(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信機は、前記送信機からパワーを受信する二次コイルを有し、前記二次コイルが、前記信号送信コイルとして使用される、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の受信機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、パワーを節約するために、送信機がいずれの受信機にもパワーを送信しない場合、送信機は、「スリーピングモード」又は「非活性モード」とも呼ばれることができるスタンバイモードにセットされる。スタンバイモードでは、送信機全体がパワーオフされ、又はコンポーネントの少なくとも大部分がパワーオフされる。送信機が、例えばパワー送信を開始するためにスタンバイモードにあるとき、送信機又は送信機の検出ユニットは、受信機の存在を検出するために定期的にパワーオンされることができる;受信機の検出に応じて、送信機は、受信機と通信し受信機を検証するために、活性化される。受信機が有効な装置である場合、送信機は、パワー送信を始める。「スタンバイモード」とは異なり、送信機が受信機と通信するために及び/又は受信機にパワーを送信するためにパワーオンされるステータスは、「活性化モード(activated mode)」と呼ばれる。
【0005】
受信機が、パワーを要求することなく非常に長い時間の間送信機上に位置付けられる状況がありうる。送信機は、受信機がパワーを必要とするかどうかをチェックするために、規則的に活性化される必要がある。これは、装置がパワーを必要とするかどうかをチェックするために、例えば5分又はそれ以上の長い時間間隔を適用することによって、パワーを節約することができる。ユーザ又はアプリケーションがワイヤレスパワーの速い又は瞬時の活性化を必要とする場合、これは便利でない。ユーザは、例えば、移動電話が送信機上に位置付けられている限り、移動電話を完全に充電させることを望みうる。発呼が到来する場合、移動電話は、そのバッテリからパワーを消費し始める。ハンズフリーモードがオンにされる場合、電力消費は増大する。この場合、送信機は、バッテリが部分的に放電されることを防ぐために、迅速に活性化される必要がある。
【0006】
別の例は、直接的なパワーを必要とする装置であって、バッテリを有さず又はエネルギーを蓄積するためにほんの小さなバッテリ等を有する装置である。例えば、装置は、ユーザによってスイッチオンされるランプ又は同様のものでありうる。その場合、受信機は、瞬時に活性化されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、受信機によって、スタンバイモードにある送信機を活性化モードに活性化する方法及びシステムを提案することである。
【0008】
このために、第1の見地により、送信機から受信機に誘導的にパワーを送信する方法が提案される。この方法において、受信機は、信号発生器及び信号送信コイルを有し、送信機は、信号受信コイルを有する。方法は、
受信機が送信機からパワーを受け取ろうとする状況を生じさせるイベントによってトリガされて、前記信号発生器によって信号を生成するステップであって、前記信号は、スタンバイモードから活性化モードへ前記送信機を活性化することを企図する、ステップと、
前記信号送信コイルに前記信号を送信するステップと、
信号受信コイルに電圧又は電流を誘導することを通じて前記信号受信コイルにより受信される信号を、前記送信機によって検出するステップと、
前記信号の検出に応じて、スタンバイモードから活性化モードへ送信機を活性化するステップと、
を含む。
【0009】
要するに、本発明は、送信機の活性化(本発明のコンテクストにおいて、「ウェークアップする」及び「活性化する」という語は交換可能である)が受信機側から起動されることを実現するために、送信機の信号受信コイルと結合される受信機の信号送信コイルを使用するソリューションを提案する。送信機の活性化が、送信機自体によって、例えば受信機の存在を検出することによって起動されるソリューションと比較して、受信機が送信機のウェークアップを起動するソリューションは、幾つかの状況においてより便利である。例えば:
