【課題を解決するための手段】
【0039】
したがって、本発明に従う、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射と、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物との組合せは、生物学的に変換可能な親油性の化合物を脂腺性毛包の底部に送達し、リパーゼにより加水分解された後、皮脂が生成されかつアクネ菌または卵形マラリア原虫型の細菌がコロニーを形成している可能性のある部位において、脂性肌またはニキビを阻止する特性を有する化合物(例えばアルコールまたは酸)を放出することができる。
【0040】
また、この組合せは、十分な有効性を維持しながら、施用される光源の継続時間および/または強度を低減することもできる。
【0041】
したがって、本発明は、特に皮膚および/または髪の外観の改善を意図した、美容処置方法、組成物、キットまたは治療的使用における、リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物と、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する少なくとも1つの光放射、特に400〜510nm(青色光の発光スペクトル)の範囲の少なくとも1つの主波長を呈する光放射との組合せに関する。
【0042】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、局所的におよび/または経口的に、好ましくは局所的に施用するための組成物中に配合することができる。
【0043】
リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射は、装置の形態、あるいは、特に光に曝露された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を放射および/または濾光することができる化合物の形態であってもよい。後者の場合は、リパーゼを活性化する前記光放射を放射および/または濾光する前記化合物は、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物と同一の組成物中または別の組成物中に配合することができる。
【0044】
したがって、本発明の主題は、特に皮膚および/または髪の外観の改善を意図した美容方法であって、
a)リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物、および
b)リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する少なくとも1つの光放射
の同時および/または逐次的施用を含む美容方法である。
【0045】
有利には、本発明の美容方法はいずれも、健康な皮膚を有する対象に対して使用される。
【0046】
用語「少なくとも1つの主波長を呈する光放射」は、本発明によれば、スペクトルの全波長を含む白色光とは異なる光放射を意味するものと理解される。
【0047】
その理由は各波長が、皮膚および/または髪の細胞中において各波長が発色団または光受容性因子として知られる特定の標的を有することが知られているためである。
【0048】
具体的には、本出願人企業は、リパーゼを活性化できる波長とその効果のない波長とがあるということを示している。
【0049】
好ましくは、光放射は、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nm(青色光の発光スペクトル)の範囲の少なくとも1つの主波長を呈する。
【0050】
具体的には、スペクトルが450nm付近に最適なピークを有するような光放射を利用するであろう。より具体的には、使用される光放射の最適なピークは、450nm±50nm付近、好ましくは450nm±30nm付近、全面的に好ましくは450nm±20nm付近であろう。
【0051】
好ましい形態によれば、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射は、皮膚および/または髪に対して、特にリパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物を含む組成物により治療された皮膚および/または髪の領域に対して、0.01〜200J/cm
2、好ましくは0.1〜30J/cm
2の範囲の線量において適用される。
【0052】
用語「逐次的」は、連続的(即座)または遅延施用を意味するものと理解される。
【0053】
逐次的施用の場合、有利には、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射の施用より前に施用されるが、リパーゼにより生物学的に変換可能な前記化合物はまた、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物とリパーゼの作用を活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射との後で相補的に施用されてもよい。
【0054】
特定の形態によれば、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射は、特に光または紫外線放射に曝露された際に、リパーゼを活性化する前記光放射を放射および/または濾光する化合物である。前記化合物は、リパーゼにより生物学的に変換可能な前記化合物を含む組成物中に、または異なる時間(前または後)に適用されることを意図した別の局所用の組成物中に配合することができる。
【0055】
別の形態によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物が含浸され、リパーゼを活性化する前記光放射を放射するダイオードを備えた貼付剤、特にイオン導入用貼付剤が利用される。
【0056】
本発明の方法の使用は、例えば皮膚を冷却する間に、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物の浸透をイオン導入法によってまたは閉塞系によって改善することを目的とする段階を、本発明の方法の各段階より前にまたはこれと同時に、さらに含んでいてもよい。
【0057】
また、治療する領域に対してケミカルピーリングまたは機械的ピーリングを予め実施することによって、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物の浸透を促進することも可能である。
【0058】
本発明に従うこのような組合せは、特に、皮脂の生成を調節する効果(特に脂性肌の治療に利用される)および/または脂腺性毛包内で細菌を殺す効果(特にニキビの治療に利用される)を有する。
【0059】
したがって、この組合せは、皮膚および/または髪の、特に脂性肌のおよび/または脂性の頭皮の外観を維持および/または改善することができる。
【0060】
さらに、過剰な皮脂および皮脂の酸化は、髪の生理機能に影響を与え、かつ、特に、髪の減少、髪の成育の減速、白髪化、髪の直径の減少および髪の生長力の減退に寄与する可能性のあることが知られている。
【0061】
したがって、本発明の方法は、特に、皮膚および/または頭皮の、特に脂性肌の表面の視認可能なまたは触知可能な凹凸を緩和することを目的とする。
【0062】
特に、本発明の方法は、脂性肌における皮膚の欠陥を緩和すること、特に皮膚のてかりを緩和すること、毛穴の視認性を緩和すること、皮膚の輝きおよび/または透明性を改善すること、メイクアップの保持性を改善すること、皮膚の質感を改善すること、ならびにコメドの形成を予防および/または低減することを目的とする。
【0063】
別の目的としては、髪の減少、髪の成育の減速、白髪化、髪の直径の減少および/または髪の生長力の減退の予防および/または阻止を意図した方法を目的とする。
【0064】
本発明は、特に脂腺性毛包内で、皮脂の生成を調節するおよび/または細菌を殺す(破壊する)ための、(i)リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物と、(ii)リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する少なくとも1つの光放射との組合せにも関する。
