(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
箱本体と、前記箱本体の上下方向に複数段で取り付けられるとともに電気部品が装着される複数の電気部品ブロックと、前記箱本体に取り付けられるとともに電源からの電力を分配する電源分配ブロックと、を備えた電気接続箱において、
前記複数の電気部品ブロックが、前記箱本体内に取り付けられる内部電気部品ブロックと、前記箱本体外に取り付けられる外部電気部品ブロックとされ、
前記内部電気部品ブロックに装着される電気部品が主電気部品とされるとともに、前記外部電気部品ブロックに装着される電気部品が副電気部品とされ、
前記箱本体の底部に、前記外部電気部品ブロックが収容される収容凹部と、前記収容凹部に係合可能に形成されているとともに箱状に形成された収容ケースと、が設けられ、
前記収容ケースに、前記外部電気部品ブロックが収容され、
前記箱本体には、前記内部電気部品ブロックに接続された複数本の電線を束ねた電線束が挿通される主開口部が設けられ、かつ、
前記収容ケースには、前記外部電気部品ブロックに接続された複数本の電線を束ねた電線束が挿通される副開口部が設けられていることを特徴とする電気接続箱。
前記収容ケースが前記収容凹部に係合された際に、前記収容ケースの上面が前記収容凹部によって閉止されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気接続箱。
【背景技術】
【0002】
自動車には多種多様な電子機器が搭載されている。これら多種多様な電子機器に電力を供給するために、自動車には、バッテリ等の電源と前記電子機器との間の適宜箇所に、ヒューズやリレー等の電気部品が集約されて構成された電気接続箱が設置されている。
【0003】
なお、電気接続箱は、ジャンクションブロック、ヒューズブロック、リレーボックス、とも呼ばれる。本明細書では、前述したジャンクションブロック、ヒューズブロック、リレーボックスを、総称して電気接続箱と呼ぶ。
【0004】
電気接続箱は、箱本体と、前記箱本体に取り付けられるとともにリレーやヒューズなどの電気部品が装着される電気部品ブロックと、前記箱本体に取り付けられるとともにバッテリなどの電源の電力を分配する電源分配ブロックと、を備えている。
【0005】
このような電気接続箱は、エンジンやバッテリなどの各種機器が搭載されたエンジンルーム等に取り付けられる。このため、エンジンルーム等の水平方向のスペースが限られており、この限られたスペースに搭載できる電気接続箱が要求されている。
【0006】
上記要求から、垂直投影面積を小型化する電気接続箱が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に示された電気接続箱は、電気部品が装着される電気部品ブロックと、電源からの電力を分配する電源分配ブロックと、前記電気部品ブロックが上下方向に二段で取り付けられるとともに前記電源分配ブロックが取り付けられる箱本体と、を備えており、前記電気部品ブロックが上下方向(垂直方向)に二段で取り付けられているため、水平方向の寸法が抑えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した特許文献1に示された従来の電気接続箱は、多種多様な電子機器に電力を供給する複数本の電線が、箱本体の内側に二段で設けた電気部品ブロックに接続されるため、自動車の車種やグレードに応じて電気部品が加減されたり変更されたりした場合に、前記複数本の電線の本数が増減する。
【0009】
このため、自動車の車種やグレードが変更された場合に、箱本体に開口された複数本の電線が挿通される開口部に対して、前記複数本の電線を纏めた電線束の太さが増減する。