(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ケーシング内の陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が設けられてなる触媒電極を備え、前記陽極電極及び前記陰極電極に原料水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって、オゾン水を製造するオゾン水製造装置であって、
原料水を供給する原料水供給源と、
前記原料水供給源と前記ケーシングの陽極電極側とを接続し、前記原料水供給源からの原料水を前記陽極電極に供給する陽極側供給管と、
前記ケーシングの陽極電極側に設けられて、前記陽極電極に原料水が供給されることによって製造されたオゾン水を排出するオゾン水排出管と、
前記陽極側供給管内を流れる原料水の一部が、陰極電極に供給される陰極側供給手段と、
前記ケーシングの陰極電極側に設けられて、前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に供給された原料水を排出し、再度、前記陰極電極に供給するループ状配管と、を備え、
前記陽極側供給管から前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後で前記ループ状配管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、前記陰極側供給手段による前記陰極電極への原料水の供給が停止されることを特徴とするオゾン水製造装置。
前記陰極側供給手段が、前記陽イオン交換膜に形成されて、前記陽極電極に供給された原料水を前記陰極電極側に通過させる穴部であることを特徴とする請求項1に記載のオゾン水製造装置。
ケーシング内の陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が設けられてなる触媒電極を備え、前記陽極電極及び前記陰極電極に原料水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって、オゾン水を製造するオゾン水製造装置であって、
原料水を供給する原料水供給源と、
前記原料水供給源と前記ケーシングの陽極電極側とを接続し、前記原料水供給源からの原料水を前記陽極電極に供給する陽極側供給管と、
前記ケーシングの前記陽極電極側に設けられて、前記陽極電極に原料水が供給されることによって製造されたオゾン水を排出するオゾン水排出管と、
前記陽極側供給管内を流れる原料水の一部が、陰極電極に供給される陰極側供給手段と、
前記ケーシングの陰極電極側と前記原料水供給源とを接続し、前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に供給された原料水を排出した後に、前記原料水供給源に戻す陰極側接続管と、を備え、
前記陽極側供給管から前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後で前記陰極側接続管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、前記陰極側供給手段による前記陰極電極への原料水の供給が停止されることを特徴とするオゾン水製造装置。
前記陰極側供給手段が、前記陽イオン交換膜に形成されて、前記陽極電極に供給された原料水を前記陰極電極側に通過させる穴部であることを特徴とする請求項6に記載のオゾン水製造装置。
【背景技術】
【0002】
近年、オゾン水は食品の殺菌や悪臭ガスの脱臭などの用途に広範に使用されており、さらに医療や介護の分野で、数多い知見例が発表され始めている。また、半導体製造領域においても、超微細構造に対するオゾン酸化の特徴が認められ、オゾン水の使用が必須とされている。
このようなオゾン水の製法として、現在、産業用に普及しているオゾン水の製法は、大別して、酸素ガスを放電することによりオゾンガスを生成し、生成したオゾンガスを水に溶解させるガス溶解法、酸素ガスを電解によりオゾンガスを生成し、生成したオゾンガスを水に溶解させる電解ガス溶解法、陽イオン交換膜の両面に陽極電極及び陰極電極が設けられてなる触媒電極に原料水を直接接触させるとともに、陽極電極と陰極電極との間に直流電圧を印加して、オゾン水を生成させる直接電解法の3方式が実用されている。
【0003】
放電式ガス溶解法は、具体的には、酸素を放電管に供給し、酸素が放電管内を通過する際に、放電管に高周波高電圧を印加することによって無数の放電が生じ、オゾンガスが発生するので、このオゾンガスを原料水(純水や水道水等)に混合させることによってオゾン水を生成させる方法である(例えば、特許文献1参照。)。
直接電解法とは、具体的には、陽イオン交換膜の一方の面に陽極を圧接させ、他方の面に陰極電極を圧接してなる触媒電極の電解面に原料水を直接接触させて、水の電気分解によりオゾン水を生成させる方法である(特許文献2参照。)。
【0004】
例えば、
図4に示すように、直接電解法において、通常、陰極電極23Cに供給された原料水は、陰極電極23C側から陰極側排水管34Cを介してそのまま装置外に排水される。
