特許第5791706号(P5791706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791706
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】モジュール式眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 1/00 20060101AFI20150917BHJP
   G02C 1/08 20060101ALI20150917BHJP
   G02C 5/22 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   G02C1/00
   G02C1/08
   G02C5/22
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-512563(P2013-512563)
(86)(22)【出願日】2011年5月24日
(65)【公表番号】特表2013-527496(P2013-527496A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】NZ2011000085
(87)【国際公開番号】WO2011149364
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2014年5月14日
(31)【優先権主張番号】585644
(32)【優先日】2010年5月26日
(33)【優先権主張国】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】512303138
【氏名又は名称】フランシス・ウィリアム・オースティン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フランシス・ウィリアム・オースティン
【審査官】 池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07712894(US,B1)
【文献】 英国特許出願公告第734206(GB,A)
【文献】 英国特許出願公開第2491210(GB,A)
【文献】 仏国特許出願公開第2983315(FR,A1)
【文献】 特表2007−529766(JP,A)
【文献】 米国特許第5418581(US,A)
【文献】 特開平4−310917(JP,A)
【文献】 米国特許第5315328(US,A)
【文献】 特開2005−62288(JP,A)
【文献】 特開2002−40371(JP,A)
【文献】 特開2005−18000(JP,A)
【文献】 米国特許第4153347(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0243271(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/08
G02C 5/22
G02C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取外可能部品で形成される眼鏡アセンブリであって、前記取外可能部品が、
少なくとも1つのレンズ部分と、
上側フレーム部品と、
下側フレーム部品と、
前記上側フレーム部品または下側フレーム部品に枢動可能に取り付けられるよう構成され、2つのヒンジアセンブリを形成する2つの蔓アームと、
を備え、
各ヒンジアセンブリにおいて、前記上側フレーム部品および前記下側フレーム部品の一方が、旋回軸シャフトを備え、前記上側フレーム部品および前記下側フレーム部品の他方が、各々の前記旋回軸シャフトを受けるように構成された旋回軸シャフト受領部分を備え、
前記旋回軸シャフトが、上方突起部分および下方突起部分を備え、
前記上方突起部分と前記下方突起部分との一方が、旋回軸シャフト受領部分によって受けられ、旋回軸シャフト受領部分を越えて伸長し、
各蔓アームが、少なくとも1つのフック状部材を備え、前記フック状部材が、前記ヒンジアセンブリそれぞれの前記旋回軸シャフトの少なくとも一部に枢動可能に取り付けられるように構成され、前記旋回軸シャフトが、旋回シャフト受領部分を越えて延在する、眼鏡アセンブリ。
【請求項2】
前記上側フレーム部品と下側フレーム部品とが、共に、前記少なくとも1つのレンズ部分を受けるための少なくとも1つの開口部を画成し、
前記少なくとも1つの開口部が、ほぼ全周で、開口部内に受けられた少なくとも1つのレンズを囲む、請求項1に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項3】
前記上側フレーム部品と下側フレーム部品とを互いに取り付けた時のみ、少なくとも1つの開口部を画成する、請求項2に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項4】
取外可能な前記上側および下側フレーム部品が、前記眼鏡アセンブリが異なる形状および/またはサイズの少なくとも1つのレンズ部分を選択的に備えるように取り替え可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのレンズ部分が、2つのレンズを備える請求項1から4のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのレンズ部分が、レンズアセンブリを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項7】
前記レンズアセンブリが、サブフレーム内にある1以上のレンズを備える、請求項6に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項8】
前記旋回軸シャフトの上方突起部分および下方突起部分が、単一構造物である、請求項1から7のいずれか1項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項9】
前記上側フレーム部品が、旋回軸シャフトを備え、前記下側フレーム部品が、前記旋回軸シャフトの下方突起部分を受けるように構成された旋回軸シャフト受領部分を備え、このため、前記旋回軸シャフトが、前記旋回軸シャフト受領部分から下方に伸長する、請求項1から8のいずれか1項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項10】
各蔓アームが、それぞれ旋回軸シャフトの上方突起部分と下方突起部分と協働するように構成された上側および下側フック状部材を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項11】
前記上側フレーム部品と下側フレーム部品とが、その中心部分で取り外し可能に取り付けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項12】
前記眼鏡アセンブリが、装着者の鼻の上に載置するように構成された1以上の鼻載置部分を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリで使用するように構成された、上側フレーム部品であって、
当該上側フレーム部品が、2つの旋回軸シャフトを備え、
各旋回軸シャフトは、下側フレーム部品の旋回軸シャフト受領部分によって受容されて前記下側フレーム部品に当該上側フレーム部品を結合するよう構成され、
各旋回軸シャフトは、前記蔓アームに枢動可能に取り付けられるよう構成される、上側フレーム部品。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリで使用するように構成された、下側フレーム部品であって、
前記下側フレーム部品が、2つの旋回軸シャフト受領部分を備え、
各旋回軸シャフト受領部分は、上側部品の旋回軸シャフトを受容して前記上側フレーム部品に当該下側フレーム部品を結合するよう構成された、下側フレーム部品。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の眼鏡アセンブリを構成するための、部品のキット。
