(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記RF信号に動作可能に結合された信号抽出器であって、オン/オフキーイング変調に応答して送信されたデジタル信号を抽出するために前記RF信号の前記オン/オフキーイング変調を検出するように構成された信号抽出器をさらに備える、請求項2に記載のワイヤレス電力受信機。
【発明を実施するための形態】
【0007】
「例示的」という単語は、本明細書では「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用する。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利なものと解釈すべきではない。
【0008】
添付の図面とともに以下に示す詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するものであり、本発明を実施できる唯一の実施形態を表すものではない。この説明全体にわたって使用する「例示的」という用語は、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈すべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の完全な理解を与える目的で具体的な詳細を含む。本発明の例示的な実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施できることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本明細書で提示する例示的な実施形態の新規性を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスをブロック図の形式で示す。
【0009】
「ワイヤレス電力」という単語は、本明細書では、電界、磁界、電磁界に関連する任意の形態のエネルギー、あるいは物理電磁導体を使用せずに送信機から受信機に送信される任意の形態のエネルギーを意味するために使用する。
【0010】
図1に、本発明の様々な例示的な実施形態による、ワイヤレス送信または充電システム100を示す。エネルギー伝達を行うための放射界106を発生させるために入力電力102を送信機104に供給する。受信機108は、放射界106に結合し、出力電力110に結合されたデバイス(図示せず)が蓄積または消費するための出力電力110を発生する。送信機104と受信機108の両方は距離112だけ分離されている。1つの例示的な実施形態では、送信機104および受信機108は相互共振関係に従って構成され、受信機108の共振周波数と送信機104の共振周波数とがまったく同じである場合、受信機108が放射界106の「近距離場」に位置するとき、送信機104と受信機108との間の伝送損失は最小になる。
【0011】
送信機104は、エネルギー送信のための手段を与えるための送信アンテナ114をさらに含み、受信機108は、エネルギー受信のための手段を与えるための受信アンテナ118をさらに含む。送信アンテナおよび受信アンテナは、それに関連する適用例およびデバイスに従ってサイズ決定される。上述のように、エネルギーの大部分を電磁波で遠距離場に伝搬するのではなく、送信アンテナの近距離場におけるエネルギーの大部分を受信アンテナに結合することによって効率的なエネルギー伝達が行われる。近距離場にある場合、送信アンテナ114と受信アンテナ118との間に結合モードが生じる。この近距離結合が行われるアンテナ114および118の周りのエリアを、本明細書では結合モード領域と呼ぶ。
【0012】
図2に、ワイヤレス電力伝達システムの簡略化された概略図を示す。送信機104は、発振器122と、電力増幅器124と、フィルタおよび整合回路126とを含む。発振器は、調整信号123に応答して調整される所望の周波数で発生するように構成される。発振器信号は、制御信号125に応答する増幅量で電力増幅器124によって増幅できる。フィルタおよび整合回路126は、高調波または他の不要な周波数をフィルタ除去し、送信機104のインピーダンスを送信アンテナ114に整合させるために含めることができる。
【0013】
受信機は、
図2に示すようにバッテリ136を充電するため、または受信機(図示せず)に結合されたデバイスに電力供給するために、整合回路132と、DC電力出力を発生するための整流器およびスイッチング回路とを含むことができる。整合回路132は、受信機108のインピーダンスを受信アンテナ118に整合させるために含めることができる。
【0014】
図3に示すように、例示的な実施形態において使用されるアンテナは、本明細書では「磁気」アンテナとも呼ぶ「ループ」アンテナ150として構成できる。ループアンテナは、空芯またはフェライトコアなどの物理コアを含むように構成できる。空芯ループアンテナは、コアの近傍に配置された外来物理デバイスに対してより耐性がある。さらに、空芯ループアンテナでは、コアエリア内に他の構成要素を配置することができる。さらに、空芯ループは、送信アンテナ114(
図2)の結合モード領域がより強力である送信アンテナ114(
図2)の平面内での受信アンテナ118(
図2)の配置をより容易に可能にすることができる。
【0015】
上述のように、送信機104と受信機108との間のエネルギーの効率的な伝達は、送信機104と受信機108との間の整合されたまたはほぼ整合された共振中に行われる。しかしながら、送信機104と受信機108との間の共振が整合されていないときでも、エネルギーをより低い効率で伝達することができる。エネルギーの伝達は、送信アンテナからのエネルギーを自由空間に伝搬するのではなく、送信アンテナの近距離場からのエネルギーを、この近距離場が確立される近傍に常駐する受信アンテナに結合することによって行われる。
【0016】
ループまたは磁気アンテナの共振周波数はインダクタンスおよびキャパシタンスに基づく。ループアンテナにおけるインダクタンスは、一般に、単にループによって生成されるインダクタンスであり、キャパシタンスは、一般に、所望の共振周波数で共振構造を生成するためにループアンテナのインダクタンスに追加される。非限定的な例として、共振信号156を発生する共振回路を生成するために、キャパシタ152およびキャパシタ154をアンテナに追加することができる。したがって、直径がより大きいループアンテナでは、ループの直径またはインダクタンスが増加するにつれて、共振を誘起するために必要なキャパシタンスの大きさは減少する。さらに、ループまたは磁気アンテナの直径が増加するにつれて、近距離場の効率的なエネルギー伝達エリアは増加する。もちろん、他の共振回路も可能である。別の非限定的な例として、ループアンテナの2つの終端間にキャパシタを並列に配置することができる。さらに、当業者なら、送信アンテナの場合、共振信号156をループアンテナ150への入力とすることができることを認識されよう。
【0017】
本発明の例示的な実施形態は、互いの近距離場にある2つのアンテナ間の電力を結合することを含む。上述のように、近距離場は、電磁界が存在するが、アンテナから離れて伝搬または放射しないアンテナの周りのエリアである。それらは、一般に、アンテナの物理体積に近い体積に限定される。本発明の例示的な実施形態では、電気タイプアンテナ(たとえば、小さいダイポール)の電気近距離場に比較して磁気タイプアンテナの磁気近距離場振幅のほうが大きくなる傾向があるので、単巻きおよび多巻きループアンテナなどの磁気タイプアンテナを送信(Tx)アンテナシステムと受信(Rx)アンテナシステムの両方に使用する。これによりペア間の結合を潜在的により強くすることができる。さらに、「電気」アンテナ(たとえば、ダイポールおよびモノポール)または磁気アンテナと電気アンテナとの組合せをも企図する。
【0018】
Txアンテナは、上述した遠距離場および誘導手法によって可能になる距離よりもかなり大きい距離で小さいRxアンテナへの良好な結合(たとえば、>−4dB)を達成するのに十分に低い周波数および十分大きいアンテナサイズで動作できる。Txアンテナが正しくサイズ決定された場合、ホストデバイス上のRxアンテナが励振Txループアンテナの結合モード領域(すなわち、近距離場)内に配置されたとき、高い結合レベル(たとえば、−2〜−4dB)を達成することができる。
