(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の画像処理装置(特許文献1乃至特許文献3等)においては、画像処理または画像修正が終わらないと次の画像読み取りが実行できず、画像読取装置を効率的に動作させながら画像の修正を行なうことができないという問題点を有していた。そのため、当該従来の画像処理装置においては、画像読取装置の性能がどんなに優れていたとしてもその性能を生かしきれないという問題点を有していた。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、複数枚の原稿の連続読み取りをする場合に、原稿の連続読み取りと、読み取られた原稿に対する画像処理と、を独立して並列的に動作させるため、画像処理に時間がかかる場合でも、連続読取処理に対する画像処理の影響が除去され、画像読み取りを効率的に実行させることで画像の読取性能を生かすことができる画像処理装置、画像処理方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、画像読取部と画像処理部とを備え、上記画像読取部により複数枚の原稿を連続読み取りする場合に、上記画像読取部による上記原稿の連続読み取りと、上記読み取られた上記原稿に対する上記画像処理部による画像処理と、が並列的に動作することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像処理装置は、上記記載の画像処理装置において、上記画像読取部により読み取られた上記原稿の画像である処理前画像を記憶する処理前画像記憶部と、上記読み取られた上記原稿に対する上記画像処理部による上記画像処理後の画像である処理後画像を記憶する処理後画像記憶部と、上記処理後画像を表示する処理結果表示部と、上記処理前画像に対して修正を行う画像修正部と、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像処理装置は、上記記載の画像処理装置において、上記処理結果表示部、または、上記画像修正部は、上記処理前画像、および/または、上記処理後画像を一覧表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の画像処理装置は、上記記載の画像処理装置において、上記処理前画像記憶部は、上記処理前画像に対する一意の識別情報である処理前画像識別情報を付与して記憶し、上記処理後画像記憶部は、上記処理後画像に対する上記一意の識別情報である処理後画像識別情報を付与して記憶し、上記処理結果表示部、または、上記画像修正部の少なくとも一つは、上記処理前画像識別情報および/または上記処理後画像識別情報に基づき、当該処理前画像識別情報および/または当該処理後画像識別情報に対応する上記画像を選択可能であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像処理装置は、上記記載の画像処理装置において、上記処理結果表示部、または、上記画像修正部の少なくとも一つは、上記処理前画像と、上記処理後画像と、の類似性に基づき、上記画像を選択可能であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像処理装置は、上記記載の画像処理装置において、2以上の上記画像読取部を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像処理方法は、画像読取部と画像処理部とを備えた画像処理装置の上記画像処理部において実行される、上記画像読取部により複数枚の原稿を連続読み取りする場合に、上記画像読取部による上記原稿の連続読み取りと並列的に、上記読み取られた上記原稿に対する画像処理を行う画像処理ステップ、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のプログラムは、画像読取部と画像処理部とを備えた画像処理装置の上記画像処理部において、上記画像読取部により複数枚の原稿を連続読み取りする場合に、上記画像読取部による上記原稿の連続読み取りと並列的に、上記読み取られた上記原稿に対する画像処理を行う画像処理ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、画像読取部により複数枚の原稿を連続読み取りする場合に、画像読取部による原稿の連続読み取りと、読み取られた原稿に対する画像処理と、が並列的に動作するので、画像処理の精度向上を行なっても、読取性能に影響を出さないようにすることができるという効果を奏する。
【0018】
また、この発明によれば、画像読取部により読み取られた原稿に対する画像処理後の画像である処理後画像を表示し、読み取られた原稿の画像である処理前画像に対して修正を行うので、画像読取部から取得した、画像処理を行う前の画像を別途保存しておき、画像処理および画像修正では当該別途保存した画像を使うことで、画像読取と画像処理および修正処理とを独立して動作させることができるという効果を奏する。これにより、この発明によれば、画像読取部の性能を生かしながら、ユーザが簡単に修正可能な機能を提供することができるという効果を奏する。
【0019】
また、この発明によれば、処理前画像、および/または、処理後画像を一覧表示するので、原画像よりもサイズの小さいサムネイルを表示することができ、ユーザが画像読取部により読み取られた原稿全体を把握することができるという効果を奏する。更に、この発明によれば、処理前画像、および/または、処理後画像のサムネイルを作成することで、画像表示を高速化することができるという効果を奏する。
【0020】
