特許第5791661号(P5791661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791661
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20150917BHJP
   B22D 17/32 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   B29C45/76
   B22D17/32 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-121724(P2013-121724)
(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公開番号】特開2014-237290(P2014-237290A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2014年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155159
【氏名又は名称】株式会社名機製作所
(72)【発明者】
【氏名】加古 峰稔
(72)【発明者】
【氏名】樫内 弘幸
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−45126(JP,A)
【文献】 特開2013−91183(JP,A)
【文献】 特開2012−198675(JP,A)
【文献】 特開2003−200456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
B22D 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定および表示可能な複数の設定表示装置が設けられた射出成形機において、
設定表示装置に表示項目を表示する表示処理部と、
複数の設定表示装置のうちの一つから該設定表示装置の表示項目を切換操作すると他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目を連動して切換可能な表示項目切換部と、
表示項目を記憶する記憶部と、を備え、
前記表示項目切換部は、一つの設定表示装置から該設定表示装置の表示項目を切換操作した際、前記表示項目が他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目の切換えが必要な表示項目かどうか判断し、切換えが必要な表示項目であると判断された際にのみ、他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目の切換えを行うものであることを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記表示項目切換部は、前記表示項目切換部は、言語に関する表示項目、型締に関する表示項目、射出に関する表示項目、金型に関する表示項目、設定値と実測値に関する表示項目、成形データに関する表示項目、警報に関する表示項目、および射出成形機の周辺機器に関する表示項目のいずれかについて、連動して切換えを行うことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定および表示可能な複数の設定表示装置が設けられた射出成形機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
設定および表示可能な複数の設定表示装置が設けられた射出成形機については、従来からも実施されている。例えば特許文献1には、第一の射出装置のための第一の表示器および第一の設定器を含む機器を配設した操作盤の側面に設けた開口部に、他の表示器および/または他の設定器を配設し他の射出装置に対応する副操作盤を引出状に設けることが記されている。特許文献1によれば、第一の表示器と第一の設定器が、第二の表示器と第二の設定器に併設されることにより、射出装置相互の成形条件設定値とその実測値に一覧性があり成形条件の追求と監視が極めて容易となるといった効果が記載されている。また特許文献2には、2台の射出成形機10A,10Bに対応して成形条件の設定並びに状態を表示する設定表示器3,4をそれぞれ備えたものが記載されている。また特許文献2では、射出成形機10A,10Bからの成形条件等を設定表示器3,4のいずれにも表示切換可能とすることを特徴としている。そして特許文献2によれば、前記特徴を備えることにより、操作性が向上するといった効果が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録3063193号公報(請求項1、0012、図1
