(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
ビス(アリール)アセタールの触媒重合によってポリアセタールを形成する本方法は、アセタール形成重縮合方法および公知の鈴木カップリングまたは重合方法と比較して1つまたは複数の以下の利点を示すことができる。本方法は、周囲温度でまたはその近傍で行うことができ、アセタール形成重縮合方法と適合性がない官能基(フェノールおよび酢酸エステル等の塩基不安定官能基等)を含有するモノマーと適合性があり、ポリマーを生産することができ、いくつかの鈴木カップリングおよび重縮合反応を抑制する特定の官能基(アリールジハライド中のオルト−アルコキシ基または遊離フェノール基等)を許容する。二分子の鈴木カップリングをわずかにだけ抑制する官能基は、鈴木重縮合反応について有害であり、産物の分子量を有意に減少させ得るということに言及することは重要である。二分子のカップリング反応において、カップリングパートナーのうちの1つの比(それは鈴木カップリングおよび重縮合反応におけるオプションではない)の増加によって、収率を増加させることは常に可能であるということに言及することはさらに重要である。最終的に、二分子の鈴木反応のために特に好ましい反応条件が、鈴木重合反応のために必ずしも最も良好なものではないということは当技術分野において公知である。
【0008】
本明細書において使用される時、「置換された」とは、ハロゲン(すなわちF、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、アミノ、チオール、カルボキシル、カルボキシレート、アミド、ニトリル、スルフィド、ジスルフィド、ニトロ、C
1−18アルキル、C
1−18アルコキシル、C
6−18アリール、C
6−18アリールオキシル、C
7−18アルキルアリールまたはC
7−18アルキルアリールオキシル等の少なくとも1つの置換基を含むことを意味する。式に関して本明細書において開示される任意の基または構造は、特別に定められるか、またはかかる置換が、生じた構造の所望される特性に有意に悪影響を及ぼさない限り、そのように置換され得ることは理解されるだろう。さらに、「フッ素化」とは基の中へ1つまたは複数のフッ素原子を取り込むことを意味する。例えば、C
1−18フルオロアルキル基が示される場合、フルオロアルキル基は、1つもしくは複数のフッ素原子、例えば単一のフッ素原子、2つのフッ素原子(例えば1,1−ジフルオロエチル基として)、3つのフッ素原子(例えば2,2,2−トリフルオロエチル基として)、または各々の炭素の自由原子価でのフッ素原子(例え(−CF
3または−C
2F
5または−C
3F
7または−C
4F
9等のペルフルオロ化基として)を含むことができる。
【0009】
一実施形態は、ポリマーを形成する方法であって、触媒および塩基の存在下においてモノマーを反応させてポリマーを形成する工程を含み;該モノマーが、構造
【化5】
(式中、Y
1およびY
2の各々は、独立して、クロロ、ブロモ、ヨード、メシレート、トシレート、トリフレート、またはB
xであり、B
xの各々の事例は、独立して、ホウ素原子を介してAr
1またはAr
2に結合するホウ素含有官能基であり;Ar
1およびAr
2の各々は、独立して、非置換もしくは置換されたC
6−18アリーレンまたは非置換もしくは置換されたC
3−18ヘテロアリーレンであり;R
1およびR
2の各々は、独立して、水素、非置換もしくは置換されたC
1−18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル、非置換もしくは置換されたC
3−18シクロアルキル;非置換もしくは置換されたC
6−18アリール、または非置換もしくは置換されたC
3−18ヘテロアリールであり;R
1およびR
2は、任意で−R
1−C−R
2−を含む環を形成するように互いへ共有結合で連結され;Y
1およびY
2のうちの1つがクロロ、ブロモ、ヨード、トリフレート、メシレートまたはトシレートであり、Y
1およびY
2の他のものがB
xである場合、ポリマーは、構造
【化6】
を有する複数の反復単位を含み、Ar
1、Ar
2、R
1およびR
2は上で定義され、Ar
1、Ar
2、R
1およびR
2の各々の事例は独立して定義され;Y
1およびY
2の各々がB
xである場合、モノマーは、構造
X−Ar
3−X
を有するビス(離脱基)アリーレンをさらに含み、Xの各々の事例は、独立して、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフレート、メシレートまたはトシレートであり;Ar
3は、非置換もしくは置換されたC
6−18アリーレン、または非置換もしくは置換されたC
3−18ヘテロアリーレンであり;ポリマーは、構造
【化7】
を有する複数の反復単位を含み、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2は上で定義され、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2の各々の事例は独立して定義され;Y
1およびY
2の各々がクロロ、ブロモ、ヨード、トリフレート、メシレートまたはトシレートから独立して選択される場合、モノマーは、構造
B
X−Ar
3−B
X
を有するビス(ホウ素含有官能基)アリーレンをさらに含み、B
xの各々の事例は、独立して、ホウ素原子を介してAr
3に結合するホウ素含有官能基であり;ポリマーは、構造
【化8】
を有する複数の反復単位を含み、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2は上で定義され、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2の各々の事例は独立して定義される)
を有するビス(アリール)アセタールを含む、方法である。
【0010】
方法は、上で示された構造を有するビス(アリール)アセタールを利用する。ビス(アリール)アセタール構造中で、Y
1およびY
2のうちの1つがクロロ、ブロモ、ヨード、トリフレート、メシレートまたはトシレートであり、Y
1およびY
2の他のものがB
xであるときビス(アリール)アセタールは、構造
【化9】
を有する複数の反復単位を含むポリマーを形成するようにそれ自体(ホモポリマー化した)へカップリングすることができ、Ar
1、Ar
2、R
1およびR
2は上で定義され、Ar
1、Ar
2、R
1およびR
2の各々の事例は独立して定義される(すなわち、ここで定義されるようなY
1およびY
2を有するビス(アリール)アセタールの異なる種を共重合させることができる)。いくつかの実施形態において、Y
2はクロロまたはブロモである。いくつかの実施形態において、Y
2はブロモである。本明細書において使用される時、「複数」という用語は少なくとも3を意味する。さらに、「ポリマー」という用語は、わずか3つの反復単位を含むオリゴマーも包含すると理解されるだろう。反復単位の所望される数は、ポリマーの意図された使用に依存するだろう。例えば、ポリマーがフォトレジスト組成物中で使用される場合、ポリマーは少なくとも5つの反復単位、特に5〜200の反復単位を含むことが所望され得る。Y
1およびY
2のうちの1つがクロロ、ブロモ、ヨード、トリフレート、メシレートまたはトシレートであり、Y
1およびY
2の他のものがB
xであるときビス(アリール)アセタールは、任意で、構造
B
X−Ar
3−X
(式中、B
x、Ar
3およびXは上で定義される)を有する化合物と共重合することができる。この共重合は、構造
【化10】
(式中、Ar
1、Ar
2、R
1およびR
2は上で定義され、Ar
1、Ar
2、R
1およびR
2の各々の事例は独立して定義される)を有する複数の反復単位と;構造
【化11】
(式中、Ar
3は上で定義され、Ar
3の各々の事例は独立して定義される)を有する複数の反復単位とを含むポリマーを産出する。この文脈において、構造
