(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792154
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/323 20140101AFI20150917BHJP
A63F 13/33 20140101ALI20150917BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20150917BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20150917BHJP
【FI】
A63F13/323
A63F13/33
A63F13/847
A63F13/55
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-287227(P2012-287227)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-128364(P2014-128364A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2014年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】大里 新太郎
【審査官】
柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−142054(JP,A)
【文献】
特開2010−167140(JP,A)
【文献】
NHN Japan、「チョコットランド」がクロスプラットホーム展開――「チョコットランドモバイル」,2015年 4月16日,アップロード日2008年12月18日,URL,http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0812/18/news109.html
【文献】
「ラグナロクオンライン」と連動する携帯アプリが6月に登場,2015年 4月16日,アップロード日2007年3月28日,URL,http://www.4gamer.net/news/history/2007.03/20070328163247detail.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、前記サーバ装置に対するクライアント装置として機能し、実行環境が異なる複数種類のプラットフォームと、がネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記サーバ装置が、実行環境が異なるプラットフォーム毎に異なるゲームを実行させるサービスを提供するゲームシステムであって、
前記プラットフォームの実行環境に適したゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲーム実行手段で実行されるゲームの進行に応じて、各ゲームを包含する統一ゲームが進行するように制御する統一ゲーム進行制御手段と、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と関連付けられて該ユーザがプレイした前記異なるゲームのそれぞれのゲームデータが記述されたプレイデータと、前記異なるゲームのそれぞれのゲームデータを所定のグループ毎に集計したグループデータと、を記憶するデータ記憶手段と、
を備え、
前記統一ゲーム進行制御手段は、前記グループデータに集計されているグループ毎の各ゲームデータの集計値を参照して前記統一ゲームの進行を制御するゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム実行手段は、前記グループデータ、及びゲームをプレイするユーザのプレイデータに基づいて、ゲームを実行する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム実行手段は、ゲーム結果に基づいて、前記プレイデータから抽出した、ユーザがプレイするゲームのゲームデータを更新する請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記プラットフォームとして、ユーザによるプレイ料金の支払いと引換えに該ユーザにゲームのプレイを許可するゲーム機と、ユーザのネットワーク端末装置と、が設けられ、
前記ゲーム実行手段には、前記ゲーム機でアーケードゲームを実行するアーケードゲーム実行手段と、前記ネットワーク端末装置でネットワークゲームを実行するネットワークゲーム実行手段と、が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ネットワーク端末装置として、第1表示装置及び前記第1表示装置に重ね合わされた透明なタッチパネルを有する携帯端末装置と、第2表示装置及び操作を入力する入力装置を有する個人用端末装置と、が設けられ、
前記ゲーム実行手段には、前記携帯端末装置で前記ネットワークゲームとしてモバイルゲームを実行するモバイルゲーム実行手段と、前記個人用端末装置で前記ネットワークゲームとしてPCゲームを実行するPCゲーム実行手段と、が設けられている請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記アーケードゲームのプレイにより更新されるゲームデータのパラメータと、前記ネットワークゲームのプレイにより更新されるゲームデータのパラメータと、がそれぞれ異なるパラメータである請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