【0065】
また、本発明は、特に脂腺性毛包内で、皮脂の生成を調節するおよび/または細菌を殺す(破壊する)ことを意図した組成物の調製における、(i)リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物と、(ii)リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する少なくとも1つの光放射との組合せの使用にも関する。
【0066】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、特に、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された後、抗菌性および/または抗炎症性の活性を有するニキビに対して活性のある少なくとも1つの薬剤を放出することができる。
【0067】
このような、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物の例を、以下に記載する。
【0068】
特に、本発明に従う組合せは、炎症に由来する赤色の皮膚のしみを予防するおよび/または低減するために、または炎症性病変、特にニキビ性病変を予防および/または治療するために使用することができる。
【0069】
また、本発明に従う組合せを、炎症に由来する赤色の皮膚のしみを低減すること、または炎症性病変、特にニキビ性病変を予防および/もしくは治療することを意図した組成物を調製するために使用してもよい。
【0070】
別の形態によれば、本発明に従う組合せを、ふけの形成および/または頭皮の炎症性現象を予防および/または治療するために使用することができる。
【0071】
特に、本発明に従って治療する領域は、
- 顔、特にT領域(額、鼻、ほお、およびあご先)、特に鼻および額の領域、
- 身体、背中、より具体的には背中の上部の領域、
- 頭皮
に関する。
【0072】
特定の形態によれば、本発明に従う美容方法および/または治療的使用は、任意の種類の脂性肌、特に
- 男性の、特に毎日ひげそりをする、特に皮膚病変を起しやすい脂性肌、
- 加齢した脂性肌、特に光老化した脂性肌、
- 概して皮膚の欠陥の視認性が高い、フォトタイプの高い(III〜VI)脂性肌、
- 概して毛穴の視認性が著しい人種の脂性肌、特にアジア人の皮膚または白色人種の皮膚、
- 特に思春期における、ニキビを生じる傾向のある脂性肌
に対して使用することができる。
【0073】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、経口または局所的施用を意図した組成物中に配合することができる。
【0074】
本発明の好ましい形態によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、皮膚または髪に対する局所的施用を意図した組成物中に配合される。
【0075】
本発明に従って使用できる「リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物」という用語は、リパーゼによって加水分解されることにより、皮膚に対して有益な薬剤を特に放出することができる化合物を意味するものと理解される。
【0076】
特定の形態によれば、本発明に従って使用される、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された際に、脂性肌に対してまたはニキビに対して活性のある少なくとも1つの薬剤(化合物)を放出することができる。
【0077】
用語「脂性肌に対して活性のある薬剤」は、特に、本発明によれば、落屑性(角質溶解性)、皮脂調節性(皮脂の生成を低減する)および/または酸化防止性の(特に、コメドの形成の一因となる可能性のある脂質の過酸化を低減する)活性を有する化合物を意味するものと理解される。
【0078】
また、酸化防止性の活性は、コメド(アクネ菌の生育に好適な嫌気性の側面を増大させる栓)の形成を低減することによって、アクネ菌の生育を予防することもできる。
【0079】
用語「ニキビに対して活性のある薬剤」は、特に、本発明によれば、抗菌性および/または抗炎症性の活性を有する化合物を意味するものと理解される。
【0080】
特定の形態によれば、脂性肌に対してまたはニキビに対して活性のある前記薬剤は、少なくとも1つの-OHまたは-COOH基を含む。
【0081】
特定の形態(美容処置方法)によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、in situにおいてリパーゼにより加水分解された後、落屑性、皮脂調節性および/または酸化防止性の活性を有し、脂性肌に対して活性のある少なくとも1つの薬剤を放出することができる化合物である。
【0082】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、好ましくは、特に脂腺性毛包のレベルにおいて浸透することを意図した親油性の化合物、特に少なくとも1つのエステル官能基を有する化合物である。
【0083】
本発明に従って使用されるリパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、特に、1つまたは複数のエステル官能基、好ましくはモノ-およびジエステル官能基を含み、炭素原子を2〜50個、好ましくは炭素原子を6〜50個有する飽和または不飽和の直鎖状、環状または分枝状の鎖を有する、1つまたは複数の置換基を任意選択で含む化合物である。
【0084】
したがって、本発明に従う光放射、好ましくは、400〜510nm、好ましくは420〜470nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲の少なくとも1つの主波長を呈する光放射によって活性化されたリパーゼは、好ましくは少なくとも1つのエステル官能基を含む前記生物学的に変換可能な化合物を加水分解することによって、脂性肌(i)および/またはニキビ(ii)に対して活性があり、
- 皮脂調節性、落屑性および/または(特に脂質の過酸化の予防を意図した)酸化防止性の型- (i);
- 抗菌性および/または抗炎症性の型- (ii)
の活性うち少なくとも1つの活性を有する少なくとも1つの薬剤(化合物)を放出する。
【0085】
特定の形態によれば、加水分解の後に放出される脂性肌またはニキビに対して活性のある前記薬剤(化合物)は、少なくとも1つの-OHまたは-COOH基を含む。
【0086】
例えば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された後、少なくとも、
a)少なくとも1つの-OHまたは-COOH基を含み、脂性肌またはニキビを阻止する活性を有する化合物、
b)少なくとも1つの-OHまたは-COOH基を含む化合物ならびに脂性肌および/またはニキビに対して活性のある薬剤、
c)少なくとも1つの-OH基を含む化合物および少なくとも1つの-COOH基を含む化合物
を放出することができ、
選択肢a)およびb)において少なくとも1つの-OHまたは-COOH基を含む前記化合物自体が、皮脂調節性、角質溶解性(落屑性)、(特に脂質の過酸化の予防を意図した)酸化防止性、抗菌性および/または抗炎症性の活性を有し得る。
【0087】
脂性肌/ニキビを阻止する活性を有する化合物に加えて、生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でin situにおいて加水分解されることにより、例えば皮膚に潤いを与える、皮膚の老化を防止するまたは皮膚を柔らかくする活性を有する、皮膚に対して有益な他の化合物を放出することができる。
【0088】
当業者であれば、所望の効果(皮膚に潤いを与える、皮膚の老化を防止するまたは皮膚を柔らかくする補助的な活性と任意選択で組み合わせた、脂性肌またはニキビの阻止)に応じて、施用するべき生物学的に変換可能な化合物を選択するであろう。
【0089】
