【文献】
L MARTIN,NEW WRITING STRATEGY IN ELECTRON BEAM DIRECT WRITE LITHOGRAPHY TO IMPROVE CRITICAL 以下備考,PROCEEDINGS OF SPIE,25TH EUROPEAN MASK AND LITHOGRAPHY CONFERENCE [ONLINE],2009年 5月27日,V7470,P1-12,DENSE LINES PATTERNING FOR SUB-45NM NODES,URL,http://spiedigitallibrary.org/proceedings/resource/2/psisdg/7470/1/74700R_1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、表面上に所望パターンを形成するための、一連の成形ビーム荷電粒子ビームショットの生成および露光を記述する。以下の任意の1つ以上の条件を満たして、ショットは複数の露光経路に書き込まれる。
【0018】
露光経路ごとにベース線量レベルが異なる。
露光経路の全てに用いるベース線量レベルの合計は標準線量とは異なる。
【0019】
1つの露光経路からのショット輪郭の集合は、異なる露光経路からのショット輪郭の集合とは異なる。
【0020】
ここで、同じ参照番号が同じ部材を指す図面を参照すると、
図1は、荷電粒子ビーム書込装置システムなどの従来のリソグラフィシステム100の実施形態であって、この場合は、キャラクタプロジェクションを用いて表面130を製造する電子ビーム書込装置システムを示す。電子ビーム書込装置システム100は、電子ビーム114をアパーチャ板116に向けて投影する電子ビーム源112を有する。板116には、電子ビーム114が通過可能なアパーチャ118が形成されている。電子ビーム114はアパーチャ118を通過すると、レンズ系(不図示)によって電子ビーム120として、別の矩形のアパーチャ板またはステンシルマスク122に向けて方向付けられるか、偏向される。ステンシル122には、種々の種類のキャラクタ126を規定する多数の開口またはアパーチャ124が形成されている。ステンシル122に形成された各キャラクタ126を用いて、シリコンウェハ、レチクルまたは他の基板などの基板132の表面130上にパターン148を形成できる。局部露光、局部投影、局部キャラクタプロジェクション、または可変キャラクタプロジェクションでは、電子ビーム120は、1つのキャラクタ126の一部のみに当たるか、それを照らすことによって、キャラクタ126のサブセットであるパターン148を形成するように位置決めされ得る。アパーチャ118によって規定される電子ビーム120のサイズよりも小さい各キャラクタ126については、アパーチャを含まないブランキング区域136が当該キャラクタ126に隣接するように設計されており、電子ビーム120がステンシル122上の望ましくないキャラクタを照らさないようになっている。電子ビーム134はキャラクタ126のうちの1つから出て来て、キャラクタ126からのパターンのサイズを縮小する電磁または静電縮小レンズ138を通過する。一般に利用可能な荷電粒子ビーム書込装置システムでは、縮小係数は10〜60の範囲である。縮小された電子ビーム140は縮小レンズ138から出て来て、一連の偏向器142によって、キャラクタ126Aに対応する文字「H」の形状に描かれたパターン148として、表面130上に方向付けられる。パターン148は縮小レンズ138の効果によりキャラクタ126Aと比べて小さい。パターン148は電子ビームシステム100の単一ショットの使用により描かれる。これにより、可変成形ビーム(VSB)プロジェクションシステムまたはそれを用いた方法と比べて、パターン148を完成させる全書込時間が短くなる。1つのアパーチャ118が形成された板116を示すが、板116には2つ以上のアパーチャが形成されてもよい。本例では2枚の板116および122を示すが、1枚のみまたは各板が1つ以上のアパーチャを有する3枚以上の板を用いてもよい。
【0021】
従来の荷電粒子ビーム書込装置システムでは、縮小レンズ138は固定縮小係数を与えるように較正される。縮小レンズ138および/または偏向器142はまた、ビームの焦点を表面130の平面上に合わせる。表面130のサイズは、偏向板142の最大ビーム偏向能力よりもはるかに大きくてもよい。このため、パターンは通常、一連のストライプとして表面上に書き込まれる。各ストライプは複数のサブフィールドを含み、サブフィールドは偏向板142のビーム偏向能力内にある。電子ビーム書込装置100は、ストライプおよびサブフィールドの各々に対して基板132を位置決め可能な位置決め機構150を含む。従来の荷電粒子ビーム書込装置システムの1つの変形例では、位置決め機構150が基板132を次のサブフィールド位置に動かした後に、サブフィールドが露光される間、基板132は固定保持される。従来の荷電粒子ビーム書込装置システムの別の変形例では、基板132は書込プロセス時に連続的に移動する。連続的な移動を含むこの変形例では、偏向板142に加えて、基板132の移動と同じ速度および方向にビームを動かす別の偏向板セット(不図示)を備えてもよい。
【0022】
表面130上に合理的な精度で投影可能な最小サイズパターンは、電子ビーム書込装置100と、基板132上のレジスト被膜を通常含む表面130とに関連付けられるさまざまな短距離物理的効果によって制限される。これらの効果には、前方散乱、クーロン効果、およびレジスト拡散が含まれる。ビームぼけという用語は、これらの短距離効果の全てを含むものとして用いられる。最先端の電子ビーム書込装置システムは、20nm〜30nmの範囲の有効なビームぼけを達成することができる。前方散乱は、全ビームぼけの4分の1から2分の1を占め得る。現在の電子ビーム書込装置システムは、各構成部分のビームぼけを最小限まで減らすための多数の機構を含む。電子ビーム書込装置システムの中には、ビームぼけを、電子ビーム書込装置システム上で利用可能な最小値から1つ以上のより大きな値に、書込プロセス時に変化させ得るものもある。