サーバ装置と、前記サーバ装置に対するクライアント装置として機能し、実行環境が異なる複数種類のプラットフォームと、がネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記サーバ装置が、実行環境が異なるプラットフォーム毎に異なるゲームを実行させるサービスを提供するゲームシステムであって、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と関連付けられて該ユーザがプレイした前記異なるゲームのそれぞれのゲームデータが記述されたプレイデータと、前記異なるゲームのそれぞれのゲームデータを所定のグループ毎に集計したグループデータと、を記憶するデータ記憶手段を備えたゲームシステムのゲーム制御方法であって、
前記プラットフォームの実行環境に適したゲームを実行するゲーム実行手順と、
前記ゲーム実行手段で実行されるゲームの進行に応じて、各ゲームを包含する統一ゲームが進行するように制御する統一ゲーム進行制御手順と、
を備え、
前記統一ゲーム進行制御手順では、前記グループデータに集計されているグループ毎の各ゲームデータの集計値を参照して前記統一ゲームの進行を制御するゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して共通するゲームをユーザに提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のネットワークを利用したゲームシステムとして、複数のゲーム機とサーバ装置とを相互に通信可能に接続し、ゲーム機のユーザを共通のゲームに参加させてゲームを進行させるゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。また、商業用のゲーム機におけるゲームに関連付けられた情報をWebコンテンツとしてユーザの個人用端末装置に提供するゲームシステムも知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−004799号公報
【特許文献2】特開2006−175004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のゲーム機の例では、同じゲーム機に対して共通のゲームを提供している。また、近年では、ユーザが利用するパーソナルコンピュータやスマートフォン等の携帯電話機といったゲーム機以外のクライアント装置を共通のサーバ装置に接続させて共通のゲームを提供するものも存在する。しかし、このような商業用のゲーム機とクライアント装置ではプラットフォームが異なるため、共通のゲームを提供することは困難である。
【0005】
そこで、本発明は実行環境が異なるプラットフォームに対し統一したゲームを提供するゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、サーバ装置(2)と、前記サーバ装置に対するクライアント装置として機能し、実行環境が異なる複数種類のプラットフォーム(3)と、がネットワーク(5)を介して相互に通信可能に接続され、前記サーバ装置が、実行環境が異なるプラットフォーム毎に異なるゲームを実行させるサービスを提供するゲームシステム(1)であって、前記プラットフォームの実行環境に適したゲームを実行するゲーム実行手段(31、41、51)と、前記ゲーム実行手段で実行されるゲームの進行に応じて、各ゲームを包含する統一ゲームが進行するように制御する統一ゲーム進行制御手段(21、31、41、51)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0007】
本発明のゲーム制御方法は、サーバ装置(2)と、前記サーバ装置に対するクライアント装置として機能し、実行環境が異なる複数種類のプラットフォーム(3)と、がネットワーク(5)を介して相互に通信可能に接続され、前記サーバ装置が、実行環境が異なるプラットフォーム毎に異なるゲームを実行させるサービスを提供するゲームシステム(1)のゲーム制御方法であって、前記プラットフォームの実行環境に適したゲームを実行するゲーム実行手順(S4)と、前記ゲーム実行手段で実行されるゲームの進行に応じて、各ゲームを包含する統一ゲームが進行するように制御する統一ゲーム進行制御手順(S3、S14、S16)と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0008】
本発明によれば、実行環境が異なるプラットフォーム毎に異なるゲームを実行させつつ、それらのゲームを包含する統一ゲームも進行するように制御する。これにより、プラットフォームが異なっていても、全プラットフォームに対して統一したゲームを提供し、さらに各プラットフォームに対してはプラットフォームの構成に適したゲームを提供することができる。従って、ゲームをプレイするプラットフォームが異なっていてもユーザ同士が同じゲーム世界でプレイしている感覚をユーザに付与し、ゲームの興趣を高めることができる。
【0009】
