【文献】
Jennings, Lee D. et al.,Design and synthesis of indolo[2,3-a]quinolizin-7-one inhibitors of the ZipA-FtsZ interaction,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2004年,14(6),p. 1427-1431
【文献】
Novak, Lajos et al.,Simple synthesis of (-)-octahydroindolo[2,3-α]quinolizine,Chemische Berichte,1969年,102(12),p. 3959-3962
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害または神経障害を治療することを必要とする個体における認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害または神経障害を治療するのに使用するための組成物であって、請求項1から9のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を含む組成物。
認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害または神経障害の治療において使用するための、請求項1から9のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と指示書とを含むキット。
【発明を実施するための形態】
【0033】
定義
本明細書での使用に関して、別段に明確に示されていない限り、「a」、「an」などの用語の使用は、単数または複数を指している。
【0034】
本明細書での「約」の値またはパラメーターに関する言及は、その値またはパラメーター自体を対象とする実施形態を包含(および記載)している。例えば、約Xと言及している記載には、Xそれ自体の記載が包含される。
【0035】
本明細書で使用される場合、「アミン作動性Gタンパク質共役受容体」という用語は、細胞間コミュニケーションに関与している膜貫通タンパク質のファミリーを指す。アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、生体アミンによって活性化され、7回膜貫通型らせんによって構造的に特徴付けられるGタンパク質共役受容体のスーパーファミリーのサブクラスを表す。アミン作動性Gタンパク質共役受容体には、これらに限られないが、アドレナリン作動性受容体、セロトニン受容体、ドーパミン受容体、ヒスタミン受容体およびイミダゾリン受容体が包含される。
【0036】
本明細書で使用される場合、「アドレナリン作動性受容体調節剤」との用語は、リガンドとアドレナリン作動性受容体とを結合させるか、またはそれらの結合を阻害するか、またはアドレナリン作動性受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する化合物を意図および包含する。このように、「アドレナリン作動性受容体調節剤」は、アドレナリン作動性受容体アンタゴニストおよびアドレナリン作動性受容体アゴニストの両方を包含する。一部の態様では、アドレナリン作動性受容体調節剤は、可逆的または不可逆的に、リガンドとα
1−アドレナリン作動性受容体(例えば、α
1A、α
1Bおよび/もしくはα
1D)および/もしくはα
2−アドレナリン作動性受容体(例えば、α
2A、α
2Bおよび/もしくはα
2C)とを結合させるか、またはそれらの結合を阻害し、そして/あるいはα
1−アドレナリン作動性受容体(例えば、α
1A、α
1Bおよび/もしくはα
1D)および/またはα
2−アドレナリン作動性受容体(例えば、α
2A、α
2Bおよび/もしくはα
2C)の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する。一部の態様では、アドレナリン作動性受容体調節剤は、リガンドの結合を、本明細書に記載されているアッセイにおいて決定されるように、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれか1つの値だけ阻害する。一部の態様では、アドレナリン作動性受容体調節剤は、アドレナリン作動性受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはアドレナリン作動性受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、アドレナリン作動性受容体の活性を少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれかの値だけ低減する。一部の態様では、アドレナリン作動性受容体調節剤は、アドレナリン作動性受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはアドレナリン作動性受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは約500%以上、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは約500%以上のうちのいずれかの値だけアドレナリン作動性受容体の活性を増強する。一部の態様では、アドレナリン作動性受容体調節剤は、アドレナリン作動性受容体の活性部位(例えば、リガンドへの結合部位)に結合し得る。一部の実施形態では、アドレナリン作動性受容体調節剤は、アドレナリン作動性受容体のアロステリック部位に結合し得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、「ドーパミン受容体調節剤」との用語は、リガンドとドーパミン受容体とを結合させるか、またはそれらの結合を阻害するか、またはドーパミン受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する化合物を意図および包含する。このように、「ドーパミン受容体調節剤」は、ドーパミン受容体アンタゴニストおよびドーパミン受容体アゴニストの両方を包含する。一部の態様では、ドーパミン受容体調節剤は、可逆的または不可逆的に、リガンドとドーパミン−1(D
1)および/またはドーパミン−2(D
2)受容体とを結合させるか、またはそれらの結合を阻害するか、またはドーパミン−1(D
1)および/またはドーパミン−2(D
2)受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する。ドーパミンD
2受容体は2つのカテゴリー、即ちD
2LおよびD
2Sに分類され、これらは、差異(differential)スプライシングにより単一遺伝子から形成される。D
2L受容体は、D
2Sよりも長い細胞内ドメインを有する。一部の態様では、ドーパミン受容体調節剤は、リガンドの結合を、本明細書に記載されているアッセイにおいて決定されるように、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれか1つの値だけ阻害する。一部の態様では、ドーパミン受容体調節剤は、ドーパミン受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはドーパミン受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、ドーパミン受容体の活性を少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれかの値だけ低減する。一部の態様では、ドーパミン受容体調節剤は、ドーパミン受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはドーパミン受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは約500%以上、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは約500%以上のうちのいずれかの値だけドーパミン受容体の活性を増強する。一部の実施形態では、ドーパミン受容体調節剤は、ドーパミン受容体の活性部位(例えば、リガンドへの結合部位)に結合し得る。一部の実施形態では、ドーパミン受容体調節剤は、ドーパミン受容体のアロステリック部位に結合し得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、「セロトニン受容体調節剤」との用語は、リガンドとセロトニン受容体とを結合させるか、またはそれらの結合を阻害するか、またはセロトニン受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する化合物を意図および包含する。このように、「セロトニン受容体調節剤」は、セロトニン受容体アンタゴニストおよびセロトニン受容体アゴニストの両方を包含する。一部の実施形態では、セロトニン受容体調節剤は、可逆的または不可逆的に、リガンドと5−HT
1Aおよび/または5−HT
1Bおよび/または5−HT
2Aおよび/または5−HT
2Bおよび/または5−HT
2Cおよび/または5−HT
3および/または5−HT
4および/または5−HT
6および/または5−HT
7受容体とを結合させるか、またはそれらの結合を阻害するか、または5−HT
1Aおよび/または5−HT
1Bおよび/または5−HT
2Aおよび/または5−HT
2Bおよび/または5−HT
2Cおよび/または5−HT
3および/または5−HT
4および/または5−HT
6および/または5−HT
7受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する。一部の実施形態では、セロトニン受容体調節剤は、リガンドの結合を、本明細書に記載されているアッセイにおいて決定されるように、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれか1つの値だけ阻害する。一部の態様では、セロトニン受容体調節剤は、セロトニン受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはセロトニン受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、セロトニン受容体の活性を少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれかの値だけ低減する。一部の実施形態では、セロトニン受容体調節剤は、セロトニン受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはセロトニン受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは約500%以上、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは約500%以上のうちのいずれかの値だけセロトニン受容体の活性を増強する。一部の実施形態では、セロトニン受容体調節剤は、セロトニン受容体の活性部位(例えば、リガンドへの結合部位)へ結合し得る。一部の実施形態では、セロトニン受容体調節剤は、セロトニン受容体のアロステリック部位に結合し得る。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ヒスタミン受容体調節剤」との用語は、ヒスタミン受容体に結合するか、リガンドがそれらに結合することを阻害するか、またはヒスタミン受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する化合物を意図および包含する。このように、「ヒスタミン受容体調節剤」は、ヒスタミン受容体アンタゴニストおよびヒスタミン受容体アゴニストの両方を包含する。一部の実施形態では、ヒスタミン受容体モジュレーターは、可逆的または不可逆的に、ヒスタミンH
1および/もしくはH
2および/もしくはH
3受容体に結合するか、またはリガンドがそれらに結合することを阻害するか、またはヒスタミンH
1および/もしくはH
2および/もしくはH
3受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する。一部の実施形態では、ヒスタミン受容体モジュレーターは、本明細書に記載されているアッセイにおいて決定されるように、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれか1つの値だけリガンドの結合を阻害する。一部の実施形態では、ヒスタミン受容体調節剤は、ヒスタミン受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはヒスタミン受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%のうちのいずれかの値だけヒスタミン受容体の活性を低減する。一部の実施形態では、ヒスタミン受容体調節剤は、ヒスタミン受容体調節剤で治療する前の同じ被験体での対応する活性と比較して、またはヒスタミン受容体調節剤を投与されない他の被験体での対応する活性と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは約500%以上、または約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約100%もしくは約200%もしくは約300%もしくは約400%もしくは500%以上のうちのいずれかの値だけヒスタミン受容体の活性を増強する。一部の実施形態では、ヒスタミン受容体調節剤は、ヒスタミン受容体の活性部位(例えば、リガンドへの結合部位)へ結合し得る。一部の実施形態では、ヒスタミン受容体調節剤は、ヒスタミン受容体のアロステリック部位に結合し得る。
【0040】
別段に明確に示されていない限り、「個体」は、本明細書で使用される場合、これらに限られないが、ヒト、ウシ、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、ブタおよびヒツジ動物を包含する哺乳動物を意図する。したがって、本発明は、ヒト用医薬品においてと、農業用動物および家庭内ペットでの使用を包含する獣医内容においての両方で使用することができる。個体は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害と診断されたか、その疑いのあるヒトであってよい。個体は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に関連する1つまたは複数の症状を示すヒトであってよい。個体は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に関連する変異遺伝子または異常遺伝子を有するヒトであってよい。個体は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害を遺伝的に、または他の方法で発症する素因のあるヒトであってよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」は、臨床結果を包含する有益または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果には、これらに限られないが、疾患または状態に関連する症状の緩和および/または症状の規模の低減および/または症状の悪化の予防が包含される。一変形形態では、有益または所望の臨床結果には、これらに限られないが、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に関連する症状の緩和および/または症状の程度の低減および/または症状の悪化の予防が包含される。好ましくは、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩での疾患または状態の治療は、副作用を伴わないか、またはその疾患または状態のために現在利用可能な療法に関連する副作用よりも小さい副作用を伴い、そして/または個体の生活の質を改善する。
【0042】
本明細書で使用される場合、疾患または状態の進行の「遅延」は、疾患または状態の進行の先送り、妨害、低速化、減速、安定化および/または延期を意味する。この遅延は、疾患履歴および/または治療されている個体に応じて、時間の長さが変わり得る。当業者には明らかな通り、十分または有意な遅延は、作用において、個体が疾患または状態を発症しない予防を包含し得る。例えば、アルツハイマー病の発症を「遅延」させる方法は、その方法を使用しない場合と比較した場合に、所定の時間枠における疾患発症の確率を低下させ、そして/または所定の時間枠における疾患の規模を低減する方法である。このような比較は典型的には、統計的に有意な数の被験体を用いての臨床研究に基づく。例えば、アルツハイマー病の発症は、日常的な神経検査、患者への質問、神経イメージング、血清または脳脊髄液中での特異的タンパク質(例えば、アミロイドペプチドおよびTau)のレベルの変化の検出、コンピューター断層撮影(CT)または核磁気共鳴イメージング(MRI)などの標準的な臨床技術を使用して検出することができる。同様の技術が、他の疾患および状態に関して当分野では公知である。発症はまた、当初は検出できない疾患進行を指すことがあり、発生、再発および発病を包含する。
【0043】
本明細書で使用される場合、「リスクのある」個体は、本発明の化合物で治療し得る認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害を発症するリスクのある個体である。「リスクのある」個体は、検出可能な疾患または状態を有していても有していなくてもよく、本明細書に記載の治療方法の前に検出可能な疾患を示していても示していなくてもよい。「リスクのある」とは、個体が、疾患または状態の発症と相互関係を示す測定可能なパラメーターであり、当分野で公知である1つまたは複数のいわゆる危険因子を有することを示している。1つまたは複数のこれらの危険因子を有する個体は、これらの危険因子を伴わない個体よりも疾患または状態を発症する確率が高い。これらの危険因子には、これらに限られないが、年齢、性別、人種、食餌、先行する病歴、前駆疾患の存在、遺伝的(即ち、遺伝性)問題および環境曝露が包含される。例えば、アルツハイマー病のリスクのある個体には、例えば、この疾患に罹患したことのある血縁者を有する個体および遺伝的または生化学的マーカーの分析によりそのリスクが決定された個体が包含される。アルツハイマー病に関するリスクの遺伝マーカーには、APP遺伝子における変異、詳細には、それぞれHardyおよびSwedish変異と称される717位ならびに670および671位での変異が包含される(Hardy、Trends Neurosci.、20巻:154〜9頁、1997年)。他のリスクマーカーは、プレセニリン遺伝子の変異(例えば、PS1またはPS2)、ApoE4対立遺伝子、アルツハイマー病の家族歴、高コレステロール血症および/またはアテローム硬化症である。他のこのような因子が、当分野では、他の疾患および状態で公知である。
【0044】
本明細書で使用される場合、「認知促進的(pro−cognitive)」との用語には、これらに限られないが、当分野で公知の方法により評価することができる記憶、注意、理解および/または思考などの精神的プロセスの1つまたは複数の改善が包含される。
【0045】
本明細書で使用される場合、「神経栄養性」作用との用語には、これらに限られないが、成長、生存および/または神経伝達物質合成などのニューロン機能を増強する作用が包含される。
【0046】
本明細書で使用される場合、「認知障害」との用語は、ニューロンの死を包含するニューロンの構造および/または機能の進行性の喪失を伴うか、もしくは、それに関連していると考えられるか、または実際にそれを伴うか、もしくは、それに関連している疾患および状態を指しかつ意図し、障害の中心的な特徴が、認知障害(例えば、記憶、注意、理解および/または思考)であり得る。これらの障害には、病原体誘発認知機能不全、例えば、HIV関連認知機能不全および認知機能不全を随伴するライム病が包含される。認知障害の例には、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、統合失調症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自閉症、ADHD、軽度認知障害(MCI)、卒中、外傷性脳損傷(TBI)および加齢性記憶障害(AAMI)が包含される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「精神病性障害」との用語は、異常な思考および理解をもたらすと考えられるか、実際にもたらす精神疾患または状態を指しかつ意図する。精神病性障害は、現実性の喪失により特徴付けられ、これは、妄想、幻覚(鮮明で実在し、外部の客観的空間にあるという点で現実の知覚の特性を有する外部刺激の不在下での、意識的および覚醒状態における知覚)、人格変化および/または解体性思考を随伴し得る。他の一般的な症状には、異常か奇異な行動、さらに、社会的相互作用での困難および日常生活活動を送る際の障害が包含される。例示的な精神病性障害は、統合失調症、双極性障害、精神病、不安および鬱病である。
【0048】
本明細書で使用される場合、「神経伝達物質媒介障害」との用語は、異常なレベルのヒスタミン、セロトニン、ドーパミン、ノルエピネフリンなどの神経伝達物質またはアミン作動性Gタンパク質共役受容体の機能障害を伴うか、もしくはそれに関連すると考えられるか、または実際にそれを伴うか、もしくはそれに関連している疾患または状態を指しかつ意図する。例示的な神経伝達物質媒介障害には、脊髄損傷、糖尿病性神経障害、アレルギー性疾患ならびに加齢性毛髪喪失(脱毛症)、加齢性体重低下および加齢性視覚障害(白内障)などの老化保護(geroprotective)活性が関与する疾患が包含される。異常な神経伝達物質レベルは、これらに限られないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、自閉症、ギラン−バレー症候群、軽度認知障害、統合失調症、ADHD、不安、多発性硬化症、卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、糖尿病性神経障害、線維筋痛症、双極性障害、精神病、鬱病および様々なアレルギー性疾患を包含する広範な疾患および状態に関連している。
【0049】
本明細書で使用される場合、「神経障害」との用語は、ニューロン細胞死および/またはニューロン機能障害またはニューロン機能低下を伴うか、もしくはそれに関連すると考えられるか、または実際にそれを伴うか、もしくはそれに関連している疾患または状態を指しかつ意図する。例示的なニューロン適応症には、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、イヌ認知機能障害症候群(CCDS)、レーヴィ体病、メンケス病、ウィルソン病、クロイツフェルト−ヤコブ病、ファール病、虚血性もしくは出血性卒中または他の脳出血性発作などの脳循環に関する急性または慢性障害、加齢性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、障害関連軽度認知障害(MCI)、脳振盪後症候群、心的外傷後ストレス障害、アジュバント化学療法、外傷性脳損傷(TBI)、ニューロン死に媒介される眼障害、黄斑変性、加齢性黄斑変性、自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群およびレット症候群を包含する自閉症、剥離障害、脊髄損傷、重症筋無力症、ギラン−バレー症候群、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、線維筋痛症、脊髄損傷に関連する神経障害、統合失調症、双極性障害、精神病、ADHD、不安または鬱病などの神経変性疾患および障害が包含される。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ニューロン」との用語は、動物の神経系のいずれかの部分に由来する胚性外胚葉由来の細胞を示す。ニューロンは、神経フィラメントタンパク質、NeuN(ニューロン核マーカー)、MAP2およびIII群チューブリンを包含する、よく特性決定されているニューロン特異的マーカーを発現する。ニューロンとして包含されるものは、例えば、海馬、皮質、中脳ドーパミン作動性、脊髄運動、感覚、交感神経、中隔コリン作動性および小脳ニューロンである。
【0051】
本明細書で使用される場合、「神経突起伸長」または「神経突起活性化」との用語は、既存のニューロンプロセス(例えば、軸索および樹状突起)の拡張および新規ニューロンプロセス(例えば、軸索および樹状突起)の成長または発芽を指す。神経突起伸長または神経突起活性化は、ニューロン連結性を変化させて、新規のシナプスの確立または既存のシナプスのリモデリングをもたらし得る。
【0052】
本明細書で使用される場合、「神経発生」との用語は、多分化ニューロン脳幹細胞としても公知の未分化ニューロン前駆細胞からの新規神経細胞の発生を指す。神経発生は活発に新規ニューロン、星状細胞、グリア、シュバン細胞、乏突起神経膠細胞および/または他の神経系列をもたらす。多くの神経発生がヒト発生の初期に生じるが、これは、寿命の後期まで、特に、成人脳の特定の局所部分において継続する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「神経連結性」との用語は、生体におけるニューロン間の連結(シナプス)の数、種類および質を指す。シナプスは、ニューロン間、ニューロンと筋肉との間(「神経筋接合」)およびニューロンと、内臓、内分泌腺などを包含する他の生体構造との間に形成する。シナプスは、ニューロンが化学的または電気的シグナルを相互に、および非神経細胞、筋肉、組織および臓器に伝達する特殊構造である。神経連結性に影響を及ぼす化合物は、新規シナプスの確立により(例えば、神経突起伸長または神経突起活性化により)、または既存のシナプスの変化もしくはリモデリングにより影響を及ぼす。シナプスリモデリングは、特定のシナプスで伝達されるシグナルの質、強度またはタイプの変化を指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「神経障害」との用語は、初感染巣により開始または誘発される神経系の運動、感覚および自律ニューロンの機能および/または構造の変化または神経系の他の障害により特徴付けられる障害を指す。末梢神経障害のパターンには、多発性神経障害、単神経障害、多発性単神経炎および自律性神経障害が包含される。最も共通する形態は、多くの場合に下肢を冒す(対称性)末梢多発性神経障害である。神経根障害は、脊髄神経根に関するが、末梢神経もまた関与している場合には、神経根神経障害との用語が使用される。神経障害の形態は、原因、すなわち、関与する主な線維のサイズ、例えば、大線維または小線維末梢神経障害によってさらに分類することができる。中枢神経障害性疼痛が、脊髄損傷、多発性硬化症および一部の卒中、さらに線維筋痛症では起こり得る。神経障害は、虚弱、自律神経変化および感覚変化の様々な組合せに関連し得る。筋肉量または線維束性収縮の喪失、筋肉の特定の微細な単収縮もまた見ることができる。感覚的症状には、知覚喪失および疼痛を包含する「陽性」現象が包含される。神経障害は、糖尿病(例えば、糖尿病性神経障害)、線維筋痛症、多発性硬化症、および帯状ヘルペス感染を包含する様々な障害に、さらに脊髄損傷および他のタイプの神経損傷に関連している。
【0055】
本明細書で使用される場合、「アルツハイマー病」との用語は、進行性記憶欠損、錯乱、行動問題、身の回りの世話ができないこと、漸進的身体悪化および最終的には死により臨床的に特徴付けられる変性脳障害を指す。組織学的には、疾患は、連合皮質、大脳辺縁系および基底核で主に見出される神経炎プラークにより特徴付けられる。これらプラークの主な成分は、βアミロイド前駆体タンパク質(βAPPまたはAPP)の分解産物であるアミロイドβペプチド(Aβ)である。APPは、I型膜貫通糖タンパク質であり、これは、大きな異所性N末端ドメイン、膜貫通ドメインおよび小さな細胞質内C末端テールを含有する。染色体21上の単一APP遺伝子の転写の可変スプライシングは、アミノ酸の数が異なる複数のアイソフォームをもたらす。Aβが、アルツハイマー病の神経病理において中心的な役割を有すると思われる。疾患の家族性形態は、APPでの変異およびプレセニリン遺伝子に関連している(Tanziら、1996年、Neurobiol. Dis.、3巻:159〜168頁;Hardy、1996年、Ann. Med.、28巻:255〜258頁)。これらの遺伝子での疾患関連変異は、アミロイドプラーク中で見られる主な形態であるAβの42アミノ酸形態の産生を高める。ミトコンドリア機能不全もまた、アルツハイマー病の重要な要素であると報告されている(Bubberら、Mitochondrial abnormalities in Alzheimer brain:Mechanistic Implications、Ann Neurol.、2005年、57巻(5号)、695〜703頁;Wangら、Insights into amyloid−β−induced mitochondrial dysfunction in Alzheimer disease、Free Radical Biology & Medicine、2007年、43巻、1569〜1573頁;Swerdlowら、Mitochondria in Alzheimer’s disease、Int. Rev. Neurobiol.、2002年、53巻、341〜385頁;およびReddyら、Are mitochondria critical in the pathogenesis of Alzheimer’s disease?、Brain Res Rev. 2005年、49巻(3号)、618〜32頁)。ミトコンドリア機能不全は、ニューロン機能(神経伝達物質合成および分泌を包含する)および生存力と因果関係を有すると提案されている。したがって、ミトコンドリアを安定化する化合物は、アルツハイマー患者に有益な影響を及ぼし得る。
【0056】
本明細書で使用される場合、「ハンチントン病」との用語は、不随意運動、認知障害または認知機能の喪失および幅広いスペクトルの行動障害などの症状により臨床的に特徴付けられる致死性神経障害を指す。ハンチントン病に関連して共通する運動症状には、舞踏病(不随意性の身もだえおよび痙攣)、ぎこちなさならびに進行性の歩行、会話(例えば、不明瞭言語を示す)および嚥下能力の喪失が包含される。ハンチントン病の他の症状には、知能速度、注意および短期間記憶の喪失などの認知症状および/または、人格、鬱病、被刺激性、情動爆発および無関心の幅広い変化にわたり得る行動症状が包含され得る。臨床症状は典型的には、40代または50代に現れる。ハンチントン病は、荒廃性で、往々にして長期の病気であり、症状の発症後約10から20年で通常は死亡する。ハンチントン病は、変異ハンチンチンタンパク質と称される異常なタンパク質をコードする変異または異常な遺伝子を介して遺伝する;変異ハンチンチンタンパク質は、脳の多くの様々な領域でニューロン変性をもたらす。変性は、運動の整合を包含する多くの重要な機能を制御する、脳内深部の構造である基底核に位置するニューロン、ならびに思考、知覚および記憶を制御する脳または皮質の外側表面に位置するニューロンに集中する。
【0057】
「筋萎縮性側索硬化症」または「ALS」は本明細書では、上位運動ニューロン(脳内の運動ニューロン)および/または下位運動ニューロン(脊髄内の運動ニューロン)に影響を及ぼし、運動ニューロン死をもたらす進行性の神経変性疾患を示すために使用されている。本明細書で使用される場合、「ALS」との用語は、これらに限られないが、古典的ALS(典型的には下位および上位運動ニューロンの両方に影響を及ぼす)、原発性側索硬化症(PLS、典型的には、上位運動ニューロンのみに影響を及ぼす)、進行性球麻痺(PBPまたは球発症、典型的には、嚥下、咀嚼および会話の困難で始まるALSバージョン)、進行性筋萎縮(PMA、典型的には、下位運動ニューロンのみに影響を及ぼす)および家族性ALS(ALSの遺伝性バージョン)を包含する、当分野で公知のALSの分類すべてを包含する。
【0058】
「パーキンソン病」との用語は、本明細書で使用される場合、パーキンソン病に関連する1つまたは複数の症状(限定ではないが、下記の症状のうちの1つ以上:安静振戦、歯車硬直、運動緩慢、姿勢反射障害、lドパ治療に対する良好な応答を有する症状、顕著な眼球運動麻痺の不在、小脳または錐体徴候、筋萎縮、総合運動障害および/または言語障害など)を、個体が経験している任意の医学的状態を指す。具体的な実施形態では、本発明を、ドーパミン作動性機能不全関連障害を治療するために利用することができる。具体的な実施形態では、パーキンソン病の個体は、パーキンソン病に関連するシヌクレイン、パーキンまたはNURR1核酸に変異または多型を有する。一実施形態では、パーキンソン病の個体は、ドーパミン作動性ニューロンの発達および/または生存を調節する核酸の発現不良もしくは低下または核酸の変異を有する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「イヌ認知機能障害症候群」または「CCDS」との用語は、罹患したイヌの正常に機能する能力に影響を及ぼす多発性認知障害により特徴付けられる精神機能の加齢性低下を指す。CCDSに関連する認知能力の低下は、新形成、感染、感覚障害または臓器不全などの全身的医学的状態には全く起因しないことがある。イヌなどのイヌ科におけるCCDSの診断は通常、行動および医学的履歴ならびに他の疾患プロセスと関連のないCCDSの臨床症状の存在に完全に基づく除外診断である。加齢性の行動変化を飼い主が観察することが、家庭内のイヌが加齢した際のCCDSの可能性のある発症を検出するために使用される実際的な手段である。いくつかの実験室認知タスクを、CCDSの診断を補助するために使用することができ、その際、血球算定、化学薬品パネルおよび検尿を、CCDSの臨床症状を模倣し得る他のベースとなる疾患を除外するために使用することができる。CCDSの症状には、家庭イヌでは、見当識障害および/または錯乱により発現し得る記憶喪失、家族との相互作用および/または挨拶行動の低下または変化、睡眠起床サイクルの変化、活発レベルの低下およびハウストレーニングの喪失または往々にして、不適切な排泄が包含される。CCDSを罹患したイヌは、次の臨床または行動症状のうちの1つまたは複数を示し得る:食欲低下、周囲への意識の低下、熟知している場所、ヒトもしくは他の動物を認知する能力の低下、聴力の低下、階段の上り下り能力の低下、1匹でいることに対する許容性の低下、強迫行動または反復行動もしくは癖、旋回、振戦またはふるえの進行、見当識障害、活性レベルの低下、異常な睡眠起床サイクル、ハウストレーニングの喪失、家族に対する応答性の低下または変化および挨拶行動の低下または変化。CCDSは、罹患したイヌの健康および幸福に劇的に影響を及ぼし得る。さらに、CCDSのペットにより示される交友は、疾患の重症度が進むにつれ、またその症状がより重症になるにつれて、実りのないものとなり得る。
【0060】
本明細書で使用される場合、「加齢性記憶障害」または「AAMI」との用語は、加齢プロセスおよび進行性変性認知症を7つの主なステージで区別するGlobal Deterioration Scale(GDS)(Reisbergら、(1982年)Am. J. Psychiatry 139巻:1136〜1139頁)でGDSステージ2と同定され得る状態を指す。GDSの第1ステージは、任意の年齢の個体が認知障害の自覚的愁訴も、障害の客観的証拠も有さないステージである。これらのGDSステージ1の個体は、正常と考えられる。GDSの第2ステージは、5年または10年前にはできたように名前が思い出せない、または5年または10年前にはできたように置いたものの場所が思い出せないなどの記憶および認知機能の困難を訴える一般に高齢者に当てはまる。これらの主観的愁訴は、他の正常な高齢者でも非常に一般的であると思われる。AAMIは、正常で、主観的な愁訴がない、即ち、GDSステージ1の高齢者とは神経生理学的に異なり得るGDSステージ2のヒトを指す。例えば、AAMI被験体は、コンピューター分析EEGにおいて、GDSステージ1の高齢者よりも高い電気生理学的遅延を有することが判明している(Prichep、John、Ferris、Reisbergら(1994年)Neurobiol. Aging 15巻:85〜90頁)。
【0061】
本明細書で使用される場合、「軽度認知障害」または「MCI」との用語は、正常な加齢性劣化に典型的であるものよりも、認知機能においてより顕著な変質により特徴付けられる認知障害のタイプを指す。結果として、MCIの高齢または加齢患者は、複雑な日常仕事および学習を行うのに正常よりも困難を有するが、アルツハイマー病、または認知症を場合によってはもたらす他の同様の神経変性障害の患者に典型的な正常な社会的、日常的および/または専門的機能を行うことの無能力は伴わない。MCIは、認知、記憶および機能における難解で臨床的には明白な欠損、特に、アルツハイマー病または他の認知症の診断での基準を十分に満たすほどではない他の障害により特徴付けられる。MCIはまた、神経傷害(即ち、脳振盪後症候群などを包含する戦場傷害など)、神経毒性治療(即ち、「ケモブレイン」などをもたらすアジュバント化学療法)などのある種のタイプの傷害から生じた認知障害ならびに卒中、虚血、出血性発作、鈍力外傷などから生じる軽度認知障害とは別で異なる身体的傷害または他の神経変性から生じた組織損傷として本明細書では定義される傷害関連MCIを包含する。
【0062】
本明細書で使用される場合、「外傷性脳損傷」または「TBI」との用語は、殴打もしくは衝撃または貫通性頭部損傷などの突然の外傷により生じ、機能を破壊するか、脳に損傷を与える脳損傷を指す。TBIの症状は、軽度から中度、重度まで変化してよく、多くの認知(言語およびコミュニケーション、情報処理、記憶ならびに知覚技能の不全)、身体的(移動、バランス、協調、繊細な運動技能、強度および耐久性)および心理的技能に著しく影響を及ぼし得る。
【0063】
「ニューロン死媒介眼疾患」は、ニューロンの死が全体的にまたは一部関与している眼疾患を意図している。疾患は、光受容体の死滅に関係していることがある。疾患は、網膜細胞の死滅に関係していることがある。疾患は、アポトーシスによる眼神経死に関係していることがある。特定のニューロン死媒介される眼疾患には、これらに限られないが、黄斑変性、緑内障、色素性網膜炎、先天性定常夜盲症(小口病)、小児期発生重症網膜形成異常、レーバー先天性黒内障、バルデー−ビードル症候群、アッシャー症候群、視神経神経障害に由来する盲目、レーバー遺伝性視神経神経障害、色盲およびハンゼン−ラルソン−バーグ症候群が包含される。
【0064】
本明細書で使用される場合、「黄斑変性」との用語は、これらに限られないが、ブルッフ膜、脈絡膜、神経性網膜および/または網膜色素上皮の異常に関連する中心視覚の進行性の喪失により特徴付けられる疾患を包含する、当分野で公知の黄斑変性のすべての形態および分類を包含する。したがってこの用語は、加齢性黄斑変性(ARMD)、さらに、一部では、人生の最初の10年で検出され得る、より稀な早期発症形成異常などの障害を包含する。他の黄斑障害には、ノースカロライナ黄斑形成異常、ソーズビー基底部形成異常、シュタルガルト病、紋様形成異常、ベスト病およびマラチアレベンティニーズ(Malattia Leventinese)が包含される。
【0065】
本明細書で使用される場合、「自閉症」との用語は、社会的相互作用およびコミュニケーションを損ない、限定的および反復性行動をもたらし、典型的には、乳児期または幼児期の間に現れる脳発達障害を指す。認知および行動欠陥は、一部では神経結合の変化から生じていると考えられる。自閉症は、関連障害を包含し、時には、「自閉症スペクトラム障害」、ならびにアスペルガー症候群およびレット症候群と称される。
【0066】
本明細書で使用される場合、「神経傷害」または「神経損傷」との用語は、剥離傷害(即ち、1つまたは複数の神経が裂けているか、または切れている)または脊髄損傷(即ち、脳へ、また脳から感覚および運動シグナルを運ぶ白質または有髄線維路に対する損傷)などの神経に対する身体的損傷を指す。脊髄損傷は、身体的外傷(即ち自動車事故、スポーツ障害など)、脊柱への腫瘍衝突、脊椎破裂などの発達障害などを包含する多くの原因から生じ得る。
【0067】
本明細書で使用される場合、「重症筋無力症」または「MG」との用語は、骨格筋の筋神経連結でのアセチルコリン受容体の免疫媒介喪失に起因する非認知神経筋障害を指す。臨床的には、MGは典型的には初めに、約2/3の患者において、最も共通しては眼球外筋肉での不定期の筋衰弱として現れる。これらの当初症状は最終的に悪化し、垂下眼瞼(下垂症)および/または復視(二重視)をもたらし、往々にして、患者は医学的配慮を求めることとなる。最終的には、多くの患者が、毎週、毎日またはさらにもっと頻繁に変動し得る全身筋肉衰弱が進行する。全身MGは往々にして、表情、咀嚼、会話、嚥下および呼吸を制御する筋肉を冒し、治療が最近になって前進するまでは、呼吸不全が、最も多い死因であった。
【0068】
本明細書で使用される場合、「ギラン−バレー症候群」との用語は、身体の免疫系が末梢神経系の部分を攻撃する非認知障害を指す。この障害の第1の症状には、様々な程度の脚の衰弱または刺痛感覚が包含される。多くの場合に、衰弱および異常な感覚は、腕および上半身に広がる。これらの症状は、ある種の筋肉が全く使えなくなるまで強度を増すことがあり、重症の場合には、患者はほぼ全身が麻痺する。これらの場合、障害は、生命を脅かし、呼吸を、時には血圧または心拍を妨害することもあり、医学的緊急事態と考えられる。しかしながら、一部は、ある程度の衰弱を保ち続けるものの、多くの患者は、最も重症のケースのギラン−バレー症候群であっても回復する。
【0069】
本明細書で使用される場合、「多発性硬化症」または「MS」との用語は、免疫系が中枢神経系(CNS)を攻撃して、ニューロンの脱髄をもたらす自己免疫状態を指す。これは、その多くが非認知的であり、往々にして身体障害まで進行する数多くの症状をもたらし得る。MSは、白質として公知の脳領域および脊髄を冒す。白質細胞は、プロセシングが行われる灰白質領域と残りの身体との間でシグナルを運搬する。より具体的には、MSは、ニューロンが電気的シグナルを運ぶのを助けるミエリン鞘として公知の脂肪層の作成および維持を担う細胞である希突起膠細胞を破壊する。MSは、ミエリンの薄化または完全な喪失および、頻繁ではないが、ニューロンの伸張または軸索の切断(横断)をもたらす。ミエリンが失われると、ニューロンは、もはや有効にその電気的シグナルを伝えることができない。大抵のどの神経症状も、この疾患には随伴し得る。MSは複数の形態を取り、新規の症状が不連続な発病で生じる(再発形態)か、または徐々に時間をかけて蓄積して生じる(進行形態)。多くのヒトは、再発−軽減MSと初めは診断されるが、数年後には二次進行性MS(SPMS)が進行する。発病と発病の間に、症状が完全に消えることもあるが、永続的な神経問題が往々にして、特に疾患が進行するにつれて存続する。
【0070】
本明細書で使用される場合、「統合失調症」との用語は、1種以上の陽性症状(例えば、妄想および幻覚)および/または陰性症状(例えば、情動鈍化および興味の欠如)および/または解体性症状(例えば、解体性思考および会話または解体性知覚および行動)により特徴付けられる慢性精神病性障害を指す。統合失調症には、本明細書で使用される場合、これらに限られないが、緊張型、破瓜型、解体型、妄想型、残存型または未分化型統合失調症および欠陥症候群および/またはAmerican Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版、Washington D. C.、2000年またはInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problemsに記載されているものまたは別段に当業者に公知のものを包含する当分野で公知の統合失調症のすべての形態および分類が包含される。
【0071】
「統合失調症に関連する認知障害」または「CIAS」には、注意、作業記憶、言語学習および問題解決における神経心理学的障害が包含される。これらの欠陥は、機能状態(例えば、社会的行動、作業能力および日常生活の活動性)の欠陥に結びついていると考えられている。
【0072】
本明細書で使用される場合、「老化保護活性」または「老化保護物質」は、生命を脅かすものではないが、老化プロセスに関連し、高齢者に典型的である病理または状態の量および/または強度レベルを低下させることを介して、老化を遅くし、そして/または寿命を延ばし、そして/または生活の質を向上もしくは改善する生物学的活性を意味する。命を脅かすものではないが、老化プロセスに関連している病理または条件には、失明(白内障)、皮膚の毛が生えている外皮の悪化(脱毛症)および筋肉細胞および/または脂肪細胞の死による加齢性体重減少などの病理または条件が包含される。
【0073】
本明細書で使用される場合、注意欠陥多動障害(ADHD)は、学齢児童の集団の約5〜8%が罹患している、学齢児童に最も一般的に存在する小児神経精神病学的状態である。ADHDは、小児期に初めに発現し、多動、衝動性および/または不注意によって特徴付けられる慢性障害を指す。ADHDは、同じ発達レベルまたは段階にある個体で観察されるよりもかなり著しい不注意および/または衝動性−多動性の持続的なパターンによって特徴付けられる。家族および双生児研究から、ADHDは有意な遺伝的要素を有するという相当な証拠が存在する。この障害は、環境および遺伝的要因の相互作用によると考えられる。ADHDには、ADHDの公知のタイプすべてが包含される。例えば、Diagnostic & Statistical Manual for Mental Disorders(DSM−IV)は、ADHDの3種のサブタイプを同定している:(1)不注意および多動−衝動性症状の両方によって特徴付けられる混合型のADHD;(2)多動−衝動性症状ではなく不注意によって特徴付けられる主に不注意型のADHD;および(3)不注意症状ではなく多動−衝動性によって特徴付けられる主に多動衝動型のADHD。
【0074】
本明細書で使用される場合、注意欠陥障害(ADD)は、行動制御の不能性をもたらし得、かつ個体の社会的、学問的または職業的機能および発展を損ない得る転導性および衝動性によって特徴付けられる神経刺激の処理における障害を指す。ADDは、行動観察および診断的面接技術を包含し得る公知の方法によって診断され得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「アレルギー性疾患」は、極度の炎症性応答をもたらすマスト細胞の過剰活性化および好塩基球およびIgE免疫グロブリンの産生により特徴付けられる免疫系の障害を指す。これは、アレルゲンとして公知の環境物質に対する過敏の形態を示し、後天性疾患である。一般的なアレルギー反応には、湿疹、蕁麻疹、枯草熱、喘息、食物アレルギーならびにスズメバチおよびミツバチなどの刺す昆虫の毒液に対する反応が包含される。アレルギー性反応は、ヒスタミンの過剰放出を随伴し、したがって、抗ヒスタミン剤で治療することができる。
【0076】
本明細書で使用される場合、「併用療法」は、2種以上の異なる化合物を包含する療法を意味する。したがって、一態様では、本明細書で詳述される化合物および他の化合物を含む併用療法を提供する。一部の変形形態では、併用療法は場合によって、1種または複数種の薬学的に許容できる担体または賦形剤、非薬学的活性化合物および/または不活性物質を包含する。様々な実施形態において、併用療法での治療は、本発明の単一化合物単独の投与と比較して、相加的またはさらには相乗的(例えば、相加的より高い)結果をもたらし得る。一部の実施形態では、個別の療法で一般的に使用される量と比較して、より少ない量の各化合物を、併用療法の一部として使用する。好ましくは、個々の化合物のいずれかを単独で使用するよりも、併用療法を使用すると、同じか、またはより高い治療的利点が達成される。一部の実施形態では、個々の化合物または療法で一般的に使用される量よりも少ない量(例えば、より少ない用量またはより頻度の少ない投与スケジュール)の化合物を併用療法で使用して、同じか、またはより高い治療的利点が達成される。好ましくは、少量の化合物の使用は、化合物に関連する1つまたは複数の副作用の数、重症度、頻度および/または期間の低減をもたらす。
【0077】
本明細書で使用される場合、「有効量」との用語は、効能および毒性のそのパラメーターと組み合わせて、さらに、現役の専門家の知識を基に、所定の治療形態において有効であるはずの本発明の化合物の量を意図している。当分野では理解される通り、有効量は、1回以上の用量であってよい。即ち、単回用量または複数回用量が、所望の治療終点を達成するために必要なことがある。有効量は、1種または複数種の治療剤を投与するという状況で考慮されてもよく、1種または複数種の他の薬剤と組み合わせて、所望または有益な結果を達成し得るか達成する場合には、単一の薬剤を、有効量で投与することも考慮され得る。任意の共投与化合物の適切な用量は場合によって、化合物の組合せ作用(例えば、相加的または相乗的作用)により、少なくなり得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「単位剤形」は、単位用量として適している物理的な別々の単位を指し、この際、各単位は、所望の治療作用を生じさせるために算出された所定量の活性成分を必要な医薬担体と共に含有する。単位剤形は、単独または併用療法を含有し得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「制御放出」との用語は、薬物の放出が即時的でない薬物含有製剤またはそのフラクションを指し、即ち、「制御放出」製剤では、投与は、吸収プールへの薬物の即時放出をもたらさない。この用語は、長期間にわたって薬物化合物を徐々に放出するように設計されたデポー製剤を包含する。制御放出製剤には、幅広い様々な薬物送達系が包含され得、その際、通常、薬物化合物を、所望の放出特性(例えば、pH依存性または非pH依存性溶解性、および様々な度合いの水溶性など)を有する担体、ポリマーまたは他の化合物と混合することおよび所望の送達経路に従って混合物を製剤化(例えば、コーティングされたカプセル、インプラント可能なレザバー、および生分解性カプセルを含有する注射可能な液剤など)することを含む。
【0080】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる」または「薬理学的に許容できる」とは、生物学的に、または他の点で望ましくないものではない材料を意味し、例えば、重大な望ましくない生物学的作用を何らもたらすことなく、または含有されている組成物の他の何らかの成分と有害に相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物にその材料を組み込むことができる。薬学的に許容できる担体または賦形剤は好ましくは、毒性試験および製造試験の必要とされる基準を満たしており、そして/または米国食品医薬品局により作成されたInactive Ingredient Guideに包含されている。
【0081】
「薬学的に許容できる塩」は、遊離(非塩)化合物の生物学的活性の少なくとも一部を保持しており、個体に薬物または医薬品として投与することができる塩である。薬学的に許容できる塩は、イオン相互作用を意図しており、共有結合は意図していない。したがって、N−オキシドは塩とはみなされない。このような塩には例えば:(1)塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸など無機酸で形成されたか;または酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、および酒石酸などの有機酸で形成された酸付加塩;(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムイオンにより置き換えられるか、有機塩基に配位結合して形成される塩が包含される。許容できる有機塩基には、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンなどが包含される。許容できる無機塩基には、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、および炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが包含される。薬学的に許容できる塩のさらなる例には、Bergeら、Pharmaceutical Salts、J. Pharm. Sci.、1977年1月;66巻(1号):1〜19頁に挙げられているものが包含される。薬学的に許容できる塩は、製造プロセスにおいてインサイチュで、または別途、遊離酸または遊離塩基の形態で精製された本発明の化合物を、それぞれ適切な有機もしくは無機塩基または有機もしくは無機酸と反応させて、こうして生じた塩を後続の精製の間に単離することにより調製することができる。薬学的に許容できる塩との言及には、その溶媒付加形態または結晶形態、特に溶媒和物または多形体が包含されることは理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的量の溶媒を含有し、往々にして、結晶化のプロセスの間に形成される。水和物は、溶媒が水である場合に形成され、またはアルコラートは、溶媒がアルコールである場合に形成される。多形体は、化合物の同じ元素組成を異なる結晶充填配置で包含する。多形体は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶外形、光学的および電気的特性、安定性ならびに溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、貯蔵温度などの様々な因子が、支配的な単一結晶形態をもたらし得る。
【0082】
「賦形剤」との用語は、本明細書で使用される場合、活性成分として本発明の化合物を含有する錠剤などの薬物または医薬品の製造で使用することができる不活性または非活性な物質を意味する。制限はないが、結合剤、崩壊剤、コーティング、圧縮/カプセル封入助剤、クリームもしくはローション、滑剤、非経口投与用の液剤、咀嚼錠用の物質、甘味剤もしくは香料、懸濁化/ゲル化剤または湿潤顆粒化剤として使用される任意の物質を包含する様々な物質が、賦形剤との用語には包含され得る。結合剤には、例えば、カルボマー、ポビドン、キサンタンゴムなどが包含され;コーティングには、例えば、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ゲランゴム(gellan gum)、マルトデキストリン、腸溶コーティングなどが包含され;圧縮/カプセル封入助剤には、例えば、炭酸カルシウム、デキストロース、フルクトースdc(dc=「直接圧縮可能」)、蜂蜜dc、ラクトース(無水物または一水和物;場合によって、アスパルテーム、セルロースまたは微結晶性セルロースと組み合わせて)、デンプンdc、スクロースなどが包含され;崩壊剤には、例えば、クロスカルメロースナトリウム、ゲランゴム、デンプングリコール酸ナトリウムなどが包含され;クリームまたはローションには、例えば、マルトデキストリン、カラギーナンなどが包含され;滑剤には、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ナトリウムステアリルフマラートなどが包含され;咀嚼錠用の物質には、例えば、デキストロース、フルクトースdc、ラクトース(一水和物、場合によって、アスパルテームまたはセルロースと組み合わせて)などが包含され;懸濁化/ゲル化剤には、例えば、カラギーナン、デンプングリコール酸ナトリウム、キサンタンゴムなどが包含され;甘味剤には、例えば、アスパルテーム、デキストロース、フルクトースdc、ソルビトール、スクロースdcなどが包含され;湿潤顆粒化剤には、例えば、炭酸カルシウム、マルトデキストリン、微結晶性セルロースなどが包含される。
【0083】
「アルキル」は、飽和の直鎖、有枝鎖または環状一価炭化水素構造およびその組合せを指し、それを包含する。特定のアルキル基は、1から20個の炭素原子を有するもの(「C
1〜C
20アルキル」)である。より特定のアルキル基は、1から8個の炭素原子を有するもの(「C
1〜C
8アルキル」)である。特定の数の炭素を有するアルキル基が挙げられている場合、その数の炭素を有するすべての幾何異性体が包含および記載されていることが意図されている;したがって、例えば、「ブチル」は、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチルおよびシクロブチルを包含することが意味されており;「プロピル」はn−プロピル、iso−プロピルおよびシクロプロピルを包含する。この用語は、メチル、t−ブチル、n−ヘプチル、オクチル、シクロヘキシルメチル、およびシクロプロピルなどの基により例示される。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、シクロヘキシルなどの1個の環またはアダマンチルなどの複数の環からなってよい。1個を超える環を含むシクロアルキルは、縮合型、スピロ型または架橋型またはその組合せであってよい。好ましいシクロアルキルは、3から13個の環炭素原子を有する飽和環式炭化水素である。より好ましいシクロアルキルは、3から8個の環炭素原子を有する飽和環式炭化水素(「C