【0023】
電子ビーム書込装置システムなどの荷電粒子ビーム書込装置のショット線量は、ビーム源112の強度および各ショットの露光時間を調節する機能である。通常、ビーム強度は固定されるが、露光時間は可変ショット線量を得るために変化し得る。露光時間はさまざまな近接効果、幾分長い距離、および幾分短い距離を補正するために、近接効果補正(PEC)と呼ばれるプロセスにおいて変化し得る。電子ビーム書込装置システムは、通常、露光経路内の全てのショットに影響を与える、ベース線量と呼ばれる全体線量を設定できる。電子ビーム書込装置システムの一部は、それ自体の内部で線量補正計算を実行するが、各ショットの線量を、入力ショットリストの一部として個々に割り当てることはできない。すなわち、入力ショットは、割り当てられていないショット線量を有している。このような電子ビーム書込装置システムでは、近接効果補正の前に、全てのショットがベース線量を有している。他の電子ビーム書込装置システムでは、ショットバイショット原理を利用して線量を割り当てることができる。ショットバイショットにより線量を割り当てることができる電子ビーム書込装置システムでは、利用可能な線量レベルの数は64〜4096以上であるか、利用可能な線量レベルは比較的小さく、例えば、3〜8レベルである。本発明の一部の実施形態は、ショットバイショット原理を利用した線量の割り当てができないか、比較的小さい線量レベルの1つを割り当て可能な荷電粒子ビーム書込装置システムと共に利用することを目的とする。
【0024】
図2Aおよび
図2Bは1つ以上の荷電粒子ビームショットからレジスト被覆面にエネルギーが記録される方法を示す図である。
図2Aの長方形パターン202はショット輪郭を示す。これは、他のショットに近接しないショットからレジスト被覆面に形成されたパターンである。線量グラフ210の線量曲線212は、ショット輪郭202を通る線204に沿う断面線量を示す。線214は、レジストがパターンを記録することが可能な線量であるレジスト閾値を意味する。線量グラフ210に示すように、線量曲線212は、X座標「a」と「b」との間においてレジスト閾値を上回る。座標「a」は、ショット輪郭202の左側の最大範囲を示す破線216に一致する。同様に、座標「b」は、ショット輪郭202の右側の最大範囲を示す破線218に一致する。
図2Aに示す例のショットのショット線量は、線量グラフ210にマークされる標準線量である。従来のマスク書込手法では、比較的大きい矩形ショットがレジスト被覆面に所望サイズのパターンを記録するように標準線量を設定する。それ故、標準線量をレジスト閾値214の値に応じて決定する。
【0025】
図2Bは2つの粒子ビームショットによるショット輪郭、および対応する線量曲線を示す。ショット輪郭222およびショット輪郭224は、2つの近接する粒子ビームショットから形成される。線量グラフ220の線量曲線230は、ショット輪郭222および224を通る線226に沿う線量を示す。線量曲線230に示すように、線226に沿うレジストにより記録された線量は、ショット輪郭222およびショット輪郭224で表される2つの粒子ビームショットから得られた線量の加算などによる組み合わせである。示すように、線量曲線230はX座標「a」と「d」との間において閾値214を上回る。これは、レジストが座標「a」から座標「d」に至る単一形状として2つのショットを記録することを意味する。
図2Bに示す例の2つのショットから形成されたパターン252を
図2Cに示す。
【0026】
従来のように、単一の露光経路に用いる従来の重複しないショットを用いる場合には、PECにより線量を調整する前に、全てのショットに標準線量を割り当てる。それ故、ショットバイショット線量を利用した割り当てを実行しない荷電粒子ビーム書込装置を使用する場合には、ベース線量を標準線量に設定する。このような荷電粒子ビーム書込装置に複数の露光経路を使用する場合には、従来、次の方程式に従いベース線量を設定する。
【0027】
ベース線量=標準線量/露光経路の数。
図3A〜
図3Cは多角形パターンをフラクチャリングする2つの既知の方法を示す。
図3Aは表面への形成が所望される多角形パターン302を示す。
図3Bは重複しないまたは互いに別個のショットを用いてこのパターンを形成する従来の方法を示す。ショット輪郭310、ショット輪郭312、およびショット輪郭314は互いに別個である。さらに、これらのショット輪郭に関連する3つのショットは全て、近接効果補正の前では、所望の標準線量を用いる。
図3Bに示す従来の方法を用いる利点は、レジスト応答が容易に予測できることである。また、
図3Bに示すショットは、ショットバイショット原理を利用した線量の割り当てをしないが、そのベース線量が標準線量に設定された荷電粒子ビームシステムを利用して露光され得る。
図3Cは重複ショットを用いてレジスト被覆面にパターン302を形成する代替的な方法を示す。この方法は2009年5月27日に出願された「Method And System For Design Of A Reticle To Be Manufactured Using Variable Shaped Beam Lithography」と題された米国特許出願番号第12/473265号に開示されている。
図3Cでは、ショット輪郭が重複しない制限が除外され、ショット320とショット322とが重複している。
