特許第5791873号(P5791873)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791873
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】錠前
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20150917BHJP
   E05B 65/06 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   E05B47/00 J
   E05B65/06 F
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2010-82013(P2010-82013)
(22)【出願日】2010年3月31日
(65)【公開番号】特開2011-214276(P2011-214276A)
(43)【公開日】2011年10月27日
【審査請求日】2013年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037028
【氏名又は名称】美和ロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(72)【発明者】
【氏名】小川 健二
(72)【発明者】
【氏名】浦田 藤久
【審査官】 川島 陵司
(56)【参考文献】
【文献】 実開平4−107371(JP,U)
【文献】 特許第2813989(JP,B2)
【文献】 実開平7−14062(JP,U)
【文献】 特開2004−183437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 47/00
E05B 65/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の操作力によって回転するダルマ、該ダルマの回転によって錠箱から機械的に突出するデッドボルトを備える錠前が、同時に電気と接続すると共に各種の信号を処理する制御部、該制御部によって制御される駆動モータを備える電気錠でもあり該錠前は、さらに、前記錠箱のフロント板に直交して進退動するトリガーと、該トリガーに対して併設されかつ前記フロント板の開口に対して設けられていると共に、該開口を介してワンタッチ操作により水平方向に位置変位する入力手段と、前記入力手段に設けられた案内部及び前記錠箱の内壁面側にそれぞれ設けられていると共に該入力手段を自動施錠モードの位置と連続解錠モードの位置にそれぞれ繰り返して停止させるモード切換え手段と、前記デッドボルトを前記錠箱内に後退させた状態を保持する解錠状態保持機構と、前記錠箱内に配設された施錠用の動力源としての付勢手段とを備え、前記入力手段が連続解錠モードの位置にある場合には、前記解錠状態保持機構は、前記入力手段に連動する連動部材を介して前記トリガーに連動しないようにし、一方、前記入力手段が自動施錠モードの位置にある場合には、前記解錠状態保持機構は、前記入力手段に連動する連動部材を介して前記トリガーに連動して前記デッドボルトを前記錠箱内に後退させた状態を解消する錠前。
【請求項2】
請求項1に於いて、解錠状態保持機構は、少なくともデッドボルトの没入状態を保持する摺動部材と、該摺動部材用のストッパレバーから成ることを特徴とする錠前。
【請求項3】
請求項1に於いて、モード切換え手段は、入力手段の案内部に往復動可能に設けられかつ一側面に自動施錠モードの位置用係止段部と連続解錠の位置用係止段部をそれぞれ有する一連のガイド溝が形成された摺動カムと、錠箱内の所定箇所に位置付けられていると共に、その係合端部が前記ガイド溝に係合するようにクリックバネで常に付勢されたクリックピンとから成ることを特徴とする錠前。
【請求項4】
請求項1に於いて、錠箱内には、入力手段、又は該入力手段に連動する連動部材のいずれかの位置変位により、モードが切り換った信号を取得する検知手段が配設されていることを特徴とする錠前。
【請求項5】
請求項1に於いて、トリガーは、先端部にマグネットを有し、閉戸時には戸枠側のマグネットの極性に対応して後退動し、一方、開扉時には、フロント板の開口縁部に取付けられたストッパ機能を有するフロントマグネット極性或いは金属板に対応して初期位置へと前進することを特徴とする錠前。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠前に関し、例えば電気錠にも適用することができる錠前に関する
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、住宅用の気錠システムの一例が記載されている。その図3には、モード切換えスイッチ16、18等を制御器6に設ける事項が記載されている。すなわち、特許文献1には、「…室内の内壁面に設置される制御器6の操作パネル11に、扉を開けっ放し状態に表示するドアランプ15と、扉側の錠前を連続解錠状態と連続施錠状態に切換えるスイッチ16、扉側の錠前を一時解錠状態にするスイッチ18等に設ける事項…」が記載されている(符号は特許文献のもの)。
【0003】
上記構成に於いて、連続施錠状態に切換えるスイッチ16、一時解錠状態にするスイッチ18等は、扉側ではなく、室内の内壁面の適宜箇所に設置される制御器6、具体的にはその前面の操作パネル11に設けるので、扉に設置した電気錠から離れた場所(例えば室内の壁面)であっても、電気錠のモードを切換えることができるという利点がある。