3〜C
8シクロアルキル」)である。シクロアルキル基の例には、アダマンチル、デカヒドロナフタレニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが包含される。
【0084】
「アルキレン」は、アルキルと同じであるが、二原子価を有する残基を指す。アルキレンの例には、メチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、およびブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)などが包含される。
【0085】
「アルケニル」は、オレフィン不飽和部位を少なくとも1個有し(即ち、式C=Cの部分を少なくとも1個有する)、好ましくは、2から10個の炭素原子、より好ましくは、2から8個の炭素原子を有する不飽和炭化水素基を指す。アルケニルの例には、これらに限られないが、−CH
2−CH=CH−CH
3および−CH
2−CH
2−シクロヘキセニルが包含され、ここで、後者の例のエチル基は、シクロヘキセニル部分に、環の任意の利用可能な位置で結合し得る。シクロアルケニルは、アルケニルのサブセットであり、シクロヘキシルなど、1個の環から、またはノルボルネニルなど、複数の環からなり得る。より好ましいシクロアルケニルは、3から8個の環構成炭素原子を有する不飽和環式炭化水素である(「C
3〜C
8シクロアルケニル」)。シクロアルケニル基の例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニルなどが包含される。
【0086】
「アルキニル」は、アセチレン不飽和部位を少なくとも1個有し(即ち、式C≡Cの部分を少なくとも1個有する)、好ましくは、2から10個の炭素原子、より好ましくは、3から8個の炭素原子を有する不飽和炭化水素基を指している。
【0087】
「置換アルキル」は、1から5個の置換基を有するアルキル基を指し、ここで置換基は、これらに限られないが、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、置換または非置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソ、およびカルボニルアルキレンアルコキシなどの置換基を包含する。
【0088】
「置換アルケニル」は、1から5個の置換基を有するアルケニル基を指し、ここで置換基は、これらに限られないが、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、置換または非置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソ、およびカルボニルアルキレンアルコキシなどの置換基を包含する。
【0089】
「置換アルキニル」は、1から5個の置換基を有するアルキニル基を指し、ここで置換基は、これらに限られないが、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、置換または非置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソ、およびカルボニルアルキレンアルコキシなどの基を包含する。
【0090】
「アシル」は、基H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、複素環式−C(O)−および置換複素環式−C(O)−を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は、本明細書で定義された通りである。
【0091】
「アシルオキシ」は、基H−C(O)O−、アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アルケニル−C(O)O−、置換アルケニル−C(O)O−、アルキニル−C(O)O−、置換アルキニル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、置換アリール−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、置換ヘテロアリール−C(O)O−、複素環式−C(O)O−および置換複素環式−C(O)O−を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は、本明細書で定義された通りである。
【0092】
「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクリル」は、単一の環または複数の縮合環を有し、1から10個の環炭素原子および窒素、イオウまたは酸素などの1から4個の環ヘテロ原子を有する、飽和または不飽和の非芳香族基を指す。1個を超える環を含む複素環は、縮合型、スピロ型もしくは架橋型またはその任意の組合せであってよい。縮合環系では、1個または複数の環がアリールまたはヘテロアリールであってよい。1個を超える環を有する複素環は、少なくとも1個の環が芳香族である場合、非芳香環上の位置で、または芳香環上の位置で親構造と結合していてよい。一変形形態では、1個を超える環を有する複素環は、少なくとも1個の環が芳香族である場合、親構造に、非芳香環上の位置で結合している。
【0093】
「置換複素環式」または「置換ヘテロシクリル」は、1から3個の置換基で置換されている複素環基を指し、ここで置換基は、これらに限られないが、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、置換または非置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソ、およびカルボニルアルキレンアルコキシなどの置換基を包含する。一変形形態では、置換複素環は、追加の環で置換されている複素環であり、ここで、追加の環は、芳香族であっても非芳香族であってもよい。
【0094】
「アリール」または「Ar」は、単一の環(例えば、フェニル)または、縮合している環は芳香族でも芳香族でなくてもよい複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する不飽和芳香族炭素環式基を指す。一変形形態では、アリール基は、6から14個の環炭素原子を含有する。1個を超える環を有するアリール基は、少なくとも1個の環が非芳香族である場合、親構造に、芳香環上の位置で、または非芳香環上の位置で結合している。一変形形態では、1個を超える環を有するアリール基は、少なくとも1個の環が非芳香族である場合、親構造に、芳香環上の位置で結合している。
【0095】
「ヘテロアリール」または「HetAr」は、2から10個の環炭素原子およびヘテロ原子(窒素、酸素およびイオウなどが挙げられるが、これらに限定されない)を包含する少なくとも1個の環ヘテロ原子を有する不飽和芳香族炭素環式基を指す。ヘテロアリール基は、単一の環(例えば、ピリジル、フリル)または、縮合している環は芳香族でもよいし芳香族でなくてもよい複数の縮合環(例えば、インドリジニル、ベンゾチエニル)を有し得る。1個を超える環を有するヘテロアリール基は、少なくとも1個の環が非芳香族である場合、親構造に、芳香環上の位置で、または非芳香環上の位置で結合していてよい。一変形形態では、1個を超える環を有するヘテロアリール基は、少なくとも1個の環が非芳香族である場合、親構造に、芳香環上の位置で結合している。
【0096】
「置換アリール」は、1から5個の置換基を有するアリール基を指し、ここで置換基は、これらに限られないが、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、置換または非置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソ、およびカルボニルアルキレンアルコキシなどの基を包含する。
【0097】
「置換ヘテロアリール」は、1から5個の置換基を有するヘテロアリール基を指し、ここで置換基は、これらに限られないが、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アシルアミノ、置換または非置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アラルキル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、オキソ、およびカルボニルアルキレンアルコキシなどの基を包含する。
【0098】
「アラルキル」は、アリール部分がアルキル残基に結合していて、アラルキル基が親構造に、アリール残基またはアルキル残基で結合していてよい残基を指す。好ましくは、アラルキルは親構造に、アルキル部分を介して結合している。「置換アラルキル」は、アリール部分が置換アルキル残基に結合していて、アラルキル基が親構造にアリール残基またはアルキル残基で結合していてよい基を指す。アラルキルが、アルキル部分を介して親構造に結合している場合、これは、「アルカリール」とも称され得る。より特定のアルカリール基は、アルキル部分に1から3個の炭素原子を有するものである(「C
1〜C
3アルカリール」)。
【0099】
「アルコキシ」は、基アルキル−O−を指し、これには、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、および1,2−ジメチルブトキシなどが包含される。同様に、アルケニルオキシは、基「アルケニル−O−」を指し、アルキニルオキシは、基「アルキニル−O−」を指す。「置換アルコキシ」は、置換アルキル−Oの基を指す。
【0100】
「非置換アミノ」は、基−NH
2を指す。
【0101】
「置換アミノ」は、基−NR
aR
bを指し、ここで、(a)R
aおよびR
b基はそれぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群から選択されるが、但し、R
aおよびR
b基が共にHであることはないことを条件とするか;または(b)R
aおよびR
bは窒素原子と一緒に結合して、複素環または置換複素環を形成する。
【0102】
「アシルアミノ」は、基−C(O)NR
aR
bを指し、ここで、R
aおよびR
bは独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式からなる群から選択されるか、またはR
aおよびR
b基は、窒素原子と一緒に結合して、複素環または置換複素環を形成する。
【0103】
「アミノカルボニルアルコキシ」は、基−NR
aC(O)OR
bを指し、ここで、R
aおよびR
b基はそれぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換ヘテロシクリルからなる群から選択される。
【0104】
「アミノアシル」は、基−NR
aC(O)R
bを指し、ここで、R
aおよびR
b基はそれぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択される。好ましくは、R
aは、Hまたはアルキルである。
【0105】
「アミノスルホニル」は、基−NRSO
2−アルキル、−NRSO
2置換アルキル、−NRSO
2−アルケニル、−NRSO
2−置換アルケニル、−NRSO
2−アルキニル、−NRSO
2−置換アルキニル、−NRSO
2−アリール、−NRSO
2−置換アリール、−NRSO
2−ヘテロアリール、−NRSO
2−置換ヘテロアリール、−NRSO
2−複素環および−NRSO
2−置換複素環を指し、ここで、Rは、Hまたはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は、本明細書で定義された通りである。
【0106】
「スルホニルアミノ」は、基−SO
2NH
2、−SO
2NR−アルキル、−SO
2NR−置換アルキル、−SO
2NR−アルケニル、−SO
2NR−置換アルケニル、−SO
2NR−アルキニル、−SO
2NR−置換アルキニル、−SO
2NR−アリール、−SO
2NR−置換アリール、−SO
2NR−ヘテロアリール、−SO
2NR−置換ヘテロアリール、−SO
2NR−複素環および−SO
2NR−置換複素環(ここで、Rは、Hまたはアルキルである)または−SO
2NR
2(ここで、2個のR基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環または置換複素環を形成する)を指す。
【0107】
「スルホニル」は、基−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アルケニル、−SO
2−置換アルケニル、−SO
2−アルキニル、−SO
2−置換アルキニル、−SO
2−アリール、−SO
2−置換アリール、−SO
2−ヘテロアリール、−SO
2−置換ヘテロアリール、−SO
2−複素環、および−SO
2−置換複素環を指す。
【0108】
「カルボニルアルキレンアルコキシ」は、基−C(=O)−(CH
2)
n−ORを指し、ここで、Rは、置換もしくは非置換アルキルであり、nは、1から100の整数であり、より好ましくは、nは1から10または1から5の整数である。
【0109】
「ハロ」または「ハロゲン」は、原子番号9から85を有する第17族の元素を指す。好ましいハロ基には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素のラジカルが包含される。残基が1個を超えるハロゲンで置換されている場合、これは、結合しているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を使用することにより示すことができ、例えば、ジハロアリール、ジハロアルキル、トリハロアリールなどは、必ずではないが同じハロゲンであってよい2個(「ジ」)または3個(「トリ」)のハロ基で置換されたアリールおよびアルキルを指す。したがって、4−クロロ−3−フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内である。Hがそれぞれハロ基で置換されているアルキル基は、「ペルハロアルキル」と称される。好ましいペルハロアルキル基は、トリフルオロアルキル(−CF
3)である。同様に、「ペルハロアルコキシ」は、ハロゲンが、アルコキシ基のアルキル部分を構成している炭化水素中の各Hに取って代わっているアルコキシ基を指す。ペルハロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシ(−OCF
3)である。
【0114】
「チオアルキル」は、基−S−アルキルを指す。
【0115】
「アルキルスルホニルアミノ」は、基−R
1SO
2NR
aR
bを指し、ここで、R
aおよびR
bは独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式からなる群から選択されるか、またはR
aおよびR
b基は、窒素原子と一緒に結合して、複素環または置換複素環を形成してよく、R
1は、アルキル基である。
【0116】
「カルボニルアルコキシ」は、本明細書で使用される場合、基−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−アルケニル、−C(O)O−置換アルケニル、−C(O)O−アルキニル、−C(O)O−置換アルキニル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘテロアリール、−C(O)O−複素環式または−C(O)O−置換複素環式を指す。
【0117】
「ジェミナル」は、同じ原子に結合している2つの部分の間の関係を指している。例えば、残基−CH
2−CHR
1R
2において、R
1およびR
2はジェミナルであり、R
1は、R
2に対してジェミナルなR基と称され得る。
【0118】
「ビシナル」は、隣接する原子に結合している2つの部分の間の関係を指している。例えば、残基−CHR
1−CH
2R
2において、R
1およびR
2は、ビシナルであり、R
1は、R
2に対してビシナルなR基と称され得る。
【0119】
「実質的に純粋な」化合物の組成は、その組成が15%以下、または好ましくは10%以下、またはより好ましくは5%以下、またはなおより好ましくは3%以下、および最も好ましくは1%以下の不純物を含有することを意味し、この不純物は、異なる立体化学形態の化合物であってよい。例えば、実質的に純粋なS化合物の組成は、その組成が15%以下または10%以下または5%以下または3%以下または1%以下の化合物のR形態を含有することを意味する。
【0120】
本発明の化合物
本発明による化合物を、発明を解決するための手段および添付の特許請求の範囲を包含する本明細書で詳述する。本発明は、ヒスタミン受容体調節剤として記載された化合物のあらゆる立体異性体、塩および溶媒和物を包含する本明細書に記載の化合物のすべての使用を包含する。
【0121】
本発明はまた、式(I)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物あるいは薬学的に許容できるその塩を包含する:
【0122】
【化8】
[式中:
R
1は、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、ペルハロアルキル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換アラルキル、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニルまたはカルボニルアルキレンアルコキシであるか、あるいはR
1およびR
2aは一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
1およびR
3aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
1およびR
10aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
R
2aおよびR
2bはそれぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、またはニトロであるか、あるいはR
2aおよびR
2bは、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはR
2aおよびR
1は一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
2aおよびR
3aは一緒になってメチレン(−CH
2−)部分もしくはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
2aおよびR
10aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
R
3aおよびR
3bはそれぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アシルアミノまたはアシルオキシであるか、あるいはR
3aおよびR
3bは、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはR
3aおよびR
1は一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
3aおよびR
2aは一緒になってメチレン(−CH
2−)部分もしくはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
3aおよびR
10aは一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
R
10aおよびR
10bはそれぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、またはニトロであるか、あるいはR
10aおよびR
10bはそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはR
10aおよびR
1は一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
10aおよびR
2aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
10aおよびR
3aは一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、またはカルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されているC
1〜C
8アルキルであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−の部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、ビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノであるが;但し
化合物は、規定(i)〜(vi)のうちの1つに従うことを条件とし:(i)R
1およびR
2aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(ii)R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(iii)R
1およびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(iv)R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成していること;(v)R
2aおよびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;および(vi)R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;ならびに
(A)R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成している場合に、規定(a)〜(d)が適用されること:(a)X
7、X
8およびX
10がそれぞれCR
4であり(ここでR
4はHである)、X
9がCR
4であり(ここでR
4はHまたはメトキシである)、qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがフェニル以外であること、(b)X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
4がHであり、q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがジメチルアミノ以外であること、(c)X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
4がHであり、qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがピロリジン−1−イル以外であること、および(d)X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
4がHであり、qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qがアルコキシ以外であること;
(B)R
1およびR
3aが一緒になってブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
4がHである場合に、規定(f)〜(k)が適用されること:(f)q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、非置換ヘテロシクリル、置換アゼチジニル以外の置換ヘテロシクリル、アルコキシ、カルボニルアルコキシまたはアミノカルボニルアルコキシであること、(g)q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8cおよびR
8dがそれぞれHであり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qが、式−NHRを有する(式中のRは置換アルキルである)置換アミノ基以外であること(h)qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがカルボキシルおよび式−C(O)NHRを有する(式中のRは置換アルキルである)アシルアミノ基以外であること、(i)qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8cおよびR
8dがそれぞれHであり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成しており、Qがメトキシおよびシクロペンチルアミノ以外であること、(j)qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが
、フェニル、メトキシ、カルボキシル、カルボニルメトキシ
、および
シクロペンチル基で置換されたアシルアミノ
[−C(O)NH−シクロペンチル]以外であること、および(k)qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qがアルコキシ以外であること;
(C)R
1およびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
4がHであり、R
8(a〜f)、m、n、qおよびQが一緒になってtert−ブトキシカルボニル基を形成していないことを条件とする]。
【0123】
他の変形形態では、式(I)の化合物は、上で記載された通りであるが、但し、規定(A)〜(C)に加えて、規定(D)、(E)、(F)および(G)も適用されることを条件とする:
(D)R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していて、X
7〜X
10が、CR
4であり、R
2a、R
2b、R
3bおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qは置換ヘテロアリール以外であること;
(E)R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10がCR
4であり、R
2a、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qが、置換ヘテロアリール以外であること;
(F)R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10が、CR
4であり、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qが、置換ヘテロアリール以外であること;および
(G)R
1およびR
3aが一緒になってブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成している場合であり、かつqが0であり、mおよびnはそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがシアノ以外であること。
【0124】
一変形形態では、式(I)の化合物は、次の構造的特徴のうちの1つまたは複数を有する:(1)X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの少なくとも1個がNであること;(2)存在するR
8部分のうちの少なくとも1個がH以外であること(例えば、q、mおよびnがそれぞれ1である場合、R
8部分のうちの少なくとも1個がアルキル、アルコキシまたはヒドロキシル基である場合など、R
8a〜R
8fのうちの少なくとも1個は、H以外である);(3)Qが置換ヘテロアリール以外であること;および(4)R
1が置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(メチルなど)またはアシルであること。式(I)の特定の変形形態では、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの少なくとも1個はNであり、存在するR
8部分のうちの少なくとも1個は、H以外(例えば、ヒドロキシルまたはメチル)である。式(I)の他の変形形態では、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの少なくとも1個はNであり、存在するR
8部分はそれぞれ、Hである。式(I)の一変形形態では、X
7、X
8、X
9およびX
10はNであり、Qは置換ヘテロアリール以外であり、存在するR
8部分は、すべてHであるか、または存在するR
8部分のうちの少なくとも1個は、H以外である。
【0125】
一変形形態では、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個が、カルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されている置換C
1〜C
8アルキルである式(I)の化合物を提供する。
【0126】
式(I)の他の変形形態では、R
3aおよびR
3bの少なくとも1個はアリールである。式(I)の特定の変形形態では、R
3aおよびR
3bのうちの少なくとも1個はフェニルである。
【0127】
他の変形形態では、規定(ii)および(iii)が適用されず、その結果、規定(i)および(iv)〜(vi)のうちの1つが適用される式(I)の化合物を提供する。他の変形形態では、規定(ii)が適用されず、規定(i)および(iii)〜(vi)のうちの1つが適用される式(I)の化合物を提供する。他の変形形態では、規定(iii)が適用されず、規定(i)、(ii)および(iv)〜(vi)のうちの1つが適用される式(I)の化合物を提供する。
【0128】
一変形形態では、R
1およびR
2aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(i)が適用される式(I)の化合物を提供する。他の変形形態では、mが0であり、qが1であり;X
7、X
8およびX
10がCR
4(ここでR
4はHである)であり、;X
9がCR
4(ここでR
4は置換もしくは非置換アルキルまたはハロである)であり、R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(ii)が適用される式(I)の化合物を提供する。さらに他の変形形態では、mが0であり、qが1であり;X
7、X
8およびX
10がCR
4(ここでR
4はHである)であり;X
9がCR
4(ここでR
4は置換もしくは非置換アルキルまたはハロである)であり、R
1およびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(iii)が適用される式(I)の化合物を提供する。さらに他の変形形態では、R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(iv)が適用される式(I)の化合物を提供する。一変形形態では、R
2aおよびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(v)が適用される式(I)の化合物を提供する。他の変形形態では、R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(vi)が適用される式(I)の化合物を提供する。規定(i)〜(v)のいずれかにおいて、一変形形態では、R
1およびR
2aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成する場合の規定(i)におけるのと同様に、規定により5員環を提供する。規定(i)〜(v)のいずれかにおいて、一変形形態では、R
1およびR
2aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成する場合の規定(i)におけるのと同様に、規定により5員環を提供する。
【0129】
mおよびqのうちの少なくとも1個が1であり、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの少なくとも1個がCR
4であり、ここで、R
4がメチルまたはハロである場合など、R
4がH以外である式(I)の化合物を提供する。一態様では、mおよびqのうちの少なくとも1個が1であり、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの少なくとも1個がCR
4であり、ここでR
4はH以外であり、R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン部分を形成している式(I)の化合物を提供する。本明細書の化合物はまた、X
9がCR
4であり、ここでR
4は置換もしくは非置換アルキルまたはハロである式(I)の化合物であってもよい。そのような一変形形態では、X
9はCR
4であり、ここで、R
4は、置換もしくは非置換アルキルまたはハロであり、mおよびqは両方とも、0であり、Qは、置換もしくは非置換アリール(フェニルなど)である。他のそのような変形形態では、X
9はCR
4であり、ここでR
4は置換もしくは非置換アルキルまたはハロであり、R
1およびR
3aは一緒になってプロピレン部分を形成している。他のそのような変形形態では、X
9はCR
4であり、ここで、R
4は置換もしくは非置換アルキルまたはハロであり、R
1およびR
10aは一緒になってプロピレン部分を形成している。mおよびqのうちの少なくとも1個が0である式(I)の化合物もまた提供する。一態様では、m、qおよびnがそれぞれ、1であり、Qが置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである式(I)の化合物を提供する。
【0130】
また、様々な治療的使用において、式(I)の化合物などの本明細書に記載されている化合物を使用する方法を提供する。また、式(I−1)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を使用する方法を提供する:
【0131】
【化9】
[式中:
R
1は、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、ペルハロアルキル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換アラルキル、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、チオール、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニルまたはカルボニルアルキレンアルコキシであるか、あるいはR
1およびR
2aは一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
1およびR
3aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
1およびR
10aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
R
2aおよびR
2bはそれぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、またはニトロであるか、あるいはR
2aおよびR
2bは、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはR
2aおよびR
1は一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
2aおよびR
3aは一緒になってメチレン(−CH
2−)部分もしくはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
2aおよびR
10aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
R
3aおよびR
3bはそれぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アシルアミノまたはアシルオキシであるか、あるいはR
3aおよびR
3bは、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはR
3aおよびR
1は一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
3aおよびR
2aは一緒になってメチレン(−CH
2−)部分もしくはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
3aおよびR
10aは一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
R
10aおよびR
10bはそれぞれ独立に、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、またはニトロであるか、あるいはR
10aおよびR
10bはそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはR
10aおよびR
1は一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
10aおよびR
2aは一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分もしくはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しているか、またはR
10aおよびR
3aは一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もしくはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−の部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、ビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノであるが;但し
化合物は、規定(i)〜(vi)のうちの1つに従うことを条件とし:(i)R
1およびR
2aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(ii)R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(iii)R
1およびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(iv)R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成していること;(v)R
2aおよびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;および(vi)R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していることを条件とする]。
【0132】
式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)、(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)、(Ii−7)、(IIa)〜(IIk)、(IIi−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)、(B1)〜(B4)、(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)、(VII−1)、G−1、G−2、G−3およびG−4の化合物などの本明細書に詳述されている化合物は、新たなヒスタミン受容体モジュレーターと記載される。本発明の化合物に対しては、また、神経変性疾患を治療する際の使用を見出すこともできる。
【0133】
他の変形形態では、本発明は、式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)、(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)、(Ii−7)、(IIa)〜(IIk)、(IIi−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)、(B1)〜(B4)、(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)、(VII−1)、G−1、G−2、G−3およびG−4の化合物などの本明細書に詳述されている化合物または本明細書に記載の任意の変形形態または本明細書に記載の塩もしくは溶媒和物を包含する。特定の変形形態では、本発明は、式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)、(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)、(Ii−7)、(IIa)〜(IIk)、(IIi−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)、(B1)〜(B4)、(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)、(VII−1)、G−1、G−2、G−3およびG−4の化合物などの本明細書に詳述されている化合物または本明細書に詳述されている通りの本明細書に記載の任意の変形形態または本明細書に記載の塩もしくは溶媒和物を使用する方法を包含する。
【0134】
一変形形態では、本発明は、式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)、(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)、(Ii−7)、(IIa)〜(IIk)、(IIi−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)、(B1)〜(B4)、(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)、(VII−1)、G−1、G−2、G−3およびG−4の化合物などの本明細書に詳述されている化合物または本明細書に記載の任意の変形形態または本明細書に記載の塩もしくは溶媒和物を包含する。他の変形形態では、本発明は、式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)、(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)、(Ii−7)、(IIa)〜(IIk)、(IIi−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)、(B1)〜(B4)、(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)、(VII−1)、G−1、G−2、G−3およびG−4の化合物などの本明細書に詳述されている化合物または本明細書に詳述されている通りの本明細書に記載の任意の変形形態または本明細書に記載の塩もしくは溶媒和物を使用および投与する方法を包含する。
【0135】
一変形形態では、本発明は、式(Ia)〜(Ih)の化合物を包含する:
【0137】
【化11】
[式中、X
7、X
8、X
9、X
10、R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8e、R
8f、R
10a、R
10b、Q、p、mおよびqは、存在する場合、式(I)に関して定義された通りであり;
R
9はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノ部分であり;
sは、0から5までの整数であり;
tは、0から4までの整数である]。
【0138】
一変形形態では、(Ia)〜(Ih)のそれぞれの式について:(A)X
7〜X
10のうちの少なくとも1個がNであり;かつ/または(B)R
8部分のうちの少なくとも1個が、存在する場合(R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fのうちの少なくとも1個)、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールである式(Ia)〜(Ih)の化合物を提供する。そのような一変形形態では、(Ia)〜(Ie)および(Ig)〜(Ih)のそれぞれの式について、X
7〜X
10のうちの少なくとも1個がNであり、存在するR
8部分がそれぞれHである式(Ia)〜(Ie)および(Ig)〜(Ih)の化合物を提供する。他の変形形態では、それぞれの式について、存在するR
8部分(R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8f)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールである式(Ia)〜(Ie)および(Ig)〜(Ih)の化合物を提供する。特定の変形形態では、R
8eおよびR
8fのうちの少なくとも1個がヒドロキシルまたはメチルである式(Ia)〜(Ie)および(Ig)〜(Ih)の化合物を提供する。R
8eおよびR
8fのうちの少なくとも1個がヒドロキシルまたはメチルである場合、一態様では、X
7〜X
10はそれぞれCR
4である。他の変形形態では、R
8eがヒドロキシルであり、R
8fがメチルである式(Ia)〜(Ie)および(Ig)〜(Ih)の化合物を提供する。
【0139】
一変形形態では、本発明は、式(Ib)、(Ie)、(Ii)、(Ij)および(Ik)のうちのいずれか1つまたは複数の化合物を包含する:
【0140】
【化12】
[式中、Q、X
7、X
8、X
9、X
10、R
4、R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
10a、R
10b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fは、存在する場合、式(I)に関して定義された通りであり;
式中、R
9はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノ部分であり;
sは、0から5までの整数であり;
tは、0から4までの整数である]。
【0141】
一変形形態では、本発明は、式(Ii−1)の化合物を包含する:
【0142】
【化13】
[式中、X
7、R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
10aおよびR
10bは、式(I)に関して定義された通りであり;
R
4は、ハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、メチル)、エチル、i−プロピルもしくはt−ブチルであり;
R
8eおよびR
8fは独立に、H、OHまたはCH
3であり;
Qは、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであるが、但し、
(i)X
7がNである場合、R
8eおよびR
8fがHであること;(ii)X
7がCR
4であり、ここでR
4がHである場合、R
8eがOHであり、R
8fがHまたはCH
3であることを条件とする]。式(Ii−1)の一実施形態では、Qは、置換もしくは非置換ピリジルである。
【0143】
式(Ii−1)の一変形形態では、R
4は、ハロである。R
4がハロである場合、一態様では、これはクロロである。式(Ii−1)の他の変形形態では、R
4は、メチル、エチル、プロピルまたはブチルなどのC
1〜C
4アルキルである。式(Ii−1)のさらなる変形形態では、R
1は、Hまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(メチルなど)である。
【0144】
一変形形態では、本発明は、式(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)および(Ii−7)のうちのいずれか1つまたは複数の化合物を包含する:
【0145】
【化14】
[式中、R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
10aおよびR
10bは、式(I)に関して定義された通りであり;
R
4は、ハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、CH
3、エチル、i−プロピルもしくはt−ブチル)であり;
R
9は、HまたはCH
3であり;
R
8fは、HまたはCH
3である]。
【0146】
式(Ii−2)〜(Ii−7)の一変形形態では、R
4は、ハロである。R
4がハロである場合、一態様では、これはクロロである。式(Ii−2)〜(Ii−7)の他の変形形態では、R
4は、メチル、エチル、プロピルまたはブチルなどのC
1〜C
4アルキルである。式(Ii−2)〜(Ii−7)のさらなる変形形態では、R
1は、Hまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0147】
一変形形態では、一態様において、R
2aおよびR
3aは一緒になってメチレン(−CH
2−)部分もエチレン(−CH
2CH
2−)部分も形成しておらず、そしてR
3aおよびR
10aは一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分もプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分も形成してないことを条件とする式(Ii−3)の化合物を記載する。
【0148】
式(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−5)および(Ii−6)のR
9は、ピリジル基の特定の位置に結合しているが、他の実施形態では、R
9が任意の利用可能な炭素原子にてピリジル環に結合している類似の構造を提供する。同様に、式(Ii−4)および(Ii−7)のR
9は、ピリジル環の任意の利用可能な位置で結合していてよいが、他の実施形態では、R
9が、そのような利用可能な位置それぞれに個別に結合している類似の独立した構造を提供する。
【0149】
本発明はまた、式(A)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物あるいは薬学的に許容できるその塩を包含する:
【0150】
【化15】
[式中、R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
10a、R
10b、X
7、X
8、X
9、X
10、mおよびqは、式(I)に関して定義された通りであり;
R
8a、R
8b、R
8cおよびR
8dはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜d)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−の部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜d)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しており;
R
11およびR
12はそれぞれ独立に、H、ハロ、アルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、カルボキシ、カルボニルアルコキシまたはC
1〜C
8ペルハロアルキルであり、
【0151】
【化16-1】
結合は、EまたはZ二重結合配置の存在を示しているか、または、R
11およびR
12は一緒になって結合を形成しているか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているが;但し、
化合物は、規定(i)〜(vi)のうちの1つに従うことを条件とする:(i)R
1およびR
2aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(ii)R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(iii)R
1およびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;(iv)R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成していること;(v)R
2aおよびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること;および(vi)R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していること]。
【0152】
一変形形態では、下記の規定(A)〜(C)が適用される式(A)の化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する:
(A)R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10がCR
4であり、R
2a、R
2b、R
3bおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜d)のうちの少なくとも1個がヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qが置換ヘテロアリール以外であり、かつ/または(iii)R
11もしくはR
12のうちの少なくとも1個がアルコキシであること;
(B)R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10がCR
4であり、R
2a、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜d)のうちの少なくとも1個がヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qが置換ヘテロアリール以外であり、かつ/または(iii)R
11もしくはR
12のうちの少なくとも1個がアルコキシであること;および
(C)R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10がCR
4であり、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜d)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qが置換ヘテロアリール以外であり、かつ/または(iii)R
11もしくはR
12のうちの少なくとも1個がアルコキシであること。
【0153】
一変形形態では、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個が、カルボニルアルコキシ部分またはカルボキシル部分またはアシルアミノ部分で置換されている置換C
1〜C
8アルキルである式(A)の化合物を提供する。
【0154】
式(A)の他の変形形態では、R
3aおよびR
3bの少なくとも1個はアリールである。式(A)の特定の変形形態では、R
3aおよびR
3bのうちの少なくとも1個はフェニルである。
【0155】
式(A)のさらに他の変形形態では、R
11およびR
12はそれぞれ独立に、H、ハロ、アルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、カルボキシ、カルボニルアルコキシまたはC
1〜C
8ペルハロアルキルであり、
【0156】
【化16-2】
結合は、EもしくはZ二重結合配置の存在を示しているか、あるいはR
11およびR
12は一緒になって結合を形成している。
【0157】
一変形形態では、R
1およびR
2aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(i)が適用される式(A)の化合物を提供する。他の変形形態では、R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(ii)が適用される式(A)の化合物を提供する。さらに他の変形形態では、R
1およびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(iii)が適用される式(A)の化合物を提供する。さらに他の変形形態では、R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(iv)が適用される式(A)の化合物を提供する。一変形形態では、R
