特許第5792201号(P5792201)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大鵬薬品工業株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5792201
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月7日
(54)【発明の名称】新規二環式化合物又はその塩
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/12 20060101AFI20150917BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20150917BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20150917BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20150917BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20150917BHJP
   C07D 417/04 20060101ALI20150917BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20150917BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20150917BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20150917BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150917BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150917BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20150917BHJP
【FI】
   C07D215/12CSP
   C07D401/14
   A61K31/4725
   C07D401/04
   A61K31/4709
   C07D403/14
   A61K31/517
   C07D471/04 107Z
   C07D471/04 120
   C07D471/04 104Z
   C07D417/04
   C07D413/04
   A61K31/5377
   A61K31/506
   A61K31/497
   A61K31/501
   C07D405/14
   C07D471/04 113
   A61K31/4375
   A61P35/00
   A61P43/00 111
   A61P35/02
【請求項の数】12
【全頁数】88
(21)【出願番号】特願2012-551881(P2012-551881)
(86)(22)【出願日】2012年1月6日
(86)【国際出願番号】JP2012050141
(87)【国際公開番号】WO2012093708
(87)【国際公開日】20120712
【審査請求日】2014年9月1日
(31)【優先権主張番号】特願2011-2104(P2011-2104)
(32)【優先日】2011年1月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000207827
【氏名又は名称】大鵬薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】北出 誠
(72)【発明者】
【氏名】山下 智史
(72)【発明者】
【氏名】大久保 秀一
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第08/26704(WO,A1)
【文献】 特表2004−502685(JP,A)
【文献】 国際公開第09/133136(WO,A1)
【文献】 国際公開第09/062289(WO,A1)
【文献】 特表平11−514661(JP,A)
【文献】 特開昭57−203068(JP,A)
【文献】 GILMAN, H. et al.,Some substituted isoquinolines,Journal of the American Chemical Society,1947年,Vol.69,p.1946-1948
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】

(式中、X1、X2、X3及びX4は、少なくとも1つはN又はNオキシドであり、他が同一又は相異なってC−R2を示し;
1、Y2、Y3及びY4は、いずれか1つ又は2つがC−R4であり、他が同一又は相異なって、CH又はNを示し;
1は置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の不飽和複素環基を示し;
2は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜6アルケニル基を示し;
3は、シアノ基、又は−CO−R5を示し;
4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−CO−R6、−N(R7)(R8)、又は−S−R9を示し;
5は、ヒドロキシル基、アミノ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示し;
6は、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基を有していてもよいアミノ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示し;
7及びR8は、同一又は相異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい不飽和複素環基を示すか、R7とR8はそれらが結合する窒素原子と一緒になって飽和複素環基を形成してもよく;
9は、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。)
で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
1が置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜3個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の5〜10員の不飽和複素環基である請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
2がC−R2であり、X1、X3及びX4の少なくとも1つがN又はNオキシドであり、他がCHである請求項1又は2記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
2が水素原子;ハロゲン原子及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;又は置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
5がアミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基(ヒドロキシル基がアルキル部分に置換していてもよい)を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基である請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
が水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は−N(R)(R)であり;Rが水素原子であり、Rが水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基、不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基又は飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよいN、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性若しくは二環性の飽和複素環基である請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
がC−R又はN、Y〜YがCHであるか、又はY〜YがCH、YがC−Rである請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
一般式(I)中、XがC−Rであり、XがCHであり、X及びXの少なくとも1つがN又はNオキシドであり、他がCHであり、YがC−R又はN、Y〜YがCHであるか、又はY〜YがCH、YがC−Rであり、Rが置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の不飽和複素環基であり、Rが水素原子;ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数3〜7のシクロアルキル基であり、Rが−CO−Rであり、Rがアミノ基であり、Rがハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(R)(R)であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基、不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基又は飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよいN、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性若しくは二環性の飽和複素環基である請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
一般式(I)中、XがC−Rであり、XがCHであり、X及びXの少なくとも1つがN又はNオキシドであり、他がCHであり、YがC−R又はN、Y〜YがCHであるか、又はY〜YがCH、YがC−Rであり、Rが炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基、又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基であり、Rが水素原子;ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数3〜7のシクロアルキル基であり、Rが−CO−Rであり、Rがアミノ基であり、Rがハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(R)(R)であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基、不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基又は飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基である請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物又はその塩を含有するHSP90が関与する疾患の予防又は治療薬。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩を含有する抗癌剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二環式化合物又はその塩、及びこれを含有する医薬、特にHSP90阻害作用に基づく癌等の予防剤及び/又は治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
分子シャペロンと呼ばれる一群の蛋白質は、他の蛋白質の機能的な構造の形成促進や保持、正しい会合の促進、不必要な凝集の抑制、分解からの保護、分泌の促進など多面的に機能する(非特許文献1)。HSP90は細胞内全可溶性蛋白質の約1〜2%と豊富に存在する分子シャペロンであるが、他のシャペロン蛋白質と異なり、大部分のポリペプチドの生合成に必要とされない(非特許文献1)。HSP90に相互作用しその構造形成や安定性を制御される主なクライアント蛋白質としては、シグナル伝達関連因子(例えばERBB1/EGFR、ERBB2/HER2、MET、IGF1R、KDR/VEGFR、FLT3、ZAP70、KIT、CHUK/IKK、BRAF、RAF1、SRC、AKT)、細胞周期制御因子(例えばCDK4、CDK6、Cyclin D、PLK1、BIRC5)、転写制御因子(例えばHIF−1α、p53、androgen receptor、estrogen receptor、progesterone receptor)が知られている(非特許文献2、3)。HSP90はこれら蛋白質の正常な機能を維持することで、細胞の増殖、生存に深く関わっている。さらに、癌化や癌の増悪を引き起こす突然変異型あるいはキメラ型の因子(例えばBCR−ABL、NPM−ALK)はその正常な働きにHSP90を必要とすることから、特に癌化、癌の生存、増殖、増悪・転移といった過程におけるHSP90の重要性が示されている(非特許文献2)。
【0003】
HSP90のシャペロン機能をゲルダナマイシン等の特異的な阻害剤で抑制すると、クライアント蛋白質の不活性化及び不安定化と分解が起こり、その結果として細胞の増殖停止やアポトーシスが誘導される(非特許文献4)。HSP90の生理的機能上、HSP90阻害剤は癌の生存・増殖に関わる複数のシグナル伝達経路を同時に阻害できるという特徴を有することから、HSP90阻害剤は広範でかつ効果的な抗癌作用を持つ薬剤となり得る。また、癌細胞由来のHSP90は正常細胞由来のHSP90に比べ活性が高くATPや阻害剤に対する親和性が高いという知見から、HSP90阻害剤は癌選択性の高い薬剤となることが期待されている(非特許文献5)。
【0004】
現在、抗癌剤として複数のHSP90阻害剤の臨床開発が進行しており、最も先行しているゲルダナマイシンの誘導体17−allylamino−17−desmethoxygeldanamycin(17−AAG)は、単剤での開発に加え各種抗癌剤との併用試験も実施されている(非特許文献3、4)。しかしながら、17−AAGは難溶性、溶液中での不安定性、経口吸収の低さ、肝毒性等の問題も指摘されており(非特許文献4、5)、新しいタイプのHSP90阻害剤が求められている。なお、抗癌作用のみならず、HSP90阻害剤は自己免疫疾患、炎症性疾患、パーキンソン病・アルツハイマー病・ハンチントン病といった中枢神経系疾患、ウイルス感染性疾患、循環器疾患等に対する治療剤となり得ることも報告されている(非特許文献2、非特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2007/035620号公報
【特許文献2】国際公開WO2008/024978号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Nature Reviews Cancer 5,761−772(2005)
【非特許文献2】TRENDS in Molecular Medicine 10(6),283−290(2004)
【非特許文献3】Clin Can Res 15,9−14(2009)
【非特許文献4】Current Opinion in Pharmacology 8,370−374(2008)
【非特許文献5】Drug Resistance Updates 12,17−27(2009)
【非特許文献6】BMC Neuroscience 9(Suppl 2),S7,2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、HSP90阻害作用を有し、且つ癌細胞増殖抑制効果を有する新規な二環式化合物を提供することにある。また本発明の他の課題は、HSP90阻害作用に基づき、該HSP90が関与する疾患、特に癌の予防及び/又は治療に有用な医薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、HSP90阻害作用を有する化合物につき鋭意研究を行ったところ、一般式(I)中のR1に単環性又は二環性の不飽和複素環基を有する下記一般式(I)で表される新規化合物が、HSP90に対して極めて優れた阻害作用を有し、さらに癌細胞に対する優れた増殖抑制効果を有し、HSP90が関与する疾患の予防又は治療薬、特に抗癌剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、X1、X2、X3及びX4は、少なくとも1つはN又はNオキシドであり、他が同一又は相異なってC−R2を示し;
1、Y2、Y3及びY4は、いずれか1つ又は2つがC−R4であり、他が同一又は相異なって、CH又はNを示し;
1は置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の不飽和複素環基を示し;
2は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6アルケニル基を示し;
3は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−CO−R5を示し;
4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−CO−R6、−N(R7)(R8)、又は−S−R9を示し;
5は、ヒドロキシル基、アミノ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示し;
6は、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基を有していてもよいアミノ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基を示し;
7及びR8は、同一又は相異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい不飽和複素環基を示すか、R7とR8はそれらが結合する窒素原子と一緒になって飽和複素環基を形成してもよく;
9は、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。)
で表される化合物又はその塩を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩を含有する医薬を提供するものである。
また、本発明は、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、HSP90が関与する疾患、特に癌を予防又は治療するため、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩を提供するものである。
また、本発明は、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩の、HSP90が関与する疾患、特に癌の予防又は治療薬製造のための使用を提供するものである。
さらに本発明は、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩の有効量を投与することを特徴とするHSP90が関与する疾患、特に癌の予防又は治療法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、HSP90阻害剤として有用な上記一般式(I)で表される新規化合物又はその塩が提供される。
本発明化合物又はその塩は、優れたHSP90阻害活性を有し、且つ癌細胞に対する増殖抑制効果を示すことが明らかとなった。従って、本発明化合物又はその塩は、その優れたHSP90阻害作用に基づき、HSP90が関与する疾患、例えば癌の予防剤及び/又は治療剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の上記一般式(I)で表される化合物は、キノリン、キナゾリン等の骨格の8位、イソキノリン等の骨格の5位に単環性又は二環性の不飽和複素環基を有することを特徴とする二環式化合物であり、前記のいずれの先行技術文献等にも記載されていない新規な化合物である。
【0015】
本願明細書において「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、オキソ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、飽和複素環基、不飽和複素環基、芳香族炭化水素基、ハロゲノアルキル基、アラルキル基、不飽和複素環アルキル基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アラルキルオキシ基、アミノアシルオキシ基、不飽和複素環アシルオキシ基、アルキル不飽和複素環基等が挙げられ、該置換基が存在する場合、その個数は典型的には1〜3個である。
【0016】
前記の置換基において、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記の置換基において、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
前記の置換基において、シクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキル基を示し、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
前記の置換基において、アルケニル基としては、炭素−炭素二重結合を含む、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基を示し、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
前記の置換基において、アルキニル基としては、炭素−炭素三重結合を含む、好ましくは炭素数2〜6のアルキニル基を示し、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
【0017】
前記の置換基において、アルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基を示し、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
前記の置換基において、アシル基としては、好ましくは、炭素数1〜6のアルカノイル基又は炭素数7〜12のアロイル基を示し、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
前記の置換基において、アシルオキシ基としては、前記のアシル基で置換されたオキシ基を示し、好ましくは炭素数1〜6のアルカノイル基又は炭素数7〜12のアロイル基で置換されたオキシ基であり、例えばホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
前記の置換基において、アルコキシカルボニル基としては、前記のアルコキシ基で置換されたカルボニル基を示し、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されたカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0018】
前記の置換基において、飽和複素環基としては、好ましくは、N、S、Oのいずれかのヘテロ原子を1〜4個有する単環性又は二環性の5〜10員の飽和複素環基を示し、例えばピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモピペラジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ジヒドロベンゾフラニル基等が挙げられる。
【0019】
前記の置換基において、不飽和複素環基としては、好ましくは、N、S、Oのいずれかのヘテロ原子を1〜4個有する単環性又は二環性の5〜10員の不飽和複素環基を示し、例えばイミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基等が挙げられる。