【請求項16】
眼鏡アセンブリを製造する方法であって、
スライディングコアを使用することなしに、
上側フレーム部品、および、
下側フレーム部品、
を備える少なくとも部分的に取外可能な部品を射出成形するステップと、
前記上側フレーム部品または前記下側フレーム部品に枢動可能に取り付けられるよう構成され、2つのヒンジアセンブリを形成する2つの蔓アームを準備するステップと、
少なくとも1つのレンズ部分を準備するステップと、
前記取外可能な部品と少なくとも1つのレンズ部分を一体的に組み立てて眼鏡アセンブリを形成するステップと、
を備え、
各ヒンジアセンブリにおいて、前記上側フレーム部品および前記下側フレーム部品の一方が、旋回軸シャフトを備え、前記上側フレーム部品および前記下側フレーム部品の他方が、前記各々の旋回軸シャフトを受けるよう構成された旋回軸シャフト受領部分を備え、
前記旋回軸シャフトが、上方突起部分および下方突起部分を備え、
前記上方突起部分と前記下方突起部分との一方が、旋回軸シャフト受領部分によって受けられ、旋回軸シャフト受領部分を越えて伸長し、
各蔓アームが、少なくとも1つのフック状部材を備え、前記フック状部材が、前記ヒンジアセンブリそれぞれの前記旋回軸シャフトの少なくとも一部に枢動可能に取り付けられるように構成され、前記旋回軸シャフトが、旋回シャフト受領部分を越えて延在する、方法。
【請求項17】
上側フレーム部品と、
下側フレーム部品と、
前記上側フレーム部品または下側フレーム部品に枢動可能に取り付けられるよう構成された蔓アームと、
を備え、
前記上側フレーム部品および前記下側フレーム部品の一方が、旋回軸シャフトを備え、前記上側フレーム部品および前記下側フレーム部品の他方が、前記旋回軸シャフトを受けるように構成された旋回軸シャフト受領部分を備え、
前記旋回軸シャフトが、上方突起部分および下方突起部分を備え、
前記上方突起部分と前記下方突起部分との一方が、旋回軸シャフト受領部分によって受けられ、旋回軸シャフト受領部分を越えて伸長し、
前記蔓アームが、少なくとも1つのフック状部材を備え、前記フック状部材が、前記旋回軸シャフトに枢動可能に取り付けられるように構成され、前記旋回軸シャフトが、旋回シャフト受領部分を越えて延在する、眼鏡ヒンジアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式眼鏡の分野に関する。より詳しくは、本発明は、取り替え可能な素子を備える眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
世界の人々の多くが、いくつかの形態にある眼鏡を装着する。語句「眼鏡」は、一般的に、レンズが眼の前に装着されるデバイスを意味しており、視力矯正のための眼鏡、太陽光保護のためのサングラスおよび眼保護のための安全グラスを含むがこれらに限定はされない。
【0003】
眼鏡は一般的に、光学的に透明なレンズを支持し、それらを装着者の眼の前方に適切に配置させるためのフレームを備える。眼鏡のフレームは一般的に、少なくともいくつかの以下の構成部材、すなわち、レンズを取り付けるリムと、装着者の耳の上に位置するアームまたは蔓と、2つのレンズ(またはそれらのリム)を一体に接続するブリッジと、を備える。フレームの一部、いつもではないが典型的にはブリッジが、装着者の鼻の上に載置するように構成されている。
【0004】
眼鏡は、純粋な機能的アイテムから、ファッションアクセサリーへと、時が経つにつれて発展してきた。眼鏡のスタイルは、それに応じて、その形状、サイズおよび色に関して発展してきた。最近では、人々はしばしば、異なる状況での使用に合わせるため、異なる衣装に合わせるため、または、単に、趣向を変えるために、2対以上の眼鏡を所持することを望む。しかしながら、眼鏡が高額であることから、多くの人々にとって実用的な選択肢にならない。
【0005】
眼鏡のスタイルを比較的安価に変更可能な1つの方法は、取り替え可能な部品を利用することである。たとえば、特許文献1には、迅速かつ簡単に取り外し、異なる色の同様の部分で置換される蔓アームおよびブリッジを有する眼鏡が記載されている。
【0006】
特許文献2には、たとえば長距離および短距離視力のため、または太陽光からの保護のため、状況の必要性にしたがって、レンズのタイプを変えるための、取り替え可能レンズを有する眼鏡が記載されている。レンズはまた、異なる色またはスタイルの眼鏡フレーム部品と共に使用してもよい。
【0007】
これらの従来技術のシステムは、眼鏡のスタイルおよび色を変化させる能力を提供するが、しかし可能なカスタマイズの程度は制限される。たとえば、ブリッジおよび蔓アームを変化させる能力は、それらの部分のスタイルの変化によって許容される範囲で眼鏡のスタイルを変化させることのみが可能である。
【0008】
さらに、取り替え可能な部品を有する従来技術の眼鏡システムは、とりわけ取り替え可能な部品の連結にて、長期間の使用のためにデザインされた製品に対して望まれるものよりも、弱く、より脆いことがわかってきた。
【0009】
さまざまな眼鏡スタイルが利用可能である場合、製造業者、卸業者および小売業は、要望について行くことが可能なように、各スタイルで十分なストックを維持する必要がある。いくつかのスタイルに人気がない場合、これらのスタイル中のすべてのストックが売れない可能性があり、したがって、廃棄され、無駄が多い。ファッションは、非常に速く移りゆくので、人気のあるスタイルですら、陳腐化の傾向にある。
【0010】
取り替え可能な部品を有する眼鏡を含む、眼鏡を製造する既存の方法は、複雑なツールを必要とし、製品のコストに影響を与える。眼鏡の構成部材を射出成形する場合、成形工程が、スライディングコアまたはスライディングウェッジの利用を必要とする時に、より複雑になり、より高価となる。たとえば、ほとんどの眼鏡フレームは、レンズをフレーム内でしっかりと嵌合することが可能なように、眼ソケットの内部エッジ周辺に溝を必要とする。これらの溝は、複雑なスライディングコアを成形工程において使用することが必要となる。そのようなスライディングコアを持つツールは、より高価であり、スライディングコアなしのツールに比べてより多くの可動部分を有し、これはより摩耗および裂けを受けやすくなることを意味している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7690786号明細書
【特許文献2】国際公開第95/13558号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述した欠点の少なくともいくつかを克服する、眼鏡アセンブリを提供することである。
【0013】
あるいは、上述した欠点の少なくともいくつかを克服する、眼鏡部品を提供することが、目的である。
【0014】
あるいは、有用な選択を公衆に少なくとも提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1実施形態にしたがって、脱着可能部品からなる眼鏡アセンブリが提供され、脱着可能部品は、
少なくとも1つのレンズ部分と、
上側フレーム部品と、
下側フレーム部品であって、前記上側フレーム部品と下側フレーム部品とが、共に前記少なくとも1つのレンズ部分を受けるための少なくとも1つの開口部を画成する、下側フレーム部品と、
前記上側フレーム部品と下側フレーム部品とに取り付けられた2つの蔓アームと、
を備え、
前記脱着可能部品が、それぞれ、対応する部品と取り替え可能である。
【0016】
理解することは、本明細書で記述した本発明の文脈中、「脱着可能」部品が、眼鏡アセンブリから、または眼鏡アセンブリの他の部品から簡単に脱着可能な部品であることである。部品は、ツールを用いてまたは用いずに、その後に再接続可能なように、損傷なしの方法で取り外される。
【0017】
さらに理解することは、脱着可能部品の対応する部品との取り替え可能性が、概して同様の機能を達成するが形状、サイズ、色または任意の他の特徴に関して異なることがある部品と脱着可能部品がメガネアセンブリ内で置換可能であることを意味することである。
【0018】
好ましくは、蔓アームは、上側フレーム部品と下側フレーム部品と脱着可能に、枢動可能に係合する。
