(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5791776
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】局所用液状殺虫剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 31/14 20060101AFI20150917BHJP
A01N 51/00 20060101ALI20150917BHJP
A01N 55/00 20060101ALI20150917BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20150917BHJP
A01N 37/36 20060101ALI20150917BHJP
A01N 47/12 20060101ALI20150917BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20150917BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20150917BHJP
A01P 7/02 20060101ALI20150917BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20150917BHJP
A61K 31/085 20060101ALI20150917BHJP
A61K 31/695 20060101ALI20150917BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20150917BHJP
A61K 31/4402 20060101ALI20150917BHJP
A61K 31/22 20060101ALI20150917BHJP
A61K 31/27 20060101ALI20150917BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20150917BHJP
A61K 31/341 20060101ALI20150917BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20150917BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20150917BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20150917BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20150917BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
A01N31/14
A01N51/00
A01N55/00 D
A01N43/40 101E
A01N37/36
A01N47/12 Z
A01N25/02
A01N25/00 102
A01P7/02
A01P7/04
A61K31/085
A61K31/695
A61K45/00
A61K31/4402
A61K31/22
A61K31/27
A61K31/44
A61K31/341
A61P43/00 121
A61P33/14
A61K47/22
A61K47/14
A61K9/08
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-205753(P2014-205753)
(22)【出願日】2014年10月6日
【審査請求日】2014年10月31日
(31)【優先権主張番号】14/284,658
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2014/001594
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】WO
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002129
【氏名又は名称】住友商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】コットレル イアン
【審査官】
瀬下 浩一
(56)【参考文献】
【文献】
ポーランド国特許発明第209053(PL,B1)
【文献】
特表2007−534714(JP,A)
【文献】
特表2010−501470(JP,A)
【文献】
特表2008−515912(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102907454(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0254927(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0254951(US,A1)
【文献】
特表2007−501840(JP,A)
【文献】
特表2009−501231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 31/14
A01N 25/00
A01N 25/02
A01N 37/36
A01N 43/40
A01N 47/12
A01N 51/00
A01N 55/00
A01P 7/02
A01P 7/04
A61K 9/08
A61K 31/085
A61K 31/22
A61K 31/27
A61K 31/341
A61K 31/44
A61K 31/4402
A61K 31/695
A61K 45/00
A61K 47/14
A61K 47/22
A61P 33/14
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非プロトン性極性溶媒に溶解可能な親水性ネオニコチノイド成分およびエーテルピレスロイド成分、並びに非プロトン性極性溶媒を含む、組成物であって、
該組成物は溶液であり、
エーテルピレスロイド成分がエトフェンプロックスであり、
親水性ネオニコチノイド成分がジノテフランであり、
非プロトン性極性溶媒は、N−オクチルピロリドン、およびN−メチルピロリドンの組み合わせであり、
エトフェンプロックスの重量パーセントが55〜65重量パーセントであり、
ジノテフランの重量パーセントが4〜6重量%であり、
N−オクチルピロリドンの重量パーセントが6〜10重量%である、
組成物。
【請求項2】
昆虫成長制御物質をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
エーテルピレスロイド活性を高めるために0.1〜0.3重量パーセントの相乗剤をさらに含む組成物であって、該相乗剤がピペロニルブトキシドおよびn−オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミドより選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
昆虫成長制御物質が、ピリプロキシフェン、メトプレン、またはフェノキシカルブである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
