(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
燃料タンク用のバルブアセンブリが提供される。バルブアセンブリは、ハウジングを含んでいる。ハウジングの一部は、少なくとも部分的
に燃料タンクの外側に配置されている。ハウジングは、気体通路も形成する。膜が気体通路を覆うように、膜がハウジングに支持されている。膜は、気体が膜を通過するのを許容し、液体が膜を通過するのを防止する。流量制御機構は、気体通路を通る気体を可変流にすることにより、流量制御を補助する。膜に接触するよう押し寄せる液体の量を減少させるには、液面動揺ガードが有効である。
【0004】
ハウジングは
、燃料タンクの外側に少なくとも部分的に配置される気体回収ハウジング部分と、燃料タンク内に少なくとも部分的に配置される燃料タンクハウジング部分とを含んでいる。
【0005】
さらに、キャリアがハウジングに固定されている。膜が気体通路を覆うようにキャリアに取り付けられ、キャリア開口がキャリアによって形成されて、気体の通過を許容し、且つ、液体の通過を防止している。
【0006】
本発明の上述した特徴と利点、並びに、他の特徴と利点は、添付の図面と関連させれば、以下の本発明を実施するための最良の形態の詳細な記載から容易に明白となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図を参照すると、同様の構成要素には同様の参照番号が付されており、
図1には、燃料タンク12に取り付けられたバルブアセンブリ10が示されている。バルブアセンブリ10は、ハウジング14を有している。第1ハウジング部分16は、主に燃料タンク12の中に配置されている。第2ハウジング部分18は、主に燃料タンク12の外側に配置されている。ハウジング14はまた、ガス抜き開口としても参照され、気体出口22と燃料連絡する気体通路20も形成している。気体出口22は、気体回収キャニスタ(図示していない)またはタンク12の外側の他の行き先に通じている。
【0014】
第1ハウジング部分16は、燃料タンク12のタンク孔24に挿入されている。第1ハウジング部分16はまた、タンクの内部と連絡する通路に外部から取り付けることもできる。第1ハウジング部分16は、バルブアセンブリ10全体がタンク孔24を通って燃料タンク12内に入り込むのを防止するために、燃料タンク12の外側に配置されるフランジ26を含んでいる。第2ハウジング部分18は、ハウジング14の気体回収側として時折参照される。第2ハウジング部分18は、第1ハウジング部分16にフランジ26で固定されている。キャリア(carrier)28は、第1ハウジング部分16と第2ハウジング部分18との間に配置されている。第2ハウジング部分18を第1ハウジング部分16に固定することにより、キャリア28がハウジング14に保持される。
【0015】
図2はキャリア28の拡大断面図を示したものであり、
図3は
図1のキャリア28の底面図を示したものである。少なくとも一つのフィンガ32が本体30から上方に突出している。フィンガ32は、キャリア28がハウジング14に組みつけられるとき、第2ハウジング部分18の凹部34(
図1に示されている)と一致する。上述し、また、
図1に示したように、本体30は、バルブアセンブリ10が組み立てられたときに、第1ハウジング部分16と第2ハウジング部分18との間に固定される。キャリア28の環状形状は、燃料タンク12内の気体が気体通路20(
図1に示されている)を通ってガス抜きをすることができるキャリア開口36を形成している。膜38は、キャリア28に固定されて、キャリア開口36全体を覆うよう延びている。膜38は、気体が膜38を通過することができるが、液体が通過するのを防止することができる材質である。膜は、第2ハウジング部分18に溶着、接着、ヒートシーリング、インサート成形、あるいは他の手法により、キャリア28に固定することができる。この技術分野の熟練者であれば、特にキャリア28と膜38との配置に必要とされる適当な付属品が分かるであろう。
【0016】
キャリア28は、少なくとも一つの流量制御機構39を含んでいる。この実施の形態における流量制御機構39は、デフレクタ40である。膜38が液体に晒されるので、液体は、膜を通る気体の流動度を遅らせることができる。このように、デフレクタ40は、液体が膜38に到達するのを阻止して気体の膜38を通る流動度を所定のレベルに維持する。
【0017】
デフレクタ40は、キャリア28の本体30から下方に且つ内側に延びている。デフレクタ40は、少なくとも一つの偏向開口(deflector opening)42を形成しているが、複数の偏向開口を形成することもできる。デフレクタ40は、膜38と気体通路20から液体を遠ざけるのを補助する一方で、偏向開口42は、気体がデフレクタ40を通過して膜38を通って燃料タンク12に流出するのを許容する。偏向開口42の大きさと設ける数は、一度に通すことができる気体の最大量を制御するよう設定することができる。さらに、デフレクタ40は、いくつかの素材の層を含み、様々な位置でデフレクタ40の各層に偏向開口42を有することができる。このことは、気体通路を蛇行させて、膜38から液体を遠ざけるように偏向させるのをさらに補助する。
