前調整モータ233および押さえ調整モータ284の回転量および回転方向が制御される(S18)。
【0128】
後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが搬送ベルト213Aの上面より下方の所定の後仕切り待機位置に向かって下降するように、後調整モータ257の回転量および回転方向が制御される(S19)。後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが下降している間に、小バッチSBT2は、搬送ベルト213Aおよび排出コンベア7により継続して搬送される。
【0129】
後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aにより支持された小バッチSBT1が搬送ベルト213Aの上面の高さまで下降する前に、ベルト駆動モータ212の駆動が停止され、搬送ベルト213Aが一時停止する(S20)。搬送ベルト213Aの一時停止により、小バッチSBT1は積載状態を乱すことなく搬送ベルト213Aの上面に載置される。
図12Gに示す状態は、前仕切り片236Aおよび押さえ片287Aが所定の待機位置にそれぞれ位置決めされ、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが搬送ベルト213Aの上面の高さまで下降した状態を示す。
【0130】
後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが搬送ベルト213Aの上面より下方の所定の後仕切り待機位置まで下降したか否かが判断される(S21)。バッチ分割制御装置320は、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが所定の後仕切り待機位置まで下降したことを、後調整モータ257の内蔵する検出器からの検出信号に基づいて判断する。
【0131】
各オーダの運転速度を表す搬送速度情報に従って、ベルト駆動モータ212が駆動されて搬送ベルト213Aが各オーダの所定の搬送速度になるように駆動される(S22)。搬送ベルト213Aの駆動により、小バッチSBT2は各オーダの搬送速度で左方に搬送される。
【0132】
補助支持体261Aが延出位置に位置するか否かが判断される(S23)。補助支持体261Aが延出位置に位置するとき(S23:YES)、エアシリンダ263が不作動にされ、補助支持体261Aを延出位置から退避位置に移動させる(S24)。補助支持体261Aが延出位置に位置しないとき(S23:NO)、エアシリンダ263の不作動が維持され、補助支持体261Aを退避位置に維持する。
図12Hに示す状態は、小バッチSBT2が搬送ベルト213Aにより搬送されると共に、所定の後仕切り待機位置において補助支持体261Aが退避位置に移動された状態を示す。
【0133】
後仕切り駆動モータ245の回転量および回転方向が制御され、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが基準位置RPまで移動される(S25)。バッチ分割制御装置320は、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが基準位置RPまで移動したことを、後仕切り駆動モータ245の内蔵する検出器からの検出信号に基づいて判断する。
【0134】
小バッチSBT1の後端部がバッチ搬出センサSB2を通過したか否かが判断される(S26)。バッチ分割制御装置320は、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aが所定の後仕切り待機位置に位置決めされた後に、バッチ搬出センサSB2から供給される検出信号に基づいて、小バッチSBT1の後端部の通過を判断する。小バッチSBT1の後端部の通過が検出されないとき(S26:NO)、判断処理は、通過が検出されるまで繰り返される。
【0135】
小バッチSBT1の後端部の通過が検出されたとき(S26:YES)、分割停止指令が供給されたか否かが判断される(S27)。分割停止指令が供給されたとき(S27:YES)、
図11に示す分割処理動作が終了する。
図12Iに示す状態は、小バッチSBT1の後端部がバッチ搬出センサSB2を通過する状態を示す。
図12Iにおいて、後仕切り基体260Aおよび補助支持体261Aは基準位置RPに位置決めされている。
【0136】
分割停止指令が供給されないとき(S27:NO)、S4の処理が実行される。S4〜S27の処理は、上部コンベア128および搬入コンベア125により搬入される次のバッチBTの分割のために、実行される。