また、この発明によれば、処理前画像に対する一意の識別情報である処理前画像識別情報および/または処理後画像に対する一意の識別情報である処理後画像識別情報に基づき、当該処理前画像識別情報および/または当該処理後画像識別情報に対応する画像を選択可能であるので、ユーザがメール等のアプリケーションに画像を転送した後に、設定を間違えた、または、画像判定がうまくいかなかったことに気付いた場合、画像に付加したIDから処理前画像を探しだすことができ、再度画像変更が可能となるという効果を奏する。
【0021】
また、この発明によれば、処理前画像と、処理後画像と、の類似性に基づき、画像を選択可能であるので、再度画像変更したい処理前画像と、保存している処理後画像のサムネイルと、の類似性を判断することで、再度画像変更したい画像を高速で探し出すことができるという効果を奏する。例えば、この発明によれば、画像修正可能なアプリケーションにて画像を修正する際に、画像に付加したIDが消えてしまった場合に、画像修正したい画像を高速で探し出すことができるという効果を奏する。
【0022】
また、この発明によれば、2以上の画像読取部を備えているので、短時間に大量の画像読取に対応することができるという効果を奏する。また、この発明によれば、例えば、1枚もしくは複数の原稿を読み取ることができるシートフィーダスキャナ、本などを読み取ることができるフラットベッドスキャナもしくはオーバヘッドスキャナ、または、写真を撮ることができるカメラ等の画像読取部を組み合わせて使用することができ、効率的な画像読み取りができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
[本発明の実施の形態の概要]
以下、本発明の実施の形態の概要について
図1を参照して説明し、その後、本実施の形態の構成および処理等について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の基本原理を示すフローチャートである。
【0026】
本実施の形態は、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すなわち、本実施の形態の画像処理装置の制御部は、
図1に示すように、ユーザにより複数枚の原稿がセットされた画像読取部に、原稿の画像の連続読み取りを要求し、読み取られた原稿の画像を取得する(ステップSA−1)。
【0027】
そして、本画像処理装置の制御部は、画像読取部により読み取られた原稿の画像である処理前画像を記憶部に格納する(ステップSA−2)。
【0028】
そして、本画像処理装置の制御部は、記憶部に記憶された処理前画像にアクセスし、当該処理前画像を取得する(ステップSA−3)。
【0029】
そして、本画像処理装置の制御部は、取得した処理前画像に対して画像処理を実行する(ステップSA−4)。
【0030】
そして、本画像処理装置の制御部は、画像読取部に原稿が残っているか否か判定する(ステップSA−5)。
【0031】
そして、本画像処理装置の制御部は、ステップSA−5にて画像読取部に原稿が残っていると判定した場合(ステップSA−5:Yes)、処理をステップSA−1に移行させ、ステップSA−5にて画像読取部に原稿が残っていないと判定した場合(ステップSA−5:No)、ステップSA−4における処理の完了後、処理を終了する。なお、制御部は、ステップSA−2の処理が終了後、ステップSA−3およびSA−4の処理が完了する前に、ステップSA−5の処理を開始する。したがって、制御部は、ステップSA−1、SA−2、および、SA−5の処理と、ステップSA−3およびSA−4の処理と、を並列的に実行する。
【0032】
以上で、本発明の実施の形態の概要の説明を終える。
【0033】
[画像処理装置100の構成]
次に、本画像処理装置100の構成について
図2および
図3を参照して説明する。
【0034】
図2は、本実施の形態が適用される画像処理装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本実施の形態に関係する部分のみを概念的に示している。
【0035】
図2において画像処理装置100は、概略的に、制御部102と記憶部106と画像読取部112と表示部114(図示せず)と入力部116(図示せず)とを備える。ここで、制御部102は、画像処理装置100の全体を統括的に制御するCPU等である。また、記憶部106は、各種のデータベースやテーブルなどを格納する装置である。これら画像処理装置100の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。また、画像読取部112と表示部114と入力部116とは入出力制御インターフェース部(図示せず)を介して制御部102等に接続されてもよい。また、画像処理装置100は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、ネットワークに通信可能に接続されていてもよい。
【0036】
記憶部106は、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置またはSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段であり、各種のデータベースおよびテーブル(処理前画像データベース106a、および、処理後画像データベース106b)を格納する。例えば、記憶部106は、各種処理に用いる各種のプログラム、ファイル、および、ウェブページ等を格納してもよい。
【0037】
これら記憶部106の各構成要素のうち、処理前画像データベース106aは、画像読取部112により読み取られた原稿の画像である処理前画像を記憶する処理前画像記憶手段である。ここで、処理前画像データベース106aは、処理前画像に対する一意の識別情報である処理前画像識別情報を付与して記憶してもよい。また、処理前画像データベース106aは、処理前画像のサムネイルを記憶してもよい。なお、処理前画像データベース106aは、複数の画像読取部112により読み取られた原稿の画像を一つの結果としてまとめて記憶してもよい。