リパーゼにより加水分解された後で放出される、少なくとも1つの-COOH基を含み、脂性肌またはニキビを阻止する活性を有する化合物としては、特に、少なくとも1つの-COOH基を含み、炭素原子を2〜50個、好ましくは炭素原子を6〜50個有する飽和または不飽和の直鎖状、環状または分枝状の鎖を有し、1つまたは複数の置換基を任意選択で含む化合物を挙げることができる。
【0090】
例えば、α-ヒドロキシ酸、特にグリコール酸または乳酸、β-ヒドロキシ酸、特にサリチル酸、パルミチン酸、カプリル/カプリン酸、リノール酸、安息香酸、レチノイン酸、グリチルレチン(C
30)酸、ソルビン酸、アシアチン(C
48)酸、アゼライン酸、ウルソール酸、10-ヒドロキシ-2-デカン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸 (HEPES)、フタルイミドペルオキシカプロン酸、ピロリドンカルボン酸、オレアノール酸、ベツリン酸、イソ吉草酸、酪酸、酢酸、オクタン酸、プロピオン酸、カルボキシメチルシステイン等の脂肪酸およびそれらの誘導体を挙げることができる。
【0091】
さらに、これらの酸の炭素含有鎖の水素原子は、ハロゲン、または炭素原子を2〜18個を有する、ハロゲン化された、アルキル、アシル、アシルオキシル、アルコキシカルボニルもしくはアルコキシル基によって置換されていてもよい。
【0092】
リパーゼにより加水分解されることによって放出される、少なくとも1つの-OH基を含み、脂性肌またはニキビを阻止する活性を有する化合物としては、特に、置換または未置換の、モノ-、ジ-またはトリヒドロキシル化された直鎖状、環状または分枝状のC
2〜C
22化合物を挙げることができる。
【0093】
例えば、エタノール、グリセリン、エチルグリセリン、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、レスベラトロール(C
14)、レチノール(C
20)、3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエノール(またはファルネソール)、オレイルアルコール、オクタノールまたは2-エチルヘキサノール、パルミチルアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、カプリルアルコール、パンテノール、トコフェロール、フィトスフィンゴシン、オクチルドデカノール、アスコルビン酸およびテルペンアルコール(例えばトタロール、ゲラニオール等)を挙げることができる。
【0094】
放出される、抗菌性および/または抗炎症性の活性を有する他の化合物としては、ヒドロコルチゾンまたはベタメタゾンを挙げることができる。
【0095】
したがって、当業者は、美容的使用(落屑性、皮脂調節性および/または酸化防止性の活性)または治療的使用(抗菌性および/または抗炎症性の活性)にとって適切な化合物を、放出される化合物として所望の効果に応じて選択するべきであるということを理解し、その結果として、これに対応する、リパーゼによりin situにおいて生物学的に変換可能なエステルを選択するべきであるということを理解するであろう。
【0096】
第1の実施形態(特に脂性肌に対する、美容処置方法)によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された後、落屑性、皮脂調節性および/または酸化防止性の活性を有する化合物等の、脂性肌に対して活性のある少なくとも1つの薬剤を放出することができる化合物、好ましくは少なくとも1つのエステル官能基を呈する化合物である。
【0097】
特定の形態によれば、脂性肌に対して活性のある前記薬剤(化合物)は、少なくとも1つの-OHまたは-COOH基を含む。
【0098】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、特に、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された後、炭素原子を2〜50個、好ましくは炭素原子を6〜50個有し、少なくとも1つの-COOH基を含み、落屑性、皮脂調節性および/または酸化防止性の活性を有する、飽和または不飽和の直鎖状、分枝状または環状の少なくとも1つの化合物を放出する。
【0099】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された後、落屑性および/または皮脂調節性および/または酸化防止性の活性を有する、置換または未置換の、モノ-、ジ-またはトリヒドロキシル化された直鎖状、環状または分枝状の少なくとも1つのC
2〜C
22化合物を放出することもできる。
【0100】
脂腺性毛包内でin situにおいて加水分解されることによって、落屑性、皮脂調節性および/または酸化防止性の価の高い化合物を放出することができる、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物として、特に、
- α-ヒドロキシ酸、特にグリコール酸または乳酸、β-ヒドロキシ酸、特にサリチル酸(落屑性の価を発現するために低濃度において)、10-ヒドロキシ-2-デカン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸 (HEPES)、フタルイミドペルオキシカプロン酸またはカルボキシメチルシステイン、
- グリセリン、エチルグリセリン、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、レスベラトロール(C
14)、レチノール(C
20)、オクタノールまたは2-エチルヘキサノール、パルミチルアルコール、トコフェロール、フィトスフィンゴシン、オクチルドデカノールまたはアスコルビン酸
のエステルから選択される化合物、およびそれらの混合物を使用してもよい。
【0101】
美容的使用に関して、エステルは、好ましくは治療的使用に用いられる抗菌性および/または抗炎症性の価を有する化合物をさらに放出しないものが選択されることが好ましい。
【0102】
別の実施形態(特にニキビを治療するための、治療的使用)によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された後、ニキビに対して活性のある少なくとも1つの薬剤を放出することができる化合物、好ましくは少なくとも1つのエステル官能基を呈する化合物、例えば抗菌性および/または抗炎症性の活性を有する化合物である。
【0103】
特定の形態によれば、ニキビに対して活性のある前記薬剤(化合物)は、少なくとも1つの-OHまたは-COOH基を含む。
【0104】
特に、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でin situにおいてリパーゼにより加水分解された後、炭素原子を2〜50個、好ましくは炭素原子を6〜50個を有し、少なくとも1つの-COOH基を含み、抗菌性および/または抗炎症性の活性を有する飽和または不飽和の直鎖状、分枝状または環状の少なくとも1つの化合物を放出する。
【0105】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、脂腺性毛包内でリパーゼによりin situにおいて加水分解された後、少なくとも1つの-OH基を含み、抗菌性および/または抗炎症性の活性を有する、置換または未置換の、モノ-、ジ-またはトリヒドロキシル化された直鎖状、環状または分枝状の少なくとも1つのC
2〜C
22化合物を放出することもできる。
【0106】
脂腺性毛包内でin situにおいて加水分解されることによって、抗菌性および/または抗炎症性の価の高い化合物を放出することができる、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物として、特に、
- サリチル酸(抗炎症性の価を発現するために高濃度において)、カプリル/カプリン酸、リノール酸、安息香酸、レチノイン酸、グリチルレチン酸(C
30)、ソルビン酸、アシアチン酸(C
48)、アゼライン酸、ウルソール酸、ピロリドンカルボン酸、オレアノール酸、ベツリン酸またはイソ吉草酸、