本発明のゲームシステムの一形態において、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と関連付けられて該ユーザがプレイした前記異なるゲームのそれぞれのゲームデータが記述されたプレイデータ(61)と、前記プレイデータを所定のグループ毎に集計したグループデータ(62)と、を記憶するデータ記憶手段(22)が設けられ、前記統一ゲーム進行制御手段は、前記グループデータに基づいて前記統一ゲームの進行を制御してもよい。各ユーザのプレイデータが反映されたグループデータを利用して統一ゲームが進行するので、ユーザがプレイしたゲーム内容が統一ゲームに影響する。上述した形態において、前記ゲーム実行手段は、前記グループデータ、及びゲームをプレイするユーザのプレイデータに基づいて、ゲームを実行してもよい。また、この形態において、前記ゲーム実行手段は、ゲーム結果に基づいて、前記プレイデータから抽出した、ユーザがプレイするゲームのゲームデータを更新してもよい。
【0010】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記プラットフォームとして、ユーザによるプレイ料金の支払いと引換えに該ユーザにゲームのプレイを許可するゲーム機(3a)と、ユーザのネットワーク端末装置(3b)と、が設けられ、前記ゲーム実行手段には、前記ゲーム機でアーケードゲームを実行するアーケードゲーム実行手段(31)と、前記ネットワーク端末装置でネットワークゲームを実行するネットワークゲーム実行手段(41、51)と、が設けられていてもよい。これによれば、異なるプラットフォームの構成に適したゲームが提供され、それぞれのゲームが統一ゲームに包含され、共通のゲーム世界を構成することができる。
【0011】
上述した形態において、前記ネットワーク端末装置として、第1表示装置53及び前記第1表示装置に重ね合わされた透明なタッチパネル(54)を有する携帯端末装置(3d)と、第2表示装置(43)及び操作を入力する入力装置(44)を有する個人用端末装置(3c)と、が設けられ、前記ゲーム実行手段には、前記携帯端末装置で前記ネットワークゲームとしてモバイルゲームを実行するモバイルゲーム実行手段と、前記個人用端末装置で前記ネットワークゲームとしてPCゲームを実行するPCゲーム実行手段と、が設けられていてもよい。プラットフォームの構成に適したゲームを提供することでゲームの興趣を高めることができる。また、この形態において、前記アーケードゲームのプレイにより更新されるゲームデータのパラメータと、前記ネットワークゲームのプレイにより更新されるゲームデータのパラメータと、がそれぞれ異なるパラメータであってもよい。これによれば、各プラットフォームで提供される異なるゲームは、ユーザのプレイデータに区別されて記録される。これにより、各ゲームデータの更新が競合することなく管理できる。
【0012】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0013】
以上、説明したように、本発明によれば、実行環境が異なるプラットフォーム毎に異なるゲームを実行させつつ、それらのゲームを包含する統一ゲームも進行するように制御する。これにより、プラットフォームが異なっていても、全プラットフォームに対して統一したゲームを提供し、さらに各プラットフォームに対してはプラットフォームの構成に適したゲームを提供することができる。従って、ゲームをプレイするプラットフォームが異なっていてもユーザ同士が同じゲーム世界でプレイしている感覚をユーザに付与し、ゲームの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図。
【
図2】ゲームシステムで提供される統一ゲームに含まれる各ゲームの関係について説明する図。
【
図4】ゲームシステムの制御系の要部の構成を説明する機能ブロック図。
【
図6】センターサーバのゲームサービス管理部と、各プラットフォームの制御部又は処理部とが協働して実行する統一ゲーム進行制御処理を示すフローチャート。
【
図7】ゲーム機のゲーム制御部が実行するアーケードゲーム制御処理を示すフローチャート。
【
図8】PCのPCサービス処理部が実行するPCゲーム制御処理を示すフローチャート。
【
図9】、モバイル端末装置のモバイルサービス処理部が実行するモバイルゲーム制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図である。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、そのセンターサーバ2に対するクライアント装置として機能し、実行環境が異なる複数種類のプラットフォーム3とを含んでいる。プラットフォーム3として、店舗6に設置される複数のゲーム機3aと、ネットワーク端末装置3bとしてのパーソナルコンピュータ(以下PCと表記する。)3c及びモバイル端末装置3dとが設けられている。センターサーバ2は、複数のサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0016】
ゲーム機3aは、所定のプレイ料金の支払いと引換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3aは、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3aは、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータゲーム装置である。なお、店舗6には一以上の適宜数のゲーム機3aが設置される。
