(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791503
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】固体から燃料への変換システム及び方法
(51)【国際特許分類】
C10G 1/02 20060101AFI20150917BHJP
C10B 53/00 20060101ALI20150917BHJP
C10K 1/00 20060101ALI20150917BHJP
C10G 2/00 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
C10G1/02
C10B53/00 A
C10K1/00
C10G2/00
【請求項の数】27
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-520061(P2011-520061)
(86)(22)【出願日】2009年6月8日
(65)【公表番号】特表2011-529116(P2011-529116A)
(43)【公表日】2011年12月1日
(86)【国際出願番号】US2009046612
(87)【国際公開番号】WO2010011432
(87)【国際公開日】20100128
【審査請求日】2012年4月19日
(31)【優先権主張番号】12/178,516
(32)【優先日】2008年7月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511020003
【氏名又は名称】マージューブ,エー,ラティフ
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】マージューブ,エー,ラティフ
【審査官】
▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−240878(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/010994(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/011000(WO,A1)
【文献】
特開2000−336372(JP,A)
【文献】
特開2004−243281(JP,A)
【文献】
特開2008−260832(JP,A)
【文献】
特開2007−237135(JP,A)
【文献】
MICHIEL J.A. TIJMENSEN,EXPLORATION OF THE POSSIBILITIES FOR PRODUCTION OF FISCHER TROPSCH LIQUIDS AND POWER VIA BIOMASS GASIFICATION,BIOMASS & BIOENERGY,2002年,Vol.23,P129-152
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/00−99/00
C10B 1/00−57/18
C10J 1/00−3/86
B09B 1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体燃料を燃料製品に変換するシステムであり、
炭化水素を含む熱分解ガスを製造するための熱分解ユニットであって、酸素又は空気流の導入なしに操作可能である熱分解ユニットであって、前記熱分解ユニットは蒸留装置を含み、前記蒸留装置は、蒸留装置内を固体燃料が移動するように構成された螺旋搬送装置1以上を含み、前記蒸留装置は密閉され、かつ操作中に蒸留装置内に空気が入り込むのを防ぐように構成されたエアータイトの入り口バルブと出口バルブとを備える、熱分解ユニット、
前記熱分解ガスを水素と一酸化炭素との混合物を含む合成ガスに変換する合成ガス製造ユニット、及び
前記合成ガスを燃料製品に変換するための気-液変換ユニット
を含むシステム。
【請求項2】
