【実施例】
【0056】
図16及び
図17は、本発明の一実施形態にかかる光造形装置の全体構成を示す。
図16は本願発明の造形室内の照明を造形室の正面から見た図である(第八実施例)。
図17は本願発明の造形室内の照明の配置を示す
図16のB−B断面図である(第八実施例)。
【0057】
この光造形装置は筐体とその内部に造形室を備え、3次元形状モデルはその造形室301で作成される。
造形には光硬化性樹脂を用いて形成するため、樹脂を蓄えるための造形タンクがある。
以上の構成の中で、特に注目すべきものは、造形室内灯の光源である。
以下、この点に関して詳細に説明する。
【0058】
造形室内灯の光源305は、できるだけ紫外線を発しない可視光のみを発するものが好ましく、この実施形態では、白色光LEDを用いている。
【0059】
造形室の内灯LEDは特性として従来の蛍光灯よりも照射範囲が狭い事もあり、3次元形状モデルを作成する浴槽の直上に配置されることで、3次元形状モデルの形状及び色彩を容易に確認することが可能であるが本実施形態では浴槽の直上には3次元形状モデルを作成するためのガルバノスキャナ217が配置されているため、複数のLED固体発光素子を備えた発光管にし、造形室301内灯の照射範囲を広くして、造形室内の正面から見て上部奥角部から角度をつけて照射する。
【0060】
以上、本発明の好適な一実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示であって、本発明をこの実施形態にのみに限定する趣旨ではない。本発明は、それ以外の種々の形態でも実施することができる。
【0061】
図18は、本願発明のスライドシャッター401を光学系配置室から見た概念図である。ガルバノスキャナ421(
図18に図示なし。)等の光学系を固定する光学定盤403及び造形室と光学系配置室側とを仕切る天板405にはレーザー光を光学系配置室から造形室へ通すための貫通空洞407が空いている。造形室内のフレーム409にはスライドシャッター401を移動させる直線状のレール411を固定するための2本のレール用フレーム413がねじ415で固定されている。直線状のレール411は2本の前記レール用フレーム413の各下面にそれぞれ1本づつ固定されている。各レールはスライドシャッター401のガイド413と連結され、スライドシャッター401に固定されたモータ415によりレール411と平行な方向に駆動される。
スライドシャッター401にはレーザーパワーモニター417がねじ419で取り付けられている。
次に、スライドシャッター401の動作について
図18のC−C断面にて図示した
図19、20、21を用いて説明する。
図19は、スライドシャッター401が閉じられた状態を示す。
図20は、スライドシャッター401が開いた状態を示す。
図21は、レーザーパワーモニター417が所定の測定位置に配置されるようスライドシャッター401を移動した状態を示す。スライドシャッター401は、光造形装置の作業者が作業するために開閉する扉が開状態となった時、自動的にモータ415により駆動されて、
図19に示すように貫通空洞407を覆う位置に移動して固定される。これにより、従来のように作業者がスライドシャッター401を閉め忘れて作業を行い、作業中に液体樹脂や造形屑等が飛散し、ガルバノスキャナのミラーを汚すという作業ミスを無くすことができる。
次に、
図20に示すようにスライドシャッター401は、光造形装置の作業者が作業するために開閉する扉が閉状態となった時、自動的にモータ415により駆動されて、貫通空洞407と重ならない位置に移動して固定される。これにより、従来のように作業者がスライドシャッター401を開け忘れて造形を開始するという作業ミスを無くすことができ、レーザー光を樹脂液面に照射できずガルバノミラーの位置やコンピュータの初期化等の再調整の無駄な時間を生じない。扉の開閉探知は接触式スイッチ方式や光学式方式等を用いることができる。
次に、
図21に示すようにスライドシャッター401は、所定の条件下でレーザー光の強度を測定するため、光学系配置室側に熱型、量子型等のパワーモニター417が取り付けられており、レーザーパワーを測定するための所定の位置へ移動して固定される。例えば、光造形開始前や造形中にレーザー光の強度が変化することがあり、異なる強度のレーザー光で造形物を作成すると、液体樹脂の固まる面積、深さ、硬さ等が変化し、精度の良い造形物ができない。そこで、造形開始前や、各層を造形する前等に所定の間隔でレーザー光の強度を測定し、所定のレーザー光の強度から外れている際にAOM、レーザー電源、スキャナ制御等によりレーザー光を所定の強度に保つことは重要である。