【0019】
図4に、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合強度を示すシミュレーション結果を示す。曲線170および172は、それぞれ送信アンテナおよび受信アンテナによる電力の受容の測度を示す。言い換えれば、大きい負数では、極めて近接したインピーダンス整合があり、電力の大部分は受容され、その結果、送信アンテナによって放射される。逆に、小さい負数は、所与の周波数で近接したインピーダンス整合がないので、電力の大部分がアンテナから反射されることを示す。
図4では、送信アンテナと受信アンテナは、約13.56MHzの共振周波数を有するように同調させられる。
【0020】
曲線170は、様々な周波数において送信アンテナから送信される電力の量を示す。したがって、約13.528MHzおよび13.593MHzに対応する点1aおよび点3aでは、電力の大部分は反射され、送信アンテナから送信されない。しかしながら、約13.56MHzに対応する点2aでは、大量の電力が受容され、アンテナから送信されることがわかる。
【0021】
同様に、曲線172は、様々な周波数において受信アンテナによって受信される電力の量を示す。したがって、約13.528MHzおよび13.593MHzに対応する点1bおよび点3bでは、電力の大部分は反射され、受信アンテナを通して受信機に搬送されない。しかしながら、約13.56MHzに対応する点2bでは、大量の電力が受信アンテナによって受容され、受信機に搬送されることがわかる。
【0022】
曲線174は、送信機から送信アンテナを通して送信され、受信アンテナを通して受信され、受信機に搬送された後、受信機において受信される電力の量を示す。したがって、約13.528MHzおよび13.593MHzに対応する点1cおよび点3cでは、(1)送信アンテナが送信機からそれに送信された電力の大部分を拒絶し、(2)周波数が共振周波数から離れるにつれて、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合が効率的でなくなるので、送信機から送信された電力の大部分は受信機において利用できない。しかしながら、約13.56MHzに対応する点2cでは、送信機から送信された大量の電力が受信機において利用可能であり、送信アンテナと受信アンテナとの間の高度の結合を示すことがわかる。
【0023】
図5Aおよび
図5Bに、本発明の例示的な実施形態による送信アンテナと受信アンテナとのためのループアンテナのレイアウトを示す。ループアンテナは、多種多様なサイズの単巻きループまたは多巻きループを用いて、いくつかの異なる方法で構成できる。さらに、ループは、例にすぎないが、円形、楕円形、方形、および長方形など、いくつかの異なる形状とすることができる。
図5Aは、大きい方形ループ送信アンテナ114Sと、送信アンテナ114Sと同じ平面内にあって送信アンテナ114Sの中心の近くに配置された小さい方形ループ受信アンテナ118とを示す。
図5Bは、大きい円形ループ送信アンテナ114Cと、送信アンテナ114Cと同じ平面内にあって送信アンテナ114Cの中心の近くに配置された小さい方形ループ受信アンテナ118’とを示す。方形ループ送信アンテナ114Sの辺の長さは「a」であり、円形ループ送信アンテナ114Cの直径は「Φ」である。方形ループの場合、その直径がΦ
eq=4a/πとして定義される等価円形ループがあることを示すことができる。
【0024】
図6に、
図5Aおよび
図5Bに示す方形および円形送信アンテナの様々な周囲に対する送信アンテナと受信アンテナとの間の結合強度を示すシミュレーション結果を示す。したがって、曲線180は、円形ループ送信アンテナ114Cと、円形ループ送信アンテナ114Cの様々な周囲サイズにおける受信アンテナ118との間の結合強度を示す。同様に、曲線182は、方形ループ送信アンテナ114Sと、送信ループ送信アンテナ114Sの様々な等価周囲サイズにおける受信アンテナ118’との間の結合強度を示す。
【0025】
図7に、
図5Aおよび
図5Bに示す方形および円形送信アンテナの様々な表面積に対する送信アンテナと受信アンテナとの間の結合強度を示すシミュレーション結果を示す。したがって、曲線190は、円形ループ送信アンテナ114Cと、円形ループ送信アンテナ114Cの様々な表面積における受信アンテナ118との間の結合強度を示す。同様に、曲線192は、方形ループ送信アンテナ114Sと、送信ループ送信アンテナ114Sの様々な表面積における受信アンテナ118’との間の結合強度を示す。
【0026】
図8に、共面および同軸配置における結合強度を示すための、送信アンテナに対する受信アンテナの様々な配置点を示す。本明細書で使用する「共面」は、送信アンテナと受信アンテナとが実質的に整合された平面(すなわち、実質的に同じ方向を指す表面法線)を有し、送信アンテナの平面と受信アンテナの平面との間の距離がない(または小さい)ことを意味する。本明細書で使用する「同軸」は、送信アンテナと受信アンテナとが実質的に整合された平面(すなわち、実質的に同じ方向を指す表面法線)を有し、2つの平面間の距離がわずかではなく、さらに、送信アンテナと受信アンテナとの表面法線が実質的に同じベクトルに沿っているか、または2つの法線がエシェロン状であることを意味する。
【0027】
例として、点p1、点p2、点p3、および点p7は、すべて送信アンテナに対する受信アンテナの共面配置点である。別の例として、点p5および点p6は、送信アンテナに対する受信アンテナの同軸配置点である。下記の表に、
図8に示す様々な配置点(p1〜p7)における結合強度(S21)と(送信アンテナから送信され、受信アンテナに達した電力の割合として表される)結合効率とを示す。
【表1】
【0028】
わかるように、共面配置点p1、p2、およびp3は、すべて比較的高い結合効率を示す。配置点p7も共面配置点であるが、送信ループアンテナの外部にある。配置点p7は高い結合効率を有しないが、若干の結合があり、結合モード領域は送信ループアンテナの周囲を越えて広がっていることが明らかである。
【0029】
配置点p5は、送信アンテナと同軸であり、かなりの結合効率を示す。配置点p5の結合効率は共面配置点の結合効率ほど高くない。しかしながら、配置点p5の結合効率は、同軸配置において送信アンテナと受信アンテナとの間でかなりの電力を搬送することができるほど十分に高い。
【0030】
配置点p4は、送信アンテナの周囲内にあるが、送信アンテナの平面の上方のわずかな距離にあって、オフセット同軸配置(すなわち、表面法線が実質的に同じ方向であるが、異なるロケーションにある)またはオフセット共面(すなわち、表面法線が実質的に同じ方向であるが、平面が互いにオフセットされる)と呼ばれる位置にある。表から、オフセット距離が2.5cmの場合、配置点p4は、依然として比較的良好な結合効率を有することがわかる。
【0031】
配置点p6は、送信アンテナの周囲の外部にあり、送信アンテナの平面の上方のかなりの距離にある配置点を示す。表からわかるように、配置点p6は、送信アンテナと受信アンテナとの間の結合効率をほとんど示さない。
【0032】
図9に、送信アンテナと受信アンテナとの間の様々な距離における同軸配置のための結合強度を示すシミュレーション結果を示す。
図9のシミュレーションは、どちらも一辺が約1.2メートルであり、送信周波数が10MHzである、同軸配置の方形送信アンテナおよび受信アンテナに関する。結合強度は、約0.5メートル未満の距離において非常に高く、一様なままであることがわかる。
【0033】
図10は、本発明の例示的な実施形態による送信機の簡略ブロック図である。送信機200は、送信回路202と送信アンテナ204とを含む。一般に、送信回路202は、発振信号を供給することによって送信アンテナ204にRF電力を供給し、その結果、送信アンテナ204の周りに近距離場エネルギーが発生する。例として、送信機200は、13.56MHz ISMバンドにおいて動作することができる。
【0034】
例示的な送信回路202は、送信回路202のインピーダンス(たとえば、50オーム)を送信アンテナ204に整合させるための固定のインピーダンス整合回路206と、受信機108(
