(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体を貯蔵する液体貯蔵容器、前記液体を外部に供給する液体外部供給装置、及び、前記液体貯蔵容器と前記液体外部供給装置との間に流れる液体の流路を調整する液体流路調整装置を有する液体供給システムであって、
前記液体流路調整装置は、
前記液体貯蔵容器と前記液体外部供給装置とを接続し、前記液体貯蔵容器から前記液体外部供給装置までの供給流路を形成する供給管路、
前記供給管路の所定の位置の分岐部から分岐し、前記液体貯蔵容器からの排出流路を形成する排出管路、
前記供給管路の所定の位置に配置される供給管路開閉手段であって、前記供給管路を介して前記液体を供給することができる供給可能状態と、前記供給管路を介しては前記液体の供給ができない状態である供給不可能状態とを切り換える供給管路開閉手段、
前記排出管路の所定の位置に配置される排出管路開閉手段であって、前記排出管路を介して前記液体を供給することができる供給可能状態と、前記排出管路を介しては前記液体の供給ができない状態である供給不可能状態とを切り換える排出管路開閉手段、
を有し、
前記液体流路調整装置は、
前記液体貯蔵容器からの前記液体の供給が終了すると、前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段を供給不可能状態とし、その後に、前記液体の供給が終了した前記液体貯蔵容器が新しい前記液体貯蔵容器に取り換えられる前に、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とすること、
を特徴とする液体供給システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の従来のビール注出装置101Aでは、以下に示す改善すべき点がある。ビール注出装置101Aでは、ビール流路切替え弁118を用いて、ビール樽102A、102Bからディスペンサー120へのビールの供給の切り換えを行っている。ビールが流れる管路108の内部には、使用に従い汚れが付着する。また、ビール流路切替え弁118には特に汚れが付着しやすい。従って、管路108及びビール流路切替え弁118を定期的に洗浄する必要がある。
【0005】
洗浄に際しては、水を流して内部を洗浄する水洗浄でも十分な場合もあるが、定期的には、よりきれいに洗浄するためにスポンジ洗浄を行うことが必要である。この場合、管路108についてはスポンジ洗浄が可能である。
【0006】
しかしながら、ビール流路切替え弁118については、スポンジ洗浄が不可能であり、結果的に、取り外し、例えば分解洗浄をする必要がある。よって、ビール流路切替え弁118を用いたビール抽出装置101Aでは、保守管理及び衛生管理に非常に繁雑な作業が必要となる、という改善すべき点がある。
【0007】
また、例えば、ビール樽102Aが空となり、新しいビール樽102Aに交換する場合、ビール樽102Aからビール流路切替え弁118、分岐弁117を介してディスペンサー120まで続く管路108の内部は、主としてビールで満たされている。ここで、一般的にビール樽は、ビールの品質維持等の理由から、内部に高圧がかけられている。従って、空になったビール樽102Aに変えて、新たに用意したビール樽102Aを接続すると、ビール樽102Aの内部にかけられていた高圧が、一気に、管路108の内部にかかることになる。一方、管路108の内部には既にビールが存在している。管路108の内部のビールは逃げ場が無く、結果的に、ビール流路切替え弁118、分岐弁117の接続部、若しくは管路108の途中で破裂し、ビールが外部に漏れる、という改善すべき点がある。
【0008】
そこで、本発明は、保守管理及び衛生管理を容易に行うことができる液体供給システムを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、液体貯蔵容器の交換の際に、液体が外部に漏れることがない液体供給システムを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0011】
本発明に係る液体供給システム及び液体供給切換装置は、液体を貯蔵する複数の液体貯蔵容器を切り換えて、前記液体を外部に供給する液体外部供給装置に前記液体を供給する液体供給切換装置であって、前記液体貯蔵容器のそれぞれと前記液体外部供給装置とを接続し、前記液体貯蔵容器から前記液体外部供給装置までの供給流路を形成する供給管路、前記供給管路の所定の位置の分岐部から分岐し、前記液体貯蔵容器からの排出流路を形成する排出管路、前記供給管路の所定の位置に配置される供給管路開閉手段であって、前記供給管路を介して前記液体を供給することができる供給可能状態と、前記供給管路を介しては前記液体の供給ができない状態である供給不可能状態とを切り換える供給管路開閉手段、前記排出管路の所定の位置に配置される排出管路開閉手段であって、前記排出管路を介して前記液体を供給することができる供給可能状態と、前記排出管路を介しては前記液体の供給ができない状態である供給不可能状態とを切り換える排出管路開閉手段、を有し、前記供給管路開閉手段は、前記供給管路の一部を屈曲させた屈曲部を形成することによって、前記供給可能状態から前記供給不可能状態へ切り換え、前記屈曲部を解消することによって、前記供給不可能状態から前記供給可能状態へ切り換えること、を特徴とする。
【0012】
これにより、ビールに直接的に接触する構成要素を有する電磁弁等の従来の弁を、供給管路の途中に配置する必要がなくなる。したがって、スポンジ等の洗浄部材が弁に引っかかることがないので、供給管路の内壁を洗浄部材を用いて洗浄することができるようになる。よって、液体を供給するにあたり衛生管理を容易に行うことができるようになる。特に、液体が飲料物である場合に有効である。
【0013】
また、供給管路開閉手段は、直接的に液体に接触する構成要素を有していないので、構成要素に液体の成分が付着することによる動作の不具合が生ずるということがない。つまり、従来の弁のように、分解洗浄等のような構成要素の定期的な洗浄作業を行う必要がなくなる。さらに、構成要素の動作にともなう摩擦や破損等による異物の混入を避けることができる。したがって、液体を供給するにあたり衛生管理を容易に行うことができる。これは、液体が飲料物である場合に、特に有効である。また、構成要素に液体の成分が付着することがないので、そのことによる雑菌等の繁殖は生じない。このため、液体供給システムの衛生状態を容易に良好に保つことができる。
【0014】
本発明に係る液体供給切換装置では、さらに、前記排出管路開閉手段は、前記排出管路の一部を屈曲させた屈曲部を形成することによって、前記供給可能状態から前記供給不可能状態へ切り換え、前記屈曲部を解消することによって、前記供給不可能状態から前記供給可能状態へ切り換える。
【0015】
これにより、排出管路についても、確実に洗浄することができる。
【0016】
本発明に係る液体供給切換装置では、前記液体外部供給装置から供給する前記液体が、ある前記液体貯蔵容器が貯蔵するものから他の前記液体貯蔵容器が貯蔵するものに変更される際に、変更前の前記液体貯蔵容器の前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段を供給不可能状態とし、変更後の前記液体貯蔵容器の前記供給管路開閉手段を供給可能状態とし、変更前の前記液体貯蔵容器が新しいものに交換された後、交換された前記液体貯蔵容器と前記供給管路とが接続される際に、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態とし、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とする。
【0017】
これにより、ビールの供給に際し、ビールの供給が途切れることなく、ビール貯蔵樽21−1からビール貯蔵樽21−2へビール貯蔵樽を変更することが可能となる。
【0018】
本発明に係る液体供給切換装置では、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とした後、所定の時間経過後に、供給不可能状態とする。
【0019】
これにより、容易かつ確実に排出管路開閉手段の状態を切り換えることができる。よって、液体供給切換装置の利便性を向上させることができる。
【0020】
本発明に係る液体供給切換装置は、さらに、前記供給管路の所定の位置に配置される第1の検知手段であって、前記供給管路からの前記液体の供給状態である液体供給状態を検知する第1の検知手段、前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段のそれぞれにおける供給可能状態と供給不可能状態との切り換えを制御する制御手段、を有し、前記制御手段は、前記第1の検知手段の検知結果を取得する第1の検知結果取得手段、前記検知結果に基づき前記供給管路の前記液体供給状態を判断する第1の液体供給判断手段、前記液体供給状態に基づき前記液体の供給が終了したと判断された場合、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態とし、前記液体供給状態に基づき前記液体の供給が開始したと判断された場合、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態としたまま、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とする切換制御手段、を有する。
【0021】
これにより、供給管路開閉手段及び排出管路開閉手段における供給可能状態、供給不可能状態を、自動的に切り換えることができる。よって、液体供給切換装置を使用するにあたり、作業効率が高くなる。
【0022】
本発明に係る液体供給切換装置は、前記供給管路の所定の位置に配置される第1の検知手段であって、前記供給管路からの前記液体の供給状態である液体供給状態を検知する第1の検知手段、変更前の前記液体貯蔵容器が新しいものに交換されたことを示す交換完了情報を提供する交換完了手段、前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段のそれぞれにおける供給可能状態と供給不可能状態との切り換えを制御する制御手段、を有し、前記制御手段は、前記第1の検知手段の検知結果を取得する第1の検知結果取得手段、前記交換完了情報を取得する交換完了情報取得手段、前記検知結果に基づき前記供給管路の前記液体供給状態を判断する第1の液体供給判断手段、前記液体供給状態に基づき前記液体の供給が終了したと判断された場合、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態とし、前記交換完了情報を取得すると、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態としたまま、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とする切換制御手段、を有する。
【0023】
これにより、液体貯蔵容器の交換を確実に把握することができるので、第1の検知手段による誤検知によって、液体が残存する液体貯蔵容器を交換してしまうことがなくなる。よって、液体貯蔵容器の使用効率を高めることができる。
【0024】
本発明に係る液体供給切換装置では、前記供給管路の所定の位置に配置される第1の検知手段であって、前記供給管路からの前記液体の供給状態である液体供給状態を検知する第1の検知手段、前記液体貯蔵容器と前記供給管路とを接続する接続部材に設けられており、前記液体貯蔵容器と前記供給管路とが接続し始めると、接続開始情報を提供する接続開始報知手段、前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段のそれぞれにおける供給可能状態と供給不可能状態との切り換えを制御する制御手段、を有し、前記制御手段は、前記第1の検知手段の検知結果を取得する第1の検知結果取得手段、前記接続開始情報を取得する接続開始情報取得手段、前記検知結果に基づき前記供給管路の前記液体供給状態を判断する第1の液体供給判断手段、前記液体供給状態に基づき前記液体の供給が終了したと判断された場合、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態とし、前記接続開始情報を取得すると、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態としたまま、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とする切換制御手段、を有する。
【0025】
これにより、液体貯蔵容器を交換すれば、各開閉手段も自動的に状態を変化させることができるので、作業効率を上げることができる。
【0026】
本発明に係る液体供給切換装置では、前記切換制御手段は、さらに、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とした後、所定の時間経過後に、前記排出管路開閉手段を供給不可能状態とする。
【0027】
これにより、排出管路開閉手段を確実に状態変化させることができる。
【0028】
本発明に係る液体供給切換装置は、さらに、前記排出管路の所定の位置に配置される第2の検知手段であって、前記排出管路からの前記液体の供給状態である液体供給状態を検知する第2の検知手段、を有し、前記制御手段は、さらに、前記第2の検知手段の検知結果を取得する第2の検知結果取得手段、前記検知結果に基づき前記排出管路の前記液体供給状態を判断する第2の液体供給判断手段、を有し、前記切換制御手段は、さらに、前記排出管路の前記液体供給状態に基づき、前記供給管路から前記液体を供給できる状態であると判断された場合、前記排出管路開閉手段を供給不可能状態とする。
【0029】
これにより、液体貯蔵容器から液体が供給されるようになると、自動的に廃液管路開閉手段の状態を切り換えることができる。つまり、新しい液体貯蔵容器を使用する準備を確実に行うことができる。
【0030】
本発明に係る液体供給切換装置は、さらに、前記液体貯蔵容器から前記液体を供給するための圧力を供給する圧力供給手段と、複数の前記液体貯蔵容器のそれぞれとを接続する圧力供給管路、いずれかの前記圧力供給管路を介して当該圧力供給管路に接続された前記液体貯蔵容器に圧力を供給することができる圧力供給可能状態と、当該液体貯蔵容器に圧力を供給することができない圧力供給不可能状態とを切り換える圧力供給管路開閉手段、を有する。
【0031】
これにより、液体貯蔵容器毎に圧力供給手段を用意する必要が無くなるので、液体供給システムの運用における経済性を向上させることができる。
【0032】
