特許第5792140号(P5792140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5792140ゲーム機、それに用いる制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792140
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ゲーム機、それに用いる制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/798 20140101AFI20150917BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20150917BHJP
【FI】
   A63F13/798
   A63F13/213
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-214449(P2012-214449)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-68663(P2014-68663A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2013年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】浅見 祐一
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−131299(JP,A)
【文献】 特開2003−093746(JP,A)
【文献】 特開平07−163751(JP,A)
【文献】 特開2008−029885(JP,A)
【文献】 特開2009−066164(JP,A)
【文献】 特開2007−175443(JP,A)
【文献】 特開2001−093031(JP,A)
【文献】 特開2009−165562(JP,A)
【文献】 特開2007−260195(JP,A)
【文献】 特開2012−174089(JP,A)
【文献】 特開2011−161241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレイヤに所定のゲームを提供するゲーム機であって、
各プレイヤを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の撮影結果に基づいて、各プレイヤの属性を判別する属性判別手段と、
前記所定のゲームの結果及び前記属性判別手段の判別結果に基づいて、各プレイヤの属性が反映されるように、各プレイヤの前記所定のゲームの結果を互いに差別化して提供する差別化手段と、
前記所定のゲームの結果に応じて、各プレイヤに順に順位が設定されるように、各プレイヤを順位付けする順位付け手段と、
を備え、
前記差別化手段は、前記所定のゲームの結果として前記順位付け手段の順位付け結果を利用し、当該順位付け結果に応じた価値を各プレイヤに提供する結果反映手段と、前記属性判別手段の判別結果に基づいて前記価値を補正する結果補正手段と、を備え、前記結果補正手段によって前記価値が補正されることにより各プレイヤの属性が反映されるように、前記所定のゲームの結果として各プレイヤの前記価値を互いに差別化して提供する、ことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記結果補正手段は、前記属性判別手段の判別結果に基づいて、各プレイヤ間の属性の相違を特定し、特定した相違が所定の補正条件を満たす場合に前記価値を補正する、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記属性判別手段は、前記撮影結果に基づいて各プレイヤの身長を特定し、特定した身長に基づいて各プレイヤの属性を判別し、
前記結果補正手段は、各プレイヤの身長に基づいて各プレイヤの属性の相違を特定する、請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記属性判別手段は、身長が所定値未満のプレイヤの属性を子供と、所定値以上のプレイヤの属性を大人と、それぞれ判別し、
前記所定の補正条件は、各プレイヤ間の属性の相違が大人及び子供に該当する場合に満たされる、請求項3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記所定のゲームの結果を案内する案内画面を表示する表示装置を更に備え、
前記結果反映手段は、前記順位付け手段の順位付け結果に基づいて、前記撮影手段が撮影した各プレイヤの画像を順位に関連付けて前記案内画面に配置することにより、前記順位付け結果に応じた前記価値を各プレイヤに提供する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記結果反映手段は、順位が高いほど高い位置に各プレイヤの画像を配置することにより、前記順位付け結果に応じた前記価値を各プレイヤに提供し、
前記結果補正手段は、各プレイヤの属性に応じて各プレイヤの画像が配置される位置の高さを変化させることにより、前記価値を補正する、請求項5に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記結果反映手段は、順位が高いほど広い領域に各プレイヤの画像を配置することにより、前記順位付け結果に応じた前記価値を各プレイヤに提供し、
前記結果補正手段は、各プレイヤの属性に応じて各プレイヤの画像が配置される領域の広さを変化させることにより、前記価値を補正する、請求項5に記載のゲーム機。
【請求項8】
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
ゲーム音を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、
を更に備え、
前記楽曲中において操作を実行すべき操作時期が記述されたシーケンスデータに基づいて、各操作時期に対応する指示標識及び現在時刻に対応する基準標識を所定の経路に沿って時間順に配置し、前記指示標識が当該指示標識によって示されるべき操作時期に前記基準標識に一致するように時間の進行に応じて前記指示標識及び前記基準標識の間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、各操作時期をプレイヤに案内する音楽ゲームが前記所定のゲームとして提供される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム機。
【請求項9】