図1では、ゲーム機3aを区別せずに描いているが、そのハードウエア構成やゲームの内容は適宜に選択されてよい。ゲーム機3aは、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームに対応可能な汎用機として構成されてもよい。
【0017】
ネットワーク端末装置3bは、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。PC3cは、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータである。モバイル端末装置3dには、スマートフォンを含む携帯電話や、携帯型タブレット端末装置が含まれる。その他にも、ネットワーク端末装置3bとして、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がネットワーク端末装置3bとして利用されてよい。モバイル端末装置3dには、表示装置3eと、表示装置3eに重ね合わされた透明なタッチパネル3fとが設けられている。ネットワーク端末装置3bは、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0018】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3a及びネットワーク端末装置3bをそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ネットワーク端末装置3bも適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3aと店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3aがセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0019】
図2は、ゲームシステム1で実施される統一ゲームに含まれる各ゲームの関係について説明する。統一ゲームシステムでは、ゲーム機3aではマッチング対戦ゲームが提供されるアーケードゲーム、PC3cではシミュレーションゲームが提供されるPCゲーム、モバイル端末装置3dではミニゲームが提供されるモバイルゲームがそれぞれ実行され、ユーザによるプレイが可能である。アーケードゲーム、PCゲーム及びモバイルゲームの各ゲームは、それぞれ別のゲームであるが、同一のゲーム世界を共有しており相互に影響しあう。この共通のゲーム世界で進行するゲームを統一ゲームといい、各ゲームは統一ゲームに包含され、それぞれ統一ゲームの一部を構成する。
【0020】
ユーザは、各ゲームのうち、いずれか一つのゲームだけをプレイすることもできるし、全てのゲームをプレイすることもできる。ユーザが各ゲームをプレイすると、センターサーバ2には、ユーザのプレイ結果を記録するプレイデータ61が記憶される。プレイデータ61には、各ゲームのゲームデータが記述される。ゲームデータは、統一ゲームを進行させる際に参照するアーケードゲームのパラメータPa1、Pa2…、モバイルゲームのパラメータPm1、Pm2…、PCゲームのパラメータPp1、Pp2…や各ゲームの環境設定等、各ゲームの実行に必要な情報がゲーム毎に、あるいは統一ゲームの共通の環境データとして記録される。各ゲームの実行時には、実行されるゲームに対応するゲームデータが更新され、さらに、ゲームの進行に応じて他のゲームのゲームデータも参照される。
【0021】
統一ゲームの例として、複数の軍が対立する乱世の時代が共通のゲーム世界として設定されるゲームで説明する。統一ゲームでは、ユーザは、A軍、B軍、C軍等の各軍のいずれかの軍に所属する兵(ユーザキャラクタ)を操作する。アーケードゲームでは、自軍及び敵軍に分かれて戦うマッチング対戦ゲームが実行される。自軍及び敵軍それぞれ同数のユーザがマッチングされ、各ユーザが敵軍のユーザと対戦し、対戦結果に基づいて勝敗が決定される。対戦では、個々のユーザのプレイデータ61が参照され、勝敗に影響する。アーケードゲームでは、勝敗に応じて自軍及び敵軍の勢力が変化する。例えば、各軍の領地が増減する。領地の増減により、後述するPCゲームの進行が変化する。また、対戦結果に応じてユーザキャラクタの攻撃力や防御力等の戦闘に関連するパラメータが変化する。ユーザキャラクタのパラメータが変化することにより、後述するモバイルゲームの進行が変化する。
【0022】
モバイルゲームでは、自軍の住人の困りごとを解決するミニゲームが発生する。例えば、領地を荒らす盗賊・獣・物の怪等を退治するミニゲームをプレイできる。退治に成功すると、武器や防具、回復薬等を生産するための材料を入手できる。入手した材料は、後述するPCゲームで利用できる。また、モバイルゲームでは、ユーザキャラクタが戦闘中に利用できるスキル等の戦闘に関連するパラメータを上昇させる鍛錬モードが設けられる。鍛錬モードのプレイ結果に応じてユーザキャラクタのパラメータが上昇し、アーケードゲームの進行に影響する。
【0023】