【化12】
を有する反復単位は、互いに対して隣接する必要はなく、構造
【化13】
を有する複数の反復単位は、互いに対して隣接する必要はないことが指摘されるべきである。言いかえれば、コポリマーはランダムコポリマーであり得る。
【0011】
他の実施形態において、Y
1およびY
2が各々B
xであるときビス(アリール)アセタールは、構造
X−Ar
3−X
(式中、XおよびAr
3は上で定義される)を有するビス(離脱基)アリーレンと共重合される。生じたポリマーは、構造
【化14】
(式中、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2は上で定義され、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2の各々の事例は独立して定義される)を有する複数の反復単位を含む。
【0012】
さらに他の実施形態において、Y
1およびY
2の各々がクロロ、ブロモ、ヨード、トリフレート、メシレートまたはトシレートから独立して選択されるときビス(アリール)アセタールは、構造
B
X−Ar
3−B
X
(式中、B
xの各々の事例は、独立して、ホウ素原子を介してAr
3に結合するホウ素含有官能基であり;ポリマーは、構造
【化15】
を有する複数の反復単位を含み、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2は上で定義され、Ar
1、Ar
2、Ar
3、R
1およびR
2の各々の事例は独立して定義される)を有するビス(ホウ素含有官能基)アリーレンと共重合される。
【0013】
ビス(アリール)アセタール、構造
B
X−Ar
3−X
を有する化合物、または構造
B
X−Ar
3−B
X
を有するビス(ホウ素含有官能基)アリーレンのいずれにおいてに存在するかにかかわらず、B
xの各々の事例は、独立して、ホウ素原子を介して隣接するAr
1、Ar
2またはAr
3へ結合されるホウ素含有官能基である。B
x基の実例には、−BF
3−M
+(式中、M
+の各々の事例は、独立して、アルカリ金属カチオンまたは非置換もしくは置換されたアンモニウムイオンである);−B(OH)
2;および
【化16】
(式中、R
3およびR
4の各々は、独立して、C
1−18アルキル、C
3−18シクロアルキルまたはC
6−18アリールであり;R
3およびR
4は、任意で
−R
3−O−B−O−R
4−を含む環を形成するように互いへ共有結合で連結される)が含まれる。
【0014】
いくつかの実施形態において、B
xの各々の事例は、独立して、
【化17】
(式中、R
3およびR
4の各々は、独立して、C
1−18アルキル、C
3−18シクロアルキルまたはC
6−18アリールであり;R
3およびR
4は、任意で
−R
3−O−B−O−R
4−を含む環を形成するように互いへ共有結合で連結される)である。
【0015】
B
x種の実例には、
【化18-1】
【化18-2】
が含まれる。
【0016】
上記のビス(アリール)アセタール構造中で、Ar
1およびAr
2の各々は、独立して、非置換もしくは置換されたC
6−18アリーレンまたは非置換もしくは置換されたC
3−18ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Ar
1およびAr
2は、−Ar
1−O−C−O−Ar
2−を含む環構造を形成するようには互いへ共有結合で連結されない。他の実施形態において、Ar
1およびAr
2は、−Ar
1−O−C−O−Ar
2−を含む環構造を形成するように、例えば第2のアセタール基を介して、互いへ共有結合で連結される。Ar
1およびAr
2の具体的な実例には、非置換または置換された1,2−フェニレン、非置換または置換された1,3−フェニレン、非置換または置換された1,4−フェニレン、非置換または置換された4,4’−ビフェニレン、非置換または置換された4,4’’−p−テルフェニレン、非置換または置換された3,3’’−p−テルフェニレン、非置換または置換された4,4’’−m−テルフェニレン、非置換または置換された4,4’’−p−テルフェニレン、非置換または置換された4,4’’−o−テルフェニレン、非置換または置換された2,2’’−o−テルフェニレン、非置換または置換された1,4−ナフチレン、非置換または置換された2,7−ナフチレン、非置換または置換された2,6−ナフチレン、非置換または置換された1,5−ナフチレン、非置換または置換された2,3−ナフチレン、非置換または置換された1,7−ナフチレン、非置換または置換された1,8−ナフチレン、非置換または置換されたイミダゾ−2,4−イルエン、2,4−ピリジレン、2,5−ピリジレン、非置換または置換された1,8−アントラセニルエン、非置換または置換された9,10−アントラセニルエン、非置換または置換された2,7−フェナントレニレン、非置換または置換された9,10−フェナントレニレン、非置換または置換された3,6−フェナントレニレン、非置換または置換された2,7−ピレニレン、非置換または置換された1,6−ピレニレン、非置換または置換された1,8−ピレニレン、非置換または置換された2,5−フラニルエン、非置換または置換された3,4−フラニルエン、非置換または置換された2,3−フラニルエン、非置換または置換された2,5−チオフラニルエン、非置換または置換された3,4−チオフラニルエン、非置換または置換された2,3−チオフラニルエン、非置換または置換された2,5−オキサゾリルエン、非置換または置換された2,7−フルオレニレン、非置換または置換された2,5−ベンゾフラニルエン、非置換または置換された2,7−ベンゾフラニルエン、非置換または置換された5,7−ベンゾフラニルエン、非置換または置換された5,7−[1,3−ベンゾオキサゾール]、非置換または置換されたジチエノ[3,2−b:2′,3′−d]チオフェン、および非置換または置換された2,7−キサンテニレン(xanthenylene)が含まれる。
【0017】
いくつかの実施形態において、Ar
1、Ar
2およびAr
3のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル、アセタール、ケタール、エステルおよびラクトンからなる群から選択される少なくとも1つの官能基により置換される。
【0018】
いくつかの実施形態において、ポリマーの反復単位のうちの少なくとも1つにおいて、R
1、R
2、Ar
1、Ar
2およびAr
3(存在する場合)のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシルにより置換される。いくつかの実施形態において、ポリマー中の反復単位の少なくとも10モルパーセントは、少なくとも1つのヒドロキシルを含む。制限内で、少なくとも1つのヒドロキシルを含むポリマー中の反復単位のモルパーセントは、40、60、80、90または95まででありえる。いくつかの実施形態において、R
1、R
2、Ar
1、Ar
2およびAr
3(存在する場合)のうちの少なくとも1つは、少なくとも40モルパーセントの複数の反復単位中でヒドロキシルにより置換される。いくつかの実施形態において、40〜99モルパーセントの複数の反復単位中で、Ar
1、Ar
2およびAr
3(存在する場合)のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシルにより置換され、1〜60モルパーセントの複数の反復単位中で、Ar
1、Ar
2およびAr
3のうちの少なくとも1つはアセタールまたはケタールにより置換される。好ましいアセタールは、−O−C(H)(R
5)−OR
6(式中、R
5はメチルであり、R
6はシクロヘキシルである)である。いくつかの実施形態において、Ar
1、Ar
2およびAr
3の各々の事例は、独立して、1,3−フェニレンまたは1,4−フェニレンである。
【0019】
アセタールは、構造
−O−C(H)(R
5)−OR
6
(式中、R
5およびR
6は、非置換または置換されたC
