(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記画像を前記表示装置に表示させ、彩度、明度、および色相角のいずれかの属性について前記属性操作部で指定されている前記補正強度が前記ユーザー操作により変更されると、前記表示装置に表示されている前記画像を、彩度、明度、および色相角のうち、前記補正強度が変更された属性についての変更後の前記補正強度、および残りの属性についての現在の前記補正強度に基づき補正された前記画像に更新することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す画像形成装置1は、複写機である。ただし、画像形成装置1は、複合機などでもよい。
【0013】
この画像形成装置1は、印刷装置11と、画像読取装置12と、画像処理装置13と、記憶装置14と、表示装置15と、入力装置16とを備える。
【0014】
印刷装置11は、出力デバイスの一例であって、画像処理装置13による各種画像処理後の画像データに基づいて原稿画像を、CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)色のトナーを使用して電子写真プロセスで印刷する内部装置である。
【0015】
また、画像読取装置12は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データをRGBデータとして生成する内部装置である。
【0016】
また、画像処理装置13は、画像読取装置12などで生成された画像データに対して、色調整、色変換などの画像処理を行う。
【0017】
また、記憶装置14は、フラッシュメモリーなどの、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、各種データを記憶している。表示装置15は、例えば画像内の色を調整するための色調整画面などの、各種画面をユーザーに対して表示する。入力装置16は、ユーザー操作を検出する。例えば、表示装置15および入力装置16は、画像形成装置1の操作パネルに設けられ、表示装置15としては、液晶ディスプレイなどが使用され、入力装置16としては、タッチパネル、ハードキーなどが使用される。
【0018】
画像処理装置13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やマイクロコンピューターで実現される、制御部21、背景色特定部22、変換部23、および色調整処理部24を有する。
【0019】
制御部21は、印刷装置11および画像読取装置12を制御して、原稿の画像データの取得や原稿画像の印刷を実行させる。
【0020】
背景色特定部22は、画像における背景色を特定する。具体的には、画像データ内のオブジェクトの背景の色(つまり、原稿の紙の色)が背景色とされ、背景色の色値(ここでは、明度Lpaper)が特定される。
【0021】
色変換部23は、複数の属性(ここでは、明度、彩度、および色相角)の座標系における2つの色値の色差を評価する色差式を使用して、色変換の対象色の元の色域での第1色値(ここでは、RGB値)から、印刷装置11の色域での第2色値(ここでは、CYMK値)を計算する。
【0022】
図2は、
図1における画像処理装置13において使用される色差式の一例を示す図である。この色差式は、CIEDE2000の色差式を、主観評価に基づき改良したものである。
【0023】
なお、主観評価は、色評価用蛍光灯の光源を用い、暗室で行った。背景には、PPC(Plain Paper Copier)用紙(ISO白色度84パーセント)を使用し、色票は、縦横20ミリメートルのサイズとし、明度、彩度、および色相角のいずれかを等間隔で変化させて複数作成し、それらを5ミリメートルの間隔を空けて横に並べて提示した。そして、このような色票を使用して、基準の色に対して許容される色(つまり、基準の色として出力デバイスで出力されても許容できる色)の範囲(つまり限界値)を評価した。評価は、複数人で行い、各人が複数回行った。
【0024】
この色差式において、ΔL'は、第1色域での色値と第2色域での色値との間の明度差であり、ΔC'は、第1色域での色値と第2色域での色値との間の彩度差であり、ΔH'は、第1色域での色値と第2色域での色値との間の色相角差である。
【0025】
また、L’avは、第1色域での色値と第2色域での色値の明度の平均値であり、C’avは、第1色域での色値と第2色域での色値の彩度の平均値である。