2aおよびR
10aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(v)が適用される式(A)の化合物を提供する。他の変形形態では、R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成するような規定(vi)が適用される式(A)の化合物を提供する。本明細書に詳述されている式(A)の任意の変形形態では、適用可能な場合、一態様において、式は、次の構造的特徴のうちの1つまたは複数によってさらに定義される:X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4(ここでR
4はHである)であること;X
9がCR
4(ここでR
4は置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルまたはハロである)であること;qが0であり、mは1であること;R
8a、R
8B、R
8cおよびR
8dはそれぞれ、存在する場合、Hであること;およびR
11およびR
12のうちの少なくとも1個が、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであること。
【0158】
式(A)の一変形形態では、R
11は、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキルまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8ペルハロアルキルであり、R
12は、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキルまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8ペルハロアルキルであるか、あるいはR
11およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル部分を形成している。
【0159】
また、本発明は、式(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の化合物を包含する:
【0160】
【化17】
[式中、R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
10a、R
10b、R
11、R
12、X
7、X
8、X
9、X
10、Q、mおよびqは、式(A)に関して定義された通りである]。
【0161】
一変形形態では、式(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の化合物を提供し、下記の規定(A)〜(C)のうちの1つまたは複数(および一変形形態では、すべて)が適用されることを条件とする:
(A)R
3aおよびR
10aが一緒になってエチレン(−CH
2CH
2−)部分またはプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分を形成していて、X
7〜X
10が、CR
4であり、R
2a、R
2b、R
3bおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜d)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qは置換ヘテロアリール以外であり、かつ/または(iii)R
11もしくはR
12のうちの少なくとも1個がアルコキシであること;
(B)R
1およびR
3aが一緒になってプロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)部分またはブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10がCR
4であり、R
2a、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜d)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qが、置換ヘテロアリール以外であり、かつ/または(iii)R
11もしくはR
12のうちの少なくとも1個がアルコキシであること;
(C)R
2aおよびR
3aが一緒になってメチレン(−CH
2−)部分またはエチレン(−CH
2CH
2−)部分を形成しており、X
7〜X
10が、CR
4であり、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHである場合、(i)R
8(a〜d)のうちの少なくとも1個が、ヒドロキシル、アルキルもしくはアルコキシであり、かつ/または(ii)Qが、置換ヘテロアリール以外であり、かつ/または(iii)R
11もしくはR
12のうちの少なくとも1個がアルコキシであること。
【0162】
式(I)および(A)に関する変形形態はすべて、適用可能な場合には、変形形態がいずれも具体的に、かつ個別に列挙されているかのように、式(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)、(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)、(Ii−7)、(II)〜(VII)、(IIa)〜(IIk)、(IIi−1)、(A1)〜(A4)、(B)、(B1)〜(B4)、(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)、(VII−1)、G−1、G−2、G−3およびG−4のいずれかなどの本明細書に示されている任意の式に等しく適用することができる。
【0163】
他の変形形態では、本発明は、式(II)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を包含する:
【0164】
【化18】
[式中:
R
2bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
3aおよびR
3bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
pは1または2であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−の部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、ビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
R
10aおよびR
10bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである]。一変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0165】
一変形形態では、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個が、カルボニルアルコキシ部分またはカルボキシル部分またはアシルアミノ部分で置換されている置換C
1〜C
8アルキルである式(II)の化合物を提供する。式(II)の一態様では、pは1である。式(II)の特定の態様では、pは1であり、X
7、X
8およびX
10は、CR
4であり、ここで、R
4はHである。式(II)のそのような一態様では、pは1であり;X
7、X
8およびX
10は、CR
4であり、ここで、R
4はHであり、X
9はCR
4であり、ここで、R
4は、メチルなどの非置換C
1〜C
8アルキルまたはクロロなどのハロである。式(II)の他の変形形態では、pは1であり;X
7、X
8およびX
10はCR
4であり、ここでR
4はHであり;X
9はCR
4であり、ここで、R
4は非置換C
1〜C
8アルキルであり、qは0である。式(II)の他の変形形態では、pは1であり;qは0であり;mは1であり、R
8cおよびR
8dは両方とも、Hである。式(II)の一変形形態では、pは1であり;qは0であり;mは1であり;R
8cおよびR
8dは両方ともHであり、R
8eおよびR
8fは独立に、H、ヒドロキシル、または非置換C
1〜C
8アルキルであるか、あるいはそれらが結合している炭素と一緒になって非置換メチレンまたはカルボニル部分を形成している。式(II)の一変形形態では、pは1であり;qは0であり;mは1であり;R
8eおよびR
8fは両方ともHであり、R
8cおよびR
8dは独立に、H、ヒドロキシル、または非置換C
1〜C
8アルキルであるか、あるいはそれらが結合している炭素と一緒になって非置換メチレンまたはカルボニル部分を形成している。式(II)のさらに他の変形形態では、pは1であり;qは0であり;mは1であり;R
8eは、R
8cと一緒になって結合を形成しており、R
8dおよびR
8fは独立に、H、または非置換C
1〜C
8アルキルであるか、あるいは一緒になって結合を形成していて、それによって、アセチレン部分をもたらしている。式(II)の他の態様では、pは2である。本明細書に詳述されている任意の変形形態では、適用可能な場合には、化合物は、次の構造的特徴の一方または両方によってさらに定義される:X
7、X
8およびX
10がCR
4であり、ここで、R
4はHであることおよびX
9がCR
4であり、ここで、R
4は非置換C
1〜C
8アルキルであること。
【0166】
一変形形態では、本発明は、式(IIa)〜(IIh)の化合物を包含する:
【0168】
【化20】
[式中、X
7、X
8、X
9、X
10、R
2b、R
3a、R
3b、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8e、R
8f、R
10a、R
10b、Q、m、pおよびqは、式(II)に関して定義された通りであり;
R
9はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノ部分であり;
sは、0から5までの整数であり;
tは、0から4までの整数である]。
【0169】
一変形形態では、本発明は、式(IIb)、(IIe)、(IIi)、(IIj)および(IIk)のうちのいずれか1つまたは複数の化合物を包含する:
【0170】
【化21】
[式中、Q、X
7、X
8、X
9、X
10、R
4、R
2b、R
3a、R
3b、R
8c、R
8d、R
8e、R
8fおよびpは、存在する場合、式(II)に関して定義された通りであり;
R
9はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノ部分であり;
sは、0から5までの整数であり;
tは、0から4までの整数である]。
【0171】
一変形形態では、本発明は、式(IIi−1)の化合物を包含する:
【0172】
【化22】
[式中、X
7、R
2b、R
3a、R
3b、R
10aおよびR
10bは、式(I)に関して定義された通りであり;
R
4は、ハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、CH
3、エチル、i−プロピルもしくはt−ブチル)であり;
R
8eおよびR
8fは独立に、H、OHまたはCH
3であり;
Qは、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであるが、但し、
(i)X
7がNである場合、R
8eおよびR
8fがHであること;(ii)X
7がCR
4であり、ここで、R
4がHである場合、R
8eがOHであり、R
8fがHまたはCH
3であることを条件とする]。式(IIi−1)の一実施形態では、Qは、置換もしくは非置換ピリジルである。
【0173】
式(IIi−1)の一変形形態では、R
4はハロである。式(IIi−1)の他の変形形態では、R
4はC
1〜C
4アルキルである。
【0174】
本発明はまた、式(B)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を包含する:
【0175】
【化23】
[式中、
R
2b、R
3a、R
3b、R
10a、R
10b、X
7、X
8、X
9、X
10、m、pおよびqは、式(II)に関して定義された通りであり;
R
8a、R
8b、R
8cおよびR
8dはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、またはカルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されているC
1〜C
8アルキルであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜d)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−の部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜d)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しており;
R
11およびR
12はそれぞれ独立に、H、ハロ、アルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、カルボキシ、カルボニルアルコキシまたはC
1〜C
8ペルハロアルキルであり、
【0176】
【化24】
結合は、EもしくはZ二重結合配置の存在を示しているか、あるいはR
11およびR
12は一緒になって結合を形成しているか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成している]。
【0177】
一変形形態では、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個が、カルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されている置換C
1〜C
8アルキルである式(B)の化合物を提供する。
【0178】
式(B)の他の変形形態では、R
11およびR
12はそれぞれ独立に、H、ハロ、アルコキシ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、カルボキシ、カルボニルアルコキシまたはC
1〜C
8ペルハロアルキルであり、
【0179】
【化25】
結合は、EもしくはZ二重結合配置の存在を示しているか、またはR
11およびR
12は一緒になって結合を形成している。
【0180】
式(B)の他の変形形態では、R
11は、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキルまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8ペルハロアルキルであり、R
12は、H、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキルまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8ペルハロアルキルであるか、あるいはR
11およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル部分を形成している。
【0181】
また、本発明は、式(B1)、(B2)、(B3)および(B4)の化合物を包含する:
【0182】
【化26】
[式中、R
2b、R
3a、R
3b、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
10a、R
10b、R
11、R
12、X
7、X
8、X
9、X
10、Qおよびpは、式(B)に関して定義された通りである]。
【0183】
式(B)の一変形形態では、mは0であり、qは1である。式(B)の他の変形形態では、mは0であり、qは1であり、R
11およびR
12のうちの少なくとも1個は、メチルなどの非置換C
1〜C
8アルキルである。式(B)の他の変形形態では、mは0であり、qは1であり、R
11はHであり、R
12はHである。式(B)の一態様では、mは0であり、qは1であり、R
11およびR
12のうちの少なくとも1個は、非置換C
1〜C
8アルキルであり、X
7、X
8およびX
10はそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHである。式(B)の一態様では、mは0であり、qは1であり、R
11およびR
12はそれぞれHであり、X
7、X
8およびX
10はそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHである。式(B)の他の態様では、mは0であり、qは1であり、R
11およびR
12のうちの少なくとも1個は非置換C
1〜C
8アルキルであり、X
7、X
8およびX
10はそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであり、X
9はCR
4であり、ここで、R
4は非置換C
1〜C
8アルキルである。式(B)の他の態様では、mは0であり、qは1であり、R
11はHであり、R
12はHであり、X
7、X
8およびX
10はそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであり、X
9はCR
4であり、ここで、R
4は非置換C
1〜C
8アルキルである。本明細書に詳述されている式(B)の任意の変形形態では、適用可能な場合には、一態様において、Qは、フェニルまたはハロ一置換フェニルもしくはハロ二置換フェニルなどの置換もしくは非置換アリール、あるいはピリジルもしくはメチル置換ピリジルなどの置換もしくは非置換ヘテロアリールである。Qがピリジル基である場合、これは、R
8eおよびR
8fを有する炭素に任意の利用可能な環位置で結合していてよい(例えば、Qは、4−ピリジル、3−ピリジル、2−ピリジルなどであってよい)。置換アリール(例えば置換フェニル)または置換ヘテロアリール(例えば置換ピリジル)は一態様では、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルおよびアミノカルボニルアミノ部分から独立に選択される1から5個の置換基で置換されている。そのような一変形形態では、Qは、少なくとも1個の置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えばメチル)またはハロ(例えばフルオロ)部分で置換されているフェニルまたはピリジルである。Qはまた、単一の部分で置換されていてもよく、例えば4−フルオロフェニルまたは6−メチル−3−ピリジルである。
【0184】
一実施形態では、化合物は、pが1であり、R
2b、R
3aおよびR
3bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであるか、あるいはR
3aおよびR
3bが、それらが結合している炭素と一緒になってシクロアルキル部分またはカルボニル部分を形成しており、R
10aおよびR
10bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである、本明細書に詳述されている式(II)もしくは(B)の化合物またはそれらの任意の変形形態の化合物である。他の実施形態では、化合物は、pが1であり、R
2b、R
3aおよびR
3bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり、R
10aおよびR
10bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである、本明細書に詳述されている式(II)もしくは(B)の化合物またはそれらの任意の変形形態の化合物である。
【0185】
一実施形態では、化合物は、pが2であり、R
2b、R
3aおよびR
3bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであるか、あるいはR
3aおよびR
3bが、それらが結合している炭素と一緒になってシクロアルキル部分またはカルボニル部分を形成しており、R
10aおよびR
10bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである、本明細書に詳述されている式(II)もしくは(B)の化合物またはそれらの任意の変形形態の化合物である。他の実施形態では、化合物は、pが2であり、R
2b、R
3aおよびR
3bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり、R
10aおよびR
10bがそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである、本明細書に詳述されている式(II)もしくは(B)の化合物またはそれらの任意の変形形態の化合物である。
【0186】
一変形形態では、化合物は、qが0であり;mおよびnがそれぞれ、1であり;X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4(ここでR
4はHである)であり;X
9がCR
4(ここでR
4はH、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである)である、式(II)の化合物である。そのような一変形形態では、化合物は、Qが置換アリールまたは置換ヘテロアリールであり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHであることによってさらに定義される。さらなるそのような変形形態では、Qは、置換フェニルまたは置換ピリジル基である。Qがピリジル基である場合、これは、R
8eおよびR
8fを有する炭素に任意の利用可能な環位置で結合していてよい(例えば、Qは4−ピリジル、3−ピリジル、2−ピリジルなどであってよい)。置換アリール(例えば置換フェニル)または置換ヘテロアリール(例えば置換ピリジル)は一態様では、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルおよびアミノカルボニルアミノ部分から独立に選択される1から5個の置換基で置換されている。そのような一変形形態では、Qは、少なくとも1個の置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えばメチル)またはハロ(例えばフルオロ)部分で置換されているフェニルまたはピリジルである。Qはまた、単一部分で置換されていてよく、例えば4−フルオロフェニルまたは6−メチル−3−ピリジルである。特定の変形形態では、化合物は、qが0であり;mおよびnがそれぞれ、1であり;R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれ、Hであり;X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4(ここでR
4はHである)であり;X
9がCR
4(ここでR
4はH、ClまたはMeである)であり;Qが、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルまたはハロ基で置換されているフェニルまたはピリジル部分である式(II)の化合物である。
【0187】
他の変形形態では、化合物は、qが0であり;mおよびnがそれぞれ、1であり;R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれ、Hであり;X
9がCR
4であり、ここで、R
4はClであり;R
3aおよびR
3bがそれぞれ、Hまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである式(II)の化合物である。そのような一変形形態では、化合物は、Qが置換アリールまたは置換ヘテロアリールであることによってさらに定義される。Qが置換アリールまたは置換ヘテロアリールである場合、これは、直前のパラグラフにおいて定義された通りの部分であってよく、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチル)またはハロ(例えば、フルオロ)基で置換されているフェニルまたはピリジル基を包含する。そのような一変形形態では、R
3aおよびR
3bの一方は、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチルまたはエチルなどのC
1〜C
4アルキル)であり、他方はHである。他のそのような変形形態では、R
3aおよびR
3bは両方とも、Hである。一態様では、化合物は、qが0であり;mおよびnがそれぞれ、1であり;R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれ、Hであり;X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであり;R
3aおよびR
3bはそれぞれ、Hまたは非置換C
1〜C
8アルキルである式(II)の化合物である。
【0188】
他の変形形態では、化合物は、qが0であり;mおよびnがそれぞれ、1であり;R
8cおよびR
8dがそれぞれ、Hであり;R
8eおよびR
8fの一方がOH、C
1〜C
8アルキルであり、R
8eおよびR
8fの他方がHもしくはC
1〜C
8アルキルであるか、あるいはR
8eおよびR
8fが一緒になってシクロプロピル部分、メチレニル部分またはカルボニル部分を形成している式(II)の化合物である。特定の変形形態では、C
1〜C
8アルキルは、メチル基である。他の変形形態では、R
2b、R
3a、R
3b、R
10aおよびR
10bはそれぞれ、Hである。
【0189】
式(II)の他の変形形態では、qは0であり;mおよびnはそれぞれ、1であり;R
8cおよびR
8dはそれぞれ、Hであり;R
8eおよびR
8fは一緒になってカルボニル部分を形成しており;Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換アミノである。特定の一変形形態では、Qはフェニルである。他の特定の変形形態では、Qは、ピペラジン−4−イル、ピペリジン−4−イル、シクロヘキシルアミノ、モルホリノまたはジメチルアミノである。
【0190】
式(II)の他の変形形態では、qは0であり;mおよびnはそれぞれ、1であり;R
8cおよびR
8dは一緒になってカルボニル部分を形成しており;R
8eおよびR
8fはそれぞれ、Hであり;Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換アミノである。特定の一変形形態では、Qはフェニルである。他の特定の変形形態では、Qは、ピペラジン−4−イル、ピペリジン−4−イル、シクロヘキシルアミノ、モルホリノまたはジメチルアミノである。
【0191】
他の変形形態では、qが0であり;mおよびnが両方とも1であり;R
3aおよびR
3bが両方とも、Hである式(II)の化合物を提供する。一変形形態では、化合物は、(i)〜(iv)のうちの1つまたは複数が適用されることによってさらに定義される:(i)X
9がCR
4であり、ここで、R
4は、ハロ(例えば、クロロ)、C
1〜C
8ペルハロアルキル(例えばCF
3)または非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチル)であること;(ii)R
8cおよびR
8dが一緒になってカルボニル部分を形成していること;(iii)R
8eおよびR
8fの一方がヒドロキシルであり、他方がHまたはメチルであること;(iv)Qが置換もしくは非置換フェニルであること。そのような一変形形態では、(i)および(ii)が適用される。他の変形形態では、(i)および(ii)および(iv)が適用される。さらなる変形形態では、(i)および(iii)が適用される。なおさらなる変形形態では、(i)、(iii)および(iv)が適用される。
【0192】
他の変形形態では、化合物は、qが0であり;mおよびnが両方とも1であり;R
3aおよびR
3bが両方ともHであり、Qがフェニルまたはピリジル部分を含む式(II)の化合物である。そのような一変形形態では、Qは、フェニルまたは置換フェニルである。他のそのような変形形態では、Qは、1個のハロまたは1個の置換もしくは非置換アルキル部分で置換されているフェニルである。フェニルは、フルオロなどの1個のハロ部分で置換されていてよいか、または1個の置換もしくは非置換アルキル部分、例えば、メチルなどのC
1〜C
4アルキルで置換されていてよい。例えば、一変形形態では、Qは、フェニル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−メチルフェニルまたは4−メチルフェニルであってよい。さらに他の変形形態では、Qは、ハロおよびアルコキシから選択される少なくとも2個の部分で置換されている二置換フェニルである。例えば、この変形形態では、Qは、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニルであってよい。さらに他の変形形態では、Qは、6−メチル−3−ピリジルなどの置換ピリジル部分である。特定の変形形態では、化合物は、qが0であり;mおよびnが両方とも1であり;R
3aおよびR
3bが両方ともHであり、Qがフェニル、1個のハロ部分もしくは1個のアルキル部分で置換されているフェニルまたは置換ピリジルである式(II)の化合物である。さらに特定の変形形態では、これらの変形形態のいずれかの化合物は、R
8cおよびR
8dの一方が、R
8eおよびR
8fの一方と一緒になって結合を形成しており、結合の形成に関与していないR
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがHまたはメチルである(したがってアルケン部分をもたらしている)ことによってさらに定義される。特定のそのような変形形態では、R
8cおよびR
8dは、R
8eおよびR
8fの一方と一緒になって結合を形成しており、結合の形成に関与していないR
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはHまたはメチルである。一態様では、化合物は、qが0であり;mおよびnが両方とも1であり;R
3aおよびR
3bが両方ともHであり;R
8cおよびR
8dの一方がR
8eおよびR
8fの一方と一緒になって結合を形成しており、結合の形成に関与していないR
8cまたはR
8dがHであり、結合の形成に関与していないR
8eまたはR
8fがメチルである式(II)の化合物である。さらなるそのような変形形態では、化合物は、qが0であり;mおよびnが両方とも1であり;R
3aおよびR
3bが両方ともHであり;Qがフェニルまたはピリジル部分を含み;R
8cおよびR
8dの一方がR
8eおよびR
8fの一方と一緒になって結合を形成しており、結合の形成に関与していないR
8cまたはR
8dがHであり、結合の形成に関与していないR
8eまたはR
8fがメチルである式(II)の化合物である。
【0193】
他の変形形態では、化合物は、qが0であり、mおよびnが両方とも1であり、R
8cおよびR
8dが一緒になってカルボニルを形成している式(II)の化合物である。そのような一変形形態では、化合物は、(i)〜(iv)のいずれか1つまたは複数によってさらに定義される:(i)R
8eおよびR
8fが両方ともHであること;(ii)Qが置換フェニルであること;(iii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4は置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルまたはハロであること;および(iv)R
3aおよびR
3bの一方が置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、フェニルまたはHであり、他方がHであること。(i)〜(iv)の1つより多くが適用される場合、これらは、任意の様式で組み合わせることができ、例えば、(i)および(ii);(i)および(iv);(ii)、(iii)および(iv)、(i)、(ii)、(iii)および(iv)などである。一変形形態では、Qは、ハロ基で置換されているフェニル、例えば、2−フルオロフェニルおよび2−クロロフェニルである。一変形形態では、X
9はCR
4であり、ここで、R
4はメチルまたはクロロである。特定の変形形態では、化合物は、qが0であり、mおよびnが両方とも1であり、R
8cおよびR
8dが一緒になってカルボニルを形成しており;X
9がCR
4であり、ここで、R
4がメチルまたはクロロであり;Qが置換フェニルである式(II)の化合物である。
【0194】
他の変形形態では、化合物は、qが0であり、mおよびnがそれぞれ、1であり、R
8eおよびR
8fの一方がヒドロキシルである式(II)の化合物である。そのような一変形形態では、化合物は、(i)〜(vi)のいずれか1つまたは複数によってさらに定義される:(i)R
8eおよびR
8fの一方がヒドロキシルであり、ヒドロキシルではないR
8eまたはR
8fが、メチルまたはHであること;(ii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4は置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチル)またはハロ(例えば、クロロ)であること;(iii)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(iv)R
2bがHであること;(v)R
10aおよびR
10bが両方ともHであること;および(vi)Qが置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換ピリジルであること。そのような一変形形態では、(vi)が適用され、Qは、非置換フェニルであるか、あるいはハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル基で置換されているフェニルである。(i)〜(vi)の1つより多くが適用される場合、それらは任意の様式および/または数で組み合わされてよい。例えば、一変形形態では、(i)〜(vi)のすべてが適用され、他では、(i)〜(iv)のうちの任意の1つ、2つまたは3つまたはそれ以上が適用される。一変形形態では、(ii)が適用され、X
9はCR
4であり、ここで、R
4はメチルまたはクロロである。他の変形形態では、(ii)および(vi)の両方が適用され、特定の態様では、X
9はCR
4であり、ここで、R
4は、メチルまたはクロロであり、Qは、フェニルであるか、または置換基がメチルもしくはフルオロである2−置換フェニルもしくは4−置換フェニルである。特定の変形形態では、化合物は、qが0であり、mおよびnがそれぞれ、1であり、R
8eおよびR
8fの一方がヒドロキシルであり、他方がHまたはメチルであり、Qがフェニルであるか、あるいはハロまたは置換もしくは非置換アルキル部分で置換されているフェニルである式(II)の化合物である。
【0195】
他の変形形態では、化合物は、mおよびnが両方とも1であり、Qが置換フェニルである式(II)の化合物である。そのような一変形形態では、qもまた1である。他のそのような変形形態では、qは0である。Qが置換フェニルである場合、置換基(単数または複数)は、任意の利用可能なフェニル環位置に位置してよい。例えば、単一または一置換フェニル基は、フェニル基のオルト、メタ位またはパラ位で置換されていてよい。任意の利用可能なフェニル環置換パターンは、二置換フェニル基または三置換フェニル基に適している(例えば、オルトおよびパラ位で、2個のオルト位で、2個のメタ位で、メタおよびパラ位で、オルト、メタおよびパラ位で、2個のオルトおよび1個のパラ位で、2個のオルトおよび1個のメタ位で、または2個のメタおよび1個のパラまたはオルト位で)。一態様では、Qは、一置換フェニルであり、ここで、置換基は、ハロまたは置換もしくは非置換アルキルである。他の態様では、Qは、二置換フェニルであり、ここで、両方の置換基はハロである。さらなる態様では、Qは二置換フェニルであり、ここで、一方の置換基はハロであり、他方の置換基はアルコキシである。Qは一変形形態では、1から5個の部分で置換されたフェニルであり、ここで、置換基はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノ部分である。他の変形形態では、Qは、少なくとも1個の置換もしくは非置換アルキル(例えば、メチル)、アルコキシ(例えば、メトキシ)またはハロ(例えば、クロロまたはフルオロ)部分で置換されたフェニルである。さらに他の変形形態では、Qは、同じか、または異なってよい少なくとも2個のハロ部分で置換されたフェニルである。他のそのような変形形態では、Qは、1個のハロ部分および1個のアルコキシ部分で置換されたフェニルである。Qは一変形形態では、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニルまたは3−フルオロ−4−メトキシフェニルである。いっそう他の態様では、化合物は、上記の変形形態に従い、その際、その化合物は、(i)〜(v)のうちのいずれか1つまたは複数によってさらに定義される:(i)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(ii)R
8eおよびR
8fの一方がヒドロキシルであり、他方がHまたはメチルであること;(iii)R
8cおよびR
8dの一方がR
8eおよびR
8fの一方と一緒になって結合を形成しており、結合の形成に関与していないR
8cまたはR
8dはHであり、結合の形成に関与していないR
8eまたはR
8fは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチル)であること;(iv)qが0であること;および(v)R
3aおよびR
3bが独立に、H、メチル、エチルまたはフェニルであること。(i)〜(v)の1つより多くが適用される場合、これらは、任意の様式および/または数で組み合わされてよいが、但し、規定(ii)および(iii)は組み合わされない。例えば、一変形形態では、(i)〜(ii)、(iv)および(v)のすべてが適用され、他では、(i)〜(v)の任意の1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つが適用されるが、但し、(ii)および(iii)は組み合わされない。
【0196】
他の変形形態では、化合物は、Qが置換3−ピリジル(例えば、6−メチル−3−ピリジル)であり;mおよびnがそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8e、R
8fがそれぞれHであり;R
10aおよびR
10bが両方ともHである式(II)の化合物である。そのような一変形形態では、化合物は、(i)X
9がCR
4であり、ここで、R
4は置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチル)またはハロ(例えば、クロロ)であり;(ii)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(iii)R
3aおよびR
3bが両方ともHであること;および(iv)qが0であることのうちのいずれか1つまたは複数によってさらに定義される。
【0197】
他のそのような変形形態では、化合物は、式(IIh)の化合物であり、(i)〜(viii)のうちのいずれか1つまたは複数によってさらに定義されるが、但し、(ii)、(iii)および(iv)のうちの1つのみが適用されることを条件とする:(i)qが0であること;(ii)R
8cおよびR
8dが両方ともHであり、R
8eおよびR
8fが独立に、H、ヒドロキシルまたはメチルであること;(iii)R
8cがR
8eと一緒になって結合を形成しており、R
8dがR
8fと一緒になって結合を形成し、その結果、三重結合がそのようなR
8基を有する炭素間に存在すること;(iv)R
8cおよびR
8dの一方が、R
8eおよびR
8fの一方と一緒になって結合を形成しており、結合の形成に関与していないR
8cまたはR
8dがHであり、結合の形成に関与していないR
8eまたはR
8fがHまたはメチルであること;(v)X
9がCR
4であり、ここで、R
4は、ハロ(例えば、クロロ)または置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチル)であること;(vi)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(vii)R
2bがHであること;および(viii)R
10aおよびR
10bが両方ともHであること。(i)〜(viii)のうちの1つより多くが適用される場合、それらを任意の様式および/または数で組み合わせることができるが、但し、(ii)、(iii)および(iv)のうちの1つのみが適用されることを条件とする。特定の変形形態では、化合物は、式(IIh)の化合物またはその変形形態の化合物であり、ここで、(i)〜(viii)のうちの任意のいずれか1つまたは複数が適用され(但し、(ii)、(iii)および(iv)のうちの1つのみが適用されることを条件とする)、ここで、R
9は、ハロ、ペルハロアルキル、アルコキシまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり、sは、1から2の整数である。
【0198】
そのような一変形形態では、化合物は、式(IIg)の化合物であり、(i)〜(vi)のうちのいずれか1つまたは複数によってさらに定義される:(i)qが0であること;(ii)mおよびqがそれぞれ、1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれ、Hであること;(iii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4はハロ(例えば、クロロ)または置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル(例えば、メチル)であること;(iv)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(v)R
2bがHであること;および(vi)R
10aおよびR
10bが両方とも、Hであること。(i)〜(vi)のうちの1つより多くが適用される場合、それらは任意の様式および/または数で組み合わされてよい。ピリジル環は親構造に、任意の利用可能な位置で結合していてよく、例えば、ピリジルは、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジル基であってよい。加えて、tが0より大きい場合、R
9置換基は、ピリジル環に任意の環位置で結合していてよい。一例では、tは1であり、ピリジルは3−ピリジル基であり、ここで、R
9部分は、任意の利用可能な環位置で結合している。特定の変形形態では、化合物は、(i)〜(vi)のいずれか1つまたは複数が適用される場合、R
9が置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり、tが1から2の整数である場合を包含する式(IIg)の化合物またはその変形形態の化合物である。特定のそのような変形形態では、R
9はメチルであり、tは1であって、例えば、6−メチル−3−ピリジルが得られる。
【0199】
一変形形態では、化合物は、qが0であり、
【0200】
【化27】
がE二重結合配置を示し、R
11がHであり、R
12がC
1〜C
8アルキルである式(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)のうちのいずれか1つの化合物である。一変形形態では、化合物は、qが0であり、
【0201】
【化28】
がZ二重結合配置を示し、R
11がHであり、R
12がC
1〜C
8アルキルである式(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)のうちのいずれか1つの化合物である。
【0202】
一変形形態では、化合物は、Qがフェニルまたは置換フェニルである式(B)の化合物である。Qが置換フェニルである場合、一態様では、これは、1から5個の置換基で置換されている。Qが置換フェニルである場合、置換基(単数または複数)は、任意の利用可能なフェニル環位置に位置してよい。例えば、単一または一置換フェニル基は、フェニル基のオルト、メタまたはパラ位で置換されていてよい。任意の利用可能なフェニル環置換パターンは、二置換フェニル基または三置換フェニル基に適している(例えば、オルト位およびパラ位で、2個のオルト位で、2個のメタ位で、メタおよびパラ位で、オルト、メタおよびパラ位で、2個のオルトおよび1個のパラ位で、2個のオルトおよび1個のメタ位で、または2個のメタおよび1個のパラまたはオルト位で)。一態様では、Qは、一置換フェニルであり、ここで、置換基は、ハロである(例えば、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、4−クロロフェニルおよび4−フルオロフェニル)。他の態様では、Qは、二置換フェニルであり、ここで、両方の置換基はハロである(例えば、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニルおよび2,4−ジクロロフェニル)。さらなる態様では、Qは二置換フェニルであり、ここで、一方の置換基はハロであり、他方の置換基はアルコキシである(例えば、3−フルオロ−4−メトキシフェニル)。一変形形態ではQは、非置換フェニルである。いっそう他の態様では、化合物は、上記の変形形態に従い、(i)〜(x)のうちのいずれか1つまたは複数によってさらに定義されるが、但し、(iv)および(v)は組み合わされず、(ii)および(vi)は組み合わされず、(iii)および(vi)は組み合わされないことを条件とする:(i)qおよびmが両方とも0であること;(ii)R
11がHであること;(iii)R
12が非置換アルキル(例えば、メチルなどのC
1〜C
8アルキル)であること;(iv)R
3aおよびR
3bの一方がメチル、エチルまたはフェニルであり、他方がHであること;(v)R
3aおよびR
3bが両方ともHであること;(vi)R
11およびR
12が一緒になって結合を形成していて、それによって、アセチレニル部分をもたらしていること;(vii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4が非置換アルキル(例えば、メチル)またはハロ(例えば、クロロ)であること;(viii)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(ix)R
2bがHであること;(x)R
10aおよびR
10bが両方とも、Hであること。(i)〜(x)の1つより多くが適用される場合、それらを任意の様式および/または数で組み合わせることができるが、但し、規定(iv)および(v)は組み合わされず、規定(ii)および(vi)は組み合わされず、規定(iii)および(vi)は組み合わされないことを条件とする。特定の変形形態では、規定(iii)が適用され(R
12は非置換アルキルである)、化合物(B)の二重結合は「E」配置である。他の変形形態では、規定(iii)が適用され(R
12は非置換アルキルである)、化合物(B)の二重結合は「Z」配置である。
【0203】
特定の変形形態では、化合物は、Qが非置換フェニルであり、R
11およびR
12が両方ともHである式(B)の化合物である。さらに特定の変形形態では、化合物は規定(i)〜(vi)のそれぞれによってさらに定義される:(i)qおよびmが両方とも0であること;(ii)R
3aおよびR
3bが両方ともHであること;(iii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4は、非置換アルキル(例えば、メチル)またはハロ(例えば、クロロ)であること;(iv)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(v)R
2bがHであること;および(vi)R
10aおよびR
10bが両方とも、Hであること。
【0204】
特定の変形形態では、化合物は、Qが置換フェニルであり、R
12がメチルである式(B)の化合物である。さらに特定の変形形態では、化合物は、規定(i)、(ii)、(vii)〜(x)のそれぞれによってさらに定義される:(i)qおよびmが両方とも0であること;(ii)R
11がHであること;(vii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4は非置換アルキル(例えば、メチル)またはハロ(例えば、クロロ)であること;(viii)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(ix)R
2bがHであること;および(x)R
10aおよびR
10bが両方とも、Hであること。なおさらなる特定の変形形態では、化合物は、Qが置換フェニルであり、R
12がメチルであり、規定(i)、(ii)および(vii)〜(x)のそれぞれが適用され、規定(iv)もまた適用される式(B)の化合物である:(iv)R
3aおよびR
3bの一方がメチル、エチルまたはフェニルであり、他方はHであること。さらに他の特定の変形形態では、化合物は、Qが置換フェニルであり、R
12がメチルであり、規定(i)、(ii)および(vii)〜(x)のそれぞれが適用され、規定(v)もまた適用される式(IIi)の化合物である:(v)R
3aおよびR
3bが両方とも、Hであること。
【0206】
【化29】
がE二重結合配置を示し、R
11がHであり、R
12がC
1〜C
8アルキルである式(B4)の化合物である。一変形形態では、化合物は、
【0207】
【化30】
がZ二重結合配置を示し、R
11がHであり、R
12がC
1〜C
8アルキルである式(IIi)の化合物である。
【0208】
一変形形態では、化合物は、Qが上記の式(B)に関して記載されたものなどの置換フェニル基(その置換基がハロである一置換フェニル(例えば、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、4−クロロフェニルおよび4−フルオロフェニル)および両方の置換基がハロである二置換フェニル(例えば、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニルおよび2,4−ジクロロフェニル)か、または1個の置換基がハロであり、他方がアルコキシである(例えば、3−フルオロ−4−メトキシフェニル)二置換フェニルを包含するが、これらに限定されない)である式(B4)の化合物である。Qが置換フェニルである式(B4)の化合物は、(i)〜(vi)のいずれか1つまたは複数によってさらに定義することができる:(i)R
11がHであること;(ii)R
12が非置換アルキル(例えば、メチルなどのC
1〜C
8アルキル)であること;(iii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4はハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、メチル)であること;(iv)X
7、X
8およびX
10がそれぞれ、CR
4であり、ここで、R
4はHであること;(v)R
2bがHであること;および(vi)R
10aおよびR
10bが両方ともHであること。(i)〜(vi)の1つより多くが適用される場合、それらを任意の様式および/または数で組み合わせることができる。一変形形態では、化合物は、Qが置換フェニルであり、規定(i)〜(vi)のすべてが適用される式(B4)の化合物である。
【0209】
式(B4)の特定の変形形態では、R
11はHであり、Qは置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール、例えば、置換もしくは非置換フェニルまたはピリジルである。式(B4)のさらに特定の変形形態では、R
11はHであり、R
12はHまたはメチルであり、Qは、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールである。置換もしくは非置換フェニルまたはピリジルQ基の例には、これらに限られないが、3−ピリジル、4−ピリジル、4−メトキシフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3−フルオロ−4−メトキシルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、4−メチル−3−ピリジル、4−フルオロフェニルおよび2−メチル−5−ピリミジルが包含される。
【0210】
(IIf)の一変形形態では、Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルである。
【0211】
(IIf)の特定の変形形態では、Qは、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール、例えば、置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換ピリジルである。Qの例には、これらに限られないが、4−メトキシフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−ピリジル、4−ピリジル、4−トリフルオロメチル−3−ピリジルおよび4−メチル−3−ピリジルが包含される。
【0212】
(IIf)のさらなる変形形態では、Qは、置換フェニルである。一態様では、化合物は、Qが置換フェニル(その置換基がハロである一置換フェニル(例えば、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、4−クロロフェニルおよび4−フルオロフェニル)ならびに両方の置換基がハロである二置換フェニル(例えば、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニルおよび2,4−ジクロロフェニル)か、または1個の置換基がハロであり、他方がアルコキシである(例えば、3−フルオロ−4−メトキシフェニル)二置換フェニルを包含するが、これらに限定されない)である式(IIf)の化合物である。Qが置換フェニルである式(IIk)の化合物は、(i)〜(v)の1つまたは複数によってさらに定義することができる:(i)R
3aおよびR
3bの一方がメチル、エチルまたはフェニルであり、他方がHであること;(ii)X
9がCR
4であり、ここで、R
4がハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、メチル)であること;(iii)X
7、X
8およびX
10がそれぞれCR
4であり、ここで、R
4はHであること;(iv)R
2bがHであること;および(v)R
10aおよびR
10bが両方ともHであること。(i)〜(v)の1つより多くが適用される場合、それらを任意の様式および/または数で組み合わせることができる。一変形形態では、化合物は、Qが置換フェニルであり、規定(i)〜(v)のすべてが適用される式(IIf)の化合物である。
【0213】
本明細書に詳述されている任意の式は、適用可能な場合、一変形形態において、H、ヒドロキシル、アルコキシまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルからそれぞれ独立に選択されるR
3a、R
3b、R
10a、R
10bをそれぞれ有する。「適用可能な場合」とは、式がそのような構造を包含する場合に、そのようなR
3a、R
3b、R
10a、R
10b部分が、1つの変形形態であることが意図されていると理解される。
【0214】
式(II)に関する変形形態はすべて、適用可能な場合には、変形形態がいずれも具体的に、かつ個別に列挙されているかのように、式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)、(Ii−2)、(Ii−3)、(Ii−4)、(Ii−5)、(Ii−6)、(Ii−7)、(IIa)〜(IIk)、(IIi−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)、(B1)〜(B4)(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)、(VII−1)、G−1、G−2、G−3およびG−4のいずれかに等しく適用することができる。
【0215】
本発明は、式(III)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を包含する:
【0216】
【化31】
[式中、
R
2aおよびR
2bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
3bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
