特許第5791915号(P5791915)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5791915-パイロット式スチームトラップ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5791915
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】パイロット式スチームトラップ
(51)【国際特許分類】
   F16T 1/14 20060101AFI20150917BHJP
【FI】
   F16T1/14 B
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2011-31408(P2011-31408)
(22)【出願日】2011年2月16日
(65)【公開番号】特開2012-167796(P2012-167796A)
(43)【公開日】2012年9月6日
【審査請求日】2014年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】浅田 哲夫
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−275850(JP,A)
【文献】 実開昭62−100514(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16T 1/14−1/16
F16K 1/00−1/54
F16K 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口が形成されたトラップケーシングと、入口と出口の間に形成された弁口と、弁口の入口側に配され弁口を開閉する弁体と、弁口の出口側に配され弁体を駆動するピストンと、ピストンの弁口とは反対側の一面に形成された圧力室と、圧力室を入口側に連通する第1オリフィスと、圧力室を出口側に連通する第2オリフィスと、第1オリフィスを開閉し圧力室内の圧力を制御してピストンを動作させるパイロット弁とを備え、弁口とピストンの間の出口側空間と出口とを隔てる隔壁筒を設け、隔壁筒に総開口面積が弁口面積と同等となる連通孔を等間隔に複数個形成したものにおいて、出口と直角方向の両側のみに連通孔を形成したことを特徴とするパイロット式スチームトラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するスチームトラップに関し、特にパイロット弁の開閉によってピストンを動作させるようにしたパイロット式スチームトラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパイロット式スチームトラップは、例えば特許文献1に開示されている。これは、入口と出口が形成されたトラップケーシングと、入口と出口の間に形成された弁口と、弁口の入口側に配され弁口を開閉する弁体と、弁口の出口側に配され弁体を駆動するピストンと、ピストンの弁口とは反対側の一面に形成された圧力室と、圧力室を入口側に連通する第1オリフィスと、圧力室を出口側に連通する第2オリフィスと、第1オリフィスを開閉し圧力室内の圧力を制御してピストンを動作させるパイロット弁とを備えたものにおいて、弁口とピストンの間の出口側空間と出口とを隔てる隔壁筒を設け、隔壁筒に総開口面積が弁口面積と同等となる連通孔を等間隔に複数個形成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−275850
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のパイロット式スチームトラップは、弁口とピストンの間の出口側空間と出口とを隔てる隔壁筒を設け、隔壁筒に総開口面積が弁口面積と同等となる連通孔を等間隔に複数個形成することにより、ピストンの傾斜を防止するものであるが、出口に対面する連通孔から流体が優先的に流出するためにピストンの傾斜を完全に防止することができず、改善の余地を残すものであった。
【0005】
したがって本発明が解決しようとする課題は、ピストンが傾斜することを防止できるパイロット式スチームトラップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のパイロット式スチームトラップは、入口と出口が形成されたトラップケーシングと、入口と出口の間に形成された弁口と、弁口の入口側に配され弁口を開閉する弁体と、弁口の出口側に配され弁体を駆動するピストンと、ピストンの弁口とは反対側の一面に形成された圧力室と、圧力室を入口側に連通する第1オリフィスと、圧力室を出口側に連通する第2オリフィスと、第1オリフィスを開閉し圧力室内の圧力を制御してピストンを動作させるパイロット弁とを備えたものにおいて、弁口とピストンの間の出口側空間と出口とを隔てる隔壁筒を設け、隔壁筒に総開口面積が弁口面積と同等となる連通孔を等間隔に複数個形成したものにおいて、出口と直角方向の両側のみに連通孔を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、隔壁筒に形成する複数個の連通孔を出口と直角方向の両側のみに形成したことにより、弁口から出口に向かう排出復水が隔壁筒内でピストンに均等に作用しながら連通孔から出口に排出され、ピストンが傾斜することを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係わるパイロット式スチームトラップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。本体1と本体1に固着された蓋2によりトラップケーシングが形成される。本体1に入口4と出口6が形成される。入口4と出口6は同一軸上に形成される。トラップケーシングの内部は仕切り壁3により入口4の連通する入口側空間5と出口6の連通する出口側空間7に仕切られる。入口側空間5の下部に異物捕捉用のスクリーン8が配置される。入口側空間5の上部にパイロット弁9が取付けられる。パイロット弁9は具体的な構造の図示を省略しているが、入口側空間5の温度に従って膨脹収縮する膨脹媒体によりダイヤフラムを変位せしめ、ダイヤフラムに連結した弁部材により下記の圧力室10に連通する第1オリフィス11を開閉するようにしたものである。
【0010】
出口側空間7にシリンダ12が配置される。入口側空間5と出口側空間7の間に弁座13が配置される。入口側空間5と出口側空間7は弁座13に開けられた弁口14により連通される。シリンダ12内に気密的に摺動するピストン16が配置され、弁口14の下方の入口側空間5側に弁口14を開閉する弁体17が配置される。弁体17は弁棒部18が弁座13を貫通し、更にピストン16を貫通して、ナット19によりピストン16に固定され、ピストン16により駆動される。ピストン16の弁口14とは反対側の一面に形成された上方空間が圧力室10を成し、第1オリフィス11によって入口側空間5に連通している。また圧力室10はピストン16を貫通する第2オリフィス20により出口側空間7に連通している。
【0011】
弁口14とピストン16の間の出口側空間7と出口6とを隔てる隔壁筒21を設け、隔壁筒21に総開口面積が弁口面積と同等となる連通孔22を出口6と直角方向の両側に紙面では手前側と向こう側に形成する。
【0012】
上記実施例の作動は下記の通りである。始動時は入口側空間5が低温であり、パイロット弁9の開弁により第1オリフィス11から圧力室10に導入される低温流体により圧力室10の圧力が高められ、ピストン16が下方に変位し、これに伴って弁体17が弁座13から離座して弁口14を開き、入口4からの復水を出口6へ排出する。弁口14から出口6に向かう排出復水が隔壁筒21内でピストン16に均等に作用しながら連通孔22から出口6に排出されるので、ピストン16が傾斜することを防止できる。復水の排出により入口側空間5が高温になると、パイロット弁9が第1オリフィス11を閉弁し、圧力室10の圧力が第2オリフィス20を通して次第に低下するので、圧力室10の圧力によりピストン16を下方に押し下げる力と、出口側空間7の圧力によりピストン16を上方に押し上げる力は相殺されるが、入口側空間5の圧力により弁体17を上方に押し上げる力が出口側空間7の圧力により弁体17を下方に押し下げる力と重力によりピストン16及び弁体17を下方に押し下げる力との合力よりも大きいため、ピストン16及び弁体17は上方に移動し、弁体17が弁口14を塞ぐ。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するパイロット式スチームトラップに利用することができる。
【符号の説明】
【0014】
1 本体
2 蓋
4 入口
5 入口側空間
6 出口
7 出口側空間
9 パイロット弁
10 圧力室
11 第1オリフィス
13 弁座
14 弁口
16 ピストン
17 弁体
20 第2オリフィス
21 隔壁筒
22 連通孔
図1