(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサ内で実行するさらなるコードを使用して、グループのユーザの前記公開されたマスクされた合成数値を平均して、グループ合成数値を決定するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
前記合成数値を監視し、さらに前記プロセッサ内でコードを実行することによって、人間の介入なしにフィードバック通信のトリガをもたらすステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
前記フィードバック通信は、身体的活動を開始するように、またはスケジュールされた身体的活動を変更するようにというアラートを前記ユーザに与えるように作用する請求項7に記載の方法。
フィードバック通信を前記トリガするステップは、前記マスクされた合成数値を改善するための前記ユーザの身体的活動および/または生活スタイルの変更に関する指示を含む、前記ユーザに向けられた電子通信を送信するステップを備える請求項7に記載の方法。
前記合成数値を監視するように構成され、さらに前記監視される合成数値に関連する或る所定のイベントを検出すると、フィードバック通信のトリガをもたらすように構成された監視ユニットをさらに備える請求項14に記載のシステム。
前記フィードバック通信は、前記ユーザに関するスケジュールされた身体的活動を定義するようにプログラムを再構成する、またはそのような身体的活動を定義しているプログラムを再構成するように作用する請求項19に記載のシステム。
前記監視ユニットは、前記マスクされた合成数値を改善するための前記ユーザの身体的活動および/または生活スタイルの変更に関する指示を含む、前記ユーザに向けられた電子通信の送信をもたらすように構成される請求項19に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概観および概説として、本発明を、ユーザの相対的健康を評価するための基礎として数値スコアを生成するのにデータ獲得、データ格納、およびデータ処理が使用される分散システムに関連して詳細に説明する。
【0019】
一実装形態において、システム100が、ユーザの健康関連のパラメータを収集するためのコンピュータベースのアプリケーションと、データを表示するためのユーザインターフェース110とを含む。このコンピュータベースのアプリケーションは、プロセッサ124と、メモリ122と、本明細書で説明される機能を実行するようプロセッサを構成するようにプロセッサ内で実行されるコードとを含むマイクロコントローラ120を介して実施される。このメモリは、データと、プロセッサの動作を制御するのに適した命令とを格納することを目的とする。メモリの或る実装形態は、例として、限定としてではなく、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードドライブ、または読み取り専用メモリ(ROM)を含み得る。このメモリの中に格納された構成要素のうちの1つが、プログラムである。このプログラムは、本明細書で説明される方法を実施するステップをプロセッサに実行させる命令を含む。このプログラムは、単一のモジュールとして実施されることも、互いに協働して動作する複数のモジュールとして実施されることも可能である。このプログラムは、本発明の或る実施形態に関連して使用され得るソフトウェア構成要素を代表するものとして企図される。
【0020】
マイクロコントローラ120から、外部デバイス(例えば、ネットワークを介して通信サブシステム125に接続されたハンドヘルドユニットまたはコンピュータ)などのユーザインターフェース110に情報を通信するための通信サブシステム125が、提供される。情報は、通信サブシステム125によって、Bluetooth(登録商標)、WiFi、WiMAX、RF伝送などを含む様々な方法で通信され得る。いくつかの異なるネットワークトポロジが、有線ネットワーク、光ネットワーク、3Gネットワーク、4Gネットワークなどの従来の様態で利用され得る。
【0021】
通信サブシステムは、例として、スマートフォンもしくはセルラ電話機、携帯情報端末(PDA)、ネットブック、ラップトップコンピュータなどを含む通信電子デバイスの一部であり得る。例えば、通信サブシステム125は、iPhone、Google Android電話機、BlackBerry、Microsoft Windows(登録商標) Mobile対応の電話機などのスマートフォンなどのデバイス、または心拍数モニタもしくは血圧モニタ(ウイジングズ社(Withings SAS)によって製造されるモニタなどの)、体重計(ウイジングズ社によって製造される体重計などの)、運動器具などのデバイスを介して直接に接続され得る。各事例において、これらのデバイスはそれぞれ、情報信号および制御信号がサブシステム125と外部ユーザインターフェースデバイス110の間で流れることを許すようにサブシステム125と通信するためのモジュールもしくはユニットを備える、またはそのようなモジュールもしくはユニットとインターフェースをとる。要するに、通信サブシステムは、従来の通信デバイスと協働することが可能であり、またはマイクロコントローラ120によって処理される情報を通信する目的に専用のデバイスの一部であることが可能である。
【0022】
前述したタイプのような通信電子デバイスが外部ユーザインターフェースデバイス110として使用される場合、そのようなデバイスのディスプレイ、プロセッサ、およびメモリが、数値評価をもたらすために健康関連の情報を処理するのに使用可能である。さもなければ、システム100は、外部デバイスに関連付けられ、さらにリアルタイムの、またはそれ以外のデータ通信をサポートするのに使用されるディスプレイ140およびメモリ150を含み得る。より一般的には、システム100は、マイクロコントローラ120のプロセッサ内で、または外部デバイス130の制御下で実行されるソフトウェアモジュールによって部分的に実施され得るユーザインターフェースを含む。部分的に、このユーザインターフェースは、ディスプレイ(例えば、ディスプレイ140)などの出力デバイスを含むことも可能である。
【0023】
バイオセンサ115が、ユーザについての健康情報を直接に収集し、さらにその情報を報告するのに使用され得る。このバイオセンサは、ユーザからバイタルサインまたは他の健康関連の情報を測定するようにユーザの身体に接触して配置され得る。例えば、このバイオセンサは、ユーザの脈拍が感知され得るようにユーザの身体に接触してユーザによって着用される脈拍計、心拍数モニタ、心電図デバイス、歩数計、血糖モニタ、または他の多数のデバイスもしくはシステムのうちの1つであり得る。このバイオセンサは、このバイオセンサが、感知されたデータを有線またはワイヤレスで通信することができるように通信モジュール(例えば、通信サブシステム125)を含み得る。このバイオセンサは、感知されたデータをユーザインターフェースデバイスに通信することができ、ユーザインターフェースデバイスは、その情報をマイクロコントローラに通信する。オプションとして、このバイオセンサは、感知されたデータをマイクロプロセッサに直接に通信することができる。バイオセンサを使用することは、そうすることが、手動で自己報告されるデータに関連するユーザの誤りを解消するため、報告されるデータに或る程度の信頼性をもたらす。
【0024】
代替として、またはさらに、ユーザが、ユーザの健康関連の情報を、そのデータを手動で入力することによって自己報告することができる。このため、
図1Aに示される別の実装形態において、個人の健康関連のデータは、コンピュータ160に直接に入力され、さらにネットワーク170を介してサーバコンピュータ180に供給される。(本明細書で説明されるすべてのコンピュータは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを有する。)
【0025】
この実装形態にかかわらず、このシステムは、個人の相対的健康を表す数値を割り当てるための手段を提供する。この数値は、本明細書で「健康スコア」として説明され、さらにユーザから収集された健康関連の情報に基づいて個人の健康を評価するのに使用され得る。健康スコアは、収集された健康情報に基づいて、或るアルゴリズムを使用して計算される。ユーザまたは通信サブシステム125が、いくつかの健康パラメータに関する健康関連の情報をシステムに供給する。所定の重み付け係数が、健康スコアを計算するのに使用されるパラメータのそれぞれのパラメータの相対値を割り当てるのに使用される。次に、ユーザの健康スコアが、重み付けされたパラメータを、或るアルゴリズムに従って組み合わせることによって計算される。例えば、これらのパラメータは、個人の血糖レベルおよび体重であり得る。重み付け係数「a」が、血糖データに適用され、さらに重み付け係数「b」が、体重データに適用される。血糖データが、体重と比べて、個人の健康を判定する際により重要な要因である場合、血糖データが、計算される健康スコアにより大きい影響を与えるように、重み付け係数「a」は、重み付け係数「b」より大きい(例えば、健康スコア=血糖
*a+(体重/100)
*b)。いくつかの実装形態において、重み付け係数は、非ユニタリ値(例えば、1より大きい、または小さいが、1ではない)である。一部の実装形態において、年令または性別を可能な2つの理由として考慮に入れるように、より少ない要因、またはさらなる要因を、健康スコアの計算に含めることが可能であり、さらに加算される、もしくは減算される、または計算全体を調整するオフセット値を含めることが可能であるが、以上のことは、健康スコアをどのように計算するかの非限定的な例であることが意図される。測定され、さらに計算に含められ得る他のパラメータには、血圧測定、身長、肥満度指数、脂肪量、ならびに糖尿病、心室肥大、高血圧、不整脈などの病状、および空腹時血糖値が含まれる。パラメータは、欠落している場合、計算から省くことが可能であり、または他のパラメータから、さらに/または類似したパラメータを有する個人のサンプルグループから得られた値から推定することが可能である。