図3Cの例では、ショット輪郭が重複し、
図3Bに示す3つのショットと比較して、2つのショットのみでパターン302を形成できる。ただし、
図3Cでは、重複ショットによるレジスト応答が、
図3Bに示す例のように容易には予測できない。特に、内角324、326、328および330は、領域332が大きい線量を受けるため、過度に丸く記録されることがある。荷電粒子ビームシミュレーションを用いて、レジストが記録するパターン332を決定できる。一実施形態では、荷電粒子ビームシミュレーションを用いて、二次元(XおよびY)グリッド内のグリッド位置ごとの線量を計算できる。これにより、線量マップと呼ばれるグリッドごとに計算した線量を作成できる。荷電粒子ビームシミュレーションの結果により、ショット320およびショット322ごとに異常線量の使用が示され得る。
【0028】
図4A〜
図4Dはレジスト保護面に曲線パターンを形成する例示のさまざまな既知の方法を示す。
図4Aはレジスト被覆面への形成が所望され得る、集積回路設計におけるコンタクトまたはビアなどに用いられる正方形パターン402の例を示す。大きな集積回路は何百万ものコンタクト形状を含み得る。パターン402は、OPC処理前の当初の設計パターンである。パターン402にILTなどの最新のOPC処理を実行すると、その結果、
図4Bに示すパターン404が形成され得る。
図4Cは重複しない標準線量のVSBショットセット406を用いてパターン404を形成する従来の方法の例を示す。ショットセット406は、矩形および三角形のVSBショットの両方を含む7つのショットによるショット輪郭を示す。ショットセット406が記録したパターンは、非常に厳密には所望パターン404に一致しないが、コンタクトごとに8以上のショットの使用が実際には考慮される。
図4Dはショットセット406よりも正確にパターン404を形成できる3つの重複ショットを用いたショット輪郭の例を示す。重複ショットのこの方法は、前述の米国特許出願12/473265に開示されている。この3つのショットセットでは、ショット410およびショット412は標準線量を有し、ショット414は標準線量の0.6倍の線量を有する。荷電粒子ビームシミュレーションを用いて、ショット410、412および414を用いた場合にレジストが記録する結果を決定できる。ただし、
図4Dの手法は、従来、ショットごとの原理により線量を割り当てできない荷電粒子ビーム書込装置を用いる場合には実施できない。書込装置システムのベース線量が所定数の露光経路に分けられる標準線量に設定される場合には、ショット410およびショット412は適切な合計線量に設定されるが、ショット414は設定されない。ショットを重複できない荷電粒子ビーム書込装置を用いる場合には、従来、
図4Dの手法も実施できない。
【0029】
ショットごとに線量を割り当てできない荷電粒子ビーム書込装置の制限を解決するために、本発明では新たな方法として、複数の露光経路を用いて
図4Dの手法を実施する。例えば、
図4Dの手法では2つの露光経路を用いる。ショット410およびショット412は、標準線量の1.0倍のベース線量レベルを有する1つの露光経路を通じて書き込まれ得、ショット414は、標準線量の0.6倍のベース線量を有する別の露光経路を通じて書き込まれ得る。2つの露光経路間でベース線量が互いに異なることに加えて、従来のマルチ経路露光技術とは異なり、2つの露光経路からのベース線量レベルの合計が標準線量とは異なることに当然ながら留意されたい。さらに、2つの露光経路、すなわち、ショット410およびショット412を含む1つの露光経路と、ショット414を含む別の露光経路とでは、そこに用いるショットの集合が互いに異なる。
【0030】
複数の露光経路を用いる場合には、第1の経路の後の露光経路ごとに書込時間全体が長くなる。このため、実際に使用する露光経路の数は制限される。ショットごとの原理により線量を割り当てできないか、利用可能なショット線量が非常に少ない荷電粒子ビーム書込装置を用いる場合には、それ故、最小数の露光経路で、利用可能なショット線量の数を最大にすることが利点となる。
図5A〜
図5Dはマルチ経路書込技術を利用して、ショットごとの原理により線量を割り当てできない粒子ビーム書込装置を用いて、複数の線量値によりレジスト被覆面を露光する方法の例を示す。
図5Aは経路「A」と呼ばれる露光経路からの単一ショット輪郭502、および経路「B」と呼ばれる露光経路からの単一ショット輪郭504を示す。経路「A」内のショットに割り当てられた線量は、標準線量の0.4倍であり、経路「B」内のショットに割り当てられた線量は、標準線量の0.5倍である。最も制限された荷電粒子ビーム書込装置では、露光経路内のショットを重複できない。
図5Bは2つの露光経路を用いて形成された、この最も制限された場合でも利用可能な3つの合計線量を示す。これらを以下に記述する。
【0031】
経路「A」のみからの単一ショットを用いた標準線量の0.4倍のショット輪郭506。
【0032】
経路「B」のみからの単一ショットを用いた標準線量の0.5倍のショット輪郭508。
【0033】
経路「A」からのショットと、経路「B」からのショットとを重ね合わせたショットを用いた標準線量の0.9倍の一組の重複ショット輪郭510。
【0034】
図5Cは荷電粒子ビーム書込装置が露光経路内にショットを重複できる、制限がより少ない場合において、2つのショットを利用して得られた5つの合計線量を示す。これらを以下に記述する。
【0035】
経路「A」のみからの単一ショットを用いた標準線量の0.4倍のショット輪郭520。
【0036】
経路「B」のみからの単一ショットを用いた標準線量の0.5倍のショット輪郭522。
【0037】
経路「A」からの2つの重複ショットを用いた標準線量の0.8倍の一組の重複ショット輪郭524。