1−18の直鎖状または分岐状のアルキル、非置換または置換されたC
3−18シクロアルキル、非置換または置換されたC
6−18アリール、および非置換または置換されたC
3−18ヘテロアリールからなる群から独立して選択される)を有する一価アセタールであり得る。いくつかの実施形態において、R
5およびR
6は、環構造を形成するように互いへ共有結合で連結される。いくつかの実施形態において、R
5またはR
6は、ポリマー骨格へ共有結合で連結される(例えばR
1もしくはR
2へ、またはアセタールの酸素末端がまだ結合されないAr
1、Ar
2およびAr
3のうちの1つへ結合することを介して)。これらの実施形態において、アセタールは環構造の一部である。環構造は、
Ar
1−O−C−O−Ar
2
を含むかまたは含まないことが可能である。構造−O−C(H)(R
5)−OR
6を有する一価アセタールの具体的な実例には、
【化19】
が含まれる。アセタールは、構造
【化20】
(式中、Ar
nは、Ar
1、Ar
2もしくはAr
3(存在する場合)、またはAr
1およびAr
2の組み合わせ(例えば、1つのアセタール酸素がAr
1へ直接および他のものがAr
2へ直接結合される場合)またはAr
2およびAr
3の組み合わせであり;R
10は、非置換または置換されたC
1−18の直鎖状または分岐状のアルキル、非置換または置換されたC
3−18シクロアルキル、非置換または置換されたC
6−18アリールおよび非置換または置換されたC
3−18ヘテロアリールからなる群から選択される)において示されるように、酸素原子を介してAr
1、Ar
2またはAr
3へ付加された二価環状アセタールでもあり得る。いくつかの実施形態において、環状アセタールは、
Ar
1−O−C(R
1)(R
2)−O−Ar
2
を含む環構造の一部である。他の実施形態において、環状アセタールはかかる環構造の一部ではない。
【0020】
ケタールは、構造
−O−C(R
7)(R
8)−OR
9
(式中、R
7、R
8およびR
9は、非置換または置換されたC
1−18の直鎖状または分岐状のアルキル、非置換または置換されたC
3−18シクロアルキル、非置換または置換されたC
6−18アリール、および非置換または置換されたC
3−18ヘテロアリールからなる群から独立して選択される)を有する一価ケタールであり得る。R
7、R
8またはR
9は、任意で、アセタールが環構造の一部であるようにポリマー骨格へ共有結合で連結される。
【0021】
ケタールは、構造
【化21】
(式中、Ar
nはAr
1もしくはAr
2、またはAr
1およびAr
2の組み合わせであり(例えば、1つのケタール酸素がAr
1へ直接および他のものがAr
2へ直接結合される場合);R
11およびR
12は、非置換または置換されたC
1−18の直鎖状または分岐状のアルキル、非置換または置換されたC
3−18シクロアルキル、非置換または置換されたC
6−18アリール、および非置換または置換されたC
3−18ヘテロアリールからなる群から独立して選択される)において示されるように、酸素原子を介してAr
1またはAr
2へ付加された二価環状ケタールでもあり得る。いくつかの実施形態において、環状ケタールは、
Ar
1−O−C(R
1)(R
2)−O−Ar
2
を含む環構造の一部である。他の実施形態において、環状ケタールはかかる環構造の一部ではない。
【0022】
エステルは、構造
−(O)
a−(L
1)
b−C(=O)−OR
13
(式中、aは0または1であり、bは0または1であり、ただしaが1であるときbは1であり;R
13は、非置換または置換されたC
1−20の直鎖状または分岐状のアルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ジフェニルメチル、2−フェニルプロパン−2−イル、1,1−ジフェニルエタン−1−イル、トリフェニルメチル)、非置換または置換されたC
3−20シクロアルキル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキサン−1−イル、エチルシクロヘキサン−1−イル、1−ノルボルニル、1−アダマントリル、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、1−アダマントリル、2−メチルアダマンタン−2−イル)、非置換または置換されたC
6−20アリール(例えばフェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチル)、および非置換または置換されたC
3−20ヘテロアリール(例えば2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)からなる群から選択され;式中、L
1は、非置換または置換されたC
1−20の直鎖状または分岐状のアルキレン(例えばメタン−1,1−ジイル(−CH
2−)、エタン−1,2−ジイル(−CH
2CH
2−)、エタン−1,1−ジイル(−CH(CH
3)−)、プロパン−2,2−ジイル(−C(CH
3)
2−))、非置換または置換されたC
3−20シクロアルキレン(例えば1,1−シクロペンタンジイル、1,2−シクロペンタンジイル、1,1−シクロヘキサンジイル、1,4−シクロヘキサンジイル)、非置換または置換されたC
6−20アリーレン(例えば1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン)、および非置換または置換されたC
3−20ヘテロアリーレン(例えばイミダゾ−2,4−イルエン、2,4−ピリジレン、2,5−ピリジレン)からなる群から選択される)
を有することができる。いくつかの実施形態において、R
13およびL
1は、ラクトンを形成するように互いへ共有結合で連結される。いくつかの実施形態において、R
13は第三炭素原子を介して隣接するエステル酸素原子へ結合され、例えば
【化22】
である。
【0023】
あるいは、エステルは、構造
−(O)
c−(L
2)
d−O−C(=O)−R
14
(式中、cは0または1であり、dは0または1であり、ただしcが1であるときdは1であり;R
14は、非置換または置換されたC
1−20の直鎖状または分岐状のアルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ジフェニルメチル、2−フェニルプロパン−2−イル、1,1−ジフェニルエタン−1−イルおよびトリフェニルメチル)、非置換または置換されたC
3−20シクロアルキル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマントリル、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、2−メチルアダマンタン−2−イル)、非置換または置換されたC
6−20アリール(例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、および非置換または置換されたC
3−20ヘテロアリール(例えば2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)からなる群から選択され;式中、L
2は、非置換または置換されたC
1−20の直鎖状または分岐状のアルキレン(例えばメタン−1,1−ジイル(−CH
2−)、エタン−1,2−ジイル(−CH
2CH
2−)、エタン−1,1−ジイル(−CH(CH
3)−)、プロパン−2,2−ジイル(−C(CH
3)
2−)、2−メチルプロパン−1,2−ジイル(−CH
2C(CH
3)
2−)、ジフェニルメチレン(−C(C
6H
5)
2−)、1−フェニルメタン−1,1−ジイル(−CH(C
6H
5)−)、2−フェニルプロパン−1,2−ジイル(−CH
2C(CH
3)(C
6H
5)−)、1,1−ジフェニルエタン−1,2−ジイル(−CH
2C(C
6H
5)
2−))、非置換または置換されたC