【0026】
内在的な医学的パラメータに加えて、ユーザの身体的活動も、ユーザの健康スコアを計算する際に考慮に入れられる。身体的活動は、その活動に応じて適切なセンサを介して監視され得る。センサは、GSPユニット、高度計、深度計、歩数計、ケイデンスセンサ、速度センサ、心拍数モニタなどを含み得る。ジムベースの活動の場合、コンピュータ化された運動器具が、ユーザが完了したプログラムに関するデータを直接にもたらすように構成され得る(例えば、いわゆるエリプティカル/クロストレーナは、ユーザの歩数計などと比べて、エクササイズに関してはるかに良好なデータをもたらすことが可能である)。ユーザの身体的活動に関するパラメータの自動化された捕捉が好ましいが、手動の活動エントリのためのユーザインターフェースも提供される。これに関して、トレッドミルマシン、エリプティカルマシン、サイクリングマシン、または重りもしくはバンドのラックを有するウェイトリフティングマシンなどの運動マシンが、本明細書で説明されるシステムと通信する通信インターフェースを備えて、外的な身体的活動パラメータをシステムに供給するとともに、システムからデータを受信し、さらにシステムからのデータを処理するように構成されたプロセッサをさらに含み、そのユーザに関する目標、課題、またはその他の目的を満たすように運動マシンにおいて運動プログラムを自動的に調整するようにすることが可能である。また、食習慣、喫煙、飲酒などの生活スタイルデータが、収集され、さらに健康スコアを計算する際に使用されることも可能である。一実施形態において、バーコードまたはRFIDスキャナが、ユーザによって、消費された食料品に関するデータを捕捉するのに使用可能であり、このデータが、次に、サーバ180、またはサーバ180と通信状態にあるウェブサイトなどの遠隔システムにおいて、1日のカロリー摂取量、脂肪摂取量、塩分摂取量などのパラメータに変換される。部分的に、このシステムは、そのようなデータがユーザによって供給されることに依拠する一方で、他のデータは、許可および接続の権利が整うと、データネットワーク接続を介して獲得され得る。
【0027】
身体的活動データおよび生活スタイルデータは、時間の経過とともに追跡され、さらに、後段でさらに詳細に説明されるとおり、健康スコアに対するこれらのデータの影響を計算する際に、減衰アルゴリズムが適用される。このため、ずっと過去の身体的活動は、健康スコアに対して、低いプラスの影響を有する。好ましくは、健康スコアの計算のためにこのアルゴリズムにおいて使用される重み付け係数は、計算において使用されるパラメータの相対的重みを低減するように構成された減衰成分に従って、時とともに調整される。この減衰成分自体、重み付けの値を備え得るが、ユーザの体重または体重範囲、年令または年令範囲、システムに知られている病状、およびシステムに知られている可能性があるその他のパラメータのいずれか、またはそのユーザに関する軸に沿った値に応じて曲線から値が読み取られ得るように、以上の要因に鑑みて構成された曲線などの、ユーザに特別に関連する少なくとも1つの要因を考慮に入れる式を備えることも可能である。このようにして、減衰成分は、第1のユーザが、第1の年令または第1の年令範囲を有し、さらに第2のユーザが、第2の年令または第2の年令範囲を有する場合などに、第1のユーザに関する健康スコア計算において使用されるパラメータの相対的重みを、別のユーザの場合とは異なるように低減することが可能である。
【0028】
例えば、サーバ180によってホストされ得る中央システム、好ましくは、データベースおよびウェブサイトが、各ユーザ、およびそのユーザの健康スコア、ならびに関連するパラメータ、およびそれらのパラメータの時間の経過につれての傾向に関するデータを保持する。このデータは、当技術分野で理解されるとおり、慎重な扱いを要するデータが、人間の身元とは独立に格納されるように保持され得る。
【0029】
各ユーザに関する計算された健康スコアは、次に、中央システムにおいてシステムプロファイル、グループプロファイル、またはユーザプロファイルに依存して処理される。プロファイル設定に依存して、健康スコア、および関連する傾向は、様々な自動化されたアクションを生じさせることが可能である。例えば、健康スコア、および関連する傾向は、自動化されたアラートがトリガされること、日々の電子メール更新などのユーザフィードバックが提供されること、認識された問題を軽減するように選択された自動化されたモチベーション設定、警告設定、および/または目標設定の通信がトリガされること、訓練プログラムが調整されること、または医学的解析の自動化された照会をもたらすことが可能である。
【0030】
ユーザの健康スコアは、指定されたグループの受信者にも通信ポータルを介して供給される。このグループの受信者は、選択された他のユーザらの健康スコアが、さらに別のユーザらの健康スコアと比較され得るように、システムの選択された他のユーザら(例えば、友人および家族)を備えることが可能である。代替の構成において、すべてのユーザが、他のユーザのスコアを見ることができ、またはグループの受信者が、個人を保険に入れる見積金額が与えられ得るように特定の健康保険業者であるものと定義可能である。他の可能性も本発明の範囲に含まれる。
【0031】
次に
図2を参照すると、健康スコアをもたらすように個人(例えば、患者またはユーザ)の評価をサポートする本発明の一実施形態による概略流れ図が説明される。ステップ210で、ユーザが、健康関連のデータを収集するため、処理するため、および公開するためのプロセスを開始する。例えば、モバイル電子デバイス(例えば、スマートフォンまたはポータブルコンピューティングデバイス)を使用する個人が、デバイスプロセッサ上で実行されるプログラムを開始するソフトウェアアプリケーションを選択し、またはユーザは、遠隔プロセッサ上でコードが実行され、さらにユーザのローカルデバイスに提供されるインターネットベースのウェブページにアクセスすることが可能である。身元確認モジュールが、身元を明らかにするようユーザに促し、さらにユーザの身元を認証する。このことは、ユーザの名前およびパスワードを入力するようユーザに促すことによって、またはユーザの身元を確実にする指紋読み取り機構、キーフォブ機構、暗号化機構、または他の機構などの他の手段によって達成することが可能である。代替として、ユーザが、パーソナル電子デバイスを介してシステムにアクセスしている場合、身元確認データが、ローカルデバイスメモリの中に格納され、さらにユーザに身元を自動的に確認するために自動的にアクセスすることが可能である。
【0032】
ステップ220で、プロセッサ上で実行されるデータ収集モジュールが、いくつかのパラメータに対応する健康関連のデータを供給するようユーザに促すことが可能である。一実装形態において、これらのパラメータのうちの1つまたは複数は、通信サブシステム125によって自動的に供給される。これらのパラメータには、ユーザの体重、身長、年令、およびフィットネス活動情報が含まれ得る。そのような測定可能な医学的パラメータは、ユーザの内在的なパラメータである。ユーザの体重および身長は、ユーザの現在の健康状態についての情報をもたらす。フィットネス活動情報は、ユーザが行う運動の量に対応する。この情報は、ユーザの外的なパラメータである身体的な活動パラメータの例である。例えば、ユーザは、ユーザが身体的活動を行う時間や身体的活動のタイプなどの、ユーザの日々のフィットネス活動についての情報を入力することができる。例えば、ユーザが、ジムに行き、さらに30分間、自転車で運動した場合、その情報がシステムに入力される。ユーザのフィットネス活動情報は、ユーザのフィットネスを向上させるためにユーザが行っているアクションについての情報を与える。
【0033】
ユーザの体重、身長、年令、およびフィットネス活動情報は、情報が収集され得るパラメータのうちのいくつかに過ぎない。このシステムは、ユーザの健康を示し得る多数の他のパラメータを収集し、さらに処理することが可能である。例えば、パラメータには、血糖レベル、血圧、血液化学データ(例えば、ホルモンレベル、必須ビタミンレベル、および必須ミネラルレベルなど)、コレステロールレベル、予防接種データ、脈拍、血液酸素含量、消費された食料に関する情報(例えば、カロリー含有量、脂肪含有量、繊維含有量、塩分含有量)、体温が含まれることが可能であり、以上は、収集され得るパラメータのうちの可能ないくつかの、限定的でない例の一部に過ぎない。確実に測定され得る個人の健康を示す他の様々なパラメータが、個人の健康スコアを計算するのに使用されることも可能である。
【0034】
収集された健康パラメータ情報は、ステップ230でメモリの中に格納される。ステップ240で、重み付けモジュールが、メモリから重み付け係数を呼び戻す。重み付け係数は、各健康パラメータの相対値を増加させる、または減少させるのに使用される乗算係数であることが可能である。本明細書の式で示されるとおり、各健康パラメータに重み付け係数が割り当てられる。重み付け係数は、健康パラメータの相対値を制御するのに使用される。そのような健康パラメータは、ユーザの健康スコアの計算において、他のパラメータよりも重要である。したがって、健康パラメータに適用される重み付け係数は、ユーザの健康スコアの計算において各要因が有する相対的影響を増加させる、または低減する。例えば、或るユーザの現在の体重が、そのユーザが行うフィットネス活動の量より重要であり得る。この例において、体重パラメータには、このパラメータにより大きい重み付け係数を割り当てることによって、より大きい重み付けがされる。ステップ205で、重み付けモジュールが、呼び戻された重み付け係数を、収集された健康パラメータ値に適用して、重み付けされた健康パラメータ値をもたらす。重み付け係数は、0であることが可能であり、その場合、特定のパラメータは、健康スコアに全く影響を与えない。重み付け係数は、一部のアルゴリズムにおいて使用するために負の値であることが可能である。