しかしながら、この特許文献1には、操作パネル11に複数個の切換えスイッチ(複数個の操作ボタン)をそれぞれ配設する必要があると共に、各切換えるスイッチと制御器6の制御回路とを複数個の端子を介してそれぞれ接続しなければならないという問題点がある。なお、特許文献1には、錠箱自体に機械的にモード切換える機構を配設する事項は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−88740号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の所期の目的は、錠前側(扉の傍)で、ワンタッチ操作を順次繰り返しながら、錠前の施・解錠に関する自動施錠モードの位置と連続解錠の位置を自由に切換えることができることである。付言すると、電気錠のみならず、機械的に開閉可能な錠前にも適用することができることである。第2の目的は、モード切換え手段を含む各部材を合理的に組み合わせ、モードが確実に切換ると共に、実施例によっては、モードが切り換った信号を取得することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の錠前は、人の操作力によって回転するダルマ、該ダルマの回転によって錠箱から機械的に突出するデッドボルトを備える錠前が、同時に電気と接続すると共に各種の信号を処理する制御部、該制御部によって制御される駆動モータを備える電気錠でもあり該錠前は、さらに、前記錠箱のフロント板に直交して進退動するトリガーと、該トリガーに対して併設されかつ前記フロント板の開口に対して設けられていると共に、該開口を介してワンタッチ操作により水平方向に位置変位する入力手段と、前記入力手段に設けられた案内部及び前記錠箱の内壁面側にそれぞれ設けられていると共に該入力手段を自動施錠モードの位置と連続解錠モードの位置にそれぞれ繰り返して停止させるモード切換え手段と、前記デッドボルトを前記錠箱内に後退させた状態を保持する解錠状態保持機構と、前記錠箱内に配設された施錠用の動力源としての付勢手段とを備え、前記入力手段が連続解錠モードの位置にある場合には、前記解錠状態保持機構は、前記入力手段に連動する連動部材を介して前記トリガーに連動しないようにし、一方、前記入力手段が自動施錠モードの位置にある場合には、前記解錠状態保持機構は、前記入力手段に連動する連動部材を介して前記トリガーに連動して前記デッドボルトを前記錠箱内に後退させた状態を解消すること特徴とする。
【0007】
ここで「自動施錠」とは、開閉体を閉じた時にデッドボルトが動力源によりフロント板から自動的に突出することをいう。これ対して、「連続解錠」とは、開閉体を閉じた時にもデッドボルトが解錠状態保持機構に保持され、錠箱内へと後退したままの状態になっていることをいう。
【発明の効果】
【0008】
(a)扉の傍で、ワンタッチ操作を順次繰り返しながら、普通一般の人の操作力によって回転するダルマ、該ダルマの回転によって錠箱から機械的に突出するデッドボルトを備える錠前が、同時に、少なくとも電気と接続すると共に各種の信号を処理する制御部、該制御部によって制御される駆動モータを備える電気錠でもありさらに、該錠前は、前記錠箱のフロント板の開口に対してモード切換え手段を設けたので、特許文献の如く、複数個の切換え用操作ボタンを露出状態に室内の操作パネルに配設する必要がない。また、入力手段を押し込むと、モード切換え手段により、入力手段を自動施錠モードの位置と連続解錠の位置にそれぞれ繰り返して停止させることができる。したがって、入力手段を基準にして錠箱内の適宜箇所に単数又は複数個の検出手段を配設し、例えばモードが確実に切り換わったか否か、自動施錠モードか、それとも連続解錠モードか等の錠前の状態、扉が閉じているか、それとも開いているか等の扉の開閉状態を知るための信号等を取得することが可能になる。
(b)請求項2に記載の発明は、解錠状態保持機構は、少なくともデッドボルトの没入状態を保持する摺動部材と、該摺動部材用のストッパレバーから成るので、部品点数が少ないと共に、デッドボルトに対する解錠状態保持機構の保持状態が解かれると、施錠用の動力源としての付勢手段により、例えばデッドボルトはダルマを介して自動的に突出する。
(c)請求項3に記載の発明は、モード切換え手段は、入力手段の案内部に設けられかつ一側面に自動施錠モードの位置用係止段部と連続解錠の位置用係止段部をそれぞれ有する一連のガイド溝が形成された摺動カムと、錠箱内の所定箇所に位置付けられていると共に、その係合端部が前記ガイド溝に係合するようにクリックバネで常に付勢されたクリックピンとから成るので、確実にモードを繰り返し切換えることができる。
(d)請求項4に記載の発明は、モードが切り換った信号を取得することができる。
(e)請求項5に記載の発明は、トリガーは、先端部にマグネットを有し、閉戸時には戸枠側のマグネットの極性に対応して後退動し、一方、開扉時には、フロント板の開口縁部に取付けられたストッパ機能を有するフロントマグネット極性に対応して初期位置へと前進するので、必ずしもバネを組み込む必要性がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1乃至図17は本発明の第1実施例を示す各説明図。図18乃至図26は本発明の第2実施例を示す各説明図。図27はトリガーを初期位置へ復帰させる別の実施例を示す説明図。
図1】本発明を適用した第1実施例の錠前(例えば電気錠)全体のシステムを示す概略説明図。
図2】ブロックを用いた本発明の概念図である。
図3】入力手段31とトリガー12とが併設された状態の斜視図。
図4】要部(入力手段31、モード切換え手段、連動部材、復帰バネ)を示す概略説明図。
図5】要部(入力手段31と、この入力手段31の案内部に組み込まれる摺動カム)を示す斜視図。
図6】要部(入力手段31と復帰バネ36の組み合わせ)を示す概略説明図。
図7】要部(入力手段31と、連動部材信号取得用連動部材32と、検知手段33)の説明図。
図8】要部(モード切換え手段49)の説明図。
図9】要部(摺動カム50)の斜視図。