図1)に結合されたデバイスの自己ジャミングを防ぐレベルまで高調波放出を低減するように構成された低域フィルタ(LPF)208とを含む。他の実施形態は、限定はしないが、他の周波数をパスしながら特定の周波数を減衰させるノッチフィルタを含む様々なフィルタトポロジを含むことができ、また、アンテナへの出力電力または電力増幅器によるDC電流ドローなど、測定可能な送信メトリクスに基づいて変化できる適応型インピーダンス整合を含むことができる。送信回路202は、発振器212によって判断されたRF信号を駆動するように構成された電力増幅器210をさらに含む。送信回路は、ディスクリートデバイスまたは回路からなるか、あるいは代わりに、一体型アセンブリからなることができる。送信アンテナ204からの例示的なRF電力出力は2.5ワットのオーダーである。
【0035】
送信回路202は、特定の受信機に対する送信位相(またはデューティサイクル)中に発振器212を使用可能にし、発振器の周波数を調整し、それらの取り付けられた受信機を通して隣接デバイスと対話するための通信プロトコルを実装するために出力電力レベルを調整するためのプロセッサ214をさらに含む。
【0036】
送信回路202は、送信アンテナ204によって発生された近距離場の近傍におけるアクティブ受信機の存在または不在を検出するための負荷感知回路216をさらに含むことができる。例として、負荷感知回路216は、送信アンテナ204によって発生された近距離場の近傍におけるアクティブ受信機の存在または不在によって影響を及ぼされる、電力増幅器210に流れる電流を監視する。電力増幅器210に対する負荷の変化の検出は、アクティブ受信機と通信するためのエネルギーを送信するために発振器212を使用可能にすべきかどうかを判断する際に使用するために、プロセッサ214によって監視される。
【0037】
送信アンテナ204は、抵抗損を低く保つように選択された厚さ、幅および金属タイプをもつアンテナストリップとして実装できる。従来の実装形態では、送信アンテナ204は、一般に、テーブル、マット、ランプまたは他のより可搬性が低い構成など、より大きい構造物との関連付けのために構成できる。したがって、送信アンテナ204は、一般に、実際的な寸法にするための「巻き」を必要としない。送信アンテナ204の例示的な実装形態は、「電気的に小形」(すなわち、波長の分数)とし、共振周波数を定義するためにキャパシタを使用することによって、より低い使用可能な周波数で共振するように同調させることができる。送信アンテナ204の直径が、または方形ループの場合は、辺の長さが、受信アンテナに対してより大きい(たとえば、0.50メートル)例示的な適用例では、送信アンテナ204は、妥当なキャパシタンスを得るために必ずしも多数の巻きを必要としない。
【0038】
図11は、本発明の一実施形態による受信機のブロック図である。受信機300は、受信回路302と受信アンテナ304とを含む。受信機300は、さらに、それに受信電力を与えるためにデバイス350に結合する。受信機300は、デバイス350の外部にあるものとして示されているが、デバイス350に一体化できることに留意されたい。一般に、エネルギーは、受信アンテナ304にワイヤレスに伝搬され、次いで、受信回路302を通してデバイス350に結合される。
【0039】
受信アンテナ304は、送信アンテナ204(
図10)と同じ周波数、または同じ周波数の近くで共振するように同調させられる。受信アンテナ304は、送信アンテナ204と同様に寸法決定でき、または関連するデバイス350の寸法に基づいて別様にサイズ決定できる。例として、デバイス350は、送信アンテナ204の直径または長さよりも小さい直径寸法または長さ寸法を有するポータブル電子デバイスとすることができる。そのような例では、受信アンテナ304は、同調キャパシタ(図示せず)のキャパシタンス値を低減し、受信アンテナのインピーダンスを増加するために、多巻きアンテナとして実装できる。例として、受信アンテナ304は、アンテナ直径を最大にし、受信アンテナのループ巻き(すなわち、巻線)の数および巻線間キャパシタンスを低減するために、デバイス350の実質的な周囲の周りに配置できる。
【0040】
受信回路302は、受信アンテナ304に対するインピーダンス整合を行う。受信回路302は、受信したRFエネルギー源を、デバイス350が使用するための充電電力に変換するための電力変換回路306を含む。電力変換回路306は、RF−DC変換器308を含み、DC−DC変換器310をも含むことができる。RF−DC変換器308は、受信アンテナ304において受信されたRFエネルギー信号を非交流電力に整流し、DC−DC変換器310は、整流されたRFエネルギー信号を、デバイス350に適合するエネルギーポテンシャル(たとえば、電圧)に変換する。部分および完全整流器、調整器、ブリッジ、ダブラー、ならびに線形およびスイッチング変換器を含む、様々なRF−DC変換器が企図される。
【0041】
受信回路302は、受信アンテナ304を電力変換回路306に接続するため、または代替的に電力変換回路306を切断するためのスイッチング回路312をさらに含むことができる。電力変換回路306から受信アンテナ304を切断することは、デバイス350の充電を中断するだけでなく、以下でより十分に説明するように、送信機200(
図2)から「見た」「負荷」を変化させる。上記で開示したように、送信機200は、送信機電力増幅器210に供給されたバイアス電流の変動を検出する負荷感知回路216を含む。したがって、送信機200は、受信機が送信機の近距離場に存在するときを判断するための機構を有する。
【0042】
複数の受信機300が送信機の近距離場に存在するとき、他の受信機がより効率的に送信機に結合することができるように、1つまたは複数の受信機の装荷および除荷を時間多重化することが望ましいことがある。受信機はまた、他の近くの受信機への結合を解消するため、または近くの送信機に対する装荷を低減するためにクローキングできる。受信機のこの「除荷」を、本明細書では「クローキング」とも呼ぶ。さらに、受信機300によって制御され、送信機200によって検出される除荷と装荷との間のこのスイッチングは、以下でより十分に説明するように受信機300から送信機200への通信機構を与える。さらに、受信機300から送信機200へのメッセージの送信を可能にするプロトコルをスイッチングに関連付けることができる。例として、スイッチング速度は100μ秒のオーダーとすることができる。
【0043】
受信回路302は、送信機から受信機への情報シグナリングに対応する、受信したエネルギー変動を識別するために使用される、シグナリング検出器およびビーコン回路314をさらに含むことができる。さらに、シグナリングおよびビーコン回路314はまた、低減されたRF信号エネルギー(すなわち、ビーコン信号)の送信を検出し、ワイヤレス充電のための受信回路302を構成するために、低減されたRF信号エネルギーを整流して、受信回路302内の無電力供給回路または電力消耗回路のいずれかをアウェイクさせるための公称電力にするために使用できる。
【0044】
受信回路302は、本明細書で説明するスイッチング回路312の制御を含む、本明細書で説明する受信機300のプロセスを調整するためのプロセッサ316をさらに含む。受信機300のクローキングは、デバイス350に充電電力を供給する外部ワイヤード充電ソース(たとえば、ウォール/USB電力)の検出を含む他のイベントの発生時にも行われることがある。プロセッサ316は、受信機のクローキングを制御することに加えて、ビーコン状態を判断し、送信機から送信されたメッセージを抽出するためにビーコン回路314を監視することもできる。プロセッサ316はまた、パフォーマンスの改善ためにDC−DC変換器310を調整することができる。
【0045】
図12に、送信機と受信機との間のメッセージングを実施するための送信回路の一部分の簡略化された概略図を示す。本発明のいくつかの例示的な実施形態では、送信機と受信機との間で通信のための手段を使用可能にすることができる。
図12では、電力増幅器210は、送信アンテナ204を励振して放射界を発生させる。電力増幅器は、送信アンテナ204に対して所望の周波数で発振しているキャリア信号220によって駆動される。電力増幅器210の出力を制御するために送信変調信号224が使用される。
【0046】