各プレイヤに所定のゲームを提供するゲーム機であって、各プレイヤを撮影する撮影手段を備えたゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
前記所定のゲームの結果に応じて、各プレイヤに順に順位が設定されるように、各プレイヤを順位付けする順位付け工程と
前記撮影手段の撮影結果に基づいて、各プレイヤの属性を判別する属性判別工程と、
前記所定のゲームの結果及び前記属性判別工程の判別結果に基づいて、各プレイヤの属性が反映されるように、各プレイヤを互いに差別化する差別化工程と、
を実行させるとともに、
前記差別化工程にて、前記所定のゲームの結果として前記順位付け工程の順位付け結果を利用し、当該順位付け結果に応じた価値を各プレイヤに提供する結果反映工程と、前記属性判別工程の判別結果に基づいて前記価値を補正する結果補正工程と、を更に実行させ、前記結果補正工程によって前記価値が補正されることにより各プレイヤの属性が反映されるように、前記所定のゲームの結果として各プレイヤの前記価値を互いに差別化して提供する、制御方法。
【請求項10】
各プレイヤに所定のゲームを提供するゲーム機であって、各プレイヤを撮影する撮影手段を備えたゲーム機に組み込まれるコンピュータを、
前記撮影手段の撮影結果に基づいて、各プレイヤの属性を判別する属性判別手段、前記所定のゲームの結果及び前記属性判別手段の判別結果に基づいて、各プレイヤの属性が反映されるように、各プレイヤを互いに差別化する差別化手段、及び前記所定のゲームの結果に応じて、各プレイヤに順に順位が設定されるように、各プレイヤを順位付けする順位付け手段として機能させるとともに、
前記差別化手段を、前記所定のゲームの結果として前記順位付け手段の順位付け結果を利用し、当該順位付け結果に応じた価値を各プレイヤに提供する結果反映手段、及び前記属性判別手段の判別結果に基づいて前記価値を補正する結果補正手段として更に機能させるように構成され、前記結果補正手段によって前記価値が補正されることにより各プレイヤの属性が反映されるように、前記所定のゲームの結果として各プレイヤの前記価値を互いに差別化して提供する、ゲーム機用のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各プレイヤに所定のゲームを提供するゲーム機等に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽のリズムに合わせてプレイヤに所定の操作を要求する音楽ゲームが存在する。このような音楽ゲームの一例として、音楽のリズムに対応するノーツバーの移動を通じてピッキングブレード等を操作すべき操作時期が案内されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような音楽ゲームを通じて、複数のプレイヤがゲーム中に獲得した得点の合計を競う対戦型のプレイが実行される場合がある。また、このような対戦型のプレイでは、各プレイヤのゲーム結果に順位が付けられる場合もある。しかし、このような順位付けには、例えば、性別や年齢といったプレイヤの属性は通常反映されない。つまり、例えば、子供が大人と対戦した場合であってもゲーム結果は同様に評価される。一方で、年齢や性別によってゲームの主観的難易度は変化する傾向にある。したがって、例えば、子供と大人のゲーム結果が同様に扱われる方が、却って不平等な場合もあり得る。結果として、プレイヤの属性に無関係にゲーム結果が評価される場合には、一部の属性に対応するプレイヤのゲームに対する満足感が低下する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤのゲームに対する満足感を向上させることができるゲーム機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機は、各プレイヤに所定のゲームを提供するゲーム機(1)であって、各プレイヤを撮影する撮影手段(OS)と、前記撮影手段の撮影結果に基づいて、各プレイヤの属性を判別する属性判別手段(15)と、前記所定のゲームの結果及び前記属性判別手段の判別結果に基づいて、各プレイヤの属性が反映されるように、各プレイヤの前記所定のゲームの結果を互いに差別化して提供する差別化手段(15)と、前記所定のゲームの結果に応じて、各プレイヤに順に順位が設定されるように、各プレイヤを順位付けする順位付け手段(15)と、を備え、前記差別化手段は、前記所定のゲームの結果として前記順位付け手段の順位付け結果を利用し、当該順位付け結果に応じた価値を各プレイヤに提供する結果反映手段と、前記属性判別手段の判別結果に基づいて前記価値を補正する結果補正手段と、を備え、前記結果補正手段によって前記価値が補正されることにより各プレイヤの属性が反映されるように、前記所定のゲームの結果として各プレイヤの前記価値を互いに差別化して提供する、ものである。
【0007】
本発明によれば、プレイヤの属性が反映されるように、ゲーム結果に基づいて各プレイヤが差別化される。したがって、例えば、子供や女性といったゲームに対する主観的難易度が高い傾向にある属性のプレイヤのゲーム結果の扱いを他の属性のゲーム結果の扱いと相違させることができる。このため、例えば、ゲームに対する主観的難易度が高い傾向にある属性のプレイヤの差別化結果を満足度が高まる方向に変化させることができる。これにより、ゲームに対する主観的難易度が高い傾向にある属性のプレイヤの満足度を向上させることができる。なお、差別化の態様として、例えば、ゲーム中に獲得した得点等の基準に基づく順位付け、内容の異なる特典、ゲーム結果等を表示する位置の相違、ゲーム結果等を表示する場合の領域の広さの相違等、各種の態様が採用されてよい。
【0009】
本発明のゲーム機の一態様において、前記結果補正手段は、前記属性判別手段の判別結果に基づいて、各プレイヤ間の属性の相違を特定し、特定した相違が所定の補正条件を満たす場合に前記価値を補正してもよい。この場合、所定の補正条件を満たす場合に価値が補正される。したがって、例えば、プレイヤ間の属性の相違が許容できない場合、つまり扱いに差を設けなければ不平等が生じるおそれがある場合に満たされる条件を所定の補正条件として採用することにより、このようなおそれがある場合に価値を補正することができる。これにより、プレイヤの満足度をより向上させることができる。
【0010】