又は、高濃度のオゾン水を得るために、高導電率の塩水を陰極電極に供給する場合には、例えば、
図5に示すように、陰極電極23Dに供給された塩水は、陰極電極23D側から排水されたのち、陰極電極23D側に設けられた循環機構(ポンプや塩水タンク35D等)により、再度、陰極電極23Dに供給されて循環使用される。なお、
図4及び
図5中の各符号は、後述する
図1と同様の構成部分には同様の数字に「C」又は「D」を付した。
【0005】
しかしながら、上記
図4に示すタイプの装置100Cでは、陰極電極側から装置外に排水される排水量が大量となるため、その排水処理が非常に大変で、コスト高となるという問題があった。
一方、
図5に示すタイプの装置100Dでは、装置外への排水処理は不要であるものの、ポンプやタンク等が必要となるため、装置が大型化し、また、ポンプが故障しやすく、メンテナンスの問題や装置の寿命が短くなるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、陰極電極側から装置外へ排水される排水処理が不要で、また、装置の小型化及び長寿命化を図ることのできるオゾン水製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、陽極側供給管内を流れる原料水の一部を陰極電極に供給する陰極側供給手段を設け、かつ、ケーシングの陰極電極側にループ状配管を設けるか、又は、ケーシングの陰極電極側と原料水供給源とを接続する陰極側接続管を設けることによって、陰極電極側からの装置外への排水処理を不要とし、装置の小型化及び長寿命化を図ることができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
【0009】
1.ケーシング内の陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が設けられてなる触媒電極を備え、前記陽極電極及び前記陰極電極に原料水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって、オゾン水を製造するオゾン水製造装置であって、
原料水を供給する原料水供給源と、
前記原料水供給源と前記ケーシングの陽極電極側とを接続し、前記原料水供給源からの原料水を前記陽極電極に供給する陽極側供給管と、
前記ケーシングの陽極電極側に設けられて、前記陽極電極に原料水が供給されることによって製造されたオゾン水を排出するオゾン水排出管と、
前記陽極側供給管内を流れる原料水の一部が、陰極電極に供給される陰極側供給手段と、
前記ケーシングの陰極電極側に設けられて、前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に供給された原料水を排出し、再度、前記陰極電極に供給するループ状配管と、を備え、
前記陽極側供給管から前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後で前記ループ状配管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、前記陰極側供給手段による前記陰極電極への原料水の供給が停止されることを特徴とするオゾン水製造装置。
【0010】
2.前記陰極側供給手段が、前記陽イオン交換膜に形成されて、前記陽極電極に供給された原料水を前記陰極電極側に通過させる穴部であることを特徴とする第1項に記載のオゾン水製造装置。
【0011】
3.前記陰極電極に、前記穴部を介して前記原料水とともに、前記陽極電極側で発生した酸素ガスが供給されることを特徴とする第2項に記載のオゾン水製造装置。
【0012】
4.前記穴部の直径が、0.5〜10mmの範囲内であることを特徴とする第2項又は第3項に記載のオゾン水製造装置。
【0013】
5.前記陰極側供給手段が、前記陽極側供給管から分岐して前記ループ状配管に接続される陰極側供給管であることを特徴とする第1項に記載のオゾン水製造装置。
【0014】
6.ケーシング内の陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が設けられてなる触媒電極を備え、前記陽極電極及び前記陰極電極に原料水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって、オゾン水を製造するオゾン水製造装置であって、
原料水を供給する原料水供給源と、
前記原料水供給源と前記ケーシングの陽極電極側とを接続し、前記原料水供給源からの原料水を前記陽極電極に供給する陽極側供給管と、
前記ケーシングの前記陽極電極側に設けられて、前記陽極電極に原料水が供給されることによって製造されたオゾン水を排出するオゾン水排出管と、
前記陽極側供給管内を流れる原料水の一部が、陰極電極に供給される陰極側供給手段と、
前記ケーシングの陰極電極側と前記原料水供給源とを接続し、前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に供給された原料水を排出した後に、前記原料水供給源に戻す陰極側接続管と、を備え、