図10】要部(摺動カム50とクリックピン52のモード切換え停止位置)の正面視からの概略断面説明図。
図11】摺動カム50のガイド溝51を展開状態で示した説明図。
図12】クリックピン52の軌跡がA点から循環移動することを示す概略説明図。
図13図13の(a)は、自動施錠モードの位置、一方、図13の(b)は、連続解除モードの位置をそれぞれ示す。
図14】閉扉時、トリガーが後退して解錠状態保持機構15のストッパレバー17が回転した自動施錠モードの状態を示す説明図。
図15】閉扉時でも、トリガーが連動部材でロックされているため、解錠状態保持機構15はトリガーの影響を受けない連続解錠モードの状態を示す説明図。
図16】自動施錠モードの状態を示す説明図。
図17】連続解錠の状態を示す説明図。
図18】本発明の第2実施例を示す説明図(自動施錠モードの状態)。
図19】自動施錠モードの状態における開扉時の説明図。
図20】自動施錠モードの状態における閉扉時の説明図。
図21】連続解錠モードの状態を示す説明図。
図22】閉扉時、解錠状態保持機構15はトリガーの影響を受けないことを示す説明図。
図23】要部の分解斜視図。
図24】要部(連動部材の押圧片)の説明図。
図25】要部(連動部材の可動片)の説明図。
図26】要部(連動部材の可動片と押圧片の係わり)の説明図。
図27】トリガーを初期位置へ復帰させる別の実施例を示す説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)本発明の環境部材の一例
以下、図1乃至図15に示す第1実施形態により説明する。図1は本発明を適用した錠前、例えば電気錠システム(以下、「電気錠」ともいう。)を示す概略説明図である。なお、本発明は、電気錠でない、普通一般の機械的に扉を開閉可能な錠前にも適用することができる。図に於いて、まず、1は戸枠、2は戸枠に設けられた受け具、3は開閉体としての扉である。Xは錠箱4の外に設けられた制御部6を含む電気錠で、この電気錠Xの錠箱4は、例えばガラス扉3の自由端部側の縦框3aの中に組み込まれている。錠箱4は縦長に形成され、前記扉3乃至該錠箱4内には、本発明の構成部材と共に、電気錠Xを構成する主な部材が直接又は間接的に設けられている。
【0011】
すなわち、5は電源、6は壁や扉に設けられかつ認証機能を有する制御部、7はコネクタを含む配線手段、8は錠箱4に設けられた電気錠制御用プリント基板、33はプリント基板の下端部に設けられた後述の自動施錠状態及び連続解錠状態用のモード切換え確認用スイッチ、10は駆動モータ、11は複数固の伝動歯車を含む動力伝達手段である。
【0012】
次に、12は錠箱4の略中央部に水平状態に設けられたトリガーで、紙面上、このトリガー12の裏側に本願発明を構成するモード切換え用入力手段31が併設状態に存在する。トリガー12及びモード切換え用入力手段31の下方に所要の空間を有してデッドボルト(以下、ここでは「デッド」の用語を用いる)14が出没自在の配設されている。
【0013】
電気錠Xの錠箱4内の所要空間には、デッド14を錠箱4内に後退させた状態を保持する解錠状態保持機構15が配設され、該解錠状態保持機構15は、少なくともデッド14の没入状態を保持する摺動部材16と、該摺動部材用のストッパレバー17から成る。
【0014】
しかして、前記摺動部材用のストッパレバー17は、前述したトリガー12の後端部に係合するように上方に伸長する第1係合腕17a、摺動部材16のピン状被係合部16aにその先端部が係脱する斜め方向第2係合腕17b、錠箱4の後壁側に配設したバネ部材18の一端部を受ける斜め方向バネ受け腕17c等をそれぞれ有し、かつ、固定軸19に軸支されている。
【0015】
また、前記摺動部材16は、下辺部にダルマ21に噛合するラック20を有し、図示しない案内手段を介して斜め方向に往復動可能である。23はダルマ21の近傍に配設された施錠用の動力源としての付勢手段で、該動力源23は錠箱側に一端部が取付けられ、一方、他端部がダルマ21に取付けられている。動力源23は、例えば捩じりコイルバネ23aと、該捩じりコイルバネの螺旋状中央部を横柱で支持する可動のバネガイド23bとから成る。
【0016】
次に、ダルマ21とデッド14には、駆動リンク24、作動アーム25及びデッド用ストッパ26が介在している。すなわち、本実施例では、前記駆動リンク24の両端部は、ダルマ21及びデッド14にそれぞれ連結され、また、前記作動アーム25の上端部はダルマ21に枢支され、一方、該作動アーム25の下端部は、錠箱1側に設けられた案内切欠部27に案内される横杆状のデッド用ストッパ26が取付けられている。そして、前記デッド用ストッパ26は、前記デッド4が付勢手段23の付勢力によって完全に突出した自動施錠モード時には、前記案内切欠部27に案内されてデッド14の後端面をロックする。周知のように、ダルマ21は、駆動モータ10の駆動力、図示しないシリンダー装置、サムターン装置等の機械的操作手段の操作力(合鍵の操作力、サムター摘みの操作力)により回動する。
【0017】
次に、図1は、本発明の実施例が、該トリガー12に対して併設されかつフロント板4aの開口9に対して進退動可能な入力手段(例えば操作板)31と、該入力手段と錠箱4の内壁面側に設けられていると共に該入力手段を自動施錠モードの位置と連続解錠モードの位置にそれぞれ繰り返して停止させるモード切換え手段49と、デッドボルト14を錠箱内に後退させた状態を保持する解錠状態保持機構15と、デッド突出用の動力源23と、この動力源の駆動力で施錠方向へ回転するダルマ21と、該ダルマを介して機械的に出没するデッド14を備えていることを示している。
【0018】