前記の置換基において、芳香族炭化水素基としては、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を示し、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0020】
前記の置換基において、ハロゲノアルキル基としては、前記のアルキル基の1個〜全ての水素原子が前記のハロゲン原子で置換した基を示し、好ましくは、前記の炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基の1個〜全ての水素原子が前記のハロゲン原子で置換した基、例えばジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
【0021】
前記の置換基において、アラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基で置換された炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示し、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
前記の置換基において、飽和複素環アルキル基としては、前記の飽和複素環で置換された前記アルキル基を示し、好ましくはN、S、Oのいずれかのヘテロ原子を1個又は2個有する単環性の5〜7員の飽和複素環基で置換された前記の炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であり、例えばモルホリノメチル基、ピペリジニルエチル基等が挙げられる。
【0022】
前記の置換基において、アルキルアミノ基としては、前記のアルキル基によりモノ置換又はジ置換されたアミノ基を示し、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基によりモノ置換又はジ置換されたアミノ基であり、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、シクロブチルメチルアミノ基、ジメチルアミノメチル基、2−ヒドロキシエチル(メチル)アミノメチル基等が挙げられる。
前記の置換基において、アシルアミノ基としては、前記のアシル基で置換されたアミノ基を示し、好ましくは、炭素数1〜6のアルカノイル基又は炭素数7〜12のアロイル基で置換されたアミノ基であり、例えばホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、2−メチルプロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、3−メチルブチリルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基等が挙げられる。
前記の置換基において、アルコキシカルボニルアミノ基としては、前記のアルコキシカルボニル基で置換されたアミノ基を示し、好ましくは、炭素数1〜6のアルコキシ基が結合したカルボニル基で置換されたアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、プロポキシカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、イソブトキシカルボニルアミノ基、sec−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
【0023】
前記の置換基において、アラルキルオキシ基としては、前記のアラルキル基を有するオキシ基を示し、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基が結合した炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基で置換されたオキシ基であり、例えばベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、ナフチルエチルオキシ基等が挙げられる。
前記の置換基において、アミノアシルオキシ基としては、アミノ基が結合した前記のアシル基で置換されたオキシ基を示し、好ましくはアミノ基が結合した前記の炭素数1〜6のアルカノイル基又は炭素数7〜12のアロイル基で置換されたオキシ基であり、例えばアミノアセトキシ基、2−アミノプロピオニルオキシ基、2−アミノ−4−メチルペンタノイルオキシ基等が挙げられる。
【0024】
前記の置換基において、飽和複素環アシルオキシ基としては、前記の飽和複素環基が結合した前記のアシル基で置換されたオキシ基を示し、好ましくは前記のN、S、Oのいずれかのヘテロ原子を1〜4個有する単環性又は二環性の5〜10員の飽和複素環基が結合した前記の炭素数1〜6のアルカノイル基又は炭素数7〜12のアロイル基で置換されたオキシ基であり、例えばモルホリノアセトキシ基等が挙げられる。
【0025】
一般式(I)中、X1、X2、X3及びX4は、少なくとも1つはN又はNオキシドであり、他が同一又は相異なってC−R2であり、好ましくは、一般式(I)中、X2がC−R2であり、X1、X3及びX4の少なくとも1つがN又はNオキシドであり、他がCHである。これらのX1〜X4の定義から、一般式(I)中の二環骨格の例としては、次の構造が挙げられる。
【0026】
【化2】
【0027】
(式中、R1及びR2は前記と同じ)
【0028】
これらの骨格のうち、(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−8)、(A−9)、(A−10)、(A−15)が好ましく、(A−1)、(A−2)、(A−3)が特に好ましい。
【0029】
一般式(I)中、R1で表される「置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の不飽和複素環基」の「N、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の不飽和複素環基」としては、N、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性又は二環性の5〜10員の不飽和複素環基が好ましく、N、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基、又はN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基がより好ましい。当該不飽和複素環基としては、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、ピロロピリジル基、インダゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、テトラヒドロキノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基等が挙げられる。好ましくはイミダゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピリドピラジル基、キノリル基、イミダゾピリジル基、ピロロピリジル基であり、より好ましくはキノリル基、イミダゾピリジル基、ピリドピラジル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピロロピリジル基、ピリミジニル基であり、さらに好ましくはキノリル基、イミダゾピリジル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピロロピリジル基であり、特に好ましくはキノリル基、ピリジル基、イミダゾリル基である。
【0030】
一般式(I)中、R1で表される上記の不飽和複素環基の「置換基」としては、前記の置換基が例示され、その個数は1〜3個である。好ましくはハロゲン原子、アミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアシル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい不飽和複素環基、置換基を有していてもよい飽和複素環基である。
【0031】
より好ましくは、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアシル基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基が置換していてもよい飽和複素環基及び芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいカルバモイル基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;芳香族炭化水素基である。
【0032】
より好ましくは、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアシル基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;芳香族炭化水素基である。
さらに好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアシル基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基である。
【0033】
1で表される不飽和複素環上に置換し得るハロゲン原子としては、前記のハロゲン原子が例示され、好ましくは臭素原子である。
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアルキル基が例示され、好ましくはヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基、飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、アミノエチル基、tert−ブトキシカルボニルアミノエチル基、モルホリノメチル基等が好ましい。
【0034】
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアルコキシ基が例示され、好ましくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基である。より具体的には、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0035】
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアルキルアミノ基が例示され、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基である。より具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、シクロブチルメチルアミノ基等が好ましい。
【0036】
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよいアシル基としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアシル基が例示され、好ましくは無置換の炭素数1〜6のアシル基である。より具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基等が好ましい。
【0037】
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよいカルバモイル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記のカルバモイル基が例示され、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基が置換していてもよい飽和複素環基及び芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいカルバモイル基である。より具体的にはメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−プロピルカルバモイル基、(1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル基、フェニルカルバモイル基等が好ましい。
【0038】
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアシルアミノ基が例示され、好ましくはヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基である。より具体的にはアセチルアミノ基、2−ヒドロキシアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基が好ましい。
【0039】
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよい不飽和複素環基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の不飽和複素環基が例示され、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基である。より具体的には、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル基、1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル基、1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル基、1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル基、1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル基、1−オキシドピリジン−3−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、6−メチルピリジン−3−イル基が好ましい。
【0040】
1で表される不飽和複素環上に置換し得る「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の芳香族炭化水素基が例示され、好ましくは無置換の芳香族炭化水素基である。より具体的にはフェニル基、ナフチル基等が好ましい。
【0041】
1としては、置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性又は二環性の5〜10員の不飽和複素環基が好ましく;
ハロゲン原子、アミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい不飽和複素環基及び置換基を有していてもよい飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性又は二環性の5〜10員の不飽和複素環基がさらに好ましい。
【0042】
このうち、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアシル基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい飽和複素環基及び芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいカルバモイル基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;並びに芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基又はN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基がさらに好ましい。
【0043】
また、R1としては、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアシル基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい飽和複素環基及び芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいカルバモイル基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;並びに芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基:は飽和複素環基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基がさらに好ましい。
【0044】
さらに、R1としては、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基、アミノ基及び炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;並びに芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基:又は飽和複素環基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基がより好ましい。
さらに、Rとしては、炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基、又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基がより好ましい。
【0045】
さらに、R1としては、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアシル基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい飽和複素環基及び芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいカルバモイル基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;並びに芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基又はN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基であって、当該単環性又は二環性の不飽和複素環基が、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、ピロロピリジル基、インダゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、テトラヒドロキノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基又はキノキサリル基であるのが好ましい。
【0046】
さらに、R1としては、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアシル基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい飽和複素環基及び芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいカルバモイル基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;並びに芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基:又は飽和複素環基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基であって、当該単環性又は二環性の不飽和複素環基が、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、ピロロピリジル基、インダゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、テトラヒドロキノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基又はキノキサリル基であるのが好ましい。
【0047】
さらに、R1としては、ハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシル基、アミノ基及び炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数3〜7のシクロアルキル基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基;並びに芳香族炭化水素基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基:又は飽和複素環基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基であって、当該単環性又は二環性の不飽和複素環基がイミダゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ビラジル基、ビリミジニル基、ピリダジニル基、ピリドピラジル基、キノリル基、イミダゾピリジル基又はピロロピリジル基であるのが好ましい。
さらに、Rとしては、炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基から選ばれる不飽和複素環基、又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよい、ピリドピラジル基、キノリル基、イミダゾピリジル基、ピロロピリジル基から選ばれる不飽和複素環基がより好ましい。
さらに、Rとしては、炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよいイミダゾリル基又はピリジル基、又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいキノリル基がより好ましい。
【0048】
具体的な好ましいR1としては、チアゾール−5−イル基、2−フェニルチアゾール−5−イル基、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、4−ブロモ−1H−イミダゾール−1−イル基、4−アセチル−1H−イミダゾール−1−イル基、4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−オキシドピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、5−(6−エチルアミノ)ピラジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、5−アミノピリジン−3−イル基、5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル基、5−(2−アミノエチル)ピリジン−3−イル基、5−(tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)ピリジン−3−イル基、5−(モルホリノメチル)ピリジン−3−イル基、5−メトキシピリジン−3−イル基、6−メトキシピリジン−3−イル基、5−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル基、5−(プロピルアミノ)ピリジン−3−イル基、5−(シクロブチルメチルアミノ)ピリジン−3−イル基、5−アセトアミドピリジン−3−イル基、5−(2−ヒドロキシアセトアミド)ピリジン−3−イル基、6−メチルカルバモイル−ピリジン−3−イル基、4−プロピルカルバモイル−ピリジン−3−イル基、5−(1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル−ピリジン−3−イル基、6−フェニルカルバモイル−ピリジン−3−イル基ピリミジン−5−イル基、6−メトキシピリダジン−3−イル基、キノリン−3−イル基、6−メチルキノリン−3−イル基、7−メチルキノリン−3−イル基、6−(モルホリノメチル)キノリン−3−イル基、7−ホルミルキノリン−3−イル基、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル基、2−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル基、2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル基、7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル基、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル基、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル基、ピリド[2,3−b]ピラジン−7−イル基が挙げられ、より好ましくは4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、キノリン−3−イル基、4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル基、4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基であり、特に好ましくは4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基、キノリン−3−イル基、4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル基である。