PCゲームでは、自軍の領地を整備(例えば、開墾、治水)し、作物や武器、防具、回復薬等のアーケードゲーム及びモバイルゲームで利用できるアイテムの生産をするシミュレーションゲームが提供される。領地を整備すると、生産力に影響し、生産したアイテムは、ユーザキャラクタが装備してアーケードゲーム及びモバイルゲームで利用できる。各軍の領地はアーケードゲームの戦績に応じて、つまり各軍の勢力に比例して増減する。
【0024】
このように、プラットフォーム3では、そのプラットフォーム3の構成を生かしたゲームが提供される。ゲーム機3aでは、ゲーム専用機としてゲーム性及び操作性を高めたマッチング対戦ゲームが提供される。ネットワーク端末装置3bでは、端末の構成に応じて異なるゲームが提供される。PC3cでは、自軍の細かな情報を参照しながら、領地の整備や装備等の生産をするシミュレーションゲームが提供される。モバイル端末装置3dでは、携帯性を生かして短時間で気軽にプレイできるミニゲームが提供される。特に、タッチパネル3fが設けられたモバイル端末装置3dを対象としたゲームでは、タッチパネル3fの操作性を生かしたゲームが提供される。
【0025】
図3は、統一ゲームシステムを説明する図である。ユーザが操作するユーザキャラクタは、いずれかの軍に所属している。各軍にはそれぞれ、グループデータとしての軍データ62(A軍データ62a、B軍データ62b、C軍データ62c…)が設けられ、センターサーバ2の記憶部22に記憶されている。以下、A軍データ62aで代表して説明する。A軍データ62aは、A軍に所属するユーザのプレイデータ61に含まれる各パラメータをそれぞれ合算したデータである。A軍に所属するユーザA1がいずれかのゲームをプレイするとプレイデータ61が更新されるとともに、A軍データ62aにもその更新が反映される。各軍データ62は互いに比較され、統一ゲームのゲーム世界の勢力が変化する。
【0026】
例えば、各軍データ62に含まれる、アーケードゲームのゲームデータの勝利数のパラメータPa4の合算値を比較して領地が増減する。その他のパラメータを比較して、勢力が変化するようにしてもよい。ゲームに応じて各軍データ62を適宜利用して統一ゲームの進行を制御することができる。
【0027】
図4は、ゲームシステム1の制御系の要部の構成を説明する機能ブロック図である。センターサーバ2には、ゲームサービス管理部21及び記憶部22が設けられる。ゲームサービス管理部21は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には各種のデータが記憶されるが、
図4ではプレイデータ61と、軍データ62とが示されている。プレイデータ61は、ユーザがゲームを続きからプレイするためにゲームのプレイ内容を保存したデータであり、上述したように、各ゲームのゲームデータ等が記述されている。プレイデータ61は、ユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記憶部22に記憶されるが、
図4では一のユーザ識別情報に対応付けられたプレイデータ61のみを示す。軍データ62は、A軍、B軍等の軍ごとに設けられたデータであり、各軍に所属するユーザのプレイデータ61に基づいて構成される。
【0028】
ゲームサービス管理部21は、各プラットフォーム3に対して所定のゲームサービスを装置に応じて提供する。ゲームサービスとしては、例えばゲーム機3aからユーザの認証情報(一例としてユーザ毎にユニークな識別番号及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、そのユーザに対応するプレイデータ61をゲーム機3aから受け取って記憶部22に保存し、あるいは、記憶部22に保存されたユーザのプレイデータ61をゲーム機3aに提供するサービス、ゲーム機3aのソフトウエア(ゲーム用のプログラムあるいはデータ)をネットワーク5を介して更新するサービス等がある。ゲーム機3aに代えてネットワーク端末装置3bでも同様である。また、ゲームサービス管理部21は、ゲームをプレイするユーザのプレイデータ61のみならず、他のユーザのプレイデータ61を必要に応じてプラットフォーム3に提供する。
【0029】
ゲーム機3aには、ゲーム制御部31及び記憶部32が設けられる。ゲーム制御部31は、ゲーム機3aのコンピュータハードウエアとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31では、上述したアーケードゲームの制御に関する処理が実行される。記憶部32は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。ゲーム制御部31には、ユーザによるゲーム操作が入力される入力装置33と、ゲーム画面が表示される表示装置34と、ユーザ識別情報を記録したカード36の情報を読み取ってその情報に対応した信号をゲーム制御部31に出力するためのカードリーダ35とが接続される。入力装置33及び表示装置34は公知のゲーム機と同様に構成される。カード36には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられ、その媒体にはカード36毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録される。カードIDは、ゲーム機3aのユーザをセンターサーバ2が識別するための情報として利用される。ユーザのカードIDに対応付けてセンターサーバ2の記憶部22に記録されているプレイデータ61がゲーム機3の記憶部32に記録される。