【0035】
パラメータに重み付けがされた後、ユーザの健康スコアが、ステップ260で、プロセッサ内で動作しているスコア付けモジュールを介して計算される。スコア付けモジュールは、重み付けされたパラメータを、或るアルゴリズムに従って組み合わせる。一実装形態において、健康スコアは、ユーザの肥満度指数(BMI)健康スコアとユーザのフィットネス健康スコアの平均から、個人の年令が95を下回る年数の2倍を引いた値である。この例に関するアルゴリズムの式が、以下に再現される。すなわち、
健康スコア=((BMI健康スコア+フィットネス健康スコア)/2)-2
*(95-年令)
ユーザのBMI健康スコアは、0から1000までの範囲内の値である。BMI健康スコアは、ユーザのBMIに基づき、さらにユーザの体重および身長、ならびにユーザのBMIが、健康なBMIと考えられる値からどれだけ外れているかに基づいて計算される。異質の情報を組み合わせることが可能であるように、ユーザのBMI情報を正規化するチャートまたは式が使用され得る。最大ポイント値(例えば、1000)が割り当てられたターゲットBMI値が、選択される。ユーザのBMIがこのターゲット値を外れるほど、与えられるポイントはより少なくなる。ユーザのフィットネス健康スコアは、個人の身体的活動または運動に基づく。一実施形態において、ユーザのフィットネス健康スコアは、過去365日におけるフィットネス時間数の合計(すなわち、ユーザがフィットネス活動を行った時間)であり、ただし、各時間は、より過去の活動がより低い価値を与えられるように、その時間の経過とともに直線的に経時変化させられる。もたらされた結果に2が掛けられ、さらに1000を上限とする。このことにより、フィットネス情報が、健康スコアをもたらすように組み合わされ得るように正規化された。フィットネス活動のターゲットの1日平均が選択され、さらに最大限のポイント(例えば、1000)を与えられる。ユーザには、このターゲットと比較して行われる運動がどれだけ少ないかに基づいて、より少ないポイントが与えられる。
【0036】
別の実装形態において、健康スコアは、BMI健康スコアおよびフィットネス健康スコアにとどまらず、並行して保持されるいくつかのサブスコアから算出される。同様に、健康スコアは、異なる年令調整を使用する、または年令調整を全く使用しない前述した組合せアルゴリズムにおいて類似した情報を使用して算出され得る。
【0037】
内在的な医学的パラメータが、ベース健康スコアを算出するように処理される。身体的運動からのパラメータなどの外的なパラメータが、健康プールおよびボーナスプールに割り当てられる値を算出するように処理される。身体的活動に関連付けられた、好ましくは、MET時間で表されるこの値は、健康プールとボーナスプールの両方に加算される。日毎の減衰係数が、ボーナスプールに適用される。ボーナスプールによって対応することができない過度の減衰は、健康プールから差し引かれる。減衰の量は、高い健康-ボーナスプールを維持するのにより多くの努力が要求されるように、健康プールおよびボーナスプールのサイズに依存して決定される。健康プール値は、全体的な健康スコア値を計算するために、内在的な医学的パラメータからのスコアと組み合わせて処理される。このことは、前述の実装形態と同様に行うことが可能であり、または異なるパラメータ、および異なる重み付け係数を含むことが可能である。一実施形態において、健康プール値は、対数関数であり、または最近の活動だけが健康/ボーナスプールに全面的な影響を与えるものとして勘定されるように、他の統計関数が、時間の経過につれてそれぞれの値を経時変化させるように適用される。健康スコア、健康貯蔵、および選択された他の測定されるパラメータ(多くのパラメータは、スコアを作成するように単に組み合わされることが理解されよう)を示す例示的なユーザインターフェースが、
図3aおよび
図3bに示される。様々なサブスコア、およびそれらのサブスコアの傾向が、
図3cに示されるとおり、記録される。
【0038】
理解されるとおり、MET時間は、消費されたキロカロリーを体重のキログラム数で割った値、すなわち、50キログラムの個人によって消費された100キロカロリーは、2MET時間である。MET時間は、「正規化されたエネルギー」であり、すべての体重の個人に関してシステムを公平にする。この方法では、個人の体重に基づいて個人に関してエネルギーが正規化されるので、プールは、1個人当り同一サイズであり得る。
【0039】
一実装形態において、各個人に、300MET時間の容量を有する健康プール、および60MET時間の容量を有するボーナスプールが割り当てられる。
【0040】
或る人が活動Aを実行すると、これらのプールは、以下のとおり更新される。すなわち、
H=min(H+A
*alpha, 300)
B=min(B+A
*(1-alpha), 60)
【0041】
ただし、Hは、健康プールスコアであり、Bは、ボーナスプールスコアであり、Aは、この活動に関するMET時間値であり、さらにalphaは、この活動がそれぞれのプールに寄与する割合を決定するシステム全体にわたる定数(0と1の間から選択される)である。
【0042】
この活動は、健康プールとボーナスプールに分割される。いずれかのプールの上限を超える超過のMET時間活動は、破棄される。日毎の減衰値Dが、以下のとおり、これらのプールに適用される。すなわち、
D=f(H, B)
B=B-D
B<0である場合、
D=D+B
B=0
D<0である場合、
D=0
【0043】
この減衰は、ボーナスプールに完全に適用され、さらにボーナスプールが空である場合、残りの部分は、健康プールに適用される。この実施形態において、いずれのプールも0を下回ることは決してない。
【0044】
このシステムは、Aがf(H, B)と等しい場合、すなわち、平均の1日の活動が平均の1日の減衰と合致する場合にシステムの平衡に達する。関数f(H, B)は、HおよびBに関して非常に非線形である。要するに、小さいプールを維持するのに劣線形で(sub-linearly)それほど努力を必要とせず、大きいプールを維持するのに優線形で(super-linearly)より多くの努力を必要とする。このことは、平均的な個人が、例えば、半分満ちた健康プール(500というスコアに相当する150)を維持できる一方で、満杯の健康プール(1000というスコアに相当する300)を維持するのに極めてより大きな努力(通常、専門の持久力スポーツ選手だけによって実現される)を必要とすることを確実にするためである。
図3fは、11.5MET時間から16MET時間までの範囲内で変動する1日当りの活動と、週2日の休みを想定した時間にわたる、バッファプールおよび健康貯蔵スコアのシミュレーションを示す。1000という完全な健康貯蔵スコアは、
図3fの右上隅の曲線から見て取ることができるとおり、1日当り30MET時間の活動を要する。
【0045】
好ましくは、健康スコアは、時間の経過につれての個人の健康要因と運動記録の重み付けされた組合せに基づく。健康要因は、ユーザによって定期的に更新され得る。例えば、ユーザが、システムによって追跡され、さらに処理されるイベントがあるとそのたびに、健康関連の情報を供給することが可能である。ユーザは、食事の後、運動した後、体重を量った後などに更新を行うことができる。センサ、ポータブルデバイスなどによって活動/イベントが記録される場合、捕捉された/計算されたパラメータは、自動的にアップロードされ、さらに改訂された健康スコアを生成するのに使用可能である。例えば、ユーザが走っている間、運動器具上でエクササイズをしている間などの運動の効果を示すフィードバックが提供可能である。選択された実施形態において、ユーザが所定のしきい値(このしきい値は、ユーザの健康スコアまたは他の記録されたデータに関係するユーザの健康の知識により、様々であり得る)を超えたことが決定される場合、ジムの職員などの管理者にフィードバックが供給され得る。したがって、健康関連のデータは、ほぼリアルタイムで更新され得る。
【0046】
また、ユーザは、情報を1日に2回、1日に1回、または他の周期で更新することもできる。さらに、健康スコアは、時間にわたる情報の平均に基づくことが可能である。例えば、フィットネス活動が、或る期間にわたって(例えば、1週間、1ヶ月、または1年にわたって)平均され得る。時間にわたってデータを平均することは、データの変動によって健康スコアにもたらされる影響を小さくする。データがいつもと違って高かった(例えば、その個人が、短い期間にわたって大量のフィットネス活動をしていた)期間、またはいつもと違って低かった(例えば、個人が、病気のために1週間、フィットネス活動をしなかった)期間は、時間にわたって平均される健康スコアに劇的な影響を及ぼさない。健康関連の情報は、メモリの中、またはプロセッサによってアクセスされ得るデータベースの中に格納可能である。
【0047】
また、格納されたデータは、ユーザに関する将来の健康スコアを予測するのに使用可能である。予測モジュールが、過去のデータ(例えば、フィットネス習慣、食習慣など)を解析して、ユーザが予測可能なように行動しつづけるという想定に基づいて、予測された健康スコアを外挿することが可能である。例えば、データが、或るユーザが、過去30日間、毎日1時間、運動したことを示す場合、予測モジュールは、或る予測アルゴリズムに従って、そのユーザが次の3日間、毎日1時間、運動しつづけると予測することができる。したがって、スコア付けモジュールが、予測モジュールからの情報に基づいて、次の3日間の終わりに予測される健康スコアを計算することができる。また、この予測を他のアクションに織り込むこともできる。例えば、このシステムは、高い健康スコアを有するが、過去の経験に基づいて、回復のために数日の休みをとると予測される或る人に、よりきつい身体的活動レベルまたは課題を示唆することが可能である。さらに、このシステムは、活動の進行を維持するよう、または行動を修正するようユーザに励ましを与えることができる。例えば、このシステムは、ユーザがフィットネス活動を或る時間だけ増加させた場合、健康スコアが或る量だけ上昇することを示すメッセージをユーザに送信することが可能である。このことは、ユーザが、健康を向上させるように目標を設定することを許す。