【0018】
キャリア28は、デフレクタ40から上方に延びる複数のリブ44を含むこともできる。これらのリブ44は、デフレクタ40に放射状に配置するこができ、膜38のサポートとなってデフレクタ40の強化を補助する。これに加えて、流量制御機構39は、一度に燃料タンク12へ排出することができる気体の最大量を制御するようキャリア開口36の大きさを最適化することを含むことができる。
【0019】
図4は、燃料タンク12(
図1に示されている)に使用するためのキャリア128を有するバルブアセンブリ110の第2の実施の形態を示したものである。キャリア128は、ハウジング114に取り付けられている。キャリア128は、本体130を含んでいる。少なくとも一つのフィンガ132がキャリア128から上方に突出して、キャリア128をハウジング114に固定するのを補助している。本体130には、キャリア開口136が形成されている。膜138は、本体130に固定されて少なくともキャリア開口を覆っている。膜138は、キャリア開口136よりも大きくすることができる。キャリア開口136の大きさは、ハウジング114を通って気体通路120に流れる気体の最大目標値に基づいて決定することができる。
【0020】
膜138は、一般に平坦な膜体として示されている。しかしながら、膜138は、シリンダ状やヒダ状として膜138の表面領域を拡大させることもできる。この技術分野の熟練者であれば、特にバルブアセンブリ110に配置される膜138の適当な形状がわかるであろう。
【0021】
バルブアセンブリ110用の流量制御機構139は、ヘッドバルブ(head valve)である。流量制御機構139は、ディスク(またはプレート)146を含んでいる。ディスク146は、気体通路120内のキャリア128の上方に配置されている。ディスク146は、燃料タンク12(
図1に示されている)を出る気体が通過するディスク開口148を形成している。ディスク開口148は、キャリア開口136よりも直径が小さく、タンク内に付与される圧力で流量を制御し得る大きさを有している。燃料タンク12内の圧力が所定のレベルに達すると、ディスク146は、図に示したように浮き上がってキャリア138から離れる。気体は、矢印Vで示したように、ディスク開口148とディスク146の側部の周囲とを通って出ることができる。フィンガ132は、ディスク146がキャリア128に対して正しい位置に案内するのを補助する。気体が燃料タンク12から出ると、燃料タンク12内の圧力が下がり、ディスク146がキャリア128の静止位置に戻る。気体は、ディスク開口148を通って燃料タンクから出ることができるが、再びディスク146がキャリア128から浮き上がるレベルに圧力が上がるまでは、ディスク146の周囲を通って出ることはない。
【0022】
キャリア128は、本体130から下方に延びるフランジ突起150も含んでいる。フランジ突起150は、キャリア128に対する膜138の取り付けを補助している。膜138は、溶着、接着、ヒートシーリング、インサート成形、あるいは他の手法により取り付けることができる。この技術分野の熟練者であれば、特にキャリア128と膜138との配置に必要とされる適当な付属品が分かるであろう。
【0023】
図5は、バルブアセンブリ210の別の実施の形態を示したものである。バルブアセンブリ210は、ハウジング214を有している。バルブアセンブリ210は、気体を流通させるために、少なくとも一つの通路242A、242Bを形成する機構を備えたハウジング214を有している。ハウジング214は、燃料タンク(図示していない)と接している。
【0024】
膜238は、ハウジング214に固定されており、少なくとも第1ハウジング
開口242Aと第2ハウジング
開口242Bを覆っている。第1ハウジング
開口242Aと第2ハウジング
開口242Bの大きさは、ハウジング214を通り、ハウジングによっても形成される気体通路220に流れる気体の最大目標値に基づいて決定することができる。膜238は、一般に平坦な膜体として示されている。しかしながら、膜238は、シリンダ状やヒダ状として膜238の表面領域を拡大させることもできる。この技術分野の熟練者であれば、特にバルブアセンブリ210に配置される膜238の適当な形状がわかるであろう。
【0025】
バルブアセンブリ210用の流量制御機構239は、第2ハウジング
開口242B内に配置されたボール246を含むヘッドバルブである。ボール246は、ハウジング214の上に配置されており、気体通路220と第2ハウジング
