特許第5791769号(P5791769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5791769
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】包装袋の加熱封着装置及び加熱封着方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   B65B51/10 M
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-168871(P2014-168871)
(22)【出願日】2014年8月21日
【審査請求日】2014年9月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390007261
【氏名又は名称】株式会社アサヒパック
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】山澄 正一郎
(72)【発明者】
【氏名】山澄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】神門 順一
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−119906(JP,U)
【文献】 特開2002−355132(JP,A)
【文献】 実開平06−058492(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10 − 51/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置台の台上部にセットした包装袋の袋口近傍を開閉機構によって挟み込んで封着する加熱封着装置であって、少なくとも、
包装袋の袋口の口幅以上の台幅の台上部を有し、台上部に袋面を合わせて袋口をセットし得る設置台と、
設置台の台上へ開閉可能に設けられ、閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構と、
前記設置台及び開閉機構それぞれの一側方寄りの位置に対向して設けられ、開閉機構の開閉に応じて袋口を挟み込んで加熱封着するシール機構と、
前記設置台及び開閉機構それぞれに対向して設けられ、設置台と開閉機構との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体と、を備えてなり、
対向する各対の対向磁性体のうち少なくとも一方の磁性体は、磁極の切り替えが可能な極切替え機構を有してなり、
開閉機構を設置台上の中途位置まで閉じて、包装袋の袋口が仮セット位置となるように仮挟設した、加熱封着を開始する前の仮セット状態において、
前記対向磁性体は互いに離間したまま所定値以下の第一の誘引磁気力で相互誘引し、袋口を、設置台と開閉機構との間に所定の仮挟み込み力で仮挟圧し、この仮セット状態のまま包装袋の前記仮セット位置を調節し得るものであり、
また、前記仮セット状態後のシール機構による加熱封着中の状態において、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互誘引状態として、袋口を仮セット状態よりも大きく設定された所定の挟み込み力で挟圧保持することを特徴とする包装袋の加熱封着装置。
【請求項2】
前記対向する各対の対向磁性体のうち少なくとも一方の磁性体は、誘導電位の可変によって所定の調整電磁力を得る電磁石からなる請求項1記載の包装袋の加熱封着装置。
【請求項3】
前記仮セット状態から、第一磁性体及び第二磁性体の少なくともいずれか一方へ誘導電位を及ぼすことで、
前記対向磁性体同士を、前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引させ、
この第二の誘引磁気力によって、前記開閉機構を、設置台上の前記中途位置よりも更に閉じた閉状態とし、包装袋の袋口を本セット位置で挟圧保持する本セット状態となるものであり、
この本セット状態でのみ、シール機構が作動する請求項1又は2記載の包装袋の加熱封着装置。
【請求項4】
前記対向する各対の対向磁性体のうち少なくとも一方の磁性体は、磁極の切り替えが可能な極切替え機構を有してなり、
シール機構による加熱封着中の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互誘引状態として袋口を挟圧するものであり、
シール機構による加熱封着完了後の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互反発状態として開閉機構を閉状態から開状態へと移行させ、シール機構によって挟み込まれていた袋口を非挟み込み状態まで開放する、請求項1、2、又は3のいずれか記載の包装袋の加熱封着装置。
【請求項5】
包装袋の袋口の表面に施された表示領域に基づいて、当該表示領域の内部又は外部近傍を挟み込んで封着する加熱封着装置であって、
前記開閉機構の少なくとも一部は透過性材で構成されてなり、この前記透過性材の透過によって、前記仮セット状態において挟み込んだ袋口の表示領域、及び、シール機構によって加熱封着される加熱封着範囲を視認し得る請求項3又は4記載の包装袋の加熱封着装置。
【請求項6】
前記シール機構は、設置台及び開閉機構のいずれか一方及び他方に対向設置された第一挟圧部及び第二挟圧部からなり、
前記第一挟圧部は、セット状態の袋口のうち一面の幅方向に亘る所定のシール範囲に当接する加熱部を有し、
また前記第二挟圧部は、セット状態の袋口のうち他面のシール範囲に当接すると共に前記加熱部による伝達熱を外部放熱する放熱部を有し、
第一狭圧部の加熱部と第二狭圧部の受け部とによって挟み込んだ袋口を、一面から加熱し他面から排熱しながら封着する請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の包装袋の加熱封着装置。
【請求項7】
請求項1ないしのいずれか記載の包装袋の加熱封着装置を用いて、包装袋の袋口の所定のシール範囲を加熱封着する加熱封着方法であって、
開閉機構を、設置台上に載置した包装袋の上方から、設置台上の中途位置まで閉動作させて、前記対向磁性体同士を永久磁性による第一の誘引磁気力で相互誘引させ、この第一の誘引磁気力によって包装袋の袋口を仮のセット位置に仮挟圧する仮セット工程と、
第一磁性体及び第二磁性体の少なくともいずれか一方へ誘導電位を及ぼすことで、前記対向磁性体同士を、前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引させ、この第二の誘引磁気力によって、前記開閉機構を、設置台上の前記中途位置よりも更に閉じた位置まで閉動作させて、包装袋の袋口を本セット位置で挟圧保持する本セット工程と、
本セット工程後のシール機構の作動によって、本セット位置の包装袋の袋口に当接するシール範囲を加熱封着する封着工程と、
封着工程によるシール機構の停止後に、極切替え機構を有した少なくとも一方の磁性体の誘導電位電極を切り替えることで、前記対向磁性体同士を、所定の離反磁気力で相互離反させ、この離反磁気力によって前記開閉機構を、設置台上の前記中途の閉位置よりも更に開いた開位置まで開動作させる開蓋工程と、を順に具備してなり、
前記仮セット工程中の状態のまま包装袋の前記仮セット位置を調節し得ることを特徴とする加熱封着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容物を収容した包装袋の袋口をヒートシールによって加熱封着する加熱封着装置、及び加熱封着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
