(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792183
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】無線マルチキャスト通信を支援するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 4/08 20090101AFI20150917BHJP
H04W 80/00 20090101ALI20150917BHJP
H04M 3/00 20060101ALI20150917BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
H04W4/08
H04W80/00
H04M3/00 B
H04M11/00 302
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-542203(P2012-542203)
(86)(22)【出願日】2010年12月2日
(65)【公表番号】特表2013-513314(P2013-513314A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】US2010058802
(87)【国際公開番号】WO2011078952
(87)【国際公開日】20110630
【審査請求日】2012年6月4日
(31)【優先権主張番号】12/647,179
(32)【優先日】2009年12月24日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ゴーン,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】リー,グオチーン
【審査官】
東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−37139(JP,A)
【文献】
特表2007−509531(JP,A)
【文献】
特開2008−118525(JP,A)
【文献】
特開2009−212777(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/095424(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
H04M 3/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信のための方法であって、該方法は:
メディアアクセス制御(MAC)レイヤの上位に位置するプロトコル適応レイヤ(PAL)の管理プロトコルに従って、無線通信装置により、無線通信信号を伝送する段階
を有し、
前記管理プロトコルは、マルチキャストを管理するためのプロトコルであり、マルチキャストグループをそれぞれ形成、保持及び終了する形成手続、保持手続及び終了手続を含み、
前記形成手続は:
前記無線通信装置により要求メッセージを伝送する段階と;
前記要求メッセージに応じて、前記無線通信装置により応答メッセージを伝送する段階と;
を含み、
前記応答メッセージは、前記形成手続が成功したか否かの指標を含み、前記形成手続が成功しない場合には、一以上の、前記形成手続の失敗の理由の指標を含む、方法。
【請求項2】
前記要求メッセージを伝送する段階は、前記要求メッセージを送信する段階を含み、前記応答メッセージを伝送する段階は、前記応答メッセージを受信する段階を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要求メッセージを伝送する段階は、前記要求メッセージを受信する段階を含み、前記応答メッセージを伝送する段階は、前記応答メッセージを送信する段階を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記形成手続の失敗の理由の前記指標は、少なくとも、リソース不足による失敗の指標を含む、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プロトコル適応レイヤは、オーディオ/ビジュアルプロトコル適応レイヤである、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも、所定の期間内に遠隔の装置からメッセージが受信されたかどうかに基づき、継続したデータストリームの存在を判定することにより、前記PALの前記保持手続を行なう段階
をさらに有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記継続したデータストリームの存在を判定することは、さらに、少なくとも前記所定の期間内に前記遠隔の装置からデータが受信されるかどうかに基づく、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記終了手続は、PAL終了メッセージを伝送する段階を含む、