【0026】
さらに、Lpaperは、背景色特定部22により特定された背景色の明度である。
【0027】
つまり、この実施の形態で使用される色差式は、背景色特定部22により特定された背景色の色値をパラメーターとして、第1色域での色値と第2色域での色値との間の彩度差、明度差、および色相角差から色差を求める式である。具体的には、この色差式は、背景色の明度値に基づく係数を明度差に乗算して色差を求める式である。
【0028】
図3は、
図2に示す色差式についての主観評価の結果の一例を示す図である。
図3(A)は、彩度の許容色差を示す図である。
図3(B)は、明度の許容色差を示す図である。
図3(C)は、色相角の許容色差を示す図である。主観評価では、彩度、明度、および色相角のそれぞれの属性について、その属性値に対応する許容色差が評価される。この主観評価では、許容色差については、
図4に示す色差式に基づいて、許容される色差の限界値が、彩度、明度、および色相角のそれぞれの属性の各値について特定される。そして、各属性についての許容色差に基づいてCIEDE2000の色差式を改良したものが、
図2に示す色差式となっている。なお、
図4に示す色差式について主観評価に使用されるものであり、ここでは、色変換部23に使用されない。
【0029】
図1に戻り、色調整処理部24は、表示装置15および入力装置16をユーザーインターフェイスとして使用して、ユーザーと対話しつつ画像の色調整を行う。
【0030】
色調整処理部24は、表示制御部31、入力検出部32、補正可能範囲特定部33、および色調整実行部34を有する。
【0031】
表示制御部31は、例えば画像読取装置12により生成された画像データに基づく画像の色調整画面を表示装置15に表示させる。
【0032】
表示制御部31は、その色調整画面において、彩度、明度、および色相角のそれぞれについて独立に、ユーザー操作で補正強度を指定可能範囲内で指定可能な属性操作部を表示させる。彩度、明度、および色相角のそれぞれについて、その属性操作部の指定可能範囲は、補正可能範囲特定部33により特定された補正可能範囲に設定されている。
【0033】
なお、例えば、各属性の値に乗算される係数の値、あるいは、各属性の色補正に関数を使用する場合のその関数のパラメーターの値が、この補正強度となる。
【0034】
また、表示制御部31は、色調整対象の画像を表示装置15に表示させる。そして、表示制御部31は、彩度、明度、および色相角のいずれかの属性について属性操作部で指定されている補正強度がユーザー操作により変更されると、表示装置15に表示されている画像を、彩度、明度、および色相角のうち、補正強度が変更された属性についての変更後の補正強度、および残りの属性についての現在の補正強度に基づき補正された画像に更新する。
【0035】
また、表示制御部31は、対象の画像内からユーザー操作により指定された対象色を表示装置15に表示させ、さらに、属性操作部の指定可能範囲に対応してその対象色を補正した場合の色の分布を示すカラーチャートを属性操作部に沿って表示させ、指定可能範囲の更新に合わせてカラーチャートを更新する。
【0036】
また、表示制御部31は、色調整画面において、ユーザー操作で所定の色差式の上限値を指定可能範囲内で指定可能な色差上限値操作部を表示させる。
【0037】
入力検出部32は、その色調整画面に対する各種ユーザー操作を入力装置16で検出する。入力検出部32は、色差上限値操作部に対して、ユーザー操作により指定された値を、補正前後の色についての所定の色差式の上限値として検出する。また、入力検出部32は、表示装置15に表示されている画像内における、ユーザー操作により指定された色を対象色として検出する。さらに、入力検出部32は、上述の属性操作部についてのユーザー操作を検出する。
【0038】
図5は、
図1における画像処理装置13によって表示装置15に表示される色調整画面の一例を示す図である。
【0039】
図5に示す色調整画面には、対象の画像(カラー画像)61が表示されている。
【0040】
また、
図5に示す色調整画面には、色差上限値操作部62が表示されている。色差上限値操作部62は、スライドバー状であって、一列に配列された色差値列と、その色差値列のいずれかの値を指定するスライダー63とを有する。スライダー63の位置は、入力装置16に対するユーザー操作によって色差値列に沿って移動可能である。
図5に示す状態では、色差値は、5に指定されている。