3−20シクロアルキレン(例えば1,1−シクロペンタンジイル、1,2−シクロペンタンジイル、1,1−シクロヘキサンジイル、1,4−シクロヘキサンジイル、エチルシクロヘキサン−1,4−ジイル、4−メチルアダマンタン−1,4−ジイル)、非置換または置換されたC
6−20アリーレン(例えば1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン)、および非置換または置換されたC
3−20ヘテロアリーレン(例えばイミダゾ−2,4−イルエン、2,4−ピリジレン、2,5−ピリジレン)からなる群から選択される)
を有することができる。いくつかの実施形態において、R
14およびL
2は、ラクトンを形成するように互いへ共有結合で連結される。構造−(O)
c−(L
2)
d−O−C(=O)−R
14を有するエステルの具体的な実例は、
【化23】
である。
【0024】
ラクトンは、構造
【化24】
(式中、eは0または1であり;fは0または1であり;gは1、2、3または4(特に2)であり;R
50は、水素、非置換もしくは置換されたC
1−18の直鎖状または分岐状のアルキル、非置換もしくは置換されたC
3−18シクロアルキル、非置換もしくは置換されたC
6−18アリール、または非置換もしくは置換されたC
3−18ヘテロアリールであり;L
3は、非置換または置換されたC
1−20の直鎖状または分岐状のアルキレン(例えば非置換または置換されたC
3−20シクロアルキレン(例えば1,1−シクロペンタンジイル、1,2−シクロペンタンジイル、1,1−シクロヘキサンジイル、1,4−シクロヘキサンジイル))、非置換または置換されたC
6−20アリーレン(例えば1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン)、および非置換または置換されたC
3−20ヘテロアリーレン(例えばイミダゾ−2,4−イルエン、2,4−ピリジレン、2,5−ピリジレン)からなる群から選択される)
を有することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、ポリマーの反復単位のうちの少なくとも1つにおいて、R
1、R
2、Ar
1、Ar
2およびAr
3(存在する場合)のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシルにより置換される。いくつかの実施形態において、R
1、R
2、Ar
1、Ar
2およびAr
3(存在する場合)のうちの少なくとも1つは、少なくとも40モルパーセントの複数の反復単位中でヒドロキシルにより置換される。いくつかの実施形態において、40〜99モルパーセントの複数の反復単位中で、Ar
1、Ar
2およびAr
3(存在する場合)のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシルにより置換され、1〜60モルパーセントの複数の反復単位中で、Ar
1、Ar
2およびAr
3のうちの少なくとも1つはアセタールまたはケタールにより置換される。好ましいアセタールは、−O−C(H)(R
5)−OR
6(式中、R
5はメチルであり、R
6はシクロヘキシルである)である。いくつかの実施形態において、Ar
1、Ar
2およびAr
3の各々の事例は、独立して、1,3−フェニレンまたは1,4−フェニレンである。
【0026】
ポリマーが酸へ曝露されてフラグメント化が促進されるような用途において使用される場合、ポリマーのAr
1およびAr
2環の間の強固な連結を除くことが所望されてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、Ar
1およびAr
2は、−Ar
1−O−C−O−Ar
2−を含む環構造を形成するようには互いと共有結合で連結されない。
【0027】
Ar
1、Ar
2およびAr
3の具体的な実例には、非置換または置換された1,2−フェニレン、非置換または置換された1,3−フェニレン、非置換または置換された1,4−フェニレン、非置換または置換された4,4’−ビフェニレン、非置換または置換された4,4’’−p−テルフェニレン、非置換または置換された3,3’’−p−テルフェニレン、非置換または置換された4,4’’−m−テルフェニレン、非置換または置換された4,4’’−p−テルフェニレン、非置換または置換された4,4’’−o−テルフェニレン、非置換または置換された2,2’’−o−テルフェニレン、非置換または置換された1,4−ナフチレン、非置換または置換された2,7−ナフチレン、非置換または置換された2,6−ナフチレン、非置換または置換された1,5−ナフチレン、非置換または置換された2,3−ナフチレン、非置換または置換された1,7−ナフチレン、非置換または置換された1,8−ナフチレン、非置換または置換されたイミダゾ−2,4−イルエン、2,4−ピリジレン、2,5−ピリジレン、非置換または置換された1,8−アントラセニルエン、非置換または置換された9,10−アントラセニルエン、非置換または置換された2,7−フェナントレニレン、非置換または置換された9,10−フェナントレニレン、非置換または置換された3,6−フェナントレニレン、非置換または置換された2,7−ピレニレン、非置換または置換された1,6−ピレニレン、非置換または置換された1,8−ピレニレン、非置換または置換された2,5−フラニルエン、非置換または置換された3,4−フラニルエン、非置換または置換された2,3−フラニルエン、非置換または置換された2,5−チオフラニルエン、非置換または置換された3,4−チオフラニルエン、非置換または置換された2,3−チオフラニルエン、非置換または置換された2,5−オキサゾリルエン、非置換または置換された2,7−フルオレニレン、非置換または置換された2,5−ベンゾフラニルエン、非置換または置換された2,7−ベンゾフラニルエン、非置換または置換された5,7−ベンゾフラニルエン、非置換または置換された5,7−[1,3−ベンゾオキサゾール]、非置換または置換されたジチエノ[3,2−b:2′,3′−d]チオフェン、および非置換または置換された2,7−キサンテニレン(xanthenylene)が含まれる。いくつかの実施形態において、Ar
1、Ar
2およびAr
3(存在する場合)の各々の事例は、独立して、1,3−フェニレンまたは1,4−フェニレンである。
【0028】
上記のビス(アリール)アセタール構造中で、R
1およびR
2の各々は、独立して、水素、非置換もしくは置換されたC
1−18の直鎖状または分岐状のアルキル(例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1メチル−2−プロピル、ジフェニルメチル、2−フェニルプロパン−2−イル、1,1−ジフェニルエタン−1−イルおよびトリフェニルメチル)、非置換または置換されたC
3−20シクロアルキル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマントリル、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、2−メチルアダマンタン−2−イル);非置換もしくは置換されたC
6−18アリール(例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル)、または非置換もしくは置換されたC
3−18ヘテロアリール(例えば2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)であり;R
1およびR
2は、任意で
−R
1−C−R
2−
を含む環を形成するように互いへ共有結合で連結される。いくつかの実施形態において、R
1およびR
2のうちの少なくとも1つは水素またはメチルである。いくつかの実施形態において、R
1は水素であり、R
2は、フェニル、オルト−メトキシフェニル、メタ−メトキシフェニルおよびパラ−メトキシフェニルから選択される。いくつかの実施形態において、R
1は水素であり、R
2は非置換または置換されたフェニルである。R