【特許文献2】特開2001−219456号公報(請求項1、図1図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1、特許文献2は、それぞれの表示器の表示項目を切換が必要な場合に作業者がそれぞれの設定表示器(設定器)に対して別個に切換操作する必要があるものであった。すなわち作業者は、一方の設定表示器の表示項目を別の表示項目に切換操作した際には、他方の設定表示器についても同様に作業者が切換操作しないと、同じ表示項目を表示することができず、操作性に問題があった。または作業者が一方の設定表示器の表示項目を別の表示項目に切換操作した際に、他方の設定表示器について切換するか切換しないかを選択することができないものであった。従って前記同様に操作性に問題があった。
【0005】
そこで本発明では、設定および表示可能な複数の設定表示装置が設けられた射出成形機において、作業者が一方の設定表示装置の表示項目を切換操作した際に、作業者が他方の設定表示装置の表示項目を切換操作しなくても他方の設定表示装置の表示項目が変更可能とし、操作性を高めることのできる射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の射出成形機は、設定および表示可能な複数の設定表示装置が設けられた射出成形機において、設定表示装置に表示項目を表示する表示処理部と、複数の設定表示装置のうちの一つから該設定表示装置の表示項目を切換操作すると他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目を連動して切換可能な表示項目切換部と、表示項目を記憶する記憶部と、を備え、前記表示項目切換部は、一つの設定表示装置から該設定表示装置の表示項目を切換操作した際、前記表示項目が他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目の切換えが必要な表示項目かどうか判断し、切換えが必要な表示項目であると判断された際にのみ、他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目の切換えを行うものであることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に記載の射出成形機は、請求項1において、前記表示項目切換部は、前記表示項目切換部は、言語に関する表示項目、型締に関する表示項目、射出に関する表示項目、金型に関する表示項目、設定値と実測値に関する表示項目、成形データに関する表示項目、警報に関する表示項目、および射出成形機の周辺機器に関する表示項目のいずれかについて、連動して切換えを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の設定および表示可能な複数の設定表示装置が設けられた射出成形機は、設定表示装置に表示項目を表示する表示処理部と、複数の設定表示装置のうちの一つから該設定表示装置の表示項目を切換操作すると他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目を連動して切換可能な表示項目切換部と、表示項目を記憶する記憶部と、を備え、前記表示項目切換部は、一つの設定表示装置から該設定表示装置の表示項目を切換操作した際、前記表示項目が他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目の切換えが必要な表示項目かどうか判断し、切換えが必要な表示項目であると判断された際にのみ、他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目の切換えを行うものであるので、作業者は一つの設定表示装置の表示項目を切換操作することにより他の設定表示装置の表示項目を切換操作することなく見たい表示項目の表示画面とすることができ、操作性が向上する
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の射出成形機とその制御装置のブロック図である。
図2】本実施形態の射出成形機の制御方法を表わすフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図2により本実施形態の射出成形機11とその制御方法について説明する。射出成形機11は、多色成形品を成形する射出成形機であって、第1の射出装置12と第2の射出装置13と金型14を含む型締装置15から主な駆動部が構成されている。射出成形機11の制御装置16は、一般的にはベッド17の下側の収納スペースに設けられるか射出成形機11の本体とは別の位置に設けられたものでもよい。射出成形機11は、それぞれの第1の射出装置12に対応して第1の設定表示装置18が設けられ、第2の射出装置13に対応して第2の設定表示装置19が設けられている。また射出成形機11は、固定金型と可動金型からなる金型14や型締装置15の数に対応して、複数の設定表示装置を設けるようにしてもよい。