請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記無線通信信号を、略60GHzスペクトルにおいて伝送する段階を含む、
請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも700Mbpsのスループットを有する前記無線通信信号を伝送する段階を含む、
請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも5Gbpsのスループットを有する前記無線通信信号を伝送する段階を含む、
請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記形成手続に基づいて、データストリームのデータを無線で伝送する段階を有する、
請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法を実行する無線通信部を有する装置。
【請求項14】
少なくとも一の遠隔の装置と無線で前記無線通信信号を交換するアンテナを有する、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の段階をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線マルチキャスト通信を支援するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのような電子機器は、ディスプレイ又はスピーカのような受信端末へ、信号をたびたび送信する。そのような送信は、有線又はケーブルによって、なされることが多い。無線通信は、有線及びケーブルから開放する。様々な製造者の製品における相互運用性のために、これらの製品は、近日中に発行される一以上の仕様書に記載される、ワイヤレス・ギガビット・アライアンス(WGA又はWiGig)規格のような規格に従って、通信を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プロトコル適応レイヤのマルチキャスト管理プロトコルに従って、無線マルチキャスト信号を送信及び受信する方法が存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明における方法は、
無線通信のための方法であって、該方法は:
メディアアクセス制御(MAC)レイヤの上位に位置するプロトコル適応レイヤ(PAL)の管理プロトコルに従って、無線通信装置により、無線通信信号を伝送する段階
を有し、
前記管理プロトコルは、形成手続、保持手続及び終了手続を含み、
前記形成手続は:
前記無線通信装置により要求メッセージを伝送する段階と;
前記要求メッセージに応じて、前記無線通信装置により応答メッセージを伝送する段階と;
を含み、
前記応答メッセージは、前記形成手続が成功したか否かの指標を含み、前記形成手続が成功しない場合には、一以上の、前記形成手続の失敗の理由の指標を含む。
【0005】
また、本発明におけるシステムは、
プロトコル適応レイヤのマルチキャスト管理プロトコルに従って、無線マルチキャスト送信信号を提供するための送信局
を有する。
【0006】
また、本発明における装置は、
上述した方法を実行する無線通信部を有する。
また、本発明におけるプログラムは、上述した方法をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の一実施形態による無線ネットワークの概念図。
【
図1B】本発明の一実施形態による無線ネットワーク内の発信元端末と発信先端末の概念図。
【
図2】本発明の一実施形態による無線プロトコルのためのレイヤ管理モデルの概念図。
【
図3】本発明の一実施形態による形成手続又は加入手続の概念図。
【
図4】本発明の一実施形態による保持手続の概念図。
【
図5】本発明の一実施形態による離脱手続の概念図。
【
図6A】本発明の一実施形態による終了手続の概念図。
【
図6B】本発明の一実施形態による終了手続の概念図。
【
図7】本発明の一実施形態によるプロトコル手続の概念的な状態図。
【
図8】本発明の一実施形態によるプロトコル手続のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で開示される主題は、本明細書の結論部分において、特に指摘され、明白に主張される。しかしながら、本発明の実施形態は、機構及び手順の方法の両方に関して、添付される以下の図面を読み、以下の詳細な説明を参照することにより、目的、特徴及びその利点とともに、最もよく理解され得る。