前記熱分解ユニットが、連続熱分解ユニットである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記合成ガス製造ユニットが、スチームリフォーマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記気-液変換ユニットが、フィッシャー・トロプシュシステムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱分解ガスから汚染物を除去するために、さらに熱分解ガス清浄化ユニットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記熱分解ガス清浄化ユニットが、二酸化炭素除去ユニットを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記熱分解ガス清浄化ユニットが、硫化水素除去ユニットを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記合成ガスからの汚染物を除くための合成ガス清浄化ユニットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記合成ガス清浄化ユニットが、硫化水素除去ユニットを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
フィード前処理ユニットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記連続熱分解ユニットが、低NOx排出バーナーを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記固体燃料が、都市固体廃棄物、都市スラッジ、バイオソリッド、ゴム、プラスチック、石炭、有機廃棄物又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記燃料製品が、液体、気体又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記液体燃料が、ディーゼル、ガソリン、ジェット燃料、アルコール、メタン又はそれらの混合物を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
固体燃料を燃料製品に変換する方法であって、以下のステップ:
固体燃料を低二酸化炭素熱分解ガスに熱分解するステップであって、前記熱分解は酸素もしくは空気流の導入なしに行われ、及び前記熱分解は蒸留装置内で行われ、前記蒸留装置は、蒸留装置内を固体燃料が熱分解されながら移動するように構成された螺旋搬送装置1以上を含み、前記蒸留装置は密閉され、かつ操作中に蒸留装置内に空気が入り込むのを防ぐように構成されたエアータイトの入り口バルブと出口バルブとを備える、ステップ、
前記低二酸化炭素熱分解ガスを合成ガスにリフォーミングするステップ、及び
前記合成ガスを前記燃料製品に変換するステップ、
を有する方法。
【請求項16】
前記固体燃料が、都市固体廃棄物、都市スラッジ、バイオソリッド、ゴム、プラスチック、石炭、有機廃棄物又はそれらの組み合わせである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記低二酸化炭素熱分解ガスから汚染物を除去することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記合成ガスからの汚染物を除去することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記燃料製品が、液体又は気体である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記燃料製品が、ディーゼル、ガソリン、ジェット燃料、アルコール、メタン又はそれらの混合物である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
固体燃料を熱分解するステップが、連続的間接火炎熱分解を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記低二酸化炭素熱分解ガスをリフォーミングするステップが、スチームリフォーマーを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記合成ガスを変換するステップが、フィッシャー・トロプシュ反応装置を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記汚染物が、H2S、COS、CO2、SO2又はそれらの混合物を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
汚染物を除去することが、前記熱分解ガスを洗浄することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
