(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成長表面は、誤配向方向および前記誤配向角を有し、前記N面III族窒化物膜は、少なくとも10マイクロメートル×10マイクロメートルの面積にわたり0.9ナノメートル以下の表面粗度を有する、請求項1に記載の方法。
前記N面III族窒化物膜は、少なくとも10マイクロメートル×10マイクロメートルの面積にわたり0.9ナノメートル以下の表面粗度を有する、請求項12に記載のデバイス。
前記N面III族窒化物膜は、窒化物デバイスのチャネルを備え、前記誤配向角の方向と実質的に垂直に前記チャネルを整列させることをさらに含む、請求項12に記載のデバイス。
前記N面III族窒化物膜は、窒化物デバイスのチャネルを備え、前記誤配向角の方向と実質的に垂直に前記チャネルを整列させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
好適な実施形態の次の説明において、その一部を形成し、本発明を実践することができる、具体的実施形態が例証として示される、添付図面を参照する。他の実施形態を利用してもよく、本発明の範囲を逸脱しない限り、構造的変更を行ってもよいことを理解されたい。
【0017】
(概観)
本発明は、従来のGa極GaN上で製造することができないトランジスタの作製を可能にするであろう。本発明はまた、新規の分極を用いたバンド構造設計を可能にして、より効率的なLEDおよびLDを作製するであろう。Ga極ヘテロ構造と比較して、N極ヘテロ構造における逆分極場は、より低い動作電圧をもたらし、p―n型接合の空乏領域の幅を縮小し、キャリア注入を向上させて、デバイス性能の進展につながる。N極表面上の堆積は、Ga極表面と比較してインジウムのより高い組成を伴うInGaNの成長を可能にし、色のスペクトルの黄色および赤色部分へのLED波長の付勢を容易にする。加えて、本発明は、GaNを用いたデバイスでより高いp型ドーピングレベルの使用を可能にし、向上したデバイス性能につながる。さらに、本発明を使用して、N面トランジスタ(HEMT)、N面LED、およびN面LD等の、新規の電子および光電子窒化物デバイスが可能となるであろう。
【0018】
本発明は、MOCVDによる、高品質で平滑なN面(000−1)InN、GaN、AlN膜、およびそれらの合金のヘテロエピタキシャル成長を可能にする。独立GaN基板がすぐに入手可能で低価格ではないため、GaNは通常、炭化ケイ素(SiC)、サファイア、Si、および種々の他の基板上でヘテロエピタキシャル成長させられる。
【0019】
III族窒化物は、デバイスの成長および設計において極めて重要なパラメータである、成長の方向および面を作り出す、[0001]方向を中心とした広い内蔵分極場を有する。従来、全てのIII族窒化物成長は、(0001)III族面上で行われる。本発明がN面成長を可能にするため、N面によって提供される異なる物理的特性を通して、新しいトランジスタ(HEMT)、LED、およびLDの設計が可能となるであろう。HEMTに対して、(000−1)N面は、例えば、高出力で高周波数のデバイス動作のための、極めて低いゲート漏れを伴う構造の設計を可能にする。発光体(LEDおよびLD)に対して、N面は、色のスペクトルの緑色、黄色、および赤色部分における高出力デバイスを作製するために現在必要とされている、より良好な品質の高インジウム組成InGaN合金の成長を可能にする。加えて、従来のGa面GaNには、反転という問題がある一方で、N面GaNは、p型GaNを作製するために必要とされるMgで高度にドーピングされると、そのような問題がない。より高いp型キャリア濃度は、デバイス性能を劇的に増加させるはずである。さらに、Ga面ヘテロ構造と比較して、N面における逆分極場は、LEDおよびLDの動作電圧を低下させる。このことはまた、p―n型接合の空乏領域のより狭い幅、および向上したキャリア注入をもたらし、デバイス性能の進展につながる。
【0020】
成長技術として分子線エピタキシー法(MBE)を使用して、C面SiC基板上で平滑なN面GaN膜を容易に得ることができるが、MOCVDによって成長される膜は、GaN層が小さいGaN単結晶上で成長させられたか、または外来基板上で成長させられたかにかかわらず、典型的には、六方晶ヒロックの形成によって引き起こされる粗雑な表面を呈し、N面デバイスの開発を妨害する[1、2、3]。しかしながら、GaN単結晶についての研究は、MOCVD成長が誤切断GaN結晶上で行われる場合に、ヒロック形成を大幅に抑制できることを示した[2、3]。つい最近では、平滑なN面GaN膜は、Matsuokaらによって、サファイア基板上でも得られることが可能であった[4]。
