【実施例】
【0133】
A.実施例
略語および頭字語:
【0134】
【数1】
【0135】
【数2】
HPLCおよびLC−MS法:
方法1(LC−MS):
機器:Waters Acquity SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50mm×1mm;移動相A:1lの水+0.25mlの99%強度のギ酸,移動相B:1lのアセトニトリル+0.25mlの99%強度のギ酸;勾配:0.0分 90%A→1.2分 5%A→2.0分 5%A;流速:0.40ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210〜400nm。
【0136】
方法2(LC−MS):
機器:Waters UPLC Acquityを備えたMicromass QuattroPremier;カラム:Thermo Hypersil GOLD 1.9μ 50mm×1mm;移動相A:1lの水+0.5mlの50%強度のギ酸,移動相B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%強度のギ酸;勾配:0.0分 90%A→0.1分 90%A→1.5分 10%A→2.2分 10%A;流速:0.33ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0137】
方法3(LC−MS):
機器:HPLC Agilent Serie 1100を備えたMicromass Quattro Micro MS;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;移動相A:1lの水+0.5mlの50%強度のギ酸,移動相B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%強度のギ酸;勾配:0.0分 100%A→3.0分 10%A→4.0分 10%A→4.01分 100%A(流速2.5ml/分)→5.00分 100%A;オーブン:50℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
【0138】
方法4(LC−MS):
MS機器の型:Micromass ZQ;HPLC機器の型:HP 1100シリーズ;UV DAD;カラム:Phenomenex Gemini 3μ 30mm×3.00mm;移動相A:1lの水+0.5mlの50%強度のギ酸,移動相B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%強度のギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0139】
方法5(HPLC):
機器:HP 1090 Serie II;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e,50mm×4.6mm;プレカラム:Merck Chromolith Guard Cartridge Kit RP−18e,5mm×4.6mm;インジェクション容量:5μl;移動相A:70%HClO
4含有水(4ml/リットル),移動相B:アセトニトリル;勾配:0.00分 20%B→0.50分 20%B→3.00分 90%B→3.50分 90%B→3.51分 20%B→4.00分 20%B;流速:5ml/分;カラム温度:40℃。
【0140】
方法6(HPLC):
機器:DAD 996を備えたWaters 2695;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e,50mm×4.6mm;プレカラム:Merck Chromolith Guard Cartridge Kit RP−18e,5mm×4.6mm;移動相A:70%HClO
4含有水(4ml/リットル),移動相B:アセトニトリル;勾配:0.00分 5%B→0.50分 5%B→3.00分 95%B→4.00分 95%B;流速:5ml/分。
【0141】
方法7(LC−MS):
MS機器の型:Waters ZQ;HPLC機器の型:Agilent 1100シリーズ;UV DAD;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;移動相A:1lの水+0.5mlの50%強度のギ酸,移動相B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%強度のギ酸;勾配:0.0分 100%A→3.0分 10%A→4.0分 10%A→4.1分 100%A(流速2.5ml/分);オーブン:55℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
【0142】
方法8(LC−MS):
MS機器の型:Waters ZQ;HPLC機器の型:Agilent 1100シリーズ;UV DAD;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;移動相A:1lの水+0.5mlの50%強度のギ酸,移動相B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%強度のギ酸;勾配:0.0分 100%A→2.0分 60%A→2.3分 40%A→3.0分 20%A→4.0分 10%A→4.2分 100%A(流速2.5ml/分);オーブン:55℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
【0143】
方法9(LC−MS):
機器:Waters Acquity SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50mm×1mm;移動相A:1lの水+0.25mlの99%強度のギ酸,移動相B:1lのアセトニトリル+0.25mlの99%強度のギ酸;勾配:0.0分 95%A→6.0分 5%A→7.5分 5%A;オーブン:50℃;流速:0.35ml/分;UV検出:210−400nm。
【0144】
以下において調製を明示的に記載していない反応体または試薬については、すべて、一般的に入手可能な供給源から市販品としてそれらを得た。同様に以下において調製を明示的に記載しておらず、また市販されていないか、一般的に入手可能でない供給源から得た反応体または試薬については、すべて、その調製が記載された公開文献を参照されたい。
【0145】
出発物質および中間体:
出発物質1
(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸(Boc−ドリプラン(dolaproine))
【0146】
【化39】
標題化合物は、文献の手順に従い、種々の経路によって調製され得る。例えば、Pettitら,Synthesis 1996,719;Shioiriら,Tetrahedron Lett.1991,32,931;Shioiriら,Tetrahedron 1993,49,1913;Kogaら,Tetrahedron Lett.1991,32,2395;Vidalら,Tetrahedron 2004,60,9715;Poncetら,Tetrahedron 1994,50,5345を参照のこと。ここでは、該化合物を、遊離酸(図示のとおり)として、または対応するジシクロヘキシルアミン塩の形態のいずれかで調製した。
【0147】
出発物質2
(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ヘプタン酸tert−ブチル塩酸塩(ドライソロイシン−OtBu×HCl)
【0148】
【化40】
標題化合物は、文献の手順に従い、種々の経路によって調製され得る。例えば、Pettitら,J.Org.Chem.1994,59,1796;Kogaら,Tetrahedron Lett.1991,32,2395;Shioiriら,Tetrahedron Lett.1991,32,931;Shioiriら,Tetrahedron 1993,49,1913を参照のこと。
【0149】
出発物質3
N
α−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ヒドロキシ−L−フェニルアラニンアミド
【0150】
【化41】
標題化合物を文献の手順に従って調製した(A.Ritterら,J.Org.Chem.1994,59,4602)。
収量:750mg(理論値の75%)
LC−MS(方法3):R
t=1.67分;MS(ESIpos):m/z=281(M+H)
+。
【0151】
出発物質4
1,2−オキサゾリジン塩酸塩
【0152】
【化42】
標題化合物は、文献の手順に従って調製され得る。例えば、H.King,J.Chem.Soc.1942,432を参照のこと;また、該化合物は市販品としても入手可能である。
【0153】
出発物質5
1,2−オキサジナン塩酸塩
【0154】
【化43】
標題化合物は、文献の手順に従って調製され得る。例えば、H.King、J.Chem.Soc.1942,432を参照のこと。
【0155】
出発物質6
2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン
【0156】
【化44】
標題化合物は、Boc保護形態で、文献の手順に従って調製され得る(例えば、C.Johnsonら,Tetrahedron Lett.1998,39,2059を参照のこと);脱保護は、トリフルオロ酢酸での処理、続いて中和によって慣用的な様式で行われる。
収量:149mg(理論値の89%)。
【0157】
出発物質7
1,2−オキサゾリジン−4−オール
【0158】
【化45】
標題化合物は、文献の手順に従って調製され得る。例えば、N.Amlaiky,Synthesis 1982,5,426を参照のこと。
【0159】
出発物質8
[(1S,2R)−1−(ヒドロキシカルバモイル)−2−フェニルシクロプロピル]カルバミン酸tert−ブチル
【0160】
【化46】
標題化合物を、文献の手順に従い(A.Ritterら,J.Org.Chem.1994,59,4602)、市販の(1S,2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸から調製した(C.Cativielaら,Chirality 1999,11,583)。
収量:339mg(理論値の59%)
LC−MS(方法1):R
t=0.82分;MS(ESIpos):m/z=293(M+H)
+。
【0161】
中間体1
(3R,4S,5S)−4−[{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル}(メチル)アミノ]−3−メトキシ−5−メチルヘプタン酸tert−ブチル
【0162】
【化47】
425mg(1.7mmol)のN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリンを50mlのDMFに溶解させ、500mg(1.7mmol)の(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ヘプタン酸tert−ブチル塩酸塩(出発物質2)、356mg(1.9mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、285mg(1.9mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および655mg(5.1mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で20時間撹拌した。さらに142mg(0.5mmol)のN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリン、119mg(0.6mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、95mg(0.6mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および218mg(1.7mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加し、混合物を超音波で90分間処理した。次いで、混合物を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、329mg(理論値の40%)の標題化合物を無色の油状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=2.5分;
LC−MS(方法1):R
t=1.45分;MS(ESIpos):m/z=493(M+H)
+。
【0163】
中間体2
(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−[メチル(L−バリル)アミノ]ヘプタン酸tert−ブチル
【0164】
【化48】
500mg(1mmol)の(3R,4S,5S)−4−[{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル}(メチル)アミノ]−3−メトキシ−5−メチルヘプタン酸tert−ブチル(中間体1)を50mlのメタノールに溶解させ、100mgの10%パラジウム担持活性炭の添加後、室温にて大気圧下で1時間水素化した。次いで、この触媒を濾別し、溶媒を減圧下除去した。これにより、370mg(quant.)の標題化合物をほぼ無色の油状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.59分;
LC−MS(方法1):R
t=0.74分;MS(ESIpos):m/z=359(M+H)
+。
【0165】
中間体3
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−tert−ブトキシ−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0166】
【化49】
396mg(1.1mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリンを20mlのDMFに溶解させ、365mg(1mmol)の(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−[メチル(L−バリル)アミノ]ヘプタン酸tert−ブチル(中間体2)、234mg(1.2mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩および187mg(1.2mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物を連続して添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。
収量:660mg(理論値の68%)
HPLC(方法5):R
t=3.0分;
LC−MS(方法1):R
t=1.61分;MS(ESIpos):m/z=694(M+H)
+。
【0167】
中間体4
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0168】
【化50】
650mg(0.94mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−tert−ブトキシ−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体3)を5mlのジクロロメタンに溶解させ、5mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、430mg(理論値の72%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=2.4分;
