(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
計量した被包装物を複数に分割する分岐部を備え、この分岐部で複数に分割した一袋分の被包装物を、タイミングをずらせながら包装装置の異なる投入部から、包装袋に複数回に分けて充填する分岐充填機構を備えたことを特徴とする計量充填装置。
分岐充填機構は、計量した被包装物を一時的に滞留させるタイミングホッパーを備えると共に、集合シュートからの被包装物を二分割する二股分岐部を備え、この二股分岐部の一方の通路には、被包装物を包装袋に充填するファンネルを設け、他方の通路には、被包装物を一時待機させる待機ホッパーと、ゲートを備え被包装物を包装袋に充填する昇降ホッパーとを設けた、請求項1に記載の計量充填装置。
分岐充填機構は、計量した被包装物を複数の流路に分割する分岐部を備え、この分岐部の第1の通路には、被包装物を包装袋に充填するファンネルを設け、残りの通路には、被包装物の充填のタイミングを遅らせる複数の待機ホッパーが設けられた、請求項1に記載の計量充填装置。
分岐充填機構は、計量した被包装物を複数の流路に分割する分岐部を備え、この分岐部の第1の通路には、被包装物を包装袋に充填するファンネルを設け、残りの通路には、回転して被包装物の充填のタイミングを遅らせる回転ホッパーが設けられた、請求項1に記載の計量充填装置。
分岐充填機構は、計量した被包装物を複数の搬送路に分割する分岐部を備え、複数に分割された被包装物をそれぞれのレーンのオワンコンベアに積載して搬送し、前記オワンコンベアの先端を一ピッチずつ長くして被包装物の充填のタイミングを遅らせる複数連式のオワンコンベアを備えた、請求項1に記載の計量充填装置。
複数の計量器の中から、定められた目標重量に等しいか、最も近似する重量の複数の計量器の組合せを選択して集合シュートに一旦集め、集められた一袋分の被包装物を複数に分割し、この分割した被包装物を、一ピッチずつずらせた位置の投入部から、移動してくる同一の包装袋に順次充填する、請求項6に記載の計量充填方法。
計量した被包装物を一時的に滞留させるタイミングホッパーには、被包装物を遮断したり通過させたりするゲートを備え、このゲートは2枚のゲート体で構成され、この2個の各ゲート体は、各々独立に制御できるよう構成されている、請求項1に記載の計量充填装置。
計量した被包装物を複数に分割する分岐部を備え、この分岐部で複数に分割した一袋分の被包装物を、タイミングをずらせながら包装装置の異なる投入部から、包装袋に複数回に分けて充填する分岐充填機構を備えた計量充填装置の制御方法であって、
包装機において、包装袋の袋口をヘラにて拡開して袋口の拡開の成否を検知し、袋口の拡開に失敗した場合は、失敗した包装袋には被包装物の充填を停止し、下記のいずれかを選択すると共に、
1)装置を停止する、
2)袋口の拡開に失敗した包装袋を、包装機の系外へ搬出する、
3)袋口の拡開に失敗した包装袋を、包装機においてリサイクルして、再度、被包装物の充填をする、
計量器のゲートを開いて被包装物を計量器タイミングホッパーに滞留が完了している旨の完了信号が、既に、出力されていると、袋口の拡開に失敗した包装袋の次の包装袋の袋口が正常に拡開しているとき、計量器の投入信号は出力せず計量器タイミングホッパーのみ開くことを特徴とする計量充填装置の制御方法。
計量器が、何らかの理由で被包装物を排出せず、計量器タイミングホッパーに滞留が完了している旨の完了信号が出力されていない場合、袋口の拡開に失敗した包装袋の次の包装袋の袋口が正常に拡開しているとき、計量器の投入信号を出力する請求項9に記載の計量充填装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
以下において、本実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施例1の計量充填装置とロータリー式包装装置を組み合わせて設置した状態を示す平面図、
図2は実施例1の充填装置の正面図である。
【0019】
ロータリー式包装装置10は、円盤11の周囲に2本を1組とするクランプアーム7を備えており、各クランプアーム7の先端に取り付けたクランプ12はそれぞれ包装袋8の両側縁を挟持して吊下げ、一ピッチずつ間歇回転し、回転軌道における充填セクションに包装袋8が停止している間に、被包装物を充填する。本実施例1では、流体物のガセット袋8への充填、例えばペットフードのような粒体物を計量してジッパー付のガセット袋8へ充填する。
【0020】