【0019】
好ましい実施形態において、眼鏡アセンブリは、第1および第2ヒンジ部材を備え、第1ヒンジ部材は、旋回軸シャフトを備え、第2ヒンジ部材は旋回手段を備える。一実施形態において、上部および下側フレーム部品は共に、第1ヒンジ部材を備え、蔓アームはそれぞれ、第2ヒンジ部材を備える。他の実施形態において、上部および下側フレーム部品は共に、第2ヒンジ部材を備え、蔓アームはそれぞれ第1ヒンジ部材を備える。
【0020】
より好ましくは、旋回手段は、第1ヒンジ部材の旋回軸シャフト回りの第2ヒンジ部材の回転を可能とするように構成された少なくとも1つのフック状部材を備える。
【0021】
好ましくは、旋回軸シャフトは、上方突起部分および下方突起部分を備える。
【0022】
好ましくは、旋回軸シャフトの上方突起部分および下方突起部分は、単一構造物である。
【0023】
好ましくは、上側フレーム部品は、旋回軸シャフトを備える。
【0024】
好ましくは、下側フレーム部品は、旋回軸シャフトの下方突起部分を受けるように構成された旋回軸シャフト受領部分を備え、そのため、旋回軸シャフトは、旋回軸シャフト受領部分から下方に伸長する。
【0025】
好ましくは、上側および下側フレーム部品は、協働するオス型およびメス型部分によって脱着可能に接続する。より好ましくは、協働するオス型およびメス型部分は、旋回軸シャフトと旋回軸シャフト受領部分とを構成してもよい。
【0026】
好ましくは、第2ヒンジ部材は、それぞれ旋回軸シャフトの上方突起部分と下方突起部分と協働するように構成された上側および下側のフック状部材を備える。
【0027】
他の実施形態において、上側フレーム部品および/または下側フレーム部品は、開口部分を備え、各開口部分は、開口部を備える。各蔓アームは、上側フレーム部品と下側フレーム部品にある開口部と脱着可能に、枢動可能に係合する旋回軸シャフトを備える。
【0028】
好ましくは、眼鏡アセンブリは、付勢部分を備え、蔓アームを上側フレーム部品および/または下側フレーム部品に対して少なくとも1つのポジションに付勢させる。一実施形態において、蔓アームは、上側および/または下側フレーム部品に対して、第1ポジションに付勢される。第1ポジションは、「開放」ポジションとして記述されてよく、眼鏡アセンブリが、装着者の顔の上に配置するのに適した構成である。さらに、蔓アームが、上部および/または下側フレーム部品に関して、第2ポジションに付勢されてよい。第2ポジションは、「閉鎖」ポジションとして記述されてよく、眼鏡アセンブリは、折り畳まれた構成であり、装着者の顔の上での配置に適していない。
【0029】
一実施形態において、旋回軸シャフトが、ほぼ四角形の断面部分を備え、それぞれが、ほぼ四角形の開口部によって枢動可能に受けられる。より好ましくは、ほぼ四角形の開口部は、丸まった角部を有する。旋回軸シャフトおよび開口部の他の断面形状は、同様に本発明の範囲内に含まれる。
【0030】
一実施形態において、開口部分は、開口部と開口部分の外側との間にあるスプリットとを備えてもよい。好ましくは、スプリットは、開口部内で旋回軸シャフトが回転すると、開口部分が曲がることを可能とするように構成されている。いくつかの実施形態において、たとえば旋回軸シャフトが回転するにしたがって曲がる物質で開口部分が形成される場合、スプリットは設けられていない。
【0031】
一実施形態において、各蔓アームは、円形部分と四角形状部分とを有する旋回軸シャフトを有する。旋回軸シャフトは、下側フレーム部品の開口部分内にある円形開口部と、上側フレーム部品の開口部分内にある丸角部を有する四角形状開口部と、によって受けられる。当業者によって理解されるように、本実施形態は非限定的であり、本発明の他の実施形態には、眼鏡アセンブリの構成部材中の旋回軸シャフトと開口部の異なる構成が含まれる。
【0032】
好ましくは、上側フレーム部品と下側フレーム部品は、その中心部分にて脱着可能に接続する。上側および下側フレーム部品の中心部分は、眼鏡アセンブリのブリッジ部分を画成する。
【0033】
好ましくは、上側フレーム部品と下側フレーム部品は、協働するオス型およびメス型部分によって、中心部分にて取り外し可能に取り付けられる。
【0034】
一実施形態において、協働するオス型およびメス型部分は、スプリットシャフト接続部を備える。スプリットシャフトおよびスプリットシャフトを受ける開口部は、それぞれ上側フレーム部品と下側フレーム部品とによって構成されてよく、逆もありうる。他の実施形態は、シャフトすなわちオス型取付手段内にスプリットを備えない。たとえば、実施形態は、シャフトを開口部内で脱着可能に受けることを可能とするために曲がる物質を用いる。
【0035】
一実施形態において、眼鏡アセンブリは、装着者の鼻の上に載置するように構成された1以上の鼻載置部分を備える。
【0036】
好ましくは、下側フレーム部品は、1以上の鼻載置部分を備える。たとえば、ブリッジ部分は、1以上の鼻載置部分を備えてもよい。1以上の鼻載置部分は、下側フレーム部品から脱着可能であってよく、またはそれと共に単一構造物であってよい。
【0037】
あるいは、眼鏡アセンブリは、上側フレーム部品に取り外し可能に取り付けられる鼻載置部分を備える。
【0038】
一実施形態において、少なくとも1つのレンズ部分が、2つのレンズを備える。
【0039】
他の実施形態において、少なくとも1つのレンズ部分は、レンズアセンブリを備える。レンズアセンブリは、モノレンズを備えてもよく、またはレンズアセンブリは、サブフレーム内で1以上のレンズを備えてもよい。
【0040】
好ましくは、上側フレーム部品と下側フレーム部品とによって画成された少なくとも1つの開口部は、開口部内で受けられる少なくとも1つのレンズをほぼ全周で囲む。
【0041】
より好ましくは、上側フレーム部品と下側フレーム部品とを共に取り付ける時にのみ、少なくとも1つの開口部を画成する。
【0042】
好ましくは、脱着可能な上側および下側フレーム部品は、眼鏡アセンブリが、異なる形状および/またはサイズの少なくとも1つのレンズ部分を選択的に備えるように、取り替え可能であってよい。
【0043】
本発明の第2様態において、本発明の第1様態における眼鏡アセンブリで使用するように構成された上側フレーム部品を提供する。
【0044】
本発明の第3様態において、本発明の第1様態における眼鏡アセンブリで使用するように構成された下側フレーム部品を提供する。
【0045】
本発明の第4様態において、本発明の第1様態における眼鏡アセンブリで使用するように構成された1以上の蔓アームを提供する。
【0046】
本発明の第5様態において、本発明の第1様態における眼鏡アセンブリで使用するように構成された1以上の鼻載置部分を提供する。
【0047】
本発明の第6様態において、熱消散物質で形成された眼鏡アセンブリの構成部分が提供される。
【0048】
好ましくは、1以上のアームが、少なくとも部分的に熱消散物質で形成される。
【0049】
一実施形態において、蔓アームは、ほぼ全体的に、熱消散物質で形成される。あるいは、蔓アームの一部が、熱消散物質で形成される。たとえば、各蔓アームは、熱消散物質で形成されるインサートを有してもよく、インサートは、好ましくは、装着者の頭の近く、およびそれに面して位置するように構成された側面上に位置する。
【0050】
好ましくは、熱消散物質は、装着者の頭または顔から熱を追い出すのに適した熱伝導性を有する任意の物質である。そのような物質の非限定的な例には、熱消散ポリマーおよび熱消散アルミニウムが含まれる。
【0051】
好ましくは、少なくとも部分的に熱消散物質からなる1以上の蔓アームは、本発明の第1様態における眼鏡アセンブリ中での使用するように構成される。
【0052】
本発明の第7様態において、本発明の第1様態における眼鏡アセンブリを構成するための部品のキットが提供される。
【0053】
本発明の第8様態において、眼鏡アセンブリを製造する方法が提供され、この方法は、
スライディングコアを使用することなく脱着可能部品を射出成形するステップであって、前記脱着可能部品が、
上側フレーム部品、および
下側フレーム部品
を備える、ステップと、
