(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791886
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】汚染土壌における杭施工方法
(51)【国際特許分類】
E02D 7/00 20060101AFI20150917BHJP
E02D 7/20 20060101ALI20150917BHJP
E02D 9/02 20060101ALI20150917BHJP
E02D 7/22 20060101ALI20150917BHJP
E02D 5/34 20060101ALI20150917BHJP
E02D 5/24 20060101ALI20150917BHJP
E02D 5/56 20060101ALI20150917BHJP
E02D 5/48 20060101ALI20150917BHJP
E02D 19/10 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
E02D7/00 Z
E02D7/20
E02D9/02
E02D7/22
E02D5/34
E02D5/24
E02D5/56
E02D5/48
E02D19/10
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-261489(P2010-261489)
(22)【出願日】2010年11月24日
(65)【公開番号】特開2012-112163(P2012-112163A)
(43)【公開日】2012年6月14日
【審査請求日】2013年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】畝 博志
(72)【発明者】
【氏名】永井 彰典
(72)【発明者】
【氏名】中塩 智彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】江原 勇介
(72)【発明者】
【氏名】矢部 誠一
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−293354(JP,A)
【文献】
特開2004−124540(JP,A)
【文献】
特開2005−282149(JP,A)
【文献】
特開平11−190022(JP,A)
【文献】
特開2004−278041(JP,A)
【文献】
特開2005−213804(JP,A)
【文献】
特開平10−266197(JP,A)
【文献】
土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン 暫定版,日本,社団法人土壌環境センター,2010年 7月,Appendix12_19〜Appendix12_20
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/00〜13/10
E02D 5/22〜 5/80
B09B 1/00〜 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤の表面から、汚染土壌を含む汚染土層の下の地層に存在する宙水の上方までケーシングを圧入するケーシング圧入工程と、
前記ケーシング内の土砂を排土する排土工程と、
前記宙水を揚水する揚水工程と、
前記ケーシング内に羽根付き鋼管杭を挿入し、前記地層より以深にある支持層まで回転させながら到達させる杭施工工程と、
前記杭施工工程の後に、前記ケーシングに充填材を充填しながら前記ケーシングを引き抜くケーシング引抜工程と、
を有する汚染土壌における杭施工方法。
【請求項2】
地盤の表面から、汚染土壌を含む汚染土層に存在する宙水の上方までケーシングを圧入するケーシング圧入工程と、
前記ケーシング内の土砂を排土する排土工程と、
前記宙水を揚水する揚水工程と、
前記ケーシングに充填材を充填する充填工程と、
前記ケーシング内に羽根付き鋼管杭を挿入し、前記地層より以深にある支持層まで回転させながら到達させる杭施工工程と、
前記杭施工工程の後に、前記ケーシングを引き抜くケーシング引抜工程と、
を有する汚染土壌における杭施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染土壌における杭施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汚染土壌を貫通する杭を施工する場合には、汚染土壌を含む汚染土層の下にある健全な土砂や地下水を、汚染物質で汚染させないために、予め、杭を施工する位置の汚染土壌を部分的に除去した後、健全土で埋め戻してから杭を建て込んでいた。
【0003】
このため、汚染土壌の除去費用や埋め戻し費用が発生する。これらの費用は、汚染土壌が深い位置まで達している場合や、除去面積が広い場合には増加する。また、土壌汚染対策法が2010年4月1日に改正され、土地の形質変更の規制が強化された。このため、汚染土壌の撤去量を少なくする杭施工方法がより強く望まれている。
汚染土壌を含む汚染土壌の撤去量を少なくした杭施工法としては、例えば、特許文献1がある。
【0004】
特許文献1の杭施工法は、