【0062】
図22は、本願発明の昇降機を示す正面図である。
図23は、
図22のH−H断面図である。
図24は
図2のI−I断面図である。
図25は、
図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのJ方向から見た側面図である。
図26は、
図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのD方向から見た側面図である。
図27は、
図22のLMガイドとZフレームとを接続するフレームのE方向から見た側面図である。
図28は、
図27のF−F断面図である。
図29は
図27のG−G断面図である。
【0063】
図22に示すように昇降機500は光造形装置の上方フレーム501と下方フレーム503との間にLMガイドのレール505が取り付けられ、該レールの可動子507とZフレームとを接続する可動フレーム509とが固定されている。該可動フレーム509は、ボールネジ511もしくはリニアモータに取り付けられており、上下方向(昇降方向)に駆動される。
【0064】
前記可動フレーム509は
図25〜
図29に示すように、可動子507に対して24箇所でボルト513によりネジ止めされる。前記可動フレーム509はT字状の骨格515、Zフレーム取付ブロック517及びZフレーム側ブロック519により構成されている。T字状の骨格515は可動子507への装着部521に24箇所の貫通穴523が空けられており、ボルト525により可動子507に固着されている。さらに6箇所の補強リブ527によりZフレームを取り付けても、LMレール側に変形しないように強化されている。また、T字状の骨格515の水平部529の両端の2つの補強リブ527間には各々8つの貫通穴531が空けられており、各々Zフレームの取付ブロック517が8つのボルト533により取り付けられている。Zフレームの取付ブロック517にはZフレーム側ブロック519が取り付けられる。
【0065】
T字状の骨格515及びZフレームの取付ブロック517には貫通孔535が開いており、Zフレーム側ブロック519の該貫通孔535の延長線上にはねじ穴537が開いている。Zフレームの取付ブロック517及びZフレーム側ブロック519は前記貫通孔535及び前記ねじ穴537を突き抜ける長尺のボルト539により固定される。Zフレーム側ブロック519に形成されたねじ穴537の深さ及びボルト539の長さは昇降機によりZフレームを最下位置まで下げ、Zフレームが液体樹脂層の底に付かない状態からボルト539を緩めZフレームが液体樹脂層の底についた状態でもZフレームを把持できる深さ及び長さとする。
また、Zフレームの中間アーム541の長さを変えることにより、異なる深さの液体樹脂タンクに対応することができる。543は541の長さを変えたものです。
図31は本実施例で樹脂タンクが最も深い状態で高さのある増益物を作る際に長いZフレームを用いている概略図である。
図32は本実施例の交換式Zフレームで樹脂層をバルーンで浅くして短い交換式Zフレームを用いている概略図である。
図33は、本実施例の交換式Zフレームを光造形装置の造形室内で昇降機に取り付けた概略図である。
【0066】
以下に本発明について詳細に説明する。
図34は造形テーブル601を昇降機フレーム603に固定した際の上面図である。
図35は
図34のA部の拡大図で造形テーブル601を昇降機フレーム603に位置決め精度良く固定するための一端側固定部の拡大図である。
図36は
図34のB部の拡大図で造形テーブル601を昇降機フレーム603に位置決め精度良く固定するための他端側固定部の拡大図である。
図37は
図36を側面から見たC方向矢視図である。
図34,35に示すように造形テーブル601は一端側に位置決用の凹部603が2箇所形成されている。昇降機のフレーム603には台座607上に固定され、水平方向に伸びた位置決用ピン605が台座607を介して2本のボルト609で造形テーブル601の凹部603に対応する位置に固定されている。ピン605は先端部及び凹部603はテーパ状に形成され、より精度良く位置決めされるようになっている。作業者は該2つの凹部603に対して605を挿入するだけで、容易に造形テーブル601の一端部の左右・上下及び回転方向の位置決めを精度良く行うことができる。