LC−MS(方法2):R
t=1.51分;MS(ESIpos):m/z=638(M+H)
+。
【0169】
中間体5
[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチル
【0170】
【化51】
500mg(1.9mmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニンを10mlのDMFに溶解させ、466mg(3.8mmol)の1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)、433mg(2.3mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、382mg(2.8mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および731mg(5.7mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、620mg(理論値の98%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R
t=1.8分;
LC−MS(方法2):R
t=1.62分;MS(ESIpos):m/z=235(M−C
4H
8−CO
2+H)
+。
【0171】
中間体6
(2S)−2−アミノ−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0172】
【化52】
620mg(1.85mmol)の[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチル(中間体5)を5mlのジクロロメタンに溶解させ、10mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣を水/アセトニトリルで凍結乾燥させた。この様式で、750mgの標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=0.45分;
LC−MS(方法3):R
t=1.09分;MS(ESIpos):m/z=235(M+H)
+。
【0173】
中間体7
(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0174】
【化53】
まず、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸(出発物質1)を50mg(0.11mmol)のそのジシクロヘキシルアミン塩から、該塩を酢酸エチルに溶解させ、重硫酸カリウム水溶液で抽出することにより放出させた。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を10mlのDMFに溶解させ、49mg(0.11mmol)の(2S)−2−アミノ−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体6)、61mg(0.16mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および56μl(0.16mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで反応液を濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、44mg(理論値の82%)のBoc保護中間体tert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
HPLC(方法5):R
t=1.9分;
LC−MS(方法2):R
t=1.27分;MS(ESIpos):m/z=504(M+H)
+。
【0175】
44mg(0.09mmol)のこの中間体を3mlのジクロロメタンに溶解させ、1mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣を水/アセトニトリルで凍結乾燥させた。これにより、39mg(理論値の86%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=0.94分;
LC−MS(方法1):R
t=0.65分;MS(ESIpos):m/z=404(M+H)
+。
【0176】
中間体8
(2S)−2−アミノ−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0177】
【化54】
41mg(0.37mmol)の2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニネートを10mlのDMFに溶解させ、149mg(0.41mmol)の2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン(出発物質6)と72μl(0.41mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、5%強度のクエン酸溶液、次いで5%強度の重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機相を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(10:1のトルエン/エタノールの移動相を使用)。適切な画分を合わせ、溶媒を減圧下除去した。高減圧下での残渣の乾燥により、69mg(理論値の47%)のBoc保護中間体[(2S)−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルをジアステレオマー混合物として得た。
LC−MS(方法1):R
t=1.1分;MS(ESIpos):m/z=359(M+H)
+。
【0178】
64mg(0.18mmol)のこの中間体を10mlのジクロロメタンに溶解させ、1mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣を水/ジオキサンで凍結乾燥させた。この様式で、66mg(quant.)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法6):R
t=1.45分;
LC−MS(方法3):R
t=1.12分;MS(ESIpos):m/z=259(M+H)
+。
【0179】
中間体9
(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S)−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0180】
【化55】
まず、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチル-プロパン酸(出発物質1)を、83mg(0.18mmol)のそのジシクロヘキシルアミン塩から、該塩を酢酸エチルに溶解させ、重硫酸カリウム水溶液で抽出することにより放出させた。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を10mlのDMFに溶解させ、66mg(0.18mmol)の(2S)−2−アミノ−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体8)、101mg(0.266mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および93μl(0.53mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。次いで反応液を濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、52mg(理論値の56%)のBoc保護中間体tert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]-オクタ−5−エン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
HPLC(方法6):R
t=2.13分;
LC−MS(方法1):R
t=1.13分;MS(ESIpos):m/z=528(M+H)
+。
【0181】
52mg(0.1mmol)のこの中間体を10mlのジクロロメタンに溶解させ、1mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣を20mlのジエチルエーテルとともに磨砕した。10分後、混合物を濾別し、濾過残渣を高減圧下で乾燥させた。この様式で、39mg(理論値の72%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=1.62分;
LC−MS(方法1):R
t=0.68分;MS(ESIpos):m/z=428(M+H)
+。
【0182】
中間体10
(2S)−2−アミノ−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0183】
【化56】
まず、75mg(0.27mmol)のN
α−(tert−ブトキシカルボニル)−N−ヒドロキシ−L−フェニルアラニンアミド(出発物質3)を出発物質とし、Boc保護中間体[(2S)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルを、1,2−ビス(ブロモメチル)ベンゼンとの反応により、文献の手順(H.King,J.Chem.Soc.1942,432参照)と同様にして調製した。
収量:36mg(理論値の35%)
LC−MS(方法3):R
t=2.49分;MS(ESIpos):m/z=383(M+H)
+。
【0184】
36mg(0.094mmol)のこの中間体を5mlのジクロロメタンに溶解させ、0.5mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣を分取用HPLCによって精製した。適切な画分を合わせ、約15mlの容量まで減圧濃縮し、次いで凍結乾燥させた。これにより、16mg(理論値の43%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法6):R
t=1.7分;
LC−MS(方法1):R
t=0.69分;MS(ESIpos):m/z=283(M+H)
+。
【0185】
中間体11
(2R,3R)−N−[(2S)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0186】
【化57】
最初に、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸(出発物質1)を、15mg(0.031mmol)のそのジシクロヘキシルアミン塩から、該塩を酢酸エチルに溶解させ、重硫酸カリウム水溶液で抽出することにより放出させた。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を10mlのDMFに溶解させ、16mg(0.031mmol)の(2S)−2−アミノ−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体10)、18mg(0.047mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および16μl(0.53mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。次いで反応液を濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、14mg(理論値の81%)のBoc保護中間体tert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
HPLC(方法6):R
t=2.35分;
LC−MS(方法2):R
t=1.39分;MS(ESIpos):m/z=552(M+H)
+。
【0187】
14mg(0.025mmol)のこの中間体を5mlのジクロロメタンに溶解させ、1mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣をジオキサンで凍結乾燥させた。この様式で、14mg(理論値の98%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=1.83分;
LC−MS(方法1):R
t=0.78分;MS(ESIpos):m/z=452(M+H)
+。
【0188】
中間体12
(2S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)プロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0189】
【化58】
130mg(0.324mmol)の2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファネートを15mlのDMFに溶解させ、50mg(0.405mmol)の1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)と140μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、同量の1,2−オキサジナン塩酸塩とN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。さらに4時間の室温での撹拌後、反応液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、まず重炭酸ナトリウム溶液で、次いで水で抽出した。有機相を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(4:1のジクロロメタン/酢酸エチルの移動相を使用)。適切な画分を濃縮し、残渣を高減圧下で乾燥させた。これにより、63mg(理論値の52%)のBoc保護中間体[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチルを得た。
HPLC(方法6):R
t=2.05分;
LC−MS(方法3):R
t=2.16分;MS(ESIpos):m/z=374(M+H)
+。
【0190】
63mg(0.167mmol)のこの中間体を15mlのジクロロメタンに溶解させ、2mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を超音波浴中で40分間処理した。次いで反応液を減圧濃縮し、残渣をジオキサン/水で凍結乾燥させた。この様式で、65mg(理論値の90%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=1.53分;
LC−MS(方法1):R
t=0.61分;MS(ESIpos):m/z=274(M+H)
+。
【0191】
中間体13
(2R,3R)−N−[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0192】
【化59】
標題化合物を、中間体7の合成と同様にして、2工程で、出発物質1のジシクロヘキシルアミン塩と(2S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)プロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体12)から調製した。
2工程での収量:62mg(理論値の67%)
HPLC(方法6):R
t=1.65分;
LC−MS(方法1):R