送信回路は、電力増幅器210に対してオン/オフキーイングプロセスを使用することによって受信機に信号を送信することができる。言い換えれば、送信変調信号224がアサートされたとき、電力増幅器210は、送信アンテナ204に対してキャリア信号220の周波数を励振する。送信変調信号224がネゲートされたとき、電力増幅器は送信アンテナ204に対して周波数を励振しない。
【0047】
図12の送信回路はまた、電力増幅器210に電力を供給し、受信信号235出力を発生する負荷感知回路216を含む。負荷感知回路216では、信号の電力226と電力増幅器210への電力供給228との間で、抵抗R
sの両端間の電圧降下が生じる。電力増幅器210によって消費される電力の変化は、差動増幅器230によって増幅される電圧降下の変化を引き起こす。送信アンテナが受信機中の受信アンテナ(
図12に図示せず)との結合モードにあるとき、電力増幅器210によって引き出される電流の量が変化する。言い換えれば、送信アンテナ210の結合モード共振が存在しない場合、放射界を励振するために必要とされる電力が最初の量である。結合モード共振が存在する場合、電力の大部分が受信アンテナに結合されているので、電力増幅器210によって消費される電力の量は上昇する。したがって、受信信号235は、以下で説明するように、送信アンテナ235に結合された受信アンテナの存在を示すことができ、受信アンテナから送信された信号を検出することもできる。さらに、以下で説明するように、受信機電流ドローの変化は、送信機の電力増幅器電流ドローにおいて観測可能であり、この変化を使用して、受信アンテナからの信号を検出することができる。
【0048】
図13A〜
図13Cに、受信機と送信機との間のメッセージングを示すための様々な状態における受信回路の一部分の簡略化された概略図を示す。
図13A〜
図13Cのすべては、様々なスイッチの状態が異なる、同じ回路要素を示す。受信アンテナ304は、ノード350を駆動する特性インダクタンスL1を含む。ノード350は、スイッチS1Aを通して接地に選択的に結合される。ノード350はまた、スイッチS1Bを通してダイオードD1および整流器318に選択的に結合される。整流器318は、受信デバイス(図示せず)への電力供給、バッテリの充電、またはそれらの組合せのために、受信デバイスにDC電力信号322を供給する。ダイオードD1は、高調波および不要な周波数を除去するためにキャパシタC3および抵抗R1を用いてフィルタ処理される送信信号320に結合される。したがって、D1、C3、およびR1の組合せは、送信信号320に対して、
図12の送信機を参照しながら上述した送信変調信号224によって発生された送信変調を模する信号を発生させることができる。
【0049】
本発明の例示的な実施形態は、受信デバイスの電流ドローの変調と、逆方向リンクシグナリングを達成するための受信アンテナのインピーダンスの変調とを含む。
図13Aおよび
図12を参照すると、受信デバイスの電力ドローが変化すると、負荷感知回路216は、送信アンテナの得られた電力変化を検出し、これらの変化から受信信号235を発生させることができる。
【0050】
図13A〜
図13Cの実施形態では、スイッチS1AおよびS2Aの状態を修正することによって、送信機を通る電流ドローを変化させることができる。
図13Aでは、スイッチS1AおよびスイッチS2Aは、どちらも開いており、「DC開状態」を生成し、送信アンテナ204からの負荷を本質的に除去する。これにより、送信機が受ける電流が低減される。
【0051】
図13Bでは、スイッチS1Aは閉じており、スイッチS2Aは開いており、受信アンテナ304の「DCショート状態」を生成する。したがって、
図13Bの状態を使用して、送信機が受ける電流を増加させることができる。
【0052】
図13Cでは、スイッチS1Aは開いており、スイッチS2Aは閉じており、DCout信号322によって電力を供給することができ、送信信号320を検出することができる通常受信モード(本明細書では「DC動作状態」とも呼ぶ)を生成する。
図13Cに示す状態では、受信機は、通常の量の電力を受信し、したがってDC開状態またはDCショート状態よりも多いまたは少ない送信アンテナからの電力を消費する。
【0053】
DC動作状態(
図13C)とDCショート状態(
図13B)との間のスイッチングによって逆方向リンクシグナリングが達成できる。逆方向リンクシグナリングは、DC動作状態(
図13C)とDC開状態(
図13A)との間のスイッチングによっても達成できる。
【0054】
図14A〜
図14Cに、受信機と送信機との間のメッセージングを示すための様々な状態における代替受信回路の一部分の簡略化された概略図を示す。
【0055】
図14A〜
図14Cのすべては、様々なスイッチの状態が異なる、同じ回路要素を示す。受信アンテナ304は、ノード350を駆動する特性インダクタンスL1を含む。ノード350は、キャパシタC1およびスイッチS1Bを通して接地に選択的に結合される。ノード350はまた、キャパシタC2を通してダイオードD1および整流器318にAC結合される。ダイオードD1は、高調波および不要な周波数を除去するためにキャパシタC3および抵抗R1を用いてフィルタ処理される送信信号320に結合される。したがって、D1、C3、およびR1の組合せは、送信信号320に対して、
図12の送信機を参照しながら上述した送信変調信号224によって発生された送信変調を模する信号を発生させることができる。
【0056】
整流器318は、抵抗R2および接地と直列に接続されたスイッチS2Bに接続される。整流器318はスイッチS3Bにも接続される。スイッチS3Bの反対側は、受信デバイス(図示せず)への電力供給、バッテリの充電、またはそれらの組合せのために、受信デバイスにDC電力信号322を供給する。
【0057】
図13A〜
図13Cでは、受信アンテナ304のDCインピーダンスは、スイッチS1Bを通して受信アンテナを接地に選択的に結合することによって変化させられる。対照的に、
図14A〜
図14Cの実施形態では、受信アンテナ304のACインピーダンスが変化するようにスイッチS1B、S2B、およびS3Bの状態を修正することによって、アンテナのインピーダンスを修正して逆方向リンクシグナリングを発生させることができる。
図14A〜
図14Cでは、受信アンテナ304の共振周波数は、キャパシタC2を用いて同調させることができる。したがって、スイッチS1Bを使用してキャパシタC1を通して受信アンテナ304を選択的に結合することによって受信アンテナ304のACインピーダンスを変更し、共振回路を、送信アンテナと最適に結合する範囲の外側にある異なる周波数に本質的に変更することができる。受信アンテナ304の共振周波数がほぼ送信アンテナの共振周波数であり、受信アンテナ304が送信アンテナの近距離場にある場合、受信機が放射界106からかなりの電力を引き出すことができる結合モードが生じる。
【0058】
図14Aでは、スイッチS1Bは閉じており、受信アンテナが送信アンテナの周波数で共振しないので、アンテナを離調し、送信アンテナ204による検出から受信アンテナ304を本質的に「クローキングする」「ACクローキング状態」を生成する。受信アンテナが結合モードにないので、スイッチS2BおよびS3Bの状態は、本議論には特に重要ではない。
【0059】
図14Bでは、スイッチS1Bは開いており、スイッチS2Bは閉じており、スイッチS3Bは開いており、受信アンテナ304の「同調ダミー負荷状態」を生成する。スイッチS1Bが開いているので、キャパシタC1は共振回路に寄与せず、キャパシタC2と組み合わせた受信アンテナ304は、送信アンテナの共振周波数と整合することができる共振周波数にある。開いたスイッチS3Bと閉じたスイッチS2Bとの組合せは、整流器に対する比較的高い電流ダミー負荷を生成し、受信アンテナ304を通して、送信アンテナによって感知できるより多くの電力を引き出す。さらに、受信アンテナが送信アンテナから電力を受信する状態にあるので、送信信号320を検出することができる。
【0060】
図14Cでは、スイッチS1Bは開いており、スイッチS2Bは開いており、スイッチS3Bは閉じており、受信アンテナ304の「同調動作状態」を生成する。スイッチS1Bが開いているので、キャパシタC1は共振回路に寄与せず、キャパシタC2と組み合わせた受信アンテナ304は、送信アンテナの共振周波数と整合することができる共振周波数にある。開いたスイッチS2Bと閉じたスイッチS3Bとの組合せは、DCout322によって電力を供給することができ、送信信号320を検出することができる通常動作状態を生成する。
