特許第5791560号(P5791560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791560
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20150917BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20150917BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G03G21/00 388
   G03G21/14
   B41J5/30 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-91430(P2012-91430)
(22)【出願日】2012年4月12日
(65)【公開番号】特開2013-221958(P2013-221958A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2014年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】金沢 景善
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−095813(JP,A)
【文献】 特開平02−239959(JP,A)
【文献】 特開平03−121489(JP,A)
【文献】 特開平02−254529(JP,A)
【文献】 特開昭61−179752(JP,A)
【文献】 特開平09−081552(JP,A)
【文献】 特開平10−124027(JP,A)
【文献】 特開平04−062075(JP,A)
【文献】 特開2007−193657(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0171446(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 5/30
G03G 21/14
G03G 15/00
H04N 1/00
G06F 3/09
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、
ダウンロード対象のフォントの正規フォントデータをダウンロードしそのフォントのフォントデータとして前記記憶装置に記憶するフォント制御部と、
前記フォント制御部によりダウンロードされた前記正規フォントデータから、前記フォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、前記関連フォントのフォントデータとして前記記憶装置に記憶するフォント加工部と、
前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータを使用して印刷用画像データを生成する画像処理部と、
前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータを示すフォントリストと、
を備え
前記フォント加工部は、前記関連フォントが前記フォントリストに登録されていない場合、前記関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、前記関連フォントのフォントデータとして前記記憶装置に記憶し、前記関連フォントが前記フォントリストに登録されている場合、前記関連フォントの擬似フォントデータを生成しないこと、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記憶装置と、
ダウンロード対象のフォントの正規フォントデータをダウンロードしそのフォントのフォントデータとして前記記憶装置に記憶するフォント制御部と、
前記フォント制御部によりダウンロードされた前記正規フォントデータから、前記フォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、前記関連フォントのフォントデータとして前記記憶装置に記憶するフォント加工部と、
前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータを使用して印刷用画像データを生成する画像処理部とを備え、
前記フォント制御部は、前記ダウンロード対象のフォントのフォントデータが前記記憶装置に記憶されていても、記憶されている前記フォントデータが前記擬似フォントデータである場合、前記正規フォントデータをダウンロードして前記記憶装置に記憶し、その擬似フォントデータを消去することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
記憶装置と、
ダウンロード対象のフォントの正規フォントデータをダウンロードしそのフォントのフォントデータとして前記記憶装置に記憶するフォント制御部と、
前記フォント制御部によりダウンロードされた前記正規フォントデータから、前記フォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、前記関連フォントのフォントデータとして前記記憶装置に記憶するフォント加工部と、
前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータを使用して印刷用画像データを生成する画像処理部と、
前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータのフォント名を示すフォントリストと、
前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータが前記正規フォントデータか前記擬似フォントデータかを示すフォント属性情報とを備え、
前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータが前記擬似フォントデータである場合の前記フォントリストにおける前記フォント名は、前記記憶装置に記憶されている前記フォントデータが前記正規フォントデータである場合と同一であること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記ダウンロード対象のフォントは、標準体、ボールド体、イタリック体、およびボールドイタリック体のいずれか1つであり、
前記ダウンロード対象のフォントの前記関連フォントは、標準体、ボールド体、イタリック体、およびボールドイタリック体のうちの残りのいずれかであること、
を特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成装置は、フォントデータを内蔵しており、フォントデータを使用して、文字の画像データを生成し、その画像データに基づいて文字の印刷などを行う。