2つの蔓アームを準備するステップであって、
少なくとも1つのレンズ部分を準備するステップであって、前記上側フレーム部品と下側フレーム部品とが共に、少なくとも1つのレンズ部分を受けるための少なくとも1つの開口部を画成する、ステップと、
眼鏡アセンブリを形成するために、脱着可能部品と少なくとも1つのレンズ部分とを共に組み立てるステップと、
を備えるステップと、を備え、
脱着可能部品が、それぞれ対応する部品で取り替え可能である。
【0054】
本発明のさらなる様態は、全てのその新規様態として考慮されるべきであり、本発明の実際の適用の少なくとも1つの例を提供する以下の記載を読むことにおいて、当業者に理解されるようになるであろう。
【0055】
本発明の1以上の実施形態が、以下の図面を参照して、例示によってのみ、そして限定する意図はなく、後述されている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明の実施形態における眼鏡アセンブリを示す図である。
図2】本発明の他の実施形態における眼鏡アセンブリを示す図である。
図3】本発明の実施形態における眼鏡アセンブリを示す部分断面図である。
図4】本発明の実施形態における眼鏡アセンブリの一部を示す図である。
図5図4で示す眼鏡アセンブリを示す部分断面図である。
図6】本発明の実施形態における眼鏡アセンブリの一部を示す図である。
図7】本発明の他の実施形態における眼鏡アセンブリの一部を示す図である。
図8】本発明の実施形態における眼鏡アセンブリを示す図である。
図9】部品を交換した図8に示す眼鏡アセンブリを示す図である。
図10】部品を交換した図8に示す眼鏡アセンブリを示すさらなる図である。
図11】本発明の他の実施形態における眼鏡アセンブリの斜視図である。
図12】本発明の実施形態における、眼鏡ヒンジアセンブリの斜視図である。
図13図12の実施形態における第1ヒンジ部材の一端部を示す平面図である。
図14図12の実施形態における第2ヒンジ部材の一端部を示す断面平面図である。
図15】本発明の他の実施形態における第1ヒンジ部材の一端部を示す平面図である。
図16図11に示す眼鏡アセンブリの分解斜視図である。
図17】本発明の他の実施形態における眼鏡アセンブリを示す正面図である。
図18図17に示す眼鏡アセンブリを示す分解斜視図である。
図19図17に示す眼鏡アセンブリを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、眼鏡アセンブリを形成するために一体に接続するように構成された複数の取り替え可能な部品を備えるモジュール式眼鏡システムを概して対象とする。部品の取り替え可能性は、装着者、製造業者、デザイナー、卸業者および/または小売店が眼鏡の形状、スタイル、大きさまたは色を変えて彼らの要求を満足させることを可能とする。
【0058】
図1および図2は、本発明の異なる実施形態にしたがった眼鏡を図示している。脱着可能かつ取り替え可能な部品の異なるアレンジメントおよび組み合わせが、眼鏡アセンブリを構成する。好ましい実施形態を後述するが、脱着可能かつ取り替え可能な部品の他のアレンジメントおよび組み合わせもまた、本発明の範囲内であることが理解されるべきである。
【0059】
図1は、眼鏡アセンブリ10中の部品のアレンジメントを図示している。アセンブリ10は、上側フレーム部品11、下側フレーム部品12、レンズ13および蔓アーム14を備える。蔓アームのうちの1つのみを図1に示す。アセンブリ10を構成する部品は、すべて簡単に脱着可能であり、対応する部品と取り替え可能であり、この対応する部品は、同様の機能を広く達成し、または同一の目的を果たすが、形状、スタイル、大きさ、色または任意の他の特徴に関しては異なることがある。
【0060】
本発明は、眼鏡アセンブリの構造部品を取り外し可能に取り付ける様式に限定されない。好ましい実施形態を後述するが、他の方法もまた、意図しており、本発明の範囲内であることが、当業者によって理解されるであろう。構造部品は、ツールを用いてまたは用いずに取り外しおよび取り付けられてもよい。ツールの用いずにそのようなことができることにより、利用が簡単になるが、しかしいくつかの場合で、接続部が弱くなることがある。ツールを用いることにより、より強い取り付けが可能になるが、ユーザーが、身近にツールを持ち運ぶ必要があり、製品のコストが増える可能性があり、また簡単に失くしてしまう可能性がある。
【0061】
上側フレーム部品11は、眼鏡アセンブリ10の上側部分を形成し、図1に示す好ましい実施形態において、眼鏡アセンブリ10の前方セクションの幅にわたり、そのいずれかの側面で蔓アーム14に接続する。下側フレーム部品12は、アセンブリ10の下側部分を形成し、また好ましい実施形態において、眼鏡アセンブリ10の前方セクションの幅にわたり、いずれかの側面で蔓アーム14に接続する。他の実施形態は、その上側および下側フレーム部品の異なる構成を備える。
【0062】
上側および下側フレーム部品11および12は、蔓アーム14に隣接するいずれかの端部において、かつ、図1に示す実施形態においてブリッジ部分を一体に形成する中心部分において、それぞれ取り外し可能に取り付けられる。
【0063】
一体に接続した時に、上側および下側フレーム部品11および12は、2つの開口部を画成し、各開口部は、図1に示すようなレンズ13を受けるように構成されている。上側および下側フレーム部品11および12は、それらの湾曲セクションの内側に溝部を備えてもよく、その溝部は、レンズ13がフレームアセンブリで所定位置にしっかりと保持されるように、レンズ13の縁部を受ける。
【0064】
図1に示す実施形態において、上側および下側フレーム部品11および12は、全体的にレンズ13を取り囲む。しかしながら、他の実施形態において、レンズ13は、たとえば眼鏡により「縁のない」スタイルを与えるように、全周で取り囲まれなくてよい。すなわち、レンズ13の縁部は、視認可能であり、上側および下側フレーム部品11および12によって受けられなくてもよい。
【0065】
図1に示す実施形態において、上側および下側フレーム部品11および12を取り付ける時にのみ、2つの開口部を画成する、すなわち、別々に上側および下側フレーム部品11および12のみが開口部の一部分を画成する。他の実施形態において、上側フレーム部品または下側フレーム部品が、それ自身でレンズを受けるように構成された1以上の開口部を画成してもよい。たとえば、下側フレーム部品は、リム間にブリッジ部分がある、レンズを囲む2つのリムを備えてもよい。この下側フレーム部品は、上側フレーム部品に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0066】
上述したものを含む、構造部品の多くのアレンジメントが本発明の範囲内に含まれることが当業者によって理解されるであろう。これらの実施形態で説明した部品の異なる組み合わせを、スタイル、形状およびサイズにおける多くのバラエティーを提供するために使用してもよい。
【0067】
図1に示す実施形態において、上側フレーム部品11と下側フレーム部品12とは、蔓アーム14に取り外し可能に取り付けられる。他の実施形態において、上側フレーム部品のみが蔓アームに取り付けられ、また他の実施形態において、下側フレーム部品のみが蔓アームに取り付けられる。眼鏡アセンブリ10中でのように、上側フレーム部品および下側フレーム部品両方を蔓アームに取り付けることが、アセンブリの強度を増加させることがわかってきた。好ましいが限定的ではない、蔓アームを上側および/または下側フレーム部品に取り付ける方法を以下で詳述する。
【0068】
図1に示す実施形態において、下側フレーム部品12は、装着者の鼻の上に載置するように構成された鼻載置部分15を備える。鼻載置部分15は、下側フレーム部品12との単一構造物である。他の実施形態において、鼻載置部分15は、下側フレーム部品12に脱着可能に取り付けられてもよく、装着者が自身の要求にしたがって、これらの構成部材を調整することを可能とするために、他の鼻載置部分と取り替え可能であってよい。たとえば、異なる形状または大きさの鼻は、異なる大きさまたは配置の鼻載置部分を必要としてもよい。また他の実施形態において、上側フレーム部品が、鼻載置部分を備えてもよい。
