特許第5791644号(P5791644)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5791644給紙カセットと給紙装置及びこれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791644
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】給紙カセットと給紙装置及びこれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/14 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   B65H1/14 310C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-16347(P2013-16347)
(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公開番号】特開2014-148365(P2014-148365A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2014年12月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】水口 恵介
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−067441(JP,A)
【文献】 特開2006−137500(JP,A)
【文献】 特開2010−272321(JP,A)
【文献】 特開2010−030692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が積載されたボトム板をその裏面に当接するリフト板の回動によって用紙供給位置へと変位させるリフトアップ方式を採用する給紙カセットにおいて、
前記ボトム板を樹脂で構成するとともに、その裏面に弾性を有する針金を組み付けて該ボトム板を補強し
前記リフト板の一端を前記針金にその可動範囲に亘って当接させ、
前記ボトム板の一部に開口部を形成し、該開口部から前記針金の一部を前記ボトム板の用紙積載面に突出させ、前記一部が前記ボトム板上に積載された用紙に弾性をもって接触して該用紙に溜まる静電気を前記針金から前記リフト板及び該リフト板の回転軸を経て本体フレームに逃がすように構成したことを特徴とする給紙カセット。
【請求項2】
前記ボトム板の前記用紙載置面に用紙が載置されると、前記針金の前記一部は用紙の重量によって下方に沈み込み、前記一部の上端部は前記ボトム板の前記用紙載置面と同一面に位置される請求項1記載の給紙カセット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の給紙カセットを備えることを特徴とする給紙装置。
【請求項4】
請求項記載の給紙装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を積載したボトム板をリフトアップ方式によって用紙供給位置へと変位させる給紙カセットと給紙装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンター等の画像形成装置には、用紙を収容する給紙カセットが装置本体内に対して着脱可能に設けられているが,斯かる給紙カセットには、用紙が積載されたボトム板をその裏面に当接するリフト板の回動によって用紙供給位置へと変位させるリフトアップ方式を採用するものがある(例えば、特許文献1参照)。このような給紙カセットにおいては、ボトム板上に積載された用紙は、最上位のものからピックアップされ、適当なタイミングで画像形成部へと供給される。
【0003】
ところで、給紙カセットのボトム板上には多数枚の用紙が積載されるため、該ボトム板には高い強度と剛性が要求される。このため、ボトム板は一般的には金属によって構成されている。
【0004】
又、給紙カセットから用紙を送り出す際の用紙の摺擦によって静電気が発生し、この静電気が給紙カセット内の用紙に溜まると用紙の重送の問題が発生する。このため、用紙の摺擦によって発生した静電気を逃がすアース構造が採用されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−320133号公報
【特許文献2】特開2003−089438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のように給紙カセットのボトム板を金属で構成するとコストが高くなるという問題がある。このため、ボトム板を安価な樹脂で構成することが考えられるが、樹脂製のボトム板は変形し易いという問題がある。
【0007】
又、強度の低い樹脂製のボトム板は、その裏面のリフト板が当接して摺動する箇所が摩耗し易いという問題を有している他、非導電性の樹脂は静電気を伝えないためにアースが困難であるという問題もある。
【0008】
そこで、樹脂製のボトム板を補強板によって補強することが考えられるが、このような補強にはコストアップを伴うという問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その第1の目的とする処は、安価で構造単純でありながらも、強度と剛性の高いボトム板を備える給紙カセットと給紙装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【0010】