【0038】
経路「A」からの単一ショットと、経路「B」からの単一ショットとを用いた標準線量の0.9倍の一組の重複ショット輪郭526。
【0039】
経路「B」からの2つの重複ショットを用いた標準線量の1.0倍の一組の重複ショット輪郭528。
【0040】
図5Dは3つの重複ショットを用いて得られた4つの追加の線量を示す図である。これらを以下に記述する。
【0041】
経路「A」からの3つのショットを用いた標準線量の1.2倍の三重のショット輪郭530。
【0042】
経路「B」からの3つのショットを用いた標準線量の1.5倍の三重のショット輪郭532。
【0043】
経路「A」からの2つのショットと、経路「B」からの単一ショットとを用いた標準線量の1.3倍の三重のショット輪郭534。
【0044】
経路「A」からの単一ショットと、経路「B」からの2つのショットとを用いた標準線量の1.4倍の三重のショット輪郭536。
【0045】
3以上の露光経路を用いることにより、より大きな数の線量値を得ることができる。マルチ経路露光の従来の目的の一部、すなわち精度向上が、類似の線量を有する複数のショットを用いる場合でもなお達成できることに当然ながら留意されたい。この複数のショットには、例えば、一組のショット510、一組のショット524、一組のショット526、または一組のショット528が含まれる。これらの4組のショットでは、一組のショットにおける2つのショットの線量は35%以内が重複し、類似の線量を構成する。ショット506、ショット508、ショット520、またはショット522などの単一ショットは、いかなる精度向上も得ることができない。なぜならば、2つの経路の1つのみの間に表面を露光するからである。さらなる複数の経路を用いた露光の精度向上は、必要に応じて、従来のマルチ経路露光と、追加の露光経路を用いる、前に開示した技術とを組合せることにより得ることができる。
【0046】
図6Aおよび
図6Bはマルチ経路露光を用いた別の例を示す。
図6Aは標準線量の0.35倍のベース線量レベルを有する経路「A」からのショット602、および標準線量の0.50倍のベース線量レベルを有する経路「B」からのショット604を示す。
図6Bは類似の線量ショットである3つの組合せショットを示す。この例では、書込精度誤差を多少は低減できる。組合せショット606は経路「A」からの2つの重ね合わせたショットから形成され、合計線量は標準線量の0.7倍である。組合せショット608は経路「A」からの単一ショットと経路「B」からの単一ショットとの2つのショットを重ね合わせて形成され、合計線量は標準線量の0.85倍である。組合せショット610は経路「B」からの2つの重ね合わせたショットから形成され、合計線量は標準線量の1.0倍である。
図6Bは従来のマルチ経路露光における精度向上の恩恵の一部をなおも得ることができる、レジスト被覆面に複数の線量を供給する方法を示す。
【0047】
図7A〜
図7Cは複数の露光経路を用いて、少数のショット線量を実行可能な荷電粒子ビーム書込装置に利用可能な線量レベルの数を増やすことができる本開示の別の実施形態を示す。
図7A〜
図7Cの例の荷電粒子ビーム書込装置では、露光経路内のショットのショット線量レベルは、複数の一部のベース線量レベルとして本例に示される2つのうちの1つである。他の実施形態では、荷電粒子ビーム書込装置は、4、8または16などの3以上のショット線量レベルを用いることができる。さらに他の実施形態では、ショット線量を他の方法で表すことができる。例えば、ベース線量の効果を含む事実上絶対的な線量として表すことができる。
図7A〜
図7Cの例では、標準線量の0.4倍のベース線量レベルを有する露光経路「A」と、標準線量の0.5倍のベース線量レベルを有する露光経路「B」との2つの露光経路を示す。
図7Aは単一ショットを用いて利用可能な線量を示す。露光経路「A」内で利用可能なショット線量は、ショット線量乗数が1.0であるショット702、およびショット線量乗数が0.7であるショット704である。ショット702における実際の線量は、ベース線量とショット乗数とを乗じた値、すなわち0.4×1.0であり、標準線量の0.40倍である。同様に、ショット704における実際の線量は0.4×0.7であり、標準線量の0.28倍である。露光経路「B」のベース線量レベルは標準線量の0.5倍である。露光経路「B」内で利用可能なショットは、ショット乗数が1.0であるショット712、およびショット乗数が0.7であるショット714である。ショット712における実際の線量は、ベース線量とショット乗数とを乗じた値、すなわち0.5×1.0であり、標準線量の0.50倍である。同様に、ショット714における実際の線量は、0.5×0.7であり、標準線量の0.35倍である。
図7Aに示す例の線量レベルの合計が標準線量よりも小さいことに留意されたい。それ故、4つの合計のショット線量が、それらの間に単一ショット合計を利用する2つの経路に利用可能である。各ショットを以下に示す。
【0048】
ショット712は標準線量の0.50倍。
ショット702は標準線量の0.40倍。
【0049】
ショット714は標準線量の0.35倍。
ショット704は標準線量の0.28倍。
【0050】
これらのショットを、通常、部分的な重複組合せを含む重複組合せに用いて、レジスト保護面にパターンを形成できる。
【0051】
図7Bは少なくとも経路「A」からの単一ショットと少なくとも経路「B」からの単一ショットとの少なくとも2つのショットを重複して得られた8つの線量を示す。これらを以下に示す。
【0052】
経路「A」からのショット720のショット乗数は1.0であり、経路「B」からのショット721のショット乗数は1.0であり、これらの合計線量722は(0.4×1.0)+(0.5×1.0)、すなわち標準線量の0.9倍である。