汚染物を除去することが、H2S、COS、CO2、SO2又はそれらの混合物を含む汚染物を洗浄し、回収することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
さらに前記固体燃料を前処理することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体を燃料に変換するシステム及び方法に関し、特に、都市固体廃棄物、バイオソリッド、廃ゴム及びプラスチック、スラッジ、木材、ウッドチップ及び石炭を合成ガスに変換し、そしてその合成ガスを液体又は気体燃料に変換するステップ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物から液体燃料への種々のプロセスは現在市場で利用可能であり、これはフィッシャー・トロプシュプロセス(「F-Tプロセス」)の実施態様を利用するものである。F-Tプロセスは、触媒化学反応であり、合成ガス(一酸化炭素と水素の混合物)が、種々の形の液体炭化水素へ変換される。合成ガスは、種々の原料から生成されるが、限定されるものではないが、天然ガス、石炭、廃棄又はいかなる形でも炭化水素が含まれる。F-Tプロセスの反応は次を含んでいてもよい。
CH
n + H
2O―>(n/2 +1) H
2 + CO (合成ガス生成)
2n H
2 + CO―>-(CH
2-)
n- + H
2O (F-T 反応)
多くの知られた廃棄物から液体燃料へのプロセスは、高圧での直接火炎ガス化を含み、一方で蒸気の存在下で合成ガスを生成するものである。この化学反応は、酸素の添加を含み、次の化学式で表される。
2C +H
2O +O
2―>CO
2 +H
2 +CO
上で示すように、炭素の約50%は燃焼されCO
2になる。それにより大量のCO
2排出を生じる。廃棄物及び固体燃料の直接燃焼の結果として、そのガスは又、窒素酸化物や硫黄酸化物の有害物質の排出を含む。これらの知られた方法の不利益な点のひとつは、結果得られるガスが窒素及びCO
2で希釈され、これを直接燃焼させることが困難であるということである。又、結果得られるガスを液体燃料の製造のために清浄化することは非常に費用のかかることである。さらには、固体ガス化は灰を生み出し、捕集、分離及び処理しなければならない。
【0003】
それゆえ、廃棄物/固体燃料から液体燃料へのシステムであって、伝統的なフィッシャー・トロプシュ方法とは異なり、酸素又は空気の不存在下で熱分解を行うことによるシステムの強い要求がある。その結果として本代表的プロセスは、廃棄物/固体燃料をH
2及びCOの合成ガスに変換する熱分解プロセスと、合成ガスを触媒プロセスに供して液体燃料又は他のガスを生成するリフォーミングプロセスとの両方において、低レベルでCO
2が生成する。ここで記載されたプロセスは、合成ガス流中に少量の灰と炭素粒子を生じるだけであり、非常にクリーンであり、高カロリー価を有する。代表的な熱分解プロセスは、酸素又は空気の不存在下で起こり、結果として、窒素酸化物や硫黄酸化物の排出が減少する。ガス化される物質の硫黄含有量に依存してある量のH
2Sは形成され得るが、それは後に、例示するシステムにおいて最終的なリフォーミングプロセスに先立ってガスから除去される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、固体を燃料に変換するシステム及び方法を提供する。
【0005】
本発明の実施態様は、固体燃料から液体又は気体燃料への変換のシステムを教示し、そのシステムは、炭化水素熱分解ガスを生成する熱分解ユニットと、前記熱分解ガスを合成ガス(水素及び一酸化炭素の混合物)へ変換するための合成ガス製造ユニットと、前記合成ガスを燃料に変換する気-液変換ユニットとを含む。前記熱分解ユニットは、連続的熱分解ユニットを有してよい。ひとつの実施態様においては、前記合成ガス製造ユニットはスチームリフォーマーであり、前記気-液変換ユニットはフィッシャー・トロプシュシステムである。このシステムは又、熱分解ガス清浄化ユニットを含み、熱分解ガスから汚染物を除去するために、二酸化炭素除去ユニット及び/又は硫化水素除去ユニットを含む。他の実施態様においては、このシステムは、合成ガスから汚染物を除去するために、硫化水素除去ユニットを含む合成ガス清浄化ユニットを含む。このシステムは又、フィードの前処理ユニットを含んでいてよい。連続的熱分解ユニットは、低NOx排出バーナーであり得る。固体燃料は、都市固体廃棄物、都市スラッジ、バイオソリッド、ゴム、プラスチック、石炭、有機廃棄物、無機廃棄物又はそれらの組み合わせ物であり、液体燃料は、ディーゼル、ガソリン、ジェット燃料、アルコール、メタン又はそれらの混合物があり得る。