【0021】
本発明は、MOCVDによって成長させられる平滑なN面膜を得るために、誤配向基板、例えば、<1−100>または<11−20>方向に誤配向されている、例えば、(0001)サファイアまたは(000−1)SiCを利用する。それにより、任意の外来基板、例えば、サファイア、SiC、Siに、該技術を適用することができる。
【0022】
それにより、サファイア上の成長に対して、好適な基板誤配向方向は、<11−20>であり、GaN結晶の<11−20>方向に平行なIII族窒化物表面段差および/または起伏につながる。炭素極炭化ケイ素上の成長に対して、好適な基板誤配向方向は、<1−100>であり、同様にGaN結晶の<11−20>方向に平行なIII族窒化物表面段差および/または起伏につながる。
【0023】
好適な誤配向角は、h、i、k、lがミラー指数である、基板のミラー指数表面[h,i,k,l]に対して1〜5度の間に及ぶ。全ての誤配向角および方向は、(0001)(=c平面)サファイア表面(=平面)または(000−1)SiC基板表面のいずれかに関して与えられる。両方とも(000−1)GaNの成長に適している。本発明はまた、他の基板平面上の他のN終端GaN平面の成長に役立つこともできる。
【0024】
(技術的説明)
(サファイア上の成長)
サファイア上の成長に対して、本発明は、下記によって実現される。
a.MOCVDリアクタに誤配向サファイア基板を入れ、H
2環境下にて約1090℃の表面温度でアニーリングする。
b.次いで、約980℃の表面温度で数秒間、NH
3およびH
2中で基板を窒素化させ、成長のN面極性を設定するサファイア上の薄いAlN層の形成につながる。
c.次いで、NH
3およびトリメチルガリウム(TMG)をリアクタに流し込み、AlN上でGaNの成長を開始する。それにより、まず厚さ約20nmのGaN層を中成長温度(約950℃の表面温度)で堆積させることができ、ステップフローまたは層ごとの成長モードでの成長につながる。
d.次いで、NH
3およびトリメチルガリウム(TMG)をリアクタに流し込み、ステップ(c)で形成された層上で主要GaNの成長を開始する。
【0025】
現在、使用されている成長方法は、MOCVDである。しかしながら、本発明は、MBE、ハイドライド気相成長法(HVPE)、および化学ビーム成長法(CBE)等の他の成長方法に対して、非常に有用となり得る。
【0026】
部分(c)に記載の工程は、非常に概して、GaN成長に該当する。しかしながら、適切な前駆物質を組み合わせることによって、他のV族原子(Al,Ga,In)(N,P,As)も伴って、InN(TMIの使用を伴う)、AlN(TMAの使用を伴う)、またはそれらの合金のうちのいずれかを作製するために、本発明を容易に利用することができる。
【0027】
トリエチルガリウム、III族源に対するトリエチルアルミニウム、およびN源に対するジメチルヒドラジン等の他の前駆物質を使用することができる。SiC、Si、スピネル等の任意の適切な基板を使用することができる。窒化物形成温度および時間は、基板に応じて、変えるか、または完全に排除することができる。他の成長開始手順を適用することができる。例えば、成長は、AlN層等の堆積とともに開始することができるか、またはいずれの成長開始ステップも全く必要とされない場合がある。部分(b)が薄いAlN層の堆積を指定する一方で、AlN層の任意の厚さを使用してもよく、AlN以外の窒化物材料を使用してもよいことに留意されたい。基板のアニーリングは、排除することができる。基板は、<11−20>および<1−100>方向に向かうだけでなく、任意の方向にも誤配向することができる。単組成層の代わりに、全ての個別成長ステップに対して層/結晶の組成を修正することができる。各個別層の成長はまた、おそらくひずみまたは転位管理のために、他の材料、例えば、窒化ケイ素または酸化ケイ素から成る層の堆積に対して中断されてもよい。
【0028】
図1は、本発明による工程図を図示する。
ブロック100は、MOCVDチャンバに誤配向サファイア基板を入れるステップを表す。
ブロック102は、誤配向サファイア基板をアニーリングするステップを表す。