次に、
図34、36,37に示すように造形テーブル601の他端側には位置決用の下向きの凹部611が形成された固定部材613が3本のボルト615で固定されている。前記固定部材613は磁性体でできているかもしくは凹部611の隣に磁性体が固定されている。該固定部材613の凹部611と対抗する昇降機のフレーム603には該凹部611に挿入される凸部材617を固定した第二の固定部材619が3本のボルト621で固定されている。第二の固定部材619の凸部材617の隣にはアルニコ磁石、KS鋼、MK鋼、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等の永久磁石623が固定されており、凹部611と凸部材617とで昇降機のフレーム603と造形テーブル601とを位置決めし、前記永久磁石623に対抗面に位置する固定部材613と前記永久磁石623との吸引力により昇降機のフレーム603と造形テーブル601とが強く固定されて造形中に動かないようにする。該固定部材613は他端側の両端2箇所に配置することにより、バランス良く固定することができる。
このような構成にすることにより、
図38に示すように、作業者は造形テーブル601に形成された造形テーブル601取外用穴631にL字状の工具633の一端を挿入し、L字状の工具633の屈曲部635を支点として他端を回転させて、造形テーブル601を磁力に反して容易に昇降機のフレーム603から取外すことができる。また、前記永久磁石623を電磁石とすることにより電流のオンで磁力を発生させ、造形テーブル601を動かないように固定し、電流をオフすることにより磁力を切り、造形テーブル601を容易に取外せるようにすることもできる。
本実施例では昇降機のフレーム603側にピンを形成したが、造形テーブル601側に形成しても良い。また、永久磁石についても昇降機のフレーム603側に固定したが、造形テーブル601側に固定してもよい。
次に、造形テーブル601の取外し方について
図38〜
図40を用いて説明する。
図38は本願発明の造形テーブル601を取外すための器具である。
図39は
図38の器具を造形テーブルを取外すために取り付けた概略図である。
図40は
図38の器具で造形テーブルを取外した状態を示す概略図である。
造形テーブル601の取外しには、まず
図39に示すように、2つの器具645の一端部641側を造形テーブル601側の2つの穴643に各々挿入する。次に器具645の取っ手647を持って歯の字状の取っ手647が平行になるまで649を支点に回転させる。これにより器具645の支点から先の一端部641が重力方向に起き上がり、造形テーブル601とフレーム603とを磁力に反して離れる方向に移動させる。このような構成にすることにより、簡単な構成で、容易の造形テーブル601を取外すことができる。
【0067】
本発明に係る光造形装置の樹脂槽内のゴミ除け機構の実施形態について説明する。まず、
図41に基づいて光造形装置の樹脂槽の概略構成について説明する。700は、液体樹脂タンク721で、701が液面センサ703の為のゴミ除け機構705である。ゴミ除け機構705は液体樹脂タンク721のフレームの側面に固定ネジ707で固定される。723、725、727は造形テーブルの最降下位置に応じて樹脂の量を調整するためのバルーン固定用テーブルの配置位置である。該テーブル間にバルーンを配置して膨らませることにより深さのいらない造形物を造形する際に、浅い深さの別の樹脂タンクに交換する必要がなくなる。つまり、同じ樹脂タンクで深さの異なる造形物を液体樹脂の量を大幅に増減することなく造形することができる。727は該バルーンへの空気供給口であり、図示されていないポンプに接続される。また、728は液体樹脂タンク721内の樹脂を増減するための樹脂供給口である。
次に
図42〜
図45を基づいてゴミ除け機構705について説明する。
図42はゴミ除け機構705を液体樹脂に漬けている状態を示す図である。
図43はゴミ除け機構705を液体樹脂から完全に揚げている状態を示す図である。
図44はゴミ除け機構705を液体樹脂に漬けている状態での液面センサの相対位置を透視した図である。