【0049】
一般式(I)中、R2で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアルキル基が例示され、好ましくはハロゲン原子及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフルオロメチル基、モルホリノメチル基が好ましい。
【0050】
一般式(I)中、R2で表される「置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数3〜7のシクロアルキル基が例示され、好ましくは無置換の炭素数3〜7のシクロアルキル基である。より具体的には、シクロプロピル基が好ましい。
【0051】
一般式(I)中、R2で表される「置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数2〜6のアルケニル基が例示され、好ましくは無置換の炭素数2〜6のアルケニル基である。より具体的には、ビニル基が好ましい。
【0052】
2としては、水素原子;ハロゲン原子及び飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、水素原子;ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数3〜7のシクロアルキル基がより好ましい。
【0053】
1、Y2、Y3及びY4は、いずれか1つ又は2つがC−R4であり、他が同一又は相異なって、CH又はNを示す。このうち、Y4がC−R4又はNであり、Y1〜Y3がCHである場合及びY2〜Y4がCHであり、Y1がC−R4である場合が好ましい。これらの好ましい態様を構造式で示せば、次のとおりである。
【0054】
【化3】
【0055】
(式中、R3及びR4は前記と同じ)
【0056】
上記のうち、(b1)及び(b2)の構造の場合がより好ましく、(b1)の構造の場合が特に好ましい。
【0057】
一般式(I)中、R3で表される「ハロゲン原子」としては、前記のハロゲン原子が例示され、好ましくは臭素原子である。
一般式(I)中、R3で表される「炭素数1〜6のアルキル基」としては、前記のアルキル基が例示され、好ましくはメチル基である。
一般式(I)中、R3で表される「炭素数1〜6のアルコキシ基」としては、前記のアルコキシ基が例示され、好ましくはメトキシ基である。
3としては、水素原子、シアノ基、炭素数1〜6アルコキシ基又は−CO−R5が好ましく、シアノ基又は−CO−R5がより好ましく、−CO−R5がさらに好ましい。
【0058】
一般式(I)中、R5で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアルキルアミノ基が例示され、好ましくは炭素数1〜6のアルキルアミノ基(アルキル部分にヒドロキシル基が置換していてもよい)を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基である。より具体的には、2−ヒドロキシエチルメチルアミノメチルアミノ基、ジメチルアミノメチルアミノ基が好ましい。
5としては、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基(ヒドロキシル基がアルキル部分に置換していてもよい)を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基がより好ましく、アミノ基が特に好ましい。
【0059】
一般式(I)中、R4で表される「ハロゲン原子」としては、前記のハロゲン原子が例示され、好ましくは塩素原子又はフッ素原子である。
一般式(I)中、R4で表される「炭素数1〜6のアルキル基」としては、前記の炭素数1〜6のアルキル基が例示され、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基である。
【0060】
一般式(I)中、R4で表される「炭素数1〜6のアルコキシ基」としては、前記の炭素数1〜6のアルコキシ基が例示され、好ましくはメトキシ基である。
【0061】
4としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は−N(R7)(R8)が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(R7)(R8)がさらに好ましく、−N(R7)(R8)が特に好ましい。
【0062】
一般式(I)中、R6で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアルキルアミノ基が例示される。
【0063】
6としては、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基が好ましく、アミノ基が特に好ましい。
【0064】
一般式(I)中、R7、R8で表される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数1〜6のアルキル基が例示され、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基及び不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、2−メトキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、テトラヒドロフランメチル基、2−ピリジルエチル基が好ましい。
一般式(I)中、R7、R8で表される「置換基を有していてもよい炭素数の3〜7シクロアルキル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数3〜7のシクロアルキル基が例示され、好ましくはヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基及び不飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基である。より具体的には、4−ヒドロキシシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、4−(アミノアセトキシ)シクロヘキシル基、4−(2−アミノプロピオニルオキシ)シクロヘキシル基、4−(2−アミノ−4−メチルペンタノイルオキシ)シクロヘキシル基、4−(モルホリノアセトキシ)シクロヘキシル基が好ましい。
【0065】
一般式(I)中、R7、R8で表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数6〜14の芳香族炭化水素基が例示される。
【0066】
一般式(I)中、R7、R8で表される「置換基を有していてもよい飽和複素環基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の飽和複素環基が例示され、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい飽和複素環基である。より具体的には、1−メチルピペリジン−4−イル基等が好ましい。
【0067】
一般式(I)中、R7、R8で表される「置換基を有していてもよい不飽和複素環基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の不飽和複素環基が例示される。
一般式(I)中、R7、R8が、それらが結合する窒素原子と一緒になって形成していてもよい「飽和複素環基」は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のいずれかの原子を、好ましくは1〜4個有する単環性又は二環性の飽和複素環基を示し、例えばピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモピペラジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基を示す。
【0068】
一般式(I)中、R7とR8の組み合せとしては、R7が水素原子であり、R8が水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性若しくは二環性の飽和複素環基である場合が好ましく、R7が水素原子であり、R8が水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基及び不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基及び飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよいN、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性若しくは二環性の飽和複素環基である場合が好ましく、R7が水素原子であり、R8が水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基及び不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基及び飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基である場合がさらに好ましい。
【0069】
一般式(I)中、R9で表される「置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数3〜7のシクロアルキル基が例示される。
一般式(I)中、R9で表される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」の「芳香族炭化水素基」としては、前記の置換基を有していてもよい前記の炭素数6〜14の芳香族炭化水素基が例示される。
【0070】
9としては、置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素基が好ましい。
【0071】
本発明化合物としては、一般式(I)中、XがC−Rであり、X、X及びXの少なくとも1つがN又はNオキシドであり、他がCHであり、YがC−R又はN、Y〜YがCHであるか、又はY〜YがCH、YがC−Rであり、Rが置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の不飽和複素環基であり、Rが水素原子;ハロゲン原子又は飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数3〜7のシクロアルキル基であり、Rがシアノ基又は−CO−Rであり、Rがアミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基(ヒドロキシル基がアルキル部分に置換していてもよい)を有していてもよい炭素数1〜6のアルキルアミノ基であり、Rが水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は−N(R)(R)であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基、不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基又は飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよいN、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性若しくは二環性の飽和複素環基である化合物が好ましく、
一般式(I)中、XがC−Rであり、XがCHであり、X及びXの少なくとも1つがN又はNオキシドであり、他がCHであり、YがC−R又はN、Y〜YがCHであるか、又はY〜YがCH、YがC−Rであり、Rが置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する単環性又は二環性の不飽和複素環基であり、Rが水素原子;ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数3〜7のシクロアルキル基であり、Rが−CO−Rであり、Rがアミノ基であり、Rがハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(R)(R)であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基、不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基又は飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基である化合物がより好ましく、
一般式(I)中、XがC−Rであり、XがCHであり、X及びXの少なくとも1つがN又はNオキシドであり、他がCHであり、YがC−R又はN、Y〜YがCHであるか、又はY〜YがCH、YがC−Rであり、Rが炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜6のアシルアミノ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲノアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する単環性の5〜6員の不飽和複素環基、又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基から選ばれる置換基を有していてもよいN、S及びOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する二環性の9〜10員の不飽和複素環基であり、Rが水素原子;ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;炭素数3〜7のシクロアルキル基であり、Rが−CO−Rであり、Rがアミノ基であり、Rがハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(R)(R)であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子;炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、飽和複素環基、不飽和複素環基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基;ヒドロキシル基、アミノ基、アミノアシルオキシ基又は飽和複素環アシルオキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基である化合物が特に好ましい。
【0072】
本発明の化合物は、例えば下記反応工程式に従い製造することができる。
【0073】
【化4】
【0074】
上記反応工程式1において、Z1、Z2はハロゲン原子を示し、R1、R2は前記に同義である。
【0075】
<工程1>
容易に入手可能な一般式(1)、(5)で表される化合物に酸化剤を反応させ、一般式(2)、(X)で表されるイソキノリンオキシド化合物を製造する工程である。酸化剤としては過酸化水素、メタクロロ過安息香酸等が例示され、好ましくはメタクロロ過安息香酸であり、1〜5当量用いるのが好ましい。反応温度としては0℃〜溶媒の沸点が好ましく、反応時間は30分〜50時間が好ましい。反応溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素系溶媒、或いはエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中又はこれらの混合溶媒が使用できる。
【0076】
<工程2>
一般式(2)で表される化合物にボロン酸類、ハロゲン化合物を反応させるスズキカップリング法または、アゾール類を用いたカップリング法によりR1を導入し、一般式(3)で表されるイソキノリン化合物を製造する工程である。
【0077】
スズキカップリング法は、Chemical Review,1995,95,2457−2483.に記載の方法に準じて行うことができる。反応にはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh34)、[1−1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(PdCl2dppf)、Pd2dba3=トリスジベンジリデンアセトンジパラジウムなどのパラジウム錯体が使用できる。また、パラジウムと種々のホスフィン配位子の組み合わせも使用できる。R1に対応するボロン酸あるいはボロン酸エステルは通常公知の方法により合成可能である。
【0078】
アゾール類を用いたカップリング法は、塩基存在下、アゾール類を1〜10当量用い、反応温度としては室温から溶媒の沸点で実施できる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム、水素化ナトリウム等を、アゾール類としては、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアゾール、オキサザール等を用いることができる。反応時間は30分〜50時間で実施できる。また、パラジウム、銅等の金属を添加して、反応を行うこともできる。
使用される溶媒としては、本反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えばテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性高極性溶媒、又はこれらの混合溶媒が使用できる。また、R1に対応するハロゲン化合物が容易に入手可能な場合には、一般式(2)で表される化合物のZ1をジヒドロキシホウ素又はジアルコキシホウ素としたのち、同様にしてスズキカップリング法やアゾール類を用いたカップリング法により、一般式(3)で表されるイソキノリン化合物を製造することができる。
【0079】
<工程3>
一般式(2)、(3)、(8)で表される化合物にハロゲン化剤を反応させZ2を導入し、一般式(4)、(5)で表されるイソキノリン化合物を製造する工程である。
ハロゲン化剤としては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、塩化チオニル、テトラブチルアンモニウムブロミド等が例示され、好ましくはオキシ塩化リンであり、1〜5当量用いるのが好ましい。反応温度としては0℃〜溶媒の沸点が好ましく、反応時間は30分〜50時間が好ましい。反応溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素系溶媒、或いはエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中又はこれらの混合溶媒が使用できる。
【0080】
<工程4>
一般式(5)で表される化合物にベンジルアルコールを反応させZ2にアルコキシ基を導入し、一般式(6)で表されるイソキノリン化合物を製造する工程である。
塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを単一もしくは複数使用でき、1〜5当量用いるのが好ましい。添加物としてはTDAやPEGが使用でき、0.1〜1等量用いるのが好ましい。反応温度としては0℃〜溶媒の沸点が好ましく、反応時間は30分〜50時間が好ましい。反応溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素系溶媒、或いはエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中又はこれらの混合溶媒が使用できる。
【0081】
<工程5>
一般式(6)で表される化合物にボロン酸類、ハロゲン化合物を反応させるスズキカップリング法または、アゾール類を用いたカップリング法によりR1を導入し、一般式(7)で表される複素環化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程2>と同様にして製造することができる。
【0082】
<工程6>
一般式(7)で表される化合物を水素化してベンジル基を脱保護し、一般式(8)で表される複素環化合物を製造する工程である。
水素源としては、水素、シクロヘキセン等が例示され、好ましくはシクロヘキセンであり、1〜100当量用いるのが好ましい。反応温度としては0℃〜溶媒の沸点が好ましく、反応時間は30分〜50時間が好ましい。反応溶媒としては、エタノール、メタノール等のアルコール性溶媒が使用できる。
【0083】
【化5】
【0084】
上記反応工程式2において、Z1、Z2、R2、R3、Y1、Y2、Y3及びY4は前記に同義である。
【0085】
<工程7>
一般式(5)で表される化合物にボロン酸類、ハロゲン化合物を反応させるスズキカップリング法または、アゾール類を用いたカップリング法により(11)で表されるイソキノリン化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程2>と同様にして製造することができる。
【0086】
<工程8>
一般式(11)で表される化合物から酸化反応により(12)で表されるイソキノリン化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程1>と同様にして製造することができる。
【0087】
【化6】
【0088】
上記反応工程式3において、Z1、R2、及びX4は前記に同義である。
【0089】
<工程9>
一般式(13)で表される化合物にベータケトエステル、ベータホルミルエステルまたはアルコキシメチレン置換メルドラム酸を反応させ環化し、一般式(14)で表される複素環化合物を製造する工程である。
環化を促進する酸として、硫酸、塩酸、ポリリン酸、硝酸等が例示され、好ましくはポリリン酸であり、1〜1000当量用いるのが好ましい。反応温度としては0℃〜250℃が好ましく、反応時間は30分〜50時間が好ましい。反応溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素系溶媒、或いはエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ダウサーム等のエーテル系溶媒中又はこれらの混合溶媒が使用できる。
【0090】
【化7】
【0091】
上記反応工程式4において、Z1、R2及びX4は前記に同義である。
【0092】
<工程10>
一般式(15)で表される化合物に対応するエステル、オルトエステル又はアルデヒドを反応させ環化し、一般式(16)で表される複素環化合物を製造する工程である。エステルを用いた場合には反応を促進するために、塩基を用いる。塩基としては水酸化ナトリウム、ナトリウムエチラート、ナトリウムメチラートなどが例示され、好ましくはナトリウムエチラートであり、0.1〜100等量用いるのが好ましい。
オルトエステルを用いた場合には反応を促進するために、酸を用いる。酸としては塩酸、硫酸、トシル酸、メシル酸などが例示され、好ましくはトシル酸であり、0.1〜100等量用いるのが好ましい。
アルデヒドを用いた場合には反応を促進するために、無機塩を用いる。無機塩としては塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などが例示され、好ましくは塩化鉄であり、0.1〜100等量用いるのが好ましい。