【0048】
健康スコアを使用することは、各個人が、直接の比較を困難にする、非常に異なる特性を有し得るものの、ユーザの健康を別の個人の健康と相対的に比較することを許す。例えば、第1のユーザ(ユーザ1)が、第2のユーザ(ユーザ2)と比べて、各ユーザの相対的健康の直接の比較を困難にする、非常に異なる身体組成を有する、または非常に異なるフィットネス活動を行うことが可能である。健康スコアの使用は、比較的容易にその2名のユーザの比較を可能にする。一例において、ユーザ1は、わずかに体重超過であり、このことがユーザ1の健康スコアを低下させる傾向にある。しかし、ユーザ1は、大量のフィットネス活動を行って、その結果、このユーザの全体的な健康スコアを上昇させてもいる。これに対して、ユーザ2は、高い健康スコアに寄与する理想的な体重を有するが、非常にわずかなフィットネス活動しか行わず、その結果、健康スコアを低下させている。ユーザ1とユーザ2は、健康関連のパラメータの点で非常に異なる。したがって、ユーザ1とユーザ2の相対的健康を評価し、さらに比較することは、非常に困難である。本発明によれば、全体的な健康スコアを計算するのに使用される、いくつかの健康パラメータと関係する情報が、ユーザ1およびユーザ2から収集される。ユーザ1の健康スコアとユーザ2の健康スコアの比較は、これら2名のユーザが非常に異なり、さらに非常に異なる習慣を有するものの、これら2名のユーザの健康を容易に評価し、さらに比較することを可能にする。したがって、健康スコアは、グループのメンバが、メンバの相対的健康を比較することができるように、さらに他のエンティティ(例えば、雇用主、健康保険会社)が個人の健康を評価することができるように、有意義な値を有する。様々なユーザの表形式の(現在の)スコアおよびグラフ形式の(過去、現在、および予測の)スコアが示された例が、
図3dおよび
図3eに示される。
図3eから見て取ることができるとおり、カトリンが、ユーザ(アンドレ)を間もなく超えることが、このユーザが、このユーザの生活スタイルおよび実績を向上させない限り、予期される。
図3dにおいて、減衰アルゴリズムの影響が、所与のユーザ(アンドレ)、およびこのユーザが友人として識別した人々の健康スコアに対する効果を示すように例示される。前述したとおり、ユーザ、アンドレは、このユーザを友人、イレーネ(健康スコア670)と友人、ヘレ(健康スコア668)の中間に位置付ける669という現在の健康スコアを有する。減衰アルゴリズムは、「Δ1日」列に示されるとおり、
図3dのスクリーンショットに示される健康スコアのすべてに対して作用している。より詳細には、アンドレの友人のほとんどは、「活動なし」という理由により、健康スコアが1ポイントだけ減らされている。このシステムに対するデータ入力の欠如が、プロセッサが、減衰アルゴリズムを実行して、所与のユーザに関して「活動なし」のステータスを判定する根拠である。これらのユーザのほとんどに関する例示される減衰アルゴリズムによるこのステータスの1日の効果は、1日で1ポイント減らされることであり、さらに1週間の経過で5ポイント減らされることである。このため、減衰アルゴリズムは、全体的な健康スコアに対して徐々に小さくなる非線形の影響を与える。
【0049】
図示するとおり、ユーザ、アンドレについては、システムがアクセス可能なメモリの中に中程度の活動が記録されている。その結果、この中程度の活動が処理され、プラスである1日の変化(デルタ)、ならびに減衰アルゴリズムの影響を打ち消す変化がもたらされる。したがって、アンドレ、ならびに公開されたアンドレの健康スコアにアクセスを有する友人らは、「中程度の活動」の結果、アンドレが、1日でスコアを667から669に増加させたこと、および過去7日間に662から現在の値に増加させたことを観察することができる。さらに、基礎をなすアルゴリズム、ならびに最新の理由(つまり、受信されたデータ)に基づくデータの外挿を使用して、さらに5ポイント増加させる予測が計算される。他方、活動は少ないが、良好な食事のため、ヘレは、同一の期間に、最後の日に1ポイント下がり、さらに過去7日間に合計で1ポイント下がり、さらにこのレートが続く場合、さらに1ポイント失うものと予測される。このため、ヘレには、アルゴリズムの実行によるフィードバック、ならびにさらに多くの活動を促し得るシステムによって供給される出力が与えられる。他方、イレーネは、全く活動がなく、不良な食事をしており、このことが、イレーネの現在の健康スコアに対するより踏み込んだ変化、ならびにイレーネのスコアに対するより長期的に見た過去からの影響および予測される影響をもたらす。この場合も、フィットネス活動を行うこと、正しい食事をすることなどのモチベーションを個人またはチームに与えるフィードバックが、ユーザら、およびユーザの友人ら、または或る課題に関して一緒に提携しているユーザのグループのメンバなどに提供することが可能である。
【0050】
さらに、健康スコアは、慎重な扱いを要する情報であり得る、健康スコアを計算するのに使用される基礎をなすデータを明らかにすることなしに、個人の相対的健康の指示を与える。例えば、或るユーザが、そのユーザの体重、年令、または運動をして費やす時間を他の人々またはエンティティに明らかにすることに気まずさを感じる可能性がある。個人は、その個人の体重、または個人が事実上、ジムに全く通わないという事実を分かち合うことをきまり悪く思う可能性がある。しかし、健康スコアは、いくつかの要因から導き出されるので、スコアを計算するのに使用される基礎をなすデータは、プライベートに保たれる。この特徴は、ユーザが、ユーザについてのプライベートなデータを開示しなくてもよいため、ユーザの全体的な健康について分かち合うことを円滑にする。例えば、或る個人が、わずかに体重超過であり得るが、ジムにしばしば通っている。したがって、その個人は、比較的良好な健康スコアを受け取ることが可能である。その個人は、その個人の体重を開示することを望まない可能性があるが、基礎をなす詳細を開示することなしに、その個人の相対的健康についての情報を伝えるその個人の健康スコアを、それでも開示することができる。内在的な医学的パラメータ(例えば、体重、身長など)、および外的な身体的活動パラメータ(例えば、運動の持続時間、頻度、強度など)は、マスクされた合成数値に変換される。このマスクされた数値が公開される一方で、内在的な医学的パラメータ、および外的な身体的活動パラメータに関する収集された情報は、プライベートに保たれる。基礎をなす内在的な医学的パラメータおよび外的な身体的活動パラメータは、第三者が、健康スコア数値に基づいてそれらのパラメータを算出することができないように保護される。このことは、それらのパラメータが、多くの異なる様態で異なることが可能であり、それでも、健康スコア数値が同一であり得るためである(例えば、頻繁に運動する、より体重の重い個人が、体重超過ではないが、頻繁には運動しない個人と同一の健康スコアを有し得る)。このため、健康スコアだけを得ることにより、個人の健康関連のパラメータが明らかになることはない。したがって、基礎をなす健康統計はマスクされ、それでも、健康スコアが、様々なアプリケーションのために個人の健康を示すベンチマークとして使用され得る。
【0051】
スコア付けモジュールが、ユーザの健康スコアを計算した後、ステップ270で、公開モジュールが、健康スコアを受信することを許可された指定されたグループの受信者をメモリから呼び戻す。このグループの受信者は、ユーザの友人らまたは家族、スポーツのチームメート、従業員、保険業者などであり得る。ステップ280で、公開モジュールが、健康スコアが指定されたグループに公開されるようにする。情報がグループの友人に公開されるべき場合、情報は、そのデータへのアクセスが、グループの指定されたメンバに限定される、ソーシャルネットワーキングインターネットベースのポータルに公開され得る。
【0052】
健康パラメータデータおよび健康スコアは、時間の経過につれてメモリまたは他のデータベースの中に格納されて、ユーザがユーザの進歩を追跡できるようにすることが可能である。ユーザが進歩を追跡し、さらにどこに行動を改善できるところがあるかを解析するために、チャートが生成することが可能である。さらに、医学的問題および/または食習慣の診断につながり得る傾向が特定することが可能である。例えば、或る個人の体重が、同一の量の、または増加した量のフィットネス活動にもかかわらず、増加しつづけている場合、システムは、その個人が、その体重増加の原因を特定するいくつかの医学的検査(例えば、甲状腺検査、妊娠検査)を求めるようトリガする、または示唆することが可能である。
【0053】
いくつかの実装形態において、このシステムの大半は、ユーザから遠隔でホストされ、さらにユーザは、このシステムにローカルユーザインターフェースデバイスを介してアクセスする。例えば、このシステムは、インターネットベースであることが可能であり、さらにユーザは、このインターネットベースのシステムを相手にデータを通信するために、インターネットに接続された(例えば、有線/ワイヤレス通信ネットワークを介して)ローカルユーザインターフェースデバイス(例えば、パーソナルコンピュータまたはモバイル電子デバイス)と対話する。ユーザは、ローカルインターフェースデバイスを使用して、メモリモジュールおよびソフトウェアモジュールが遠隔で動作しており、さらにインターネットを介してローカルデバイスと通信している、このインターネットベースのシステムにアクセスする。ローカルデバイスは、遠隔のプロセッサおよびメモリにデータを通信するのに使用され、この遠隔のプロセッサおよびメモリにおいてデータが遠隔で格納され、処理され、健康スコアに変換され、その後、アクセスの制限されたインターネットポータルを介して指定されたグループに供給される。代替として、このシステムは、ローカルデバイスを介して主に実施することが可能であり、このローカルデバイスにおいてデータがローカルで格納され、処理され、さらに健康スコアに変換され、次に、指定されたグループに遠隔で公開するためにデータ共有ポータルに通信される。