【0006】
他の実施態様は、固体燃料を液体又は気体燃料に変換する方法である。この方法は、次の工程を含む。熱分解により固体燃料を低一酸化炭素熱分解ガスにし、この低一酸化炭素熱分解ガスを合成ガスにリフォームし、その合成ガスを液体燃料に変換する。固体燃料は、都市固体廃棄物、都市スラッジ、バイオソリッド、ゴム、プラスチック、石炭、有機廃棄物、無機廃棄物又はそれらの組み合わせ物である。この方法は、低一酸化炭素熱分解ガス及び/又は合成ガスから汚染物の除去を含むことができる。液体燃料は、ディーゼル、ガソリン、ジェット燃料、アルコール、メタン又はそれらの混合物であり得る。ひとつの実施態様においては、固体燃料の熱分解は、連続的間接的火炎熱分解によることができる。スチームリフォーマーが、低一酸化炭素熱分解ガスをリフォームすることができる。フィッシャー・トロプシュ反応装置が前記合成ガスを変換する。ひとつの実施態様においては、汚染物としては、H
2S,COS,CO
2,SO
2又はそれらの混合物があり得る。これら汚染物は、熱分解ガスを洗浄(スクラブ)して回収して除去され得る。ひとつの実施態様においては、この方法は又、固体燃料の前処理を含んでいてよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本出願の実施態様が、添付する図面で例示する方法で説明される。図面中の参照番号は類似の要素を示す。
【
図1】
図1は、本発明の代表的実施態様による、都市固体廃棄物、バイオソリッド、廃ゴム及びプラスチック、スラッジ及び石炭を、液体燃料に変換するシステム及びプロセスのフローダイヤグラムを例示する。
【
図2】
図2は、ガス化スキッドの詳細なフローダイヤグラムのひとつの実施態様を示す。
【
図3】
図3は、液化スキッドの詳細なフローダイヤグラムのひとつの実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本出願は、種々の固体であって、限定するものではないが都市固体廃棄物、バイオソリッド、廃ゴム及びプラスチック、スラッジ及び石炭を、ディーゼル燃料、ガソリン、ジェット燃料、メタノール、エタノール、他のアルコール又は単にメタンへと変換するための代表的実施態様を記載する。スラッジとは、この技術分野においてよく知られており、バイオソリッドを含む、産業、水処理又は廃水処理から出てくる半固体残渣物質である。都市固体廃棄物(MSW)、スラッジ及び石炭は、本出願においてはまとめて、「固体燃料」として参照される。この技術分野における熟練者に理解されるように、本出願の代表的実施態様はこれらの固体に限定されるものではなく、他の種々の個体、例えばMSW、林業や農業廃棄物のような有機廃棄物、プラスチック、ゴム及び石炭のような無機廃棄物などが、本出願にかかるシステム及び方法を用いて、液体燃料に変換されることができる。
【0009】
代表的システム及び方法は、
図1、2、3を参照して説明される。
図1に示されるように、本システムは、熱分解ユニット10、熱分解ガス清浄化ユニット20、合成ガス製造ユニット30、合成ガス清浄化ユニット40、及び気体から液体を製造する、気-液変換ユニット50を含む。ひとつの実施態様においては、フィード処理ユニット60が又含まれる。本発明において使用されるプロセスの基本的配置は、
図1で示されるフロースキームを参照して容易に理解される。
図1及びこの説明では、多くのポンプ、コンプレッサー、レシーバ、コンデンサー、リボイラーなどの装置及び他のよく知られたプロセス装置物については、本発明の説明を簡単にするために図示されていない。ひとつの実施態様においては、システムは、ガス化スキッドと、液化スキッドを含む。
図2、3は、好ましい実施態様であって、ガス化スキッドと液化スキッドに好ましい次のような装置が配置される。すなわち、熱分解ユニット10、熱分解ガス清浄化ユニット20、合成ガス製造ユニット30、合成ガス清浄化ユニット40及びガスを液体化するユニット50である。ひとつの実施態様においては、このガス化スキッドは、熱分解ユニット10及び熱分解ガス清浄化ユニット12、及び液化スキッドは、合成ガス製造ユニット30、合成ガス清浄化ユニット40及び気-液変換ユニット50を含む。