図9に示すように、地盤60は、汚染層(汚染土層)20と、汚染層20の下方に位置する非透水層(シルト層)24と、非透水層24の下方に位置する支持層28を有している。地盤60を、地表面から汚染土壌61を貫通して非透水層24に到達する深さまで掘削すると共に、掘削した土砂を泥土モルタル62に置換する。泥土モルタル62が硬化した後、泥土モルタル62を貫通し、下端が支持層28に到達する深さまで掘削孔63を削孔する。その後、掘削孔63内に既成杭64を挿入し、既成杭64の下端部をセメントミルク65で根固めする。
【0005】
しかし、特許文献1では、地盤改良時に汚染土壌61と汚染されていない土砂を混合、攪拌して泥土モルタル62を構築する。このため、泥土モルタル62に汚染土壌61が含まれてしまう。また、例えば、汚染層20と非透水層24の間に水流を伴う砂層がある地盤では、砂層で汚染が拡大される恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−95941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事実に鑑み、汚染土壌の撤去量が少ない杭施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明に係る汚染土壌における杭施工方法は、地盤の表面から、汚染土壌を含む汚染土層の下の地
層に存在する宙水の上方までケーシングを圧入するケーシング圧入工程と、前記ケーシング内の土砂を排土する排土工程と、
前記宙水を揚水する揚水工程と、前記ケーシング内に羽根付き鋼管杭を挿入し、前記地層より以深にある支持層まで回転させながら到達させる杭施工工程と、前記杭施工工程の後に、前記ケーシングに充填材を充填しながら前記ケーシングを引き抜くケーシング引抜工程と、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、ケーシング圧入工程において、地盤の表面から、汚染土壌を含む汚染土層の下の地
層に存在する宙水の上方までケーシングが圧入される。また、排土工程において、ケーシング内の土砂がケーシング内から排土され、
揚水工程において宙水が揚水される。更に、杭施工工程において、ケーシング内に挿入された羽根付き鋼管杭を、回転させて支持層まで到達させる。
これにより、砂層に宙水が存在していても、汚染土層を貫通したケーシングによる宙水の汚染や、砂層の下層にある健全土や地下水への汚染物質の拡散を抑制できる。また、ケーシングを不透水層まで圧入する必要がなくなり、ケーシングの圧入深さを浅くできる。この結果、ケーシングの施工費用の低減、施工期間の短縮が図れる。
また、汚染土壌が撤去されたケーシング内に杭が施工されるので、汚染土壌の下の土砂や地下水が、杭の施工により汚染土壌で汚染されることはない。また、撤去する汚染土壌は、ケーシング内の汚染土壌のみでよいため、汚染土壌の撤去量が少ない杭施工方法を提供できる。
また、ケーシング引抜工程において、ケーシング内に充填材を充填しながらケーシングが引き抜かれる。これにより、杭とケーシングの隙間に充填材が充填され、地盤の強度が上がる。同時に、隙間を通じた汚染土壌の拡散が防止される。
また、杭の先端は、ケーシングの先端より深い支持層まで建て込まれている。これにより、杭の支持力を確保することができる。
また、杭が羽根付き鋼管杭とされているので、杭に打撃を与えることなく回転させて施工することができ、杭施工に伴う騒音の発生を抑制できる。
【0012】
請求項2に記載の発明に係る汚染土壌における杭施工方法は、地盤の表面から、汚染土壌を含む汚染土
層に存在する宙水の上方までケーシングを圧入するケーシング圧入工程と、前記ケーシング内の土砂を排土する排土工程と、
前記宙水を揚水する揚水工程と、前記ケーシングに充填材を充填する充填工程と、前記ケーシング内に羽根付き鋼管杭を挿入し、前記地層より以深にある支持層まで回転させながら到達させる杭施工工程と、前記杭施工工程の後に、前記ケーシングを引き抜くケーシング引抜工程と、を有することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、
ケーシング圧入工程において、地盤の表面から、汚染土壌を含む汚染土層の下の地層に存在する宙水の上方までケーシングが圧入される。また、排土工程において、ケーシング内の土砂がケーシング内から排土され、揚水工程において宙水が揚水される。また、杭施工工程の前にケーシング内部に充填材が充填される。そして、充填材の硬化前に杭施工工程が実行され、ケーシング内に羽根付き鋼管杭が施工される。その後、ケーシング引抜工程が実行され、ケーシングが引き抜かれる。
これにより、杭とケーシングの隙間に充填材が充填され、地盤の強度が上がる。同時に、隙間を通じた汚染土壌の拡散が防止される。
また、砂層に宙水が存在していても、汚染土層を貫通したケーシングによる宙水の汚染や、砂層の下層にある健全土や地下水への汚染物質の拡散を抑制できる。また、ケーシングを不透水層まで圧入する必要がなくなり、ケーシングの圧入深さを浅くできる。この結果、ケーシングの施工費用の低減、施工期間の短縮が図れる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記構成としてあるので、汚染土壌の撤去量が少ない杭施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法のケーシング圧入工程を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法の排土工程を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法の杭施工工程及びケーシング引抜工程を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法の杭施工工程及びケーシング引抜工程を示す図である。