袋口の電熱シール機に関し、磁力を利用して袋口を挟み込むようにしたものに関する文献として、従来、電磁コイルと鉄心からなる電磁石の作用で、圧着レバーの運動に抵抗し、手指の挟み込み、圧着時の衝撃、破損を防止するインパルス式ヒ−トシーラーが開示される(特許文献1参照)。
【0003】
また従来、電磁石を通電して励磁により生じた吸引力により上押圧板が下方へ吸引されるようにした真空式封緘機構造が開示される(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭62-45877号公報
【特許文献2】登実3182424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記各構造は、蓋を開閉させる開閉機構の作動動力として磁力のオンオフ切り替え、すなわち磁力を正値〜ゼロ値のいずれかとするスイッチング動作を用いるものであり、磁力発生中の状態を維持することはできたとしても、磁力の大きさ自体は開閉圧力に直接寄与するものではなかった。このため上記各装置においても、袋をセッティングする際、或いは封着後に袋を取り出す際のいずれかにおいて、手動による蓋の開閉操作がシール操作とは別に必要であった。また磁力のスイッチング動作と連動させるための蓋の開閉機構が複雑な機械構造となるため耐久性に欠けるおそれがあった。
【0006】
ここで、包装袋は適切なシール範囲が特定されていることが多く、シール位置やシール状態の体裁は包装後の商品価値を左右するものである。また一方、多量の包装袋を連続的に封着する包装作業においては、包装袋の封着直前のセッティング作業、或いは封着後の取り出し作業を効率的に行う必要がある。
【0007】
本発明は上記に鑑みて、開閉機構の作動動力として磁力の大きさ自体を開閉圧力に直接関与させ、袋をセッティングする際、或いは封着後に袋を取り出す際の少なくともいずれかにおいて、蓋の開閉操作自体を不要とし、また磁力のスイッチング動作と連動させるための蓋の開閉機構を簡易なものとして耐久性を向上させる封着装置を提供することを課題とする。
【0008】
また、包装袋のシール位置を正確に定めて良好なシール状態の体裁を比較的容易に得ることができ、包装作業において、包装袋の封着直前のセッティング作業、或いは封着後の取り出し作業を効率的に行うことのできる封着装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明では以下の手段を講じている。なお以下及び後述の実施形態の説明における括弧書き内の符号は、実施形態として示す各図内の参照符号を意味するものの、各符号で示す構成に限る趣旨ではない。
【0010】
先ず本発明の包装袋の加熱封着装置は、開閉機構の離間解放機構を備えた構成として、
設置台(1)の台上部にセットした包装袋(P)の袋口近傍を開閉機構(2)によって挟み込んで封着する加熱封着装置であって、少なくとも、
包装袋(P)の袋口の口幅以上の台幅の台上部を有し、台上部に袋面を合わせて袋口をセットし得る設置台(1)と、
設置台(1)の台上部に対して開閉可能に設けられ、開状態から閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構(2)と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれの一側方寄りの位置に対向して設けられ、開閉機構の開閉に応じて袋口の下部を挟み込んで加熱封着するシール機構(4)(対向配置される第一、第二挟圧部(41,42/43))と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれに対向して設けられ、設置台(1)と開閉機構(2)との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))と、を備えてなり、
前記対向する各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち少なくとも一方の磁性体は、磁極の切り替えが可能な極切替え機構を有してなり、
シール機構(4)による加熱封着中の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互誘引状態として袋口を挟圧保持するものであり、
シール機構(4)による加熱封着完了後の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互反発状態として開閉機構(2)を閉状態から開状態へと移行させ、シール機構によって挟み込まれていた袋口を非挟み込み状態まで解放することを特徴とする。
【0011】
シール機構による封着動作ののちに誘引状態から離反状態へ切り替えることで、開閉機構を反発力によって自動的に閉状態から開状態にする。これにより開蓋の手間を省き、また封着後に冷却時間を経過して安全に取り出せる状態となったことを容易に認識することができる。
【0012】
また、上記包装袋の加熱封着装置における電磁石による極切替え機構として、
(前記対向する各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち)極切替え機構を有した前記少なくとも一方の磁性体は、誘導電位電極の切り替えによって誘引電磁力と離反電磁力とを切り替える極切替え式の電磁石からなることが好ましい。
【0013】
また、上記いずれかの包装袋の加熱封着装置における仮セット位置の調整機構として、
設置台(1)の台上部にセットした包装袋(P)の袋口近傍を開閉機構(2)によって挟み込んで封着する加熱封着装置であって、少なくとも、
包装袋(P)の袋口の口幅以上の台幅の台上部を有し、台上部に袋面を合わせて袋口をセットし得る設置台(1)と、
設置台(1)の台上へ開閉可能に設けられ、閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構(2)と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれの一側方寄りの位置に対向して設けられ、開閉機構の開閉に応じて袋口を挟み込んで加熱封着するシール機構(4)(第一、第二挟圧部(41,42/43))と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれに対向して設けられ、設置台(1)と開閉機構(2)との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))と、を備えてなり、
開閉機構(2)を設置台(1)上の中途位置まで閉じて、包装袋の袋口が仮セット位置となるように仮挟設した、加熱封着を開始する前の仮セット状態において、
前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))は互いに離間したまま所定値以下の第一の誘引磁気力で相互誘引し、袋口を、設置台(1)と開閉機構(2)との間に所定の仮挟み込み力で仮挟圧するものであり、この仮セット状態のまま包装袋(P)の前記仮セット位置を調節し得るものとしてもよい。
仮セット状態の仮挟み込み力は本セット状態の挟み込み力よりも小さく設定されており、仮セット状態ではこの仮挟み込み力で袋口を仮挟圧したまま包装袋(P)を持って動かすことで、仮セット状態を維持したままその仮セット位置を調節し得る。これにより、袋口へのシール位置を適切な位置に微調整することができ、袋口の所望の位置へ確実にシール封着を行うことができる。また仮セット後に仮セット位置の微調整を行ってから封着することで、体裁の良いシール封着状態の袋口を得ることができる。