ロータリー式包装装置10は45度毎に何らかの包装作業を行うことができ、袋取りセクションにおいて給袋装置から往復動する吸着装置を介してクランプアーム7のクランプ12に包装袋8の受け渡しが行われる。袋口開セクションで、真空吸盤により包装袋8の前後面を吸引しながら拡開して袋口を開口する。
【0021】
さらに、製品投入セクションで、本発明の計量充填装置13を用いて包装袋8内へ被包装物の充填が行われる。即ち、前記のように、間歇回転する包装袋8が充填セクションに達して停止すると、漏斗状のファンネル14がクランプアーム7で支持された包装袋8内に下降し、被包装物はファンネル14を介して包装袋8内に充填される。
【0022】
本実施例では、製品投入セクションが第一投入部15と第二投入部16の2つに分けられている。複数の計量器17の中から、最適な組合せが選択されて一回分が計量されると、この一回分の被包装物を2つに分けて、2箇所の第一投入部15と第二投入部16とから投入する。
【0023】
脱気セクションで包装袋8を押さえて包装袋8内の空気を追い出し、シールセクションでシーラにより袋口を閉じてシールする。搬出セクションで、ロータリー式包装装置の袋詰め装置から搬出する。
【0024】
次に、計量充填装置13について説明する。この実施例1の計量充填装置13は、上部に組合せ計量機の多数の計量器17が装備され、下部にこれらの計量器17から落下する被包装物を集める集合シュート18が配置され、この集合シュート18の底部に被包装物を遮断したり通過させたりする計量タイミングホッパー19が設けられている。
【0025】
さらに、計量タイミングホッパー19の下部に、二股分岐部20が設けられている。この二股分岐部20は、ズボンのような形状をしており、この分岐部20の上部に前記計量タイミングホッパー19が配備されており、この上部から斜め下方に伸びる二股分岐部20の一方の通路21がロータリー式包装装置10の第一投入部15に導かれるように配置され、他方の通路22が第二投入部16に導かれるように配置されている。
【0026】
一方の通路21の下端部には、ファンネル14が設けられ、このファンネル14は昇降動するように構成されており、第一投入部15に一時的に停止する包装袋8内に下降して被包装物を充填し、充填が完了するとクランプアーム7の回転を妨げないように上昇して包装袋8から離れる。
【0027】
他方の通路22の下部に、中間待機ホッパー23が設けられ、この中間待機ホッパー23にはゲート23Aを備えている。中間待機ホッパー23のさらに下部にシュート24が設けられ、このシュート24の下部に、昇降ホッパー25が取り付けられている。この昇降ホッパー25にはゲート25Aを備え、前記ファンネル14と同様に、第二投入部16に一時的に停止する包装袋8内に下降して残りの被包装物を充填し、充填が完了するとクランプアーム7の回転を妨げないように上昇して包装袋8から離れる。
【0028】
次に、上記実施例1の構成に関する動作について
図2の充填装置と
図3のタイムチャートを用いて説明する。
図3は包装袋8内に被包装物を充填するための計量充填装置のワンサイクルの動作を360°のタイムチャートとして表している。以下の度数はタイムチャートの角度を示している。
【0029】
上記組合せ計量機の複数の計量器17の中から、定められた目標重量に等しいか最も近似する重量の複数の計量器17の組合せを選択し、投入信号を発して(130°〜139°)、この選択された計量器17のゲートを開いて被包装物を集合シュート18に一旦集める。なお、一方の流路21に位置する包装袋8には先に流下した被包装物の半分が滞留しており、残りの半分の被包装物は中間待機ホッパー23に滞留している。
【0030】
ロータリー式包装装置10のクランプアーム7が旋回を開始する少し前の段階で(200°)、昇降ホッパー25を閉じ、中間待機ホッパー23のゲート23Aを開き、旋回中に(210°〜309°)、前記残り半分の被包装物を中間待機ホッパー23から昇降ホッパー25に移した後、中間待機ホッパー23を閉じる(310〜329)。なお、被包装物の投入信号を発した後(130°〜139°)、280°〜289°において計量器17からの被包装物の投入が完了し完了信号が発せられる。
【0031】
ロータリー式包装装置10が旋回して、第一投入部15に位置していた包装袋8が、間歇回転して第二投入部16に到着すると、昇降ホッパー25が下降して包装袋8内に入り込み、昇降ホッパー25のゲート25Aが開いて残り半分の被包装物が投入される(20°〜200°)。この第二投入部16に位置する包装袋8に投入された被包装物は一回分の被包装物そのものとなる。
【0032】