プレイヤの属性は、どのように判別されてもよい。例えば、本発明の各プレイヤの属性の相違を特定する態様において、前記属性判別手段は、前記撮影結果に基づいて各プレイヤの身長を特定し、特定した身長に基づいて各プレイヤの属性を判別し、前記結果補正手段は、各プレイヤの身長に基づいて各プレイヤの属性の相違を特定してもよい。また、この態様において、前記属性判別手段は、身長が所定値未満のプレイヤの属性を子供と、所定値以上のプレイヤの属性を大人と、それぞれ判別し、前記所定の補正条件は、各プレイヤ間の属性の相違が大人及び子供に該当する場合に満たされてもよい。この場合、主観的難易度が高い傾向にある子供のゲーム結果の扱いを大人のゲーム結果の扱いと相違させることができる。このため、例えば、子供の価値を満足度が高まる方向に補正することできる。これにより、子供のプレイヤの満足度を向上させることができる。
【0011】
本発明のゲーム機の一態様において、前記所定のゲームの結果を案内する案内画面(40)を表示する表示装置(4)を更に備え、前記結果反映手段は、前記順位付け手段の順位付け結果に基づいて、前記撮影手段が撮影した各プレイヤの画像を順位に関連付けて前記案内画面に配置することにより、前記順位付け結果に応じた前記価値を各プレイヤに提供してもよい。
【0012】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記結果反映手段は、順位が高いほど高い位置に各プレイヤの画像を配置することにより、前記順位付け結果に応じた前記価値を各プレイヤに提供し、前記結果補正手段は、各プレイヤの属性に応じて各プレイヤの画像が配置される位置の高さを変化させることにより、前記価値を補正してもよい。或いは、前記結果反映手段は、順位が高いほど広い領域に各プレイヤの画像を配置することにより、前記順位付け結果に応じた前記価値を各プレイヤに提供し、前記結果補正手段は、各プレイヤの属性に応じて各プレイヤの画像が配置される領域の広さを変化させることにより、前記価値を補正してもよい。これらの場合、各プレイヤの画像の目立つ度合いをプレイヤの属性に応じて変化させることができる。
【0013】
ゲーム機は、所定のゲームとして、どのようなゲームを提供してもよい。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、少なくとも一つの操作部(8)を有する入力装置(3)と、ゲーム音を再生出力する音声出力装置(6)と、楽曲を再生させるための楽曲データ(27)を記憶する楽曲データ記憶手段(16)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(15)と、を更に備え、前記楽曲中において操作を実行すべき操作時期が記述されたシーケンスデータ(30)に基づいて、各操作時期に対応する指示標識(OI)及び現在時刻に対応する基準標識(DI)を所定の経路に沿って時間順に配置し、前記指示標識が当該指示標識によって示されるべき操作時期に前記基準標識に一致するように時間の進行に応じて前記指示標識及び前記基準標識の間に前記所定の経路に沿った相対的変位を生じさせることにより、各操作時期をプレイヤに案内する音楽ゲームが前記所定のゲームとして提供されてもよい。
【0014】
本発明の制御方法は、各プレイヤに所定のゲームを提供するゲーム機であって、各プレイヤを撮影する撮影手段(OS)を備えたゲーム機に組み込まれるコンピュータ(15)に、前記所定のゲームの結果に応じて、各プレイヤに順に順位が設定されるように、各プレイヤを順位付けする順位付け工程と、前記撮影手段の撮影結果に基づいて、各プレイヤの属性を判別する属性判別工程と、前記所定のゲームの結果及び前記属性判別工程の判別結果に基づいて、各プレイヤの属性が反映されるように、各プレイヤを互いに差別化する差別化工程と、を実行させるとともに、前記差別化工程にて、前記所定のゲームの結果として前記順位付け工程の順位付け結果を利用し、当該順位付け結果に応じた価値を各プレイヤに提供する結果反映工程と、前記属性判別工程の判別結果に基づいて前記価値を補正する結果補正工程と、を更に実行させ、前記結果補正工程によって前記価値が補正されることにより各プレイヤの属性が反映されるように、前記所定のゲームの結果として各プレイヤの前記価値を互いに差別化して提供するものである。
【0015】
本発明のゲーム機用のコンピュータプログラムは、各プレイヤに所定のゲームを提供するゲーム機であって、各プレイヤを撮影する撮影手段(OS)を備えたゲーム機に組み込まれるコンピュータ(15)を、前記撮影手段の撮影結果に基づいて、各プレイヤの属性を判別する属性判別手段、前記所定のゲームの結果及び前記属性判別手段の判別結果に基づいて、各プレイヤの属性が反映されるように、各プレイヤを互いに差別化する差別化手段、及び前記所定のゲームの結果に応じて、各プレイヤに順に順位が設定されるように、各プレイヤを順位付けする順位付け手段として機能させるとともに、前記差別化手段を、前記所定のゲームの結果として前記順位付け手段の順位付け結果を利用し、当該順位付け結果に応じた価値を各プレイヤに提供する結果反映手段、及び前記属性判別手段の判別結果に基づいて前記価値を補正する結果補正手段として更に機能させるように構成され、前記結果補正手段によって前記価値が補正されることにより各プレイヤの属性が反映されるように、前記所定のゲームの結果として各プレイヤの前記価値を互いに差別化して提供するものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【0016】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明によれば、プレイヤのゲームに対する満足感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一形態に係る案内システムが適用されたゲーム機の外観を概略的に示す図。
図2】ゲーム機の要部の機能ブロック図。
図3】ゲーム画面の一例が表示されたモニタの周辺の要部を拡大して模式的に示す図。
図4】ゲーム結果案内画面の一例を模式的に示す図。
図5】差別化の程度が補正された後のゲーム結果案内画面の一例を模式的に示す図。
図6】結果提示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
図7】補正前の変形例に係るゲーム結果案内画面の一例を示す図。
図8】補正後の変形例に係るゲーム結果案内画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機1の外観を概略的に示す図である。ゲーム機1は、所定の対価の消費と引き換えに、プレイヤに所定の範囲の音楽ゲームを提供する業務用のゲーム機として構成されている。具体的には、図1に示すように、ゲーム機1は、筐体2及び入力装置3を備えている。入力装置3は、プレイヤによってプレイ行為の入力等に利用される。また、筐体2の上部には、表示装置としてのモニタ4が設けられている。モニタ4は、表示面が入力装置3の方向、つまりプレイヤ側を向くように筐体2の正面に配置されている。モニタ4の上方には、状態検出装置5が設けられている。状態検出装置5の両側には、それぞれに音声出力装置としての筐体側スピーカ6が設けられている。