【0053】
経路「A」からのショット724のショット乗数は1.0であり、経路「B」からのショット725のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量726は(0.4×1.0)+(0.5×0.7)、すなわち標準線量の0.75倍である。
【0054】
経路「A」からのショット728のショット乗数は0.7であり、経路「B」からのショット729のショット乗数は1.0であり、これらの合計線量730は(0.4×0.7)+(0.5×1.0)、すなわち標準線量の0.78倍である。
【0055】
経路「A」からのショット732のショット乗数は0.7であり、経路「B」からのショット733のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量734は(0.4×0.7)+(0.5×0.70)、すなわち標準線量の0.63倍である。
【0056】
経路「A」からのショット736および737のショット乗数は共に0.7であり、経路「B」からのショット738のショット乗数は1.0であり、これらの合計線量739は(0.4×0.7)+(0.4×0.7)+(0.5×1.0)、すなわち標準線量の1.06倍である。
【0057】
経路「A」からのショット741および742のショット乗数は共に0.7であり、経路「B」からのショット743のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量744は(0.4×0.7)+(0.4×0.7)+(0.5×0.7)、すなわち標準線量の0.91倍である。
【0058】
経路「A」からのショット746のショット乗数は1.0であり、経路「B」からのショット747および748のショット乗数は共に0.7であり、これらの合計線量749は(0.4×1.0)+(0.5×0.7)+(0.5×0.7)、すなわち標準線量の1.10倍である。
【0059】
経路「A」からのショット751のショット乗数は0.7であり、経路「B」からのショット752および753のショット乗数は共に0.7であり、これらの合計線量754は(0.4×0.7)+(0.5×0.7)+(0.5×0.7)、すなわち標準線量の0.98倍である。
【0060】
図7Bの組合せショットは全て、各露光経路からの少なくとも単一ショットを含む。これにより、従来のマルチ経路書込の精度向上に関する恩恵の一部を得ることができる。
【0061】
図7Cは
図7Aに示すショットの組合せショットをさらに示す。ただしこの例では、1つの露光経路のみからのショットが重複するため、
図7Bに示す組合せショットよりも精度向上に関する恩恵は少ない。
図7Cに示す組合せショットは以下を含む。
【0062】
経路「A」からのショット765のショット乗数は1.0であり、経路「A」からのショット766のショット乗数は1.0であり、これらの合計線量767は(0.4×1.0)+(0.4×1.0)、すなわち標準線量の0.80倍である。
【0063】
経路「A」からのショット768のショット乗数は1.0であり、経路「A」からのショット769のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量770は(0.4×1.0)+(0.4×0.7)、すなわち標準線量の0.68倍である。
【0064】
経路「A」からのショット772のショット乗数は0.7であり、経路「A」からのショット773のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量774は(0.4×0.7)+(0.4×0.7)、すなわち標準線量の0.56倍である。
【0065】
経路「A」からのショット775のショット乗数は0.7であり、経路「A」からのショット776のショット乗数は0.7であり、経路「A」からのショット777のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量778は(0.4×0.7)+(0.4×0.7)+(0.4×0.7)、すなわち標準線量の0.84倍である。
【0066】
経路「B」からのショット785のショット乗数は1.0であり、経路「B」からのショット786のショット乗数は1.0であり、これらの合計線量787は(0.5×1.0)+(0.5×1.0)、すなわち標準線量の1.0倍である。
【0067】
経路「B」からのショット788のショット乗数は1.0であり、経路「B」からのショット789のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量790は(0.5×1.0)+(0.5×0.7)、すなわち標準線量の0.85倍である。
【0068】
経路「B」からのショット792のショット乗数は0.7であり、経路「B」からのショット793のショット乗数は0.7であり、これらの合計線量794は(0.5×0.7)+(0.5×0.7)、すなわち標準線量の0.70倍である。
【0069】
経路「B」からのショット795のショット乗数は0.7であり、経路「B」からのショット796のショット乗数は0.7であり、経路「B」からのショット797のショット乗数は0.7でありこれらの合計線量798は(0.5×0.7)+(0.5×0.7)+(0.5×0.7)、すなわち標準線量の1.05倍である。
【0070】
より広範囲に線量が変化するショットを利用することにより、レジスト被覆面へのパターンの形成に必要な全ショット数を減らすことができる。
図7A〜
図7Cに示す例の複数の露光経路を使用することにより、利用可能なショット線量レベルの数を乗算的に増加することができる。