【0054】
このシステムは、メモリの中に格納され、さらにプロセッサ上で動作しているソフトウェアモジュールによって実行されるソーシャルネットワーキングフレームワークの形態で実施され得る。このシステムは、別個の、スタンドアロンの「健康がテーマの」ソーシャルネットワーキングシステムとして、または既存のソーシャルネットワーキングシステム(例えば、Facebook、MySpaceなど)と一体化されたアプリケーションとして実施され得る。ユーザには、ユーザが、情報を入力すること、いずれの情報が指定されたグループに公開されるかを管理すること、および指定されたグループのメンバシップを管理することができるホームページが提供される。このホームページは、様々なパラメータの各パラメータに関する健康関連の情報を入力するようユーザに指示するプロンプトを含む。ユーザは、ユーザの体重、生年月日、身長、フィットネス活動、および他の健康関連の情報を入力することができる。すると、ユーザの健康スコアが計算される。その健康スコアが、その情報にアクセスを有することが許可されたグループの一部として指定された他のユーザらと共有される。さらに、ユーザは、そのグループの中の他の人々の健康スコア情報を閲覧することができる。したがって、ユーザは、ユーザの全体的な健康をそのグループの中の他の人々の健康と比較することができる。グループの中の他の人々との健康スコアの比較は、グループの中の個人に、個人の健康スコアを改善するよう競争するモチベーションを与え得る。例えば、健康アドバイス、医学ニュース、医薬品情報、ローカルフィットネスイベント、健康サービス、医療関連および/またはフィットネス関連の用品およびサービスに関する広告および割引、フィットネス課題または健康関連の目標の発行が、このホームページを介して提供され得る。
【0055】
さらなる実装形態において、健康スコアは、メトリック健康モデルスコアと生活の質モデルスコアの複合であり得る。複数のモデルからのスコアを組み合わせることは、ユーザの健康のより全体論的な評価をもたらす。メトリック健康モデルスコアは、比較的容易に定量化可能なパラメータ(例えば、年令、性別、体重など)に基づいてユーザの健康を評価し、さらにそれらの数値を容認できる母集団研究モデルと比較する。生活の質モデルスコアは、個人が、個人の生活についてどのように「感じる」かと健康の現実的な度合いとの間に相関関係が存在するため、質問表に対する応答に基づくユーザが自己評価した生活の質の度合いに焦点を合わせる(すなわち、システムは、健康および生活の質についてのユーザ自身の評価を考慮する)。後段でより詳細に説明する、これら2つのモデルからのスコアの組合せは、健康のより包括的で、全体論的な評価をもたらす。
【0056】
メトリック健康モデルスコアは、ユーザの既往歴情報、属性、身体的メトリック、ならびにこのシステムに対する生活スタイル情報などの、ユーザの医学的パラメータ情報に基づく。例えば、このシステムは、応答(はい/いいえ、多肢選択、数値入力など)を促す質問表をユーザに与えること、または記入されるべき書式フィールドをユーザに与えることが可能である。既往歴情報は、ユーザの病状の既往歴、および/またはユーザの家族内の病状の有病率を含み得る。既往歴情報の例には、ユーザが糖尿病を有するかどうか、糖尿病を有する直近の家族を有するかどうか、ユーザもしくは家族が心臓発作、狭心症、脳卒中、もしくは一過性脳虚血発作の既往歴、心房細動もしくは不整脈の既往歴を有するかどうか、ユーザもしくは家族が、治療を必要とする高血圧を有するかどうか、ユーザもしくは家族が甲状腺機能低下、関節リウマチ、慢性腎疾患、肝不全、左室肥大、鬱血性心不全、ステロイド錠剤の常用などを有するかどうかなどの情報が含まれ得る。
【0057】
メトリック健康モデルスコアは、ユーザ属性に基づくことも可能である。属性には、年令、性別、民族性、身長、体重、ウエストサイズなどが含まれ得る。さらに、メトリック健康モデルスコアは、ユーザの生理学的メトリックに基づくことが可能である。生理学的メトリックの例には、収縮期血圧、血清総コレステロール、高比重リポ蛋白(HDL)、低比重リポ蛋白(LDL)、トリグリセリド、高感度C反応性蛋白、空腹時血糖値などが含まれ得る。また、入力には、ユーザの生活スタイルのパラメータが含まれることも可能である。例えば、生活スタイルパラメータには、ユーザが喫煙者であるかどうか(喫煙したことがある、現在、喫煙している、喫煙のレベルなど)、ユーザがどれだけの運動を実行するか(頻度、強度、タイプなど)、食事のタイプ(菜食主義者、高タンパクの食事、低脂肪の食事、高繊維質の食事、ファストフード、レストラン、ホームクッキング、加工された包装済みの食品、食事の量、食事の頻度など)についての入力が含まれ得る。これらは、ユーザのメトリック健康モデルスコアを計算するためにユーザの健康指標を生存確率モデルと比較するのに使用され得るパラメータの例の一部である。
【0058】
生存確率予測モデルが、個人が所与の期間に1つまたは複数の深刻な健康イベントを被る確率を予測するのに使用され得る。数学的モデルが、観察される母集団特性からこの確率を推定することが可能である。発作または心筋梗塞などの明瞭な深刻な健康イベントのセットに関する観察データを使用して、モデルが、個人が、所与の対象期間に1つのそのようなイベントを被る確率を、そのイベントに関するマーカの測定のセット、または予測因子のセット(例えば、前述したユーザの既往歴、属性、生理学的メトリック、生活スタイルなどについての情報)から生成することが可能である。そのようなモデルによって生成される、それらの予測因子が測定された時点からターゲットイベントまでの時間距離が、生存確率と呼ばれ、ただし、すべてのターゲットイベントが必然的に致命的であると考えられるわけではないことを理解されたい。
【0059】
これらの生存確率モデルは、普通は10年を超える、相当に長い時間にわたって追跡される一般に大きい母集団の研究から、通常、導き出され、さらにターゲットイベントの観察で収集された統計が、数学的方法を使用して集計され、さらに一般化される。広く検証されるとともに、維持され、さらに新たなデータを使用してモデルのパラメータを定期的に更新することによって改良されてきた、いくつかのそのような既存のモデルが存在する。既存のモデルの例には、フラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)によって開発され、さらに維持されるモデルのサブセット(フラミンガム心臓研究によって得られた結果に関する広範な参考文献一覧が、www.framinghamheartstudy.org/biblioにおいて利用可能である)、ノッティンガム大学およびQResearch Organizationによって開発され、さらに維持されるモデルのサブセット(例えば、J.Hipisley-Cox他、「Predicting cardiovascular risk in England and Wales: prospective derivation and validation of QRISK2」、BMJ 336: 1475 doi:10.1136/bmj.39609.449676.25(2008年6月23日刊行)参照)、ダンディ大学(University of Dundee)によって開発されたASSIGNモデル(例えば、H.Tunstall-Pedoe他、「Comparison of the prediction by 27 different factors of coronary heart disease and death in men and women of the Scottish heart health study:cohort study」、BMJ 1998;316:1881頁参照)、レイノルズ(Reynolds)モデル(例えば、PM Ridker他、「C-Reactive Protein and Parental History Improve Global Cardiovascular Risk Prediction: The Reynolds Risk Score for Men」、Circulation 2008;118;2243〜2251頁、および「Development and Validation of Improved Algorithms for the Assessment of Global Cardiovascular Risk in Women」、JAMA、2007年2月14日、Vol.297、No.6参照)、ミュンスター心臓研究からのPROCAMモデル(例えば、Prospective Cardiovascular Munster(PROCAM)Study、「Simple Scoring Scheme for Calculating the Risk of Acute Coronary Events Based on the 10-Year-Follow-Up」、Circulation、2002;105;310〜315頁参照)、およびSCOREモデル(例えば、RM Conroy他、「Estimation of ten-year risk of fatal cardiovascular disease in Europe: the SCORE project」、European Heart Journal(2003年)24、987〜1003頁参照)が含まれ得る。また、他の構成リスクモデルを含めることも可能である。さらに、前兆モデルを使用することも可能である。前兆モデルは、第1の症状(例えば、高血圧)の発症を予測し、第1の症状の発症は、第2の症状(例えば、心臓疾患)が発症することを予測させる。例えば、死亡の重要な2つの予測因子である糖尿病および高血圧を発症する確率の推定を生成するモデルが、存在する。例えば、5年以内に糖尿病を発症する高い確率が、今後10年以内の深刻な心臓血管のイベントの確率を独立に増加させる。いくつかのそのような前兆モデルを、含めることが可能であり、さらに前兆モデルを含めることは、より正確なメトリックリスクモデルにつながるが、より重要なこととして、生活スタイルの明確に定義された修正可能な態様を介して死亡のリスクの可能な低減にもつながる。