しかして、本発明の実施例にあっては、(a)前記入力手段31が開口9を介して指で押し込まれ、例えば連続解錠モードの位置にある場合には、前記解錠状態保持機構15は、前記入力手段31に連動する連動部材を介してトリガー12に連動しないようにし、(b)一方、前記入力手段31が自動施錠モードの位置にある場合には、前記解錠状態保持機構15は、前記入力手段に連動する連動部材を介してトリガー12に連動し、デッド14を錠箱内に後退させた状態を解消し、該デッドは前記動力源の駆動力で施錠方向へと突出する。なお、前記連動部材は、単数又は複数の係合片を組み合わせることにより、前記解錠状態保持機構15を構成する摺動部材用のストッパレバー17を作動させたり、或いはトリガー12をロックしたり、そのロックを解消させたりしている。
【0019】
付言すると、入力手段31が自動施錠モードの位置にある場合には、例えば扉3を閉じると、トリガー12が作動(後退)して、解錠状態保持機構15のストッパレバー17がデッド14の保持状態を解く方向へと回転し、その後、ダルマ21は付勢手段23の付勢力により自動的に施錠方向へと回動して、仮想線で示したデッド14が受け金具2に係入する(自動施錠)。この場合、図14で示すように、摺動部材用のストッパレバー17の第2係合腕17bが、傾斜方向にスライド可能な摺動部材16の被係合部16aから外れる。これに対して、入力手段が「自動施錠モード」から「連続解錠モード」へと切換わり、連続解錠モードの位置にある場合には(この場合、錠前が電気錠である場合には、電気錠制御部は、例えばモード切換え確認用スイッチ33を介して、連続解錠信号を取得する。)図15で示すように、摺動部材用のストッパレバー17の第2係合腕17bは、摺動部材16の被係合部16aを係止している。
【0020】
したがって、摺動部材16、該摺動部材のラック20に噛合するダルマ21及びデッド14は、それぞれ解錠の位置にあり、前記係合腕17aが前記被係合部16aから外れない限り(図14の矢印B方向へストッパレバー17が回転しない限り)、デッド14が錠箱4内に引っ込んだ状態が続く。そこで、本発明の錠前について、電気錠システムを参照にして説明する。
【0021】
(2)電気錠システムの概念図
図2は電気錠システムの概念図である。図に於いて、31は手動操作で位置変位するモード切換え用の入力手段(操作板)で、該モード切換え用の入力手段31は後述のモード切換え手段(例えばクリック手段を構成するクリックピンと、該クリックピンの先端部と係合する摺動カム)49を備えている。32は、この第1実施例では、主に、信号取得用連動部材で、図7で示すように、該信号取得用連動部材32はモード切換え用入力手段31と共働することができるようにその先端部が錠箱4に軸支されていると共に、その被係合部(あるいは係合部)が、前記モード切換え用入力手段31の係合部(或いは被係合部)と係合し、かつ、モード切換え用入力手段31がフロント板側から押し込まれると、該モード切換え用入力手段31に連動して位置変位する(図13参照)。
【0022】
33は単数又は複数のモード切換え確認用スイッチで、例えば可動接片を有するマイクロスイッチが用いられている。なお、このモード切換え確認用スイッチ33は、必ずしも、信号取得用連動部材32に対して配設する必要はなく、入力手段31に対して配設しても良い。望ましくは、入力手段31に突片状の遮蔽部39を設け(図5参照)、一方、モード切換え確認用スイッチ33、自動施錠モードの位置と連続解錠モードの位置をそれぞれ検出する図示しない光センサー型の検出手段等を錠箱4内に複数個を適宜配設する。
【0023】
6は外制御部及び電気錠制御用プリント基板8とから成る制御部、5は電源、10乃至27は駆動モータ10、動力伝達手段11、トリガー12等の電気錠Xを構成する主な構成部材、28は錠箱内の適宜箇所に配設された複数固の検知器、29は前記モード切換え確認用スイッチ33以外の扉、壁等に配設された解除信号発生手段、30は表示手段である。
【0024】
入力手段31は、図3で示すように、長板状の摺動体であり、錠箱4のフロント板4aに形成した開口9に、その先端部が位置し、或いは臨むようにトリガー12と共に併設されている。図4で示すように信号取得用連動部材32は、モード切換え用入力手段31に連動して位置変位、例えば時計方向又は反時計方向に回転すると、モード切換え確認用スイッチ33の可動接片を押圧し、その押圧状態を保持する共働片である。
【0025】
ところで、電気錠Xの施・解錠状態に関する「状態信号」は、例えば連続解錠状態、連続施錠状態、一時施錠、一時解錠の「4つ」が存在するので、モード切換え用入力手段31は、理論上、そのいずれか一つに切換えるように構成することもできる。しかしながら、本実施例では、少なくとも機械的に「自動施錠モードの位置」又は「連続解錠モードの位置」のいずれか一つに切換えることができれば良い。もちろん、前記2つの態様に「連続施錠状態」を加味しても良い。
【0026】
制御部6は、例えば商用交流電圧を直流に変換する電源回路や電池を含む電源5と接続し、各種の信号を処理する。検知手段28は閉扉信号や開扉信号を取得するものである。解除信号発生手段29は、テンキー、リモコンキー、カード読取り器などであり、接触又は非接触方式で電気錠Xを室外から解錠することができる。表示手段30はランプの点灯または消灯に基づいて、連続解錠状態、連続施錠状態、一時解錠状態、扉の開けっ放し状態等を視覚により識別するためのものである。
【0027】
(3)本発明の主要部
図3は、入力手段31とトリガー12とが併設された状態の斜視図である。手前がケース状先端部を有するトリガー12で、この裏側にやや長板状のモード切換え用入力手段31が位置している。トリガー12と入力手段31は別個の部材であり、トリガー12はケース状先端部に図示しない磁性体を有し、閉扉時、例えば戸枠側の磁性体の極性に対応して錠箱内へ若干後退動することができる。また、入力手段31とトリガー12は別個の部材であるから、入力手段31のみを単独で押し込むことができる。