図45はゴミ除け機構705を液体樹脂から完全に揚げている状態での液面センサの相対位置を透視した図である。
本実施例のゴミ除け機構705の底面は網状、空洞等の構成にすることによりゴミを取り除いて周面壁で囲まれたゴミ除け内の液面の他の液面と同じ高さとしている。
図42〜
図45に示すようにゴミ除け機構705の液体樹脂タンク721との固定面131には固定位置を変えるため固定ねじ707に対して固定ネジ707を外さずにゴミ除け機構705を液面に浸している状態と完全に揚げている状態とを切り替えるための切欠733が形成されている。
図42及び
図44は切欠733の最上部でゴミ除け機構705が固定されており、液体樹脂に漬けている状態である。この状態から固定ネジ707を緩め、ゴミ除け機構705を上方に移動し、切欠733の最下点に達したところでゴミ除け機構705を少し右側へ移動し、切欠733の凹735に固定ねじ707を嵌めて再度固定することによりゴミ除け機構705は
図44及び
図45に示すように液体樹脂タンクに固定して液体樹脂から完全に揚げられた状態となる。従って、作業者がゴミ除け機構705の置き場所に困ることを無くし、着脱の煩雑な作業も無くすことができる。
図44、
図45に示すように、液面センサは液体樹脂タンクに対して相対的に固定されており、ゴミ除け機構705が動いても固定されたままの状態である。これにより、液面センサ703を再調整する必要は無い。ゴミ除け機構705は、
図44に示されているように固定ネジ707によりゴミ除け機構705と光造形装置のフレーム709とを固定している。ゴミ除け機構705は該固定ネジ707を緩めることにより上方右側に動かすことができる。固定ネジ707にはネジ外れ防止機構711があり固定ネジ707の紛失を防止している。
また、ゴミ除け機構705の他の機能としては、該液溜部713を樹脂内に沈めた時に該液溜部713内に液面上に浮遊したゴミや泡などの侵入を防止している。液面センサ703は、造形中など必要に応じて液面センサから液面までの距離を測定する。液面センサ703の具体的な実施例としては、発光素子から発した光がゴミ除け機構705の液溜部の液面で反射し、該反射した光を受光素子で受光するまでに時間で距離を計測する。ゴミ除け機構705を用いることにより、液面上に浮遊したゴミや泡などによって液面センサ703から液面までの距離の誤計測を防止できる。
図46は液面センサ703によりリコータ751の液面との相対的な位置を測定するための装置を示す。リコータ751にリコータの751の刃先753と同じ高さで水平方向に伸びる平板755を有するリコータの水平器757を装着し、該平板755のリコータの751の刃先753と同じ高さの上面を液面センサ703で計測することによりリコータの刃先753と液体樹脂面とが同じ高さになるように調整する。この場合、ゴミ除け機構705は平板755と干渉しないように液面から完全に揚げている状態で固定されている。
図47は液体樹脂タンク内でテーブル昇降機のアームが上下するための光造形には不要な液体樹脂タンク内のデッドスペースに前記アームと干渉しないようにブロック761を固定し、樹脂を節約するための構成の概略図である。これにより、光造形に寄与しない無駄な樹脂を無くすことができる。
【0068】
図48は、本願発明のリコータの側面断面図である。
図49は、本願発明のリコータの上面断面図である。
図50は、本願発明の可動ブレードの鉛直維持機構の拡大図である。
図51はリコータの逆支弁部での縦断面図である(ブレード降下時)。
図52はリコータの逆支弁部での縦断面図である(ブレード上昇時)。
図53は本願発明の逆止弁部の断面図である。
図54は本願発明の逆止弁部の水平断面図である。
図55は本願発明の逆止弁部の弁の水平断面図である。
図中801はブレードである。該ブレード801は水平方向に伸びていて、断面形状は
図51.52に示すように逆コの字状の形状をしている。該ブレード801の内部には下に開口した空間が形成されており、該ブレード801を
図51のように液体樹脂に沈めることにより前記。レード801の内部には下に開口した空間に液体樹脂が溜まり、該ブレード801を
図52に示すようにリコート位置に戻した際に該空間に溜まった液体樹脂が抜けないようになっており、リコート中に液面に液体樹脂を供給しながら液面を平坦化する。
該ブレード801の駆動は