【0038】
また、処理後画像データベース106bは、画像読取部112により読み取られた原稿に対する制御部102による画像処理後の画像である処理後画像を記憶する処理後画像記憶手段である。ここで、処理後画像データベース106bは、処理後画像に対する一意の識別情報である処理後画像識別情報を付与して記憶してもよい。また、処理後画像データベース106bは、処理後画像のサムネイルを記憶してもよい。
【0039】
また、
図2において、画像読取部112としては、スキャナ、デジタルカメラ、および、WEBカメラ等を用いることができる。また、表示部114は、画像等を表示する表示手段(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイおよびモニタ等)であってもよい。また、入力部116は、例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、および、マイク等であってもよい。
【0040】
また、
図2において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム(例えば、アプリケーションソフトウェア等)、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。例えば、
図2に示すように、制御部102は、任意のアプリケーションソフトウェアに処理後画像を送信し、当該アプリケーションソフトウェア(例えば、メールアプリケーション等)により修正された処理後画像を処理後画像データベース106bに格納してもよい。ここで、任意のアプリケーションソフトウェアは、画像処理装置100に搭載されたソフトウェアであってもよく、画像処理装置100にネットワークを介して接続された外部機器等に搭載されたソフトウェアであってもよい。制御部102は、機能概念的に、画像取得部102a、画像処理部102b、処理結果表示部102c、および、画像修正部102dを備える。
【0041】
このうち、画像取得部102aは、画像読取ドライバであって、画像読取部112により読み取られた原稿の画像を取得する画像取得手段である。ここで、画像取得部102aは、画像読取部112に原稿がセットされた場合等、画像読取部112に画像(例えば、高解像度カラー画像等)の読み取りを要求してもよい。また、画像取得部102aは、画像読取部112により読み取られた原稿の画像である処理前画像を処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102aは、処理前画像のサムネイルを生成し、当該サムネイルを処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102aは、処理前画像のID(例えば、処理前画像のタグ情報に含まれる読み取りを実行した画像読取部112の識別子(ID)、または、当該画像読取部112で読み取りを実行した順番を示す番号等)を生成し、当該IDを処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102aは、画像読取部112により読み取られた原稿の画像が取得された旨の通知を画像処理部102bに送信してもよい。すなわち、画像取得部102aは、画像読取部112により読み取られた原稿の画像が取得されたことを画像処理部102bに通知してもよい。また、画像取得部102aは、画像処理部102bによる画像処理を待たずに、画像読取部112に読み取りを行なう原稿が無くなるまで、画像の読み取りを要求し、画像処理部102bに新たな画像が取得されたことを通知し続けてもよい。
【0042】
また、画像処理部102bは、画像読取部112により読み取られた原稿に対する画像処理を行う画像処理手段である。ここで、画像処理部102bは、画像読取部112による原稿の連続読み取りと並列的(例えば、同時等)に、画像読取部112により読み取られた原稿に対する画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102bは、画像取得部102aから画像が取得された旨の通知(例えば、読み取り通知等)を受信してもよい。また、画像処理部102bは、画像取得部102a(画像読取ドライバ)からの通知に基づく画像を処理前画像データベース106aから取得(読み取り)し、画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102bは、画像取得部102aからの通知を受信し、当該通知がなくなるまで画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102bは、画像処理が完了した場合、処理後画像(画像処理結果)を処理後画像データベース106bに格納し、処理後画像のサムネイルおよび判定結果(画像処理結果)を処理結果表示部102cに送信(通知)してもよい。ここで、画像処理部102bは、例えば、原稿の自動サイズ検出処理において、画像読取部112により読み取られた原稿の画像から切り出し位置を判定して画像の切り出しを実行するが、原稿サイズが判定不能と判断した場合、処理結果表示部102cにエラー通知および処理前画像を送信(通知)してもよい。また、画像処理部102bは、原稿の自動サイズ検出処理において、原稿サイズの判定が不正確である可能性があると判断した場合、処理結果表示部102cに処理後画像(切出し結果)と、切出し判定結果(処理後画像が不正確である可能性がある旨の通知)を送信(通知)する。ここで、画像処理とは、ガンマ補正、原稿自動検出、白紙判定、原稿のモノクロ/カラー/グレー自動判定、原稿の向きまたは傾きの補正、画像の圧縮処理、カラー画像のグレー画像化、または、画像の二値化等であってもよい。