【0020】
状態検出装置5は、プレイ中のプレイヤの状態を検出するための装置である。具体的には、状態検出装置5は、例えば、撮影手段としての光学センサOS(図2参照)及び深度センサを含んでいる。深度センサは、状態検出装置5とプレイヤとの間の距離(深度)を検出するための周知のセンサである。光学センサOSは、プレイヤの体の各部位の動きを検出ための周知のセンサである。光学センサOSは、カメラを含んでいる。カメラは、撮影方向が入力装置3の方を向くように配置されている。より具体的には、カメラは、撮影範囲にプレイヤのプレイ行為が含まれるように配置されている。そして、光学センサOSは、カメラの撮影結果に基づいて、プレイヤの体の各部位の位置及び動きを検出する。一例として、この検出には、いわゆるボーン情報が利用される。ボーン情報とは、プレイヤの骨の情報を意味する。このように状態検出装置5は、光学センサOS及び深度センサ等に基づいて、プレイヤの体の各部位の動きや深度といったプレイ中のプレイヤの状態を検出する周知の装置である。また、状態検出装置5は、所定の周期でプレイヤの状態を検出するように構成されている。
【0021】
入力装置3には、カードリーダ7及び4つのプレイ用操作部8が設けられている。また、入力装置3には、スティック9を置くためのスティック置き場10が設けられている。カードリーダ7は、プレイヤが所持するカードSM(図2参照)の情報を読み取るための装置である。カードリーダ7の両側には、それぞれに入力装置側スピーカ11が設けられている。各プレイ用操作部8は、打楽器のドラムを模した形状を有している。一方、スティック9は、各プレイ用操作部8へのプレイ行為の入力に使用される。具体的には、例えば、スティック9によって各プレイ用操作部8の上面を叩くような操作がプレイ行為として各プレイ用操作部8に入力される。なお、ゲーム機1には、その他にも押釦スイッチ、十字キーといった業務用のゲーム機が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられていてよい。
【0022】
図2を参照して、ゲーム機1の構成について更に説明する。図2は、ゲーム機1の要部の機能ブロック図である。図2に示すように、ゲーム機1には、コンピュータとしての制御ユニット15及び外部記憶装置16が設けられている。制御ユニット15は、制御主体としてのゲーム制御部17と、そのゲーム制御部17からの出力に従って動作する表示制御部18及び音声出力制御部19と、を備えている。ゲーム制御部17は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置と、を組み合わせたユニットとして構成されている。表示制御部18は、ゲーム制御部17から与えられる描画データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ4に出力することにより、モニタ4上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部19は、ゲーム制御部17から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して筐体側スピーカ6及び入力装置側スピーカ11に出力することにより、これらのスピーカ6、11から所定の楽曲(効果音等を含む)を再生させる。このように、制御ユニット15には、モニタ4、筐体側スピーカ6及び入力装置側スピーカ11も接続されている。
【0023】
各プレイ用操作部8の内部には、振動センサ20が設けられている。振動センサ20は、各プレイ用操作部8の上面の振動を検出する。このような振動は、例えば、プレイ用操作部8の上面がスティック9を利用して叩かれた場合に生じる。つまり、振動センサ20は、プレイヤがプレイ用操作部8を叩くという操作を検出する。振動センサ20は、制御ユニット15に接続され、検出結果をゲーム制御部17に出力する。
【0024】
また、制御ユニット15には、上述の状態検出装置5及びカードリーダ7も接続されている。状態検出装置5の検出結果は、制御ユニット15に出力される。また、その検出結果は、例えば、ゲーム制御部17の内部記憶装置に少なくとも一時的に記憶される。カードリーダ7は、カードSMの情報を読み取って、その情報に対応した信号を制御ユニット15に出力する。カードSMには、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられている。そして、その記憶媒体には、例えば、カードSM毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)及び消費可能な対価の量が記憶されている。つまり、一例として、カードリーダ7は、カードSMの記憶媒体に記憶された消費可能な対価の量を読み取って、制御ユニット15に出力する。そして、その対価は、例えば、ゲームをプレイするために消費される。また、カードSMの記憶媒体に記憶された消費可能な対価の量は、消費された量に応じてカードリーダ7を介して制御ユニット15によって減算される。また、カードIDは、例えば、プレイヤの特定に利用される。このような特定には、例えば、プレイヤ毎にユニークなIDとカードIDとを対応付けるためのデータを通じて実現されてよい。また、このようなデータは、例えば、ゲーム機1がインタネット等のネットワークを介してサーバに接続されている場合には、サーバから提供されてもよい。なお、カードSMの記憶媒体に代えて、携帯電話等に実装されたICチップ等の記憶媒体が利用されてもよい。
【0025】
更に、制御ユニット15には、外部記憶装置16が接続されている。外部記憶装置16には、例えば、ハードディスク等の磁気記憶媒体、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0026】
外部記憶装置16には、ゲームプログラム21及びゲームデータ22が記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1が所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムである。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部17はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行することにより、ゲーム機1として動作するために必要な各種の処理を実行する。続いて、ゲーム制御部17は、外部記憶装置16からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。