【0069】
図2は、本発明の他の実施形態における、眼鏡アセンブリ20中の部品のアレンジメントを図示している。眼鏡アセンブリ20は、右および左レンズフレーム21と、ブリッジ部分22と、右および左レンズ23と、蔓アーム24と、を備える。同様に、1つの蔓アーム24のみが図2で示されている。眼鏡アセンブリ20の各構成部品は、他の構成部品に取り外し可能に取り付けられ、各部品は、装着者が、形状、サイズ、スタイルおよび色に関して、自身の要求にしたがって眼鏡を調整することを可能とするために、対応する部品で取り替え可能である。
【0070】
図3は、本発明の実施形態における眼鏡アセンブリ30中、上側フレーム部品を下側フレーム部品に取り外し可能に取り付ける1つの様式を示している部分断面図である。ブリッジ部分と、レンズ、上側および下側フレーム部品31および32の一部と、のみを図3に示す。
【0071】
図3において、上側フレーム部品31と下側フレーム部品32とは、オス型−メス型接続手段、この実施形態では、スプリットシャフト接続を用いて接続される。上側フレーム部品31は、スプリットシャフト33を備え、下側フレーム部品32は、スプリットシャフト33を受けるように構成された開口部34を備える。スプリットシャフト33は、開口部34を通過するために曲がることを可能とする垂直スリットによって分離される2つの部分を備えてもよい。他の実施形態において、柔軟性のある物質を使用し、それによってスリットが必要でなくてよい。また、スリットシャフトは、フレーム部品間の取り付けを確実にするために、一端部に近接する小さなフランジを有してもよい。他の実施形態において、下側フレーム部品は、スリットシャフトを備え、上側フレーム部品は、スリットシャフトを受けるための開口部を備える。このスリットシャフト接続により、上側および下側フレーム部品間でしっかりとしているが脱着可能な様式である接続が提供される。
【0072】
本明細書で説明したすべての取り外し可能な取り付けのように、オス型およびメス型部品を有する他の接続を含む他の取り付け方法が想定され、本発明の範囲内に含まれることが理解されるであろう。
【0073】
図4および図5は、眼鏡アセンブリ40内で蔓アーム41を取り外し可能に取り付ける1つの様式を図示している。蔓アーム41は、上側フレーム部品42および/または下側フレーム部品43に、取り外し可能にかつ枢動可能に取り付けられている。図4および図5で示した好ましい実施形態において、眼鏡アセンブリ40の強度を増加することがわかるので、蔓アーム41は、上側フレーム部品42と下側フレーム部品43との両方に取り付けられる。上述のように、他の実施形態において、蔓アームは、上側または下側フレーム部品の1つのみに接続される。
【0074】
蔓アーム41は、取り替え可能であり、すなわち、蔓アームは、損傷なく眼鏡アセンブリ40から取り外され、同様に眼鏡アセンブリ40の残りの部分に取り付けるように構成された対応する蔓アームに再度取り付けられるまたは置換されるように構成される。このことにより、眼鏡装着者が、たとえば形状、スタイル、サイズまたは色を変えることによって、自身の要求を満足させるために、蔓アームを調節することが可能となる。特に、異なる角度にて眼鏡が装着されることを引き起こす蔓アームが、異なる人々が、異なる耳および鼻の相対的ポジションを有するので、しばしば要求されるように、選択可能である。
【0075】
図4および図5で示した実施形態の以下の記載には、旋回軸シャフトと開口部との接続とが説明されており、蔓アームは、旋回軸シャフトを備え、上側および下側フレーム部品は、開口部分を構成する。このアレンジメントのヒンジ部材が、交換可能である、すなわち蔓アームは、開口部分を備えてもよく、上側および下側フレーム部品は、旋回軸シャフトを備えてもよく、両方のアレンジメントが本発明の範囲内に含まれることが理解されるであろう。図4および5図の実施形態は、非限定的な例の方法としてのみ説明される。さらに、蔓アームを、眼鏡フレーム部品に脱着可能にかつ枢動可能に係合させる他の方法も、本発明の範囲内に含まれる。
【0076】
図4および図5の実施形態において、蔓アーム41はそれぞれ、旋回軸シャフト44を備え、上側フレーム部品42と下側フレーム部品43とはそれぞれ、各端部において、開口部分45および46を備える。開口部分45および46は、旋回軸シャフト44を受けるように構成された開口部を有する平坦部分を備える。旋回軸シャフト44を開口部分45および46中の開口部内に挿入するときに、蔓アーム41は、上側部および下側フレーム部品42および43に関して旋回可能である。
【0077】
旋回軸シャフト44は、スリット47により分けられる2つの部分を備え、このスリットは、旋回軸シャフト44の開口部内への挿入をより簡単にし、それを係合解除することもより簡単にする。蔓アーム41は、上側および/または下側フレーム部品から簡単に係合解除されることを防止するために、一端部近くに小さなフランジを有してもよい。
【0078】
蔓アームは、上側および下側フレーム部品に関して、第1ポジションに付勢されてよい。この第1ポジションは、眼鏡が「開放」構成にある時であり、装着者の頭に配置するために好適である。蔓アームは、さらにまたはあるいは、上側および下側フレーム部品に関して第2ポジションに付勢されてよい。この第2ポジションは、眼鏡が「閉鎖」または折り畳み構成の時であり、蔓アームは、上側および下側フレーム部品に隣接して配置される。眼鏡アセンブリは、本目的のために付勢手段を備える。
【0079】
この付勢が達成されうる様式の1つの例を、図4および図5で図示する。旋回軸シャフト44は、円形断面を有する第1旋回軸シャフト48と、ほぼ四角形状断面を有する第2旋回軸シャフト49と、を有する。上側および下側フレーム部品の開口部分にある開口部は、対応して形付けられている。開口部分45は、ほぼ四角形状断面を有する開口部を有し、開口部分46は、円形断面を有する開口部を有する。
【0080】
図6および図7は、それぞれ開口部分45および46を図示しており、上記開口部を示す。
【0081】
蔓アーム41を開口部内に挿入すると、旋回軸シャフト位置は、図5に示すように、対応して形付けられた形状で受けられる。旋回軸シャフトの四角形状部分のために、蔓アーム41は、それぞれからほぼ90°の角度だけ分離して2つのポジションに対して付勢されており、これら2つのポジションは、開放および閉鎖構成に対応する。
【0082】
開口部分45は好ましくは、開口部分50が、そこで四角形状旋回軸シャフト部分49の回転に際してわずかに曲がることを可能とするためのスリット50を備える。さらに、開口部分45中のほぼ四角形状の開口部は、蔓アーム41の旋回運動を容易にするためにわずかに丸みを帯びた角部を有してもよい。
【0083】
開口部分46は、開口部内への旋回軸シャフトの挿入を簡単にするために、図7で示したように、角度を持った隙間を持つ円形開口部を有してもよい。
【0084】
他の実施形態は、蔓アームと眼鏡アセンブリフレームとの間の旋回運動を可能にする別のアレンジメントを含む。たとえば、四角および円形状の開口部は、逆に構成されてもよく、旋回軸シャフトの対応する部分は、対応して構成されている。他の実施形態において、当業者によって理解されるように、円形断面のみが使用され、他の偏向手段が使用される。またさらなる実施形態において、蔓アームは、図示のように、下方向の代わりに、上方向に伸長している旋回軸シャフトを有する。
【0085】
旋回軸シャフトと開口部の他の形状の断面がまた、本発明の範囲内に含まれ、上述したものは、単に例示のために提供される。
【0086】
いくつかの実施形態において、フレーム部品、たとえば上側および下側フレーム部品の取り替えによって、眼鏡アセンブリが、選択的に異なる形状および/またはサイズを有するレンズを受けるように構成することが可能となる。たとえば、一実施形態において、眼鏡は、上側および下側フレーム部品によって受けられる円形レンズからなる。上側および/または下側フレーム部品を、1つの異なる形状で取り替えることによって、眼鏡のフレームが、楕円非円形レンズ、たとえば「飛行士」スタイルのレンズを受けるために好適であるように構成されてもよい。