又、本発明の第2の目的とする処は、用紙に溜まる静電気を簡単なアース構造によって逃がして用紙の重送等の問題の発生を防ぐことができる給紙カセットと給紙装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、用紙が積載されたボトム板をその裏面に当接するリフト板の回動によって用紙供給位置へと変位させるリフトアップ方式を採用する給紙カセットにおいて、前記ボトム板を樹脂で構成するとともに、その裏面に針金を組み付けて該ボトム板を補強したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記リフト板の一端を前記針金にその可動範囲に亘って当接させたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記ボトム板の一部に開口部を形成し、該開口部から前記針金の一部をボトム板の用紙積載面に突出させ、ボトム板上に積載された用紙に溜まる静電気を針金から前記リフト板及び該リフト板の回転軸を経て本体フレームへと逃がすよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の給紙装置は、請求項1〜3の何れかに記載の給紙カセットを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項4記載の給紙装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、ボトム板を安価な樹脂で構成するとともに、その裏面に針金を組み付けて該ボトム板を補強したため、ボトム板に必要な強度と剛性を確保しつつ、該ボトム板を安価で構造単純に構成することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、リフト板の一端を針金にその可動範囲に亘って当接させたため、リフト板が樹脂製のボトム板に直接接触することがなく、ボトム板のリフト板が摺動する箇所の摩耗が防がれて該ボトム板の耐久性が高められる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、ボトム板の一部に形成された開口部から針金の一部をボトム板の用紙積載面に突出させ、ボトム板上に積載された用紙に溜まる静電気を針金からリフト板及び該リフト板の回転軸を経て本体フレームへと逃がすよう構成したため、新たなアース部品を追加することなく、簡単なアース構造によって静電気を逃がすことができ、静電気による用紙の重送の問題を解消することができる。
【0019】
請求項4及び5記載の発明によれば、給紙カセットのボトム板のコストダウンによって給紙装置及び画像形成装置全体のコストダウンを図ることができるとともに、静電気による重送の問題を生ずることなく用紙を1枚ずつ確実に給送して安定した画像形成動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る画像形成装置の側断面図である。
図2】本発明に係る画像形成装置の給紙カセット部分の側断面図である。
図3図2の要部拡大断面図である。
図4】本発明に係る給紙カセットの斜視図である。
図5】本発明に係る給紙カセット要部を斜め下方から見た斜視図である。
図6】本発明に係る給紙カセットのボトム板を裏面側から見た斜視図である。
図7】本発明に係る給紙カセットのボトム板を表面側から見た斜視図である。
図8】本発明に係る給紙カセットのボトム板を補強する針金の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[画像形成装置]
図1は本発明に係る画像形成装置の側断面図であり、図示の画像形成装置1は、モノクロの複写機であって、その装置本体1Aの上部に画像読取装置2を備えており、その下方には排紙トレイ3が設けられている。そして、装置本体1Aの内部には画像形成部4が配置されており、その下方には給紙部5が配置されている。
【0022】
上記画像読取装置2は、主走査方向(図1の左右方向)に配置された2本の導光体6と、各導光体6の主走査方向外端面の入射面に対向する位置にそれぞれ配置された光源であるLED7を備えており、両LED7からの光を各導光体6の入射面からそれぞれ入射させて主走査方向に導くサイドライト方式を採用するものである。尚、この画像読取装置2においては、導光体6とLED7は、副走査方向(図1の紙面垂直方向)に往復動可能に支持されている。又、図示しないが、画像読取装置2には、原稿で反射した反射光を結像させる結像レンズと、該結像レンズによって結像された光像を電気信号に変換して読み取るCCD等の光電変換素子が設けられている。
【0023】
前記画像形成部4は、電子写真方式によって画像を形成するものであって、回転可能に配された像担持体としての感光ドラム8と、その周囲に配された帯電器9と、レーザースキャナーユニット(LSU)10と、現像装置11、転写ローラー12及びクリーニング装置13を備えている。
【0024】