本発明に係る液体供給切換装置では、前記切換制御手段は、前記液体外部供給装置から供給する前記液体が、ある前記液体貯蔵容器が貯蔵するものから他の前記液体貯蔵容器が貯蔵するものに変更される際に、変更前の前記液体貯蔵容器に圧力を供給する前記圧力供給管路開閉手段を圧力供給不可能状態とし、変更後の前記液体貯蔵容器に圧力を供給する前記圧力供給管路開閉手段を圧力供給可能状態とし、変更前の前記液体貯蔵容器が新しいものに交換された後、交換された前記液体貯蔵容器と前記供給管路とが接続される際に、交換された前記液体貯蔵容器に圧力を供給する前記圧力供給管路開閉手段を圧力供給可能状態とする。
【0033】
これにより、自動的に圧力供給管路開閉手段を切り換えることができる。よって、液体供給切換装置の使用効率を高めることができる。
【0034】
本発明に係る液体供給切換装置では、前記排出管路を前記供給管路より上方に配置する。これにより、泡は液体より軽いので、効率よく排出管路からの泡の排出を行うことができる。
【0035】
本発明に係る液体供給装置では、前記液体外部供給装置から供給する前記液体が、ある前記液体貯蔵容器が貯蔵するものから他の前記液体貯蔵容器が貯蔵するものに変更される際に、変更前の前記液体貯蔵容器の前記供給管路開閉手段を供給不可能状態とした後、前記排出管路開閉手段を、所定時間、供給可能状態とし、その後、前記供給管路開閉手段を供給可能状態とすること、を特徴とする。
【0036】
これにより、供給管路開閉手段が、長期間、供給不可能状態となることを防止することができる。よって、供給管路開閉手段のスポンジ洗浄の際にスポンジの移動を妨げる屈曲の跡等が形成されることを防止することができる。
【0037】
本発明に係る液体供給装置では、前記供給管路開閉手段は、さらに、前記供給管路の外形をループ形状に規制する支持部、前記ループ形状の前記供給管路の一部を押圧する可動部であって、前記供給管路を押圧する状態を変化させることによって、前記供給管路の前記ループ形状を変化させる可動部、前記供給管路の前記供給可能状態を維持しながら、前記ループ形状を繰り返し変化させる可動制御部を有すること、を特徴とする。
【0038】
これにより、供給管路に屈曲の跡等が形成され、スポンジ洗浄の際のスポンジの移動がうまくできない場合に、ループ形状を繰り返し変化させることによって、スポンジを供給管路内でうまく移動させることができる。よって、スポンジ洗浄を確実に行うことができる。
【0039】
本発明に係る液体供給装置では、前記排出管路に配置され、使用者の手動により前記供給可能状態及び前記供給不可能状態を切り換えることができる手動切換排出管路開閉手段、を有する。
【0040】
これにより、排出管路開閉手段が故障したとしても、手動により排出管路を供給不可能状態とすることができるので、意図しない液体の排出を防止することができる。
【0041】
本発明に係る液体供給装置では、前記排出管路は、温度変化に対して前記供給不可能状態を維持できる厚さを有している。これにより、温度変化による屈曲のゆるみを防止することができる。よって、温度変化があったとしても、排出管路開閉手段の供給不可能状態を維持することができる。つまり、意図しない液体の排出を防止することができる。
【0042】
本発明に係る液体供給装置では、前記圧力供給管路開閉手段は、さらに、通常時において、前記供給可能状態であること、を特徴とする。これにより、圧力供給管路開閉手段が故障したとしても、圧力を供給可能状態とすることができるので、液体の供給を維持することができる。
【0043】
本発明に係る液体供給システム及び液体流路調整装置は、液体を貯蔵する液体貯蔵容器、前記液体を外部に供給する液体外部供給装置、及び、前記液体貯蔵容器と前記液体外部供給装置との間に流れる液体の流路を調整する液体流路調整装置を有する液体供給システムであって、前記液体流路調整装置は、前記液体貯蔵容器と前記液体外部供給装置とを接続し、前記液体貯蔵容器から前記液体外部供給装置までの供給流路を形成する供給管路、前記供給管路の所定の位置の分岐部から分岐し、前記液体貯蔵容器からの排出流路を形成する排出管路、前記供給管路の所定の位置に配置される供給管路開閉手段であって、前記供給管路を介して前記液体を供給することができる供給可能状態と、前記供給管路を介しては前記液体の供給ができない状態である供給不可能状態とを切り換える供給管路開閉手段、前記排出管路の所定の位置に配置される排出管路開閉手段であって、前記排出管路部材を介して前記液体を供給することができる供給可能状態と、前記第2の接続流路部材を介しては前記液体の供給ができない状態である供給不可能状態とを切り換える排出管路開閉手段、を有し、前記液体流路調整装置は、前記液体貯蔵容器からの前記液体の供給が終了すると、前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段を供給不可能状態とし、その後の前記排出管路開閉手段を供給可能状態とする。
【0044】
これにより、液体貯蔵容器から液体の供給が終了するときは、排出管路を空の状態することができる。従って、液体貯蔵容器からの液体の供給終了の後、液体貯蔵容器を交換した際に、液体貯蔵容器から圧力を排出管路から外部に逃がすことができる。よって、液体貯蔵容器の交換の際に、液体貯蔵容器からの高い圧力によって供給管路が破裂することを防止できる。
【0045】
本発明に係る液体流路調整装置は、さらに、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とした後、所定の時間経過後に、供給不可能状態とする。
【0046】
これにより、液体を供給するための圧力が排出管路から外部に逃げてしまうことがない。つまり、気体等を供給する際の圧力によって、液体を供給するための圧力を生成している場合、気体等が排出管理から外部に漏れることを防止することができる。このように、液体供給のための圧力を供給する気体等の外部漏れを防止することは、液体貯蔵容器の外部にガスボンベ等の圧力供給手段を設ける際に特に有効である。この場合、圧力供給手段は、一つの液体貯蔵容器だけでなく、交換後の液体貯蔵容器にも圧力を供給する。従って、一つの液体貯蔵容器からの液体供給の終了時に、気体等の排出管理からの外部漏れを防止することは、圧力供給手段の使用期間を長くすることができる。つまり、効率的、経済的な液体供給を可能とする。
【0047】
本発明に係る液体流路調整装置は、さらに、前記供給管路の所定の位置に配置される第1の検知手段であって、前記供給管路からの前記液体の供給状態である液体供給状態を検知する第1の検知手段、前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段のそれぞれにおける供給可能状態と供給不可能状態との切り換えを制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記第1の検知手段の検知結果を取得する第1の検知結果取得手段、前記検知結果に基づき前記供給管路の前記液体供給状態を判断する第1の液体供給判断手段、前記液体供給状態に基づき前記液体の供給が終了したと判断した場合、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態とし、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とする流路制御手段、を有する。
【0048】
これにより、第1の検知手段の検知結果に基づき、自動的に、排出管路を空の状態とすることが可能となる。
【0049】
本発明に係る液体流路調整装置では、前記供給管路の所定の位置に配置される第1の検知手段であって、前記供給管路からの前記液体の供給状態である液体供給状態を検知する第1の検知手段、前記液体貯蔵容器と前記供給管路とを接続する接続部材に設けられており、前記液体貯蔵容器と前記供給管路とが接続し始めると、接続開始情報を提供する接続開始報知手段、前記供給管路開閉手段及び前記排出管路開閉手段のそれぞれにおける供給可能状態と供給不可能状態との切り換えを制御する制御手段、を有し、前記制御手段は、前記第1の検知手段の検知結果を取得する第1の検知結果取得手段、前記接続開始情報を取得する接続開始情報取得手段、前記検知結果に基づき前記供給管路の前記液体供給状態を判断する第1の液体供給判断手段、前記液体供給状態に基づき前記液体の供給が終了したと判断された場合、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態とし、前記接続開始情報を取得すると、前記供給管路開閉手段を供給不可能状態としたまま、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とする流路制御手段、を有する。
【0050】
これにより、液体貯蔵容器の交換と同時に、排出管路開閉手段を供給可能状態とし、排出経路を確保することができる。よって、液体貯蔵容器の交換の際に、液体貯蔵容器からの高い圧力によって供給管路が破裂することを確実に防止できる。
【0051】
本発明に係る液体流路調整装置では、前記流路制御手段は、さらに、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とした後、所定の時間経過後に、前記排出管路開閉手段を供給不可能状態とする。
【0052】
これにより、排出管路を空の状態とした後、自動的に排出管路開閉手段を供給不可能状態することができる。よって、経済的な液体供給を自動的に行うことができる。
【0053】
本発明に係る液体流路調整装置は、さらに、前記排出管路の所定の位置に配置される第2の検知手段であって、前記排出管路からの前記液体の供給状態である液体供給状態を検知する第2の検知手段、を有し、前記制御手段は、さらに、前記第2の検知手段の検知結果を取得する第2の検知結果取得手段、前記検知結果に基づき前記排出管路の前記液体供給状態を判断する第2の液体供給判断手段、を有し、前記流路制御手段は、さらに、前記排出管路の前記液体供給状態に基づき、前記排出管路が空の状態であると判断した場合、前記排出管路開閉手段を供給不可能状態とする。
【0054】
これにより、排出管路を空の状態とした後、排出管路の前記液体供給状態に基づき、自動的に排出管路開閉手段を供給不可能状態することができる。よって、排出管路の前記液体供給状態に基づき、経済的な液体供給を自動的に行うことができる。
【0055】
本発明に係る液体流路調整装置は、さらに、前記液体貯蔵容器から前記液体を供給するための圧力を供給する圧力供給手段、前記圧力供給手段と前記液体貯蔵容器とを接続する圧力供給管路、前記圧力供給管路を介して当該圧力供給管路に接続された前記液体貯蔵容器に圧力を供給することができる圧力供給可能状態と、当該液体貯蔵容器に圧力を供給することができない圧力供給不可能状態とを切り換える圧力供給管路開閉手段、を有する。
【0056】
これにより、液体貯蔵容器から液体の供給が終了するときは、排出管路を空の状態することができる。従って、液体貯蔵容器からの液体の供給終了の後、液体貯蔵容器を交換した際に、液体貯蔵容器から圧力を排出管路から外部に逃がすことができる。よって、液体貯蔵容器の交換の際に、液体貯蔵容器からの高い圧力によって供給管路が破裂することを防止できる。
【0057】
本発明に係る液体流路調整装置では、前記流路制御手段は、前記排出管路開閉手段を供給可能状態とした後、所定の時間経過後に、供給不可能状態とする際に、前記液体貯蔵容器に圧力を供給する前記圧力供給管路開閉手段を圧力供給不可能状態とする。
【0058】
これにより、液体を供給するために圧力供給手段が供給する圧力が排出管路から外部に逃げてしまうことがない。つまり、一つの液体貯蔵容器からの液体供給の終了時に、排出管理から圧力が外部に逃げてしまうことを防止することは、圧力供給手段の使用期間を長くすることができる。つまり、効率的、経済的な液体供給が可能となる。
【0059】
本発明に係る液体流路調整装置では、前記排出管路を前記供給管路の上方に配置する。これにより、泡は液体より軽いので、効率よく排出管路からの泡の排出を行うことができる。
【0060】
ここで、特許請求の範囲における構成要素と実施例の構成要素との対応関係を示す。液体供給システムはビール供給システム1、51に対応する。液体貯蔵容器はビール貯蔵樽21−1、21−2に、液体外部供給装置はディスペンサ11に、液体供給切換装置はビール貯蔵樽切換装置12、52に、液体流路調整装置はビール貯蔵樽切換装置12、52に、それぞれ対応する。供給管路開閉手段はストッパ装置31−1、31−2に、排出管路開閉手段はストッパ装置33−1、33−2に、それぞれ対応する。第1の検知手段はビール検知センサ35−1、35−2に、第2の検知手段はビール検知センサ39に、それぞれ対応する。圧力供給手段は、炭酸ボンベ22−1、22−2、72に対応する。圧力供給管路開閉手段は、圧力切換装置73−1、73−2に対応する。
【0061】
制御手段はCPU411及びメモリ412に対応する。第1の検知結果取得手段及び第2の検知結果取得手段は、それぞれCPU411、メモリ412及び通信回路418に対応する。第1の液体供給判断手段及び第2の液体供給判断は、それぞれCPU411及びメモリ412に対応する。切換制御手段は、CPU411、メモリ412及び通信回路418に対応する。流路制御手段は、CPU411、メモリ412及び通信回路418に対応する。交換完了情報取得手段はCPU411、メモリ412及び通信回路418に、接続開始情報取得手段はCPU411、メモリ412及び通信回路418に、それぞれ対応する。
【0062】
供給管路は第1の接続チューブ23−1、23−1に、排出管路は第2の接続チューブ25−1、25−2に、圧力供給管路は圧力供給チューブ71−1、71−2に、それぞれ対応する。液体はビールに対応する。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例1】
【0065】
第1 液体供給システムの構成
本発明に係る液体供給システムの一実施形態であるビール供給システムの構成について
図1を用いて説明する。ビール供給システム1は、ディスペンサ11、ビール貯蔵樽切換装置12、ビール貯蔵樽21−1、21−2、ビール貯蔵樽接続チューブH1、H2、ディスペンサ接続チューブH3、及び廃液接続チューブH4を有している。なお、
図1においては、後述するビール検知センサ35−1、35−2、39については、記載を省略している。
【0066】
ビール貯蔵樽切換装置12は、ビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1を介して、また、ビール貯蔵樽21−2とビール貯蔵樽接続チューブH2を介して、それぞれ接続している。さらに、ビール貯蔵樽切換装置12は、ディスペンサ11とディスペンサ接続チューブH3及び廃液接続チューブH4を介して接続している。ビール貯蔵樽切換装置12は、各ビール貯蔵樽の交換が終了したときに、ユーザによって操作されるビール貯蔵樽交換ボタンBを有している。
【0067】