【0011】
また本発明の射出成形機11は、射出装置と型締装置をそれぞれ1基づつ備えた一般的な射出成形機であってもよい。一例として型締力が1000t以上の大型の射出成形機の場合は、作業者の移動距離が長くなるために操作盤側と反操作盤側の両側に設定表示装置が設けられることもある。またいずれか一方の設定表示装置は作業者が持ち運びできるハンディタイプとすることもでき、その場合、無線で直接的または間接的に射出成形機11と通信される。また射出成形機11は、射出成形機の情報を主に表示する設定表示装置以外に、射出成形機の周辺機器(例えば温調装置、金型の可動部駆動装置、金型交換装置、材料供給装置、成形品取出装置)の情報を表示するととも設定を行うことのできる設定表示装置を別途に設け、複数の設定表示装置を構成する場合も考えられる。前記において設定表示装置が直接射出成形機11に取付けられていない場合でも接続されていれば、本発明の射出成形機11の設定表示装置に含まれる。
【0012】
本発明において用いられる第1と第2の設定表示装置18,19は、液晶のタッチパネル方式の設定表示装置であり、作業者が画面に触れることにより、設定入力(切換操作)が可能であり、同時に画面上に情報の表示もなされる。前記タッチパネルでは数値も画面上のテンキーから入力される。前記設定表示装置18,19には、多数の表示項目が切換えられることにより表示可能となっている。表示項目は、前記設定表示装置18,19の画面の複数の表示項目のタブの中から選択され、選択された表示項目の画面の中からも更にまた複数の表示項目のタブが選択可能となっている。つまり前記設定表示装置18,19における表示項目は、何層もの階層構造となって、各種の表示項目が表示可能となっている。また表示項目の表示方式については、前記設定表示装置18,19の画面に射出成形機や周辺機器が絵により表され、前記の絵の一部部分を作業者がタッチすると表示項目が表示されるものや、キーワードを入力することにより表示項目が表示されるものでもよい。更には別の機器から無線または有線による情報送信や、音声認識により表示項目が入力操作でき、表示されるものなど限定はされない。
【0013】
また第1と第2の設定表示装置18,19は、表示機能と設定機能がそれぞれ分離して設けられたものでもよい。液晶パネルまたはCRTディスプレー等の表示装置が表示機能のみしか有さない場合、別途表示装置の下側などに設定装置が設けられ、前記設定装置のボタンから設定入力が行われる。すなわち画面の切換を行う切換ボタンやテンキーは設定表示装置のうちの表示装置とは別途に設けられている。また前記設定表示装置18,19は、タッチパネル方式の表示装置からも設定入力可能であるが、別途に設けたテンキーや各種ボタンなどの設定装置からも設定入力可能なものでもよい。また設定表示装置18,19がタッチパネルのみであっても、非常停止処理等の一部の操作はボタンにより行われることは言うまでもない。
【0014】
次に制御装置16のブロック図について説明する。制御装置16には、第1の設定表示装置18に接続されて第1の表示処理部20が設けられ、第2の設定表示装置19に接続されて第2の表示処理部21が設けられている。第1と第2の表示処理部20,21は前記設定表示装置18,19に表示項目を表示する機能を有するが、本実施形態では、設定入力された情報を演算装置(CPU)に取り込む機能も有している。第1の表示処理部20と第2の表示処理部21は、具体的には制御装置16のI/Oの部分と演算装置のうちの画像処理を受け持つ部分に相当する。また第1の表示処理部20と第2の表示処理部21は、表示項目切換部22に接続されている。
【0015】
表示項目切換部22は、複数の設定表示装置18,19のうちの一つから該設定表示装置18の表示項目を切換操作すると他の少なくとも一つの設定表示装置19の表示項目を連動して自動的に切換可能な機能を有する。また前記表示項目切換部22は、一つの設定表示装置18から該設定表示装置18の表示項目を切換操作した際、前記表示項目が他の少なくとも一つの設定表示装置19の表示項目の切換えが必要な表示項目かどうか判断し、切換えが必要な表示項目であると判断された際にのみ、他の少なくとも一つの設定表示装置19の表示項目の切換えを自動的に行う機能も有するようにしてもよい。表示項目切換部22は、具体的には演算装置のうちの判断処理を受け持つ部分の一部に相当する。
【0016】