【0027】
また、ゲーム制御部17がゲームプログラム21を実行することにより、ゲーム制御部17にはゲーム提供部26が生成される。ゲーム提供部26は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作時期を指示するための処理、あるいはプレイヤの操作に応じて効果音等の演出を発生させるための処理といった音楽ゲームを提供するための各種処理を実行する。ゲーム提供部26は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。なお、ゲーム制御部17には、上述のゲーム提供部26の他にも各種の論理装置が生成され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0028】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21が実行される際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ27、効果音データ28、画像データ29及びシーケンスデータ30が含まれている。楽曲データ27は、ゲームの対象となる楽曲を各スピーカ6、11から再生出力させるために必要なデータである。図2では、一種類の楽曲データ27が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数の楽曲データ27がそれぞれの曲を識別するための情報を付して記録されている。効果音データ28は、プレイヤの操作に応答して各スピーカ6、11から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽器その他の様々な種類の音声を含む。効果音データは、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されていてもよい。画像データ29は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ4に表示させるためのデータである。
【0029】
シーケンスデータ30は、プレイヤに対して指示すべき操作時期等を定義したデータである。一曲の楽曲データ27に対して、最低一個のシーケンスデータ30が用意される。シーケンスデータ30は、例えば、条件定義部と、操作シーケンス部と、を備えている。条件定義部には、例えば、音楽のテンポ、ビート、トラック等を指定する情報、楽曲毎に異なるゲームの実行条件を指定する情報といった、ゲームを実行するための各種の条件を指定する情報が記述される。一方、操作シーケンス部には、例えば、適切な操作をすべき時期が楽曲中の時刻と対応付けてられて記述される。例えば、操作シーケンス部は、楽曲中において操作が行われるべき操作時期を指定する情報、及び操作すべきプレイ用操作部8を指定する情報を含んでいる。そして、操作シーケンス部は、一例として、これらの情報が互いに対応付けられるように記述された複数のレコードの集合として構成されていてよい。シーケンスデータ30として、このような周知のデータが利用されてよい。
【0030】
次に、ゲーム機1が提供する音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1では、所定の時期に所定のプレイ行為を要求する音楽ゲームが提供される。また、音楽ゲームで使用する楽曲は、プレイヤによって選択される。この選択は、楽曲選択画面を通じて実行される。一方、所定のプレイ行為を実行すべき所定の時期は、音楽中における所定の楽器の演奏時期に対応している。そして、所定のプレイ行為によって、プレイの対象に選択された音楽を形成する楽器の演奏が実現される。所定の時期は、ゲーム画面を通じて案内される。ゲーム画面には、現実空間の画像と仮想空間の画像とが融合された拡張空間の画像が利用される。
【0031】
図3は、ゲーム画面の一例が表示されたモニタ4の周辺の要部を拡大して模式的に示す図である。図3に示すように、モニタ4には、ゲーム画面35が表示されている。ゲーム画面35は、現実空間画像36及びAR画像37を含んでいる。現実空間画像36には、光学センサOSのカメラが撮影した撮影画像が利用される。光学センサOSのカメラの撮影範囲には、プレイ行為を実行するプレイヤ及び4つのプレイ用操作部8が含まれている。このため、現実空間画像36には、プレイヤに対応するプレイヤ画像PIが含まれる。プレイヤ画像PIは、光学センサOSのカメラによって撮影されたプレイヤの画像である。
【0032】
一方、AR画像37は、現実空間を拡張するように現実空間画像36の上に配置される仮想空間の画像である。AR画像37は、現実空間及び仮想空間を融合することにより形成される拡張空間のオブジェクトとして機能する。具体的には、AR画像37は、基準標識としての4つのドラム画像DI及び指示標識としてのオブジェクト画像OIを含んでいる。4つのドラム画像DIは、各プレイ用操作部8の画像をそれぞれ覆うように各プレイ用操作部8の画像の上に配置される。また、一例として、4つのドラム画像DIとして、異なる打楽器の画像が利用される。このようなドラム画像DIとして、例えば、シンバル、スネアドラム、バスドラム、和太鼓の画像がそれぞれ利用される。つまり、一例として、シンバル、スネアドラム、バスドラム、和太鼓に対応するドラム画像DIのそれぞれがAR画像37として各プレイ用操作部8の画像の上に一つずつ配置される。また、各プレイ用操作部8が操作された場合には、各プレイ用操作部8に対応するドラム画像DIが示す楽器の音が再生される。つまり、各ドラム画像DIは、各プレイ用操作部8が操作された場合の効果を示している。結果として、各プレイ用操作部8は、各ドラム画像DIを介して、シンバル、スネアドラム、バスドラム、和太鼓といった仮想的な打楽器として機能する。なお、各プレイ用操作部8の画像の上に、AR画像37が配置される形態に限定されない。例えば、各プレイ用操作部8の画像がそのまま表示されてもよい。
【0033】
各ドラム画像DIには、各ドラム画像DIから上方に向かって延びる所定の経路としての仮想レーンが設定されている。但し、仮想レーンは、ゲーム画面35中には、表示されていない。オブジェクト画像OIは、ゲーム中に再生される楽曲の適宜な時期に仮想レーン上に配置される。また、オブジェクト画像OIは、仮想レーンの上方、つまり各ドラム画像DIの反対側に出現する。そして、オブジェクト画像OIは、楽曲の進行に伴って各ドラム画像DIとの間の距離を減少させつつ仮想レーンに沿って各ドラム画像DIまで移動する。つまり、各ドラム画像DIは、オブジェクト画像OIの到達位置としても機能する。そして、オブジェクト画像OIは、各ドラム画像DIにおいて、その上面と重なった後、ゲーム画面35から消滅する。