ブロック104は、薄いAlN表面層を形成して次のIII族窒化物層に対するN極性を設定するように、アニーリングした誤配向サファイア基板を窒素化するステップを表す[7、8]。参考文献7は、AlN層の形成を記載し、参考文献8は、AlN層が約0.5nmに対応する1つの二重層の厚さであるべきという結果を伴う、理論計算である。
ブロック106は、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、AlN表面層上にIII族窒化物核形成層を堆積させるステップを表す。
ブロック108は、核形成層上で主要III族窒化物層を成長させるステップを表す。
【0029】
(炭素極SiC上の成長)
炭素(C)極SiC上の成長に対して、本発明は、下記によって実現される。
a.MOCVDリアクタに誤配向の研磨された(例えば、化学機械的に研磨された)C極SiC基板を入れ、H
2環境下にて約1090℃の表面温度でアニーリングする。
b.次いで、NH
3およびトリメチルアルミニウム(TMA)をリアクタに流し込み、ステップフロー成長モードまたは層ごとの成長モードで、薄いAlN層の成長を開始する。Al種の表面移動度を増加させるために、界面活性剤、例えば、トリメチルインジウム(TMI)の形のインジウムを、加えてリアクタに流し込むことができる[5]。c.次いで、任意でトリメチルガリウム(TMG)をリアクタに流し込んで、組成傾斜または段階状Al
xGa
1−xN層の成長を開始し、その組成は、AlNからGaNへ組成傾斜されるか、または段階状になる。TMIの注入を続けて、層のステップフロー成長モードまたは層ごとの成長モードを確実にすることができる。
d.次いで、NH
3およびトリメチルガリウムをリアクタに流し込み、主要GaNの成長を開始する。
【0030】
現在、使用されている成長方法は、MOCVDである。しかしながら、本発明は、MBE、HVPE、CBE等の他の成長方法に対して、非常に有用となり得る。
【0031】
部分(c)に記載の工程は、非常に概して、GaN成長に該当するが、しかしながら、適切な前駆物質を組み合わせることによって、他のV族原子(Al,Ga,In)(N,P,As)も伴って、InN(TMIの使用を伴う)、AlN(TMAの使用を伴う)、またはそれらの合金のうちのいずれかを作製するために、本発明を容易に利用することができる。トリエチルガリウム、III族源に対するトリエチルアルミニウム、およびN源に対するジメチルヒドラジン等の他の前駆物質を使用することができる。SiC、Si、スピネル等の任意の適切な基板を使用することができる。窒化物形成温度および時間は、基板に応じて、変えるか、または完全に排除することができる。他の成長開始手順を適用することができる。例えば、成長は、AlGaN層等の堆積とともに開始することができるか、またはいずれの成長開始ステップも全く必要とされない場合がある。部分(b)が薄いAlN層の堆積を指定する一方で、AlN層の任意の厚さを使用してもよく、AlN以外の窒化物材料を使用してもよいことに留意されたい。基板のアニーリングステップは、排除することができる。組成傾斜または段階状AlGaN層は、ステップフロー成長モードまたは層ごとの成長モードで成長される場合、排除して、任意の組成の任意の(Al,Ga,In)N層に代替することができる。基板は、<1−100>または<11−20>方向に向かうだけでなく、任意の方向にも誤配向することができる。単組成層の代わりに、全ての個別成長ステップに対して層/結晶の組成を修正することができる。各個別層の成長はまた、おそらくひずみまたは転位管理のために、他の材料、例えば、窒化ケイ素または酸化ケイ素から成る層の堆積に対して中断されてもよい。
【0032】
図2Aは、本発明による工程図を図示する。
ブロック200は、MOCVDチャンバに誤配向の化学機械的に研磨されたC極SiC基板を入れるステップを表す。
ブロック202は、誤配向SiC基板をアニーリングするステップを表す。
ブロック204は、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、アニーリングした誤配向基板上に薄いAlN層を堆積させるステップを表す。
ブロック206は、Al組成が、ステップフローまたは層ごとの成長モードでAlNからGaNへ組成傾斜されるか、または段階状になる層を、AlN上に堆積させるように、MOCVDチャンバに付加的なGa前駆物質を導入するオプションのステップを表す。
ブロック208は、組成傾斜層上で主要III族窒化物層を成長させるステップを表す。
【0033】
(Si上の成長)
Si(111)上の成長に対して、本発明は、下記によって実現される。