【0014】
また、上記いずれかの包装袋の加熱封着装置における仮セット位置の調整状態とシール状態の連動機構として、
前記仮セット状態から、第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2)の少なくともいずれか一方へ誘導電位を及ぼすことで、
前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を、前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引させ、
この第二の誘引磁気力によって、前記開閉機構(2)を、設置台(1)上の前記中途位置よりも更に閉じた閉状態とし、包装袋の袋口を本セット位置で挟圧保持する本セット状態となるものであり、
この本セット状態でのみ、シール機構(4)が作動することが好ましい。
【0015】
(5)上記包装袋の加熱封着装置における仮セット位置の調整機構としてさらに、包装袋(P)の袋口の表面に施された表示領域(PE)に基づいて、当該表示領域(PE)の内部又は外部近傍を挟み込んで封着する加熱封着装置であって、
前記開閉機構(2)の少なくとも一部は透過性材で構成されてなり、この前記透過性材の透過によって、前記仮セット状態において挟み込んだ袋口の表示領域(PE)、及び、シール機構によって加熱封着される加熱封着範囲を視認し得ることが好ましい。
【0016】
(6)上記包装袋の加熱封着装置におけるシール機構の放熱機能として、
前記シール機構(4)は、設置台(1)及び開閉機構(2)のいずれか一方及び他方に対向設置された第一挟圧部(41)及び第二挟圧部(42/43)からなり、
前記第一挟圧部(41)は、セット状態の袋口のうち一面の幅方向に亘る所定のシール範囲に当接する加熱部(4T)を有し、
また前記第二挟圧部(42/43)は、セット状態の袋口のうち他面のシール範囲に当接すると共に前記加熱部(4T)による伝達熱を外部放熱する放熱部を有し、
第一狭圧部の加熱部(4T)と第二狭圧部の受け部とによって挟み込んだ袋口を、一面から加熱し他面から排熱しながら封着することが好ましい。
(7)上記包装袋の加熱封着装置を使用した包装袋の加熱封着方法として、
請求項1ないし5のいずれか記載の包装袋の加熱封着装置を用いて、包装袋の袋口の所定のシール範囲を加熱封着する加熱封着方法であって、
開閉機構(2)を、設置台(1)上に載置した包装袋の上方から、設置台(1)上の中途位置まで閉動作させて、前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を永久磁性による第一の誘引磁気力で相互誘引させ、この第一の誘引磁気力によって包装袋の袋口を仮のセット位置に仮挟圧する仮セット工程と、
第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2)の少なくともいずれか一方へ誘導電位を及ぼすことで、前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を、前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引させ、この第二の誘引磁気力によって、前記開閉機構(2)を、設置台(1)上の前記中途位置よりも更に閉じた位置まで閉動作させて、包装袋の袋口を本セット位置で挟圧保持する本セット工程と、
本セット工程後のシール機構(4)の作動によって、本セット位置の包装袋の袋口に当接するシール範囲を加熱封着する封着工程と、
封着工程によるシール機構(4)の停止後に、極切替え機構を有した少なくとも一方の磁性体の誘導電位電極を切り替えることで、前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を、所定の離反磁気力で相互離反させ、この離反磁気力によって前記開閉機構(2)を、設置台(1)上の前記中途の閉位置よりも更に開いた開位置まで開動作させる開蓋工程と、を順に具備してなり、
前記仮セット工程中の状態のまま包装袋(P)の前記仮セット位置を調節し得ることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】セット前状態における本発明の実施例1の包装袋の加熱封着装置及び包装袋の外観斜視図。
図2】仮セット状態における実施例1の加熱封着装置及び包装袋の平面状態図。
図3a】仮セット(シール前)状態における図2のA−A側断面構造図。
図3b】本セット(シール中)状態における実施例1の加熱封着装置及び包装袋の側断面構造図。
図3c】解放(シール完了後)状態における実施例1の加熱封着装置及び包装袋の側断面構造図。
図4】セット前状態における本発明の実施例2の包装袋の加熱封着装置及び包装袋の外観斜視図。
図5a】仮セット(シール前)状態における図2のA−A側断面構造図。
図5b】本セット(シール中)状態における実施例2の加熱封着装置及び包装袋の側断面構造図。
図5c】解放(シール完了後)状態における実施例2の加熱封着装置及び包装袋の側断面構造図。
図6】実施例3の加熱封着装置による封着後の開放状態の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明を実施するための形態につき実施例として示す各図と共に説明する。いずれの実施例においても本発明は設置台(1)の台上部にセットした包装袋(P)の袋口近傍を開閉機構(2)によって挟み込んで封着する加熱封着装置であって、下記の開閉機構の離間解放機構を有するほか、下記の各特徴を有する。なお以下の構成名称直後に示す括弧書きの符号は各実施例における形態を各図と参照して理解するための符号であるが、各図の構成に限定する趣旨ではない。
【0019】
(開閉機構の離間解放)
本発明の加熱封着装置はその特徴として、少なくとも、
包装袋(P)の袋口の口幅以上の台幅の台上部を有し、台上部に袋面を合わせて袋口をセットし得る設置台(1)と、
設置台(1)の台上へ開閉可能に設けられ、閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構(2)と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれの一側方寄りの位置に対向して設けられ、開閉機構の開閉に応じて袋口の下部を挟み込んで加熱封着するシール機構(4)(第一、第二挟圧部(41,42/43))と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれに対向して設けられ、設置台(1)と開閉機構(2)との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))と、を備えてなる。
【0020】
そして前記対向する各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち少なくとも一方の磁性体は、磁極の切り替えが可能な極切替え機構を有してなり、シール機構(4)による加熱封着前又は封着中の状態と、加熱封着後の状態と、からなる2状態の間で、磁極の切り替えを自動的に行うものとしている。
すなわち対向する磁性体同士を相互誘引状態として袋口を設置台(1)と開閉機構(2)との間で挟圧保持した閉状態(図3b)から、極切替え機構の磁極の切り替えによって、対向する磁性体同士を相互反発状態として開閉機構(2)を閉状態から開状態(図3c)へと移行させ、加熱封着後の袋口を開放することを特徴とする。