【0034】
オブジェクト画像OIは、各ドラム画像DIの上面と同様の形状に形成されている。そして、オブジェクト画像OIは、適切な操作を実行すべき時期(操作時期)を指示するために表示される。より具体的には、オブジェクト画像OIの各ドラム画像DIへの到達に合わせて、つまりオブジェクト画像OIの位置及びドラム画像DIの位置の一致に合わせて、プレイヤには適切な操作が要求される。また、各プレイ用操作部8をスティック9で叩く操作が適切な操作に該当する。つまり、オブジェクト画像OIの位置及びドラム画像DIの位置の一致に合わせて、オブジェクト画像OIが到達したドラム画像DIに対応するプレイ用操作部8をスティック9で叩く操作がプレイヤには要求される。
【0035】
さらに、オブジェクト画像OIがドラム画像DIに到達した時刻とプレイヤが適切な操作を実行した時刻との間のずれ時間が検出される。そして、そのずれ時間が小さいほどプレイヤの操作が高く評価される。また、叩く操作が実行されたプレイ用操作部8に対応する効果音、より具体的にはそのプレイ用操作部8に配置されたドラム画像DIが示す打楽器に対応する効果音がプレイ用操作部8の近くに配置された入力装置側スピーカ11から再生される。なお、プレイ用操作部8から遠くに配置された筐体側スピーカ6からは、ゲームの対象となる楽曲が再生出力される。このように、プレイ用操作部8の近くに配置された入力装置側スピーカ11から効果音を再生出力することにより、プレイ用操作部8から効果音が発生しているかのような感覚をプレイヤに与えることができる。
【0036】
このように、ゲーム機1の音楽ゲームでは、オブジェクト画像OIとドラム画像DIとの間の距離の減少を通じて、適切な操作時期が案内される。また、この音楽ゲームでは、各プレイ用操作部8に対して適切な操作が実行された場合には、それらに割り当てられた楽器の音が再生され、音楽にそれらの演奏音が追加される。
【0037】
また、音楽ゲームは、複数のプレイヤがゲーム結果を競う対戦型のゲームとして提供される場合もある。ゲーム結果として、例えば、ゲーム中に各プレイヤが獲得した得点の合計の大小が利用される。このような場合、モニタ4には、案内画面としてのゲーム結果案内画面が表示される。ゲーム結果案内画面は、各プレイヤが獲得した合計得点に基づいて、各プレイヤの成績を案内する画面である。図4は、ゲーム結果案内画面の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、ゲーム結果案内画面40には、プレイヤ画像PIs及び成績提示画像41が含まれる。プレイヤ画像PIsは、光学センサOSのカメラによって撮影されたプレイヤの画像である。プレイヤ画像PIsとして、ゲーム画面35で使用されたプレイヤ画像PIが利用されてもよい。或いは、ゲーム画面35で使用されたプレイヤ画像PIとは別に撮影されたプレイヤの画像が利用されてもよい。このような別の画像として、ゲーム結果案内画面40用に撮影されたプレイヤの画像が利用されてもよい。
【0038】
一方、成績提示画像41は、各プレイヤの成績に基づいて、各プレイヤの順位を案内するための画像である。成績提示画像41は、成績の良いプレイヤのプレイヤ画像PIsがより目立つ位置に表示されるように、各プレイヤのプレイヤ画像PIsの配置位置を差別化する。より具体的には、成績提示画像41は、成績の良い(順位が高い)プレイヤのプレイヤ画像PIsほど高く位置するように、各プレイヤのプレイヤ画像PIsの配置位置を変化させる。また、成績提示画像41には、各プレイヤの順位を示す情報が含まれている。
【0039】
図4の例では、成績提示画像41として、順位に応じて高さが異なるように階段状に形成された表彰台を示す画像が利用されている。具体的には、成績提示画像41として、真ん中、右側、左側の順に高い3段の表彰台の画像が使用されている。また、表彰台の各段には、成績上位の3名のプレイヤに対応する各プレイヤ画像PIsが配置されている。具体的には、最も成績の良いプレイヤ(成績1位のプレイヤ)のプレイヤ画像PIsが真ん中の段に、その次に成績の良いプレイヤ(成績2位のプレイヤ)のプレイヤ画像PIsが右側の段に、その次に成績の良いプレイヤ(成績3位のプレイヤ)のプレイヤ画像PIsが左側の段に、それぞれ配置されている。そして、これにより、最も成績の良いプレイヤに対応するプレイヤ画像PIsが他のプレイヤ画像PIsと差別化され、最も目立っている。同様に、成績2位のプレイヤのプレイヤ画像PIsは、成績3位のプレイヤのプレイヤ画像PIsよりも目立つように差別化されている。つまり、プレイヤ画像PIsの高さによって目立つ度合いが変化している。また、表彰台の各段には、“1”、“2”、“3”といった各段の成績に対応する順位を示す情報が表示されている。
【0040】
さらに、ゲーム結果案内画面40は、プレイヤの属性に応じて、差別化の程度が変化するように、各プレイヤの成績を案内する場合がある。より具体的には、大人、子供、男性、女性といったプレイヤの属性に基づいて、差別化の程度を補正して各プレイヤの成績を案内する場合がある。この補正は、例えば、子供、女性といった比較的ゲームの成績が良くない傾向の属性のプレイヤが厚遇されるように、実行される。具体的には、比較対象のプレイヤ間の属性の相違が所定の補正条件を満たす場合に、差別化の程度が補正され、補正後の内容がゲーム結果案内画面40を通じて案内される。
【0041】
図5は、差別化の程度が補正された後のゲーム結果案内画面40の一例を模式的に示す図である。図5の例は、成績1位のプレイヤが子供で、他のプレイヤが大人の場合を示している。一例として、このように比較対象のプレイヤの中に属性が子供のプレイヤが含まれる場合に所定の補正条件が満たされる。そして、図5に示すように、図5の例では、図4の例と比べて、異なる形態の成績提示画像41が表示されている。具体的には、図5の例では、図4の例に比べて、真ん中の段がより高い表彰台の画像が成績提示画像41として使用されている。結果として、成績1位のプレイヤに対応するプレイヤ画像PIsの位置が図4の例に比べて、より高く位置し、より目立っている。つまり、図4の例のように属性が同一(図4の例はいずれも大人のプレイヤの場合を示している)の場合と比べて、図5の例では子供のプレイヤが厚遇され、より目立つように、差別化の程度が補正されている。このように、ゲーム結果案内画面40を通じて、ゲーム結果が各プレイヤの成績に応じて差別化されて案内される。さらに、比較対象のプレイヤ間の属性の相違が所定の補正条件を満たす場合には、差別化の程度が各プレイヤの属性に応じて補正され、補正後の内容がゲーム結果案内画面40を通じて案内される。