a.受信機を有するランプ−ランプがそれ自体のスイッチを使用してスイッチオンされる場合、受信機が、送信機をウェークアップさせる;
b.移動電話−到来する発呼が、送信機をウェークアップさせる;
c.アラームクロック/ラジオ/ウェークアップ照明−装置は、或る特定の時間にウェークアップされる;
d.ラップトップ−ラップトップがオンにされ、又はスタンバイ状態からウェークアップされる;ラップトップのステータス変化が、送信機のウェークアップをトリガする。
【0010】
受信機が常駐する上述のモバイル装置が、送信機上に位置付けられており、多くの時間量の間パワーを必要とせず、送信機が、パワーを節約するためにスタンバイモードに入ると、上述のイベントは、ユーザからの追加のアクションが求められることなく、送信機のウェークアップをトリガするために使用されることができる。
【0011】
本発明は更に、送信機及び受信機を有し、受信機によって送信機のウェークアップを起動するシステムを提案する。
【0012】
このために、スタンバイモードから活性化モードへ前記送信機を活性化するための信号を受信する信号受信コイルと、前記信号受信コイルにより受信される信号を検出する検出器と、前記信号の検出に応じて、スタンバイモードから活性化モードへ送信機を活性化するユニットと、を有する送信機が提案される。
【0013】
受信機が送信機からパワーを受け取ろうとする状況を生じさせるイベントによって受信機がトリガされる場合に信号を生成する信号発生器であって、前記信号は、スタンバイモードから活性化モードへ前記送信機を活性化することを企図する、信号生成器と、前記送信機に前記信号を送信する信号送信コイルと、を有する受信機が提案される。
【0014】
有利には、本発明は、送信機の一次コイルを信号受信コイルとして使用し、受信機の二次コイルを信号送信コイルとして使用することにより、送信機及び受信機によって必要とされるコンポーネントを低減することを提案する。
【0015】
信号を生成するために、受信機は、電気エネルギーを必要とする。本発明は更に、バッテリ又は電源内蔵型素子、すなわち機械エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換器を使用することを提案する。
【0016】
本発明の詳細な説明及び他の見地が以下に与えられる。
【0017】
本発明の特定の見地は、以下に記述され、添付の図面に関連して考察される実施形態を参照して説明される。図面において、同一の部分又はサブステップは同様に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による送信システムのブロック図を示している。システムは、送信機11及び受信機10を有する。本発明を説明するために、受信機10は、送信機11からのパワーを要求することなく、或る時間の間送信機11の表面上に位置付けられており、送信機11は、パワーを節約するためにスタンバイモードにあるものとする。
【0020】
送信機11は、受信機10にパワーを誘導的に送信するためのパワー送信ユニット116を有する。送信機11がスタンバイモードにあるとき、パワー送信ユニット116はスイッチオフされる。
【0021】
受信機10は、送信機11から誘導的に電気パワーを受け取るためのパワー受信ユニット101を有する。モバイル装置に含まれた又はモバイル装置に接続された受信機10は、送信機11からワイヤレスでパワーを受け取り、受け取ったパワーをモバイル装置の負荷に供給するために使用される。モバイル装置は、例えばバッテリ、移動電話、ラップトップ、ランプ等でありうる。
【0022】
受信機10は更に、信号送信コイル103を有し、送信機11は、信号受信コイル112を含む。信号送信コイル103は、信号受信コイル112に結合され、すなわち2つのコイルは、非常に接近している。
【0023】
モバイル装置が、受信機10が送信機11からパワーを受け取ることを必要とする場合、最初に、送信機が、スタンバイモードから活性化される必要があり、すなわち、送信機11が、「ウェークアップされる」ことを必要とする。言い換えると、送信機11のステータスが、スタンバイモードから活性化モードへ変更されなければならない。活性化モードは、スタンバイモードとは相反するものである。活性化モードでは、例えば送信ユニット116のような送信機の主要なコンポーネントがパワーオンされ、送信機11は、受信機10と通信する及び/又は受信機10にパワーを送信することが可能である。