したがって、前記開口部と前記電線束との間に隙間が生じて、該隙間から水などの液体が箱本体に浸入してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、自動車の車種やグレードに応じて加減されたり変更されたりする電気部品によって電線束の太さが増減するのを防止して、前記箱本体の開口部と前記電線束との隙間が生じるのを防止し、該隙間から液体が箱本体内に浸入するのを防止することができる小型の電気接続箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、箱本体と、前記箱本体の上下方向に複数段で取り付けられるとともに電気部品が装着される複数の電気部品ブロックと、前記箱本体に取り付けられるとともに電源からの電力を分配する電源分配ブロックと、を備えた電気接続箱において、前記複数の電気部品ブロックが、前記箱本体内に取り付けられる内部電気部品ブロックと、前記箱本体外に取り付けられる外部電気部品ブロックとされ、前記内部電気部品ブロックに装着される電気部品が主電気部品とされるとともに、前記外部電気部品ブロックに装着される電気部品が副電気部品とされ、前記箱本体の底部に、前記外部電気部品ブロックが収容される収容凹部と、前記収容凹部に係合可能に形成されているとともに箱状に形成された収容ケースと、が設けられ、前記収容ケースに、前記外部電気部品ブロックが収容され、前記箱本体には、前記内部電気部品ブロックに接続された複数本の電線を束ねた電線束が挿通される主開口部が設けられ、かつ、前記収容ケースには、前記外部電気部品ブロックに接続された複数本の電線を束ねた電線束が挿通される副開口部が設けられていることを特徴とする電気接続箱。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記主開口部が、前記内部電気部品ブロックに接続された複数本の電線を束ねた電線束の太さに合わせて形成され、かつ、前記副開口部が、前記外部電気部品ブロックに接続された複数本の電線を束ねた電線束の太さに合わせて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱である。
【0013】
請求項3に記載された発明は、前記収容ケースが前記収容凹部に係合された際に、前記収容ケースの上面が前記収容凹部によって閉止されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気接続箱である。
【0014】
請求項4に記載された発明は、前記主開口部と前記副開口部とが、略同一方向に向かって開口されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電気接続箱である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載された発明によれば、電気接続箱は、内部電気部品ブロックと外部電気部品ブロックとを備え、前記内部電気部品ブロックに装着される電気部品を主電気部品とするとともに前記外部電気部品ブロックに装着される電気部品を副電気部品とし、箱本体の底部に前記外部電気部品ブロックを収容する収容凹部と該収容凹部に係合可能に形成された箱状の収容ケースとを設け、前記収容ケースに前記外部電気部品ブロックを収容し、前記内部電気部品ブロックに接続された電線の電線束が挿通する主開口部を箱本体に設け、かつ、前記外部電気部品ブロックに接続された電線の電線束が挿通する副開口部を前記収容ケースに設けたため、自動車の車種やグレードに共通する主電気部品を内部電気部品ブロックに装着するとともに、自動車の車種やグレードに応じて加減されたり変更されたりする副電気部品を外部電気部品ブロックに装着することができる。
【0016】
このため、電気接続箱は、内部電気部品ブロックに装着される電気部品が、自動車の車種やグレードに共通する主電気部品となるので、自動車の車種やグレードの違いによって、内部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束の太さが増減しなくなる。
【0017】
したがって、電気接続箱は、自動車の車種やグレードが変更された場合であっても、内部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束の太さを一定に保つことができる。
【0018】
よって、電気接続箱は、自動車の車種やグレードが変更された場合であっても、内部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束と、箱本体の主開口部との間に隙間を生じることがないので、前記主開口部から箱本体の内部に水などの液体が浸入するのを防止することができる。
【0019】
また、請求項1に記載された発明によれば、電気接続箱は、内部電気部品ブロックに装着される電気部品を主電気部品とするとともに外部電気部品ブロックに装着される電気部品を副電気部品とし、外部電気部品ブロックを収容ケースに収容するため、前記内部電気部品ブロックと前記外部電気部品ブロックとの熱干渉を防止することができる。