- エタノール、3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエノール(またはファルネソール)、オレイルアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、パンテノールまたはカプリルアルコール、
- 抗菌性および/または抗炎症性の薬剤、特にヒドロコルチゾンまたはベタメタゾン
のエステルから選択される化合物を利用してもよい。
【0107】
これらのエステルは、単独で、または美容的な適用(脂性肌)を目的として上記で使用されるエステルとの混合物として、使用することができる。
【0108】
本発明に従って使用できる、少なくとも1つのエステル官能基を呈する、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物の例として、特に、下記化合物を挙げることができる:
- 2-サリチル酸エチルヘキシル(サリチル酸オクチル)、サリチル酸エチル、サリチル酸ホモメンチルまたはサリチル酸イソデシル等のサリチル酸のエステル、
- 例えばグリコール酸エチル、グリコール酸のモノ-、ジ-およびトリエステル、乳酸エチル、乳酸ミリスチル、C
12〜C
15アルコールの乳酸エステル、乳酸イソステアリル、乳酸メンチル、乳酸ラウリル、乳酸イソステアリル、乳酸オレイルまたは乳酸オクチルドデシルのような、グリコール酸または乳酸のエステル等のAHAエステル、
- 10-ヒドロキシ-2-デカン酸エチルまたは10-ヒドロキシ-2-デカン酸ペンチレングリコール等の10-ヒドロキシ-2-デカン酸のエステル、
- パルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸エチルまたはアスコルビン酸セチル等のアスコルビン酸のエステル、
- 酢酸トコフェロール等の、酸化防止性の活性を有するアルコールのエステル、
- パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸レチノールまたはパルミチン酸イソステアリル等の、パルミチン酸またはパルミチルアルコールのエステル、
- アゼライン酸のジグリシネートまたはアゼライン酸およびサリチル酸のジエステル等の、アゼライン酸のエステル、
- リノール酸レチノール等のリノール酸のエステル、
- グリチルレチン酸ステアリルまたはβ-グリチルレチン酸ステアリル等のグリチルレチン酸のエステル、
- カプリン酸エチルまたはカプリル酸エチル等のカプリル/カプリン酸のエステル、
- 酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸α-プロピオン酸ヒドロコルチゾンまたはトリパルミチン酸ピリドキシン等の、特に水に可溶性である抗菌性および/または抗炎症性の薬剤のエステル、
- 酢酸ファルネソール、トリ酢酸パンテノール、エチルパンテノール、バチルアルコールのエステル、キミルアルコールのエステルおよびそれらの混合物等の、抗菌性/抗炎症性の活性を有するアルコールのエステル、
ならびにそれらの混合物。
【0109】
本発明のある実施形態によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、サリチル酸エステル、AHAエステル、10-ヒドロキシ-2-デカン酸のエステル、アスコルビン酸のエステル、酸化防止性の活性を有するアルコールのエステル、パルミチン酸またはパルミトイルアルコールのエステル、アゼライン酸のエステル、リノール酸のエステル、グリチルレチン酸のエステルまたはカプリル/カプリン酸のエステルから選択される。
【0110】
本発明の特定の実施形態によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、サリチル酸エステル、AHAエステル、10-ヒドロキシ-2-デカン酸のエステル、アスコルビン酸のエステル、パルミチン酸またはパルミトイルアルコールのエステル、アゼライン酸のエステル、リノール酸のエステル、グリチルレチン酸のエステルまたはカプリル/カプリン酸のエステルから選択される。
【0111】
本発明の別の特定の実施形態によれば、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、サリチル酸エステル、AHAエステル、10-ヒドロキシ-2-デカン酸のエステル、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸のエステル、パルミチン酸またはパルミトイルアルコールのエステル、アゼライン酸のエステル、リノール酸のエステル、グリチルレチン酸のエステルまたはカプリル/カプリン酸のエステルから選択される。
【0112】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物として、好ましくは、特に、以下:
- 本発明に従う美容的使用(例えば脂性肌)に適切な、パルミチン酸アスコルビル、酢酸トコフェロールまたはパルミチン酸レチノール、
- 本発明に従う治療的使用(例えばニキビ)に適切な、サリチル酸エチル、乳酸エチル、アゼライン酸のジグリシネートまたはアゼライン酸およびサリチル酸のジエステル等のアゼライン酸のエステル、リノール酸レチノール等のリノール酸のエステル、またはグリチルレチン酸ステアリルもしくはβ-グリチルレチン酸ステアリル等のグリチルレチン酸のエステル:
を挙げることができる。
【0113】
脂性肌を予防および/または治療するためには、好ましくは、パルミチン酸アスコルビル、酢酸トコフェロール、パルミチン酸レチノールまたはそれらの混合物が使用されよう。
【0114】
本発明の好ましい実施形態によれば、脂性肌を予防および/または治療するためにパルミチン酸アスコルビルが使用されよう。
【0115】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、脂性肌を予防および/または治療するために酢酸トコフェロールが使用されよう。
【0116】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、脂性肌を予防および/または治療するためにパルミチン酸レチノールが使用されよう。
【0117】
好ましくは、ニキビを治療するために、乳酸エチル、サリチル酸エチル、リノール酸レチノールまたはそれらの混合物が使用されよう。
【0118】
本発明の好ましい実施形態によれば、ニキビを治療するために乳酸エチルが使用されよう。
【0119】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ニキビを治療するためにサリチル酸エチルが使用されよう。
【0120】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ニキビを治療するためにリノール酸レチノールが使用されよう。
【0121】
本発明に従って使用できる、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物について市販されている参考品の例としては、特に、以下を挙げることができる。
【0122】
【表1】
【0123】
リパーゼにより生物学的に変換可能な前記化合物は、組成物中に、前記組成物の総重量に対して0.001〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%の範囲の量で存在する。
【0124】
リパーゼを活性化する光放射
用語「リパーゼを活性化する光放射」は、前記酵素により生物学的に変換可能な化合物の存在下においてリパーゼの酵素活性を刺激することができ、特にエステルの加水分解を刺激することができる条件(曝露の波長、強度、継続時間)において使用される光放射を意味するものと理解される。
【0125】
本発明に従って使用できる、リパーゼを活性化する光放射は、下記実施例1中に記載するように、
- リパーゼおよびエステルを光放射に対して、例えば0.5mW/cm
2の照度に対して曝露するまたは曝露しない(対照)ステップ、
- 酵素活性(エステルの加水分解)に対する前記光放射の効果を、対照(光から保護された状態の酵素)に対して評価するステップ、および