【0010】
図1に示されるように代表的方法は、固体燃料110が熱分解ユニット10にフィードされる。固体燃料110は、都市廃棄物、バイオソリッド、廃ゴム及びプラスチック、都市スラッジ、石炭、有機物又はそれらの組み合わせた物であり得る。
【0011】
ひとつの実施態様においては、熱分解ユニット10は、蒸留装置及び分離装置を含む。好ましい実施態様において、この蒸留装置は密閉され、エアータイトの入り口バルブと出口バルブを有し、空気が熱分解ユニット内に操作中入らないようにする。
【0012】
好ましい実施態様においては、蒸留装置は、American Combustion Technologies, Inc. (Paramount, CA)製である。固体燃料110が上流装置に入ると、間接加熱が、1又はそれ以上のガスバーナーにより供給され、固体燃料110が蒸気を含む熱分解ガス120に集められる。
【0013】
本出願のひとつの例示的実施態様において、熱分解ユニットの温度は、800°Fから約1300°Fであり、負圧が−0.20"から約−1.00" 水柱(W.C.)に維持される。
【0014】
好ましい実施態様においては、1又はそれ以上のバーナーが、低NOx排出タイプのバーナーであり、特に燃焼を通じて30及び9ppmより少ないNOx排出に適合するAHS又はSLEシリーズである。これはAmerican Combustion Technologies, Inc. (Paramount, CA)から入手可能である。
【0015】
好ましい実施態様においては、1又はそれ以上のバーナーが、天然ガス、プロパンガス又は熱分解油で駆動されている。好ましい実施態様においては、1又はそれ以上のバーナーが、South Coast Air Quality Management District requirements要求に適合するものである。
【0016】
ひとつの実施態様において、固体燃料110は、ステンレススチール製の螺旋搬送装置を用いて蒸留装置内を移動する。螺旋搬送装置の速度は、蒸留装置を通るトラベルタイムをガス化される固体燃料110の特定のタイプにより異なるように制御される。代表的実施態様においては、トラベルタイムは約1時間である。
【0017】
蒸留装置において固体燃料110からガスと水が蒸発し、分離装置を通り、ガス流から液体、粒子及びスラッジが分離される。ひとつの好ましい実施態様において、分離装置はサイクロン分離装置である。サイクロン分離装置はこの技術分野ではよく知られており、それゆえ本出願では詳しくは記載しない。サイクロン分離装置は、99.9%のすべての遊離の液体及び固体について約5ミクロン又はそれより大きいものを除き、ファルテン及び硫化鉄のような固体を除くために有効である。集められた固体の大部分は、炭素であり量はそれほど多くはない。
【0018】
ひとつの実施態様において、熱分解ユニット10を出て、熱分解ガス120は熱分解清浄化ユニット20に入る。そこで汚染物が除かれ、処理ガス130が製造される。汚染物は、限定されるものではないが、灰(タールスラッジ及び粒子を含む)、硫化水素(H
2S)、硫化カルボニル(COS)、二酸化炭素(CO
2)及びそれらの混合物である。熱分解ガス清浄化ユニット20は、いくつかの例示されるサブシステムを含んでいてよい。例えば限定されるものではないが、粒子除去サブシステム、乾燥サブシステム、ガス移動サブシステム及びCO
2/H
2S除去サブシステムである。
【0019】
ひとつの実施態様において、粒子除去サブシステムは、ベンチュリ分離装置である。ベンチュリ分離装置は、ガスと混合されているいかなるダストをも除去するための洗浄システムとして作用する。ベンチュリ分離装置は又、存在する場合水蒸気及びほとんどのSO
2及びCOSを洗浄プロセスの間に熱分解ガスから分離する。ガスがH
2Sを含む場合、いくらかのH
2Sはベンチュリ分離装置で除かれるであろうが、いくらかのH
2Sは、以下に詳しく説明するが、CO
2/H
2S除去サブシステムで除去されるであろう。ベンチュリ分離装置又はスクラバーはこの技術分野ではよく知られており、通常、ベンチュリ形状の入り口と分離装置からなる。好ましい実施態様において、ベンチュリ分離装置は、American Combustion Technologies, Inc. (Paramount, CA)製のものである。
【0020】