前記陽極側供給管から前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後で前記陰極側接続管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、前記陰極側供給手段による前記陰極電極への原料水の供給が停止されることを特徴とするオゾン水製造装置。
【0015】
7.前記陰極側供給手段が、前記陽イオン交換膜に形成されて、前記陽極電極に供給された原料水を前記陰極電極側に通過させる穴部であることを特徴とする第6項に記載のオゾン水製造装置。
【0016】
8.前記陰極電極に、前記穴部を介して前記原料水とともに、前記陽極電極側で発生した酸素ガスが供給されることを特徴とする第7項に記載のオゾン水製造装置。
【0017】
9.前記穴部の直径が、0.5〜10mmの範囲内であることを特徴とする第7項又は第8項に記載のオゾン水製造装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明の上記手段により、陰極電極側から装置外へ排水される排水処理が不要で、また、装置の小型化及び長寿命化を図ることのできるオゾン水製造装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
陽極側供給管から陰極側供給手段によって陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後で前記ループ状配管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったとき、又は、前記陰極側接続管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、陰極側供給手段による陰極電極への原料水の供給が停止される。このとき陰極電極及びループ状配管内、又は、陰極電極及び陰極側接続管内は原料水で満たされた状態となり、一方、陽極電極には随時、原料水が供給されるので、オゾン水の生成が継続されることになる。このように、陰極電極及びループ状配管内、又は、陰極電極及び陰極側接続管内は、原料水に満たされた状態で、陰極電極側から装置外に排出しなくともオゾン水を生成することができる。よって、排水処理が不要で、装置の小型化及び長寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のオゾン水製造装置は、ケーシング内の陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が設けられてなる触媒電極を備え、前記陽極電極及び前記陰極電極に原料水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって、オゾン水を製造するオゾン水製造装置であって、原料水を供給する原料水供給源と、前記原料水供給源と前記ケーシングの陽極電極側とを接続し、前記原料水供給源からの原料水を前記陽極電極に供給する陽極側供給管と、前記ケーシングの陽極電極側に設けられて、前記陽極電極に原料水が供給されることによって製造されたオゾン水を排出するオゾン水排出管と、前記陽極側供給管内を流れる原料水の一部が、陰極電極に供給される陰極側供給手段と、前記ケーシングの陰極電極側に設けられて、前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に供給された原料水を排出し、再度、前記陰極電極に供給するループ状配管と、を備え、前記陽極側供給管から前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後で前記ループ状配管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、前記陰極側供給手段による前記陰極電極への原料水の供給が停止されることを特徴とする。
この特徴は、請求項1から請求項9までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
【0021】
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記陰極側供給手段が、前記陽イオン交換膜に形成されて、前記陽極電極に供給された原料水を前記陰極電極側に通過させる穴部であることが好ましい。陽イオン交換膜に穴部を形成することによって、配管等を設けずに、簡易に陽極電極側から陰極電極側へ原料水を供給することができ、装置の小型化を図ることができる。
【0022】
また、前記陰極電極に、前記穴部を介して前記原料水とともに、前記陽極電極側で発生した酸素ガスが供給されるので、陰極電極側で発生した水素ガスが、穴部から供給された酸素ガスによって水(H
2O)に戻る。そのため、水素ガスによる電気反応が阻害されることなく、オゾン水を高効率で生成することができる。
【0023】
また、前記穴部の直径が、0.5〜10mmの範囲内であることが、原料水が酸素ガスを陰極電極側に効率よく供給することができる点で好ましい。
【0024】
また、前記陰極側供給手段が、前記陽極側供給管から分岐して前記ループ状配管に接続される陰極側供給管であることが、陽イオン交換膜の穴加工がいらなくなる点で好ましい。