pは1または2であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
R
10aおよびR
10bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである]。一変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0217】
一変形形態では、規定(A)および(B)が適用される式(III)の化合物を提供する:
(A)pが1である場合、規定(a)〜(d)が適用されること:(a)X
7、X
8およびX
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、X
9がCR
4(ここでR
4はHまたはメトキシである)であり、qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがフェニル以外であること、(b)X
7〜X
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがジメチルアミノ以外であること、(c)X
7〜X
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがピロリジン−1−イル以外であること、および(d)X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、ここで、R
4がHであり、qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qがアルコキシ以外であること;
(B)pが2であり、X
7〜X
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)である場合に、規定(f)〜(l)が適用されること(f)q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、非置換ヘテロシクリル、置換アゼチジニル以外の置換ヘテロシクリル、アルコキシ、カルボニルアルコキシまたはアミノカルボニルアルコキシ部分であること、(g)q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8cおよびR
8dがそれぞれHであり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qが、式−NHRを有する(式中のRは置換アルキルである)置換アミノ基以外であること、(h)qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが、カルボキシルおよび式−C(O)NHRを有する(式中のRは置換アルキルである)アシルアミノ基以外であること、(i)qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8cおよびR
8dがそれぞれHであり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成しており、Qがメトキシおよびシクロペンチルアミノ以外であること、(j)qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが
、フェニル、メトキシ、カルボキシル、カルボニルメトキシ
、および
シクロペンチル基で置換されたアシルアミノ
[−C(O)NH−シクロペンチル]以外であること、および(k)qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qがアルコキシ以外であること;(l)qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがシアノ以外であること。
【0218】
他の変形形態では、一態様において、X
7〜X
10のそれぞれがCR
4であり、R
2a、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bのそれぞれがHである場合に、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個がヒドロキシルまたはアルコキシである式(III)の化合物を提供する。
【0219】
一変形形態では、R
8a〜R
8fのうちの少なくとも1個が、置換アルキルであり、ここで、そのC
1〜C
8アルキルは、カルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されている式(III)の化合物を提供する。
【0220】
一部の変形形態では、化合物は、pが1であり、X
7〜X
10のうちの少なくとも1個がCH以外であり、Qがフェニル以外である式(III)の化合物である。他の変形形態では、化合物は、pが1であり、Qが置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換ヘテロシクリル、非置換アミノ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである式(III)の化合物である。一部の変形形態では、化合物は、pが2であり、X
7〜X
10のうちの少なくとも1個がCH以外である式(III)の化合物である。他の変形形態では、化合物は、pが2であり、Qが置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、非置換ヘテロシクリル、アシルオキシまたはアミノカルボニルアルコキシである式(III)の化合物である。
【0221】
一部の変形形態では、化合物は、pが1であり、規定(a)〜(e)が適用される式(III)の化合物である:(a)X
7、X
8およびX
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、X
9がCR
4(ここでR
4はHまたはメトキシである)であり、qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがフェニル以外であること;(b)X
7〜X
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがジメチルアミノ以外であること;(c)X
7〜X
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、qは0であり、mおよびnはそれぞれ1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qがピロリジン−1−イル以外であること;(d)X
7〜X
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qがアルコキシ以外であること;および(e)X
7〜X
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、q、mおよびnがそれぞれ0である場合、Qがカルボニルアルコキシ以外であること。一部の変形形態では、化合物は、pが2であり、X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、ここで、R
4はHであり、規定(f)〜(k)が適用される式(III)の化合物である:(f)q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、非置換ヘテロシクリル、置換アゼチジニル以外の置換ヘテロシクリル、アルコキシ、カルボニルアルコキシまたはアミノカルボニルアルコキシであること、(g)q、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8a、R
8b、R
8cおよびR
8dがそれぞれHであり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qが、式−NHRを有する(式中のRは置換アルキルである)置換アミノ基以外であること、(h)qが0であり、mおよびnが1であり、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが、カルボキシルおよび式−C(O)NHRを有する(式中のRは置換アルキルである)アシルアミノ基以外であること、(i)qが0であり、mおよびnがそれぞれ1であり、R
8cおよびR
8dがそれぞれHであり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成しており、Qがメトキシおよびシクロペンチルアミノ以外であること、(j)qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fがそれぞれHである場合、Qが
、フェニル、メトキシ、カルボキシル、カルボニルメトキシ
、および
シクロペンチル基で置換されているアシルアミノ
[−C(O)NH−シクロペンチル]以外であることおよび(k)qおよびmがそれぞれ0であり、nが1であり、R
8eおよびR
8fが、それらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分を形成している場合、Qがアルコキシ以外であること。
【0222】
一部の変形形態では、化合物は、X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
2a、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHであり、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個がヒドロキシルまたはアルコキシである式(III)の化合物である。
【0223】
本発明は、式(IV)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を包含する:
【0224】
【化32】
[式中、
R
2aおよびR
2bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
3aおよびR
3bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
pは1または2であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
R
10bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである]。一変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0225】
一変形形態では、R
8a〜R
8fのうちの少なくとも1個が、置換アルキルであり、ここで、そのC
1〜C
8アルキルは、カルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されている式(IV)の化合物を提供する。
【0226】
一部の実施形態では、化合物は、pが1であり、X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、ここで、R
4はHであり、R
8(a〜f)、m、n、qおよびQが一緒になってtert−ブトキシカルボニル基以外の部分を形成している式(IV)の化合物である。
【0227】
本発明は、式(V)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を包含する:
【0228】
【化33】
[式中、
R
1は、Hまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
2bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
3bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
pは1または2であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
R
10aおよびR
10bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである]。一変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0229】
一変形形態では、R
8a〜R
8fのうちの少なくとも1個が、置換アルキルであり、ここで、そのC
1〜C
8アルキルは、カルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されている式(V)の化合物を提供する。
【0230】
他の変形形態では、X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
2b、R
3b、R
10aおよびR
10bがそれぞれHであり、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個がヒドロキシルまたはアルコキシである式(V)の化合物を提供する。
【0231】
本発明は、式(VI)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を包含する:
【0232】
【化34】
[式中、
R
1は、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
2bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
3aおよびR
3bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
pは1または2であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
R
10bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである]。一変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0233】
一変形形態では、R
8a〜R
8fのうちの少なくとも1個が、置換アルキルであり、ここで、そのC
1〜C
8アルキルは、カルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されている式(VI)の化合物を提供する。
【0234】
本発明は、式(VII)の化合物もしくはその塩またはその溶媒和物を包含する:
【0235】
【化35】
[式中、
R
1は、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
2aおよびR
2bはそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
R
3bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
X
7、X
8、X
9およびX
10はそれぞれ独立に、NまたはCR
4であり;
mおよびqは独立に、0または1であり;
nは1であり;
pは1または2であり;
R
4はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、チオール、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニルアルキレンアルコキシ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであり;
R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fはそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、あるいはジェミナルR
8(a〜f)と一緒になって置換もしくは非置換メチレン部分または式−OCH
2CH
2O−部分を形成しているか、またはジェミナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル部分もしくはシクロアルキル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル部分を形成しているか、またはビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成しているが、但し、R
8(a〜f)がビシナルR
8(a〜f)と一緒になって結合を形成している場合、そのジェミナルR
8(a〜f)はヒドロキシル以外であることを条件とし;
R
10bは、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルであり;
Qは、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボニルアルコキシ、シアノ、アルキニル、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノである]。一変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、H、ハロまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0236】
一変形形態では、R
8a〜R
8fのうちの少なくとも1個が、置換アルキルであり、ここで、そのC
1〜C
8アルキルは、カルボニルアルコキシ部分もしくはカルボキシル部分もしくはアシルアミノ部分で置換されている式(VII)の化合物を提供する。
【0237】
他の変形形態では、化合物は、X
7〜X
10がそれぞれCR
4であり、R
2a、R
2b、R
3bおよびR
10bがそれぞれHであり、R
8(a〜f)のうちの少なくとも1個がヒドロキシルまたはアルコキシである式(VII)の化合物である。
【0238】
本発明はまた、任意の1つまたは複数の式(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)および(VII−1)の化合物を包含する:
【0239】
【化36】
[式中、Q、X
7、X
8、X
9、X
10、R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
10a、R
10b、R
8c、R
8d、R
8e、R
8fおよびpは、存在する場合、式(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)に関してそれぞれ定義された通りである]。例えば、式(III−1)では、Q、X
7、X
8、X
9、X
10、R
2a、R
2b、R
3b、R
10a、R
10b、R
8c、R
8d、R
8e、R
8fおよびpは、式(III)に関して定義された通りである。
【0240】
一態様では、本発明は、X
7、X
8およびX
10がCR
4であり、ここで、R
4はHである式(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)および(VII−1)の化合物を包含する。他の態様では、本発明は、X
7、X
8およびX
10がそれぞれCR
4であり、ここで、R
4はHであり、X
9がCR
4であり、ここで、R
4は式(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)に関してそれぞれ定義された通りであり、Qが置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールである式(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)および(VII−1)の化合物を包含する。他の態様では、本発明は、X
7、X
8およびX
10がそれぞれCR
4であり、ここで、R
4はHであり;X
9がCR
4であり、ここで、R
4はハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、CH
3、エチル、i−プロピルまたはt−ブチル)であり;R
8cがOHであり;R
8dが、HまたはCH
3であり;R
8eおよびR
8fがそれぞれHであり、Qが置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールである式(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)および(VII−1)の化合物を包含する。
【0241】
他の態様では、本発明は、X
7、X
8およびX
10がそれぞれCR
4であり、ここで、R
4はHであり;X
9がCR
4であり、ここで、R
4は、ハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、CH
3、エチル、i−プロピルまたはt−ブチル)であり;R
8cがOHであり;R
8dが、HまたはCH
3であり;R
8eおよびR
8fがそれぞれHであり、Qが置換もしくは非置換ピリジルである式(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)および(VII−1)の化合物を包含する。式(V−1)、(VI−1)および(VII−I)の一変形形態では、R
1は、Hまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0242】
さらなる態様では、本発明は、X
8およびX
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり、X
9がCR
4(ここでR
4は、式(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)に関してそれぞれ定義された通りである)であり、Qが置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールである式(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)および(VII−1)の化合物を包含する。他の態様では、本発明は、X
7が式(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)に関してそれぞれ定義された通りであり;X
8およびX
10がそれぞれCR
4(ここでR
4はHである)であり;X
9がCR
4(ここでR
4はハロ(例えば、クロロ)またはアルキル(例えば、CH
3、エチル、i−プロピルまたはt−ブチル)である)であり;R
8cおよびR
8cが独立に、H、OHまたはCH
3であり;R
8eおよびR
8fがそれぞれHであり;Qが、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであるが、但し、(i)X
7がNである場合、R
8cおよびR
8dがHであること;および(ii)X
7がCR
4であり、R
4がHである場合、R
8cがOHであり、R
8dがHまたはCH
3であることを条件とする式(III−1)、(IV−1)、(V−1)、(VI−1)および(VII−1)の化合物を包含する。そのような一実施形態では、Qは、置換もしくは非置換ピリジルである。
【0243】
ある式に適用可能であると本明細書に詳述されている変形形態は、適用可能な場合には、変形形態がいずれも具体的に、かつ個別に列挙されているかのように、他の式にも等しく適用されると理解される。したがって、下記に示されている変形形態を包含する全体を通して詳述されている変形形態において、変形形態は、適用可能な場合には、すべての式に適用される。適用可能とは、例えば、属構造に特定の部分を包含することによって、またはその構造によって要素の特定の組み合わせが可能であることによって、所定の式がそのような変形形態を許すならば、その変形形態が適用されることと理解される。
【0244】
一変形形態では、化合物は、適用可能な場合には、R
1がH、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、ペルハロアルキル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換アラルキル、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、スルホニルまたはカルボニルアルキレンアルコキシである式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)〜(Ii−7)、(IIa−IIk)、(IIi−1)、(III−1)〜(VII−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)のいずれかなどの前述の式のいずれかの化合物である。他の変形形態では、化合物は、R
1が置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルまたはアシルである前述の式のいずれかの化合物である。さらなる変形形態では、化合物は、R
1が非置換C
1〜C
8アルキルである前述の式のいずれかの化合物である。適用可能な場合には、本明細書に詳述されている式の任意の変形形態は、追加的な変形形態において、このパラグラフのR
1部分によってさらに定義され得る。
【0245】
特定の実施形態では、化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10がCR
4である式(I)〜(VII)、(I−1)、(Ia)〜(Ik)、(Ii−1)〜(Ii−)、(IIa−IIk)、(IIi−1)、(III−1)〜(VII−1)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)のいずれかなどの本明細書に記載されている式の化合物である。他の実施形態では、化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの少なくとも1個がNである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)などの本明細書に詳述されている式の化合物である。他の変形形態は、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの少なくとも2個がNである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に記載の式の化合物を提供する。さらなる変形形態は、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの2個がNであり、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの2個がCR
4である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に記載の式の化合物を提供する。X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの1個がNであり、X
7、X
8、X
9およびX
10のうちの3個がCR
4である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物もまた、本発明に包含される。
【0246】
他の変形形態では、本発明の化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10が一緒になって次の構造から選択される芳香族部分をもたらす式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である:
【0247】
【化37】
[式中、R
4はそれぞれ、式(I)または(A)に関して定義された通りであるか;または特定の変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、ヒドロキシル、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであるか;あるいは、なおさらなる変形形態では、R
4は独立に、ハロ、非置換C
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
4ペルハロアルキルである]。他の変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、ハロまたは非置換C
1〜C
8アルキルである。一実施形態では、芳香族部分は、一変形形態においてハロまたは非置換C
1〜C
8アルキルである、単一のR
4基で置換されている。そのような一変形形態では、前述の環は(R
4)
0置換基を有し、その結果、芳香族部分は非置換であり、R
4基を含有しない。
【0248】
他の変形形態では、本発明の化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10が一緒になって次の構造から選択される芳香族部分をもたらす式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である:
【0249】
【化38】
[式中、R
4はそれぞれ式(I)に関して定義された通りであるか;または特定の変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、アルキル、ペルハロアルキルもしくはハロであるか、または、なおさらなる特定の変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、メチル、トリフルオロメチル、クロロもしくはフルオロである]。一実施形態では、芳香族部分は、一変形形態においてハロまたは非置換C
1〜C
8アルキルである単一のR
4基で置換されている。そのような一変形形態では、前述の環は(R
4)
0置換基を有し、その結果、芳香族部分は非置換であり、R
4基を含有しない。
【0250】
さらなる変形形態では、化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10が一緒になって次の式の構造をもたらしており、R
4が、本明細書の上記の任意の変形形態において定義されている通りであってよい式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である。
【0251】
【化39】
そのような一変形形態では、R
4は、ハロまたは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0252】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10が一緒になって次の構造から選択される芳香族部分をもたらす式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である:
【0253】
【化40】
[式中、R
4は、式(I)に関して定義された通りであるか;または特定の変形形態では、R
4は、ヒドロキシル、ハロ、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、C
1〜C
8ペルハロアルコキシ、C
1〜C
8アルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アラルキル、チオアルキル、置換もしくは非置換アミノ、アルキルスルホニルアミノまたはアシルであるか;あるいは、なおさらなる変形形態では、R
4はそれぞれ独立に、ハロ、非置換C
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
4ペルハロアルキルである]。他の変形形態では、R
4は、ハロまたは非置換C
1〜C
8アルキルである。
【0254】
なおさらなる変形形態では、本発明の化合物は、一緒になって次の構造から選択される芳香族部分をもたらす式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である:
【0255】
【化41】
[式中、R
4は、式(I)、または本明細書に記載の任意の特定の変形形態(例えば、R
4はそれぞれ独立に、アルキルもしくはハロである場合)か、またはなおさらなる特定の変形形態(R
4はそれぞれ独立に、メチル、クロロ、ヨードもしくはフルオロである場合)において定義されている通りである]。
【0256】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10が一緒になって次の構造から選択される芳香族部分をもたらす式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である。
【0257】
【化42】
本明細書に詳述されている任意の式は、適用可能な場合には、一変形形態において、一緒になって本明細書の上記の詳述されている芳香族部分をもたらすX
7、X
8、X
9およびX
10を有し得る。「適用可能な場合には」とは、一変形形態において、その式がそのような構造を包含する場合、そのようなX
7、X
8、X
9およびX
10基が一緒になって本明細書の上記の部分をもたらすことが意図されていると理解される。例えば、所定の式が、X
7、X
8、X
9およびX
10基が一緒になってピリジル部分をもたらす構造を包含しない場合、本明細書の上記の詳述されているピリジル部分は、その特定の式に適用可能ではないが、X
7、X
8、X
9およびX
10基が一緒になってピリジル部分をもたらす構造をまさに包含する式には適用可能なままである。
【0258】
他の実施形態では、本発明の化合物は、X
7〜X
10が式(I)に関して定義された通りであるか、または本明細書に記載の任意の変形形態において詳述された通りであり、適用可能な場合には、R
1がH、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換アラルキルである式(I)の化合物である。さらなる実施形態では、本発明の化合物は、X
7〜X
10が式(I)に関して定義された通りであるか、または本明細書に記載の任意の変形形態において詳述された通りであり、適用可能な場合には、R
1が、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、置換もしくは非置換ヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換アリールである式(I)、(V)〜(VII)、(A)および(A1)〜(A4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である。特定の変形形態では、本発明の化合物は、X
7〜X
10が式(I)に関して定義された通りであるか、または本明細書に記載の任意の変形形態に詳述されている通りであり、適用可能な場合には、R
1が、メチル、エチル、シクロプロピル、プロピレート(propylate)、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル、sec−ブチル、2−メチルブチル、プロパナール、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエタナール、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、置換フェニル、ピペリジン−4−イル、ヒドロキシシクロペンタ−3−イル、ヒドロキシシクロペンタ−2−イル、ヒドロキシシクロプロパ−2−イル、1−ヒドロキシ−1−メチルシクロプロパ−2−イルまたは1−ヒドロキシ−1,2,2−トリメチル−シクロプロパ−3−イルである式(I)、(V)〜(VII)、(A)および(A1)〜(A4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である。
【0259】
本発明は、R
2a、R
2b、R
10a、R
10b、R
3a、R
3bおよびpが一緒になって下記の構造からなる群から選択される部分を形成する式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式または本明細書に詳述されているそれらの任意の変形形態に従った化合物を包含する。
【0260】
【化43】
ある種の実施形態では、R
1が次の部分から選択される本明細書に詳述されている式の化合物を提供する。
【0261】
【化44】
本発明はさらに、q、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fが一緒になって下記の構造からなる群から選択される部分を形成する式(I)〜(VII)の化合物など本明細書に詳述されている式または本明細書に詳述されているそれらの任意の変形形態に従った化合物を包含する。
【0263】
【化46】
本明細書に詳述されている任意の式は、適用可能な場合には、一態様において、存在する場合には一緒になってこのパラグラフに詳述されている部分を形成しているそのq、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fを有すると理解される。
【0264】
さらなる変形形態では、適用可能な場合には、q、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fが一緒になって下式の部分を形成している本明細書に詳述されている式の化合物を提供する。
【0265】
【化47】
上記の構造が、式(I)〜(VII)の化合物またはそれらの任意の変形形態の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物に適用される場合、q、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fは適用可能な場合には一緒になって先述の部分(このパラグラフの構造を包含するがこれに限定されない)を形成すると理解される。同様に、本明細書に詳述されている任意の式は、適用可能な場合には、一変形形態において、存在する場合には一緒になって本明細書の上記の詳述されている部分(このパラグラフの構造を包含するがこれに限定されない)を形成するq、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fを有してよい。「適用可能な場合」とは、一変形形態において、その式がそのような構造を包含する場合、そのようなq、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8f基が、存在する場合には一緒になって本明細書の上記の部分をもたらすことが意図されていると理解される。例えば、所定の式が、q、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8f基が、存在する場合に一緒になって−CH
2CH
2−部分をもたらす構造を包含しないならば、本明細書の上記の詳述されている−CH
2CH
2−部分は、その特定の式には適用可能ではないが、q、m、n、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8f基が存在する場合には一緒になって−CH
2CH
2−部分をもたらす構造をまさに包含する式には適用可能なままである。
【0266】
本発明はさらに、R
8c、R
8dおよびそれらが結合している炭素が、R
8e、R
8fおよびそれらが結合している炭素またはR
8a、R
8bおよびそれらが結合している炭素と一緒になって下記構造からなる群から選択される部分を形成し、下記構造はそれぞれ必要に応じて置換されていてもよく、下記構造中のR
8はそれぞれ独立に、H、ヒドロキシル、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、カルボキシルまたはカルボニルアルコキシである、式(I)〜(VII)の化合物などの本明細書に詳述されている式または本明細書に詳述されているそれらの任意の変形形態に従った化合物を包含する。
【0267】
【化48】
他の変形形態では、本発明の化合物は、R
4がそれぞれ独立に、H、ハロ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8ペルハロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換アリールである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、R
4がそれぞれ独立に、Hまたは置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキルである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、R
4がそれぞれHである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。本発明はまた、R
4がそれぞれ独立に、H、ハロ、非置換C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ペルハロアルキルまたは置換もしくは非置換アリールである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物を包含する。本発明はさらに、R
4がそれぞれ独立に、H、ハロ、メチル、ペルフルオロメチルまたはシクロプロピルである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物を包含する。
【0268】
本発明はまた、Qが、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール(これらは、置換または非置換ピリジル、フェニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、フラニル、ピロリルまたはチオフェニル基であってよいがこれに限定されない)である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物を包含する。一変形形態では、本発明の化合物は、Qが置換もしくは非置換フェニル基または置換もしくは非置換ピリジル基である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の変形形態の化合物である。特定の変形形態では、Qは、少なくとも1個のメチル基で置換されているフェニルまたはピリジル基である。他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、少なくとも1個の置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、ハロまたはペルハロアルキル部分で置換されているピリジル、フェニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、フラニル、ピロリルまたはチオフェニル基である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の変形形態の化合物である。さらに他の変形形態では、本発明の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物は、Qが置換もしくは非置換C
3〜C
8シクロアルキルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが置換または非置換ピリジル、フェニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピロリジニルまたはチオモルホリニル基である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。特定の変形形態では、Qは、少なくとも1個のメチルまたはハロ基で置換されているピリジル、フェニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピロリジニルまたはチオモルホリニル基である。一変形形態では、本発明の化合物は、Qが非置換C
3〜C
8シクロアルキルまたは非置換ヘテロシクリルである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが置換または非置換シクロヘキシル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、シクロペンチルまたはピロリジニル部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、少なくとも1個のカルボニル基、ヒドロキシメチル基、メチル基またはヒドロキシル基で置換されている、置換シクロヘキシル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、シクロペンチルまたはピロリジニル部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0269】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0270】
【化49】
[式中、R
9はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノである]。一変形形態では、Qは、1個以下のR
9基で置換されている。他の変形形態では、Qは、1個のR
9基のみで置換されている。一変形形態では、Qは、2個のR
9基で置換されている。さらなる変形形態では、Qは、残基が部分(R
9)
0を有する詳述された芳香族構造から選択され、その結果、QはR
9官能基も式N−R
9の部分も含有しない。
【0271】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0272】
【化50】
[式中、R
9はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノである]。一変形形態では、Qは、1個以下のR
9基で置換されている。他の変形形態では、Qは、1個のR
9基のみで置換されている。一変形形態では、Qは、2個のR
9基で置換されている。さらなる変形形態では、Qは、残基が部分(R
9)
0を有する詳述された芳香族構造から選択され、その結果、QはR
9官能基も式N−R
9の部分も含有しない。
【0273】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の変形形態の化合物である。
【0274】
【化51】
[式中、R
9はそれぞれ独立に、アルキル、ペルハロアルキルまたはハロである]。
【0275】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、下式の構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0276】
【化52】
[式中、R
9は、QがR
8eおよびR
8fを有する炭素に結合している位置に対してオルト位またはパラ位でQに結合している]。特定の変形形態では、Qは、下式の構造であり。
【0277】
【化53】
R
9は、QがR
8eおよびR
8fを有する炭素に結合している位置に対してパラ位でQに結合している。他の特定の変形形態では、Qは、下式の構造である。
【0278】
【化54】
[式中、R
9はそれぞれ独立に、アルキル、ペルハロアルキルまたはハロである]。
【0279】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0280】
【化55】
[式中、R
9はそれぞれ独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、ペルハロアルキル、ペルハロアルコキシ、置換もしくは非置換C
1〜C
8アルキル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルケニル、置換もしくは非置換C
2〜C
8アルキニル、アシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、チオアルキル、アルコキシ、置換もしくは非置換アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボニル、アミノアシルまたはアミノカルボニルアミノである]。一変形形態では、Qは、1個以下のR
9基で置換されている。他の変形形態では、Qは、1個のR
9基のみで置換されている。さらに他の変形形態では、Qは、2個のR
9基で置換されている。特定の変形形態では、Qは、残基が部分(R
9)
0を有する詳述された炭素環式および複素環式構造から選択され、その結果、QはR
9官能基も式N−R
9の部分も含有しない。
【0281】
R
9基を含有する本明細書に詳述されている任意の構造または変形形態では、一変形形態において、R
9はそれぞれ独立に、置換もしくは非置換C
1〜C
4アルキル、ハロ、トリフルオロメチルまたはヒドロキシルである。他の変形形態では、R
9はそれぞれ独立に、メチル、−CH
2OH、イソプロピル、ハロ、トリフルオロメチルまたはヒドロキシルである。
【0282】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0284】
【化57】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造の部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0285】
【化58】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0286】
【化59】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0287】
【化60】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0288】
【化61】
さらに他の変形形態では、化合物は、適用可能な場合には、Qが下記構造である本明細書に詳述されている任意の式の化合物である。
【0289】
【化62】
さらに他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0290】
【化63】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、下記構造から選択される6員環のヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0291】
【化64】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、下記構造から選択されるフェニルまたは置換フェニルである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0292】
【化65】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが、下記構造から選択される5員環のヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0293】
【化66】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される5員環の置換もしくは非置換シクロアルキルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0294】
【化67】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが下記構造から選択される6員環の置換もしくは非置換シクロアルキルまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0296】
【化69】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qが置換または非置換アミノ、アルコキシ、アミノアシル、アシルオキシ、カルボニルアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノ部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。特定の変形形態では、Qは、非置換アミノである。他の変形形態では、Qは、部分−N(Me)
2、−N(CH
3)(CH
2CH
3)などの式−N(C
1〜C
8アルキル)
2の置換アミノである。他の変形形態では、Qは、下式の部分などの式−N(H)(シクロアルキルまたは置換シクロアルキル)の置換アミノである。
【0297】
【化70】
他の変形形態では、Qは、下式の部分などの式−N(H)(アリールまたは置換アリール)の置換アミノである。
【0298】
【化71】
特定の変形形態では、Qは、アミノまたは置換アミノであり、R
8eおよびR
8fは一緒になってカルボニル部分を形成している。さらに他の変形形態では、Qは、アシルアミノ部分である。さらに他の変形形態では、Qは、アシルアミノ部分であり、R
8eおよびR
8fは両方とも水素である。
【0299】
他の変形形態では、Qは、部分−O−CH
2CH
3などの式−O−C
1〜C
8アルキルのアルコキシ基である。さらに他の変形形態では、Qは、アルコキシ基であり、R
8eおよびR
8fは一緒になってカルボニル部分を形成している。なおさらなる変形形態では、Qは、カルボニルアルコキシ部分である。さらに他の変形形態では、Qは、カルボニルアルコキシ部分であり、R
8eおよびR
8fは、両方とも水素である。
【0300】
さらに他の変形形態では、Qは、アシルオキシ、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノ部分である。一変形形態では、Qは、アシルオキシ、アミノカルボニルアルコキシまたはアシルアミノ部分であり、R
8eおよびR
8fは両方とも水素である。
【0301】
一変形形態では、Qは、下記構造から選択される部分である。
【0302】
【化72】
本発明はまた、Qがアミノアシル部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物を包含する。一変形形態では、Qが式−NHC(O)R
bのものである場合など、Qは、R
aおよびR
bのうちの少なくとも1個がHであるアミノアシル基である。一変形形態では、Qは、−NHC(O)−ヘテロシクリル、−NHC(O)−置換ヘテロシクリル,−NHC(O)−アルキル、−NHC(O)−シクロアルキル、−NHC(O)−アルカリールおよび−NHC(O)−置換アリールからなる群から選択されるアミノアシル部分である。他の変形形態では、Qは、−NHC(O)−C
5〜C
7ヘテロシクリル、−NHC(O)−C
1〜C
6アルキル、−NHC(O)−C
3〜C
7シクロアルキル、−NHC(O)−C
1〜C
3アルカリールおよび−NHC(O)−置換フェニルからなる群から選択されるアミノアシル部分である。特定の変形形態では、Qは、下式の部分である。
【0303】
【化73】
一変形形態では、本発明の化合物は、Qがアシルオキシである式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0304】
一変形形態では、本発明の化合物は、Qがカルボニルアルコキシ部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。一変形形態では、Qは、式−C(O)−O−Rのカルボニルアルコキシ部分であり、ここで、RはH、アルキル、置換アルキルまたはアルカリールである。一変形形態では、Qは、式−C(O)−O−C
1〜C
6アルキルのカルボニルアルコキシ部分である。特定の変形形態では、Qは、式−C(O)−O−C
2H
5のカルボニルアルコキシ部分である。一変形形態では、Qは、−C(O)−O−C
1〜C
10アルキル、−C(O)−O−C
1〜C
3アルカリール、−C(O)−O−C
1〜C
3置換アルキルおよび−C(O)−OHからなる群から選択されるカルボニルアルコキシ部分である。他の変形形態では、Qは、−C(O)−O−C
1〜C
6アルキルである。特定の変形形態では、Qは、下式の部分である。
【0305】
【化74】
さらに他の変形形態では、化合物は、本明細書に詳述されていて、適用可能な場合には、Qが
【0306】
【化75】
である任意の式の化合物である。
【0307】
他の変形形態では、本発明の化合物は、Qがアミノカルボニルアルコキシ部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。一変形形態では、Qは、式−NHC(O)−O−R
bのアミノカルボニルアルコキシ部分である。他の変形形態では、Qは、式−NHC(O)−O−R
bのアミノカルボニルアルコキシ部分であり、ここで、R
bは、置換アルキル基である。特定の変形形態では、Qは、式−NH−C(O)−O−CH
2−C(Cl)
3の部分である。
【0308】
本発明はまた、Qがアシルアミノ部分である式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物を包含する。一変形形態では、Qが式−C(O)N(H)(R
b)のものである場合など、Qは、R
aおよびR
bのうちの少なくとも1個がHであるアシルアミノ基である。他の変形形態では、Qは、R