【0024】
本発明に従って受信機によって送信機11の活性化を起動するために、受信機10は、信号発生器102及び信号送信コイル103を有する。
【0025】
図2は、受信機10によってスタンバイモードから活性化モードへ送信機11を活性化するためのフローチャートを示している。ステップ201において、信号生成器102は、受信機10がパワーを要求する状況を生じさせるイベントによってトリガされることにより、信号を生成するように構成される。信号は、送信機11を、スタンバイモードから活性モードへ活性化する(ウェークアップさせる)ことを企図する。生成された信号は、信号送信コイル103に供給される。ステップ202において、信号は、信号送信コイル103と信号受信コイル112との間の誘導結合を通じて、受信機10から送信機11に送信される。
【0026】
受信機10に生じるイベントは、多くのそれぞれ異なるイベントの如何なるものであってもよい。例えば、受信機10が移動電話に常駐する場合、到来する発呼が、パワーの要求を生じさせるイベントでありうる。受信機10がラップトップに常駐する場合、ラップトップのステータス変更(例えばスタンバイモードからウェークアップモードへの変更)が、パワーの要求を生じさせるイベントでありうる。受信機10がランプに常駐する場合、ランプをオンにすることが、パワーの要求を生じさせるイベントでありうる。要するに、受信機がパワーを必要とする状況を生じさせる如何なるイベントも、信号生成器102をトリガして信号を生成し、信号送信コイル103に生成された信号を供給するイベントとして、使用されることができる。
【0027】
信号生成器102により生成される信号は、例えば電圧パルス、一連の電圧パルス、電圧ステップ又は任意の他のタイプの交番電圧でありうる;信号送信コイル103に供給される信号は、信号送信コイル103に磁界を生成する。
【0028】
信号を生成するために、生成ステップ201は、電力源104によって電気エネルギーを供給するステップ211を有する。送信機11を活性化するために受信機10により生成される信号は、強いものである必要はなく、長時間の間信号を供給する必要はない。従って、信号を生成するために必要とされる電気エネルギーは非常に低いものである。
【0029】
電力源104は、例えば信号生成器102にパワーを供給するための専用の小さいバッテリでありうる。
【0030】
代替として、電力源104は、受信機10が常駐するモバイル装置の負荷バッテリでありうる。このような負荷バッテリは、受信機によって送信機11から受け取られるパワーを蓄積するために使用され、これは、通常、信号を生成するのに充分な残りの電気エネルギーを有する。負荷バッテリが信号生成器と接続されている場合、それは、受信機10のパワー受信ユニット101から分離されなければならない。
【0031】
代替として、電力源104は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換器でありうる。このようなエネルギー変換器は、例えば圧電素子又は磁気エレメントを有する。
【0032】
圧電素子は、機械エネルギーから電気エネルギーを生成するために圧電効果を使用する。圧電効果(ピエゾ電気)は、印加される機械ストレスに応じて電界又は電位を生成するための、材料(特に結晶、特定のセラミック、及び骨、DNA及びさまざまなタンパク質のような生物学的物質)の性能である。効果は、材料のボリューム内の分極密度の変化に密接に関連する。材料が短絡されない場合、印加されたストレスは、材料の両端に電圧を誘導する。
【0033】
例えば、受信機10がランプに常駐する場合、圧電素子がランプのスイッチに機械的に接続され、又はスイッチが圧電素子を有し、従って、スイッチがユーザにより押されると(ユーザがランプをスイッチオンしたいことを意味する)、圧電素子もまた押される。その結果、電気エネルギーが生成される。この例において、ユーザによるスイッチの押圧は、受信機がパワーを必要とすることを生じさせるイベントであり、よって、電気エネルギーが機械エネルギーから変換され、電気エネルギーは処理されて信号になり、すなわち、受信機は、イベントの出現時に信号を生成する。