【0071】
図8A〜
図8Dは複数の露光経路を用いて形成した曲線パターンを示す。
図8Aに示す曲線パターン800は、レジスト保護面への形成が所望される。パターン800は大部分が一定の幅の曲線パスまたはトラックであり、上側に隆起部802が形成されている。
図8Bは組合せによりパターン802を形成する従来方法を示す図である。これらを以下に示す。
【0072】
幅が一定のパスまたはトラックの形成は、一連の重複円形CPショットを用いて行われ得る。この一連のショットは、本例では9つあり、すなわち、ショット812、ショット814、ショット816、ショット818、ショット820、ショット822、ショット824、ショット826、およびショット828である。この方法は2009年11月14日に出願された「Method For Fracturing And Forming A Pattern Using Curvilinear Characters With Charged Particle Beam Lithography」と題された米国特許出願番号第12/618722号に開示されている。
【0073】
隆起部802の形成は、ショット822に重複するさまざまなサイズの円形CPショット830を用いて行われる。重複CPショットを用いたパターンの形成は、2008年9月1日に出願された「Method And System For Manufacturing A Reticle Using Character Projection Lithography」と題された米国特許出願番号第12/202364号に開示されている。
【0074】
図8Bに示す従来方法は、重複ショットを使用できる荷電粒子ビーム書込装置を用いる必要がある。
図8Cおよび
図8Dは露光経路内でショットを重複できない荷電粒子ビーム書込装置を用いてパターン800を形成する例示の方法を示す。すなわち、この装置は本開示に従う経路「A」および経路「B」の2つの露光経路を用いてパターン800を形成する。
図8Cは6つの経路「A」に用いるショットセット840の輪郭を示す。このショットセットは、ショット842、ショット844、ショット846、ショット848、およびショット850を含み、これらのショット各々に割り当てられたショット乗数は0.5である。この図にはショット輪郭852をさらに示し、このショットのショット乗数は1.0である。ショット852の線量は他の経路「A」に用いるショットの線量よりも高い。それは、経路「B」に用いるいかなるショット輪郭も隆起部802の上部に重複しないからである。
図8Dは4つの経路「B」に用いるショットセット860の輪郭を示す。このショットセットは、ショット862、ショット864、ショット866、およびショット868を含む。経路「A」に用いるショット輪郭と経路「B」に用いるショット輪郭との重複部分を示すために、経路「A」からのショットの輪郭を破線で示す。
図8Dに示すように、経路「A」に用いるショットに関する破線で示すショット輪郭の集合と、経路「B」に用いるショットに関する実線で示すショット輪郭の集合とは異なる。示すように、このようなショットが経路「B」に用いるショット866に重複するため、経路「B」が経路「A」に用いるショット852に対応するショットを有さないことに留意されたい。
図8Cおよび
図8Dは露光経路内でショットを重複できない荷電粒子ビーム書込装置を用いた場合でも得られる恩恵である、重複ショットを用いたショット数の低減方法を示す。
【0075】
図9Aおよび
図9Bは本開示に従うショットバイショット線量の割り当てを実行できない荷電粒子ビーム書込装置を用いてパターン800を形成する例示の方法を示す。
図9Aおよび
図9Bの例では、経路「A」および経路「B」と呼ばれる2つの露光経路を用いる。
図9Aは6つの経路「A」に用いるショットセット900の輪郭を示す。このショットセットは、ショット902、ショット904、ショット906、ショット908、ショット910、およびショット912を含む。経路「A」に用いるベース線量は、この例では標準線量の0.5倍である。
図9Bは5つの経路「A」に用いるショットセット920の輪郭を示す。このショットセットは、ショット922、ショット924、ショット926、ショット928、およびショット930を含む。
図9Bでもまた、経路「A」に用いるショットと経路「B」に用いるショットとの重複部分を示すために、経路「A」からのショットを破線で示す。経路「B」に用いるベース線量は、この例では標準線量の0.5倍である。
図9Bに示すように、経路「A」に用いるショットに関する破線で示すショット輪郭の集合と、経路「B」に用いるショットに関する実線で示すショット輪郭の集合とは異なる。ショット930がショット912に完全に重複するため、パターン800の隆起領域802の合計線量は標準線量の1.0倍であることに留意されたい。この例では、露光経路両方に用いるベース線量の合計は0.5+0.5、すなわち標準線量の1.0倍である。別の実施形態では、経路「A」に用いるベース線量は標準線量の0.6倍でもよく、経路「B」に用いるベース線量は標準線量の0.4倍でもよい。それ故この場合でも、2つの経路に用いる線量の合計は標準線量の1.0倍となる。他の実施形態では、露光経路の全てに用いるベース線量の合計は1.0でなくともよい。例えば、2つの露光経路のベース線量がいずれも標準線量の0.6倍であり、2つの露光経路に用いるベース線量の合計が標準線量の1.2倍でもよい。別の例では、2つの露光経路のベース線量が、それぞれ、標準線量の0.6倍と0.7倍であり、2つの露光経路に用いるベース線量の合計が標準線量の1.3倍でもよい。露光経路の全てに用いる線量の合計が標準線量の1.0倍と等しいことの恩恵は、露光経路セットに従来のフラクチャリングを使用可能なことである。これにより、表面の一部を従来と同じ方法でフラクチャリングすることができ、表面の他の部分を、種々の線量が割り当てられた重複ショット、または異なる露光経路に用いる、ショットの集合が互いに異なるショットリストを用いてフラクチャリングすることができる。