先ずシール機構(4)による加熱封着前又は封着中の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互誘引状態として袋口を挟圧保持するものとしている。加熱封着開始のスイッチを押したときには必ずこの状態になるように磁極を自動的に切り替える設定となっている。
次に、シール機構(4)による加熱封着完了後の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互反発状態に極切り替えして、開閉機構(2)を閉状態から開状態へと自動的に移行させ、シール機構によって挟み込まれていた袋口を非挟み込み状態まで解放することを特徴とする(図3c)。
【0021】
(極切替え機構)
対向する各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち少なくとも一方の磁性体は極切替え機構を有する。極切り替え機構は、対向する他の磁性体方向の磁極を切り替えるものであればどのようなものでもよい。たとえば永久磁石を軸支して反転させる反転機構を機械的に備えていてもよいし、磁性体を追加付着させて対向方向への磁性切り替えを行うものとしてもよいし、また、電磁石による極切り替えを行うものとしてもよい。
後述の実施例では設置台(1)内に収容した第一磁性体(M1)が、誘導電位電極の切り替えによって誘引電磁力と離反電磁力とを切り替える極切替え式の電磁石からなる。ほかに開閉機構(2)内に収容した第二磁性体(M2)のみが誘導電位電極の切り替えによって誘引電磁力と離反電磁力とを切り替える極切替え式の電磁石からなるものとしてもよく、また第一磁性体(M1)、第二磁性体(M2)の両方が極切り替え式の電磁石からなるものとしてもよい。具体的には、第一磁性体(M1)は図3a〜図3cに内部構造として示すように、コイル(MC)を巻着した金属柱から構成され、電源ユニットからDC−DCコンバーターを介してコイルへ結線されることで、プラス又はマイナスのいずれかの所定電圧に切り替える極切り替え機構となっている。
【0022】
(仮セット状態(S1)での位置調整)
また本発明の加熱封着装置は、シール機構(4)作動前の仮セット状態において、開閉機構(2)を閉じて包装袋(P)の袋口を、設置台(1)の台上部にて、第一の誘引磁気力に基づく所定の第一挟圧力で挟んだ仮セット状態(S1)となる。仮セット状態では、対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))は互いに離間したまま所定値以下の第一の誘引磁気力で相互誘引しており、本セット状態よりも小さい力で袋口を挟み込んで保持しているものの、この状態のまま手動で袋口の位置をずらすことで、袋口を挟み込んだ状態のまま包装袋の封着位置の調整を行うことができる。
【0023】
この仮セット状態(S1)での位置調整を行う構成として、少なくとも、
包装袋(P)の袋口の口幅以上の台幅の台上部を有し、台上部に袋面を合わせて袋口をセットし得る設置台(1)と、
設置台(1)の台上へ開閉可能に設けられ、閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構(2)と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれの一側方寄りの位置に対向して設けられ、開閉機構の開閉に応じて袋口を挟み込んで加熱封着するシール機構(4)(第一挟圧部(41)と、第二挟圧部(42/43)とが対向配置されてなるシール機構(4))と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれに対向して設けられ、設置台(1)と開閉機構(2)との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))と、を備えてなる。
【0024】
仮セット状態は、加熱封着を開始する前の状態である。例えば図3aに示す後述実施例の仮セット状態では、開閉機構(2)を設置台(1)上の中途位置まで閉じて、包装袋の袋口が仮セット位置となるように仮挟設した状態となっている。この状態で対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))は互いに離間したまま所定値以下の第一の誘引磁気力で相互誘引し、袋口を、設置台(1)と開閉機構(2)との間に所定の仮挟み込み力で仮挟圧するものであり、この仮セット状態のまま包装袋(P)の前記仮セット位置を調節し得る。
【0025】
(透明蓋)
また加熱封着装置の封着対象である包装袋(P)は、袋口の表面に最適封着範囲の表示領域(PE)が施されたものであり、加熱封着装置は、袋口の表示領域(PE)に基づいて、当該表示領域(PE)の内部又は外部近傍を挟み込んで封着することが好ましい。
そして前記開閉機構(2)の少なくとも一部は透過性材で構成されてなり、この前記透過性材の透過によって、前記仮セット状態において挟み込んだ袋口の表示領域(PE)、及び、シール機構によって加熱封着される加熱封着範囲を視認し得るものとしている。例えば後述の実施例の図1図2に示すように、仮セット状態で開閉機構(2)の透過性材を介して、仮セット位置に挟み込んだ袋口表面の表示領域(PE)の位置を把握することができる。また同時に、開閉機構(2)の透過性材を介して、挟み込み対向面の幅方向に配置されたシール機構(4)の位置を把握することができる。開閉機構(2)の透過性材を介してこれら袋口表面の表示領域(PE)の位置とシール機構(4)の位置とを合わせることで、加熱封着位置を確実に調整することができる。
【0026】
(本セット状態(S2))
本セット状態は、加熱封着を開始する直前及び開始中の状態である。例えば図3bに示す後述実施例の本セット状態では、図示しないDC−DCコンバーターによって、一対の対向磁性体である第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2)を、前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引させる。
前記仮セット状態から、第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2)の少なくともいずれか一方へ誘導電位を及ぼすことで、
前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を、前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引させ、包装袋の袋口を第一挟圧力よりも有意に大きい所定の第二挟圧力で挟圧保持する。
【0027】
この第二の誘引磁気力によって、前記開閉機構(2)を、設置台(1)上の前記中途位置よりも更に閉じた閉状態とし、包装袋の袋口を第二挟圧力で本来のセット位置に保持固定する。そしてこの本セット状態でのみ、シール機構(4)が作動するものとしている。具体的には、仮セット状態からの外部からのスイッチ入力動作によって誘導電位式の磁性体の誘導電位を所定値に増加させた本セット状態になり、誘導電位の増加後にシール機構(4)が作動する。
【0028】
シール機構(4)
シール機構(4)は、第一挟圧部(41)と、第二挟圧部(42/43)とが、それぞれ設置台(1)と開閉機構(2)の一方及び他方に埋め込まれて、これらの蓋開閉時の対向面に対向配置されてなる。第一挟圧部(41)と、第二挟圧部(42/43)とが、開閉機構の開閉に応じて袋口を挟み込み、少なくとも一方の発熱によって、挟み込んだ袋口を加熱封着する。