2が置換されたフェニルである場合、それは、ヒドロキシル基、アセタール基、エステル基(ラクトンを含む)、またはアセタール生成重縮合を介するポリアセタール形成と適合性がないかもしくは所望されないポリマー架橋を引き起こす他のかかる基により置換することができる。同時出願された出願中で記載されるように、本発明者は、ポリアセタールがビス(アリール)アセタールから合成される鈴木重縮合反応において、かかる基が許容されることを確定した。R
1およびR
2が−R
1−C−R
2−を含む環を形成するように互いへ共有結合で連結されるビス(アリール)アセタール化合物の2つの具体的な実例は、
【化25】
である。
【0029】
ビス(アリール)アセタールの具体的な実例には、
【化26-1】
【化26-2】
【化26-3】
【化26-4】
が含まれる。
【0030】
X−Ar
3−X、B
x−Ar
3−B
xおよびB
x−Ar
3−Xの例には、
【化27-1】
【化27-2】
【化27-3】
【化27-4】
が含まれる。
【0031】
上記のビス(アリール)アセタール構造の非常に具体的な実施形態において、YはB
xであり;B
xの各々の事例は、
【化28】
であり;Ar
1およびAr
2は1,4−フェニレンであり;R
1は水素であり;R
2はフェニルである。
【0032】
ビス(アリール)アセタールの合成は、同時出願された米国特許出願第__号[代理人整理番号DOW0009US]中で記載される。
【0033】
方法は、触媒を任意でビス(離脱基)アリーレンと組み合わせて利用して、ビス(アリール)アセタールを重合する。一般に、触媒は鈴木カップリング触媒である。鈴木重縮合および生じたポリマーの総説は、Macromol.Rapid Commun.2009,30,653およびJ.Polym.Sci.Part A.Polym.Chem.2001,39,1533中のSchluter et al.によって公開されている。本発明者は、重合のために特に活性のある触媒が、構造
【化29】
(式中、R
14の各々の事例は、独立して、非置換もしくは置換されたC
1−18の直鎖状または分岐状のアルキル、非置換もしくは置換されたC
3−18シクロアルキル、非置換もしくは置換されたC
6−18アリール、または非置換もしくは置換されたフェロセニルであり;R
15、R
16、R
17、R
18、R
19は、独立して、水素、C
1−6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル、C
3−6シクロアルキル、またはフェニルであり;Zは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ(−CN)、シアネート(−OCN)、イソシアネート(−NCO)、チオシアネート(−SCN)、イソチオシアネート(−NCS)、ニトロ(−NO
2)、ニトライト(−ON=O)、アジド(−N=N+=N−)、およびヒドロキシルからなる群から選択される)を有するものを含むことを確認した。かかる触媒を調製する方法はC.C.C.Johansson Seechurn,S.L.Parisel,and T.J.Calacot,J.Org.Chem.2011,76,7918−7932中で記載され、この中で触媒は二分子のカップリングのために使用される。方法の非常に具体的な実施形態において、ビス(アリール)アセタール構造中で、Y
1およびY
2の各々はB
xであり、B
xの各々の事例は、
【化30】
であり;Ar
1およびAr
2は1,4−フェニレンであり;Ar
3は、ヒドロキシルまたはアセタール(−O−C(H)(R
5)−OR
6)により置換された1,3−フェニレンであり、R
5はメチルであり、R
6はシクロヘキシルであり;R
1は水素であり;R
2は、フェニル、オルト−メトキシフェニル、メタ−メトキシフェニル、またはパラ−メトキシルフェニルであり;上記の触媒構造において、R
14の各々の事例はt−ブチルであり;R
15はメチルであり;R
16、R
17、R
18およびR
19は水素であり;Zは塩素である。
【0034】
触媒の濃度は、ビス(アリール)アセタール構造、触媒構造および重合反応温度を含む因子に依存して変動し得るが、触媒対ビス(アリール)アセタールのモル比は一般的には1×10
−6:1〜0.05:1、具体的には1×10
5:1〜0.01:1、より具体的には1×10
−4:1〜0.005:1である。
【0035】
触媒に加えて、塩基は重合反応において使用される。触媒またはビス(アリール)アセタールを分解しない限り、様々な塩基を用いることができる。好適な塩基には、炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸アンモニウム、および置換された炭酸アンモニウムに加えて、対応する炭酸水素塩等)、リン酸塩(リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ルビジウム、リン酸セシウム、リン酸アンモニウム、および置換されたリン酸アンモニウムに加えて、対応するリン酸水素塩を含む)、および酢酸塩(酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸アンモニウム、および置換された酢酸アンモニウムを含む)が含まれる。
【0036】
好適な塩基には、カルボン酸塩(酢酸塩以外の)(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、アンモニウム、および置換されたアンモニウムの陽イオンとの、ホルメート、フルオロアセテートおよびプロピオネートの陰イオンの塩等);金属二水酸化物(二水酸化マグネシウム、二水酸化カルシウム、二水酸化ストロンチウム、二水酸化バリウム等);金属三水酸化物(三水酸化アルミニウム、三水酸化ガリウム三水酸化、三水酸化インジウム、三水酸化タリウム等);非求核性有機アミン(トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)等);ビス(シリル)アミド塩(ビス(トリメチルシリル)アミドのリチウム、ナトリウムおよびカリウムの塩等);アルコキシド塩(t−ブトキシドのリチウム、ナトリウムおよびカリウムの塩等);および1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタリン(PROTON−SPONGE(商標))がさらに含まれる。
【0037】
いくつかの実施形態において、塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、およびその組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、塩基はリン酸カリウムを含む。
【0038】
塩基および特に親水性塩基は、任意で、相間移動触媒および/または水および/または有機溶媒の存在下において用いることができる。
【0039】
塩基は、典型的には、ビス(アリール)アセタールの1当量あたり少なくとも1当量の量で使用される。いくつかの実施形態において、塩基量は、ビス(アリール)アセタールの1当量あたり1〜10当量、特にビス(アリール)アセタールの1当量あたり2〜6当量である。
【0040】
重合反応は溶媒中で行なうことができる。好適な溶媒には、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ジメチルホルムアミド、トルエン、アセトニトリル、およびその組み合わせが含まれる。無機塩(もしあれば)の溶解を容易にするか、または転換収率を改善するために、溶媒は水をさらに含むことができる。
【0041】
重合は広範囲の温度にわたって行うことができる。いくつかの実施形態において、重合は0〜100℃の温度で行われる。この範囲内で、重合温度は10〜80℃、特に20〜70℃であり得る。
【0042】