【0087】
図8図9および図10は、異なる形状およびスタイルを有するが、共通の構造部分からなる眼鏡80、90および100を図示しており、それによって本発明の一実施形態にしたがって、1以上の部品を取り替えることによって、他に取り替えることが可能である。眼鏡80、90および100は、同一の下側フレーム部品とレンズとを有するが、上側フレーム部品と蔓アームとは、交換されている。
【0088】
図示のように、そのような眼鏡アセンブリと適切な取り替え可能な部品を用いて、眼鏡の形状およびスタイルを、迅速かつ簡単に、大きく変更できる。消費者は、この方法で眼鏡を変更することが可能とするために、一組の眼鏡と、4組の置換部品(2つのさらなる上側フレーム部品と2つのさらなる下側フレーム部品)を買う必要があるだけである。これは、9つの別々の眼鏡を買うことに比べたら、消費者にとってより安価である。また、本実施例において、異なる蔓アームを、異なる上側フレーム部品と使用可能であるので、より柔軟性が許容される。
【0089】
比較的少ない取り替え可能部品を購入する必要があるだけで、眼鏡のスタイルおよび形状において多数の置換が可能になることが分かる。さらに、小売店は、要望にしたがって店で保持している各スタイルまたは形状の多数の部品をより効率的に管理でき、したがって廃棄の量を減らすことができる。
【0090】
本発明の一実施形態において、眼鏡アセンブリフレーム、その部品および/または蔓アームは、熱消散物質からなる。熱消散物質は、冷えたままにすることを補助するために、装着者の皮膚から熱を追い出すように構成されている。好ましくは、装着者の皮膚に近接する眼鏡アセンブリの部品が、熱消散物質からなる。
【0091】
好ましい実施形態において、蔓アームは、熱消散物質からなる。あるいは、蔓アームの内側面上の挿入部分のような、蔓アームの一部が、熱消散物質からなる。
【0092】
そのような方法での使用のために好適な熱消散物質の非限定的な例は、熱消散ポリマーおよび熱消散アルミニウムである。
【0093】
図11は、本発明の他の実施形態にしたがった眼鏡アセンブリ110を示す斜視図である。アセンブリ110は、フレーム111および蔓アーム112、113(図11にて開放構成中で示している)を備える。フレーム111は、眼レンズを受けるように構成されたレンズ受領部分を備える。
【0094】
蔓アーム112、113は、ヒンジアセンブリまたは接続部114、115を用いてフレーム111に枢動可能に接続される。ヒンジ接続部114、115は、フレーム111に対する蔓アーム112、113の回転運動を可能とする。図11において、蔓アーム112、113は、開放または展開位置で示されており、装着者の顔の上に配置可能である。閉鎖位置へ折り畳まれる時、眼鏡アセンブリは、保存のためにコンパクトになる。蔓アーム112、113の移動の極限は、完全な開放および閉鎖位置である。完全な開放および閉鎖位置は、移動リミッターを介して定義されてよい。たとえば、いくつかの実施形態において、蔓アームは、フレーム111と接触するようになる程度まで閉じられ、完全な閉鎖位置を定義する。他の実施形態において、ヒンジ接続部114、115は、完全な開放および/または閉鎖位置を定義するために、回転制限部分を備え、その例を後述する。
【0095】
蔓アーム112、113は、フレーム111に脱着可能に連結する。蔓アームが脱着可能であることにより、それらを、他の蔓アームと取り替えることが可能となり、それによって、眼鏡のスタイル、色および/または形状を、使用者の要求に適合するように改変可能である。フレーム111またはその部分をまた、同様の構成部材で取り替えてもよい。
【0096】
図11に示す実施形態において、蔓アーム112、113は、通常の使用において、すなわち、過剰でおそらく損傷を与える力がない使用において、接続解除するのが難しく、したがって通常の使用の間は、しっかりと接続される。各蔓アームは、フレーム111の方向で各アームを変形させることによって、フレーム111から接続解除してもよい。そのような方法で蔓アームを曲げることによって、以下で詳述するように、ヒンジアセンブリの部品が再配置され、それによって蔓アームおよびフレームが比較的簡単に別々にスライド可能である。一対の眼鏡の通常の利用の間、蔓アームは、そのような方法で変形可能ではなく、したがって、蔓アームは、通常の利用の間、離れ落ちる可能性はない。
【0097】
他の実施形態において、フレーム111は、蔓アームを受け入れるまたは接続解除するために変形可能であってよい。
【0098】
図11に示す好ましい実施形態において、フレーム111は、上側フレーム部品116と下側フレーム部品117とを備える。上側フレーム部品116は、下側フレーム部品117に脱着可能に接続される。一実施形態において、上側および下側フレーム部品は、協動するオス型およびメス型の摩擦嵌合手段によって接続される。他の実施形態において、上側および下側フレーム部品を脱着可能に接続する他の手段を使用し、本発明はそれに限定されないことが理解されるであろう。上側および下側フレーム部品は、好ましくは脱着可能に接続され、それによってそれらを分離するために合理的な力が必要であり、すなわち利用者は、それらを引き離すことが可能であるが、通常の利用の間は意図せずに接続解除されない。
【0099】
図12は、本発明の実施形態における眼鏡ヒンジアセンブリ120を示す斜視図である。ヒンジアセンブリ120は、第1ヒンジ部材121と、第2ヒンジ部材122と、を備え、ヒンジ部材は、枢動可能に協働するように構成される。図12に示す好ましい実施形態において、眼鏡のレンズ受領部分は、第1ヒンジ部材121を備え、眼鏡の蔓アームは、第2ヒンジ部材122を備える。しかしながら、他の実施形態において、眼鏡のレンズ受領部分は、第2ヒンジ部材122を備え、蔓アームは、第1ヒンジ部材121を備える。本発明の実施形態は、眼鏡構成部材がどのヒンジアセンブリの協働構造を備えるかに依存しない。
【0100】
図12の好ましい実施形態において、レンズ受領部分は、眼鏡の前面を作りあげ、蔓アームの部分は、前面を構成しない。これは、いくつかの場合で好ましい可能性がある。しかしながら、特定の環境で、蔓アームの一端部が、眼鏡の前面の一部を構成することが望ましいことがある。これらの環境において、眼鏡のレンズ受領部分は、第2ヒンジ部材122を備えてもよく、蔓アームは、第1ヒンジ部材121を備えてもよい。
【0101】
本発明の原理が、さまざまな方法で実施されてよいことが、当業者によって理解されるであろう。本明細書で説明した実施形態は、本発明を限定しない。たとえば、図示した実施形態の種々の様態を変更することによって、眼鏡の異なるスタイル、形状および構成を提供される。
【0102】
第1ヒンジ部材
図12図12に示す第1ヒンジ部材の一端部の平面図である図13とを参照しながら第1ヒンジ部材121を説明する。図示した端部は、第2ヒンジ部材と協働する端部である。
【0103】
第1ヒンジ部材121は、旋回軸シャフト123を備える。旋回軸シャフト123は、第1ヒンジ部材121の一端部から伸長するリム124から、それぞれ上方および下方に伸長する、上方および下方伸長部分を備える。旋回軸シャフト123は、リム124に関して中心に位置する。旋回軸シャフト123と第1ヒンジ部材121からのリム124の伸長部分によって画成された回転壁部分125との間には、十分な幅があり、(後述する)第2ヒンジ部材のフック状部材は、旋回軸シャフトと係合することが可能であり、第1ヒンジ部材に対して第2ヒンジ部材の回転を可能とする。
【0104】
旋回軸シャフトは、図12および図13で示した旋回軸シャフト123の上方伸長部分中のノッチ126のような少なくとも1つのノッチまたは波形部(scallop)を含んでよい。同様の大きさおよび配置のノッチがまた、下方伸長部分にて提供される。ノッチ126は、円弧の形状を持つ。図13で示す実施形態の場合、円は、旋回軸シャフト123の半径よりもわずかに大きな半径を有する。他の実施形態は、異なるサイズおよび形状のノッチを備えてもよい。
【0105】