親水性ネオニコチノイド、エーテルピレスロイド、および昆虫成長制御物質の重量パーセントが、非プロトン性極性溶媒中で55〜65重量パーセントを構成する、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
エトフェンプロックスの重量パーセントが60重量パーセントである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
ピリプロキシフェンの重量パーセントが0.3〜0.5重量%である、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
請求項5に記載の組成物の有効量を局所的に投与する段階を含む、毛皮動物においてノミおよびダニを局所的に処理するための方法。
【請求項9】
ネコまたはイヌに少量が局所的に投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記量が1〜8mlである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記量が30〜60日毎に定期的に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
N−メチルピロリドン、および6〜10重量%のN−オクチルピロリドンの組み合わせである非プロトン性極性溶媒に55〜65重量パーセントのエトフェンプロックス、4〜5重量パーセントのジノテフラン、および任意で0.3〜0.5重量パーセントのピリプロキシフェンが溶かされた溶液を含む、動物においてノミおよびダニを処理するためのキット。
【請求項13】
0.3〜0.5重量パーセントのピリプロキシフェンをさらに含む、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
0.1〜0.3重量パーセントのピペロニルブトキシドまたはn−オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミドをさらに含む、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
ネコまたはイヌのスポット治療(spot treating)のための、0.5〜8mlより選択される量の個別に容器に入れられた溶液を含む、請求項12に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、殺虫剤、より具体的には、ネコおよびイヌなどの飼育動物に使用するための殺虫製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
イヌおよびネコを飼う人(ownership)が増えるにつれ、病気のペットおよび高齢ペットのニーズに取り組むため、ならびに幼若動物および健康な動物を維持するために利用可能な医療サービスおよび保健サービスが急増している。獣医は、きまった仕事として、寄生虫または様々なタイプの癌の存在を含めてペットの疾患および感染症の徴候を検査する。ネコは、ネコ白血病に特になりやすく、糖尿病を発症する場合がある。
【0003】
ネコおよびイヌの両方の健康に影響を及ぼす多くの疾患は、血液由来の感染症を広め得る咬傷を介してウイルスおよび寄生虫の媒介物として働くダニ(tick)およびノミによって引き起こされる。アメリカ合衆国におけるノミおよびダニ用の製品の市場は、約5億5200万ドルであり、約9社が市場を支配している。2007年〜2012年の間の成長は0.6%であったが、ペットの飼い主、特に、ペットを家族の一員とみなし、自分のペットの健康および幸福のためにお金を使うのをいとわない飼い主の数が増えているため、今後5年間に渡って市場は拡大すると予想されている。
【0004】
現在使用されているイヌおよびネコ向けのノミ/ダニ用製品にはいくつかの不都合な点がある。理想的には、現在入手可能なノミ/ダニ用製剤の欠陥のうちの1つまたは複数に対処するために、製品は、以下を有するべきである:(1)小型のイヌまたはネコに適用するのに必要とされる局所剤(topical)の量を最小限にするための、高濃度の有効成分;(2)適用から少なくとも30日間までの間、ノミの死滅が続くように安定かつ有効である液体製剤;(3)万一の皮膚接触に備えた、消費者にとって安全な製品;(4)周囲温度、低温、および高温で安定であり、市販用に適切な貯蔵寿命を有する製剤;(5)摂取された場合にもイヌまたはネコにとって非毒性である製品;ならびに(6)イヌおよびネコの両方に使用するにあたって、理想的には等しく安全かつ有効である製品。
【0005】
入手可能な多くのノミ/ダニ用局所用組成物は、二大家庭用ペットであるイヌおよびネコの両方に使用するにあたって安全かつ有効ではない。現在使用されている製品の別の欠点は、より効果的な高濃度の有効成分が、安定な液状形態で入手できないことである。
【0006】
効果的な局所用「スポットオン」塗り薬は、動物の種に基づいてではなく体重に基づいて製剤を適用できる場合に特に、商業的に望ましい特徴である。イヌ向けの液状スポット製品の一部は、ネコに使用することができない。
【0007】
特許文献1では、アルコールに溶解させたピリプロキシフェンおよび最高25重量%のジノテフランからなる殺虫剤製剤を説明しており、この製剤はイヌおよびネコの両方への使用に適用可能と説明されている。特許文献2において、内部寄生虫および外部寄生虫を死滅させる局所用製剤は、大環状ラクトンおよびネオニコチノイドを、ペルメトリンおよび昆虫成長制御物質に加えて組み合わせている。最初の2種の成分は、ペルメトリンとの相互作用を防ぐために別個に包装され、安定な液体としては供給され得ない。
【0008】
ネコ科動物およびイヌ科動物の推定個体数
アメリカ合衆国の家庭用ペットの数は数百万に達しており、ネコおよびイヌの寄与が圧倒的に大きい。2012年におけるアメリカ合衆国のネコの個体数は、ネコ7400万匹を超えると見積もられた。アメリカ合衆国の計数値は、約5000万匹と考えられている野生ネコおよび地域ネコの個体数は含まない。アメリカ合衆国の世帯の30〜40%が、1匹または複数匹のネコまたはイヌを飼っている。一世帯当たりの年間の動物関連(veterinary)支出の平均値は、イヌの場合、ウマに使われる支出に匹敵する378ドルであり、一方、ネコの場合、平均費用は191ドルである。(2012 U.S. Pet Ownership & Demographics Sourcebook)。
【0009】
表1は、個体数が最も多い上位10カ国におけるネコおよびイヌの推定数を示す。
【0010】
イヌ科動物およびネコ科動物の個体数は、アメリカ合衆国が最も多い。しかし、イギリスおよびドイツでは、ネコの方がペットとしてイヌよりも人気がある。
【0011】
イヌおよびネコは、アメリカ合衆国において大きな事業である。ドッグフードおよびキャットフードの開発および拡大は発展し続けており、専門店ブランドおよび有機飼料は、収益性の高いニッチ市場を享受している。イヌおよびネコの新しい品種が出現しつつあり、ラブラドゥードルおよびコッカプーなどのいわゆるデザイナー品種があり、American Kennel Clubのような組織によって、その他の純血種のイヌが認識されている。
【0012】
また、消費者は、古代品種、飼いネコ雑種、および飼いネコ/野生ネコ雑種を含むネコ品種にも精通しつつある。ネコの登録簿間で品種分類に相違がある。少なくとも55種の異なる品種が認識されているが、莫大な数のネコが混血種である。認識されている品種には、天然種(natural)、交雑種、および変異種が含まれる。
【0013】