【0043】
また、処理結果表示部102cは、処理後画像を表示する処理結果表示手段である。ここで、処理結果表示部102cは、処理前画像、および/または、処理後画像を一覧表示してもよい。また、処理結果表示部102cは、処理前画像識別情報および/または処理後画像識別情報に基づき、当該処理前画像識別情報および/または当該処理後画像識別情報に対応する画像を選択可能であってもよい。また、処理結果表示部102cは、処理前画像と、処理後画像と、の類似性に基づき、画像を選択可能であってもよい。また、処理結果表示部102cは、処理前画像、および/または、処理後画像を表示部114に表示させてもよい。また、処理結果表示部102cは、例えば、画像処理部102bによる原稿の自動サイズ検出処理において、原稿サイズの判定が成功した場合、画像処理部102bから送信された処理後画像のサムネイルおよび判定結果を表示部114に表示し、処理後画像を処理後画像データベース106bに格納してもよい。すなわち、処理結果表示部102cは、処理後画像のサムネイルを生成し、当該サムネイルを処理後画像データベース106bに格納してもよい。また、処理結果表示部102cは、処理後画像のID(例えば、処理後画像のタグ情報に含まれる読み取りを実行した画像読取部112の識別子(ID)、または、当該画像読取部112で読み取りを実行した順番を示す番号等)を生成し、当該IDを処理後画像データベース106bに格納してもよい。この際、処理結果表示部102cは、例えば、読み取りの設定がPDF等の場合には、複数のファイル(処理後画像)を1つのPDFにして処理後画像データベース106bに格納してもよい。さらに、処理結果表示部102cは、ユーザが結果を気に入らなかった場合、ユーザによる入力部116を介した修正指示に基づき、画像修正部102dに処理前画像を送信(通知)してもよい。また、処理結果表示部102cは、画像修正部102dにより処理前画像が修正された場合、修正された処理前画像およびサムネイルを表示部114に表示させてもよい。
【0044】
また、画像修正部102dは、処理前画像に対して修正を行う画像修正手段である。ここで、画像修正部102dは、処理前画像、および/または、処理後画像を一覧表示してもよい。また、画像修正部102dは、処理前画像識別情報および/または処理後画像識別情報に基づき、当該処理前画像識別情報および/または当該処理後画像識別情報に対応する画像を選択可能であってもよい。また、画像修正部102dは、処理前画像と、処理後画像と、の類似性に基づき、画像を選択可能であってもよい。また、画像修正部102dは、処理前画像データベース106aから取得した処理前画像を表示部114に表示させ、ユーザに画像修正処理(画像処理)を行なわせてもよい。修正処理が終了した場合、画像修正部102dは、処理結果表示部102cに修正後の処理前画像を送信し、処理結果表示部102cに処理後画像データベース106bのデータ更新(例えば、処理結果表示部102cに修正後の処理前画像、および/または、当該修正後の処理前画像のサムネイルを格納等)をさせてもよい。また、ユーザが(初期の)読み取り設定を間違った場合、全ての画像に対してユーザの期待値とは異なる場合がある。その場合、画像修正部102dは、ユーザによる入力部116を介した修正指示に基づき、一括変更し、処理結果表示部102cに修正後の処理前画像を送信し、処理結果表示部102cに処理後画像データベース106bの修正後の処理前画像、および/または、当該修正後の処理前画像のサムネイルを格納させてもよい。ここで、修正処理は、画像処理部102bによる画像処理時のパラメータを変更した画像処理であってもよい。また、修正処理は、再度画像処理を行うことになるため、画像処理を行う前の画像を保存しておいてもよい。
【0045】
ここで、一般的に、高精度な画像処理には処理時間が多くかかるため、常に動作する画像処理部102bに高精度な画像処理を配置し、実行させた場合、画像処理部102bを独立させた場合でも処理結果表示までの時間が遅くなってしまう。そこで、本実施の形態においては、高精度な画像処理を画像修正部102dに配置し、実行させることによって、表示時間を短縮させることを可能としている。例えば、処理結果表示までの時間を短縮するために、画像処理部102bには、一原稿のみ検出可能な自動サイズ検出を実行させ、画像修正部102dには、複数原稿を検出可能な自動サイズ検出(マルチクロップ機能)、および、原稿の歪みを自動的に補正する機能等の高精度な画像処理を実行させてもよい。また、画像修正部102dは、更に、画像処理部102bにて検出に失敗した画像のみを処理結果表示部102cに表示させ、当該画像に対して自動的にマルチクロップおよび歪み補正等を実行することで、必要な画像に対してのみマルチクロップおよび歪み補正等を実行できるようになり、効率的にユーザが期待する画像を生成することができるようになる。
【0046】
さらに、
図3は、本実施の形態が適用される画像処理装置100の別の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本実施の形態に関係する部分のみを概念的に示している。
【0047】
図3において画像処理装置100は、概略的に、制御部102と記憶部106と2以上の画像読取部112(画像読取部112−1、および、画像読取部112−2)と表示部114(図示せず)と入力部116(図示せず)とを備える。
【0048】
ここで、
図3に示す制御部102と記憶部106と画像読取部112と表示部114と入力部116との構成は、画像読取部112が複数設置されている以外、