t=0.7分;MS(ESIpos):m/z=443(M+H)
+。
【0193】
中間体14
(2S)−2−アミノ−1−(1,2−オキサゾリジン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0194】
【化60】
標題化合物を、中間体5および6の合成と同様にして、2工程で、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニンと1,2−オキサゾリジン塩酸塩(出発物質4)から調製した。
2工程での収量:1650mg(理論値の97%)
HPLC(方法5):R
t=0.29分;
LC−MS(方法1):R
t=0.41分;MS(ESIpos):m/z=221(M+H)
+。
【0195】
中間体15
(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S)−1−(1,2−オキサゾリジン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0196】
【化61】
標題化合物を、中間体7の合成と同様にして、2工程で、出発物質1のジシクロヘキシルアミン塩と(2S)−2−アミノ−1−(1,2−オキサゾリジン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体14)から調製した。
2工程での収量:110mg(理論値の97%)
HPLC(方法5):R
t=0.52分;
LC−MS(方法3):R
t=1.15分;MS(ESIpos):m/z=390(M+H)
+。
【0197】
中間体16
(2S,3S)−2−アミノ−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルブタン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0198】
【化62】
標題化合物を、中間体5および6の合成と同様にして、2工程で、(βS)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−β−メチル−L−フェニルアラニンと1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)から調製した。
2工程での収量:652mg(理論値の63%)
HPLC(方法5):R
t=0.53分;
LC−MS(方法1):R
t=1.25分;MS(ESIpos):m/z=249(M+H)
+。
【0199】
中間体17
(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S,3S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルブタン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0200】
【化63】
標題化合物を、中間体7の合成と同様にして、2工程で、出発物質1のジシクロヘキシルアミン塩と(2S,3S)−2−アミノ−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルブタン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体16)から調製した。
2工程での収量:101mg(理論値の90%)
HPLC(方法5):R
t=1.07分;
LC−MS(方法3):R
t=1.33分;MS(ESIpos):m/z=418(M+H)
+。
【0201】
中間体18
(2S)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)プロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0202】
【化64】
標題化合物を、中間体5および6の合成と同様にして、2工程で、N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ニトロ−L−チロシンと1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)から調製した。
2工程での収量:374mg(理論値の47%)
HPLC(方法5):R
t=0.4分;
LC−MS(方法1):R
t=0.5分;MS(ESIpos):m/z=296(M+H)
+。
【0203】
中間体19
(2R,3R)−N−[(2S)−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0204】
【化65】
標題化合物を、中間体7の合成と同様にして、2工程で、出発物質1のジシクロヘキシルアミン塩と(2S)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)プロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体18)から調製した。生成物を(これは63%の純度で得た)、さらに精製せずに後続の反応でそのまま使用した。
2工程での収量:128mg(理論値の61%)
HPLC(方法5):R
t=0.8分;
LC−MS(方法3):R
t=1.24分;MS(ESIpos):m/z=465(M+H)
+。
【0205】
中間体20
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0206】
【化66】
51mg(0.08mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を10mlのDMFに溶解させ、0.5mlのピペリジンを添加した。室温で10分間の撹拌後、反応液を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルとともに磨砕した。不溶性成分を濾別し、ジエチルエーテルで繰り返し洗浄した。次いで、濾過残渣を5mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、この溶液を1N水酸化ナトリウム水溶液でpH11に調整した。超音波処理しながら、合計349mg(1.6mmol)の二炭酸ジ−tert−ブチルを、溶液のpHを11に維持しながら複数回に分けて添加した。反応が終了した後、ジオキサンを蒸発させ、この水性溶液を、クエン酸を用いてpH2〜3に調整した。混合物を、各場合において50mlの酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をジエチルエーテルに溶解させ、生成物をペンタンで析出させた。溶媒をデカンテーションによって除去した。残渣をペンタンで繰り返し温浸し(digest)、最後に高減圧下で乾燥させた。これにより、31mg(理論値の93%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=2.2分;
LC−MS(方法2):R
t=1.32分;MS(ESIpos):m/z=516(M+H)
+。
【0207】
中間体21
tert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3,3−ジメチル−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソブタン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレート
【0208】
【化67】
標題化合物を、中間体5および6の合成と同様にして、3工程で、市販のN−(tert−ブトキシカルボニル)−3−メチル−L−バリンを1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)とカップリングさせ、続いてトリフルオロ酢酸で脱保護し、さらに出発物質1とカップリングさせることにより調製した。最終生成物を分取用HPLCによって精製した。
HPLC(方法5):R
t=1.92分;
LC−MS(方法7):R
t=2.19分;MS(ESIpos):m/z=470(M+H)
+。
【0209】
中間体22
tert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3,3−ジフェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレート
【0210】
【化68】
標題化合物を、中間体5および6の合成と同様にして、3工程で、市販のN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−フェニル−L−フェニルアラニンを1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)とカップリングさせ、続いてトリフルオロ酢酸で脱保護し、さらに出発物質1とカップリングさせることにより調製した。最終生成物を分取用HPLCによって精製した。
HPLC(方法5):R
t=2.07分;
LC−MS(方法1):R
t=1.22分;MS(ESIpos):m/z=580(M+H)
+。
【0211】
中間体23
tert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニル-シクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレート
【0212】
【化69】
標題化合物を、中間体5および6の合成と同様にして、3工程で、市販の(1S,2S)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸を1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)とカップリングさせ、続いてトリフルオロ酢酸で脱保護し、さらに出発物質1とカップリングさせることにより調製した。最終生成物を分取用HPLCによって精製した。
HPLC(方法5):R
t=2.19分;
LC−MS(方法3):R
t=2.28分;MS(ESIpos):m/z=516(M+H)
+。
【0213】
中間体24
tert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニル-シクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレート
【0214】
【化70】
標題化合物を、中間体5および6の合成と同様にして、3工程で、市販の(1S,2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸を1,2−オキサジナン塩酸塩(出発物質5)とカップリングさせ、続いてトリフルオロ酢酸で脱保護し、さらに出発物質1とカップリングさせることにより調製した。最終生成物を分取用HPLCによって精製した。
HPLC(方法5):R
t=2.12分;
LC−MS(方法2):R
t=1.25分;MS(ESIpos):m/z=516(M+H)
+。
【0215】
中間体25
[(2S)−1−(4−ヒドロキシ−1,2−オキサゾリジン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバミン酸tert−ブチル(ジアステレオマー1および2)
【0216】
【化71】
200mg(1.59mmol)の1,2−オキサゾリジン−4−オール(出発物質7)を10mlのDMFに溶解させ、606mg(1.67mmol)の2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニル-アラニネートと277μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。室温で60時間の撹拌後、反応液を減圧濃縮し、残渣を100mlの酢酸エチルに溶解させた。混合物を、各場合において5%強度のクエン酸溶液と10%強度の重炭酸ナトリウム溶液で2回抽出した。次いで、有機相を減圧濃縮した。この2つのジアステレオマーのさらなる精製および分離を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって行った(98:2のジクロロメタン/メタノールの移動相を使用)。適切な画分を濃縮し、残渣を高減圧下で乾燥させた。
ジアステレオマー1:
収量:154mg[依然としてN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニンが夾雑しており、これを次の工程で除去した]
R
f=0.44(95:5のジクロロメタン/メタノール)。
ジアステレオマー2:
収量:86mg(理論値の16%)
R
f=0.40(95:5のジクロロメタン/メタノール)。
【0217】
中間体26
{(2S)−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル(ジアステレオマー1)
【0218】
【化72】
75mg(約0.22mmol)の中間体25のジアステレオマー1を10mlのアセトンに溶解させ、228mg(1.34mmol)の臭化ベンジル、616mg(4.46mmol)の炭酸カリウムとスパチュラの先端1杯分のテトラ−n−ブチルアンモニウムヨージドを添加した。反応液を20時間還流加熱し、次いで減圧濃縮した。残渣を100mlのジクロロメタンとともに撹拌し、濾過し、次いでジクロロメタン相を濃縮した。残留した残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、68mg(理論値の72%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=2.31分;
LC−MS(方法1):R
t=1.18分;MS(ESIpos):m/z=427(M+H)
+。
【0219】
中間体27
{(2S)−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル(ジアステレオマー2)
【0220】
【化73】
83mg(0.25mmol)の中間体25のジアステレオマー2を15mlのアセトンに溶解させ、127mg(0.74mmol)の臭化ベンジル、682mg(4.93mmol)の炭酸カリウムおよびスパチュラの先端1杯分のテトラ−n−ブチルアンモニウムヨージドを添加した。反応液を20時間還流加熱し、次いで減圧濃縮した。残渣を100mlのジクロロメタンとともに撹拌し、濾過し、次いでジクロロメタン相を濃縮した。残留した残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、87mg(理論値の83%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=2.30分;
LC−MS(方法1):R
t=1.22分;MS(ESIpos):m/z=427(M+H)
+。
【0221】
中間体28
(2S)−2−アミノ−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(ジアステレオマー1)
【0222】
【化74】
68mg(0.16mmol)の{(2S)−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル(ジアステレオマー1,中間体26)を10mlのジクロロメタンに溶解させ、1mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣をジオキサン/水で凍結乾燥させた。これにより、69mg(理論値の98%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法6):R
t=1.72分;
LC−MS(方法3):R