【0061】
同調動作状態(
図14C)とACクローキング状態(
図14A)との間のスイッチングによって逆方向リンクシグナリングが達成できる。逆方向リンクシグナリングは、同調ダミー負荷状態(
図14B)とACクローキング状態(
図14A)との間のスイッチングによっても達成できる。受信機によって消費される電力の量に、送信機中の負荷感知回路によって検出できる差があるので、逆方向リンクシグナリングは、同調動作状態(
図14C)と同調ダミー負荷状態(
図14B)との間のスイッチングによっても達成できる。
【0062】
もちろん、当業者なら、スイッチS1B、S2B、およびS3Bの他の組合せを使用して、クローキングを生成し、逆方向リンクシグナリングを発生させ、受信デバイスに電力を供給することができることを認識されよう。さらに、クローキング、逆方向リンクシグナリング、および受信デバイスへの電力供給のための他の可能な組合せを生成するために、スイッチS1AおよびS1Bを
図14A〜
図14Cの回路に追加することができる。
【0063】
したがって、
図12を参照しながら上述したように、結合モードにあるとき、送信機から受信機に信号を送信することができる。さらに、
図13A〜
図13Cおよび
図14A〜
図14Cを参照しながら上述したように、結合モードにあるとき、受信機から送信機に信号を送信することができる。
【0064】
図15A〜
図15Cは、上述のシグナリング技法を使用する、送信機と受信機との間の通信のためのメッセージングプロトコルを示すタイミング図である。1つの例示的な手法では、送信機から受信機への信号を本明細書では「順方向リンク」と呼び、通常発振と発振なしとの間の単純なAM変調を使用する。他の変調技法も企図される。非限定的な例として、信号存在を1と解釈し、信号不在を0と解釈することができる。
【0065】
逆方向リンクシグナリングは、送信機中の負荷感知回路によって検出できる、受信デバイスによって引き出された電力の変調によって行われる。非限定的な例として、高電力状態を1と解釈し、低電力状態を0と解釈することができる。受信機が逆方向リンクシグナリングを実行することができるように、送信機がオンでなければならないことに留意されたい。さらに、受信機は、順方向リンクシグナリング中に逆方向リンクシグナリングを実行してはならない。さらに、2つの受信デバイスが同時に逆方向リンクシグナリングを実行しようと試みた場合、衝突が起こることがあり、それにより送信機が適切な逆方向リンク信号を復号することが、不可能でないとしても困難になる。
【0066】
本明細書で説明する例示的な実施形態では、シグナリングは、スタートビットと、データバイトと、パリティービットと、ストップビットとをもつUniversal Asynchronous Receive Transmit(UART)シリアル通信プロトコルと同様である。もちろん、どんなシリアル通信プロトコルも、本明細書で説明する本発明の例示的な実施形態を実施するのに好適である。限定としてではなく、説明を簡単にするために、各バイト送信を通信するための期間が約10mSであるものとして、メッセージングプロトコルについて説明する。
【0067】
図15Aは、メッセージングプロトコルの最も単純で、最も低電力の形態を示す。同期パルス420は循環期間410(例示的な実施形態では約1秒)ごとに反復される。非限定的な例として、同期パルスオン時間は約40mSとすることができる。少なくとも同期パルス420をもつ循環期間410は、送信機がオンの間、無期限に反復できる。同期パルス350は、「白」パルス420’によって示されるパルス周期の間、一定の周波数とすることができるので、「同期パルス」はいくぶん誤称であることに留意されたい。同期パルス420はまた、「ハッチ」パルス420によって示される、上述したオン/オフキーイングを用いた共振周波数におけるシグナリングを含むことができる。
図15Aは、同期パルス420中に共振周波数における電力が供給され、電力期間450中に送信アンテナがオフである、最小電力状態を示す。すべての受信デバイスは、同期パルス420中に電力を受信することが可能である。
【0068】
図15Bは、同期パルス420と、逆方向リンク期間430と、電力期間450’とをもつ循環期間410を示し、送信アンテナはオンであり、共振周波数において発振することによって全電力を供給しており、シグナリングは実行していない。上側のタイミング図は循環期間410全体を示し、下側のタイミング図は同期パルス420および逆方向リンク期間430の分解図を示す。電力期間450’は、以下で説明するように、複数の受信デバイスのための異なる期間にセグメント化できる。
図15Bは、3つの異なる受信デバイスのための3つの電力セグメントPd1、Pd2、およびPdnを示す。
【0069】
順方向リンクシグナリングが行われるとき、同期パルス420は、ウォームアップ期間422と、順方向リンク期間424と、リスニング期間426とを含むことができる。リスニング期間426は、ハンドオーバ期間427と逆方向リンク開始期間428とを含むことができる。同期パルス420の間、送信機は、(「ハッチ」セクションによって示される)順方向リンク期間400中に順方向リンクメッセージを送出し、リスニング期間426中に受信機からの応答を待つ。
図15Bでは、受信機は応答せず、これはリスニング期間426中の「白」セクションによって示されている。
【0070】
図15Cは、受信機が、「クロスハッチ」セクションによって示される逆方向リンク開始期間428および逆方向リンク期間430中に応答することを除いて
図15Bと同様である。
図15では、同期パルス420の間、送信機は、順方向リンク期間400中に順方向リンクメッセージを送出し、リスニング期間426中に受信機からの応答を待つ。応答しようとしている受信機は、ハンドオーバ期間427の終了の前、逆方向リンク開始期間428中、場合によっては逆方向リンク期間430中にそれらの応答を開始する。
【0071】
非限定的な例として、表2に、送信機および受信機によって送信されるいくつかの可能なメッセージを示す。
【表2】
【0072】
ただし、
ヌル=送信コマンドなし
DD=デバイス番号
TT=デバイスタイプ
PP=要求される電力
rr=乱数
cc=チェックサム
NN=タイムスロットの開始、および
MM=タイムスロットの終了
表2の説明において、ヌルコマンドは、送信機が順方向リンク期間424中にメッセージングを送信しないことを意味する。行2において、送信機は新デバイス照会(NDQ)を送信する。受信デバイスが応答する場合、受信デバイスは、デバイス番号(デバイス番号が送信機によって割り当てられるまで、新しいデバイスでは0であるはずである)、電力要求、乱数、および受信応答中のすべてのデータビットのチェックサムとともに新デバイス応答(NDR)で応答する。
【0073】
行3において、送信機は、デバイス照会(DQ)をデバイス番号とともに送信する。DQ応答によって指定された受信デバイスは、デバイス番号、デバイスタイプ、要求される電力の量、受信応答中のすべてのデータビットのチェックサムとともに、デバイスステータス(DS)で応答する。
【0074】
行4において、送信機は、確認応答(ACK)を、前のDQに応答した受信機に送出する。受信機はACKには応答しない。
【0075】
行5において、送信機は、デバイス番号、電力期間450’内の開始時間、電力期間450’内の終了時間、および受信応答中のすべてのデータビットのチェックサムとともにスロット割当て(SA)を送出する。受信機はSAには応答しない。
【0076】
行6において、送信機は、すべての受信機が、それらの割り当てられたタイムスロットの使用を停止しなければならないことを示すリセット(RES)を送出する。受信機はRESには応答しない。
【0077】
もちろん、当業者なら、コマンドおよび応答は例示的なものであり、本発明の範囲内で企図される様々な実施形態では、これらのコマンドおよび応答の変形体を使用することができ、本発明の範囲内で追加のコマンドおよび応答が考案できることを認識されよう。
【0078】
通信がどのように行われるかをさらに示すために、5つの異なるシナリオについて論じる。第1のシナリオでは、最初に送信機の結合モード領域内に受信デバイスはなく、1つの受信デバイスが結合モード領域に入る。結合モード領域中にデバイスが存在しないとき、送信機は、