図2に示す制御部102と記憶部106と画像読取部112と表示部114と入力部116との構成と同一であるため説明を省略する。
【0049】
ここで、
図3において、制御部102は、機能概念的に、画像取得部102a(画像取得部102a−1、および、画像取得部102a−2)、画像処理部102b(画像処理部102b−1、および、画像処理部102b−2)、処理結果表示部102c、および、画像修正部102dを備える。
【0050】
このうち、画像取得部102a−1は、画像読取ドライバであって、画像読取部112−1により読み取られた原稿の画像を取得する画像取得手段である。ここで、画像取得部102a−1は、画像読取部112−1に原稿がセットされた場合等、画像読取部112−1に画像の読み取りを要求してもよい。また、画像取得部102a−1は、画像読取部112−1により読み取られた原稿の画像である処理前画像を処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102a−1は、処理前画像のサムネイルを生成し、当該サムネイルを処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102a−1は、処理前画像のIDを生成し、当該IDを処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102a−1は、画像読取部112−1により読み取られた原稿の画像が取得された旨の通知を画像処理部102b−1に送信してもよい。すなわち、画像取得部102a−1は、画像読取部112−1により読み取られた原稿の画像が取得されたことを画像処理部102b−1に通知してもよい。また、画像取得部102a−1は、画像処理部102b−1による画像処理を待たずに、画像読取部112−1に読み取りを行なう原稿が無くなるまで、画像の読み取りを要求し、画像処理部102b−1に新たな画像が取得されたことを通知し続けてもよい。
【0051】
また、画像取得部102a−2は、画像読取ドライバであって、画像読取部112−2により読み取られた原稿の画像を取得する画像取得手段である。ここで、画像取得部102a−2は、画像読取部112−2に原稿がセットされた場合等、画像読取部112−2に画像の読み取りを要求してもよい。また、画像取得部102a−2は、画像読取部112−2により読み取られた原稿の画像である処理前画像を処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102a−2は、処理前画像のサムネイルを生成し、当該サムネイルを処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102a−2は、処理前画像のIDを生成し、当該IDを処理前画像データベース106aに格納してもよい。また、画像取得部102a−2は、画像読取部112−2により読み取られた原稿の画像が取得された旨の通知を画像処理部102b−2に送信してもよい。すなわち、画像取得部102a−2は、画像読取部112−2により読み取られた原稿の画像が取得されたことを画像処理部102b−2に通知してもよい。また、画像取得部102a−2は、画像処理部102b−2による画像処理を待たずに、画像読取部112−2に読み取りを行なう原稿が無くなるまで、画像の読み取りを要求し、画像処理部102b−2に新たな画像が取得されたことを通知し続けてもよい。また、画像取得部102a−2と画像取得部102a−1とは、互いに非同期的に画像読取部112−1または画像読取部112−2に画像の読取要求をしてもよい。
【0052】
また、画像処理部102b−1は、画像読取部112−1により読み取られた原稿に対する画像処理を行う画像処理手段である。ここで、画像処理部102b−1は、画像読取部112−1による原稿の連続読み取りと並列的に、画像読取部112−1により読み取られた原稿に対する画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102b−1は、画像取得部102a−1から画像が取得された旨の通知を受信してもよい。また、画像処理部102b−1は、画像取得部102a−1からの通知に基づく画像を処理前画像データベース106aから取得し、画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102b−1は、画像取得部102a−1からの通知を受信し、当該通知がなくなるまで画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102b−1は、画像処理が完了した場合、処理後画像(画像処理結果)を処理後画像データベース106bに格納し、処理後画像のサムネイルおよび判定結果(画像処理結果)を処理結果表示部102cに通知してもよい。ここで、画像処理部102b−1は、例えば、原稿の自動サイズ検出処理において、画像読取部112−1により読み取られた原稿の画像から切り出し位置を判定して画像の切り出しを実行するが、原稿サイズが判定不能と判断した場合、処理結果表示部102cにエラー通知および処理前画像を送信してもよい。また、画像処理部102b−1は、原稿の自動サイズ検出処理において、原稿サイズの判定が不正確である可能性があると判断した場合、処理結果表示部102cに処理後画像と、切出し判定結果を送信する。
【0053】