投入の完了信号が発せられた後(280°)、ロータリー式包装装置10が旋回を開始すると、第1投入部15の一つ前のセクションでは、新しい空の包装袋8の袋口を吸盤で吸着して拡開し、袋口内にヘラ(共に図示せず)を挿入して袋口を開きながら旋回し、ロータリー式包装装置10が間欠停止しても袋口はヘラにより開かれている(290°〜29°)。その間に、袋口開不良を検知する(320°)。以下では、袋口の開不良がなかった場合について説明するが、袋口開不良があった場合については、後に詳細に説明する。
【0033】
新しい空の包装袋8が、前記のようにヘラにより袋口を開いて第1投入部15のファンネル14の真下に停止すると、計量器タイミングホッパー19に信号が入力されて、計量器タイミングホッパー19のゲート19Aが開かれると同時に、ファンネル14が下降して包装袋8内に挿入される(330°〜359°)。計量器タイミングホッパー19に滞留していた被包装物は、二股分岐部20で約半分ずつに分割され、一方の通路21に流下した被包装物は、ファンネル14を通して第一投入部15に位置する新しい空の包装袋8にストレートに投入される。他方、二股分岐部20の他方の通路22に流下した残り半分の被包装物は、中間待機ホッパー23に滞留する(0°〜130°)。
【0034】
そして、前記最初の動作に戻って、同様な動作を繰り返えし、ロータリー式包装装置10のクリップアーム7に支持された包装袋8内に被包装物が次々に充填される。本実施例のように簡単な装置と動作で、1台の計量充填装置13の1回の計量動作で、約半分ずつの量を2回に分けてロータリー式包装装置10の2つのポジションで被包装物を投入するので、各ポジションでは2倍の通過能力を可能とした。このため、ジッパー付ガセット袋8をクランプアーム7で支持して開口部10がおちょぼ口状で狭くても、スムースにガセット袋8内に被包装物を充填することができる。
【0035】
次に、包装袋の袋口の拡開をミスした場合の充填装置の制御方法について説明する。
組合せ計量装置の複数の計量器17から計量器タイミングホッパー19及び二股分岐部20を介して、被包装物を第一投入部15と第二投入部16に投入する場合、計量器17への投入信号により、被包装物を計量器タイミングホッパー19に一旦受けた後、ゲート19Aを開いて一方の通路21と他方の通路22に比率やタイミングを制御しながら投入するが、この一連の振分けを1工程内で行うためには、投入信号は袋口開センサー等の信号を検知して袋口が完全に開く前の早いタイミングで出さざるを得ない。
【0036】
しかし、ジッパー袋等の場合は口元に働く真空センサーがONの信号を発しても、下部ジッパーが開いていない場合もある。また、静電気の強いラミ袋の場合、一旦袋口が開口した後、袋口にヘラが入る前に閉じてしまう場合がある。この時、計量器タイミングホッパー19のゲート19Aを開くと、被包装物が包装袋外に散逸して作業時間の多大なロスが発生する。
【0037】
そこで、例え、袋口の拡開をミスしたとしても、吸盤の真空センサーの投入信号だけではなく、その後、ヘラにて袋口が開いているか否かを判別して、計量器タイミングホッパー19で、被包装物の投入を制御して包装袋外8に被包装物が散逸することがないよう制御する。先ずその基本的な方法について説明する。
【0038】
(1) 計量器17への投入信号を出力し、計量器17のゲートを開いて被包装物を集合シュート18に一旦集め、計量器タイミングホッパー19に滞留させておく。
(2) 計量器タイミングホッパー19を開く前に、ヘラにて袋口が開いているか否かを検知する。
1)袋口が開いておらず、ヘラが袋口に入っていなければ、装置を停止するか、系外に搬出するか、包装袋8をリサイクルして再度被包装物を充填する。
2)ヘラが袋口に入っていれば、計量器タイミングホッパー19を開いて通常の充填動作を行う。
【0039】
(3)前記ヘラが袋口に入らなかった場合の後の包装袋の処理工程
1)計量器17への投入信号を出力し、計量器17のゲートを開いて被包装物を計量器タイミングホッパー19に滞留が完了している旨の完了信号が出力されている場合。
拡開をミスした包装袋の次の包装袋の袋口が正常に
拡開しているとき、計量器タイミングホッパー19に被包装物が滞留しているため、計量器17の投入信号は出力せず計量器タイミングホッパー19のみ開く。
【0040】
2)何らかの理由で、計量器17が被包装物を排出せず、計量器タイミングホッパー19に滞留が完了している旨の完了信号が出力されていない場合。
拡開をミスした包装袋の次の包装袋の袋口が正常に
拡開しているとき、計量器タイミングホッパー19に被包装物が滞留していないため、計量器17の投入信号は出力して、計量器タイミングホッパー19が開く。
【0041】
次に、図面によりさらに詳細に説明する。