【0034】
磁気エレメントは、一般に、互いに相対的に移動するコイル及び磁石を有する。例えば、磁石が、コイルに向かって移動される。磁界の変化は、コイルに電流を誘導する。上述の例において、ランプのスイッチは、磁気エレメント、すなわち磁石及びコイル、を有するとともに、磁石が、スイッチのボタン又は動作ハンドルと直接的又は間接的に接続されている場合、ユーザがボタンを押すと、磁石は、コイルと相対的に移動し、それゆえ電気エネルギーを生成させる。
【0035】
これらの例では、ランプのスイッチ、又は機械エネルギーを受け取り変換する同様のコンポーネントは、電力源104のコンポーネントでもある。
【0036】
電気エネルギーは、それが信号の必要とされる特性を有する場合、送信機を活性化するための信号として、信号生成器102によって直接的に出力されることができる。信号の特性は、例えばパワーの大きさ、電流又は電圧の振幅、電圧パルスの周波数等でありうる。
【0037】
代替として、信号生成器102は、ユニット105を含むことができ、すなわち電力源104により供給される電気エネルギーを変調(ステップ221)する変調器を含むことができる。生成されたエネルギーは、適切な信号を生成するように変調されることができる。変調器105は、例えば、コントローラにより制御されるスイッチでありうる。スイッチのオン/オフ頻度に依存して、電気エネルギーは、電圧パルス又は他のタイプの信号に変調されることができる。信号生成器102は、信号送信コイル103に信号を出力する。
【0038】
送信機11は、受信機にパワーを送信するためのパワー送信ユニット116を含む。送信機11は更に、受信機とデータ通信するための通信ユニットを含みうる。送信機11がスタンバイモードにあるとき、送信ユニット116及び通信ユニットは、作動されない。送信機11をウェークアップするために、通信ユニット及び/又は送信ユニット116が、作動される(スイッチオンされる)べきである。
【0039】
上述したように、送信機11は、受信機10から送られる信号を受け取るための信号受信コイル112を含む。受信機10から送られる信号を受け取ると、送信機11は、スタンバイモードから活性化モードへ変わる。
【0040】
生成器102により生成された信号は、信号送信コイル103に磁界を生成し、従って信号が、信号受信コイル103に結合されている信号受信コイル112に誘導される。誘導される信号は、例えば電圧パルスでありうる。
【0041】
送信機11は、信号受信コイル112によって受け取られる信号を検出(ステップ203)するための検出器114を含む。
【0042】
上述の例において、ユーザがランプをスイッチオンすると、信号生成器102は、信号送信コイル103に信号を送り、信号送信コイル103が磁界を生成する。この磁界は、信号受信コイル112に電圧を誘導する。検出器114は、この電圧を検出することが可能である。
【0043】
送信機11は、前記信号の検出に応じて、スタンバイモードから活性化モードへ送信機を活性化(ステップ204)するためのウェークアップユニット115を更に含む。言い換えると、ウェークアップユニット115は、信号受信コイル112における信号の検出によってトリガされる。検出器114及びウェークアップユニット115は、例えば信号受信コイル112に接続されるFET(電界効果トランジスタ)のようなスイッチにより実現されることができる。信号受信コイル112に誘導される(受信される)信号は、送信機11が活性化されるように電界効果トランジスタを切り替える。検出器114は、任意の検出回路又はセンサにより実現されることができ、ウェークアップユニット115は、ソフトウェア又はマイクロプロセッサにより制御されるスイッチを有する回路によって実現されることができる。
【0044】
図3は、送信機を活性化するためのウェークアップユニット115の例を示している。