ノッチ126は、回転壁部分125に面した旋回軸シャフト123の表面上に位置する。ノッチの実際の位置は、第2ヒンジ部材が、第1ヒンジ部材から係合解除するために必要な角度で、したがって、それによって蔓アームおよびレンズ受領部分を係合解除できる簡便さで変化してもよい。図13で示す実施形態において、ノッチ126を画成する円弧の端部間で引いた線は、第1ヒンジ部材121の直線縁部に平行な線に対して58°の角を画成する。
【0106】
第1ヒンジ部材121は、少なくとも1つのノッチ、たとえばリム124の外縁部にあるノッチ127および128を備える。ノッチ127および128は、後述するように、第2ヒンジ部材上の突起と共に協働するように構成されている。ノッチ127と128は好ましくはV型であるが、しかし他の実施形態では異なって成形されてもよい。ノッチは、ノッチの外に第2ヒンジ部材の突起を動かすのに少量の力が必要なように、十分に浅い。
【0107】
第1ヒンジ部材121は、蔓アームが完全に開放ポジションである時に、第2ヒンジ部材の回転制限部分に当接するように構成された表面または壁部分129を備える。
【0108】
第2ヒンジ部材
図12図12中で図示した第2ヒンジ部材の一端部の断面平面図である図14とを参照しながら第2ヒンジ部材122を説明する。図示した端部は、第1ヒンジ部材と協働する端部である。
【0109】
第2ヒンジ部材122は、第1ヒンジ部材の旋回軸シャフトに関して旋回するように構成された旋回手段である。たとえば、第2ヒンジ部材122は少なくとも1つのフック状部材141を備える。図示した実施形態は、それぞれ、旋回軸シャフトの上方および下方突起部分と協働する、上側および下側フック状部材を備える。上側および下側フック状部材間において、第1ヒンジ部材121のリム124を受けるように構成されたチャネルが画成されており、フック状部材間でその回転を可能とする。
【0110】
フック状部材141は、旋回軸シャフト123と協働するように構成されており、第1ヒンジ部材に対して、第2ヒンジ部材の回転を可能とする厚さを有する。フック状部材141の内部で画成された部分円の半径は、旋回軸シャフト123の半径とほぼ同様である。好ましい実施形態において、フック状部材141内部で画成された部分円の半径は、蔓アームが過剰に緩くならないように、第1および第2ヒンジ部材が、合理的な量の摩擦で、互いに対して回転するために、旋回軸シャフト123の半径よりもわずかに小さい。当業者は、相対的寸法が、使用者の要求を満足させるために変化可能であることを理解するであろう。
【0111】
フック状部材141は、バンプ142中で終端する直線セクション143を備える。図14に示す実施形態において、直線セクション143は、第2ヒンジ部材の縦軸に関して18°の角度を画成する。この角度は、後述するように、他の実施形態で変化してもよい。
【0112】
第2ヒンジ部材122は、第1および第2ヒンジ部材間で回転する可能性がある程度を制限するための回転制限部分を備える。好ましい実施形態において、回転制限部分は、フレームに対して、蔓アームの完全な開放ポジションを定義する。そのような実施形態において、完全に閉鎖したポジションは一般的に、蔓アームのフレームとの接触によって定義される。他の実施形態は、完全に閉鎖したポジションを定義する、さらなる回転制限部分を備えてもよい。図14に示す実施形態において、フック状部材141の後部で、平坦な側面を画成するショルダー144が提供される。完全な開放ポジションにおいて、ショルダー144は、蔓アームの回転を制限するために、第1ヒンジ部材121の壁部分129に当接するように構成される。
【0113】
第2ヒンジ部材122は、第1ヒンジ部材121のノッチ127、128と協働するように構成された突起145を備える。突起145は、それとの協働のために、ノッチ127および128の形状およびサイズと同様に成形されかつサイズ付けされる。図示した実施形態において、突起145は、舌部146の端部において、またはその周辺において、上側および下側フック状部材間に位置する舌部146の内側面上に位置する。
【0114】
ヒンジ部材の動作
上述した実施形態において示した第1および第2ヒンジ部材を接続するために、第2ヒンジ部材の上側および下側フック状部材を、それぞれ旋回軸シャフト123の上方および下方に伸長している部分と係合接触させる。旋回軸シャフトのノッチ、たとえばノッチ126は、フック状部材141の端部の一部を受けるように位置する。フック状部材が旋回軸シャフト123の周囲に完全に引っ掛かるように、第1および第2部材を、たとえば第1ヒンジ部材の方向で、第2ヒンジ部材の中間セクションに力を付与することによって、変形させる。変形は、第2ヒンジ部材の一部が、ヒンジアセンブリが閉じた時に、通常の方向を越える方向に強要されることを意味する。これは、旋回軸シャフト123およびノッチ126に対するフック状部材141と直線セクション143との角度を変える効果を有する。角度におけるこの変化は、旋回軸シャフト123が、直線セクション143と平行にスライドし、完全にフック状部材141と協働することを可能とする。フック状部材141の長さと、ノッチ126の位置は、この形式の係合を可能とするために決定される。
【0115】
変動パラメータ
必要であろうように、種々のパラメータにおける変化が、第1および第2ヒンジ部材のより簡単なまたはより困難な係合/係合解除を可能とすることが理解されるであろう。たとえば、フック状部材141の程度が、フック状部材が旋回軸シャフトと係合しかつ係合解除できる容易さに影響を与える。
【0116】
さらに、第2ヒンジ部材の縦軸に対する直線セクション143の角度は、フック状部材141と係合するために旋回軸シャフト143が直線セクション143と平行にスライドしなければならないので、第1ヒンジ部材が第2ヒンジ部材に接続可能である角度を決定する。第2ヒンジ部材の縦軸に対する直線セクション143のより大きな角度は、第2ヒンジ部材のさらなる変形が、ヒンジ部材の係合/係合解除のために必要であり、したがって接続をより強固にし、接続または接続解除がより困難になることを意味する。
【0117】
同様に、旋回軸シャフト123のノッチ126の位置がまた、ヒンジ部材を接続するおよび接続解除するための困難さの程度を決定する。図15は、本発明の実施形態における第1ヒンジ部材150の一端部の平面図である。ノッチ156が、図13で示した第1ヒンジ部材121上のノッチ126の位置と比較した時に、第1ヒンジ部材150の先端部にさらに向かって位置する(図15は、図13にて示した端部に対する眼鏡フレームの他端部を図示しており、したがって、構成部材は反転される)。すなわち、ノッチ156の端部に接続している線と第1ヒンジ部材150の直線縁部に平行な線との間の角度は、ヒンジ部材121に対する等価角度よりも小さい。
【0118】
上述のように、第1ヒンジ部材121は2つのノッチ127、128を備え、第2ヒンジ部材141は突起145を備える。これらは、対応したサイズ付けおよび形付けがされており、蔓アームが完全な開放または閉鎖ポジションに付勢するような位置で、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とを付勢するために協働する。ノッチ127、128および/または突起145の位置は、蔓アームの所望の完全な開放/閉鎖ポジションに応じて変わってよい。ノッチのサイズおよび形状が、付勢の程度と、蔓アームを、完全な開放または閉鎖ポジションから移動させるために必要な力の量を決定し、必要に応じて変更可能であることも理解されるであろう。
【0119】
他の実施形態において、第1ヒンジ部材は、突起を備えてもよく、第2ヒンジ部材は、上述のように、蔓アームの位置を付勢するためにノッチを含んでよい。当業者は、本発明が、第1および第2ヒンジ部材の構成部材を取り替える変化を包含していることを理解するであろう。
【0120】
上側および下側フレーム部品
図11に関連して説明したように、好ましい実施形態において、眼鏡アセンブリのフレームは、上側および下側フレーム部品を備える。そのような実施形態は、本明細書で、本発明の一実施形態にしたがった、フレーム160の分解斜視図である、図16に関連して、より詳細に説明される。