図15Aに示すように低電力状態のままであり、循環期間410ごとに同期パルス420を反復する。同期パルス420は順方向リンク期間424中にNDQを含み、送信機はリスニング期間426中に応答をリッスンする。応答が受信されない場合、送信機は、次の循環期間410の同期パルス420のための時間まで停止する。
【0079】
新しい受信デバイスが結合モード領域に導入されたとき、受信デバイスは、最初にオンになり、同期パルス420をリッスンする。新しい受信デバイスは、電力のために同期パルス420を使用することができるが、電力期間450’中にクローキングまたは非電力受信モードに進まなければならない(本明細書では「バスから降りる」と呼ぶ)。さらに、新しい受信デバイスは、送信コマンドをリッスンし、NDQを除いてすべての送信コマンドを無視する。新しい受信デバイスは、NDQを受信すると、ハンドオーバ期間427、逆方向リンク開始期間428、場合によっては逆方向リンク期間430の間、オンのままになる。順方向リンク期間424後、ハンドオーバ期間427の終了の前に、受信デバイスは、デバイスID0(新しいデバイスIDは送信機によって割り当てられる)、電力量要求、乱数およびチェックサムとともにNDRで応答する。新しい受信デバイスは、次いで、電力期間450’中にバスから降りる。
【0080】
送信機がNDRを正しく受信した場合、送信機は、次の同期パルス420上で新しい受信デバイスのためのスロット割当て(SA)で応答する。SAは、新しい受信デバイスのデバイスIDと、開始時間と、終了時間と、チェックサムとを含む。このSAの開始時間および終了時間は0であり、新しい受信デバイスが電力期間450’中のどの時間期間にもバスに乗ってはならないことを示す。新しい受信デバイスは、それがバスに乗ることができるとき、特定の電力セグメントPdnを割り当てる実際の開始時間および終了時間とともに後続のSAを受信する。新しい受信デバイスが適切なチェックサムを受信しない場合、新しい受信デバイスは新デバイスモードのままになり、再びNDQに応答する。
【0081】
第2のシナリオでは、送信機の結合モード領域内に受信デバイスはなく、2つ以上の受信デバイスが結合モード領域に入る。このモードでは、2つの新しい受信デバイスが結合モード領域に導入されたとき、それらは最初にずっとバスに乗っている。新しい受信デバイスは、同期パルス420を受信すると、電力のために同期パルス420を使用することができるが、電力期間450’中にバスから降りなければならない。さらに、新しい受信デバイスは、送信コマンドをリッスンし、NDQを除いてすべての送信コマンドを無視する。新しい受信デバイスは、NDQを受信すると、ハンドオーバ期間427、逆方向リンク開始期間428、場合によっては逆方向リンク期間430の間、オンのままになる。順方向リンク期間424後、ハンドオーバ期間427の終了の前に、受信デバイスは、デバイスID0(新しいデバイスIDは送信機によって割り当てられる)、電力量要求、乱数およびチェックサムとともにNDRで応答する。
【0082】
しかしながら、2つ以上の受信デバイスが同時に応答しており、異なる乱数およびチェックサムを有する可能性があるので、送信機によって受信されたメッセージは歪曲され、送信機におけるチェックサムは不正確になる。したがって、送信機は、後続の同期パルス420上でSAを送出しない。
【0083】
NDR後に即時のSAが利用できない場合、受信デバイスの各々は、NDRで応答する前にランダムな数の後続のNDQを待つ。たとえば、2つのデバイスが両方とも第1のNDQに応答すると、後続のSAは生じない。デバイス1は、別のNDQに応答する前に4つのNDQを待つことを決定する。デバイス2は、別のNDQに応答する前に2つのNDQを待つことを決定する。したがって、送信機によって送出される次のNDQに対して、どちらのデバイスもNDRで応答しない。送信機によって送出される次のNDQに対して、デバイス2のみがNDRで応答し、送信機は、NDRをうまく受信し、デバイス2のためのSAを送出する。次のNDQに対して、デバイス2は、それがもはや新しいデバイスではないので応答せず、デバイス1は、そのランダムな待機期間が経過していないので応答しない。送信機によって送出される次のNDQに対して、デバイス1のみがNDRで応答し、送信機は、NDRをうまく受信し、デバイス1のためのSAを送出する。
【0084】
第3のシナリオでは、少なくとも1つの受信デバイスが結合モード領域中にあり、新しい受信デバイスが結合モード領域に入る。このモードでは、新しい受信デバイスが結合モード領域に導入され、最初にずっとバスに乗っている。新しい受信デバイスは、同期パルス420を受信すると、電力のために同期パルス420を使用することができるが、電力期間450’中にバスから降りなければならない。さらに、新しい受信デバイスは、送信コマンドをリッスンし、NDQを除いてすべての送信コマンドを無視する。周期的に、送信機は、新しいデバイスが結合モード領域に入ったかどうかを確かめるためにNDQを発行する。新しいデバイスは、次いでNDRで応答する。後続の同期パルス420上で、送信機は、割り当てられた電力スロットなしの、新しいデバイスのためのSAを発行する。送信機は、次いで、結合モード領域中のすべてのデバイスのための電力割振りを再計算し、重複電力セグメントPdnがないように、各デバイスのための新しいSAを発生する。各デバイスは、その新しいSAを受信した後、その新しいPdn中にのみバスに乗ることを開始する。
【0085】
第4のシナリオでは、受信デバイスが結合モード領域に出入りすることなしに通常の電力供給動作が続く。このシナリオの間、送信機は、各デバイスをデバイス照会(DQ)で周期的にピングする。照会されたデバイスはデバイスステータス(DS)で応答する。DSが異なる電力要求を示した場合、送信機は、結合モード領域中のデバイスの各々に対する電力割振りを再割振りすることができる。送信機はまた、第3のシナリオに関して上記で説明したように、NDQを周期的に発行する。
【0086】
第5のシナリオでは、デバイスは結合モード領域から除去される。この「除去された」状態は、デバイスが結合モード領域から物理的に除去されること、デバイスが遮断されること、または、おそらくデバイスがそれ以上の電力を必要としないので、自体をクローキングすることとすることができる。上述のように、送信機は、結合モード領域中のすべてのデバイスに対して周期的にDQを送出する。特定のデバイスへの2つの連続するDQが有効なDSを戻さない場合、送信機は、割り振られたデバイスのそのリストからそのデバイスを除去し、電力期間450’を残りのデバイスに再割振りする。送信機はまた、消失したデバイスがまだ受信しているが送信することができない場合、消失したデバイスに0時間の電力割振りを割り当てる。デバイスが間違って電力割振りから除去された場合、デバイスは、適切なNDRでNDQに応答することによって電力割振りを回復することができる。
【0087】
表3に、通信プロトコルがどのように動作するかを示すために、コマンドおよび応答の非限定的なシーケンスを示す。
【表3】
【0088】
新しいデバイスのための最初のスロット割当てはタイムスロットを割り振らないことに留意されたい。各既存デバイスに新しい非重複タイムスロットが割り振られ、次いで、新しいデバイスに、電力を受信するためのタイムスロットが最後に割り振られる。
【0089】
例示的な一実施形態では、ワイヤレス充電デバイスは、たとえば、デバイスがうまく充電領域に入り、自体をローカル送信機に登録したことを示すライトなどの可視信号をユーザに対して表示することができる。これは、デバイスが実際に充電する準備ができているという肯定のフィードバックをユーザに与える。
【0090】
本発明の他の例示的な実施形態では、受信機と送信機は、
図2に示すように別個の通信チャネル119(たとえば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、セルラーなど)上で通信することができる。別個の通信チャネルの場合、循環期間は通信期間を含む必要がなく、時間全体を電力期間450’に充てることができる。送信機は依然として(別個の通信チャネルを介して通信される)各受信デバイスにタイムスロットを割り振ることができ、各受信デバイスはその割り当てられた電力セグメントPdnの間にバスに乗るだけである。