【0034】
MOCVDリアクタに誤配向の研磨された(例えば、化学機械的に研磨された)Si(111)基板を入れ、H
2環境下にて約1090℃の表面温度でアニーリングする。
【0035】
次いで、約980℃の表面温度で数秒間、NH
3およびH
2中で基板を窒素化させ、成長のN面極性を設定するサファイア上の薄い窒化ケイ素表面層の形成につながる。
【0036】
次いで、NH
3およびトリメチルアルミニウム(TMA)をリアクタに流し込み、ステップフロー成長モードまたは層ごとの成長モードで、薄いAlN層の成長を開始する。Al種の表面移動度を増加させるために、界面活性剤、例えば、トリメチルインジウム(TMI)の形のインジウムを、加えてリアクタに流し込むことができる[5]。
【0037】
次いで、任意でトリメチルガリウム(TMG)をリアクタに流し込んで、組成傾斜または段階状Al
xGa
1−xN層の成長を開始し、その組成は、AlNからGaNへ組成傾斜されるか、または段階状になる。TMIの注入は、続けることができる(オプションのステップ)。
次いで、NH
3およびトリメチルガリウムをリアクタに流し込み、主要GaNの成長を開始する。
【0038】
現在、使用されている成長方法は、MOCVDである。しかしながら、本発明は、MBE、HVPE、CBE等の他の成長方法に対して、かなり有用となり得る。
【0039】
記載の工程は、非常に概して、GaN成長に該当するが、しかしながら、適切な前駆物質を組み合わせることによって、他のV族原子(Al,Ga,In)(N,P,As)も伴って、InN(TMGの代わりにTMIの使用を伴う)、AlN(TMGの代わりにTMAの使用を伴う)、またはそれらの合金のうちのいずれかを作製するために、本発明を容易に利用することができる。トリエチルガリウム、III族源に対するトリエチルアルミニウム、およびN源に対するジメチルヒドラジン等の他の前駆物質を使用することができる。SiC、Si、スピネル等の任意の適切な基板を使用することができる。窒化物形成温度および時間は、変えることができる。他の成長開始手順を適用することができる。例えば、成長は、AlGaN層等の堆積とともに開始することができるか、またはいずれの成長開始ステップも全く必要とされない場合がある。部分(b)が薄いAlN層の堆積を指定する一方で、AlN層の任意の厚さを使用してもよく、AlN以外の窒化物材料を使用してもよいことに留意されたい。基板のアニーリングステップは、排除することができる。組成傾斜または段階状AlGaN層は、ステップフロー成長モードまたは層ごとの成長モードで成長される場合、排除して、任意の組成の任意の(Al,Ga,In)N層に代替することができる。基板は、Si<−110>またはSi<11−2>方向に向かうだけでなく、任意の方向にも誤配向することができる。Si(111)の代わりに、誤配向Si(001)を基板として使用することができる。単組成層の代わりに、全ての個別成長ステップに対して層/結晶の組成を修正することができる。各個別層の成長はまた、おそらくひずみまたは転位管理のために、他の材料、例えば、窒化ケイ素または酸化ケイ素から成る層の堆積に対して中断されてもよい。
【0040】
図2Bは、本発明による工程図を図示する。
ブロック210は、MOCVDチャンバに誤配向の化学機械的に研磨された(111)Si基板を入れるステップを表す。
ブロック212は、誤配向のSi基板をアニーリングするステップを表す。
ブロック214は、誤配向Si基板を窒素化するステップを表す。
ブロック216は、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、窒素化された誤配向基板上に薄いAlN層を堆積させるステップを表す。
ブロック218は、Al組成が、ステップフローまたは層ごとの成長モードでAlNからGaNへ組成傾斜されるか、または段階状になる層を、AlN上に堆積させるように、MOCVDチャンバに付加的なGa前駆物質を導入するオプションのステップを表す。
ブロック220は、組成傾斜層上で主要III族窒化物層を成長させるステップを表す。
【0041】
(半絶縁性III族窒化物層の成長)
半絶縁性III族窒化物を用いた層の成長に対して、
図3および4の工程図にみられるように、層の成長または層成長の一部中に、おそらく前駆物質ビス−シクロペンタジエニル鉄(Cp)
2Feを使用する、受容体性質を伴うドーパント、例えば、鉄が追加される。
【0042】