また、画像処理部102b−2は、画像読取部112−2により読み取られた原稿に対する画像処理を行う画像処理手段である。ここで、画像処理部102b−2は、画像読取部112−2による原稿の連続読み取りと並列的に、画像読取部112−2により読み取られた原稿に対する画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102b−2は、画像取得部102a−2から画像が取得された旨の通知を受信してもよい。また、画像処理部102b−2は、画像取得部102a−2からの通知に基づく画像を処理前画像データベース106aから取得し、画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102b−2は、画像取得部102a−2からの通知を受信し、当該通知がなくなるまで画像処理を行ってもよい。また、画像処理部102b−2は、画像処理が完了した場合、処理後画像(画像処理結果)を処理後画像データベース106bに格納し、処理後画像のサムネイルおよび判定結果(画像処理結果)を処理結果表示部102cに通知してもよい。ここで、画像処理部102b−2は、例えば、原稿の自動サイズ検出処理において、画像読取部112−2により読み取られた原稿の画像から切り出し位置を判定して画像の切り出しを実行するが、原稿サイズが判定不能と判断した場合、処理結果表示部102cにエラー通知および処理前画像を送信してもよい。また、画像処理部102b−2は、原稿の自動サイズ検出処理において、原稿サイズの判定が不正確である可能性があると判断した場合、処理結果表示部102cに処理後画像と、切出し判定結果を送信する。
【0054】
ここで、
図3に示す処理結果表示部102c、および、画像修正部102dの構成は、
図2に示す処理結果表示部102c、および、画像修正部102dの構成と同一であるため説明を省略する。
【0055】
以上で、本画像処理装置100の構成の説明を終える。
【0056】
[画像処理装置100の処理]
次に、このように構成された本実施の形態における本画像処理装置100の処理の一例について、以下に
図4乃至
図7を参照して詳細に説明する。
【0057】
[画像読取処理]
まず、本実施の形態における画像読取処理の一例について、以下に
図4を参照して詳細に説明する。
図4は、本実施の形態における画像処理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
図4に示すように、画像取得部102aは、ユーザにより複数枚の原稿が画像読取部112にセットされた場合、画像読取部112に高解像度カラー画像の連続読み取りを要求し、画像読取部112により読み取られた原稿の画像である処理前画像を取得する(ステップSB−1)。ここで、画像取得部102aは、画像処理部102bによる原稿の画像の画像処理を待たずに、画像読取部112に読み取りを行なう原稿が無くなるまで、画像の読み取りを要求してもよい。このように処理することで、画像取得部102aは、画像読取部112に対して、画像処理部102bの処理に依存することなく、原稿の読み取りを続けさせることができる。
【0059】
そして、画像取得部102aは、ステップSB−1にて取得した処理前画像のサムネイル、および/または、IDを生成し、処理前画像、サムネイル、および/または、IDを処理前画像データベース106aに格納する(ステップSB−2)。このように、画像にIDを付加しておくことで、例えば、ユーザがメール等のアプリケーションに処理前画像または処理後画像を転送した後に、処理前画像または処理後画像が当該アプリケーションによって修正された場合、タグ情報が消える場合があるが、再度画像処理したい処理前画像と保存しているサムネイルとの類似性を判断することで、高速に再度画像処理したい処理前画像を検索することが可能となる。
【0060】
そして、画像取得部102aは、ステップSB−1にて取得した処理前画像が取得された旨の通知である読み取り通知を画像処理部102bに送信する(ステップSB−3)。ここで、画像取得部102aは、画像読取部112に読み取りを行なう原稿が無くなるまで、画像処理部102bに読み取り通知を送信し続けてもよい。
【0061】
そして、制御部102は、画像読取部112に読み取りを行なう原稿が残っているか否か判定する(ステップSB−4)。
【0062】
そして、制御部102は、ステップSB−4にて画像読取部112に読み取りを行なう原稿が残っていると判定した場合(ステップSB−4:Yes)、処理をステップSB−1に移行させ、ステップSB−4にて画像読取部112に読み取りを行なう原稿が残っていないと判定した場合(ステップSB−4:No)、処理を終了する。
【0063】
以上で、本実施の形態における画像読取処理の一例の説明を終える。
【0064】
[画像処理]
次に、本実施の形態における画像処理の一例について、以下に
図5乃至
図7を参照して詳細に説明する。
図5は、本実施の形態における画像処理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
図5に示すように、画像処理部102bは、画像取得部102aから読み取り通知を受信したか否か判定する(ステップSC−1)。ここで、画像処理部102bは、待機状態にある場合等、所定のタイミング(例えば、所定周期、または、画像読取部112の作動信号を検知した場合等)で起動し、画像取得部102aから読み取り通知を受信したか否か判定してもよい。
【0066】
そして、画像処理部102bは、ステップSC−1にて読み取り通知を受信していないと判定した場合(ステップSC−1:No)、処理を終了する。ここで、画像処理部102bは、処理を待機状態に移行してもよい。
【0067】
一方、画像処理部102bは、ステップSC−1にて読み取り通知を受信したと判定した場合(ステップSC−1:Yes)、当該読み取り通知に基づく処理前画像を処理前画像データベース106aから取得する(ステップSC−2)。
【0068】