【0029】
特に後述の実施例では、加熱部(4T)を表面に有して弾性支持された第一挟圧部(41)と、加熱部(4T)に対向接触し得る対向面を表面に有して固定支持された第二挟圧部(42/43)と、が互いに対向配置されて挟み込み構造をなす。第二挟圧部(42/43)は加熱部を有さず、対向面以外の外面へ連通開放した放熱機構(例えば多数の平行フィン(43F)または放熱孔(24H))を有し、加熱部(4T)からの伝熱を放熱機構から外部へ放熱するものとしている。これにより加熱封着時の熱伝導が第一挟圧部(41)から第二挟圧部(42)に向かって放熱されるという一方向の熱伝導流となる。蓄熱部を有さずに加熱と同時に放熱冷却を行うことで、袋口の加熱溶融工程と冷却保持工程とを時間的にクロスオーバーさせ、加熱封着時間を短縮させるものとしている。
【0030】
(シール機構の放熱)
シール機構(4)は、設置台(1)及び開閉機構(2)のいずれか一方及び他方に対向設置された第一挟圧部(41)及び第二挟圧部(42/43)からなり、
前記第一挟圧部(41)は、セット状態の袋口のうち一面の幅方向に亘る所定のシール範囲に当接する加熱部(4T)を有し、
また前記第二挟圧部(42/43)は、セット状態の袋口のうち他面のシール範囲に当接すると共に前記加熱部(4T)による伝達熱を外部放熱する放熱部を有し、
第一狭圧部の加熱部(4T)と第二狭圧部の受け部とによって挟み込んだ袋口を、一面から加熱し他面から排熱しながら封着するものとしている。
【0031】
(包装袋の加熱封着方法)
本発明の包装袋の袋口の所定のシール範囲を加熱封着する加熱封着方法は、以下の各工程を順に具備する。これら各工程は、上記包装袋の加熱封着装置を用いて行うことが好ましい。
開閉機構(2)を、設置台(1)上に載置した包装袋の上方から、設置台(1)上の中途位置まで閉動作させて、前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を永久磁性による第一の誘引磁気力で相互誘引させ、この第一の誘引磁気力によって包装袋の袋口を仮のセット位置に仮挟圧する仮セット工程と、
第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2)の少なくともいずれか一方へ誘導電位を及ぼすことで、前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を、前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引させ、この第二の誘引磁気力によって、前記開閉機構(2)を、設置台(1)上の前記中途位置よりも更に閉じた位置まで閉動作させて、包装袋の袋口を本セット位置で挟圧保持する本セット工程と、
本セット工程後のシール機構(4)の作動によって、本セット位置の包装袋の袋口に当接するシール範囲を加熱封着する封着工程と、
封着工程によるシール機構(4)の停止後に、極切替え機構を有した少なくとも一方の磁性体の誘導電位電極を切り替えることで、前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))同士を、所定の離反磁気力で相互離反させ、この離反磁気力によって前記開閉機構(2)を、設置台(1)上の前記中途の閉位置よりも更に開いた開位置まで開動作させる開蓋工程と、を順に具備してなり、
前記仮セット工程中の状態のまま包装袋(P)の前記仮セット位置を調節し得ることを特徴とする。
以下、各実施例の構成を説明する。
【実施例1】
【0032】
図1図3cに示す実施例1では、表面に最適封着範囲の表示領域(PE)が印刷形成された袋口の包装袋を、設置台(1)上にセットし、開閉機構(2)によって挟み込んでシール機構(4)によって袋口の一部分を加熱封着する加熱封着装置となっている。
【0033】
封着対象の包装袋は、両側辺に沿って表裏封止された封止部(PW)を有して表裏面同士が袋状に形成された袋口を有する。袋口の表面には表示領域(PE)のラインが最適封着領域として印刷形成される。表示領域(PE)付近の両端には、V字状の切欠き部(PC)が形成されており、この切欠き部(PC)を開閉切断の起点部としている。
【0034】
また実施例1の開閉機構(2)として、設置台(1)後部上端のヒンジ(2H)接続による円弧軌道の開閉式の蓋部を有する。設置台(1)は内部に極切替え式の電磁石からなる第一磁性体(M1)を左右に2本離間収容する。第一磁性体(M1)は、図3a〜図3cに内部構造として示すように、コイル(MC)を巻着した金属柱から構成され、電源ユニットからスイッチ回路及びDC−DCコンバーターを介してコイルへ結線されることで、プラス又はマイナスのいずれかの所定電圧に切り替える極切り替え機構となっている。開閉機構(2)たる蓋部の上部に設けた作動スイッチ(2S)の入力操作に伴って、スイッチ回路により第一磁性体(M1)へ電流が流れて磁励が開始され、対向する第二磁性体(2)と誘引する誘引電磁力が発生する。また、磁励開始から続いて加熱動作するシール機構(4)の動作終了に伴って、極切り替え機構のDC−DCコンバーターにより、コイルへの付与電圧の電極が切り替わって、対向する第二磁性体(2)と離反する離反電磁力が発生する。
【0035】
また設置台(1)上部には温度調節ダイヤル(24D)が設けられ、シール機構(4)の加熱温度の設定が可能となっている。
【0036】
実施例1の開閉機構(2)の下面には第二磁性体(M2)を収容するための柱状穴(22D)が左右に二つ並んで離間形成され、その内部に永久磁石の第二磁性体(M2)の柱部(M20)が収容固定される。柱部(M20)の下端は円盤状の磁性体が固設され、この円盤状の磁性体が蓋部の下面から突出して形成される。蓋部は全体が透明または半透明の光透過性材からなり、閉状態としても設置台(1)上に挟んだ袋口の位置を透過視認するこことができる。蓋部の平面視上部寄りにはまた、挟んだ包装袋(P)の袋口の位置を確認するための目盛(2D)が形成されている。例えば、蓋部によって設置台(1)上に挟んで袋口の端部は透過性材からなる蓋部によって透過視認し得るが、この袋口の端部を透過視認しながらこの目盛(2D)に合わせて、シール封着する範囲の傾きや高さ方向の位置を調節する。
【0037】
また実施例1では弾性材からなる弾性支持材(4E)の基部上にテープ状の加熱部(4T)が固定された角柱状の第一挟圧部(41)と、フィン溝長の異なる多数の平行フィン(43F)を上面に有した金属角柱からなる第二挟圧部(43)とからなるシール機構(4)を有しており、第二挟圧部(43)は開閉機構(2)たる蓋部の下部に形成された角型切欠き内に、平行フィン(43F)を上方として収容固定され、平坦面からなる下面が第一挟圧部(41)との当接面として蓋部下面よりも下方へ突出形成される。第二挟圧部(43)上方に平行配置された平行フィン(43F)は、端寄りに配置された平行フィン高さよりも中央寄りに配置された平行フィン高さのほうが低くなっており、フィン側面側だけでなくフィン上端側にも冷却空間が形成されるものとしている。これら高さの異なる多数の平行フィン(43F)を有した第二挟圧部(43)が、図3aに示す蓋部の角型切欠き(24D)内に収容固定され、角型切欠き(24D)内に側面視倒立三角状の冷却空間が形成される。この角型切欠き(24D)は図1のように透明材からなる蓋部の全幅に亘って角状溝として形成されている。この角型切欠き(24D)の幅方向の複数個所に、切欠き溝の溝底面から蓋部内を上下に貫通した冷却用の貫通孔(24H)が形成される。これにより、下方から上方への熱伝導によって冷却しながらシールすることが可能となっている。