ディスペンサ11は、ビール貯蔵樽切換装置12を介して第1のビール貯蔵樽21−1若しくは第2のビール貯蔵樽21−2が貯蔵するビールを外部に配置されるビアジョッキ等に供給する。ビール貯蔵樽切換装置12は、ビールを供給するビール貯蔵樽を、ビール貯蔵樽21−1若しくはビール貯蔵樽21−2のいずれかに切り換える。
【0068】
ビール貯蔵樽21−1及びビール貯蔵樽21−2は、それぞれビールを貯蔵し、保存している。なお、ビール貯蔵樽21−1は、炭酸ボンベ22−1とボンベ接続チューブH5を介して接続している。また、ビール貯蔵樽21−2は、炭酸ボンベ22−2とボンベ接続チューブH6を介して接続している。ビール貯蔵樽21−1に貯蔵されているビールは、炭酸ボンベ22−1からの圧力によってディスペンサ11に供給される。ビール貯蔵樽21−2と炭酸ボンベ22−2についても同様である。
【0069】
第2 ビール貯蔵樽切換装置
ビール貯蔵樽切換装置12の内部構造について
図2に示す模式図を用いて説明する。ビール貯蔵樽切換装置12は、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵されているビールを供給する第1のビール供給系統部13、及び、ビール貯蔵樽21−2に貯蔵されているビールを供給する第2のビール供給系統部15を有している。第1のビール供給系統部13は、第1の接続チューブ23−1、第2の接続チューブ25−1を有している。第2のビール供給系統部15は、第1の接続チューブ23−2、第2の接続チューブ25−2を有している。
【0070】
第1の接続チューブ23−1は、途中にジョイントJ1を有している。第1の接続チューブ23−1と第2の接続チューブ25−1とは、ジョイントJ1において接続される。第1の接続チューブ23−1は、ジョイントJ5を介して、ビール貯蔵樽切換装置12の外部に位置するビール貯蔵樽接続チューブH1と接続される。第1の接続チューブ23−2と第2の接続チューブ25−2についても同様である。
【0071】
また、第1の接続チューブ23−1と第1の接続チューブ23−2とは、ジョイントJ3に接続される。ジョイントJ3は、ビール貯蔵樽切換装置12の外部においてディスペンサ接続チューブH3と接続される。さらに、第2の接続チューブ25−1と第2の接続チューブ25−2とは、ジョイントJ4に接続される。ジョイントJ4は、ビール貯蔵樽切換装置12の外部において廃液接続チューブH4と接続される。このように、ビール貯蔵樽切換装置12は、ビール貯蔵樽21−1、21−2のそれぞれとディスペンサ11とを接続し、ビール貯蔵樽21−1、21−2のそれぞれからディスペンサ11までの供給流路を形成する。
【0072】
第1の接続チューブ23−1は、途中でループ状に湾曲したループ部を有している。第1の接続チューブ23−1は、ループ部を含む流体ストッパ装置31−1(後述)を有している。流体ストッパ装置31−1によって、第1の接続チューブ23−1を介してディスペンサ11にビールを供給することができる供給可能状態と、第1の接続チューブ23−1を介してディスペンサ11にビールを供給することができない供給不可能状態とを切り換える。
【0073】
第2の接続チューブ25−1は、ジョイントJ1において第1の接続チューブ23−1から分岐する。また、第2の接続チューブ25−1は、ジョイントJ4及び廃液接続チューブH4を介して、ディスペンサ11の廃液受けWPに接続される。このように、ビール貯蔵樽切換装置12は、ビール貯蔵樽21−1、21−2のそれぞれと廃液受けWP11とを接続し、ビール貯蔵樽21−1、21−2のそれぞれから廃液受けWPまでの排出流路を形成する。
【0074】
第2の接続チューブ25−1は、途中でループ状に湾曲したループ部を有している。第2の接続チューブ25−1は、ループ部を含む流体ストッパ装置33−1(後述)を有している。流体ストッパ装置33−1によって、第2の接続チューブ25−1を介して廃液受けWPにビール供給することができる供給可能状態と、第2の接続チューブ25−1を介して廃液受けWPにビール供給することができない供給不可能状態とを切り換える。
【0075】
ビール検知センサ35−1(後述)は、ビール検知センサ35−1が設置されている部分において、ビール貯蔵樽接続チューブH1におけるビールの供給状態を検知する。なお、ビール検知センサ35−1は、ビール貯蔵樽接続チューブH1のビール貯蔵樽21−1に近い位置に配置されることが好ましい。このように、ビール検知センサ35−1をビール貯蔵樽21−1に近い位置に配置することによって、ビール貯蔵樽接続チューブH1におけるビールの供給状態をいち早く検知することができる。
【0076】
ビール検知センサ39(後述)は、設置されている部分において、廃液接続チューブH4におけるビールの供給状態を検知する。ビール検知センサ39は、廃液接続チューブH4のビール貯蔵樽切換装置12との接続位置に近い位置に配置されることが好ましい。このように、ビール検知センサ39をビール貯蔵樽切換装置12に近い位置に配置することによって、最終的に廃液として処理せざるを得ないジョイントJ1からビール検知センサ39までに存在するビールの量を少なくすることができる。
【0077】
なお、第2のビール供給系統部15については、第1のビール供給系統部13と同様であるため、記載を省略する。
【0078】
流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2及びビール検知センサ35−1、35−2、39は、それぞれ接続線によって制御コンピュータ41(後述)と接続されている。制御コンピュータ41は、各ビール検知センサの値を用いて、各流体ストッパ装置の動作を制御する。
【0079】
第3 流体ストッパ装置
流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2の構造の概要について
図3を用いて説明する。なお、以下においては、流体ストッパ装置31−1について説明し、他の流体ストッパ装置については、流体ストッパ装置31−1と同様であるため、詳細な記載を省略する。
【0080】
図3では、流体ストッパ装置31−1のユニットケースV9の上蓋を取り外した状態を示している。流体ストッパ装置31−1が動作していない状態を
図3Aに示し、動作している状態を
図3Bに示す。
図3Aに示すように、流体ストッパ装置31−1は、ユニットケースV9−1内に、チューブ支持部V5−1、可動部V4−1、電動モータV6−1、継ぎ手V20−1、接合部V21−1、及び可動ステージV22−1を有している。
【0081】
可動部V4−1は、第1の接続チューブ23−1のループ部V3−1の外形を圧接する。チューブ支持部V5−1は、可動部V4−1と対向する位置において第1の接続チューブ23−1を支持し、可動部V4−1の動きに合わせて、ループ状の外形を維持したままループ部V3−1が移動してしまうことを防止する。電動モータV6−1は、可動部V4−1を駆動する。継ぎ手V20−1は、電動モータV6−1と可動ステージV22−1を接続する。接合部V21−1は、継ぎ手V20−1と可動ステージV22−1とを接合する。電動モータV−6−1の動作は、制御コンピュータ41によって制御される。
【0082】
図3Bに示すように、電動モータV6−1は、制御コンピュータ41からの指示に従い、継ぎ手V20−1を矢印a3方向へ動作させる。これにより、接合部V21−1を介して可動ステージV22−1も矢印a3方向、つまりチューブ支持部V5−1側に向かって動作する。その結果、可動部V4−1がチューブ支持部V5−1側に近づき、第1の接続チューブ23−1のループ部V3−1を圧接する。これにより、第1の接続チューブ23−1を屈曲させた屈曲部V2−1を生じさせる。
【0083】
このように、流体ストーパー装置31−1は、可動部V4−1が第1の接続チューブ23−1のループ部V3−1を矢印a3方向へ押し付けることにより、第1の接続チューブ23−1に屈曲部V2−1を生じさせ、その結果、第1の接続チューブ23−1内をビールが流れることを遮断する。また、流体ストッパ装置31−1は、可動部V4−1を矢印a5方向へ引き戻すことにより、屈曲部V2−1を解消し、第1の接続チューブ23−1に元のループ部V3−1を形成して、再び第1の接続チューブ23−1内をビールが流れるようにする。
【0084】
なお、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2は、特開2008−256096の技術を用いたものである。
【0085】
流体ストッパ装置31−1を用いることによって、ビールに直接的に接触する構成要素を有する電磁弁等の従来の弁を、第1の接続チューブ23−1の途中に配置する必要がなくなる。したがって、スポンジ等の洗浄部材が弁に引っかかることがないので、第1の接続チューブ23−1の内壁を洗浄部材を用いて洗浄することができるようになる。よって、ビール等の飲料物を提供するにあたり衛生管理を容易に行うことができるようになる。
【0086】
また、流体ストッパ装置31−1は、直接的にビールに接触する構成要素を有していない。よって、構成要素にビール等の成分が付着することによる動作の不具合が生ずるということがない。つまり、従来の弁のように、分解洗浄等のような構成要素の定期的な洗浄作業を行う必要がなくなる。さらに、構成要素の動作にともなう摩擦や破損等による異物の混入を避けることができる。したがって、ビール等の飲料物を提供するにあたり衛生管理を容易に行うことができるようになる。また、構成要素にビール等の成分が付着することがないので、そのことによる雑菌等の繁殖は生じない。このため、ストッパ装置31−1を用いることによって、ビール供給システムの衛生状態を容易に良好に保つことができる。要するに、ビール供給システム1の衛生管理及び動作保証を容易に行うことができる。
【0087】
なお、流体ストッパ装置33−1、31−2、33−2についても、同様である。
【0088】
第4 ビール検知センサ
ビール検知センサ35−1、35−2、39の概要について
図4を用いて説明する。以下においては、ビール検知センサ35−1について説明し、他のビール検知センサについての説明は省略する。
【0089】
ビール検知センサ35−1の斜視図を
図4に示す。
図4Aは、筐体D9が閉じられてビール貯蔵樽接続チューブH1に装着された状態を示し、
図4Bは、筐体D9が開かれた状態を示す。
図4Aに示すように、筐体D9の外面には発光素子D10とスイッチD11が組み込まれている。
図4Bに示すように、筐体D9の内部には、投光素子D3と受光素子D4が組み込まれている。投光素子D3及び受光素子D4は、筐体D9が閉じられたときに、ビール貯蔵樽接続チューブH1を挟んで対向するように配置されている。投光素子D3は赤外光を照射し、受光素子D4は赤外光を受光する。
【0090】
投光素子D3が照射する赤外光とビール貯蔵樽接続チューブH1におけるビールの供給の状態との相関関係を
図5を用いて説明する。
図5Aはビール貯蔵樽接続チューブH1の内部空間ISが空気等の気体の状態(状態イ)を示し、
図5Bはビール貯蔵樽接続チューブH1の内部空間ISが水等の液体の状態(状態ロ)を示す。
図5A、Bに示すように、状態イの場合、状態ロの場合と比べて、投光素子D3から照射された赤外光は拡散する。よって、状態イにおいて受光素子D4が受光する赤外光の受光量は、状態ロにおいて受光素子D4が受光する赤外光の受光量に比べて、相対的に小さくなる。これは、気体と液体との屈折率の差によるものである。
【0091】
また、ビール貯蔵樽接続チューブH1の内部を通過するビール等の液体内に気泡が発生している状態では、ビール貯蔵樽接続チューブH1の内部が液体の状態と気体の状態とが混合し、かつ、激しく入れ替わる。そのため、受光素子D4で受光する受光量が激しく変化する。この受光量の変化を分析することにより、気泡の発生状態をより確実に把握することが可能になる。
【0092】
このような受光素子D4における受光量の変化は、制御コンピュータ41において受光素子D4の受光信号を取得し、データ処理によってビールの供給状態を判断する。
【0093】
なお、ビール検知センサ35−1、35−2、39は、特開2008−180643の技術を用いたものである。
【0094】
第5 制御コンピュータ
1.ハードウェア構成
制御コンピュータ41のハードウェア構成を
図6に示す。制御コンピュータ41は、CPU411、メモリ412、及び通信回路418を有している。
【0095】
CPU411は、メモリ412に記録されているビール供給プログラムに基づいた処理を行う。メモリ412は、CPU411に対して作業領域を提供する。また、メモリ412は、ビール供給プログラム、その他のデータを記録保持する。
【0096】
通信回路418は、ネットワークに接続する通信回路を有しており、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2、及び、ビール検知センサ35−1、35−2、39と接続され、所定のデータの送受信を行う。
【0097】
2.制御の概要
制御コンピュータ41は、ビール検知センサ35−1、35−2、39から得られるデータに基づき判断するビールの供給状態に従って、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2の動作を制御する。これによって、ビール貯蔵樽21−1及びビール貯蔵樽21−2の間の相互の切り換えを円滑に行うことを可能とする。
【0098】
制御コンピュータ41における流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2に対する動作制御の概略について
図7を用いて説明する。
【0099】
ここでは、ビールが、第1のビール供給系統部13からディスペンサ11に供給されている状態(状態1)から、第2のビール供給系統部15からディスペンサ11に供給される状態(状態2)に切り換え、その後、新たに第1のビール供給系統部13からビールを供給できるように準備する状態(状態3)とする場合を考える。
【0100】
ビールが第1のビール供給系統部13から供給されている状態1では、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールを第1の接続チューブ23−1を介してディスペンサ11に供給する必要がある。従って、流体ストッパ装置31−1のみを供給可能状態とし、他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。
【0101】
その後、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールがなくなり、他のビール貯蔵樽21−2からビールが供給される状態2に切り換える場合、ビール貯蔵樽21−1からの第1の接続チューブ23−1を介したディスペンサ11へのビールの供給を中止し、ビール貯蔵樽21−2からの第1の接続チューブ23−2を介したディスペンサ11へのビールの供給を開始する必要がある。従って、流体ストッパ装置31−1を供給不可能状態とし、流体ストッパ装置31−2を供給可能状態とし、その他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。