図5は、袋口の拡開をミスした場合の充填装置を制御するためのタイムチャートを示している。
図4の(1)は、
図5の320°において、ヘラが袋口に適正に入らなかったことを検知した状態を図示している。被包装物が計量器タイミングホッパー19に滞留し、ロータリー式包装装置10のクランプアーム7が旋回中である。包装袋(A)は被包装物の充填が完了して次のセクションに移動中で、包装袋(B)は、第二投入部16に移動途中で、既に約半分の被包装物が充填され、残り半分は昇降ホッパー25に滞留している。袋口の拡開をミスした包装袋(C)は第一投入部15に移動中である。
【0042】
図4の(2)は
図5のタイムチャートの20°〜130°の状態を示している。第一投入部15に位置する包装袋(C)にはファンネル14が挿入されているが、被包装物が包装袋(C)外にこぼれ出るため、計量器タイミングホッパー19のゲート19Aは閉じられたままである。
図3のタイムチャートでは330°〜130°の間で計量器タイミングホッパー19のゲート19Aは開かれているが、袋口の拡開をミスした場合はゲート19Aは閉じられたままである。なお、包装袋(B)は、第二投入部16に位置し、昇降ホッパー25が下降して袋口内に挿入され、残り半分の被包装物が流下して充填している。
【0043】
図3のタイムチャートでは130°〜139°で投入信号を発して、計量器17のゲートを開いて被包装物を集合シュート18に一旦集めるが、
図5のタイムチャートでは、計量器タイミングホッパー19に被包装物が滞留しているので、投入信号は出力しない。
【0044】
ただし、何らかの理由で、計量器17が被包装物を排出せず、計量器タイミングホッパー19に滞留が完了している旨の完了信号が280°において出力されていない場合、次の包装袋(D)の袋口が正常に
拡開しているとき、計量器タイミングホッパー19に被包装物が滞留していないため、計量器17の投入信号は出力する。
【0045】
さらに、
図5のタイムチャートでは210°でロータリー式包装装置10が旋回を開始し、320°で、ヘラが袋口を適正に拡開したか否かの袋口開不良を検知する。適正に包装袋(D)の袋口が拡開していれば、
図3のタイムチャートに従って330°で計量器タイミングホッパー19のゲート19Aを開いて、流下させずに滞留させていた計量器タイミングホッパー19の被包装物を、二股分岐部20に投下する。
図4の(3)のように、0°でロータリー式包装装置10の旋回が停止し、被包装物が流下を開始する。その後、二股分岐部20で被包装物が約半分ずつに分流し、一方の通路21に流下した被包装物は、ファンネル14を通して第一投入部15に位置する新しい空の包装袋(D)にストレートに投入される。他方、二股分岐部20の他方の通路22に流下した残り半分の被包装物は、中間待機ホッパー23に滞留する(0°〜200°)。
【0046】
図5のタイムチャートでは210°〜359°の間で、ロータリー式包装装置10が旋回して、第一投入部15に位置していた拡開ミスの包装袋(C)が、間歇回転して第二投入部16に停止すると、昇降ホッパー25が下降して包装袋(C)内に挿入され、昇降ホッパー25のゲート25Aは開くが、昇降ホッパー25には被包装物が滞留していないため、第二投入部16に位置する拡開ミスの包装袋(C)には被包装物は投入されず、被包装物が包装袋(C)外に散逸することが無い。この拡開ミスの包装袋(C)は、ロータリー式包装装置10が旋回し、袋リサイクルにより被包装物を再充填してもよい。また、特定のセクションでこの拡開をミスした包装袋8を系外に排出してもよいし、拡開ミスを検知した時点(320°)で包装機を停止して警報を発してもよい。
【0047】
さらに、ロータリー式包装装置10が旋回して第二投入部16に位置する拡開ミスの包装袋(C)が第二投入部16の次のセクションに移動し、第二投入部16の位置に被包装物が半分充填された包装袋(D)が到達すると、昇降ホッパー25に移動していた残り半分の被包装物が投入されると、充填装置は正常な状態にもどり、
図3のタイムチャートの130°に至る。袋口開不良検知により、袋口の拡開ミスが検知されない限り、
図3のタイムチャートを実施し、ミスが検知されたり、ミスが繰り替えされた場合は、
図5のタイムチャートを実施する。
【0048】
この実施例1では、多数の計量器17を装備する計量充填装置13を例に説明したが、本発明は、このように多数の計量器17を装備する計量充填装置13に限定されるものではなく、単数の計量器17で被包装物を計量するものや、計量器17を装備せず、作業者が計量した被包装物を集合シュート18に投入するようなものであってもよい。なお、下記する実施例においても、この計量器17については同様であって、図示するようなものには限定されない。