aおよびR
bの両方がアルキルであるアシルアミノ基である。一変形形態では、Qは、−C(O)N(H)(アルキル)、−C(O)N(アルキル)
2、−C(O)N(H)(アルカリール)および−C(O)N(H)(アリール)からなる群から選択されるアシルアミノ部分である。他の変形形態では、Qは、−C(O)N(H)
2、−C(O)−N(H)(C
1〜C
8アルキル)、−C(O)N(C
1〜C
6アルキル)
2および−C(O)N(H)(C
1〜C
3アルカリール)からなる群から選択されるアシルアミノ部分である。特定の変形形態では、Qは、下式の部分である。
【0309】
【化76】
本明細書に詳述されている任意の式は、適用可能な場合には、一変形形態において、Qとして、本明細書の上記の詳述されている部分を有してよい。「適用可能な場合には」とは、その式がそのような構造を包含する場合、そのようなQ部分が、変形形態であることが意図されていると理解される。例えば、所定の式が、Qがフェニル部分である構造を包含しない場合、フェニル部分は、その特定の式には適用可能ではないが、Qがフェニル部分である構造をまさに包含する式には適用可能なままである。
【0310】
さらなる変形形態では、本発明の化合物は、X
7、X
8、X
9およびX
10がそれぞれ独立に、NまたはCHであり、R
8a、R
8b、R
8c、R
8d、R
8eおよびR
8fがそれぞれ独立に、Hまたはヒドロキシルであり、Qが、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール(これらは、置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換ピリジル基を包含するがこれに限定されない)である、式(I)〜(VII)、(A)、(A1)〜(A4)、(B)および(B1)〜(B4)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物である。Qが置換フェニル基または置換ピリジル基である場合、一変形形態では、これは、少なくとも1個のメチル基で置換されている。
【0311】
他の変形形態では、本発明の化合物は、q、m、n、QおよびR
8a〜R
8fが一緒になって下記構造の部分を形成している式(I)〜(VII)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の変形形態の化合物である。
【0315】
【化80】
他の変形形態では、本発明の化合物は、q、mおよびn、Q、R
8a〜R
8f、R
11およびR
12が適用可能な場合には一緒になって下記構造の部分を形成している式(I)〜(VII)の化合物などの本明細書に詳述されている式の化合物または本明細書に詳述されている先述の任意の適用可能な変形形態の化合物である。
【0316】
【化81】
他の変形形態では、本明細書に詳述されている任意の式は、適用可能な場合には、一変形形態において、適用可能な場合には一緒になって下記構造の部分を形成しているq、mおよびn、Q、R
8a〜R
8f、R
11およびR
12を有する。
【0317】
【化82】
一実施形態では、本発明はまた、式G−1の化合物を包含する
【0318】
【化83】
[式中、
R
4はメチルであり;R
8cはH、ヒドロキシルもしくはメチルであるか、またはR
8cおよびR
8dは一緒になってメチレン部分もしくはオキソ部分を形成しており;R
8dは、Hまたはメチルであり;
Qは、置換もしくは非置換ピリジル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェニルチアゾール、置換もしくは非置換ピペリジル、置換もしくは非置換ピペラジニル、置換もしくは非置換モルホリニルまたは置換アミノである]。
【0319】
他の実施形態では、本発明はまた、式G−2の化合物を包含する
【0320】
【化84】
[式中、
R
4はメチルであり;R
13はCH
2またはオキソであり;
Qは、置換もしくは非置換ピリジル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェニルチアゾール、置換もしくは非置換ピペリジル、置換もしくは非置換ピペラジニル、置換もしくは非置換モルホリニルまたは置換アミノである]。
【0321】
他の実施形態では、本発明はまた、式G−3の化合物を包含する
【0322】
【化85】
[式中、
R
4はメチルであり;R
13はCH
2またはオキソであり;
Qは、置換もしくは非置換ピリジル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェニルチアゾール、置換もしくは非置換ピペリジル、置換もしくは非置換ピペラジニル、置換もしくは非置換モルホリニルまたは置換アミノである]。
【0323】
他の実施形態では、本発明は、R
4がメチルであり、R
13がCR
xR
yであり、ここで、R
xおよびR
yは独立にHまたはアルキルであり、Qが置換もしくは非置換ピリジル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェニルチアゾール、置換もしくは非置換ピペリジル、置換もしくは非置換ピペラジニル、置換もしくは非置換モルホリニルまたは置換アミノである式G−2またはG−3の化合物(上記)を包含する。
【0324】
他の実施形態では、本発明はまた、式G−4の化合物を包含する
【0325】
【化86】
[式中、
R
4はメチルであり;R
14はHまたはメチルであり;
Qは、置換もしくは非置換ピリジル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換フェニルチアゾール、置換もしくは非置換ピペリジル、置換もしくは非置換ピペラジニル、置換もしくは非置換モルホリニルまたは置換アミノである]。
【0326】
一実施形態では、本発明は、Qが下記構造である式(G−1)、(G−2)、(G−3)および(G−4)の化合物を包含する。
【0327】
【化87】
本発明による化合物の例を表1に示す。示されている化合物は、塩が示されていなくても、塩として存在してよく、本発明は、当業者にはよく理解されるように、本明細書に示されている化合物の塩および溶媒和物、さらに、化合物の非塩および非溶媒和物形態のすべてを包含すると理解される。
表1.本発明による代表的な化合物
【0337】
【表1-10】
本明細書で詳述される任意の化合物の医薬組成物が、本発明には包含される。したがって、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物を包含する。一態様では、薬学的に許容できる塩は、無機または有機の酸と共に形成される塩などの酸付加塩である。本発明による医薬組成物は、経口、頬、非経口、鼻、局所または直腸投与に適した形態または吸入による投与に適した形態を取ることができる。
【0338】
式(I)の化合物などの本発明の化合物を、ヒスタミン受容体を調節する方法で使用することができる。
【0339】
本明細書に詳述されている化合物は一態様では、精製された形態であってよく、精製された形態の化合物を含む組成物を、本明細書では詳述する。実質的に純粋な化合物の組成物など、本明細書に詳述されている化合物またはその塩を含む組成物を提供する。一部の実施形態では、本明細書に詳述されている化合物またはその塩を含有する組成物は、実質的に純粋な形態である。別段に述べられていない限り、「実質的に純粋」は、不純物を35%以下で含む組成を意図しており、ここで、不純物とは、組成の大部分を構成する化合物およびその塩以外の化合物を意味する。化合物1を例に挙げると、実質的に純粋な化合物1の組成は、不純物を35%以下で含む組成を意図しており、その際、不純物は、化合物1およびその塩以外の化合物を意味する。一変形形態では、ある組成の実質的に純粋な化合物またはその塩を提供し、その組成は不純物を25%以下で含む。他の変形形態では、ある組成の実質的に純粋な化合物またはその塩を提供し、その組成は不純物を20%以下で含む。さらに他の変形形態では、ある組成の実質的に純粋な化合物またはその塩を提供し、その組成は不純物を10%以下で含む。さらなる変形形態では、ある組成の実質的に純粋な化合物またはその塩を提供し、その組成は不純物を5%以下で含む。他の変形形態では、ある組成の実質的に純粋な化合物またはその塩を提供し、その組成は不純物を3%以下で含む。さらに他の変形形態では、ある組成の実質的に純粋な化合物またはその塩を提供し、その組成は不純物を1%以下で含む。さらなる変形形態では、ある組成の実質的に純粋な化合物またはその塩を提供し、その組成は不純物を0.5%以下で含む。
【0340】
一変形形態では、本明細書の化合物は、個体に投与するために調製された合成化合物である。他の変形形態では、実質的に純粋な形態で化合物を含有する組成物を提供する。他の変形形態では、本発明は、本明細書で詳述される化合物と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を包含する。他の変形形態では、化合物を投与する方法を提供する。精製された形態、医薬組成物、および化合物を投与する方法は、本明細書で詳述される任意の化合物またはその形態に適している。
【0341】
生物学的アッセイの一般的な記載
本明細書に開示された化合物と、アドレナリン作動性受容体、ドーパミン受容体、セロトニン受容体、ヒスタミン受容体およびイミダゾリン受容体を包含するアミン作動性Gタンパク質共役受容体のパネルとの結合特性を決定することができる。結合特性は、競合結合アッセイなどの当分野で公知の方法により評価することができる。一変形形態では、化合物を、本明細書に詳述されている結合アッセイにより評価する。本明細書に開示されている化合物はまた、さらなる特性決定のために細胞ベースのアッセイで、またはin vivoモデルで検査することができる。一態様では、本明細書に開示されている化合物は、本明細書に詳述されている任意の式の化合物であり、下記の特性の1つまたは複数をさらに示す:リガンドとアドレナリン作動性受容体(例えば、α
1D、α
2Aおよびα
2B)との結合の阻害、リガンドとセロトニン受容体(例えば、5−HT
2A、5−HT
2C、5−HT
6および5−HT
7)との結合の阻害、リガンドとドーパミン受容体(例えば、D
2L)との結合の阻害およびリガンドとヒスタミン受容体(例えば、H
1、H
2およびH
3)との結合の阻害;セロトニン受容体(例えば、5−HT
2A、5−HT
6)に対するアゴニスト/アンタゴニスト活性;ドーパミン受容体(例えば、D
2L、D
2S)に対するアゴニスト/アンタゴニスト活性;ヒスタミン受容体(例えば、H
1)に対するアゴニスト/アンタゴニスト活性;神経突起伸長アッセイでの活性;コリン作動性機能不全/機能低下に関係した記憶機能不全の前臨床モデルでの効能;注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルでの効能ならびに統合失調症の前臨床モデルでの効能。
【0342】
一変形形態では、リガンドと受容体との結合の阻害を、本明細書に記載のアッセイで測定する。他の変形形態では、リガンドの結合の阻害を当分野で公知のアッセイで測定する。一変形形態では、リガンドと受容体との結合を、本明細書に記載されているアッセイなどの当分野で公知の適切なアッセイで決定されるように、少なくとも約80%阻害する。一変形形態では、リガンドと受容体の結合を、本明細書に記載されているアッセイなどの当分野で公知の適切なアッセイで決定されるように、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%のいずれかを超えて、または約85〜約95%もしくは約90〜約100%の間で阻害する。一変形形態では、リガンドと受容体の結合を、当分野で公知のアッセイで決定されるように、少なくとも約80%±20%阻害する。
【0343】
一変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体(例えば、a
1D、a
2A、a
2B、5−HT
2A、5−HT
2C、5−HT
6、5−HT
7、D
2L、H
1、H
2、H
3)との結合を阻害する。一変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体、および11種もの多くの受容体(例えば、a
1D、a
2A、a
2B、5−HT
2A、5−HT
2C、5−HT
6、5−HT
7、D
2、H
1、H
2、H
3)との結合を阻害する。一変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、本明細書に記載されているアッセイで測定される通り、本明細書に詳述されている1種または複数種の受容体(例えば、セロトニン受容体5−HT
2A、セロトニン受容体5−HT
6、ドーパミン受容体D
2Lおよびドーパミン受容体D
2S、ヒスタミン受容体H
1)に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示す。一変形形態では、セロトニン受容体5−HT
2Aのアゴニスト応答は、本発明の化合物により、本明細書に記載されているアッセイなどの適切なアッセイで決定されるように、少なくとも約50%、約50%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%のいずれか1つの値だけ阻害される。
【0344】
一変形形態では、本発明の化合物は、上記神経伝達物質受容体結合プロファイルを示す。即ち、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、例えば、本明細書に記載のアッセイにより測定される通り、神経突起伸長を刺激する。一変形形態では、本発明の化合物は、培養中の一次ニューロンを使用する神経突起伸長アッセイにおいて、活性を示す。別の変形形態では、本発明の化合物は、脳由来神経栄養性因子(BDNF)および神経成長因子(NGF)などの天然に生じるプロトタイプ神経栄養性タンパク質の活性に規模的に匹敵する活性を有する。特に、神経突起伸長は、新規のシナプス発生の重要な部分を果たしており、これは、神経障害の治療に有益である。一変形形態では、神経障害は、ADHDを包含する。一変形形態では、本明細書に記載のアッセイなどの当分野で公知の適切なアッセイで測定される通り、約1μMの力価で、神経突起伸長が観察される。他の変形形態では、約500nMの力価で、神経突起伸長が観察される。さらなる変形形態では、約50nMの力価で、神経突起伸長が観察される。他の変形形態では、約5nMの力価で、神経突起伸長が観察される。
【0345】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、本明細書に詳述されている1種または複数種の受容体に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示し、さらに、神経突起伸長を刺激する。
【0346】
さらなる変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、そして/または上記の神経伝達物質受容体結合プロファイルを示し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて効能を示し、即ち、記憶機能不全の前臨床モデルにおいて、認知促進作用を示す。一変形形態では、本発明の化合物は、コリン作動性機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルにおいて有効である。H
1アンタゴニズムは鎮静、体重増加および認知低下に寄与し得るので、この受容体での低い親和性(本明細書に記載のアッセイにおいて1μMで、ピリラミンの結合の約80%未満の阻害)は、認知促進作用およびより望ましい副作用プロファイルに関連し得る。さらに、この受容体を介してのセロトニン作用が記憶を損ない得るので、5−HT
6アンタゴニストとして高い効力を有する本発明の化合物は、認知増強作用を有し得る。
【0347】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルにおいて効能を示し、即ち、記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、認知促進作用を示し、さらに、本明細書に詳述される1種または複数種の受容体に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示す。
【0348】
さらなる変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルにおいて効能を示し、即ち、記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて認知促進作用を示し、そして、注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、さらに、神経突起伸長を刺激する。
【0349】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルにおいて効能を示す、即ち、記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて認知促進効果を示し、そして、注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、さらに本明細書に詳述されている1種または複数種の受容体に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示し、さらに、神経突起伸長を刺激する。
【0350】
さらなる変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、統合失調症の前臨床モデルにおいて測定される通り、抗精神病作用を有し、即ち、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示す。
【0351】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示し、さらに、本明細書に詳述される1種または複数種の受容体に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示す。
【0352】
さらなる変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示し、さらに、神経突起伸長を刺激する。
【0353】
さらなる変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、記憶保持の増強および記憶障害の低減などの効能を示し、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示す。
【0354】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示し、さらに、本明細書で詳述される1種または複数種の受容体に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、記憶保持の増強および記憶障害の低減などの効能を示す。
【0355】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示し、さらに、神経突起伸長を刺激し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、記憶保持の増強および記憶障害の低減などの効能を示す。
【0356】
さらなる変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、本明細書に詳述される少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、本明細書に詳述されている1種または複数種の受容体に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示し、さらに神経突起伸長を刺激し、さらに統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示す。
【0357】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドと、少なくとも1種の受容体および11種もの多くの受容体との結合を阻害し、さらに、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示し、さらに、本明細書に詳述されている1種または複数種の受容体に対してアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示し、さらに、神経突起伸長を刺激し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、記憶保持の増強および記憶障害の低減などの効能を示す。
【0358】
他の変形形態では、本発明の化合物は神経突起伸長を刺激する。他の変形形態では、本発明の化合物は、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示し、さらに神経突起伸長を刺激する。他の変形形態では、本発明の化合物は神経突起伸長を刺激し、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、記憶保持の増強および記憶障害の低減などの効能を示す。他の変形形態では、本発明の化合物は、統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示し、さらに神経突起伸長を刺激し、さらにコリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、記憶保持の増強および記憶障害の低減などの効能を示す。
【0359】
一態様では、本発明の化合物は、リガンドとアドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2Bとの結合を阻害し、リガンドとセロトニン受容体5−HT
6との結合を阻害する。他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとアドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2Bとの、セロトニン受容体5−HT
6との、ならびに次の受容体のいずれか1種または複数種:セロトニン受容体5−HT
7、5−HT
2Aおよび5−HT
2Cとの結合を阻害する。他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとアドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2Bとの、セロトニン受容体5−HT
6との、ならびに次の受容体のいずれか1種または複数種:セロトニン受容体5−HT
7、5−HT
2Aおよび5−HT
2Cとの結合を阻害し、さらに、リガンドとヒスタミン受容体H
1および/またはH
2との結合の弱い阻害を示す。一変形形態では、リガンドとセロトニン受容体5−HT
7との結合の強い阻害も示す本発明の化合物が、特に望ましい。他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとアドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2Bとの、セロトニン受容体5−HT6との結合を阻害し、さらに、リガンドとヒスタミン受容体H
1および/またはH
2との結合の弱い阻害を示す。ヒスタミンH
1受容体のアゴニストは、記憶の刺激に、さらに体重増加に関与しているので、リガンドとヒスタミンH
1受容体との結合の弱い阻害が許される。一変形形態では、ヒスタミン受容体H1への結合は、約80%未満阻害される。他の変形形態では、リガンドとヒスタミン受容体H1との結合は、本明細書に記載されているアッセイなどの当分野で公知の適切なアッセイにより決定されるように、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%のいずれかの値未満で阻害される。
【0360】
他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとドーパミン受容体D
2との結合を阻害する。他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとドーパミン受容体D
2Lとの結合を阻害する。他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとドーパミン受容体D
2およびセロトニン受容体5−HT
2Aとの結合を阻害する。他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとドーパミン受容体D
2Lおよびセロトニン受容体5−HT
2Aとの結合を阻害する。他の変形形態では、本発明の化合物は、リガンドとヒスタミン受容体H
1との結合を阻害する。ある態様では、本発明の化合物はさらに、次の特性の1つまたは複数:リガンドとセロトニン5−HT
7受容体との結合の強い阻害、リガンドとセロトニン5−HT
2A受容体との結合の強い阻害、リガンドとセロトニン5−HT
2C受容体との結合の強い阻害、リガンドとヒスタミンH
1受容体との結合の弱い阻害、リガンドとヒスタミンH
2受容体との結合の弱い阻害、およびセロトニン受容体5−HT
2Aに対するアンタゴニスト活性を示す。
【0361】
一変形形態では、本発明の化合物は、本明細書で詳述される受容体結合態様のいずれかを示し、さらに、1種または複数種の次の受容体:セロトニン受容体5−HT
2A、セロトニン受容体5−HT
6、ドーパミン受容体D
2L、ドーパミン受容体D
2Sおよびヒスタミン受容体H
1に対してアゴニスト/アンタゴニスト活性を示す。一変形形態では、本発明の化合物は、本明細書で詳述される受容体結合態様のいずれかを示し、さらに神経突起伸長を刺激する。一変形形態では、本発明の化合物は、本明細書に詳述される受容体結合態様のいずれかを示し、さらに、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルならびに注意/衝動性および実行機能の前臨床モデルにおいて、記憶保持の増大および記憶障害の低減などの効能を示す。一変形形態では、本発明の化合物は、本明細書で詳述される受容体結合態様のいずれかを示し、さらに統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示す。一変形形態では、本発明の化合物は、本明細書で詳述される受容体結合態様のいずれかを示し、さらに任意の1種または複数種のアゴニスト/アンタゴニストアッセイ(例えば、セロトニン受容体5−HT
2A、5−HT
6、ドーパミン受容体D
2L、ドーパミン受容体D
2Sおよびヒスタミン受容体H
1に対するアゴニスト/アンタゴニストアッセイ)、神経突起伸長、コリン作動性機能不全/機能低下に関連する記憶機能不全の前臨床モデルおよび統合失調症の前臨床モデルにおいて効能を示す。
【0362】
一部の態様では、本発明の化合物は、リガンドとアドレナリン作動性受容体a
1D、a
2A、a
2B、セロトニン受容体5−HT
6およびドーパミン受容体D
2との結合を、本明細書に記載されているアッセイなどの当分野で公知の適切なアッセイで決定されるように、少なくとも約80%阻害する。一変形形態では、結合は、本明細書に記載されているアッセイなどの適切なアッセイで測定される通り、少なくとも約80%阻害される。一部の態様では、本明細書に記載されているアッセイなどの当分野で公知の適切なアッセイで決定されるように、本発明の化合物は、リガンドとアドレナリン作動性受容体a
1D、a
2A、a
2B、セロトニン受容体5−HT
6およびドーパミン受容体D
2Lとの結合を少なくとも約80%阻害する。一変形形態では、本明細書に記載されているアッセイなどの適切なアッセイで測定される通り、結合を少なくとも約80%阻害する。一変形形態では、リガンドと受容体との結合は、本明細書に記載されているアッセイなどの当分野で公知の適切なアッセイで決定されるように、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%のいずれか1つの値を超えて、または約85%から約95%もしくは約90%から約100%の間で阻害される。
【0363】
一部の態様では、本発明の化合物は、上記の神経伝達物質受容体結合プロファイルを示し、さらに、抗精神病作用を示す。一変形形態では、本発明の化合物は、抗精神病活性を有する化合物と同様の結合プロファイルを有する。他の変形形態では、本発明の化合物は、統合失調症の前臨床モデルにおいて有効である。加えて、本発明の化合物は、ジメボンの認知増強特性を有する可能性があり、したがって、これらの抗精神病分子の有益な薬理学的プロファイルに加わり得る。一変形形態では、本発明の化合物は、上記の神経伝達物質受容体結合プロファイルを示し、さらに、記憶機能不全の前臨床モデルにおいて、認知促進作用を示す。他の変形形態では、本発明の化合物は、上記の神経伝達物質受容体結合プロファイルを示し、さらに、記憶機能不全、学習および記憶の前臨床モデルにおいて、認知促進作用を示さない。
【0364】
一変形形態では、本発明の化合物は、記憶機能不全、学習および記憶の前臨床モデルにおいて、認知促進作用を示す。さらなる変形形態では、本発明の化合物は、統合失調症の前臨床モデルにおいて抗精神病作用を有する。さらなる変形形態では、本発明の化合物は、記憶機能不全、学習および記憶の前臨床モデルにおいて、認知促進作用を示し、さらに、統合失調症の前臨床モデルにおいて抗精神病作用を有する。
【0365】
方法の概要
本明細書に記載の化合物は、ヒトなどの個体における認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させるために使用することができる。一態様では、本明細書に記載の化合物は、認知障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させるために使用することができる。一変形形態では、本明細書で使用される場合、認知障害には、認知コンポーネント(component)(例えば、CIAS)を含有する精神病性障害(例えば、統合失調症)などの認知コンポーネントを含有する障害が包含され、意図されている。一変形形態では、認知障害は、ADHDを包含する。他の態様では、本明細書に記載の化合物は、精神病性障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させるために使用することができる。一変形形態では、本明細書で使用される場合、精神病性障害には、精神病性コンポーネント、例えば精神病性コンポーネント(例えば、アルツハイマー病または認知症の精神病)を含有する認知障害(例えば、アルツハイマー病)を含有する障害が包含され、意図されている。一変形形態では、統合失調症に関連する少なくとも1種の認知および/または精神病性症状を改善する方法を提供する。一態様では、CIASを有しているか、有すると推測される個体において、認知を改善する方法を提供する。特定の態様では、統合失調症の1種または複数種の陰性症状および/または1種または複数種の陽性症状および/または1種または複数種の解体性症状の改善を治療がもたらす、統合失調症を治療する方法を提供する。まだ他の態様では、本明細書に記載の化合物は、神経伝達物質媒介障害障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させるために使用することができる。一態様では、神経伝達物質媒介障害は、ADHDを包含する。一実施形態では、神経伝達物質媒介障害には、脊髄損傷、糖尿病性神経障害、アレルギー性疾患(食物アレルギーを包含)、ならびに加齢性毛髪喪失(脱毛症)、加齢性体重低下および加齢性視覚障害(白内障)などの老化保護活性が関与している疾患が包含される。他の変形形態では、神経伝達物質媒介障害には、脊髄損傷、糖尿病性神経障害、線維筋痛症およびアレルギー性疾患(食物アレルギーを包含)が包含される。他の実施形態では、神経伝達物質媒介障害には、アルツハイマー病、パーキンソン病、自閉症、ギラン−バレー症候群、軽度認知障害、多発性硬化症、卒中および外傷性脳損傷が包含される。まだ他の実施形態では、神経伝達物質媒介障害には、統合失調症、不安、双極性障害、精神病、鬱病およびADHDが包含される。一変形形態では、本明細書で使用される場合、鬱病には、治療抵抗性鬱病、精神病性障害に関連する鬱病または双極性障害に関連する鬱病が包含され、意図されている。他の態様では、本明細書に記載の化合物は、神経障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させるために使用することができる。一態様では、本明細書に記載の化合物はまた、アミン作動性Gタンパク質共役受容体の調節が有益であると考えられるか、または有益である認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させるために使用することができる。
【0366】
本発明はまた、認知機能を改善し、そして/または精神病作用を低減する方法を提供し、この方法は、それを必要とする個体に、認知機能を改善し、そして/または精神病作用を低減するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む。特定の変形形態では、CIASを有するか、または有すると推測される個体における認知機能の改善など、少なくとも1種の認知機能の改善を治療がもたらす、統合失調症を治療する方法を提供する。さらなる変形形態では、統合失調症に関連する精神病作用を低減する、統合失調症を治療する方法を提供する。一実施形態では、統合失調症を治療する方法であって、それを必要とする個体において統合失調症の陰性症状を改善する方法を提供する。一実施形態では、統合失調症を治療する方法であって、それを必要とする個体において統合失調症の陽性症状を改善する方法を提供する。さらなる変形形態では、統合失調症を治療する方法であって、それを必要とする個体において認知機能を改善し、かつ精神病作用を軽減する方法を提供する。統合失調症の1種または複数種の陰性、陽性および解体性症状を改善する方法であって、本明細書に詳述されている化合物または薬学的に許容できるその塩を、そのような改善を必要とする個体に投与することを伴う方法もまた提供する。一変形形態では、統合失調症の少なくとも1種の陰性症状を改善する方法であって、本明細書に詳述されている化合物または薬学的に許容できるその塩を、そのような改善を必要とする個体に投与することを伴う方法を提供する。他の変形形態では、統合失調症の少なくとも1種の陰性症状および少なくとも1種の陽性症状を改善する方法であって、本明細書に詳述されている化合物または薬学的に許容できるその塩をそのような改善を必要とする個体に投与することを伴う方法を提供する。さらに他の変形形態では、統合失調症の少なくとも1種の陰性症状および少なくとも1種の解体性症状を改善する方法であって、本明細書に詳述されている化合物または薬学的に許容できるその塩をそのような改善を必要とする個体に投与することを伴う方法もまた提供する。さらに他の変形形態では、統合失調症の少なくとも1種の陽性症状および少なくとも1種の解体性症状を改善する方法であって、本明細書に詳述されている化合物または薬学的に許容できるその塩をそのような改善を必要とする個体に投与することを伴う方法もまた提供する。なおさらなる変形形態では、統合失調症の少なくとも1種の陰性症状、少なくとも1種の陽性症状および少なくとも1種の解体性症状を改善する方法であって、本明細書に詳述されている化合物または薬学的に許容できるその塩をそのような改善を必要とする個体に投与することを伴う方法を提供する。
【0367】
本発明はまた、個体において神経突起伸長を刺激し、そして/または神経発生を促進し、そして/または神経栄養性作用を増強する方法を提供し、この方法は、それを必要とする個体に、神経突起伸長を刺激し、そして/または神経発生を促進し、そして/または神経栄養性作用を増強するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む。
【0368】
本発明はさらに、アミン作動性Gタンパク質共役受容体を調節する方法を包含し、この方法は、それを必要とする個体に、アミン作動性Gタンパク質共役受容体を調節するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む。
【0369】
本明細書に記載されている方法はまた、本発明の化合物を含む組成物を投与する方法も包含することを理解されたい。
【0370】
認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させる方法
一態様では、本発明は、アミン作動性Gタンパク質共役受容体の調節が有益と考えられるか、または有益である認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害を治療する、予防する、その発症を遅延させる、かつ/またはその進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、それを必要とする個体に本発明の化合物を投与することを含む。一部の変形形態では、アドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2B、セロトニン受容体5−HT
2A、5−HT
6、5−HT
7、ヒスタミン受容体H
1および/またはH
2の調節は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に有益であると予測されるか、または有益である。一部の変形形態では、アドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2Bおよびセロトニン受容体5−HT
6受容体の調節は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に有益と予測されるか、または有益である。一部の変形形態では、アドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2B、およびセロトニン受容体5−HT
6受容体の調節および1種または複数種の次の受容体:セロトニン5−HT
7、5−HT
2A、5−HT
2CおよびヒスタミンH
1およびH
2の調節は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に有益であると予測されるか、または有益である。一部の変形形態では、ドーパミン受容体D
2の調節は認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に有益であると予測されるか、または有益である。一部の変形形態では、ドーパミン受容体D
2Lの調節は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に有益であると予測されるか、または有益である。ある変形形態では、ドーパミンD
2L受容体およびセロトニン受容体5−HT
2Aの調節は、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害に有益であると予測されるか、または有益である。一部の変形形態では、認知障害、精神病性障害、神経伝達物質媒介障害および/または神経障害は、本発明の化合物の投与により、治療、予防され、そして/または、その発症または進行は遅延される。
【0371】
認知機能を改善および/または精神病作用を低減する方法
本発明は、本発明の化合物をそれを必要とする個体に投与することにより、認知機能を改善するための方法を提供する。一部の変形形態では、1種または複数種のアドレナリン作動性受容体α
1D、α
2A、α
2B、セロトニン受容体5−HT
2A、5−HT
6、5−HT
7、ヒスタミン受容体H
1および/またはH
2の調節は、認知機能を改善するのに望ましいか、または望ましいと予測される。一部の変形形態ではα
1D、α
2A、α
2Bアドレナリン作動性受容体およびセロトニン5−HT
6受容体の調節は、認知機能を改善するのに望ましいか、または望ましいと予測される。一部の変形形態では、α
1D、α
2A、α
2Bアドレナリン作動性受容体およびセロトニン受容体5−HT
6の調節および1種または複数種の次の受容体:セロトニン受容体5−HT
7、5−HT
2A、5−HT
2Cおよびヒスタミン受容体H
1およびH
2の調節は、認知機能を改善するのに望ましいか、または望ましいと予測される。他の態様では、本発明は、本発明の化合物をそれを必要とする個体に投与することにより、精神病作用を低減する方法を包含する。一部の実施形態では、ドーパミンD
2受容体の調節は、精神病作用を低減するのに望ましいと予測されるか、または望ましい。一部の実施形態では、ドーパミンD
2受容体およびセロトニン5−HT
2A受容体の調節は、精神病作用を低減するのに望ましいと予測されるか、または望ましい。一部の実施形態では、ドーパミンD
2L受容体の調節は、精神病作用を軽減するのに望ましいと予測されるか、または望ましい。一部の実施形態では、ドーパミンD
2L受容体およびセロトニン5−HT
2A受容体の調節は、精神病作用を軽減するのに望ましいと予測されるか、または望ましい。一部の変形形態では、本発明の化合物を、それを必要とする個体に投与する。
【0372】
神経突起伸長を刺激し、神経発生を促進し、そして/または神経栄養性作用を増強する方法
さらなる態様では、本発明は、神経突起伸長を刺激し、そして/または、神経発生を促進し、そして/または神経栄養性作用を増強する方法を提供し、この方法は、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、神経突起伸長を刺激し、そして/または、神経発生を促進し、そして/または神経栄養性作用を増強するのに十分な条件下で、それを必要とする個体に投与することを含む。一部の変形形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載のアッセイなどの適切なアッセイで測定される通り、約1μMの力価で神経突起伸長を刺激する。一部の変形形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載のアッセイなどの適切なアッセイで測定される通り、約500nMの力価で神経突起伸長を刺激する。一部の変形形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載のアッセイなどの適切なアッセイで測定される通り、約50nMの力価で神経突起伸長を刺激する。一部の変形形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載のアッセイなどの適切なアッセイで測定される通り、約5nMの力価で神経突起伸長を刺激する。
【0373】
アミン作動性Gタンパク質共役受容体を調節する方法
本発明はさらに、アミン作動性Gタンパク質共役受容体の活性を調節する方法を企図し、この方法は、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、アミン作動性Gタンパク質共役受容体の活性を調節するのに十分な条件下で投与することを含む。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、α
1D、α
2A、α
2Bアドレナリン作動性受容体およびセロトニン5−HT
6受容体である。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、α
1D、α
2A、α
2Bアドレナリン作動性受容体およびセロトニン5−HT
6および5−HT
7受容体である。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、α
1D、α
2A、α
2Bアドレナリン作動性受容体、セロトニン5−HT
6および1種または複数種の次の受容体:セロトニン5−HT
7、5−HT
2Aおよび5−HT
2CおよびヒスタミンH
1およびH
2受容体である。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、ドーパミンD
2受容体である。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、ドーパミンD
2L受容体である。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、ドーパミンD
2受容体およびセロトニン5−HT
2A受容体である。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、ドーパミンD
2L受容体およびセロトニン5−HT
2A受容体である。一部の変形形態では、アミン作動性Gタンパク質共役受容体は、ヒスタミンH
1受容体である。
【0374】
一般的な合成方法
本発明の化合物は、以下に一般的に、より具体的には後記の実施例に記載されているいくつかのプロセスにより調製することができる。下記のプロセスの記載において、示されている式中で記号が使用されている場合、その記号は、別段に示されていない限り、式(I)−(VII)、(A)、(A1)−(A4)、(B)および(B1)−(B4)、またはこれらの変形形態に関して記載された上記基を示すと理解されたい。
【0375】
化合物の特定の鏡像異性体を得ることが望ましい場合には、これを、鏡像異性体の対応する混合物から、鏡像異性体を分離または分割するための任意の適切な慣用の手順を使用して達成することができる。したがって、例えば、ジアステレオ異性体誘導体は、鏡像異性体の混合物、例えばラセミ化合物および適切なキラル化合物を反応させることにより生じさせることができる。次いで、そのジアステレオ異性体を、任意の簡便な手段、例えば結晶化により分離すると、その所望の鏡像異性体を回収することができる。他の分割プロセスでは、ラセミ化合物を、キラル高速液体クロマトグラフィーを使用して分離することができる。別法では、望ましい場合には、上記のプロセスの1つで適切なキラル中間体を使用することにより、特定の鏡像異性体を得ることができる。
【0376】
化合物の特定の異性体を得ることまたは反応生成物を別段に精製することが望ましい場合には、クロマトグラフィー、再結晶化および他の慣用の分離手順をまた、中間体または最終生成物で使用することができる。
【0377】
本明細書では、次の略語を使用する:薄層クロマトグラフィー(TLC);時間(h);分(min);秒(sec);エタノール(EtOH);ジメチルスルホキシド(DMSO);N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);トリフルオロ酢酸(TFA);テトラヒドロフラン(THF);規定(N);水性(aq.);メタノール(MeOH);ジクロロメタン(DCM);酢酸エチル(EtOAc);室温(RT);保持係数(Rf)。
【0378】
本発明による化合物を調製する一般方法を、下記の例示方法に示す。他の本発明の化合物も、同様の方法で調製することができる。例えば、スキームIbは、スキームIaに詳述されている方法の例示合成であるが、他の本発明の化合物も同様の方法で調製することができる。
【0379】
本発明の化合物を合成する方法を、一般方法1〜19として示す。
【0382】
【化89】
スキーム1〜6および一般方法1〜18は、「Pictet−Spingler」環形成条件を使用することによる式(II)、(IV)および(VI)の化合物の合成を例示している。
【0383】
一般方法1
アリールヒドラジン塩酸塩(1当量)をトリエチルアミン(3当量)およびアルキルハロゲン化物(1当量)と25℃で混合する。反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いて、TLCおよびLC−MSにより判断して反応が完了するまで(約16時間)90℃で加熱する。反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮すると、粗製の生成物が得られ、これを、カラムクロマトグラフィーによって精製する(シリカゲル、100〜200メッシュ、溶離剤:EtOAc−ヘキサン勾配)。
【0384】
一般方法2
アリールヒドラジン塩酸塩(1当量)を、激しく撹拌されている、50%水酸化ナトリウム水溶液(1mL/mmolアリールヒドラジン塩酸塩)中の塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.05当量)の混合物に加え、続いて、アルキルハロゲン化物(1.1当量)を加える。混合物を60℃(油浴温度)で6時間加熱する。室温に冷却した後に、水を加え、混合物をクロロホルムで抽出する。全抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、減圧下で蒸発させて、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィーによって精製する(シリカゲル、100〜200メッシュ、溶離剤:溶離剤:EtOAc−ヘキサン勾配またはDCM)。
【0385】
一般方法3
ヒドラジン誘導体(1当量)を、対応するHCl塩に変換し、水に溶かす。適切なアセタール(1当量)を加え、混合物を0〜90℃で3〜6時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3水溶液を加える。生成物をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得、これを、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、生成物を得る。
【0386】
一般方法4
適切なトリプタミン誘導体(1当量)、5%TFA含有アセトニトリル(8〜10mL/mmol)中のホルムアルデヒド(1当量)の溶液を還流で15分〜2時間撹拌する。反応混合物を25℃に冷却し、減圧下で濃縮し、EtOAcおよび飽和NaHCO
3水溶液に分配する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、生成物を得る。
【0387】
一般方法5
側鎖カルボキシレートエステルを有する適切なカルボリン誘導体(1当量)およびエタノール(5倍w/v)中のNaOH(3N、5倍w/v)の混合物を50℃で3時間撹拌し、その後、室温に冷却し、濃HClで中和する。溶媒を減圧下で除去して、対応する粗製のカルボン酸を得る。生じた粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュまたは230〜400メッシュ)によってMeOH−DCM勾配を使用し、かつ/または中性アルミナによりEtOAc−ヘキサン勾配を使用し、かつ/または逆相クロマトグラフィー(C−18、500mm×50mm、移動相A=水中0.05%のTFA、B=アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:30分で10%Bから80%Bへ、注入体積5mL)によって精製する。
【0388】
一般方法6
側鎖カルボン酸を有する適切なカルボリン誘導体(1当量)の混合物を適切なアルコール(1当量)、EDCI−HCl(1当量)およびトリエチルアミン(1当量)と共にDCM中で12〜16時間撹拌する。反応混合物を減圧下で蒸発させて、粗製のエステルを得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュまたは230〜400メッシュ)によってMeOH−DCM勾配を使用し、かつ/または中性アルミナによってEtOAc−ヘキサン勾配を使用し、かつ/または逆相クロマトグラフィー(C−18、500mm×50mm、移動相A=水中0.05%のTFA、B=アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:30分で10%Bから80%B、注入体積5mL)によって精製する。
【0389】
一般方法7
側鎖カルボン酸を有する適切なカルボリン誘導体(1当量)の混合物を適切なアミン(1当量)、EDCI−HCl(1当量)およびトリエチルアミン(1当量)とDCM中で12〜16時間撹拌する。反応混合物を減圧下で蒸発させて、粗製のアミドを得、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュまたは230〜400メッシュ)によってMeOH−DCM勾配を使用し、かつ/または中性アルミナによってEtOAc−ヘキサン勾配を使用し、かつ/または逆相クロマトグラフィー(C−18、500mm×50mm、移動相A=水中0.05%のTFA、B=アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:30分で10%Bから80%Bへ、注入体積5mL)によって精製する。
【0390】
一般方法8
カルボリン誘導体(1当量)、エポキシド誘導体(4〜7.5当量)およびNaH(3当量)をDMF(3mL/mmol)中、120℃で16時間加熱する。内容物をMeOHによってクエンチし、乾燥するまで蒸発させる。生じた粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュまたは230〜400メッシュ)によってMeOH−DCM勾配を使用し、かつ/または中性アルミナによってEtOAc−ヘキサン勾配を使用し、かつ/または逆相クロマトグラフィー(C−18、500mm×50mm、移動相A=水中0.05%のTFA、B=アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:30分で10%Bから80%Bへ、注入体積5mL)によって精製する。
【0391】
一般方法9
適切なカルボリン(1当量)をNMP(0.6mL/mmol)に溶かす。粉末化KOH(3.5当量)をこの溶液に加え、反応混合物を25℃で10分間撹拌する。適切なビニルピリジン誘導体(1.1当量)を加え、反応混合物を密閉管中、45℃で30分間加熱する。反応をLCMSにより監視する。この期間の後に、反応混合物を25℃に冷却し、飽和NaCl水溶液(5mL)で希釈する。生成物をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させる。生じた粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュまたは230〜400メッシュ)によってMeOH−DCM勾配を使用し、かつ/または中性アルミナによってEtOAc−ヘキサン勾配を使用し、かつ/または逆相クロマトグラフィー(C−18、500mm×50mm、移動相A=水中0.05%のTFA、B=アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:30分で10%Bから80%B、注入体積5mL)によって精製する。
【0392】
一般方法10
4%硫酸水溶液(5mL)を50℃に30〜60分にわたって加熱する。溶けた空気を置き換えるために加熱しながら、窒素の気泡を溶液に導入する。ヒドラジン誘導体(1mmol)を加熱混合物に加え、固体を溶解させる。次いで、適切なアセタール(1.2mmol)を流れ(stream)として30分にわたって加え、この混合物を2時間還流加熱する。反応混合物を室温に冷却し、30%水酸化アンモニウム水溶液(0.5mL)を、温度を25〜30℃に維持しながら滴下する。生成物をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得、これを、シリカゲルクロマトグラフィーによってEtOAc:エタノール:NH
4OH 7:3:1を使用して精製する。
【0393】
一般方法11
アセトニトリル(3mL)中の適切なトリプタミン誘導体(1.0mmol)、ホルムアルデヒド(1.0mmol)およびTFA(0.15mL)の混合物を25℃で20時間撹拌する。溶液を飽和NaHCO
3水溶液でクエンチする。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させる。溶媒を減圧下で除去する。フラッシュクロマトグラフィー(10%CH
3OH/DCM)によって、生成物を濃厚なオイルとして単離する。
【0396】
【化91】
一般方法12
化合物Aの合成で例示されるような、スキームIIを使用して化合物を調製するための一般方法:適切に置換されたフェニルヒドラジンを4炭素の保護されたアミノアセタールまたはアルデヒド(米国特許第2642438号明細書)と反応させて、置換3−(2−アミノエチル)インドールを生じさせる。次いで、この3−(ピロリジン−2−イル)メチルインドールをホルムアルデヒドと、標準的なPictet Spingler反応条件(Org. Lett. 2003年、5巻(1号)、43〜46頁)下で反応させて、N−非置換β−カルボリンを得ることができる。次いで、このβ−カルボリンを、ビニル置換基を有するアリールおよび/またはヘテロアリール基と反応させると、Qによって示される側鎖を合成スキームIIで導入することができる。
【0399】
【化93】
一般方法13