【0025】
本発明の他のオゾン水製造装置は、ケーシング内の陽極電極と陰極電極との間に陽イオン交換膜が設けられてなる触媒電極を備え、前記陽極電極及び前記陰極電極に原料水を供給するとともに、前記陽極電極と前記陰極電極との間に直流電圧を印加することによって、オゾン水を製造するオゾン水製造装置であって、原料水を供給する原料水供給源と、前記原料水供給源と前記ケーシングの陽極電極側とを接続し、前記原料水供給源からの原料水を前記陽極電極に供給する陽極側供給管と、前記ケーシングの前記陽極電極側に設けられて、前記陽極電極に原料水が供給されることによって製造されたオゾン水を排出するオゾン水排出管と、前記陽極側供給管内を流れる原料水の一部が、陰極電極に供給される陰極側供給手段と、前記ケーシングの陰極電極側と前記原料水供給源とを接続し、前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に供給された原料水を排出した後に、前記原料水供給源に戻す陰極側接続管と、を備え、前記陽極側供給管から前記陰極側供給手段によって前記陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後で前記陰極側接続管内の圧力が前記陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、前記陰極側供給手段による前記陰極電極への原料水の供給が停止されることを特徴とする。
【0026】
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
【0027】
[第1の実施形態]
図1は、本発明のオゾン水製造装置の概略を模式的に示した側断面図である。
オゾン水製造装置100は、原料水が供給されるケーシング1内に触媒電極2を配置して構成したものである。
触媒電極2は、陽イオン交換膜21と、陽イオン交換膜21の一方の面に圧接された陽極電極22と、他方の面に圧接された陰極電極23と、を備えている。そして、触媒電極2の陽極電極22と陰極電極23間に直流電圧を印加することによって陽極電極22側にオゾンガスを発生させて、そのオゾンガスを原料水に溶解させることによりオゾン水を生成する装置であり、本発明は、直接電解式のオゾン水製造装置である。
【0028】
ケーシング1は、互いに対向配置された第1筐体13及び第2筐体14から構成されている。
第1筐体13及び第2筐体14は、板状をなし、互いに対向する対向面に凹部131,141が形成されている。これら第1筐体13及び第2筐体14の凹部131,141同士を互いに対向させることによって、収容室3が形成されている。収容室3には、触媒電極2が収容されている。
【0029】
第1筐体13の下端部には、収容室3内の陽極電極22に原料水を供給するための陽極側供給流路11aが形成され、第1筐体13の上端部には、陽極電極22で生成されたオゾン水を排出するための陽極側排出流路12aが形成されている。
陽極側供給流路11aには、陽極側供給管31が接続され、陽極側排出流路12aには、陽極側排出管32が接続されている。
一方、第2筐体14の下端部には、後述する陽イオン交換膜21の穴部5(陰極側供給手段)を介して収容室3内の陰極電極23に供給された原料水を排出するための陰極側排出流路12bが形成され、第2筐体14の上端部には、陰極側排出流路12bから排出された原料水を、再度、収容室3内の陰極電極23に供給するための陰極側供給流路11bが形成されている。
陰極側排出流路12bと陰極側供給流路11bとは、ループ状配管40によって接続されている。
【0030】
第1筐体13と第2筐体14の対向面間には、陽イオン交換膜21が狭持されている。すなわち、陽イオン交換膜21の外周が第1筐体13及び第2筐体14によって狭持されて固定されている。
陽イオン交換膜21の第1筐体13側の面には、陽極電極22が設けられ、第2筐体14側の面には陰極電極23が設けられている。さらに、陽極電極22の陽イオン交換膜21と反対側の面には、保持板15が配置され、陰極電極23の陽イオン交換膜21と反対側の面にも、保持板16が配置されている。保持板15は、第1筐体13の凹部131に嵌め込まれ、保持板16は、第2筐体14の凹部141に嵌め込まれている。
そして、第1筐体13に嵌め込まれた保持板15と、第2筐体14に嵌め込まれた保持板16によって、陽極電極22、陰極電極23及び陽イオン交換膜21が適度に圧接されている。
このようにして陽イオン交換膜21によって収容室3内が、陽極電極22側と陰極電極23側とに分割されている。
【0031】
本発明に係る陽イオン交換膜21は、陽極電極22に供給された原料水を陰極電極23側に通過させる穴部5が形成されていることを特徴とする。
穴部5は、直径が0.5〜10mmの範囲内に形成されていることが好ましく、より好ましくは、0.5〜1.0mmの範囲内である。また、穴部5の形状は、例えば、円形とすることが加工が容易な点で好ましい。
また、穴部5は、陽イオン交換膜21のうち、陽極側供給流路11aと陰極側排出流路12bの近傍、すなわち、