t=1.41分;MS(ESIpos):m/z=327(M+H)
+。
【0223】
中間体29
(2S)−2−アミノ−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(ジアステレオマー2)
【0224】
【化75】
82mg(0.19mmol)の{(2S)−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}カルバミン酸tert−ブチル(ジアステレオマー2,中間体27)を10mlのジクロロメタンに溶解させ、1mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣をジオキサン/水で凍結乾燥させた。これにより、80mg(理論値の95%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法6):R
t=1.80分;
LC−MS(方法3):R
t=1.50分;MS(ESIpos):m/z=327(M+H)
+。
【0225】
中間体30
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0226】
【化76】
315mg(0.494mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を12mlのDMFに溶解させ、104mg(0.543mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩と83mg(0.543mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物を添加し、混合物を室温で90分間撹拌した。112μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと149mg(0.494mmol)の(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパン酸,トリフルオロ酢酸塩(これは、事前に、出発物質1からBoc保護基をトリフルオロ酢酸で除去することによって調製しておいた)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで高減圧下で濃縮した。残留した残渣を2回の分取用HPLCによって精製した。これにより、140mg(理論値の35%)の標題化合物を無色の泡状物の形態で得た。
HPLC(方法5):R
t=2.40分;
LC−MS(方法1):R
t=1.38分;MS(ESIpos):m/z=807(M+H)
+。
【0227】
中間体31
[(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロピル](1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)メタノン,トリフルオロ酢酸塩
【0228】
【化77】
標題化合物を、中間体10の合成と同様にして、[(1S,2R)−1−(ヒドロキシカルバモイル)−2−フェニルシクロプロピル]カルバミン酸tert−ブチル(出発物質8)から出発して調製した。
HPLC(方法6):R
t=1.60分;
LC−MS(方法1):R
t=0.70分;MS(ESIpos):m/z=295(M+H)
+。
【0229】
中間体32
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N−メチル−L−トレオニル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチル-ヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0230】
【化78】
まず、N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N−メチル−L−トレオニンを237mg(0.887mmol)のそのジシクロヘキシルアミン塩から、該塩を酢酸エチルに溶解させ、5%強度の水性硫酸で抽出することにより放出させた。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を16mlのDMFに溶解させ、365mg(1mmol)の(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−[メチル(L−バリル)アミノ]ヘプタン酸tert−ブチル(中間体2)、185mg(0.967mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩および148mg(0.967mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物を連続して添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、283mg(理論値の53%)のtert−ブチルエステル中間体N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N−メチル−L−トレオニル−N−[(3R,4S,5S)−1−tert−ブトキシ−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法5):R
t=2.17分。
【0231】
283mg(0.466mmol)のこの中間体を5mlのジクロロメタンに溶解させ、5mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応液を高減圧下で濃縮し、残留した残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、156mg(理論値の61%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.50分;
LC−MS(方法2):R
t=1.09分;MS(ESIpos):m/z=552(M+H)
+。
【0232】
中間体33
(2R)−2−アミノ−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0233】
【化79】
標題化合物を、中間体6の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−フェニルアラニンから出発して調製した。
HPLC(方法6):R
t=1.40分;
LC−MS(方法1):R
t=0.50分;MS(ESIpos):m/z=235(M+H)
+。
【0234】
中間体34
(2S)−2−アミノ−2−メチル−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩
【0235】
【化80】
標題化合物を、中間体6の合成と同様にして、市販のN−(tert−ブトキシカルボニル)−α−メチル−L−フェニルアラニンから出発して調製した。
HPLC(方法5):R
t=0.45分;
LC−MS(方法2):R
t=0.61分;MS(ESIpos):m/z=249(M+H)
+。
【0236】
作業実施例:
実施例1
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0237】
【化81】
143mg(0.223mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を15mlのDMFに溶解させ、141mg(0.22mmol)の(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体7)、102mg(0.27mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および128μl(0.74mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、275mg(quant.)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法5):R
t=2.73分;
LC−MS(方法4):R
t=3.19分;MS(ESIpos):m/z=1023(M+H)
+。
【0238】
46mg(0.045mmol)のこの中間体を4mlのDMFに溶解させた。1mlのピペリジンの添加後、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル+0.01%TFA/水+0.01%TFA)。これにより、22mg(理論値の54%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.68分;
LC−MS(方法2):R
t=1.03分;MS(ESIpos):m/z=801(M+H)
+
1H−NMR(600 MHz,DMSO−d
6):δ=8.8(m,2H),8.7(m,1H),8.42および8.15(2d,1H),7.3−7.1(m,5H),5.12および4.95(2m,1H),4.70および4.62(2m,1H),4.62および4.50(2t,1H),4.1−3.9(m,3H),3.85(m,1H),3.75−3.6(m,2H),3.23,3.18,3.17,3.14,3.02および2.96(6s,9H),3.1−2.9および2.75(2m,2H),2.46(m,3H),2.4−2.1(m,2H),2.05(br.m,2H),1.85−1.55(br.m,6H),1.5−1.2(br.m,3H),1.1−0.8(m,18H),0.75(t,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0239】
実施例2
N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0240】
【化82】
50mg(0.0411mmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例1)を3mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、4.9mg(0.081mmol)の二量体のグリコールアルデヒドを添加した。次いで、2.8mg(0.045mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。次いで、50μlの0.1N塩酸を用いて混合物をpH4〜5に調整し、100℃で1時間撹拌した。次いで、反応液を半飽和重炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、21mg(理論値の61%)の標題化合物を無色の泡状物の形態で得た。
HPLC(方法5):R
t=1.69分;
LC−MS(方法1):R
t=0.92分;MS(ESIpos):m/z=845(M+H)
+
1H−NMR(600 MHz,DMSO−d
6):δ=9.2(m,1H),8.9(m,1H),8.4および8.15(2d,1H),7.3−7.1(m,5H),5.12および4.95(2m,1H),4.70および4.62(2m,1H),4.62および4.55(2t,1H),4.1−3.9(m,3H),3.9−3.7(m,5H),3.23,3.18,3.17,3.15,3.02および2.98(6s,9H),2.95および2.75(2m,2H),2.8(m,3H),2.46−2.00(m,4H),1.85−1.55(br.m,6H),1.5−1.2(br.m,3H),1.1−0.8(m,18H),0.75(t,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0241】
実施例3
N,N−ジメチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0242】
【化83】
20mg(0.022mmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例1)を1mlのDMFに溶解させ、3.4mg(1μl)のヨードメタンと7.6mg(0.055mmol)の炭酸カリウムを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、同量の炭酸カリウムを添加し、反応液を超音波浴中で10分間処理した。次いで、溶媒を減圧下で留去し、残留した残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、8mg(理論値の44%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R
t=1.71分;
LC−MS(方法2):R
t=1.04分;MS(ESIpos):m/z=815(M+H)
+
1H−NMR(600 MHz,DMSO−d
6):δ=9.55(m,1H),8.9−8.7(m,1H),8.45および8.15(2d,1H),7.3−7.1(m,5H),5.12および4.95(2m,1H),4.70および4.62(2m,1H),4.62および4.55(2t,1H),4.1−3.9(m,3H),3.9−3.6(m,3H),3.55(m,2H),3.23,3.18,3.17,3.15,3.02および2.98(6s,9H),2.95および2.7(2m,2H),2.8−2.7(2 br.s、6H),2.46−2.00(m,4H),1.85−1.55(br.m,6H),1.5−1.2(br.m,3H),1.1−0.8(m,18H),0.75(t,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0243】
実施例4
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S,3S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルブタン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0244】
【化84】
126mg(0.198mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を10mlのDMFに溶解させ、105mg(0.198mmol)の(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S,3S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルブタン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体17)、41.6mg(0.217mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、33mg(0.217mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および79μl(0.454mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、220mg(quant.)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S,3S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルブタン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法5):R
t=2.77分;
LC−MS(方法1):R
t=1.5分;MS(ESIpos):m/z=1037(M+H)
+。
【0245】