【0041】
また、色差上限値操作部62の色差値列の最大値側の端部に隣接して、上限値拡大操作部64が表示されている。上限値拡大操作部64は、色差上限値操作部62の指定可能範囲を拡大するための操作部である。例えば、上限値拡大操作部64は、ユーザー操作で押下可能なソフトキーである。表示制御部31は、上限値拡大操作部64に対するユーザー操作に対応して、色差上限値操作部62の指定可能範囲を拡大させて色差上限値操作部62の表示を更新する。例えば、上限値拡大操作部64が1回押下されるごとに、所定の値(例えば、1)ずつ、指定可能範囲が拡大される。
【0042】
図6は、
図5に示す色調整画面について、色差の上限値が拡大された後の状態の一例を示す図である。例えば、
図5に示す状態で、上限値拡大操作部64が2回押下されると、
図6に示すように色差上限値操作部62の指定可能範囲の上限値が10から12へ拡大される。
【0043】
図5に戻り、
図5に示す色調整画面には、彩度の属性操作部65が表示されている。彩度の属性操作部65は、スライドバー状であって、一列に配列された彩度についての補正強度のレベル値列と、そのレベル値列のいずれかの値を指定するスライダー66とを有する。スライダー66の位置は、入力装置16に対するユーザー操作によってレベル値列に沿って移動可能である。
図5に示す状態では、レベル値は、5(デフォルト値)に指定されている。
【0044】
各レベル値には具体的な補正強度が割り当てられており、スライダー66が指示しているレベル値に対応する補正強度が指定される。なお、
図5においては、レベル値列は、1から10まで1刻みの値を有し、レベル値が5であるときの補正強度がゼロとされ、5より低いレベル値は負の補正強度を示し、5より高いレベル値は正の補正強度を示しており、5から離れるほど、補正強度の絶対値が増加する。
【0045】
また、属性操作部65に沿った領域67には、後述の対象色が決定されると後述のカラーチャートが表示される。
【0046】
さらに、
図5に示す色調整画面には、明度の属性操作部68が表示されている。明度の属性操作部68は、スライドバー状であって、一列に配列された明度についての補正強度のレベル値列と、そのレベル値列のいずれかの値を指定するスライダー69とを有する。スライダー69の位置は、入力装置16に対するユーザー操作によってレベル値列に沿って移動可能である。
図5に示す状態では、レベル値は、5(デフォルト値)に指定されている。
【0047】
各レベル値には具体的な補正強度が割り当てられており、スライダー69が指示しているレベル値に対応する補正強度が指定される。なお、
図5においては、レベル値列は、1から10まで1刻みの値を有し、レベル値が5であるときの補正強度がゼロとされ、5より低いレベル値は負の補正強度を示し、5より高いレベル値は正の補正強度を示しており、5から離れるほど、補正強度の絶対値が増加する。
【0048】
また、属性操作部68に沿った領域70には、後述の対象色が決定されると後述のカラーチャートが表示される。
【0049】
さらに、
図5に示す色調整画面には、色相角の属性操作部71が表示されている。色相角の属性操作部71は、スライドバー状であって、一列に配列された色相角についての補正強度のレベル値列と、そのレベル値列のいずれかの値を指定するスライダー72とを有する。スライダー72の位置は、入力装置16に対するユーザー操作によってレベル値列に沿って移動可能である。
図5に示す状態では、レベル値は、5(デフォルト値)に指定されている。
【0050】
各レベル値には具体的な補正強度が割り当てられており、スライダー72が指示しているレベル値に対応する補正強度が指定される。なお、
図5においては、レベル値列は、1から10まで1刻みの値を有し、レベル値が5であるときの補正強度がゼロとされ、5より低いレベル値は負の補正強度を示し、5より高いレベル値は正の補正強度を示しており、5から離れるほど、補正強度の絶対値が増加する。
【0051】
また、属性操作部71に沿った領域73には、後述の対象色が決定されると後述のカラーチャートが表示される。
【0052】
さらに、
図5に示す色調整画面には、スポイトツール74が表示されている。スポイトツール74は、スポイトツール74の先端部分が示す画像61の色を対象色として抽出するための画像である。スポイトツール74は、ユーザー操作によって表示位置を変更可能である。スポイトツール74により指定された色は、領域75に色パッチ81として表示される。