【0137】
(所定シート長以下のバッチの分割処理動作)
バッチのシート長が所定シート長より長いオーダから、バッチのシート長が所定シート長以下のオーダに変更された場合の分割処理動作について、以下に説明する。バッチのシート長が所定シート長以下である場合の分割処理動作は、所定シート長より長い場合と比べ、
図11に示すS15、S16、S23およびS24の処理において相違する。この相違する処理について、主に説明する。
【0138】
先ず、所定シート長以下のバッチBTの搬送方向PDの寸法を表すシート長情報に従って、前仕切り駆動モータ224の回転量および回転方向が制御され、前仕切り片236Aが、基準位置RPに位置する後仕切り基体260Aからバッチのシート長だけ離れた位置まで左右方向に移動されて位置決めされる(S3)。具体的には、
図12Aにおいて、後仕切り基体260Aは基準位置RPに保持された状態で、前仕切り片236Aが、長いシート長に対応した実線で示す位置から、短いシート長に対応した二点鎖線で示す位置に移動する。バッチ搬出センサSB2、および下流側バッチ厚みセンサSD2も、前仕切り片236Aの移動と同時に、移動されて位置決めされる。
【0139】
所定シート長より長い場合と同様に、押さえ片287AがバッチBTを所定の押圧力で押す(S11)。その後に、前仕切り片236Aおよび後仕切り基体260Aが最終的に位置決めされる(S13)。最終的に本位置決めされる際に、補助支持体261Aは退避位置に位置した状態にある。
図13Aに示す状態は、前仕切り片236Aおよび後仕切り基体260Aが最終的に位置決めされた状態を示す。
【0140】
バッチBTのシート長が所定シート長より長いか否かが判断される(S15)。所定シート長以下であると判断され(S15:NO)、S16の処理が実行されないことから、補助支持体261Aは退避位置に保持される。この結果、小バッチSBT1は主支持部265Aの支持板267Aのみにより支持される。
図13Bに示す状態は、後仕切り基体260Aが前仕切り片236Aの手前の所定の位置に達したときに、小バッチSBT1が主支持部265Aの支持板267Aのみにより支持される状態を示す。
【0141】
後仕切り基体260Aが搬送ベルト213Aの上面より下方の所定の後仕切り待機位置に向かって下降するように、後調整モータ257の回転量および回転方向が制御される(S19)。後仕切り基体260Aは、補助支持体261Aが退避位置に保持された状態で、下降する。
図13Cに示す状態は、前仕切り片236Aおよび押さえ片287Aが所定の待機位置にそれぞれ位置決めされ、補助支持体261Aが退避位置に保持された状態で後仕切り基体260Aが搬送ベルト213Aの上面の高さまで下降した状態を示す。
【0142】
補助支持体261Aが延出位置に位置するか否かが判断される(S23)。補助支持体261Aは延出位置に位置していないと判断され(S23:NO)、S24の処理は実行されないことから、補助支持体261が退避位置に保持された状態で、後仕切り基体260Aが基準位置RPまで移動される。
【0143】
《実施形態の効果》
本実施形態では、所定シート長以下のバッチBTの分割処理動作において、後仕切り基体260Aが基準位置RPに保持された状態で、前仕切り片236AがバッチBTのシート長に合わせてシート搬送方向に位置決めされることから、バッチBTの先端部が前仕切り片236Aに当接するまでにバッチBTを搬送する搬送量が小さくなる。この結果、バッチBTを小バッチSBT1、SBT2に分割するために要する全体の時間を短縮することができる。また、小バッチSBT1を支持するために、補助支持体261Aを延出位置に移動させることがないことから、エアシリンダ263の作動遅れなどに影響されることなく、所定シート長以下の短いバッチBTを高速で分割することができる。
【0144】
本実施形態では、所定シート長より長いバッチBTの分割処理動作において、小バッチSBT1が、主支持部265Aの支持板267Aと、補助支持体261Aの支持板268Aとにより、支持される。主支持部265Aおよび支持板267Aを省略し、補助支持体が後仕切り部264Aの上方部分に直接に回動可能に支持される構成に比べ、本実施形態では、補助支持体261Aの支持板268Aの長さを短くすることができ、エアシリンダ263は、比較的小型のエアシリンダでも、退避位置から延出位置に補助支持体261Aを高速で移動させることができる。この結果、所定シート長より長いバッチBTの分割処理動作を高速化することができる。
【0145】