【0060】
従来の生存確率モデルは、それらのモデルを構築するのに使用される手順からもたらされるいくつかの内在的な限度を有する。そのようなモデルを導き出す際、研究者は、精度と使いやすさの折り合いをつける。帰納的モデル、つまり、データから直接に導き出されるモデルが、可能なすべての予測因子を含めることは困難である。このことは、一つには、特定のイベントの関係のあるすべての予測因子が知られているわけではないためであり、一つには、知られているいくつかの予測因子は、測定するのが困難である、または費用が高いためでもある。事実、遺伝学的要因などのリスクの、よく知られたいくつかのマーカは、しばしば、そのようなモデルに含められない。したがって、いくつかの潜在的な知られている予測メトリックは、所与の生存モデルを導き出す際に共変数として除外され得る。
【0061】
生存確率モデルが、所与の母集団から収集されたデータを使用して構築され、したがって、その研究される母集団の罹患率特性および死亡率特性を集計し、さらに一般化する。しかし、そのようなモデルは、他の母集団から導き出されたリスク推定と比べられた場合、不一致である可能性がある。所与のモデルが、そのモデルが構築された母集団とは異なる母集団において使用される場合、しばしば、いくつかの予測因子だけしか考慮されないため、さらにそのモデルに含められていない可能性がある、関係のある他の予測因子が、2つの母集団の間で異なる可能性が高いため、そのモデルは、特定のリスクをしばしば、過小評価する、または過大評価する。
【0062】
前述の説明を、基本的な確率論理と一緒に考慮すると、異なるいくつかの母集団に関して導き出されたモデルの賢明な組合せが、ランダムに選択された個人がさらされるリスクのより優れた見解を生じさせ、さらに、このため、全般に母集団に関するリスクを推定する際に、より堅牢である。さらに、数学的根拠に基づいて、非常に一般的な想定の下で、予測因子増強(boosting)と呼ばれる、いくつかのモデル組合せ法が、構成モデルの精度を向上させることができる。事実、モデルのセットを増強することは、正しく行われた場合、最悪でも、増強されたセットの中の最も正確なモデルの精度と等しい精度のモデルをもたらす。
【0063】
したがって、メトリック健康モデルスコアは、ユーザの医学的パラメータ情報を生存確率モデルと比較することによって計算され得る。上端が完全な健康を意味し、さらに下側が不健康を意味する、好ましくは、0から1000までの範囲内のスコアが、2ステッププロセスに従って導き出すことが可能である。第1に、全体的な生存確率が、前述したとおり、個別の生存確率モデルによって生成された生存確率の組合せから獲得される。第2に、0から1までの範囲内の数値である、もたらされる生存確率が、パラメトリック非線形マッピング関数を使用して、0から1000までの範囲に変換される。このパラメトリックマッピング関数は、通常の生存確率の領域内で、急傾斜で線形であり、さらに生存確率分布の下端と上端で漸近的に傾斜が緩やかになるように調整される。このマッピング関数は、通常の生存確率領域における変化に強い反応性を示すように設計される。
【0064】
前述したとおり、健康スコアは、メトリック健康モデルスコアとともに、生活の質モデルスコアからも構成され得る。生活の質モデルスコアは、質問表のセットに対するユーザの回答に基づく。このシステムは、一部の質問が共通している、異なるいくつかの質問表を含み得る。ユーザに提示される質問表のタイプ、および質問表の中の質問のタイプは、ユーザの健康パラメータ(すなわち、ユーザの年令、ユーザの既往歴の中の他のデータなど)に基づいて仕立てることが可能である。システムに知られているユーザに関する情報に基づいて、ユーザに対して特定の質問表が生成され、さらに提示することが可能である。これらの質問は、応答のより容易な評価を許すように、ユーザによって入力される自由形式テキストなしに、ユーザが書式上でチェックする/チェックマークを入れることができる適切な多肢選択応答を伴って提示され得る。他のタイプの応答も可能である(例えば、記述がユーザにどれだけ当てはまるかを1〜10で評価する)。以下のリストは、システム質問表の中で使用され得る、いくつかの健康関連の生活の質トピックに関する、いくつかのサンプルの質問を与える(順不同で)。
【0065】
サンプルの質問:
・貴方は貴方の生活の質をどう評価しますか
・貴方は貴方の全体的な健康をどう評価しますか
・貴方はどれだけ生活を楽しんでいますか
・貴方は貴方の生活がどの程度、有意義であると感じますか
・貴方はどれだけよく集中することができますか
・貴方は毎日の生活でどれだけ安全であると感じますか
・貴方の身体的環境はどれだけ健康的ですか
・貴方は貴方の外見に満足していますか
・貴方にはどの程度、余暇の活動の機会がありますか
・貴方は貴方の毎日の生活で機能するのにどれだけ医療を必要としていますか
・貴方の活動は、貴方の大きな障害または健康問題のために、どれだけの期間、制限されていますか
・貴方は、健康問題のために貴方の身の回りの世話の必要性をこなすのに介助を必要としますか
・貴方は、健康問題のために貴方の日常の必要性をこなすのに介助を必要としますか
・貴方は、大きな障害または健康問題のために何らかの活動が何らかの制限を受けていますか
・貴方に関して以下の記述のそれぞれは、どれだけ当てはまりますか、または当てはまりませんか:
-私は、他の人々より少し病気になりやすいと思われる
-私は、私が知るいずれの人とも変わらず健康である
-私は、自分の健康が悪化すると予期している
-私の健康は上々である
・貴方は、貴方の活動を制限する以下の大きな障害または健康問題のいずれかを抱えていますか:
-関節炎またはリウマチ
-腰痛または首の痛み
-癌
-鬱、不安、または何らかの情緒的問題
-視覚問題
-骨折、骨/関節のけが
-聴覚問題
-呼吸問題
-歩行問題
-他の障害または問題
・過去30日間に、およそどれだけの日数:
-貴方の身体的健康が良好ではありませんでしたか
-痛みにより、貴方が、自分の世話、仕事、または娯楽などの貴方の通常の活動をするのが困難になりましたか
-貴方は、悲しい気持ち、沈んだ気持ち、または鬱な気分になりましたか
-貴方は、心配な気持ち、緊張した気分、または不安な気持ちになりましたか
-貴方は、十分に休めなかった、または十分に眠れなかったと感じましたか
-貴方は、とても健康で元気溢れていると感じましたか
-貴方は、とても神経質な人間になっていましたか
-貴方は、あまりにも意気消沈して、貴方の励みとなり得るものは何もないと感じましたか
-貴方は、落ち着いて、穏やかに感じましたか
-貴方は、とても元気がよかったですか
-貴方は、気が滅入り、沈んだ気持ちでしたか
-貴方は、消耗していると感じましたか
-貴方は、幸せな人間でしたか
-貴方は、疲れていると感じましたか
・貴方は、以下に関してどれだけ満足していますか:
-貴方の睡眠
-毎日の生活活動を実行する貴方の能力
-貴方の仕事の能力
-貴方自身
-貴方の人間関係
-貴方の性生活
-貴方が貴方の友人から得る支え
-貴方の生活の場の状況
-健康サービスへの貴方のアクセス
-貴方の移動手段
・貴方は、貴方の健康のために以下の活動のいずれかにおいて制限されていますか:
-走ること、重い物体を持ち上げること、激しいスポーツに参加することなどの精力的な活動
-テーブルを動かすこと、掃除機をかけること、ボーリングをすること、またはゴルフをすることなどの穏やかな活動
-食料雑貨品を持ち上げること、または運ぶこと
-数階の階段を上ること
-1階分の階段を上ること
-曲げること、ひざまずくこと、またはかがむこと
-1マイルを超えて歩くこと
-数ブロック歩くこと
-1ブロック歩くこと
-入浴すること、または服を着ること
【0066】
前掲のリストは、ユーザに提示され得る質問のサンプルに過ぎない。これらの質問に対するユーザの応答に値が割り当てられる。例えば、多肢選択応答のそれぞれに特定の値を割り当てることが可能であり、さらにユーザの応答のすべてが集計されて、スコアを生成することが可能である。さらに、一部の質問、または応答の深刻度が、ユーザの健康のより大きい予測因子を有し得るので、異なる質問、および異なる応答に異なる重み付けをすることが可能である。また、このシステムは、質問のいくつかの組合せが、健康をより的確に予測する可能性があるため、質問の組合せに対するユーザの応答に基づいて値を割り当てることも可能である。したがって、質問表に対するユーザの応答を評価することによって、生活の質モデルスコアが導き出され得る。好ましくは、生活の質モデルスコアは、0から1000までの範囲内の数値である。
【0067】
健康スコアが、メトリック健康モデルスコアと生活の質モデルスコアの重み付けされた平均として計算される。この健康スコアを、ユーザに提示することが可能である。この健康スコアは、例えば、数値として、グラフ値として(すなわち、メートル、バー、もしくはスライダ(slider)として)、または数値とグラフ値の組合せとして提示され得る。
図4Aを参照すると、健康スコアが、数値スコア302とスライダ304の組合せによって提示されている。このスライダは、スコアを示すように色分けすることも可能である。スライダバー306の位置は、ユーザのスコアを示す。
【0068】