反応温度としては0℃〜150℃が好ましく、反応時間は30分〜50時間が好ましい。反応溶媒としては、エタノール、メタノール、水、DMF、NMP、DMSOなどの高極性溶媒が使用できる。
【0093】
【化8】
【0094】
上記反応工程式5において、Z1、Z2、R1、R2、R3、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4は前記に同義である。
【0095】
<工程11>
一般式(17)で表される化合物にボロン酸類、ハロゲン化合物を反応させるスズキカップリング法または、アゾール類を用いたカップリング法により一般式(18)で表される複素環化合物を製造する工程である。
本工程は<工程2>と同様にして製造することができる。
【0096】
<工程12>
一般式(18)で表される化合物にハロゲン化剤を反応させZ2を導入し、一般式(19)で表される複素環化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程3>と同様にして製造することができる。
【0097】
【化9】
【0098】
上記反応工程式6において、Z1、Z2、R2、R3、X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3及びY4は前記に同義である。
【0099】
<工程13>
一般式(20)で表される化合物にアルコキシメチレン置換メルドラム酸を反応させ環化し、一般式(21)で表される複素環化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程9>と同様にして製造することができる。
【0100】
<工程14>
一般式(21)で表される化合物のZ2にボロン酸類を反応させるスズキカップリング法により一般式(22)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程2>のスズキカップリングの方法と同様にして製造することができる。
【0101】
<工程15>
一般式(22)で表される化合物にハロゲン化剤を反応させZ2を導入し、一般式(23)で表される複素環化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程3>と同様にして製造することができる。
【0102】
【化10】
【0103】
上記反応工程式7において、Z1、Z2、R1、R2、R3、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4は前記に同義である。
【0104】
<工程16>
一般式(25)で表される化合物のZ2にボロン酸類を反応させるスズキカップリング法により一般式(I)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程2>のスズキカップリングの方法と同様にして製造することができる。
【0105】
<工程17>
一般式(26)で表される化合物にボロン酸類、ハロゲン化合物を反応させるスズキカップリング法または、アゾール類を用いたカップリング法により一般式(I)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、<工程2>と同様にして製造することができる。
【0106】
一般式(I)中のR1で表される複素環基、R2で表されるアルキル基、R3で表されるニトリル基、エステル基、ニトロ基等の置換基、或いはY1、Y2、Y3、Y4のいずれかが有するR4について、いずれの段階でも通常公知の方法により反応を行い所望の化合物を製造することができる。
例えば、R1に窒素原子がある場合には、酸化反応によりN-オキシドを合成することができる。R2のベンジル位にハロゲンを導入し、求核剤による置換反応を行うことができる。R3がニトリル基である場合には、通常公知の加水分解法によりカルボキサミド化合物を製造することができる。またR3がエステル基である場合には、加水分解してカルボン酸化合物を製造することが出来、さらにアミンを反応させることにより所望のアミド化合物を製造することができる。R3がニトロ基である場合には、接触還元等によりアミノ化合物を製造することが出来、さらにカルボン酸やイソシアナート等を反応させ、所望のアミド化合物、ウレア化合物等を得ることができる。
また例えば、R4がハロゲン原子である場合には、所望のアミン化合物、チオエーテル化合物を製造することができる。
【0107】
これらの<工程1>〜<工程17>において、置換基の導入や官能基変換を行うに際し、目的以外の反応が起きる反応性置換基が存在する場合は、必要に応じて自体公知の手段によりその反応性置換基に事前に保護基を導入し、目的の反応を行った後その保護基を公知の手段により除去して化合物を製造することもできる。反応終了後、これらの各工程の目的化合物は、常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、反応液をトルエン、酢酸エチル、クロロホルムのような水と混和しない有機溶媒で抽出し、水等で洗浄後、目的化合物を含む有機層を減圧下濃縮し、溶剤を留去することによって目的化合物が得られる。得られた目的化合物は必要に応じて、常法、例えば再結晶、再沈殿又は通常の有機化合物の分離精製に慣用されている方法(例えば、シリカゲル、アルミナ、マグネシウム−シリカゲル系のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セファデックスLH−20(ファルマシア社製)、アンバーライトXAD−11(ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化学社製)のような担体を用いた分配カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー又はシリカゲル若しくはアルキル化シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー、好適には、シリカゲルカラムクロマトグラフィーである。)によって分離、精製することができる。化合物(I)が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によってその薬理学的に許容される塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体又は、目的とする他の塩に変換することができる。
【0108】
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)によりそれぞれを単品として得ることができる。
【0109】
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても多形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。
【0110】
同位元素(例えば、3H、14C、35S、125Iなど)などで標識された化合物も、化合物(I)に包含される。
化合物(I)又はその塩(以下、化合物(I)と略記する)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0111】
本発明化合物(I)は、優れたHSP90阻害活性を有し、かつ優れた癌細胞増殖阻害活性を有し、抗癌剤等の医薬として有用である。また、本発明化合物(I)は、水溶性が高く、かつ経口投与可能であることから、経口投与可能な抗癌剤等の医薬として有用である。例えば悪性腫瘍の場合、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、胆道癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍、中皮腫等が挙げられる。
【0112】
本発明化合物(I)は医薬として用いるにあたっては、必要に応じて薬学的に許容される担体と配合して、医薬組成物とし、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、経口剤が採用される。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
【0113】
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物(I)に賦形剤、必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物(I)にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。
【0114】
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物(I)の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mgとするのが望ましい。
また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人(体重50kg)1日あたり約0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
【実施例】
【0115】
以下に実施例、試験例によって本発明を具体的に説明するが、これらは例示の目的で記載されているものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
なお1H−NMRスペクトルは、TMS(テトラメチルシラン)を内部標準として測定し、δ値(ppm)で化学シフトを示した。化学シフトは、かっこ内にプロトン数、吸収パターン、カップリング定数(J値)を示した。
また吸収パターンに関して、次の記号を使用する。s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=クワルテット、dd=ダブルダブレット、ddd=ダブルダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、m=マルチプレット、br=ブロード、br s=ブロードシングレット。
また化合物の構造式に関して、次の記号を使用する場合がある。Me=メチル、Et=エチル、tBu=tert−ブチル、Ph=フェニル、Ac=アセチル、Boc=tert−ブトキシカルボニル、TFA=トリフルオロ酢酸、MsOH=メタンスルホン酸、DMF=ジメチルホルムアミド、THF=テトラヒドロフラン、NMP=N−メチルピロリジノン、CDI=カルボニルジイミダゾール。
【0116】
実施例1
2−(エチルアミノ)−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(1)
実施例1(1)
5−ブロモイソキノリン−2−オキシド(1a)
5−ブロモイソキノリン(20.7g)のクロロホルム(250ml)溶液に含水メタクロロ過安息香酸(65%,29g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、少量のクロロホルムとジエチルエーテルを加えた。析出物を濾取し、化合物(1a)(11.8g,50%,)を得た。
【0117】
実施例1(2)
1−クロロ−5−ブロモイソキノリン(1b)
化合物(1a)(7.83g)のクロロホルム(120ml)懸濁液にオキシ塩化リン(5ml)を加え、50℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、クロロホルムを加えた。氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、少量のクロロホルムとジエチルエーテルを加えた。析出物を濾取し、化合物(1b)(5.83g,65%)を白色固体として得た。
【0118】
実施例1(3)
1−(ベンジルオキシ)−5−ブロモイソキノリン(1c)
化合物(1b)(0.242g)、ベンジルアルコール(0.162g)、水酸化カリウム(0.224g)、炭酸カリウム(0.138g)、トリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン(0.032ml)のトルエン(6ml)懸濁液を120℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、化合物(1c)(0.621g,99%)を淡黄色固体として得た。
【0119】
実施例1(4)
1−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン(1d)
化合物(1c)(3.03g)、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩(1.96g)、8−キノリノール(0.280g)、酸化第一銅(0.280g)、PEG(Mn=3400)(1.90g)、炭酸セシウム(12.5g)をDMSO(20ml)に懸濁させ、窒素置換した後閉管し、125℃で終夜撹拌した。冷後、反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し白色固体(2.60g)を得た。得られた白色固体(2.60g)、炭素に担持した水酸化パラジウム(2.60g)をシクロヘキセン(68ml)、エタノール(34ml)に懸濁させ、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌した。冷後、クロロホルムとメタノールが5:1の混合液を加え、セライトを用いて不溶物を濾別した。濾液の溶媒を留去した後、残渣にクロロホルムを加え、析出物を濾取して白色固体(1.47g)を得た。得られた白色固体(1.11g)にオキシ塩化リン(7.6ml)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、クロロホルムを加えた。氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣に少量のクロロホルムとジエチルエーテルを加え、析出物を濾取して化合物(1d)(0.929g,3段階収率、33%)を白色固体として得た。
【0120】
実施例1(5)
2−(エチルアミノ)−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(1)
化合物(1d)(0.062g)と4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステル(0.071g)と炭酸ナトリウム水溶液(2M、1.5mL)のエチレングリコールジメチルエーテル(3.0mL)溶液に、窒素雰囲気下、Pd(PPh34(0.012g)を加え、85℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣を次の反応に用いた。得られた残渣のDMSO(3mL)とエタノール(1.5mL)の溶液に、室温で水酸化ナトリウム水溶液(4M,0.093mL)、30%過酸化水素水(0.045mL)を加え、30分撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、水、エーテルでふりかけ洗浄後、減圧乾燥することにより、化合物(1)(0.040g,2段階収率、45%)を淡黄色固体として得た。
【0121】
実施例2
4−(5−(5−アミノピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(2)
実施例2(1)
4−(5−ブロモイソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンゾニトリル(2a)
化合物(1b)(5.83g)、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステル(7.80g)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、40mL)のエチレングリコールジメチルエーテル(80mL)溶液に、窒素雰囲気下、Pd(PPh34(1.39g)を加え、85℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、化合物(2a)(14.8g,収率62%)を白色固体として得た。
【0122】
実施例2(2)
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソキノリン−1−イル)ベンゾニトリル(2b)
化合物(2a)(2.56g)、ビス(ピナコレート)ジボロン(1.79g)、PdCl2dppf(0.478g)、酢酸カリウム(2.3g)のジオキサン(20mL)懸濁液を、窒素雰囲気下、85℃で3時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、セライトを用いて不溶物を濾別した。濾液の溶媒を留去し、得られた残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、化合物(2b)(1.38g,50%)を白色固体として得た。
【0123】
実施例2(3)
4−(5−(5−アミノピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(2)
化合物(2b)(0.102g)、3−アミノ−5−ブロモピリジン(0.042g)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、1.5mL)のエチレングリコールジメチルエーテル(3mL)溶液に、窒素雰囲気下、Pd(PPh34(0.013g)を加え、85℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣のDMSO(3mL)とエタノール(1.5mL)の溶液に、室温で水酸化ナトリウム水溶液(4M,0.093mL)、30%過酸化水素水(0.045mL)を加え、30分撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、水、エーテルでふりかけ洗浄後、減圧乾燥することにより、化合物(2)(0.045g,2段階収率、45%)を淡黄色固体として得た。
【0124】
実施例3
2−(エチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(3)
実施例3(1)
8−ヨード−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4(1H)−オン(3a)
2−ヨードアニリン(25.0g)、エチル4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブタネート(20.8g)、PPA(78.0g)の混合物を180℃で1時間撹拌した。冷後、水酸化ナトリウム水溶液で中和して析出物を濾過し、水で洗浄した。濾液を塩酸で酸性にして析出物を濾過し、水で洗浄した。濾取物を減圧下に乾燥させ化合物(3a)(16.2g、42%)を白色固体として得た。
【0125】
実施例3(2)
4−クロロ−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン(3b)
化合物(3a)(2.58g)、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩(1.54g)、8−キノリノール(0.220g)、酸化第一銅(0.220g)、PEG(Mn=3400)(1.50g)、炭酸セシウム(9.80g)をDMSO(16ml)に懸濁させ、窒素置換した後閉管し、125℃で終夜撹拌した。冷後、クロロホルムとメタノールが5:1の混合液を加え、セライトを用いて不溶物を濾別した。水層を塩酸で酸性にして析出物を濾過し、水で洗浄した。濾取物を減圧下に乾燥させ白色固体(1.36g)を得た。得られた白色固体(1.36g)にオキシ塩化リン(13ml)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、クロロホルムを加えた。氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、化合物(3b)(1.08g,2段階収率、38%)を白色固体として得た。
【0126】
実施例3(3)
2−(エチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(3)
化合物(3b)(0.07g)と4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステル(0.065g)と炭酸ナトリウム水溶液(2M、1.5mL)のエチレングリコールジメチルエーテル(3.0mL)溶液に、窒素雰囲気下、Pd(PPh34(0.011g)を加え、85℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣を次の反応に用いた。得られた残渣のDMSO(3mL)とエタノール(1.5mL)の溶液に、室温で水酸化ナトリウム水溶液(4M,0.093mL)、30%過酸化水素水(0.045mL)を加え、30分撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、水、エーテルでふりかけ洗浄後、減圧乾燥することにより、化合物(3)(0.061g,2段階収率、65%)を淡黄色固体として得た。
【0127】
実施例4
2−アミノ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(4)
実施例4(1)
8−ヨード−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4(1H)−オン(4a)
Journal of Medicinal Chemistry,2004,47(6),1448−1464.に記載の方法を用いて合成した2−アミノ−3−ヨード安息香酸(16.4g)のDMF(120mL)溶液にEDCI塩酸塩(18.4g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.5g)を加え、続いてアンモニア水(21.2ml)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、析出物を濾取し、減圧乾燥することで2−アミノ−3−ヨードベンズアミド(12.8g)を得た。得られた2−アミノ−3−ヨードベンズアミド(5.0g)のエタノール(95ml)溶液に60%水素化ナトリウム(2.29g)を加えた後、トリフルオロ酢酸エチル(10.8g)を加え、15時間加熱還流した。冷後、水を加え、6N塩酸を加えて酸性とした後、析出物を濾取し、減圧乾燥することで化合物(4a)(6.4g、2段階収率、77%)を得た。
【0128】
実施例4(2)
4−クロロ−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン(4b)
実施例3(2)に準じて、化合物(3a)の代わりに、化合物(4a)を用いることにより、化合物(4b)(2段階収率、52%)を得た。
【0129】
実施例4(3)
2−アミノ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(4)
実施例1(5)に準じ、化合物(1d)の代わりに化合物(4b)を用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(4)(2段階収率16%)を淡黄色固体として得た。
【0130】
実施例5
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(2’−(トリフルオロメチル)−3,8’−ビキノリン−4’−イル)ベンズアミド(5)
実施例5(1)
4’−クロロ−2’−(トリフルオロメチル)−3,8’−ビスキノリン(5a)
化合物(3a)(2.72g)と3−キノリンボロン酸(1.66g)と炭酸ナトリウム水溶液(2M、2.7mL)のエチレングリコールジメチルエーテル(5.3mL)溶液に、窒素雰囲気下、PdCl2dppf(0.458g)を加え、マイクロ波照射下150℃で10分間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣にクロロホルムを加え、析出物を濾取し、濾取物(2.20g)を精製することなく次の反応に用いた。得られた濾取物(2.20g)にオキシ塩化リン(10ml)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、クロロホルムを加えた。氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、化合物(5a)(1.76g,2段階収率、61%)を白色固体として得た。