【
図6】本発明の第3の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法のケーシング圧入工程を示す図である。
【
図7】本発明の第3の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法の揚水工程を示す図である。
【
図8】本発明の第3の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法の杭施工工程及びケーシング引抜工程を示す図である。
【
図9】従来例の汚染土壌における杭施工方法の施工内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法は、
図1のフローチャートに示す工程を経て施工される。
先ず、ケーシング圧入工程10を実行する。具体的には、
図2(A)〜(C)に示すように、地盤18の表面から汚染土壌を含む汚染土層20の下の地層まで、ケーシングドライバー32を用いてケーシング30を圧入する。
【0024】
地盤18は、汚染土層20の下に砂層22、シルト層24、礫層26、及び支持層28がこの順序で積層されている。ケーシング30は、汚染土層20と砂層22を貫通し、砂層22の下にあるシルト層24まで達する深さとされている。なお、シルト層24は不透水層であり、ケーシングの下端はシルト層24を貫通してはいないため、シルト層24の下にある健全土、及び地下水が汚染土壌で汚染されることはない。また、汚染された宙水23が砂層22に形成されている。しかし、ケーシング30が宙水23を貫通しても、シルト層24の下まで汚染が拡散されることはない。
【0025】
ここに、ケーシング30は、短尺(例えば、径600Φ、長さ900mm)のタイプを継ぎ足しながらシルト層24まで圧入する例を記載している。これは、作業スペースとして、天井高さの制約がある場合の圧入例であり、天井高さの制約がない場合には、長尺タイプのケーシング30を用いればよい。
【0026】
次に、排土工程12を実行する。具体的には、
図3(D)〜(F)に示すように、スクリューロッド34を用いて、ケーシング30の内部の土砂を上方に移動させながら、地表面に排土する。掘削深さは、ケーシング30の下端までである。これにより、ケーシング30により切り取られた、汚染土層20、砂層22、シルト層24のそれぞれの土砂が、ケーシング30の内部から排出される。排土に含まれた汚染土壌については、健全土と分離され、廃棄物として適正に処理される。
【0027】
次に、杭施工工程14を実行する。具体的には、
図4(G)(H)に示すように、パイルドライバー36を用いて、ケーシング30内を貫通させて、羽根付き鋼管杭38を、支持層28に達する深さまで建て込む。羽根付き鋼管杭38は、杭に打撃を与えることなく回転させて施工できる。この結果、杭施工に伴う騒音の発生を抑制できる。
なお、
図4では、短尺の羽根付き鋼管杭38を継ぎ足して建て込む方法を記載したが、施工場所に天井高さの制約がない場合には、長尺の羽根付き鋼管杭を用いればよい。
【0028】
羽根付き鋼管杭38は、汚染土に直接接することなく建て込まれるため、シルト層24の下の礫層26、及び支持層28が汚染されることはない。
【0029】
最後に、ケーシング引抜工程16を実行する。具体的には、
図4(I)に示すように、羽根付き鋼管杭38を施工した後、ケーシング30の内周壁と羽根付き鋼管杭38の外周壁の隙間に、セメントスラリ(ソイルセメント)40等の充填剤を充填しながら、ソイルセメント40の硬化前にケーシング30を順次引き抜く。ソイルセメント40は、地上のセメントプラント48で製造され、供給される。これにより、地盤18の強度が上がる。また、同時に、隙間を通じて汚染土層20の拡散が防止される。また、ケーシング30の再利用ができる。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態では、汚染土層20を、シルト層24に至る深さまでケーシング30で囲んだ状態で撤去した後、ケーシング30内に羽根付き鋼管杭38を施工するので、汚染土層20の下の土層や地下水が、羽根付き鋼管杭38の施工で汚染されることはない。
また、撤去される汚染土層20は、ケーシング内の汚染土層20のみでよいため、汚染土層(汚染土壌)20の撤去量が少ない杭施工方法を提供できる。
【0031】
なお、本実施の形態では、杭の代表例として羽根付き鋼管杭38を用いて説明した。しかし、羽根付き鋼管杭38に限定さることはなく、図示は省略するが、例えば、鋼管杭等の他の既成杭や場所打ちコンクリート杭等広く使用することができる。なお、場所打ちコンクリート杭では、ソイルセメント40を充填しなくてもよい。
【0032】
また、本実施の形態では、地層の代表例として地層18を用いて説明した。しかし、地層18に限定されることはなく、異なる構成の地層でもよい。即ち、ケーシング30の下端部が汚染土層20の下にあるシルト層(不透水層)24に圧入されていればよい。
【0033】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法は、