【0121】
フレーム160は、脱着可能に接続可能な上側フレーム部品161および下側フレーム部品162を備える。たとえば、フレーム部品は、対応するメス型部分164と協働するオス型部分163を用いて脱着可能に接続可能である。他の実施形態において、当業者に理解されるような、上側および下側フレーム部品を脱着可能に接続する他の方法が提供される。
【0122】
フレーム160は、図16に示す実施形態において、上方および下方伸長部分を備える旋回軸シャフト165を備える。旋回軸シャフト165は、好ましくは、上側フレーム部品161との単一構造物である。上方および下方伸長部分は、リム166の外に伸長し、下方伸長部分のうち下側フレーム部品のリム168の穴167を通して位置付けたときにリム168から伸長する長さは、上方伸長部分がリム166から伸長するのとほぼ同一の量である。上側および下側フレームを接続すると、リム166および168は、縁部を位置合わせした状態で隣接して配置される。
【0123】
フレームが上側および下側部品を備える実施形態は、上述した実施形態に限定されないことが理解されるであろう。いくかの実施形態において、下側フレーム部品が旋回軸シャフトを備え、上側フレーム部品が旋回軸シャフトを受けるための穴を有するリム部分を備える。また他の実施形態において、上側および下側フレーム部品両方が、旋回軸シャフトの部品を備える。
【0124】
旋回軸シャフトを受けるフレーム部品のリムの穴を通した旋回軸シャフトの摩擦嵌合が上側および下側フレーム部品の接続を確保するために加わるので、上側または下側フレーム部品のいずれかが旋回軸シャフトを備える実施形態が一般的に好まれる。
【0125】
取り替え可能部品を有する眼鏡に関して使用する時に、上側フレーム部品をより頻繁に変更すると考えられるので、上側フレーム部品が旋回軸シャフトを備える図16に示す実施形態がより好まれる。したがって、最も磨耗しにくい構成部材を備える下側フレーム部品を有することが好都合である。オス型部材と旋回軸シャフトとが使用を通して不格好になりやすく、そしておそらくボキッと折れることに対して弱いので、これらは上側フレーム部品中に備えられることが好ましい。
【0126】
レンズ
上述した本発明の実施形態において、眼鏡アセンブリは、2つの別々のレンズを受けるように構成される。他の実施形態において、眼鏡アセンブリは、単一のレンズアセンブリを備えるレンズ部分を受けるように構成されてもよい。たとえば、レンズアセンブリは、眼鏡アセンブリの前面幅に広がる単一の透明レンズ素子を備えるモノレンズの形態をとってよい。
【0127】
図17図19は、本発明の他の実施形態における眼鏡アセンブリ170を示す図である。眼鏡アセンブリ170は、それぞれ上側および下側フレーム部品171および172と、上記他の実施形態に関して上述したものと同様の蔓アーム173と、を備える。
【0128】
眼鏡アセンブリ170は、レンズアセンブリ174をさらに備える。レンズアセンブリ174は、サブフレーム176内に位置する1以上のレンズ175を備える。サブフレーム176は、好ましくは、レンズ175を受領可能な、ステンレススチールのような薄く、軽量の物質からなる。レンズ175は、サブフレーム176内で圧入してもよい。他の実施形態において、単一のモノレンズは、サブフレーム内で嵌合してもよい。
【0129】
図17図19に示す実施形態において、上側および下側フレーム部品171および172は、サブフレーム176を受けるように構成されている。上側および下側フレーム部品の形状および構造が使用すべきサブフレームの型および形状に応じて変化可能であることが、当業者に明らかであろう。
【0130】
図19は、図17にてマークしたA−A断面図である。図示のように、レンズ175は、サブフレーム176を受けるための溝を有し、このため、サブフレーム176は、レンズ175の上側および下側縁部の裏に向けて位置付けられる。上側および下側フレーム部品171および172は、この構造を有するレンズとサブフレームとを受けるように成形される。有利には、上側および下側フレーム部品171および172は、眼鏡アセンブリ170を組み立てると、サブフレーム176が眼鏡アセンブリの正面から見えないように配置される。これは、デザインの好みとして望ましい可能性がある。しかしながら、他の実施形態において、サブフレーム176は、特定のデザインのために要求されるように見えるように作製されてよい。
【0131】
上側および下側フレーム部品171および172を一体に接続する時に、サブフレーム176内の位置で、1以上のレンズ175を維持することをこれらは補助しうる。
【0132】
図18に示すように、レンズアセンブリ174は、2つのレンズ175を接続するブリッジ部分177を備える。ブリッジ部分177は、レンズ175またはサブフレーム176のいずれかと一体的に形成される。上側および下側フレーム部品171および172は、ブリッジ部分177が、上側および下側フレーム部品のブリッジ接続部分間に収容されるような方法で、眼鏡アセンブリのものであるブリッジにおいて接続する。同様に、レンズアセンブリのブリッジ部分177が見えるかどうかは、デザイナーの決定事項である。
【0133】
上述したようなサブフレームの利用により、特定の利点が提供されうる。フレーム部品を取り替えると、レンズは、サブフレーム内に残ってよく、これは、別々のレンズを有する眼鏡と比較して、分解され、一体に戻される部品がより少ないことを意味する。また、サブフレームは、眼鏡の強度を増加させる。サブフレームの利用または、異なるデザインバリエーションに対してより広い範囲を提供し、眼鏡の多用途性を増加させる。
【0134】
射出成形工程
本発明の好ましい実施形態において、上側および下側フレーム部品と蔓アームとは、公知の技術にしたがって射出成形される。本発明にしたがった眼鏡構成部材は、好ましくは射出成形工程中スライディングコアまたはスライディングウェッジの利用を必要とする任意のアンダーカット、閉鎖ループまたはスリットを含まない。好ましい実施形態において、スライディングコアが、射出成形工程中で必要とされないように特にデザインされる。
【0135】
これは、とりわけ脱着可能な上側および下側フレーム部品を有する眼鏡の脱着可能なデザインによって可能となる。上側および下側フレーム部品間の連結は、レンズリムの曲線に沿って、スライディングコアを必要としないように配置してもよい。結果として、本発明にしたがった眼鏡に対する構成部材素子の成形は、比較的単純であり、デザイン、ツールおよび産出のコストがより低い。
【0136】
文脈が他に明確に要求しない限り、記述および請求項のいたるところで、語句「備える(comprise)」、「備える(comprising)」などは、除外または網羅的意味と反対の、含有的意味にて構成されるべきであり、すなわち、「有するが、それらに限定はされ得ない」の意味である。
【0137】
以上および以下で参照したすべての明細書、特許および刊行物のすべての開示物が、必要に応じて、参考として本明細書に組み込まれている。
【0138】
本明細書中の任意の先行技術に対する参照は、先行技術が、世界中の任意の国で、試みの領域での、共通で一般的な知識の一部を形成するという知識、または任意の形態の提案ではなく、そうとられるべきではない。
【0139】
本発明はまた、2以上の部分、素子または特徴の任意の、またはすべての組み合わせにて、個々にまたは集合として、本明細書を参照し、または本明細書内で示唆された、部分、素子および特徴に存すると広くいわれてよい。
【0140】
上述の参照は、その公知の均等物を有する完全体または構成部材素子に対して行われてきており、それらの完全体は、あたかも個々に説明するように、本明細書に組み込まれている。
【0141】
本明細書で記載した好ましい実施形態に対する種々の変化および改変が、当業者に理解されるであろうことに留意すべきである。そのような変化および改変は、本発明の意図および範囲を逸脱しないで、またその付随する利益を減少させることなく、実施されてよい。したがって、そのような変化および改変が、本発明内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19