220mg(0.212mmol)のこの中間体を5mlのDMFに溶解させた。1mlのピペリジンの添加後、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル+0.01%TFA/水+0.01%TFA)。これにより、91mg(理論値の46%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.71分;
LC−MS(方法1):R
t=0.9分;MS(ESIpos):m/z=815(M+H)
+
1H−NMR(600 MHz,DMSO−d
6):δ=8.87および8.80(2d,2H),8.75(m,1H),8.40および7.98(2d,1H),7.3−7.1(m,5H),5.45および5.2(2t,1H),4.78および4.62(2m,1H),4.73および4.58(2t,1H),4.2−4.0(m,3H),3.7−3.6(m,1H),3.35,3.20,3.18,3.14,3.12および3.00(6s,9H),3.1および2.95(2m,2H),2.46(m,3H),2.4−2.0(m,4H),1.9−1.6(m,4H),1.6−1.2(m,5H),1.1−0.75(m,21H),0.80(t,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0246】
実施例5
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサゾリジン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0247】
【化85】
138mg(0.216mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を14mlのDMFに溶解させ、109mg(0.216mmol)の(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S)−1−(1,2−オキサゾリジン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体15)、45.6mg(0.238mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、36.5mg(0.38mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および49μl(0.281mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、170mg(理論値の78%)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサゾリジン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法5):R
t=2.64分;
LC−MS(方法1):R
t=1.44分;MS(ESIpos):m/z=1009(M+H)
+。
【0248】
170mg(0.168mmol)のこの中間体を5mlのDMFに溶解させた。1mlのピペリジンの添加後、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル+0.01%TFA/水+0.01%TFA)。これにより、37mg(理論値の24%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.57分;
LC−MS(方法1):R
t=0.84分;MS(ESIpos):m/z=787(M+H)
+
1H−NMR(600 MHz,DMSO−d
6):δ=8.9−8.7(m,3H),8.5および8.2(2m,1H),7.3−7.1(m,5H),5.6および5.4(2m,1H),4.7および4.6(2m,1H),4.65および4.55(2t,1H),4.0−3.9(m,3H),3.75−3.6(m,2H),3.23,3.20,3.15,3.05および2.98(5s,9H),3.0および2.7(2m,2H),2.46(m,3H),2.35−2.15(m,4H),2.1−2.0(m,2H),1.85−1.6(m,3H),1.45(m,1H),1.25(m,1H),1.1−0.85(m,18H),0.75(t,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0249】
実施例6
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0250】
【化86】
44.5mg(0.071mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を10mlのDMFに溶解させ、38.6mg(0.071mmol)の(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S)−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体9)、32.5mg(0.086mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および41μl(0.235mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。有機相を5%強度のクエン酸溶液と5%強度の重炭酸ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、73mg(理論値の98%)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法6):R
t=2.78分;
LC−MS(方法3):R
t=2.96分;MS(ESIpos):m/z=1047(M+H)
+。
【0251】
73mg(0.071mmol)のこの中間体を5mlのDMFに溶解させた。0.5mlのピペリジンの添加後、反応液を室温で10分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルで繰り返し温浸した。このエーテルをデカンテーションした後、残渣を分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル/0.1%水性TFA)。これにより、16mg(理論値の26%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法6):R
t=1.94分;
LC−MS(方法3):R
t=1.71分;MS(ESIpos):m/z=825(M+H)
+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=8.9−8.6(m,3H),8.4,8.3,8.1および8.0(4d,1H),7.3−7.1(m,5H),6.7−6.5(m,2H),5.2−4.8(m,3H),4.75−4.55(m,3H),4.05−3.95(m,1H),3.7−3.4(m,4H),3.22,3.17,3.15,3.05,3.02および2.95(6s,9H),3.0および2.7(2 br.m,2H),2.46(m,3H),2.4−1.2(br.m,13H),1.1−0.85(m,18H),0.75(m,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0252】
実施例7
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0253】
【化87】
160mg(0.251mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を13mlのDMFに溶解させ、145mg(0.251mmol)の(2R,3R)−N−[(2S)−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体19)、53mg(0.276mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、42.2mg(0.276mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および65μl(0.376mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、260mg(理論値の96%)の粗製Fmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得、これを、さらに精製せずに次の工程で使用した。
【0254】
260mg(0.24mmol)のこの中間体を3mlのDMFに溶解させた。0.6mlのピペリジンの添加後、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル+0.01%TFA/水+0.01%TFA)。これにより、105mg(理論値の45%)の標題化合物をわずかに黄色がかった泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.62分;
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=862(M+H)
+
1H−NMR(500 MHz,DMSO−d
6):δ=10.85および10.72(2s,1H),8.9−8.6(m,3H),8.45および8.2(2d,1H),7.70および7.72(2s,1H),7.40および7.32(2d,1H),7.01および7.00(2d,1H),5.0−4.85(m,1H),4.7−4.5(m,2H),4.15−4.0(m,2H),3.95−3.75(m,2H),3.7−3.6(m,2H),3.28,3.21,3.16,3.15,3.02および2.96(6s,9H),2.9および2.75(2m,2H),2.46(m,3H),2.4−2.3(m,1H),2.3−2.2(m,1H),2.1−1.95(br.m,2H),1.85−1.7(m,4H),1.7−1.55(m,2H),1.55−1.35(m,2H),1.35(m,1H),1.1−0.8(m,18H),0.75(t,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0255】
実施例8
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0256】
【化88】
15.8mg(0.025mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を5mlのDMFに溶解させ、14mg(0.025mmol)の(2R,3R)−N−[(2S)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体11)、11.3mg(0.03mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および14μl(0.082mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。次いで反応液を減圧濃縮し、残渣を直接、分取用HPLCによって精製した。これにより、13mg(理論値の49%)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法6):R
t=2.93分;
LC−MS(方法3):R
t=3.10分;MS(ESIpos):m/z=1071(M+H)
+。
【0257】
13mg(0.012mmol)のこの中間体を2mlのDMFに溶解させた。0.5mlのピペリジンの添加後、混合物を室温で10分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル/0.1%水性TFA)。これにより、10mg(理論値の97%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=2.10分;
LC−MS(方法1):R
t=0.97分;MS(ESIpos):m/z=849(M+H)
+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=8.90−8.62(m,3H),8.60および8.33(2d,1H),7.35−7.1(m,9H),5.4−5.0(m,4H),4.7−4.5(m,3H),3.95(m,1H),3.7−3.4(m,3H),3.24,3.20,3.18,3.16,3.10および3.08(6s,9H),3.0および2.85(2 br.m,2H),2.46(m,3H),2.3(br.m,2H),2.05(br.m,2H),1.9−1.6(m,3H),1.5−1.2(br.m,2H),1.1−0.85(m,18H),0.75(m,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0258】
実施例9
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0259】
【化89】
40mg(0.076mmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体20)を5mlのDMFに溶解させ、43mg(0.078mmol)の(2R,3R)−N−[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体13)、35mg(0.093mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および45μl(0.256mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を直接、分取用HPLCによって精製した。これにより、10mg(理論値の14%)のBoc保護中間体N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]-アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法6):R
t=2.52分;
LC−MS(方法1):R
t=1.35分;MS(ESIpos):m/z=940(M+H)
+。
【0260】
5mg(0.005mmol)のこの中間体を3mlのジクロロメタンに溶解させた。0.5mlのトリフルオロ酢酸の添加後、反応液を超音波浴中で30分間処理し、次いで、室温でさらに30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣にアセトニトリルを添加し、再度、混合物を濃縮した。ジオキサン/水で凍結乾燥させ、5mg(理論値の99%)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=1.94分;
LC−MS(方法2):R
t=0.99分;MS(ESIpos):m/z=840(M+H)
+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=10.8および8.8(2m,3H),8.35および8.05(2d,1H),7.55(m,1H),7.3(d,1H),7.20−6.91(m,3H),5.12および4.95(2m,1H),4.7−4.5(m,2H),4.1−3.9(m,2H),3.85(m,2H),3.75−3.4(m,5H),3.21,3.15,3.14,3.10,2.95および2.85(6s,9H),2.46(m,3H),2.4−2.2(m,2H),2.1−1.9(m,2H),1.85−1.65(m,4H),1.65−1.2(m,3H),1.05および1.0(2d,3H),0.95−0.8(m,15H),0.75(m,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0261】