【0009】
説明の簡潔さ及び明瞭さのために、図面において示される要素は、必ずしも精密に描かれておらず、また、スケールされて描かれていない点に留意する。例えば、いくつかの要素の寸法は、明瞭さのために、他の要素と比べて、誇張され得る。あるいは、いくつかの物理的な構成要素は、一つの機能ブロック又は要素に含まれ得る。さらに、適切である場合には、参照番号は、対応する要素又は類似する要素を示すために、図面を通して、繰り返され得る。さらに、図面の中に描かれるいくつかのブロックは、単一の機能へと結合され得る。
【0010】
以下の詳細な説明において、多数の具体的な詳細が、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、説明される。しかしながら、当業者は、かかる具体的な詳細がなくとも、本発明の実施形態を実施できることを理解するであろう。その他の点では、本発明をあいまいにしないように、既知の方法、手順、部品又は回路は、詳細に説明されない。
【0011】
特に記載されない限り、以下の議論で明らかなように、本明細書全体を通じて、「処理」、「計算」、「算出」、「決定」等のような用語は、コンピュータ若しくはコンピュータシステム又は同様の電子計算装置の動作及び/又は処理を指し得る。それらの装置は、コンピュータシステムのレジスタ及び/又はメモリの中の、電子のような物理量により表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ又は他の情報記憶装置、伝送装置若しくは表示装置の中の、物理量により、同様に表されるほかのデータへと、操作し、かつ/あるいは変換する。さらに、「複数」の語は、二以上の部品、装置、要素、パラメータ等についての記載するために、本明細書を通じて、用いられ得る。
【0012】
本発明の実施形態は、様々な応用において用いられ得る。本明細書で開示される回路及び技術は、PC、無線装置又は無線端末、ビデオ又はデジタルゲーム装置又はシステム、画像収集システム、処理システム、視覚化又は表示システム、デジタル表示システム、通信システム等のような、多数の装置において、用いられ得る。ただし、本発明は、この点において、制限されない。
【0013】
図1Aは、本発明の実施形態によって動作する、無線ネットワーク10の概念図である。ネットワーク10は、ワイヤレス・ギガビット・アライアンス(WGA又はWiGig)又は他の無線規格に従って動作する、無線ネットワーク、無線LAN(WLAN)又は無線PAN(WPAN)であり得る。WiGigは、60HGz帯(又はスペクトル)で概ね動作し、一秒当たり数百メガビット(Mbps)から数ギガビット(Gbps)で、(一般に)圧縮データを送信するよう設計される。(60GHz帯は、略56HGzから略66GHzの範囲内での伝送を含み得る。)ネットワーク10は、互いに無線で通信可能な、一つの発信元(source)100(又は発信元局(source station))と、多数の発信先(destination)又は受信装置(sink)201、202、203(あるいは、より多い局又はより少ない局)を含む(但し、本発明は、かかる点において、限定されない)。発信元100と発信先201、202、203は、無線局(様々な無線規格においては、特に、「STA」と略される)と呼ばれる。発信元100の例は、セットトップボックス(STB)、ラップトップ又はパーソナルコンピュータ(PC)、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、MP3プレーヤ、デジタルビデオレコーダ(DVR)、スチルカメラ又はビデオカメラ、ゲーム端末、携帯電話又はスマートフォン、PDA及び他の装置であり得る。発信先201、202、203の例は、テレビ、受信器、ディスプレイ、モニタ、スピーカ、プリンタ、ラップトップ又はパーソナルコンピュータ、携帯電話又はスマートフォン、PDA、プロジェクタ及び他の装置であり得る。他のネットワーク装置が、ネットワーク10に含まれてもよい。
図1Aは、発信先201、202、203に無線で送信する発信元100を表す。そのような送信は、以下で説明されるように、データ及び送信メッセージであり得る。同様に、発信先201、202、203は、発信元100へ、無線でメッセージを返信することができる(但し、
図1Aでは図示されない)。
【0014】
図1Bは、本発明の実施形態による、ネットワーク10内の送信局100又は受信局200(一以上の発信先201、202、203)の概念図である。そのような局は、無線通信装置102(アンテナ103と結合される)と、入力104と、出力106と、プロセッサ108と、メモリ110とを含み得る。送信局100と受信局200が、