【0003】
フォントデータについての技術としては、フォントデータの生成方法(例えば特許文献1参照)、文字の変形を行う方法(例えば特許文献2参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−081552号公報
【特許文献2】特開平10−124027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある画像形成装置が、あるフォントのフォントデータを保持していない場合、ユーザー(管理者、サービスパーソンなどを含む)などの要求に応じて、そのフォントデータを所定のダウンロード元(所定のホスト装置など)からダウンロードする。
【0006】
印刷に要求されるにも拘わらず、ユーザーにより指定されなかったフォントのフォントデータは、画像形成装置において使用することができない。また、ユーザーに要求されたフォントのフォントデータが、そのダウンロード元に存在しない場合、画像形成装置において使用することができない。
【0007】
このように、印刷に要求されるフォントデータを、画像形成装置において使用することができない場合がある。特に、ユーザーによりダウンロード要求されたフォントが標準体のフォントである場合、ボールド体などの関連フォントが印刷に要求される可能性は高く、そのような関連フォントが画像形成装置において使用することができないと、印刷データ内で指定されても無視されたり意図しない代替フォントに置き換えられたりするため、印刷物の品質が低下する可能性がある(つまり、印刷物において、ユーザーの意図したフォントが使用されない可能性がある)。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザーにより印刷に使用される可能性の高いフォントデータが画像形成装置内に存在しないことに起因する印刷物の品質低下の発生を少なくする画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、記憶装置と、ダウンロード対象のフォントの正規フォントデータをダウンロードしそのフォントのフォントデータとして記憶装置に記憶するフォント制御部と、フォント制御部によりダウンロードされた正規フォントデータから、そのフォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、関連フォントのフォントデータとして記憶装置に記憶するフォント加工部と、記憶装置に記憶されているフォントデータを使用して印刷用画像データを生成する画像処理部とを備える。
【0011】
これにより、関連フォントのフォントデータが自動的に生成されて保存されるため、関連フォントの正規フォントデータが画像形成装置内に存在しなくても、関連フォントを使用した印刷が可能になる。したがって、ユーザーにより印刷に使用される可能性の高いフォントデータが画像形成装置内に存在しないことに起因する印刷物の品質低下の発生が少なくなる。
【0012】
また、画像形成装置は、記憶装置に記憶されているフォントデータを示すフォントリストをさらに備える。そして、フォント加工部は、関連フォントがフォントリストに登録されていない場合、関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、関連フォントのフォントデータとして記憶装置に記憶し、関連フォントがフォントリストに登録されている場合、関連フォントの擬似フォントデータを生成しない。
【0013】
これにより、関連フォントの正規フォントデータが画像形成装置内に存在する場合に、擬似フォントデータが生成され、擬似フォントデータで正規フォントデータが上書きされずに済む。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、記憶装置と、ダウンロード対象のフォントの正規フォントデータをダウンロードしそのフォントのフォントデータとして記憶装置に記憶するフォント制御部と、フォント制御部によりダウンロードされた正規フォントデータから、そのフォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、関連フォントのフォントデータとして記憶装置に記憶するフォント加工部と、記憶装置に記憶されているフォントデータを使用して印刷用画像データを生成する画像処理部とを備える。そして、フォント制御部は、ダウンロード対象のフォントのフォントデータが記憶装置に記憶されているが、記憶されているフォントデータが擬似フォントデータである場合、正規フォントデータをダウンロードして記憶装置に記憶し、その擬似フォントデータを消去する。
【0015】
これにより、ダウンロード対象のフォントのフォントデータとして擬似フォントデータが記憶されていても、正規フォントデータがダウンロードされ、ダウンロード対象のフォントのフォントデータが、擬似フォントデータから正規フォントデータへ置き換えられる。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、記憶装置と、ダウンロード対象のフォントの正規フォントデータをダウンロードしそのフォントのフォントデータとして記憶装置に記憶するフォント制御部と、フォント制御部によりダウンロードされた正規フォントデータから、そのフォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、関連フォントのフォントデータとして記憶装置に記憶するフォント加工部と、記憶装置に記憶されているフォントデータを使用して印刷用画像データを生成する画像処理部と、記憶装置に記憶されているフォントデータのフォント名を示すフォントリストと、記憶装置に記憶されているフォントデータが正規フォントデータか擬似フォントデータかを示すフォント属性情報とを備える。そして、記憶装置に記憶されているフォントデータが擬似フォントデータである場合のフォントリストにおけるフォント名は、記憶装置に記憶されているフォントデータが正規フォントデータである場合と同一である。



【0017】