【0028】
図4図3で示したトリガー12を省略し、本発明の要部を示す概略説明図である。図4は、例えば自動施錠モードの一例である。図に於いて、9はフロント板4aに形成された開口で、入力手段31は、その先端部31aが該開口9を臨むように或いは開口9に位置するように配設されている。付言すると、モード切換え用入力手段31は、錠箱4のフロント板4aに形成した開口9に対して水平動自在に配設されている。入力手段31の右上方には、錠箱4側の固定ピン35に復帰バネ36が設けられ、該復帰バネ36は入力手段31をフロント板4aの開口9側に常に付勢している。したがって、入力手段31の先端部を、開口9を介して指で押し込むと、該入力手段31は復帰バネ36のバネ力に抗して所定位置まで後退し、モード切換え手段49により一時停止する。
【0029】
図5は入力手段31と、モード切換え手段49の一方を構成する摺動カム50とを示す斜視図である。摺動カム50はこの入力手段31の案内部に組み込まれ、紙面上、上下方向に自在に移動可能である。図6は入力手段31と復帰バネ36の組み合わせを示す概略説明図である。これらの図に於いて、31aは入力手段31の先端部で、該先端部にはやや小片状の押圧部37が設けられている。この押圧部37を図示しない指で押し込むと、入力手段31は復帰バネ36のバネ力に抗して位置変位する。なお、入力手段31を押し込む際に、前記押圧部37がトリガー12の先端部に当たらないように、例えばトリガー12の対向側壁には図示しない切欠凹所が形成されている。
【0030】
38は中央部(先端部寄りの部位も含む)に形成された開口又は凹所状の案内部で、本実施例では、該案内部38は矩形状の開口である。この開口部38の左右対向内面に上下方向に一対のガイドレール38a、38aが形成されている。矩形板状の摺動カム50は、前記案内部38に上下方向に移動可能に組み込まれる。39は、入力手段31の上辺の中央部に突設された突片部分で、この突片部分39の先端部は、前述したように、図示しない光センサー型検出手段、磁気感応型検出手段等の遮蔽部(或いは磁気部)と成っている。
【0031】
40は突片部分39よりも後方側に設けられたピン状の係合部で、本実施例では入力手段31の上端部の適宜箇所から水平状態に突出している。41は入力手段31の裏面に突設されたバネ受けである。図6で示すように、復帰バネ36は開きバネが使用され、その中央部は固定ピン35に巻装され、一端部36aは前記バネ受け41に支持されていると共に、その他端部36bは錠箱側に設けられた突起42に支持されている。したがって、入力手段31は復帰バネ36のバネ力が開口9側に作用するように錠箱4内にスライド可能に設けられ、前記開口9を介して押圧されると、後述のモード切換え手段(摺動カム、クリックピン、クリックバネ)49を介して選択的に所定位置にて停止する。
【0032】
図7は入力手段31に連動する信号取得用連動部材32の説明図である。この連動部材32は、第1実施例では、例えばモードが切り換わったか否かを確実に知るために用いられている。もちろん、この連動部材32をトリガー12用のロック片やトリガー12からの入力を切断するための係合片に関連付けることもできる(第2実施例)。ここでは、主に信号取得用に関連付けられている。
【0033】
さて、信号取得用連動部材32は、錠箱4のケース蓋4cの内壁面に設けられた横軸44に軸支され、かつ、入力手段31のピン状係合部40に溝状の被係合部分を介して係合している。しかして、信号取得用連動部材32の形態は特に問わないが、例えば先端部に錠箱側の横軸44に外嵌合する筒状嵌合部45を有すると共に、該筒状嵌合部45に腕状の押圧部兼用被案内部46が連設している。前記押圧部兼用被案内部46の連設部分の上面はやや傾斜状の押圧面46aとなっており、この傾斜状押圧面46aはモード切換え確認スイッチ33の可動接片33aに接触する。また、連設部分の一側面には水平状態から下り坂状に連設する溝状の被案内部分46bが形成され、該溝状被案内部分46bに入力手段のピン状係合部40が係合する。
【0034】
したがって、信号取得用連動部材32は入力手段に連動するように錠箱に軸支されていると共に、位置変位すると、モード切換えスイッチ33の可動接片33aを押圧する。このように信号取得用連動部材32が位置変位すると、モード切換え確認スイッチ33は、「自動施錠モードの位置」か、それとも「連続解除モードの位置」のいずれかに切換わったことを検出し、該確認信号は制御部6,7に送られる。
【0035】
次に、図8乃至図11を参照にして、入力手段31を所定位置に選択的に停止させるモード切換え手段(例えばクリック手段)49を説明する。図8はモード切換え手段49の分解斜視図である。この図から明らかなように、モード切換え手段49は、入力手段31の案内部38に摺動自在に組み込まれる矩形状の摺動カム50と、この摺動カム50の一側面に形成された一連のガイド溝51にその係合端部52aが係合するクリックピン52と、このクリックピンを常に係合方向へと付勢するクリックバネ53とから成り、前記クリックピン52の他端部52bは、クリックバネ53に付勢された状態で錠箱4側の固定案内部或いは固定案内部材54に嵌合している。
【0036】
したがって、モード切換え手段49の一方を構成する入力手段31側の摺動カム50は、入力手段31と共に矢印で示す方向へ位置変位可能であるのに対して、モード切換え手段49の他方を構成するクリックピン52及びクリックバネ53は錠箱4側の固定案内部54に摺動カム50と一緒に移動しないように位置付けられ、摺動カム50のガイド溝51に形成した複数個のモード切換え用段差部にそれぞれ係止状態に係合可能である。
【0037】