図1では陽イオン交換膜21の下端部に形成されていることが、原料水を陰極電極23側に効率よく供給することができる点で好ましい。さらに、穴部5は、陽イオン交換膜21に複数個所形成されていることが、陰極電極23側への原料水供給量が多くなる点で好ましい。
なお、穴部5以外の箇所から、原料水が陽極電極22側から陰極電極23側へと通過しないようになっており、原料水及びオゾン水が、第1筐体13及び第2筐体14の対向面間から外部に漏れないように密閉されている。
【0032】
原料水は、陽極側供給管31から陽極側供給流路11aを介して陽極電極22に供給され、陽極側供給流路11aから陽極側排出流路12aへと水流が発生している。また、穴部5を介して陰極電極23に供給され、陰極側排出流路12bから、ループ状配管40を介して、再度、陰極側供給流路11bから陰極電極23へと水流が発生している。
すなわち、陽極側供給流路11aから供給された原料水は、収容室3内においてそれぞれ陽極電極22に連続的に接触し、穴部5を介して陰極電極23側に供給された原料水は、ループ状配管40を介して陰極電極23に連続的に接触するようになっている。
【0033】
次に、触媒電極2について詳細に説明する。
陽イオン交換膜21としては、従来公知のものを使用することができ、発生するオゾンに耐久性の強いフッ素系陽イオン交換膜を使用することができ、例えば厚さ100〜300μmの範囲内が好ましい。
そして、陽イオン交換膜21は、上述のような穴部5が形成されていることを特徴とする。
【0034】
陽極電極22としては、オゾン発生触媒機能を有する材料を使用する。具体的には、安定性が良い点で、白金、金又はその被覆金属を使用することが好ましく、特にチタンに白金を被覆した金属を使用することが、製造コストを安価に抑えることができる点で好ましい。また、シリコンウェハにダイヤモンドを成膜したものを使用しても良い。
ダイヤモンド成膜は、例えば、プラズマCVD法や熱フェラメントCVD法によって成膜することができる。
また、陽極電極22は、陽イオン交換膜21を全面的に覆い隠すように密着されるものではなく、多数の通孔を設けて、陽イオン交換膜21に接触部と非接触部とを有して重ねられていることが好ましい。すなわち、陽極電極22はグレーチング状又はパンチングメタル状とすることが好ましい。なお、
図1では陽極電極22がグレーチング状の場合を示している。具体的に、グレーチング状とは線材を溶接した格子状で、パンチングメタル状とは金属板に多数の通孔を形成した多孔板状である。
【0035】
このようにグレーチング状の陽極電極22とすることによって、陽極電極22を構成する部材の交点部位が尖って外面に突出し、水流と接触して渦流を生じ、陽極電極22で発生したオゾンの微泡を巻き込んで溶解を早めることができる。
【0036】
陰極電極23としては、オゾン発生触媒機能を有する金属を使用する。具体的には、安定性が良い点で、白金、金又はその被覆金属を使用することが好ましく、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製造コストを安価に抑えることができる。また、シリコンウェハにダイヤモンド成膜したものを使用しても良い。
ダイヤモンド成膜は、上述と同様にプラズマCVD法や熱フェラメントCVD法によって成膜することができる。
また、陰極電極23も陽極電極22と同様にグレーチング状とすることが好ましく、特に、陰極電極部23は陽極電極22よりも目の粗さが粗くなるように形成されていることが好ましい。
【0037】
以上の陽イオン交換膜21、陽極電極22及び陰極電極23は平板状に形成されて触媒電極2とされている。触媒電極2はケーシング1内の保持板15,16で圧接保持されている。
また、陽極電極22と陰極電極23との間には、電源装置80の出力端が電気的に連結され、直流電圧が印加されるように構成されている。すなわち、陽極電極22及び陰極電極23は、各電極22,23に導線24を介して電源装置80に連結されている。印加する直流電圧は、例えば、6〜15ボルトの範囲内が好ましい。
【0038】
なお、陽極側供給管31の上流端は、原料水供給源60に接続されている。
原料水供給源60としては、原料水が貯留されたタンク及びタンクに接続された低吐出圧の小型ポンプ等からなるものが挙げられる。原料水としては、水道水、純水又はRO水等を使用することができる。
本発明でいう純水とは、導電率が0.5〜5μS/cmの範囲内のものをいい、RO水とは、導電率が3〜8μS/cm程度のものをいう。
【0039】
また、図示しないが、陽極側排出管32と陽極側供給管31とを配管で接続してループ状にして循環させてもよい。このようにループ状にすることで、オゾン水による配管洗浄を行うことができる。
【0040】
陽極側排出管32の下流側には、陽極電極22側で生成されたオゾン水の濃度を検出する濃度検出センサ90が設けられている。
なお、上述のように陽極側排出管32と陽極側供給管31とを配管で接続してループ状にした場合は、陽極側排出管32の下流側直ぐの位置に限らず、陽極側供給管31の上流側直ぐの位置に設けてもよく、ループ状の配管のいずれに設けてもよく、複数個所に設けてもよい。
【0041】