認識されているネコ品種のリストは長く、次のものが含まれる:アビシニアン(Abyssinian)、イジアン(Aegean)、オーストラリアンミスト(Australian Mist)、アメリカンカール(American Curl)、アメリカンボブテイル(American Bobtail)、アメリカンポリダクティル(American Polydactyl)、アメリカンショートヘア(American shorthair)、アメリカンワイヤーヘア(American Wirehair)、アラビアンマウ(Arabian Man)、アジアン(Asian)、アジアンセミロングヘア(Asian Semi-longhair)、バリニーズ(Balinese)、バンビーノ(Bambino)、ベンガル(Bengal)、バーマン(Birman)、ボンベイ(Bombay)、ブラジリアンショートヘア(Brazilian Shorthair)、ブリティッシュショートヘア(British Shorthair)、ブリティッシュロングヘア(British Longhair)、バーミーズ(Burmese)、バーミラ(Burmilla)、カリフォルニアスパングルドキャット(California Spangled Cat)、シャンティリー/ティファニー(Chantilly/Tiffany)、シャルトルー(Chartreux)、チャラウシー(Clausie)、チートー(Cheetoh)、カラーポイントショートヘア(Colorpoint Shorthair)、コーニッシュレックス(Cornish Rex)、キムリック(Cymric)、キプロスキャット(Cyprus cat)、デボンレックス(Devon Rex)、ドンスコイ(Doinskoy)、ドラゴンリー(Dragon Li)、ドウェルフ(Dwelf)、エジプシャンマウ(Egyptian Mau)、ヨーロピアンショートヘア(European Shorthair)、エキゾチックショートヘア(Exotic Shorthair)、ジャーマンレックス(German Rex)、ハバナブラウン(Havana Brown)、ハイランダー(Highlander)、ヒマラヤン/カラーポイントペルシアン(Himalayan/Colorpoint Persian)、ジャパニーズボブテイル(Japanese Bobtail)、ジャバニーズ(Javanese)、カオマニー(Khao Manee)、コラット(Korat)、クリリアンボブテイル(Kurilian Bobtail)、ラパーマ(LaPerm)、メインクーン(Maine Coon)、マンクス(Manx)、メコンボブテイル(Mekong bobtail)、ミンスキン(Minskin)、マンチカン(Munchkin)、ネベロング(Nebelung)、ナポレオン(Napoleon)、ノルウェージャンフォレストキャット(Norwegian Forest Cat)、オシキャット(Ocicat)、オホースアズーレス(Ojos Azules)、オレゴンレックス(Oregon Rex)、オリエンタルバイカラー(Oriental Bicolor)、オリエンタルショートヘア(Oriental Shorthair)、オリエンタルロングヘア(Oriental Longhair)、ペルシアン(Persian)、ピーターボルド(Peterbald)、ピクシーボブ(Pixie-bob)、ラガマフィン(Ragamuffin)、ラグドール(Ragdoll)、ロシアンブルー(Russian Blue)、ロシアンブラック(Russian Black)、ホワイトオアタビー(White or Tabby)、サバンナ(Savannah)、スコティッシュフォールド(Scottish Fold)、セルカークレックス(Selkirk Rex)、セレンゲティキャット(Serengeti cat)、セラデプチ(Serrade petit)、シャム(Siamese)、シベリアンシンガプーラ(Siberian Singapura)、スノーシュー(Snowshoe)、ソコケ(Sokoke)、ソマリ(Somali)、スフィンクス(Sphynx)、スウェーディッシュフォレストキャット(Swedish forest cat)、タイ(Thai)、トンキニーズ(Tonkinese)、トイガー(Toyger)、ターキッシュアンゴラ(Turkish Angora)、ターキッシュバン(Turkish Van)、ウクラニアンレフコイ(Ukrainian Levkoy)、およびヨークチョコレートキャット(York Chocolate Cat)。
【0014】
American Kennel Clubに認識されている品種のリストには、アーフェンピンシャー(Affenpinscher)、アフガンハウンド(afghan hound)、エアデールテリア(Airedale Terrier)、アキタ(Akita)、アラスカンマラミュート(Alaskan Malamute)、アメリカンイングリッシュクーンハウンド(American English Coonhound)、アメリカンエスキモードッグ(American Eskimo Dog)、アメリカンフォックスハウンド(American Foxhound)、アメリカンスタッフォードシャーテリア(American Staffordshire Terrier)、アメリカンウォータースパニエル(American Water Spaniel)、アナトリアンシェパードドッグ(Anatolian Shepherd Dog)、オーストラリアンキャトルドッグ(Australian Cattle Dog)、オーストラリアンシェパード(Australian Shepherd)、オーストラリアンテリア(Australian Terrier)、バセンジー(Basenji)、バセットハウンド(Basset Hound)、ビーグル(Beagle)、ビアデッドコリー(Bearded Collie)、ボースロン(Beauceron)、ベドリントンテリア(Bedlington Terrier)、ベルジアンマリノア(Belgian Malinois)、ベルジアンシープドッグ(Belgian Sheepdog)、ベルジアンタービュレン(Belgian Tervuren)、バーニーズマウンテンドッグ(Bernese Mountain dog)、ビションフリーゼ(Bichon Frise)、ブラックアンドタンクーンハウンド(Black and Tan Coonhound)、ブラックロシアンテリア(Black Russian Terrier)、ブラッドハウンド(Bloodhound)、ブルーティッククーンハウンド(Bluetick Coonhound)、ボーダーコリー(Border Collie)、ボーダーテリア(Border Terrier)、ボルゾイ(Borzoi)、ボストンテリア(Boston Terrier)、ブービエデフランダース(Bouview des Flandres)、ボクサー(Boxer)、ボイキンスパニエル(Boykin Spaniel)、ブリアール(Briard)、ブリタニー(Brittany)、ブラッセルスグリフォン(Brussels Griffon)、ブルテリア(Bull Terrier)、ブルドッグ(Bulldog)、ブルマスチフ(Bullmastiff)、ケアンテリア(Cairn Terrier)、カナーンドッグ(Canaan dog)、カネコルソ(Cane Corso)、カーディガンウェルシュコーギー(Cardigan Welsh Corgi)、キャバリアキングチャールズスパニエル(Cavalier King