図3に示されるように、送信機がスタンバイモードにあるとき、スタンバイ電力消費をしばしば支配するバイアス電源303はACスイッチK1によってスイッチオフされる。この状態の間、コントローラ301及び検出回路302(検出器)のみが、キャパシタC1に蓄積されているエネルギーからパワー供給される。このサブシステムは、これらの2つのコンポーネントのみが蓄積キャパシタからパワー供給されることを確実にするために、スイッチK2によって送信機の残りのエレクトロニクスから切り離されている。コントローラ上で走る小さいプログラムが、その供給電圧、すなわちキャパシタ両端の電圧がなお充分に高いかどうかを周期的にチェックする。充分に高くない場合、両方のスイッチが、蓄積キャパシタC1を充電し直すために短い期間の間閉じられる。このようにして、コントローラ301及び検出器302は、常にパワー供給されるが、コンポーネントの残りのものはスタンバイモードではパワー供給されない。
【0045】
常閉スイッチの使用は、コールドスタート問題を軽減する。すなわち送信機が電源プラグにまず接続されるときに、送信機表面上のデバイスがパワーを要求せず又は送信機表面上にデバイスが存在しない場合、送信機は、システムがスタンバイモードに入るべきであるとコントローラが判定するまで、充分にパワー供給される。
【0046】
例えば或る信号である刺激信号S
WKが送信機に印加され、検出回路302により検出されると、検出回路302は、コントローラ301に、送信機がウェークアップされるべきであることを示す信号を送り、送信機がウェークアップされる。コントローラ301は、送信機エレクトロニクス全体にパワー供給するために、両方のスイッチK1及びK2を閉じる。
【0047】
有利には、印加される刺激信号S
WKは、ワイヤレスパワー送信機において、送信機表面上に受信機が配置されていることを示すべきである。
【0048】
信号送信コイル103及び信号受信コイル112は、信号を送信するための専用のコイル及び信号を受け取るための専用のコイルでありうる。
【0049】
好適には、送信機はスタンバイモードにあり、それゆえ一次コイルは、パワーを送信するために使用されないので、一次コイルは、信号受信コイルとして使用されることができる。同様に、送信機11がスタンバイモードにある場合、受信機10は、送信機11からパワーを受け取らないので、受信機10の二次コイルが、信号送信コイル103として使用されることができる。言い換えると、受信機10の二次コイル及び送信機11の一次コイルの機能が逆転する。この実施形態は、コンポーネントを節約する利点を有する。
【0050】
一次コイルが、信号受信コイルとして使用され、2以上の送信機コイルがある場合、受信機に極めて近いただ1つの送信機コイルが、信号を受け取る。通常、ただ1つのコイルがこの電圧を受け取るので、誘導された電圧は、送信機11をウェークアップするだけでなく、受信機10の位置情報をも提供する。
【0051】
送信機システムが、2以上の送信機コイルを含む場合、2以上の送信機コイルがウェークアップされることが起こりうる。幾つかの可能性が存在する:
−ウェークアップ信号を受け取るすべてのセルが、アクティブになり、パワー送信に寄与する。利点は、この方法を実現するのが簡単であることである。しかしながら、受信機によってシールドされていないコイルが活性化され、従って、不所望の磁気放出を生成することが起こりうる。更に、パワー効率は、非常に弱いものでありうる。なぜなら、あるコイルは、パワー送信に貧弱にしか寄与しないことがあるからである。
−最も大きい信号を受け取るセルがアクティブになる。
−セルは、受信機と交渉し始め、その後にのみ、当該セルがアクティブになる。
【0052】
図4は、信号受信コイル及び信号送信コイルとして送信機の一次コイル及び受信機の二次コイルをそれぞれ使用するシステムの例を示している。
【0053】
図4において、送信機41の一部が示され、受信機40の一部が示されている。
図4は、ただ1つの送信機コイルに限られているが、より多くの送信機コイルが、送信機内に常駐しうる。送信機コイルLtは、受信機コイルLrに疎結合されている。送信機は、送信機コイルと共に共振回路を形成するためのキャパシタCtを含む。
【0054】
受信機40は、パワー伝達効率を改善するための共振回路を形成するように直列キャパシタCrを含む。
【0055】
送信機41は更に、複数の目的を有する電流センサAを含む。電流センサは、パワー伝達を受信機のニーズに適応させるために、制御ループ内で必要とされる動作ポイントを測定するために使用される。電流センサは更に、データ通信のための受信機による負荷の変調を検出するために、電流変化を測定するように利用される。
【0056】