図9は摺動カム50の斜視図である。また、図10は摺動カム50の正面視かの概略断面説明図である。さらに、図11は摺動カム50のガイド溝51を展開状態で示し、かつ固定案内部54側のクリックピン52及びクリックバネ53も共に示したものである。
【0038】
図9で示すように、摺動カム50は、その幅広の正面部50aに「挟み形状」或いは「ハート形状」のイメージを彷彿される幾何学形状のガイド溝51が形成されている。また、摺動カム50は前記幅広の正面部50aに連設する幅狭の背面部50bを有し、該幅狭の背面部50bと幅広の正面部50aの左右のL形状の段差部分が入力手段31の案内部38のガイドレール38a、38aに案内される。したがって、本実施例では、入力手段31が水平方向に移動すると、摺動カム50は、前記案内部38に案内されて入力手段31に直交する垂直方向へと移動可能である。
【0039】
図10は、ガイド溝51を判り易く示した概略断面説明図である。この図に於いて、溝の浅い所、深い所、傾斜面、ストッパ面等を容易に理解することはできないが、それらは図11を参照にして理解することができる。
【0040】
ここで図10を参照にして、クリックピン52の位置を説明する。なお、図面上、クリックピン52が一連のガイド溝51内を一方向へと循環移動するように見えるが、これは説明の便宜上のもので、クリックピン52は所定位置にあり、実際は、摺動カム50の方が入力手段31と共働して上下左右に位置変位する。
【0041】
さて、一連のガイド溝51には、少なくとも「1つのモード用係止段部51a」と「他のモード用係止段部51b」が存在する。本実施例では、「1つのモード用係止段部」は自動施錠モード用係止段部51aであり、一方、「他のモード用係止段部」は連続解除モード用係止段部51bである。前述したように入力手段31には復帰バネ36のバネ力が常に紙面上矢印で示す左方向に作用していることから、例えば仮に一連のガイド溝51の先端部に相当する山形状或いは弧状の第1係止面(ストッパ面)55を有する段差部分を自動施錠モード用係止段部51aであるとすれば、断面で示したクリックピン52は前記第1係止面55に係止状態で係合する。
【0042】
これに対して、一連のガイド溝51の中央部に相当する山形状或いは弧状の第2係止面(ストッパ面)56を有する段差部分を連続解除モード用係止段部51bであるとすれば、入力手段31と共働して所定方向へと位置変位した摺動カム50は、前記第2係止面56に係止状態で係合する。このように一連のガイド溝51を介して摺動カム50が移動すると、モード切換え手段を構成するクリックピン52の係合端部52aと、これに係止されるガイド溝51の複数個のモード用係止段部51a、51bとが入れ替わる。
【0043】
図11の展開状態ガイド溝51の詳細な説明については割愛する。この展開図に於いて、右側の平な面と、左側の平な面は同一である。つまり、左右の平らな面は自動施錠モード用係止段部51aである。これに対して、展開図の中央部の平らな面が、次にクリックピン52が係止状態で停止する連続解除モード用係止段部51bである。摺動カム50や矢印で示す紙面上右側に移動すると、実で示したクリックピン52は、自動施錠モード用係止段部51aの位置からから連続解除モード用係止段部51bの位置へと入れ替わる。そして、また、入力手段を操作すると、クリックピン52は連続解除モード用係止段部51bの位置から自動施錠モード用係止段部51aの位置へと入れ替わる。
【0044】
図12は、摺動カム50の方が入力手段31と共働して上下左右に移動した際、クリックピン52が、自動施錠モード用係止段部51aから連続解除モード用係止段部51bへ、該連続解除モード用係止段部51bから自動施錠モード用係止段部51aへと切換る旨の概略説明図である。この図12では、クリックピン52の軌跡が、A点からB点、B点からC点、C点からD点、D点からA点へと循環移動することを示している。なお、二股状の上溝ポイントB点及び下溝ポイントD点は、モード位置がA点からC点、C点からA点へ切換わる際の折り返し点である。
【0045】
また、図13の(a)は、自動施錠モードの検出位置、一方、図13の(b)は、連続解除モードの検出位置をそれぞれ示す。なお、例えば光センサー型検出手段、磁気感応型検出手段等の検出手段を用いる場合には、前述したように可動接片型の検出手段を必ずしも配設しなくても良い。そのような場合には、入力手段31の遮蔽部39に対応して、例えば発光・受光素子等を含む光センサーを配設する。このように、本実施例では、摺動カム50の一側面には、「1つのモード用係止段部51a」と「他のモード用係止段部51b」をそれぞれ有する一連のガイド溝が形成され、これらのモード用係止段部51a、51bに交互に入れ替わるようにクリックピン52の係合端部52aが係止状態に係合し、該切換わった状態を錠箱内の適宜箇所に設けた検出手段が検知することにより、電気錠の場合には、制御部は該検出手段が検出したモード切換え確認信号を、記億部に記録する。
【0046】
(4)解錠状態保持機構15
解錠状態保持機構15は、なくともデッド14の没入状態を保持する摺動部材16と、該摺動部材用のストッパレバー17から成る。閉扉時、図14で示すように、トリガー12が矢印Aの方向へ後退動し、前記ストッパレバー17が該トリガー12に連動して矢印B方向回転すると、その第2係合腕17bが摺動部材16の被係合部16aから離れ、その結果、デッド14は付勢手段23の付勢力により錠箱4から完全に突出した施錠状態と成る。
【0047】
そこで、操作部材(合鍵やサムターン)の操作力又は駆動モータ10の駆動力に基づいてダルマ21が付勢手段23の付勢力に抗して錠箱4内に没入した場合、摺動部材16は、そのラック(或いはラック板)20がダルマ21に噛み合いながら施錠位置から解錠位置へと位置変位し、かつ位置変位した該摺動部材16はストッパレバー17の第2係合腕17bに係止される。
【0048】