Charles Spaniel)、チェスキーテリア(Cesky Terrier)、チェサピークベイレトリーバー(Chesapeake Bay Retriever)、チワワ(Chihuahua)、チャイニーズクレステッド(Chinese Crested)、チャイニーズシャーペイ(Chinese Shar-Pei)、チャウチャウ(Chow Chow)、チルネコデルエトナ(Cirneco dell'Etna)、クランバースパニエル(Clumber Spaniel)、コッカースパニエル(Cocker Spaniel)、コリー(Collie)、カーリーコーテッドレトリーバー(Curly-Coated Retriever)、ダックスフント(Dachshund)、ダルメシアン(Dalmatian)、ダンディディンモントテリア(Dandie Dinmont Terrier)、ドーベルマンピンシェル(Doberman Pinscher)、ドーグドボルドー(Dogue de Bordeaux)、イングリッシュコッカースパニエル(English Cocker Spaniel)、イングリッシュフォックスハウンド(English Foxhound)、イングリッシュセッター(English Setter)、イングリッシュスプリンガースパニエル(English Springer Spaniel)、イングリッシュトイスパニエル(English Toy Spaniel)、エントレブッハーマウンテンドッグ(Entlebucher Mountain Dog)、フィールドスパニエル(Field Spaniel)、フィニッシュラップフント(Finnish Lapphund)、フィニッシュスピッツ(Finnish Spitz)、フラットコーテッドレトリーバー(Flat-Coated Retriever)、フレンチブルドッグ(French bulldog)、ジャーマンピンシャー(German Pinscher)、ジャーマンシェパードドッグ(German Shepherd Dog)、ジャーマンショートヘアードポインター(German Shorthaired Pointer)、ジャーマンワイヤーヘアードポインター(German Wirehaired Pointer)、ジャイアントシュナウザー(Giant Schnauzer)、グレンオブイマールテリア(Glen of Imaal Terrier)、ゴールデンレトリーバー(Golden Retriever)、ゴードンセッター(Gordon Setter)、グレートデーン(Great Dane)、グレートピレニーズ(Great Pyrenees)、グレータースイスマウンテンドッグ(Greater Swiss Mountain Dog)、グレーハウンド(Greyhound)、ハリヤー(Harrier)、ハバニーズ(Havanese)、イビザンハウンド(Ibizian Hound)、アイスランドシープドッグ(Icelandic Sheepdog)、アイリッシュレッドアンドホワイトセッター(Irish Red and White Setter)、アイリッシュセッター(Irish Setter)、アイリッシュテリア(Irish Terrier)、アイリッシュウォータースパニエル(Irish Water Spaniel)、アイリッシュウルフハウンド(Irish Wolfhound)、イタリアングレーハウンド(Italian Greyhound)、ジャパニーズチン(Japanese Chin)、キースホンド(Keeshond)、ケリーブルーテリア(Kerry Blue Terrier)、コモンドール(Komondor)、クーバーズ(Kuvasz)、ラブラドルレトリーバー(Labrador Retriever)、レークランドテリア(Lakeland 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Ridgeback)、ロットワイラー(Rottweiler)、ラッセルテリア(Russsell Terrier)、セントバーナード(Saint Bernard)、サルーキ(Saluki)、サモエド(Samoyed)、スキッパーキ(Schipperke)、スコティッシュディアハウンド(Scottish Deerhound)、スコティッシュテリア(Scottish Terrier)、シーリハムテリア(Sealyham Terrier)、シェトランドシープドッグ(Shetland Sheepdog)、シバイヌ(Shiba Inu)、シーズー(Shih Tzu)、シベリアンハスキー(Siberian Husky)、シルキーテリア(Silky Terrier)、スカイテリア(Skye Terrier)、スムースフォックステリア(Smooth Fox Terrier)、ソフトコーテッドウィートンテリア(Soft Coated Wheaten Terrier)、スピノーネイタリアーノ(Spinone Italiano)、スタッフォードシャーブルテリア(Staffordshire Bull Terrier)、スタンダードシュナウザー(Standard Schnauzer)、サセックススパニエル(Sussex Spaniel)、スウェーディッシュバルハウンド(Swedish Vallhund)、チベタンマスティフ(Tibetan Mastiff)、チベタンスパニエル(Tibetan Spaniel)、チベタンテリア(Tibetan Terrier)、トイフォックステリア(Toy Fox Terrier)、ツリーイングウォーカークーンハウンド(Treeing Walker Coonhound)、ビズラ(Vizsla)、ワイマラナー(Weimaraner)、ウェルシュスプリンガースパニエル(Welsh Springer Spaniel)、ウェルシュテリア(Welsh Terrier)、ウェストハイランドホワイトテリア(West Highland White Terrier)、ウィペット(Whippet)、ワイヤーフォックステリア(Wire Fox Terrier)、ワイヤーヘアードポインティンググリフォン(Wirehaired Pointing Griffon)、ショロイッツクゥイントリ(Xoloitzcuintli)、およびヨークシャーテリア(Yorkshire Terrier)が含まれる。
【0015】
ノミおよびダニの駆除製品
ネコ科動物においてノミおよびダニを駆除する際に使用するために現在利用可能なノミおよびダニの駆除製品は多数ある。主な製造業者による製品は、月1回の局所剤として、大半は、動物の皮膚への「スポットオン」塗り薬として販売されている。いずれもノミ成虫を死滅させ、大半はダニを死滅させるということになっているが、大多数はノミの卵を死滅させない。フィプロニルを含む製品はシラミを死滅させるが、これらの製品のどれも、ハエを寄せ付けないとは主張していない。
【0016】
ノミ/ダニ用製品の大半の主要(main line)製造業者は、ピリプロキシフェンまたは(S)メトプレンと組み合わせて、様々な濃度のフィプロニル、ジノテフラン、イミダクロプリド、またはエトフェンプロックスを使用している。フィプロニルを含む製品に匹敵する効力を成虫のノミ、ダニ、およびシラミに対して有すると記載されているSergeant's社販売の天然植物油の混合物を除いて、有効と思われる植物性薬品はわずかしかない。表2は、局所用治療剤として典型的に供給されているいくつかの評判の良い市販製品の有効成分を一覧にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6,867,223号