【0020】
また、請求項1に記載された発明によれば、電気接続箱は、自動車の車種やグレードに応じて加減されたり変更されたりする副電気部品を外部電気部品ブロックに装着することができるため、副電気部品が不要な場合には、収容凹部に収容ケースを設けないことによって、電気接続箱をより小型化することができる。
【0021】
また、請求項1に記載された発明によれば、電気接続箱は、外部電気部品ブロックが収容される収容凹部に係合可能に収容ケースを形成したため、箱本体の外部に収容ケースが突出することなく一体的となる。このため、電気接続箱の外形寸法が大きくなることを防止することができる。
【0022】
請求項2に記載された発明によれば、電気接続箱は、内部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束の太さに合わせて主開口部を形成するとともに、外部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束の太さに合わせて副開口部を形成したため、主開口部から箱本体の内部に水などの液体が浸入するのをより確実に防止することができるとともに、副開口部から収容ケースの内部に水などの液体が浸入するのを防止することができる。
【0023】
請求項3に記載された発明によれば、電気接続箱は、収容ケースの上面を収容凹部によって閉止するため、収容ケースの内部への水などの浸入を防止することができる。
【0024】
また、請求項3に記載された発明によれば、電気接続箱は、収容ケースの上面を収容凹部によって閉止するため、別体の蓋部材を設ける必要がない。このため、部品点数の増加を抑えることができる。
【0025】
請求項4に記載された発明によれば、電気接続箱は、主開口部と副開口部とを略同一方向に向かって開口したため、内部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束と、外部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束とが略平行する。このため、両電線束の引き回しが短距離となってコンパクトとなる。
【0026】
また、請求項4に記載された発明によれば、電気接続箱は、内部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束と、外部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束とが略平行するため、両電線の引き回しを容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、
図1ないし
図3を参照して説明する。
本発明の一実施形態にかかる電気接続箱1は、
図1に示すように、箱本体2と、前記箱本体2の上面に取り付けられるアッパカバー4と、前記箱本体2の側面に取り付けられる図示しないサイドカバーと、前記箱本体2の下面に取り付けられるロアカバー6と、を備えている。
【0029】
なお、
図1ないし
図3中の矢印Xは、水平方向と平行な方向を示しているとともに箱本体2の短手方向を示しており、矢印Yは、水平方向と平行な方向を示しているとともに箱本体2の長手方向を示しており、矢印Zは、垂直方向と平行な方向を示しているとともに箱本体2の上下方向を示している。また、矢印Z方向の紙面方向における上側を「上」と表現し、矢印Z方向の紙面方向における下側を「下」と表現する。
【0030】
箱本体2は、枠状に形成された本体部3と、バッテリなどの電源の電力を分配する電源分配ブロックと、内部電気部品ブロック12と、を備えている。
【0031】
本体部3は、絶縁性の樹脂で形成され、周知の射出成形によって形成されている。本体部3は、互いに連なる外壁で枠状に形成されている。本体部3は、前記電源分配ブロックの取付部と、前記アッパカバー4に係合される係合部63と、前記サイドカバーに係合される係合突起62と、前記ロアカバー6に係合される係合部61と、を備えている。
【0032】
電源分配ブロックは、ブロック本体部と、電源ケーブルの端末の端子が取り付けられる電源入力端子と、前記電源入力端子から入力された電力を分配するバスバと、を備えている。
【0033】