また、包装袋の袋口の拡開をミスした場合の充填装置の制御方法はこの実施例1で説明したが、下記の実施例でも応用することができる。
【実施例2】
【0049】
図6は実施例2の充填装置の正面図である。この実施例2は、前記実施例1の変形例である。従って、この実施例2は前記実施例1と相違する点について説明して、同一の構成については符号を同じくして詳細な説明は省略する。
【0050】
前記実施例1では、二股分岐部20の他方の通路22に、中間待機ホッパー23と昇降ホッパー25とが設けられて、被包装物の投入のタイミングを遅らせていたが、この実施例2では上段と下段の二段の中間待機ホッパー23A、23Bを設け、下段の中間待機ホッパー23Bの下部にファンネル14を設けている。
【0051】
この実施例2では、計量器タイミングホッパー19のゲート19Aが開いて、一回分の被包装物は二股分岐部20で約半分ずつに分割され、一方の通路21に流下した被包装物は、ファンネル14を通して第一投入部15に位置する包装袋8にストレートに投入される。他方、二股分岐部20の他方の通路22に流下した残り半分の被包装物は、上段の中間待機ホッパー23Aに滞留される。
【0052】
第一投入部15に位置する包装袋8が間歇回転して第二投入部16に来る前に、上段の中間待機ホッパー23Aを開き、被包装物を下段の中間待機ホッパー23Bに滞留させる。
【0053】
第一投入部15に位置する包装袋8が間歇回転して第二投入部16に停止すると、計量器タイミングホッパー19のゲート19Aが開くと同時に、下段の中間待機ホッパー23Bが開き、それまで滞留させていた残りの約半分の被包装物を包装袋8に充填して充填は完了する。
【0054】
ちなみに、後続の第一投入部15に位置する包装袋8には、2回目のゲート19Aが開いた際に投入された約半分の被包装物が充填され、残りの約半分の被包装物は上段の中間待機ホッパー23Aに滞留する。さらに、上段の中間待機ホッパー23Aを開き、被包装物を下段の中間待機ホッパー23Bに滞留させ、包装袋8が第二投入部16に来ると、下段の中間待機ホッパー23Bを開いて残りの約半分の被包装物を充填する。以上のような動作を繰り返して被包装物を包装袋8に充填する。
【0055】
この実施例2では、集合シュート18の下部に二股分岐部20を設置したが、二股分岐部20を三股分岐部にしてもよく、二股分岐部20に限定されない。三股分岐部にした場合は、三本の通路のうち、最初の通路には中間待機ホッパーを設けず、中間の通路には、二段の中間待機ホッパーを設け、最後の通路には、三段の中間待機ホッパーを設ける。分岐が多くなればなるほど、中間待機ホッパーを増やしていく。
【実施例3】
【0056】
図7は本発明の実施例3の計量充填装置とロータリー式包装装置を組み合わせた平面図、
図8は計量充填装置の正面図である。ロータリー式包装装置は実施例1と同じであるので、符号を同じくして詳細は省略する。
【0057】
この実施例3の計量充填装置は、上部に多数の計量器30が装備され、下部にこれらの計量器30から落下する流体物を集める集合シュート31が配置され、この集合シュート31の底部に流体物を遮断したり通過させたりする三方タイミングホッパー32が設けられている。
【0058】
前記三方タイミングホッパー32の下部に、三股分岐部33が配置されている。この三股分岐部33の第1の通路33Aの下部には、昇降動するファンネル34が配置され、このファンネル34はロータリー式包装装置10の第一投入部36に位置する包装袋37Aに被包装物を充填する。
【0059】
三股分岐部33の第2の通路33Bの下部には、二方回転ホッパー38が取り付けられ、ロータリー式包装装置10の旋回に合わせて180度ずつ間歇回転する。この二方回転ホッパー38の一方のホッパー38Aがロータリー式包装装置10の第二投入部39に位置し、他方のホッパー38Bは三股分岐部33の第2の通路33Bの下部に位置する。この二方回転ホッパー38は回転して、一方と他方が交互に入れ替わる。前記第二投入部39の一方の二方向回転ホッパー38の下部には、昇降動するファンネル40が設けられている。
【0060】
三股分岐部33の第3の通路33Cの下部には、三方回転ホッパー41が取り付けられ、ロータリー式包装装置10の旋回に合わせて120度ずつ間歇回転する。この三方回転ホッパー41の3つのホッパーの内の第1のホッパー41Aは三股分岐部33の第3の通路33Cの下部に位置し、第2のホッパー41Bはフリーな位置に有り、さらに、第3のホッパー41Cはロータリー式包装装置10の第三投入部42に位置する。第1、第2、第3のホッパー41A,41B、41Cは平面視において正三角形となる位置にあり、各ホッパーは順に回転しながら入れ替わる。第3のホッパー41Cの下部には、ファンネル43が設けられ、このファンネル43が下降して包装袋37C内に入り込み、被包装物が充填される。