ひとつの実施態様において、粒子除去サブシステムを出た後、ガスは、コンデンサー/デミスターであり得る乾燥サブシステムを通る。これはガスからすべての液体を分離するための熱交換装置として運転されることができる。コンデンサー/デミスターはこの技術分野においてよく知られておりしたがって本出願では詳しく説明しない。
【0021】
ひとつの実施態様において、乾燥サブシステムから出た後、ガスはガス移動装置サブシステムへ入る。ガス移動サブシステムは、真空ブロワー、中間ガスタンク、ガスコンプレッサー、後冷却装置、又はそれらの組み合わせ物を含むことができる。これらはこの技術分野においてよく知られておりしたがって本出願では詳しく説明しない。
【0022】
ひとつの実施態様において、ガス移動サブシステムから、圧縮されたガスはCO
2/H
2S除去サブシステムへ入る。熱分解ユニット10は、約1%から約15%であり多量のCO
2は生成しないが、CO
2/H
2S除去サブシステムはさらに、CO
2排出を約0.1%から3%へと減少させる。好ましい実施態様において、CO
2/H
2S除去サブシステムは又、H
2Sの量を7ppbよりも小さく減少させる。
【0023】
ひとつの実施態様において、CO
2/H
2S除去サブシステムは、アミンスクラバー、アミンフラッシュタンク、硫黄沈殿ユニット、硫黄ストリッパー、飽和装置又はこれらのいかなる組み合わせを含んでいてよい。これらはこの技術分野においてよく知られておりしたがって本出願では詳しく説明しない。熱分解ガス清浄化ユニットの後、処理ガス130は約0から7ppbのH
2S、及び0から3%のCO
2を含むが、これらは捕集され貯蔵されることができる。熱分解ユニット10又は熱分解ガス清浄化ユニット20では水は全く廃棄されていないことに注目すべきである。過剰な水は再回収され、清浄化され、サブシステムで再使用される。
【0024】
本出願の代表的実施態様において、処理ガス130は、温度約350°F、圧力約50psigで蒸気飽和される。ひとつの実施態様において、蒸気の圧力幅は約120psigから200psigである得る。飽和処理されたガス130は、通常H
2/CO比が2:1、3:1、及び4:1を持つ合成ガス140を生成する。H
2/CO比は、最終製品への要求に応じて1から6の範囲であり得る。ひとつの実施態様において、処理ガス130は、例えば約1600°F又は少しそれより高い温度で予熱され、150psiの圧力を持ち、合成ガス製造ユニット30にて、炭化水素がリフォームされCOと水素となる。
【0025】
この技術分野の熟練者において、合成ガス製造ユニット30でのスチームリフォーミングには、処理ガス130と蒸気により、水素、一酸化炭素、メタン及び二酸化炭素が形成されることは理解されるであろう。一般的に、スチームリフォーミングによる炭化水素リフォーミングは、多量の吸熱反応を含む。ひとつの実施態様において、合成ガス製造ユニット30は固定床反応装置を含む。他の実施態様においては、合成ガス製造ユニット30はスラリー反応装置を含む。合成ガス製造ユニットには、適正な量の水が供給されるべきである。水を少量使用することは、低H
2製造及び重質液体燃料が気体から液体へ変換する製造ユニット50で生成される結果となる。多量の水蒸気投入は、高いレベルのH
2製造となるが、これは後ほど、CO
2をCOに戻すリフォームする際に使用される。
CO
2+H
2−>CO +H
2O
合成ガス140の中にH
2が少量であることは又、合成ガス製造ユニット30での過剰水が欠乏していることを示すことができる。蒸気は、合成ガス製造ユニット30にある固定床反応装置の触媒上の炭素形成抑制を助ける。炭素形成は触媒を最終的に脱活性化させる。固定床反応装置のひとつの実施態様において、少量の溶媒を合成ガス製造ユニット30に導入して、触媒寿命を増加させ、炭素形成による汚染を抑制する。
【0026】
合成ガス製造ユニット30での条件は、均一な合成ガスのCOとH
2組成を得るためにモニターされる。ひとつの実施態様においては、COとH
2は分離され、均一な合成ガス組成を得るため後ほどあらかじめ決められた比となるように再混合される。合成ガス140の形成は次の反応式による。
CH
4 +H
2O−>CO + 3(H
2)
C
2H
6 +2(H
2O)−>2(CO) +5(H
2)
このプロセスは、例えば処理ガス130のすべての炭化水素に適用される。
【0027】