ブロック本体部は、絶縁性の樹脂で形成され、周知の射出成形によって形成されている。ブロック本体部は、電気部品としてのヒューズやリレーが搭載される搭載部と、前記ブロック本体部の下面に設けられ電線束72を形成している複数本の電線が接続される電気接続部と、前記本体部3の取付部と係合される係合部と、を備えている。
【0034】
搭載部は、搭載される電気部品が嵌入されて収容されるように、電気部品のそれぞれの外形に沿った複数の凹状部が形成されている。搭載部には、前記バスバの端子状に形成された電気接触部が設けられている。
【0035】
電気接続部は、前記ブロック本体部の下面に設けられている。電気接続部は、電線束72を形成している複数本の電線の端末に設けられた端子金具、および、後述する内部電気部品ブロック12に接続される電線の端末に設けられた端子金具が嵌合されて、前記バスバに電気的に接続されるように形成されている。電気接続部には、前記バスバの端子状に形成された電気接触部が設けられている。
【0036】
電源入力端子は、バッテリ等の電源ケーブルの端末に設けられた平ワッシャ状の端子に挿通するボルト端子と、前記ボルト端子と螺合して前記端子を固定するナットと、を備えている。電源入力端子は、前記バスバに電気的に接続されている。
【0037】
バスバは、導電性の板金で形成されている。バスバは、前記電源入力端子に電気的に接続されている。バスバは、前記電源入力端子から入力された電力を前記搭載部および前記電気接続部に、予め定められたパターンにしたがって電力を分配する形状に形成されている。バスバは、周知の打ち抜き加工およびプレス加工によって形成されている。
【0038】
内部電気部品ブロック12は、
図1および
図2に示すように、電気部品としてのリレー16およびリレーユニット7が装着される装着部15と、前記電源分配ブロックのブロック本体部に接続される電線の端末の端子金具および前記電線束72を形成する複数本の電線の端末の端子金具が嵌入される電気接続部と、を備えている。内部電気部品ブロック12は、前記本体部3と一体的に形成されている。なお、内部電気部品ブロック12が前記本体部3と別体で成形され、該本体部3に内部電気部品ブロック12を組み付けるようにしても良い。
【0039】
装着部15は、前記内部電気部品ブロック12の上面に設けられている。装着部15は、装着されるリレー16の端子部が嵌入される嵌入穴と、装着されるリレーユニット7の外形に沿って長方形状に形成された開口部と、を備えている。嵌入穴には、前記内部電気部品ブロックの下面の電気接続部に嵌入された電線の端末の端子金具が配される。装着部15には、リレー16およびリレーユニット7が装着される。
【0040】
リレー16およびリレーユニット7は、自動車の各車種や各グレードに共通して用いられる電気部品であって、本発明では、主電気部品と呼ぶものである。
【0041】
リレーユニット7は、絶縁性の合成樹脂で、直方体状の箱状に形成されている。リレーユニット7の上面には、主電気部品としての図示しないヒューズが装着されるヒューズ装着部13が設けられている。リレーユニット7の下面には、前記電源分配ブロックのブロック本体部に接続される電線の端末のコネクタおよび前記電線束72を形成する複数本の電線の端末のコネクタが接続されるコネクタ接続部が設けられている。リレーユニット7は、二列で搭載部15に搭載される。
【0042】
リレーユニット7内には、主電気部品としての複数個のリレーと、内部回路を構成するプリント回路基板またはバスバと、が設けられている。
【0043】
ヒューズ装着部13は、長手方向Yに沿って等間隔で複数(図示例では、4つ)設けられている。ヒューズ装着部13には、該ヒューズ装着部13にヒューズが装着された際に、前記バスバが前記ヒューズに電気的に接続されるように配されている。
【0044】
コネクタ接続部には、該コネクタ接続部に電線の端末のコネクタが接続された際に、前記バスバが前記コネクタに電気的に接続されるように配されている。
【0045】
リレーユニット7内に設けられるバスバは、前記複数個のリレーと、前記ヒューズ装着部13に装着されたリレーと、前記コネクタ接続部に接続されたコネクタとを、予め定められたパターンにしたがって電気的に接続している。
【0046】
電気接続部は、前記内部電気部品ブロック12の下面に設けられている。電気接続部は、電線束72を形成している複数本の電線の端末に設けられた端子金具および電源分配ブロックのブロック本体部に接続される電線の端末に設けられた端子金具が嵌合されて、前記装着部15に装着されるリレー16の端子部に電気的に接続されるように形成されている。