図1Bにおいて図示されるが、その全てが、上述したブロックを全て含む必要はない。また、ネットワーク内の送信局及び受信局は、同一である必要はなく、あるいは、同様である必要もない。そのようなブロックを用いて、送信元100及び/又は送信先200は、互いに通信することができ、かつ、信号(データを含む)を送信及び/又は受信するために、本発明の実施形態に従って、プロセッサ108と、無線通信装置102(及び、アンテナ103)を用いる、他の無線通信装置と、通信することができる。入力104と出力106は、他の装置と通信するためにも使用され得る。メモリ110は、例えば、RAM若しくはRAM、ディスクドライブコンピュータ又はUSBフラッシュメモリのような、コンピュータ若しくはプロセッサ読取可能な媒体又はコンピュータ若しくはプロセッサ記憶媒体であり得る。
【0015】
図2は、無線プロトコルのレイヤ管理モデルの概念図である。様々なコンピュータネットワークプロトコルは、例えば、OSI(Open System Interconnection)参照モデル(七層モデル)やTCP/IPモデルのような、レイヤ管理モデルによってモデル化される。
図2のレイヤ管理モデルは、OSIモデルの、PHY(物理)レイヤ50及びMAC(メディアアクセス制御)レイヤ60(時に、「サブレイヤ」とみなされる)と、本発明の実施形態において使用される、MACレイヤ60とやりとりするための、PAL(プロトコル適応レイヤ)70とを含む。
【0016】
本発明の実施形態において、送信元100は、マルチキャスト(「グループキャスト」とも呼ばれる)で、一以上の送信先201、202、203に、無線で信号を送信する。マルチキャスト送信は、同一のデータストリームの、複数の送信先への送信を含み得る。あるプロトコルは、送信元と送信先を構成するマルチキャストグループの、形成(formation)と、保持(maintenance)と、終了(termination)を管理することができる。特に、そのようなプロトコルは、プロトコル適用レイヤ(PAL)70で動作し、いくつかの実施形態において、オーディオ/ビジュアル(A/V)PALであり得る。潜在的に大きな帯域要求により、マルチキャスト送信は、一秒あたり数百メガビット(好ましくは、少なくとも700Mbps)のスループットか、あるいは一秒あたり数ギガビット(好ましくは、少なくとも5Gbps)ものスループットを有する可能性がある。また、マルチキャスト送信は、圧縮され得る。本発明の実施形態によるマルチキャスト伝送は、無線通信チャネルの、損失の多い性質を考慮して設計されるが、異なるルータにわたってマルチキャストツリーを構成する必要がないため、軽い(lightweight)設計となっている。
【0017】
本方法の実施形態は、例えば、ネットワーク10か、コンピュータシステム及び他の適切なシステムの中の、送信元100及び送信先201、202、203によって使用され、あるいは、実装され得る。あるいは、本方法の実施形態は、他の適切な無線通信装置、局、ノード、システム及び/又はネットワークによって使用され、あるいは、実装され得る。ネットワーク10は、三つ以上の送信先を含んでもよいが、簡単のために、三つの送信先が示されている。
【0018】
図3は、本発明の実施形態による、形成又は加入手続についての概念図である。送信元100は、上述したものと同一である。送信先200は、一以上の送信先201、202、203を表し、プロトコルの実施例が、マルチキャスト伝送のために使用され得ることを理解する。加入手続の最初で、送信元100(送信元ノード又はマルチキャストグループオーナ(MGO)とも呼ばれる)は、マルチキャストグループ加入招待(「招待メッセージ」)と呼ばれるPAL制御メッセージを、ユニキャスト又はブロードキャストにより、送信することができる。マルチキャストグループは、マルチキャストMACアドレスとPAL IDにより、招待メッセージ内で一意に識別され得る。招待メッセージ305を受信すると、送信先(又は送信先ノード)200は、マルチキャストグループ加入要求310と呼ばれるPAL制御メッセージを、送信元100に送信することができる。このメッセージは、加入手続が成功したか失敗したかを示す(失敗した場合には、その理由(不正なグループアドレス又はリソース不足))、マルチキャストグループ加入応答315と呼ばれるPAL制御メッセージにより、応答され得る。
【0019】