【0061】
次に、上記実施例3の構成に関する作動について説明する。
実施例1と同様、上記計量充填装置の複数の計量器30の中から、定められた目標重量に等しいか最も近似する重量の複数の計量器30の組合せを選択し、この選択された計量器30のゲート30Aを開いて集合シュート31に一旦集める。三股分岐部の第1の通路33Aのファンネル34が下降して包装袋37A内に挿入されると同時に投入信号が入力されて、三方タイミングホッパー32のゲート32Aを開いて、三股分岐部33に被包装物を流下させる。
【0062】
三股分岐部33に流下した被包装物は、均等ではないが略三等分に分割される。三股分岐部33に流下した被包装物はファンネル34を介して直接にロータリー式包装装置10の第一投入部36に位置する包装袋37Aに投入される。
【0063】
三股分岐部33の第2の通路33Bに流下した被包装物は、二方回転ホッパー38の他方のホッパー38Bに滞留して待機する。さらに、三股分岐部33の第3の通路33Cに流下した被包装物は、三股分岐部33の第3の通路33Cの下部の第1のホッパー41Aに滞留して待機する。
【0064】
ロータリー式包装装置10の第一投入部36に位置する包装袋37Aに被包装物の投入が完了すると、ファンネル34が上昇してロータリー式包装装置10の円盤11が一ピッチ分間歇回転する。円盤11の回転に合わせて、同時に二方回転ホッパー38と三方回転ホッパー41が一ピッチ回転する。二方回転ホッパー38の回転により、被包装物が充填された他方のホッパー38Bが第二投入部39のファンネル40の上部に来るので、他方のホッパー38Bのゲートを開いて、既に第一投入部36で略1/3の被包装物が投入された包装袋37Aに二方回転ホッパー38の略1/3の被包装物を投入して略2/3の被包装物の充填が完了する。
【0065】
前記のように、ロータリー式包装装置10が一ピッチ間歇回転する間に三方タイミングホッパー32のゲート32Aが開き、後続の包装袋37Dに、三股分岐部33の第1の通路33Aからファンネル34を介して直接に被包装物が投入される。同時に二方回転ホッパー38と三方回転ホッパー41が一ピッチ回転して空になっているホッパー38A,41Cに被包装物が充填される。三方回転ホッパー41の被包装物が充填されたホッパー41Aはフリーな位置に有る。
【0066】
さらに、ファンネル34,40が上昇してロータリー式包装装置の円盤11が一ピッチ分間歇回転すると、前記の略2/3の被包装物が充填された包装袋37Aが第三投入部42に位置することになる。三方回転ホッパー41の残りの略1/3の被包装物が滞留したホッパー41Aは一ピッチ回転して第三投入部42に位置するので、ファンネル43が下降して包装袋37A内に入り込むと、前記ホッパー41Aのゲートを開いて、3分割された全ての被包装物を包装袋37A内に充填する。
【0067】
このように、ロータリー式包装装置10、二方回転ホッパー38、三方回転ホッパー41が一ピッチ間歇回転するごとに、三股分岐部33から3分割された被包装物が二方回転ホッパー38では一ピッチ、三方回転ホッパー41では二ピッチ遅らせながらロータリー式包装装置10の3つのポジション36,39,42で被包装物を分割しながら投入されるので、3倍の通過充填能力が実現でき充填効率が向上する。
【0068】
なお、この実施例3は、被包装物が三股分岐部33で3分割されているが、本発明は2分割されたものであってもよい。即ち、三股分岐部33を二股とし、三方回転ホッパー41を省略して、二方回転ホッパーだけを二股分岐部の一方に設けるようにする。この場合は2倍の通過量を実現できる。
【実施例4】
【0069】
図9は本発明の実施例4の計量充填装置とロータリー式包装装置を組み合わせた平面図、
図10は計量充填装置の側面図、
図11は計量充填装置の正面図である。なお、以下の説明において、ロータリー式包装装置は実施例1と同じであるので、符号を同じくして詳細は省略する。
【0070】
この実施例の計量充填装置50は、上部に多数の計量器51が装備され、下部にこれらの計量器51から落下する流体物を集める集合シュート52が配置され、この集合シュート52の底部に流体物の流下を遮断したり通過させたりする三方タイミングホッパー53が設けられている。これらの構成は前記実施例3と同じである。
【0071】