送信機41は更に、共振回路Ct、Ltを駆動するためのハーフブリッジS1、S2と、パワー伝達のための動作パラメータを設定するようにハーフブリッジに制御信号に供給するコントローラ(図示せず)と、を有する。
【0057】
受信機40は、
図4に、4つのダイオード及びキャパシタCとして図示される整流器を含む。受信機40は更に、送信機に制御データを通信する目的で、
図4においてR1及びS4として示される負荷変調エンティティを含む。スイッチS3は、モバイル装置の標的負荷に接続されることができ、標的負荷は、例えばバッテリB、バッテリ用の充電ユニット(図示せず)、又は1又は複数のパワーLED用のドライバ(図示せず)でありうる。
【0058】
スイッチS5及びS6は、送信機41を活性化するための信号(ウェークアップ信号)を生成する目的で付加されている。
【0059】
スイッチS5が短時間の間閉じられていて、スイッチS6も閉じられている場合、受信機の共振回路を動作させるウェークアップパルス電流が生成される。Lr及びLtが結合されるので、ウェークアップ信号は、送信機Lt、Ctの共振回路へ伝達される。その結果、電流が、送信機コイルLtを通じて流れ、これは、電流センサAにより検出される。好適には、スイッチS2は、この目的で、閉じられた状態に保たれる。電流の検出は、
図3に示されるように、ウェークアップ回路をトリガする。代替として、誘導された電圧は、ウェークアップ回路をトリガするために直接的に使用される。その場合、スイッチS2は、好適には、開いた状態に保たれる。
図4において、信号を生成するためのエネルギーが、バッテリBから導かれる。バッテリBに代わって、例えば上述したようなエネルギー変換器でありうる別の電力源を使用することも可能である。
【0060】
信号は、(結合された)送信機共振回路によって決められる共振周波数に対応するパルス周波数に拡張されることができる。これは、送信機において信号レベルを増大することを可能にする。更に、送信機は、前記信号の周波数を通過させ、他の周波数を阻止するように設計される周波数フィルタを含むことができる。
図5は、半同期整流器を有する実施形態を示す。下半分のダイオードが、スイッチ(S6及びS7)と置き換えられている。コントローラ回路(図示せず)は、整流の目的でこれらのスイッチの切り替えを制御する。この実施形態において、ただ1つの追加のスイッチが、ウェークアップ信号を生成するために必要とされる。スイッチS5が信号を生成するために短時間閉じられている間、スイッチS6が、閉じられる必要がある。
【0061】
図6は、全同期整流器を有する一実施形態を示している。すべてのダイオードが、スイッチ(S5、S6、S7、S8)と置き換えられている。スイッチS6に加えて、スイッチS5がパルスを生成するために短時間閉じられる間、スイッチS3が閉じられる必要がある。この実施形態において、信号を生成するための追加のコンポーネントは必要とされない。
【0062】
図7は、本発明の別の実施形態をしている。スイッチLswitchは、この例では、例えば圧電素子を有するスイッチのような誘導性スイッチである。スイッチLswitchは、電気スイッチS
1に機械的に結合されている。通常、S
1は、負荷がパワーを受け取ることができるように、R
Lにより表される受信機の負荷を、受信機コイルL
Rx及び共振キャパシタC
Rxを含む受信機回路に接続する。スイッチLswitchは分離されており、従ってパワーを消費しない。スイッチLswitchが使用される場合、S
1も変更される。次に、受信機コイルは、スイッチLswitchに接続されるが、負荷から分離されている。このように、生成された電圧は、受信機L
Rxのコイルに流れるが、それは、負荷R
Lに影響を及ぼさない。
【0063】
電圧パルスは、磁気パルスを生成し、これは、送信機L
Txのコイルの電圧を誘導する。スタンバイモードにおいて、スイッチS
2は開いており、トランジスタTswは、ベース電圧をもたず、開いている。回路は、パワーを消費しない。更に、電界効果トランジスタ(FET)T
H及びT
Lにより表される生成器の2つのスイッチは開いている。誘導された電圧パルスは、C
Tx及びダイオードD
1を通過し、キャパシタC