図4は、本発明の実施形態による、保持手続の概念図である。送信先200は、マルチキャストグループに加入した後、マルチキャストグループ確認要求メッセージ405を、定期的に、送信元100に送信することができる。送信元100は、マルチキャストグループ確認応答メッセージ410により、応答することができる。送信元100は、さらに、データ415(又はデータフレーム)を、定期的に、送信先200に送信することができる。マルチキャストグループ(すなわち、送信先200)へ送信されたデータ415が受信されたものの、マルチキャストグループ確認応答メッセージ410が受信されない場合にも、送信先200は、自らが、マルチキャストグループの一部であるとみなす。送信先200は、タイムアウト期間425の間に、マルチキャストグループオーナから、マルチキャストグループ確認応答メッセージ410もデータ415も受信しなかった場合には、自らがマルチキャストグループにもはや属さなくなったものとみなす(435)。
【0020】
図5は、本発明の実施形態による、離脱手続の概念図である。マルチキャストグループ離脱手続中に、送信先200は、マルチキャストグループ離脱要求メッセージ505を、送信元100に送信することができる。マルチキャストグループ離脱要求メッセージ505を受信すると、送信元100は、マルチキャストグループ離脱応答メッセージ510により、応答することができる。送信先200は、マルチキャストグループ離脱応答メッセージ510を受信した後か、(図示されない)タイムアウト期間の経過後に、マルチキャストパケット525の受信を停止する。送信元100は、マルチキャストグループ離脱応答メッセージ510の送信後に、送信先200が、マルチキャストグループを離脱したとみなすことができる(520)。
【0021】
図6A、6Bは、本発明の実施形態による、終了手続の概念図である。送信元100は、一以上の送信先のメンバの身分を終了させることができる(
図6A)。あるいは、送信元100は、マルチキャストグループ全体を終了することができる(
図6B)。
図6Aにおいて、送信元100は、個別のMACアドレス(例えば、D201)を含み、その送信先(送信先201)を終了させる、マルチキャストグループ終了メッセージ605を送信することができる。次に、送信先201は、自らが終了させられたものとみなす(535)。
図6Aは、送信元100が、個別のMACアドレス(例えば、D202)を含み得る、マルチキャストグループ終了メッセージ615を送信することにより、送信先202を終了させ得る点についても示している。次に、送信先202は、次に、自らが終了させられたものとみなす(545)。
図6Bにおいて、送信元100は、マルチキャストMACアドレス(例えば、D201/D202/D203)を含み得る、マルチキャストグループ終了メッセージ625を送信することができる。そして、それらの送信先(送信先201、202、203)は、自らが終了したものとみなす(555)。
図6Aと
図6Bの実施例は、例えば、(
図6Aのように)個別の二つの送信先を終了させ、次に、(
図6Bのように)残りの三つの送信先を共に終了させることにより、五つの宛先を含むネットワークにおいて、組み合わせることができる。さらに、離脱手続と終了手続は、互いに類似するが、異なる局によって開始される点で異なる。
【0022】
図7は、本発明の実施形態による、プロトコル手続の、概念的な状態図である。最初は非メンバである送信先200は(710)、加入手続を実行し(725)、それが成功すると、メンバになる(720)。メンバであるために(720)、送信先200は、タイムアウト期間内に、データ又はマルチキャストグループ確認応答メッセージを受信することができる(735)。そうでなければ、送信先200は、グループを離脱することができる(745)。あるいは、送信先200は、終了させられるか(745)、タイムアウト期間内に、データを受信しないか(745)、あるいは、マルチキャストグループ確認応答メッセージを受信しない(745)。
【0023】
図8は、本発明の実施形態による、プロトコル手続を説明するフローチャートである。本方法の実施形態は、例えば、コンピュータシステム100又は他の適するシステムによって用いられ、又は、実装され得る。処理802において、送信元100は、マルチキャストグループ加入招待メッセージ305を送信することができる。そして、処理804において、送信先200は、マルチキャストグループ加入要求メッセージ310を送信することができる。処理806は、加入手続が成功したか問合せる。成功していなければ、処理808において、送信元100は、失敗の理由を示す、マルチキャストグループ加入応答315を送信することができる。加入手続が成功すると、処理810は、成功を示す、マルチキャストグループ加入応答315を送信することができる。そして、処理812において、送信先200は、マルチキャストグループのメンバとなることができる。
【0024】