実施例10
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド塩酸塩
【0262】
【化90】
25mg(0.026mmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ-プロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例7)を2mlの1N塩酸に溶解させ、次いで凍結乾燥させた。これにより、16.4mg(理論値の71%)の標題化合物をわずかに黄色がかった泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.63分;
LC−MS(方法1):R
t=0.87分;MS(ESIpos):m/z=862(M+H)
+。
【0263】
実施例11
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(2S)−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(ジアステレオマー1)
【0264】
【化91】
標題化合物を、実施例8の合成と同様にして、出発物質1を中間体28とカップリングさせ、続いてトリフルオロ酢酸で脱保護し、次いで中間体4とカップリングさせ、最後にピペリジンで脱保護することにより調製した。最終生成物の精製を分取用HPLCによって行った(移動相:アセトニトリル/0.1%水性TFA)。これにより、16.4mgの標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R
t=2.08分;
LC−MS(方法3):R
t=1.90分;MS(ESIpos):m/z=893(M+H)
+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=8.8−8.6(m,3H),8.45および8.4(2d,1H),7.35−7.1(m,10H),5.2および5.0(2m,1H),4.7−4.5(m,5H),4.15(d,1H),4.0−3.6(m,5H),3.6−3.4(m,2H),3.75−3.4(m,5H),3.22,3.16,3.15,3.05および2.96(5s,9H),3.1−2.9および2.8−2.6(2m,2H),2.45および2.44(2s,3H),2.4−2.2(m,2H),2.1−2.0(m,2H),1.85−1.6(m,2H),1.5−1.2(m,3H),1.1−0.8(m,18H),0.75(m,3H)。
【0265】
実施例12
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(2S)−1−[4−(ベンジルオキシ)−1,2−オキサゾリジン−2−イル]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(ジアステレオマー2)
【0266】
【化92】
標題化合物を、実施例8の合成と同様にして、出発物質1を中間体29とカップリングさせ、続いてトリフルオロ酢酸で脱保護し、次いで中間体4とカップリングさせ、最後にピペリジンで脱保護することにより調製した。最終生成物の精製を分取用HPLCによって行った(移動相:アセトニトリル/0.1%水性TFA)。これにより、28mgの標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R
t=2.11分;
LC−MS(方法7):R
t=1.96分;MS(ESIpos):m/z=893(M+H)
+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=8.9−8.6(m,3H),8.45および8.3(2d,1H),7.4−7.1(m,10H),5.2および4.95(2m,1H),4.7−4.5(m,5H),4.25(d,1H),4.0−3.8(m,3H),3.7−3.6(m,2H),3.6−3.4(m,2H),3.23、3.19,3.18,3.15,3.05および2.96(6s,9H),3.1−3.0および2.8−2.65(2m,2H),2.5−2.4(m,3H),2.35−2.15(m,2H),2.1−1.95(m,2H),1.8−1.6(m,2H),1.5−1.2(m,3H),1.1−0.8(m,18H),0.75(m,3H)。
【0267】
実施例13
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(4−ヒドロキシ−1,2−オキサゾリジン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(ジアステレオマー2)
【0268】
【化93】
27mg(0.03mmol)の実施例12の化合物を、42mlのTHFと22mlの水の混合物に溶解させ、1.35mlの2M塩酸を添加し、混合物を、10%パラジウム/炭素上で室温および大気圧にて20分間水素化した。次いで、この触媒を濾別し、反応混合物を重炭酸ナトリウム水溶液で中和した。次いで、混合物を酢酸エチルで抽出した。相の分離後、酢酸エチル相を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(移動相ジクロロメタン/メタノール/17%水性アンモニア(125:3:0.3)を使用)。適切な画分を濃縮し、残渣をジオキサンで凍結乾燥させた。これにより、25mgの標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=1.74分;
LC−MS(方法8):R
t=2.06分;MS(ESIpos):m/z=803(M+H)
+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=8.45および8.2(2d,1H),8.1(m,1H),7.3−7.1(m,5H),5.5(m,1H),5.15および4.95(2m,1H),4.7−4.4(m,3H),4.1−3.9(m,3H),3.5−3.4(m,3H),3.23,3.19,3.18,3.16,3.05および2.96(6s,9H),3.1−3.0および2.8−2.65(2m,2H),2.4−2.15(m,5H),2.1−1.95(m,2H),1.8−1.6(m,3H),1.5−1.2(m,2H),1.05−0.8(m,18H),0.75(m,3H)。
【0269】
実施例14
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−3,3−ジメチル−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソブタン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0270】
【化94】
標題化合物を、3工程で、中間体21から出発して、まずトリフルオロ酢酸で脱保護した後、中間体4とカップリングさせ、最後にピペリジンで脱保護することにより調製した。最終生成物の精製を分取用HPLCによって行った(移動相:アセトニトリル+0.01%TFA/水+0.01%TFA)。これにより、2.5mgの標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R
t=1.67分;
LC−MS(方法1):R
t=0.90分;MS(ESIpos):m/z=767(M+H)
+。
【0271】
実施例15
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3,3−ジフェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0272】
【化95】
標題化合物を、3工程で、中間体22から出発して、まずトリフルオロ酢酸で脱保護した後、中間体4とカップリングさせ、最後にピペリジンで脱保護することにより調製した。最終生成物の精製を分取用HPLCによって行った(移動相:アセトニトリル+0.01%TFA/水+0.01%TFA)。これにより、20mgの標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R
t=1.78分;
LC−MS(方法1):R
t=0.95分;MS(ESIpos):m/z=877(M+H)
+。
【0273】
実施例16
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0274】
【化96】
標題化合物を、3工程で、中間体23から出発して、まずトリフルオロ酢酸で脱保護した後、中間体4とカップリングさせ、最後にピペリジンで脱保護することにより調製した。最終生成物の精製を分取用HPLCによって行った(移動相:アセトニトリル/0.1%水性TFA)。これにより、9mgの標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R
t=1.95分;
LC−MS(方法1):R
t=0.90分;MS(ESIpos):m/z=813(M+H)
+。
1H−NMR(500 MHz,DMSO−d
6):δ=8.85(m,2H),8.7(m,1H),8.2および7.8(2s,1H),7.3−7.1(m,5H),4.75および4.65(2m,1H),4.7および4.6(2t,1H),4.0−3.9(m,2H),3.85(m,1H),3.75−3.6(m,4H),3.55(m,1H),3.22,3.20,3.18,3.17,3.03および2.98(6s,9H),2.92および2.82(2t,1H),2.5−2.45(m,3H),2.4−1.3(m,15H),1.0−0.7(m,18H),0.65および0.6(2d,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0275】
実施例17
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0276】
【化97】
617mg(1.2mmol)のtert−ブチル(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレート(中間体24)を44mlのジクロロメタンに溶解させ、4.4mlのトリフルオロ酢酸を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残留した残渣をジオキサン/水で凍結乾燥させた。これにより、702mg(quant.)の脱保護化合物(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩を粗製生成物として得、これを、さらに精製せずに次の工程で使用した。
【0277】
470mg(0.74mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を57mlのDMFに溶解させ、390mg(約0.74mmol)の上記で得られた(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩、336mg(0.88mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および423μl(2.4mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応液を半飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和重炭酸ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、453mg(理論値の59%)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法5):R
t=2.58分;
LC−MS(方法1):R
t=3.10分;MS(ESIpos):m/z=1035(M+H)
+。
【0278】
453mg(0.438mmol)のこの中間体を24mlのDMFに溶解させた。2.4mlのピペリジンの添加後、反応液を室温で30分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル/0.1%水性TFA)。これにより、260mg(理論値の64%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R
t=1.64分;
LC−MS(方法1):R
t=0.86分;MS(ESIpos):m/z=813(M+H)
+
1H−NMR(400 MHz,DMSO−d
6):δ=8.8(m,2H),8.65(m,2H),7.3−7.1(m,5H),4.8−4.05(m,2H),4.0および3.82(2m,2H),3.8−3.5(m,8H),3.32,3.29,3.20,3.19,3.12および3.00(6s,9H),2.65(t,1H),2.5−2.45(m,3H),2.4−1.3(m,15H),1.15−0.85(m,18H),0.8および0.75(2d,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0279】
実施例18
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S,2R)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0280】
【化98】
166mg(0.196mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体30)を40mlのDMFに溶解させ、80mg(0.196mmol)の[(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロピル](1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イル)メタノン、トリフルオロ酢酸塩(中間体31)、112mg(0.294mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)および682μl(3.9mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。次いで、混合物を室温で一晩撹拌した。次いで反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、この溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。最後に残渣を分取用HPLCによって精製した。この様式で、19mg(理論値の9%)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S,2R)−1−(1,4−ジヒドロ−3H−2,3−ベンゾオキサジン−3−イルカルボニル)−2−フェニル-シクロプロピル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
HPLC(方法5):R
t=1.68分;
LC−MS(方法1):R
t=1.51分;MS(ESIpos):m/z=1083(M+H)
+。
【0281】
19mg(0.015mmol)のこの中間体を4mlのDMFに溶解させた。817μlのピペリジンの添加後、反応液を室温で5分間撹拌した。次いで混合物を減圧濃縮し、残渣を、まずジエチルエーテルで温浸し、次いで分取用HPLCによって精製した(移動相:アセトニトリル+0.1%TFA/0.1%水性TFA)。適切な画分を合わせ、溶媒を減圧下除去し、次いで、残渣をジオキサン/水で凍結乾燥させた。これにより、12mg(理論値の92%)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法6):R