【0038】
また角型切欠き(24)は図1図3a〜図3cに示すように両側端にも開放され、この開放された角型切欠き(24)の両側端に、第二挟圧部(43)の両端が露出する。すなわちフィン上端側の冷却空間は両端にも開放され、この開放された冷却空間からもシール機構の付加熱が外部へ排熱される。
【0039】
第一挟圧部(41)の弾性支持材(4E)の下部には接着部(4F)が設けられ、この接着部(4F)によって第一挟圧部(41)が設置台(1)の上部に形成した収容溝内に弾性接着されて収容される。弾性支持材(4E)の上面には弾性支持材よりも細幅のテープ状体からなる加熱部(4T)が固着され、加熱部(4T)はスイッチング機構を介して電気接続されており、スイッチ入力から電極電位切り替えを経て連動動作することで加熱し、サーミスタ(4S)の検知信号を受けるまで加熱動作を維持する。加熱部(4T)は開状態においては、テープ厚さの分だけ弾性支持材(4E)の上面から上方にわずかに突出するが、本セット状態で強く挟圧したときには、弾性支持材(4E)のうち加熱部(4T)固定部分が変形圧縮され、弾性支持材(4E)内に加熱部(4T)が埋め込まれた周辺隙間の少ない状態となる。
【0040】
シム(1S)は開閉端付近に左右一対設けられる。各シム(1S)は螺子棒と螺子棒上端に固定された頭部とから一体的に構成される。また設置台の上面には、シール機構よりも開閉端寄りであって袋端よりも外側の位置に、各シムの設置用の螺子孔が貫通形成される。シムの螺子棒は、螺子孔への螺入量を調節可能に螺入され、設置台の上方へ任意の突出量として突出高さ調節可能に固定される。シール中の挟圧状態では、シムの頭部が蓋の下面に当接する。
【0041】
セット状態からスイッチボタンを操作することで、相互誘引磁力が徐々に大きくなって挟圧状態となり、挟圧状態のまま一定時間経過した後にヒート電熱を開始し、その後ヒート電熱終了後に相互反発磁力によって蓋体を自動的に開放する解放状態となる。
【0042】
(仮セット状態)図3aに示す仮セット状態では、蓋体がシール可能な挟圧状態よりも開いたままではあるがある程度の仮押さえ圧力で閉じた仮押さえ状態となっている。シム(2S)は蓋体下面から離間した非当接状態となり、シール機構(4)は加熱動作しないまま袋体の上下面に接した弱接状態となり、対向磁性体は非接触状態となっている。この状態で弱い相互誘引磁力が発生している。
【0043】
(本セット状態)図3bに示す本セット状態では、蓋部が仮セット状態よりも大きい第二挟圧力で閉じた全閉状態となっている。このときシム(1S)は蓋体下面に当接した当接状態となり、シール機構は袋体の上下面に圧接し受け材が圧縮変形した圧接状態となり、対向磁性体は第二の誘引時期力で相互誘引した非接触状態となっている。
【0044】
(解放状態)図3cに示す解放状態では、蓋がセット状態、挟圧状態のいずれよりも開いた全開状態となっている。シムは蓋体下面から離間した非当接状態、シール機構は受け材42がシール後の袋体よりも上方へ離間した離間状態となり、対向磁性体は非接触状態となっている。
【0045】
(シム1Sによる高さ調節)
包装袋の加熱封着装置において、設置台(1)又は開閉機構(2)の少なくともいずれか一方には、他方の対向面に対して突出量調整可能に突出形成されたシム(1S)を具備してなり、
閉状態において前記シム(1S)のピン先端が前記設置台(1)又は開閉機構(2)のうちいずれか他方に当接することで、前記開閉機構(2)の閉状態の位置及びシール機構(4)(第一、第二挟圧部(41,42/43))の挟み込み圧、並びに、前記各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))の離間距離ないし接触圧)を調節し得る。
【0046】
(永久磁石+電磁石)
上記構成の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち蓋部に収容された比較的小型の第二磁性体(M1)は、保磁力400kA/m以下の永久磁石(フェライト磁石、アルニコ磁石、又はボンド磁石のいずれか一種以上からなる/*ネオジム/コバルト以外の/複合磁性体)からなり、
前記第二磁性体(M2)に対向設置される他方の第一磁性体(M1)は、誘導電位の可変によって所定の調整電磁力を得る電位可変式の電磁石からなり、
前記仮セット状態においては、第二磁性体(M2)の誘導電位をゼロ値に調整して第一磁性体(M1)の永久磁力のみからなる第一の誘引磁気力を発生させ、
前記本セット状態においては、第二磁性体(M2)の誘導電位を所定の誘引値に調整して第一磁性体(M1)の永久磁力と第二磁性体(M2)の調整電磁力との相互誘引磁力からなる第二の誘引磁気力を発生させるものとしている。対向磁性体の組を、蓋部に収容した永久磁石と、設置台に収容した電磁石との組み合わせにすることで、蓋部の構成をコンパクトにし、かつ極切り替え機構を簡易気候で確実に達成することができる。
【0047】
(シム1Sによる高さ調節)
前記設置台(1)又は開閉機構(2)の少なくともいずれか一方には、他方の対向面に対して突出量調整可能に突出形成された突出ピン上のシム(1S)を具備してなり、
閉状態において前記シム(1S)のピン先端が前記設置台(1)又は開閉機構(2)のうちいずれか他方に当接することで、前記開閉機構(2)の閉状態の位置及びシール機構(4)(第一、第二挟圧部(41,42/43))の挟み込み圧(並びに、前記各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))の離間距離ないし接触圧)を調節し得るものとしている。
【0048】
本発明の包装袋の加熱封着装置は、
袋口の下部をシール機構(4)で所望のセット位置に挟み込んだ本セット状態において、
前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))が離間したまま前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引し、
この本セット状態にて挟み込んだ袋口の下部をシール機構(4)によって加熱封着することを特徴とする。
(開閉機構(2)) 実施例1の開閉機構(2)は、設置台(1)の台上部の平面視上辺に沿って設けられたヒンジ(2H)に下面上端部がヒンジ固定され、円弧軌跡に沿って開閉する。ヒンジ(2H)の側面視内側には、設置台(1)後面及び蓋部後面に連結された板状スプリング(2PS)が設けられ、開閉機構(2)の蓋部が所定角度まで開いたときに開動作となる方向に弾性付勢することで、開動作を補助する。
【0049】
(シール機構(4))
実施例1のシール機構(4)は、設置台(1)及び開閉機構(2)のいずれか一方及び他方に対向設置された第一挟圧部(41)及び第二挟圧部(43)からなり、前記第一挟圧部(41)は、セット状態の袋口のうち一面の幅方向に亘る所定のシール範囲に当接する加熱部(4T)を有し、
また前記第二挟圧部(42/43)は、セット状態の袋口のうち他面のシール範囲に当接すると共に前記加熱部(4T)による伝達熱を外部放熱する放熱部を有し、第一狭圧部の加熱部(4T)と第二狭圧部の受け部とによって挟み込んだ袋口を、一面から加熱し他面から排熱しながら封着する。これより加熱封着後の冷却載置時間を置くことが不要となり、短時間で効率的な封着作業が可能となる。特に、包装袋(P)を構成する表シート、裏シートのうち、一方向の袋内面からのみ加熱封着するような、片面融着構成にしていることによって融着効率がさらに好適化する。
【0050】