- 曝露されていない対照に対して、前記酵素の活性を増大できる、特に前記酵素の活性を少なくとも10%増大できる光放射を選択するステップ
からなるin vitroにおける試験に従って選択できる。
【0126】
具体的には、本出願人企業は、少なくとも1つの特定の主波長を呈する光放射のある型はリパーゼを活性化するが、それ以外はその効果を有さないことを示している。本出願人企業は、特に、青色光の発光スペクトル(400〜510nm)に対応する主波長を呈する放射を90分間(線量約2.7J/cm
2)適用するとリパーゼを活性化することができる(+33%)が、一方、他の波長(例えば緑色の光または黄味がかったオレンジ色の光)にはこの酵素に対する効果はないことを示している。
【0127】
光放射が組織によって吸収される際に、光放射は組織にエネルギーを送達し、組織自体が、前記光放射に対する曝露の波長、強度および継続時間に応じて光放射に反応する。
【0128】
本発明に従って使用される光放射の強度は、好ましくは150mW/cm
2を超えず、かつ好ましくは0.01mW/cm
2より大きい(すなわち0.01mW/cm
2〜150mW/cm
2)。この強度範囲によれば、治療される皮膚組織に損傷を引き起こすことなく、妥当な期間にわたって治療の有効性が確実となる。
【0129】
光放射に対する曝露の継続時間は、光放射の強度に応じて、皮膚および/または髪に送達される総エネルギー(線量)が0.01〜200J/cm
2、好ましくは0.1〜30J/cm
2、より好ましくは1〜30J/cm
2、さらには5〜30J/cm
2となるように定義することができる。
【0130】
エネルギー(ジュール)=強度(ワット)×時間(秒)
【0131】
非限定的な例として、本発明に従う光放射を放射する装置に対する曝露の継続時間は、20分間〜120分間、好ましくは30分間〜120分間、より好ましくは60分間〜90分間の範囲であってもよい。
【0132】
治療する皮膚および/または髪の表面の状態ならびに所望の効果に応じて、本発明に従って定義された光放射を、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物と組み合わせて、1〜数か月間の期間にわたって毎日何回か適用すること、または毎日1回適用すること、さらには1週間に1回適用することが有利である場合がある。
【0133】
好ましい形態によれば、本発明に従うリパーゼを活性化する光放射は、特に、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲であり、最適なピークを450nm付近に有する、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射であり、0.01〜200J/cm
2、好ましくは0.1〜30J/cm
2、より好ましくは1〜30J/cm
2、さらには5〜30J/cm
2の範囲の線量で好ましくは使用されよう。
【0134】
したがって、好ましい形態によれば、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射は、皮膚および/または髪に、特にリパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物を含む組成物によって治療された皮膚および/または髪の領域に、0.01〜200J/cm
2、好ましくは0.1〜30J/cm
2の範囲の線量で適用される。
【0135】
本発明に従って使用できる「リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射」としては、特に、
- 装置(「物理的な」光源)によって放射された光放射、
- 化合物(「化学的/生物学的な」光源)によって放射された光放射、
およびそれらの組合せ
を挙げることができる。
【0136】
リパーゼを活性化する光放射を放射する装置
本発明の第1の実施形態によれば、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射は、装置によって放射される。
【0137】
前記装置は、特に、白色光とリパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する前記光放射が通過できる特定のフィルタとの組合せ、レーザー、IPL、LEDおよびそれらの組合せから選択することができる。
【0138】
特に、前記装置は、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲の主波長を呈する光放射を放射し、レーザー、IPL、LED、白色光を放射する装置と400〜510nm(青色光の発光スペクトル)の範囲の少なくとも1つの主波長を通過させる特定のフィルタとの組合せ、およびそれらの組合せから選択される。
【0139】
本発明に従って使用できる、リパーゼを活性化する光放射を放射する装置としては、特に、以下を挙げることができる。
【0140】
- 自然または人工の白色光と、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長(例えば青色光の発光スペクトルの波長)を通過させる特定のフィルタまたは遮蔽装置との組合せ。人工の白色光を放射する装置の例としては、特に、アークランプ(例えばキセノンランプ)または白熱ランプを挙げることができる。用語「自然の白色光」は、日光を意味するものと理解され、日光は、主としてリパーゼを活性化する色(例えば青色)を特異的に通過させる遮蔽装置と組み合わせることができる。
【0141】
- (放射の誘導放出によって光を増幅するための)レーザー。レーザーは単色で非常に高強度の光源である。
【0142】
白色光(異なる時点においてかつ異なる方向に向かって無作為に放射された多様な波長の光子)とは異なり、レーザーによって放射された光放射は、同一時点においてかつ同一の方向に向かって放射された光子から構成される光である。
【0143】
レーザーは3つの要素によって特徴づけられる:波長(λ);発光の様式:連続的(送達される出力が一定)、パルス性(エネルギーがパルス方式で送達される、その周波数および出力は調整可能である)、超パルス性(パルスは設定された持続時間および出力を有するが、出力は相当な量でありかつ持続時間は極めて短い);および電力:数mW〜数万ワット。
【0144】
- IPL:超短パルス光
レーザーとIPLとの基本的な差異は、IPLは数百、さらには数千もの色を同時に送達することができるが、レーザーは単一の波長のみを送達するという点である。これらの機械によれば、フィルタを変化させるだけで、治療する問題に対して適切な波長を選択することができる。これらの機械は、「非コヒーレント光源」とも称される。
【0145】
全般的な強度の高い光パルスの発光に関する。
【0146】
この技術によれば、複数の発色団によって吸収される広いスペクトルの波長を送達することができる。広い表面領域を同時に治療することができる。
【0147】
- LED:発光ダイオード(光変調(LED、発光ダイオード、「The newest medical breakthrough for skin renewal and shrinking pores(2004)」を参照)。
【0148】
LED:LEDは概して、数ミリワットの低強度の光を放射する;LEDは低出力のレーザー(出力1から数十mW)の区分に分類される。
【0149】
好ましい形態によれば、LED型の装置が使用されよう。
【0150】
市販されているLED型の装置の例としては、特に、以下を挙げることができる:
a)皮膚および/または髪をケアする施設において使用できる装置、例えば:
a. Photo Therapeutics Ltd.からのOmnilux(商標)システム(415nm);
b. Opusmed Inc.からのLumiphase(商標)システム(405nm);
c. Edge Systems Corp.からのDelphia(商標)およびHydroFacial(商標)システム(420nm);
d. Skincare Systems Inc.からのレビタライト(RevitaLight)システム(420nm)。