マルチキャストグループのメンバを保持するために、処理814において、送信元100は、送信先200が、ある一定のタイムアウト期間内に、マルチキャストグループ確認要求メッセージ405を送信したかどうかを決定することができる。そうでなければ、処理830において、送信先200は、もはやマルチキャストグループに属さない。送信先200は、ある一定のタイムアウト期間内に、マルチキャストグループ確認要求メッセージ405を送信した場合には、処理816において、あるタイムアウト期間内に、マルチキャストグループ確認応答メッセージ410又はデータ415を受信したかどうかを決定することができる。そうでなければ、処理830において、送信先200は、もはやマルチキャストグループに属さない。送信先200は、あるタイムアウト期間内に、マルチキャストグループ確認応答メッセージ410又はデータ415を受信した場合には、処理818において、送信元100は、送信先200がマルチキャスト離脱要求メッセージ505を送信したかどうかを決定することができる。そうであれば、処理820において、送信元100は、マルチキャスト離脱応答メッセージ510により応答することができる。そして、処理830において、送信先200は、もはやマルチキャストグループに属さない。送信先200は、マルチキャスト離脱要求メッセージ505を送信しない場合には、処理822において、送信元100が、送信先の個別のMACアドレスを含むマルチキャストグループ終了メッセージ605、615か、又は、マルチキャストMACアドレスを含むマルチキャストグループ終了メッセージ625を送信したかどうか、決定することができる。そうであれば、処理830において、送信先200は、もはやマルチキャストグループに属さない。そうでなければ、送信先200は、マルチキャストグループに留まり、処理の繰り返しは、処理814に戻る。決定ブロック806、814、816、818及び822における決定は、送信元100又は送信先200により実行されるように記載されているが、その決定は、送信した局、受信した局、及び、交換されたメッセージの応答要件(例えば、いくつかのメッセージは応答を期待する一方、マルチキャストグループ終了メッセージ605、615のような他の要求メッセージは、応答を期待しない)により、他の局でなされてもよいし、共同してなされてもよい。
図8に含まれるフローチャートに加えて、他の処理又は一連の処理が用いられてもよい。さらに、処理の実際の順序は、重要ではない。
【0025】
図1Bを再度参照すると、本発明の実施形態に従って、送信元100及び/又は送信先200の内部のプロセッサ108と無線通信装置102(及び、アンテナ103)は、プロトコル適応レイヤのマルチキャスト管理プロトコルにより、無線マルチキャスト信号を送受信することができる。プロトコル適応レイヤは、MACレイヤの上の、オーディオ/ビジュアルプロトコル適応レイヤであり得る。マルチキャスト管理プロトコルは、形成、保持及び終了手続を含み得る。送信局として動作するとき、プロセッサ108は、無線通信装置102に、データと、様々なマルチキャストグループメッセージとを送信させることができる。そのようなメッセージとは、例えば、マルチキャストグループに加入するための送信先200の招待や、加入手続が成功したときの成功信号や、保持している間のグループのメンバであることの確認や、グループを離脱する送信先の確認や、グループのメンバの終了のメッセージである。受信局として動作するとき、プロセッサ108は、無線通信装置102に、様々なメッセージを送信させる。そのようなメッセージとは、マルチキャストグループに加入するための招待への応答や、保持している間のグループのメンバであることの確認や、グループの離脱の要求のメッセージである。何れの種類の局においても、プロセッサ108は、無線通信装置102により受信したメッセージ及び/又はデータを処理することができ、メモリ110、入力104及び出力106と接続され得る。
【0026】
本発明の実施形態は、プロセッサ又はコントローラにより実行されるとき、本明細書で開示される方法を実行する命令を符号化し、包含し、あるいは保管する、コンピュータ若しくはプロセッサ読取可能な媒体か、又は、メモリ、ディスクドライブ又はUSBフラッシュメモリのような、コンピュータ若しくはプロセッサ記憶媒体のような物品を含み得る。そのような実施形態は、さらに、インターネットのようなネットワークを介して、コンピュータへ伝送され、かつ/あるいは転送され得る。
【0027】
本発明は、限られた数の実施形態について説明されたが、本発明の、多数のバリエーションや、改良や、応用がなされ得ることが、理解されるであろう。本発明の実施形態は、本明細書における処理を実行するための、他の装置を含んでもよい。そのような装置は、議論した要素を統合することができ、あるいは、同一の目的を達成するための、代替となる部品を含むことができる。当業者は、添付されたクレームが、そのような改良や変更の全てをカバーするよう意図されていると同時に、本発明の真の精神の範囲内にあることを理解するであろう。