【0131】
実施例5(2)
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(2’−(トリフルオロメチル)−3,8’−ビキノリン−4’−イル)ベンズアミド(5)
実施例3(3)に準じ、化合物(3b)の代わりに化合物(5a)を用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(5)(2段階収率90%)を淡黄色固体として得た。
【0132】
実施例6
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(6)
実施例5(1)に準じ、化合物(3a)の代わりに化合物(1a)を用い、PdCl2dppfの代わりにPd(PPh34を用いることにより、3−(1−クロロイソキノリン−5−イル)キノリンが得られ、実施例1(5)に準じ、化合物(1d)の代わりに、得られた3−(1−クロロイソキノリン−5−イル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いる事により化合物(6)(4段階収率、57%)を白色固体として得た。
【0133】
実施例7
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(3−メチル−5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(7)
実施例1(1)に準じ、5−ブロモイソキノリンの代わりに5−ブロモ−3−メチルイソキノリンを用いることにより、5−ブロモ−3−メチルイソキノリン−2−オキシドが得られ、実施例6に準じ、化合物(1a)の代わりに、得られた5−ブロモ−3−メチルイソキノリン−2−オキシドを用いる事により化合物(7)(5段階収率、14%)を白色固体として得た。
【0134】
実施例8
1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)−3−メチル−5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−2−オキシド(8)
実施例8(1)
5−ブロモ−1−クロロ−3−メチルイソキノリン(8a)
実施例1(1)、実施例1(2)に準じ、5−ブロモイソキノリンの代わりに5−ブロモ−3−メチルイソキノリンを用いることにより、化合物(8a)(2段階収率、61%)を白色固体として得た。
【0135】
実施例8(2)
1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)−3−メチル−5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−2−オキシド(8)
実施例2(1)に準じて化合物(1b)の代わりに化合物(8a)を用いることにより、4−(5−ブロモ−3−メチルイソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンゾニトリルを得た。実施例1(1)に準じ、5−ブロモイソキノリンの代わりに、得られた4−(5−ブロモ−3−メチルイソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンゾニトリルを用いることにより、5−ブロモ−1−(4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)−3−メチルイソキノリン−2−オキシドを得た。実施例1(5)に準じて、化合物(1d)の代わりに、得られた5−ブロモ−1−(4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)−3−メチルイソキノリン−2−オキシドを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−キノリンボロン酸を用いることにより、化合物(8)(4段階収率、9%)を得た。
【0136】
実施例9
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(6−メチルキノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(9)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに3−ブロモ−6−メチルキノリンを用いることにより、化合物(9)(2段階収率60%)を淡黄色固体として得た。
【0137】
実施例10
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(10)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに6−ブロモ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを用い、Pd(PPh34の代わりにPdCl2dppfを用いることにより、化合物(10)(2段階収率、19%)を淡黄色固体として得た。
【0138】
実施例11
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(7−メチルキノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(11)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに3−ブロモ−7−メチルキノリンを用いることにより、化合物(11)(2段階収率63%)を淡黄色固体として得た。
【0139】
実施例12
4−(5−(7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(12)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに6−ブロモ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを用い、Pd(PPh34の代わりにPdCl2dppfを用いることにより、化合物(12)(2段階収率、17%)を淡黄色固体として得た。
【0140】
実施例13
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(ピリド[2,3−b]ピラジン−7−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(13)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに7−ブロモ−ピリド[2,3−b]ピラジンを用いることにより、化合物(13)(2段階収率30%)を淡黄色固体として得た。
【0141】
実施例14
4−(5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(14)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを用い、Pd(PPh34の代わりにPdCl2dppfを用いることにより、化合物(14)(2段階収率、68%)を淡黄色固体として得た。
【0142】
実施例15
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(15)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに3−ブロモピリジンを用いることにより、化合物(15)(2段階収率58%)を淡黄色固体として得た。
【0143】
実施例16
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(6−メトキシピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(16)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに3−ブロモ−6−メトキシピリジンを用いることにより、化合物(16)(2段階収率57%)を淡黄色固体として得た。
【0144】
実施例17
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(17)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに3−ブロモ−5−(ヒドロキシメチル)ピリジンを用いることにより、化合物(17)(2段階収率40%)を淡黄色固体として得た。
【0145】
実施例18
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(チアゾール−5−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(18)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモチアゾールを用いることにより、化合物(18)(2段階収率75%)を淡黄色固体として得た。
【0146】
実施例19
tert−ブチル2−(5−(1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)イソキノリン−5−イル)ピリジン−3−イル)エチルカーバメート(19)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりにtert−ブチル2−(5−ブロモピリジン−3−イル)エチルカーバメートを用いることにより、化合物(19)(2段階収率49%)を淡黄色固体として得た。
【0147】
実施例20
4−(5−(5−(2−アミノエチル)ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(20)
化合物(19)(0.047g)のTFA溶液を室温で3時間撹拌した。溶媒を留去し、クロロホルムを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて析出物を濾取することにより化合物(20)(0.022g,収率60%)を白色固体として得た。
【0148】
実施例21
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(21)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに2−ブロモ−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾールを用いることにより、化合物(21)(2段階収率40%)を淡黄色固体として得た。
【0149】
実施例22
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(2−フェニルチアゾール−5−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(22)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモ−2−フェニルチアゾールを用いることにより、化合物(22)(2段階収率55%)を淡黄色固体として得た。
【0150】
実施例23
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(23)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに2−ブロモ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾールを用いることにより、化合物(23)(2段階収率30%)を淡黄色固体として得た。
【0151】
実施例24
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(5−メトキシピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(24)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに3−ブロモ−5−メトキシピリジンを用いることにより、化合物(24)(2段階収率64%)を淡黄色固体として得た。
【0152】
実施例25
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(4−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(25)
実施例1(4)に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに4−(1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン2塩酸塩を用いることにより1−クロロ−5−(4−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリンが得られ、実施例1(5)に準じ、化合物(1d)の代わりに、得られた1−クロロ−5−(4−ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(25)(5段階収率3%)を淡黄色固体として得た。
【0153】
実施例26
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(5−(モルホリノメチル)ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(26)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに4−((5−ブロモピリジン−3−イル)メチル)モルホリンを用いることにより、化合物(26)(2段階収率57%)を淡黄色固体として得た。
【0154】
実施例27
4−(5−(5−アセトアミドピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(27)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりにN−(5−ブロモピリジン−3イル)アセトアミドを用いることにより、化合物(27)(2段階収率58%)を淡黄色固体として得た。
【0155】
実施例28
4−(5−(5−(2−ヒドロキシアセトアミド)ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(28)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに2−(5−ブロモピリジン−3−イルアミノ)−2−オキソエチルアセテートを用いることにより、化合物(28)(2段階収率25%)を淡黄色固体として得た。
【0156】
実施例29
5−(1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)イソキノリン−5−イル)−N−プロピルニコチンアミド(29)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモ−N−プロピルニコチンアミドを用いることにより、化合物(29)(2段階収率65%)を淡黄色固体として得た。
【0157】
実施例30
5−(1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)イソキノリン−5−イル)−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ニコチンアミド(30)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ニコチンアミドを用いることにより、化合物(30)(2段階収率41%)を淡黄色固体として得た。
【0158】
実施例31
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(3−(モルホリノメチル)−5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(31)
実施例1(1)に準じ、5−ブロモイソキノリンの代わりに5−ブロモ−3−メチルイソキノリンを用いることにより5−ブロモ−3−メチルイソキノリン−2−オキシドが得られた。実施例5(1)に準じ、化合物(3a)の代わりに、得られた5−ブロモ−3−メチルイソキノリン−2−オキシドを用い、PdCl2dppfの代わりにPd(PPh34を用いることにより得られた3−(1−クロロ−3−メチルイソキノリン−5−イル)キノリン(0.151g)、NBS(0.098g)、AIBN(0.017g)、の四塩化炭素(5ml)懸濁液を終夜加熱還流した。冷後、セライトを用いて不溶物を濾別し、濾液にTHF(3ml)、モルホリン(0.1ml)、ジイソプロピルエチルアミン(0.2ml)を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルと水に分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製する事により4−((1−クロロ−5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−3−イル)メチル)モルホリン(25mg)を得た。実施例1(5)に準じ、(1d)の代わりに、得られた4−((1−クロロ−5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−3−イル)メチル)モルホリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いる事により化合物(31)(7段階収率、1%)を淡黄固体として得た。
【0159】
実施例32
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(32)
実施例1(4)に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに3−(1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン2塩酸塩を用いることにより1−クロロ−5−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリンが得られ、実施例1(5)に準じ、化合物(1d)の代わりに、得られた1−クロロ−5−(4−ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(32)(5段階収率1%)を淡黄色固体として得た。
【0160】
実施例33
4−(2−カルバモイル−5−(5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)フェニルアミノ)シクロヘキシル−2−アミノアセテート(33)
化合物(6)(0.67g)、2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(0.60g)、EDCI塩酸塩(0.675g)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.017g)のジメチルホルムアミド(9ml)溶液を室温で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を精製する事なく次反応に用いた。残渣の塩化メチレン(4ml)溶液にトリフルオロ酢酸(2ml)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液をクロロホルムと水で分配し、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、化合物(33)(0.54g,2段階収率72%)を白色固体として得た。
【0161】
実施例34
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(5−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(34)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりにtert−ブチル 5−ブロモピリジン−3−イル(メチル)カーバメートを用いることにより得られるtert−ブチル 5−(1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)イソキノリン−5−イル)ピリジン−3−イル(メチル)カーバメート(0.070g)のトリフルオロ酢酸(2ml)溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣に炭酸カリウム(0.5g)とメタノール(3ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、アセトニトリルを加え、析出物を濾取することで化合物(34)(0.036g、3段階収率51%)を淡黄色固体として得た。
【0162】
実施例35
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(5−(プロピルアミノ)ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(35)
実施例34に準じ、tert−ブチル 5−ブロモピリジン−3−イル(メチル)カーバメートの代わりに5−ブロモピリジン−3−イル(プロピル)カーバメートを用いることにより化合物(35)(0.036g、3段階収率17%)を淡黄色固体として得た。
【0163】
実施例36
4−(5−(5−(シクロブチルメチルアミノ)ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(36)
実施例34に準じ、tert−ブチル 5−ブロモピリジン−3−イル(メチル)カーバメートの代わりに5−ブロモピリジン−3−イル(シクロプロピルメチル)カーバメートを用いることにより化合物(36)(0.036g、3段階収率39%)を淡黄色固体として得た。
【0164】
実施例37
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−N−(((2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ)メチル)−4−(5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(37)
パラホルムアルデヒド(0.122g)、2−(メチルアミノ)エタノール(0.330g)、酢酸(0.13ml)のエタノール(4ml)溶液を80℃で2時間撹拌した。冷後、反応液に化合物(6)(0.200g)の塩化メチレン(4ml)溶液を加え、室温で終夜撹拌した。反応液をクロロホルムと水で分配し、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、化合物(37)(0.130g,56%)を淡黄色固体として得た。
【0165】
実施例38
N−((ジメチルアミノ)メチル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(38)
化合物(6)(0.050g)、N,N−ジメチルメチレンアンモニウムヨージド(0.025g)の塩化メチレン(1ml)溶液を室温で終夜撹拌した。反応液をクロロホルムと水で分配し、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、化合物(38)(0.053g,95%)を淡黄色固体として得た。
【0166】
実施例39
4−(5−(1H−ピロロ[32−b]ピリジン−6−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(39)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに6−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを用い、Pd(PPh34の代わりにPdCl2dppfを用いることにより、化合物(39)(2段階収率、59%)を淡黄色固体として得た。
【0167】
実施例40
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(2−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(40)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに6−ブロモ−2−メチル−1H−ピロロ[4,5−b]ピリジンを用い、ことにより、化合物(40)(2段階収率、23%)を淡黄色固体として得た。