さらに、前記三方タイミングホッパー53の下部に、三股分岐部54が配置され、この三股分岐部54の下部には三連式オワンコンベア55が配置されている。三股分岐部54は、前記三方タイミングホッパー53で略三等分に振り分けられた被包装物を三連式オワンコンベア55の横三列に配置されたオワン56に被包装物を振り分ける。
【0072】
一般的なオワンコンベアは、複数のオワンがベルトコンベアに取り付けられ、コンベアの回転と共にそれぞれのオワンが移動し、ベルトコンベアが先端部でターンして、ひっくり返る際に、オワンに入れられた物が落下して目的の位置に運搬物を搬送する。
【0073】
この実施例4の三連式オワンコンベア55は、オワンコンベアが並行に三連配置されており、
図11に示すように、計量充填装置50側からロータリー式包装装置10側にかけて登り勾配の段状になっている。このコンベア55の手前の平坦な部分の上部に前記計量充填装置50が配置され、この計量充填装置50の三股分岐部54の下端がオワン56の上部に近接している。三連のレーン55A,55B,55Cは、それぞれ駆動モータ63で駆動される。
【0074】
三連式オワンコンベア55の先端側は、ロータリー式包装装置10の円盤11の外周縁上部に位置し、それぞれ配置された三連のレーン55A,55B,55Cが、ロータリー式包装装置10の第一投入部57、第二投入部58、第三投入部59の真上に位置する。第一投入部57は、三連式オワンコンベア55に最も近く、第二投入部58、第三投入部59と一ピッチずつ遠ざかる。従って、それぞれの三連のレーン55A,55B,55Cの先端が、第1、第2、第三投入部57,58,59に合わせて一ピッチ分だけ長さが異なる。即ち、第2のレーン55Bは第1のレーン55Aに比べて、第3のレーン55Cは第2のレーン55Bに比べてそれぞれ一ピッチ分だけ長い。従って、第2のレーン55Bは第1のレーン55Aに比べて一ピッチ分だけ投入のタイミングが遅くなり、第3のレーン55Cは第1のレーン55Aに比べて二ピッチ分だけ投入のタイミングが遅くなる。
【0075】
三連式オワンコンベア55の各レーン55A,55B,55Cの先端下部には、オワン56から落下した被包装物を受ける固定シュート60が配置され、この固定シュート60の下部に、さらに昇降動して包装袋62に入り込んで被包装物を包装袋62に充填するファンネル61が配置されている。
【0076】
次に、上記実施例4の計量充填装置の作動を説明する。
上記計量充填装置50の複数の計量器51の中から、定められた目標重量に等しいか、最も近似する重量の複数の計量器51の組合せを選択し、この選択された計量器51のゲートを開いて集合シュート52に一旦集める。三連式オワンコンベア55の空のオワン56が三股分岐部54の真下に位置する時、三方タイミングホッパー53のゲート53Aが開き、三股分岐部54に被包装物が略三等分されて流下する。被包装物は集合シュート52から三方タイミングホッパー53に流下した時に、凡そ三等分されて三連式オワンコンベア55の空の各オワン56に載せられる。
【0077】
オワン56に載せられた被包装物は三連式オワンコンベア55でロータリー式包装装置10側に搬送される。そして、三連のレーンの内、第1のレーン55Aの長さが一番短いため、最初にロータリー式包装装置10の第一投入部57に到着し、コンベア上のオワン56が先端でターンする際にオワン56が逆さまになって被包装物が落下して固定シュートで受けられると直ぐに、包装袋62内に入り込んでいるファンネル61から被包装物が充填される。
【0078】
三連式オワンコンベア55の第1のレーン55Aで被包装物の投入が完了すると、ロータリー式包装装置10の円盤11が一ピッチ分回転すると同時に、第2のレーン55Bの被包装物の入ったオワン56がワンステップ遅れて、ロータリー式包装装置の第二投入部58に到着する。前記のように第二投入部58には、先に第1のレーン55Aで被包装物が投入された包装袋62が到着しているので、第2のレーン55Bのターンするオワン56から、被包装物が落下して固定シュート60及びファンネル61を介して包装袋62内に充填される。これで、三股分岐部54で分割された被包装物の2/3が包装袋62に充填される。
【0079】
前記のようにして第二投入部58で被包装物の投入が完了すると、ロータリー式包装装置10の円盤11がさらに一ピッチ分回転し、略2/3の被包装物が充填された包装袋62が第三投入部59に到着する。第3のレーン55Cのオワン56がツーステップ遅れて、ロータリー式包装装置の第三投入部59に到着するので、最後の略1/3の被包装物を第3のレーン55Cのオワン56から固定シュート60及びファンネル61を介して包装袋62に投入する。これで、三股分岐部54で三分割された被包装物の包装袋62への充填は完了する。これを間断なく繰り返すことにより、スムースに包装袋内に被包装物を充填することができる。