t=2.0分;
LC−MS(方法1):R
t=0.94分;MS(ESIpos):m/z=861(M+H)
+。
【0282】
実施例19
N−メチル−L−トレオニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0283】
【化99】
100mg(0.181mmol)のN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N−メチル−L−トレオニル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体32)を5mlのDMFに溶解させ、94mg(0.181mmol)の(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド,トリフルオロ酢酸塩(中間体7)、42mg(0.218mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、33mg(0.218mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および63μl(0.36mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを連続して添加した。次いで、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下除去し、残渣を分取用HPLCによって精製した。これにより、128mg(理論値の75%)のZ保護中間体N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−N−メチル−L−トレオニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
LC−MS(方法2):R
t=1.32分;MS(ESIpos):m/z=937(M+H)
+。
【0284】
100mg(0.107mmol)のこの中間体を20mlのメタノールに溶解させ、10%パラジウム/炭素上で室温および大気圧にて1時間水素化した。次いで、この触媒を濾別し、溶媒を蒸発させた。残留した残渣をジオキサン/水(1:1)で凍結乾燥させた。これにより、88mg(理論値の97%)の標題化合物を得た。
LC−MS(方法1):R
t=0.83分;MS(ESIpos):m/z=803(M+H)
+。
【0285】
実施例20
N,N−ジメチル−L−トレオニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0286】
【化100】
84mg(0.105mmol)のN−メチル−L−トレオニル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(実施例19)を、5mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、31μl(0.418mmol)の37%強度のホルムアルデヒド水溶液と8mg(0.126mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。次いで、1mlの0.1N塩酸を用いて混合物をpH6〜7に調整し、100℃で1時間撹拌した。次いで、反応液を半飽和重炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルの混合物に注入した。有機相を分取し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。最後に残渣をアセトニトリル/水で凍結乾燥させた。これにより、72mg(理論値の84%)の標題化合物を無色の泡状物の形態で得た。
HPLC(方法5):R
t=1.6分;
LC−MS(方法2):R
t=0.96分;MS(ESIpos):m/z=817(M+H)
+。
【0287】
実施例21
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0288】
【化101】
標題化合物を、実施例18の合成と同様にして、中間体30を(2R)−2−アミノ−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体33)とカップリングさせ、続いてピペリジンで脱保護することにより調製した。最終生成物の精製を分取用HPLCによって行った(移動相:アセトニトリル+0.1%TFA/0.1%水性TFA)。
HPLC(方法6):R
t=1.9分;
LC−MS(方法1):R
t=0.91分;MS(ESIpos):m/z=801(M+H)
+
1H−NMR(500 MHz,DMSO−d
6):δ=8.8(m,2H),8.65(m,1H),8.32および8.1(2d,1H),7.3−7.1(m,5H),5.05および4.95(2m,1H),4.65(m,1H),4.62および4.56(2t,1H),4.1−3.75(m,5H),3.7−3.45(m,4H),3.28,3.22,3.18,3.17,3.04および2.99(6s,9H),2.9および2.75(2m,2H),2.46(m,3H),2.45−2.2(m,3H),2.1−1.5(m,12H),1.0−0.8(m,18H),0.8および0.75(2d,3H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0289】
実施例22
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−2−メチル−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩
【0290】
【化102】
標題化合物を、実施例18の合成と同様にして、中間体30を(2S)−2−アミノ−2−メチル−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン,トリフルオロ酢酸塩(中間体34)とカップリングさせ、続いてピペリジンで脱保護することにより調製した。最終生成物の精製を分取用HPLCによって行った(移動相:アセトニトリル+0.1%TFA/0.1%水性TFA)。
LC−MS(方法1):R
t=0.95分;MS(ESIpos):m/z=815(M+H)
+。
【0291】
実施例23
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0292】
【化103】
50mg(0.054mmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例17)を8mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、70ml(0.108mmol)の15%強度の4−オキソブタン酸の水溶液を添加した。次いで、反応液を100℃で1時間撹拌した。室温まで冷却後、3.7mg(0.059mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、約300μlの0.1N塩酸の添加によって混合物をpH3に調整した。次いで、反応液を100℃でさらに2時間撹拌した。冷却後、さらに70ml(0.108mmol)の15%強度の4−オキソブタン酸溶液を添加し、反応液をもう一度100℃で1時間撹拌した。次いで、さらに3.7mg(0.059mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、続いて、約300μlの0.1N塩酸を用いてpHを3に再調整した。次いで、反応液を100℃でさらに2時間撹拌した。反応が未だ終了していなかった場合は、3回目のこの手順を繰り返した。最後に反応液を濃縮し、残渣を分取用HPLCによって精製した。この様式で、32mg(理論値の65%)の標題化合物を無色の泡状物の形態で得た。
HPLC(方法6):R
t=1.64分;
LC−MS(方法9):R
t=4.76分;MS(ESIpos):m/z=899(M+H)
+
1H−NMR(500 MHz,DMSO−d
6):δ=8.95および8.8(2m,1H),8.88および8.65(2s,1H),7.4−7.1(m,5H),5.0,4.78,4.65および4.55(4m,2H),4.1−3.7(m,5H),3.32,3.29,3.20,3.12,3.1および3.0(6s,9H),2.75(m,2H),2.63(t,1H),2.4−2.2(m,4H),2.1−1.2(m,12H),1.2−0.8(m,16H),0.75(m,3H)[さらなるシグナルがH
2OピークおよびDMSOピーク下に隠れている]。
【0293】
実施例24
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0294】
【化104】
標題化合物を、実施例23の合成と同様にして、50mgのN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例1)を4−オキソブタン酸と反応させることにより調製した。
収量:34mg(理論値の70%)
HPLC(方法5):R
t=1.64分;
LC−MS(方法9):R
t=4.77分;MS(ESIpos):m/z=887(M+H)
+。
【0295】
実施例25
N−(4−カルボキシベンジル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0296】
【化105】
標題化合物を、実施例23の合成と同様にして、15mgのN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例17)を4−ホルミル安息香酸と反応させることにより調製した。
収量:7.5mg(理論値の48%)
HPLC(方法5):R
t=1.75分;
LC−MS(方法1):R
t=0.97分;MS(ESIpos):m/z=947(M+H)
+。
【0297】
実施例26
N−(5−カルボキシペンチル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0298】
【化106】
10mg(0.011mmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例17)を2mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、2.8mg(0.022mmol)の6−オキソヘキサン酸を添加した。次いで、反応液を100℃で1時間撹拌した。室温まで冷却後、0.75mg(0.012mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、0.1N塩酸の添加によって混合物をpH3に調整した。次いで、反応液を100℃でさらに1時間撹拌した。冷却後、さらに2.8mg(0.022mmol)の6−オキソヘキサン酸を添加し、反応液をもう一度100℃で1時間撹拌した。さらに0.75mg(0.012mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、次いで、0.1N塩酸を用いてpHを3に再調整した。次いで、反応液を100℃でさらに1時間撹拌した。次いで、3回目のこの手順を繰り返した。最後に反応液を濃縮し、粗製生成物を分取用HPLCによって精製した。これにより、6.4mg(理論値の64%)の標題化合物を無色の泡状物の形態で得た。
HPLC(方法5):R
t=1.68分;
LC−MS(方法9):R
t=4.86分;MS(ESIpos):m/z=927(M+H)
+。
【0299】
実施例27
N−(2−アミノエチル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド、ビス(トリフルオロ酢酸)塩
【0300】
【化107】
標題化合物を、実施例2の合成と同様にして、68mgのN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例1)を(2−オキソエチル)カルバミン酸tert−ブチルと反応させ、続いて、Boc保護基をトリフルオロ酢酸で除去することにより調製した。
収量:49mg(2工程で理論値の62%)
HPLC(方法5):R
t=1.58分;
LC−MS(方法2):R
t=1.05分;MS(ESIpos):m/z=844(M+H)
+
1H−NMR(600 MHz,DMSO−d
6):δ=8.25(m,1H),8.45および8.15(2d,1H),7.65−7.55(m,3H),7.23−7.1(m,5H),5.12および4.95(2m,1H),4.72および4.62(2m,1H),4.6および4.52(2t,1H),4.2−3.8(m,4H),3.7(d,1H),3.23,3.20,3.19,3.18,3.03および2.98(6s,9H),3.0−2.7(m,6H),2.4−1.2(m,15H),1.05,1.0,0.88および0.82(4d,6H),0.92(m,6H),0.73(m,6H)[さらなるシグナルがH
2Oピーク下に隠れている]。
【0301】
実施例28
N−(3−アミノプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0302】
【化108】
標題化合物を、実施例27の合成と同様にして、25mg(0.027mmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例17)を(3−オキソプロピル)カルバミン酸ベンジルと反応させ、続いて、Z保護基を水素化分解的除去する(溶媒としてのエタノール中で、触媒として10%パラジウム担持炭素を使用して)ことにより調製した。
収量:11mg(2工程で理論値の41%)
HPLC(方法5):R
t=1.53分;
LC−MS(方法1):R
t=0.72分;MS(ESIpos):m/z=870(M+H)
+。
【0303】
実施例29
N−(4−メトキシ−4−オキソブチル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソ-プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0304】
【化109】
標題化合物を、実施例23の合成と同様にして、9.5mgのN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例1)を4−オキソブタン酸メチルと反応させることにより調製した。
収量:4mg(理論値の43%)
HPLC(方法5):R
t=1.73分;
LC−MS(方法9):R
t=4.91分;MS(ESIpos):m/z=901(M+H)
+。
【0305】
実施例30
N−(6−アミノヘキシル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0306】
【化110】
標題化合物を、実施例28の合成と同様にして、20mg(16μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1,2−オキサジナン−2−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例1)を(6−オキソヘキシル)カルバミン酸ベンジルと反応させ、続いて、Z保護基を水素化分解的除去する(溶媒としてのメタノール中で、触媒として10%パラジウム担持炭素を使用して)ことにより調製した。
収量:7.6mg(2工程で理論値の55%)
HPLC(方法6):R
t=1.8分;
LC−MS(方法1):R
t=0.70分;MS(ESIpos):m/z=901(M+H)
+。
【0307】
実施例31
N−(6−アミノヘキシル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
【0308】
【化111】