【0091】
上述の時分割多重化電力割振りは、送信機の結合モード領域内の複数の受信デバイスに電力を供給するための最も効率的な方法であることがある。しかしながら、他の電力割振りシナリオを本発明の他の実施形態とともに採用することができる。
【0092】
図16A〜
図16Dは、送信機と1つまたは複数の受信機との間で電力を送信するためのビーコン電力モードを示す簡略ブロック図である。
図16Aは、受信デバイスがビーコン結合モード領域510にないときの低電力「ビーコン」信号525を有する送信機520を示す。ビーコン信号525は、非限定的な例として、約10〜約20mW RFの範囲内などにあるとすることができる。この信号は、充電すべきデバイスが結合モード領域中に配置されたとき、デバイスに初期電力を供給するのに十分である。
【0093】
図16Bは、ビーコン信号525を送信している送信機520のビーコン結合モード領域510内に配置された受信デバイス530を示す。受信デバイス530がオンであり、送信機との結合を生じる場合、受信デバイス530は、まさに受信機がビーコン信号525から電力を受容する逆方向リンク結合535を発生する。この追加の電力は、送信機の負荷感知回路216(
図12)によって感知できる。したがって、送信機は高電力モードに進むことができる。
【0094】
図16Cは、高電力信号525’を発生し、高電力結合モード領域510’を生じている送信機520を示す。受信デバイス530が電力を受容しており、その結果、逆方向リンク結合535を発生している限り、送信機は高電力状態のままである。ただ1つの受信デバイス530が示されているが、複数の受信デバイス530が結合モード領域510中に存在することができる。複数の受信デバイス530がある場合、それらは、各受信デバイス530がどのくらい良好に結合されるかに基づいて、送信機によって送信される電力の量を共有する。たとえば、結合効率は、
図8および
図9を参照しながら上記で説明したように、デバイスが結合モード領域510内のどこに配置されるかに応じて、受信デバイス530ごとに異なることがある。
【0095】
図16Dは、受信デバイス530がビーコン結合モード領域510中にあるときでも、ビーコン信号525を発生している送信機520を示す。受信デバイス530が遮断されたとき、またはおそらく受信デバイス530がそれ以上の電力を必要としないので、デバイスが自体をクローキングするとき、この状態が起こることがある。
【0096】
時間多重化モードの場合と同様に、受信機と送信機は、別個の通信チャネル(たとえば、Bluetooth、ZigBeeなど)上で通信することができる。別個の通信チャネルの場合、送信機は、結合モード領域510中の受信デバイスの数とそれらのそれぞれの電力要件とに基づいて、ビーコンモードと高電力モードとの間でいつ切り替えるべきかを判断し、または複数の電力レベルを生成することができる。
【0097】
情報および信号は様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0098】
さらに、本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装できることを当業者なら諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0099】
本明細書で開示した実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。
【0100】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施するか、またはその2つの組合せで実施することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐することができる。ASICはユーザ端末中に常駐することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐することができる。
【0101】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明した機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せで実装できる。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体でよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0102】
開示した例示的な実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を実施または使用できるようにするために提供されるものである。これらの例示的な実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用できる。したがって、本発明は、本明細書で示した実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] RF信号を発生するために、送信アンテナによって発生された近距離場放射を介して前記送信アンテナと結合するための受信アンテナと、
前記受信アンテナに動作可能に結合されたスイッチング回路であって、前記スイッチング回路が第1の状態であるときに前記近距離場放射との結合から前記受信アンテナをクローキングし、前記スイッチング回路が第2の状態であるときに前記受信アンテナが前記送信アンテナと結合することを可能にするためのスイッチング回路と
を備えるワイヤレス電力受信機。
[C2] 前記受信アンテナに動作可能に結合された整流器であって、前記RF信号を、受信デバイスに電力を供給するためのDC信号に変換するための前記整流器をさらに備える、C1に記載のワイヤレス電力受信機。
[C3] 前記RF信号に動作可能に結合された信号抽出器であって、オン/オフキーイング変調に応答して送信されたデジタル信号を抽出するために前記RF信号の前記オン/オフキーイング変調を検出するための信号抽出器をさらに備える、C1に記載のワイヤレス電力受信機。
[C4] 前記スイッチング回路が、
前記受信アンテナと接地との間に動作可能に結合された第1のスイッチと、
前記受信アンテナと、前記RF信号を、受信デバイスに電力を供給するためのDC信号に変換するための整流器との間に動作可能に結合された第2のスイッチと
を備える、C1に記載のワイヤレス電力受信機。
[C5] 前記第1の状態が、閉状態の前記第1のスイッチと開状態の前記第2のスイッチとを備え、
前記第2の状態が、開状態の前記第1のスイッチと閉状態の前記第2のスイッチとを備える、
C4に記載のワイヤレス電力受信機。
[C6] 前記第1の状態が、開状態の前記第1のスイッチと開状態の前記第2のスイッチとを備え、
前記第2の状態が、開状態の前記第1のスイッチと閉状態の前記第2のスイッチとを備える、
C4に記載のワイヤレス電力受信機。
[C7] 前記スイッチング回路が、
前記受信アンテナを、接地に結合されたキャパシタに選択的に結合するための第1のスイッチと、
前記受信アンテナに動作可能に結合された整流器であって、前記RF信号を、受信デバイスに電力を供給するためのDC信号に変換するための整流器と、
前記DC信号を、前記接地に結合されたダミー負荷に選択的に結合するための第2のスイッチと、
前記DC信号を前記受信デバイスに選択的に結合するための第3のスイッチと
を備える、C1に記載のワイヤレス電力受信機。
[C8] 前記第1の状態が、閉状態の前記第1のスイッチと開状態の前記第2のスイッチと閉状態の前記第3のスイッチとを備え、
前記第2の状態が、開状態の前記第1のスイッチと開状態の前記第2のスイッチと閉状態の前記第3のスイッチとを備える、
C7に記載のワイヤレス電力受信機。
[C9] 前記第1の状態が、閉状態の前記第1のスイッチと開状態の前記第2のスイッチと閉状態の前記第3のスイッチとを備え、
前記第2の状態が、開状態の前記第1のスイッチと閉状態の前記第2のスイッチと開状態の前記第3のスイッチとを備える、
C7に記載のワイヤレス電力受信機。
[C10] 前記第1の状態が、開状態の前記第1のスイッチと閉状態の前記第2のスイッチと開状態の前記第3のスイッチとを備え、