濃度検出センサ90は、検出電極(図示しない)と、比較電極(図示しない)と、これら検出電極及び比較電極の一方の端部に結線して電流値を測定する電流計(図示しない)等から構成されている。濃度検出センサ90は、比較電極及び検出電極をオゾン水に浸すことによって発生する起電力からオゾン水のオゾン濃度に対応した電流値を得るガルバニ式の濃度検出センサである。
電流計は、オゾン水製造装置100の制御部70に電気的に接続されており、電流計で測定された出力値が制御部70に出力されるようになっている。
検出電極としては、例えば白金や金等からなる電極を使用し、比較電極としては銀や塩化銀を使用することが好ましい。
このような検出電極及び比較電極は、陽極側排出管32を流れるオゾン水に接触するようになっている。そして、検出電極及び比較電極がオゾン水に接触することで、検出電極のオゾン濃度変化による電流値を検出して濃度を測定する。
【0042】
制御部70は、濃度検出センサ90で測定した濃度が、予め設定した設定濃度と一致するように電源装置80の電力量を制御する。
【0043】
次に、上述の構成からなるオゾン水製造装置100を使用してオゾン水を生成する方法について説明する。
まず、原料水供給源60から原料水を陽極側供給管31に流して、ケーシング1内に供給する。ケーシング1内に供給された原料水は、陽極電極22に連続接触するとともに、陽イオン交換膜21に形成された穴部5を通過して陰極電極23に連続接触する。
同時に、電源装置80を駆動させることによって、陽極電極22及び陰極電極23間に所定の電圧を印加する。この通電により原料水が電気分解されて、原料水中の水素が陽極電極22側から陽イオン交換膜21中を通過して陰極電極23側へと加速して移動する。その結果、陽極電極22側にはオゾンガス及び酸素ガスが発生し、陰極電極23側には水素ガスが発生する。
【0044】
ここで、陽極電極22側では原料水は、わずかな陽極電極22の凹凸によって流れの方向が複雑に変わり渦流となる。そのため、陽極電極22側では、発生したオゾンガスをいち早く水中に取り込んで溶解させることによってオゾン水を生成し、陽極電極22と陽イオン交換膜21との間(正確には陽極電極22と陰極電極23との間)に電流が多く流れる状態を確保することになる。
このようにしてオゾン水が生成されると、オゾン水は陽極側排出流路12aを介して陽極側排出管32へと排出される。
【0045】
一方、陰極電極23側で発生した水素ガスは、陽極電極22側で発生した酸素ガスが、穴部5を通過して陰極電極23側に移動し、移動してきた酸素ガスと反応して水(H
2O)が生成される。そして、生成された水は、陰極側排出流路12bを介してループ状配管40を流れる。ループ状配管40を流れた水は、再び、陰極側供給流路11bを介して陰極電極23に接触し、陰極側排出流路12bを介してループ状配管40を流れる。ループ状配管40内は、
図1に示す矢印方向に沿って流れるようになっている。
そして、所定時間経過後で、ループ状配管40内の圧力が陽極側供給管31内の圧力よりも高くなったときに、穴部5から陰極電極23へ原料水が流れなくなり、陰極電極23への原料水の新たな供給が停止される。すなわち、ループ状配管50内及び陰極電極23には、常時、原料水又は酸素ガスと水素ガスによって生成された水が満たされた状態となる。
【0046】
また、通電中に、濃度検出センサ90によってオゾン濃度が測定される。そして、測定されたオゾン水の濃度が制御部70に出力され、制御部70は、出力された測定濃度が、予め設定された濃度となるように、電源装置80の出力調整を行うことによって、陽極電極32及び陰極電極33間の印加電圧が制御される。このようにして、生成されたオゾン水の濃度が設定濃度に維持され、濃度低下を防止し、高濃度のオゾン水を安定して生成することができる。
【0047】
以上、本実施形態のオゾン水製造装置100によれば、陽極側供給管31から陽イオン交換膜21に形成された穴部5を通過して陰極電極23に原料水が供給され、所定時間経過後でループ状配管40内の圧力が陽極側供給管31内の圧力よりも高くなったときに、陽極電極22側から陰極電極23側への原料水の供給が停止される。このとき陰極電極23及びループ状配管40内は、原料水で満たされた状態となり、一方、陽極電極22には随時、原料水が供給されるので、オゾン水の生成が継続されることになる。このように、陰極電極23及びループ状配管40内は原料水に満たされた状態で、陰極電極23側から装置外へ排出しなくともオゾン水を生成することができる。よって、排水処理が不要で、装置の小型化及び長寿命化を図ることができる。
また、陰極電極23に、穴部5を介して原料水とともに、陽極電極22側で発生した酸素ガスが供給されるので、陰極電極23側で発生した水素ガスが、穴部5から供給された酸素ガスによって水(H
2O)に戻る。そのため、水素ガスによる電気反応が阻害されることなく、オゾン水を高効率で生成することができる。
【0048】
[第2の実施形態]
図2は、本発明のオゾン水製造装置の概略を模式的に示した側断面図である。
上記第1の実施形態では、陰極側供給手段として、陽イオン交換膜21に形成された穴部5を挙げたが、第2の実施形態では、陰極側供給手段が、陽極側供給管31Aから分岐してループ状配管40Aに接続される陰極側供給管33Aである。