【0042】
次に、結果提示処理について説明する。結果提示処理は、ゲーム結果案内画面40をモニタ4に表示させるために実行される。より具体的には、各プレイヤの成績を差別化して案内するとともに、所定の補正条件を満たす場合には各プレイヤの属性に応じて差別化の程度を補正するために実行される。結果提示処理は、ゲーム制御部17のゲーム提供部26によって実行される。なお、ゲーム制御部17は、例えば、ゲーム提供部26を通じて、その他にも楽曲選択画面或いはゲーム画面35を表示するための周知な処理を実行する。例えば、このような処理には、シーケンスデータ30で指定された操作時期にオブジェクト画像OIが各ドラム画像DIに到達するように、オブジェクト画像OIの位置を制御するための処理、所定の位置にドラム画像DIを表示するための処理、プレイヤのプレイ行為を評価して得点を付与する処理等が含まれる。しかし、これらの処理の詳細な説明は省略する。
【0043】
図6は、結果提示処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図6のルーチンは、例えば、所定の範囲の音楽ゲームのプレイが終了する毎、つまり所定の対価の消費に伴うゲームのプレイが終了する毎に実行される。図6のルーチンを開始すると、ゲーム提供部26は、まずステップS11において、各プレイヤのゲーム結果を取得する。より具体的には、ゲーム中において各プレイヤが獲得した得点の合計を取得する。なお、音楽ゲームが、同時に複数のプレイヤによってプレイされ、それらのプレイヤ間で結果を競うタイプの対戦ゲームの場合には、ステップS11では、直前のゲームにおける各プレイヤのゲーム結果が取得されてよい。一方、音楽ゲームが、一人ずつプレイされ、各プレイヤのゲーム結果がプレイ履歴に含まれる過去のプレイヤのゲーム結果と比較されるタイプの対戦ゲームの場合には、ステップS11では、直前のゲーム結果及びそれ以前の過去のゲーム結果が取得されてよい。
【0044】
続くステップS12において、ゲーム提供部26は、光学センサOSのカメラが撮影した撮影結果を取得する。具体的には、ゲーム提供部26は、ステップS12において、撮影結果として、各プレイヤのプレイヤ画像PIsを取得する。次のステップS13において、ゲーム提供部26は、ステップS11で取得したゲーム結果に基づいて、各プレイヤを差別化する。具体的には、ゲーム提供部26は、まずステップS11で取得したゲーム結果に基づいて各プレイヤを順位付けする。過去のゲーム結果が比較対象の場合には、順位付けがされていないゲーム結果を過去のゲーム結果と比較して順位を判別し、順位を付ける。そして、ゲーム提供部26は、差別化として、ステップS13で取得した各プレイヤのプレイヤ画像PIsを配置すべき表彰台の段を決定する。表彰台の段に応じて、プレイヤ画像PIsの目立つ程度が異なる。結果として、各プレイヤ画像PIsが配置されるべき表彰台の段が決定されることにより、差別化が実現される。
【0045】
続くステップS14において、ゲーム提供部26は、ステップS12で取得した撮影画像に基づいて、各プレイヤの属性を判別する。各プレイヤの属性として、例えば、ステップS12では、子供及び大人といった属性が判別される。具体的には、ゲーム提供部26は、ステップS12で取得した撮影画像に基づいて、まず各プレイヤの身長を判別する。そして、その身長が所定値以上の場合には大人と、所定値未満の場合には子供と、それぞれ判別する。一例として、ゲーム提供部26は、ステップS14において、このようにして各プレイヤの属性を判別する。なお、属性の判別は、基準として身長が利用される例に限定されない。例えば、その他にも髪型、顔の皺、髭、体型、服装、装飾物等の要素が判別の基準として利用されてもよい。また、これらの要素に基づいて、更に性別が判別されてもよい。
【0046】
続くステップS15において、ゲーム提供部26は、各プレイヤの属性の相違が所定の補正条件を満たすか否か判別する。この判別は、一例として次のようにして実行される。まずゲーム提供部26は、ステップS14で判別した各プレイヤの属性に基づいて、各プレイヤ間の属性の相違を特定する。例えば、属性の相違として、子供或いは大人といった属性の相違が特定される。続いてゲーム提供部26は、これらの属性に基づいて、差別化対象の各プレイヤ間に属性の相違するプレイヤが含まれるか否か判別する。具体的には、差別化対象の各プレイヤに子供属性及び大人属性が混在していないか判別する。そして、子供属性及び大人属性が混在している場合には所定の補正条件を満たすと、混在していない場合、つまり子供属性のみ或いは大人属性のみの場合には所定の補正条件を満たさないと、それぞれ判別する。一例として、ゲーム提供部26は、このようにしてステップS15の判別を実行する。
【0047】
ステップS15の判別結果が否定的結果の場合、つまり所定の補正条件を満たさない場合には、ゲーム提供部26は、続くステップS16をスキップして、ステップS17に進む。一方、ステップS15の判別結果が肯定的結果の場合、つまり所定の補正条件を満たす場合には、ゲーム提供部26は、ステップS16に進む。ステップS16において、ゲーム提供部26は、ステップS13の差別化結果を補正する。具体的には、ステップS14で判別された属性が各プレイヤのプレイヤ画像PIsの配置位置に反映されるように、差別化結果を補正する。この補正は、例えば、成績提示画像41として使用すべき表彰台の形態を変更することにより実現される。つまり、表彰台の各段の高さが属性に応じて増減するように、成績提示画像41として使用すべき表彰台の形態を変更する。例えば、表彰台の各段の高さは、属性が子供の場合に大人の場合(若しくは同じ属性の場合)と比べて増加するように変化する。或いは、大人属性の段の高さが同じ属性の場合に比べて減少するように変化してもよい。また、各段の高さが異なる表彰台に対応する各画像は、画像データ29によって表示される画像の一つとして予め用意されていてもよい。或いは、標準として使用される表彰台の画像に基づいて、その表彰台の画像の各段の高さが変化した画像を表示するための画像データが処理毎に生成されてもよい。一例として、このようにして、ステップS16において、ゲーム提供部26は、ステップS13の差別化結果を補正する。
【0048】