又、前記給紙部5は、装置本体1Aに対して着脱可能な給紙カセット14と、その近傍に配されたピックアップローラー15とフィードローラー16及びリタードローラー17を備えている。ここで、給紙カセット14内には複数枚の用紙Sが積層収容されており、該給紙カセット14内の用紙Sは、ピックアップローラー15によって最上位のものから順次1枚ずつ取り出され、フィードローラー16とリタードローラー17によって重送を防がれながら用紙搬送路Pへと送り出される。
上記用紙搬送路Pは、給紙部5から上方に向かって前記排紙トレイ3へと延びており、この用紙搬送路Pには下方からレジストローラー18、前記転写ローラー12、定着装置19、搬送ローラー20、排紙ローラー21が順次配置されている。
【0025】
次に、以上のように構成された画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
【0026】
画像形成動作が開始されると、画像形成部4においては、感光ドラム8が不図示の駆動手段によって図1の矢印方向(時計方向)に回転駆動され、その表面が帯電器9によって所定の電位に一様に帯電される。そして、画像形成部4においては、原稿画像が画像読取装置2によって読み取られ、該画像読取装置2から送信される電気信号に基づくレーザービームがレーザースキャナーユニット(LSU)10から出力されて感光ドラム8の表面が露光走査されると、該感光ドラム8上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。そして、この感光ドラム8上に形成された静電潜像は、現像装置11によって現像剤であるトナーを用いて現像されてトナー像として可視像化される。
【0027】
他方、給紙部5の給紙カセット14内に収容された用紙Sは、前述のようにピックアップローラー15によって最上位のものから順次1枚ずつ取り出され、フィードローラー16とリタードローラー17によって重送を防がれながら用紙搬送路Pへと送り出される。そして、このように用紙搬送路Pへと送り出された用紙Sは、用紙搬送路Pに沿ってレジストローラー18へと搬送され、該レジストローラー18において一時待機状態とされた後、感光ドラム8上のトナー像に同期する所定のタイミングで画像形成部4へと供給される。
【0028】
画像形成部4においては、感光ドラム8と転写ローラー12との間の転写ニップへと供給された用紙Sは、転写ローラー12によって感光ドラム8に押し付けられながら搬送されることによって、その表面に感光ドラム8上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された用紙Sは、定着装置19へと搬送され、この定着装置19の定着ニップを通過する過程で加熱及び加圧されてトナー像の定着を受ける。尚、用紙Sへのトナー像の転写後に感光ドラム8の表面に残留するトナー(転写残トナー)はクリーニング装置13によって除去され、表面が清掃された感光ドラム8は次の画像形成動作に備えられる。
【0029】
而して、定着装置19にて表面にトナー像が定着された用紙Sは、搬送ローラー20によって用紙搬送路Pに沿って排紙ローラー21へと搬送され,該排紙ローラー21によって排紙トレイ3へと排出され、これによって一連の画像形成動作が終了する。
[給紙カセット]
次に、本発明に係る前記給紙カセット14を図2図8に基づいて以下に説明する。
【0030】
図2は画像形成装置の給紙カセット部分の側断面図、図3図2の要部拡大断面図、図4は給紙カセットの斜視図、図5は同給紙カセット要部を斜め下方から見た斜視図、図6は同給紙カセットのボトム板を裏面側から見た斜視図、図7は同ボトム板を表面側から見た斜視図、図7はボトム板を補強する針金の斜視図である。
【0031】
給紙カセット14は、図2に示すように、上面が開口する扁平な矩形ボックス状のカセット本体14Aを備えており、このカセット本体14A内には、その奥側端部(図2の右側端部)の左右に突設された軸22(図6及び図7参照)を支点として上下に回動するボトム板23と、図2図4に示すようにボトム板23の裏面に一端が当接するリフト板24と、ボトム板23上に積載された用紙Sの両側部に当接して該用紙Sの幅を揃えるためのスライド可能な一対のサイドカーソル25と、用紙Sの後端に当接して該用紙Sの前後を揃えるためのスライド可能なエンドカーソル26が設けられている。
【0032】
ところで、本実施の形態に係る給紙カセット14は、金属製のリフト板24の回動によってボトム板23を図2及び図3に示すように用紙供給位置へと変位させるリフトアップ方式を採用するものであって、リフト板23の基端部は図5に示す金属製の回転軸27によってカセット本体14Aに上下方向に回動可能に支持されており、該リフト板24の側面視L字状に屈曲する先端部は前述のようにボトム板23の裏面(正確には、後述の針金)に当接している。ここで、図4及び図5に示すように、前記回転軸27はカセット本体14Aの左右方向(給紙方向に直交する方向)に配されており、カセット本体14Aの一側壁から突出する一端には扇形のセクターギヤ28が結着されている。そして、このセクターギヤ28には、その上方においてカセット本体14Aの一側壁に回転可能に支持された小径のギヤ29が噛合している。
【0033】
而して、給紙カセット14を図2及び図3に示すように装置本体1Aの内部に装着した状態において、ギヤ29が装置本体1A側から駆動を受けて回転すると、これに噛合するセクターギヤ28が回動する。すると、セクターギヤ28に結着された回転軸27が回転し、該回転軸27に取り付けられたリフト板24が回転軸27を中心として図2及び図3の反時計方向に回動するため、その裏面にリフト板24の先端が当接するボトム板23が軸22(図6及び図7参照)を中心として図2及び図3の時計方向に回動し、該ボトム板23とその上に積載された用紙Sが図2及び図3に示す用紙供給位置へとリフトアップされる。