当業者は不必要な実験なしに重合のために必要とされる時間を決定することができ、ビス(アリール)アセタールの同一性、ビス(離脱基)アリーレン(もしあれば)の同一性、触媒の同一性、および重合温度を含む因子に依存するだろう。いくつかの実施形態において、重合時間は30分〜200時間である。この範囲内で、重合時間は10〜100時間、特に20〜50時間である。
【0043】
いくつかの実施形態において、任意の反復単位
【化31】
内の下位構造
【化32】
は、
【化33-1】
【化33-2】
【化33-3】
からなる群から選択される。
【0044】
いくつかの実施形態において、任意の反復単位
【化34】
内の下位構造
【化35】
は、
【化36-1】
【化36-2】
からなる群から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリマー鎖の端部のB
xまたはX基と反応する1つまたは複数の化合物の添加によってエンドキャップされる。これらの実施形態において、モノマーは、Ar
4−X、Ar
4−B
xおよびその組み合わせから選択されるエンドキャッピング剤をさらに含み、Ar
4は非置換もしくは置換されたC
6−18アリーレンまたは非置換もしくは置換されたC
3−18ヘテロアリーレンであり、XおよびB
xは上で定義される。エンドキャッピング化合物のための具体的な実例には、
【化37】
が含まれる。
【0046】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのエンドキャッピング剤は、(1)ポリマーのハロゲンおよび/もしくはホウ素含有量を減少させる、ならびに/または(2)可溶性および基板接着を含むポリマー特性を合わせる方法として、重合反応の実質的な完了後に(すなわち二官能性モノマーの反応の完了後に)添加される。いくつかの実施形態において、好適な量は、初期モノマー濃度に関して0.01当量〜5当量、より具体的には初期モノマー濃度に関して0.1当量〜0.3当量の範囲である。
【0047】
いくつかの実施形態において、エンドキャッピング試薬は、(1)分子量を限定する、(2)最終的なポリマーのハロゲンおよび/もしくはホウ素含有量を減少させる、ならびに/または(3)可溶性および基板接着を含む特異的なポリマー特性を合わせる方法として重合の経過の開始時にまたは間に添加される。エンドキャッピング試薬の好適な量は、標的分子量および/またはモノマー反応性と比較したエンドキャッピング試薬の相対的反応性に依存し、初期モノマー濃度に関して0.0001当量〜1当量の範囲である。
【0048】
本方法によって生産されたポリアセタールは、ブレンステッド酸もしくはルイス酸による処理に際して、または電子衝撃もしくはイオン化に際して少なくとも2つのより小さな分子へとフラグメント化する能力のために有用な化合物である。かかるフラグメント化を使用して、ポリアセタールを含む材料または配合の物理化学的性質(可溶性、凝集状態、ガラス転移温度、融点および蒸気圧を含む)を改変することができる。ポリアセタールは様々な物品および用途において使用することができ、生物学的用途(例えば医薬品を含む活性薬剤のpH依存性送達)、プロドラッグおよび薬物放出増幅、マイクロカプセル化および放出延長の用途(例えば薬学または農業用途のための活性薬剤のカプセル化);診断用途;シグナル増幅;リソグラフィーのためのフォトレジスト(紫外線(UV)波長、極紫外線波長(EUV)および電子ビームを使用するリソグラフィーのフォトレジストトップコートおよび下層を含む);電子デバイス(パターニング可能な発光デバイス(OLED/PLED)、光起電力デバイス、有機薄膜トランジスター(TFT)および分子論理ゲートを含む);写真用途(放射性化合物またはUV照射の検出またはイメージング等);ならびにpH指示薬が含まれる。
【0049】
本発明は以下の実施例によってさらに例証される。
【0050】
一般的な手順
すべての溶媒および試薬は、商業的に入手可能なpurum、puriss.またはp.a.純度で得られた。無水溶媒は、社内の精製/分配装置(ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテル)から得るか、またはSigma−Aldrich、Fisher ScientificもしくはAcrosから購入した。
【0051】
プロトン核磁気共鳴(
1H−NMR)スペクトル(500メガヘルツ(MHz)または400MHz)は、特に断りのない限り、30℃でVarian VNMRS−500またはVNMRS−400スペクトロメーター上で得た。化学シフトは、CDCl
3中のテトラメチルシラン(TMS)(δ=0.00)、ベンゼン−d
6中のベンゼン−d
5(7.15)またはTHF−d
8中のテトラヒドロフラン−d
7(THF−d7;δ3.58(使用された)および1.73)を参照した。必要であるならば、ピーク指定は、COSY、HSQCまたはNOESY実験の支援により実行した。
13C−NMRスペクトル(125MHzまたは100MHz)はVarian VNMRS−500またはVNRMS−400スペクトロメーター上で得て、化学シフトは溶媒シグナルまたは標準シグナルであった(0.0−CDCl
3中のTMS、128.02−ベンゼン−d
6、67.57(53.37)−THFd
8)。NMRが定量化目的のために使用された場合、単一スキャン実験または≧30秒の緩和遅延が使用された。
【0052】
ポリマーは以下のように解析した。重量平均分子量(M
n)および数平均分子量(M
w)および多分散性(D=M
w/M
n)を、ゲル透過クロマトグラフィーによって決定した。2ミリグラムのポリマーサンプルを1.0ミリリットルの非抑制(uninhibited)THF中で溶解し、続いて0.22マイクロメートルの膜で濾過し、50マイクロリットルの生じたサンプルを、屈折率検出器へカップリングしたAgilent 1100シリーズGPCシステムの中へ注入した。以下の解析条件を使用した。カラム:300×7.5mmのAgilent PLgel 5μm MIXED−C;カラム温度35℃;移動相:THF;フロー1mL/分;検出器温度:35℃。
【0053】
融点(T
m)およびガラス転移温度(T
g)は、T4キャリブレーション(インジウム、サファイア)を使用するTA装置Q2000 DSCを使用して、示差走査熱量測定(DSC)によって得られた。およそ5ミリグラムの各々のサンプルを蓋を備えたTZeroアルミニウムDSCパンの中へ秤量した。10℃/分の傾斜率で加熱/冷却/加熱の温度プロフィールを窒素パージ下で使用した。サンプルを室温から150℃まで加熱し、−90℃まで冷却し、150℃まで再び加熱した。データ解析はTAユニバーサル解析ソフトウェアを使用して実行した。
【0054】
熱分解温度(T
d)は赤外線アクセサリーおよびオートサンプラーを備えたTA装置Q5000IR上で熱重量分析(TGA)によって測定した。およそ5ミリグラムの各々のサンプルをTA高温の白金パンの中へ秤量した。サンプルを室温で(オートサンプラーを使用して)ロードし、持続的な乾燥エアパージ下で10℃/分で600℃まで上昇させた。データ解析はTAユニバーサル解析ソフトウェアを使用して実行した。
【0055】
調製実施例1
【化38】
以下に略述された実施例において、反復単位の30%は−OCHVEを含有し、反復単位の70%は遊離フェノールを含有する。
【0056】
pBEBA−2,4−DBP−CHVE(30%)。窒素下で、2,2’−(((フェニルメチレン)ビス(オキシ))ビス(4,1−フェニレン))−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(8.000グラム、15.14ミリモル、1.000当量)および2,4−ジブロモ−1−(1−(シクロヘキシルオキシ)エトキシ)ベンゼン(1.632グラム、4.316ミリモル、0.285当量)を、丸底フラスコ中で組み合わせた。窒素下で、個別のバイアル中で、リン酸カリウム(10.06グラム、47.4ミリモル、3.13当量)を脱酸素水(13ミリリットル)中で溶解した。窒素下で、個別のバイアル中で、Pd(クロチル)(P(tBu)