続くステップS17において、ゲーム提供部26は、ゲーム結果案内画面40を描画するための描画データを生成する。つまり、ゲーム結果に基づいて、各プレイヤのプレイヤ画像PIsが表彰台の各段に配置されるように、ゲーム結果案内画面40を描画するための描画データを生成する。より具体的には、各プレイヤ画像PIsの配置位置がゲーム結果に基づいて差別化され、かつ、所定の補正条件を満たす場合にはその差別化の程度がプレイヤの属性に基づいて補正されたゲーム結果案内画面40が描画されるように、描画データが生成される。次のステップS18において、ゲーム提供部26は、ステップS17で生成した描画データに基づいてゲーム結果案内画面40が描画されるように、この描画データを出力する。そして、ステップS18の処理を終えると、ゲーム提供部26は、今回のルーチンを終了する。これにより、ゲーム結果案内画面40を通じて、各プレイヤの成績が案内される。また、その案内は、各プレイヤ画像PIsの配置位置が差別化され、かつ、所定の補正条件を満たす場合にはその程度がプレイヤの属性に応じて補正されるようにして実行される。
【0049】
以上に説明したように、この形態によれば、各プレイヤのゲーム結果が評価され、その評価結果に基づいて各プレイヤの順位付けが実行される。そして、その順位は、順位が高いプレイヤほど目立つように差別化されて案内される。このため、ゲーム結果の良いプレイヤの満足感を高めることができる。一方、子供と大人が対戦した場合等、対戦相手の条件が不釣り合いな場合が生じた場合には、プレイヤの属性に応じて差別化の程度が補正される。具体的には、例えば、子供の身長ではプレイ用操作部8の位置が高すぎる、スティック9が大きすぎるといった問題が生じる場合がある。このため、子供と大人とを比較した場合、ゲームの主観的難易度は子供の方が高い傾向にある。この形態によれば、このような不利なプレイヤには、差別化の際に考慮がされる。具体的には、子供が勝利した場合には大人が勝利した場合と比べてより目立つように差別化の程度が補正される。これにより、子供等、条件の不利なプレイヤの満足感を向上させることができる。
【0050】
以上の形態において、制御ユニット15が、ゲーム制御部17のゲーム提供部26を通じて図6のルーチンを実行することにより、本発明の属性判別手段、差別化手段、結果反映手段、結果補正手段、及び順位付け手段として機能する。さらに、制御ユニット15が、楽曲データ27に基づいてゲーム提供部26及び音声出力制御部19を通じてスピーカ6、11から所定の楽曲を再生させることにより、本発明の楽曲再生手段として機能する。また、外部記憶装置16が、楽曲データ27を記憶することにより、本発明の楽曲データ記憶手段として機能する。
【0051】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、各プレイヤ画像PIsの高さの変化により、各プレイヤが差別化されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、各プレイヤ画像PIsの表示範囲の変化により、各プレイヤが差別化されてもよい。図7及び図8は、変形例に係るゲーム結果案内画面40mの一例を示す図である。また、図7は補正前を、図8は補正後を、それぞれ示している。図7に示すように、変形例に係るゲーム結果案内画面40mにおいては、各プレイヤ画像PIsの表示範囲、つまり各プレイヤ画像PIsに割り当てられる領域の広さが順位に応じて変化している。より具体的には、順位が高いほど広い領域が割り当てられている。結果として、順位が高いほど目立っている。一方、図8の例では、“2”の順位に子供属性のプレイヤが入っている。このため、順位“2”に割り当てられる領域の広さが図7の場合と比べて広くなっている。結果として、図7の場合よりも図8の場合の方が順位“2”のプレイヤ画像PIsが目立っている。このように、差別化は、各プレイヤ画像PIsに割り当てられる領域の広さに反映されてもよい。また、差別化の程度の補正として、各プレイヤ画像PIsの領域の広さが補正されてもよい。
【0052】
また、順位に応じて差別化される態様に限定されない。例えば、ゲーム結果に応じて付与される特典、或いは、順位自体が差別化の態様として利用され、これらがプレイヤの属性に応じて補正されてもよい。具体的には、プレイヤの属性に応じて付与される特典の価値が増減する補正、或いは、プレイヤの属性に応じて順位自体が変化する補正が実行されてもよい。
【0053】
上述の形態では、所定の補正条件として、子供及び大人といった年齢を基準にした属性の相違が利用されている。しかし、所定の補正条件は、このような形態に限定されない。例えば、所定の補正条件として、性別等、取り扱いに相違を生じさせるべき各種の属性の相違が利用されてよい。また、所定の補正条件は、対象のプレイヤに異なる属性のプレイヤが含まれている場合に満たされる条件、つまり属性の相違を基準にする条件にも限定されない。例えば、所定の補正条件として、プレイヤが子供の場合、或いは女性の場合には、他のプレイヤの属性に関わらず満たされる条件が採用されてもよい。
【0054】
上述の形態では、順位付けがされ、順位に応じて差別化された後にその差別化の程度が属性に応じて補正されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、プレイヤの属性の反映及びゲーム結果の順位付けの順番は逆でもよい。したがって、例えば、プレイヤ画像PIの表示領域の大きさは順位に無関係にプレイヤの属性によって決定され、その後、順位に応じてプレイヤ画像PIの配置位置が決定されてもよい。
【0055】
また、上述の形態では、ゲーム機1が提供するゲームとして、楽曲を再生し、楽曲に対応する時期にプレイ行為を要求する音楽ゲームが採用されている。しかし、ゲーム機1が提供するゲームは、このようなゲームに限定されない。例えば、ゲーム機1は、ゲーム結果を差別化可能な限り、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム等の各種ゲームを提供してもよい。
【0056】
上述の形態では、撮影手段として光学センサOSが採用されている。しかし、撮影手段は、このような形態に限定されない。例えば、撮影手段として、単にカメラが利用されてもよい。さらに、本発明のゲーム機として、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用してゲームを提供するゲーム機といった各種のゲーム機が採用されてよい。
【符号の説明】
【0057】
1 ゲーム機
3 入力装置
4 モニタ(表示装置)
6 筐体側スピーカ(音声出力装置)
8 プレイ用操作部(操作部)
15 制御ユニット(コンピュータ、属性判別手段、差別化手段、結果反映手段、結果補正手段、順位付け手段、楽曲再生手段)
16 外部記憶装置(楽曲データ記憶手段)
27 楽曲データ
30 シーケンスデータ
40 ゲーム結果案内画面(案内画面)
DI ドラム画像(基準標識)
OI オブジェクト画像(指示標識)
OS 光学センサ(撮影手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8