図48,49に示すようにモータ803により駆動される。この際に、ブレード801が上下動してもブレードが水平を保って動くようにリコータの両端部で垂直方向のガイド805がリコータに設けられている。レール805は
図50に示すようにブレード801に大きな径を持つ円柱状の部材807が固定されており、それをリコータの筐体809に固定されて中空円筒状のレール部材811に通すことにより水平を維持して上下動することが出来るようになっている。
ブレード801は液体樹脂内に沈めて再度持ち上げる際にブレード801内が液体樹脂で満たされて重くなりモータ803への負担を軽減し持ち上げるための時間を短縮するためにブレードを沈めた際に伸びるばね813がブレード801と筐体809との間に3つ取り付けられている。
また、ブレード801の上面には
図51〜
図55に示すように逆止弁815が取り付けられている。逆止弁815は
図51に示すように第一の弁部821によりリコート位置で閉じられている。第一の弁部821はバネ823のバネ力により弁体825をブレード801内の空間に通じた孔827に形成された弁受829に密着することにより閉弁される。次に
図51のリコート位置から
図52の液体樹脂に沈められる際に第一の弁部821が開弁状態となり、次いで
図51〜
図55に示す第二の弁体831が開弁状態となりブレード801内の残留空気が大気中に抜けるようになっている。第二の弁体831の詳細は
図53〜55に示すように、ピン833が円筒内に設けられピン833に支持されるように第二の弁体837が挿入され、閉弁時は重力により第二の弁体837が落下し、孔827を塞いだ状態となり、開弁時はブレード801内の圧力が上昇することにより内部の空気により押し上げられて空気が抜ける構成となっている。さらにブレード801を
図52の状態から
図51のリコート位置にブレード801を戻す際はブレード801内の圧力が負圧となるため、大気圧により弁体837が孔827を塞ぐ力が働きブレード801内の液体樹脂が漏れないようにしている。
ピン833の上端には第二の弁体837が抜けないように抜け防止部材841が取付けられている。
【0069】
図56は、本願発明の第一の実施例を示す。
液体樹脂用タンク901内の液体樹脂903内に耐腐食性の容器、例えばガラスの容器内に水もしくは水溶液905を入れ、容器の口907を水のみを通す特殊な膜111で覆う。特殊な膜としては半透膜を用いる。該容器を特殊な膜に常に容器内の水もしくは水溶液905が接するように容器の口907が下向きになるように液体樹脂内に沈める。このようにすることにより、特殊な膜から所定量の水が所定の割合で液体樹脂内に流れ込むので、乾燥状態でも特殊な定湿層を設けずに液体樹脂の水分濃度を所定の水分濃度に維持することができる。さらに、特殊な水溶液を用いることにより乾燥状態だけではなく高湿状態で液体樹脂内の水分濃度が上がっても、樹脂層の水分を除去することができ、液体樹脂の水分濃度を所定の水分濃度に維持することができる。
半透膜としては再生セルロース(セロファン)、アセチルセルロース、ポリアクリロニトリル、テフロン(登録商標),ポリエステル系ポリマーアロイ、ヴィスキング、ミリポアあるいはポリスルホン等の多孔質膜が用いられる。本実施例の特性としては、湿度約20%RHの雰囲気で、200ccのビーカー中に4.5gの純水を入れ、多孔質膜の表面積を0.74cm2としたところ多孔質膜の孔径が大きいほど水分の移動量が大きい傾向が認められた。比較的大きめの孔径としてはφ=0.2μm〜10.0μmを用いた。
また、孔径が約2nm程度の小さい多孔質膜を用いると、水分の流量は減るが、樹脂中の成分が多孔質膜を通過してビーカー内の純粋に入ることはほとんどない。したがって、浸透圧に影響が出ない。従って、膜の表面積で水分の移動量を調整する。
図57は本願発明の第二実施例である。
951は造形テーブルの昇降機でありアーム953により矢印の上下方向に昇降される。955は水もしくは水溶液の平板状タンク957で注入口959がある。該タンク207の下面にはタンク957の底面として浸透膜961で覆われており、外浸透膜961からタンク内の水が液体樹脂内に浸透もしくは液体樹脂内の水分がタンク内に浸透する。該タンクは造形テーブルの直下に配置されることにより、造形テーブルの昇降動作で液体樹脂内の水分も濃度のむらなく攪拌されるという利点もある。