本発明を使用して成長させられるIII族窒化物ヘテロ構造から製造されるトランジスタ等の、側方伝導を利用するデバイスは、側方キャリア伝導がIII族窒化物結晶の表面段差/起伏と平行して発生するような方法で整合されるものである。例えば、<11−20>の誤配向方向を伴うサファイア上、または<1−100>の誤配向方向を伴うC極SiC基板上に堆積される層構造に対して、両方がGaN結晶の<11−20>方向と平行なIII族窒化物表面段差/起伏につながり、トランジスタのソースおよびドレイン接触は、トランジスタチャネルがGaN結晶の<11−20>方向と平行して整合されるような方法で整合される必要がある。
【0043】
図3は、サファイア上の半絶縁性GaNの成長に対する、本発明による工程図を図示する。
ブロック300は、MOCVDチャンバに誤配向サファイア基板を入れるステップを表す。
ブロック302は、誤配向サファイア基板をアニーリングするステップを表す。
ブロック304は、薄い(AlN表面層)を形成して次のIII族窒化物層に対するN極性を設定するように、アニーリングした誤配向サファイア基板を窒素化するステップを表す。
ブロック306は、層全体または核形成層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、AlN表面層上にIII族窒化物核形成層を堆積させるステップを表す。
ブロック308は、層全体または層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、AlN表面層上で主要III族窒化物層(N面を有する第2のIII族窒化物層)を成長させるステップを表す。
【0044】
図4Aは、SiC基板上の半絶縁性GaNの成長に対する、本発明による工程図を図示する。
ブロック400は、MOCVDチャンバに誤配向の化学機械的に研磨されたC極SiC基板を入れるステップを表す。
ブロック402は、誤配向SiC基板をアニーリングするステップを表す。
ブロック404は、層全体または層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、アニーリングした基板上に薄いAlN層を堆積させるステップを表す。
ブロック406は、層全体または層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、Al組成がAlNからGaNへ組成傾斜されるか、または段階状になる層を、AlN上に堆積させるように、MOCVDチャンバに付加的なGa前駆物質を導入するオプションのステップを表す。
ブロック408は、層全体または層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、組成傾斜層上で主要III族窒化物層(N面を有するIII族窒化物層)を成長させるステップを表す。
【0045】
図4Bは、Si(111)基板上の成長に対する、本発明による工程図を図示する。
ブロック410は、MOCVDチャンバに誤配向の化学機械的に研磨されたSi基板を入れるステップを表す。
ブロック412は、誤配向Si基板をアニーリングするステップを表す。
ブロック414は、誤配向Si基板を窒素化するステップを表す。
ブロック416は、層全体または層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、アニーリングした基板上に薄いAlN層を堆積させるステップを表す。
ブロック418は、層全体または層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、ステップフローまたは層ごとの成長モードで、Al組成がAlNからGaNへ組成傾斜されるか、または段階状になる層を、AlN上に堆積させるように、MOCVDチャンバに付加的なGa前駆物質を導入するオプションのステップを表す。
ブロック420は、層全体または層の一部のいずれかが鉄でドーピングされる、組成傾斜層上で主要III族窒化物層(N面を有する第1のF III族窒化物層)を成長させるステップを表す。
【0046】
本発明が、例えば、
図3から4で、主要III族窒化物層の成長を記載する一方で、N面を有する任意の窒化物層、例えば、本明細書の全体を通して論じられるような、N面を有するIII族V層またはIII族窒化物層が成長させられてもよい。
【0047】
Feドーパントは、受容体性質を伴う他のドーパント、例えば、Mg、Zn、またはCに代替することができる。
【0048】