【0030】
PC3cには、PCサービス処理部41と、記憶部42とが設けられる。PCサービス処理部41は、PC3cのコンピュータハードウエアとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。PCサービス処理部41では、上述したPCゲームの制御に関する処理が実行される。記憶部42は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。PCサービス処理部41には、表示装置43と、入力装置44とが設けられる。表示装置43として液晶ディスプレイ等、入力装置44としてキーボードやマウス等の公知のPCシステムでPC3cが構成される。PC3cがタッチパネルを備えたタブレット型PCとして構成されてもよい。入力装置44を操作してユーザ毎に付与されるユーザIDを入力すると、センターサーバ2がユーザIDに対応付けられたプレイデータ61を識別し、そのプレイデータ61をPC3cが記憶部42に記憶する。なお、ユーザIDは、上述したカードIDと同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合には、センターサーバ2の記憶部22にユーザIDとカードIDとを1対多に対応付けたテーブルが設けられる。ユーザが複数のカード36を所持することがあるからである。
【0031】
モバイル端末装置3dには、モバイルサービス処理部51と、記憶部52とが設けられる。モバイルサービス処理部51は、モバイル端末装置3dのコンピュータハードウエアとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。モバイルサービス処理部51では、上述したモバイルゲームに関する処理が実行される。記憶部52は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。モバイルサービス処理部51には、表示装置53と、タッチパネル54とが設けられる。モバイル端末装置3cは、タッチパネルを備えたスマートフォンといったように公知技術で構成される。あるいは、入力装置としてタッチパネルでなく複数のボタンを備えた携帯電話のように構成されていてもよい。PC3cと同様、ユーザがタッチパネル54を操作してユーザIDを入力するとセンターサーバ2の記憶部22に記録されたプレイデータ61がモバイル端末装置3dの記憶部52に記録される。
【0032】
図5は、プレイデータ61の一例を示す図である。プレイデータ61には、プレイヤ情報と、アーケードゲームのゲームデータと、モバイルゲームのゲームデータと、PCゲームのゲームデータと、コミュニティ情報といった各種の情報がユーザ識別情報(ユーザIDやカードID等)と対応付けて記録されている。プレイヤ情報は、ユーザがゲームにて利用するニックネーム等を特定するための情報である。各ゲームデータは、ユーザがそれぞれの装置3a、3c、3dでゲームをプレイした日時、プレイ回数、プレイ時間、プレイモード、ゲームで設定される各種のパラメータ等のプレイ結果等を記録したログ情報である。アーケードゲームのゲームデータには、攻撃力や防御力、体力、勝利数等のパラメータPa1、Pa2…が記録される。モバイルゲームのゲームデータには、オオカミの毛皮や熊の革、名刀といったモバイルゲーム内の各種アイテムの個数が記録されるパラメータPm1、Pm2…が記録される。PCゲームのゲームデータには、開墾度や治水度といったゲーム内自軍領地の整備に関するパラメータPp1、Pp2…や、鎌、槍、刀等の自軍領地内で生産したアイテムの個数が記録されるパラメータPp3、Pp4…が記録される。
【0033】
コミュニティ情報はゲームの実行中や、ユーザがコミュニティサービスを利用したりする際に参照されるべき各種の情報が記録される。例えば、ユーザが登録した仲間となるユーザの識別情報や、ユーザとやりとりしたコメントが記録される。仲間を登録すると、各ゲームにて協力してゲームを進行させることができたり、ゲーム内でメッセージをやりとりすることができる。なお、仲間を登録する手順は、一般的なコミュニティサービスのそれと同様に、ゲーム機3からセンターサーバ2にアクセスして他のユーザに仲間としての招待を送信し、送信相手の了解が得られた場合にそれぞれのユーザの仲間の識別情報に相手の識別情報を記録するといった処理を実行すればよく、その詳細な説明は省略する。仲間の関係の設定は、ネットワーク5を介したオンライン処理に限らず、オフラインで申請され、センターサーバ2の運営者が適当な時期にプレイデータ51にその申請内容を記述するようにしてもよい。
【0034】
図6は、センターサーバ2のゲームサービス管理部21と、各プラットフォーム3の制御部31又は処理部41、51とが協働して実行する統一ゲーム進行制御処理を示すフローチャートである。各プラットフォーム3a、3c、3dにおいて、ユーザがゲームをプレイすると、統一ゲーム進行制御処理が実行され、ユーザ間で統一されたゲーム世界を提供する。統一ゲーム進行制御処理は、ユーザがプレイするプラットフォーム3の制御部31又は処理部41、51とセンターサーバ2のゲームサービス管理部21とが協働して実行する。
【0035】