(サーミスタ4Sの内蔵)
第一狭圧部は、加熱部4Tを固定する基部として、蓄熱材からなるブロック状の弾性支持材4Eが加熱部用の収容溝内に設けられ、弾性支持材4には側方から温度センサー4Sであるサーミスタが挿入される。サーミスタによる検出温度が予め定められた所定の閾温度以下になると伝送線を通じて信号が送られ、切替え機構による電位の切り替えが行われる。
これにより封着後の加熱部が冷却し繰り返し封着可能な状態となったときに自動的に開状態まで移行する。
【実施例2】
【0051】
図4図5cに示す実施例2の設置台(1)は下面の四隅に円盤状の脚部(1L)が固定され、脚部(1L)下面の摩擦抵抗によって設置面に容易に滑ることなく定置される。または実施例2の開閉機構として、実施例1と同様のヒンジ(2H)接続による円弧軌道の開閉式の蓋部を有する。蓋部の下面には、深度方向へ階段状に2段形成された角状切欠き(24D)が設けられ、角状切欠き(24)のうち下面寄りの第一切欠き部分に、第二挟圧部(42)がはめ込み収容される構造となっている。角状切欠き(24D)は階段状に形成されているため、第一切欠き部分に第二挟圧部(42)を収容固定した状態で、奥側に第二切欠き部が左右に貫通して形成される。この第二切欠き部が、左右へ貫通孔形成された矩形の冷却空間となっている。
【0052】
また実施例2の第二挟圧部(42)は、矩形断面の内部に矩形開口(44O)が設けられた角筒体の弾性材からなる。この矩形開口(44O)は、蓋部に固定された状態で蓋部の左右に両端開放され、この矩形開口(44O)からも両端部から排熱される構造となっている。実施例2の第一挟圧部(41)は、設置台(1)の収容窪み部(14D)の底部に貫通固定された縦長矩形断面の加熱部(4T)と、加熱部(4T)の高さ方向を区切るように嵌め込み固定された、加熱部(4T)よりも大きい平面形状の穴開き断熱プレート(4P)と、が互いに嵌め込み固定されている。側断面視では図5a〜cのように、加熱部(4T)と穴開き断熱プレート(4P)とが十字状に交差した状態となり、穴開き断熱プレート(4P)の上部に加熱部(4T)の上端が突出形成される。さらにこれら加熱部(4T)及び穴開き断熱プレート(4P)の全体をカバー材(4C)が覆ってなる。カバー材(4C)は穴開き断熱プレート(4P)よりも太幅の熱伝導性テープ材からなり、加熱部(4T)と穴開き断熱プレート(4P)との嵌め込み構造全体の両側部から上方を亘ってこれらを覆い隠している。
【0053】
第二挟圧部(42)が弾性材からなるため、図5bの本セット状態(S2)では第二挟圧力によって弾性変形し、断熱プレート(4P)上部に突設形成された加熱部(4T)の上端を覆って周囲の隙間を埋めた状態となる。
【0054】
実施例2の蓋部の下面にはまた、深度方向へ階段状に2段形成された段状円柱穴(22D)が設けられ、この段状円柱穴(22D)の穴形状と嵌合するように、軸棒(M20)付きの第二磁性体(M2)が収容固定される。第二磁性体(M2)は軸棒(M20)の下端に固定された、軸棒(M20)よりも大径の扁平円盤に成形された永久磁石からなる。この第二磁性体(M2)の下面は、蓋部の下面から突出することなく下面同士が面一で形成される。第二磁性体(M20)が突出しないため、蓋部が閉状態のときに袋口へ干渉することがなく、より確実な封着位置の調節が可能となる。
【0055】
実施例2では、第一挟圧部(41)への加熱動作は、内蔵したタイマー回路によって、あらかじめ設定した所定の加熱時間経過後に自動的に終了するものとなっている。また加熱動作の終了から所定時間経過後に極切り替え機構が自動的に作動して、対向磁性体の組が誘引状態から離反状態へ自動移行する。つまり実施例2では、スイッチ(2S)の入力操作に伴って対向磁性体が起電磁励され、非磁励状態の第一の誘引磁力よりも大きい第二の誘引磁力で相互誘引し、その後の予め設定した所定時間経過後に極切り替え機構が作動して、相互誘引磁力から相互離反磁力へと切り替わる。この切り替わりの時間は、あらかじめ設定されたシール構造(4)の加熱動作時間よりも長い時間に設定されている。
特記しない他の構成、及び加熱封着の動作は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0056】
(開閉機構)
図6に示す実施例3では実施例1,2のようなヒンジ開閉ではなく、設置台(1)の台上部と蓋部の下面とが平行に対向し、蓋部は台上部と平行の状態を維持したまま上下にスライドするスライド式の開閉機構を有する。シムは4つ配置される。このスライド式の開閉機構は、設置台(1)後部に縦方向に立設された支持柱(25)と、支持柱(25)を覆って支持柱(25)に沿って移動可能にはめ込み固定されたスライド枠部(26)とが組合わせられて構成される。スライド枠部(26)は開閉機構(2)たる蓋部の後端に一体固定される。支持柱(25)には枠伸長方向に沿って突条(25L)が設けられ、スライド枠部(26)にはこの突条(25L)が嵌入可能なスライド溝(26D)が形成される。スライド溝(26D)に突条(25L)がはめ込まれて組み構成される。
【0057】
また実施例3の第二磁性体は、蓋部に形成されたネジ穴の段状穴(22D)に螺合した外螺子付きの軸棒(M20)の下端に固設され、螺子回転によって蓋部の下面からの突出量を調節可能となっている。これにより対向磁性体の距離を調整し、仮セット状態における磁励開始前の第一の誘引磁力を可変させることができる。
図6に示す実施例3では上下スライド機構による並行軌道の開閉蓋を有する。シムは側面視両端と正面視両端に一つずつ、合計4つが設けられる。
【0058】
(サーミスタ4Sの内蔵)
実施例3のシール機構(4)のうち下部の第一挟圧部は、加熱部4Tを固定する基部として、蓄熱材からなるブロック状の弾性支持材4Eが加熱部用の収容溝内に設けられ、弾性支持材4の下部には、収容溝の底部に張り付けられた温度センサー4Sであるサーミスタが固定される。サーミスタによる検出温度が予め定められた所定の閾温度以下になると伝送線を通じて信号が送られ、切替え機構による電位の切り替えが行われる。
これにより封着後の加熱部が冷却し繰り返し封着可能な状態となったときに自動的に開状態まで移行する。
【0059】
本発明では以下(1)〜の手段を講じていることでそれぞれに記載する作用効果を有する。
(1)本発明の包装袋の加熱封着装置は、開閉機構を離間開放させる機構として、以下の特徴を有する。
設置台(1)の台上部にセットした包装袋(P)の袋口近傍を開閉機構(2)によって挟み込んで封着する加熱封着装置であって、少なくとも、
包装袋(P)の袋口の口幅以上の台幅の台上部を有し、台上部に袋面を合わせて袋口をセットし得る設置台(1)と、
設置台(1)の台上へ開閉可能に設けられ、閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構(2)と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれの一側方寄りの位置に対向して設けられ、開閉機構の開閉に応じて袋口の下部を挟み込んで加熱封着するシール機構(4)(第一、第二挟圧部(41,42/43))と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれに対向して設けられ、設置台(1)と開閉機構(2)との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))と、を備えてなり、
前記対向する各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち少なくとも一方の磁性体は、磁極の切り替えが可能な極切替え機構を有してなり、