健康スコアの提示の1つの利点は、生存確率、および生のメトリックをユーザに提示する必要がないことである。代わりに、ユーザには、標準化されたスコアが提示される。好ましくは、このことは、全体的なメトリック健康モデルスコアおよび生活の質スコアに当てはまるが、関係のあるモデル入力にも当てはまる。このことは、主として、ユーザが、特定の入力変数の高い値が良いか、悪いかを知る必要がないという意味で、すべての出力を標準化するように行われ、すべての事例において、いずれかの入力値の高いスコアは、より高い全体的な健康スコア値につながり、さらに低い入力変数スコアは、健康スコアのより低い全体的な値につながる。
【0069】
さらに、標準化された健康スコアの別の利点は、ユーザが健康スコアを他のユーザと比較できることである。このことは、他のユーザとの比較ベンチマーキング(友人ら、同僚らなどに対する)を許す。そのようなスコア比較は、後段でより詳細に説明されるとおり、ユーザが他のユーザらを相手に競争するこのシステムのゲーム構成要素の一部であり得る。とりわけ、ユーザによって選択されたグループの間のスコアの比較、構成可能な部分母集団分布内の個々のスコアの比較、スコアの時間追跡、および目標の設定などの、このシステムのゲーム態様が、この健康スコアシステムのユーザを動機付けるのに使用され得る。
図4Bを参照すると、ユーザの数値スコア302およびグラフスコア306が、或るグループ(例えば、世界)からの或る範囲のスコア308と組合せで提示されて、ユーザが、ユーザのスコアがグループの中の他の人々と比べてどうであるかを見ることができるようになる。これらのゲームインセンティブは、年令、体重、およびこれまでのリスク条件などの、特定のいくつかの入力パラメータの1つまたは複数が実質的に異なり得るユーザ間で健康スコアの比較を許すように、ユーザらによって供与され得る。このシステムは、特に生活スタイル構成要素において、修正可能なユーザメトリックの向上をハイライトし、さらにこれらのスコア向上は、ユーザにインセンティブを与える。このことは、健康スコアを介した、例えば、父親と子供のユーザの間の公平な競争を許す。一態様において、健康スコアは、様々な特性のユーザの間の平等化をもたらし、さらに、このため、一部のスポーツにおけるハンデに類似する。
図3Cを参照すると、ユーザのスコア306が、ユーザによって選択されたグループの友人のスコア310a〜eと比較される。
図3Dを参照すると、ユーザの個々の医学的パラメータ(例えば、メトリック健康モデルの一部分として提供される医学的データ)が、基礎をなす実際の値を明らかにすることなしに、グラフで他のユーザらと比較され得る。高比重リポ蛋白(HDL)レベル、低比重リポ蛋白(LDL)レベル、収縮期血圧(sBP)、拡張期血圧(dBP)、肥満度指数(BMI)、および空腹時血糖値(fBG)レベルが、グラフ312上に示される。ユーザのスコアが、線314によって表され、ユーザの友人らのスコアがそれぞれ、異なるドット31
6によって表され、さらにより大きい母集団グループ(例えば、スイス国)に関する分布ブロック318も示される。このため、ユーザは、ユーザの個々のパラメータをグループの友人、およびより大きい母集団グループに関する平均と比較することができる。
【0070】
ユーザは、イベント(すなわち、運動イベント、食品消費、血圧測定など)の時点でこのシステムにデータを入力し、さらにユーザの健康スコアのもたらされる更新をリアルタイムで見ることができる。このシステムは、ユーザが、時間の経過につれて追跡することを含め、様々な健康スコア構成要素スコア、ならびにすべてのスコアにおける対応する傾向を見ることを許す掘り下げ(drill-down)能力を含むことが可能であり、さらに、システムは、様々なスコアに関する目標の設定も含む。
【0071】
このシステムの使用の例として、このシステムに登録すると(すなわち、このシステムの最初の使用時に)、ユーザは、既往歴データを供給するよう促される。また、ユーザは、所与のユーザに関して、そのユーザによって供給された既往歴およびユーザパラメータに基づいてシステムによって選択された完全な生活の質質問表に応答するようにも促される。登録の後、周期的な間隔で、ユーザには、ユーザの応答を最新に保ち、さらに変更を追跡するようにユーザのカスタムの生活の質質問表の短いサブセット(3つから5つの質問)が提示される。ユーザは、任意の時点でメトリック健康モデルに関する入力を入力することができ、さらにこのシステムは、しばらく更新されていない値をユーザに求める。メトリック健康モデルに対する入力は、このシステムに組み込まれている一連のデジタル測定デバイスにアクセスすることによって、このシステムによって自動的に獲得され得る(例えば、このシステムは、パラメータが測定され、伝送され、さらにこのシステムによって格納され得るように、血糖モニタなどの測定デバイスとワイヤレス通信するモバイル電子通信デバイス、例えば、スマートフォンを備え得る)。これらの入力には、体重、血糖、身体的活動、およびその他のパラメータが含まれ得る。いくつかのデジタル測定デバイス、または多機能デジタル測定デバイスを、このシステムに含めることが可能である。血中脂質濃度レベルなどの家庭用測定デバイスで得るのがより困難である医学的パラメータの場合、ユーザは、(システムによって)構成された期間当り1回(例えば、毎年、ユーザの定期的な身体健康検査の時期に合わせて)、関係のあるデータを供給するようにだけ促される。
【0072】
偽のスコアを回避するのに、このシステムは、ユーザ入力の妥当性を評価するいくつかのアルゴリズムを含み得る。これらの検証方法は、異常値の検出に基づく方法から多次元尤度推定量に基づく方法までに及ぶことが可能である。このシステムが、可能な不良な入力値を検出すると、このシステムは、その値に目印を付け、さらにその値を確認するよう、または新たな値を入力するようユーザに促す。
【0073】
このシステムは、1つまたは複数の入力を欠いている場合でさえ、このシステムのすべてのスコアを生成することができる。このシステムは、全体的な母集団統計に基づく方法から、プラットフォームに組み込まれた、より複雑な統計モデルの使用に基づく方法までに及ぶ、多種多様な統計的方法を使用して、欠けている1つまたは複数の値を入力することにより、このことを行う。しかし、入力が、帰属させられる値(imputed values)を含む場合、このシステムは、影響を受けるすべてのスコアに明確に目印を付け、さらに欠けているデータを供給するよう定期的にユーザの注意を喚起する。また、このシステムは、ユーザが、いくつかのパラメータを変えること(例えば、減量すること)がユーザのスコアにどのように影響するかを見ることができるように、ユーザがユーザのパラメータを一時的に調整することができる、スコアシミュレーションを許すことも可能である。
【0074】
また、このシステムは、ユーザの健康スコアを向上させることができるいくつかのアクションを行うようにという勧めをユーザに与えることもできる。これらの勧めは、いずれかの入力変数が危険領域に入っている場合、非常に具体的であることが可能であり、さらにいずれかの入力変数が最適範囲を外れている場合、より一般的であることが可能である。
【0075】
前述したとおり、健康スコアは、このシステムのゲーム態様または競争態様の一部分として使用され得る。ゲーム態様は、ユーザに関してこのシステムの楽しい要素を大きくし、さらにこのシステムを使用しつづけるようユーザの親しみを増す。ゲーム態様は、達成に基づいて、より高いレベルを獲得すること、他の人々と競争すること(例えば、リーグで)、および/または課題を完了することの形態でもたらされ得る。この「レベル」は、進歩の全体的な指標である。このレベルは、単調に上がることが可能であり、さらに活動ポイントを獲得することによって上がる。活動ポイントは、フィットネス活動を実行すること(例えば、運動すること)に費やした時間、自らの健康スコアを改善すること、自らのBMIを改善すること、このシステム上で議論に参加すること(例えば、このシステムは、ウェブベースのソーシャルネットワーキングプラットフォームであることが可能であり、さらにフィットネス技能を教える議論または「クラス」を提供することが可能である)などの、多数の活動を実行することから獲得され得る。ユーザのレベルは、他のユーザが互いのレベルを見ることができるように、ユーザのプロファイル上に、さらに議論の投稿において表示することが可能である。また、ユーザのレベルステータスが、特定のアイテム、システムフィーチャおよびシステム機能、または報酬(例えば、ブランド品の衣服)へのアクセスを与えることも可能である。
【0076】
また、ユーザらは、このシステムにおいて複数のリーグ内で競争することもできる。これらのリーグは、グループのユーザから成り、さらにリーグ内のユーザらは、互いに(チームの一部として、または個々に)競争することができる。これらのリーグは、限定された期間にわたって(例えば、月間で)競うことが可能であり、さらにこれらのリーグは、ユーザらのレベル(前述したユーザのレベルを使用して)、リーグにおいて実行される活動のタイプ、およびユーザらの地理的区域に基づいて表すことが可能である。例えば、1つの特定のリーグが、「銅」(レベル)「マウンテンバイク」(スポーツ)「グレーターチューリッヒエリア(Greater Zurich Area)」(地域)リーグであることが可能であり、さらにこのリーグ内の或るユーザの成功が、移動した距離および登った高度(測定された数量)によって測られる。このため、マウンテンバイクに興味があるグレーターチューリッヒエリアで生活している銅レベルユーザらが、このリーグ内で競争することが可能である。これらのリーグを或る特定の地域に限定することは、それらのユーザらにつながりを感じさせるとともに、すべてのユーザが共有することができるものを与え、さらにユーザらが面と向って合うことをさらに許す(例えば、グループの運動イベントのために)。大きい1つの国際リーグの1つの問題は、そのようなリーグが匿名で、込み合っており、一部のユーザには無意味であるように思われる可能性があることである(メンバらが、言語の壁がある完全に異なる大陸に住むメンバらを相手に競うことは、グループ精神またはチーム精神を妨げる可能性がある)。リーグを特定のレベル区分に限定することは、特定の技能レベルのユーザらに関して競技の場を平等化する。リーグにおけるパフォーマンスを判定するのに測定されるべき数量には、例えば、距離(水平、垂直)、行われるフィットネス活動の持続時間が含まれ得る。また、ユーザらが、これらのリーグ内でチームを組むことも可能である。チームリーグは、以上に概説したリーグと同様に機能するが、格付けは、チームの全体的なパフォーマンスに基づく。チームは、活動への参加の共同の態様を高める。チームは、サイズを固定することが可能である(2名、3名、5名、10名などのユーザ)。