b)特にインターネット(専門家用サイトまたは販売用サイト、例えばe-Bay等)で販売されているもの等、例えばPhoto Rejuvenationからのルミダーム(Lumiderm)またはフェイシャルセンセーション(Facial Sensation)等の、家庭で使用できる装置。
【0151】
本発明に従う光放射は、好ましくは実質的に、主波長が400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲であり、最適なピークを450nm付近に有する単色(主波長)である。
【0152】
リパーゼを活性化する光放射を放射する化合物
本発明の別の実施形態によれば、または上記装置を補助するために、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射は、特に光(可視、紫外線)に曝露された際に、リパーゼを活性化するこのような主波長を放射する代謝産物または有効成分、光を濾光してリパーゼを活性化する前記主波長を特異的に通過させる化合物、およびそれらの混合物から選択される化合物によって放射される。
【0153】
好ましい形態によれば、前記化合物は、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲の、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射および/または濾光する。
【0154】
特定の形態によれば、前記化合物は、光(可視、紫外線)に曝露された際に前記光放射を放射する。光に対するこの曝露は、日光(「自然」光)に対する曝露または装置を使用する人工光に対する曝露であってもよい。特に、前記化合物が前記主波長(例えば青色)を放射できるようにするために前記化合物を励起することを意図した、白色または着色または紫外光を放射する装置が使用されよう。
【0155】
光に対するこの曝露の強度は、前記化合物が、特に、0.01〜200J/cm
2、好ましくは0.1〜30J/cm
2、より好ましくは1〜30J/cm
2、さらには5〜30J/cm
2の範囲の線量の、リパーゼを活性化する前記放射を放射をできるようにするものであろう。
【0156】
これらのクロミックな現象および関連する化合物は、特に参考文献「Chromic Phenomena、Technological Applications of Colour Chemistry、Peter Bamfield、The Royal Society of Chemistry、2001」中に記載される。
【0157】
青色光を放射および/または濾光する代謝産物および有効成分
より具体的には、これらの物質は、特に光(可視、紫外線)に曝露された際に、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲の、最適なピークを450nm付近に有する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射する代謝産物または有効成分である。
【0158】
特に、
- 青色アントシアニン、
- 青色顔料または染料、
- りん光性の物質、
- 蛍光性の物質、
およびそれらの混合物、
を挙げることができる。
【0159】
特に、例えば、アルカリ性媒体中の3-カフェオイルキナ酸、エスクリン、エスクレチン、およびそれらの混合物等の青色アントシアニンを挙げることができる。
【0160】
青色顔料または染料としては、特に、インジゴチン、ブリリアントブルーFCF、ブルーテトラゾリウム、スピルリナブルー、アズレン、グアイアズレン、グルコン酸銅もしくは銅クロロフィリン等の銅誘導体、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0161】
可視光または紫外光によって励起され得るりん光性の物質としては、特に、りん光性の顔料を挙げることができる。
【0162】
用語「青色のりん光性の顔料」は、以下に列記する従来のりん光性の顔料と、特に光(可視、紫外線)に曝露された際に、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの波長を有し、最適なピークを450nm付近に有するりん光性の青色光を放射する、化粧品に許容される任意の物質とを意味するものと理解される。
【0163】
りん光性の顔料が存在することによって組成物に青色光の連続的な光源が提供され、りん光は日光中に通常存在する紫外線放射に対する曝露によって活性化され、その効果は数時間にわたって持続する。
【0164】
例として、特に、エクオリン(コエレントラジン)とカルシウムとの組合せを挙げることができる。
【0165】
蛍光性物質としては、特に、Cibaからのチノパル(Tinopal) SCBXS(4,4'-ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム)、スキムミン(skimmin)(ウンベリフェロンの配糖体の形態)、ルミクロムおよびそれらの混合物等の、青色の蛍光を生じる蛍光増白剤を挙げることができる。
【0166】
特に、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲の、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する前記光放射を放射および/または濾光する前記化合物は、アルカリ性媒体中の3-カフェオイルキナ酸、エスクリンまたはエスクレチン等の青色アントシアニン、インジゴチン、ブリリアントブルーFCF、ブルーテトラゾリウム、スピルリナブルー、アズレン、グアイアズレン、またはグルコン酸銅もしくは銅クロロフィリン等の銅誘導体等の青色顔料または染料、エクオリン(コエレントラジン)とカルシウムとの組合せ、または4,4'-ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム(CibaからのチノパルSCBXS)、スキムミン(ウンベリフェロンの配糖体の形態)、ルミクロムおよびそれらの混合物等の青色の蛍光を生じる蛍光増白剤から選択される。
【0167】
好ましい形態によれば、3-カフェオイルキナ酸、ブリリアントブルーFCF、銅誘導体およびそれらの混合物から選択される化合物が使用されよう。
【0168】
別の好ましい形態によれば、3-カフェオイルキナ酸、インジゴチン、ブルーテトラゾリウム、スピルリナブルー、アズレン、グアイアズレン、エクオリン(コエレントラジン)とカルシウムとの組合せ、4,4'-ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム(CibaからのチノパルSCBXS)、スキムミン(ウンベリフェロンから形成された配糖体)およびそれらの混合物から選択される化合物が使用されよう。
【0169】
完全に好ましい実施形態によれば、3-カフェオイルキナ酸が使用されよう。
【0170】
別の完全に好ましい実施形態によれば、ブリリアントブルーFCFが使用されよう。
【0171】
別の完全に好ましい実施形態によれば、銅誘導体が使用されよう。
【0172】
別の完全に好ましい実施形態によれば、インジゴチンが使用されよう。
【0173】
別の完全に好ましい実施形態によれば、ブルーテトラゾリウムが使用されよう。
【0174】
別の完全に好ましい実施形態によれば、スピルリナブルーが使用されよう。
【0175】
別の完全に好ましい実施形態によれば、アズレンが使用されよう。
【0176】
別の完全に好ましい実施形態によれば、グアイアズレンが使用されよう。
【0177】
別の完全に好ましい実施形態によれば、エクオリン(コエレントラジン)がカルシウムとの組合せが使用されよう。
【0178】
別の完全に好ましい実施形態によれば、4,4'-ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウムが使用されよう。
【0179】
別の完全に好ましい実施形態によれば、スキムミンが使用されよう。
【0180】
青色光を濾光する他の化合物
また、上記に置き換えて、および/またはリパーゼを活性化する光放射を放射する上述の化合物と組み合わせて、光を濾光してリパーゼを活性化する光放射を特異的に通過させることができる化合物を利用してもよい。