本実施形態では、バッチBTの後端部の厚みと、その先端部の厚みとが、上流側および下流側のバッチ厚みセンサSD1、SD2によりそれぞれ検出される。この結果、バッチBTの両端部の厚みが異なる場合でも、バッチBTの先端部および後端部において前仕切り片236Aおよび後仕切り基体260Aを上下方向に正確に位置決めすることができる。
【0146】
本実施形態では、後仕切り基体260Aのうちで、小バッチSBT2の後端部に当接すると共に小バッチSBT1を支持する箇所、具体的には、当接板266Aと支持板267Aとに近接した箇所に、ローラ269Aが回転自在に配置される。ここで、ローラ269Aに代えて、複数のローラが、後仕切り基体260Aの主支持部265Aの上部の複数箇所に、主支持部265Aの延びる方向に配列される構成を考える。この構成では、複数のローラが小バッチSBT1の最下方の段ボールシートと接触する接触面積が小さくなることから、小バッチSBT1が所定の搬送方向PDと交差する方向にずれ易くなる。これに対し、本実施形態では、ローラ269Aが後仕切り部264Aの上端部の1箇所に配置される構成であるので、小バッチSBT1の最下方の段ボールシートは、主支持部265Aの支持板267Aと比較的広い面積で接触する。この結果、ローラ269Aおよび支持板267Aは、小バッチSBT1を損傷させることなく、小バッチSBT1を安定して支持することができる。
【0147】
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
本実施形態のバッチ形成装置60が、本発明のバッチ形成装置の一例であり、本実施形態のバッチBTが、本発明の所定のシート枚数のバッチの一例である。本実施形態の前当板100および矯正板101の間に形成される段ボールシートBSの収容空間が、本発明の所定の収容領域の一例であり、本実施形態の主レッジ102、および一対の補助レッジ103A、103Bが、本発明のレッジの一例である。本実施形態の送出コンベア105が、本発明の送出コンベアの一例である。本実施形態のエレベータ104が、本発明のエレベータの一例である。本実施形態の所定の送出方向TDが、本発明の所定の送出方向の一例である。
【0148】
本実施形態のバッチ分割装置61が、本発明のバッチ分割装置の一例である。本実施形態の分割処理装置200が、本発明のバッチ分割手段の一例であり、本実施形態の搬送ベルト213A〜213Eが、本発明の搬送コンベアの一例である。本実施形態の前仕切り片236A〜236Dおよび後仕切り部264Aが、本発明の前仕切り体および後仕切り体の一例である。本実施形態の主支持部265Aおよび補助支持体261A〜261Dが、本発明の支持部材の一例であり、主支持体および補助支持体の一例である。本実施形態の前調整モータ233および後調整モータ257が、本発明の前調整部および後調整部の一例である。本実施形態の前仕切り駆動モータ224および後仕切り駆動モータ245が、本発明の仕切り体駆動部の一例であり、前仕切り体駆動部および後仕切り体駆動部の一例である。本実施形態のエアシリンダ263が、本発明の支持体駆動部の一例である。本実施形態のバッチ分割制御装置320が、本発明の制御部の一例である。本実施形態のバッチ分割制御装置320およびS15の処理の組み合わせが、本発明の判断部の一例である。本実施形態の右方コンベア軸211R、および、その軸に固定されたプーリが、上流側搬送回転体の一例であり、本実施形態の左方コンベア軸211L、および、その軸に固定されたプーリが、下流側搬送回転体の一例である。本実施形態のローラ269Aが、本発明のローラの一例である。本実施形態の搬送ベルト213A〜213EがバッチBTおよび小バッチSBT1、SBT2を搬送する所定の搬送方向PDが、本発明の所定の搬送方向の一例である。
【0149】
[変形例]
本発明の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者であれば種々の変形を加えることができる。
【0150】
(1)本実施形態では、バッチBTの後端部の厚みと、その先端部の厚みとが、上流側および下流側のバッチ厚みセンサSD1、SD2により検出される。しかし、バッチBTの両端部の厚みがほぼ同じである場合には、一方の端部の厚みのみを1つのバッチ厚みセンサにより検出する構成でもよい。また、バッチBTの全体の厚みがほぼ同じである場合には、1つのバッチ厚みセンサが、バッチBTの一方の端部ではなくバッチBTの中央部分の厚みを検出する構成でもよい。
【0151】