合成ガス140は、いくらかの窒素を含んでいてよい。窒素の量は非常に低く、除去される必要はないかもしれない。しかし、気-液変換ユニット50に先立って、窒素を取り出すならば、燃料製品160には液体製品に関しては窒素は含まれない。ひとつの実施態様において、合成ガス140は、合成ガス清浄化ユニット40で処理され、処理合成ガス150を生成する。ひとつの実施態様において、合成ガス清浄化ユニット40は、合成ガス140から汚染物を除去する。代表的実施態様において、合成ガス清浄化ユニット40は、残留するH
2Sを除くために酸化鉛床を含む。
【0028】
ひとつの好ましい実施態様において、処理合成ガス150は、気-液変換ユニット50で加圧され、加熱される。2つの反応装置を用いる場合、第1の反応装置圧力は約300から1000psig、より好ましくは約500から750psigであり、温度は600°Fより低い。好ましい実施態様においては、第1の反応装置は、約520°Fの温度で運転される。第1の反応装置の後、ガスは冷却され、300から1000psigへと加圧される。加圧されたガスは、その後加熱され、第2の反応装置を通る。ひとつの実施態様においては、第1の反応装置はスラリー反応装置であり、ここでコバルト又は鉄酸化物触媒が供給され、温度は液体製品を最適化するために一定に維持される。ひとつの実施態様においては、50%ワックスがスラリー反応装置で生成され、これはさらに水素化により処理してディーゼル燃料にされ得る。ひとつの実施態様においては、このワックスは炭素数40よりも大きい成分を含む。ひとつの好ましい実施態様においては、スラリー反応装置は、300psigから500psigの圧力で、約430から約460°Fの温度範囲で運転される。
【0029】
ひとつの実施態様において、第2の反応装置は、ニッケル系触媒を供給する。これはフィードする水素と一酸化炭素の比によってアルコール及びメタン形成を増加させる。ひとつの実施態様において、第2の触媒は、アルコールを脱水してディーゼル又は軽質液体燃料にするために必要である。又は別の実施態様においては、鉄又はコバルト酸化物触媒が、ディーゼル又は軽質液体燃料を製造するために使用することもできる。
【0030】
合成ガス製造ユニット30でH
2とCOの比を変更することは、気体から液体へ変換する製造ユニット50からの燃料製品160に影響を与え、気体から液体へ変換する製造ユニット50で使用されるガス圧力と、温度及び触媒タイプに依存する。燃料製品160は、ガソリン、ジェット燃料、アルコール及びディーゼル燃料に、蒸留塔(図示されていない)で分離する。ひとつの実施態様において、燃料製品160は、気体であってもよい。燃料製品160の燃料の製造の基本的範囲は、概ね次の通りである。
ディーゼル燃料 70%
ガソリン、ジェット燃料及び溶媒 20%
酸化物(CH
3OH等) 10%
ひとつの実施態様において、燃料製品160が適切に分離された後は、それらを標準燃料として評価するためにさらなる処理は必要ない。ひとつの実施態様において、燃料製品160は、CO
2とH
2の反応で生成された結果か、反応中凝縮しなかった蒸気部分からの結果によるか、水をいくらか含むかもしれない。この水は、燃料から分離され、及び燃料はさらに清浄化され使用の前に分離される。水の分離処理は、単純であり、フラッシュ分離処理によるか、蒸留カラムによるか、どちらでもよい。ともに慣用であり、容易に設計及びは位置することが可能である。
【0031】
ひとつの実施態様において、少なくとも70%の処理合成ガス150が、燃料製品160に変換される。好ましい実施態様において、90%以上の処理合成ガス150が、燃料製品に変換される。ひとつの実施態様において、燃料製品のより軽質炭化水素の燃料製品160は、合成ガス製造ユニット30にリサイクルされ、燃料製品160の形成を増加させることができる。
【0032】
ひとつの実施態様においては、固体燃料110は、熱分解プロセス10に入るに先立ってケーキング性を破壊するためのフィード前処理ユニット60からの生成物である。
【0033】
この技術分野において熟練者によって理解される通り、本出願はここに記載した正確な代表的実施態様には限定されず、種々の変更、変形がまた、本出願の本質又は範囲から外れることなく有効である。
【0034】
例えば、異なる説明的実施態様の要素及び/又は構成は、本開示及び特許請求の範囲の範囲に含まれる限りにおいて、おたがいに結合されてもよく、交換されてもよく、及び/又は拡張されてもよい。さらに、本出願の開示及び添付の図面を読んだ後、この技術分野の熟練者に明らかとなる改良や変更もまた本出願の本質又は範囲に含まれる。