【0181】
例えば、プリズムとして作用し、かつ適切な屈折率が選択された際には白色光を放射された際にリパーゼを活性化する光放射(例えば400〜510nmの主波長を有する放射)を放射する特性を有する体積ホログラムが記録されているポリマーマトリックスを含むホログラフィック顔料を挙げることができる。これらの系は、本出願人企業により出願FR0758017中において記載されている。
【0182】
体積ホログラムは、入射光を、ホログラムのパラメータの関数である空間的かつスペクトル依存性を有する1つまたは複数の光線に変換する。
【0183】
体積ホログラムの例としては、出願EP 1 754 968 A2、およびサイトhttp://www.smartholograms.com/site/sections/technology/creating-sensors.htm、および出願EP 1 369 681 A1(特に
図1aおよび1bを参照)において開示されるような、物体光と参照光との両方として作用する単一レーザー光線を使用するホログラフィックフィルム中において得ることができる反射ホログラムである、「Denisyuk」型のホログラムがある。リパーゼを活性化する光放射を特異的に通過させるために、青色光を濾光するこれらの化合物を自然または人工光に対して曝露する必要がある。
【0184】
第1の形態によれば、特に光に曝露された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射および/または濾光する前記化合物は、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物を含む組成物中に存在する。
【0185】
他の形態によれば、特に光放射された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射および/または濾光する前記化合物は、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物を含む組成物とは別個の組成物中に存在する。
【0186】
リパーゼを活性化する光放射を放射および/または濾光するこれらの化合物は、リパーゼを活性化する光放射のある量を放射するおよび/またはリパーゼを活性化する光放射のある量の通過を確実とするのに十分な濃度において使用することができる。
【0187】
特に光に曝露された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射および/または濾光する前記化合物は、上記方法において使用される組成物のうち1つの中に、前記組成物の総重量に対して0.01〜20重量%、好ましくは前記組成物の総重量に対して0.1〜10重量%の範囲の含有量で存在する。
【0188】
リパーゼを活性化する光放射を放射および/または濾光するこれらの化合物は、0.1〜数十mWの発光の光束を確実とするのに十分な量で使用される。
【0189】
当業者であれば、前記化合物の特徴および所望の効果に従って、前記化合物によって放射されるこの光放射に対する曝露の継続時間を調整するであろう。
【0190】
純粋に例として、治療する皮膚および/または髪の領域は、皮膚および/または髪に送達される0.01〜200J/cm
2、好ましくは0.1〜30J/cm
2、より好ましくは1〜30J/cm
2、さらには5〜30J/cm
2の範囲の総エネルギー(線量)を受けることができる。
【0191】
さらなる本発明の主題は、生理学的に許容される媒体中に、
a)リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物、ならびに
b)特に光に曝露された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する少なくとも1つの光放射を放射および/または濾光する少なくとも1つの化合物
を含む組成物である。
【0192】
特に光に曝露された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する放射を放射および/または濾光する前記化合物は、上記に定義される通りである。
【0193】
特に、前記化合物は、特に光に曝露された際に、400〜510nm、好ましくは420〜500nm、より好ましくは430〜470nmの範囲の主波長を有する放射を放射および/または濾光する代謝産物および有効成分、光を濾光して青色光を特異的に通過させる化合物、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0194】
例えば、特に、アルカリ性媒体中の3-カフェオイルキナ酸、エスクリンまたはエスクレチン等の青色アントシアニン、インジゴチン、ブリリアントブルーFCF、ブルーテトラゾリウム、スピルリナブルー、アズレン、グアイアズレン、またはグルコン酸銅もしくは銅クロロフィリン等の銅誘導体等の青色顔料または染料、エクオリン(コエレントラジン)とカルシウムとの組合せ、または4,4'-ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、スキムミン(ウンベリフェロンの配糖体の形態)、ルミクロムおよびそれらの混合物等の青色の蛍光を生じる蛍光増白剤を挙げることができる。
【0195】
好ましくは、組成物は、3-カフェオイルキナ酸、ブリリアントブルーFCF、銅誘導体およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物を含むであろう。
【0196】
本発明の好ましい実施形態によれば、組成物は3-カフェオイルキナ酸を含むであろう。
【0197】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、組成物はブリリアントブルーFCFを含むであろう。
【0198】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、組成物は銅誘導体を含むであろう。
【0199】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物の例は上述の通りである。
【0200】
リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物は、好ましくは、組成物中に、前記組成物の総重量に対して0.001〜50重量%、好ましくは前記組成物の総重量に対して0.1〜30重量%の範囲の含有量で存在する。
【0201】
特に光に曝露された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射および/または濾光する化合物は、好ましくは、組成物中に、前記組成物の総重量に対して0.01〜20重量%の範囲の含有量で存在する。
【0202】
組成物は、美容または医薬組成物であってもよい。
【0203】
好ましくは、組成物は美容組成物であろう。
【0204】
第1の実施形態によれば、組成物は、皮膚および/または髪に対する局所的塗布を意図する。
【0205】
別の実施形態によれば、組成物は経口施用を意図する。
【0206】
好ましい形態によれば、本発明の組成物はさらに、例えば、トコフェロール、トコトリエノール、β-カロテン、バイカリン、フェルラ酸、フロレチンおよびそれらの混合物等の少なくとも1つの酸化防止剤、好ましくは光酸化防止剤を含む。好ましくは、前記組成物は、少なくともビタミンE(トコフェロール)およびその誘導体、好ましくは酢酸トコフェロールを含んでいてもよい。
【0207】
組成物は、溶媒、落屑剤およびそれらの混合物等の、前記化合物の浸透を促進する薬剤を含んでいてもよい。
【0208】
当業者であれば、これらの追加の成分の選択に関し、リパーゼを活性化する光放射を放射する装置の適用に適合するよう、かつ所望の特性に有害な影響を及ぼさないように配慮するであろう。
【0209】
さらなる本発明の主題は、
a)リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物と、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射および/または濾光することができる1つの化合物とを含む組成物、