以下、ユーザがプレイするプラットフォーム3としてゲーム機3aで説明する。まず、ゲーム機3aのゲーム制御部31は、ユーザにカード36を要求し、カード36のカードIDをカードリーダ35により読み取る。なお、PC3c又はモバイル端末装置3dの場合は、各処理部41、51がユーザIDを要求する。そして、ゲーム制御部31は、読み取ったカードID(ユーザID)をセンターサーバ2に通知し、ログイン要求をする(ステップS1)。センターサーバ2のゲームサービス管理部21は、通知されたカードIDに基づき、ユーザIDを識別するとともに(ステップS11)、ユーザID(又はカードID)に対応付けられたユーザのプレイデータ61を抽出し(ステップS12)、ゲーム機3aへ提供する(ステップS13)。さらに、ゲームサービス管理部21は、記憶部22に記憶された軍データ62をゲーム機3aへ提供する(ステップS14)。
【0036】
ゲーム機3aのゲーム制御部31は、センターサーバ2から提供されたプレイデータ61及び軍データ62を取得する(ステップS2、S3)。取得した各データ61、62に基づいて、ゲーム制御部31は、アーケードゲームを制御するゲーム制御処理を実行する(ステップS4)。なお、ユーザがPC3c、モバイル端末装置3dでプレイしている場合は、各処理部41、51がそれぞれのゲーム制御処理を実行する。各ゲームのゲーム制御処理については後述する。そして、ゲーム制御部31は、ステップS4で実行されたアーケードゲームのゲーム結果に基づいて、プレイデータ61の更新要求をセンターサーバ2に送信する(ステップS5)。センターサーバ2のゲームサービス管理部21は、ユーザのプレイデータ61を更新する(ステップS15)。さらにゲームサービス管理部21は、ステップS15のプレイデータ61の更新に伴い、ユーザの所属する軍の軍データ62を更新する(ステップS16)。一方、ゲーム制御部31は、ユーザがプレイを終了するか否かを判別し(ステップS6)、プレイを続行するときはステップS3に戻り、センターサーバ2から更新された軍データ62を取得して処理を継続する。ユーザがプレイを終了する場合は、ゲーム制御部31は今回の処理を終了する。
【0037】
上述の処理では、ユーザがいずれかのゲームをプレイすると、プラットフォーム3では、ログイン処理(ステップS1、S11)後、ゲームの進行に必要なプレイデータ61及び軍データ62を取得する(ステップS2、S3)。ゲームが終了すると、プラットフォーム3ではゲーム結果に基づいてプレイデータ61の更新要求をセンターサーバ2に要求し(ステップS5)、センターサーバ2では、プレイデータ61及び軍データ62を更新する(ステップS15、S16)。軍データ62が各ゲームで参照されることで、統一されたゲーム世界をユーザに提供することができる。ユーザのプレイ結果は、プレイデータ61に反映されるとともに軍データ62にも反映されるので、常に最新の軍データ62を提供することができる。よって、プラットフォーム3が異なってもユーザ同士が同じゲーム世界でプレイしている感覚をユーザに付与することができる。上述の処理において、ステップS14、S3、S16の処理を各プラットフォーム3の制御部31又は処理部41、51とセンターサーバ2のゲームサービス管理部21が協働して実行することにより統一ゲーム進行制御手段として機能する。
【0038】
図7は、ゲーム機3aのゲーム制御部31が実行するアーケードゲーム制御処理を示すフローチャートである。
図7の処理は、
図6のステップS4の処理に相当する。まず、ゲーム制御部31は、ユーザと、ユーザと対戦する他のユーザとをマッチングするマッチング処理を実行する(ステップS21)。マッチング処理は各種公知技術を利用してよい。例えば、ゲーム制御部31がセンターサーバ2のゲームサービス管理部21にマッチングを要求すると、ゲームサービス管理部21は、所定のマッチング条件(ユーザのレベル、所属する軍等)に基づいて、対戦するユーザを決定する。アーケードゲームでは、自軍と敵軍とでそれぞれ所定数のチームを結成し、各チームのメンバーが対戦するゲームを提供するので、今回の対戦に参加する各軍に所属する所定数のユーザを決定する。
【0039】
対戦するユーザが決定すると、ゲーム制御部31は、対戦ゲーム処理を実行する(ステップS22)。対戦ゲームでは、例えば、自軍と敵軍とに分かれた各ユーザキャラクタがゲーム画面に表示され、各ユーザは自分のユーザキャラクタを操作して敵軍のキャラクタと戦ったり、アイテムやスキル等を使用して自軍のキャラクタを回復したりする。ユーザのプレイデータ61全体が参照されてゲームが実行される。対戦ゲームでは、軍データ62も参照される。例えば、勢力が強い軍のユーザに対して戦闘で利用できるアイテムを付与したり、劣勢の軍に対して助っ人を登場させたりしてもよい。対戦結果は、各ユーザの対戦結果を自軍と敵軍とに分けて集計した全体の結果で勝敗が評価される。ゲーム制御部31は、今回の対戦結果に基づいてユーザのプレイデータ61を更新する(ステップS23)。ユーザの対戦結果に基づいて、アーケードゲームのゲームデータに設けられたユーザの攻撃力や防御力のパラメータPa1、Pa2…が上昇する。その後、ゲーム制御部31は、
図6のステップS5の処理を実行する。
【0040】
図8は、PC3cのPCサービス処理部41が実行するPCゲーム制御処理を示すフローチャートである。
図8の処理は、