3)Cl(6.0ミリグラム、15マイクロモル、0.001当量)を、脱気した1,4−ジオキサン(200マイクロリットル)中で溶解した。1,4−ジオキサン(50ミリリットル)、続いてリン酸カリウム溶液を主要な反応容器へ添加した。両方の相が良好にブレンドされるまで、混合物を強く撹拌した。次いで触媒溶液をカニューレを介して添加した。反応混合物を5時間撹拌し、次いで2,4−ジブロモフェノール(2.537グラム、10.07ミリモル、0.665当量)を添加した。反応混合物を一晩強く撹拌した。さらに20〜22時間後に、フェニルボロン酸エンドキャップ(0.277グラム、2.27ミリモル、0.15当量)を添加した。反応物を一晩強く撹拌した。さらに20〜24時間後に、ブロモベンゼンエンドキャップ(477マイクロリットル、4.54ミリモル、0.30当量)を添加した。反応物を一晩強く撹拌した。
【0057】
反応混合物は50ミリリットルの希釈した塩水および100ミリリットルの酢酸エチルを添加することによって完成させ、続いて抽出漏斗中で振盪した。水層を除去し、残りの有機相を塩水(50ミリリットルで1回)によりさらに洗浄した。有機相を還流凝縮器を装備した丸底フラスコの中へ移し、ナトリウムジエチルジチオジカルバメートの飽和水溶液(〜10ミリリットル)を添加し、混合物を還流下で60分間強く撹拌した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムの上で乾燥し、CELITE(商標)珪藻土(上部に〜0.25インチ)、FLORISIL(商標)活性化ケイ酸マグネシウム(中央に0.15インチ)およびシリカゲル(底部に0.15インチ)の3層のプラグを介して濾過した。粗製産物を200ミリリットルの酢酸エチルにより完全に溶出し、合わせた有機相を脱イオン水(50ミリリットルで5回)により洗浄し、回転蒸発装置上で濃縮した。残留物をトルエン(5〜10ミリリットル)と共に酢酸エチル(〜50ミリリットル)中に採取した。撹拌したメタノール(700ミリリットル)へ滴下して添加することによって、ポリマーを沈殿させた。添加完了後、懸濁物を30分間撹拌し、次いで沈降させた。前洗浄したディスポーザブルフィルターカートリッジを通して濾過することによって沈殿物を回収し、風乾した。残留物を再びトルエン(5〜10ミリリットル)と共に酢酸エチル(〜50ミリリットル)中に採取し、沈殿手順を2回反復した。最終的な沈殿後に、濾過ケーキを〜65℃の高真空オーブン下で一晩乾燥した。産物は無色の粉末(5.55グラム、91%重合収率)の形態で得られた。DSC:136.1℃のT
g;TGA:270.9℃のT
d(5%重量損失);GPC(PSスタンダードに対して):M
n=6.44キロダルトン(kDa)、M
w=13.4kDa、D=2.08;
1H NMR(500MHz,THF−d
8)δ8.28−8.16(2.8%),7.75−7.62(9.4%),7.60−7.16(40.0%),7.13−6.80(24.7%),5.43−5.31(1.1%),3.53−3.37(1.2%),1.71−1.06(23.0%);[積分比δ8.20/5.36 71:29];
13C NMR(101MHz,THF−d
8)δ156.74,156.44,156.40,154.83,154.42,139.16,137.33,136.41,135.90,135.40,134.07,134.04,133.99,133.36,133.34,133.32,131.72,131.42,129.95,129.82,129.68,129.61,129.38,129.36,129.33,128.54,128.31,127.88,127.51,127.10,126.99,118.79,118.52,118.49,118.47,118.44,117.55,117.52,117.48,117.38,117.21,109.32,101.30,101.25,101.20,101.15,101.03,100.26,84.37,75.08,67.57,34.38,33.23,26.75,24.85,21.71.
【0058】
調製実施例2
【化39】
pBEBA−2,4−DBP(0%)。窒素下で、2,2’−(((フェニルメチレン)ビス(オキシ))ビス(4,1−フェニレン))−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(6.000グラム、11.36ミリモル、1.000当量)および2,4−ジブロモフェノール(2.718グラム、10.79ミリモル、0.950当量)を、丸底フラスコ中で組み合わせた。窒素下で、個別のバイアル中で、リン酸カリウム(7.54グラム、35.5ミリモル、3.13当量)を脱酸素水(10ミリリットル)中で溶解した。窒素下で、個別のバイアル中で、Pd(クロチル)(P(tBu)
3)Cl(4.5ミリグラム、11.4マイクロモル、0.001当量)を、脱気した1,4−ジオキサン(200マイクロリットル)中で溶解した。1,4−ジオキサン(45ミリリットル)、続いてリン酸カリウム溶液を主要な反応容器へ添加した。均一のエマルションが形成されるまで混合物を強く撹拌した。次いで触媒溶液をカニューレを介して添加した。反応物を一晩強く撹拌した。さらに20〜22時間後に、フェニルボロン酸エンドキャップ(208ミリグラム、1.70ミリモル、0.15当量)を添加した。反応物をさらに7〜8時間撹拌し、次いでブロモベンゼンエンドキャップ(358マイクロリットル、3.41ミリモル、0.30当量)を添加した。反応物を一晩強く撹拌した。
【0059】
反応物は50ミリリットルの希釈した塩水および100ミリリットルの酢酸エチルを添加することによって完成させ、続いて抽出漏斗中で振盪した。水層を除去し、残りの有機相を塩水(50ミリリットルで1回)によりさらに洗浄した。有機相を還流凝縮器を装備した丸底フラスコの中へ移し、ナトリウムジエチルジチオジカルバメートの飽和水溶液(〜10ミリリットル)を添加し、混合物を還流下で60分間強く撹拌した。塩水(30ミリリットル)を添加し、有機相を単離し、硫酸マグネシウムの上で乾燥し、CELITE(商標)珪藻土(上部に〜0.25インチ)、FLORISIL(商標)活性化ケイ酸マグネシウム(中央に0.15インチ)およびシリカゲル(底部に0.15インチ)の3層のプラグを介して濾過した。粗製産物を酢酸エチル(200ミリリットル)により完全に溶出し、合わせた有機相を回転蒸発装置上で濃縮した。残留物をトルエン(5〜10ミリリットル)と共に酢酸エチル(〜50ミリリットル)中に採取した。撹拌したメタノール(700ミリリットル)へ滴下して添加することによって、ポリマーを沈殿させた。添加が完了した後、懸濁物を30分間撹拌し、次いで沈降させた。前洗浄したディスポーザブルフィルターカートリッジを通して濾過することによって沈殿物を回収し、風乾した。残留物を再びトルエン(5〜10ミリリットル)と共に酢酸エチル(〜50ミリリットル)中に採取し、沈殿手順を2回反復した。最終的な沈殿後に、濾過ケーキを〜65℃の高真空オーブン下で一晩乾燥した。産物は無色の粉末(3.68g、88%重合収率)の形態で得られた。DSC:147.7℃のT
g;TGA:291.0℃のT
d(5%重量損失);GPC(PSスタンダードに対して):M
n=5.98kDa、M
w=13.5kDa、D=2.26;
1H NMR(400MHz,THF−d
8)δ8.23−8.16(4.8%),7.73−7.17(61.7%),7.09−6.98(22.7%),6.93−6.75(11.3%);
13C NMR(101MHz,THF−d
8)δ156.46,154.81,139.19,136.41,134.06,134.04,133.41,133.38,131.43,130.32,129.95,129.70,129.62,129.39,129.37,129.34,128.88,128.32,127.88,127.52,127.13,118.48,118.44,118.27,117.57,117.54,117.40,101.27,101.15,101.08,101.03,67.57.