本発明による、ヘテロエピタキシャル成長されるN極III族窒化物膜は、特定のデバイス応用に従って、次のIII族窒化物層順序に対する基層としての機能を果たす。
【0049】
図5(a)は、窒素化されたサファイア基板上でMOCVDによって成長させられたN面GaN膜の光学顕微鏡像を示す。
図5(b)は、窒素化されたサファイア基板上でMOCVDによって成長させられたN面GaNの原子間力顕微鏡(AFM)像を示し、二乗平均平方根(RMS)粗度は、0.9nmである。
【0050】
図6は、異なる造影条件下での、本発明を使用して成長させられたN面GaN膜の透過電子顕微鏡写真を示す。推定貫通転位密度は、最大で約10
9cm
−2である。
【0051】
図7(a)は、RMS粗度が0.85nmであり、InGaN成長温度で平滑な表面を示す、本発明を使用して成長させられたInGaN/GaN多重量子井戸(MQW)のAFM像を示す。
図7(b)は、本発明による、MOCVDによって成長させられた、5×(厚さ3nmのIn
0.1Ga
0.9N/厚さ8nmのGaN)を備えるMQWからの300ケルビンフォトルミネセンス(PL)を示す。
【0052】
図8は、Ga面XRD結果に匹敵する、5×(厚さ4nmのIn
0.12Ga
0.88N/厚さ10nmのGaN)を備えるN面窒化物MQWのX線回折(XRD)を示す。
【0053】
(p型N極III族窒化物の成長)
Ga極III族窒化物と同様に、前駆物質としてビス−シクロペンタジエニルマグネシウムまたはその誘導体のうちの1つを使用して、p型ドーピングを実行することができる。しかしながら、N極窒化物膜では、結晶品質および表面形態の劣化なしで、より高いMgドーピングレベルを実現することができる。また、より急なMgドーピングプロファイルを実現し、p−n型接合デバイスの優れた利点を実現することができる。
【0054】
(表面の安定化)
任意のN極III族窒化物膜の表面を安定させるために、おそらく原位置で、薄い絶縁層、例えば、窒化ケイ素または酸化ケイ素を窒化物膜の上部に堆積させることができる。表面はまた、例えば前駆物質ビス−シクロペンタジエニルマグネシウムを使用する、Mgによるドーピングを通して製造することができる、薄いp型N極窒化物膜の堆積を通して、安定化することもできる。
【0055】
(高分画のN原子から成る平面を伴うIII族窒化物の成長)
誤配向基板の使用は、(000−1)表面以外の、高分画のN原子から成る表面を伴うIII族窒化物膜、例えば、半極性N面膜の成長にとっても有益である。
【0056】
(MOCVDによって成長させられるヘテロエピタキシャルN面およびGa面GaN中の不純物混入)
III族窒化物において、結晶成長配向は、材料の化学および物理的特性に大きな影響を及ぼす。これらの特性の中で、Ga面(0001)GaNについて研究されているが、N面(000−1)GaNに対しては幅広く調査されていない、不純物混入がある。おそらく、2つの極性間の理解の相違は、MOCVDによって成長させられた時のN面GaNの歴史的に粗雑な六方晶表面形態に起因する。しかしながら、本発明は、微斜面のサファイア基板の使用を通して、MOCVDによって平滑なN面GaNをヘテロエピタキシャル成長させることができると示している。そのようなものとして、本発明で示されるような、誤配向基板上の表面粗度および貫通転位は、Ga面GaN膜に匹敵する。
【0057】
本発明はまた、異なるサファイアオフカット上のMOCVDで成長したN面GaNと、二次イオン質量分析(SIMS)を使用したGa面GaNとの間の不純物混入の相違も研究している。温度、圧力、V/III比、およびGaフローの変化の関数として、意図的ではない不純物である酸素、炭素、および水素、ならびに意図的な不純物であるシリコンおよびマグネシウムを研究した。
【0058】
まず、厚さ約1μmのGa面およびN面GaNテンプレートを、異なる成長開始条件の必要性により、別々に成長させた。N面については、サファイア[10−10]方向に向かって2°、4°、5°、ならびにサファイア[11−20]方向に向かって4°および5°のオフカット上でテンプレートを成長させた。次いで、Ga面テンプレートの一部分およびN面テンプレートのそれぞれをMOCVDリアクタに同時搭載し、そこで、オフカットおよび極性のそれぞれの間の直接比較を可能にした、「SIMSスタック」を再成長させた。第1のSIMSスタックがGaフローおよび圧力の変動を調査した一方で、第2のスタックは、温度およびV/III比の変動を含有した。
【0059】