【0102】
さらに、ビール貯蔵樽21−1を新しいものと取り換え、取り換えたビール貯蔵樽21−1から泡を第2の接続チューブ25−1から排出し、取り換えたビール貯蔵樽21−1からビールを供給できるように準備する状態3とする。そして、泡の排出が終わると、第2の接続チューブ25−1からビールが排出されないようにし、状態1へと循環する。
【0103】
先ず、ビール貯蔵樽21−1を新しいものと取り換え、取り換えた新しいビール貯蔵樽21−1にビール貯蔵樽接続チューブH1を接続する。通常、ビール貯蔵樽からのビールの供給開始時には、液体としてのビールは流れず、泡が流れ出す。このため、新しいビール貯蔵樽からビールの供給を開始する際に、まず泡を取り除く作業を行う必要がある。
【0104】
そこで、新たらしいビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1とを接続した後、ビール貯蔵樽21−1からの第2の接続チューブ25−1を介した廃液受けWPへの泡の排出を開始する。従って、状態3では、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とし、流体ストッパ装置31−1を供給不可能状態とする。なお、本実施形態では、ビール貯蔵樽21−2からのビールの供給と並行してビール貯蔵樽21−1の取り換えを行うので、流体ストッパ装置31−2を供給可能状態とし、流体ストッパ装置33−2を供給不可能状態としておく。
【0105】
そして、泡の排出が終了すると、第2の接続チューブ25−1を介してビールが廃液受けWPに排出されないようにする必要がある。所定の時間が経過すると、新しいビール貯蔵樽21−1のからの泡の排出が終了する。従って、所定時間経過後に、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態としておく。これにより、第2の接続チューブ25−1を介してビールが廃液受けWPに排出されることがなくなる。このときの状態は、前述の状態1において、ビール貯蔵樽21−2からビールを供給する場合に相当する。
【0106】
以降、貯蔵樽21−2について、状態1〜状態3を判断し、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2の動作を制御する。
【0107】
このような状態の変化に応じて、流体ストッパ装置31−1、31−2、33−1、33−2を操作することにより、一方のビール貯蔵樽から他方のビール貯蔵樽へ、いつでも途切れなくビールを供給できるようにすることができる。
【0108】
3.制御コンピュータの動作
前述の制御コンピュータ41のCPU411の動作を
図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下のCPU411の動作については、初期状態においてビール貯蔵樽21−1からビールが供給されており、その後、状態1→状態2→状態3へと変化する場合を説明する。初期状態においてビール貯蔵樽21−2からビールが供給されている場合については、ビール貯蔵樽21−1からビールが供給されている場合と同様であるので記載を省略する。
【0109】
図9に示すように、状態1において、ビール貯蔵樽21−1からビールが供給されている場合、ビール貯蔵樽接続チューブH1、ジョイントJ5からジョイントJ3までの第1の接続チューブ23−1、及びディスペンサ接続チューブH3は、ビール貯蔵樽21−1が供給するビールで満たされている。また、第2の接続チューブ25−1についても、ジョイントJ1から流体ストッパ装置33−1までの範囲については、ビール貯蔵樽21−1が供給するビールで満たされている。さらに、第1の接続チューブ23−2についても、ジョイントJ3から流体ストッパ装置31−2までの範囲については、ビール貯蔵樽21−1が供給するビールで満たされている。
【0110】
一方、ビール貯蔵樽21−2は、ビール貯蔵樽21−1からのビールの供給が終了した場合に備えて、既にビール供給のための準備が完了しているものとする。この場合、ビール貯蔵樽接続チューブH2、ジョイントJ6から流体ストッパ装置31−2までの第1の接続チューブ23−2、及び、ジョイントJ2から流体ストッパ装置33−2までの第2の接続チューブ25−2については、ビール貯蔵樽21−2が供給するビールで満たされている。
【0111】
このような状況において、
図8に示すように、CPU411は、ビール検知センサ35−1から赤外線の受光量を示す受光データを取得する(S801)。CPU411は、取得した受光データに基づき、ビール検知センサ35−1が設けられているビール貯蔵樽接続チューブH1でのビールの供給状態を判断する(S803)。ビール検知センサ35−1は、ビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1との接続部近傍に設けられている。このため、ビール検知センサ35−1は、ビール貯蔵樽21−1からビールの供給状態をいち早く検知することができる。
【0112】
CPU411は、ビール検知センサ35−1からの受光データに基づき、ビール貯蔵樽21−1から泡が出だしたと判断すると(S805)、ビール貯蔵樽21−1からのビールの供給が終了すると判断し、液体ストッパ装置31−1を動作させ、供給不可能状態とする(S807)。さらに、CPU411は、液体ストッパ装置31−2を動作させ、供給可能状態とする(S809)。これにより、ビールの供給に際し、ビールの供給が途切れることなく、ビール貯蔵樽21−1からビール貯蔵樽21−2へビール貯蔵樽を変更することが可能となる。
【0113】
図10に示すように、状態2においては、ビール貯蔵樽21−2からビールが供給されるので、ビール貯蔵樽接続チューブH2、ジョイントJ6からジョイントJ3までの第1の接続チューブ23−2、及びディスペンサ接続チューブH3は、ビール貯蔵樽21−2が供給するビールで満たされている。
【0114】
ここで、ビール供給システム1のユーザは、ビール貯蔵樽接続チューブH1に接続されているビール貯蔵樽21−1を取り外し、新しく用意したビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1とを接続し、ビール貯蔵樽21−1の交換を完了する。ユーザは、ビール貯蔵樽21−1の交換が完了すると、ビール貯蔵樽切換装置12に設けられているビール貯蔵樽交換ボタンBを操作する。
【0115】
図8に示すように、CPU411は、ビール貯蔵樽交換ボタンBからの交換完了情報を取得すると(S811)、液体ストッパ装置33−1を動作させ、供給可能状態とする(S813)。これにより、ビール貯蔵樽交換後の初期段階においてビール貯蔵樽21−1から供給される泡をディスペンサ11の廃液受けWPに排出する。
【0116】
液体ストッパ装置33−1を動作させて泡を排出する際の初期段階において、第1の接続チューブ23−1のジョイントJ5からジョイントJ1までの領域R1に存在するビール、及び、第2の接続チューブ25−1のジョイントJ1から流体ストッパ装置33−1までの領域R3に存在するビールは、廃液受けWPへ廃液として排出される。従って、流体ストッパ装置33−1は、可能な限りジョイントJ1に近い位置に配置することが好ましい。これにより、初期段階において廃液として処理せざるを得ないビールの量を少なくすることができる。
【0117】
その後、
図11に示すように、状態3では、ビール貯蔵樽21−1から出る泡によって、ビール貯蔵樽接続チューブH1、第2の接続チューブ25−1、及び廃液接続チューブH4は、泡によって満たされる。
【0118】
図8に示すように、CPU411は、ビール検知センサ39から赤外線の受光量を示す受光データを取得する(S815)。CPU411は、取得した受光データに基づき、ビール検知センサ39が設けられている廃液接続チューブH4でのビールの供給状態を判断する(S817)。CPU411は、ビール検知センサ39からの受光データに基づき、当該ビール検知センサ39が配置されている位置において、泡でなくビールが流れていると判断すると(S819)、液体ストッパ装置33−1を動作させ、供給不可能状態とする(S821)。
【0119】
これにより、
図11に示すジョイントJ1からビール検知センサ39までは、ビール貯蔵樽21−1から供給されたビールで満たされることになる。このように液体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とした後、ジョイントJ1からビール検知センサ39までの間に存在するビールは、最終的には廃液として処理せざるを得ない。従って、ビール検知センサ39を可能な限り流体ストッパ装置33−1に近い位置に配置することが好ましい。これにより、最終的に廃液として処理せざるを得ないビールの量を少なくすることができる。
【0120】
なお、流体ストッパ装置33−1を供給不可能とした状態は、
図9においてビールを供給するビール貯蔵樽をビール貯蔵樽21−1からビール貯蔵樽21−2に変更したものと同様となる。
【実施例2】
【0121】
前述の実施例1に係るビール供給システム1では、ビール貯蔵樽21−1、21−2は、それぞれに接続された炭酸ボンベ22−1、22−2を用いて貯蔵されているビールを供給することとした。一方、本実施例に係るビール供給システム51では、ビール貯蔵樽21−1、21−2の両方に接続される炭酸ボンベから供給される圧力を制御することにより貯蔵されているビールを供給するものである。なお、以下においては、実施例1と同様の構成については、同じ符号を付している。また、実施例1と同様の構成についての詳細な説明は省略する。
【0122】
第1 液体供給システムの構成
本発明に係る液体供給システムの一実施形態であるビール供給システムの構成について
図12を用いて説明する。ビール供給システム51は、ディスペンサ11、ビール貯蔵樽切換装置52、ビール貯蔵樽21−1、21−2、ビール貯蔵樽接続チューブH1、H2、ディスペンサ接続チューブH3、廃液接続チューブH4、炭酸ボンベ72、ボンベビール貯蔵樽接続チューブH51、H52、及びボンベ接続チューブH53を有している。なお、実施例1と同様に、ビール検知センサ35−1、35−2、39については、記載を省略している。
【0123】
炭酸ボンベ72は、ビール貯蔵樽21−1に対して圧力を供給する。炭酸ボンベ72は、ボンベ接続チューブH53を介してビール貯蔵樽切換装置52に接続される。炭酸ボンベ72は、ボンベ72a、圧力調整弁72b、及びハンドル72cを有している。ボンベ72a内に高圧縮され蓄積されている炭酸を、ハンドル72cを操作することによって、ボンベ接続チューブH53に供給される。ボンベ72aからボンベ接続チューブH53に供給される炭酸は、ディスペンサ11から適切にビールが供給できるように、圧力調整弁72bによって適切な圧力に調整される。
【0124】
ビール貯蔵樽21−1は、ボンベビール貯蔵樽接続チューブH51を介してビール貯蔵樽切換装置52に接続される。ビール貯蔵樽21−2は、ボンベビール貯蔵樽接続チューブH52を介してビール貯蔵樽切換装置52に接続される。
【0125】
ビール貯蔵樽21−1は、炭酸ボンベ72から供給された圧力によって内圧を高めて、貯蔵しているビールを外部へ供給する。
【0126】
第2 ビール貯蔵樽切換装置
ビール貯蔵樽切換装置52の内部構造について
図13に示す模式図を用いて説明する。ビール貯蔵樽切換装置52は、
図2に示すビール貯蔵樽切換装置12の構成を全て含んでいる。さらに、ビール貯蔵樽切換装置52は、圧力供給チューブ71−1、71−2、及び、圧力切換装置73−1、73−2を有している。圧力供給チューブ71−1、71−2のそれぞれの途中に圧力切換装置73−1、73−2が配置される。
【0127】
圧力供給チューブ71−1は、ボンベビール貯蔵樽接続チューブH51を介してビール貯蔵樽21−1に接続される。また、圧力供給チューブ71−2は、ボンベビール貯蔵樽接続チューブH52を介してビール貯蔵樽21−2に接続される。圧力供給チューブ71−1、71−2は、ジョイントJ13に接続される。この結果、圧力供給チューブ71−1、71−2は、ジョイントJ13を介してボンベ接続チューブH53に接続される。
【0128】
圧力切換装置73−1は、圧力供給チューブ71−1を介してビール貯蔵樽21−1に供給される、圧力供給ボンベ71からの圧力を調整する。圧力切換装置73−1は、電磁弁により構成されている。圧力切換装置73−2についても同様である。
【0129】
なお、圧力切換装置73−1、73−2は、それぞれ制御コンピュータ41に接続されている。圧力切換装置73−1、73−2は、制御コンピュータ41によって動作が制御される。
【0130】
第3 制御コンピュータ
1.制御の概要
本実施例に係る制御コンピュータ41の制御の概要について
図14を用いて説明する。制御コンピュータ41は、ビール検知センサ35−1、35−2、39から得られるデータに基づき判断するビールの供給状態に従って、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2、及び圧力切換装置73−1、73−2の動作を制御する。これにより、ビール貯蔵樽21−1及びビール貯蔵樽21−2の間の相互の切り換えを円滑に行うことを可能とする。
【0131】
ここでは、実施例1と同様に、ビールが、第1のビール供給系統部13からディスペンサ11に供給されている状態(状態1)から、第2のビール供給系統部15からディスペンサ11に供給される状態(状態2)に切り換え、その後、新たに第1のビール供給系統部13からビールを供給できるように準備する状態(状態3)とする場合を考える。
【0132】
ビールが第1のビール供給系統部13から供給されている状態1では、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールを第1の接続チューブ23−1を介してディスペンサ11に供給する必要がある。従って、流体ストッパ装置については、流体ストッパ装置31−1のみを供給可能状態とし、他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。圧力切換装置については、ビール貯蔵樽21−1からビールを供給できるように、圧力切換装置73−1は圧力供給可能状態とする。一方、圧力切換装置73−2は圧力供給不可能状態とする。
【0133】