【0047】
アッパカバー4は、絶縁性の樹脂で形成され、周知の射出成形によって形成されている。アッパカバー4は、互いに連なる複数の外壁を備え、上部が閉止された有底枠状に形成されている。アッパカバー4には、前記本体部3の係合部69に係合される係合部51と、前記本体部3の係合部63に係合されるとともに係合解除可能に形成されたレバー52と、が設けられている。アッパカバー4は、前記本体部3の上面を覆う状態で、該本体部3に取り付けられる。
【0048】
サイドカバーは、絶縁性の樹脂で形成され、周知の射出成形によって形成されている。サイドカバーは、互いに連なる複数の外壁を備え、一方の側面が開放されて形成されている。サイドカバーには、前記本体部3の係合突起62が係合される係合部が設けられている。サイドカバーは、前記本体部3の側面を覆う状態で、該本体部3に取り付けられる。
【0049】
ロアカバー6は、絶縁性の樹脂で形成され、周知の射出成形によって形成されている。ロアカバー6は、下部が閉止された有底枠状に形成されている。ロアカバー6は、前記本体部3の係合部61と係合する係合突起と、前記電源分配ブロック10および前記内部電気部品ブロック12に接続される複数本の電線を束ねた電線束72が挿通する主開口部24と、外部電気部品ブロック8が収容される収容凹部21と、前記収容凹部21に係合可能に形成された収容ケース10と、を備えている。
【0050】
主開口部24は、前記ロアカバー6の側面に開口されている。主開口部24は、前記電線束72の太さに合わせて開口されている。このため、主開口部24の内周面と前記電線束72の外周面との間の隙間がなくなって、前記主開口部24から箱本体2の内部に水などの液体が浸入するのを防止する。
【0051】
収容凹部21は、前記ロアカバー6の隅部の底面が、上下方向Zの上側に後退して設けられている。収容凹部21は、前記収容ケース10が収容される直方体状に形成されている。収容凹部21の周縁部には、前記収容ケース10の係合突起34と係合する係合部26が設けられている。収容凹部21を形成しているロアカバー6の底面には、収容ケース10の上端の外形に沿って長方形状に形成された溝部が形成されている。このため、収容凹部21に収容ケース10が係合された際に、前記収容ケース10の上端が前記溝部に入り込んで、止水機能を発揮する。
【0052】
収容ケース10は、絶縁性の樹脂で形成され、周知の射出成形によって形成されている。収容ケース10は、上方が開放された直方体状の箱状に形成されている。収容ケース10には、前記収容凹部21の係合部26に係合する係合突起34と、外部電気部品ブロック8に接続され電線を束ねた電線束73が挿通される副開口部36と、前記副開口部36に連通するスリット32と、が設けられている。
【0053】
副開口部36は、前記収容ケース10に収容される外部電気部品ブロック8によって、前記スリット32の下端側に形成される。副開口部36は、前記外部電気部品ブロック8に接続される複数本の電線を束ねた電線束73の太さに合わせて開口されている。このため、副開口部36の内周面と前記電線束73の外周面との間の隙間がなくなって、前記副開口部36から収容ケース10の内部に水などの液体が浸入するのを防止する。
【0054】
また、主開口部24と副開口部36とが、
図3に示すように、長手方向Yに平行する方向に向かって開口されている。このため、主開口部24に挿通される電線束72と、副開口部36に挿通される電線束73とが略同一方向に引き出される。したがって、両電線束72,73の引き回しが短距離となってコンパクトとなる。また、両電線72,73を互いに束ねてワイヤハーネス71(
図2に示す)を形成する際の該電線束72,73の引き回しが容易に行える。
【0055】
スリット32は、
図1に示すように、前記収容ケース10の短手方向Xと平行する一方の側面に設けられている。スリット32は、前記収容ケース10の上端から下端に向かって上下方向Zに設けられている。スリット32の下端は、前記電線束73の外周面に沿った円弧状に形成されている。スリット32の幅は、前記電線束73の太さに合わせて形成されている。
【0056】
外部電気部品ブロック8は、絶縁性の樹脂で形成され、周知の射出成形によって形成されている。外部電気部品ブロック8は、直方体状に形成されている。外部電気部品ブロック8は、電気部品としてのリレー18が装着される装着部19と、前記電線束73を形成する複数本の電線の端末の端子金具が嵌入される電気接続部と、を備えている。