開口242B内に部分的に位置している。第2ハウジング開口242Bは、ボール246をガイドし支持するために拡大部分またはテーパ部分244を有することができる。気体は、流量を制限するオリフィスを含む第1ハウジング
開口242Aを通って、燃料タンク212から出ることができる。燃料タンク内の気体の圧力が十分なレベルに達すると、図に示したように、ボール246がハウジング214から離れる。気体は、ハウジング開口242Aと、矢印Vで示したようにボール246の側部の周囲とを通って出ることができる。テーパ部分244は、ボール246がハウジング214に対して正しい位置に案内するのを補助する。気体が燃料タンクから出ると、燃料タンク内の圧力が下がり、ボール246がハウジング214上の静止位置に戻る。気体は、第1ハウジング開口242Aを通って燃料タンクから出ることができるが、再びボール246がハウジング214から離れるレベルに圧力が上がるまでは、第2ハウジング
開口242Bを通って出ることはない。
【0026】
図6は、バルブアセンブリ310の別の実施の形態を示したものである。バルブアセンブリ310は、ハウジング314を有している。第1ハウジング部分316が略燃料タンク312内に配置され、第2ハウジング部分318が略燃料タンク312の外側に配置されている。ハウジング314はまた、気体通路320も形成し、気体出口322と燃料連絡する通気開口としても参照される。気体出口322は、気体回収キャニスタ(図示していない)またはタンク12の外側の他の行き先に通じている。
【0027】
第1ハウジング部分316は、燃料タンク312のタンク孔324に挿入されている。ハウジング314は、バルブアセンブリ310全体がタンク孔324を通って燃料タンク312内に入り込むのを防止するために、燃料タンク312の外側に配置されるフランジ326を含んでいる。第2ハウジング部分318は、ハウジング314の気体回収側として時折参照される。
【0028】
ハウジング314は、キャリア328を含んでいる。膜338は、溶着、接着、ヒートシーリング、インサート成形、あるいは他の手法により、キャリア328に固定されている。この技術分野の熟練者であれば、特に膜338に必要とされる適当な付属品が分かるであろう。
【0029】
膜138は、一般に平坦な膜体として示されている。しかしながら、膜138は、シリンダ状やヒダ状として膜138の表面領域を拡大させることもできる。この技術分野の熟練者であれば、特にバルブアセンブリ110に配置される膜138の適当な形状がわかるであろう。
【0030】
キャリア328は、燃料タンク312内の気体が気体通路320に出ることができるハウジング開口348を形成している。膜338は、キャリア328に固定されて、ハウジング開口348を全体にわたって覆うよう延びている。膜338は、気体が膜338を通過することができるが、液体が通過するのを防止することができる材質である。
【0031】
キャリア328は、少なくとも一つの流量制御機構339を含んでいる。図に示した実施の形態では、流量制御機構339は、一度に燃料タンク12へ排出することができる気体の最大量を制御する大きさにハウジング開口348を絞ることにより構成されている。
【0032】
さらに、流量制御機構339は、第1ハウジング部分316のソフトシャットオフ機構(soft shut off feature)を含むことができる。第1ハウジング部分316は、この場合、時折浸漬チューブ(dip tube)として参照される。第1ハウジング部分316は、燃料タンク312の中で下方に延びている。この分野の熟練者に知られているように、第1ハウジング部分316は、燃料タンクを充填する際に燃料ポンプのシャットオフを制御するエアポケットを備えることができる。図に示した実施の形態では、第1ハウジング部分316は、テーパエッジ350を第1ハウジング316の少なくとも一部の周囲に有している。さらに、第1ハウジング部分316は、燃料シャットオフ開口部352を形成している。テーパエッジ350と燃料シャットオフ開口部352は、燃料タンク312が燃料を充填されるときに気体の流れを制限する。これにより、燃料タンクが充填されるときに液面動揺を調節し、したがって、膜338に到達する液体の量を最小限に抑える。テーパエッジ350と燃料シャットオフ開口部352は、一緒にまたは個別に用いられて、テーパエッジ350と燃料シャットオフ開口部352が完全に液体に沈むまで、液体のレベルが上昇するときのハウジング内への気体の流れを制限する。
【0033】
浸漬チューブに代えて、流量制御機構339は、この技術分野では知られているように、燃料ポンプで燃料シャットオフを制御するのにも用いられる第1ハウジング部分316内に配置されるフロートを含むこともできる。
【0034】
本発明を実施するための最良の形態を詳細にこれまで説明してきたが、本発明に関連する技術に熟知した者であれば、添付した請求の範囲内で本発明を実施するための実施の形態やデザインを様々に変更することが認識できるであろう。