その後、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールがなくなり、他のビール貯蔵樽21−2からビールが供給される状態2に切り換える場合、ビール貯蔵樽21−1からの第1の接続チューブ23−1を介したディスペンサ11へのビールの供給を中止し、ビール貯蔵樽21−2からの第1の接続チューブ23−2を介したディスペンサ11へのビールの供給を開始する必要がある。従って、流体ストッパ装置については、流体ストッパ装置31−1を供給不可能状態とし、流体ストッパ装置31−2を供給可能状態とし、その他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。圧力切換装置については、ビール貯蔵樽21−2からビールを供給できるように、圧力切換装置73−2は圧力供給可能状態とする。一方、圧力切換装置73−1は圧力供給不可能状態とする。なお、圧力切換装置73−1及び圧力切換装置73−2の状態の切り換えは、ほぼ同時に行う。若しくは、圧力切換装置73−1の状態を切り換えた後、圧力切換装置73−2の状態を切り換える。
【0134】
さらに、ビール貯蔵樽21−1を新しいものと取り換え、取り換えたビール貯蔵樽21−1から泡を第2の接続チューブ25−1から排出し、取り換えたビール貯蔵樽21−1からビールを供給できるように準備する状態3とする。そして、泡の排出が終わると、第2の接続チューブ25−1からビールが排出されないようにし、状態1へと循環する。
【0135】
先ず、ビール貯蔵樽21−1を新しいものと取り換え、取り換えた新しいビール貯蔵樽21−1にビール貯蔵樽接続チューブH1を接続する。通常、ビール貯蔵樽からのビールの供給開始時には、液体としてのビールは流れず、泡が流れ出す。このため、新しいビール貯蔵樽からビールの供給を開始する際に、まず泡を取り除く作業を行う必要がある。
【0136】
そこで、新たらしいビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1とを接続した後、ビール貯蔵樽21−1からの第2の接続チューブ25−1を介した廃液受けWPへの泡の排出を開始する。従って、状態3では、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とし、流体ストッパ装置31−1を供給不可能状態とする。この際、ビール貯蔵樽21−1から泡を排出する必要があるため、圧力切換装置73−1を圧力供給可能状態とする。なお、圧力切換装置73−1の状態の切り換えは、流体ストッパ装置33−1の状態の切り換えとほぼ同時に行う。若しくは、流体ストッパ装置33−1の状態を切り換えた後、圧力切換装置73−1の状態を切り換える。
【0137】
なお、本実施形態では、ビール貯蔵樽21−2からのビールの供給と並行してビール貯蔵樽21−1の取り換えを行うので、流体ストッパ装置31−2を供給可能状態とし、流体ストッパ装置33−2を供給不可能状態としておく。また、圧力切換装置73−2を圧力供給可能状態としておく。
【0138】
そして、泡の排出が終了すると、第2の接続チューブ25−1を介してビール貯蔵樽21−1のビールが廃液受けWPに排出されないようにする必要がある。所定の時間が経過すると、新しいビール貯蔵樽21−1のからの泡の排出が終了する。従って、所定時間経過後に、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態としておく。また、圧力切換装置73−1についても、圧力供給不可能状態とする。これにより、第2の接続チューブ25−1を介してビールが廃液受けWPに排出されることがなくなる。このときの状態は、前述の状態1において、ビール貯蔵樽21−2からビールを供給する場合に相当する。
【0139】
以降、貯蔵樽21−2について、状態1〜状態3を判断し、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2の動作を制御する。
【0140】
このような状態の変化に応じて、流体ストッパ装置31−1、31−2、33−1、33−2、及び、圧力切換装置73−1、73−2を操作することにより、一方のビール貯蔵樽から他方のビール貯蔵樽へ、いつでも途切れなくビールを供給できるようにすることができる。
【0141】
2.制御コンピュータの動作
前述の制御コンピュータ41のCPU411の動作を
図15に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下のCPU411の動作については、初期状態においてビール貯蔵樽21−1からビールが供給されおり、その後、状態1→状態2→状態3へ変化する場合を説明する。
【0142】
初期状態においてビール貯蔵樽21−2からビールが供給されている場合については、ビール貯蔵樽21−1からビールが供給されている場合と同様であるので記載を省略する。また、実施例1と同様の処理については、同じ番号を付すこととし、処理の詳細な記載については省略する。さらに、各状態におけるビール貯蔵樽切換装置52の内部のビールの状態は、実施例1と同様であるため、以下の説明においては、実施例1における
図9〜
図11を参照する。
【0143】
状態1(
図9参照)において、
図15に示すように、CPU411は、ビール検知センサ35−1から赤外線の受光量を示す受光データを取得する(S801)。CPU411は、取得した受光データに基づき、ビール検知センサ35−1が設けられているビール貯蔵樽接続チューブH1でのビールの供給状態を判断する(S803)。
【0144】
CPU411は、ビール検知センサ35−1からの受光データに基づき、ビール貯蔵樽21−1から泡が出だしたと判断すると(S805)、ビール貯蔵樽21−1からのビールの供給が終了すると判断し、液体ストッパ装置31−1を動作させ、供給不可能状態とする(S807)。また、CPU411は、圧力切換装置73−1を圧力供給不可能状態とする(S1501)。次に、CPU411は、液体ストッパ装置31−2を動作させ、供給可能状態とする(S809)。さらに、CPU411は、圧力切換装置73−2を圧力供給可能状態とする(S1503)。これにより、ビールの供給に際し、ビールの供給が途切れることなく、ビール貯蔵樽21−1からビール貯蔵樽21−2へビール貯蔵樽を変更することが可能となる。
【0145】
状態2(
図10参照)においては、ビール供給システム1のユーザは、ビール貯蔵樽接続チューブH1に接続されているビール貯蔵樽21−1を取り外し、新しく用意したビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1とを接続し、ビール貯蔵樽21−1の交換を完了する。ユーザは、ビール貯蔵樽21−1の交換が完了すると、ビール貯蔵樽切換装置12に設けられているビール貯蔵樽交換ボタンBを操作する。
【0146】
図15に示すように、CPU411は、ビール貯蔵樽交換ボタンBからの交換完了情報を取得すると(S811)、液体ストッパ装置33−1を動作させ、供給可能状態とする(S813)。さらに、CPU411は、圧力切換装置73−1を圧力供給可能状態とする(S1505)。これにより、ビール貯蔵樽交換後の初期段階においてビール貯蔵樽21−1から供給される泡をディスペンサ11の廃液受けWPに排出する。
【0147】
その後、
図11に示すように、状態3では、ビール貯蔵樽21−1から出る泡によって、ビール貯蔵樽接続チューブH1、第2の接続チューブ25−1、及び廃液接続チューブH4は、泡によって満たされる。
【0148】
状態3(
図11参照)において、
図15に示すように、CPU411は、ビール検知センサ39から赤外線の受光量を示す受光データを取得する(S815)。CPU411は、取得した受光データに基づき、ビール検知センサ39が設けられている廃液接続チューブH4でのビールの供給状態を判断する(S817)。CPU411は、ビール検知センサ39からの受光データに基づき、当該ビール検知センサ39が配置されている位置において、泡でなくビールが流れていると判断すると(S819)、液体ストッパ装置33−1を動作させ、供給不可能状態とする(S821)。合わせて、CPU411は、圧力切換装置73−1を圧力供給不可能状態とする(S1507)。
【実施例3】
【0149】
前述の実施例1に係るビール供給システム1では、保守管理及び衛生管理を容易に行うことができる。一方、本実施例に係るビール供給システムでは、ビール貯蔵樽の交換の際に、ビールが外部に漏れないようにすることができる。なお、以下においては、実施例1と同様の構成については、同じ符号を付している。また、実施例1と同様の構成についての詳細な説明は省略する。
【0150】
第1 液体供給システムの構成
本発明に係る液体供給システムの一実施形態であるビール供給システムの構成は、実施例1におけるビール供給システム1の構成と同様である(
図1、
図2参照)。
【0151】
第2 制御コンピュータ
1.制御の概要
本実施例における制御コンピュータ41は、ビール検知センサ35−1、35−2、39から得られるデータに基づき判断するビールの供給状態に従って、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2の動作を制御する。これによって、ビール貯蔵樽21−1、21−2を新しいものに交換した際に、ストッパ装置31−1、31−2近傍において生ずる第1の接続チューブ23−1、23−2の破裂を防止することができる。
【0152】
制御コンピュータ41における流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2に対する動作制御の概略について
図16を用いて説明する。
【0153】
ここでは、ビールを第1のビール供給系統部13からディスペンサ11に供給している状態(状態1)から、第2のビール供給系統部15からディスペンサ11に供給する状態(状態2)に切り換え、その後、ビールの供給を終えた第1のビール供給系統部13に、第1の接続チューブ23−1の破裂防止対策を施した状態(状態11)とする場合を考える。
【0154】
ビールが第1のビール供給系統部13から供給されている状態1では、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールを第1の接続チューブ23−1を介してディスペンサ11に供給する必要がある。従って、流体ストッパ装置31−1のみを供給可能状態とし、他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。
【0155】
その後、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールがなくなり、他のビール貯蔵樽21−2からビールが供給される状態2に切り換える場合、ビール貯蔵樽21−1からの第1の接続チューブ23−1を介したディスペンサ11へのビールの供給を中止し、ビール貯蔵樽21−2からの第1の接続チューブ23−2を介したディスペンサ11へのビールの供給を開始する必要がある。従って、流体ストッパ装置31−1を供給不可能状態とし、流体ストッパ装置31−2を供給可能状態とし、その他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。
【0156】
次に、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに取り換える前に、ビール貯蔵樽21−1からディスペンサ11の廃液受けWPに続く空の排出流路を形成する破裂防止対策を施した状態11とする。この場合、流体ストッパ装置31−1を供給不可状態とした後、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とする(状態11a)。これにより、ビール貯蔵樽21−1から廃液受けWPまでの排出流路を形成する。流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とした初期段階においては、ビール貯蔵樽21−1が空になる際にビール貯蔵樽21−1から噴き出す泡が排出経路に排出される。所定の時間が経過すると、泡の排出が終了する。この段階で、ビール貯蔵樽21−1からは何も排出されなくなるが、さらに排出を続けることによって、排出経路に存在する泡を廃液受けWPに排出することができる。これにより、空の排出経路を形成する。所定の時間経過後は、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とし(状態11b)、ビール貯蔵樽21−1の交換に備える。
【0157】
このように、空の排出流路を形成しておくことよって、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに交換した際に、これまで第1の接続チューブ23−1及び流体ストッパ装置31−1にかかっていた高い圧力を、排出経路から外部に逃がすことができるようになる。したがって、流体ストッパ装置31−1近傍における第1の接続チューブ23−1の破裂を防止することができる。
【0158】
なお、このような、破裂防止対策を施した後、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに交換する。
【0159】
2.制御コンピュータの動作
前述の制御コンピュータ41のCPU411の動作を
図17に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下のCPU411の動作については、初期状態においてビール貯蔵樽21−1からビールが供給されており、その後、状態1→状態2→状態11へと変化する場合を説明する。初期状態においてビール貯蔵樽21−2からビールが供給されている場合については、ビール貯蔵樽21−1からビールが供給されている場合と同様であるので記載を省略する。
【0160】
図9に示すように、状態1において、ビール貯蔵樽21−1からビールが供給されている場合、ビール貯蔵樽接続チューブH1、ジョイントJ5からジョイントJ3までの第1の接続チューブ23−1、及びディスペンサ接続チューブH3は、ビール貯蔵樽21−1が供給するビールで満たされている。また、第2の接続チューブ25−1についても、ジョイントJ1から流体ストッパ装置33−1までの範囲については、ビール貯蔵樽21−1が供給するビールで満たされている。さらに、第1の接続チューブ23−2についても、ジョイントJ3から流体ストッパ装置31−2までの範囲については、ビール貯蔵樽21−1が供給するビールで満たされている。
【0161】
一方、ビール貯蔵樽21−2は、ビール貯蔵樽21−1からのビールの供給が終了した場合に備えて、既にビール供給のための準備が完了しているものとする。この場合、ビール貯蔵樽接続チューブH2、ジョイントJ6から流体ストッパ装置31−2までの第1の接続チューブ23−2、及び、ジョイントJ2から流体ストッパ装置33−2までの第2の接続チューブ25−2については、ビール貯蔵樽21−2が供給するビールで満たされている。
【0162】
このような状況において、
図17に示すように、CPU411は、ビール検知センサ35−1から赤外線の受光量を示す受光データを取得する(S801)。CPU411は、取得した受光データに基づき、ビール検知センサ35−1が設けられているビール貯蔵樽接続チューブH1でのビールの供給状態を判断する(S803)。ビール検知センサ35−1は、ビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1との接続部近傍に設けられている。このため、ビール検知センサ35−1は、ビール貯蔵樽21−1からビールの供給状態をいち早く検知することができる。