これにより、画像処理部は、正規フォントデータか擬似フォントデータかを判定することなくフォントデータを使用できるため、画像処理部に要求される処理が複雑にならずに済む。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、ダウンロード対象のフォントは、標準体、ボールド体、イタリック体、およびボールドイタリック体のいずれか1つであり、ダウンロード対象のフォントの関連フォントは、標準体、ボールド体、イタリック体、およびボールドイタリック体のうちの残りのいずれかである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像形成装置において、ユーザーにより印刷に使用される可能性の高いフォントデータが画像形成装置内に存在しないことに起因する印刷物の品質低下の発生を少なくする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
図3図3は、関連フォントについて説明する図である。
図4図4は、図1におけるフォントリストおよび擬似フォントリストの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、プリンター、複合機などであって印刷機能を有する装置である。また、画像形成装置1は、外部のホスト装置2から正規フォントデータ2a(あるフォントのために予め用意されているフォントデータ)をダウンロードする機能を有する。さらに、画像形成装置1は、外部のホスト装置3から印刷データを受信し、その印刷データに基づく画像を印刷する。
【0023】
画像形成装置1は、通信装置11、記憶装置12、フォント制御部13、フォント加工部14、画像処理部15、制御部16、および印刷装置17を有する。
【0024】
通信装置11は、コンピューターネットワーク、電話回線などの通信路を介して、ホスト装置2,3とデータ通信可能な装置である。通信装置11としては、例えばネットワークインターフェイス、モデムなどが使用される。
【0025】
記憶装置12は、フォントデータを記憶するための記憶装置12であり、また、フォントリスト21および擬似フォントリスト22も記憶する。記憶装置12としては、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置、および/またはフラッシュメモリー、CF(Compact Flash)カード、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置が適宜使用される。
【0026】
フォントリスト21は、記憶装置12に記憶されているフォントデータのフォント名のリストである。
【0027】
擬似フォントリスト22は、記憶装置12に記憶されているフォントデータが擬似フォントデータであるフォントのフォント名のリストである。
【0028】
なお、記憶装置12に記憶されているフォントデータが擬似フォントデータである場合のフォントリスト21におけるフォント名は、記憶装置12に記憶されているフォントデータが正規フォントデータである場合と同一である。
【0029】
フォント制御部13は、ユーザー(管理者、サービスパーソンなどを含む)により指定されたフォントの正規フォントデータ2aを、通信装置11を使用して、ホスト装置2からダウンロードし、記憶装置12に記憶する。
【0030】
この実施の形態では、フォント制御部13は、ダウンロード対象のフォントのフォントデータが記憶装置12に記憶されていても、記憶されているフォントデータが擬似フォントデータである場合、その正規フォントデータ2aをダウンロードして記憶装置12に記憶し、その擬似フォントデータを消去する。
【0031】
フォント加工部14は、フォント制御部13によりダウンロードされた正規フォントデータ2aから、そのフォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、関連フォントのフォントデータとして記憶装置12に記憶する。
【0032】
この実施の形態において、関連フォントは、ダウンロード対象のフォントのフォントファミリー内の別のフォントである。この実施の形態では、ダウンロード対象のフォントは、標準体、ボールド体、イタリック体、およびボールドイタリック体のいずれか1つであり、ダウンロード対象のフォントの関連フォントは、標準体、ボールド体、イタリック体、およびボールドイタリック体のうちの残りのいずれかである。
【0033】
この実施の形態では、フォント加工部14は、その関連フォントがフォントリスト21に登録されていない場合、その関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、関連フォントのフォントデータとして記憶装置12に記憶し、関連フォントがフォントリスト21に登録されている場合、関連フォントの擬似フォントデータを生成しない。
【0034】
画像処理部15は、ホスト装置3から送信され通信装置11により受信された印刷データ(PDL(Page Description Language)データ)において指定されているフォントの文字から、記憶装置12に記憶されているフォントデータを使用してその文字の印刷用画像データを生成する。
【0035】
制御部16は、画像処理部15により生成された印刷用画像データに基づいて印刷装置17を制御し、印刷用画像データに基づく画像を印刷させる。
【0036】
印刷装置17は、電子写真方式などの所定の印刷方式で、画像を記録用紙上に印刷する内部装置である。
【0037】
なお、フォント制御部13、フォント加工部14、画像処理部15、および制御部16は、例えばコンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで実現される。
【0038】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0039】
図2は、図1に示す画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
まず、ユーザーによりフォントダウンロードが要求されると、フォント制御部13は、フォントリスト21を読み出し、ユーザーにより指定されたフォントのフォントデータが記憶装置12に記憶されているか否かを判定する(ステップS1)。
【0041】
指定されたフォントのフォントデータが記憶装置12に記憶されている場合、フォント制御部13は、擬似フォントリスト22を読み出し、記憶装置12に記憶されているそのフォントのフォントデータが擬似フォントデータであるか否かを判定する(ステップS2)。
【0042】
指定されたフォントのフォントデータが記憶装置12に記憶されており、記憶装置12に記憶されているそのフォントのフォントデータが正規フォントデータである場合、この処理を終了する。
【0043】