図7は、
図5に示す色調整画面について、対象色が選択された後の状態の一例を示す図である。スポイトツール74で対象色が指定されると、
図7に示すように、領域67,70,73に上述のカラーチャート82,83,84が表示される。
【0053】
また、
図5に示す色調整画面には、補正強度を確定してその補正強度による補正を実行させるための決定ボタン75、および色調整画面での色調整を終了させるためのキャンセルボタン76が表示されている。
【0054】
図1に戻り、補正可能範囲特定部33は、その画像内の色を補正する際の彩度、明度、および色相角のそれぞれについての補正強度の指定可能範囲を特定する。
【0055】
補正可能範囲特定部33は、彩度、明度、および色相角のそれぞれについて、上述の補正強度による補正前後の色についての所定の色差式の値が上限値以下である範囲を、補正可能範囲として特定する。
【0056】
具体的には、補正可能範囲特定部33は、彩度、明度、および色相角のそれぞれについて、上述の対象色と、その対象色を彩度、明度、および色相角の補正強度で補正して得られる色との間の所定の色差式の値が上述の上限値以下である範囲を、補正可能範囲として特定する。
【0057】
補正可能範囲特定部33により使用される色差式は、CIEDE2000色差式または
図2に示す上述の色差式(つまり、背景色の色値をパラメーターとして彩度差、明度差、および色相角差から色差を求める色差式)である。これらの色差式は、彩度差、明度差、および色相角差をそれぞれ変化させても、色差値が変化しなければ、視覚的な色(補正後の色)の印象が大きく変わらないように設計されている。
【0058】
彩度、明度、および色相角のいずれかの属性について属性操作部で指定されている補正強度がユーザー操作により変更されると、補正可能範囲特定部33は、彩度、明度、および色相角のうち、補正強度が変更された属性についての変更後の補正強度を所定の色差式に適用した上で、残りの属性についての補正可能範囲を特定して更新する。それに伴い、表示制御部31は、その残りの属性のついての属性操作部の指定可能範囲を、更新された補正可能範囲に更新して、その残りの属性についての属性操作部の表示を更新する。
【0059】
また、色差上限値操作部で指定されている上限値がユーザー操作により変更されると、補正可能範囲特定部33は、彩度、明度、および色相角について補正可能範囲を特定して更新する。それに伴い、表示制御部31は、属性操作部の指定可能範囲を、更新された補正可能範囲に変更し、属性操作部の表示を更新する。
【0060】
色調整実行部34は、所定のユーザー操作が検出されると、その時点の彩度、明度、および色相角について補正強度で、対象の画像を補正する。
【0061】
次に、上記画像処理装置13の動作(主に、色調整処理部24の動作)について説明する。
図8は、
図1における画像処理装置13の動作を説明するフローチャートである。
【0062】
入力装置16で所定のユーザー操作が検出されると、色調整処理が開始される。色調整処理では、まず、表示制御部31が、例えば
図5に示す色調整画面を表示装置15に表示させる。
【0063】
ユーザーは、スポイトツール74を画像61内の所望位置に移動させ、その位置の色を対象色に指定する。
【0064】
入力検出部32がこのユーザー操作を検出すると(ステップS1)、表示制御部31は、その指定された色を特定し、その色の色パッチ81を領域75に表示させる。補正可能範囲特定部33は、この対象色の色値(例えばRGB値)をLCH値に変換する(ステップS2)。
【0065】
また、ユーザーは、スライダー63を操作して、色差の上限値を指定する。
【0066】
入力検出部32がこのユーザー操作を検出すると(ステップS3)、補正可能範囲特定部33は、彩度、明度、および色相角のそれぞれについて、その対象色(LCH値)と、その対象色を彩度、明度、および色相角の補正強度で補正して得られる色との間の所定の色差式の値が上述の上限値以下である範囲を、補正可能範囲として特定する(ステップS4)。各属性について、その補正可能範囲が、属性操作部65,68,71の指定可能範囲に設定される。
【0067】
彩度、明度、および色相角のそれぞれについての指定可能範囲が設定されると、表示制御部31は、例えば
図7に示すように、彩度、明度、および色相角のそれぞれについてのカラーチャート82,83,84を表示させる。
【0068】