図1のフローチャートに示す工程において、上述した第1の実施の形態とケーシング引抜工程16が相違する。相違点を中心に説明する。
【0034】
図5(G)(H)に示すように、ケーシング引抜工程16において、羽根付き鋼管杭38を支持層28の深さまで建て込んだ後、ケーシング30の内周壁と羽根付き鋼管杭38の外周壁の隙間であり、ケーシング30の先端部分に1m程度の深さでモルタル42を打設する。
【0035】
その後、
図5(I)に示すように、ケーシング引抜工程16を実行する。即ち、ケーシング30の内周壁と羽根付き鋼管杭38の外周壁の間に土砂44を埋め戻しながら、ケーシング30を引き抜く。
このとき、モルタル42は1m程度の厚さで打設され、止水層として作用する。埋め戻す土砂44には、掘削された土砂の中から汚染土を除いた健全土、若しくは他の場所の地盤で掘削された健全土が使用される。
【0036】
本実施の形態では、モルタル42が止水層として作用するため、羽根付き鋼管杭38と地盤18の間に地下水が浸入するのが抑えられる。また、掘削土44を再利用するため、処理する廃土が少なくなる。
【0037】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法は、
図1のフローチャートに示す工程において、上述した第1の実施の形態とケーシング圧入工程10、及び杭施工工程14が相違する。相違点を中心に説明する。
【0038】
ケーシング圧入工程10においては、
図6(A)〜(C)に示すように、ケーシング30の下端部を、汚染土層20の直下の砂層22まで圧入する。このとき、砂層22には宙水23が存在しており、宙水23の上方まで圧入する。この宙水23は、上層の汚染土層20により汚染されている可能性があり、このまま杭を施工すれば、砂層22の下にある土層及び地下水が汚染される恐れがある。
【0039】
このため、杭施工工程14においては、
図7(D)(E)に示すように、宙水23を砂層22の下方へ拡散させるのを防ぐため、杭38を施工する前に、砂層22にある宙水23を揚水する揚水工程を実行する。揚水工程は、杭38を施工する場所の周囲に簡易井戸46を設け、宙水23を揚水して水位を低下させる。水位が低下した後、杭38の施工を開始する。そして、
図8(F)に示すように、継続して、揚水工程で宙水23を揚水しながら、羽根付き鋼管杭38を支持層28まで建て込む。
【0040】
また、
図8(G)に示すように、ケーシング引抜工程16において、羽根付き鋼管杭38を建て込んだ後、ソイルセメント40を、ケーシング30との隙間に充填しながらケーシング30を引抜く。その後、揚水を終了させ、宙水23を元の水位に戻す。
【0041】
本実施の形態では、ケーシング30の下端部が砂層22に圧入され、砂層22に宙水23が存在していても、揚水工程で宙水23を揚水しながら杭を施工することで、汚染土壌が、下方にある健全土や地下水へ拡散されるのを抑制できる。
また、ケーシング30をシルト層24まで圧入する必要がなくなり、ケーシング30の圧入深さを浅くできる。この結果、ケーシング30の施工費用の低減、施工期間の短縮が図れる。
【0042】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法は、
図1のフローチャートに示す工程において、上述した第1の実施の形態と杭施工工程16のみが相違する。なお、違いは作業手順のみであり、新たな図は使用せずに、第1の実施の形態で使用した図を用いて、相違点を中心に説明する。
【0043】
即ち、杭施工工程16において、
図4(G)に示す、羽根付き鋼管杭38をケーシング30に挿入する工程の前に、ケーシング30内にソイルセメント40を充填させる。ソイルセメント40を充填させた後、
図4(H)に示すように、ソイルセメント40が硬化する前に、ケーシング30を貫通させて羽根付き鋼管杭38を支持層28まで建て込む。
【0044】
その後、
図4(I)に示すように、ソイルセメント40が硬化する前にケーシング30を引き抜く。
これにより、第1の実施の形態と同じ作用、効果を得ることができる。
【0045】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る汚染土壌における杭施工方法は、
図1のフローチャートに示す工程において、上述した第3の実施の形態と杭施工工程16のみが相違する。なお、違いは作業手順のみであり、新たな図は使用せずに、第3の実施の形態で使用した図を用いて、相違点を中心に説明する。
【0046】
即ち、杭施工工程16において、
図7(E)に示す、羽根付き鋼管杭38をケーシング30に挿入する工程の前に、ケーシング30内にソイルセメント40を充填させる。ソイルセメント40を充填させた後、
図8(F)に示すように、ソイルセメント40が硬化する前に、ケーシング30を貫通させて羽根付き鋼管杭38を支持層28まで建て込む。
【0047】
その後、
図8(G)に示すように、ソイルセメント40が硬化する前にケーシング30を引き抜く。
これにより、第3の実施の形態と同じ作用、効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 ケーシング圧入工程
12 排土工程
14 杭施工工程
16 ケーシング引抜工程
18 地盤
20 汚染土壌
23 宙水
30 ケーシング
38 羽根付き鋼管杭(杭)
40 セメントスラリ(ソイルセメント、充填材)
42 モルタル
44 土砂