表示項目切換部22には、記憶部である表示項目記憶部23に接続されている。表示項目記憶部23は、具体的には不揮発性メモリであるROMと揮発性メモリであるRAMが相当し、または場合によっては、制御装置16に必要に応じて取付けるフラッシュメモリ等の外部記憶装置を含む。表示項目記憶部23に記憶される情報は射出成形機11(場合によっては周辺機器を含む)の画面表示に関する全ての情報である。より具体的には表示項目記憶部23には、言語に関する表示項目、型締に関する表示項目、射出に関する表示項目、金型に関する表示項目、設定値と実測値に関する表示項目、成形データに関する表示項目、警報に関する表示項目、および射出成形機の周辺機器に関する表示項目などが記憶されている。
【0017】
次に本実施形態の射出成形機11の制御方法について、主に図2により説明する。図2のフローチャートにおいて表示項目は、A、Bにより表わされるが、一例としてAは第1の射出装置12に関する表示項目であり、Bは第2の射出装置13に関する表示項目である。
そして一方の設定表示画面18には、第1の射出装置12に関する表示項目A(標準的な表示項目)が表示されており、他方の設定表示画面にも、第1の射出装置12に関する表示項目A(オプション(客先対応)の表示項目)が表示されている(S1)。この状態から作業者が、第1の設定表示装置18のタッチパネルを操作し、第1の射出装置12に関する表示項目A(標準的な表示項目)を、第2の射出装置13に関する表示項目B(標準的な表示項目)に切換操作する(S2)。すると第1の設定表示装置18の表示画面は、第1の表示処理部20の画像処理により、第2の射出装置13に関する表示項目B(標準的な表示項目)に切換表示される(S3)。それと略同時に演算装置である表示項目切換部22では、第2の射出装置13に関する表示項目Bが第2の設定表示装置19の表示画面を表示項目Aから表示項目Bへ切換える表示項目かどうかが判断する(S4)。そして表示項目Bが第2の設定表示装置19の表示画面を切換える表示項目であると判断した場合(Yの場合)、第2の設定表示装置19に接続される第2の表示処理部21へは表示項目A(オプション(客先対応)の表示項目)を表示項目B(オプション(客先対応)の表示項目)に切換える指令が出される(S5)。すると第2の表示処理部21による画像処理により第2の設定表示装置19の表示画面は表示項目A(オプション(客先対応)の表示項目)から表示項目B(オプション(客先対応)の表示項目)に切換られ、第1の設定表示装置18の設定項目も第2の設定表示装置19の設定項目も共に第2の射出装置13に関する表示項目Bとなる(S6)。
【0018】
前記の射出装置12,13の設定表示が表示項目の場合、表示項目の切換操作により、第2の設定表示装置19も切換えられる。しかし他の表示項目であって、表示項目切換部22において、表示項目Bが第2の設定表示装置19の表示画面を切換える表示項目ではないと判断された場合(Nの場合)、第2の表示処理部21に切換え指令は出されず、第2の設定表示装置19の表示画面の表示項目はAのまま変更されない。その結果、第1の設定表示装置18の表示画面の設定項目はBに切換えられるが、第2の設定表示装置19の表示画面の設定項目はAのままとなる(S7)。図2のフローチャートにおいては、作業者が第1の設定表示装置18の側から表示項目を切換入えたことに対応して、第2の設定表示装置19が切換えられる例(または切換えられない例)について記載したが、作業者が第2の設定表示装置19の側から表示項目を切換えたことに対応して、第1の設定表示装置18が切換えられる例(または切換えられない例)についても同様に行われる。
【0019】
また射出成形機が設定表示装置を3以上の複数有する場合、そのうちの一つの設定表示装置の表示項目を切換操作すると表示項目切換部22により、他の少なくとも一つの設定表示装置の表示項目が連動して切換え可能に設けられる。具体的には射出成形機に設定表示装置が三つある場合、一つの設定表示装置の表示項目を切換操作に対して、他の一つの設定表示装置だけを自動的に切換えてもよいし、他の二つ(全部)の設定表示装置を自動的に切換えるようにしてもよく、更には設定により他の二つ(全部)の設定表示装置の表示項目が切換えられないようにしてもよい。
【0020】