【0060】
調製実施例3
【化40】
pBEBA−2,4−DBR−CHVE/Ac(50%/50%)。2,2’−(((フェニルメチレン)ビス(オキシ))−ビス(4,1−フェニレン))−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(6.0100グラム、11.55ミリモル、1.0当量)および2,4−ジブロモ−5−(1−(シクロヘキシルオキシ)エトキシ)フェニルアセテート(4.7845グラム、10.97ミリモル、0.950当量)を、丸底フラスコ中で組み合わせ、窒素グローブボックスの中へ運んだ。窒素グローブボックスの内部で、個別のバイアル中で、リン酸カリウム(7.6675グラム、36.1ミリモル、3.13当量)を脱気水(10ミリリットル)中で溶解した。個別の小バイアル中で、Pd(クロチル)(P(tBu)
3)Cl(4.6ミリグラム、11.55マイクロモル、0.001当量)を、脱気した1,4−ジオキサン(200マイクロリットル)中で溶解した。1,4−ジオキサン(45ミリリットル)、続いてリン酸カリウム溶液を反応用丸底フラスコへ添加した。両相が良好にブレンドされるまで、混合物を大きな撹拌子により強く撹拌した。次いで触媒溶液をピペットを介して添加した。反応物を室温で2日間強く撹拌した。フェニルボロン酸エンドキャップ(211ミリグラム、1.73ミリモル、0.15当量)を添加し、反応物をさらに7時間強く撹拌した。ブロモベンゼンエンドキャップ(0.36ミリリットル、3.46ミリモル、0.30当量)を添加し、反応物をさらに17時間強く撹拌した。
【0061】
反応物は、水(20〜25ミリリットル)、塩水(20〜30ミリリットル)および酢酸エチル(100ミリリットル)の添加によって、グローブボックスの外で完成させた。有機層を分離し、ジナトリウムジチオジカルバメートの飽和溶液(3ミリリットル)および水(10ミリリットル)と共に80℃で1時間撹拌した。冷却後、塩水(20ミリリットル)を添加し、有機層を酢酸エチル(50ミリリットルで1回)により分離し、水相を再抽出した。合わせた有機相を塩水(50ミリリットルで1回)により洗浄し、硫酸マグネシウムの上で乾燥し、CELITE(商標)珪藻土、FLORISIL(商標)活性化ケイ酸マグネシウムおよびシリカゲルの3層のプラグを介して濾過した。ポリマーを酢酸エチル(〜200ミリリットル)により完全に溶出し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をトルエン(5〜10ミリリットル)と共に酢酸エチル(〜50ミリリットル)中に採取した。強く撹拌した700ミリリットルのヘキサンへ滴下して添加することによって、ポリマーを沈殿させた。添加完了後、懸濁物を30分間撹拌し、次いで沈降させた。沈殿物は回収し、風乾した。沈殿物をトルエン(5〜10ミリリットル)と共に酢酸エチル(〜50ミリリットル)中に溶解し、沈殿手順を反復した。最終的な産物をボトルに入れ、〜65℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。完全にインタクトなアセテート基を備えた最終的な産物は4.528グラムの収率で無色固体の形態で得られた。GPC(ポリスチレンスタンダード):M
n=5.30kDa、M
w=10.0kDa、D=1.9;
1H−NMR(400MHz,THF−d
8)δ7.70−7.59(5.9%),7.52−7.20(22.1%),7.12−6.81(17.0%),5.48−5.15(2.4%),3.52−3.39(2.5%),2.07−1.90(7.4%),1.69−0.97(42.8%).
【0062】
D
2Oなし(実線)またはあり(破線)のアセトン−d
6中のポリマーのスーパーインポーズされた
1H−NMRスペクトルを、
図1において提示する。スペクトルは完全にスーパーインポーズする。類似のポリマー中のフェノールプロトンは典型的にはδ≒8.2の化学シフトで現われるが、NMRスペクトル中に存在せず、すべてのフェノール基が保護基を持つことを示す。同一のスペクトルは、酸性プロトン(フェノールプロトン等)がポリマー中にないことをさらに示す。加えて、δ2.00でのピークは目視可能であり、それはアセテート側鎖を含有しない類似のポリマーについては目視可能でない。
【0063】
THF−d
8中の無処理ポリマー(実線)およびNaOHに処理されたポリマー(破線、いくつかのEtOAcシグナル)のスーパーインポーズされた
1H−NMRスペクトルを、
図2において提示する。NaOH処理したポリマーのスペクトルは、アセチル基の脱保護(δ2.00でのピークの非存在)および遊離フェノール基(δ8.2でのピークの存在)の外観を示す。
【0064】
触媒および塩基の比較
これらの実施例は、重合が困難なジハライドモノマーを利用する共重合において異なる鈴木カップリング触媒の活性を以下に示す。
【化41】
【0065】
窒素パージしたグローブボックスの内部で、表1中で要約した組成物を有する触媒溶液を調製した。各々の事例において、溶媒は1,4−ジオキサンであった。
【表1】
【0066】
2,2’−(((フェニルメチレン)ビス(オキシ))ビス(4,1−フェニレン))ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(1.520グラム、2.877ミリモル)および上記の等式において示されるジブロミード(1.494グラム、2.871ミリモル、0.998当量)を、10.5mLの1,4−ジオキサン中に採取した。この混合物の55マイクロリットルのアリコートをA〜Rと標識し、18のバイアルへ分配した。バイアルA〜Fへ、K
3PO
4(101ミリグラム、476マイクロモル、3.14当量)を添加した。バイアルG〜Lへ、Cs
2CO
3(197ミリグラム、606マイクロモル、4当量)を添加した。バイアルA〜Lへ、脱気水(121マイクロリットル)を添加した。バイアルM〜Rへ、脱気NaOH(水溶液)、(5M、121マイクロリットル、606マイクロモルNaOH、4当量に対応する)を添加した。
【0067】
20マイクロリットルの触媒溶液1をバイアルA、G、Mへ添加した。20マイクロリットルの触媒溶液2をバイアルB、H、Nへ添加した。20マイクロリットルの触媒溶液3をバイアルC、J、Oへ添加した。20マイクロリットルの触媒溶液4をバイアルD、K、Pへ添加した。20マイクロリットルの触媒溶液5をバイアルE、L、Qへ添加した。20マイクロリットルの触媒溶液6をバイアルF、M、Rへ添加した。各々の事例において、添加した触媒は0.001当量パラジウムに対応した。
【0068】
反応を60℃で一晩実行し、相分離し、シリカのプラグを介して濾過し(完全に酢酸エチルにより溶出した)、濃縮し、GPCによって解析した。結果を表2中で要約する。触媒としてPd(クロチル)(PtBu
3)Clによる実験は、すべて同一の条件下で試験された他の触媒に比較して、より高いM
w値を示し、実験Mのs−Phos/PdOAc2触媒が実験RのPd(クロチル)(PtBu
3)Cl触媒よりもわずかに高いM
n値をもたらした以外は、M
nもより高い。
【表2】
【0069】
60℃ではなく室温で行った点を除いて、実験AおよびFが反復された。表3中で提示された結果は、Pd(クロチル)(PtBu
3)Cl触媒およびK
3PO
4塩基を使用する室温条件での実験F’は、室温条件での実験A’よりも実質的に高いM
nおよびM
w値をもたらしたことを示す。Pd(クロチル)(PtBu
3)Clは反応を触媒して、約7.7のキロダルトン(kDa)の分子量を与え、それは目的とする用途(フォトレジスト)のために理想的であった、s−Phos/PdOAc2触媒はフォトレジストにおける使用には不十分な分子量を備えたポリマーを生産した。
【表3】