図9Aおよび
図9Bはショットバイショット線量の割り当てを実行できない荷電粒子ビーム書込装置を用いて種々の線量の組合せショットを書き込む方法を示す。
【0076】
表面が受ける線量は、グリフと呼ばれる二次元(XおよびY)線量マップとして計算および保存され得る。二次元線量マップまたはグリフは、ショット付近またはグリフを含むショットに関する計算した線量値の二次元グリッドである。一部の実施形態では、線量マップグリッドは均一でもよく、他の実施形態では、線量マップグリッドは不均一でもよい。計算した線量マップまたはグリフおよびグリフを含むショットリストは、グリフライブラリに保存され得る。設計におけるパターンのフラクチャリング中の入力としてグリフライブラリを用いることができる。例えば、
図4Dを再度参照するように、線量マップは、ショット410、ショット412、およびショット414を含む一連のショットから計算され、グリフライブラリに保存され得る。フラクチャリング中である場合には、入力パターンの1つはパターン404と同じ形状であるため、ライブラリからグリフを含むショットを読み出すことにより、入力パターンの形成に適切なショットセットを決定するための計算の労力を回避することができる。一連のグリフを組合せて、パラメータ化グリフを作成することもできる。パラメータは不連続でもよいし、連続するものでもよい。
【0077】
図10は本開示に従う、表面にパターンを形成する方法の例示の概念フロー
図1000である。プロセスに関する4種類の入力データがある。これらはすなわち、必要に応じて、荷電粒子ビーム書込装置のステンシル上のCPキャラクタに関する情報であるステンシル情報1018と、それを上回るとレジストがパターンを記録するレジスト線量閾値などの情報を含むプロセス情報1036と、露光経路の数および経路ごとのベース線量レベルなどの所定の露光パラメータ1060と、表面に形成される所望パターン1016のコンピュータ表現とである。パラメータ1060は入力されてもよいし、自動的に計算されてパターン1016に与えられてもよい。さらに、最初の任意のステップ1002〜1012は、グリフライブラリの作成を含む。グリフライブラリ作成の選択的な第1のステップは、1つ以上のVSBまたはCPショットからのVSB/CPショット選択1002であり、割り当てられた線量を有するか、有しない各ショットがショットセット1004を作成するために組み合わされる。ショットセット1004は重複VSBショットおよび/または重複CPショットを含んでもよい。ショットセットのうちのショットはさらに、ビームぼけが特定されている場合がある。VSB/CPショット選択ステップ1002では、ステンシル上で利用可能なCPキャラクタに関する情報を含むステンシル情報1018を用いる。ステップ1006においてショットセット1004を荷電粒子ビームシミュレーションによりシミュレートして、ショットセットの線量マップ1008を作成する。ステップ1006は前方散乱、レジスト拡散、クーロン効果、エッチング、フォギング、ローディング、レジスト帯電、および後方散乱を含む種々の物理現象のシミュレーションを含み得る。ステップ1006において二次元線量マップ1008を作成する。これは、マップ内の各グリッド位置におけるショットセット1004からの組み合わせ線量を表す。線量マップ1008はグリフと呼ばれる。ステップ1010においてショットセットの各ショット、および追加的なグリフの線量マップ1008に関する情報をグリフライブラリ1012に保存する。一実施形態では、グリフセットは、パラメータ化グリフと呼ばれる一種のグリフに組み合わされ得る。
【0078】
フロー1000の必須部分には、フォトマスクの生成に用いられるシリコンウェハまたはレチクルなどの表面へのパターンの書き込みが含まれる。ステップ1020では、表面またはその一部に関する組み合わせの線量マップを計算する。ステップ1020では、表面に形成される所望パターン1016、プロセス情報1036、所定の露光パラメータ1060、ステンシル情報1018、およびグリフライブラリが作成されている場合にはグリフライブラリ1012を入力として用いる。ステップ1020では、初期の表面線量マップを作成し得、これにショット線量マップを組み合わせる。初めは、表面線量マップはショット線量マップ情報を全く含まない。一実施形態では、表面線量マップのグリッド正方形を、後方散乱、フォギング、またはローディングなどの、局部レジストの現像液が減少する期間における長期にわたる効果に関する概算の補正を用いて初期化し得る。ステップ1020はVSB/CPショット選択1022、グリフ選択1034、またはそれらの両方を含み得る。ステップ1020はさらに、複数の露光経路の1つへのショットの配置を含んでもよい。ショット線量が利用可能である場合には、それを複数の一部のベース線量として表すことができる。VSBまたはCPショットを選択すると、ステップ1024においてそのショットを荷電粒子ビームシミュレーションによりシミュレートし、そのショットの線量マップ1026を作成できる。荷電粒子ビームシミュレーションは、形状をガウス分布でコンボリューションすることを含み得る。コンボリューションは形状の二値関数を用い得、二値関数が、点が形状の内側か、外側かを決定する。この形状はアパーチャ形状、複数のアパーチャ形状、またはそれらがわずかに変形した形状でもよい。