付言すると、本実施例の解錠状態保持機構15は、図15で示すように、デッド14が錠箱4内に没入した時、該デッド14が錠箱4から飛び出ないように保持する摺動部材16及び該摺動部材用ストッパレバー17で構成されているので、ストッパレバー17の先端部の第2係合腕17bが摺動部材16の被係合部16aから離れない限り、「連続解錠モードの状態」を維持し続ける。
【0049】
したがって、解錠時、駆動モータ10の駆動力、閉扉時におけるトリガー12の後退動のいずれか基づいて、前記解錠状態保持機構15の保持状態が解かれると(図14の状態)、以後、ダルマ21は動力源(付勢手段)23の駆動力(付勢力)により自動的に施錠方向へと回動して、デッド14が錠箱4から自動的に完全に突出することになるから、「連続解錠モードの状態」にするためには、前述したように入力手段31を連続解錠モードの位置にする必要がある。
【0050】
そこで、入力手段31が押し込まれて連続解錠モードの位置にある場合には、解錠状態保持機構15は、前記入力手段31に連動する連動部材を介してトリガーに連動しないようにし、一方、前記入力手段31が自動施錠モードの位置にある場合には、前記解錠状態保持機構15は、前記入力手段31に連動する連動部材を介してトリガーに連動してデッド14を錠箱4内に後退させた状態を解消し、該デッド14は動力源23の駆動力で施錠方向へと突出するようにする必要がある。
【0051】
図16及び図17は、モード切換え用連動部材61が錠箱4側の固定軸65に軸支されていると共に、係合手段62を介して入力手段31に連動するように組み合わせられていることを示している。
【0052】
まず、図16は錠前が自動施錠モードである場合を示し、この自動施錠モードでは、トリガー12をロックするためのモード切換え用連動部材61の係合縁部61aは、トリガー12に設けた被係合部(例えば突起)12aと係合していない。この第1実施例のモード切換え用連動部材61は、トリガー12の動きを殺すために設けられたものであるから、入力手段31が図面上、左側(フロント4側)に位置している場合には、トリガー12は自由である。
【0053】
しかしながら、入力手段31が図面上、右側(フロント4側)から離れた場合には、すなわち、矢印で示すように、入力手段31が押し込まれ場合には、モード切換え用連動部材61は係合手段(入力手段31のガイド溝63、連動部材の係合ピン64)62を介してトリガー12をロックする方向へと若干回転するので、錠前は連続解錠モードに成る。なお、この第1実施例では、入力手段31の後端部に水平方向に段差状に設けた案内部分(ガイド溝)63が設けられ、一方、モード切換え用連動部材61の遊端部61bには前記案内部分63に常時係合する係合ピン64が設けられている。したがって、入力手段31を繰り返して押し込むと、モード切換え用連動部材61は係合手段62を介して固定軸65を支点に時計方向又は反時計方向へと回転し、その係合縁部61aがトリガー12の被係合部(突起)12aと係脱する。
【0054】
ところで、本実施例では、縦長錠箱4の内部空間を有効的に活用するために、摺動部材16は錠箱4の前壁内面と錠箱後壁の各内面の間を、傾斜案内部を介して傾方向に往復運動をする。また、動力源(付勢手段)23は、安定した状態で作用するように、捩じりコイルバネ23aと、該捩じりコイルバネの螺旋状中央部を横柱で支持する可動のバネガイド23bとから成る。
【0055】
さらに、ダルマ21には、駆動リンク14のみならず、作動アーム25の上端部が枢支され、一方、該作動アームの下端部には、錠箱側に設けられた案内切欠部27に直接又は間接的な案内される横杆状のデッド用ストッパ26を取付け、該デッド用ストッパは、前記デッド14が付勢手段23の付勢力によって完全に突出した施錠時には、前記案内切欠部27に案内されてデッド14の後端面をロックする。
【実施例】
【0056】
この欄では、図18乃至図26に示す本発明の第2実施例と、図27のトリガーを初期位置へ復帰させる別の実施例をそれぞれ説明する。なお、これらの実施例を説明するに当って、前記第1実施例と同一の部分には同一又は同様の符号を付して重複する説明を省略する。
【0057】
本発明の第2実施例と前記第1実施例と主に異なる点は、モード切換え用連動部材61は、「トリガー12をロックするか否か」、という観点から入力手段31に連動するように組み合わせられているのに対して、第2実施例のモード切換え用連動部材61Aは、閉扉時にトリガー12Aが後退しても、「該トリガー12Aからの力が解錠状態保持機構15の摺動部材用ストッパレバー17に伝わらないようにすること」、という観点から入力手段31に連動するように組み合わせられている。
【0058】
そこで、細部的事項の説明は割愛するが、この第2実施例のモード切換え用連動部材61Aは、トリガー12Aと摺動部材用ストッパレバー17との間に介在する「間接部材」に相当するもので、例えばニ物品の共働片と、該共働片を初期位置へ戻す復帰手段とから構成されている。
【0059】
この第2実施例は、自動施錠モードの場合には、トリガー12Aが後退動した時に、ストッパレバー17はトリガーと共働するモード切換え用連動部材(間接部材)61Aを介して回転する。間接部材61Aは、トリガー12Aの後端部とストッパレバー17の第1係合腕17aの間に互いに共働或いは連係することができるように介在している。
【0060】
しかして、間接部材61Aは、例えば右手の三本の指をそれぞれ所定角度広げた格好の押圧片66と、この押圧片66に係合すると共にストッパレバー17の第1係合腕17aと係合する可動片67とから成る。
【0061】
もちろん、設計如何によっては、間接部材61Aを複数片の組み合わせではなく、「一