一方、指定されたフォントのフォントデータが記憶装置12に記憶されていない場合、および記憶装置12に記憶されているそのフォントのフォントデータが擬似フォントデータである場合、フォント制御部13は、指定されたフォントの正規フォントデータ2aをホスト装置2からダウンロードし(ステップS3)、そのダウンロードした正規フォントデータ2aを、そのフォントのフォントデータとして記憶装置12に記憶するとともに、フォントリスト21にそのフォントを登録する(ステップS4)。なお、このとき、擬似フォントデータが記憶されていた場合には、その擬似フォントデータは消去され、そのフォントは、擬似フォントリスト22から削除される。
【0044】
次に、フォント制御部13は、フォントリスト21を参照して、そのフォントの関連フォントのフォントデータ(以下、関連フォントデータという)が記憶装置12に記憶されているか否かを判定する(ステップS5)。
【0045】
図3は、関連フォントについて説明する図である。図3において、文字101のフォントは、標準体フォントであり、文字102のフォントは、ボールド体フォントであり、文字103のフォントは、イタリック体フォントであり、文字104のフォントは、ボールドイタリック体フォントである。標準体フォント、ボールド体フォント、イタリック体フォント、およびボールドイタリック体フォントは、互いに関連フォントである。
【0046】
そして、フォントリスト21において、ある種別(XXX)のフォントの標準体フォントのフォント名は、「XXX」とされ、そのフォントのボールド体フォントのフォント名は、標準体フォントのフォント名にボールド体を示す接尾語「_BD」が付加された「XXX_BD」とされ、そのフォントのイタリック体フォントのフォント名は、標準体フォントのフォント名にイタリック体を示す接尾語「_IT」が付加された「XXX_IT」とされ、そのフォントのボールドイタリック体フォントのフォント名は、標準体フォントのフォント名にボールドイタリック体を示す接尾語「_BDIT」が付加された「XXX_BDIT」とされる。
【0047】
つまり、ダウンロード対象のフォントの名称がXXXである場合、フォントリスト21内に、「XXX_BD」、「XXX_IT」、および「XXX_BDIT」がそれぞれ存在するか否かが判定される。
【0048】
そのフォントの関連フォントデータがすべて記憶装置12に記憶されている場合、この処理を終了する。
【0049】
そのフォントの関連フォントデータの少なくとも1つが記憶装置12に記憶されていない場合、フォント制御部13は、フォント加工部14に、関連フォントの擬似フォントデータの生成および登録を実行させる。
【0050】
フォント加工部14は、フォントデータが記憶装置12に記憶されていない関連フォントのそれぞれについて、以下の処理を実行する。
【0051】
まず、フォント加工部14は、ダウンロードされたフォントデータから、関連フォントの擬似フォントデータを生成する(ステップS6)。
【0052】
なお、図3に示すフォントからわかるように、標準体からボールド体への変換は、文字を構成する線の幅を太くすることで実現可能である。また、標準体からイタリック体への変換は、文字をシアー処理することで実現可能である。
【0053】
そして、フォント加工部14は、生成した関連フォントの擬似フォントデータを、関連フォントデータとして記憶装置12に記憶するとともに、フォントリスト21および擬似フォントリスト22の両方に、関連フォントを登録する(ステップS7)。
【0054】
図4は、図1におけるフォントリストおよび擬似フォントリストの例を示す図である。
【0055】
例えば、「TESTFONT」という標準体フォントのフォントデータがダウンロードされ、その関連フォントである「TESTFONT_BD」、「TESTFONT_IT」、および「TESTFONT_BDIT」の擬似フォントデータがそれぞれ生成され記憶された場合、フォントリスト21および擬似フォントリスト22は、図4(A)に示すようになる。
【0056】
その後、例えば、「TESTFONT_BD」の正規フォントデータがダウンロードされると、ステップS4において、「TESTFONT_BD」の擬似フォントデータは記憶装置12から消去され、「TESTFONT_BD」の正規フォントデータが「TESTFONT_BD」のフォントデータとして記憶装置12に記憶されるとともに、図4(B)に示すように、擬似フォントリスト22から「TESTFONT_BD」が削除される。
【0057】
以上のように、上記実施の形態によれば、フォント制御部13は、ダウンロード対象のフォントの正規フォントデータ2aをダウンロードしそのフォントのフォントデータとして記憶装置12に記憶する。フォント加工部14は、フォント制御部13によりダウンロードされた正規フォントデータ2aから、そのフォントの関連フォントの擬似フォントデータを生成し、その擬似フォントデータを、関連フォントのフォントデータとして記憶装置12に記憶する。そして、画像処理部15は、記憶装置12に記憶されているフォントデータを使用して印刷用画像データを生成する。
【0058】
これにより、関連フォントのフォントデータが自動的に生成されて保存されるため、関連フォントの正規フォントデータが画像形成装置内に存在しなくても、関連フォントを使用した印刷が可能になる。したがって、ユーザーにより印刷に使用される可能性の高いフォントデータが画像形成装置1内に存在しないことに起因する印刷物の品質低下の発生が少なくなる。
【0059】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0060】
例えば、上記実施の形態において、ダウンロード対象のフォントがセリフ体の場合、対応するサンセリフ体のフォントを関連フォントに含めるようにしてもよい。同様に、ダウンロード対象のフォントがサンセリフ体の場合、対応するセリフ体のフォントを関連フォントに含めるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、通信路を介して正規フォントデータ2aをダウンロードしているが、画像形成装置1に接続された記憶媒体から正規フォントデータ2aをダウンロードするようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態において、フォントは、アウトラインフォントでもよいし、ビットマップフォントでもよい。
【0063】
また、上記実施の形態におけるホスト装置2とホスト装置3は同一の装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えば、複合機、プリンターなどの画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
12 記憶装置
13 フォント制御部
14 フォント加工部
15 画像処理部
21 フォントリスト
22 擬似フォントリスト(フォント属性情報の一例)
図1
図2
図3
図4