そして、ユーザーは、彩度、明度、および色相角のいずれかの属性操作部65,68,71で、彩度、明度、および色相角のいずれか1つの補正強度を変更して指定する。
【0069】
入力検出部32がこのユーザー操作を検出すると(ステップS5)、補正可能範囲特定部33は、彩度、明度、および色相角のうち、補正強度が変更された属性についての変更後の補正強度を所定の色差式に適用した上で(つまり、その色差式のその属性の値として、その変更後の補正強度を使用した上で)、残りの属性についての補正可能範囲を特定して更新する(ステップS6)。
【0070】
それに伴い、表示制御部31は、その残りの属性のついての属性操作部の指定可能範囲を、更新された補正可能範囲に更新して、その残りの属性についての属性操作部およびカラーチャートの表示を更新する(ステップS7)。このとき、属性操作部において、更新された補正可能範囲の上限値と下限値に対応する2つのレベル値を特定し、表示されるレベル値列を、特定した一方のレベル値から他方のレベル値までに限定する。
【0071】
また、このとき、表示制御部31は、画像61を、この時点において指定されているレベル値に対応する補正強度で補正した画像へ更新する。これにより、現時点での各属性について指定されている補正強度で補正した場合の画像がプレビューされる。
【0072】
図9は、
図7に示す色調整画面について、彩度の補正強度が調整された後の状態の一例を示す図である。例えば、
図9に示すように、彩度の補正強度のレベル値が7に指定されたとき、属性操作部68において、明度の補正強度のレベル値列が3から8までに限定され、属性操作部71において、色相角の補正強度のレベル値列が4から9までに限定される。なお、
図9に示す例では、属性操作部68,71の長さは変更されない。
【0073】
また、そのとき、
図10に示すように、レベル値の上限値と下限値との差分の大きさに応じて、属性操作部68,71の長さを変更するようにしてもよい。
図10は、
図7に示す色調整画面について、彩度の補正強度が調整された後の状態の別の例を示す図である。
【0074】
なお、
図9に示す状態で、例えば、明度について指定されるレベル値が5から6へ変更された場合、明度についての属性操作部68およびカラーチャート83の表示はそのまま変更されず、彩度および色相角についての属性操作部65,71およびカラーチャート82,84の表示は、上述した方法で更新される。
【0075】
このように、ユーザーが、属性操作部68,71,73のいずれかを操作するたびに繰り返し、残りの属性についての補正可能範囲が特定され(ステップS6)、属性操作部の表示が更新される(ステップS7)。
【0076】
そして、ユーザーは、所望の色になるように各属性の補正強度を指定した後に、決定ボタン75を押下する。
【0077】
入力装置16がそのユーザー操作を検出すると(ステップS8)、色調整実行部34は、そのときに指定されている各属性の補正強度を特定し、それらの補正強度で色補正を実行する(ステップS9)。なお、このとき、画像61全体をそれらの補正強度で補正するようにしてもよいし、画像61内の対象色だけをそれらの補正強度で補正するようにしてもよい。
【0078】
以上のように、上記実施の形態によれば、彩度、明度、および色相角のいずれかの属性について属性操作部で指定されている補正強度がユーザー操作により変更されると、補正可能範囲特定部33は、彩度、明度、および色相角のうち、補正強度が変更された属性についての変更後の補正強度を所定の色差式に適用した上で、残りの属性についての補正可能範囲を特定して更新し、表示制御部31は、残りの属性のついての属性操作部の指定可能範囲を、更新された補正可能範囲に更新して、残りの属性についての属性操作部の表示を更新する。
【0079】
これにより、ユーザーが、彩度、明度、および色相のそれぞれについて個別的に補正強度を調整するたびに、動的にリアルタイムで、残りの属性についての属性操作部の指定可能範囲が色差式の上限値に基づいて更新されるため、ある色差値(つまり、その上限値)の範囲内で、ユーザーが彩度、明度、および色相の属性を補正可能な範囲が適切に広く設定される。
【0080】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、属性操作部65,68,71において、補正強度を示す指標としてレベル値(つまり、数値)を使用しているが、その代わりに、「大きい」、「適度」、「小さい」などといった程度を表す語句を使用するようにしてもよい。