【0163】
CPU411は、ビール検知センサ35−1からの受光データに基づき、ビール貯蔵樽21−1から泡が出だしたと判断すると(S805)、ビール貯蔵樽21−1からのビールの供給が終了すると判断し、液体ストッパ装置31−1を動作させ、供給不可能状態とする(S807)。さらに、CPU411は、液体ストッパ装置31−2を動作させ、供給可能状態とする(S809)。これにより、ビールの供給に際し、ビールの供給が途切れることなく、ビール貯蔵樽21−1からビール貯蔵樽21−2へビール貯蔵樽を変更することが可能となる。
【0164】
図10に示すように、状態2においては、ビール貯蔵樽21−2からビールが供給されるので、ビール貯蔵樽接続チューブH2、ジョイントJ6からジョイントJ3までの第1の接続チューブ23−2、及びディスペンサ接続チューブH3は、ビール貯蔵樽21−2が供給するビールで満たされている。
【0165】
次に、CPU411は、状態2から状態11aへ移行させるために、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とする(S1101)。このように、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とすることによって、
図10に示すビール貯蔵樽接続チューブH1、ジョイントJ、第2の接続チューブ25−1、ジョイントJ4、廃液接続チューブH4へと続く廃液流路の内部に存在するビール及びビール貯蔵樽21−1から新たに排出される泡を廃液受けWPに排出し、空の廃液流路とすることができる。空の廃液流路が形成された状態11を
図11に示す。
【0166】
ビール貯蔵樽21−1は、所定時間、泡を排出する。したがって、CPU411は、
図17に示すように、所定時間が経過したと判断すると(S1103)、状態11aから状態11bへ移行させるために、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とする(S1105)。なお、ビール貯蔵樽21−1が泡を排出する所定時間については、予め算出し、メモリに記憶しておく。
【0167】
ここで、ビール供給システム1のユーザは、ビール貯蔵樽接続チューブH1に接続されているビール貯蔵樽21−1を取り外し、新しく用意したビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1とを接続し、ビール貯蔵樽21−1の交換を完了する。
【0168】
このように、空の廃液流路を形成しておくことによって、ビール貯蔵樽21−1の交換が完了した際に、ビール貯蔵樽21−1の内部にかけられていた高い圧力を空の排出経路から外部へ逃がすことができる。つまり、ビール貯蔵樽21−1の内部にかけられていた高い圧力が、第1の接続チューブ23−1や流体ストッパ装置31−1にかかることを防止できるので、流体ストッパ装置31−1近傍における第1の接続チューブ23−1の破裂を防止することができる。
【実施例4】
【0169】
前述の実施例3に係るビール供給システムでは、ビール貯蔵樽21−1、21−2は、実施例1と同様、それぞれに接続された炭酸ボンベ22−1、22−2を用いて貯蔵されているビールを供給することとした。一方、本実施例に係るビール供給システムでは、実施例2と同様、ビール貯蔵樽21−1、21−2の両方に接続される炭酸ボンベから供給される圧力を制御することにより貯蔵されているビールを供給するものである。なお、以下においては、実施例1〜実施例3と同様の構成については、同じ符号を付している。また、実施例1〜実施例3と同様の構成についての詳細な説明は省略する。
【0170】
第1 液体供給システムの構成
本発明に係る液体供給システムの一実施形態であるビール供給システムの構成は、実施例2におけるビール供給システム1の構成と同様である(
図12、
図13参照)。
【0171】
第2 制御コンピュータ
1.制御の概要
本実施例に係る制御コンピュータ41の制御の概要について
図18を用いて説明する。制御コンピュータ41は、ビール検知センサ35−1、35−2、39から得られるデータに基づき判断するビールの供給状態に従って、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2、及び圧力切換装置73−1、73−2の動作を制御する。これによって、ビール貯蔵樽21−1、21−2を新しいものに交換した際に、ストッパ装置31−1、31−2近傍において生ずる第1の接続チューブ23−1、23−2の破裂を防止することができる。
【0172】
ここでは、実施例1と同様に、ビールが、第1のビール供給系統部13からディスペンサ11に供給されている状態(状態1)から、第2のビール供給系統部15からディスペンサ11に供給される状態(状態2)に切り換え、その後、ビールの供給を終えた第1のビール供給系統部13に、第1の接続チューブ23−1の破裂防止対策を施した状態(状態11)とする場合を考える。
【0173】
ビールが第1のビール供給系統部13から供給されている状態1では、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールを第1の接続チューブ23−1を介してディスペンサ11に供給する必要がある。従って、流体ストッパ装置については、流体ストッパ装置31−1のみを供給可能状態とし、他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。圧力切換装置については、ビール貯蔵樽21−1からビールを供給できるように、圧力切換装置73−1は圧力供給可能状態とする。一方、圧力切換装置73−2は圧力供給不可能状態とする。
【0174】
その後、ビール貯蔵樽21−1に貯蔵しているビールがなくなり、他のビール貯蔵樽21−2からビールが供給される状態2に切り換える場合、ビール貯蔵樽21−1からの第1の接続チューブ23−1を介したディスペンサ11へのビールの供給を中止し、ビール貯蔵樽21−2からの第1の接続チューブ23−2を介したディスペンサ11へのビールの供給を開始する必要がある。従って、流体ストッパ装置については、流体ストッパ装置31−1を供給不可能状態とし、流体ストッパ装置31−2を供給可能状態とし、その他の流体ストッパ装置については供給不可能状態とする。圧力切換装置については、ビール貯蔵樽21−2からビールを供給できるように、圧力切換装置73−2は圧力供給可能状態とする。一方、圧力切換装置73−1は圧力供給不可能状態とする。なお、圧力切換装置73−1及び圧力切換装置73−2の状態の切り換えは、ほぼ同時に行う。若しくは、圧力切換装置73−1の状態を切り換えた後、圧力切換装置73−2の状態を切り換える。
【0175】
次に、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに取り換える前に、ビール貯蔵樽21−1からディスペンサ11の廃液受けWPに続く空の排出流路を形成する破裂防止対策を施した状態11とする。この場合、流体ストッパ装置31−1を供給不可状態とした後、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とする(状態11a)。これにより、ビール貯蔵樽21−1から廃液受けWPまでの排出流路を形成する。
【0176】
さらに、圧力切換装置73−1を圧力供給可能状態とする(状態11b)。これにより、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とした初期段階において、ビール貯蔵樽21−1が空になる際にビール貯蔵樽21−1から噴き出す泡を排出経路に排出する。所定の時間が経過すると、泡の排出が終了する。この段階で、ビール貯蔵樽21−1からは何も排出されなくなるが、さらに排出を続けることによって、排出経路に存在する泡を廃液受けWPに排出することができる。これにより、空の排出経路を形成する。最後に、圧力切換装置73−1を圧力供給不可能状態とした後(状態11c)、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とする(状態11d)。
【0177】
このように、空の排出流路を形成しておくことよって、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに交換した際に、これまで第1の接続チューブ23−1及び流体ストッパ装置31−1にかかっていた高い圧力を、排出経路から外部に逃がすことができるようになる。したがって、流体ストッパ装置31−1近傍における第1の接続チューブ23−1の破裂を防止することができる。
【0178】
なお、このような、破裂防止対策を施した後、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに交換する。
【0179】
2.制御コンピュータの動作
前述の制御コンピュータ41のCPU411の動作を
図19に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下のCPU411の動作については、初期状態においてビール貯蔵樽21−1からビールが供給されおり、その後、状態1→状態2→状態11へ変化する場合を説明する。
【0180】
初期状態においてビール貯蔵樽21−2からビールが供給されている場合については、ビール貯蔵樽21−1からビールが供給されている場合と同様であるので記載を省略する。また、実施例1と同様の処理については、同じ番号を付すこととし、処理の詳細な記載については省略する。さらに、各状態におけるビール貯蔵樽切換装置52の内部のビールの状態は、実施例1と同様であるため、以下の説明においては、実施例1における
図9〜
図11を参照する。
【0181】
状態1(
図9参照)において、
図19に示すように、CPU411は、ビール検知センサ35−1から赤外線の受光量を示す受光データを取得する(S801)。CPU411は、取得した受光データに基づき、ビール検知センサ35−1が設けられているビール貯蔵樽接続チューブH1でのビールの供給状態を判断する(S803)。
【0182】
CPU411は、ビール検知センサ35−1からの受光データに基づき、ビール貯蔵樽21−1から泡が出だしたと判断すると(S805)、ビール貯蔵樽21−1からのビールの供給が終了すると判断し、液体ストッパ装置31−1を動作させ、供給不可能状態とする(S807)。また、CPU411は、圧力切換装置73−1を圧力供給不可能状態とする(S1501)。次に、CPU411は、液体ストッパ装置31−2を動作させ、供給可能状態とする(S809)。さらに、CPU411は、圧力切換装置73−2を圧力供給可能状態とする(S1503)。これにより、ビールの供給に際し、ビールの供給が途切れることなく、ビール貯蔵樽21−1からビール貯蔵樽21−2へビール貯蔵樽を変更することが可能となる。
【0183】
状態2(
図10参照)においては、ビール貯蔵樽21−2からビールが供給されるので、ビール貯蔵樽接続チューブH2、ジョイントJ6からジョイントJ3までの第1の接続チューブ23−2、及びディスペンサ接続チューブH3は、ビール貯蔵樽21−2が供給するビールで満たされている。
【0184】
次に、CPU411は、状態2から状態11aへ移行させるために、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とする(S1101)。このように、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とすることによって、
図10に示すビール貯蔵樽接続チューブH1、ジョイントJ、第2の接続チューブ25−1、ジョイントJ4、廃液接続チューブH4へと続く廃液流路を形成することができる。
【0185】
さらに、CPU411は、状態11aから状態11bへ移行させるために、圧力切換装置73−1を圧力供給可能状態とする(S1301)。これにより、廃液流路の内部に存在するビール及びビール貯蔵樽21−1から新たに排出される泡を廃液受けWPに排出できる。つまり、廃液流路を空にした状態11(
図11参照)にできる。
【0186】
ビール貯蔵樽21−1は、所定時間、泡を排出する。したがって、CPU411は、
図19に示すように、所定時間が経過したと判断すると(S1103)、状態11bから状態11cへ移行させるために、圧力切換装置73−1を圧力供給不可能状態とする(S1105)。さらに、CPU411は、状態11cから状態11dへ移行させるために、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とする(S1303)。なお、ビール貯蔵樽21−1が泡を排出する所定時間については、予め算出し、メモリに記憶しておく。
【0187】
ここで、ビール供給システム1のユーザは、ビール貯蔵樽接続チューブH1に接続されているビール貯蔵樽21−1を取り外し、新しく用意したビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1とを接続し、ビール貯蔵樽21−1の交換を完了する。
【0188】
このように、空の廃液流路を形成しておくことによって、ビール貯蔵樽21−1の交換が完了した際に、ビール貯蔵樽21−1の内部にかけられていた高い圧力を空の排出経路から外部へ逃がすことができる。つまり、ビール貯蔵樽21−1の内部にかけられていた高い圧力が、第1の接続チューブ23−1や流体ストッパ装置31−1にかかることを防止できるので、流体ストッパ装置31−1近傍における第1の接続チューブ23−1の破裂を防止することができる。
【実施例5】
【0189】
前述の実施例1におけるビール供給システムでは、ビール貯蔵樽を交換する際に交換するビール貯蔵樽に結合する第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置を供給不可能状態とし、排出管路に配置される流体ストッパ装置を供給可能状態として排出流路を形成する。このため、ビール供給システム1では、新しいビール貯蔵樽を直ぐに用意できない、ビール貯蔵樽が空になり交換が必要な状態となったことに気づかない等、第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が、長期間、供給不可能状態となる場合があり得る。流体ストッパ装置が、長期間、供給不可能状態となると、第1の接続チューブに屈曲の跡、屈曲のくせが残り、第1の接続チューブのスポンジ洗浄(後述)を適切に行えない可能性がある。そこで、本実施例におけるビール供給システムでは、ビール貯蔵樽を交換する際に交換するビール貯蔵樽に結合する第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が、長期間、供給不可能状態となることを防止する。