一実施形態では、このシミュレーションは、一時的なショット線量マップキャッシュを用いるときのように、同一ショットの以前のシミュレーションの結果を検索することを含み得る。最小よりも大きいビームぼけがVSBまたはCPショットに関して特定され得る。VSBおよびCPショットの両方は重複してもよく、所定の露光パラメータ1060による制限に従う、互いに関連する様々な線量を有してもよい。グリフが選択された場合には、グリフの線量マップをグリフライブラリに入力する。ステップ1020では、ショットおよび/またはグリフの種々の線量マップが、表面線量マップに組み合わされる。一実施形態では、線量を加えることにより組み合わせを達成する。その結果生じた組み合わせの線量マップ、所定の露光パラメータ1060、およびレジスト特性を含むプロセス情報1036を用いて表面パターンを計算できる。算出された表面パターンが所定の許容範囲内で所望パターン1016に一致する場合には、次に、決定されたVSB/CPショットおよび選択されたグリフを構成するショットを含む、組み合わせのショットリスト1038を出力する。計算された表面パターンが、ステップ1020で計算された所定の許容範囲内のターゲットパターン1016に一致しない場合には、選択されたCPショット、VSBショット、および/またはグリフのセットを修正して、線量マップおよび表面パターンを再計算する。一実施形態では、初期のショットセットおよび/またはグリフは、ショットまたはグリフを変形する必要のない、コレクト・バイ・コンストラクション方式により決定されてもよい。別の実施形態では、ステップ1020は、選択されたVSB/CPショットおよびグリフにより表される全ショット数、全荷電粒子ビーム書込時間、または何らかの他のパラメータのいずれかを最小化するのに最適な技術を含む。さらなる別の実施形態では、複数のショットセットを生成するために、VSB/CPショット選択1022およびグリフ選択1034を実行し、この各々は、マルチ経路書込を支持するために、通常よりも低い線量で所望パターン1016に一致する表面像を形成できる。
【0079】
組み合わせのショットリスト1038は、選択されたVSBショット、選択されたCPショット、および選択されたグリフを構成するショットの決定されたリストを備える。最終ショットリスト1038内のショットは割り当てられた線量、または割り当てられていないショット線量を含み得る。ショットはさらにビームぼけ特定も含み得る。ステップ1040では、近接効果補正(PEC)および/または他の補正を実行し得るか、以前の推定から補正を精密化し得る。それ故、ステップ1040では、組み合わせのショットリスト1038を入力として用いる。このステップではさらに、割り当てられたショット線量または割り当てられていない線量ショットのいずれか、およびベース線量を用いてショット線量を調節した最終ショットリスト1042を生成する。ステップ1020からステップ1042までのステップ群、またはこのステップ群のサブセットは、まとめてフラクチャリングまたはマスクデータ作成と呼ばれる。最終ショットリスト1042は、ステップ1044で荷電粒子ビーム書込装置により用いられて、表面を被覆しているレジストを露光して、レジスト上にパターン1046を形成する。ステップ1048では、レジストを現像する。表面がウェハ表面である場合には、レジストの現像により、ウェハ表面にパターン1054を形成する。表面がレチクルである場合には、さらなる処理ステップ1050において、レチクルをフォトマスク1052に変形してパターンを形成する。
【0080】
本開示で説明するフラクチャリング、マスクデータ作成、近接効果補正、およびパターン書込フローは、演算素子などの適切なコンピュータソフトウェアを有する汎用コンピュータを用いて実施され得る。大量の計算が要求される場合には、複数のコンピュータまたはプロセッサコアを並行して用いることができる。一実施形態では、演算は、フロー中の1つ以上の演算集約ステップのための複数の二次元ジオメトリック領域に下位区分されて並列処理をサポートし得る。別の実施形態では、単一または複数で用いられる専用ハードウェア素子を用いることにより、汎用コンピュータまたはプロセッサコアを用いる場合よりも高速で1つ以上のステップの演算を実行できる。一実施形態では、本開示で説明する最適化およびシミュレーション処理は、全ショット数、全荷電粒子ビーム書込時間、または何らかの他のパラメータを最小化するために、可能性のある解決策を修正および再計算する反復処理を含み得る。別の実施形態では、ショット変更が不要であるように、初期のショットセットがコレクト・バイ・コンストラクション方式によって決定され得る。
【0081】
本明細書を特定の実施形態を参照して詳細に説明したが、当業者であれば、上の説明を理解すれば、これらの実施例の変形例、変更例および均等物を容易に想到し得ることが認識されるであろう。フラクチャリング、表面製造、および集積回路製造のための本発明の方法に対するこれらおよび他の修正例および変更例は、添付の請求項においてより特定的に記載される本願の主題の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって実践され得る。さらに、当業者であれば、上の説明が例示的なものに過ぎず、限定的であることを意図しないことを認識するであろう。本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書中のステップに対してステップを追加、削除または変更してもよい。一般的に、提示されるいずれのフロー図も、機能を達成するための1つの可能性のある一連の基本的動作を示すことのみを意図しており、多くの変形例が可能である。したがって、本願の主題は、添付の請求項およびその均等物の範囲内にあるような、それらの修正例および変形例を含むことが意図される。