b)第1の組成物中に存在する前記化合物が、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する前記光放射を放射および/または濾光することを可能とする、第1の装置
を含むキットである。
【0210】
代案によれば、本発明は、
a)リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物を含む第1の組成物、
b)リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射および/または濾光することができる化合物を含む第2の組成物、
c)任意選択で、第2の組成物中に存在する前記化合物が、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する前記光放射を放射および/または濾光することを可能とする、第1の装置
を含むキットにも関する。
【0211】
リパーゼを活性化する光放射を放射することができる化合物の場合、リパーゼを活性化する前記光放射を前記化合物によって放射させるために、第1の装置により前記化合物を励起する。
【0212】
特に、第1の装置は、第2の組成物中に存在する化合物の性質に従って可視光および/または紫外光の波長を呈する光放射を放射する装置であってもよい。装置は、白色光、着色光および紫外光から選択される光放射を放射することができる。好ましくは可視光、特に青色光であろう。
【0213】
リパーゼを活性化する光放射を濾光することができる化合物の場合、第1の装置は、概して、前記化合物によって濾光されることにより、リパーゼを活性化する光放射を与える光放射である。
【0214】
特定の形態によれば、上述のキットは、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射する第2の装置をさらに含んでいてもよい。
【0215】
本発明は、
a)リパーゼにより生物学的に変換可能な少なくとも1つの化合物を含む組成物、
b)リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射する装置、
を含むキットにも関する。
【0216】
リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する光放射を放射する装置は、特に、白色光を放射する装置とリパーゼを活性化する前記光放射(特に、青色光の発光スペクトルに対応する少なくとも1つの主波長を呈する光放射)を通過させる特定のフィルタとの組合せ、レーザー、IPL、LEDおよびそれらの組合せから選択される。
【0217】
リパーゼにより生物学的に変換可能な前記化合物は、上記に定義される通りである。
【0218】
特に光に曝露された際に、リパーゼを活性化する少なくとも1つの主波長を呈する放射を放射および/または濾光する化合物の例は、上述の通りである。
【0219】
好ましい形態によれば、キットの構成組成物またはキットの構成組成物の少なくとも1つは、少なくとも1つの酸化防止剤、好ましくは少なくとも1つの光酸化防止剤をさらに含む。
【0220】
このような酸化防止剤、好ましくは光酸化防止剤の例は、上述の通りである。
【0221】
本発明に従うキットは、美容用キットまたは医薬用キットであってもよい。
【0222】
これらのキットの構成組成物は、局所施用または経口施用を意図した組成物であってもよい。
【0223】
好ましくは、これらのキットの構成組成物は、局所的施用を意図した組成物であろう。
【0224】
配合
上記の、本発明に従う方法、組成物またはキットにおいて使用される組成物は、局所的および/または経口的な適用を意図したものである。
【0225】
組成物は、概して、生理学的に許容される媒体、すなわち皮膚および/またはその表面上の身体発育と適合性のある媒体を含む。好ましくは化粧品に許容される媒体、すなわち心地よい匂い、心地よい色および心地よい感触を呈し、かつ使用者がこの組成物の使用を思いとどまることになりかねない容認できない不快感(ずきずきする痛み、赤色のしみ、ぴんと張った感覚)を引き起こさない媒体である。
【0226】
経口的な、特に「経口的な美容用の」施用について、組成物は、特に、経口的に服用される、ハードゼラチンカプセル剤を含むカプセル剤、糖衣錠剤を含む錠剤、顆粒剤、チューインガム、ゲル剤、シロップ剤の形態、または当業者に既知の任意の他の形態で提供されてもよい。
【0227】
好ましくは、組成物は局所用の組成物である。
【0228】
用語「局所用の組成物」は、皮膚、粘膜または半粘膜、頭皮または髪を含む身体の任意の表面領域に対しての局所に対する塗布を意図した組成物を意味するものと理解される。
【0229】
皮膚に対する局所的塗布に関して、組成物は、任意選択でゲル化した水性、水/アルコール、もしくは油性溶液の形態、脂肪相を水相中に(O/W)もしくは逆に(W/O)分散させることによって得られる、乳剤型の流動体のもしくは半流動体の粘稠度を有するエマルションの形態、三重エマルション(W/O/WもしくはO/W/O)の形態、クリームもしくはゲル剤型の柔らかい、半固体のもしくは固体の粘稠度を有する懸濁液もしくはエマルションの形態、液状、ペースト状もしくは固体の無水物質の形態、マイクロエマルションの形態、マイクロカプセルの形態、微粒子の形態、イオン性の型(リポソームもしくはオレオソーム)および/もしくは非イオン性の型(ニオソーム)の気泡性の分散体の形態、ならびに/または微小な球体の分散体の形態であってもよい。
【0230】
また、フォーム状の形態、または加圧推進剤を含むスプレー剤もしくはエアゾール剤の形態、または貼付剤もしくは含浸パッドの形態の組成物を構想することも可能である。
【0231】
したがって、組成物は、ローション剤、セラム、乳剤、O/WまたはW/Oクリーム、ゲル剤、軟こう剤、こう薬、粉末、バルム剤、貼付剤、含浸パッド、石けん、棒状またはフォーム状の形態において提供することができる。
【0232】
対象とする身体の領域および所望の適用の強度に応じて、当業者であれば、種々の組成物形態から選択することができる。
- リパーゼを活性化する光放射に対して曝露された後も皮膚に適用された状態であることを意図した組成物。この組成物は、ローションもしくはゲルの型の分散体、脂肪相を水相中に(O/W)もしくは逆に(W/O)分散させることによって得られる、乳剤型の流動体のもしくは半流動体の粘稠度を有するエマルション、クリームもしくはゲル剤型の柔らかい、半固体のもしくは固体の粘稠度を有する懸濁液もしくはエマルション、多重エマルション(W/O/WまたはO/W/O)、マイクロエマルション、イオン性および/もしくは非イオン性の型の気泡性の分散体、またはロウ/水相分散体であってもよい。
- 治療する領域に対して使用者が特に適用できかつその後で続いて除去することができるクリームの形態におけるマスク、またはリパーゼにより生物学的に変換可能な化合物が含浸された貼付剤等の、リパーゼを活性化する光放射に対する曝露の継続時間中のみ皮膚と接触した状態にある組成物。この施用形態において、マスクまたは貼付剤は、リパーゼを活性化する光放射を通過させるために、十分に透明である必要がある。
【0233】
本発明の局所用の組成物は、リパーゼにより生物学的に変換可能な化合物を、組成物の総重量に対して優先的には0.001〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%の有効量で含む。
【0234】
特定の形態によれば、本発明の組成物は、例えば、トコフェロール、トコトリエノール、β-カロテン、バイカリン、フェルラ酸、フロレチンおよびそれらの混合物等の少なくとも1つの酸化防止剤、好ましくは光酸化防止剤をさらに含んでいてもよい。好ましくは、ビタミンE(トコフェロール)およびその誘導体、好ましくは酢酸トコフェロールが使用されよう。
【0235】
本発明の特定の形態によれば、本発明の主題である組合せの効果を補助するために、追加の経口的な治療と脂性肌および/またはニキビに対して活性のある化合物とを逐次的に併用することも可能である。
【0236】
以下に、本発明を下記の非限定的な例において例示する。