【特許文献2】米国特許第7,368,435号
【発明の概要】
【0018】
本発明は、高濃度の親水性殺虫剤および疎水性殺虫剤を含む新しい液体製剤に関し、特に、活性成分(active components)としてジノテフラン、エトフェンプロックス、およびピリプロキシフェンを含む組成物に関する。ジノテフランは、水溶性であるネオニコチノイド化合物であるのに対し、エトフェンプロックスは、本質的には水不溶性である。ニテンピラムのような他の水溶性ネオニコチノイドが使用され得るが、ほとんどのネオニコチノイドは非プロトン性極性溶媒に比較的不溶性であり、疎水性成分を含む安定な溶液を形成するほど十分には溶解しない。最も好ましい製剤において、疎水性成分はエーテルピレトリンエトフェンプロックスであり、ジノテフランおよびピリプロキシフェンと共に、非プロトン性極性溶媒中に40〜60%の重量パーセント範囲で調製され得る。溶媒または混合溶媒の重量パーセントは35%未満である。活性な親水性成分および疎水性成分は、貯蔵寿命が少なくとも数ヶ月である安定な溶液を形成する。
【0019】
開示される液体製剤中で親水性有効成分および疎水性有効成分の混合物を可溶化するのに使用され得る、いくつかの溶媒および溶媒の組合せがある。このような溶媒には、N-メチルピロリドン(NMP)、炭酸プロピレン、酢酸エチル、テトラヒドロフルフリルアルコール(THFFA)、グリコフロール、グリセロールホルマール、ソルケタール(単独でまたはDMSOと組み合わせて)、4-ヒドロキシ-1,3-ジオキサン、1,2-グリセロール-ホルマール、およびN-オクチルピロリドンが含まれる。好ましい溶媒はN-オクチルピロリドンであり、これはNMPまたは炭酸プロピレンと組み合わせられてよい。
【0020】
本発明は、ネコ科動物およびイヌ科動物においてダニおよびノミだけでなく、ノミの卵、ノミの幼虫、ダニ、ダニの卵、ダニの若虫、ダニ(mite)、および蚊の局所治療に特に役立つ有効成分(「活性物質(actives)」)の組合せを提供する。
【0021】
開示される製剤の特に驚くべき局面は、非プロトン性極性液体中に可溶化され得る親水性活性物質および疎水性活性物質の高濃度である。ジノテフランは親水性であり、水に容易に溶解するのに対し、エトフェンプロックスは疎水性であり、本質的には水に溶解しない。ジノテフランおよび最大40〜60重量%のエトフェンプロックスの組合せを非プロトン性極性溶媒中で実現することができる。エトフェンプロックスのようなエーテルピレスロイドを高濃度で含む液体製剤は、ノミおよびダニを駆除するのに極めて効果的であり、局所剤として使用するにあたって非毒性である。エトフェンプロックスではなくペルメトリンを使用する製品は、毒性があるためネコ科動物に使用することはできない。高濃度のエトフェンプロックスを含む開示される製剤は、イヌ科動物およびネコ科動物、ならびに他の哺乳動物、例えば、ウサギ、マウス、ラット、およびモルモットに効果的かつ安全に使用することができる。
【0022】
好ましくは、局所用溶液は、N-オクチルピロリドンまたはN-オクチルピロリドンとNMPの混合物中に配合されたジノテフラン、エトフェンプロックス、およびピリプロキシフェンの混合物を含む。ピリプロキシフェンは、0.4〜0.5重量パーセントで存在する昆虫成長制御物質である。典型的な好ましい組合せでは、34.6重量パーセントのN-オクチルピロリドンまたは28.61重量パーセントのNMPと6.00重量パーセントのN-オクチルピロリドンの混合溶媒中に、ジノテフランが4.95重量パーセントであり、エトフェンプロックスが60重量パーセントであり、ピリプロキシフェンが0.44重量パーセントである。この溶液は、65重量パーセントより多い有効成分を提供し、ネコおよびイヌにおいてノミおよびダニを駆除および死滅させるためのスポットオン製剤として有効である。
【0023】
より具体的には、本発明は以下を提供する:
[1] 40〜65重量パーセントのエーテルピレスロイドを含む溶液を提供する、非プロトン性極性溶媒に溶解可能な親水性成分ネオニコチノイドおよび疎水性成分ピレスロイドまたはエーテルピレスロイドを含む組成物;
[2] 昆虫成長制御物質をさらに含む、[1]に記載の組成物;
[3] ピレスロイド活性を高めるために0.2〜0.3重量パーセントの相乗剤をさらに含む組成物であって、該相乗剤がピペロニルブトキシドまたはn-オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミドより選択される、[2]に記載の組成物;
[4] 疎水性成分および親水性成分が、それらの薬学的に許容される塩、鏡像異性体、ラセミ体、プロドラッグ、誘導体、または代謝生成物のいずれかである、[1]に記載の組成物;
[5] ネオニコチノイドが、アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、ニテンピラム、スルホキサフロール、チアクロプリド、チアメトキサム、またはジノテフランである、[1]に記載の組成物;
[6] ピレスロイドまたはエーテルピレスロイドが、エトフェンプロックス、アレトリン、ビフェントリン、シフルトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エスフェンバレラート、フェンプロパトリン、フェンバレラート、フルシトリナート、フルメトリン、イミプロトリン、λ-シハロトリン、メトフルトリン、プラレトリン、レスメトリン、シラフルオフェン、スミトリン、タウ-フルバリナート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、およびトランスフルトリンである、[1]に記載の組成物;
[7] 昆虫成長制御物質が、ピリプロキシフェン、メトプレン、またはフェノキシカルブである、[2]に記載の組成物;
[8] ネオニコチノイド、ピレスロイド、および昆虫成長制御物質の重量パーセントが、非プロトン性極性溶媒中で40〜65重量パーセントを構成する、[2]に記載の組成物;
[9] 非プロトン性極性溶媒が、N-オクチルピロリドン、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、炭酸プロピレン、または酢酸エチルのうちの1種または複数種より選択される、[1]に記載の組成物;
[10] エトフェンプロックスの重量パーセントが40〜60重量%である、[1]に記載の組成物;
[11] ジノテフランの重量パーセントが4〜6重量%である、[6]に記載の組成物;
[12] ピリプロキシフェンの重量パーセントが0.3〜0.5重量%である、[7]に記載の組成物;
[13] [8]に記載の組成物の有効量を局所的に投与する段階を含む、毛皮動物においてノミおよびダニを局所的に処理するための方法;
[14] ネコまたはイヌに少量が局所的に投与される、[13]に記載の方法;
[15] 前記量が1〜8mlである、[14]に記載の方法;
[16] 前記量が30〜60日毎に定期的に投与される、[15]に記載の方法;
[17] N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン、炭酸プロピレン、テトラヒドロフルフリルアルコール、乳酸エチル、またはそれらの混合物より選択される非プロトン性極性溶媒に40〜60重量パーセントのエトフェンプロックス、4〜5重量パーセントのジノテフラン、および任意で0.3〜0.5重量パーセントのピリプロキシフェンが溶かされた溶液を含む、動物においてノミおよびダニを処理するためのキット;