【0190】
第1 スポンジ洗浄
ビール供給システムにおけるスポンジ洗浄とは、例えば、ビール貯蔵樽21−1〜ディスペンサ11に形成されるビール貯蔵樽接続チューブH1〜第1の接続チューブ23−1〜ディスペンサ接続チューブH3からなる供給流路の各チューブの内側を、所定のスポンジを流すことによって、直接的に洗浄することをいう。
【0191】
スポンジ洗浄の方法としては、例えば、ビール貯蔵樽の代わりに洗浄樽を接続する。洗浄樽を介して所定の圧力をかけることによって、所定のスポンジを、洗浄樽から供給流路を形成する各チューブに送出する。各チューブ内に送出されたスポンジは、移動しながら各チューブの内側を洗浄する。なお、チューブ内に送出されたスポンジは、最後には、ディスペンサ11の排出口から排出される。
【0192】
このように、スポンジを各チューブの内部に送出することによって、各チューブの内側を直接的に洗浄することができる。
【0193】
第2 液体供給システムの構成
本発明に係る液体供給システムの一実施形態であるビール供給システムの構成は、実施例1におけるビール供給システム1の構成と同様である(
図1、
図2参照)。
【0194】
第3 制御コンピュータ
1.制御の概要
制御コンピュータ41は、ビール検知センサ35−1、35−2、39から得られるデータに基づき判断するビールの供給状態に従って、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2の動作を制御する。これによって、ビール貯蔵樽を交換する際に交換するビール貯蔵樽に結合する第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が、長期間、供給不可能状態となることを防止し、第1の接続チューブの洗浄が適切に行えることを可能とする。
【0195】
制御コンピュータ41における流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2に対する動作制御の概略について
図20を用いて説明する。
【0196】
ここでは、ビールを第1のビール供給系統部13からディスペンサ11に供給している状態(状態1)から、第2のビール供給系統部15からディスペンサ11に供給する状態(状態2)に切り換えた後、ビールの供給を終えたビール貯蔵樽21−1に結合する第1の接続チューブ23−1に配置される流体ストッパ装置31−1における長期間の供給不可能状態防止対策を施した状態(状態5)とし、その後、新たに第1のビール供給系統部13からビールを供給できるように準備する状態(状態3)とする場合を考える。
【0197】
ここで、状態1〜状態2までの各流体ストッパ装置の動作は、実施例1と同様である。状態2とした後、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態(状態5a)として、ビール貯蔵樽21−1から廃液受けWPまでの排出流路を形成する。所定の時間経過後に、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態(状態5b)とする。このように、排出流路を形成することによって、交換するビール貯蔵樽21−1に残留するガスを放出し、ビール貯蔵樽21−1の内圧を下げておくことによって、流体ストッパ装置31−1を供給可能状態とした際に第1の接続チューブ23−1を介してビールが供給されることを防止する。
【0198】
その後、流体ストッパ装置31−1を供給可能状態(状態5c)とする。このように、ビール貯蔵樽を交換する際に、交換するビール貯蔵樽に結合する第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が供給不可能状態となる時間を限定し、長期間、供給不可能状態となることを防止することによって、第1の接続チューブに屈曲の跡、屈曲のくせが残ることなく、第1の接続チューブのスポンジ洗浄を適切に行うことが可能となる。
【0199】
なお、状態5cとした後、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに交換し、状態3とする。
【0200】
2.制御コンピュータの動作
前述の制御コンピュータ41のCPU411の動作を
図21に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下の本実施例に係るCPU411の動作において、状態1〜状態2までの動作は、実施例1におけるステップS801〜ステップS809と同様である。したがって、詳細な記載を省略する。
【0201】
状態2とした後、CPU411は、状態2から状態5aへ移行させるために、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とする(S2101)。このように、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とすることによって、
図10に示すビール貯蔵樽接続チューブH1、ジョイントJ、第2の接続チューブ25−1、ジョイントJ4、廃液接続チューブH4へと続く廃液流路を形成する。これにより、ビール貯蔵樽21−1の内部と外部とを接続し、ビール貯蔵樽21−1の内部に残留するガス等を排出し、ビール貯蔵樽21−1の内圧を減少させることができる。
【0202】
図21に戻って、CPU411は、所定時間が経過したと判断すると(S2103)、状態5aから状態5bへ移行させるために、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とする(S2105)。なお、ビール貯蔵樽21−1が泡を排出する所定時間については、予め算出し、メモリに記憶しておく。
【0203】
CPU411は、状態5bから状態5cへ移行させるために、流体ストッパ装置31−1を供給可能状態とする(S2107)。
【0204】
そして、ビール供給システムのユーザは、ビール貯蔵樽接続チューブH1に接続されているビール貯蔵樽21−1を取り外し、新しく用意したビール貯蔵樽21−1とビール貯蔵樽接続チューブH1とを接続し、ビール貯蔵樽21−1の交換を完了する。
【0205】
このように、ビール貯蔵樽を交換する際に、交換するビール貯蔵樽に結合する第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が供給不可能状態となる時間を限定し、長期間、供給不可能状態となることを防止することによって、第1の接続チューブに屈曲の跡、屈曲のくせが残ることなく、第1の接続チューブのスポンジ洗浄を適切に行うことが可能となる。
【実施例6】
【0206】
前述の実施例5におけるビール供給システムでは、実施例1と同様、ビール貯蔵樽21−1、21−2のそれぞれに接続された炭酸ボンベ22−1、22−2を用いてビール貯蔵樽21−1、21−2に貯蔵されているビールを供給するビール供給システム1において、第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が、長期間、供給不可能状態となることを防止することとした。一方、本実施例に係るビール供給システムでは、実施例2と同様、ビール貯蔵樽21−1、21−2の両方に接続される炭酸ボンベから供給される圧力を制御することにより貯蔵されているビールを供給するビール供給システム51において、第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が、長期間、供給不可能状態となることを防止するものである。
【0207】
第1 液体供給システムの構成
本発明に係る液体供給システムの一実施形態であるビール供給システムの構成は、実施例1におけるビール供給システム1の構成と同様である(
図12、
図13参照)。
【0208】
第2 制御コンピュータ
1.制御の概要
制御コンピュータ41は、ビール検知センサ35−1、35−2、39から得られるデータに基づき判断するビールの供給状態に従って、流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2の動作を制御する。これによって、ビール貯蔵樽を交換する際に交換するビール貯蔵樽に結合する第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が、長期間、供給不可能状態となることを防止し、第1の接続チューブの洗浄が適切に行えることを可能とする。
【0209】
制御コンピュータ41における流体ストッパ装置31−1、33−1、31−2、33−2に対する動作制御の概略について
図22を用いて説明する。
【0210】
ここでは、ビールを第1のビール供給系統部13からディスペンサ11に供給している状態(状態1)から、第2のビール供給系統部15からディスペンサ11に供給する状態(状態2)に切り換えた後、ビールの供給を終えたビール貯蔵樽21−1に結合する第1の接続チューブ23−1に配置される流体ストッパ装置31−1における長期間の供給不可能状態防止対策を施した状態(状態15)とし、その後、新たに第1のビール供給系統部13からビールを供給できるように準備する状態(状態3)とする場合を考える。
【0211】
ここで、状態1〜状態2までの各流体ストッパ装置の動作は、実施例1と同様である。状態2とした後、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態(状態15a)として、ビール貯蔵樽21−1から廃液受けWPまでの排出流路を形成する。所定の時間経過後に、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態(状態15b)とする。この間、圧力切換装置73−1は供給不可能状態としておく。このように、排出流路を形成することによって、交換するビール貯蔵樽21−1に残留するガスを放出し、ビール貯蔵樽21−1の内圧を下げておくことによって、流体ストッパ装置31−1を供給可能状態とした際に第1の接続チューブ23−1を介してビールが供給されることを防止する。
【0212】
その後、流体ストッパ装置31−1を供給可能状態(状態15c)とする。このように、ビール貯蔵樽を交換する際に、交換するビール貯蔵樽に結合する第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が供給不可能状態となる時間を限定し、長期間、供給不可能状態となることを防止することによって、第1の接続チューブに屈曲の跡、屈曲のくせが残ることなく、第1の接続チューブのスポンジ洗浄を適切に行うことが可能となる。
【0213】
なお、状態15cとした後、ビール貯蔵樽21−1を新しいものに交換し、状態3とする。
【0214】
2.制御コンピュータの動作
前述の制御コンピュータ41のCPU411の動作については、実施例2におけるCPU411の動作を示す
図15のフローチャートにおけるステップS1503の後に、実施例5におけるCPU411の動作を示すフローチャートにおけるステップS2101〜S2107を実行し、
図21におけるステップS2107の次に、実施例2における
図15のフローチャートのステップS811が実行される。したがって、詳細な記述は省略する。
【実施例7】
【0215】
前述の実施例5におけるビール供給システムでは、第1の接続チューブに配置される流体ストッパ装置が供給不可能状態となる時間を限定し、長期間、供給不可能状態となることを防止することによって、第1の接続チューブに屈曲の跡、屈曲のくせを残さず、第1の接続チューブのスポンジ洗浄を適切に行えるようにしている。一方、意図せずに第1の接続チューブに屈曲の跡、屈曲のくせが形成され、スポンジ洗浄が適切に行えない場合がある。本実施例におけるビール供給システムでは、実際にスポンジ洗浄を行っている際に生ずるスポンジの詰まりによる不具合を解消することを可能とする。
【0216】
なお、スポンジ洗浄の際のスポンジの詰まりは、スポンジを送出する際の圧力が低い場合にも生ずることがある。
【0217】
第1 構成
本実施例に係るビール供給システムの構成については実施例1と同様である。但し、ビール貯蔵樽切換装置2には、スポンジ洗浄にけるスポンジが各チューブに詰まる等、スポンジの送出を適切に行えない場合に使用する揺動ボタンB71が配置されている。揺動ボタンB71が押されると、揺動開始信号が送信される。
【0218】
ビール貯蔵樽切換装置2の内部構成については、実施例1と同様である。但し、流体ストッパ装置31−1には、第1の接続チューブ23−1の内部をスポンジが適切に移動できるようになっている。
【0219】
流体ストッパ装置31−1の構成について
図23を用いて説明する。
図23は、流体ストッパ装置31−1の内部構造を上側から見た概略図を示している。流体ストッパ装置31−1の内部には、可動部V4−1によって、第1の接続チューブ23−1がループ形状を維持するように配置されている。
【0220】
可動部V4−1は、基本位置、第1の揺動位置、第2の揺動位置を有している。
図23Aに示すように、第1の揺動位置とは、流体ストッパ装置31−1の大きさ、チューブ径等を考慮して、第1の接続チューブ23−1を無理なくループ形状に維持する可動部V4−1の位置をいう。
【0221】
図23Bに示すように、基本位置とは、第1の揺動形状から矢印a71方向へ適当な長さL1だけ伸ばした第1の接続チューブ23−1のループ形状を維持する可動部V4−1の位置をいう。第2の揺動位置とは、第1の揺動形状かにおける第1の接続チューブ23−1のループ形状から、適当な長さL2(L2>L1)だけ矢印a71方向に伸ばしたループ形状を維持する可動部V4−1の位置をいう。なお、
図23Bにおいては、第1の揺動位置にあるループ状の第1の接続チューブ23−1を点線で示している。また、
図23Bにおいては、可動部V4−1の記述を省略している。
【0222】
流体ストッパ装置31−1では、通常使用時には、供給可能状態において、可動部V4−1は基本位置にある。このように、通常使用時の供給可能状態において可動部V4−1を基本位置とすることによって、第1の接続チューブ23−1は、供給可能状態において、常時、多少引っ張られた状態となる。このため、流体ストッパ装置31−1において供給可能状態と供給不可能状態とを繰り返した際に第1の接続チューブ23−1の屈曲位置k1、k3(
図23A参照)に、屈曲の跡や屈曲のくせが生ずることを防止することができる。
【0223】
流体ストッパ装置31−2についても同様である。
【0224】
第2 制御コンピュータ
本実施例における制御コンピュータのCPU411が実行する流体ストッパ装置31−1、31−2の揺動動作について、
図24に示すフローチャートを用いて説明する。
【0225】
ビール供給システムの使用者は、スポンジ洗浄の際に、スポンジが詰まったと判断すると、揺動ボタンB71を操作する。これにより、ストッパ装置31−1、31−2における揺動動作が開始する。