具体的に、陰極側供給管33Aの上流端は、陽極側供給管31Aの陽極側供給流路11aAよりも上流側で接続されており、下流端は、ループ状配管40Aに接続されている。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様のため、同様の構成部分には同様の数字に「A」を付して、その説明を省略する。
【0049】
このようなオゾン水製造装置100Aを使用してオゾン水を生成する方法について説明する。
まず、原料水供給源60Aから原料水を陽極側供給管31Aに流して、ケーシング1A内に供給する。ケーシング1A内に供給された原料水は、陽極電極22Aに連続接触する。また、陽極側供給管31Aを流れる原料水は、陰極側供給管33Aにも流れて、さらにループ状配管40Aを流れ、陰極側供給流路11bAを介して陰極電極23Aに連続接触する。ループ状配管40A内は、
図2に示す矢印方向に沿って流れるようになっている。
同時に、電源装置80Aを駆動させることによって、陽極電極22A及び陰極電極23A間に所定の電圧を印加する。この通電により原料水が電気分解されて、陽極電極22A側にオゾンガス及び酸素ガスが発生し、陰極電極23A側には水素ガスが発生する。
オゾンガスは水中に取り込まれてオゾン水が生成され、オゾン水は陽極側排出流路12aAを介して陽極側排出管32Aへと排出される。
【0050】
一方、陰極電極23A側で発生した水素ガスは、陽極電極22A側で発生した酸素ガスが、陰極側供給管33A及びループ状配管40Aを介して陰極電極23A側に移動し、移動してきた酸素ガスと反応して水(H
2O)が生成される。そして、生成された水は、陰極側排出流路12bAを介してループ状配管40Aを流れる。ループ状配管40Aを流れた水は、再び、陰極側供給流路11bAを介して陰極電極23Aに接触し、陰極側排出流路12bAを介してループ状配管40Aを流れる。ループ状配管40A内は、
図2に示す矢印方向に沿って流れるようになっている。
そして、所定時間経過後で、ループ状配管40A内の圧力が陽極側供給管31A内の圧力よりも高くなったときに、陽極側供給管31Aから陰極側供給管33Aへ原料水が流れなくなり、陰極電極23Aへの原料水の新たな供給が停止される。すなわち、陰極側供給管33A、ループ状配管40A内及び陰極電極23Aには、常時、原料水又は酸素ガスと水素ガスによって生成された水が満たされた状態となる。
【0051】
以上、本実施形態のオゾン水製造装置100Aによれば、陽極側供給管31Aから陰極側供給管33Aを介して陰極電極23Aに原料水が供給され、所定時間経過後でループ状配管40A内の圧力が陽極側供給管31A内の圧力よりも高くなったときに、陽極電極22A側から陰極電極23A側への原料水の供給が停止される。このとき陰極電極23A及びループ状配管40A内は、原料水で満たされた状態となり、一方、陽極電極22Aには随時、原料水が供給されるので、オゾン水の生成が継続されることになる。このように、陰極電極23A及びループ状配管40A内は原料水に満たされた状態で、陰極電極23側から装置外へ排出しなくともオゾン水を生成することができる。よって、排水処理が不要で、装置の小型化及び長寿命化を図ることができる。
また、陽極側供給管31Aと陰極側供給管33Aとが連結しているので、陽極電極22A側で発生した酸素ガスが陰極側供給管33A及びループ状配管40Aを介して、陰極電極23A側に供給され、これによって陰極電極23A側で発生した水素ガスが酸素ガスによって水(H
2O)に戻る。そのため、水素ガスによる電気反応が阻害されることなく、オゾン水を高効率で生成することができる。
【0052】
[第3の実施形態]
図3は、本発明のオゾン水製造装置の概略を模式的に示した側断面図である。
第3の実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、陰極側供給手段として、陽イオン交換膜21Bに形成された穴部5Bが形成されているが、ループ状配管40は設けられておらず、代わりに、ケーシング1Bの陰極電極23B側と原料水供給源60Bとを接続する陰極側接続管41Bが設けられている。
具体的に、第1の実施形態において、第2筐体14の上端部に形成された陰極側供給流路11bが、第3の実施形態では陰極側排出流路12bBとなっており、第1の実施形態において、第2筐体14の下端部に形成された陰極側排出流路12bが閉塞された状態となっている。そして、陰極側排出流路12bBと、原料水供給源60Bとを接続する陰極側接続管41Bが設けられている。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様のため、同様の構成部分には同様の数字に「B」を付して、その説明を省略する。
【0053】
このようなオゾン水製造装置100Bを使用してオゾン水を生成する方法について説明する。
まず、原料水供給源60Bから原料水を陽極側供給管31Bに流して、ケーシング1B内に供給する。ケーシング1B内に供給された原料水は、陽極電極22Bに連続接触するとともに、陽イオン交換膜21Bに形成された穴部5Bを通過して陰極電極23Bに連続接触する。