1を充電させ、それにより、電圧が、Tswのベースダイオードの閾値電圧より高くなるようにして、Tswが導通状態になるようにする。誘導された電圧パルスが終わった場合でも、キャパシタC1は、しばらくの間電圧を供給し続ける。Tswが導通している場合、スイッチS
2は閉じられ、送信機回路は、格子電圧Vgridからパワー供給される。すぐに、コントローラは、Tswを導通状態に保つように、D
2に沿って他の電圧を供給する。コントローラは、送信機回路に交流電流を生成し伝達パワーを生成するために、パワートランジスタT
H及びT
Lを交互にスイッチングし始める。より進歩した実施形態において、コントローラは、直ちにパワー送信を始めないが、パワーが本当にスイッチオンされるべきかどうかを判定するために受信機と通信する。通信手段は、図面に示されていない。受信機が有効な受信機としてそれ自体を識別することができ、すべての他の必要なパラメータが交換される場合、パワーがスイッチオンされる。受信機がそれ自体を検証することができない場合、送信機セルは、再び待機状態に入る。
図7に示される実施形態において、コントローラは、D
2において、電圧をスイッチオフする。すぐに、C
1が放電され、Tswが開く。従って、システムはスタンバイモードになる。
【0064】
図8は、検出器の例示の実現例を示している。ウェークアップ信号が存在しない場合、コントローラへの信号は、DC電圧Vに等しい。弱いウェークアップ信号Swkは、演算増幅器Aにより増幅される。増幅された信号は、ダイオードDを介してキャパシタCを充電させる。キャパシタの電圧が閾値に達する場合、トランジスタTは、電圧をグラウンドに引き下げるとともに、コントローラをトリガして送信機をパワーオンする(活性化する)。
【0065】
本発明は、プログラム可能なコンポーネントを用いてハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて実現されることができることに留意すべきである。
【0066】
上述の説明において、明確さのために、本発明の実施形態は、それぞれ異なるコンポーネント、機能ユニット及びプロセッサに関して記述されていることが分かるだろう。しかしながら、それぞれ異なる機能ユニット又はプロセッサの間の機能の任意の適切な分配が、本発明から逸脱することなく使用されることができる。例えば、別個のユニット、プロセッサ又はコントローラにより実施されるように示されている機能は、同じプロセッサ又はコントローラにより実施されることができる。それゆえ、特定の機能ユニットの言及は、厳密な論理的若しくは物理的構造又は組織化の標示としてではなく、記述された機能を提供するための適切な手段の言及としてのみ理解されることができる。
【0067】
本発明は、幾つかの実施形態に関連して記述されているが、ここに示される特定の形態に限られることを意図しない。付加的に、特徴は、特定の実施形態に関連して記述されているようにみえうるが、当業者であれば、記述された実施形態のさまざまな特徴が本発明に従って組み合わせられることが可能であることを認めるであろう。請求項において、有する、含む、という語は、他の構成要素又はステップの存在を除外しない。
【0068】
更に、個別に列挙されているが、複数の手段、構成要素又は方法ステップは、例えば単一ユニット又はプロセッサにより実現されることができる。付加的に、個別の特徴が、それぞれ異なる請求項に含まれうるが、これらは、有利に組み合わせられることが可能でありえ、異なる請求項における包含は、特徴の組み合わせが実現可能でない及び/又は有利でないことを示さない。更に、1つのカテゴリ請求項における特徴の包含は、このカテゴリに対する限定を示さず、特徴が必要に応じて他の請求項のカテゴリにも等しく適用できることを示す。更に、請求項における特徴の順序は、特徴が機能しなければならない特定の順序を示すものではなく、特に、方法の請求項における個別のステップの順序は、それらのステップがこの順序で実施されなければならないことを示すものではない。そうではなく、ステップは、如何なる適切な順序で実施されることもできる。更に、単数形の言及は、複数性を除外しない。「a」、「an」、「第1」、「第2」の言及は、複数性を妨げない。明確にする例として与えられているだけである参照符号は、いかなる形であれ請求項の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。