化合物Bの合成で例示されるような、スキームIIIを使用して化合物を調製するための一般方法:適切に置換されたフェニルヒドラジンを、4炭素の保護されたアミノアセタールまたはアルデヒド(米国特許第2642438号明細書)と反応させて、置換3−(2−アミノエチル)インドールを生じさせる。次いで、この3−(2−アミノエチル)インドールをホルムアルデヒドと、標準的なPictet Spingler反応条件(米国特許第2642438号明細書)下で反応させて、N−非置換β−カルボリンを得ることができる。次いで、このβ−カルボリンをアリールスチレンオキシドおよび/またはヘテロアリールスチレンオキシド(カルボリン、アリール/ヘテロアリールオキシド、NaH、DMF、120℃)と反応させて、Qによって示される側鎖を合成スキームIIIで導入することができる。
【0402】
【化95】
一般方法14
化合物Cの合成で例示されるような、スキームIVを使用して化合物を調製するための一般方法:適切に置換されたフェニルヒドラジンを、エステル官能基を有するアルキルハロゲン化物と反応させ、続いて、4炭素の保護されたアミノアセタールまたはアルデヒド(米国特許第2642438号明細書)と反応させて、置換3−(2−アミノエチル)インドールを生じさせる。次いで、この3−(2−アミノエチル)インドールをホルムアルデヒドと、標準的なPictet Spingler反応条件(米国特許第2642438号明細書)下で反応させて、N−置換β−カルボリンを得ることができる。次いで、このβ−カルボリンを塩基で処理して、エステル官能基の加水分解に影響を及ぼし、遊離酸を生じさせる。次いで、この酸をアルキル、アリールおよび/またはヘテロアリール第一級または第二級アミンと反応させて(側鎖カルボン酸を有するカルボリン誘導体、適切な第一級または第二級アミン、EDCIおよびトリエチルアミンをDCM中で12〜16時間)、R
2およびR
3によって示される側鎖をスキームIVで導入することができる。
【0405】
【化97】
一般方法15
化合物Dの合成で例示されるような、スキームVを使用して化合物を調製するための一般方法:適切に置換されたフェニルヒドラジンを、エステル官能基を有するアルキルハロゲン化物と反応させ、続いて、4炭素の保護されたアミノアセタールまたはアルデヒド(米国特許第2642438号明細書)と反応させて、置換3−(2−アミノエチル)インドールを生じさせる。次いで、この3−(2−アミノエチル)インドールをホルムアルデヒドと、標準的なPictet Spingler反応条件(米国特許第2642438号明細書)下で反応させて、N−置換β−カルボリンを得ることができる。次いで、このβ−カルボリンを塩基で処理して、エステル官能基の加水分解に影響を及ぼし、遊離酸を生じさせる。次いで、この酸をアルキル、アリールおよび/またはヘテロアリール第一級アルコールと反応させると(側鎖カルボン酸を有するカルボリン誘導体、適切なアルコール、EDCIおよびトリエチルアミンをDCM中で12〜16時間)、R
2によって示される側鎖をスキームVで導入することができる。
【0406】
一般方法16
適切なカルボリン(1当量、84mg、0.34mmol)をDMF(15mL/mmol)に溶かす。この溶液に、CuI(10mol%、6mg、0.034mmol)、L−プロリン(20mol%、8mg、0.068mmol)、K
3PO
4(2当量)を加える。反応混合物を室温で10分間撹拌し、続いて、4−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−2−フルオロ−1−メトキシベンゼン(1.2当量)を加える。反応混合物を80℃で18時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をブラインで希釈し、EtOAcで抽出する。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。
【0407】
一般方法17
適切なベータ−カルボリン(1当量)をCuSO
4・5H
2O(20mol%)、1,10−フェナントロリン(0.4当量)、K
3PO
4(2当量)および適切な臭化ビニル(1.1当量)とトルエン(5mL)中で混合する。反応混合物を窒素でパージし、80℃で16時間加熱する。反応混合物をセライトで濾過し、セライト床をDCMですすぐ。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によってヘキサン中60〜80%のEtOAcで溶離して精製して、生成物を得る。
【0409】
【化98】
一般方法18
化合物Eの合成で例示されるような、スキームVIを使用して化合物を調製するための一般方法:適切に置換されたインドールをマレイミドと反応させ、続いて、適切な還元剤を用いて還元して、置換3−(3−ピロリジニル)インドールを生じさせる。次いで、この3−(3−ピロリジニル)インドールを標準的なPictet Spingler反応条件(米国特許第2642438号)下でホルムアルデヒドと反応させて、ビシクロシクロ−β−カルボリンを得ることができる。次いで、このβ−カルボリンを、上記の他の一般方法に、かつ下記の詳細に記載されている実施例に関して示されているステップと同様の方法で官能化して、R
2によって示される側鎖を合成スキームVIで導入することができる。
【0411】
【化99】
一般方法19
スキーム7は、当業者に周知のフィッシャーのインドール条件を使用することを介する、式(III)、(V)および(VII)の化合物のカルボリン部分の合成を示している。一般に、適切に置換されたアリールヒドラジンをケトンと縮合させて、アリールヒドラゾンを形成し、これを希酸中で加熱して、環化を完了し、カルボリン生成物を得る。必要な場合には、任意の異性体をこの段階で分離するか、または次のステップの後に分離することができる。次いで、上記の一般方法に記載されている条件を使用して、カルボリンをNH位置で置換することができる。二環式ケトン中間体の合成は、Basatableら[J. Chem. Soc. Perkin I(1981年)、1346〜1351頁];Kingら[J. Med. Chem.(1993年)、36巻:683〜689頁];およびMewshawら[J. Med. Chem.(1993年)、36巻:343〜352頁]に記載されており、そこに記載の実験の詳細は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0412】
HPLC分析のための一般方法
(1)カラム:Phenomenex Gemini C18、50mm×4.6mm;(2)移動相A:アセトニトリル、B:水中10mMの酢酸アンモニウム;(3)カラム温度:40℃;(4)流速:1mL/分;(5)勾配:20%Aを0.3分保持、0.3〜4.0分で20%Aから90%Aへ、90%Aを1分保持、5.03〜7.00分で20%Aへ。
【0413】
上記の詳述された方法は、当業者に公知の通りに適合させることができる。各一般方法の特定の実施例を下記の実施例において提供する。
【0414】
下記の実施例は説明のために提供されており、本発明を制限するものではない。
【0415】
本明細書に開示されている参考文献はすべて、その全体が参照によって組み込まれる。
【実施例】
【0416】
(実施例1)
カルボリン1の調製
(A)3−(5−メチル−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオンの調製
【0417】
【化100】
氷酢酸77mL中の5−メチルインドール(10g、76mmol)およびマレイミド(7.4g、76mmol)を90℃で24時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸を減圧下で蒸発させた。残渣をジエチルエーテルに懸濁させ、濾過して、固体生成物(7g)を得た。
【0418】
(B)5−メチル−3−(ピロリジン−3−イル)−1H−インドールの調製
【0419】
【化101】
乾燥THF(380mL)中の水素化アルミニウムリチウム(7.9g、200mmol)を室温、窒素雰囲気下で20分間撹拌した。3−(5−メチル−1H−インドール−3−イル)ピロリジン−2,5−ジオン(9.5g、41mmol)を少量ずつ加え、反応混合物を一晩還流加熱した。反応混合物を室温に冷却し、硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、濾過した。固体をTHFですすぎ、THF層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(25%MeOH/DCM/アンモニア)によって精製して、表題化合物を得た。収量:4.2g、49.2%。
【0420】
(C)カルボリン1の調製
【0421】
【化102】
5−メチル−3−(ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(8.4g、42mmol)、ホルムアルデヒド(5.04g、168mmol)およびTFA(4.78g、42mmol)をエタノール252mL中で混合し、3時間還流加熱した。塩酸メトキシアミン(14.03g、168mmol)および水(420mL)を反応混合物に加え、反応混合物をさらに2時間還流加熱した。溶媒を最小体積まで蒸発させた。この残渣を0℃に冷却し、NaOH水溶液で塩基性にし、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をアセトニトリル中で撹拌し、生じた固体生成物を濾過した。収量:6.4g。
【0422】
(実施例2)
化合物番号1の調製
臭化テトラブチルアンモニウムを50%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、室温で10分間撹拌した。カルボリン1(0.1g、0.47mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌し、続いて、2−(トリフルオロメチル)−5−ビニルピリジンを加えた。反応混合物を110℃で一晩撹拌し、反応をTLC、LCMSによって監視した。完了したら、反応混合物を室温に冷却し、化合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、粗製の生成物を得、これを、カラムクロマトグラフィーによって精製して、遊離塩基95mgを得た。THF(30mg)中のシュウ酸(1当量)で処理することによって、遊離塩基50mgをシュウ酸塩に変換した。
【0423】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)6.50、純度93.08%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 8.10−8.00 (m, 1H), 7.70−7.60 (m, 2H), 7.30−7.25 (s, 1H), 7.15−7.10 (d, 1H), 6.95−6.85 (d, 1H), 4.55−4.45 (d, 2H), 3.75−3.65 (m, 2H), 3.55−3.25 (m, 2H), 3.20−2.90 (m, 3H), 2.3 5−2.20 (m, 5H), 2.10−1.90 (m, 2H).
(実施例3)
化合物番号2の調製
水素化ナトリウム(33mg、1.4mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(0.1g、0.47mmol)をこれに加え、反応混合物を室温で10分間撹拌し、続いて、2−(4−フルオロフェニル)−2−メチルオキシランを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、氷水を加えることによって、混合物をクエンチした。生成物をEtOAcに2回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、粗製の生成物を得た。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物100mgを得て、これをTFA塩に変換した。
【0424】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)6.15、純度98.60%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, TFA塩) δ (ppm) 10.8−10.65 (m, 1H), 7.65−7.55 (m, 1H), 7.50−7.45 (m, 1H), 7.40−7.30 (d, 1H), 7.30−7.15 (m, 2H), 7.0−6.8 0 (m, 2H), 5.8−5.5 (m, 1H), 4.70−4.55 (m, 1H), 4.45−4.35 (m, 1H), 4.15−4.00 (m, 1 H), 3.80−3.70 (m, 2H), 3.50−3.25 (m, 2H), 3 .20−3.05 (m, 2H), 2.35−2.25 (d, 3H), 2.10−1.95 (m, 2H), 1.50−1.35 (d, 3H).
(実施例4)
化合物番号3の調製
化合物番号2(80mg、0.21mmol)を水中25%の硫酸5.6mLに溶かし、90℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、NaOH水溶液で塩基性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、逆相クロマトグラフィーを使用して精製した。TFA塩として収量15mg。
【0425】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)9.85、純度90.99%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, TFA塩) δ (ppm) 10.9−10.85 (m, 1H), 7.7−7.55 (m,2H), 7.5−7.3 (m,2H), 7.25−7.15 (t, 2H), 7.05−6.95 (d, 1H), 5.25−5.05,(m, 1H), 4.8−4.4 (m, 1H), 4.38−4.35 (s, 2H), 3.9−3.75 (m, 2H), 3.65−3.5 (m, 3H), 3.25−3.1 (m, 2H), 2.4−2.35 (s, 3H), 2.15−2.05 (m, 2H).
(実施例5)
化合物番号4の調製
水素化ナトリウム(50%)(50mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(7.5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(150mg、0.70mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌し、続いて、2−フェニルオキシラン(120mg、1.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、氷水で混合物をクエンチし、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物60mgをTFA塩として得た。
【0426】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)5.81、純度97.11%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, TFA塩) δ (ppm) 10.7−10.6 (m, 1H), 7.5−7.25 (m, 7H), 7.05−6.90 (m, 1H), 4.9−4.7 (m, 2H), 4.5−4.45 (m, 1H), 4.3−4.1 (m,2H), 3.8−3.7 (m, 2H), 3.25−3.05 (m, 3H), 2.45−2.40 (s, 3H), 2.15−2.0 (m, 2H).
(実施例6)
化合物番号5の調製
水素化ナトリウム(50%)(50mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(7.5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(150mg、0.70mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌した。2−p−トリルオキシラン(134mg、1.0mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物68mgをTFA塩として得た。
【0427】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)6.11、純度95.70%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, TFA塩) δ (ppm) 10.75−10.7 (m,1H), 7.5−7.3 (m, 2H), 7.25−7.1 (m, 4H), 7.05−6.95 (m, 1H), 5.75−5.65 (m, 1H), 4.85−4.65 (m, 2H), 4.45−4.40 (m, 1H), 4.25−4.05 (m,2H), 3.85−3.65 (m, 2H), 3.25−2.95 (m, 3H), 2.4 (s, 3H), 2.3 (s, 3H), 2.15−2.0 (m, 2H).
(実施例7)
化合物番号6の調製
水素化ナトリウム(50%)(50mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(7.5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(150mg、0.70mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌した。2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)オキシラン(168mg、1.0mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物30mgをTFA塩として得た。
【0428】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)5.93、純度92.15%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, TFA塩) δ (ppm) 10.75−10.65 (m, 1H), 7.45−7.3 (m, 2H), 7.25−6.9 (m,4H), 5.8−5.7 (m, 1H), 4.85−4.7 (m, 2H), 4.60−4.35 (m, 2H), 4.20−4.05 (m, 4H), 3.85 (s, 3H), 3.25−3.1 (m, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.15−2.0 (m, 2H).
(実施例8)
化合物番号7の調製
水素化ナトリウム(27mg、1.2mmol)をヘキサンで洗浄して、オイルを除去し、減圧下で乾燥させた。これをTHFに懸濁させた。この混合物に、THF中のカルボリン1(100mg、0.47mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。2−クロロ−1−(ピペリジン−1−イル)エタノン(91mg、0.56mmol)のTHF溶液を反応混合物に滴下し、次いでこれを室温で2時間撹拌した。反応をTLCによって監視した。反応の完了の後に、反応混合物を氷水でクエンチした。THFを蒸発させ、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗製の化合物を得た。粗製の化合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物17mgを得、これをHClのエタノール溶液と共に撹拌して、生成物をHCl塩として得た。
【0429】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)8.05、純度93.33%、流速1mL/分。
1H NMR (CD
3OD, 遊離塩基) δ (ppm) 7.39 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.28−4.35 (m, 2H), 3.82−3.95 (m, 2H), 3.40−3.72 (m, 7H), 2.40 (s, 3H), 2.30−2.37 (m, 2H), 1.52−1.60 (m, 2H), 1.65−1.77 (m, 4H).
(実施例9)
化合物番号8の調製
水素化ナトリウム(50%)(50mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(7.5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(150mg、0.70mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌した。2−(3,4−ジメトキシフェニル)オキシラン(181mg、1.0mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物40mgをTFA塩として得た。
【0430】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)5.52、純度98.70%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, TFA塩) δ (ppm) 10.75−10.65 (m,1H), 7.50−7.30 (m, 2H), 7.10−6.70 (m, 4H), 5.75−5.65 (m, 1H), 4.85−4.75 (m, 2H), 4.50−4.30 (m, 1H), 4.25−4.05 (m, 2H), 3.85−3.65 (m, 6H), 3.30−3.05 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.15−1.95 (m, 2H).
(実施例10)
化合物番号9の調製
臭化テトラブチルアンモニウム(7mg、0.023mmol)を50%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、室温で10分間撹拌した。カルボリン1(0.1g、0.47mmol)を反応混合物に加え、室温で10分間撹拌した。3−フルオロ−5−ビニルピリジン(69mg、0.56mmol)を加え、反応混合物を100℃で一晩撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、混合物を室温に冷却し、化合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製の生成物を得、これを逆相クロマトグラフィーによって精製して、生成物15mgをTFA塩として得た。
【0431】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)5.51、純度95.02%、流速1.4mL/分。
1H NMR (DMSO, TFA塩) δ (ppm) 10.9−10.8 (m, 1H), 8.50−8.45 (m, 1H), 8.15−8.10 (m, 1H), 7.65−7.55 (m, 1H), 7.40−7.30 (m, 2H), 7.05−6.90 (m, 1H), 4.75−4.65 (m, 2H), 4.40−4.20 (m, 2H), 3.95−3.40 (m, 2H), 3.35−3.15 (m, 1H), 3.10−3.00 (m, 2H), 2.44−2.25 (m, 5H), 2.15−2.00 (m, 2H).
(実施例11)
化合物番号10の調製
化合物5(60mg、0.17mmol)のDCM(2mL)溶液に、トリエチルアミン(0.036mL、0.26mmol)を加え、10分間撹拌した。塩化メタンスルホニル(0.016mL、0.19mmol)を徐々に0℃で加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗製の生成物を得た。この粗製の生成物をNMP(1.0mL)に溶かし、続いて、KOH粉末(48mg、0.86mmol)をこれに室温で加えた。混合物を80℃で一晩加熱した。反応をLCMSによって監視した。無機物質を濾過によって除去し、粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、生成物4mgをTFA塩として得た。
【0432】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)7.08、純度91.89%、流速1.4mL/分。
1H NMR (CD
3OD, TFA塩) δ (ppm) 7.5−7.6 (m, 2H), 7.4−7.48 (m, 2H), 7.10−7.22 (m, 3H), 6.63 (d, 1H), 5.2 (d, 2H), 4.7 (d, 1H), 3.85−4.09 (m, 2H), 3.62−3.75 (m, 2H), 3.42−3.5 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.26 (s, 3H).
(実施例12)
化合物番号11の調製
カルボリン1(0.1g、0.47mmol)の50%水酸化ナトリウム溶液(5mL)中の溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(8mg、0.024mmol)を加え、続いて、2−ビニルピリジン(0.062mL、0.57mmol)を加えた。反応混合物を90℃で一晩撹拌した。反応の完了の後に(TLCおよびLCMSによって監視)、EtOAcを加え、溶液を水で洗浄した。水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗製の生成物を得、これを、カラムクロマトグラフィーによって精製した。得られた純粋な生成物をHClのエタノール溶液に溶かし、濃縮して、HCl塩28mgを得た。
【0433】
分析HPLC:YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル中0.05%のTFA、勾配:8分で5%Bから95%Bへ、1.5分間維持、0.01分で95%Bから5%Bへ、保持時間(分)4.32、純度95.02%、流速1.4mL/分。
1H NMR (CD
3OD, HCl塩) δ (ppm) 8.64 (d, 1H), 8.43 (t, 1H), 7.84−7.95 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.0 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 5.10 (d, 2H), 4.70 (d, 1H), 4.42−4.69 (m, 1H), 3.90−4.00 (m, 1H), 3.8−3.85 (m, 1H), 3.70 (d, 1H), 3.40−3.65 (m, 3H), 2.42−2.55 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.20−2.35 (m, 1H).
(実施例13)
化合物番号12の調製
臭化テトラブチルアンモニウム(38mg、0.012mmol)を50%水酸化ナトリウム水溶液(10mL)に溶かし、混合物を室温で10分間撹拌した。カルボリン1(500mg、2.4mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌し、続いて、2−(6−メチルピリジン−3−イル)エチルメタンスルホネート(608mg、2.8mmol)を加えた。反応混合物を110℃で一晩撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、混合物を室温に冷却し、化合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得た。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、TFA塩を得、これを遊離塩基に変換して、表題化合物55mgを得た。
1H NMR (CDCl
3, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.57 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.25−7.10 (m, 4H), 4.05−4.00 (m, 4H), 3.88−3.82 (m, 1H), 3.73−3.68 (m, 1H), 3.50−3.40 (m, 2H), 3.24−3.19 (m, 1H), 3.10−2.95 (m, 2H), 2.69−2.63 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 2.37−2.26 (m, 2H).
(実施例14)
化合物番号13の調製
ジメチルホルムアミド(7.6mL)および水素化ナトリウム(60%)(62mg、1.55mmol)の懸濁液を室温で1時間撹拌した。この懸濁液に、カルボリン1(109mg、0.51mmol)を加え、混合物を10分間撹拌した。同じ懸濁液に、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチルオキシラン(150mg、0.73mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、MeOH10mLを少量ずつ用いてクエンチした。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製の生成物を、シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって、溶媒系としてDCM中のMeOHを用いて精製した。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0434】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)9.57、9.83、純度95.38%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.70 (m, 1H), 7.58−7.40 (m, 2H), 7.30 (m, 1H), 6.90 (d, 1H), 6.80 (d, 1H), 4.70 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 4.10 (bs, 2H), 3.80 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.0 (m, 2 H), 1.60 (s, 3H).
(実施例15)
化合物番号14の調製
ジメチルホルムアミド(7.6mL)および水素化ナトリウム(60%)(62mg、1.55mmol)の懸濁液を室温で1時間撹拌した。この懸濁液に、カルボリン1(109mg、0.51mmol)を加え、10分間撹拌した。同懸濁液に、2−(2,4−ジクロロ−フェニル−)2−メチルオキシラン(150mg、0.73mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応をTLCによって監視した。反応物を、MeOH10mLを少量ずつ用いてクエンチした。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製の生成物を、シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって、溶媒系としてMeOH:DCMを用いて精製した。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0435】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)10.52、10.78、純度92.34%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.80 (d, 1H), 7.62 (m, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.38 (m, 1H), 6.98 (d, 1H), 6.82 (d, 1H),4.70 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 4.10 (bs, 2H), 3.80 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.0 (m, 2H), 1.60 (s, 3H).
(実施例16)
化合物番号15の調製
水素化ナトリウム(62mg、1.68mmol)をジメチルホルムアミドに加え、10分間撹拌した。カルボリン1(131mg、0.617mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌し、続いて、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−メチルオキシラン(150mg、0.881mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をMeOHでクエンチし、溶媒を蒸発によって除去した。水を残渣に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって、DCM中0〜10%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0436】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)8.06、8.28、純度89.35%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.60 (m, 1H), 7.40 (m, 3H), 6.98 (d, 1H), 6.82 (d, 1H),4.70 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 4.10 (bs, 2H), 3.80 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.0 (m, 2H), 1.80 (s, 3H).
(実施例17)
化合物番号16の調製
水素化ナトリウム(67.4mg、1.68mmol)をジメチルホルムアミドに加え、10分間撹拌した。カルボリン1(119mg、0.6mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌し、続いて、2−(4−クロロフェニル)−2−メチルオキシラン(150mg、0.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をMeOHでクエンチし、溶媒を蒸発させた。水を残渣に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって、DCM中0〜10%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0437】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)9.11、9.34、純度99.85%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.60 (d, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.30 (m, 2H), 6.98 (d, 1H), 6.82 (d, 1H),4.70 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 4.10 (bs, 2H), 3.80 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.0 (m, 2H), 1.80 (s, 3H).
(実施例18)
化合物番号17の調製
水素化ナトリウム(74mg、1.85mmol)をジメチルホルムアミドに加え、10分間撹拌した。カルボリン1(130.9mg、0.88mmol)をこれに加え、反応混合物を室温で30分間撹拌し、続いて、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−メチルオキシラン(150mg、0.617mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。これをTLCおよびNMRによって監視した。完了したら、反応物をMeOHでクエンチし、溶媒を減圧下で蒸発させた。水を残渣に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって、DCM中0〜10%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。純粋な生成物をHCl塩に変換した。
【0438】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)8.87、9.06、純度84.26%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, HCl塩) δ (ppm) 7.40−7.20 (m, 3H), 7.0 (m, 1H), 6.80 (m, 2H), 4.70 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 4.10 (bs, 2H), 3.80 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.0 (m, 2H), 1.80 (s, 3H).
(実施例19)
化合物番号18の調製
水素化ナトリウム(674mg、1.68mmol)をジメチルホルムアミドに加え、10分間撹拌した。カルボリン1(119mg、0.6mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌し、続いて、2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキシラン(150mg、0.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をMeOHでクエンチし、次いで、溶媒を蒸発させた。水を残渣に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって、DCM中0〜10%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0439】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6×250mm、5μm、移動相A:10mMの酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)13.65、13.81、純度84.30%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.60−7.40 (m, 3H), 7.20 (m, 1H), 6.98 (d, 1H), 6.82 (d, 1H),4.70 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 4.10 (bs, 2H), 3.80 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.0 (m, 2H), 1.50 (s, 3H).
(実施例20)
化合物番号19の調製
(実施例20a)
ニトリル19Aの調製
【0440】
【化103】
カルボリン1(1g、47mmol)をベンゼン(15mL)およびトルエン(20mL)中で撹拌した。この溶液に、アクリロニトリル(1mL、2.25mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。この氷冷溶液に、Triton−B1mLを加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応をTLC(DCM中10%のMeOH)によって監視した。生成物をヘキサンおよびエーテルから再結晶化させた。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0441】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)5.49、純度98.33%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.42 (d, 1H), 7.38 (s, 1H), 6.98 (d, 1H), 4.90 (d, 1H), 4.58 (d, 1H), 4.30 (m, 2H), 3.80 (m, 2H), 3.25 (m, 3H), 2.90 (t, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.30 (m, 1H), 2.08 (m, 1H).
(実施例20b)
チオアミド19Bの調製
【0442】
【化104】
ピリジン(60mL)およびトリエチルアミン(5mL)中のニトリル19A(1.2g、4.5mmol)をH
2Sで25分間飽和させた。周囲温度での72時間後に、反応混合物を減圧下で濃縮した。反応混合物をトルエン(3×)と共沸させた。生成物をヘキサンおよびエーテルから再結晶化させた。純粋な生成物をそのHCl塩に変換した。
【0443】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6×250mm、5μm、移動相A:10mMの酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)9.98、純度93.53%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, HCl塩) δ (ppm) 7.30 (m, 2H), 6.95 (d, 1H), 4.70 (d, 1H), 4.30 (m, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.20 (m, 3H), 2.80 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.20 (m, 1H), 2.0 (m, 1H).
(実施例20c)
化合物番号19の調製
チオアミド19B(100mg、33mmol)を2−ブロモアセトフェノン(72mg、36mmol)に加え、続いて、HClのエタノール溶液2mLを加えた。反応混合物を80℃で、密閉容器中で20分間加熱した。混合物を1MのNaOH溶液で塩基性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)および溶離剤としての0〜8%MeOH:EtOAcによって精製した。純粋な生成物をHCl塩に変換した。
【0444】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)9.73、純度92.78%、流速1mL/分。
1H NMR (CD
3OD, HCl塩) δ (ppm) 7.80 (d, 2H), 7.75 (s, 1H), 7.40 (m, 4H), 7.30 (d, 1H), 7.0 (d, 1H), 5.10 (d, 2H), 4.60 (m, 2H),4.0 (m, 4H), 3.60 (bs, 2H), 3.35 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.20 (m, 1H)
(実施例21)
化合物番号20の調製
水素化ナトリウム(56mg、1.41mmol)をジメチルホルムアミド(7mL)に加え、室温で10分間撹拌した。カルボリン1(100mg、0.47mmol)をこれに加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。2−(p−トリル)メチルオキシラン(100mg、0.67mmol)を加え、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物をMeOHでクエンチし、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣に水を加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって、DCM中0〜10%のMeOHを溶離剤として使用して精製した。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0445】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6×250mm、5μm、移動相A:10mMの酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)12.85、13.06、純度92.88%、流速1mL/分。
1H NMR (CD
3OD, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.30 (m, 2H), 7.20 (m, 2H), 7.10 (m, 2H), 6.95 (m, 1H), 5.10 (d, 2H), 4.60 (m, 2H),4.0 (m, 4H), 3.60 (bs, 2H), 3.35 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.30 (s, 3H,)2.20 (m, 1H), 1.60 (s, 3H).
(実施例22)
化合物番号21の調製
水素化ナトリウム(84mg、60%、2.1mmol)をジメチルホルムアミド5mLに懸濁させた。カルボリン1(212mg、1mmol)をこれに室温で加え、続いて、2−ブロモアセトフェノン(218mg、1.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応物を、氷水を加えることによってクエンチし、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を無水硫酸塩で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ、溶離剤:DCM中0〜4%のMeOHの勾配)によって精製した。純粋な生成物をHCl塩に変換した。
【0446】
分析HPLC:YMC ポリマー C18、4.6×150mm、6μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:15分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)8.15、8.40、純度78.46%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, HCl塩) δ (ppm) 8.20 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.70 (m, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.0 (d, 1H), 6.80 (d, 1H),),4.70 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 4.10 (bs, 2H), 3.80 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.0 (m, 2H), 1.50 (s, 3H).
(実施例23)
化合物番号22の調製
カルビノール化合物番号2(118mg、3.2mmol)を水中25%の硫酸9.7mLに溶かし、90℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を冷却し、NaOH水溶液で塩基性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーを使用して精製して、所望の生成物10mgを遊離塩基として得た。THF中のシュウ酸(1当量)で処理することによって、遊離塩基をそのシュウ酸塩に変換した。
【0447】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6x250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1mL/分、保持時間10.335分、HPLC純度99.34%。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 10.88−10.85 (m, 1H), 7.68−7.60 (m, 2H), 7.45−7.40 (m, 2H), 7.30−7.20 (m, 2H), 7.02−6.95 (d, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.25−5.05 (m, 2H), 4.80−4.70 (d, 1H), 4.50−4.35 (m, 2H), 3.82−3.75 (m, 2H), 3.55−3.45 (m, 2H), 2.35 (s, 6H), 2.15−2.05 (m, 2H).
(実施例24)
化合物番号23の調製
水素化ナトリウム(50%)(50mg、2.1mmol)をTHF(5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(150mg、0.7mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−クロロ−N−シクロヘキシルアセトアミド(171mg、1.06mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応が完了したら、反応物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗製の生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物(45mg)を得た。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0448】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:8分で10%Bから90%Bへ、3分間維持、0.5分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)6.29、純度95.37%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.38 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.05 (d, 1H), 4.95 (m, 2H), 4.70 (m, 2H), 4.56 (m, 2H), 3.90 (m, 2H), 3.65 (m, 2H), 3.50 (m, 2H), 2.50 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 2.30 (m, 2H), 1.80 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.60 (m, 2H).
(実施例25)
化合物番号24の調製
水素化ナトリウム(50%)(33mg、1.4mmol)をTHF(5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(100mg、0.47mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。tert−ブチル4−(2−クロロアセチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(148mg、0.56mmol)を加え、混合物を室温で90分間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、Boc保護生成物を得た。HClのエタノール溶液(5mL)を室温で一晩使用することで、Boc脱保護を達成して、表題化合物74mgを得た。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0449】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6×250mm、5μm、移動相A:10mMの酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)4.34、純度97.13%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.38−7.35 (s,1H), 7.1−6.95 (m,2H), 4.75−4.70 (m, 2H), 4.55−4.50 (d, 1H), 3.85−3.82 (d, 1H), 3.55−3.45 (m, 4H), 3.25−3.18 (m, 1H), 3.10−3.05 (m, 1H), 3.00−2.90 (m, 4H), 2.50(s, 3H), 2.30−2.05 (m, 6H).
(実施例26)
化合物番号25の調製
水素化ナトリウム(50%)(50mg、2.1mmol)をTHF(5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(150mg、0.7mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−クロロ−1−(4−メチルピペリジン−1−イル)エタノン(186mg、1.06mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物(50mg)を得た。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0450】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)9.14、純度99.19%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.35 (s, 1H), 7.08−7.02 (d, 1H), 6.98 −6.95 (d, 1H), 4.70−4.65 (m, 2H), 4.55−4.40 (m, 2H), 3.82−3.75 (m, 2H), 3.44−3.38 (m, 2H), 3.20−2.90 (m, 3H), 2.65−2.55 (m, 2H), 2.55 (s, 3H), 2.20−2.05 (m, 2H), 1.75−1.65 (m, 2H), 1.30−1.20 (m, 1H), 1.15−1.05 (m, 2H), 0.95−0.92 (d, 3H).
(実施例27)
化合物番号26の調製
水素化ナトリウム(50%)(50mg、2.1mmol)をTHF(5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(150mg、0.7mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−クロロ−1−モルホリノエタノン(173mg、1.06mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。反応混合物を氷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物(70mg)を得た。純粋な生成物をシュウ酸塩に変換した。
【0451】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、5分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)7.42、純度91.26%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.22−7.20 (d, 1H), 7.08−7.05 (m, 2H), 4.88−4.70 (m, 2H), 4.25−4.20 (m, 1H), 3.90−3.85 (m, 2H), 3.80−3.70 (m, 4H), 3.68−3.55 (m, 4H), 3.50−3.45 (m, 2H), 3.28−3.20 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.38−2.30 (m, 2H).