標題化合物を、実施例28の合成と同様にして、200mg(0.108mmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(1S,2R)−1−(1,2−オキサジナン−2−イルカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例17)を(6−オキソヘキシル)カルバミン酸ベンジルと反応させ、続いて、Z保護基を水素化分解的除去する(溶媒としてのメタノール中で、触媒として5%パラジウム担持炭素を使用して)ことにより調製した。
収量:69mg(2工程で理論値の65%)
HPLC(方法5):R
t=1.7分;
LC−MS(方法1):R
t=0.76分;MS(ESIpos):m/z=912(M+H)
+。
【0309】
B.生物学的活性の評価
本発明による化合物の生物学的活性は、当業者に知られたインビトロおよびインビボ検査によって実証することができる。例えば、本発明による化合物の薬理学的特性および薬物動態特性は、下記のアッセイを採用して調べることができる。
【0310】
B−1.786−O RCC細胞株に対する抗増殖効果の測定:
規定細胞数のヒト腎がん細胞株786−Oを、96ウェルマイクロタイタープレート内の完全培地中に播種し(2500または7000細胞/ウェル)、37℃/5%CO
2で一晩インキュベートした。18時間後、播種培地を無血清培地または2%FCSを含む培地と置き換えた。種々の濃度(10
−5M〜10
−14M)のそれぞれの試験物質の添加によって処理を開始した。選択したインキュベーション時間は48時間〜96時間であった。MTTアッセイ(ATCC,Manassas,Virginia,USA,カタログ番号30−1010K)を採用して増殖を測定した。インキュベーション時間後、MTT試薬を細胞とともに4時間インキュベートし、続いて、洗浄剤を添加することにより細胞を一晩溶解させた。形成された色素を570nmで検出した。試験物質で処理しなかったが、それ以外は同一に処理した細胞の増殖を100%と規定した。この試験で得たデータは三連の測定値であり、少なくとも2回の独立した実験を行った。
【0311】
以下の表1に、このアッセイの代表的な作業実施例のIC
50値を示す。
【0312】
【表1-1】
【0313】
【表1-2】
比較として、この試験では、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)は、260nMのIC
50値を有する。
【0314】
B−2.HT29wt細胞株に対する抗増殖効果の測定
規定細胞数のヒト結腸癌細胞株HT29wt(野生型)を、96ウェルマイクロタイタープレート内の完全培地(10%FCS−RPMI)中に播種し(2500細胞/ウェル)、37℃/5%CO
2で一晩インキュベートした。18時間後、播種培地を、10%FCSを含む新鮮培地と置き換えた。それぞれの試験物質の添加によって処理を開始した。試験対象の物質から、10
−5M〜10
−14Mの濃度範囲(1:10の希釈列)の用量/活性曲線を作成した。選択したインキュベーション時間は48時間〜96時間とした。MTTアッセイ(ATCC,Manassas,Virginia,USA,カタログ番号30−1010K)を採用して増殖を測定した。インキュベーション時間後、MTT試薬を細胞とともに4時間インキュベートし、続いて、洗浄剤を添加することにより細胞を一晩で溶解させた。形成された色素を570nmで検出した。試験物質で処理しなかったが、それ以外は同一に処理した細胞の増殖を100%と規定した。この試験で得たデータは三連の測定値であり、少なくとも2回の独立した実験を行った。
【0315】
以下の表2に、このアッセイの代表的な作業実施例のIC
50値を示す。
【0316】
【表2】
比較として、この試験では、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)は、10nMのIC
50値を有する。
【0317】
B−3.チューブリンの重合に対する効果の測定:
がん細胞は、多くの場合、細胞分裂の増大の結果として、腫瘍の形成もまたもたらす変性細胞である。微小管は、紡錐体装置の紡錘糸を形成しており、細胞周期の必須の構成要素である。微小管の調節された構築および破壊により、娘細胞での染色体の厳密な分裂が可能になり、連続的な動的プロセスが構成される。この動的プロセスの破壊により、不正確な細胞分裂がもたらされ、最終的に細胞死がもたらされる。しかしながら、がん細胞の細胞分裂の増大により、該細胞は、特に、化学療法の固定構成要素を構成する紡錘糸毒に対して感受性にもなる。パクリタキセルまたはエポチロンなどの紡錘糸毒は、微小管の重合速度の急激な増大をもたらすものであるが、ビンカアルカロイドあるいはモノメチルアウリスタチンE(MMAE)は、微小管の重合速度の急激な低減をもたらすものである。どちらの場合も、細胞周期の必要なダイナミズムが決定的に破壊される。本発明との関連における試験対象の化合物は、微小管の重合速度の低減をもたらすものである。
【0318】
チューブリンの重合は、Cytoskeleton社の“Fluorescence−based Microtubule Polymerisation Assay Kit”(Denver,Colorado,USA;注文番号:BK011)を用いて調べた。このアッセイでは、非重合チューブリンにGTPを添加し、自発的に重合させる。このアッセイは、フルオロフォア4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)のチューブリンに対する結合に基づいている。遊離型と結合型のDAPIは、発光スペクトルの違いに基づいて識別され得る。DAPIは、非重合チューブリンと比べて重合チューブリンに対して有意に高い親和性を示すため、チューブリンの重合は、結合したDAPIフルオロフォアの蛍光の増大によって追跡することができる。
【0319】
このアッセイの実施のため、本発明の化合物(DMSO中の溶液)を、初期濃度10mMから1μMまで水で希釈した。バッファー対照に加え、重合増大効果を有するパクリタキセルと重合阻害効果を有するビンブラスチンを、アッセイ対照としてさらに実験した。測定は、96ウェルプレートの底面積の半分を用いて行った。チューブリンの重合の速度論を、蛍光測定器で37℃にて1時間モニタリングした。励起波長を355nmとし、発光は460nmでモニタリングした。最初の10分以内の線形増大領域で、1分あたりの蛍光の変化(ΔF/分)の計算を行い、これを微小管の重合速度として表す。試験物質の効力を、そのそれぞれの重合速度の低減に基づいて定量した。
【0320】
B−4.インビトロでの血漿安定性の測定:
方法A:
1mgの対象試験物質を0.5mlのアセトニトリル/DMSO(9:1)に溶解させた。この溶液から、20μlを取り出し、1mlのラットまたはヒト血漿に37℃で添加した(Harlan & WinkelmannのLiヘパリンを加えた雄Wistarラットの血漿または全血試料由来の新鮮ヒト白血球枯渇血漿)。激しく振ったこの血漿溶液から、100μlのアリコートを、試料の添加の直後(参照としての初期値)、次いで、5、10、30、60、120、180および240分後、ならびに必要に応じて24時間後に取り出し、300μlのアセトニトリルに添加した。沈殿した血漿タンパク質を5000rpmで10分間の遠心分離によって除去し、30μlの上清みをHPLCにより、未修飾試験物質の含有量について解析した。定量は、対応するピークの面積パーセンテージによるものとした。
【0321】
ラット血漿でのHPLC法:
機器:DAD、バイナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブンおよびサーモスタットを備えたAgilent 1200;カラム:Kromasil 100 C18,250mm×4mm,5μm;カラム温度:45℃;移動相A:5mlの過塩素酸/1lの水,移動相B:アセトニトリル;勾配:0〜8分 98%A,2%B;8〜15分 56%A,44%B;15〜20分 10%A,90%B;20〜21分 10%A,90%B;21〜23分 98%A,2%B;23〜25分 98%A,2%B;流速:2ml/分;UV検出:220nm。
【0322】
ヒト血漿でのHPLC法:
機器:DAD、バイナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブンおよびサーモスタットを備えたAgilent 1100;カラム:Kromasil 100 C18,250mm×4mm,5μm;カラム温度:45℃;移動相A:5mlの過塩素酸/1lの水,移動相B:アセトニトリル;勾配:0〜3分 98%A,2%B;3〜10分 65%A,35%B;10〜15分 40%A,60%B;15〜21分 10%A,90%B;21〜22分 10%A,90%B;22〜24分 98%A,2%B;24〜26分 98%A,2%B;流速:2ml/分;UV検出:220nm。
【0323】
方法B:
試験物質を、ラット血漿またはヒト血漿中で37℃にて5時間にわたって静かに攪拌しながらインキュベートした。種々の時点(0、2、5、10、20、30、60、120、180および300分)で、100μlのアリコートを取り出した。内部標準(10μl)の添加後、200μlのアセトニトリルの添加によってタンパク質を沈殿させ、混合物をエッペンドルフ遠心機にて5分間遠心分離した。150μlの酢酸アンモニウムバッファー(pH3)を150μlの上清みに添加後、未修飾試験物質の含有量をLC/MSMSによって解析した。
【0324】
以下の表3に、このラット血漿での代表的な作業実施例のデータから求めた半減期(t
1/2)を示す。
【0325】
【表3】
比較として、ラット血漿では、モノメチルアウリスタチンFのメチルエステル(MMAF−OMe)は、<1分のt
1/2値を有する(方法Aによる)。
【0326】
ヒト血漿では、一例として、本発明による作業実施例1、17および21の化合物では、24時間後、分解は観察されなかったが、モノメチルアウリスタチンFのメチルエステル(MMAF−OMe)は、この期間中に約20%が分解された。
【0327】
B−5.細胞透過性の測定:
物質の細胞透過性は、Caco−2細胞を用いた流入アッセイでのインビトロ試験によって調べることができる[M.D.TroutmanおよびD.R.Thakker,Pharm.Res.20(8),1210−1224(2003)]。この目的で、細胞を24ウェルフィルタープレートで15〜16日間培養した。透過の測定のため、それぞれの作業実施例をHEPESバッファー中で細胞に、先端部(A)または基底部(B)のいずれかに適用し、2時間インキュベートした。0時間後および2時間後、試料をシス区画およびトランス区画から採取した。試料をHPLC(Agilent 1200,Boeblingen,Germany)により逆相カラムを用いて分離した。このHPLCシステムを、Turbo Ion Spray Interfaceを介してTriple Quadropol質量分析計API 4000(Applied Biosystems Applera,Darmstadt,Germany)に連結させた。透過性をP
app値に基づいて評価し、該値は、Schwabらによって公開された式を用いて計算した[D.Schwabら,J.Med.Chem.46,1716−1725(2003)]。物質は、P
app(A−B)に対するP
app(B−A)の比率が>2または<0.5である場合、能動輸送されたと分類した。
【0328】
B−6.P−糖タンパク質(P−gp)に対する基質特性の測定:
多くの腫瘍細胞は薬物に対して輸送タンパク質を発現し、これには、高頻度で細胞増殖抑制薬に対する耐性の発現が伴う。したがって、かかる輸送タンパク質(例えば、P−糖タンパク質(P−gp)またはBCRPなど)の基質でない物質では、活性プロフィールの改善が示され得る。
【0329】
P−gp(ABCB1)に対する物質の基質特性を、P−gpを過剰発現しているLLC−PK1細胞(L−MDR1細胞)を用いた流入アッセイによって調べた[A.H.Schinkelら,J.Clin.Invest.96,1698−1705(1995)]。この目的で、LLC−PK1細胞またはL−MDR1細胞を、96ウェルフィルタープレートで3〜4日間培養した。透過の測定のため、それぞれの試験物質を単独または阻害剤(例えば、イベルメクチンもしくはベラパミルなど)の存在下、HEPESバッファー中で細胞に、先端部(A)または基底部(B)のいずれかに適用し、2時間インキュベートした。0時間後および2時間後、試料をシス区画およびトランス区画から採取した。試料をHPLCにより逆相カラムを用いて分離した。このHPLCシステムを、Turbo Ion Spray Interfaceを介してTriple Quadropol質量分析計API 3000(Applied Biosystems Applera,Darmstadt,Germany)に連結させた。透過性をP
app値に基づいて評価し、該値は、Schwabらによって公開された式を用いて計算した[D.Schwabら,J.Med.Chem.46,1716−1725(2003)]。物質は、P
app(A−B)に対するP
app(B−A)の流出比が>2である場合、P−gpの基質と分類した。
【0330】
P−gpの基質特性のさらなる評価基準として、L−MDR1細胞とLLC−PK1細胞の流出比または阻害剤の存在下もしくは非存在下での流出比を互いに比較してもよい。これらの値が2倍より大きく異なる場合、対象の物質はP−gpの基質である。
【0331】
C.医薬組成物の作業実施例
本発明による化合物は、以下のような医薬製剤に変換され得る:
錠剤:
組成:
100mgの本発明による化合物、50mgのラクトース(一水和物)、50mgのトウモロコシデンプン(天然)、10mgのポリビニルピロリドン(PVP 25)(BASF,Ludwigshafen,Germany)および2mgのステアリン酸マグネシウム。
【0332】
錠剤の重量212mg.直径8mm,曲率半径12mm。
【0333】
調製:
本発明による化合物、ラクトースおよびデンプンの混合物を、PVPの5%強度の水溶液(w/w)を用いて造粒する。乾燥後、この顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を、慣用的な錠剤用プレス機でプレスする(錠剤形式については上記参照)。プレスの推奨値として15kNのプレス力が使用される。
【0334】
経口投与ための懸濁剤:
組成:
1000mgの本発明による化合物、1000mgのエタノール(96%)、400mgのRhodigel(登録商標)(FMC(Pennsylvania,USA)製のキサンタンガム)および99gの水。
【0335】
10mlの経口懸濁剤が、本発明による化合物の単独用量(individual dose)100mgに相当する。
【0336】
調製:
Rhodigelをエタノール中に懸濁させ、この懸濁液に本発明による化合物を添加する。撹拌しながら水を添加する。混合物をおよそ6時間、Rhodigelの膨潤が終了するまで撹拌する。
【0337】
経口投与のための液剤:
組成:
500mgの本発明による化合物、2.5gのポリソルベートおよび97gのポリエチレングリコール400。20gの経口液剤が、本発明による化合物の単独用量100mgに相当する。
【0338】
調製:
本発明による化合物をポリエチレングリコールとポリソルベートの混合物中に、撹拌しながら懸濁させる。撹拌操作を、本発明による化合物が完全に溶解するまで継続する。
【0339】
i.v.溶液剤:
本発明による化合物を、飽和溶解度より下の濃度で、生理学的に許容され得る溶媒(例えば、等張性生理食塩水溶液、5%グルコース溶液および/または30%PEG400溶液)に溶解させる。この溶液を滅菌濾過に供し、滅菌された発熱物質を含まない注射容器内に移す。