【0034】
ところで、ボトム板23には、図6及び図7に示すように、その左右に前記サイドカーソル25のスライドを許容するための切欠き23aが形成され、奥側の幅方向中央部には前記エンドカーソル26のスライドを許容するための切欠き23bが形成されており、該ボトム板23は略H形に成形されている。
【0035】
而して、本実施の形態では、ボトム板23は樹脂にて一体成形されており、その裏面に図6に示すように針金30が組み込まれることによって補強されている。ここで、針金30は、図8に示すように屈曲されており、左右2本の平行部30aの各端部を内側に向けて直角に折り曲げた後、その折り曲げ部30bの端部を更に内側に直角に折り曲げて幅が狭くて短い2本の平行部30cを形成し、左右の平行部30c同士を連結する連結部30dを僅かに起立させることによって構成されている。
【0036】
上記針金30がボトム板23の裏面に組み込まれることによって該ボトム板23が針金30によって補強されるが、該ボトム板23をリフトアップさせるリフト板24の先端は図6に示す可動域Rを摺動する。この場合、針金30の平行部30cはボトム板23の裏面に露出しており、この平行部30cの可動域Rで囲まれる部分にリフト板24の先端が当接して摺動するよう構成されている。
【0037】
又、図6及び図7に示すように、ボトム板23の幅方向中央部には矩形の開口部23Aが形成されており、この開口部23Aには針金30の起立する連結部30dが裏面側から通され、この連結部30dはボトム板23の表面(用紙積載面)に僅かに突出している。そして、図5に示すように、軸27には、カセット本体14Aの底部に組み込まれた針金31の一端が接触して両者が電気的に導通しており、針金31の他端はU字状に折り曲げられてカセット本体14Aの下面から下方に僅かに突出し、装置本体1Aの板金製の不図示のフレームに接触している。従って、給紙カセット14に収容された用紙Sのうちの最下位の用紙Sが針金30の連結部30dに弾性をもって接触することとなる。尚、ボトム板23に用紙Sが積載されると、該用紙Sの重量によって針金30の連結部30dは下方に沈み込み、その上端部はボトム板23の上面と面一状態となる。
【0038】
ところで、給紙カセット14から用紙Sが送り出される際の該用紙Sの摺擦によって静電気が発生し、この静電気が給紙カセット14内の用紙Sに溜まると用紙Sの重送の問題が発生するが、本実施の形態では、給紙カセット14内の用紙Sに溜まる静電気は、用紙Sから針金30とリフト板24、回転軸27及び針金31を経て装置本体1Aの板金製のフレームへと逃がされ、静電気による用紙Sの重送の問題が上記のようなアース構造によって解消される。
【0039】
以上において、本発明に係る給紙カセット14においては、ボトム板23を安価な樹脂で構成するとともに、その裏面に針金30を組み付けて該ボトム板23を補強したため、ボトム板23に必要な強度と剛性を確保してその変形を防ぎつつ、該ボトム板23を安価で構造単純に構成することができる。
【0040】
又、リフト板23の一端を針金30にその可動範囲Rに亘って当接させたため、リフト板24が樹脂製のボトム板23に直接接触することがなく、ボトム板23のリフト板24が摺動する箇所の摩耗が防がれて該ボトム板23の耐久性が高められる。
【0041】
更に、本実施の形態では、ボトム板23の一部に形成された開口部23Aから針金30の連結部30dをボトム板23の表面(用紙積載面)に突出させ、ボトム板23上に積載された用紙Sに溜まる静電気を針金30からリフト板23及び該リフト板23の回転軸27及び針金31を経て装置本体1Aの板金製フレームへと逃がすよう構成したため、新たなアース部品を追加することなく、簡単なアース構造によって静電気を逃がすことができ、静電気による用紙Sの重送の問題が解消される。
【0042】
そして、本発明に係る給紙カセット14を備える図1に示す画像形成装置1においては、給紙カセット14のボトム板23のコストダウンによって当該画像形成装置1のコストダウンが図られるとともに、静電気による重送の問題を生ずることなく用紙Sを1枚ずつ確実に給送して安定した画像形成動作を実現することができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0043】
1 画像形成装置
1A 画像形成装置本体
2 画像読取装置
3 排紙トレイ
4 画像形成部
5 給紙部
6 導光体
7 LED
8 感光ドラム
9 帯電器
10 レーザースキャナーユニット(LSU)
11 現像装置
12 転写ローラー
13 クリーニング装置
14 給紙カセット
14A カセット本体
15 ピックアップローラー
16 フィードローラー
17 リタードローラー
18 レジストローラー
19 定着装置
20 搬送ローラー
21 排紙ローラー
22 軸
23 ボトム板
23A ボトム板の開口部
24 リフト板
25 サイドカーソル
26 エンドカーソル
27 回転軸
28 セクターギヤ
29 ギヤ
30,31 針金
P 用紙搬送路
R リフト板の可動範囲
S 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8