【0077】
また、ユーザらに、このシステムによって、完了すべき課題が提示され得る。これらの課題は、目標の完了のための期間を示すことが可能である。課題の目標は、例えば、健康スコア改善(正規化された)、スポーツ関連活動パラメータ(例えば、合計距離、合計上昇高度など)の完了、または或る特定の期間内のスポーツ関連活動の完了(例えば、特定の経路で6分以内に1マイルを完走する)であり得る。課題は、公開であり得るとともに、任意のユーザが参加することができ、または或るグループ(例えば、友人ら、同僚ら、社会集団など)に限定され得る。例として、特定の公開の課題が、完走するのに要した時間を測定するセントラルパークループを周回する経路に関するニューヨーク市におけるインラインスケート課題であり得る。公開の課題は、このシステムによって自動的に、またはシステム管理者によって生成され得る。グループ課題が、グループメンバによって発行され得る。課題は、運動をすることにコミットするようユーザを促す、強いアポイントメントダイナミクス(appointment dynamics)をもたらす。課題は(通常)、リーグと比べて時間拘束がより少ない。経路選択は、コミュニティで自動化され得る。第1のステップで、コミュニティが、システムプラットフォーム(例えば、ソーシャルネットワーキングタイプのウェブサイト)上で経路を公開することが可能であり、第2のステップで、このシステムが、週間の課題として人気のある経路(すなわち、ユーザ活動の活発な経路)を選択する。経路検証が、GPS追跡によって行われる。課題は、マウンテンバイクの危険なダウンヒル経路などの、過度に危険な課題活動を促進するのを防止するように安全スクリーニングされ得る。
【0078】
リーグシステムおよびチャレンジシステムは、達成を認める機会を与える。達成ステータス表示が、収集され、さらにユーザのプロファイル上で表示することが可能である。達成は、課題を完了すること、および/またはリーグ活動で成功することに対してユーザに与えられるトロフィー、メダル、または賞のようなものである。例えば、ユーザがシステム上で有する友人の数(コミュニティ参加)と関係する達成、行ったフィットネス活動の時間、強度、および数と関係する達成(フィットネス参加のレベル)、特定のスポーツ活動と関係する達成(例えば、走った距離)、システムを最新状態に保つためにユーザがユーザのパラメータ(例えば、体重)を計測する頻度、減量の重量、または自らのBMIを維持する能力などの多くの異なる達成が可能である。以下のリストは、達成、およびそれらの達成を得るのに要求される活動の例示的なセットである。
例示的な達成リスト:
・挑戦者:公開の課題に参加する。
・成果を上げた挑戦者:10の公開の課題に参加する。
・チャンピオン:課題で勝利する。
・マルチスポーツチャンピオン:異なる2つのスポーツにおける公開の課題で勝利する。
・国際挑戦者:異なる2つの国における公開の課題に参加する。
・国際チャンピオン:異なる2つの国における公開の課題で勝利する。
・世界的挑戦者:各大陸で公開の課題に参加する。
・世界的チャンピオン:各大陸で公開の課題で勝利する。
【0079】
課題システムおよびリーグシステムの他の態様は、これらのシステムがマーケティングの機会に結び付けられ得ることである。例えば、マーケティング担当者が、課題の勝者に対する賞のスポンサとなることが可能である。賞は、課題に関連することが可能である(例えば、減量課題の勝者に対する健康食品のギフト券)。さらに、課題の経路が、観光事業を増加させるようにいくつかの区域にユーザを誘導するように、または選択された目的地で始まる/終わる(例えば、自転車課題が、スポーツ用品店の前で始まる)ように選択することが可能である。
【0080】
このシステムの1つの利点は、このシステムが、ユーザら、またはグループのユーザにベンチマーキングの能力を与えることである。このシステムは、保険業者または雇用主などの他のグループが、各個人の健康関連のリスクを判定するために、個人の相対的健康を評価することを許す。したがって、ユーザらは、グループの友人の間でユーザらの比較健康レベルを評価するために、他の人々と自分たちを比べることができる。保険業者は、健康スコア情報を使用して、個人またはグループの個人(例えば、企業の従業員)に関する保険料を設定することができる。他の実装形態において、或るグループに関する健康スコアを、そのグループの中の個人の健康スコアに基づいて提供することが可能である。例えば、或る企業に関する健康スコアが、保険業者が、他の企業と比較したその企業の健康スコアに基づいて保険料を設定することができるように、その企業の従業員に基づいて計算され得る。さらなる応用例において、健康スコアは、プロのスポーツ選手の健康を評価して、そのスポーツ選手の実際の市場価値を算出するために使用され得る。プロスポーツのすべてのレベルでスポーツ選手に莫大な金額およびリソースが投資される。或るスポーツ選手に投資することについての決定の大きな構成要素は、そのスポーツ選手の過去のパフォーマンスに基づく。他の要因には、過去の身体的な負傷歴、ならびにスポーツ選手が、契約が成立する前に身体検査を受けることが含まれ得る。健康スコアは、そのスポーツ選手の現在の健康の指標として使用することが可能であり、さらにそのスポーツ選手の将来のパフォーマンスの予測因子として使用することが可能である。スポーツ選手の健康スコアが低かった場合、このことは、そのスポーツ選手が、よりけがをしやすいこと、または身体的パフォーマンスが落ちることを示す可能性がある。したがって、健康スコアは、或るスポーツ選手に投資するかどうかの決定の基礎を成し得る。また、健康スコアは、2つのチーム間で行われる特定の試合の結果の予測因子として使用されることも可能である。例えば、個々のチームメンバの健康スコアが、チーム健康スコアを生成するために集計することが可能である。チーム健康スコアの比較は、2つのチームの間の試合の可能性の高い結果を示し得る(例えば、健康スコアが最も高いチームが、勝利する可能性がより高いことがあり得る)。そのような情報が、空想のスポーツチームなどのゲームの脈絡で、またはスポーツ賭博に関する賭け率を設定するために使用することが可能である。健康スコアは、クラブ対抗戦(例えば、グループ健康改善競争)、個人の健康スコアに基づく広告、ゲーム、テレビ/インターネットなどのために使用されることも可能である。
【0081】
このため、或る広い態様において、健康関連の情報を収集すること、この情報を処理して健康スコアにすること、およびこの健康スコアを公開することとして理解することのできる本発明による方法が、提供される。本発明の実施のためのシステムは、プロセッサと、メモリと、情報を収集するため、処理するため、および公開するためのプロセッサ内で実行されるコードモジュールとを有するコンピュータを含み得る。ユーザの複数の健康関連のパラメータ、特に、少なくとも1名の自然人の測定可能な医学的パラメータに関する内在的な値と、実行された運動、その人が有する仕事のタイプ、およびその仕事(例えば、座って行う事務の仕事対活発な肉体労働中心の仕事)に関連する身体的作業の量、および/または消費されたカロリー/食料などの、それぞれのそのような人の活動に関する外的値に関する情報が、収集される。重み付け係数が、健康関連のパラメータに、各パラメータがユーザの計算された健康スコアに与える相対的影響を制御するために適用される。健康スコアは、これらの重み付けされたパラメータを或るアルゴリズムに従って組み合わせることによって、プロセッサを使用して計算される。健康スコアは、指定されたグループにポータルを介して公開される。一実装形態において、このポータルは、インターネットベースの情報共有フォーラムである。
【0082】
このため、本発明は、健康関連のデータを収集するため、および提示するための方法において以下の点、すなわち、
ユーザの複数の健康関連のパラメータに関する情報を収集するステップ、
収集された情報をメモリの中に格納するステップ、
メモリの中に重み付け係数を格納するステップ、
収集された情報を、プロセッサ内で、健康関連のパラメータに重み付け係数を適用するようにプロセッサを構成するコードを実行することによって処理するステップ、
重み付けされたパラメータを或るアルゴリズムに従って組み合わせることによって、プロセッサを使用して健康スコアを計算するステップ、および
健康スコアを指定されたグループにポータルを介して供給するステップを特徴とすることが可能である。
【0083】
本明細書で説明される方法を、原理的なプロセスの説明を容易にする流れ図に関連して説明してきたが、いくつかのブロックは、オブジェクト指向プログラム実装形態の場合のように、イベントがプログラムの流れを駆動する場合など、任意の順序で呼び出され得る。したがって、これらの流れ図は、例示的な流れとして理解されるべきであり、このため、ブロックは、例示されるのとは異なる順序で呼び出され得る。
【0084】
本発明を、本発明のいくつかの実施形態に関連して説明してきたが、本発明は、説明される実施形態に限定されるのではなく、添付の任意の特許請求の範囲における記載、および均等の範囲によって、より広く規定される。