【0168】
実施例41
4−(5−(2−エチル−1H−イミダゾ[45−b]ピリジン−6−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(41)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに6−ブロモ−2−エチル−1H−ピロロ[4,5−b]ピリジンを用い、Pd(PPh34の代わりにPdCl2dppfを用いることにより、化合物(41)(2段階収率、47%)を淡黄色固体として得た。
【0169】
実施例42
4−(5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(42)
実施例6に準じ、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノフェニルボロン酸を用いる事により化合物(42)(4段階収率、37%)を白色固体として得た。
【0170】
実施例43
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(ピリミジン−5−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(43)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモピリミジンを用いることにより、化合物(43)(2段階収率54%)を淡黄色固体として得た。
【0171】
実施例44
2,5−ジメチル−4−(5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド
実施例6に準じ、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2,5−ジメチルフェニルボロン酸を用いる事により化合物(44)(4段階収率、33%)を白色固体として得た。
【0172】
実施例45
4−(5−(7−フォルミルキノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(45)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに3−ブロモ−7−フォルミルキノリンを用いることにより、化合物(45)(2段階収率20%)を淡黄色固体として得た。
【0173】
実施例46
4−(5−(6−エチルアミノ)ピラジン−2−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(46)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに2−アミノ−6−ブロモピラジンを用いることにより、化合物(46)(2段階収率30%)を淡黄色固体として得た。
【0174】
実施例47
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(6−メトキシピリダジン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(47)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに2−ブロモ−5−メトキシピリダジンを用いることにより、化合物(47)(2段階収率51%)を淡黄色固体として得た。
【0175】
実施例48
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(48)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(48)(2段階収率53%)を淡黄色固体として得た。
【0176】
実施例49
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(6−(モルホリノメチル)キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(49)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに4−((3ブロモキノリン−6−イル)メチル)モルホリンを用いることにより、化合物(49)(2段階収率45%)を淡黄色固体として得た。
【0177】
実施例50
3−メチル−4−(5−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(50)
実施例32に準じ、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(50)(5段階収率9%)を淡黄色固体として得た。
【0178】
実施例51
3−メチル−4−(5−(4−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(51)
実施例25に準じ、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(51)(5段階収率14%)を淡黄色固体として得た。
【0179】
実施例52
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(4−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(52)
化合物(2b)(0.188g)、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−イソブチル−1H−ピラゾール(0.0837g)、酸化第一銅(0.003g)のMeOH(200mL)懸濁液を空気中に開放しながら、室温で、二日間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、セライトを用い濾過し、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、白色固体を得た。得られた白色固体のDMSO(3mL)とエタノール(1.5mL)の溶液に、室温で水酸化ナトリウム水溶液(4M,0.093mL)、30%過酸化水素水(0.045mL)を加え、30分撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、水、エーテルでふりかけ洗浄後、減圧乾燥することにより、化合物(52)(0.040g,2段階収率、26%)を淡黄色固体として得た。
【0180】
実施例53
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(5−(4−(1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(53)
実施例52に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−イソブチル−1H−ピラゾールの代わりに4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール を用いることにより化合物(53)(2段階収率8%)を淡黄色固体として得た。
【0181】
実施例54
4−(5−(4−ブロモ−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(54)
実施例52に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−イソブチル−1H−ピラゾールの代わりに4−ブロモ−1H−イミダゾールを用いることにより化合物(54)(2段階収率22%)を淡黄色固体として得た。
【0182】
実施例55
4−(5−(4−アセチル−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(55)
実施例52に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−イソブチル−1H−ピラゾールの代わりに4−アセチル−1H−イミダゾールを用いることにより化合物(55)(2段階収率20%)を淡黄色固体として得た。
【0183】
実施例56
5−(1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)イソキノリン−5−イル)−N−メチルピコリンアミド(56)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモ−N−プロピルピコリンアミドを用いることにより、化合物(56)(2段階収率56%)を淡黄色固体として得た。
【0184】
実施例57
5−(1−(4−カルバモイル−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニル)イソキノリン−5−イル)−N−フェニルピコリンアミド(57)
実施例2(3)に準じ、3−アミノ−5−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモ−N−フェニルピコリンアミドを用いることにより、化合物(57)(2段階収率55%)を淡黄色固体として得た。
【0185】
実施例58
4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(メチルアミノ)ベンズアミド(58)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−メチルアミノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(58)(2段階収率53%)を淡黄色固体として得た。
【0186】
実施例59
4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)−2−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチルアミノ)ベンズアミド(59)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(59)(2段階収率55%)を淡黄色固体として得た。
【0187】
実施例60
4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)−2−(2−(ピリジン−2−イル)エチルアミノ)ベンズアミド(60)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(2−(ピリジン−2−イル)エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(60)(2段階収率52%)を淡黄色固体として得た。
【0188】
実施例61
2−(イソプロピルアミノ)−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(61)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(イソプロピルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(61)(2段階収率34%)を淡黄色固体として得た。
【0189】
実施例62
2−(2−メトキシエチルアミノ)−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(62)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(2−メトキシエチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(62)(2段階収率55%)を淡黄色固体として得た。
【0190】
実施例63
2−(シクロヘプチルアミノ)−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(63)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(シクロヘプチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(63)(2段階収率59%)を淡黄色固体として得た。
【0191】
実施例64
2−(イソプロピルメチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(64)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(イソプロピルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(64)(2段階収率64%)を淡黄色固体として得た。
【0192】
実施例65
2−(シクロプロピルメチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(65)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(シクロプロピルメチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(65)(2段階収率50%)を淡黄色固体として得た。
【0193】
実施例66
2−(エチルアミノ)−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(66)
実施例1(3)に準じ、化合物(1b)の代わりに化合物(8a)を用いることにより、1−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−3−メチルイソキノリンが得られ、実施例1(4)に準じ、化合物(1c)の代わりに、得られた1−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−3−メチルイソキノリンを用いる事により1−クロロ−3−メチル5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリンが得られ、実施例1(5)に準じ、化合物(1d)の代わりに、得られた1−クロロ−3−メチル5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン用いる事により化合物(66)(6段階収率、27%)を白色固体として得た。
【0194】
実施例67
2−(イソプロピルアミノ)−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(67)
実施例66に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(イソプロピルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(67)(6段階収率19%)を淡黄色固体として得た。
【0195】
実施例68
2−(シクロプロピルメチルアミノ)−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(68)
実施例66に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(シクロプロピルメチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(68)(6段階収率、18%)を白色固体として得た。
【0196】
実施例69
2−アミノ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(69)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(69)(2段階収率77%)を淡黄色固体として得た。
【0197】
実施例70
2−フルオロ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(70)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−フルオロフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(70)(2段階収率24%)を淡黄色固体として得た。
【0198】
実施例71
2−アミノ−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(71)
実施例66に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(71)(6段階収率、22%)を白色固体として得た。
【0199】
実施例72
2−エチルアミノ−4−(4−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)1,7−ナフチリジン−8−イル)ベンズアミド(72)
3−アミノ−2−クロロピリジン(17.6g)、5−(メトキシメチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(25.5g)のイソプロパノール(274ml)懸濁液を5分間加熱還流した。冷後、析出物を濾取し、5−((2−クロロピリジン−3−イルアミノ)メチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(34.8g)を得た。得られた5−((2−クロロピリジン−3−イルアミノ)メチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(8.2g)を220℃に加熱したダウサームにゆっくり加え、220℃で30分間加熱した。冷後、反応液にヘキサン(300ml)を加え、析出物を濾取し、8−クロロ−1,7−ナフチリジン−4(1H)−オン(2.02g)を得た。実施例5(1)に準じ、化合物(3a)の代わりに、得られた8−クロロ−1,7−ナフチリジン−4(1H)−オン(0.295g)を用い、3−キノリンボロン酸の代わりに4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで4−(4−クロロ−1,7−ナフチリジン−8−イル)−2−(エチルアミノ)ベンゾニトリル(0.107g)を得た。得られた4−(4−クロロ−1,7−ナフチリジン−8−イル)−2−(エチルアミノ)ベンゾニトリル(0.0491g)、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩(0.035g)、ナノ粒子の酸化第二銅(006g)、炭酸カリウム(0.0883g)、のDMF(1.5ml)懸濁液を125℃で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、2−(エチルアミノ)−4−(4−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1イル)−1,7ナフチリジン−8イル)ベンゾニトリルを得た。得られた2−(エチルアミノ)−4−(4−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1イル)−1,7ナフチリジン−8イル)ベンゾニトリルのDMSO(3mL)溶液に、室温で水酸化ナトリウム水溶液(4M,0.093mL)、30%過酸化水素水(0.045mL)を加え、30分撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、水、エーテルでふりかけ洗浄後、減圧乾燥することにより、化合物(72)(0.040g,6段階収率、4%)を淡黄色固体として得た。
【0200】
実施例73
3−アミノ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(73)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに2−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(73)(2段階収率16%)を淡黄色固体として得た。
【0201】
実施例74
3−アミノ−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(74)
実施例66に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに2−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(74)(6段階収率、12%)を白色固体として得た。
【0202】
実施例75
3−アミノ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(75)
実施例4(3)に準じ、3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに2−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(75)(2段階収率、14%)を白色固体として得た。
【0203】
実施例76
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(76)
実施例3(2)に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに3−(1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン2塩酸塩を用いることで4−クロロ−8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンが得られ、実施例3(3)に準じ、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(76)(4段階収率32%)を淡黄色固体として得た。
【0204】
実施例77
2−(エチルアミノ)−4−(8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(77)
実施例76に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(77)(4段階収率30%)を淡黄色固体として得た。
【0205】
実施例78
2−アミノ−4−(8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(78)
実施例76に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(78)(4段階収率30%)を淡黄色固体として得た。
【0206】
実施例79
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(79)
化合物(4b)(0.757g)、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステル(0.720g)、PdCl2dppf(0.163g)、リン酸カリウム(1.30g)のジオキサン(10ml)懸濁液を窒素雰囲気下、90℃で終夜撹拌した。冷後、クロロホルムを加え、セライトを用いて不溶物を濾別し、濾液の溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キナゾリン−4−イル)ベンゾニトリル(0.655g)を白色固体として得た。得られた2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キナゾリン−4−イル)ベンゾニトリル(0.655g)をDMSO(8mL)とエタノール(4mL)の溶液に、室温で水酸化ナトリウム水溶液(4M,0.640mL)、30%過酸化水素水(0.300mL)を加え、30分撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ取し、水、エーテルでふりかけ洗浄後、減圧乾燥することにより、化合物(79)(0.530g,2段階収率、50%)を淡黄色固体として得た。
【0207】
実施例80
2−(エチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(80)
実施例79に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(80)(2段階収率、40%)を淡黄色固体として得た。
【0208】
実施例81