【0057】
装着部19は、前記外部電気部品ブロック8の上面に設けられている。装着部19は、装着されるリレー18の端子部が嵌入される嵌入穴が設けられている。嵌入穴には、電気接続部に嵌入された電線の端末の端子金具が配される。
【0058】
リレー18は、自動車の各車種や各グレードに応じて加減されたり変更されたりする電気部品であって、本発明では、副電気部品と呼ぶものである。リレー18は、前記装着部19の長手方向Yに等間隔をあけて二列で設けられる。リレー18は、互いに放熱できる間隔をあけて設けられる。
【0059】
電気接続部は、前記外部電気部品ブロック8の下面に設けられている。電気接続部は、前記電線束73を形成する複数本の電線の端末の端子金具が嵌入可能に形成されている。このため、電気接続部に嵌入された端子金具が、前記装着部19に装着されたリレー18の端子部と電気的に接続される。
【0060】
前述の如く構成された電気接続箱1は、
図2に示すように、電源分配ブロックおよび内部電気部品ブロック12が箱本体2に組み付けられるとともに電線束72が主開口部24から導出され、外部電気部品ブロック8が収容ケース10に収容されるとともに電線束73が副開口部36から導出される。内部電気部品ブロック12の装着部15には、リレーユニット7およびリレー16が装着され、外部電気部品ブロック8の装着部19には、リレー18が装着される。
【0061】
そして、
図3に示すように、収容ケース10が収容凹部21に係合して取り付けられ、アッパカバー4および図示しないサイドカバーが本体部3に取り付けられる。
【0062】
本実施形態によれば、電気接続箱1は、箱本体2と、前記箱本体2の上下方向Zに複数段で取り付けられるとともに電気部品が装着される複数の電気部品ブロックと、前記箱本体2に取り付けられるとともに電源からの電力を分配する電源分配ブロックと、を備えており、前記複数の電気部品ブロックが、前記箱本体2内に取り付けられる内部電気部品ブロック12と、前記箱本体2外に取り付けられる外部電気部品ブロック8とされ、前記内部電気部品ブロック12に装着される電気部品が主電気部品とされるとともに、前記外部電気部品ブロック8に装着される電気部品が副電気部品とされ、前記箱本体2の底部に、前記外部電気部品ブロック8が収容される収容凹部21と、前記収容凹部21に係合可能に形成されているとともに箱状に形成された収容ケース10と、が設けられ、前記収容ケース10に、前記外部電気部品ブロック8が収容され、前記箱本体2には、前記内部電気部品ブロック12に接続された複数本の電線を束ねた電線束72が挿通される主開口部24が設けられ、かつ、前記収容ケース10には、前記外部電気部品ブロック8に接続された複数本の電線を束ねた電線束73が挿通される副開口部36が設けられている。
【0063】
このため、電気接続箱1は、内部電気部品ブロック12と外部電気部品ブロック8とを備え、前記内部電気部品ブロック12に装着される電気部品を主電気部品とするとともに前記外部電気部品ブロック8に装着される電気部品を副電気部品とし、箱本体2の底部に前記外部電気部品ブロック8を収容する収容凹部21と該収容凹部21に係合可能に形成された箱状の収容ケース10とを設け、前記収容ケース10に前記外部電気部品ブロック8を収容し、前記内部電気部品ブロック12に接続された電線の電線束72が挿通する主開口部24を箱本体2に設け、かつ、前記外部電気部品ブロック8に接続された電線の電線束73が挿通する副開口部36を前記収容ケース10に設けているので、自動車の車種やグレードに共通する主電気部品を内部電気部品ブロック12に装着するとともに、自動車の車種やグレードに応じて加減されたり変更されたりする副電気部品を外部電気部品ブロック8に装着することができる。
【0064】
このため、電気接続箱1は、内部電気部品ブロック12に装着される電気部品が、自動車の車種やグレードに共通する主電気部品となるので、自動車の車種やグレードの違いによって、内部電気部品ブロック12に接続された電線を束ねた電線束72の太さが増減しなくなる。
【0065】
したがって、電気接続箱1は、自動車の車種やグレードが変更された場合であっても、内部電気部品ブロック12に接続された電線を束ねた電線束72の太さを一定に保つことができる。
【0066】