[18] 0.3〜0.5重量パーセントのピリプロキシフェンをさらに含む、[17]に記載のキット;
[19] 0.1〜0.2重量パーセントのピペロニルブトキシドまたはn-オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミドをさらに含む、[18]に記載のキット;ならびに
[20] ネコまたはイヌのスポット治療(spot treating)のための、0.5〜8mlより選択される量の個別に容器に入れられた溶液を含む、[17]に記載のキット。
【発明を実施するための形態】
【0024】
態様の説明
発明の詳細な説明
ノミおよびダニを死滅させるか、または予防するように作用する、イヌに利用可能な製品が多数ある。イヌ用の周知の局所用スポット治療剤は、フィプロニル、シフェノトリン、および(S)-メトプレンを含む製品である。45〜88lbs.のイヌ用の組成物中の有効成分は、約22.8重量%の範囲である。イヌ用のSqueeze-On(登録商標)中の成分は、シフェノトリンおよびフィプロニルである。活性物質のこの組合せは、ノミ、ノミの卵、ノミの幼虫、およびダニを死滅させると記載されている。これらのノミ/ダニ用製剤は、ネコには使用できない。
【0025】
ネコ用の典型的なノミ治療剤は、FRONTLINE(登録商標)Felineであり、2種類のみの有効成分(フィプロニルおよびS-メトプレン)を含んで販売されている。後者は昆虫成長制御物質である。有効成分は、約12%しか占めず、不活性成分が製剤の78%超を占めている。比較すると、本明細書において説明するノミ/ダニ用製剤の方が、はるかに高濃度の有効成分を有しており、したがって、より効果的かつ持続性である。
【0026】
表3は、好ましくはジノテフラン、ピリプロキシフェン、およびエトフェンプロックスを含む、本発明を示す局所用製剤を例示する。ジノテフランは、ネオニコチノイドクラスの殺虫剤のメンバーであり、エトフェンプロックスは、エーテルピレスロイドである。ほとんどのピレスロイドはエステルである。ピリプロキシフェンは、昆虫成長制御物質である。ジノテフランはノミを死滅させるがダニは死滅させず、エトフェンプロックスはノミおよびダニの両方を死滅させる。ジノテフランは、エトフェンプロックスは提供しない「迅速な死滅(speed of kill)」を提供する。表3は、動物に局所用「スポットオン」として塗布できる、ジノテフラン、エトフェンプロックス、およびピリプロキシフェンを含む製剤を示す。これらの製剤は、ノミ、ダニ、およびノミの卵を死滅させるためにイヌ科動物およびネコ科動物において局所用塗り薬として使用するのに特に有効である。
【0027】
ジノテフランは、水に溶解する(約40g/L)親水性化合物である。表4に示すように、数個を例外として、他のネオニコチノイドは溶解性が劣る。ジノテフランが最も好ましいが、ニテンピラムは親水性が高く、より高レベルのネオニコチノイドが望ましいと思われる製剤中で使用され得る。エーテルピレスロイドのエトフェンプロックスは、一部の非プロトン性極性溶媒に溶解して、最高で40〜60重量パーセントを構成するが、ほとんどのエーテルピレスロイドは、ほんの少ししか溶解しない。他のエーテルピレスロイドは、殺虫活性を有するならば有用であり得、費用および比較的低い疎水性が理由となって望ましい場合がある。
【0028】
説明される製剤は、0°Fから少なくとも120°Fまでの温度で安定である。0°F、32°F、70°F、および120°Fの試験温度において1ヶ月。表5は、氷点から50°Fまでの範囲の温度で保管されたいくつかの製剤の結果を示す。沈殿も結晶化も観察されなかった。
【0029】
エトフェンプロックスは、水に比較的不溶性[1mg/L]である疎水性化合物である。ジノテフランおよびエトフェンプロックスの両方とも、ピロリドン化合物に可溶性である。N-オクチルピロリドンが、単独で、または他の非プロトン性極性液体と混合して使用され得る好ましい溶媒である。他の溶媒系が適切であり、表2に挙げられている。
【0030】
新しい製剤は、イヌ科動物およびネコ科動物の両方に使用されるように作られている。エトフェンプロックスは、ピレスロイドクラスの殺虫剤の他のメンバーとは違って、ネコ科動物に有毒ではない。イヌに利用可能なほとんどの製品は、ネコ科動物に有毒なピレスロイドエステルを含み、したがって、ネコには使用できない。エーテルピレスロイドのエトフェンプロックスを高レベルで含む製剤は、ウサギ、マウスラット、ハムスター、およびモルモットを含む他の哺乳動物に使用され得る。
【0031】
本発明の重要かつ予想外の局面は、周囲温度および低温で長期間に渡って安定である溶液中の殺虫剤活性物質の総量が高濃度(約45〜65%)であることである。エトフェンプロックスは、親水性物質を溶解させる溶媒に比較的不溶性であるため、これは特に予想外である。説明される混合物中の親水性活性物質および疎水性活性物質は、温度安定性が良好である安定な溶液を形成する。濃度5%のジノテフランは、0°Fおよび32°Fで多くの親水性溶媒から結晶化し得るものの、40〜60重量パーセントのエトフェンプロックスおよび最大5%のジノテフランを含む液体製剤において、沈殿も結晶化も観察されなかった。この高濃度の有効成分を含んでさえも、これらの溶液は、0°F、32°F、70°F、および120°Fの試験温度で1ヶ月間安定である。
【0032】
ノミ疾患
ネコにおける致死的疾患はサイトークスゾーン症であり、これは、中央のカンザス州から南方および東方の、フロリダ州ジャクソンビルあたりまでに一般に存在する血液寄生虫である。サイトークスゾーン症の有効な治療法はない。
【0033】
ネコおよびイヌの両方におけるノミによる最も一般的な問題は、ノミアレルギー皮膚炎である。ノミは、摂食している際に皮膚に唾液を注入し、それが原因で、咬傷部位で唾液タンパク質が沈着した場所に動物はかゆみを感じる。その後の引っ掻き行動により、咬傷部分に著しい脱毛が起こり得る。
【0034】
ノミは、ペットおよびヒトの両方においてアレルギー反応を引き起こし得る。ネコまたはイヌにおけるノミ咬傷は、蕁麻疹または発疹をもたらし得、これらは重篤な皮膚感染症、例えば、ネコの粟粒性皮膚炎を進行させる場合がある。ヒトは、外寄生された動物から移動したノミにしばしば刺され、その結果、かゆみ、発赤、および様々な程度の皮膚炎が起こる。
【0035】
貧血は、重度のノミ外寄生においてノミが赤血球を餌にした結果として生じ得る、極めて重篤な病態である。この病態は、子ネコおよび子イヌにおいて特に重篤であり、赤血球の減少が、酸素を脳に効率的に運ぶ能力に影響を及ぼす。貧血の治療後でさえ、動物は、恒久的な脳損傷を患う場合がある。
【0036】
サナダムシ(Tape Worms)は、ノミの体内に保有され、動物がノミ咬傷をなめるかまたは噛んだ場合にネコおよびイヌに伝播する。摂取されたサナダムシは、消化器系中で繁殖し、数フィートの長さに成長し得る。感染したイヌまたはネコ、特に幼いものは、丈夫に育つことができず、通常は低体重である。
【0037】
ペストは、現代でさえヒトを冒す疾患である。この疾患は、ノミ咬傷を介してヒトに、最も頻繁には、ペットの飼い主のノミ外寄生部位に、伝染する。典型的には、ノミは、ノミの証拠を示すこともあれば示さないこともあるペットによって家庭に持ち込まれる。
【0038】