シール機構(4)による加熱封着中の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互誘引状態として袋口を挟圧するものであり、
シール機構(4)による加熱封着完了後の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互反発状態として開閉機構(2)を閉状態から開状態へと移行させ、シール機構によって挟み込まれていた袋口を非挟み込み状態まで開放することを特徴とする。
【0060】
上記構造により、開閉機構の作動動力として磁力の大きさ自体を開閉圧力に直接関与させ、対向磁性体の磁力を可変させるものとしている。これに加え、対向磁性体の相対磁力を誘引磁力のオンオフだけでなく、磁極(プラスマイナス)を切り替えるまで可変させることで、異極による相互誘引状態(プラスとマイナスで引き合う状態)から相互反発状態(プラスとプラス、マイナスとマイナスで反発し合う状態)にまで状態遷移させるものとしている。これにより、包装袋の袋口を封着前のセッティング状態から封着中の挟圧状態を経て、封着後の非挟み込み状態に至るまで、蓋の開閉状態及び開閉圧力を制御することができる。封着圧力を自動調整すると共にその後に閉蓋状態を自動開放することで、蓋の開閉操作自体を不要とし、効率的な封着操作を行うことができるものとなった。
【0061】
(2)さらに本発明の包装袋の加熱封着装置は、電磁石による極切替え機構としてさらに、
前記対向する各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち前記極切替え機構を有した当該一方の磁性体は、誘導電位電極の切り替えによって誘引電磁力と離反電磁力とを切り替える極切替え式の電磁石からなるものとしてもよい。
誘導電位の電極の切り替えによって一方の磁性体の磁極を簡易に切り替えることができ、また切り替え前後の磁力の大きさを簡易に制御することができる。機械式の磁力切り替えではないため、複雑な切り替え機構を必要とせず、簡易な構成によって耐久性を向上させることができる。
【0062】
(3)さらに本発明の包装袋の加熱封着装置は、仮セット位置の調整機構を有するものとしてさらに以下の構成を有してもよい。
設置台(1)の台上部にセットした包装袋(P)の袋口近傍を開閉機構(2)によって挟み込んで封着する加熱封着装置であって、少なくとも、
包装袋(P)の袋口の口幅以上の台幅の台上部を有し、台上部に袋面を合わせて袋口をセットし得る設置台(1)と、
設置台(1)の台上へ開閉可能に設けられ、閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構(2)と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれの一側方寄りの位置に対向して設けられ、開閉機構の開閉に応じて袋口の下部を挟み込んで加熱封着するシール機構(4)(第一、第二挟圧部(41,42/43))と、
前記設置台(1)及び開閉機構(2)それぞれに対向して設けられ、設置台(1)と開閉機構(2)との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))と、を備えてなり、
台上部に載置した袋口の下部をシール機構によって仮のセット位置に挟み込み、かつ加熱封着を開始する前の仮セット状態において、
前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))が離間したまま所定値以下の第一の誘引磁気力で相互誘引し、
この仮セット状態にて挟み込んだ袋口の前記仮セット位置を調節し得るものであり、
*前記仮セット状態の後に袋口の下部をシール機構で所望のセット位置に挟み込んだ本セット状態において、
前記対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))が離間したまま前記第一の誘引磁気力よりも大きい第二の誘引磁気力で相互誘引し、
この本セット状態にて挟み込んだ袋口の下部をシール機構(4)によって加熱封着する加熱封着装置。
【0063】
(4)さらに本発明の包装袋の加熱封着装置は、永久磁石と電磁石とを組み合わせた対向磁性体として以下の構成を備えてもよい。
前記各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))のうち一方の第一磁性体(M1)は、他方の磁性体に対し特定極性の磁力を有するように対向固定された永久磁石(フェライト磁石、アルニコ磁石、又はボンド磁石、ネオジム磁石、コバルト磁石のいずれか一種以上からなる複合磁性体)からなり、
前記第一磁性体(M1)に対向設置される他方の第二磁性体(M2)は、誘導電位の可変によって所定の調整電磁力を得る電位可変式の電磁石からなり、
前記仮セット状態においては、第二磁性体(M2)の誘導電位をゼロ値に調整して第一磁性体(M1)の永久磁力のみからなる第一の誘引磁気力を発生させ、
前記本セット状態においては、第二磁性体(M2)の誘導電位を所定の誘引値に調整して第一磁性体(M1)の永久磁力と第二磁性体(M2)の調整電磁力との相互誘引磁力からなる第二の誘引磁気力を発生させることが好ましい。
【0064】
(5)さらに本発明の包装袋の加熱封着装置は、透明蓋を備えた開閉機構として、
包装袋(P)の袋口の表面に施された表示領域(PE)に基づいて、当該表示領域(PE)の内部又は外部近傍を挟み込んで封着する加熱封着装置であって、
前記開閉機構(2)は設置台を覆う覆い蓋からなる蓋体からなり、この蓋体は、少なくとも一部が透過性材で構成されてなり、この透過性材部分にいて前記仮セット状態において挟み込んだ袋口の表示領域(PE)、及び、シール機構によって加熱封着される加熱封着範囲を視認し得ることが好ましい。
【0065】
(6)さらに本発明の包装袋の加熱封着装置は、シム1Sによる高さ調節機能を備えた機構として、
前記設置台(1)又は開閉機構(2)の少なくともいずれか一方には、他方の対向面に対して突出量調整可能に突出形成された突出ピン(1S)を具備してなり、
閉状態において前記突出ピン(1S)のピン先端が前記設置台(1)又は開閉機構(2)のうちいずれか他方に当接することで、前記シール機構(4)(第一、第二挟圧部(41,42/43))の挟み込み圧、並びに、前記各対の対向磁性体(第一磁性体(M1)及び第二磁性体(M2))の離間距離ないし接触圧を調節し得るものとしてもよい。
【要約】
【課題】袋をセッティングする際、或いは封着後に袋を取り出す際の少なくともいずれかにおいて、蓋の開閉操作自体を不要とする。また蓋の開閉機構を簡易なものとして耐久性を向上させる。また包装作業において、包装袋の封着直前のセッティング作業、或いは封着後の取り出し作業を効率的に行う。
【解決手段】設置台(1)の台上へ開閉可能に設けられ、閉状態となることで台上部にセットした袋口を挟み込む開閉機構(2)と、開閉機構の開閉に応じて袋口の下部を挟み込んで加熱封着するシール機構(4)と、設置台(1)と開閉機構(2)との開閉距離及び閉状態の密着圧力を調節する一対または複数対の対向磁性体とを備える。対向磁性体のうち少なくとも一方は、磁極の切り替えが可能な極切替え機構を有し、加熱封着完了後の状態では、前記極切替え機構によって対向する磁性体同士を相互反発状態として開閉機構(2)を閉状態から開状態へと移行させる。
【選択図】 図3
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図5c
図6