図6のステップS4の処理に相当する。まず、PCサービス処理部41は、ユーザにプレイ可能なプレイモードを提示し、選択させる(ステップS31)。一例として、PCゲームでは自軍の領地を整備する領地整備モードと、武器、防具等のアイテムを生産する生産モードとが設けられる。軍データ62に基づいて、自軍の領地の大きさが決定される。PCサービス処理部41は、ユーザの選択したプレイモードに応じたゲーム処理を実行し(ステップS32)、プレイ結果に応じてプレイデータ61を更新する(ステップS33)。ユーザのプレイデータ61全体が参照されてゲームが実行される。プレイデータ61のPCゲームのゲームデータに設けられた自軍領地の開墾度等や、生産したアイテムの個数等のパラメータPc1、Pc2…が上昇する。ゲーム処理は公知技術を利用してよく、プレイモードによっては、センターサーバ2とデータのやりとりを行うようにしてもよい。その後、PCサービス処理部41は、
図6のステップS5の処理を実行する。
【0041】
図9は、モバイル端末装置3dのモバイルサービス処理部51が実行するモバイルゲーム制御処理を示すフローチャートである。
図9の処理は、
図6のステップS4の処理に相当する。まず、モバイルサービス処理部51は、ユーザにプレイ可能なプレイモードを提示し、選択させる(ステップS41)、一例として、モバイルゲームでは、盗賊や獣等を退治する狩りモードと、ユーザキャラクタを修行させる修行モードとが設けられる。軍データ62に基づいて、狩りモードで登場する狩り対象キャラクタや退治したときに獲得できるアイテムを決定したり、修行モードで選択可能な修行が決定したりしてもよい。モバイルサービス処理部51は、ユーザの選択したプレイモードに応じたゲーム処理を実行し、(ステップS42)、プレイ結果に応じてプレイデータ61を更新する(ステップS43)。ユーザのプレイデータ61全体が参照されてゲームが実行される。プレイデータ61のモバイルゲームのゲームデータに設けられた入手したアイテムの個数や修行したスキルのレベル等のパラメータPm1、Pm2…が上昇する。ゲーム処理は公知技術を利用してよく、プレイモードによっては、センターサーバ2とデータのやりとりを行うようにしてもよい。その後、モバイルサービス処理部51は、
図6のステップS5の処理を実行する。
【0042】
上述した各ゲームの制御処理においては、各プラットフォーム3に提供されるゲームに応じたゲーム処理が実行される。各ゲームでは、軍データ62とユーザのプレイデータ61が参照されつつゲームが進行する。従って、プレイするプラットフォーム3が異なってもプラットフォーム3毎に適したゲームを提供することができ、さらに提供するゲームが異なっていても共通したゲーム世界でプレイできる。プレイするプラットフォーム3が限定されることなく同一のゲーム世界でプレイできるので、ユーザのプレイスタイルに応じたプラットフォーム3の選択が可能となり、ユーザ間での協力もさせやすくなる。さらに、他のプラットフォーム3でのプレイの誘導もしやすくなる。
【0043】
上述した処理において、ゲーム機3aのゲーム制御部31が実行するステップS21〜S23の処理、PC3cのPCサービス処理部41が実行するステップS31〜S33の処理、及びモバイル端末装置3dのモバイルサービス処理部51が実行するステップS41〜S43の処理がそれぞれ、ゲーム実行手段として機能する。特に、PC3cのPCサービス処理部41が実行するステップS31〜S33の処理はPCゲーム実行手段、モバイル端末装置3dのモバイルサービス処理部51が実行するステップS41〜S43の処理はモバイルゲーム実行手段として、それぞれ機能する。
【0044】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、プラットフォーム3として、ゲーム機3a、PC3c、モバイル端末装置3dとして説明したが、これに限られない。例えば、プラットフォーム3としてネットワーク通信可能な携帯型ゲーム機を設け、専用のゲームを提供してもよい。また、ネットワーク端末装置3bの一つのプラットフォーム3に対し複数のゲームを提供し、ユーザにプレイするゲームを選択できるようにしてもよい。上述した対戦ゲーム等の他に、音楽ゲームやクイズゲーム、RPGゲーム等各種のゲームをプラットフォーム3に提供できる。共通の軍データ62を設け、プレイデータ61に各ゲームのゲームデータを記録可能にすればよい。統一ゲームとして、複数の軍が対立する乱世の時代が共通のゲーム世界としたが、これに限られず、適宜のテーマを設定可能である。統一ゲームをプレイする各ユーザが競い合う世界観のゲームでもよいし、協力し合う世界観のゲームでよい。適宜の設定が可能である。センターサーバ2の記憶部22にユーザのプレイデータ61及び軍データ62を設ける例で説明したが、ユーザやゲームの規模に応じてゲームシステム1内のクライアント装置側の記憶部に記憶させてもよい。この場合、各制御部又は処理部31、41、51が統一ゲーム進行制御手段として機能する。
【符号の説明】
【0045】
1 ゲームシステム
2 センターサーバ(サーバ装置)
3 プラットフォーム
3a ゲーム機
3b ネットワーク端末装置
3c PC
3d モバイル端末装置
21 ゲームサービス管理部(統一ゲーム進行制御手段)
22 記憶部(データ記憶手段)
31 ゲーム制御部(ゲーム実行手段、統一ゲーム進行制御手段)
32 記憶部
41 PCサービス処理部(ゲーム実行手段、統一ゲーム進行制御手段)
42 記憶部
51 モバイルサービス処理部(ゲーム実行手段、統一ゲーム進行制御手段)
52 記憶部
61 プレイデータ
62 軍データ(グループデータ)