前記第2の状態が、開状態の前記第1のスイッチと開状態の前記第2のスイッチと閉状態の前記第3のスイッチとを備える、
C7に記載のワイヤレス電力受信機。
[C11] RF信号を発生するために、送信アンテナによって発生された近距離場放射を介して前記送信アンテナと結合するための受信アンテナと、
前記受信アンテナに動作可能に結合された整流器であって、前記RF信号を、受信デバイスに電力を供給するためのDC信号に変換するための整流器と、
前記受信アンテナに動作可能に結合された信号抽出器であって、オン/オフキーイング変調に応答して送信されたデジタル信号を抽出するために前記RF信号の前記オン/オフキーイング変調を検出するための信号抽出器と
を備えるワイヤレス電力受信機。
[C12] 前記受信アンテナに動作可能に結合されたスイッチング回路であって、前記スイッチング回路が第1の状態であるときに前記近距離場放射との結合から前記受信アンテナをクローキングし、前記スイッチング回路が第2の状態であるときに前記受信アンテナが前記送信アンテナと結合することを可能にするためのスイッチング回路をさらに備える、C11に記載のワイヤレス電力受信機。
[C13] 前記スイッチング回路が、
前記受信アンテナと接地との間に動作可能に結合された第1のスイッチと、
前記受信アンテナと前記整流器との間に動作可能に結合された第2のスイッチと
を備える、C12に記載のワイヤレス電力受信機。
[C14] 前記スイッチング回路が、
前記受信アンテナを、接地に結合されたキャパシタに選択的に結合するための第1のスイッチと、
前記DC信号を、前記接地に結合されたダミー負荷に選択的に結合するための第2のスイッチと、
前記DC信号を前記受信デバイスに選択的に結合するための第3のスイッチと
を備える、C12に記載のワイヤレス電力受信機。
[C15] 受信アンテナに結合するための近距離場放射を発生させるための送信アンテナと、
増幅器に電力を供給するための電力信号をもつ増幅器であって、前記送信アンテナにRF信号を印加するための増幅器と、
前記増幅器に動作可能に結合され、前記電力信号を介して電流の変化を検出するための負荷感知回路であって、電流の前記変化に応答してデジタル信号を発生する負荷感知回路と
を備えるワイヤレス電力送信機。
[C16] 前記増幅器に動作可能に結合された送信変調信号をさらに備え、前記増幅器がさらに、前記送信変調信号が第1の状態であるときに前記送信アンテナに前記RF信号を印加し、前記送信変調信号が第2の状態であるときに前記送信アンテナにDC信号を印加するためのものである、C15に記載のワイヤレス電力送信機。
[C17] 前記負荷感知回路が、
電源と前記電力信号との間に直列に動作可能に結合されたセンス抵抗と、差動増幅器とを備え、前記差動増幅器が、
前記電源に結合された第1の入力と、
前記電力信号に結合された第2の入力と、
前記デジタル信号に結合された出力と
を備える、C15に記載のワイヤレス電力送信機。
[C18] 前記近距離場放射の結合モード領域内に配設されたワイヤレス電力受信機をさらに備え、前記ワイヤレス電力受信機が、
受信されたRF信号を発生するために、前記送信アンテナによって発生された前記近距離場放射を介して前記送信アンテナと結合するための受信アンテナと、
前記受信アンテナに動作可能に結合された整流器であって、前記受信されたRF信号を、受信デバイスに電力を供給するためのDC信号に変換するための整流器と、
前記受信アンテナに動作可能に結合された信号抽出器であって、オン/オフキーイング変調に応答して送信されたデジタル信号を抽出するために前記受信されたRF信号の前記オン/オフキーイング変調を検出するための信号抽出器と
を備える、C15に記載のワイヤレス電力送信機。
[C19] 前記近距離場放射の結合モード領域内に配設されたワイヤレス電力受信機をさらに備え、前記ワイヤレス電力受信機が、
受信されたRF信号を発生するために、前記送信アンテナによって発生された前記近距離場放射を介して前記送信アンテナと結合するための受信アンテナと、
前記受信アンテナに動作可能に結合されたスイッチング回路であって、前記スイッチング回路が第1の状態であるときに前記近距離場放射との結合から前記受信アンテナをクローキングし、前記スイッチング回路が第2の状態であるときに前記受信アンテナが前記送信アンテナと結合することを可能にするためのスイッチング回路と
を備える、C15に記載のワイヤレス電力送信機。
[C20] 送信アンテナの近距離場内で結合モード領域を生成するために前記送信アンテナの共振周波数において電磁界を発生させることと、
実質的に前記共振周波数の近くで共振する受信アンテナを前記結合モード領域内に配設することと、
前記送信アンテナの前記近距離場への前記受信アンテナの結合からエネルギーを抽出することと、
第1の受信信号状態をシグナリングするために前記受信アンテナに対して第1の電力消費状態を発生させることと、
第2の受信信号状態をシグナリングするために前記受信アンテナに対して第2の電力消費状態を発生させることと
によって、前記受信アンテナから前記送信アンテナにシグナリングすることと
を備えるワイヤレス電力伝達の方法。
[C21] 前記第1の電力消費状態を発生させることが、前記受信アンテナの前記共振周波数を前記送信アンテナの前記共振周波数とは実質的に異なる周波数に同調させることによって、前記送信アンテナによる検出から前記受信アンテナをクローキングすることを備え、
前記第2の電力消費状態を発生させることが、前記受信アンテナの前記共振周波数を前記送信アンテナの前記共振周波数の実質的に近くに同調させることを備える、
C20に記載の方法。
[C22] 前記第1の電力消費状態を発生させることが、前記抽出されたエネルギーを動作電流の消費または蓄積のために受信デバイスに導くことを備え、
前記第2の電力消費状態を発生させることが、前記抽出されたエネルギーを、前記動作電流とは実質的に異なる電流をもつダミー負荷に導くことを備える、
C20に記載の方法。
[C23] 第1の送信信号状態をシグナリングするために、前記送信アンテナが前記共振周波数を発生させることを可能にすることと、
第2の送信信号状態をシグナリングするために、前記送信アンテナが前記共振周波数を発生させることを不可能にすることと
によって、前記送信アンテナから前記受信アンテナにシグナリングすることをさらに備える、C20に記載の方法。
[C24] 送信アンテナの近距離場内で結合モード領域を生成するために前記送信アンテナの共振周波数において電磁界を発生させるための手段と、
実質的に前記共振周波数の近くで共振する受信アンテナを用いて、前記結合モード領域内で前記共振周波数を受信するための手段と、
前記送信アンテナの前記近距離場への前記受信アンテナの結合からエネルギーを抽出するための手段と、
第1の受信信号状態をシグナリングするために前記受信アンテナに対して第1の電力消費状態を発生させることと、
第2の受信信号状態をシグナリングするために前記受信アンテナに対して第2の電力消費状態を発生させることと
によって、前記受信アンテナから前記送信アンテナにシグナリングするための手段と
を備えるワイヤレス電力伝達システム。
[C25] 前記第1の電力消費状態を発生させることが、前記受信アンテナの前記共振周波数を前記送信アンテナの前記共振周波数とは実質的に異なる周波数に同調させることによって、前記送信アンテナによる検出から前記受信アンテナをクローキングするための手段を備え、
前記第2の電力消費状態を発生させることが、前記受信アンテナの前記共振周波数を前記送信アンテナの前記共振周波数の実質的に近くに同調させるための手段を備える、
C24に記載のシステム。
[C26] 前記第1の電力消費状態を発生させることが、前記抽出されたエネルギーを動作電流の消費または蓄積のために受信デバイスに導くための手段を備え、
前記第2の電力消費状態を発生させることが、前記抽出されたエネルギーを、前記動作電流とは実質的に異なる電流をもつダミー負荷に導くための手段を備える、
C24に記載のシステム。
[C27] 第1の送信信号状態をシグナリングするために、前記送信アンテナが前記共振周波数を発生させることを可能にすることと、
第2の送信信号状態をシグナリングするために、前記送信アンテナが前記共振周波数を発生させることを不可能にすることと
によって、前記送信アンテナから前記受信アンテナにシグナリングするための手段をさらに備える、C24に記載のシステム。