そして、画像処理部102bは、処理前画像データベース106aから取得した処理前画像の画像処理を実行し、画像処理結果を取得し、当該画像処理結果を処理結果表示部102cに送信(通知)する(ステップSC−3)。ここで、画像処理結果は、画像処理が完了(成功)した場合、処理後画像、および、当該処理後画像の判定結果を含んでいてもよい。また、画像処理結果は、画像処理の完了判定不能、または、失敗したと判断した場合、エラー通知、および、処理前画像を含んでいてもよい。また、画像処理結果は、画像処理の完了判定が不正確である可能性があると判断した場合、処理後画像、および、処理後画像が不正確である可能性がある旨の通知を含んでいてもよい。例えば、画像処理が原稿の自動サイズ検出処理であって、原稿サイズが判定不能と判断した場合、画像処理結果は、エラー通知、および、処理前画像を含んでいてもよい。また、画像処理が原稿の自動サイズ検出処理であって、原稿サイズの判定が不正確である可能性があると判断した場合、切出し結果(処理後画像)、および、切出し判定結果(処理後画像が不正確である可能性がある旨の通知)を含んでいてもよい。なお、画像処理部102bは、例えば、
図4に示す画像読取部112による原稿の連続読取処理と並列的に、画像読取部112により読み取られた原稿に対する画像処理を行ってもよい。
【0069】
そして、処理結果表示部102cは、画像処理部102bから画像処理結果を受信した場合、画像処理結果に含まれる画像のサムネイル、および、IDを生成し、当該画像、当該サムネイル、および、当該IDを処理後画像データベース106bに格納する(ステップSC−4)。ここで、処理結果表示部102cは、例えば、読み取りの設定がPDF等の場合には、複数の画像を1つのPDFにして処理後画像データベース106bに格納してもよい。
【0070】
そして、処理結果表示部102cは、画像処理部102bから受信した画像処理結果を表示部114に表示させる(ステップSC−5)。ここで、処理結果表示部102cは、画像処理部102bから受信した画像処理結果に含まれる処理前画像、および/または、処理後画像を表示部114に一覧表示してもよい。また、処理結果表示部102cは、画像処理部102bから受信した画像処理結果に含まれる画像のサムネイルを表示部114に一覧表示してもよい。これにより、メモリの節約ができるため画像表示を高速化することができる。また、処理結果表示部102cは、処理前画像のIDおよび/または処理後画像のIDに基づき、当該処理前画像のIDおよび/または当該処理後画像のIDに対応する画像を選択可能であってもよい。また、処理結果表示部102cは、処理前画像と、処理後画像と、の類似性に基づき、画像を選択可能であってもよい。例えば、処理結果表示部102cは、画像処理部102bによる原稿の自動サイズ検出処理により原稿サイズの判定が成功した場合、画像処理部102bから送信された処理後画像のサムネイルおよび判定結果を表示部114に表示してもよい。また、処理結果表示部102cは、ユーザが結果を気に入らなかった場合、ユーザによる入力部116を介した修正要求に基づき、画像修正部102dに処理前画像を送信してもよい。
【0071】
ここで、
図6を参照して、本実施形態における画像処理結果表示の一例について説明する。
図6は、本実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【0072】
図6に示すように、処理結果表示部102cは、画像処理部102bから順次受信した3つの画像処理結果に含まれるサムネイルを表示部114に一覧表示させている。ここで、
図6右上の画像処理結果画像のように画像下端が切れている等によりユーザが画像処理結果を気に入らなかった際に、処理結果表示部102cは、ユーザにより入力部116を介して修正要求が入力(例えば、サムネイルがダブルクリック等)された場合、画像修正処理に移行させてもよい(例えば、画像処理部102bによる画像修正画面の表示等)。
【0073】
図5に戻り、画像処理部102bは、ステップSC−3にて画像処理が成功(完了)したか否か判定する(ステップSC−6)。
【0074】
そして、画像処理部102bは、ステップSC−6にて画像処理が完了したと判定した場合(ステップSC−6:Yes)、処理をステップSC−1に移行させる。
【0075】
一方、画像修正部102dは、ステップSC−6にて画像処理部102bにより画像処理が完了していない(判定不能、失敗、または、判定が不正確である可能性がある)と判定された場合(ステップSC−6:No)、画像処理部102bにより画像処理が完了していないと判定された処理前画像を処理前画像データベース106aから取得する(ステップSC−7)。ここで、画像修正部102dは、処理前画像のIDおよび/または処理後画像のIDに基づき、処理前画像のIDおよび/または処理後画像のIDに対応する処理前画像を処理前画像データベース106aから選択して取得してもよい。また、画像修正部102dは、処理前画像と、処理後画像と、の類似性に基づき、処理前画像を処理前画像データベース106aから選択して取得してもよい。
【0076】
そして、画像修正部102dは、ステップSC−7にて取得した処理前画像を表示部114に表示させる(ステップSC−8)。ここで、画像修正部102dは、処理前画像を表示部114に一覧表示させてもよい。
【0077】
そして、画像修正部102dは、ユーザにより入力部116を介して入力された修正指示に基づき、処理前画像に対して修正を実行する(ステップSC−9)。ここで、画像修正部102dは、画像処理部102bによる画像処理時のパラメータを変更した画像処理を行うことで、処理前画像に対して修正を実行してもよい。また、画像修正部102dは、ユーザが読み取り設定を間違った場合等であって、全ての画像に対してユーザの期待値とは異なる場合、ユーザによる入力部116を介した修正指示に基づき、処理前画像に対して一括変更を実行してもよい。
【0078】
ここで、