(実施例28)
化合物番号27の調製
水素化ナトリウム(113mg、4.7mmol)をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥させ、THF(5mL)中で撹拌した。THF(3mL)中のカルボリン1(200mg、0.94mmol)を反応混合物に0℃で滴下した。内容物を0℃で30分間撹拌した。THF(3mL)中のN,N−ジメチルクロロアセトアミド(148mg、1.2mmol)を滴下し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応の完了の後に、反応混合物を氷冷水でクエンチし、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製の生成物を得、これを、エーテルおよびヘキサンで洗浄して、着色した不純物を除去し、所望の生成物125mgを遊離塩基として得た。
【0452】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)6.42、純度94.21%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, 遊離塩基) δ (ppm) 7.35 (s, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.40 (d, 1H), 3.70 (d, 1H), 3.30 (m, 2H), 3.10 (m, 1H), 3.05 (s, 3H), 2.95 (s, 3H), 2.85 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.10 (m, 2H).
(実施例29)
化合物番号28の調製
カルボリン1(212mg、1mmol)をNMP2mLに溶かし、続いて、水酸化カリウム(560mg、10mmol)を加えた。4−フルオロ−2−ブロモアセトフェノン(217mg、1mmol)を反応混合物に加え、これを室温で一晩撹拌した。反応混合物に水を加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、カラムによって、シリカ(100〜200メッシュ)および0〜4%MeOH:DCMを溶離剤として使用して精製した。純粋な生成物をTFA塩に変換した。
1H NMR (CD
3OD, TFA塩) δ (ppm) 8.20 (m, 2H), 7.40 (m, 3H), 7.20 (m, 1H), 7.0 (d, 1H), 5.70 (d, 1H), 5.60 (d, 1H), 5.22 (d, 1H), 5.18 (d, 1H), 4.20 (m, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.92 (m, 2H), 2.62 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.30 (m, 1H).
(実施例30)
化合物番号29の調製
カルボリン1(212mg、1mmol)をNMP2mLに溶かし、続いて、水酸化カリウム(560mg、10mmol)を加えた。2−ブロモ−1−(4−クロロフェニル)−エタノン(233mg、1mmol)を反応混合物に加え、これを室温で一晩撹拌した。水を反応混合物に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、カラムによってシリカ(100〜200メッシュ)および0〜4%MeOH:DCMを溶離剤として使用して精製した。純粋な生成物をTFA塩に変換した。
1H NMR (CD
3OD, TFA塩) δ (ppm) 8.0 (d, 2H), 7.60 (d, 2H), 7.40 (s, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.0 (d, 1H), 5.70 (d, 1H), 5.60 (d, 1H), 5.22 (d, 1H), 5.18 (d, 1H), 4.20 (m, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.95 (m, 2H), 2.60 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.30 (m, 1H).
(実施例31)
化合物番号30の調製
臭化テトラブチルアンモニウム(8mg、0.024mmol)を50%水酸化ナトリウム水溶液(5mL)に溶かし、10分間撹拌した。カルボリン1(100mg、0.47mmol)をこれに加え、反応混合物を10分間撹拌した。4−ビニルピリジン(61mg、0.57mmol)を反応混合物に加え、これを110℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製の生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物50mgを遊離塩基として得た。純粋な生成物をTFA塩に変換した。
【0453】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)6.75、純度95.52%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, TFA塩) δ (ppm) 8.45 (d, 2H), 7.29 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 6.80 (d, 2H), 4.22−4.05 (m, 2H), 3.90 (d, 1H), 3.25 (d, 2H), 3.22−3.10 (m, 2H), 3.00−2.90 (m, 2H), 2.90−2.70 (m, 2H), 2.50−2.40 (m, 4H), 2.03−1.90 (m, 2H).
(実施例32)
化合物番号31の調製
カルボリン1(2.5g、11mmol)をジメチルホルムアミド(25mL)に溶かし、反応混合物を5分間撹拌した。水素化ナトリウム(1.3g、33mmol)を少量ずつ反応混合物に窒素下で加えた。2−(4−フルオロフェニル)オキシラン(2.1g、15mmol)を加え、一晩室温で撹拌し続けた。反応の完了の後に、反応混合物を氷水に注いだ。得られた沈澱物を濾過し、水で洗浄し、ジエチルエーテルを使用して結晶化させた。エーテル層を減圧下で濃縮し、残渣をヘキサン中で撹拌し、濾過した。純粋な化合物をシュウ酸塩に変換した。
【0454】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)7.11、純度92.45%、流速1mL/分。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.30 (m,4H), 7.15 (m,2H), 6.92 (m,1H), 5.80 (m,2H), 4.42 (m,1H), 4.30 (m,1H), 4.15 (m,2H), 4.0 (m,1H), 3.75 (m,4H), 2.40 (s,3H), 2.30 (m,1H), 2.05 (m,1H).
(実施例33)
化合物番号32の調製
カルボリン1(77mg、0.36mmol)をDMF(6mL)に溶かした。ヨウ化銅(I)(6mg、0.0362mmol)、L−プロリン(8mg、0.072mmol)およびリン酸カリウム(154mg、0.724mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。1−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−4−クロロベンゼン(100mg、0.434mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を80℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製した。収量:17mg。
【0455】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6x250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1.0mL/分、保持時間9.055分、HPLC純度99.78%。
1H NMR (CDCl
3, TFA塩) δ (ppm) 7.48−7.46 (m, 2H), 7.40−7.36 (m, 2H), 7.26−7.10 (m 1H), 7.06−7.0 (m, 2H), 6.82 (s, 1H), 3.9−3.7 (m, 1H), 3.6−3.4 (m, 2H), 3.22−3.12 (m, 1H), 3.0−2.8 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.30−2.15 (m, 2H), 2.0 (s, 3H).
(実施例34)
化合物番号33の調製
カルボリン1(212mg、1mmol)をDMFに溶かした。ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)、L−プロリン(23mg、0.2mmol)およびリン酸カリウム(424mg、2mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。1−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−2,4−ジクロロベンゼン(318mg、1.2mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を85℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって、0〜5%MeOH−DCMで溶離して精製した。生成物を逆相HPLCによってさらに精製した。収量:TFA塩として20mg。
【0456】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1mL/分、保持時間10.302分、HPLC純度99.39%。
1H NMR (CDCl
3, TFA塩) δ (ppm) 7.32 (s, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.05 (m, 2H), 6.90 (d, 1H), 6.70 (s, 1H), 4.42 (d, 1H), 4.20 (m, 1H), 3.98 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 3.56 (m, 1H), 3.30 (m, 1H), 2.90 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.38 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.20 (m, 1H).
(実施例35)
化合物番号34の調製
カルボリン1(212mg、1mmol)をDMFに溶かし、ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)、L−プロリン(23mg、0.2mmol)およびリン酸カリウム(424mg、2mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。1−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−2,4−ジクロロベンゼン(318mg、1.2mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を85℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって、0〜5%MeOH−DCMで溶離して精製した。生成物を逆相HPLCによってさらに精製した。収量:TFA塩として17mg。
【0457】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1mL/分、保持時間10.826分、HPLC純度95.04%。
1H NMR (CDCl
3, TFA塩) δ (ppm) 7.50−7.20 (m, 5H), 7.18 (d, 1H), 6.50 (s, 1H), 4.90 (d, 1H), 4.40 (d, 1H), 4.15 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.70 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.30 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.40 (m, 2H), 1.90 (s, 3H).
(実施例36)
化合物番号35の調製
カルボリン1(212mg、1mmol)を、CuSO
4.5H
2O(50mg、0.2mmol)、1,10−フェナントロリン(72mg、0.4mmol)およびリン酸カリウム(425mg、2mmol)および1−(ブロモエチニル)−4−クロロベンゼン(237mg、1.1mmol)と共にトルエン(8〜10mL)に溶かし、窒素でフラッシュした。反応混合物を80℃で一晩(16時間)加熱した。生成物をLCMSによって検出した。反応混合物をセライトで濾過し、DCMで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。合わせた有機相を減圧下で濃縮し、後処理は行わずに、カラムクロマトグラフィーによって(シリカゲル−ヘキサン中60〜80%のEtOAc)によって精製して、生成物(23mg)を茶色の半固体として得た。
【0458】
分析HPLC:Sunfire C18、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)8.42、純度93.30%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, 遊離塩基) δ (ppm) 7.40 (m, 2H), 7.38 (d, 2H), 7.22 (m, 2H), 7.05 (d, 1H), 4.50 (d, 1H), 3.90 (d, 1H), 3.38 (m, 2H), 3.10 (m, 1H), 2.90 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 2.10 (m, 2H).
(実施例37)
化合物番号36の調製
アルキン化合物番号35をアセトニトリル(0.5mL)および水(0.5mL)中で撹拌した。TFA(5〜6滴)を加えた。反応混合物を55℃で1時間加熱した。次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を逆相HPLCによって精製した。
【0459】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)9.75、純度98.72%、流速1mL/分。
1H NMR (CDCl
3, TFA塩) δ (ppm) 7.64 (d, 1H), 7.36 (m, 3H), 7.20 (m, 3H), 5.15 (d, 1H), 4.65 (d, 1H), 4.35 (s, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.70 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.20 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.35 (m, 2H).
(実施例38)
化合物番号37の調製
カルボリン1(212.29mg、1mmol)をDMFに溶かした。ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)、L−プロリン(23mg、0.2mmol)およびリン酸カリウム(424mg、2mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。1−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−2−フルオロベンゼン(260mg、1.2mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を85℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、所望の固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって、0〜5%MeOH−DCMで溶離して精製した。生成物を逆相HPLCによってさらに精製した。収量:TFA塩として14mg。
【0460】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1mL/分、保持時間10.016分、HPLC純度99.46%。
1H NMR (CDCl
3, TFA塩) δ (ppm) 7.20 (m, 3H), 7.10 (d, 1H), 6.90 (m, 3H), 6.72 (s, 1H), 4.22 (d, 1H), 3.95 (d, 1H), 3.90 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.22 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.35 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.20 (m, 1H).
(実施例39)
化合物番号38の調製
カルボリン1(212.29mg、1mmol)をDMFに溶かした。ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)、L−プロリン(23mg、0.2mmol)およびリン酸カリウム(424mg、2mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。1−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−2−フルオロベンゼン(260mg、1.2mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を85℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、所望の固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって、0〜5%MeOH−DCMで溶離して精製した。生成物を逆相HPLCによってさらに精製した。収量:TFA塩として20mg。
【0461】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1mL/分、保持時間10.462分、HPLC純度95.23%。
1H NMR (CDCl
3, TFA塩) δ (ppm) 7.40 (m, 3H), 7.20 (m, 4H), 6.70 (s, 1H), 4.90 (d, 1H), 4.40 (d, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 3.70 (m, 1H), 3.60 (d, 1H), 3.30 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.42 (m, 2H), 2.0 (s, 3H).
(実施例40)
化合物番号39の調製
カルボリン1(76mg、0.36mmol)をDMF(6mL)に溶かした。ヨウ化銅(I)(8mg、0.036mmol)、L−プロリン(9mg、0.086mmol)およびリン酸カリウム(183mg、0.86mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。4−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−1,2−ジフルオロベンゼン(100mg、0.43mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を80℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、所望の固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製した。収量:43mg。
【0462】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1.0mL/分、保持時間10.478分、HPLC純度98.90%。
1H NMR (CD
3OD, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.58 (m, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.10 (m, 2H), 6.98 (s, 1H), 4.42 (d, 1H), 3.95 (m, 3H), 3.70 (m, 2H), 3.45 (m, 1H), 2.50 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.30 (m, 1H), 1.95 (s, 3H).
(実施例41)
化合物番号40の調製
カルボリン1(67mg、0.31mmol)をDMF(5mL)に溶かした。ヨウ化銅(I)(6mg、0.032mmol)、L−プロリン(7mg、0.063mmol)およびリン酸カリウム(134mg、0.63mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。4−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−1,2−ジクロロベンゼン(100mg、0.378mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を80℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、所望の固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製した。収量:48mg。
【0463】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1.0mL/分、保持時間11.241分、HPLC純度96.35%。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.90 (s, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.10 (d, 1H), 7.0 (d, 1H), 4.75 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 3.80 (m, 2H), 3.20 (m, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.30 (m, 1H), 2.10 (m,1H), 1.90 (s, 3H).
(実施例42)
化合物番号41の調製
カルボリン1(72mg、0.34mmol)をDMF(6mL)に溶かした。ヨウ化銅(I)(6mg、0.034mmol)、L−プロリン(8mg、0.068mmol)およびリン酸カリウム(145mg、0.68mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。4−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−2−フルオロ−1−メトキシベンゼン(100mg、0.34mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を80℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、所望の固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製した。収量:17mg。
【0464】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1.0mL/分、保持時間10.369分、HPLC純度84.98%。
1H NMR (CD
3OD, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.40 (m, 3H), 7.18 (t, 1H), 7.10 (d, 2H), 6.92 (s, 1H), 4.50 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.82 (m, 2H), 3.70 (m, 2H), 3.50 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 2.30 (m, 2H), 1.90 (s, 3H).
(実施例43)
化合物番号42の調製
カルボリン1(200mg、0.943mmol)をDMF(6mL)に溶かした。ヨウ化銅(I)(17mg、0.089mmol)、L−プロリン(21mg、0.18mmol)およびリン酸カリウム(401mg、1.88mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。3−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)ピリジン(224mg、1.13mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を90℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、所望の固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製した。収量:80mg。
【0465】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1.0mL/分、保持時間7.223分、HPLC純度98.63%。
1H NMR (CD
3OD, TFA塩) δ (ppm) 8.95 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.42 (d, 1H), 7.80 (m, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.10 (m, 2H), 4.95 (m, 1H), 4.55 (d, 1H), 3.90 (m, 2H), 3.70 (m, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 2.50 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.36 (m, 1H), 2.05 (s, 3H).
(実施例44)
化合物番号43の調製
カルボリン1(212mg、1mmol)を硫酸銅(50mg、0.2mmol)、1,10−フェナントロリン(72mg、0.4mmol)、リン酸カリウム(425mg、2mmol)および1−(ブロモエチニル)−4−フルオロベンゼン(220mg、1.1mmol)とトルエン(8〜10mL)中で混合し、懸濁液を窒素でパージした。反応混合物を80℃に一晩(16時間)した。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、セライト床をDCMで洗浄した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中60〜80%のEtOAc)によって精製して、茶色の半固体(23mg)を得た。この固体をアセトニトリルおよび水(1:1)中で撹拌し、TFA(5〜6滴)を加えた。溶液を55℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を逆相HPLCによって精製した。
【0466】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、保持時間(分)9.46、純度99.27%、流速1mL/分。
1H NMR (CD
3OD, TFA塩) δ (ppm) 7.82 (d, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.35 (m, 2H), 7.25 (d, 1H), 7.08 (t, 2H), 4.50 (s, 2H), 3.90 (m, 2H), 3.65 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.50 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.30 (m, 2H).
(実施例45)
化合物番号44の調製
カルボリン1(106mg、0.5mmol)およびリン酸カリウム(212mg、1mmol)をDMFに溶かし、懸濁液を窒素でパージした。懸濁液を90℃で5分間加熱した。別の丸底フラスコで、4−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)ピリジン(107.83mg、0.55mmol)、L−プロリン(11.5mg、0.1mmol)およびヨウ化銅(I)(9.5mg、0.05mmol)をDMFに溶かし、懸濁液を窒素でパージし、90℃で5分間加熱し、この時点で、透明な溶液になった。2つの反応フラスコ中の内容物を混合し、反応混合物を90℃で一晩加熱した。内容物を室温に冷却し、水に注いだ。得られた沈澱物を濾過し、乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ、アンモニア水溶液で中和)によって、溶離剤としての0〜2%MeOH−DCMで溶離して精製した。生成物を逆相HPLCによってさらに精製した。
【0467】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1.0mL/分、保持時間7.109分、HPLC純度99.05%。
1H NMR (CD
3OD, TFA塩) δ (ppm) 8.78 (d, 2H), 8.10 (d, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.10 (s, 2H), 4.95 (d, 1H), 4.55 (d, 1H), 3.95 (m, 2H), 3.70 (m, 2H), 3.50 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.45 (s, 3H), 2.36 (m, 1H), 2.10 (s, 3H).
(実施例46)
化合物番号45の調製
カルボリン1(78mg、0.36mmol)をDMF(5mL)に溶かした。ヨウ化銅(I)(7mg、0.036mmol)、L−プロリン(8mg、0.073mmol)およびリン酸カリウム(156mg、0.734mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。1−(1−ブロモプロパ−1−エン−2−イル)−4−メトキシベンゼン(100mg、0.44mmol)を滴下し、反応混合物を窒素でパージした。反応混合物を80℃で一晩加熱した(場合によっては加熱の延長を必要とした)。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、所望の固体を濾過した。固体物質をシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製した。収量:18mg。
【0468】
分析HPLC:YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相、移動相A:0.05%のTFA、移動相B:アセトニトリル、勾配:10分で10%Bから90%Bへ、10分間維持、1分で90%Bから10%Bへ、流速1.0mL/分、保持時間10.409分、HPLC純度83.30%。
1H NMR (DMSO, シュウ酸塩) δ (ppm) 7.50 (d, 2H), 7.42 (s, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.98 (m, 4H), 4.80 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.70−3.50 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.18 (m, 2H), 1.90 (s, 3H), 1.75 (m, 1H).
(実施例47)
化合物番号71の調製
7−メチル−3,4,5,10−テトラヒドロ−1H−2,5−メタノアゼピノ[3,4−b]インドール(1.0g、4.7mmol)のDMF溶液に、水素化ナトリウム(564mg、14.1mmol)を加えた。室温、窒素下で5分間撹拌した後に、4−オキシラニルピリジン(856mg、7.0mmol)のDMF(5mL)溶液を反応混合物に加え、撹拌を室温で続けた。反応の進行をTLCおよびLCMSによって監視した。完了の後に、反応混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(5×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をエーテル−ヘキサン中で再結晶化させて、所望の化合物(1.0g)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 遊離塩基) δ (ppm) 8.58 (t, 2H), 7.32 (s, 1H), 7.2 (t, 2H), 7.18 (d, 1H), 6.9 (d, 1H), 5.0 (m, 1H), 4.23 (d, 1H), 4.02 (m, 2H), 3.62 (d, 1H), 3.1−3.3 (m, 3H), 2.8 (m, 2H), 2.7 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.0 (m, 3H).
(実施例48)
化合物番号72の調製
1−エチル−7−メチル−3,4,5,10−テトラヒドロ−1H−2,5−メタノアゼピノ[3,4−b]インドール(1000mg、4.17mmol)のDMF(10mL)溶液に、水素化ナトリウム(500mg、12.498mmol)を少量ずつ加えた。室温で5分間撹拌した後に、4−(オキシラン−2−イル)ピリジン(630mg、5.00mmol)を反応混合物に滴下し、これを室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷水でクエンチし、固体物質を濾過した。残渣を水(2×10mL)、ヘキサン(2×50mL)で洗浄し、逆相HPLCによって精製して、表題化合物を得た。
【0469】
(実施例49)
化合物番号73の調製
1,7−ジメチル−3,4,5,10−テトラヒドロ−1H−2,5−メタノアゼピノ[3,4−b]インドール(1g、4.42mmol)のDMF(10mL)溶液に、水素化ナトリウム(530mg、13.24mmol)を少量ずつ窒素下で加えた。0℃で10分間撹拌した後に、4−オキシラニル−ピリジン(1.07g、8.84mmol)を0℃で反応混合物に滴下し、撹拌を室温で12時間続けた。完了の後に、反応混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(5×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、生成物1.2gを得た。
1H NMR (CD
3OD, ギ酸塩) δ (ppm) 8.42 (d, 2H), 7.8 (d, 2H), 7.22 (s, 1H), 6.78 (t, 2H), 5.67 (q, 1H), 5.4 (m, 1H), 4.77 (dd, 1H), 4.4 (dd, 1H), 3.82 (d, 1H), 3.7−3.8 (m, 3H), 3.6 (d, 1H), 2.4 (m, 1H), 2.3 (s, 3H), 2.18 (m, 1H), 1.97 (d, 3H).
(実施例B1)
本発明の化合物がヒスタミン受容体に結合する能力の決定
ヒスタミンH1
放射リガンド結合アッセイにおいて、本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現されたヒト組換えヒスタミンH
1受容体を[De Backer、M.D.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm.(1993年) 197巻(3号):1601頁]、改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、2mMのMgCl
2、100mMのNaCl、250mMのスクロース)中で使用した。本発明の化合物を1.2nMの[
3H]ピリラミンと共に25℃で180分間インキュベーションした。非特異的結合を1μMピリラミンの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]ピリラミンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。生化学的アッセイ結果を、表2において特異的結合の阻害率として示す。
【0470】
ヒスタミンH2
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)K1細胞で発現されたヒト組換えヒスタミンH
2受容体[Ruat,M.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA.(1990年) 87巻(5号):1658頁]を50mMのリン酸緩衝液(pH7.4)中で使用した。本発明の化合物を0.1nMの[
125I]アミノポテンチジンと共に25℃で120分間インキュベーションした。非特異的結合を3μMのチオチジンの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
125I]アミノポテンチジンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。生化学的アッセイ結果を、表2における特異的結合の阻害率として示す。
【0471】
ヒスタミンH3
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞で発現されたヒト組換えヒスタミンH
3受容体[Yanai,K.ら、Jpn.J.Pharmacol.(1994年)、65巻(2号):107頁;Zhu,Y.ら、MoI.Pharmacol.(2001年)、59巻(3号):434頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、5mMのMgCl
2、0.04%のBSA)中で使用する。本発明の化合物を3nMの[
3H]R(−)−α−メチルヒスタミンと共に25℃で90分間インキュベーションする。非特異的結合を、1μMのR(−)−α−メチルヒスタミンの存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]R(−)−α−メチルヒスタミンを決定する。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングする。本発明の化合物をこの生化学的アッセイで試験し、特異的結合の阻害率を決定する。
【0472】
(実施例B2)
本発明の化合物がイミダゾリンI
2受容体に結合する能力の決定
中枢イミダゾリンI
2
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、ウィスターラット大脳皮質から得られたラット中枢イミダゾリンI
2受容体[Brown,C.M.ら、Br.J.Pharmacol.(1990年)99巻:803頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.4)、0.5mMのEDTA)中で使用する。本発明の化合物を2nMの[
3H]イダゾキサンと共に25℃で30分間インキュベーションする。非特異的結合を1μMのイダゾキサンの存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]イダゾキサンを決定する。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングする。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験し、特異的結合の阻害率を決定する。
【0473】
表2 結合データ(阻害率)
【0474】
【表2-1】
【0475】
【表2-2】
(実施例B3)
本発明の化合物がアドレナリン作動性受容体に結合する能力の決定
アドレナリン作動性α
1A
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、ウィスターラット顎下腺から得られたラットアドレナリン作動性α
1A受容体[Michel,A. D.ら、Br. J. Pharmacol.(1989年)98巻:883頁]を、改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.4)、0.5mMのEDTA)中で使用した。本発明の化合物を0.25nMの[
3H]プロゾシンと共に25℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を10μMのフェントールアミンの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]プロゾシンを決定した。本発明の化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。代表的な化合物の生化学的アッセイ結果を、表3における特異的結合の阻害率として示した。
【0476】
アドレナリン作動性α
1B
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、ウィスターラット肝臓から得られたラットアドレナリン作動性α
1B受容体[Garcia−S’ainz,J. A.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun.(1992年) 186巻:760頁;Michel,A. D.ら、Br. J. Pharmacol.(1989年) 98巻:883頁]を、改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.4)、0.5mMのEDTA)中で使用した。本発明の化合物を0.25nMの[
3H]プロゾシンと共に25℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を10μMのフェントールアミンの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]プロゾシンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験した。代表的な化合物の生化学的アッセイ結果を、表3における特異的結合の阻害率として示した。
【0477】
アドレナリン作動性α
1D
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、ヒト胚腎臓(HEK−293)細胞で発現されたヒト組換えアドレナリン作動性α
1D受容体[Kenny,B.A.ら、Br.J.Pharmacol.(1995年) 115巻(6号):981頁]を50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.4)中で使用した。本発明の化合物を0.6nMの[
3H]プロゾシンと共に25℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を、10μMフェントールアミンの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]プロゾシンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。本発明の化合物を、この生化学的アッセイで試験した。代表的な化合物の生化学的アッセイ結果を、表3における特異的結合の阻害率として示した。
【0478】
アドレナリン作動性α
2A
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、昆虫Sf9細胞で発現されたヒト組換えアドレナリン作動性α
2A受容体[Uhlen,S.ら、J Pharmacol.Exp.Ther.(1994年) 271巻:1558頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、12.5mMのMgCl
2、2mMのEDTA)中で使用した。本発明の化合物を1nMの[
3H]MK−912と共に25℃で60分間インキュベーションした。MK912は、(2S−トランス)−1,3,4,5’,6,6’,7,12b−オクタヒドロ−1’,3’−ジメチル−スピロ[2H−ベンゾフロ[2,3−a]キノリジン−2,4’(1’H)−ピリミジン]−2’(3’H)−オンヒドロクロリドであった。非特異的結合を、10μMのWB−4101(2−(2,6−ジメトキシフェノキシエチル)アミノメチル−1,4−ベンゾジオキサンヒドロクロリド)の存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]MK−912を決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。本発明の化合物を、この生化学的アッセイで試験した。代表的な化合物の生化学的アッセイ結果を、表3における特異的結合の阻害率として示した。
【0479】
アドレナリン作動性α
2B
放射リガンド結合アッセイにおいて、本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞で発現されたヒト組換えアドレナリン作動性α
2B受容体[Uhlen,S.ら、Eur.J.Pharmacol.(1998年) 343巻(1号):93頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、12.5mMのMgCl
2、1mMのEDTA、0.2%のBSA)中で使用した。本発明の化合物を2.5nMの[
3H]ラウオルシンと共に25℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を、10μMのプロゾシンの存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]ラウオルシンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。本発明の化合物を、この生化学的アッセイで試験した。代表的な化合物の生化学的アッセイ結果を、表3における特異的結合の阻害率として示した。
【0480】
アドレナリン作動性α
2C
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、昆虫Sf9細胞で発現されたヒト組換えアドレナリン作動性α
2C受容体[Uhlen,S.ら、J.Pharmacol.Exp.Ther.(1994年) 271巻:1558頁)を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、12.5mMのMgCl
2、2mMのEDTA)中で使用した。本発明の化合物を1nMの[
3H]MK−912と共に25℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を10μMのWB−4101の存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]MK−912を決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験した。代表的な化合物の生化学的アッセイ結果を、表3における特異的結合の阻害率として示した。
【0481】
(実施例B4)
本発明の化合物がドーパミン受容体に結合する能力の決定
ドーパミンD
2L
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現されたヒト組換えドーパミンD
2L受容体[Grandy,D.K.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.(1989年) 86巻:9762頁;Hayes,G.ら、Mol. Endocrinol.(1992年) 6巻:920頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、1.4mMのアスコルビン酸、0.001%のBSA、150mMのNaCl)中で使用した。本発明の化合物を0.16nMの[
3H]スピペロンと共に25℃で120分間インキュベーションした。非特異的結合を、10μMのハロペリドールの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]スピペロンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。生化学的アッセイ結果を表3に特異的結合の阻害率として示す。
【0482】
表3:本発明の化合物によるアミン作動性Gタンパク質共役受容体へのリガンド結合の阻害率:
【0483】
【表3-1】
【0484】
【表3-2】
【0485】
【表3-3】
(実施例B5)
本発明の化合物がセロトニン受容体に結合する能力の決定
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
1A
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
1A受容体[Martin G.R.ら、 Neuropharmacol.(1994年) 33巻:261頁;May J.A.ら、J.Pharmacol.Exp.Ther.(2003年) 306巻(1号):301頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、0.1%アスコルビン酸、0.5mMのEDTA、10mMのMgSO
4)中で使用する。本発明の化合物を1.5nMの[
3H]8−OH−DPATと共に25℃で60分間インキュベーションする。非特異的結合を10μMのメテルゴリンの存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]8−OH−DPATを決定する。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングする。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験し、特異的結合の阻害率を決定する。
【0486】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
1B
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、ウィスターラット大脳皮質から得られたセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
1B受容体[Hoyerら、Eur.J.Pharmaco.(1985年) 118巻:1頁;Pazosら、Eur.J.Pharmacol.(1985年) 106巻:531頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、154mMのNaCl、10μMのパルジリン、30μMのイソプレナリン)中で使用する。本発明の化合物を10pM[
125I]シアノピンドロールと共に37℃で90分間インキュベーションする。非特異的結合を10μMのセロトニン(5−HT)の存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
125I]シアノピンドロールを決定する。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングする。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験し、特異的結合の阻害率を決定する。
【0487】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
2A
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
2A受容体[Bonhaus.D.W.ら、Br. J. Pharmacol.(1995年) 115巻:622頁;Saucier,C.ら、J. Neurochem.(1997年) 68巻:1998頁]を50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.4)中で使用した。本発明の化合物を0.5nMの[