2−クロロ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(81)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−クロロ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(81)(2段階収率16%)を淡黄色固体として得た。
【0209】
実施例82
2−クロロ−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(82)
実施例66に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−クロロ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(82)(6段階収率、18%)を白色固体として得た。
【0210】
実施例83
5−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ピコリンアミド(83)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに6−シアノピリジン−3−イルボロン酸を用いることにより、化合物(83)(2段階収率40%)を淡黄色固体として得た。
【0211】
実施例84
3−メチル−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(84)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(84)(2段階収率、68%)を白色固体として得た。
【0212】
実施例85
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(85)
実施例79に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(85)(2段階収率、31%)を淡黄色固体として得た。
【0213】
実施例86
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(86)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(86)(2段階収率66%)を淡黄色固体として得た。
【0214】
実施例87
4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)−3−(プロピルアミノ)ベンズアミド(87)
実施例3(3)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−(プロピルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(87)(2段階収率35%)を淡黄色固体として得た。
【0215】
実施例88
5−(8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ピコリンアミド(88)
実施例76に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに6−シアノピリジン−3−イルボロン酸を用いることにより、化合物(88)(4段階収率15%)を淡黄色固体として得た。
【0216】
実施例89
4−(8−(4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)−2−(エチルアミノ)ベンズアミド(89)
実施例3(2)に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−エチル−1H−ピラゾール 塩酸塩を用いることにより4−クロロ−8−(4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンが得られ、実施例3(3)に準じ、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−8−(4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンを用いることにより、化合物(89)(4段階収率13%)を淡黄色固体として得た。
【0217】
実施例90
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(90)
実施例89に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(90)(4段階収率15%)を淡黄色固体として得た。
【0218】
実施例91
4−(8−(4−(1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)−2−(エチルアミノ)ベンズアミド(91)
実施例3(2)に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに1−(ジフルオロメチル)−4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1H−ピラゾール 塩酸塩を用いることにより4−クロロ−8−(4−(1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンが得られ、実施例3(3)に準じ、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−8−(4−(1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンを用いることにより、化合物(91)(4段階収率10%)を淡黄色固体として得た。
【0219】
実施例92
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(92)
実施例91に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(92)(4段階収率14%)を淡黄色固体として得た。
【0220】
実施例93
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(93)
実施例66に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(93)(6段階収率19%)を淡黄色固体として得た。
【0221】
実施例94
4−(8−(4−(1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)−3−メチルベンズアミド(94)
実施例91に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(94)(4段階収率15%)を淡黄色固体として得た。
【0222】
実施例95
3−メチル−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(95)
実施例66に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(95)(6段階収率22%)を淡黄色固体として得た。
【0223】
実施例96
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(96)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(96)(2段階収率59%)を淡黄色固体として得た。
【0224】
実施例97
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(2−メチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(97)
実施例3(1)に準じて、2−ヨードアニリンの代わりに2−ブロモアニリンを用い、エチル 4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブタネートの代わりにエチル 3−オキソブタネートを用いることで、8−ブロモ−2−メチルキノリン−4(1H)−オンを得た。実施例3(2)に準じて、化合物(3a)の代わりに、得られた8−ブロモ−2−メチルキノリン−4(1H)−オンを用いることで4−クロロ−2−メチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを得た。実施例3(3)に準じて、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−2−メチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(97)(5段階収率、9%)を淡黄色固体として得た。
【0225】
実施例98
2−(2−メトキシエチルアミノ)−4−(3−メチル−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(98)
実施例97に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノー3−(2−メトキシエチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(98)(5段階収率3%)を淡黄色固体として得た。
【0226】
実施例99
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(99)
実施例3(2)に準じて、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに5−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルピリジン2塩酸塩を用いることにより4−クロロ−8−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンを得た。実施例3(3)に準じて、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−8−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(99)(4段階収率、15%)を淡黄色固体として得た。
【0227】
実施例100
3−メチル−4−(8−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(100)
実施例99に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノー2−メチルフェニルボロン酸を用いることにより、化合物(100)(4段階収率14%)を淡黄色固体として得た。
【0228】
実施例101
2−アミノ−4−(2−メチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(101)
実施例97に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(101)(5段階収率4%)を淡黄色固体として得た。
【0229】
実施例102
3−メチル−4−(2−メチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(102)
実施例97に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−2−メチルフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(102)(5段階収率5%)を淡黄色固体として得た。
【0230】
実施例103
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(2−エチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(103)
実施例3(1)に準じて、2−ヨードアニリンの代わりに2−ブロモアニリンを用い、エチル 4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブタネートの代わりにエチル 3−オキソペンタネートを用いることで、8−ブロモ−2−エチルキノリン−4(1H)−オンを得た。実施例3(2)に準じて、化合物(3a)の代わりに、得られた8−ブロモ−2−エチルキノリン−4(1H)−オンを用いることで4−クロロ−2−エチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを得た。実施例3(3)に準じて、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−2−エチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(103)(5段階収率、1%)を淡黄色固体として得た。
【0231】
実施例104
2−アミノ−4−(2−エチル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(104)
実施例103に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(104)(5段階収率1%)を淡黄色固体として得た。
【0232】
実施例105
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(2−シクロプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(105)
実施例3(1)に準じて、2−ヨードアニリンの代わりに2−ブロモアニリンを用い、エチル 4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブタネートの代わりにエチル 3−シクロプロピル−3−オキソプロパネートを用いることで、8−ブロモ−2−シクロプロピルキノリン−4(1H)−オンを得た。実施例3(2)に準じて、化合物(3a)の代わりに、得られた8−ブロモ−2−シクロプロピルキノリン−4(1H)−オンを用いることで4−クロロ−2−シクロプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを得た。実施例3(3)に準じて、化合物(3b)の代わりに、得られたで4−クロロ−2−シクロプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(105)(5段階収率、0.4%)を淡黄色固体として得た。
【0233】
実施例106
2−アミノ−4−(2−シクロプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(106)
実施例105に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(106)(5段階収率0.3%)を淡黄色固体として得た。
【0234】
実施例107
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(107)
実施例3(2)に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに4−フェニル−1H−イミダゾールを用いることで4−クロロ−8−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンが得られ、実施例3(3)に準じ、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−8−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(107)(4段階収率44%)を淡黄色固体として得た。
【0235】
実施例108
2−アミノ−4−(8−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(108)
実施例107に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(108)(4段階収率30%)を淡黄色固体として得た。
【0236】
実施例109
2−(イソプロポキシエチルアミノ)−4−(8−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(109)
実施例107に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(2−イソプロポキシエチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(109)(4段階収率40%)を淡黄色固体として得た。
【0237】
実施例110
2−アミノ−4−(2’−(トリフルオロメチル)−3,8’−ビキノリン−4’−イル)ベンズアミド(110)
実施例5(2)に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(110)(2段階収率72%)を淡黄色固体として得た。
【0238】
実施例111
2−(2−イソプロポキシエチルアミノ)−4−(2’−(トリフルオロメチル)−3,8’−ビキノリン−4’−イル)ベンズアミド(111)
実施例5(2)に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ3−(2−イソプロポキシエチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(111)(2段階収率42%)を淡黄色固体として得た。
【0239】
実施例112
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(2−イソプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(112)
実施例3(1)に準じて、2−ヨードアニリンの代わりに2−ブロモアニリンを用い、エチル 4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブタネートの代わりにエチル 3−イソプロピル−3−オキソプロパネートを用いることで、8−ブロモ−2−イソプロピルキノリン−4(1H)−オンを得た。実施例3(2)に準じて、化合物(3a)の代わりに、得られた8−ブロモ−2−イソプロピルキノリン−4(1H)−オンを用いることで4−クロロ−2−イソプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを得た。実施例3(3)に準じて、化合物(3b)の代わりに、得られた4−クロロ−2−イソプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(112)(5段階収率、17%)を淡黄色固体として得た。
【0240】
実施例113
2−アミノ−4−(2−イソプロピル−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(113)
実施例112に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(113)(5段階収率8%)を淡黄色固体として得た。
【0241】
実施例114
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(8−(キノリン−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(114)
実施例114(1)
8−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4(1H)−オン(114a)
実施例4(1)に準じて、2−アミノ−3−ヨード安息香酸の代わりに2−アミノ−3−クロロ安息香酸を用いることで化合物(114a)(2段階収率、59%)を得た。
【0242】
実施例114(2)
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(8−(キノリン−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ベンズアミド(114)
化合物(114a)(0.57g)、3−キノリンボロン酸(0.45g)、Pd2dba3(0.031g)、X−Phos(0064g)、リン酸カリウム(1.4g)のブタノール懸濁液を窒素雰囲気下、100度で15時間撹拌した。冷後、反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し8−(キノリン−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4(1H)−オン(0.49g)を白色固体として得た。得られた8−(キノリン−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4(1H)−オン(0.49g)にオキシ塩化リン(5ml)を加え、13時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルを加えた。氷浴で冷却しながら炭酸水素ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、4−クロロ−8−(キノリン−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン(0.43g)を白色固体として得た。実施例1(5)に準じて、化合物(1d)の代わりに、得られた4−クロロ−8−(キノリン−3−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで化合物(114)(4段階収率、25%)を黄色固体として得た。
【0243】
実施例115
4−(2−シクロプロピル−8−(キノリン−3−イル)キナゾリン−4−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(115)
2−アミノ−3−クロロ安息香酸(12.8g)のDMF(100mL)溶液にEDCI塩酸塩(22.0g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(11.4g)を加え、続いてアンモニア水(22.0ml)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、析出物を濾取し、減圧乾燥することで2−アミノ−3−クロロベンズアミド(9.7g)を得た。得られた2−アミノ−3−クロロベンズアミド(2.0g)の水(30ml)懸濁液に塩化鉄(III)6水和物(6.3g)、シクロプロパンカルバルデヒド(1.3ml)を加え、100℃で終夜撹拌した。冷後、反応液に水を加え、析出物を濾取し、減圧乾燥することで8−クロロ−2−シクロプロピルキナゾリン−4(1H)−オン(2.0g)を得た。実施例114(2)に準じて、化合物(114a)の代わりに、得られた8−クロロ−2−シクロプロピルキナゾリン−4(1H)−オンを用いることにより、化合物(115)(6段階収率、18%)を黄色固体として得た。
【0244】
実施例116
4−(2−エチル−8−(キノリン−3−イル)キナゾリン−4−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(116)
実施例115に準じて、シクロプロパンカルバルデヒドの代わりに、プロピオンアルデヒドを用いることにより、化合物(116)(6段階収率、13%)を淡黄色固体として得た。
【0245】
実施例117
4−(3,8’−ビキノリン−4’−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンズアミド(117)
2−ブロモアニリン(20.9g)、5−(メトキシメチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(22.6g)の2−プロパノール(240ml)懸濁液を1時間加熱還流した。反応液を0℃に冷却した後、析出物を濾取し、淡黄色固体(35.0g)を得た。得られた淡黄色固体(10.0g)のダウサーム(100ml)懸濁液を210℃で1時間加熱した。冷後、反応液にヘキサン(100ml)を加え、析出物を濾取し、8−ブロモキノリン−4(1H)−オン(6.3g)を得た。8−ブロモキノリン−4(1H)−オン(9g)にオキシ塩化リン(5.9ml)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、クロロホルムを加えた。氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、8−ブロモー4−クロロキノリン(8.3g)を白色固体として得た。