よって、電気接続箱1は、自動車の車種やグレードが変更された場合であっても、内部電気部品ブロック12に接続された電線を束ねた電線束72と、箱本体2の主開口部24との間に隙間を生じることがないので、前記主開口部24から箱本体2の内部に水などの液体が浸入するのを防止することができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、内部電気部品ブロック12に装着される電気部品を主電気部品とするとともに外部電気部品ブロック8に装着される電気部品を副電気部品とし、外部電気部品ブロック8を収容ケース10に収容するため、前記内部電気部品ブロック12と前記外部電気部品ブロック8との熱干渉を防止することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、自動車の車種やグレードに応じて加減されたり変更されたりする副電気部品を外部電気部品ブロック8に装着することができるため、副電気部品が不要な場合には、収容凹部21に収容ケース10を設けないことによって、電気接続箱1をより小型化することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、外部電気部品ブロック8が収容される収容凹部21に係合可能に収容ケース10を形成したため、箱本体2の外部に収容ケース10が突出することなく一体的となる。このため、電気接続箱1の外形寸法が大きくなることを防止する。
【0070】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、前記主開口部24が、前記内部電気部品ブロック12に接続された複数本の電線を束ねた電線束72の太さに合わせて形成され、かつ、前記副開口部36が、前記外部電気部品ブロック8に接続された複数本の電線を束ねた電線束73の太さに合わせて形成されている。
【0071】
このため、電気接続箱1は、内部電気部品ブロック12に接続された電線を束ねた電線束72の太さに合わせて主開口部24を形成するとともに、外部電気部品ブロックに接続された電線を束ねた電線束73の太さに合わせて副開口部36を形成しているので、主開口部24から箱本体2の内部に水などの液体が浸入するのをより確実に防止することができるとともに、副開口部36から収容ケース10の内部に水などの液体が浸入するのを防止することができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、前記収容ケース10が前記収容凹部21に係合された際に、前記収容ケース10の上面が前記収容凹部21によって閉止される。
【0073】
このため、電気接続箱1は、収容ケース10の上面を収容凹部21によって閉止するので、収容ケース10の内部への水などの浸入を防止することができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、収容ケース10の上面を収容凹部21によって閉止するので、別体の蓋部材を設ける必要がない。このため、部品点数の増加を抑えることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、前記主開口部24と前記副開口部36とが、略同一方向に向かって開口されている。
【0076】
このため、電気接続箱1は、主開口部24と副開口部36とを略同一方向に向かって開口しているので、内部電気部品ブロック12に接続された電線を束ねた電線束72と、外部電気部品ブロック8に接続された電線を束ねた電線束73とが略平行する。このため、両電線束72,73の引き回しが短距離となってコンパクトとなる。
【0077】
また、本実施形態によれば、電気接続箱1は、内部電気部品ブロック12に接続された電線を束ねた電線束72と、外部電気部品ブロック8に接続された電線を束ねた電線束73とが略平行するため、両電線72,73の引き回しを容易に行うことができる。
【0078】
なお、前述した電気接続箱1は、収容ケース10が係合される収容凹部21をロアカバー6の底面に設けたものについて説明したが、ロアカバー6を有していない電気接続箱であっても良い。この場合には、箱本体2の本体部3が有底枠状に形成されており、前記本体部3の底面に収容凹部21を設ける。
【0079】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。