3H]ケタンセリンと共に25℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を1μMのミナンセリンの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄した、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]ケタンセリンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。生化学的アッセイ結果を表4に特異的結合の阻害率として示す。
【0488】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
2B
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
2B受容体[Bonhaus,D. W.ら、Br. J. Pharmacol.(1995年) 115巻:622頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、4mMのCaCl
2、0.1%アスコルビン酸)中で使用する。本発明の化合物を1.2nMの[
3H]リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)と共に37℃で60分間インキュベーションする。非特異的結合を10μMのセロトニン(5−HT)の存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]LSDを決定する。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングする。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験し、特異的結合の阻害率を決定する。生化学的アッセイ結果を特異的結合の阻害率として示すことができる。
【0489】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
2C
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
2C受容体[Wolf. W.A.ら、J. Neurochem.(1997年) 69巻:1449頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、0.1%アスコルビン酸、10μMのパルジリン)中で使用した。本発明の化合物を1nMの[
3H]メスレルギンと共に25℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を1μMのミアンセリンの存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄した、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]メスレルギンを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。生化学的アッセイ結果を表4に特異的結合の阻害率として示す。
【0490】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
3
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、ヒト胚腎臓(HEK−293)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
3受容体[Miller,Kら、Synapase.(1992年) 11巻:58頁;Boess F.ら、Neuropharmacology (1997年) 36巻:637頁)を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、1mMのEDTA、5mMのMgCl
2)中で使用する。本発明の化合物を0.69nMの[
3H]GR−65630と共に25℃で60分間インキュベーションする。非特異的結合を10μMのMDL−72222の存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]GR−65630を決定する。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングする。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験し、特異的結合の阻害率を決定する。
【0491】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
4
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、Duncan Hartley由来モルモット線条からのセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
4受容体[Grossman,C.J.ら、Br.J.Pharmacol.(1993年) 109巻:618頁]を50mMのトリス−HCl(pH7.4)中で使用する。本発明の化合物を0.7nMの[
3H]GR−113808と共に25℃で30分間インキュベーションする。非特異的結合を30μMのセロトニン(5−HT)の存在下で推定する。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]GR−113808を決定する。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングする。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験し、特異的結合の阻害率を決定する。
【0492】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
5A
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン[5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
5A受容体(Rees,S.ら、FEBS Lett.(1994年)、355巻:242頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、10mMのMgCl
2、0.5mMのEDTA)中で使用した。本発明の化合物を1.7nMの[
3H]リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)と共に37℃で60分間インキュベーションした。非特異的結合を100μMのセロトニン(5−HT)の存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]LSDを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。本発明の化合物をこの生化学的アッセイにおいて試験し、特異的結合の阻害率を決定した。生化学的アッセイ結果を、表4における特異的結合の阻害率として示す。
【0493】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
6
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、ヒトHeLa細胞で発現されたヒト組換えセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT6受容体[Monsma,F.J.Jrら、Mol.Pharmacol.(1993年)、43巻:320頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、150mMのNaCl、2mMのアスコルビン酸、0.001%のBSA)中で使用した。本発明の化合物を1.5nM[3H]のリセルグ酸ジエチルアミド(LSD)と共に37℃で120分間インキュベーションした。非特異的結合を5μMのセロトニン(5−HT)の存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[3H]LSDを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。生化学的アッセイ結果を表4に特異的結合の阻害率として示す。
【0494】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
7
放射リガンド結合アッセイにおいて本発明の化合物の活性を評価するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
7受容体[Roth,B. L.ら、J. Pharmacol. Exp. Ther.(1994年)、268巻:1403頁;Shen,Y.ら、J. Biol. Chem.(1993年)、268巻:18200頁]を改変トリス−HCl緩衝液(50mMのトリス−HCl(pH7.4)、10mMのMgCl
2、0.5mMのEDTA)中で使用した。本発明の化合物を5.5nMの[
3H]リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)と共に25℃で2時間インキュベーションした。非特異的結合を10μMセロトニン(5−HT)の存在下で推定した。受容体タンパク質を濾過し、洗浄し、次いで、フィルターをカウントして、特異的に結合した[
3H]LSDを決定した。化合物を、1%DMSOをビヒクルとして使用して、1μMまたはそれ未満でスクリーニングした。生化学的アッセイ結果を表4に特異的結合の阻害率として示す。
【0495】
表4:本発明の化合物によるアミン作動性Gタンパク質共役受容体へのリガンド結合の阻害率:
【0496】
【表4-1】
【0497】
【表4-2】
(実施例B6)
本発明の化合物のセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
2Aアゴニスト/アンタゴニスト活性の決定
機能アッセイにおいて本発明の化合物のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を決定するために、ヒト胚腎臓(HEK−293)細胞で発現されたヒト組換えセロトニン5−HT
2A受容体[Jerman,J.ら、Eur.J.Pharmacol.(2001年)、414巻:23〜30頁]を使用する。細胞をDMEM緩衝液に懸濁させ、マイクロプレートに分配する。遊離サイトソルCa
2+イオン濃度に比例して変動する細胞質カルシウム蛍光指示薬をプロベネシドと、20mMのHepes(pH7.4)を補足したHBSS緩衝液中で混合し、各ウェルに加え、細胞と共に37℃で30分間、続いて、22℃で30分間平衡化させる。
【0498】
アゴニスト作用を測定するために、本発明の化合物、参照アゴニストまたはHBSS緩衝液(基礎対照)を細胞に加え、蛍光強度の変化を、マイクロプレートリーダーを使用して測定する。刺激された対照測定のために、5−HTを100nMで、別々のアッセイウェルに加える。
【0499】
結果を、100nMの5−HTに対する対照応答のパーセントとして表す。標準参照アゴニストは5−HTであり、これを、各実験で複数濃度で試験して、濃度応答曲線を生じさせ、そこから、そのEC
50値を算出する。
【0500】
アンタゴニスト作用を測定するために、本発明の化合物、参照アンタゴニストまたはHBSS緩衝液の添加に、3nMの5−HTまたはHBSS緩衝液(基礎対照)の添加を続け、その後、蛍光測定する。結果を、3nMの5−HTに対する対照応答の阻害率として表す。標準的な参照アンタゴニストは、ケタンセリンであり、これを各実験で、複数濃度で試験して、濃度応答曲線を生じさせ、そこから、そのIC
50値を算出する。化合物を、DMSOをビヒクルとして使用して、3μMまたはそれ未満でスクリーニングする。
【0501】
(実施例B7)
本発明の化合物のセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)5−HT
6アゴニスト/アンタゴニスト活性の決定
機能アッセイにおいて本発明の化合物のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を決定するために、ヒト組換え5−HT
6受容体をCHO細胞にトランスフェクションし[Kohen,R.、J.Neurochem.(1996年)、66巻:47頁]、本発明の化合物の活性を、ホモジニアス時間分解蛍光(HTRF)検出方法を使用してcAMP産生に対するその作用を測定することにより決定する。細胞をHEPES20mM(pH7.4)および500μMのIBMXを補足したHBSS緩衝液に懸濁させ、次いで、マイクロプレートに分配し、37℃で45分間、本発明の化合物または参照アゴニストもしくはアンタゴニストの不在(対照)下または存在下でインキュベーションする。
【0502】
アゴニスト決定、刺激された対照測定では、別のアッセイウェルは、10μMの5−HTを含有する。インキュベーションの後に、細胞を溶解させ、蛍光アクセプター(D
2標識されたcAMP)および蛍光ドナー(ユウロピウムクリプテートで標識された抗cAMP抗体)を加える。室温での60分の後に、マイクロプレートリーダーを使用して、蛍光移動をlex=337nmおよびlem=620および665nmで測定する。cAMP濃度を、665nmで測定されたシグナルを620nmで測定されたシグナルで割ることにより決定する(比)。
【0503】
結果を、10μMの5−HTに対する対照応答のパーセントとして表す。標準的な参照アゴニストは5−HTであり、これを、各実験で複数濃度で試験して、濃度応答曲線を生じさせ、そこから、そのEC
50値を算出する。
【0504】
アンタゴニスト決定のために、参照アゴニスト5−HTを、100nMの最終濃度で加える。基礎対照測定のために、別のアッセイウェルは、5−HTを含有しない。37℃での45分インキュベーションの後に、細胞を溶解させ、蛍光アクセプター(D2標識されたcAMP)および蛍光ドナー(ユウロピウムクリプテートで標識された抗cAMP抗体)を加える。
【0505】
室温での60分の後に、蛍光移動を上述の通り測定する。結果を、100nMの5−HTに対する対照応答の阻害率として表す。標準的な参照アンタゴニストはメチオテピンである。
【0506】
(実施例B8)
化合物のドーパミンD
2Lアンタゴニスト活性の決定
機能アッセイにおいて本発明の化合物のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を決定するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で安定的に発現されたヒト組換えドーパミンD
2L受容体[Senogles,S.E.ら、J.Biol.Chem.(1990年)、265巻(8号):4507頁]を使用する。本発明の化合物を膜(0.1mg/ml)および10mMのGDPと共に、改変HEPES緩衝液(20mMのHEPES(pH7.4)、100mMのNaCl、10mMのMgCl
2、1mMのDTT、ImMのEDTA)中で20分間予備インキュベーションし、シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズを30℃でさらに60分間加える。反応を、0.3nMの[
35S]GTPγSによりさらなる15分のインキュベーション期間で開始する。本発明の化合物による、1mMドーパミン応答と比べて50%またはそれを上回る(350%)[
35S]GTPγS結合の上昇は、ドーパミンD
2L受容体アゴニスト活性の可能性を示す。本発明の化合物による、10μMドーパミン誘発[
35S]GTPγS結合応答上昇の50%またはそれを上回る(350%)阻害は、受容体アンタゴニスト活性を示す。化合物を、0.4%DMSOをビヒクルとして使用して、3μMまたはそれ未満でスクリーニングする。アッセイ結果を、特異的結合の応答パーセントとして表す。
【0507】
(実施例B9)
本発明の化合物のドーパミンD
2Sアンタゴニスト活性の決定
機能アッセイにおいて本発明の化合物のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を決定するために、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で安定発現されたヒト組換えドーパミンD
2s受容体[Gilliland S.L.ら、Naunyn−Schmiedeberg’s Archives of Pharmacology(2000年)、361巻:498頁]を使用する。本発明の化合物を膜(0.05mg/ml)および3μMのGDPと共に、改変HEPES緩衝液(20mMのHEPES(pH7.4)、100mMのNaCl、10mMのMgCl
2、1mMのDTT、1mMのEDTA)中で20分間予備インキュベーションし、シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズを30℃でさらに60分間加える。反応を、0.3nMの[
35S]GTPγSによりさらなる30分のインキュベーション期間で開始する。本発明の化合物による、100μMドーパミン応答と比べて50%またはそれを上回る(350%)[
35S]GTPγS結合の上昇は、ドーパミンD
2S受容体アゴニスト活性の可能性を示す。本発明の化合物による、3μMドーパミン誘発[
35S]GTPγS結合応答上昇の50%またはそれを上回る(350%)阻害は、受容体アンタゴニスト活性を示す。化合物を、0.4%DMSOをビヒクルとして使用して、3μMまたはそれ未満でスクリーニングする。アッセイ結果を、特異的結合の応答パーセントとして表す。
【0508】
(実施例B10)
ヒスタミンH1機能アッセイにおける本発明の化合物のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性に関する決定
機能アッセイにおいて本発明の化合物のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を決定するために、ヒト胚腎臓(HEK−293)細胞で発現されたヒト組換えヒスタミンH
1受容体[Miller,T.R.ら、J. Biomol. Screen.(1999年)、4巻:249〜258頁]を使用する。細胞をDMEM緩衝液に懸濁させ、次いで、マイクロプレートに分配する。遊離サイトソルCa
2+イオン濃度に比例して変動する細胞質カルシウム蛍光指示薬をプロベニシドと、20mMのHEPES(pH7.4)を補足したHBSS緩衝液中で混合し、次いで各ウェルに加え、細胞と共に37℃で30分間、次いで、22℃で30分間平衡化させる。アゴニスト作用を測定するために、本発明の化合物、参照アゴニストまたはHBSS緩衝液(基礎対照)を細胞に加え、蛍光強度の変化を、マイクロプレートリーダーを使用して測定する。刺激された対照測定のために、ヒスタミンを10μMで、別のアッセイウェルに加える。
【0509】
結果を、10μMのヒスタミンに対する対照応答のパーセントとして表す。標準参照アゴニストはヒスタミンであり、これを、各実験で複数濃度で試験して、濃度応答曲線を生じさせ、そこから、そのEC
50値を算出する。
【0510】
アンタゴニスト作用を測定するために、本発明の化合物、参照アンタゴニストまたはHBSS緩衝液の添加に、300nMのヒスタミンまたはHBSS緩衝液(基礎対照)の添加を続け、その後、蛍光測定する。結果を、300nMのヒスタミンに対する対照応答の阻害率として表す。標準的な参照アンタゴニストは、ケタンセリンであり、これを各実験で、複数濃度で試験して、濃度応答曲線を生じさせ、そこから、そのIC
50値を算出する。化合物を、DMSOをビヒクルとして使用して、3μMまたはそれ未満でスクリーニングする。
【0511】
(実施例B11)
神経突起伸長の増加
皮質ニューロンでの神経突起伸長
化合物を、皮質ニューロンの神経突起伸長を刺激するそれらの能力を決定するために試験する。標準的な方法を使用して皮質ニューロンを単離する。一次ラット皮質ニューロンを単離するために、妊娠17日目の妊娠したラットからの胎児脳をLeibovitz培地(L15;Gibco)中で調製する。皮質を切開し、髄膜を除去する。トリプシン(Gibco)を使用して、皮質CをDNアーゼIで分離する。細胞を30分間、ピペットを用いて、10%ウシ胎児血清(「FBS」)(Gibco)を含むダルベッコ改変イーグル培地(「DMEM」;Gibco)中で摩砕し、350×g、室温で10分間遠心分離する。細胞を、2%B27(Gibco)および0.5mMのL−グルタミン(Gibco)を補足したNeurobasal培地に懸濁させる。細胞をポリ−L−リシンコーティングされたプレート1ウェル当たり30,000細胞で、37℃、5%CO
2−95%空気雰囲気中に維持する。付着の後に、ビヒクル対照または本発明の化合物を様々な濃度で培地に加える。BDNF(50ng/mL)を神経突起の成長のための陽性対照として使用する。処理の後に、培養物をリン酸緩衝食塩水(「PBS」;Gibco)で洗浄し、PBS中2.5%のグルタルアルデヒドに固定する。細胞を3日の成長の後に固定する。カメラで、神経突起を備えた細胞の写真を、条件1つ当たり複数枚(約80枚)撮る。Image−Pro Plus(フランス)製のソフトウェアを使用して写真を分析することにより、長さ測定を行う。結果を平均(s.e.m.)として表す。データの統計分析を、一元分散分析(ANOVA)を使用して行う。
【0512】
ラット混合皮質培養物での神経突起伸長
皮質混合培養物を、E18ウィスターラット胚から調製する。皮質を切開し、組織を切断して小片にした。細胞をDNアーゼおよびパパインと共に15分インキュベーションすることにより分離する。細胞を遠心分離により集める(1500rpm、5分)。組織をピペットで摩砕し、マイクロ−アイレットプロトコル(培地25μL中に20,000細胞)を使用して、ポリ−L−リシンコーティングされた48ウェルに、2mMのグルタミン、0.1μg/mlのゲンタマイシン、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS−HI)および10%熱不活化ウマ血清(HS−HI)を補足したMEM中で細胞を播種する。細胞がウェルに付着した後に、培地250μLをウェルに加える。播種の4時間後に、試験化合物を0.5、5および50nM濃度で含有する新たな培地(補足物質および5%HS−HIを有するMEM)に、培地を変える。陽性対照としてBDNF(50、100および/または150ng/ml)および/またはNGF(50ng/mlおよび/または100ng/ml)を使用する。in vitroでの2日後に、細胞調整培地をプレートから集め、その後、細胞を固定する。培地試料を13,000rpmで3分間遠心分離し、細胞破片を除去する。試料を−20℃で後続の分析のために貯蔵する。細胞をホルムアルデヒド固定し、免疫細胞化学のために処理する。調整培地中のBDNFレベルをBDNF ELISAで、製造者(Promega、BDNF Emax(登録商標) ImmunoAssay System、カタログ番号:G7610)指示書を使用して決定する。
【0513】
培養物を4%ホルムアルデヒドで、0.01MのPBS中で30分間固定し、PBSで一度洗浄する。固定された細胞を初めに透過処理し、非特異的結合を、1%ウシ血清アルブミンおよび0.3%Triton X−100をPBS中に含有するブロッキング緩衝液と共に30分インキュベーションすることによりブロッキングする。ウサギ抗−MAP−2(希釈1:1000、AB5622、Chemicon、ブロッキング緩衝液中)を一次抗体として使用する。細胞を一次抗体と共に+4℃で48時間インキュベーションし、PBSで洗浄し、Alexa Fluor568に結合した二次抗体ヤギ抗ウサギIgG(1:200、A11036、Molecular Probes)と共に室温で2時間インキュベーションする。免疫陽性細胞を、適切なフィルターセットを備える蛍光顕微鏡により可視化し、高解像度画像保存により記録する。1視野(1ウェル当たり4視野)当たりの細胞の数をカウントし、神経突起伸長を、Image Pro Plusソフトウェアを使用して定量化する。
【0514】
使用された化合物濃度当たりのウェルの数は6個である(n=6)。すべてのデータを平均±標準偏差(SD)または標準平均誤差(SEM)として表し、差違は、p<0.05レベルで統計的に有意であるとみなす。統計分析をStatsDirect統計ソフトウェアを使用して行う。群平均の間の差違は、一元ANOVAで、続いて、Dunnet検定(ビヒクル処理群と比較)を使用することにより分析する。
【0515】
(実施例B12)
スコポラミン処置されたラットにおいて認知、学習および記憶を増強する化合物の能力を評価するためのin vivoモデルの使用
EnnaceurおよびDelacourにより開発されたラットにおける2試験対象認知パラダイム(two−trial object recognition paradigm)を、エピソード/短期記憶のモデルとして使用する[Ennaceur,A.ら、Behav. Brain Res.(1998年)、31巻:47〜59頁]。このパラダイムは、齧歯類の自発探査活動に基づき、規則学習または強化を含まない。新規対象認知パラダイムは、加齢およびコリン作用機能不全の作用に対して感受性がある[Scali,C.ら、Neurosci. Letts.(1994年)、170巻:117〜120頁;Bartolini,L.ら、Biochem. Behav.(1996年)、53巻:277〜283頁]。
【0516】
6から7週齢、体重220〜300グラムの雄のSprague−Dawleyラットを例えば、Centre d’Elevage(Rue Janvier,B. P. 55、Le Genest−Saint−Isle 53940、フランス)から得る。動物を2から4匹の群でポリプロピレンケージ(床面積1032cm
2)に標準的な条件:室温(22±2℃)、12時間明/12時間暗サイクルで、自由に食餌および水を摂らせて収容する。動物を環境条件に実験開始前に少なくとも5日馴化させ、その尾に消えないマーカーでナンバリングする。
【0517】
実験アリーナは、暗青色に塗装された四角い木製の箱(60cm×60cm×40cm)であり、15cm×15cmの黒色の正方形を透明なプレキシガラス床の下に備えている。このアリーナとアリーナ内に入れられる対象を、各試行の間に水で清浄にして、ラットにより残された臭気痕跡をすべて除去する。アリーナを、内張に対して当てられているハロゲンランプによってのみ照明されている暗室に入れて、約60ルクスの均一な暗い光がボックス内に生じるようにする。試験の前日に、動物を2つの対象の存在下で実験アリーナを自由に3分間探査させる(馴化)。試験される動物を、試験の少なくとも30分前には実験室に入れる。
【0518】
新規の対象認知試験は、120分または24時間の間隔で分けた2つの試行からなる。コリン作動性アンタゴニストのスコポラミンなどの記憶を混乱させる薬剤を使用する場合には、120分の試行間間隔が好ましい。別法では、新規対象認知タスクにおいて自然忘却の作用を研究する場合には、24時間の試行間間隔を使用する。第1の、すなわち習得試行(T
1)の間、ラットを、2個の同一の対象が予め置かれているアリーナに入れる。15秒の対象探査を完了するまでに各動物が必要とする時間を決定するが、カットオフ時間は4分とする。探査は、鼻を対象に2センチメートル(cm)未満の距離で向け、そして/または対象に触れることとみなす。第2の、すなわち試験試行(T
2)の間、第1試行で存在した対象のうちの1個を、未知または新規対象に代え、第2の既知対象はその場に残す。ラットを3分間このアリーナに戻し、両方の対象の探査を決定する。ラットの歩行活動(ラットが透明プレキシガラス床の下で見ることができるグリッド線を横切った回数)をT
1およびT
2の間にスコアリングする。実験が完了したら、ラットを腹腔内投与された過用量のペントバルビタールで屠殺する。
【0519】
下記のパラメーターを、新規対象認知タスクの一部として測定する:(1)T
1の間に、15秒の対象探査を達成するために必要な時間;(2)T
1の間の歩行活動(横切った線の数);(3)T
2の間に既知対象の活発な探査にかかった時間(T
既知);(4)T
2の間に新規対象の活発な探査にかかった時間(T
新規);および(5)T
2の間の歩行活動(横切った線の数)。T
2の間に新規対象の活発な探査にかかった時間とT
2の間に既知対象の活発な探査にかかった時間との差(ΔT
新規−T
既知)を評価する。5秒以上のΔT
新規−T
既知を示す各群の動物の%も導きだし;優秀学習体%として記載する。
【0520】
対象探査の最低レベルに適合しない動物は、元々低いレベルの自発探査を有するとして研究から除外する。したがって、少なくとも5秒対象を探査したラットのみ(T
新規+T
既知>5秒)が、研究には包含される。
【0521】
動物を14の群に無作為に割り当てる。本発明の化合物および対照を、次の通りに動物群に投与する:化合物の溶液は、0.25mg/mLの濃度で、精製水または食塩水をビヒクルとして毎日新たに調製する。陽性対照として使用されるドネペジルおよびスコポラミンを同時に、毎日新たに調製される食塩水の単一溶液(5mL/kg)中で同時に投与する。スコポラミンは、Sigma Chemical Co.(カタログ番号S−1875;St. Quentin Fallavier、フランス)から購入し、0.06mg/mLの濃度まで食塩水に溶かす。
【0522】
ドネペジルまたはそのビヒクルおよびスコポラミンを、習得試行(T
1)の40分前に腹腔内投与する。化合物またはそのビヒクルは、習得試行(T
1)の25分前に、即ち、スコポラミン投与の5分後に胃管により投与する。投与体積は、腹腔内投与される化合物で5mL/体重kg、経口投与される化合物で10mL/kgである。化合物での優秀学習体の認知スコアおよびパーセントを決定する。
【0523】
(実施例B13)
PCP処置動物における統合失調症の発症および/または進行を治療する、予防するおよび/または遅延させる化合物の能力を決定するためのin vivoモデルの使用
統合失調症のin vivoモデルを、統合失調症の発症および/または進行を治療する、予防するおよび/または遅延させる本明細書に記載の化合物の能力を決定するために使用することができる。
【0524】
統合失調症の発症および/または進行を治療し、かつ/または、予防し、かつ/または、遅延させる本明細書に記載の1種または複数種の化合物の活性を試験するための例示的な一モデルは、フェンシクリジン(PCP)を使用し、これを、動物(例えば、非霊長類(ラット)または霊長類(サル))に投与すると、統合失調症のヒトで見られる機能不全と同様の機能不全が生じる[Jentschら、Science(1997年)、277巻:953〜955頁;Pierceyら、Life Sci.(1988年)、43巻(4号):375〜385頁]。標準的な実験プロトコルをこれか、または他の動物モデルにおいて使用することができる。1つのプロトコルは、PCP誘発多活動を含む。
【0525】
適切な供給業者(例えば、Jackson Laboratories(Bar Harbor、Maine)からの雄のマウス(様々な系統、例えば、C57B1/6J)を使用する。マウスは6週齢で受け取る。受け取ったら、マウスに、固有の識別番号を割り当て(尾にマーク)、マウス4匹/ケージで、OPTIマウス換気ケージに群れで収容する。すべての動物を、研究の残りの間、4匹の群れで収容し続ける。すべてのマウスを試験前に少なくとも2週間、このコロニールームに馴化させ、続いて、平均8週齢で試験する。馴化期間の間、適切な健康および適合性を保証するために、マウスを規則的に検査し、取り扱い、秤量する。動物を12/12明暗サイクルで維持する。室温は20から23℃で、相対湿度は30%から70%で維持する。食餌および水は、研究期間中、自由に摂らせる。各試験で、動物を無作為に処置群に割り当てる。
【0526】
オープンフィールド(OF)試験により、即ち、ベースラインでの、薬物に応答してのマウス歩行活動を測定するために、運動行動を評価する。オープンファイルチャンバーは、水平および垂直活動を測定するための赤外線光ビーム(infrared photobeam)(16×16×16)により囲まれたプレキシガラス製の正方形の部屋(27.3×27.3×20.3cm;Med Associates Inc.、St Albans、VT)である。オープンフィールドを中心ゾーンと周囲ゾーンに分けて、赤外線光ビームがフィールドの中心および周囲での活動を測定することができるように、分析を構成する。移動した距離を、マウスが移動した場合の水平ビーム遮断から測定し、起立活動は、垂直ビーム遮断から測定する。
【0527】
マウス(1処置群当たり10から12匹の動物)を、試験前に少なくとも1時間、実験室の条件に馴化させるために、活動実験室に入れる。8匹の動物を各実行(run)で試験する。マウスにビヒクル(例えば、10%DMSOまたは5%PEG200および1%Tween80)、本発明の化合物、クロザピン(陽性対照、1mg/kg、腹腔内)を投与し、OFチャンバーに30分間入れ、その後、これらに、水またはPCPを注射し、OFチャンバーに60分間のセッションの間、戻す。各OF試験セッションの終了時に、OFチャンバーを完全に清浄にする。
【0528】
統合失調症のPCP多活動マウスモデル
試験化合物を所望の用量で適切なビヒクル、例えば、5%PEG200、1%Tween80に溶かし、PCP注射の30分前に、経口投与する。クロザピン(1mg/kg)を10%DMSOに溶かし、PCP注射の30分前に腹腔内投与する。PCP(5mg/kg)を無菌注射用食塩水に溶かし、腹腔内投与する。
【0529】
データを分散分析(ANOVA)により、続いて、適切な場合には、後でFisher検定と比較して分析する。ベースラインの活動を、PCP注射の前に、試験の初めの30分間測定する。PCP誘発活動を、PCP注射の後60分間測定する。平均から2標準偏差より高いか低い統計的異常値は、最終分析から除外する。p<0.05の場合に、効果を有意とみなす。PCPの投与後の全移動距離および全起立を、化合物で処置された群と、ビヒクルおよび陽性対照のクロザピンで処置された群と比較する。
【0530】
(実施例B14)
アンフェタミン処置された動物における統合失調症の発症および/または進行を治療する、予防する、かつ/または遅延させる化合物の能力を決定するためのin vivoモデルの使用
適切な供給業者(例えば、Jackson Laboratories、Bar Harbor、Maine)からの雄のマウス(様々な系統、例えば、C57B1/6J)を使用する。マウスは典型的には、6週齢で受け取る。マウスを試験前に少なくとも2週間、このコロニールームに馴化させる。馴化期間の間、適切な健康および適合性を保証するために、マウスを規則的に検査し、取り扱い、秤量し、12/12明暗サイクルで維持する。室温は20から23℃で、相対湿度は30%から70%で維持する。食餌および水は、試験期間中、自由に摂らせる。各試験で、動物を無作為に処置群に分ける。
【0531】
オープンフィールド(OF)試験を使用して、運動活動を評価する。オープンフィールドチャンバーは、赤外線光ビーム源(16×16×16)により囲まれたプレキシガラス製の正方形のチャンバー(例えば、27.3×27.3×20.3cm;Med Associates Inc.、St Albans、VT)である。囲いは、オープンフィールドを中心ゾーンと周囲ゾーンとに分けるように構成して、光電池ビームを、OFチャンバーの中心および周囲での活動を測定するように設定する。水平活動(移動距離)および垂直活動(起立)を、連続するビーム遮断から測定する。
【0532】
試験日に、動物を、処置開始前の少なくとも1時間、馴化のために、実験室に入れる。動物にビヒクル、ハロペリドール(陽性対照、0.1mg/kg 腹腔内)または試験化合物を投与し、OFに入れる。各動物への該当化合物の投与時間を記録する。ベースラインの活動を30分間記録し、その後、マウスにアンフェタミン(4mg/kg)または水を投与し、OFチャンバーに60分間のセッションの間、戻す。各オープンフィールド試験セッションの終了時に、OFチャンバーを完全に清浄にする。典型的には、10から12匹のマウスを各群で試験する。試験化合物の用量は典型的には、0.01mg/kgから60mg/kgの範囲である。
【0533】
データを分散分析(ANOVA)により、続いて、適切な場合には、後でFisher検定と比較して分析する。ベースラインの活動を、アンフェタミン注射の前に、試験の初めの30分間測定する。アンフェタミン誘発活動を、アンフェタミン注射の後60分間測定する。平均から2標準偏差より高いか低い統計的異常値は、最終分析から除外する。p<0.05の場合に、効果を有意とみなす。アンフェタミン投与後の全移動距離および全起立を、化合物で処置された群と、ビヒクルおよび陽性対照のハロペリドールで処置された群と比較する。
【0534】
(実施例B15)
統合失調症の発症および/または進行を治療する、予防する、かつ/または遅延させる化合物の能力を決定するためのin vivo条件回避反応(CAR)モデルの使用
現在認められているすべての抗精神病薬(定型および非定型)は、ラットにおいて条件回避反応(CAR)行動を選択的に抑制する能力を有することが公知である。この証拠により、CARは、新規化合物の抗精神病活性を評価するための主な試験の1つとなっている。
【0535】
ラット(様々な系統、2カ月齢)をトレーニングして、コンピューター支援2方向能動回避装置(computer−assisted,two−way active avoidance apparatus)(シャトルボックス)中で試験する。このボックスは、開口部7×7cmを含むステンレス鋼製仕切りにより分けられた2個の等サイズのコンパートメントからなる。各コンパートメントは、1cm間隔のステンレス鋼ロッドから作られた感電格子床を備えている。肢へのショックを回避するようにトレーニングされたラットを毎日、シャトルボックスに4分の馴化期間で入れて、20から30秒の無作為に変動する試行間隔を開けて、30回の試行を続ける。各試行は、10秒の刺激光(条件刺激、CS)、続く、ラットがいるコンパートメントに示される光の存在下での10秒の肢ショック(無条件刺激、US)からなる。動物が、肢ショックを受ける前に、そのコンパートメントを離れたら、応答を回避反応とみなす。ラットが10秒の点灯期間の間、10秒の肢ショック+点灯期間の間に、コンパートメントを変えなかったら、逃避の失敗と記録する。この試験は、5日/週でトレーニングされた動物を必要とする。各トレーニング日に、ラットに、30試行からなる1トレーニングセッションを受けさせる。ラットが、少なくとも2回の連続したトレーニングセッションで少なくとも80%の回避性能に達して初めて、試験化合物での処置を開始する。試験化合物を様々な用量および様々な前処置時間で、経口投与する(特異的薬物動態性能に応じて)。
【0536】
抗精神病プロファイルを伴う化合物は、逃避失敗の上昇を伴って、または伴わずに、条件回避反応を阻害する。統計分析を、順位によるFriedman2元ANOVA(Friedman two−way ANOVA by ranks)、次に、対応のある対のウィルコクソン符号順位検定(Wilcoxon matched−pairs signed−ranks test)を行って、各用量の試験化合物を投与されたラットと、ビヒクル対照処置されたラットを試験する。本明細書中上記で詳述された受容体に結合する本発明の化合物の能力を、複数の濃度で評価する。
【0537】
(実施例B16)
注意/覚醒を増大させ、衝動性を低減する化合物の能力を決定するための5選択肢逐次反応タスクの使用
注意および衝動性は、いくつかの疾患状態の特性となっている。ヒトで使用される持続的遂行能検査(continuous performance test)(CPT)では、注意欠陥多動障害[Riccioら、J.Neuropsychiatry Clin.Neurosci.(2001年)、13巻(3号):326〜335頁]、統合失調症[Leeら、Schizophr.Res.(2006年)、81巻(2〜3号):191〜197頁]および軽度認知障害[Levinoffら、Neuropsychology(2006年)、20巻(1号):123〜132頁]を包含するいくつかの障害における注意欠陥を検出することができる。CPTの前臨床的類似試験は、5選択肢逐次反応時間タスク[「5−CSRTT」;Robbins,T.、Psychopharmacology(2002年)、3〜4巻:362〜380頁]である。このオペラントベースの試験では、開口部の1つに刺激光が短時間出現することについてラットが5つの開口部をモニタリングしている間、ラットは、注意深くなり、応答を控えることが要求される。5−CSRTTにおける刺激光の短時間点灯は、ヒトにおけるCPTでの「正しい」文字の出現に類似する。刺激光が観察されたら、ラットは、対応する開口部を鼻で突いて、食餌報酬を受け取らなければならない。5−CSRTTによって、正確度、応答速度、衝動的応答および強迫応答を包含するCPTと同様の行動応答を測定することができる。本研究では、薬物試験を、早発応答の上昇をもたらす変更試験パラメーター下で行う。この早発応答は、衝動性、即ち、不適切な応答を控えることができないことを示すと仮定されており、アトモキセチンに感受性があることが判明している[Navarraら、Prog.Neuropsychopharmacol.Biol.Psychiatry(2008年)、32巻(1号):34〜41頁]。
【0538】
最少で12匹の雄のLong−Evansラット(275〜300g)をHarlan Laboratories、Indianapolis、INから得る。試験時に、ラットはほぼ16〜18カ月齢である。到着したら、ラットに、固有の識別番号を割り当てる(尾にマーキング)。ラットをOptiRATケージ内で個別に収容し、食餌制限レジメンを開始する前に7日間馴化させる:ラット用固形飼料を毎日ほぼ10〜20g与えて、ラットを同齢の自由摂食対照の体重に対して85%に維持する。試験期間を除いて、水は自由に摂らせる。動物を12/12時間明暗サイクル(米国東部標準時0700に点灯)で維持し、室温は22±2℃に維持し、相対湿度はほぼ50%に維持した。適切な健康および適合性を保証し、試験に関連する非特異的ストレスを最小限にするように、すべての動物を検査し、取り扱い、研究の開始前に秤量する。動物の明サイクル相の間に、5−CSRTTセッションを行う。すべての実験および手順が、Institutional Animal Care and Use Committee of PsychoGenics,Incによって承認されている。
【0539】
装置:装置は、音響減衰キャビネットに収容されている格子状の床を備えたアルミニウムおよびプレキシガラスチャンバー(幅31.5cm、深さ25.0cm、高さ33.0cm)からなる。各キャビネットは、低レベルノイズエキストラクターファンを備えていて、これはまた、外部ノイズを遮蔽するためにも役立つ。各チャンバーの左壁は、均等な間隔で、床面から約2.5cmに位置する5つの開口部で凹状に湾曲している。各開口部は、刺激光として機能する標準3W LEDを備えている。反対側の壁は、床面から約3.0cmに位置する食餌収納部を備えている。各チャンバーを、天井パネルの中央部に位置する3Wハウスライト(house−light)で照明する。各試験セッションの後に、装置を70%エタノールで清浄にする。
【0540】
実験手順:訓練:刺激光点灯に関して5つの開口部をモニタリングするように、動物を訓練する。ハウスライトを点灯させ、食餌報酬を収納部に送達することによって、各セッションを開始する。ラットが収納部を開けて、食餌ペレットを得たら、第1の試行を開始する。試行間間隔(ITI)の後に、刺激光のうちの1つを500ミリ秒点灯させる。ラットは、点灯している開口部を刺激光点灯の間か、またはその5秒以内に鼻で突かなければならない。そのような応答を正確な応答と定義し、食餌ペレット送達の報酬が与えられる。ペレットを収集したら、次の試行を開始する。点灯していない開口部を鼻で突いて応答するか(不正確な応答)、または5秒の制限待機時間(limited hold)後に鼻で突いたら(不合格試行)、試行を終了して、ハウスライトを消灯し、休止期間を課す。試験:高レベルの正確度(1セッション当たり少なくとも50回の試行を完了して、少なくとも75%正確)の5−CSRTTを得た後に、薬物試験を開始する。動物を試験化合物(様々な用量、適切なビヒクル)、ビヒクルおよび陽性対照(アトモキセチン1mg/kg、腹腔内)で処置する。薬物試験セッションの間、ITIを、4つの試行からなる群で提示される10、7、5または4秒の持続時間で変動させる(それぞれ無作為化された順序で各ITI期間において1試行を含有)。60分が経過したら、セッションを終了する。対象設計内での無作為化順序に従って、すべてのラットがすべての薬物処置を受ける。ラットが、先行する試験セッションにおける最低50回の試行について少なくとも75%正確な試行を行った場合にのみ、薬物試験を毎週水曜および金曜に行う。
【0541】
試験セッションの間に得られた測度は(1)正確な試行および不正確な試行の全回数で割った正確な試行回数×100として定義される正確率、(2)5秒の制限待機時間を超えての応答または応答不可として定義される不合格試行、(3)刺激の点灯後に正確に応答するのにかかる時間として定義される正確な潜伏時間、(4)正確に応答した後、食餌ペレットを回収するために収納部に入るまでにかかる時間と定義される収納部潜伏時間、(5)ITIの間に行われる鼻突き応答の全回数として定義される早発応答、および(6)最初の鼻突きの後に行われる追加応答の全回数として定義される固執応答である。
【0542】
統計的分析
データを、正確率;不合格試行、予備応答および固執応答の回数;ならびに正確に応答するまでの潜伏時間(秒)および正確な応答をし、食餌ペレットを回収するまでの潜伏時間(秒)として表す。データを、分散分析によって分析する(ANOVA)。いずれの場合にも、p<0.05の値を有意とみなす。適切な場合には、Fisher LSD事後検定を使用して、事後比較を行う。
【0543】
(実施例B17)
統合失調症の陰性症状の動物モデル:亜慢性PCP誘発社会的相互作用欠陥
ヒト、さらには実験動物に投与されると、フェンシクリジン(PCP)は、陰性症状および認知欠陥を包含する幅広い統合失調症症状を誘発する。統合失調症の主な症状は、陰性症状の群の一部としての社会的孤立/引きこもりと考えられる。ラットをPCPで亜慢性的に処置すると、ケージ侵入ラットとの相互作用時間の不足によって測定される、社会的引きこもりの明確な徴候の発症がもたらされる。雄のSprague Dawleyラット(約150g、種々の供給者、例えばHarlan、Indianaから得られる)をこの研究では使用する。受け取ったら、ラットをOPTIラット用換気ケージにおいて群れで収容する。ラットをケージ1つ当たり2〜3匹の群で、研究の残りの期間収容する。馴化期間の間、適切な健康および適合性を保証するために、ラットを規則的に検査し、取り扱い、秤量する。ラットを12/12明暗サイクルで、午前7:00に点灯して維持する。室温を20〜23℃に維持し、相対湿度を30〜70%に維持する。研究期間にわたって、食餌および水を自由に摂らせる。動物を処置群に無作為に割り当て、齢を等しくした。
【0544】
試験前の5日間、ラットに1日2回、PCP(2mg/kg;皮下)または食塩水(皮下)を注射する。6日目に、ビヒクル、陽性対照としてのクロザピン(2.5mg/kg、腹腔内、5%PEG:5%Tween80に溶解)および適切なビヒクルに溶かした所望の用量の試験化合物での30分の予備処置後に、互いに不慣れで、同じ処置を受けている1対のラットを白色のプレキシガラスオープンフィールドアリーナ(24”×17”×8”)に入れ、6分間互いに相互作用させる。社会的相互作用(「SI」)には:他のラットの臭いを嗅ぐこと;他のラットの毛繕いをすること;他のラットの上または下またはまわりをよじ登ること;他のラットの後をつけること;または他のラットの肛門性器部分を探索することが包含される。受動接触および攻撃的接触は、社会的相互作用の尺度とはみなさない。6分の試験の間にラットが互いに相互作用に費やした時間を、訓練を受けた観察者が記録する。社会的相互作用チャンバーを、違うラットの間で十分に清浄にする。データを、分散分析(ANOVA)、適切な場合には、続いて事後分析(例えば、Fischer、Dunnett)によって分析する。p<0.05の場合に、効果を有意とみなす。
【0545】
(実施例B18)
錐体外路症候群(EPS)の動物モデル:マウス棒試験におけるカタレプシーの測定
抗精神病薬は、動物およびヒトにおいて錐体外路症候群(EPS)を誘発することが公知である。EPSを予測すると考えられている動物モデルは、薬物に対するカタレプシー応答を測定するマウス棒試験である。適切な供給者(例えば、Jackson Laboratories(Bar Harbor、Maine)からの雄のマウス(様々な種)を使用する。マウスを6週齢で受け取る。受け取ったら、マウスに、固有の識別番号を割り当て(尾にマーキング)、ラットをOPTIマウス用換気ケージにおいて1ケージ当たりマウス4匹で群れで収容する。すべてのマウスを、残りの研究の間、4匹からなる群れで収容し続ける。すべてのマウスを、試験前に少なくとも2週間はコロニールームに馴化させ、続いて、平均8週齢で試験する。馴化期間の間、適切な健康および適合性を保証するために、マウスを規則的に検査し、取り扱い、秤量する。動物を12/12明暗サイクルで維持する。室温を20〜23℃に維持し、相対湿度を30〜70%に維持する。研究期間にわたって、食餌および水を自由に摂らせる。各試験において、動物を処置群に無作為に割り当てる。
【0546】
マウス棒試験において、マウスの前肢を、プレキシガラスプラットホームの上方2”に持ち上げられている水平棒の上に置き、時間を1回の試行当たり30秒まで記録する。動物の前肢がプラットフォームに戻った時、または30秒後に試験を終了する。試験を3回繰り返し、3回の試行の平均を、カタレプシーの指数として記録する。これらの研究では、典型的な抗精神病薬であるハロペリドール(2mg/kg、腹腔内、10%DMSOに溶解)を陽性対照として使用し、これは、棒につかまっていた時間によって測定される、硬直およびカタレプシーを誘発する。試行の30分前に、所望の用量で、かつ適切なビヒクルに溶かした試験化合物を経口投与し、ビヒクルおよび陽性対照のハロペリドール(2mg/kg、腹腔内)は、別の群のマウスに投与する。カタレプシー応答を処置の30分後、1時間後および3時間後に測定する。訓練を受けた観察者が、30秒の試行の間、棒につかまっていた時間を測定する。データを、分散分析(ANOVA)、適切な場合には、続いて事後分析(例えば、Fischer、Dunnett)によって分析する。p<0.05の場合に、効果を有意とみなす。
【0547】
(実施例B19)
高架十字迷路(EPM)試験を使用して化合物の抗不安効果を試験するための動物モデル
この研究を使用し、高架十字迷路(EPM)試験をC57Bl/6Jマウスで使用すると、本明細書に詳述されている化合物の抗不安特性を試験することができる。
【0548】
Jackson Laboratories(Bar Harbor、Maine)からの雄のC57Bl/6Jマウスをオープンフィールド研究のために使用する。マウスを6週齢で受け取る。受け取ったら、マウスに、固有の識別番号を割り当て(尾にマーキング)、OPTIマウス用換気ケージにおいて1ケージ当たりマウス4匹で群れで収容する。すべての動物を、残りの研究の間、4匹からなる群れで収容し続ける。すべてのマウスを、試験前に約2週間コロニールームに馴化させ、続いて、平均8週齢で試験する。馴化期間の間、適切な健康および適合性を保証するために、マウスおよびラットを規則的に検査し、取り扱い、秤量する。動物を12/12明暗サイクルで維持する。室温を20〜23℃に維持し、相対湿度を30〜70%に維持する。研究期間にわたって、固形飼料および水を自由に摂らせる。各試験において、動物を処置群に無作為に割り当てる。研究の完了の後に、すべての動物を安楽死させる。
【0549】
化合物は、5%PEG200/H
2Oに溶かし、10mL/kgの用量体積で試験の30分前に経口投与することができ;2)ジアゼパム(2.5mg/kg)は、45%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンに溶かし、10mL/kgの用量体積で試験の30分前に経口投与する。
【0550】
高架十字迷路試験で、不安を評価する。迷路(Hamilton Kinder)は、2本の壁ありアーム(高さ14.5cm×幅5cm×長さ35cm)および2本の壁なしアーム(幅6cm×長さ35cm)からなり、これらが正方形の中心プラットフォーム(6×6cm)を備えた十字を形成している。すべての可視表面は、黒色のアクリル製である。迷路の各アームを、床の上56cmの支持円柱に設置する。帯電防止黒色ビニールカーテン(高さ7’)がEPMを囲んで、5’×5”の囲いを成している。動物を試験前の少なくとも1時間、実験室に馴化させる。5分間の実行の間、マウスを壁ありアームに面した高架十字迷路の中心に置く。すべての動物を一度試験する。滞在時間、移動距離および各アームへの侵入をコンピューターによって自動的に記録する。各マウスの後に、EPMを十分に清浄にする。
【0551】
データを分散分析(ANOVA)、適切な場合には、続いてFischerのLSD事後分析を使用して分析する。p<0.05の場合に、効果を有意とみなす。
【0552】
刊行物、特許、特許出願および公開特許出願などの参照文献はすべて、その全体が、参照により本明細書に援用される。
【0553】
本発明を、明瞭な理解のために、説明および実施例により一部詳細に記載したが、ある種の多少の変化および変化が実施されることは、当業者には明らかであろう。したがって、明細書および実施例は、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。