【0080】
この実施例4のコンベアは三連式としたが、二連式であってもかまわない。その場合は二方タイミングホッパー、二股分岐部を使用することとなる。また、前記実施例1−4はロータリー式包装装置10を用いた例で説明したが、本発明はこのようなロータリー式の包装装置10である必要はなく、直線状の包装装置であってもよい。
【0081】
図12は計量充填装置の他の実施例を示す正面図である。この
図12の計量充填装置は前記実施例1の計量充填装置と基本的構成が同一であるので、同一の構成については同一の図面の符号を使用して説明する。
【0082】
この実施例1の計量充填装置13は、上部に装備された組合せ計量装置の多数の計量器17は省略している。しかし、この実施例では、組合せ計量装置に限定するものではない。
図示しない前記計量器17の下部に、これらの計量器17から落下する被包装物を集める集合シュート18が配置され、この集合シュート18の底部に被包装物を遮断したり通過させたりする計量タイミングホッパー19が設けられている。この実施例の計量充填装置13は、この計量タイミングホッパー19のゲート70が前記実施例1のゲート19Aと相違しているが、このゲート70については、詳細は後述する。
【0083】
さらに、計量タイミングホッパー19の下部に、二股分岐部20が設けられている。この二股分岐部20は、実施例1の二股分岐部20の形状とは異なるが、この二股分岐部20の形状は被包装物を投下するロータリー式包装機の投入ポジションに対応させて形成したものである。
【0084】
この上部から斜め下方に伸びる二股分岐部20の一方の通路21がロータリー式包装装置10の第一投入部15に導かれるように配置され、他方の通路22が第二投入部16に導かれるように配置されている点は実施例1と同じである。
【0085】
一方の通路21の下端部には、実施例1と同様なファンネル14が設けられている。このファンネル14も昇降動するように構成されており、第一投入部15に一時的に停止する包装袋8内に下降して被包装物を充填し、充填が完了するとクランプアーム7の回転を妨げないように上昇して包装袋8から離れる。
【0086】
他方の通路22の下部に、中間待機ホッパー23が設けられている。この中間待機ホッパー23にもゲート23Aを備えているが、前記実施例1のゲート23Aはワニ口状に左右2枚のゲート体23aが開閉するよう構成されていたが、この実施例のゲート23Aは1片のゲート体23aがエアーシリンダ71によって軸を中心に回動して他方の通路22を開閉するよう構成されている。
【0087】
中間待機ホッパー23のさらに下部に実施例1と同様に昇降ホッパー25が取り付けられている。この昇降ホッパー25にはゲート25Aを備え、前記ファンネル14と同様に、第二投入部16に一時的に停止する包装袋8内に下降して残りの被包装物を充填し、充填が完了するとクランプアーム7の回転を妨げないように上昇して包装袋8から離れる。
【0088】
次に、前記のように、この実施例の計量タイミングホッパー19のゲート70の相違点について説明する。ゲート70は実施例1と同様に2枚のゲート体70A,70Bで構成されているが、この2枚の各ゲート体70A,70Bは、2本のエアーシリンダ72,73により、各々独立に制御できるよう構成されている。
【0089】
一方の通路21を開閉する一方のゲート体70Aは、一方のエアーシリンダ73により作動し、他方の通路22を開閉する他方のゲート体70Bは他方のエアーシリンダ72により作動する。このように、左右のゲート体70A,70Bを各々制御することにより、一方の通路21と他方の通路22に対する被包装物の投入比率と投入のタイミングを制御することができる。即ち、ゲート体70A、70Bを早く開けばそちらの通路へは被包装物を早く、多く落とし込むことができ、遅ければ被包装物は遅く、少なく落し込むことができる。
【0090】
以上のようにして、ゲート体70A、70Bを制御して第1投入部15と第2投入部16に投入する被包装物の投入比率と投入のタイミングを制御することにより、例えば、ファンネル14における被包装物の詰まりを防止するために、一方の通路21に投入する被包装物の量を他方の通路より少なくしたり、一方の通路のゲート体を開くタイミングを早くして投入時間を長く設定するこくとにより、粒体物、顆粒物等、被包装物の種類に応じて投入を制御することができる。場合によっては、片側の通路だけに被包装物を通過させるようにすることも可能である。