同時に、電源装置80Bを駆動させることによって、陽極電極22B及び陰極電極23B間に所定の電圧を印加する。この通電により原料水が電気分解されて、陽極電極22B側にはオゾンガス及び酸素ガスが発生し、陰極電極23B側には水素ガスが発生する。
【0054】
オゾンガスは水中に取り込まれてオゾン水が生成され、オゾン水は陽極側排出流路12aBを介して陽極側排出管32Bへと排出される。
【0055】
一方、陰極電極23B側で発生した水素ガスは、陽極電極22B側で発生した酸素ガスが、穴部5Bを通過して陰極電極23B側に移動し、移動してきた酸素ガスと反応して水(H
2O)が生成される。そして、生成された水は、陰極側排出流路12bBを介して陰極側接続管41Bを流れる。陰極側排出管41Bを流れた水は、原料水供給源60Bに戻されて、再び、陽極側供給管31B及び穴部5Bを介して陰極電極23Bに接触し、陰極側排出流路12bBを介して陰極側接続管41Bを流れる。陰極側接続管41B内は、
図3に示す矢印方向に沿って流れるようになっている。
そして、所定時間経過後で、陰極側接続管41B内の圧力が陽極側供給管31B内の圧力よりも高くなったときに、穴部5Bから陰極電極23Bへ原料水が流れなくなり、陰極電極23Bへの原料水の新たな供給が停止される。すなわち、陰極側接続管41B内及び陰極電極23Bには、常時、原料水又は酸素ガスと水素ガスによって生成された水が満たされた状態となる。
【0056】
以上、本実施形態のオゾン水製造装置100Bによれば、陽極側供給管31Bから穴部5Bを介して陰極電極23Bに原料水が供給され、所定時間経過後で陰極側接続管41B内の圧力が陽極側供給管31B内の圧力よりも高くなったときに、陽極電極22B側から陰極電極23B側への原料水の供給が停止される。このとき陰極電極23B及び陰極側接続管41B内は、原料水で満たされた状態となり、一方、陽極電極22Bには随時、原料水が供給されるので、オゾン水の生成が継続されることになる。このように、陰極電極23B及び陰極側接続管41B内は原料水に満たされた状態で、陰極電極23B側から装置外に排出しなくともオゾン水を生成することができる。よって、排水処理が不要で、装置の小型化及び長寿命化を図ることができる。
また、陰極電極23Bに、穴部5Bを介して原料水とともに、陽極電極22B側で発生した酸素ガスが供給されるので、陰極電極23B側で発生した水素ガスが、穴部5Bから供給された酸素ガスによって水(H
2O)に戻る。そのため、水素ガスによる電気反応が阻害されることなく、オゾン水を高効率で生成することができる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記に示す実施例1〜3のオゾン水製造装置を使用して、下記の条件下で、10回オゾン水を製造し、製造したオゾン水のオゾン濃度を下記表1に示した。
原料水:水道水
原料水の水温:18.6℃
気温:18.6℃
原料水の導電率:265μS/cm
原料水の流量:1L/min
原料水の吐水量:180ml
オゾン濃度計:OZ−20(東亜ディーケーケー社製)
陽極電極厚さ:2mm
陰極電極厚さ:2mm
陽イオン交換膜:ナフィオン膜
なお、陽極電極及び陰極電極間に印加した直流電圧値は、8.0Vとした。
【0058】
<実施例1>
図1に示すように、穴部5が形成された陽イオン交換膜21を備えたオゾン水製造装置100を使用した。
【0059】
<実施例2>
図2に示すように、陽極側供給管31Aから分岐してループ状配管40Aに接続される陰極側供給管33Aを備えたオゾン水製造装置100Aを使用した。
【0060】
<実施例3>
図4に示すように、陰極電極23C側の原料水を排水する陰極側排水管34Cを備えたオゾン水製造装置100Cを使用した。
【0061】
【表1】
【0062】
表1に示した結果から明らかなように、本発明のオゾン水製造装置を使用した場合、陰極電極側から装置外へ排水処理をしなくとも、従来の排水処理する場合と同程度の高濃度のオゾン水を生成することができる。その結果、装置の小型化及び長寿命化を図ることができる。
なお、実施例1及び2において、オゾン水生成開始後、ループ状配管を瞬時に取り外してビーカーに移してポータブル溶存水素計(ENH-1000:株式会社トラストレックス製)を浸漬させて溶存水素濃度を計測したところ、いずれも0ppbであった。このことから、陰極電極側で発生した水素ガスは、すぐに陽極側から移動した酸素ガスと反応して、水に戻ることが認められる。
【解決手段】陽極電極、陰極電極及び陽イオン交換膜を備えたオゾン水製造装置であって、陽極電極側に設けられて、陽極電極に原料水を供給する陽極側供給管と、陽極電極に原料水が供給されることによって製造されたオゾン水を排出するオゾン水排出管と、陽極側供給管内を流れる原料水の一部が、陰極電極に供給される陰極側供給手段と、陰極電極側に設けられて、陰極側供給手段によって供給された原料水を排出し、再度、陰極電極に供給するループ状配管と、を備える。陽極側供給管から陰極側供給手段によって陰極電極に原料水が供給され、所定時間経過後でループ状配管内の圧力が陽極側供給管内の圧力よりも高くなったときに、陰極側供給手段による陰極電極への原料水の供給が停止される。