南部諸州で最もよく起こる発疹熱は、野生動物およびネコまたはイヌなどのペットの両方からノミによってうつされる。発疹熱の典型的な症状には、背部痛、腹痛、頭痛、悪心、嘔吐、および赤い発疹が含まれる。この病態の最悪の症状は、この病態によって引き起こされる極めて高い熱(105〜106度)であり、数週間続く場合がある。
【0039】
ペットのダニ疾患
ダニ咬傷からペットに伝染し得るいくつかの疾患がある。アメリカ合衆国において認められる最も一般的なダニ媒介性疾患は、ライム病、ロッキー山紅斑熱、エールリヒア症、およびダニ麻痺症である。これらおよび特にイヌおよびネコを冒す他のダニ媒介性疾患のいくつかを下記に挙げる。
【0040】
ボレリア症とも呼ばれるライム病は、細菌ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)によって引き起こされる。シカダニはこれらの細菌を運んで、動物の血液を吸っている間にこれらの細菌をその動物に伝播させる。細菌が動物の血流に送り届けられるためには、ダニは、約48時間、イヌ(またはネコ)に付着する必要がある。1日または2日以内にダニが除去された場合には、通常、伝播は起こらない。
【0041】
ライム病の一般的徴候には、跛行、発熱、リンパ節および関節の腫脹、ならびに食欲減退が含まれる。重症症例では、動物は、腎臓疾患、心臓病態、または神経系障害を発症する場合がある。動物は、ライム病に罹患したヒトにおいて一般に認められる、見てすぐそれと分かる「ライム病発疹」を発症しない。
【0042】
ペットのライム病を診断するには血液検査が必要である。検査が陽性である場合、通常、経口抗生物質が処方される。免疫性が与えられないため、ライム病から回復したイヌは、再びこの疾患にかかり得る。ライム病用ワクチンをイヌに利用することができるが、あいにく、このワクチンはネコに利用することができない。
【0043】
アメリカ合衆国の東部、中西部、および平原地域においてイヌで一般に認められる疾患は、ロッキー山紅斑熱である。ネコはRMSFに感染し得るが、ネコの発病率ははるかに低い。RMSFを引き起こす微生物は、アメリカイヌダニおよびロッキー山紅斑熱ダニを介して伝播する。
【0044】
微生物の伝播が起こるためには、ダニは、少なくとも5時間、イヌまたはネコに付着する必要がある。RMSFの徴候には、発熱、食欲減退、うつ、関節の痛み、跛行、嘔吐、および下痢が含まれ得る。一部の動物は、心臓異常、肺炎、腎不全、肝損傷、またはさらに神経学的徴候(例えば、発作、よろめき)を発症する場合がある。
【0045】
微生物に対する抗体を検出するために血液検査が使用される。これにより、動物が過去に一度感染したことが示される。感染症を治療するために、経口抗生物質が約2週間使用される。ライム病と違って、その微生物が排除された動物は、通常回復し、その後の感染に対して免疫性のままである。イヌまたはネコが、心臓、肝臓、もしくは腎臓を損傷している場合、かつ/または神経系が感染の影響を受けている場合、通常は病院での追加の支持的治療が必要となる場合がある。
【0046】
現在、RMSFを予防するために利用可能なワクチンはなく、したがって、風土病の地域に生息する動物にとって、ダニ駆除が重要である。
【0047】
エールリヒア症もまた、イヌを冒すダニ媒介性疾患である。これは、ブラウンドッグダニ(brown dog tick)およびローンスターダニ(Lone Star Tick)によって伝染し、リケッチア微生物によって引き起こされる。これは世界中で発生しており、アメリカ合衆国のあらゆる州で認められている。一般的な症状には、うつ、食欲減退(食欲不振)、発熱、関節の硬直および痛み、ならびに挫傷が含まれる。典型的には、徴候は、ダニ刺咬後1ヶ月未満で現れ、約4週間続く。
【0048】
エーリキア属(Ehrlichia)に対する抗体を試験するために、特殊な血液検査が必要とされる場合がある。通常、抗生物質は、微生物を完全に排除するために最長で4週間与えられる。感染後、動物は微生物に対する抗体を持つようになり得るが、再感染に対して免疫性ではないと考えられる。エールリヒア症に対して利用可能なワクチンはない。この疾患が特有である国の地域において、ダニの季節の間、低用量の抗生物質が動物に推奨され得る。
【0049】
シカダニおよび西部クロアシダニは、イヌ科動物のアナプラズマ症を伝染させる細菌を運ぶ。異なる細菌によって引き起こされる別の形態のアナプラズマ症は、ブラウンドッグダニによって運ばれる。イヌおよびネコの両方とも、この病態のリスクを有する。シカダニは他の疾患も運ぶため、一部の動物は、複数のダニ媒介性疾患を同時に発症するリスクを有し得る。
【0050】
アナプラズマ症の徴候は、エールリヒア症と同様であり、関節の痛み、発熱、嘔吐、下痢、および起こり得る神経系障害が含まれる。通常、ペットは、感染後数週間以内に疾患の徴候を示し始める。通常、アナプラズマ症の診断には、血液検査、尿検査、および時には他の特殊な臨床検査が必要である。
【0051】
感染の重症度に応じて、アナプラズマ症の治療のために最長で1ヶ月間、経口抗生物質が与えられる。直ちに治療された場合、ほとんどのペットは完全に回復する。アナプラズマ症を患った後の免疫性は保証されておらず、したがって、再び曝露された場合にはペットは再感染し得る。
【0052】
ダニ麻痺症は、ダニが分泌する毒素によって引き起こされる。この毒素は、哺乳動物の神経系に影響を及ぼす。影響を受けたイヌは弱くなり跛行するのに対し、通常、ネコが影響を受ける程度はこれより低い。徴候は、動物がダニに最初に刺されてから約1週間後に始まる。典型的には、これは、後肢の衰弱から始まり、最終的には四肢すべてに影響を与え、その後、呼吸および嚥下が困難になる。病態がさらに進行した場合には、死亡に至る場合がある。
【0053】
動物の体表にダニが認められた場合、通常、除去することによって迅速に回復する。病態の重症度に応じて、生存のために支持的治療(例えば、呼吸補助)が必要とされる場合がある。抗毒素が入手可能であり、これは、感染後すぐに病態が発見された場合に与えることができる。
【0054】
ヘモバルトネラ症は、ダニおよびノミの両方によって伝染する疾患である。これは、冒された動物の赤血球を標的にする微生物によって引き起こされて、貧血および衰弱をもたらす。ネコおよびイヌの両方が罹患する。ネコでは、この病態は、ネコ伝染性貧血としても公知である。イヌでは、その動物がすでに潜在的な問題を抱えている場合を除いては、通常、この疾患は見た目に明らかではない。
【0055】
ヘモバルトネラ症の診断は、微生物に関して血液試料を検査することによる。また、特殊な臨床検査も利用可能である。抗生物質を用いた治療を数週間継続しなければならず、一部の動物では輸血が必要となる場合もある。
【0056】
野兎熱としても公知の野兎病は、北アメリカにおいて4種のダニによって運ばれる細菌によって引き起こされる。ノミもまた、野兎病をイヌおよびネコに伝達し、伝染させ得る。通常、ネコの方がイヌよりもこの病態に冒されやすい。イヌの症状は、食欲減退、うつ、および軽度の発熱である。ネコは、高熱、リンパ節腫脹、鼻汁、および場合によってはダニ咬傷部位における膿瘍を示す。通常、幼い動物の方が、野兎病にかかるリスクが高い。
【0057】
通常、血液検査は、野兎病の原因となる細菌に対する抗体を探すために使用され、この抗体が存在する場合、曝露されており感染がほぼ間違いないことが示される。抗生物質は、陽性が確認された動物においてこの病態を治療するために与えられる。この病態に対する予防的ワクチンはなく、したがって、ネコを屋内で飼育することならびにノミおよびダニの駆除対策を使用することが重要である。この疾患を保有するげっ歯動物、ウサギ、および動物をペットが追って捕まえるのを制限することもまた、ペットがこの疾患に罹患しないように保護するのに役立つ。