本発明の射出成形機11では、言語に関する表示項目、型締に関する表示項目、射出に関する表示項目、金型に関する表示項目、設定値と実測値に関する表示項目、成形データに関する表示項目、警報に関する表示項目、および射出成形機の周辺機器に関する表示項目のいずれかについて、連動して切換えを行うかどうか選択可能に設けられている。そして表示項目のうち言語に関する表示項目、各装置部分の設定画面と実測画面(またはボタンなどの状態を見る画面)に関する成形データに関する表示項目などは、一つの設定表示装置18の表示項目が切換操作されると他の設定表示装置19の表示項目も全て自動的に切換えられることが望ましい。具体的には設定表示装置18,19の言語(表示項目)は、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語等の言語に対応可能となっているが、そのうちの一つの設定表示装置18の言語が作業者により変更されると他の設定表示装置19も変更した言語(表示項目)に自動的に変更される。また一つの設定表示装置18の表示画面が一例として型締に関する設定値の表示と入力を行う画面であり、他の設定表示装置19の表示画面が紐付けして型締に関する実測値の画面を表示している場合も同様に、一方の設定表示装置18の表示画面を一例として射出(計量を含む)に変更すると、他の設定表示装置19の表示画面も自動的に連動して、射出(計量を含む)に関する実測値の画面に変更される。また一方の設定表示装置18を金型交換モードに関する表示項目とすれば、他の設定表示装置19も連動して金型交換の動作設定や金型交換の状態の確認が行える画面に自動的に変更される。更には一方の設定表示装置18の表示画面からの設定入力値に基づいて、他方の設定表示装置19に成形のシミュレーション結果や警報などを表示する場合も各装置の設定区分ごとに表示項目の切換えが連動して行われる。
【0021】
更には一例として、一つの設定表示装置18の表示画面が一例として第1の射出装置12の射出(計量を含む)に関する設定値の表示と入力を行う画面であり、他の設定表示装置19の表示画面が第2の射出装置13の射出(計量を含む)に関する設定値の表示と入力を行う画面である場合、一つの設定表示装置18の表示画面を第1の射出装置12の加熱筒の温度の設定と実測値表示の画面に変更した場合に、他の設定表示装置19の表示画面は自動的に連動して、第2の射出装置13の加熱筒の温度の設定と実測値の表示の画面に切換えられるようにしてもよく、そのまま第2の射出装置13の射出(計量を含む)に関する設定値の表示と入力を行う画面が維持されるようにしてもよい。またそれらの連動切換は、オプションにより、作業者が連動切換有り、無しを選択入力可能としてもよい。更にまた設定表示装置18,19の表示画面の連動切換えは、作業者が入力操作しない側の設定表示装置19の表示項目を基準にしてもよい。即ち一方の設定表示装置18を作業者が入力切換えしても、他方の設定表示装置19が切換わるか切換わらないかは、他方の設定表示装置の表示項目を判断材料にして決定されるようにしてもよい。
【0022】
また二つの設定表示装置18,19が並列または近い位置にあり、一つの設定表示装置18の表示画面では情報量が多すぎて表示できない表示項目については、一方の設定表示装置18で設定入力を行うと、前半部分は一方の設定表示装置18の表示画面、後半部分は他方の設定表示装置19の表示画面に表示させるようにしてもよい。二つの設定表示装置18,19を並設する場合については、大画面のタッチパネルからなる設定表示装置を1つ設けることも考えられる。しかし次のような理由から、二つの設定表示装置18,19を並設するほうが有利な場合も多い。(1)大型のタッチパネルは特殊でありコストアップに繋がるが、射出成形機に標準的に使用される大きさ(対角寸法10〜20インチ程度)のタッチパネルを2枚設けたほうがコストダウンできる場合。(2)標準的な機能と、客先対応の機能とがそれぞれ別に設けられ、それぞれの機能ごとに設定表示装置を設ける場合。(3)前記(2)にも関連するが、それぞれの設定表示装置(タッチパネル)ごとに制御装置の処理機能(ソフトウエアまたはハードウエア)が設計されている場合、制御装置の処理機能との関係から設定表示装置も二つとしたほうが望ましい場合。
【0023】
そして上記のように設定表示装置18,19が連動して切換えられる場合に、作業者は、複数設けられた設定表示装置18,19のうちの一つを切換操作すれば、他の設定表示装置はいちいち自分の望む表示項目を探して切換操作する必要がなくなり1アクションで済むので、操作性がよくなる。また一方の設定表示装置18の表示項目に連動して他方の設定表示装置19の表示項目を自動的に表示されるため、他の設定表示装置19に表示可能となっている関連情報がすぐに確認でき、チェック漏れや機械停止時間の減少が図れる場合も多い。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。射出成形機については、横方向に型締される横型射出成形機以外に、竪方向に型締される竪型射出成形機であってもよい。射出成形機により成形される材料も樹脂材料の他、金属材料(ダイカスト成形)でもよく、限定されない。
【符号の説明】
【0025】
11 射出成形機
12 第1の射出装置
13 第2の射出装置
16 制御装置
18 第1の設定表示装置
19 第2の設定表示装置
20 第1の表示処理部
21 第2の表示処理部
22 表示項目切換部
23 表示項目記憶部(記憶部)
図1
図2