つの部材」にすることができる。しかしながら、望ましくは、ストッパレバー17を確実に回転させるため、或いは戸枠の縦枠と開閉体3の縦框3aとの間のクリアランス等を考慮して、前記押圧片66は、例えばトリガー12Aが第1バネ部材68のバネ部材のバネ力に抗して後退する際に、若干後退動しながら該トリガー12Aの後端部の係合部12dから離れる後退・回転型に構成し、また、前記可動片67は、前記押圧片66の後方アームに押圧されながら後方へと位置変位する後退型に構成する。
【0062】
ところで、押圧片66は、中央部分66aから先端部へと延在しかつトリガー12Aの係合部12dに係脱する前方アーム66bと、前記中央部分66aから後方へと略水平状態に延在すると共に、錠箱4の一側壁の内壁面にガイド69を介して案内されるように後方へと略水平状態に延在する後方アーム66cと、前記中央部分66aから上方に延在しかつ錠箱内に適宜に配設された第2バネ部材71のバネ力に抗して回転変位する上方アーム66dをそれぞれ有している。
【0063】
一方、引き上げ用連動部材32Aは、第1実施例の信号取得用連動部材32に相当する
部材であり、その具体的構成は、信号取得用連動部材32と同様である。したがって、その形態は特に問わないが、例えば先端部に錠箱側の横軸44に外嵌合する筒状嵌合部45を有すると共に、該筒状嵌合部45に腕状の引き上げ用兼用被案内部46が連設している(便宜上、信号取得用連動部材32と同様の符号を用いる)。
付言すると、引き上げ用連動部材32Aは、その先端部に筒状嵌合部45と、該筒状嵌合
部からL字形状に連設する係合端部46とを有し、前記係合端部46の一側壁には、入力手段31に設けたピン状の係合部40が係合する、水平方向に段差状の被案内部分46bが形成されている。
【0064】
そして、前記腕状の引き上げ用兼用被案内部46は、つまり、押圧片66引き上げ用係合部分46は、押圧片66の中央部の係合部分に係合している。このように、第2実施例のモード切換え用連動部材(間接部材)61Aは、第1実施例の信号取得用連動部材32を共働片の一つとして代用している。
【0065】
さて、図18は自動動施錠モードの状態を示す。図19は自動施錠モードの状態における開扉時の状態である。自動施錠モードでは、入力手段がフロント板側に位置しているので、押圧片66は引き上げ用連動部材32Aによって上方に引き上げられていない。した
がって、図20で示すように、閉扉時、トリガー12Aがやや回転しながら後退動すると(錠箱側の傾斜状ガイド部分は省略)、前述したように、ストッパレバー17は、間接部材61Aを介してトリガー12Aの影響を受け、摺動部材16に対してストッパを解く方向へと回転する。それ故に、デッド14は動力源23のバネ力により錠箱から突出する。これに対して、図21は連続解錠モードの状態を示す説明図である。この場合、入力手段31はフロント4の開口9を介して指で押し込まれ、フロント板側から多少離れている。入力手段31を押し込むと、モード切換え用連動部材(間接部材)61Aの可動片67は固定ピン40を支点にして、紙面上、反時計方向へと回転するので、その引き上げ用係合部分46は、上方方向へと位置変位する。
【0066】
したがって、押圧片66は後方アーム66cの端部を支点にして、かつその中央部の係合部分を介して上方へと持ち上げられ、これにより、錠前は連続解錠モードの状態となる。図22は開扉時から閉扉時になる時、解錠状態保持機構15が後退動するトリガーの影響を受けないことを示す(連続解除モード)。
【0067】
次に、図27は、トリガー12Aを初期位置へ復帰させる別の実施例を示す説明図である。トリガー12Aは、先端部にマグネットを有し、閉戸時には戸枠側のマグネットの極性或いは金属片81に対応して後退動し、一方、開扉時には、フロント板4の開口縁部に取付けられたストッパ機能を有するフロントマグネット極性或いは金属片81に対応して初期位置へと前進する。
【0068】
なお、本実施例のトリガー(12、12A)は、その形態如何を問わず、先端部にマグネットを有するが、戸枠1側に小突起を設けた場合には、閉戸時、トリガーの先端部は、前記小突起に押されて後退するので、前記マグネットは本質的要件ではない。しかしながら、望ましくは「マグネットトリガー」を採用している。また、詳細な説明を割愛するが、本実施例では、駆動モータの駆動力で回転可能な伝動歯車が存在し、該伝動歯車の一側面の縁部に摺動部材用ストッパレバーの係止状態を解くための突起が設けられている。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、錠前或いは建具の業界で利用される。
【符号の説明】
【0070】
X…電気錠、1…戸枠、2…受け具、3…扉、4…錠箱、6…制御部、9…開口、10…駆動モータ、11…動力伝達手段、12、12A…トリガー、14…デッドボルト、15…解錠状態保持機構、16…摺動部材、17…摺動部材用ストッパレバー、18…バネ部材、19…固定軸、20…ラック、21…ダルマ、23…施錠用の動力源(付勢手段)、24…駆動リンク、25…作動アーム、26…デッド用ストッパ、27…案内切欠部、28…複数固の検知手段、29…解除信号発生手段、30…表示手段、31…入力手段(例えば操作板)、32…連動部材、32A…引き上げ用連動部材、33…モード切換え確認用スイッチ、33a…可動接片、35…固定ピン、36…復帰バネ、37…押圧部、38…案内部、40…係合部、41…バネ受け、44…横軸、45…筒状嵌合部、46…押圧部兼用被案内部(可動片66引き上げ用係合部分)、46a…押圧面、46b…溝状の被係合部、49…モード切換え手段(例えばクリック手段)、51…ガイド溝、51a…自動施錠モード用係止段部、51b…連続解除モード用係止段部、55…第1係止面、56…第2係止面、61、61A…連動部材、66…押圧片、67…可動片。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27