【0058】
イヌおよびネコがバベシア症と診断された場合、原生動物、すなわち、とても小さい単細胞の動物的微生物が、責任がある群(parties)である。ダニは、原生動物門の微生物を動物に伝播させ、この微生物が赤血球中に住み着いて、貧血を引き起こす。通常、バベシア症はアメリカ合衆国南部で認められるが、この国の北東部にも存在する。
【0059】
典型的には、イヌのバベシア症の徴候は重症である。これらには、青白い歯肉、うつ、暗色尿、発熱、およびリンパ節腫脹が含まれる。重症症例では、動物が突然倒れ、ショック状態になる場合がある。血液検査および尿検査、ならびに特殊な診断検査法が、罹患動物において微生物の形跡を探すのに使用される。
【0060】
通常、この疾患を乗り越えて生き残ったイヌは感染したままであり、将来、再発が起こり得る。バベシア症から保護するために利用可能なワクチンはない。
【0061】
ネコは、サイトークスゾーン症に感染するリスクを有する。この寄生虫症は、ダニを介して伝染し、アメリカ合衆国の南部中央地方および南東地方において、より一般的に報告されている。典型的には、感染した場合にネコは重い病気になる。これは、寄生虫が身体の多くの部分に影響を及ぼすためである。
【0062】
ネコは、貧血、うつ、高熱、呼吸困難、および黄疸(すなわち、皮膚が黄色くなること)を発症し得る。治療は不成功に終わることが多く、感染後わずか1週間で死亡する。
【0063】
典型的には、特殊な薬物を用いた即時かつ積極的な治療、静脈内輸液、および支持療法が必要である。サイトークスゾーン症から回復したネコは、それでも、一生、この疾患の保有者であり得る。この疾患に対するワクチンはなく、したがって、ダニの予防が重要である。
【0064】
アメリカ合衆国の南部中央地方および南東地方のイヌは、アメリカ犬ヘパトゾーン症(ACH)にかかるリスクがより大きい。メキシコ湾岸ダニ(Gulf Coast tick)が、この特定の疾患を伝達する。このダニ媒介性疾患は、皮膚へのダニの付着および刺咬を介した伝染によってではなく、若虫期または成虫期のダニを実際に摂取することによって引き起こされる。摂取は、自分で毛づくろいをしている間に、またはイヌが感染動物を食べた場合に起こると疑われている。
【0065】
感染は重症であり、致死的であることが多い。症状には、高熱、運動時のこわばりおよび疼痛、体重減少、ならびに食欲の完全な喪失が含まれる。筋肉は衰弱し始め、最も明らかになる外見的症状はイヌの頭部周辺である。目やにもまた、非常によく起こる。
【0066】
検査を実施して、イヌの血液、分泌物、または筋肉組織中の寄生虫を見つけることができる。診断後しばらくの期間、抗炎症薬および抗生物質と共に抗寄生虫薬を用いた治療が必要である。イヌが回復した場合、この疾患は再発が起こり得るため、引き続き薬物治療を数年間行うことが必要となる場合がある。
【0067】
ネコおよびイヌの両方におけるノミによる最も一般的な問題は、ノミアレルギー皮膚炎である。ノミは、摂食している際に皮膚に唾液を注入し、それが原因で、咬傷部位で唾液タンパク質が沈着した場所に動物はかゆみを感じる。その後の引っ掻き行動により、咬傷部分に著しい脱毛が起こり得る。
【0068】
ダニは、ネコおよびイヌの両方にいくつかの疾患を引き起こすが、イヌだけがライム病にかかる。ネコは、アナプラズマ症および野兎病にかかり得る。稀であるようだが、ダニはネコをロッキー山紅斑熱に感染させ得る。
【実施例】
【0069】
以下の実施例は、本発明の例証として提供され、限定的とみなされるべきでは決してない。
【0070】
実施例1 ノミ/ダニ用製剤
例示的な製剤
(A)ジノテフラン4.95gおよびエトフェンプロックス60.0gをN-オクチルピロリドン54.6g中に溶解する。この溶液は、周囲温度で少なくとも1ヶ月間保管することができる。あるいは、最高60%のエトフェンプロックスおよび4.95%のジノテフランという重量%比を実現する量で混合するために、各質量重量比が0.0825であるジノテフランおよびエトフェンプロックスの乾燥混合物をN-オクチルピロリドンとは別個に運ぶ(shipped)こともできる。
【0071】
(B)重量パーセント範囲がエトフェンプロックス40〜60%、ジノテフラン4.95%、ピリプロキシフェン0.44%、およびN-オクチルピロリドン6〜10%である溶液を提供するように選択されるN-メチルピロリドン34〜48gおよびN-オクチルピロリドン6〜10gに、ジノテフラン4.95g、エトフェンプロックス40〜60g、およびピリプロキシフェン0.44gを溶解する。この溶液は、周囲温度で少なくとも1ヶ月間安定である。
【0072】
(C)重量パーセント比がエトフェンプロックス40〜60%、ジノテフラン4.95%、ピリプロキシフェン0.44%、ピペロニルブトキシド0.2%、およびN-オクチルピロリドン6〜10%である溶液を提供するように選択されるN-メチルピロリドン34〜48gおよびN-オクチルピロリドン6〜10gに、ジノテフラン4.95g、エトフェンプロックス40〜60g、ピリプロキシフェン0.44g、およびピペロニルブトキシド0.2gを溶解する。この溶液は、周囲温度で少なくとも1ヶ月間安定である。
【0073】
実施例2 高濃度のノミ/ダニ用製剤の適用
実施例1の製剤(A〜C)は、N-オクチルピロリドン/N-メチルピロリドン溶媒中で調製され、名目上60〜65重量%濃度のジノテフラン、およびエトフェンプロックス、ならびに任意で、それぞれ0.5重量%未満のピリプロキシフェンおよびピペロニルを含む。局所適用は、動物の体重に応じて、0.5〜8ml、好ましくは1.2mlから最高5.96mlまでの投薬量でイヌまたはネコに月1回行う。
【0074】
実施例3 イヌにおける投薬適用
典型的には、実施例1の製剤は、体重に基づいてイヌ科動物に適用する。表6は、エトフェンプロックスの質量重量パーセントが55%である局所用製剤の典型的な投薬量を示す。この製品は、肩甲骨の間の首の付け根にスポットとして、または首の付け根から始まって尾の付け根で終わるすじ状に塗ることができる。
【0075】
実施例4 ネコにおける投薬適用
子ネコは例外として、ネコの体重は、イヌの体重が示すのと同じ変動は示さない。実施例1のように調製した40重量%のエトフェンプロックス製剤は、投薬量1.8mlで適用する。この製品は、肩甲骨のそばの首の付け根にスポットとして、または首の付け根から始まって尾の付け根で終わるすじ状に塗ることができる。
【0076】
(表1)ネコおよびイヌの個体数
【0077】
(表2)
【0078】
(表3)
【0079】
(表4)
ニテンピラムおよびジノテフランは水溶性が高く、親水性と説明され得る。
【0080】
(表5)室内(Ambient)、冷凍庫、および冷蔵庫での保管
【0081】
(表6)
【要約】 (修正有)
【課題】飼育動物においてノミ及びダニを処理するための、局所的液体製剤の提供。
【解決手段】エトフェンプロックス等のエーテルピレスロイド及び非プロトン性極性溶媒に溶解可能なニテンピラム等のネオニコチノイドからなる組成物。更に、ピリプロキシフェン等の昆虫成長制御物質を含む組成物。疎水性有効成分及び親水性有効成分の合計濃度は60重量パーセントを超え得る。
【効果】前記殺虫剤組成物は、一般に入手可能なノミ処理剤とは異なり、ネコ科動物及びイヌ科動物の両方に対して安全かつ有効であり、1回の局所適用が、少なくとも数週間有効であり得る。
【選択図】なし