【0226】
CPU411は、揺動ボタンB71を介して揺動開始信号を取得すると(S2401)、流体ストッパ装置31−1の可動部V4−1を第1の揺動位置から第2の揺動位置まで動作させる(S2403)。このように、可動部V4−1を第1の揺動位置から第2の揺動位置まで動作させることによって、第1の接続チューブ23−1を繰り返し適当に引っ張ることができるので、第1の接続チューブ23−1が形成するループ形状の内部をスポンジが流れやすくすることができる。特に、可動部V4−1を基準位置から第2の揺動位置まで動作させることによって、屈曲位置k1、k3にスポンジが詰まっている場合に有効である。
【0227】
また、可動部V4−1を第1の揺動位置から基準位置まで揺動させることによって、押圧位置j1、j3にスポンジが詰まっている場合に有効である。押圧位置j1、j3とは、
図23Aに示すように、供給可能状態、供給不可能状態を形成する可動部V4−1の動作によって、可動部V4−1がループ状の第1の接続チューブ23−1を押圧する位置をいう。可動部V4−1の動作によって、第1の接続チューブ23−1の押圧位置j1、j3が、繰り返し、押圧される。このため、押圧位置j1、j3に、屈曲の跡、屈曲のくせと同様に、押圧の跡、押圧のくせが生ずることがある。第1の接続チューブ23−1に形成される押圧の跡、押圧のくせは、スポンジ洗浄におけるスポンジの移動を阻害する要因となる。
【0228】
図24に戻って、CPU411は、所定時間経過したと判断すると(S2405)、可動部V4−1の揺動を終了する(S2407)。
【0229】
[その他の実施例]
(1)流体ストッパ装置
前述の実施例1〜実施例4においては、流体ストッパ装置33−1、33−2について、ループ部を有し、押圧により屈曲部を形成するものを例示したが、ビール等の液体の流れを制御できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、電磁弁や、機械式の弁であってもよい。
【0230】
(2)ビール検知センサの配置位置
前述の実施例1〜実施例7においては、ビール検知センサ35−1を、ビール貯蔵樽接続チューブH1とビール貯蔵樽21−1との接続部近傍に設けるとしたが、ビール貯蔵樽21−1のビール供給状態を検知できるものであれば、例示のものに限定されない。
【0231】
例えば、ビール検知センサ35−1を第1の接続チューブ23−1と第2の接続チューブ25−1とを接続するジョイントJ1近傍に配置し、ビール貯蔵樽切換装置12の内部に配置するようにしてもよい。この場合、
図10に示すジョイントJ5からジョイントJ1までの領域R1を小さくすることができるので、廃液として処理されるビールの量を減らすことができる。ビール検知センサ35−2についても同様である。
【0232】
また、ビール検知センサ39を、廃液接続チューブH4におけるビール貯蔵樽切換装置12との接続部近傍に配置するとしたが、例示のものに限定されない。例えば、流体ストッパ装置33−1、33−2のそれぞれの近傍にビール検知センサ39を配置するようにしてもよい。これにより、第1の接続チューブ23−1との分岐部からビール検知センサ39までの領域を小さくすることができる。よって、廃液として処理しなければならない液体の量を少なくすることができる。つまり、ビール貯蔵樽を経済的に効率よく使用することができる。
【0233】
(3)ビール検知センサにおける状態検知
前述の実施例1〜実施例7においては、ビール検知センサ35−1においてビール貯蔵樽接続チューブH1の内部に泡を検出した際に、ビール貯蔵樽21−1のビールが無くなり、ビール貯蔵樽21−1を交換する必要があると判断し、流体ストッパ装置31−1を供給不可能状態とするとした。しかし、ビール貯蔵樽接続チューブH1の内部に泡を検出した後、さらに何もない状態を検知した場合に、ビール貯蔵樽21−1を交換する必要があると判断するようにしてもよい。ビールを供給している最中であっても、泡が吹き出す場合がある。この場合に、ビール貯蔵樽21−1の交換が必要と判断すると、まだビールが残存しているビール貯蔵樽21−1を交換することとなり、不経済である。ビール貯蔵樽21−1にビールが存在しなくなると、ビール貯蔵樽接続チューブH1には何も供給されなくなる。したがって、ビール貯蔵樽接続チューブH1の内部に何もない状態を検知することによって、より確実にビール貯蔵樽21−1のビールの残存状態を判断することができる。ひいては、ビールを効率的に使うことができる。
【0234】
(4)ビール貯蔵樽交換ボタンB
前述の実施例1及び実施例2においては、ビール貯蔵樽21−1の交換の完了の際に、ビール貯蔵樽交換ボタンBを操作し、交換完了情報を発信することとしたが、ビール貯蔵樽21−1の交換の完了を識別できるものであれば例示のものに限定されない。例えば、ビール検知センサ35−1によって、泡を検出した後、次にビールを検出したときにビール貯蔵樽21−1の交換が完了したと判断するようにしてもよい。
【0235】
また、ビール貯蔵樽21−1を新しいものと交換し、ビール貯蔵樽接続チューブH1と接続する際の接続操作に、ビール貯蔵樽21−1に接続する接続部材であるディスペンサヘッドの接続開始報知手段であるレバーを押し下げ操作に合わせて接続開始情報をCPU411に送信し、接続開始情報を送信するようにしてもよい。レバーを押し下げるとビール貯蔵樽接続チューブH1とビール貯蔵樽21−1とが完全に接続され、ビール貯蔵樽21−1から初期段階の泡が流れ始める。一方、レバーを押し下げ始めた段階では、ビール貯蔵樽接続チューブH1とビール貯蔵樽21−1とは完全には接続されておらず、泡も流れでない。従って、この段階で接続開始情報を送信し、流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とすることによって、ビール貯蔵樽21−1との完全な接続と同時に流れ出す泡を確実に第2の接続チューブ25−1へ導き、排出することが可能となる。
【0236】
(5)ビール貯蔵樽の交換準備完了
前述の実施例1及び実施例2においては、ビール貯蔵樽21−1の交換後、所定時間経過後に、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とすることとしたが、泡の排出の終了を検知できるものであれば例示のものに限定されない。例えば、ビール検知センサ39によって、ビールを検知すると、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とし、第2の接続チューブ25−1を介してビールが廃液受けWPに排出されないようにしてもよい。
【0237】
(6)ビール貯蔵樽21−1の交換とビール貯蔵樽21−2からの供給
前述の実施例1及び実施例2においては、ビール貯蔵樽21−1の交換と並行して、ビール貯蔵樽21−2からビールを供給することとしたが、ビール貯蔵樽21−2からのビールの供給を止めてビール貯蔵樽21−1の取り換えを行うようにしてもよい。この場合、例えば、流体ストッパ装置33−1を供給不可能状態とする際には、流体ストッパ装置33−2を供給不可能状態とし、交換完了情報を取得すると、流体ストッパ装置33−2を供給可能状態とするようにすればよい。
【0238】
(7)圧力調整弁72b
前述の実施例2及び実施例4において、CPU411によって、圧力調整弁72bの動作制御を行うようにしてもよい。例えば、ビール貯蔵樽切換装置52に温度センサを設け、温度センサの値によって、ボンベ72aから供給する炭酸の圧力を調整するようにする。これにより、季節や空調による温度変化に対応した圧力供給が可能になる。よって、ディスペンサ11から適切な圧力でビールを供給することができる。
【0239】
また、圧力調整弁72bによって適切な圧力に調整された炭酸をボンベ接続チューブH53及びジョイントJ13を介して、ビール貯蔵樽21−1、21−2に供給するとしたが、ジョイントJ13に圧力調整弁72bの機能を付加するように構成してもよい。さらに、ジョイントJ13の圧力調整弁機能をCPU411によって制御するようにしてもよい。
【0240】
(8)第1の接続チューブ23−1等と第2の接続チューブ25−1等との位置関係
前述の実施例1〜実施例4では、
図25Aに示すように、第1の接続チューブ23−1が第2の接続チューブ25−1より上に配置されていた。しかし、
図25Bに示すように、第2の接続チューブ25−1が第1の接続チューブ23−1より上に配置されるようにしてもよい。排出すべき泡や気体はビール等の注出すべき液体よりも比重が軽い。このため、第2の接続チューブ25−1を第1の接続チューブ23−1より高い位置に配置することによって、確実に泡や気体を排出することができる。なお、
図25は、
図12、
図13に示すビール貯蔵樽切換装置52の内部構造を左側面から見た図である。第1の接続チューブ23−2及び第2の接続チューブ25−2についても同様である。
【0241】
(9)ビール
前述の実施例1〜実施例4においては、液体としてビールを供給することとしたが、多の液体であってもよい。例えば、牛乳であってもよい。牛乳は、流路である第1の接続チューブ23−1等に汚れが付着しやすい。このため、衛生管理上、頻繁に洗浄をする必要がある。従って、本発明に係る液体供給装置を用いることによって、衛生的に牛乳を提供することができる。
【0242】
(10)ビール検知センサの配置位置
前述の実施例3及び実施例4においては、ビール検知センサ39を、廃液接続チューブH4におけるビール貯蔵樽切換装置12との接続部近傍に配置するとしたが、例示のものに限定されない。例えば、ビール検知センサ39を、廃液接続チューブH4のディスペンサ11との接続部や廃液受けWPの近傍に配置するようにしてもよい。これにより、第2の接続チューブ25−1における供給状態を廃液受けWPに近い位置で検知することができるので、第2の接続チューブ25−1の供給状態を確実に把握することができる。例えば、ビール検知センサ39が何も流れていない状態を検知した場合、第2の接続チューブ25−1が確実に空の状態になっていると判断できる。
【0243】
(11)第2の接続チューブ25−1を供給不可能状態とする方法
前述の実施例3及び実施例4においては、第2の接続チューブ25−1を供給可能状態とした後、所定時間経過後に、供給不可能状態とすることとしたが、第2の接続チューブ25−1を空の状態とできるものであれば例示のものに限定されない。例えば、ビール検知センサ39を廃液接続チューブH4のディスペンサ11との接続部や廃液受けWPの近傍に配置し、第2の接続チューブ25−1が空の状態となったことを検知し、供給不可能状態とするようにしてもよい。
【0244】
(12)ビール供給システムにおけるビール貯蔵樽の数
前述の実施例3及び実施例4では、ビール貯蔵樽21−1、21−2の二つを有するビール供給システムとしたが、一つのビール貯蔵樽を有するビール供給システムであってもよい。この場合、ビール貯蔵樽21−1からビールの供給が終了した際に、ビール貯蔵樽21−1からビール貯蔵樽21−2へ切り換えのではなく、第2の接続チューブ25−1を空の状態とする。そして、第2の接続チューブ25−1が空の状態となると、ビール貯蔵樽を交換し、交換したビール貯蔵樽からのビールの供給を開始する。
【0245】
(13)破裂防止対策を実行するタイミング
前述の実施例4においては、状態2から状態11へは自動的に移行するとしたが、ビール貯蔵樽21−1を新しいものと交換し、ビール貯蔵樽接続チューブH1と接続する際の接続操作、例えば、ビール貯蔵樽21−1に接続するディスペンサヘッドのレバーを押し下げ操作に合わせて接続開始情報をCPU411に送信し、状態2から状態11へ移行するようにしてもよい。レバーを押し下げるとビール貯蔵樽接続チューブH1とビール貯蔵樽21−1とが完全に接続され、高い圧力が第1の接続チューブ23−1や流体ストッパ装置33−1にかかる。一方、レバーを押し下げ始めた段階では、高い圧力が第1の接続チューブ23−1や流体ストッパ装置33−1にかかる前である。従って、この段階で流体ストッパ装置33−1を供給可能状態とすることによって、ビール貯蔵樽21−1との完全な接続と同時に高い圧力がかかる前に、第2の接続チューブ25−1からの排出経路を確保することが可能となる。よって、破裂防止対策を確実に行うことができる。
(14)圧力切換装置73−1、73−2
【0246】
前述の実施例2、実施例4、実施例6に係るビール供給システムでは、圧力切換装置73−1、73−2を用いて炭酸ボンベ22−1、22−2の圧力を供給流路や排出流路に供給している。ここで、圧力切換装置73−1、73−2が、配線の断線、基板故障、電源故障等によって、正常に動作しなくなった場合、ビールを供給、排出できなくなるという問題が発生する。そこで、圧力切換装置73−1、73−2として、通常時、供給可能状態となるものを使用するようにしてもよい。これにより、常時、圧力を供給することができるので、圧力切換装置73−1、73−2が正常に動作しなくなった時でもビールの供給、排出を継続することが可能となる。
【0247】
(15)流体ストッパ装置33−1、33−2
前述の実施例1〜7では、流体ストッパ装置33−1、33−2によって、泡等の廃液受けWPへ泡等を排出するか否かを制御していた。この場合、流体ストッパ装置33−1、33−2が故障し、供給不可能状態とすることができなくなると、排出流路を介してビールや炭酸ガスが流れ出し、ディスペンサ11からビールを供給することができなくる、大量のビールが排出流路を介して外部に流れ出し、店を汚す等の問題が発生する可能性がある。そこで、
図26に示すように、廃液流路において流体ストッパ装置33−1、33−2より廃液受け側、例えば、廃液接続チューブH4に、流体ストッパ装置33−1、33−2と直列になるように、手動により供給状態と供給不可能状態とを切り換えることができる切換装置Mを配置するようにしてもよい。
【0248】
(16)第2の接続チューブ25−1、25−2
前述の実施例1〜実施例7においては、第2の接続チューブ25−1、25−2をループ状とすることによって流体ストッパ装置33−1、33−2を形成している。ここで、流体ストッパ装置33−1、33−2は、店等の営業時においては、原則的に供給不可能状態となる。このため、ビール貯蔵樽切換装置2、52を高温となる場所に配置すると、第2の接続チューブ25−1、25−2の膨張等により、排出流路におけるビールの遮断性能が低下し、液漏れが発生することがあり得る。そこで、第2の接続チューブ25−1、25−2の管厚を、第1の接続チューブ23−1、23−2よりも肉厚とすることによって、液漏れに対処するようにしてもよい。なお、肉厚のチューブを使用することによって液漏れを有効に防止できることについては、発明者による知見である。なお、具体的な第1の接続チューブ23−1、23−2、第2の接続チューブ25−1、25−2の管厚については、各チューブの材質、流体ストッパ装置33−1、33−2のループ径、ビールを排出する際の圧力等の条件を考慮して決定すればよい。