得られた8−ブロモー4−クロロキノリン(0.242g)と3−キノリンボロン酸(0.163g)と炭酸ナトリウム水溶液(2M、1.5mL)のエチレングリコールジメチルエーテル(3.0mL)溶液に、窒素雰囲気下、Pd(PPh34(0.0581g)を加え、85℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、4’−クロロ−3,8’−ビキノリン(0.114g)を白色固体として得た。実施例3(3)に準じ、化合物(3b)の代わりに、得られた4’−クロロ−3,8’−ビキノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで化合物(117)(6段階収率37%)を淡黄色固体として得た。
【0246】
実施例118
2−アミノ−4−(8−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(118)
実施例99に準じ、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(118)(4段階収率15%)を淡黄色固体として得た。
【0247】
実施例119
2−(エチルアミノ)−4−(4−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−8−イル)ベンズアミド(119)
2−ブロモアニリン(20.9g)、5−(メトキシメチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(22.6g)の2−プロパノール(240ml)懸濁液を1時間加熱還流した。反応液を0℃に冷却した後、析出物を濾取し、淡黄色固体(35.0g)を得た。得られた淡黄色固体(10.0g)のダウサーム(100ml)懸濁液を210℃で1時間加熱した。冷後、反応液にヘキサン(100ml)を加え、析出物を濾取し、8−ブロモキノリン−4(1H)−オン(6.3g)を得た。8−ブロモキノリン−4(1H)−オン(9.0g)に塩化チオニル(5.9ml)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、クロロホルムを加えた。氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、8−ブロモ−4−クロロキノリン(8.3g)を白色固体として得た。得られた8−ブロモ−4−クロロキノリン(0.050g)、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩(0.045g)、8−キノリノール(0.0045g)、酸化第一銅(0.0015g)、PEG(Mn=3400)(0.010g)、炭酸セシウム(0.17g)をDMSO(2.1ml)に懸濁させ、窒素置換した後閉管し、110℃で2時間撹拌した。冷後、反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、淡黄色固体(0.073g)として8−ブロモ−4−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを得た。実施例1(5)に準じて、化合物(1d)の代わりに得られた8−ブロモ−4−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを用いることで化合物(119)(6段階収率、17%)を淡黄色固体として得た。
【0248】
実施例120
2−アミノ−4−(2’−エチル−3,8’−ビキノリン−4’−イル)ベンズアミド(120)
実施例3(1)に準じて、2−ヨードアニリンの代わりに2−ブロモアニリンを用い、エチル 4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブタネートの代わりにエチル 3−オキソペンタネートを用いることで、8−ブロモ−2−エチルキノリン−4(1H)−オンを得た。実施例5(1)に準じて、化合物(3a)の代わりに、得られた8−ブロモ−2−エチルキノリン−4(1H)−オンを用いることで4’−クロロ−4’−エチル−3,8’−ビキノリンを得た。実施例3(3)に準じて、化合物(3b)の代わりに、得られた4’−クロロ−4’−エチル−3,8’−ビキノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(120)(5段階収率、3%)を淡黄色固体として得た。
【0249】
実施例121
2−アミノ−4−(2’−イソプロピル−3,8’−ビキノリン−4’−イル)ベンズアミド(121)
実施例120に準じて、エチル 3−オキソペンタネートの代わりにメチル3−イソプロピル−3−オキソプロパネートを用いることで化合物(121)(5段階収率、14%)を淡黄色固体として得た。
【0250】
実施例122
2−アミノ−4−(2−エチル−8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(122)
実施例103に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに5−(1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン2塩酸塩を用い、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(122)(5段階収率3%)を淡黄色固体として得た。
【0251】
実施例123
2−アミノ−4−(2−イソプロピル−8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(123)
実施例112に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに5−(1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン2塩酸塩を用い、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(123)(5段階収率5%)を淡黄色固体として得た。
【0252】
実施例124
2−アミノ−4−(2−エチル−8−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(124)
実施例103に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに5−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルピリジン2塩酸塩を用い、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(124)(5段階収率2%)を淡黄色固体として得た。
【0253】
実施例125
2−アミノ−4−(2−イソプロピル−8−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(125)
実施例112に準じ、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに5−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルピリジン2塩酸塩を用い、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(125)(5段階収率4%)を淡黄色固体として得た。
【0254】
実施例126
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(5−(キノリン−3−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(126)
実施例6に準じ、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いる事により化合物(126)(3段階収率、40%)を白色固体として得た。
【0255】
実施例127
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(5−(4−ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(127)
実施例32に準じ、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(127)(5段階収率18%)を淡黄色固体として得た。
【0256】
実施例128
2−アミノ−4−(5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−1−イル)ベンズアミド(128)
実施例1(5)に準じ、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることにより、化合物(128)(2段階収率56%)を淡黄色固体として得た。
【0257】
実施例129
3−(1−(4−(3−アミノ−4−カルバモイルフェニル)−2−イソプロピルキノリン−8−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン 1−オキシド(129)
実施例3(1)に準じて、2−ヨードアニリンの代わりに2−ブロモアニリンを用い、エチル 3−オキソペンタネートの代わりにメチル 3−イソプロピル−3−オキソプロパネートを用いることで、8−ブロモ−2−イソプロピルキノリン−4(1H)−オンを得た。実施例3(2)に準じて、化合物(3a)の代わりに、得られた8−ブロモ−2−イソプロピルキノリン−4(1H)−オンを用い、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに5−(1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン2塩酸塩を用いることで4−クロロ−2−イソプロピル−8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを得た。実施例1(1)に準じて、5−ブロモイソキノリンの代わりに、得られた4−クロロ−2−イソプロピル−8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを用いることで3−(1−(4−クロロ−2−イソプロピルキノリン−8−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン 1−オキシドを得た。実施例2(1)に準じて、化合物(1b)の代わりに、得られた3−(1−(4−クロロ−2−イソプロピルキノリン−8−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン 1−オキシドを用い、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−カルバモイルフェニルボロン酸塩酸塩を用いることで、化合物(129)(5段階収率、1.5%)を得た。
【0258】
実施例130
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(130)
2−ブロモアニリン(20.9g)、5−(メトキシメチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(22.6g)のイソプロパノール(240ml)懸濁液を1時間加熱還流した。冷後、析出物を濾取し、5−((2−ブロモフェニルアミノ)メチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(34.8g)を得た。得られた5−((2−ブロモフェニルアミノ)メチレン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(10.8)のダウサーム(100ml)懸濁液を210℃で1時間加熱した。冷後、反応液にヘキサン(100ml)を加え、析出物を濾取し、8−ブロモキノリン−4(1H)−オン(6.3g)を得た。実施例3(2)に準じて、化合物(3a)の代わりに、得られた8−ブロモキノリン−4(1H)−オンを用いることで、4−クロロ−8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリンを得た。実施例3(3)に準じて、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(130)(6段階収率3.4%)を淡黄色固体として得た。
【0259】
実施例131
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(131)
実施例130に準じて、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩の代わりに5−(1H−イミダゾール−4−イル)ピリジン2塩酸塩を用いることで、化合物(131)(6段階収率8.0%)を淡黄色固体として得た。
【0260】
実施例132
2−アミノ−4−(8−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(132)
実施例130に準じて3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(132)(6段階収率2.2%)を淡黄色固体として得た。
【0261】
実施例133
2−(tert−ブチルアミノ)−4−(8−(4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)キノリン−4−イル)ベンズアミド(133)
実施例131に準じて、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−アミノ−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで、化合物(133)(6段階収率7.3%)を淡黄色固体として得た。
【0262】
比較例1
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(1−(キノリン−3−イル)イソキノリン−5−イル)ベンズアミド
実施例2(1)に準じ、4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−キノリンボロン酸を用いることにより、3−(5−ブロモイソキノリン−1−イル)キノリンを得た。実施例2(3)に準じ、化合物(2b)の代わりに、得られた3−(5−ブロモイソキノリン−1−イル)キノリンを用い、4−シアノ−3−(エチルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに4−シアノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)フェニルボロン酸ピナコールエステルを用いることで比較例1化合物(3段階収率24%)を淡黄色固体として得た。
【0263】
比較例2
2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−4−(4−(キノリン−3−イル)キナゾリン−8−イル)ベンズアミド
2−アミノ−3−ヨードベンズアミド(0.513g)にオルト蟻酸メチル(5ml)、NMP(1ml)を加えた懸濁液にトシル酸2水和物(0.038g)を加え、3時間加熱還流した。冷後、反応液に水を加え、析出物を濾取し、減圧乾燥することで、8−ヨードキナゾリン−4(1H)−オン(0.481g)を得た。得られた8−ヨードキナゾリン−4(1H)−オン(1.17g)にオキシ塩化リン(10ml)を加え、8時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、クロロホルムを加えた。氷浴で冷却しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和して分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)により精製し、4−クロロ−8−ヨードキナゾリン(0.946g)を得た。実施例2(1)に準じ、化合物(1b)の代わりに、得られた4−クロロ−8−ヨードキナゾリンを用い、Pd(PPh34の代わりにPdCl2dppfを用いる事により4−(4−クロロキナゾリン−8−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンゾニトリルを得た。実施例79に準じ、化合物(4b)の代わりに、得られた4−(4−クロロキナゾリン−8−イル)−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ベンゾニトリルを用い、3−(tert−ブチルアミノ)−4−シアノフェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりに3−キノリンボロン酸を用いることで比較例2化合物(5段階収率10%)を淡黄色固体として得た。
【0264】
比較例3
2−(エチルアミノ)−4−(1−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)イソキノリン−5−イル)ベンズアミド
化合物(1b)(0.050g)、4−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール 塩酸塩(0.045g)、8−キノリノール(0.0045g)、酸化第一銅(0.0015g)、PEG(Mn=3400)(0.010g)、炭酸セシウム(0.17g)をDMSO(2.1ml)に懸濁させ、窒素置換した後閉管し、110℃で2時間撹拌した。冷後、反応液を酢酸エチルと水で分配し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、淡黄色固体(0.073g)を得た。実施例1(5)に準じて、化合物(1d)の代わりに得られた淡黄色固体(0.073g)を用いることで比較例3化合物(0.035g,3段階収率、39%)を淡黄色固体として得た。
【0265】
以下の表に上記実施例及び比較例で合成した化合物の構造式及び物性値を示す。
【0266】
【表1】
【0267】
【表2】
【0268】
【表3】
【0269】
【表4】
【0270】
【表5】
【0271】
【表6】
【0272】
【表7】
【0273】
【表8】
【0274】
【表9】
【0275】
【表10】
【0276】
【表11】
【0277】
【表12】
【0278】
【表13】
【0279】
【表14】
【0280】
【表15】
【0281】
【表16】
【0282】
【表17】
【0283】
【表18】
【0284】
【表19】
【0285】
【表20】
【0286】
【表21】
【0287】
【表22】
【0288】
【表23】
【0289】
【表24】
【0290】
【表25】
【0291】
【表26】
【0292】
【表27】
【0293】
【表28】
【0294】
試験例1 HSP90結合活性の測定
まず、精製HSP90溶液を以下のように調製した。ヒトHSP90 alpha蛋白質(NCBI Reference Sequences登録番号NP_005339、全長732アミノ酸)の第2アミノ酸から第236アミノ酸に相当するヒトHSP90 alpha遺伝子(NCBI Reference Sequences登録番号NM_005348)領域をpET−19b(Novagen)に挿入することにより、N発端にHisタグを有するHSP90 N末端蛋白質を発現するプラスミドpET−HSP90Nを構築した。pET−HSP90Nを大腸菌(BL21(DE3),Stratagene)に導入後、0.5mM isopropyl−beta−D−thiogalactopyranoside(Sigma−Aldrich)存在下にて37℃、4時間培養し、回収した大腸菌をLysis buffer(50mM Tris−HCl(pH7.5)、200 mM NaCl)に懸濁し超音波破砕した。破砕した細胞溶液は遠心分離し(40,000×g、20分間)、上清を粗抽出液とした。当粗抽出液をNi Sepharose High Performance(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社)クロマトグラフィー、HiLoad 26/60 Superdex 75 pg(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社)によって分画後、HSP90蛋白質が濃縮された画分を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、20% glycerol溶液となるよう調製し、精製HSP90溶液とした。精製HSP90溶液は分割し、使用時まで−80℃で保存した。
【0295】
HSP90結合活性は、AlphaScreen競合アッセイ系により測定した。精製HSP90溶液を、Binding buffer(50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.1% Triton−X100、1mM DTT、0.1% BSA)で希釈し、被検物質を含む384ウェルプレート(#3673,CORNING)に添加した。室温にて2時間反応させた後、ビオチン標識ゲルダナマイシンを40nMとなるように添加し、さらに1時間反応した。Detection mix(20mM HEPES−KOH(pH7.5)、0.5% BSA、0.04mg/mL Nickel Chelate Acceptor beads、0.04mg/mL Streptavidin−coated Donor beads)(#6760619C、Perkin Elmer)を反応溶液と等量各ウェルに添加し、暗所、室温にて1時間反応した後、マルチラベルプレートリーダー EnVision(Perkin Elmer)にて蛍光強度を測定した。被検物質未添加群(コントロール)の蛍光シグナルを対照として、下記の式を用いて本発明化合物によるビオチン標識ゲルダナマイシンの結合の阻害率(%)を求めた。各化合物の添加によりビオチン標識ゲルダナマイシンの結合がコントロールの50%まで抑制される濃度を求め(IC50(μM))、HSP90結合の相対的な指標とした。
【0296】
抑制率(%)=(C−T)/C×100
T:被験物質を添加したウェルのシグナル
C:被験物質を添加しなかったウェルのシグナル
【0297】
その結果、本発明化合物は、非常に良好なHSP90結合活性を示したのに対し、比較化合物はいずれもHSP90結合活性を示さなかった(表29)。
【0298】
試験例2 細胞増殖阻害の測定
Crystal violet染色法により、細胞増殖の測定を実施した。American Type Culture Collectionより購入したSK−BR−3細胞(HTB−30)を、96ウェルプレート(#353075、BD Biosciences)に1ウェル辺り5,000個となるように播種した。37℃、5% CO2インキュベーターにて24時間培養後に被検物質を添加し、さらに72時間培養した。25% グルタルアルデヒド液(#17025−25,ナカライテスク株式会社)を、200μLの培地当たり20μL各ウェルに添加し、室温、20分間静置し細胞を固定した。プレートを水洗し乾燥させた後、0.05% crystal violet(#038−17792,和光純薬株式会社)/20% メタノール溶液を各ウェル100μL添加し、室温、20分間静置し細胞を染色した。プレートを水洗し乾燥させ、0.05M NaH2PO4とエタノールの混合液(等量を混合)を各ウェルに100μL添加した。マイクロプレートリーダー(MTP−450、コロナ電気株式会社)で540nmの吸光度を測定し、各ウェルの細胞数の指標とした。薬剤未処理群(コントロール)の吸光度を対照として、下記の式を用いて下記の式を用いて本発明化合物による細胞増殖の抑制率(%)を求めた。各化合物の添加により細胞数がコントロールの50%まで抑制される濃度を求めた(IC50(μM))。
【0299】
抑制率(%)=(C−T)/C×100
T:被験物質を添加したウェルの吸光度
C:被験物質を添加しなかったウェルの吸光度
【0300】
その結果、本発明化合物は、乳癌細胞SK−BR−3の増殖を阻害したのに対し、比較化合物はいずれもSK−BR−3の増殖を阻害しなかった(表29)。
【0301】
【表29】