図7を参照して、本実施形態における画像修正処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【0079】
図7に示すように、画像修正部102dは、処理前画像データベース106aから取得した処理前画像、すなわち、原稿として検出された切り出し位置を示すポリラインである白矩形1、当該切り出し位置を示すポリラインである青線2、修正の実行を指示するボタンウィジェットであるOKボタン3、および、修正の実行をキャンセルするボタンウィジェットであるキャンセルボタン4を表示部114に表示させている。そして、画像修正部102dは、ユーザにより入力部116を介して、白矩形1または青線2がドラッグ等されることにより切り出し位置が調整され、OKボタン3がクリック等により選択された場合、当該切り出し位置に基づき、処理前画像に対して修正(画像処理)を実行する。なお、
図6に示す画面において、ユーザにより入力部116を介してサムネイルがダブルクリック等された場合に、画像修正部102dは、
図7に示す表示画面を表示部114に表示させてもよい。
【0080】
図5に戻り、処理結果表示部102cは、ステップSC−9にて画像修正部102dによる修正処理が終了した場合、修正後の処理前画像を受信し、当該修正後の処理前画像のサムネイルを生成し、当該修正後の処理前画像、および、当該サムネイルを処理後画像データベース106bに格納することで、画像処理結果を更新する(ステップSC−10)。ここで、処理結果表示部102cは、修正後の処理前画像、または、当該修正後の処理前画像のサムネイルを表示部114に表示させてもよい。
【0081】
そして、制御部102は、ステップSC−9にて画像修正部102dによる処理前画像に対する修正処理が成功(完了)したか否か判定する(ステップSC−11)。
【0082】
そして、制御部102は、ステップSC−11にて画像処理が完了したと判定した場合(ステップSC−6:Yes)、処理をステップSC−1に移行させ、ステップSC−11にて画像処理が完了していない(判定不能、失敗、または、判定が不正確である可能性がある)と判定した場合(ステップSC−11:No)、処理をステップSC−7に移行させる。
【0083】
ここで、従来技術において、読み取った画像の品質がよくなかったり、期待している画像とは異なっていたりする場合に、画像に対して修正する必要があったが、修正するには読み取りを中断して再度読み取るか、もしくは、読み取った後に修正対象を探して、画像修正ツールにて読み取り後の画像を可能な限り修正する必要があった。また、従来技術において、画像修正ツールにて画像修正ができない場合には、結局、再度読み取りが必要になっていた。このように、従来技術のように、画像修正を行なうにあたって読み取りを中断したり、修正が必要な原稿だけを個別で何回も読み取ったりしたりすると、どんなに読取性能が優れている装置であっても、その性能を満足に生かせなかった。そこで、本実施の形態においては、画像読取処理と、画像処理または画像修正処理と、を並列的に動作させることで、画像読取処理と、画像処理または画像修正処理と、がシーケンシャルな流れで構成されている従来技術における、画像処理の精度向上等により画像処理性能が低下すると、その低下がそのまま画像読取処理自体に影響を及ぼし、画像読取性能まで低下させてしまうという問題点を解消している。
【0084】
以上で、本画像処理装置100の処理の説明を終える。
【0085】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0086】
例えば、画像処理装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、画像処理装置100は、クライアント端末(画像処理装置100とは別筐体である)からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
【0087】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0088】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
また、画像処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0090】
例えば、画像処理装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて画像処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0091】
また、このコンピュータプログラムは、画像処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0092】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0093】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0094】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(処理前画像データベース106a、および、処理後画像データベース106b)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0095】
また、画像処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、画像処理装置100は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0096】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。