(2)本実施形態では、S10の処理により、前仕切り片236A、後仕切り基体260A、および押さえ片287Aが仮に位置決めされる。その後に、押さえ片287Aが所定の押圧力でバッチBTを押した状態で、S13の処理により、前仕切り片236A、および後仕切り基体260Aが最終的に位置決めされる。本実施形態では、分割される各バッチBTの厚みが異なることに対処するために、S9およびS12の処理により、各バッチBTの厚みが検出される。しかし、少なくとも、所定の押圧力で押された各バッチBTの厚みがほぼ同じである場合には、S8の処理に続いて、各バッチBTの同じ厚みに基づいて、前仕切り片236A、および後仕切り基体260Aが位置決めされる処理を実行する構成でもよい。この変形例の構成では、本実施形態のS9〜S13の処理が不要となることから、分割処理動作が高速化される。変形例の構成の具体例として、先ず、所定数のバッチBTについて、S9〜S13の処理を含む分割処理動作が実行される。各バッチBTの検出された厚みがほぼ同じ厚みであることが判断された場合に、それ以降は、S9〜S13の処理に代えて、バッチBTの同じ厚みに基づいて、前仕切り片236A、および後仕切り基体260Aが位置決めされる処理を実行する。また、変形例の構成の他の具体例として、所定数のバッチBTについて、S9〜S13の処理を含む分割処理動作が実行される構成に代えて、厚みがほぼ同じであるバッチBTについて、段ボールシートの種類およびバッチBTのシート枚数と、バッチBTの厚みとの対応関係を、実験を通して予め決定してテーブルに記憶する。分割処理動作が開始されたときに、各オーダにおける段ボールシートの種類およびバッチBTのシート枚数に対応するバッチBTの厚みを、テーブルから取得して、前仕切り片236A、および後仕切り基体260Aが位置決めされる処理を実行する。
【0152】
(3)本実施形態では、押さえ片287Aの右端部のみが押さえ保持板286により支持される片持ち支持構造である。しかし、押さえ片が所定の搬送方向PDにおいてバッチBTを均一の押圧力で押すために、押さえ片の左右両端部が押さえ保持板により支持される両持ち支持構成でもよい。
【0153】
(4)本実施形態では、バッチBTを小バッチSBT1、SBT2に分割するときに、押さえ片287Aが所定の押圧力でバッチBTを押す。しかし、バッチBTのシート長が短く、バッチBTを構成する段ボールシートBSの反りが少ない場合には、押さえ片287AによりバッチBTを上下方向から押すことなく、自然状態のバッチBTを分割する構成であってもよい。この場合、自然状態のバッチBTの厚みは、バッチBTのシート枚数と、各段ボールシートの標準的な厚みとから算出することができることから、本実施形態において、バッチの厚みを検出する処理を含むS10〜S12の処理と、押さえ片287Aを上下方向に移動させる処理とは必要なくなる。
【0154】
(5)本実施形態では、前仕切り片236Aが、
図12Cに示すようにバッチBTを搬送方向PDの所定位置で停止させる機能と、
図12Eに示すように前仕切り片236Aの突出量の調整によりバッチBTを小バッチSBT1、SBT2に分割する機能とを有する構成である。この構成に代えて、バッチBTを搬送方向PDの所定位置で停止させる機能を前仕切り片とは別の部材により実行する構成でもよい。
【0155】
(6)本実施形態では、S14の処理において後仕切り基体260Aが小バッチSBT2を押し出す動作を開始した後に、所定シート長より長いバッチBTについて、S16の処理において、補助支持体261Aがエアシリンダ263の作動により延出位置に向かって移動される。エアシリンダ263の作動遅れ時間が比較的長い場合には、この作動遅れ時間の間に、後仕切り基体260Aは基準位置RPから前仕切り片236Aに向かって所定の距離だけ移動する。後仕切り基体260Aの所定の距離の移動により、補助支持体261は、その先端部が右方コンベア軸211Rなどの搬送回転体に衝突することなく、延出位置に到達する。しかし、補助支持体261Aを移動させるエアシリンダなどの支持体駆動部の作動遅れ時間が比較的短い場合には、S16の処理の前に所定の待ち時間を設定する処理を備える構成でもよい。この変形例の構成において、小バッチSBT1を安定して支持するためには、後仕切り基体260Aの支持板267Aの右端部が小バッチSBT1の中央位置、すなわち小バッチSBT1の重心位置に達する前に、補助支持体261Aが延出位置に完全に到達するように、所定の待ち時間を設定する必要がある。
【0156】
(7)本実施形態では、搬入コンベア125および上部コンベア128が分割処理動作の間でも継続して駆動され、次に分割されるバッチBTが両コンベア125、128の搬出口近傍で待機することはない。しかし、分割処理動作の期間が長くなる場合、たとえば、最大シート長のバッチBTを分割する場合には、次に分割されるバッチBTが両コンベア125、128の搬出口近傍で待機する構成でもよい。