図9に示される、温度の関数としての酸素混入のSIMS結果は、N面オフカットの全ての上の酸素混入が、Ga面よりも大幅に高かったことを示した。しかしながら、
図10に示される、温度の関数としての炭素混入は、N面オフカットの全てと比較すると、Ga面上で大幅に高かった。N/Ga面表面上の原子結合の差異に基づくモデルを他の場所で提示する。加えて、酸素および炭素混入に対する成長条件の変化の影響を他の場所で論じる。水素混入は、両方の極性の間で同程度であった。本発明は、MgおよびSi混入も全てのサンプルで同程度であったことを見出した。
【0060】
しかしながら、本発明は、
図11に示されるように、N面サンプルとGa面サンプルとの間のMg混入プロファイルの有意な差異を見出した。これらの結果は、GaおよびN面GaN膜の不純物混入の直接比較を提示し、平滑なN面上の不純物混入は、デバイス応用で使用するための成長条件を通して制御できることを示す。P型(例えば、Mg)ドーピングN面窒化物膜は、Ga面窒化物膜をp型ドーピングする時に生じる、あまりはっきりしていないp型ドーピングプロファイル1102と比べて、
図11(a)のプロファイル1100によって証明されるような、急激なp型ドーピングプロファイルの生成につながる。したがって、本発明は、N面を伴うIII族窒化物膜を成長させ、ドーピングするステップヲ含む、急激なp型ドーピングプロファイルを伴うIII族窒化物膜を作製するための方法を提供する。
【0061】
(利点および改良点)
現在、GaNを用いたデバイスの大規模製造のための最も一般的に使用されている成長方法である、MOCVDによって成長させられる、ほとんどのN極GaN膜は、材料をデバイス応用に対して容認不可能にする、大型(μmサイズの)六方晶特徴によって特徴付けられる。本発明は、N面デバイスの開発を可能にする、平滑な高品質膜の成長を可能にする。
【0062】
HEMTに対して、従来のGa面で実現可能ではなかったデバイス構造が、平滑なN面成長により利用可能となるであろう。
【0063】
III族窒化物を用いた発光体に対する主な課題の1つは、高品質InGaNの成長である。N面は、より良好な品質の材料、ならびに実現可能なより高いインジウム含有量の膜の作製を提供する、従来のGa面よりも高温でのInGaNの成長を可能にする[6]。
【0064】
発光体の成長に対する別の課題は、p型ドーピングである。従来のGa面材料において、過剰に高いp型ドーピング(Mg)は、表面をN面に局所的に反転させ、質の悪い膜を生じる。今では成長がN面上で行われるため、はるかに良好なデバイス性能につながる、p型ドーピングのより高いレベルで膜品質を維持することができる。また、より急なMgドーピングプロファイルを実現することができ、デバイス性能をさらに向上させる。
【0065】
III族窒化物を用いた発光体には、強い分極誘導性電場という問題がある。N面材料は、従来のGa面とは反対方向の電場を提供し、それは例えば、発光デバイスの増加した効率をもたらす、より低い動作電圧および向上したキャリア注入を可能にするはずである。
【0066】
N面のエッチング特性は、Ga面とは明らかに異なり、それは、表面粗度化およびメガコーン等のLEDにおけるより良好な光抽出スキーム、ならびにLDに対するエッチングされた小面を作製する際に有用となる。
【0067】
Ga上に存在するMg記憶効果は、N面上で有意ではなく、それは、デバイス構造で使用するためのGa面上で得られない、急激なp型ドーピングプロファイルの生成を可能にする。
【0068】
誤配向基板上で成長させられるN極デバイスは、誤配向方向に対するデバイスチャネルの適切な整合を通した、誤配向方向に関する特定の方向で、強化した電荷(例えば、電子および/またはホール)輸送特性を利用する。そのため、例えば、限定としてではなく、所与のデバイスに対する所望の電荷輸送を生成するために、チャネルの配向および強化した電荷輸送特性の両方が使用されるように、トランジスタのチャネルまたは任意のデバイスの電荷輸送を生成することができる。一部のデバイスは、より速い電荷輸送を所望してもよく、そのようなものとして、チャネルは、そのようなデバイスの電荷輸送を増加させるように、N面(Al,Ga,In)N層の誤配向方向と垂直に整合される。他のデバイスは、電荷輸送の抵抗または他の減速を必要としてもよく、チャネルは、平行に整合することができるか、または誤配向基板上に成長させられる誤配向N面膜の強化した電荷輸送と平行する以外の何らかの他の整合となり得る。こうして、デバイスを設計する時に、以前はデバイス設計者に利用可能ではなかった、そのような設計特性を考慮することができる。
【0069】
図12a−12fは、本発明による、サファイア基板上に成長させられた厚さ0.8ミクロンのGaN膜の光学顕微鏡写真を図示する。
図12aは、a平面に向かって0.5度の誤配向での成長を示し、
図12bは、m平面に向かって0.5度の誤配向での成長を示す。
図12cは、a平面に向かって1度の誤配向での成長を示し、
図12dは、m平面に向かって1度の誤配向での成長を示す。
図12eは、a平面に向かって2度の誤配向での成長を示し、
図12fは、m平面に向かって2度の誤配向での成長を示す。
図12aおよび12bの挿入部分は、主要図の部分から3倍に拡大されている。
【0070】
(参考文献)
以下の参考文献は、本明細書において参照により援用される。
【0071】
[1]Homo−epitaxial GaN growth on exact and misoriented single crystals:suppression of hillock formation:A.R.A.Zauner,J.L.Weyher,M.Plomp,V.Kirilyuk,I.Grzegory,W.J.P.van Enckevort,J.J.Schermer,P.R.HagemanおよびP.K.Larsen、J.Cryst.Growth 210(2000)435−443.
[2]Homo−epitaxial GaN growth on the N−face of GaN single crystals:the influence
of the misorientation on the surface morphology:A.R.A.Zauner,A.Aret,W.J.P.van Enckevort,J.L.Weyher,S.Porowski,J.J.Schermer,J.Cryst.Growth 240(2002)14−21.
[3]A.P.Grzegorczykほか、Influence of sapphire annealing in trimethylgallium atmosphere on GaN epitaxy by MOCVD:J.Cryst.Growth 283(2005)72−80.
[4]N−polarity GaN on sapphire substrates grown by MOCVD:T.Matsuoka,Y.Kobayashi,H.Takahata,T.Mitate,S Mizuno,A.Sasaki,M.Yoshimoto,T.OhnishiおよびM.Sumiya,Phys.Stat.Sol.(b) 243(2006)1446−1450.
[5]Indium−surfactant−assisted growth of
high−mobility AlN/GaN multilayer structures by MOCVD,S.Keller,S.Heikman,I.Ben−Yaakov,L.Shen,S.P.DenBaarsおよびU.K.Mishra,Appl.Phys.Lett.79(2001)3449.
[6]The effect of substrate polarity on the growth of InN by RF−MBE:Naoiほか,J.Cryst.Growth 269(2004)155−161.
[7]Nitridation of sapphire. Effect on the optical properties of GaN epitaxial overlayers:N.Grandjean,J.MassiesおよびM.Leroux, Appl.Phys.Lett.69(1996)2071.
[8] Energetics of AlN thin films on the
Al
2O
3(0001) surface:R.Di FeliceおよびJ.Northrup, Appl.Phys.Lett. 73(1998)936.
(結論)
これは、本発明の好適な実施形態の説明を結論付ける。本発明の1つ以上の実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的で提示されている。これは、包括的となること、または本発明を開示される正確な形態に限定することを目的としない。上記の教示を踏まえて、多くの修正および変化が可能である。本発明の範囲は、本発明を実施するための形態によってではなく、むしろ本明細書に添付の請求項および本明細書に添付の請求項の同等物の全範囲によって限定されることが意図される。